JP3549554B2 - 手術用カニューレのアダプタシール - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は腹腔鏡検査手術に有用な機具、具体的には腹腔鏡検査手術で使用するカニューレ(套管)の改良アダプタシール、所謂「附属品気密封止子」に関する。
【0002】
【従来の技術】
現代医術の傾向は、出来得れば侵襲性手法を採らずに人体を治療する方向にあるが、それは侵襲性手法が患者に外傷を負すからであり、また皮膚を傷付けたときに患者へ或いは患者から他人への感染の危険が実質的に増大するからである。手術をせざるを得ないとき、多くの場合は出来るだけ「低侵襲性手法」を用いることが望まれる。
【0003】
「低侵襲性手法」の1タイプは腹腔鏡検査手術(laparoscopic surgery)であり、この手術では特別設計の手術器具を用いたカニューレ(套管、cannula)が患者の体に入れた小さな切口(例えば腹部壁を通じて)を通して人体内部を見通しながら手術する行為を容易にする。
この手法では、カニューレに取付けた套管針(trocar)が腹膜内へのカニューレ導入を助けることになり、その際腹膜はその内部での作業域を増大させるために二酸化炭素ガスで膨張させられる。この手法を行う際にこのガスの逃散を防ぐことは、手術器具を操作するための空間を確保するに充分な腹膜膨張の維持のために望ましい。従って、カニューレと、この中で使用する套管針とその他の手術器具との間に気密封止(シール)を施こすことが望まれる。
【0004】
套管針製造会社から入手可能な個別のアダプタシールは、相対的に大きな器具用として設計されたカニューレの中で相対的に小さな器具を外科医が使用することを許容する。代表的には、この種のアダプタシールは看護婦から外科医に手渡され、それから外科医の手でカニューレの所定位置にスナップ止めされる。上記相対的に小さい器具を用いた手術の後に、外科医が相対的に大きな器具の使用を望むときは、外科医はそれまでのアダプタシールをカニューレから取り外し、看護婦に戻す。同じ手法手術中に、小さい器具と大きい器具の交換が頻繁に必要となるので、それに従って繰返されるアダプタシールの取替作業は、手術チームにとって迷惑この上ない不都合なものになり得る。
【0005】
腹腔鏡検査作業現場である階段教室で用いる落ち着いた光の中では、適切なサイズの用具を同定すること、並びにカニューレを通じて導入するために正確に器具を位置決することが難しくなり得る。しかも、このような低照光条件下では、適当な備品(例えばシール)を配置したり、それに配した同定マークを見分けることが容易でなくなる。現在のアダプタシールは器具を套管針に挿入しつゝある外科医に小さなターゲットを提供するに過ぎないので、これが手術中にフラストレーションを招く可能性がある。
【0006】
米国特許第5,104,383(Shichman)は套管針アダプタシールとその用法を開示している。このアダプタシールは腹腔鏡検査カニューレの最寄り端に取付けられるもので、これはエラストマー性シールとABSポリマー等の弾性プラスチック材で製作された実質的に平坦な安定板(スタビライザプレート)を含んで成る。この手の一般的なアダプタシールはコネチカット、ニューウオークのユナイテッド ステーツ サージカル コーポレーション社から入手可能である。
【0007】
カルフォルニア、サンカルロスのオリジン メドシステムズ インコーポレイテッド社はカニューレの最寄り開口のサイズを変更するための組込み変換子を有する斯ゝるカニューレを販売している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
課題は、腹腔鏡検査カニューレに対し、このカニューレと小さな手術器具(例えば套管針)との間をこの器具がカニューレを通じて使用される際に気密にしておくための附属品としての気密封止子、即ちアダプタシールに関し、上述の諸問題を解消するように改良することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の改良アダプタシールにおいては、このシールはカニューレの近位端(最寄り端)に着脱可能に取付けられるエラストマー性材料のシール本体部を含んで成り、この本体部には套管針等の小さな手術用器具が開口を通じて移動可能な状態においてこの器具を気密係合状に支持する斯ゝる開口を有している。このシールは更にシール本体部に取付けられ、本体部開口に向けて器具を案内するようにした挿入ガイドを含んで成る。この挿入ガイドはシール本体部に較べ相対的に剛性が高く、そのガイド壁は本体部開口に向けて器具を案内する概して円錐形の通路を形成している。
【0010】
好ましくは、このアダプタシールは更にこのシールをカニューレに付設確保するための、本体部から延長した係留帯部を含んで成る。この係留帯部の先端にはループが形成されている。この係留帯部は、カニューレに付設確保されてはいるが、未だ、カニューレの軸孔からは離れている第1の位置と、本体部がカニューレの近位端(軸孔の近傍)に隣接状に挿置されている第2の位置の両位置間でシール本体部が移動するのを許容する。第2位置では、本体部開口はカニューレの軸孔と実質的に1線に配位しており、カニューレ軸孔の近位端は本体部開口を流通する以外は本体部によりシール(気密封止)される。最も好ましくは、本体部に対し、その反対側に配位する係留帯部の端部はカニューレに係合して、これにアダプタシールを付設確保するようにしたループを有している。
【0011】
この係留帯部は、大きな手術器具を使用するときに、アダプタシールが小さな手術器具をその後に使用するに至る前にカニューレに即再連結出来る体勢に維持しながら、当該大手術器具の使用のためにアダプタシール本体部をカニューレから取り外す、斯ゝる事態を容易にする。更に、この係留帯部は、アダプタシールがカニューレ軸孔から離脱したときにこのシールを有菌状態にする危険を減じる。
【0012】
更に好ましくは、アダプタシールはカニューレ軸心の近位端に概して隣接した環形リムを有する形式の腹腔鏡検査カニューレにおいて使用するようにする。このアダプタシールはその本体部に概して環形のリムをそれの中に溝が形成された形態で配設することにより、カニューレの環形リムと密着係合してカニューレに本体部をその第2位置において取付けるように、即ちスナップ止めすることが出来る。
【0013】
最も好ましくは、タブを本体部の環形リムに配設する。このタブは人為的に、即ち指で握持、即ちつまむことにより本体部をその第2位置から移動させる操作を容易にするようにしたものである。
【0014】
挿入ガイドは、好ましくは本体部よりも実質的に硬い材質にして、本体部外面に沿って配位させ、本体部を非常に鋭いものであり得る手術器具(例えば套管針)から保護する。例えば、ループ、係留帯(テーサ)、本体部、環形リム及びタブは、エラストマー性材料(可撓弾性材)で一体的にモールド成形し、挿入ガイドは実質的に剛性のある熱可塑性或いは熱硬化性の材料でモールド成形することが出来る。最も好ましくは、挿入ガイドは手術器具を開口の方へ案内するのに役立つように本体部より摩擦抵抗が小さくなるものがよい。
【0015】
本発明のもう1つの好ましい局面によれば、挿入ガイドは着色されて、本体部に配設された開口のサイズの表示を提供する。異なるサイズの開口を夫々有する複数のアダプタシールを、各種サイズの開口が異なるカラー(色)によって表示された態様で以って1本のカニューレにおいて使用するように提供してもよい。最も好ましくは、挿入ガイドを非常に低照光条件下であっても認識出来るよう可視コントラスを高めるために、明色に着色するのがよい。
【0016】
その他の本発明の特徴は、以後の記述の中で指摘される。
【0017】
【作用】
カニューレに取付けたアダプタシールに対し、外科医が小器具をその開口に挿入させるに当り、アダプタシールの挿入ガイドはその円錐形のガイド壁により器具を開口へ必然的に指向するように案内する。従って、外科医にとっては、神経を要さずにいとも簡単に小さな手術器具の取扱い使用が可能になる。アダプタシールの本体部はカニューレとの密着係合を要求され且つ器具との気密係合を要求される開口を有しているが故に、可撓性と弾性を備えた、所謂剛性に乏しいエラストマー性材料製であることが必要になるが、この本体部それ自体で挿入ガイドを提供せずに別異の部品として剛性のある挿入ガイドを設けたことにより、アダプタシールは耐久性あるガイド機能をガイド壁によって発揮させることが出来る。
【0018】
【実施例】
次に本発明を対応する参照符号が対応する部品を示している添付の図面を参照して更に記述する。
図において、本発明のアダプタシールを参照番号10で全体的に指定する。このアダプタシール10は腹腔鏡検査式手術で使用するタイプのカニューレ14の軸孔12の中における小器具(図示省略)の使用を容易ならしめるものである。腹腔鏡検査式手術とは、体内キヤビテイすなわち体腔(例えば腹膜)をガス(代表的には二酸化炭素)で膨張させてこの体内キヤビテイの中の器官や組織の低侵襲性手術操作を容易にした手術である。代表的には、単独のカニューレ(図示省略)が患者の体内キヤビテイのガス吹込みに使用されるが、前記カニューレ14に止コック(図示省略)等の適当な手段を体内キヤビテイへのガス吹込みのために配設することも出来る。体内キヤビテイの膨張に使用する単独カニューレの1タイプは、本出願人に譲渡された、トーマス T、バンクとウイリアム A.ミッテルスタッドにより1991年12月13日に出願された米国特許出願第07/808,152号に記述されている。
【0019】
カニューレ14は手術部位の外側にあるようにした最寄り端16(近位端又は後端)と、体内キヤビテイに挿入されてその中での手術器具の使用を容易ならしめるようにした末梢端(遠位端又は前端)17を有している。中央軸孔12はカニューレ14の両端16,17間に延在している。
【0020】
套管針とその他の小手術器具は、カニューレ14の最寄り端16から軸孔12を通じて挿入され、体内キヤビテイ内(図示省略)に挿入される。カニューレ14で使用可能な一般的タイプの套管針は米国特許第5,152,754号(Plyley et al)に記述されている。このタイプとその他のタイプの套管針は、その鋭い尖点端から分岐した複数の鋭い端縁群を有している。
【0021】
一般に、アダプタシール10は、可撓弾性材(エラストマー性材)の本体部18と、これに取付けられた挿入ガイド20とを含んで成る。本体部18はカニューレ14の最寄り端16に取付けるようにしたものである。本体部18は円形開口22を内部に有し、この開口が小器具(図示省略)のシヤフトを気密係合支持した状態で開口22を通じた器具移動を許容するようにされている。挿入ガイド20は本体部18に較べて相対的に剛性を有するが、これは開口22の方へ小器具を案内するようになっている。挿入ガイド20は本体部18の開口に向けて小器具群を案内する概して円錐形の通路(これも24で示す)を形成した壁24を有している。この壁面24は好ましくは、概して滑らかになっている。
例えば挿入ガイド20それ自体の材料の表面特性により、或いはシリコンオイル等の潤滑剤を適用することにより、概して滑らかにする(即ち低摩擦抵抗を有する)。
【0022】
好ましくは、本体部18を、これがカニューレ14に確実に付設されているが、軸孔12からは離れた状態にある第1位置(図1)からこれ(本体部18)がカニューレ14の最寄り端16に隣接取付けされた状態にある第2位置(図2)まで移動可能にした、アダプタシール10をカニューレ14に付設するための適宜の手段26を配設する。第2位置では、本体部18の開口22はカニューレ14の軸孔12と実質的に1線上に配位し、カニューレ14の軸孔12の最寄り端16が本体部18によって気密に封止られる、即ちシールされる(本体部18の開口22の流通を除き)。
【0023】
便利な態様としては、アダプタシール10をカニューレ14に付設する手段26は、シール本体部18から外延して、本体部に対し反対側に配位した先端にループ30を有する係留帯部28を含んで成る。このループ30はアダプタシール10をカニューレ14に付設確保するようにカニューレに係合し(カニューレの環形リム32に隣接した位置で)、この係合している間にはシール本体部18がその第1位置と第2位置の間で移動するのを許容している。ループ30の内径は、カニューレ14の最寄り端16にループ30を確実に保留するために、カニューレ14の環形リム32の外径より小さくなっている。
【0024】
係留帯部28とループ30は、小手術器具を使用する前に、アダプタシール10の本体部18がカニューレ14に連結或いは再連結出来るように、アダプタシール10を直ちに利用可能な即応状態に置く。また、係留帯部28とループ30は、アダプタシール10がカニューレ14の軸孔12から離脱したときにアダプタシール10が有菌状態になる危険を減じる。ループ30の可撓弾性材料は、アダプタシール10を所望時にカニューレ14から離脱させる得るだけループ30を充分伸延することが出来るものである。
【0025】
本体部18は、チアネルすなわち溝35を規定した概して環形のリム34を含み、このリム34がカニューレ14の環形リム32に圧接係合して(スナップ止めされ)、本体部18をカニューレ14上の第2位置(図2)に取付ける。カニューレ14の環形リム32は、最も好ましくは、アダプタシール10のループ30と環形リム34の合計肉厚に略等しい幅を有する環形溝36を規定している。この構成では、アダプタシール10のループ30と環形リム34が共にカニューレ14にそのリム32によって保持されるだけのサイズになっている。
【0026】
好ましくは、タブ(つまみ)38を本体部18の環形リムに配設する。このタブ38は本体部18をその第2位置(図2)から容易に離脱させるために、人為的に握持出来るようになっている。
【0027】
最も好ましくは、ループ30、係留帯部28、本体部18、環形リム34及びタブ38はエラストマー性材料で一体成形される。適当と確信されるこの材料は、シヨアAスケールで略55のジロメータ硬度を有し、中等級シリコンラバである。
【0028】
挿入ガイド20は、好ましくは、本体部18より低い摩擦係数を有し、本体部より実質的に硬いものにする。例えば、挿入ガイド20はロックウエルRスケールで約100−120の硬度を有し得る。この挿入ガイド20は、腹腔鏡検査用器具の鋭い尖端がアダプタシール10の開口22の方へ滑動して、この尖端がエラストマー性本体部18に引掛かった場合に生じる引掻き裂きの危険のような事態を回避するように設計される。
【0029】
挿入ガイド20は、ナイロン、アセタール樹脂、ポリフェニレンオキサイド、及び/或いはアクリロニトリル−ブチレン−スチレン(ABS)樹脂等の実質的に剛性の熱可塑性或いは熱硬化性材料でモールド成形される。適当なアセタール樹脂は、デルウエア、ウイルミントンのE.I.デュポン ド ネモアース アンド カンパニから商標「デルリン」(DELRIN)の名で入手可能であり、適当なポリフェニレンオキサイドはマサチューセッツ、フイッツフィールドから商標「ノーリル」(NORYL)の名で入手可能である。
【0030】
挿入ガイド20の円錐形通路24はアダプタシール10の軸方向を規定し、本体部18の開口22は本体部のリム34に対し軸内方向に配位している。この構成は、図2に示すように、エラストマー性本体部18がカニューレ14の軸孔12の円錐部分40の面に対し円錐挿入ガイド20によって両者間に挾さまれているようにしたものが好ましい。
【0031】
挿入ガイド20は円錐形通路24において、真円錐形部分から軸内方へ延長したそれより相対的に短い円筒部分42を具備している。例えば、この円筒部42は真円錐部分の長さより略半分の軸方向長を有し得る。こゝに云う「円錐」の形状は円錐台の形状を含むように意図されており、図の例は円錐台形の事例である。円筒部分42の内径は対応するサイズの小器具が円筒部分42にきっちりと受容されるような寸法である。
【0032】
挿入ガイド20は、アダプタシール10の使用時にカニューレ14に対面しない本体部18の側に取付けられており、このガイドの円錐形通路を規定した壁24がアダプタシール10の使用時にカニューレ14の軸孔12へ向う方向に進むに従って内方へ収斂している。この構成は、挿入ガイド20の相対的に軟質な材料が、套管針とその他の手術用器具を開口22に案内する際にこれら器具の(多くの場合)鋭い端縁(エッジ)から保護されるようにしたものである。
【0033】
挿入ガイド20は、好ましくは本体部18に設けた開口22のサイズの表示を与えるために着色される。例えば、アダプタシール10は、複数の標準サイズの各サイズが低照光条件下でも容易に同定可能な異なる色の挿入ガイド20によって表示されている斯ゝる標準サイズ群で以って提供することが出来る。最も好ましくは、挿入ガイド20は、これを非常に低い照光条件下でさえ認識出来るように、一層の可視コントラストをなす明色(ブライトカラー)に着色する。
【0034】
操作
従来の事例のように、カニューレ14の末梢端17を患者の体内キヤビテイ(図示省略)に導入するに当り、先ず相対的に大きな套管針(図示省略)をカニューレ14の軸孔12を通じて導入する。この套管針はカニューレ14の軸孔12を実質的に完全に占有するであろうが、カニューレ軸孔12の最寄り部分において離脱不能な永久可撓弾性シール(図示省略)によってシールするのが好ましい。カニューレ14は従来設計の第2シール(図示省略)(例えば、フラップシール)を具備して、カニューレ14の末梢端17が体内キヤビテイに導入された後において套管針を取り除くときには軸孔12を完全にシールするようにしてもよい。
【0035】
カニューレ14が体内キヤビテイ内の位置に来た後には、別の套管針、クリップアプライヤ、ステープラー、切除器具等々の一層小さな手術器具の使用が所望され得るが、カニューレ14を通じて二酸化炭素ガスの逃散を防ぐために気密シールを維持することがなお重要となる。この維持は、アダプタシール10の本体部18をカニューレ14の最寄り端16に挿置して、本体部18のリム34をカニューレリム32と密着係合させた状態にすることにより達成され得る。本発明の望ましいアダプタシール10は係留帯部28で以ってカニューレ14に隣接した都合のよい状態に保持され得るので、外科医はアダプタシールを探し求めたり、このシールを看護婦に求めたりすることなく本体部18をカニューレ14に挿置することが出来る。
【0036】
カニューレ14の環形リム32はカニューレにその最寄りの都合のよい個所に2個以上の着色コード化アダプタシール10を保持するようにすることが出来るようにも、企図されている。例えば、カニューレ14の環形溝36は2個や3個のループ30を受容出来るように充分幅広くしてもよい(図2)。
【0037】
本発明の範囲を逸脱することなく上述の構造に種々の変更を与えることが可能であるので、上記説明に含まれる、或いは添附図面に示される全ての事項は説明用として意図され、範囲を限定する意味に解釈されるものとして意図されたものではない。
【0038】
【発明の効果】
本発明のアダプタシールによれば、外科医がカニューレを用いた手術において神経をむだに使わずに手術用小器具をアダプタシールを介してカニューレ軸孔内で使用することが出来るので、外科医はそれだけ手術操作に専念することが出来るし、精神的疲労も大巾に軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアダプタシール不使用時の、腹腔鏡検査用カニューレに付設された状態を示すアダプタシールの断面図である。
【図2】使用するためにカニューレに取付けた状態のアダプタシールを示す図1に類似した断面図である。
【図3】図1−2のアダプタシールの底面図である。
【図4】図3の線4−4に実質的に沿った切断面図である。
【符号の説明】
10…アダプタシール
12…軸孔
14…カニューレ
16…最寄り端(近位端)
17…末梢端(遠位端)
18…本体部
20…挿入ガイド
22…開口
24…壁(円錐形通路)
26…シール付設手段
28…係留帯部
30…ループ
32…環形リム
34…環形リム
35…溝
36…溝
38…タブ
40…軸孔円錐部
42…円筒部分(円錐形通路の)
Claims (20)
- 腹腔鏡検査手術で使用する形式のカニューレが手術個所の外側に残留するようにした最寄り端を有し、当該最寄り端を通じて小器具が挿入されるようにしてあるカニューレの軸孔内における小器具の使用を容易にするためのアダプタシールであって:
該カニューレ最寄り端に着脱可能に取付けるようにしたエラストマー性材料製の本体部であって、開口を通じて該器具の移動を許容する間に該小器具と気密係合してこれを支持するようにした当該開口を内部に有する本体部;及び
該本体部に取付けられて該開口の方へ該小器具を案内するようにした挿入ガイドであって、該本体部に較べて相対的に剛性があり、該本体部の開口に向けて小器具を案内するための概して円錐形の通路を形成している壁を有する挿入ガイドを含んで構成された手術用カニューレのアダプタシール。 - 腹腔鏡検査手術で使用するカニューレとその内部における小器具の使用を容易にするアダプタシールとの組合せであって:
該カニューレは最寄り端と末梢端及び当該両端間に延在する中心軸孔を有し、該末梢端が患者の体内キヤビテイに挿入されてその内での手術器具の使用を容易にするようにしたものであり、該最寄り端が該体内キヤビテイの外側に残留してそれを通じて該小器具が挿入出来るようにしたものであり;そして
該アダプタシールは、エラストマー性材料製の該カニューレ最寄り端に取付けられるようにした本体部であり、開口を通じて該器具の移動を許容する間に該小器具と気密係合してそれを支持するようにした当該開口を内部に有している本体部と、当該本体部に較べて相対的に剛性があり、該本体部に取付けられて該開口に向けて該器具を案内するようにした挿入ガイドであって、該本体部開口に向けて小器具を案内するための概して円錐形の通路を形成した壁を有する挿入ガイドとを含んで成る、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。 - 請求項2において、前記アダプタシールが更に、カニューレに固定して取り付けられているがカニューレの開口からは分離されている第1位置から、前記本体部の開口がカニューレの軸孔と実質的に整合するように前記本体部がカニューレの最寄り端に隣接して取り付けられ、且つ本体部の開口を介する流れを除いてカニューレの軸孔の最寄り端が本体部によりシールされる第2位置へ、前記本体部が移動可能であるように、前記アダプタシールを前記カニューレに付設する手段を更に備える、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。
- 請求項3において、前記カニューレは更に、カニューレの軸孔の最寄り端にほぼ隣接する環形リムを有し、
前記カニューレにアダプタシールを付設する手段は、
本体部から延びる係留帯部であって、本体部とは反対側の前記係留帯部の端部が、第1位置と第2位置との間で本体部が移動することを許容しながら前記アダプタシールをカニューレに固定して取り付けるために、カニューレに係合するようになっているループを備える、係留帯部と、
前記カニューレ上の第2位置に本体部を取り付けるためにカニューレの環形リムと密封係合するためのチャネルを有する本体部のほぼ環状のリムとを備え、
前記アダプタシールは更に、本体部の環形リムに取り付けられたタブを有し、該タブが前記本体部をその第2位置から容易に外せるように手で把持できるようになっている、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。 - 請求項4において、前記挿入ガイドはエラストマー材料で一体成形された本体部、ループ、係留帯部、環形リム及びタブよりも実質的に硬く、前記挿入ガイドは実質的に剛性のある熱可塑性材料或いは熱硬化性材料で成形されている、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。
- 請求項5において、熱可塑性材料は、シリコンゴムであり、前記挿入ガイドは、ナイロン、アセタール樹脂及びポリフェニレンオキサイドから選択される材料から成る、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。
- 請求項6において、前記アダプタシールの前記ループと環形リムが、共にカニューレに、カニューレのリムによって保持されるだけのサイズになっている、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。
- 請求項4において、前記挿入ガイドの円錐形通路は、前記アダプタシールの軸方向を規定し、前記本体部の開口は前記本体部のリムに対して軸内方向に配位している、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。
- 請求項2において、前記挿入ガイドは前記本体部より低い摩擦係数を有し、前記円錐形通路は、前記アダプタシールの使用時に前記カニューレの軸孔の内側へ収束する前記挿入ガイドの壁を規定している、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。
- 請求項2において、前記挿入ガイドは、前記本体部に設けた開口のサイズの表示を与えるために着色されている、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。
- 請求項10において、更に複数のアダプタシールを有し、これらアダプタシールの各々が、その本体部内の異なるサイズの開口と、本体部に設けた開口のサイズの表示を与えるために異なる色で着色されている挿入ガイドとを備える、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。
- 腹腔鏡外科手術で使用する形式のカニューレの軸孔内での小器具の使用を容易にするためのアダプタシールであって、前記カニューレは、小器具を挿入できる手術箇所の外側に残留させるようにした最寄り端を有し、
前記アダプタシールは、
エラストマー性材料で形成され、前記カニューレの最寄り端に取り付けるようになっており、開口を介して前記小器具の移動を許容しながら、小器具を気密係合しこれを支持するようにした開口を有する、本体部と、
前記開口の方へ小器具を案内するようになっており、前記本体部に取り付けられる挿入ガイドであり、前記本体部に較べて相対的に剛性があり、本体部の開口に向けて小器具を案内するためのほぼ円錐形の通路を形成している壁を有する挿入ガイドと、
カニューレに固定して取り付けられているがカニューレの開口からは分離されている第1位置から、前記本体部の開口がカニューレの軸孔と実質的に整合するように前記本体部がカニューレの最寄り端に隣接して取り付けられ、且つ本体部の開口を介する流れを除いてカニューレの軸孔の最寄り端が本体部によりシールされる第2位置へ、前記本体部が移動可能であるように、前記アダプタシールを前記カニューレに付設する手段とを備える、手術用カニューレとアダプタシールの組合せ。 - 前記カニューレの軸孔の最寄り端にほぼ隣接する環形リムを有する形式の腹腔鏡カニューレを使用する、請求項12記載のアダプタシールであり、
前記アダプタシールを前記カニューレに付設する手段が、本体部から延びる係留帯部であって、本体部とは反対側の前記係留帯部の端部が、第1位置と第2位置との間で本体部が移動することを許容しながら前記アダプタシールをカニューレに固定して取り付けるように、カニューレに係合するようになっているループを備える、係留帯部、
前記カニューレ上の第2位置に本体部を取り付けるようにカニューレの環形リムと密封係合するためのチャネルを有する本体部のほぼ環状のリムとを備え、
前記アダプタシールは更に、本体部の環形リムに取り付けられたタブを有し、該タブが前記本体部をその第2位置から容易に外せるように手で把持できるようになっている、アダプタシール。 - 請求項13において、前記挿入ガイドはエラストマー材料で一体成形された本体部、ループ、係留帯部、環形リム及びタブよりも実質的に硬く、前記挿入ガイドは実質的に剛性のある熱可塑性材料または熱硬化性材料で成形されている、アダプタシール。
- 請求項14において、前記アダプタシールの前記ループと環形リムは、共にカニューレに、カニューレのリムによって保持されるだけのサイズになっている、アダプタシール。
- 請求項15において、熱可塑性材料は、シリコンゴムであり、前記挿入ガイドは、ナイロン、アセタール樹脂及びポリフェニレンオキサイドから選択される材料から成る、アダプタシール。
- 請求項13において、前記挿入ガイドの円錐形通路は、前記アダプタシールの軸方向を規定し、前記本体部の開口は前記本体部のリムに対して軸内方向に配位している、アダプタシール。
- 請求項12において、前記挿入ガイドは前記本体部より低い摩擦係数を有し、前記挿入ガイドは、前記アダプタシールの使用時に前記カニューレに対面しない前記本体部の側に取り付けられている、アダプタシール。
- 請求項1において、前記円錐形通路は、前記アダプタシールの使用時に前記カニューレの軸孔の内側へ収束する前記挿入ガイドの壁を規定している、アダプタシール。
- 請求項1において、前記挿入ガイドは、前記本体部に設けた開口のサイズの表示を与えるために着色されている、アダプタシール。
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