JP3548827B2 - 情報配信システム及び方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報配信、特に公共交通機関を移動手段として利用する利用者を対象とする情報配信システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
広告情報などの情報配信を目的とする従来技術としては、情報の配信側の都合に応じて、配信側から一方的に情報を配信するものが一般的であった。
【0003】
また、公共交通機関を利用する利用者に情報を配信する先行技術として、特開平8−18523号公報が挙げられる。この先行技術では鉄道の駅に設置される自動改札機を通過した利用者の持つ携帯端末に対して情報が配信されている。途中下車した際の座席管理に関する処理についての先行技術として、特許第2817724号公報が挙げられる。この先行技術では途中下車した利用者を含めた座席管理をする。途中下車した利用者の持つ乗車券媒体を自動改札で処理をする先行技術として、特開平11−185067号公報が挙げられる。この先行技術では途中下車を示す記録を乗車券媒体に施している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
人は物的にほぼ十分満たされており、新たな物的欲求が起こりにくい世の中となっている。その反面、精神的には満たされているとは言えないが貪欲に求めるほどでもないという矛盾を抱えており、何かが欲しいわけではないが満たされているとは思えないと感じていながら、その満たされない何かのために行動を起こす気にはなれないとも感じている。
【0005】
つまり、人は生来、何かの行動に移す(つまり腰を上げる)までに多大のエネルギを要するものであり、一度行動の実行がなされればその次の行動には気楽に移されるのであるが、腰を上げるまでの多大なエネルギに相当する貪欲な欲求自体が失われていると言える。
【0006】
図68は人の行動モデルと従来の広告(情報配信)システムの仕組みを示すブロック図である。
【0007】
同図において「行動活性」とは気楽に行動できる、いわば腰の上がった状態のことを示し、「行動不活性」とはなかなか次の行動に移らない、いわば腰の重い状態のことを示す。行動不活性にはおおよそ2つの力が働いていると考えられ、そのひとつが行動不活性を行動活性へと起動させる力であり、もうひとつが行動不活性を安定させる力である。この安定させる力を断ち切って行動活性へ起動する力が勝れば、人は腰が上がった状態となる。人は行動不活性から行動活性へ多大なエネルギを必要とするものの、ひとたび行動活性すれば自発的な行動を気楽に実行することが出来る。
【0008】
一方、同図において、従来の広告配信のシステムは広告情報データベースより読み込んだ広告情報を利用者の持つ端末へ配信する。システムより広告情報の配信を受け取った利用者はその情報に魅力を感じれば広告の対象に向かって自発的行動に行動する。ところが、利用者の嗜好によってはその情報に魅力を感じなかったり、たとえその情報に魅力を感じたとしても例えば制約(都合)などの要因がまるで重石のように利用者の行動を阻害することもある。そのためにわざわざ腰を上げなくてはならないとなれば、なおさらであるとも言える。
【0009】
この制約とは、例えば会社で仕事中であったり、学校で勉強中であったり、家庭においては家事で手が離せなかったりする「それどころではない」、「(自発的行動が出来ないのは)仕方がない」などと思えるような感覚であり、一般に都合とも呼ばれ、気楽に行動に移すことが出来ないという、腰が重い状態を維持する方向に作用する。また、制約(都合)はちょっとその気にさせた程度の人の「その気」を、「仕方がない。やーめた」などと言った諦めに導きやすい特性を持つ。
【0010】
人はおおよそ社会で生活を営むために自らの意思で自由に出来ない、これら制約の影響を大きく受けており、行動不活性の状態の方が圧倒的に時間が長いのはいわば必然である。またこれらの制約以外にも虚脱感と呼ばれるような「何もしたくない」、「その気にならない」などと思えるような行動不活性を安定させてしまう感覚も人には多く存在する。
【0011】
このような状況で(人手で配られるもの、ネットワークと端末を用いて電子的に配信されるものを問わず)これまでの「広告」と名のつくものはすべて、利用者に行動する気になってもらうため(利用者に腰を上げさせるため)に提供される情報であり、多大なエネルギを要することにこれまでの広告は情報配信の労力(エネルギ)を使っていたわけで、これまでの広告の仕組みでは投資対効果の点でロスが大きいという問題点があった。
【0012】
一方、鉄道やバスなどの公共交通機関における純粋に人の移動に関する収益はもうすでに頭打ちの状態であり、例えば宣伝広告手法によって人の関心を惹くような目的地を新たに設定し続けることで、移動手段を利用させ続けることにも限界があるという問題点があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
わざわざ行くような労力を要するほどの欲求エネルギは持ち合わせていないような人でも何か仕方がない行動の「ついでに」であれば、日ごろ満たされていない何かを求めて自発的行動をすることがある。
【0014】
そこで本発明は、人がどこかに行こうとする行動の「ついでに」を活用した情報配信の仕組みによって、公共交通機関を移動手段として利用する利用者に「ちょっと寄ってみてもいいかな」という気持ちを生じさせ、情報の提供者にとっては新たな収益の機会を得るとともに、利用者にとっては新たな満足を得ることを目的とする。
【0015】
本発明は、前記課題を解決するために、公共交通機関を利用する利用者が有する利用者端末に当該交通機関の沿線周辺地域又は路線周辺地域に関する周辺地域情報を配信する場合、記憶手段が、公共交通機関の駅名及び当該駅に対応させて当該駅周辺地域に係る商業店舗、観光名勝、催し物等の内容及び所在地等の周辺地域情報を路線・沿線情報を記憶するともに、前記公共交通機関の普通乗車券、定期券、料金前払い・後払い券或いは座席指定券等の公共交通機関利用券の利用券種別情報と当該公共交通機関券利用券に係る乗車区間情報とを対応させて、前記利用者が途中下車しても新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を記憶し、次に、前記公共交通機関利用券が投入されたことを示す利用券投入検知情報を検知するとともに、前記公共交通機関利用券に記憶されている前記乗車区間情報と前記利用券種別情報とを対応させた公共交通機関利用券検知信号を自動改札機等の入退出管理手段が検知し、前記入退出管理手段が検知した利用券投入検知情報および公共交通機関利用券検知信号を受信する受信手段と、前記検知信号受信手段により利用券投入検知情報および公共交通機関利用券検知情報が受信された際に、提案情報作成手段が、当該公共交通機関利用券検知情報から前記乗車区間を読み取り、当該乗車区間が検知可能な場合には、当該乗車区間を基に、前記記憶手段が記憶している路線情報から前記乗車区間に関する路線情報及び周辺地域情報を当該乗車区間内に存在する駅毎に読み出し、当該駅を利用者の途中下車駅の候補を抽出し、当該候補駅に関する前記周辺地域情報と共に前記検知信号に含まれる前記利用券種別に対応する前記新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を前記記憶手段から呼び出して前記利用者への途中下車提案情報として作成し、前記乗車区間が検知できない場合には、前記公共交通機関利用券が投入された前記改札ゲートの設置駅を含む沿線・路線駅全体を途中下車駅の候補を抽出し、当該候補駅に関する前記周辺地域情報ともに前記検知信号に含まれる前記利用券種別に対応する前記新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を前記記憶手段から呼び出して前記利用者への途中下車提案情報として作成し、次に、前記提案情報作成手段により作成された前記途中下車提案情報を前記利用者端末へ情報送信手段が送信するようにした。
【0016】
ここで、受信した前記検知信号から前記利用者の利用区間に関する情報が読み取れなかった場合には、「利用区間に関する情報が無い」という情報として認識するとよい。利用区間が明確でない場合には、乗車車両情報が取得できれば乗車車両の進行方向の停車地を途中下車地と見なせばよく、また取得できなければその沿線・路線全体を途中下車地と見なすとよい。
【0017】
また、前記公共交通機関の車両運行に関する情報を車両運行情報データベースに記憶し、前記利用者が乗車した前記公共交通機関の車両に関する乗車車両情報が、前記検知信号から読み取れた場合には、その乗車車両の後続で運行される後続車両に関する後続車両情報を前記車両運行情報データベースから取得し、前記途中下車地に関する周辺地域情報と前記提案情報に、取得した前記後続車両情報を加えて、前記利用者端末へ送信するようにしてもよい。
【0018】
また、前記前記利用者が乗車した前記公共交通機関の車両に関する乗車車両情報を受信すると、その乗車車両の後続で運行される後続車両に関する後続車両情報を前記車両運行情報データベースから取得し、取得した前記後続車両情報を前記利用者端末へ送信するようにしてもよい。
【0019】
また、前記利用者が乗車した前記公共交通機関の車両に関する乗車車両情報が、前記検知信号から読み取れなかった場合にはその受信を待機し、受信した乗車車両情報に基づいて、その乗車車両の後続で運行される後続車両に関する後続車両情報を前記車両運行情報データベースから取得し、前記途中下車地に関する周辺地域情報と前記提案情報に、取得した前記後続車両情報を加えて、前記利用者端末へ送信するようにしてもよい。ここで、乗車情報のシステムへの送信を利用者が行うようにすれば、乗車情報の受信を待つことが送信情報配信をするか否かの最終的な決定権を利用者に持たせることと同意となり、システムからの一方的な情報の押し付けになりにくい。
【0020】
前記乗車車両情報は前記利用者が乗車する予定の乗車予定情報を含み、前記検知信号から前記乗車予定情報が読み取れた場合には、その乗車予定の後続で運行される後続車両に関する後続車両情報を前記車両運行情報データベースから取得してもよい。乗車予定情報を用いた情報配信は、途中下車するか否かの判断を利用者が乗車前にすることも出来るようになる。
【0021】
人は腰を上げるまでに時間とエネルギを費やしがちなところがある。本発明の本質は、これまでの広告配信の仕組みのように利用者の行動に関する活性度合を上げるのでなく、行動活性した利用者の検知と見なす「利用者による移動手段の利用開始」を検知すると移動手段の利用によって行動活性した利用者に(利用区間内の、目的地まで間の)寄り道先の情報を配信することにより「ちょっと寄ってみてもいいかな」という気持ちを生じさせることである。
【0022】
つまり、本発明の本質は、利用者の腰が上がった状態の検知に応じて配信する情報を用いて、その利用者がわざわざ行くような労力を要するほどの欲求エネルギは持ち合わせていないような人であっても、利用者自らが腰を上げたその行動の「ついでに」を組み合わせるという「きっかけ」を与えることによって、日頃「何かが欲しいわけではないが満たされているとは思えない」と感じている、何か満たされない気持ちを利用者自らの行動によって癒す仕組みと言い換えることが出来る。
【0023】
なお「行動活性した利用者」とは、いわゆる腰が上がった、人が気楽に行動に移す状態のことを言う。また「移動手段の利用によって」とは、具体的に移動手段の利用開始を検知することを言うが、利用者の「移動の意思」を検出することとも解釈できる。
【0024】
本発明における第一の特徴は、利用者による移動手段の利用開始を検知して、取得した利用区間に関する情報に基づいて途中下車地の周辺地域の情報に、同時に取得した利用形態に関する情報に基づいて途中下車による新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を加えて利用者の持つ端末に情報配信することで、利用者に途中下車を勧めるための判断材料を提供することである。なお、広義の途中下車地の周辺地域に目的地の周辺地域も加えてもよく、その場合には目的地を含めた途中下車可能な途中下車地について、その周辺地域の情報を配信してもよい。また、利用区間に関する情報が取得できなかった場合には、利用区間に関する情報が無い(という利用区間情報)として提案情報を周辺地域情報に加えるとよい。
【0025】
まず配信する情報に魅力がないと話にならないが、たとえどんなに魅力があっても利用者が途中下車しようと思わない、つまり利用者が自発的に行動しないのには、他に何か原因があると考える。これは途中下車という行為そのものに必然として含まれている要素によることであり、これまでの情報配信の手法を用いる限り、情報配信のタイミングを工夫しようとも、利用者の嗜好に配慮しようとも同じことである。
【0026】
なぜなら、途中下車したとしてもあらかじめ利用者が設定している目的地が変わるわけではなく、ほとんどの場合は途中下車しても目的地へ行かなくてはならないことに変わりがない。そこで、利用者が目的地へ行くまでにちょっと寄り道するだけの多少の時間的余裕があり、配信された情報に魅力を感じたとしても「ちょっとその気に」ならないのは次に示す心配事(心理的抵抗感)よるものだからと説明できる。
【0027】
心理的抵抗感(1) 途中下車によって新たな費用負担が発生しないだろうか?(つまり、『損をするのはイヤだ』と感じる心理的抵抗感)
心理学的には何も決まっていない状態で何かを設定させることより、あらかじめ設定していることを変えさせることの方が格段に難しいとされている。なぜなら、その変更によって生じる結果の事象が自らにとって不利益をもたらすと感じると即、人は自らがすでに手に入れている自らの所有物が取り上げられたかのような気分になり、客観的にその不利益が些細なことであってもかなりの損をした気分になってしまうためであると説明されている。
【0028】
これまで途中下車という行為が利用者の勝手な自己判断による目的地の変更と見なされるため、あらかじめ支払った利用料が戻ることはなく、また公共交通機関においては移動手段を一度に利用する場合よりも途中下車して利用する場合の方が割高となる料金設定にしてあるのが一般的であるので途中下車すると、途中下車しない場合に比べて高額の利用料を支払うことになる。
【0029】
基本的に利用者はこのような損をしてまで途中下車をしようとは思わない。しかしながら、それでもということになれば損を埋めて余りある得があると感じさせないと利用者の心を動かすことは出来ないことになり、利用者の多くは損をすること自体がおもしろくないので、生半可な穴埋めでは人の気持ちを動かせないことになる。
【0030】
よって、取り上げられた価値以上のものをその代償として得ないことには納得が得られないため、提供される情報に途中下車に見合うほどの魅力を求めることは提供者にとって大きな負担になることが避けられない。これは提供者側の持ち出しが多くなることを意味し、安易な手段としては低価格、値引き・割引など提供価格の割安感によって魅力を出そうとするものがある。これまでの情報配信のような安易な手法によって利用者に損をしたと感じさせたらそこで情報提供者の負けであり、当然のごとく穴埋めを要求されるため、ヘタに取り繕わない方がむしろよく、利用者に損をしたと感じさせる要素が少しでもあれば情報提供自体をしない方がよいくらいの割り切り必要である。
【0031】
そこで本発明では、この途中下車で「損をするのはイヤだ」と感じる心理的抵抗感に対しては、途中下車という行為によって少なくとも損をしない、つまり途中下車によって「新たな負担が生じない仕組みの提案」で解消をする。
【0032】
具体的には、例えば次に示すような途中下車しても新たな負担が生じない仕組みがいくつかあり、その仕組みの内容について検知した利用者の利用形態に応じて適切なものを選択してから情報配信するとよい。なお、これらは実施形態を具体的に示す例であり、これらに限定されるものでなく、途中下車で「損をするのはイヤだ」と感じる心理的抵抗感を少なくとも無くす提案であれば、この限りではない。
【0033】
(1)−A 定期券を含む期間限定フリーパスの活用(定期券を含むフリーパスの利用者を対象とした利用区間内における途中下車地に関する情報の配信)
例えば公共交通機関の駅の構内に設置された自動改札や移動体(移動手段)に乗り込む際のゲートで定期券を含む期間限定フリーパスの利用を検知したら、途中下車地域に関する情報を配信する。
【0034】
定期券を含む期間限定フリ−パスを持つ利用者のみを選択的に配信する場合には提案情報は不要としてもよい。またこれらの乗車券では途中下車しても新たな負担が生じないことを知らせるメッセージをあえて提案情報とすることで、途中下車するか否かの判断に迷っている利用者の決断に対して、その背中をトンと押すような効果が期待できる。なぜなら、心理学的には人は何か迷うときには意識しているかどうかは別にして、すでにその答えを深層心理ではほぼ決めており、最後の決心をするために悩んだり、相談したりするとされている。そこで利用者が迷うようであれば、このような些細な、いわば当たり前とも言える情報ですら利用者自らが自らを説得する材料になり得るからである。
【0035】
ここで言うところの定期券とは、移動手段を利用するための利用区間を設定した、一定区間にのみ有効なフリーパスのことであり、利用期間が設定されているのが一般的であるが、利用期間が有効であれば、設定された利用区間内で何度下車しても新たな負担は発生しない乗車券の特徴を活用する。また定期券は通勤・通学などの一日に利用区間を往復する用途が一般的であるので、目的地に急ぎ向かうと思われる一度目の利用よりも、その逆方向となる二度目の利用に重点を置く情報配信にすれば寄り道しやすい状況への配慮が出来る。
【0036】
(1)−B 途中下車地域での乗車券の再発行(途中下車により無効となった乗車券を途中下車地の周辺地域にある寄り道先で再発行)
利用者の持つ乗車券は、途中下車によって無効となるのが一般的であるが、一旦無効になった乗車券の復活を寄り道先で実行する場合である。ここで言うところの寄り道先とは、利用者に「ちょっと寄ってみてもいいかな」という気持ちにさせるべく配信される情報の対象のことを言う。
【0037】
これまで公共交通機関では、途中下車した乗車券は不正利用防止の観点から再利用を認めてこなかったが、一旦無効にしておいて寄り道先まで自ら足を運んだ利用者に対して、その乗車券の再発行を認めるものである。もちろん利用者は寄り道するつもりで途中下車するのだが、乗車券の再発行場所が寄り道先であることによって「そこまではとりあえず行ってみようか」などと利用者にモチベートさせることが出来る。
【0038】
また、例えばコンビニエンスストア(いわゆるコンビニ)や車販売店など街角(ここでは街頭の意。屋内、屋外を問わない)に設置されている街角端末を活用するのもよい。中でもコンビニの店舗内に設置されているコンビニ端末は情報満載を売りにしているが、なぜそこでその情報を取得しなければならないかという必然性が説明しきれていないため、活発な活用がされていない。
【0039】
そのような街角端末を用いた乗車券の再発行は公共交通機関との連携によって「寄り道先で」という「その場にある(その場にある端末でしか出来ない)」という必然性を持たせることが出来る。つまり、これまで活用されてこなかった周辺地域のインフラを活用する点でも有効である。
【0040】
(1)−C 乗車券が無効とならない領域を途中下車地域とする(例えば公共交通機関の駅構内などに設置された寄り道先を活用)
例えば鉄道などの比較的長距離な公共交通機関の利用は現代における「旅」に相当し、その土地その土地の特色が差別化要素として商品やサービスに反映させることが出来るので、新たなビジネスモデルとして活用が期待できる。
【0041】
これは、利用者にとってはちょっとした非日常に対する期待感を感じることが出来、また提供者にとっては(これまでの降車客に加えて)途中下車の客を取り込むことで機会増加するだけでなく、これは他の途中下車地と差異化することで切磋琢磨(自助努力)という、新たな機会創出である。
【0042】
つまりこれまで立地に恵まれなかった提供者であっても、例えば独自性などを利用者にアピールすることにより他の提供者と差異化をはかることが出来て、より努力する提供者に利用者が集まってくるという「がんばる者が報われる仕組み」とすることが出来る。また例えば各駅の構内売店が独自色を打ち出して切磋琢磨することでその路線自体の活性化が進み、路線全体として利用者を呼び込むことが出来るなどの相乗効果が期待できる。
【0043】
また、上記とは別の本発明における第二の特徴は、その検知情報の中に利用者が乗車する公共交通機関の車両に関する乗車車両情報がさらに含まれていた場合には、途中下車地に関する周辺地域の情報と途中下車による新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報に、目的地までの代替移動手段情報を加えて利用者の持つ端末に情報配信することで利用者に途中下車を勧めるための判断材料を提供することである。
【0044】
ここで言うところの代替移動手段とは、利用者が乗車している車両を途中下車した場合に、その降りた車両に代わって利用者を目的地まで運ぶ代わりの車両のことである。もちろん目的地に行くことができれば、途中下車した公共交通機関と同じである必要はなく、その種類は問わない。
【0045】
このような代替移動手段に関する情報は、利用者が目的地へ行くまでにちょっと寄り道するだけの多少の時間的余裕があり、配信された情報に魅力を感じたとしても「ちょっとその気に」ならない、もうひとつの心配事(心理的抵抗感)に配慮したものである。
【0046】
心理的抵抗感(2) 途中下車で生じる遅れはどのくらいだろうか?(つまり、『予定が狂うのはイヤだ』と感じる心理的抵抗感)
途中下車で目的地が変わるわけではないのだから、あらかじめの予定がある場合には利用者はどのくらいの遅れなら大丈夫かを見極める(判断する)必要がある。そこで本発明では途中下車という行為によってあらかじめの予定が許容できる範囲にあるか否かを利用者自らに判断してもらうための判断材料として「目的地までの代替移動手段の情報の提示」をする。
【0047】
また、あらかじめの予定がない場合であっても、例えば現在利用中の移動手段に替わる次の移動手段(つまり代替移動手段)の情報がなければ、どのくらい遅れるか、どれくらいの遅れなら自分は我慢が出来るかを判断することが出来ない。
【0048】
具体的には、例えば次に示すような代替移動手段についての情報を情報配信するとよい。
【0049】
(2)−A 乗車車両に対する後続車両を代替移動手段とする(運行表もしくは実稼動情報システムからの情報取得)
移動手段には通常ダイヤグラムと呼ばれる車両運行表(公共交通機関の運行予定)があり、国ごとに事情が異なるが、日本では一日のほぼ同じ時刻(平日、土日曜日のダイヤは異なることが一般的)に各駅を通過するように移動手段が運行されている。そこで乗車車両を検知もしくは利用者に入力させることにより、次以降の停車車両の中から代替移動手段を選択するとよい。
【0050】
具体的な選択方法としては、システムの内もしくは外にあらかじめ有する車両運行情報を記憶するデータベースからの情報に基づく処理であるが、このデータベースに記憶する情報は公共交通機関の車両運行に伴う変更事項によって更新されるとよい。
【0051】
次以降の停車車両とする意味は、情報提供された途中下車地域内の寄り道先まで移動(ほとんどの場合が徒歩)しなければならないので、その往復時間と寄り道先での滞在時間を考慮しておく必要があるためである。例えば降車地(駅)から情報提供の対象となった寄り道先との平均的な往復時間と、寄り道先での平均的な滞在時間に多少の余裕(ゆとり)時間を加えた後の時刻以降に初めて到着する停車車両を代替移動手段とする。もちろん代替移動手段は、複数本の停車車両を示してもよい。
【0052】
また、利用者が初めていく場所や久しぶりに訪れる場所については寄り道先までの時間にさらに余裕を持たせて往復時間を算出するとよい。この初めてか、久しぶりかなどは利用者自身に問うとよい。
【0053】
なお、例えば交通機関システムなどから実可動情報を取得できれば、運行表に対して生じたズレ(例えば不慮の事態による運行車両の遅れや運休)に対応することが出来る。
【0054】
(2)−B 座席指定を利用している場合には、その代替の座席指定も同時に提示する(今、座っている座席指定をムダにせずに途中下車を勧める)
移動手段による長距離移動の場合、利用者は座席指定料金を支払って自らの座席を確保している場合が多い。座席指定で席を確保している場合には、利用者にとって「席をムダにしたくない」という思いがあり、これが途中下車できない大きな阻害要因になっている。
【0055】
これまで説明のように一般に途中下車は利用者の自己判断による目的地の変更と見なされるため、せっかく確保した座席が途中下車によりムダになってしまい、ここで降りたら座れないと思えることが、また損をする気分にさせることになる。
【0056】
そこで、情報配信する際には代替移動手段を条件検索によって取得した際に、利用者が現在利用している座席指定と同等の座席がその代替移動手段に確保できるか否かを合わせて条件検索して、利用者に途中下車するか否かの判断材料として提示する。さらに具体的には、例えば座席が確保できた代替移動手段の情報を合わせて提示し、利用者から「承諾」の入力が利用者端末から得られれば現在利用者が使用中の座席指定は降車地まで(目的地までの座席指定はキャンセルの扱い)とし、代替移動手段において新たにその降車地から目的地までの座席指定とするとよい。
【0057】
代替移動手段の提示の際に代替座席指定の提示もする場合には、代替座席指定が確保できれば情報配信し、確保できなければ情報配信しないとしてもよい。
【0058】
いわば、これまで途中下車は利用者にとって負担が増すばかりで、あまりメリットもないものであった。
【0059】
よって本発明では、途中下車で「損をするのはイヤだ」と感じる心理的抵抗感に対しては、途中下車によって「新たな負担が生じない仕組みの提案」で解消し、さらに好ましくは途中下車によって生じる遅れが許容できるか否かを利用者自らに判断してもらうよう、その判断材料として「目的地までの代替移動手段の情報の提示」をする。つまり、利用者の心理的抵抗感を無くし、「途中下車してもいいかな」と思わせる仕組みを提供する。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る情報配信システムの具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0061】
図1は、本発明の第1のコンセプトを説明するブロック図である。
同図において、ネットワークサービスシステム1は、行動活性した利用者2を移動手段の利用開始によって検知し、検知した利用者2の有する利用者端末(図示せず)に対して▲1▼途中下車地域に関する情報を▲2▼新たな負担が生じない仕組みの提案とともに配信する。ここで言うところの移動手段とは、具体的に電車、バスなどの沿線・路線を有する公共交通機関のことである。ここで言うところの途中下車地域に関する情報とは利用者2自らに足を運んでもらいたいと考える提供者からの情報のことであり、具体例には店舗、催し物、観光地などの物品やサービスを提供する提供者のことを示す。なお、ネットワークサービスシステム1は、公共交通機関の沿線・路線の周辺地域にある提供者を、その公共交通機関の寄り道先として情報配信する。
【0062】
図2は、本発明の第2のコンセプトを説明するブロック図である。
【0063】
同図において、ネットワークサービスシステム1は、図1と同様に行動活性した利用者2を移動手段の利用開始によって検知し、検知した利用者2の有する利用者端末(図示せず)に対して▲1▼途中下車地域に関する情報を▲2▼新たな負担が生じない仕組みの提案、▲3▼目的地までの代替移動手段情報の提示とともに配信する。データベース(DB)に記憶される代替移動手段情報は、外部のシステムとなる運行車両管理システム4からの情報によって更新されてもよい。
【0064】
図3は、途中下車という行為に関する、人の心理モデルを説明するフローチャートである。
【0065】
同図において、自らの持つ利用者端末に配信された情報によって途中下車を促された場合に人はまず、途中下車を促すための情報そのものに魅力を感じるかを判断し(ST301)、魅力を感じなければ何もせずにそのまま目的地まで行ってしまう(ST305)。魅力を感じると、次に途中下車という行為に見合うだけの価値がその情報にあるか否かを判断し(ST302)、価値が無いと判断した場合は、情報そのものには魅力を感じても途中下車という行為に心理的負担感を感じている状態であり(ST304)、これもまたそのまま目的地まで行ってしまう(ST305)。つまり、利用者2が途中下車しようと思い、受け取った情報に促されるように途中下車を実行する(ST303)のは、途中下車を促すための情報そのものに魅力を感じ、かつ次に途中下車という行為に見合うだけの価値がその情報にあると判断した時である。
【0066】
本発明は、途中下車を促す情報を配信する際にネック(障害)となる、この心理的負担感を解消することを目的とする。
【0067】
図4は、本発明の仕組みの概要を説明するフローチャートである。
【0068】
同図において、ネットワークサービスシステム1は、行動活性した利用者2を移動手段の利用開始によって検知する検知装置から、利用者2による移動手段の利用開始を示す受信があると(ST401)、受信情報から途中下車地を判定し、判定した途中下車地に関する周辺地域情報を、データベース3の一部を構成する周辺情報DBより取得し(ST402)、同じく受信情報から取得した利用形態に関する情報に基づく提案情報を、データベース3の一部を構成する提案情報DBより取得する(ST403)。さらに乗車車両情報の読み取りがあれば、乗車車両に代わる代替移動手段として後続車両情報を、データベース3の一部を構成する車両運行情報DBから取得して(ST405)、取得した情報を利用者端末へ送信して(ST406)、処理を終了する。
【0069】
図5は、本発明の実施形態における公共交通機関の利用形態を示す図である。
【0070】
同図において、公共交通機関の利用形態のうち、代表的なものを大別すると乗車券、料金前払い・後払い方式券(例えば料金前払いのプリペードカード・デビッドカードや、料金後払いのキャッシュカードなど)、定期券(公共交通機関を利用するための利用区間を設定したパスのことであり、利用区間とともに利用期間が定められているものが一般的)などがある。一般に公共交通機関の利用開始時に利用区間が明確なのは乗車券と定期券であり、不明確なのは料金前払い・後払い方式券であることを示している。また、途中下車によって新たな負担が生じない仕組みの提案内容としては、乗車券は途中下車すると無効になるので無効となった乗車券の再発行であり、料金前払い・後払い方式券は下車ごとに清算となるので目的地での再清算であり、定期券は利用区間内の途中下車によって無効とならないので特にないことを示している。ただし、定期券の場合も途中下車によって無効とならないこと、つまり新たな負担が生じないことを提案メッセージに用いてもよい。
【0071】
図6は、利用形態ではないが、本発明において提案情報となり得る情報の例を示す図である。
【0072】
同図において、駅構内に設置された寄り道先は途中下車しても乗車券などが無効とならない領域であり、途中下車する寄り道先として積極的に活用することが望ましいとともに、定期券と同様に途中下車によって無効とならないこと、つまり新たな負担が生じないことを提案メッセージに用いてもよい。また、同図において、座席指定券も途中下車すると無効となってしまうものであり、これもまた途中下車を阻む心理的抵抗感となるので、利用者2が座席指定を確保している場合には、後続車両にて再取得し、確保できた場合にはその結果を提案情報にすることを示している。なお、座席指定券は乗車車両があらかじめ決められているのが一般的であり、乗車してなくとも乗車予定情報として扱ってよい。
【0073】
図7は、本発明の実施形態における利用区間が明確か不明確かによる途中下車地の判定方法を示すフローチャートである。
【0074】
同図において、ネットワークサービスシステム1は、公共交通機関の利用開始を示す検知信号から利用区間の情報が得られたか否かを判定し(ST701)、得られた場合には乗車情報の取得があるか否かを判定して(ST702)、乗車情報があった場合には利用区間内の乗車車両の停車地を途中下車地に特定し(ST703)、乗車情報が無かった場合には利用区間全体を途中下車地として扱う(ST704)。ST701で利用区間が得られなかった場合には、さらに乗車情報の取得があるか否かを判定して(ST705)、乗車情報があった場合にはその乗車方向の停車地をすべて途中下車地として扱い(ST706)、乗車情報があった場合には沿線・路線全体を途中下車地として扱う(ST707)。
【0075】
図8は、本発明の実施形態における利用開始を示す検知信号に乗車情報があるか否かによる処理方法を示すフローチャートである。
【0076】
同図において、ネットワークサービスシステム1は、公共交通機関の利用開始を示す検知信号に乗車情報があるか否かを判定し(ST801)、なければさらに、乗車情報の取得を待つか否かを判定し(ST803)、取得を待つと判定した場合には乗車車両から乗車情報の取得を待機する(ST804)。ST803で乗車情報の取得を待たないと判断した場合には、さらに利用者に問い合わせが必要か否かを判定して、必要と判定した場合には利用者端末へ乗車情報の問い合わせ処理を実施し(ST806)、必要ないと判定した場合にはそのまま処理を終了する。
【0077】
図9は、本発明のコンセプトを実現するシステム全体図を説明するブロック図である。
同図において、利用者2が公共交通機関8の利用を開始したことを検知する利用手段検知装置7と、公共交通機関の沿線・路線の周辺地域の情報を取得する情報取得端末9−2と同じく情報取得機器9−3を統括する周辺地域情報取得サーバ9−1によって構成される周辺地域情報取得システム9と、ネットワークサービスシステムサーバ6からネットワーク10−1を介して取得した情報を利用者2に伝達する利用者端末5と、利用手段検知装置7からの情報を受信して周辺地域情報取得システム9から取得した情報の中から途中下車地の周辺地域に関する情報をデータベース3から抽出して利用者端末5に送信するネットワークサービスシステムサーバ6とから本発明のシステムは構成されている。ネットワークサービスシステムサーバ6は必要に応じて運行車両管理システム4から公共交通機関で運行される車両の情報を取得するとよい。
【0078】
図10は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバのハードブロック図である。
【0079】
同図において、サーバ操作者11とはネットワークサービスシステムサーバ6の操作者で、サーバの管理(運営、監視、維持などを含む)者のことである。HM(ヒューマンマシン)入出力部12とは、ネットワークサービスシステムサーバ6がサーバ操作者11と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位である。入力装置としては、例えばキーボード、テンキー、マウス、バーコードリーダなどが該当し、サーバ操作者11の入力がシステムに対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また出力装置としては、例えばディスプレイ、プリンタなどが該当し、サーバ操作者11に対してシステムから情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部13とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部14とは、演算部13が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部15とは、ネットワーク10を介した外部との通信を制御する部位である。ネットワーク認証部16とは、ネットワークや外部機器との認証機能を持つ部位である。DB管理部17とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。DB管理部17に管理される処理プログラム18とは、 ネットワークサービスシステムサーバ6の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーションシステム)もここに含まれる。同様に周辺地域情報DB19とは、周辺地域情報取得システム9から取得した周辺地域情報を記憶するデータベースのことである。同様に提案情報DB20とは、受信した利用者2の利用形態に応じた、途中下車しても新たな負担が発生しない仕組みの提案に関する情報を記憶するデータベースのことである。同様に車両運行情報DB21とは、公共交通機関で運行される車両の運行情報を記憶するデータベースのことであり、例えば通常ダイヤグラムと呼ばれる車両運行表(公共交通機関の運行予定)の情報であったり、運行車両管理システム4から取得した情報であったりする。同様に配信情報DB22とは、利用者端末5に配信した情報の履歴を記憶するデータベースである。同様にその他のプログラム・データ23とは、上記以外の例えばサーバ操作者11が使用するワードプロセッサや表計算プログラムなどのアプリケーションソフトウェアやそれらに付随するデータなどが該当する。
【0080】
図11は、本発明の実施形態における周辺地域情報取得サーバのハードブロック図である。
【0081】
同図において、周辺情報送受信部24とは、情報取得端末9−2および情報取得機器9−3との間で情報の送受信を行う部位であり、ここで周辺地域情報を受信する。周辺情報元情報DB30とは、周辺情報送受信部24で受信した周辺地域情報を記憶するデータベースのことであり、このデータベースに記憶した周辺地域情報がネットワーク10を介してネットワークサービスシステムサーバ6に送信される。
【0082】
図12は、本発明の実施形態における情報取得装置のハードブロック図である。
【0083】
同図において、取得部36とは、周辺地域に関する事象34を取得する機能を持つ部位である。メモリ部38とは、情報取得装置9−2の利用目的を達成するために必要なプログラム、及び演算部37が実行するプログラムの実行エリアの部位のことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。送受信部39とは、 ネットワークサービスシステムサーバ6と情報の送受信を行う機能を持つ部位であり、取得した情報はここから送信される。情報取得装置9−2とは、例えば装置操作者33が情報を入力する端末であったり、取得部36から周辺地域に関する情報を取得する装置であったりする。例えば広告宣伝会社が広告宣伝情報を入力する端末や、店舗や観光地の観光協会および催しもの主催者などの物品・サービス提供者が直接PR情報を入力する端末などが該当する。なお、取得部36によって取得される情報に相当するものは、例えばPOS(販売時点情報管理システム)の機能によって自動読み取りされる販売時点情報や、人の出入り(例えば、ある空間への人の入退出人数のこと)や天候・温度湿度などの環境観測情報などのことである。
【0084】
図13は、本発明の実施形態における情報取得機器のハードブロック図である。
【0085】
同図において、送信部43とは、 ネットワークサービスシステムサーバ6に取得情報を送信する機能を持つ部位である。情報取得機器9−3とは情報取得装置9−2に比べ、HM入出力部を持たない簡易的なもののことである。
【0086】
図14は、本発明の実施形態における利用手段検知装置のハードブロック図である。
【0087】
同図において、移動手段利用開始検知媒体44とは、利用手段検知装置7が利用者2を検知するために用いる媒体であり、詳細については後述する。検出部45とは、移動手段利用開始検知媒体44を検知する機能を持つ部位である。
【0088】
図15は、本発明の実施形態における利用者の有する利用者端末のハードブロック図である。
【0089】
同図において、送受信部52とは、ネットワーク10を介して ネットワークサービスシステムサーバ6と情報の送受信を行う機能を持つ部位である。
【0090】
図16は、本発明の実施形態における ネットワークサービスシステムサーバ、周辺地域情報取得サーバ、利用開始検知装置、及び利用者端末の機能ブロック図である。
【0091】
同図において、図1に示す本発明の第1のコンセプトに対応する。周辺地域情報取得サーバ9−1は、周辺地域情報をネットワークサービスシステムサーバ6に送信する機能有する。ネットワークサービスシステムサーバ6は、周辺地域情報取得サーバ9−1からの情報を取得する機能、及び取得した周辺地域情報を周辺地域情報DB19に記憶する機能を有する。利用開始検知装置7は、移動手段利用開始検知媒体44を検知する機能、及びその検知結果を ネットワークサービスシステムサーバ6に送信する機能を有する。ネットワークサービスシステムサーバ6は、検知結果を利用開始検知装置7から受信する機能と、検知した情報に含まれる利用区間の情報から途中下車地を判定する機能と、判定した途中下車地に関する周辺地域情報を周辺地域情報DB19から取得する機能と、検知した情報に含まれる利用形態に対応する提案情報を提案情報DB20から取得する機能と、取得した情報を利用者端末5に送信する機能と、送信した情報を配信情報DB22に記憶する機能を有する。利用開始検知装置7から受信した検知情報に利用区間の情報が含まれていなかった場合の処理は図7に示すフローに従うとよい。利用端末5は、商売活性情報を ネットワークサービスシステムサーバ6から受信する機能、及び受信した情報をHM出力部に出力する機能を有する。
【0092】
図17は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0093】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は周辺地域情報取得サーバから情報を取得すると(ST1701)、取得した情報を周辺地域情報DB19に記憶して(ST1702)処理を終了する。
【0094】
図18は、本発明の実施形態における利用開始検知装置、ネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャートである。
【0095】
同図において、利用開始検知装置7は、移動手段利用開始検知媒体44を検知すると(ST1801)、検知した情報をネットワークサービスシステムサーバ6に送信して(ST1802)、処理を終了する。ネットワークサービスシステムサーバ6は、利用開始検知装置7から検知情報を受信すると、検知情報に含まれる利用区間を読み取り、途中下車地を判定し(ST1803)、判定した途中下車地に関する周辺地域情報を周辺地域情報DB19より取得する(ST1804)。ここで、利用区間に関する情報が読み取れなかった場合には図7に示すフローに従うとよい。ネットワークサービスシステムサーバ6は、さらに検知情報に含まれる利用形態を読み取り、対応する提案情報を提案情報DB20から取得し(ST1805)、取得した周辺地域情報と提案情報を利用者端末5へ送信し(ST1806)、送信した情報を配信情報DB22に記憶して(ST1807)、処理を終了する。利用者端末5は、ネットワークサービスシステムサーバ6から配信情報を受信すると、受信した情報をHM出力部へ出力して(ST1808)、処理を終了する。
【0096】
図19は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの機能ブロック図である。
【0097】
同図において、図2に示す本発明の第2のコンセプトに対応する。ネットワークシステムサーバ6は、HM入出力部12もしくは外部システムから受け取った更新情報に基づいて車両運行情報DB21内の情報を更新する機能と、検知結果を利用開始検知装置7から受信する機能と、乗車車両情報取得装置52から乗車車両情報を受信する機能と、検知した情報に含まれる乗車車両情報もしくは乗車車両情報取得装置52から受信した乗車車両情報に基づき、場合によってはすでに配信した配信情報を参照して後続車両情報を車両運行情報DB21より取得する機能と、取得した情報を利用者端末5に送信する機能を有する。
【0098】
図20は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0099】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は車両運行情報を受け取ると(ST2001)、取得した情報を車両運行情報DB21に記憶して(ST2002)、処理を終了する。
【0100】
図21は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0101】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は移動手段の利用開始を示す受信があると(ST2101)、利用区間を読み取り、途中下車地を判定し(ST2102)、判定した途中下車地に関する周辺地域情報を周辺地域情報DB19より取得する(ST2103)。ここで、利用区間に関する情報が読み取れなかった場合には図7に示すフローに従うとよい。さらに、検知情報に含まれる利用形態を読み取り、対応する提案情報を提案情報DB20から取得して(ST2104)、乗車車両情報の読み取りがありか否かを判定し(ST2105)、あれば代替移動手段として後続車両情報を車両運行情報DB21から取得し(ST2106)、無ければそのまま、取得した情報を利用者端末へ送信し(ST2107)、送信した情報を配信情報DBに記憶して(ST2108)、処理を終了する。
【0102】
図22は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0103】
同図は、図21のフローチャートにおいて乗車車両情報が取得できなかった場合の処理を示す。同図において、乗車車両情報を受信すると(ST2201)、すでに利用者端末に送信した情報を配信情報DB22より取得し(ST2202)、送信した途中下車地に応じた代替移動手段として後続車両情報を車両運行情報21より取得する(ST2203)。さらに、取得した情報を利用者端末5に送信し(ST2204)、送信した情報を配信情報DB22に記憶して(ST2205)、処理を終了する。
【0104】
図23は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0105】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は移動手段の利用開始を示す受信があると(ST2301)、利用区間を読み取り、途中下車地を判定し(ST2302)、判定した途中下車地に関する周辺地域情報を周辺地域情報DB19より取得する(ST2303)。ここで、利用区間に関する情報が読み取れなかった場合には図7に示すフローに従うとよい。さらに、検知情報に含まれる利用形態を読み取り、対応する提案情報を提案情報DB20から取得して(ST2304)、乗車車両情報の読み取りがありか否かを判定し(ST2305)、あれば代替移動手段として後続車両情報を車両運行情報DB21から取得し(ST2306)、無ければそのまま、取得した情報を利用者端末へ送信し(ST2307)、送信した情報を配信情報DBに記憶して(ST2308)、処理を終了する。ST2305で乗車車両情報の読み取りが無かった場合には、乗車車両情報の受信があるか否かを判定し(ST2309)、受信があればST2306の処理を実行し、無ければさらに移動手段の利用終了を示す受信のあるか否かを判定し(ST2310)、無ければ演算部13としての他の処理を実行してST2309の処理に戻り、あればそのまま処理を終了する。この演算部13のフローチャートで、乗車情報のシステムへの送信を利用者が行うようにすれば、乗車情報の受信を待つことが送信情報配信をするか否かの最終的な決定権を利用者に持たせることと同意となり、システムからの一方的な情報の押し付けになりにくい。
【0106】
なお、図22、及び図23に示すネットワークサービスシステムサーバ6の演算部13のフローチャートでは、乗車車両情報の受信を待機することになるが、待機する場合にはあらかじめ利用者2に乗車車両もしくは乗車予定車両の情報を問い合わせてからとしてもよい。
【0107】
図24は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャートである。
【0108】
同図は、乗車車両情報の受信を待機する際に、あらかじめ利用者2に乗車車両もしくは乗車予定車両の情報について問い合わせをする場合の処理を示す。同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、乗車車両情報を利用者2に要求するか否かを判定し(ST2401)、要求する場合には乗車車両情報の要求を利用者端末5に送信する(ST2402)。乗車車両情報の要求を受信した利用者端末5は、受信した要求情報をHM出力部に出力して(ST2403)、処理を終了する。この場合の利用者端末5は利用者2に対してシステムからのメッセージを伝えるメッセージ伝達手段に相当し、利用者2は利用者端末5を用いない、例えば情報媒体や移動体を用いるなどの方法によって乗車車両情報を返信することになるが、その具体例については後述する。ネットワークサービスシステムサーバ6は、乗車車両情報を受信すると(ST2404)、受信した乗車車両情報に基づく処理を実行して(ST2405)、処理を終了する。
【0109】
図25は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャートである。
【0110】
同図は、乗車車両情報の受信を待機する際に、あらかじめ利用者2に乗車車両もしくは乗車予定車両の情報について問い合わせをし、その返信を利用者端末5を用いてなされる場合の処理を示す。同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、乗車車両情報を利用者2に要求するか否かを判定し(ST2501)、要求する場合には乗車車両情報の要求を利用者端末5に送信する(ST2502)。乗車車両情報の要求を受信した利用者端末5は、受信した要求情報をHM出力部に出力して(ST2503)、HM入力部よりの入力を待ち(ST2504)、入力があれば
HM入力部から入力された情報をネットワークサービスシステムサーバ6に送信して(ST2505)、処理を終了する。利用者端末5から情報を受信したネットワークサービスシステムサーバ6は、受信した乗車車両情報に基づく処理を実行して(ST2506)、処理を終了する。
【0111】
図26は、本発明の実施形態における途中下車のイメージを説明するブロック図である。
【0112】
同図において、利用者端末5を有する利用者2は、移動手段の利用開始となる出発地で公共交通機関の移動体(乗車車両)に乗車し、システムから配信される情報に同意した場合には、途中下車地で移動体を下車して(配信情報が示す寄り道先に)寄り道をする。そして寄り道が済んだ利用者2は途中下車地で再び移動体(後続車両)に乗車して、移動手段の利用終了となる目的地で移動体を下車する。
【0113】
図27は、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0114】
同図は、移動手段利用開始検知媒体44が利用区間読取媒体53と利用者端末アドレス読取媒体54で構成され、利用端末検知装置7が乗車駅構内へのパスゲートとして機能する自動改札7−1である場合の具体例を示す。電車などの公共交通機関では、省人力化のために駅構内へのパスゲートとなる自動改札7−1を設置していることが多く、この自動改札7−1を活用する。利用区間読取媒体53の具体例としては、例えば乗車券53−1、料金前払い・後払い方式券53−2、及び定期券53−3などである。同図において、利用者端末アドレス読取媒体54は読取媒体作成装置55にてあらかじめ作成されており、利用者2が作成された利用者端末アドレス読取媒体54を利用区間読取媒体53とともに自動改札7−1を通過させることで、ネットワークサービスシステムサーバ6は利用区間読取媒体53から利用者2が目指す目的地(つまり、利用区間)を、また利用者端末アドレス読取媒体54から途中下車に関する情報を配信するための利用者端末(携帯端末)5のアドレスを取得することが出来る。情報配信に必要な情報を取得したネットワークサービスシステムサーバ6は、途中下車地の周辺地域情報に途中下車しても新たな負担が生じない提案情報を加えて利用者端末5に情報配信する。さらに乗車車両の情報を取得したネットワークサービスシステムサーバ6は、代替移動手段として乗車車両の後続で運行される後続車両情報を利用者端末5に情報配信する。
【0115】
図28は、図27とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0116】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、利用区間読取媒体53から利用者2が目指す目的地(つまり、利用区間)を、また利用者端末アドレス読取媒体54から商売活性情報を配信する利用者端末(携帯端末)5のアドレスを取得し、さらに乗車車両情報を取得した場合に、途中下車地の周辺地域情報に途中下車しても新たな負担が生じない提案情報と代替移動手段として乗車車両の後続で運行される後続車両情報を加えて利用者端末5に情報配信する。
【0117】
図29は、図28とはさらに別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0118】
同図は、利用端末検知装置7が公共交通機関の移動体である場合の具体例を示す。同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、利用区間読取媒体53から利用者2が目指す目的地(つまり、利用区間)を、また利用者端末アドレス読取媒体54から途中下車に関する情報を配信するための利用者端末(携帯端末)5のアドレスを取得すると同時に乗車車両情報も取得し、途中下車地の周辺地域情報に途中下車しても新たな負担が生じない提案情報と代替移動手段として乗車車両の後続で運行される後続車両情報を加えて利用者端末5に情報配信する。
【0119】
図30は、図27〜29における読取媒体作成装置を用いた利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図である。
【0120】
同図において、利用者2は自らの持つ利用者端末5を直接、読取媒体作成装置55に接続して、そのアドレス情報5−1をダウンロードするか、自ら確認して読取媒体作成装置55に入力する。アドレス情報5−1を取得した読取媒体作成装置55は種々の記憶方式の中から適した方法を用いて、利用端末アドレス読取媒体54を作成し、出力する。ここで言うところの種々の記憶方式によって作成される記憶媒体とは、例えば磁性体記憶媒体、IC(集積回路)記憶媒体、及び1次元や2次元のバーコードなどのことを示す。読取媒体作成装置55は乗車券の発券装置などの近くに設置するとよく、場合によっては発券装置と併設、もしくは一体になっていてもよい。
【0121】
図31は、図30とは別の場合の、ネットワークを介して利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図である。
【0122】
同図において、利用者2は自らの持つ利用者端末5のアドレス情報5−1を自ら確認し、ネットワーク10−3を介して読取媒体作成装置55に接続されるネットワーク端末56に入力する。アドレス情報5−1を取得した読取媒体作成装置55は種々の記憶方式の中から適して方法を用いて、利用端末アドレス読取媒体54を作成し、人手による送付を用いて利用者2の元に届けるか、利用端末アドレス読取媒体情報54−1をネットワーク端末56にダウンロードして、ネットワーク端末56から利用端末アドレス読取媒体54を出力する。
【0123】
図32は、図31とはさらに別の場合の、ネットワークを介して利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図である。
【0124】
同図において、図31に示すようなネットワーク端末56を用いず、利用者2は利用者端末5を用いて読取媒体作成装置55にアドレス情報5−1を送信し、利用端末アドレス読取媒体情報54−1を利用者端末5に直接ダウンロードする場合である。こうすることで図27〜29における利用端末アドレス読取媒体54の役割を利用者端末5で代用することが出来る。
【0125】
図33は、図27とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0126】
同図は、利用者端末アドレス読取媒体54の代わりを利用区間読取媒体53がする場合であり、図27に対応する情報配信方法のみを図示する(図28、図29に対応する図は同様であるので省略)。つまり、乗車券53−1のように一回限りの使用を目的とした利用区間読取媒体53ではなく、リユース(複数回使用)できる媒体であれば、その媒体に利用者端末アドレスを記憶してもよいということである。同図において、利用区間読取媒体53に利用者端末アドレスが書き込まれる場合と利用区間読取媒体53ごとに割り当てられる識別コードを用いる場合に大別される。
【0127】
図34は、図33における定期券発券機を用いた利用区間読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図である。
【0128】
同図は、利用区間読取媒体53に利用者端末アドレスが書き込まれる場合を、利用区間読取媒体53が定期券53−3であるときを例に説明し、料金前払い・後払い方式券であるときは同様であるので省略する。同図において、利用者2は図30と同様の行為を定期券発券機57−1に対して実行する。定期券53−3にアドレス情報5−1を記憶させるための記憶方式は、定期券53−3の記憶方式に準じるとよい。
【0129】
図35は、図34における定期券を用いた場合の情報配信の仕組みの具体例を説明するブロック図である。
【0130】
同図において、図34に示す定期券発券機57−1であらかじめ発券された定期券53−3には利用者端末5のアドレス情報5−1が書き込まれているので、利用者2は図27〜29と同様の情報配信を受けることが出来る。
【0131】
図36は、図34とは別の場合の、図33における定期券発券機を用いた利用者端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図である。
【0132】
同図は、利用区間読取媒体53ごとに割り当てられる識別コードを用いる場合を、利用区間読取媒体53が定期券53−3であるときを例に説明し、料金前払い・後払い方式券であるときは同様であるので省略する。同図において、利用者2はあらかじめ定期券発券機57−1で発券された定期券53−3に記載される、いわば定期券の個体識別コードとも言える定期券コード53−4と、利用者端末5のアドレス情報5−1を確認し、ネットワーク10−3を介してネットワークサービスシステムサーバ6に接続されるネットワーク端末56に入力する。定期券コード53−4とアドレス情報5−1を取得したネットワークサービスシステムサーバ6は、取得したこれらの情報を関連づけて利用者情報DB58に記憶する。
【0133】
図37は、図36における定期券を用いた場合の情報配信の仕組みの具体例を説明するブロック図である。
【0134】
同図において、図36に示すようにネットワークサービスシステムサーバ6の利用者情報DB58に自らが使用する定期券53−3と利用者端末5の情報をあらかじめ登録した利用者2は、定期券53−3を自動改札7−1に通過させると、自動改札7−1からネットワークサービスシステムサーバ6に検知した定期券コード53−4が送信され、定期券コード53−4を取得したネットワークサービスシステムサーバ6は、利用者情報DB58に記憶される情報の中から定期券コード53−4に関連づけられた利用者端末5のアドレス情報5−1を取得し、途中下車に関する情報配信する。
【0135】
図38は、図27〜29もしくは図33とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0136】
同図は、図30〜32に示すようにあらかじめ発券された利用者端末アドレス読取媒体54を、図27〜29もしくは図33に示すような自動改札7−1で検知するのではなく、移動体の乗車口52−1で検知する場合である。同図において、移動体に利用者2が乗り込む乗車口52−1で、利用者端末アドレス読取媒体54に記憶される情報を読み取る。比較的規模が小さく自動改札が設置されていない駅から利用者2が乗車しなければならない場合や、電車のように駅構内が基本的に存在しないバスなどに特に有効な方法である。もちろん本発明の実施形態における移動手段の利用には移動体への乗車が必然であるため、自動改札の設置に関わらず、移動体の乗車口52−1を用いてもよい。ここで言うところの移動体とは、公共交通機関の車両であり、電車車両やバス車両などのことを示す。
【0137】
図39は、図38における具体例を示すブロック図である。
【0138】
同図において、移動体の乗車口52−1付近には車内検知装置52−2があらかじめ設置されており、利用者2が移動体への乗車の際に利用者端末アドレス読取媒体54を車内検知装置52−2に通すことによって、ネットワークサービスシステムサーバ6に検知情報が送信される。この場合の利用者端末アドレス読取媒体54に記憶される情報は図30〜32と同様のものでよく、利用者端末アドレス読取媒体54の替わりに図34、図36と同様の利用区間読取媒体53を用いてもよい。また、車内検知装置52−2に利用区間読取媒体53を通す場合には、公共交通機関の利用開始検知装置7の機能を兼ねることになる。
【0139】
図40は、図39とは別の場合の、図38における具体例を示すブロック図である。
【0140】
同図において、利用者2は移動体の壁面にあらかじめ設置された車内検知装置52−3に、自らの持つ利用者端末アドレス読取媒体54−2をかざすことによって、ネットワークサービスシステムサーバ6に検知情報が送信される。
【0141】
図41は、図40とはさらに別の場合の、図38における具体例を示すブロック図である。
【0142】
同図において、利用者2はあらかじめ利用者端末アドレス読取媒体54−3が下面にあらかじめ設置された靴を履いており、その靴で乗車口52−1の乗車ステップ(いわゆる乗車口階段)の上面にあらかじめ設置された車内検知装置52−4を踏むことによって、ネットワークサービスシステムサーバ6に検知情報が送信される。
【0143】
図42は、図38とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0144】
同図において、乗車口59が移動体への乗車を示す情報が記憶される、いわば情報タグで、利用者端末5がこれまでに示す利用開始検知装置7の役割を合わせて担う。
【0145】
図43は、図42における利用者端末の機能ブロック図である。
【0146】
同図において、利用端末5は、移動体に設置された情報タグである乗車車両情報出力媒体59−1から乗車車両情報を読み取る機能と、読取結果をネットワークサービスシステムサーバ6に送信する機能と、ネットワークサービスシステムサーバ6から処理結果を受信する機能と、受信した情報をHM出力部に出力する機能を有する。
【0147】
図44は、本発明の実施形態における利用者端末、及びネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0148】
同図において、利用者端末5は、乗車車両情報を受信すると(ST4401)、受信した情報をネットワークサービスシステムサーバ6に送信する(ST4402)。利用者端末5から情報を受信したネットワークサービスシステムサーバ6は、受信した情報に基づく処理を実行し(ST4403)、処理結果に基づく情報を利用者端末5に送信して(ST4404)、処理を終了する。ネットワークサービスシステムサーバ6から情報を受信した利用者端末5は、受信した情報をHM出力部に出力して(ST4405)、処理を終了する。
【0149】
図45は、図42における乗車口に設置される情報タグの具体例を示す図である。
【0150】
同図において、情報タグは例えば乗車車両の乗車口(出入り口)59−1が開いている間だけ有効な乗車情報タグであり、より具体的には乗車口59−1の上方に設置され、下方に向けて上方を発信することによって、乗車口59−1から乗り込んだ利用者2の有する利用者端末5に乗車車両情報が取り込まれる。
【0151】
図46は、本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図である。
【0152】
同図において、(a)は乗車券使用の利用者向けの表示例であり、(b)は料金前払い・後払い方式券使用の利用者向けの表示例であり、(c)は定期券使用の利用者向けの表示例である。(c)において(c−1)は提案メッセージ無しの場合で、(c−2)は提案メッセージ有りの場合である。配信された情報に対して利用者2は利用者端末5のスイッチ60を入力することにより、寄り道先の地図や寄り道情報に関する予約などが出来るとなおよい。
【0153】
図47は、本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図である。
【0154】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6が乗車車両情報を受信した後に、利用者端末5に配信される代替移動手段となる後続車両情報の表示例である。
【0155】
図48は、本発明の実施形態における寄り道先での滞在時間標準モデルを説明するブロック図である。
【0156】
同図において、途中下車地からシステムが情報提供した寄り道先まで、利用者2は徒歩で移動するのが一般的であり、その往復の平均的な所要時間と寄り道先での平均的な滞在時間が滞在時間標準モデルである。
【0157】
図49は、本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図である。
【0158】
同図は、図48に示す滞在時間標準モデルを考慮して、後続車両情報を配信する場合を示す。同図において、図48に示される滞在時間標準モデルは20分なので、ネットワークサービスシステムサーバ6は20分後以降の後続車両からを代替移動手段と見なしている。
【0159】
図50は、本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図である。
【0160】
同図において、途中下車によって一旦無効化された乗車券53−1を寄り道先で再発行する場合を示す。
【0161】
図51は、図50における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図である。
【0162】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60は、途中下車する利用者2の持つ乗車券53−1を無効化する機能と、寄り道先の乗車券発行装置61で再発行された乗車券53−6でゲートの通過を許可する機能を有する。また、寄り道先に設置された乗車券再発行装置61は、入退出管理装置60で無効化された乗車券53−5に基づいて、乗車券53−6を再発行する機能を有する。なお、入退出管理装置60はこれらの機能を有していれば、自動改札7−1と同じこともある。
【0163】
図52は、本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部フローチャートである。
【0164】
同図において、入退出管理装置60は、途中下車による退出を示す乗車券情報を受信すると(ST5201)、乗車券53−1を無効化して出力する(ST5202)。入退出管理装置60によって無効化された乗車券53−5を受け付けた乗車券再発行装置61は、無効化された乗車券の再発行処理を実施して(ST5203)、処理を終了する。乗車券再発行装置61で再発行された乗車券53−6を受け付けた入退出管理装置60は、再発行された乗車券53−6にゲート通過を許可して(ST5204)、処理を終了する。
【0165】
図53は、図51とは別の場合の、図50における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図である。
【0166】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60は、途中下車する利用者2の持つ乗車券53−1を回収する機能と、回収した乗車券の代わりに再発行媒体(再発行情報)を発行する機能と、寄り道先の乗車券再発行装置61で再発行された乗車券53−6でゲートの通過を許可する機能を有する。再発行媒体(再発行情報)は媒体として入退出管理装置60から出力されるか、情報として一旦利用者端末5に記憶されるかなどの方法によって、乗車券再発行装置61に受け渡される。また、寄り道先に設置された乗車券再発行装置61は、入退出管理装置60からの乗車券情報に基づいて、乗車券53−6を再発行する機能を有する。
【0167】
図54は、本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャートである。
【0168】
同図において、入退出管理装置60は、途中下車による退出を示す乗車券情報を受信すると(ST5401)、乗車券を回収し(ST5402)、再発行媒体を発行する(ST5403)。再発行媒体を受け付けた乗車券再発行装置61は、無効化された乗車券の再発行処理を実施して(ST5404)、処理を終了する。乗車券再発行装置61で再発行された乗車券53−6を受け付けた入退出管理装置60は、再発行された乗車券53−6にゲート通過を許可して(ST5405)、処理を終了する。
【0169】
図55は、図54とは別の場合の、本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャートである。
【0170】
同図において、入退出管理装置60は、途中下車による退出を示す乗車券情報を受信すると(ST5501)、乗車券を回収し(ST5502)、再発行情報を利用者端末5に送信する(ST5503)。入退出管理装置60から情報を受信した利用者端末5は、受信した再発行情報を記憶部に記憶し(ST5504)、例えばHM入力部から再発行情報送信依頼があると(ST5505)、記憶した再発行情報を乗車券再発行装置61に送信して(ST5506)、処理を終了する。利用者端末5から再発行情報を受信した乗車券再発行装置61は、無効化された乗車券の再発行処理を実行して(ST5507)、処理を終了する。乗車券再発行装置61で再発行された乗車券53−6を受け付けた入退出管理装置60は、再発行された乗車券53−6にゲート通過を許可して(ST5508)、処理を終了する。
【0171】
図56は、本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図である。
【0172】
同図において、途中下車によって仮清算された料金前払い・後払い方式券53−2を目的地で再清算する場合を示す。また、仮清算と再清算の例として、出発地から目的地までの公共交通機関の区間料金が300円であり、同様に出発地から途中下車地までが250円、途中下車地から目的地までが150円である時に、これまでの途中下車では合わせて400円支払わなければならないところを、本発明の実施形態におけるシステムでは途中下車した際の仮清算で250円、目的地での再清算で差額の50円で済むことを示している。
【0173】
図57は、図56における途中下車地と目的地の入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図である。
【0174】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60−1は、利用者2の持つ料金前払い・後払い方式券53−2を利用区間料金に基づいて仮清算する機能と、料金前払い・後払い方式券53−2でゲートの通過を許可する機能を有する。また、寄り道先に設置された寄り道先端末63は、利用者2の訪問を記す記録を料金前払い・後払い方式券53−2に書き込む機能を有する。さらに、目的地に設置された入退出管理装置60−2は、寄り道先の寄り道先端末63で情報が書き込まれた料金前払い・後払い方式券53−2を利用区間料金に基づいて再清算する機能を有する。
【0175】
図58は、本発明の実施形態における途中下車地と目的地の入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャートである。
【0176】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60−1は、退出を示す料金前払い・後払い方式券53−2の情報を受信すると(ST5801)、料金前払い・後払い方式券53−2に仮清算処理を実行する(ST5802)。入退出管理装置60−1で仮清算処理が実施された料金前払い・後払い方式券53−2を受け付けた寄り道先端末63は、利用者2の訪問を記す記録を料金前払い・後払い方式券53−2に書き込んで(ST5803)、処理を終了する。寄り道先端末63で書き込みが実施された料金前払い・後払い方式券53−2を受け付けた入退出管理装置60−1は、料金前払い・後払い方式券53−2にゲートの通過を許可して(ST5804)、処理を終了する。目的地に設置された入退出管理装置60−2は、寄り道先端末63で書き込みが実施された料金前払い・後払い方式券53−2の情報を受信すると(ST5805)、料金前払い・後払い方式券53−2に再清算処理を実行して(ST5806)、処理を終了する。図59は、図57とは別の場合の、図56における途中下車地と目的地の入退出管理装置の機能ブロック図である。
【0177】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60−1は、利用者2の持つ料金前払い・後払い方式券53−2を利用区間料金に基づいて仮清算する機能と、料金前払い・後払い方式券53−2でゲートの通過を許可する機能と、利用者2による寄り道の退出時間を判定する機能を有し、この退出時間が図48に示す滞在時間標準モデルと大きな差異が無ければ、途中下車と見なして料金前払い・後払い方式券53−2にその記録を書き込む。また、目的地に設置された入退出管理装置60−2は、入退出管理装置60−1によって書き込まれた途中下車の記録に応じ、料金前払い・後払い方式券53−2を利用区間料金に基づいて再清算する機能を有する。
【0178】
図60は、本発明の実施形態における途中下車地と目的地の入退出管理装置の演算部のフローチャートである。
【0179】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60−1は、仮清算済みの料金前払い・後払い方式券53−2の情報を受信すると(ST6001)、退出時間から寄り道先を判定し、その判定結果を料金前払い・後払い方式券53−2に書き込んで(ST6002)、処理を終了する。入退出管理装置60−1によって途中下車の記録が書き込まれた料金前払い・後払い方式券53−2を受け付けた入退出管理装置60−2は、再清算処理の実施をして(ST6003)、処理を終了する。
【0180】
図61は、本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図である。
【0181】
同図において、利用者2が乗車する乗車車両に座席指定があった場合に、後続車両における途中下車地から目的地までの座席指定を確保し、その情報を利用者2に途中下車を促す提案情報とすることを示している。
【0182】
図62は、図61におけるネットワークサービスシステムサーバの機能ブロック図である。
【0183】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、座席指定乗車券を発行する機能と、利用形態に含まれる乗車車両の座席指定情報に基づいて、後続車両にて座席指定が確保できるか否かを判定する機能を有する。なお、座席指定乗車券を発行する機能は別システムによって構成されてもよく、この場合は座席指定が確保できるか否かをそのシステムに問い合わせることとなる。
【0184】
図63は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0185】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、乗車車両情報は座席指定に関する情報を含むかを判定し(ST6301)、含んでいる場合に以下の処理を実行する。後続車両において座席指定乗車券が確保できるか判定し(ST6302)、判定結果として座席は確保できると判定(ST6303)した場合には、確保できた座席を仮押さえ(仮予約)処理を実行し(ST6304)、確保できる座席に関する情報を提案情報に加えて(ST6305)、処理を終了し、ST6303で確保できないと判定した場合にはそのまま処理を終了する。
【0186】
図64は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0187】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、図63に示すフロ−チャートに続く処理として、利用者端末5より承諾の意を示す返信を受信すると(ST6401)、仮押さえ座席指定を途中下車地から本予約する処理を実行し(ST6402)、乗車車両の座席指定を途中下車地まででキャンセルする処理を実行し(ST6403)、処理結果を利用者端末5へ送信し(ST6404)、送信した情報を配信情報DBに記憶して(ST6405)、処理を終了する。
【0188】
図65は、本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車及び座席指定に関する情報の具体的な表示例を示す図である。
【0189】
同図において、(a)は図62〜64の処理に対応する提案情報を含んだ周辺地域情報の表示例であり、(b)は同様に座席指定情報を含んだ代替移動手段(後続車両)に関する情報の表示例である。
【0190】
図66は、本発明の実施形態における途中下車によって乗車券が無効とならない領域に設置された構内販売所のイメージを説明するブロック図である。
【0191】
図67は、本発明の実施形態における利用者端末に配信される駅構内販売所を活用する場合に関する情報の具体的な表示例を示す図である。
【0192】
同図において、(a)は周辺地域情報に提案メッセージ有りの場合の表示例であり、(b)は同様に提案メッセージ無しの場合の表示例である。
【0193】
【発明の効果】
以上記載の本発明によれば、利用者はわざわざ行くような労力を要するほどの欲求エネルギは持ち合わせていないが、行動の「ついでに」であれば日ごろ満たされていない何かを求めて自発的行動をすることがあることに着眼して、途中下車によって不利益が生じないような仕組みの提案を、途中下車地域に関する情報とともに配信することによって、移動手段の利用によって気楽に行動に移せる状態(腰が上がった状態)の利用者を呼び寄せることが出来る。つまり、この仕組みによって、公共交通機関を移動手段として利用する利用者に「ちょっと寄ってみてもいいかな」という気持ちを生じさせ、情報の提供者にとっては新たな収益の機会を得るとともに、利用者にとっては新たな満足を得ることが出来る。
【0194】
また、その利用者がわざわざ行くような労力を要するほどの欲求エネルギは持ち合わせていないような人であっても、利用者自らが腰を上げたその行動の「ついでに」を組み合わせるという「きっかけ」を与えることによって、日頃「何かが欲しいわけではないが満たされているとは思えない」と感じている、何か満たされない気持ちを利用者自らの行動によって癒すことが出来る。
【0195】
一方、提供者にとっては(これまでの降車客に加えて)途中下車の客を取り込むことで機会増加するだけでなく、これは他の途中下車地と差異化することで切磋琢磨(自助努力)という、新たな機会創出となる。つまり、これまで立地に恵まれなかった提供者であっても、例えば独自性などを利用者にアピールすることにより他の提供者と差異化をはかることが出来て、より努力する提供者に利用者が集まってくるという「がんばる者が報われる仕組み」とすることが出来る。公共交通機関にとっても、例えば各駅の構内売店が独自色を打ち出して切磋琢磨することでその路線自体の活性化が進み、路線全体として利用者を呼び込むことが出来るなどの相乗効果が期待できる。
【0196】
さらに、本発明によれば、利用者自らの判断で途中下車するか否かを決断するために、途中下車による不利益を無くすだけでなく、代替移動手段を合わせて提示することによって途中下車しても大丈夫という安心感を与えることが出来る。また、利用者が座席指定を確保している場合には、乗車車両の後続で運行される後続車両にて座席指定を確保し、その情報を利用者に途中下車を促す提案情報とすることで、途中下車で「損をするのはイヤだ」と感じる利用者の心理的抵抗感を無くし、利用者は安心した状態での判断が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のコンセプトを説明するブロック図
【図2】本発明の第2のコンセプトを説明するブロック図
【図3】途中下車という行為に関する、人の心理モデルを説明するフローチャート
【図4】本発明の仕組みの概要を説明するフローチャート
【図5】本発明の実施形態における公共交通機関の利用形態を示す図
【図6】本発明において提案情報となり得る情報の例を示す図
【図7】本発明の実施形態における利用区間が明確か不明確かによる途中下車地の判定方法を示すフローチャート
【図8】本発明の実施形態における利用開始を示す検知信号に乗車情報があるか否かによる処理方法を示すフローチャート
【図9】本発明のコンセプトを実現するシステム全体図を説明するブロック図
【図10】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバのハードブロック図
【図11】本発明の実施形態における周辺地域情報取得サーバのハードブロック図
【図12】本発明の実施形態における情報取得装置のハードブロック図
【図13】本発明の実施形態における情報取得機器のハードブロック図
【図14】本発明の実施形態における利用手段検知装置のハードブロック図
【図15】本発明の実施形態における利用者の有する利用者端末のハードブロック図
【図16】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバ、周辺地域情報取得サーバ、利用開始検知装置、及び利用者端末の機能ブロック図
【図17】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図18】本発明の実施形態における利用開始検知装置、ネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャート
【図19】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの機能ブロック図
【図20】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図21】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図22】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図23】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図24】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャート
【図25】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャート
【図26】本発明の実施形態における途中下車のイメージを説明するブロック図
【図27】本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図28】図27とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図29】図28とはさらに別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図30】図27〜29における読取媒体作成装置を用いた利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図
【図31】図30とは別の場合の、ネットワークを介して利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図
【図32】図31とはさらに別の場合の、ネットワークを介して利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図
【図33】図27とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図34】図33における定期券発券機を用いた利用区間読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図
【図35】図34における定期券を用いた場合の情報配信の仕組みの具体例を説明するブロック図
【図36】図34とは別の場合の、図33における定期券発券機を用いた利用者端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図
【図37】図36における定期券を用いた場合の情報配信の仕組みの具体例を説明するブロック図
【図38】図27〜29もしくは図33とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図39】図38における具体例を示すブロック図
【図40】図39とは別の場合の、図38における具体例を示すブロック図
【図41】図40とはさらに別の場合の、図38における具体例を示すブロック図
【図42】図38とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図43】図42における利用者端末の機能ブロック図
【図44】本発明の実施形態における利用者端末、及びネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図45】図42における乗車口に設置される情報タグの具体例を示す図
【図46】本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図
【図47】本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図
【図48】本発明の実施形態における寄り道先での滞在時間標準モデルを説明するブロック図
【図49】本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図
【図50】本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図
【図51】図50における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図
【図52】本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャート
【図53】図51とは別の場合の、図50における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図
【図54】本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャート
【図55】図54とは別の場合の、本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャート
【図56】本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図
【図57】図56における途中下車地と目的地の入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図
【図58】本発明の実施形態における途中下車地と目的地の入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャート
【図59】図57とは別の場合の、図56における途中下車地と目的地の入退出管理装置の機能ブロック図
【図60】本発明の実施形態における途中下車地と目的地の入退出管理装置の演算部フローチャート
【図61】本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図
【図62】図61におけるネットワークサービスシステムサーバの機能ブロック図
【図63】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図64】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図65】本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車及び座席指定に関する情報の具体的な表示例を示す図
【図66】本発明の実施形態における途中下車によって乗車券が無効とならない領域に設置された構内販売所のイメージを説明するブロック図
【図67】本発明の実施形態における利用者端末に配信される駅構内販売所を活用する場合に関する情報の具体的な表示例を示す図
【図68】人の行動モデルと従来の広告(情報配信)システムの仕組みを示すブロック図
【符号の説明】
2 利用者
5 利用者端末
6 ネットワークサービスシステムサーバ
7 利用開始検知装置
8 公共交通機関
9 周辺地域情報取得システム
10 ネットワーク
19 周辺地域情報DB
20 提案情報DB
21 車両運行情報DB
22 配信情報DB
44 移動手段利用開始検知媒体
53 利用区間読取媒体
54 利用者端末アドレス読取媒体
59 乗車口(情報タグ)
【発明の属する技術分野】
本発明は情報配信、特に公共交通機関を移動手段として利用する利用者を対象とする情報配信システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
広告情報などの情報配信を目的とする従来技術としては、情報の配信側の都合に応じて、配信側から一方的に情報を配信するものが一般的であった。
【0003】
また、公共交通機関を利用する利用者に情報を配信する先行技術として、特開平8−18523号公報が挙げられる。この先行技術では鉄道の駅に設置される自動改札機を通過した利用者の持つ携帯端末に対して情報が配信されている。途中下車した際の座席管理に関する処理についての先行技術として、特許第2817724号公報が挙げられる。この先行技術では途中下車した利用者を含めた座席管理をする。途中下車した利用者の持つ乗車券媒体を自動改札で処理をする先行技術として、特開平11−185067号公報が挙げられる。この先行技術では途中下車を示す記録を乗車券媒体に施している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
人は物的にほぼ十分満たされており、新たな物的欲求が起こりにくい世の中となっている。その反面、精神的には満たされているとは言えないが貪欲に求めるほどでもないという矛盾を抱えており、何かが欲しいわけではないが満たされているとは思えないと感じていながら、その満たされない何かのために行動を起こす気にはなれないとも感じている。
【0005】
つまり、人は生来、何かの行動に移す(つまり腰を上げる)までに多大のエネルギを要するものであり、一度行動の実行がなされればその次の行動には気楽に移されるのであるが、腰を上げるまでの多大なエネルギに相当する貪欲な欲求自体が失われていると言える。
【0006】
図68は人の行動モデルと従来の広告(情報配信)システムの仕組みを示すブロック図である。
【0007】
同図において「行動活性」とは気楽に行動できる、いわば腰の上がった状態のことを示し、「行動不活性」とはなかなか次の行動に移らない、いわば腰の重い状態のことを示す。行動不活性にはおおよそ2つの力が働いていると考えられ、そのひとつが行動不活性を行動活性へと起動させる力であり、もうひとつが行動不活性を安定させる力である。この安定させる力を断ち切って行動活性へ起動する力が勝れば、人は腰が上がった状態となる。人は行動不活性から行動活性へ多大なエネルギを必要とするものの、ひとたび行動活性すれば自発的な行動を気楽に実行することが出来る。
【0008】
一方、同図において、従来の広告配信のシステムは広告情報データベースより読み込んだ広告情報を利用者の持つ端末へ配信する。システムより広告情報の配信を受け取った利用者はその情報に魅力を感じれば広告の対象に向かって自発的行動に行動する。ところが、利用者の嗜好によってはその情報に魅力を感じなかったり、たとえその情報に魅力を感じたとしても例えば制約(都合)などの要因がまるで重石のように利用者の行動を阻害することもある。そのためにわざわざ腰を上げなくてはならないとなれば、なおさらであるとも言える。
【0009】
この制約とは、例えば会社で仕事中であったり、学校で勉強中であったり、家庭においては家事で手が離せなかったりする「それどころではない」、「(自発的行動が出来ないのは)仕方がない」などと思えるような感覚であり、一般に都合とも呼ばれ、気楽に行動に移すことが出来ないという、腰が重い状態を維持する方向に作用する。また、制約(都合)はちょっとその気にさせた程度の人の「その気」を、「仕方がない。やーめた」などと言った諦めに導きやすい特性を持つ。
【0010】
人はおおよそ社会で生活を営むために自らの意思で自由に出来ない、これら制約の影響を大きく受けており、行動不活性の状態の方が圧倒的に時間が長いのはいわば必然である。またこれらの制約以外にも虚脱感と呼ばれるような「何もしたくない」、「その気にならない」などと思えるような行動不活性を安定させてしまう感覚も人には多く存在する。
【0011】
このような状況で(人手で配られるもの、ネットワークと端末を用いて電子的に配信されるものを問わず)これまでの「広告」と名のつくものはすべて、利用者に行動する気になってもらうため(利用者に腰を上げさせるため)に提供される情報であり、多大なエネルギを要することにこれまでの広告は情報配信の労力(エネルギ)を使っていたわけで、これまでの広告の仕組みでは投資対効果の点でロスが大きいという問題点があった。
【0012】
一方、鉄道やバスなどの公共交通機関における純粋に人の移動に関する収益はもうすでに頭打ちの状態であり、例えば宣伝広告手法によって人の関心を惹くような目的地を新たに設定し続けることで、移動手段を利用させ続けることにも限界があるという問題点があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
わざわざ行くような労力を要するほどの欲求エネルギは持ち合わせていないような人でも何か仕方がない行動の「ついでに」であれば、日ごろ満たされていない何かを求めて自発的行動をすることがある。
【0014】
そこで本発明は、人がどこかに行こうとする行動の「ついでに」を活用した情報配信の仕組みによって、公共交通機関を移動手段として利用する利用者に「ちょっと寄ってみてもいいかな」という気持ちを生じさせ、情報の提供者にとっては新たな収益の機会を得るとともに、利用者にとっては新たな満足を得ることを目的とする。
【0015】
本発明は、前記課題を解決するために、公共交通機関を利用する利用者が有する利用者端末に当該交通機関の沿線周辺地域又は路線周辺地域に関する周辺地域情報を配信する場合、記憶手段が、公共交通機関の駅名及び当該駅に対応させて当該駅周辺地域に係る商業店舗、観光名勝、催し物等の内容及び所在地等の周辺地域情報を路線・沿線情報を記憶するともに、前記公共交通機関の普通乗車券、定期券、料金前払い・後払い券或いは座席指定券等の公共交通機関利用券の利用券種別情報と当該公共交通機関券利用券に係る乗車区間情報とを対応させて、前記利用者が途中下車しても新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を記憶し、次に、前記公共交通機関利用券が投入されたことを示す利用券投入検知情報を検知するとともに、前記公共交通機関利用券に記憶されている前記乗車区間情報と前記利用券種別情報とを対応させた公共交通機関利用券検知信号を自動改札機等の入退出管理手段が検知し、前記入退出管理手段が検知した利用券投入検知情報および公共交通機関利用券検知信号を受信する受信手段と、前記検知信号受信手段により利用券投入検知情報および公共交通機関利用券検知情報が受信された際に、提案情報作成手段が、当該公共交通機関利用券検知情報から前記乗車区間を読み取り、当該乗車区間が検知可能な場合には、当該乗車区間を基に、前記記憶手段が記憶している路線情報から前記乗車区間に関する路線情報及び周辺地域情報を当該乗車区間内に存在する駅毎に読み出し、当該駅を利用者の途中下車駅の候補を抽出し、当該候補駅に関する前記周辺地域情報と共に前記検知信号に含まれる前記利用券種別に対応する前記新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を前記記憶手段から呼び出して前記利用者への途中下車提案情報として作成し、前記乗車区間が検知できない場合には、前記公共交通機関利用券が投入された前記改札ゲートの設置駅を含む沿線・路線駅全体を途中下車駅の候補を抽出し、当該候補駅に関する前記周辺地域情報ともに前記検知信号に含まれる前記利用券種別に対応する前記新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を前記記憶手段から呼び出して前記利用者への途中下車提案情報として作成し、次に、前記提案情報作成手段により作成された前記途中下車提案情報を前記利用者端末へ情報送信手段が送信するようにした。
【0016】
ここで、受信した前記検知信号から前記利用者の利用区間に関する情報が読み取れなかった場合には、「利用区間に関する情報が無い」という情報として認識するとよい。利用区間が明確でない場合には、乗車車両情報が取得できれば乗車車両の進行方向の停車地を途中下車地と見なせばよく、また取得できなければその沿線・路線全体を途中下車地と見なすとよい。
【0017】
また、前記公共交通機関の車両運行に関する情報を車両運行情報データベースに記憶し、前記利用者が乗車した前記公共交通機関の車両に関する乗車車両情報が、前記検知信号から読み取れた場合には、その乗車車両の後続で運行される後続車両に関する後続車両情報を前記車両運行情報データベースから取得し、前記途中下車地に関する周辺地域情報と前記提案情報に、取得した前記後続車両情報を加えて、前記利用者端末へ送信するようにしてもよい。
【0018】
また、前記前記利用者が乗車した前記公共交通機関の車両に関する乗車車両情報を受信すると、その乗車車両の後続で運行される後続車両に関する後続車両情報を前記車両運行情報データベースから取得し、取得した前記後続車両情報を前記利用者端末へ送信するようにしてもよい。
【0019】
また、前記利用者が乗車した前記公共交通機関の車両に関する乗車車両情報が、前記検知信号から読み取れなかった場合にはその受信を待機し、受信した乗車車両情報に基づいて、その乗車車両の後続で運行される後続車両に関する後続車両情報を前記車両運行情報データベースから取得し、前記途中下車地に関する周辺地域情報と前記提案情報に、取得した前記後続車両情報を加えて、前記利用者端末へ送信するようにしてもよい。ここで、乗車情報のシステムへの送信を利用者が行うようにすれば、乗車情報の受信を待つことが送信情報配信をするか否かの最終的な決定権を利用者に持たせることと同意となり、システムからの一方的な情報の押し付けになりにくい。
【0020】
前記乗車車両情報は前記利用者が乗車する予定の乗車予定情報を含み、前記検知信号から前記乗車予定情報が読み取れた場合には、その乗車予定の後続で運行される後続車両に関する後続車両情報を前記車両運行情報データベースから取得してもよい。乗車予定情報を用いた情報配信は、途中下車するか否かの判断を利用者が乗車前にすることも出来るようになる。
【0021】
人は腰を上げるまでに時間とエネルギを費やしがちなところがある。本発明の本質は、これまでの広告配信の仕組みのように利用者の行動に関する活性度合を上げるのでなく、行動活性した利用者の検知と見なす「利用者による移動手段の利用開始」を検知すると移動手段の利用によって行動活性した利用者に(利用区間内の、目的地まで間の)寄り道先の情報を配信することにより「ちょっと寄ってみてもいいかな」という気持ちを生じさせることである。
【0022】
つまり、本発明の本質は、利用者の腰が上がった状態の検知に応じて配信する情報を用いて、その利用者がわざわざ行くような労力を要するほどの欲求エネルギは持ち合わせていないような人であっても、利用者自らが腰を上げたその行動の「ついでに」を組み合わせるという「きっかけ」を与えることによって、日頃「何かが欲しいわけではないが満たされているとは思えない」と感じている、何か満たされない気持ちを利用者自らの行動によって癒す仕組みと言い換えることが出来る。
【0023】
なお「行動活性した利用者」とは、いわゆる腰が上がった、人が気楽に行動に移す状態のことを言う。また「移動手段の利用によって」とは、具体的に移動手段の利用開始を検知することを言うが、利用者の「移動の意思」を検出することとも解釈できる。
【0024】
本発明における第一の特徴は、利用者による移動手段の利用開始を検知して、取得した利用区間に関する情報に基づいて途中下車地の周辺地域の情報に、同時に取得した利用形態に関する情報に基づいて途中下車による新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を加えて利用者の持つ端末に情報配信することで、利用者に途中下車を勧めるための判断材料を提供することである。なお、広義の途中下車地の周辺地域に目的地の周辺地域も加えてもよく、その場合には目的地を含めた途中下車可能な途中下車地について、その周辺地域の情報を配信してもよい。また、利用区間に関する情報が取得できなかった場合には、利用区間に関する情報が無い(という利用区間情報)として提案情報を周辺地域情報に加えるとよい。
【0025】
まず配信する情報に魅力がないと話にならないが、たとえどんなに魅力があっても利用者が途中下車しようと思わない、つまり利用者が自発的に行動しないのには、他に何か原因があると考える。これは途中下車という行為そのものに必然として含まれている要素によることであり、これまでの情報配信の手法を用いる限り、情報配信のタイミングを工夫しようとも、利用者の嗜好に配慮しようとも同じことである。
【0026】
なぜなら、途中下車したとしてもあらかじめ利用者が設定している目的地が変わるわけではなく、ほとんどの場合は途中下車しても目的地へ行かなくてはならないことに変わりがない。そこで、利用者が目的地へ行くまでにちょっと寄り道するだけの多少の時間的余裕があり、配信された情報に魅力を感じたとしても「ちょっとその気に」ならないのは次に示す心配事(心理的抵抗感)よるものだからと説明できる。
【0027】
心理的抵抗感(1) 途中下車によって新たな費用負担が発生しないだろうか?(つまり、『損をするのはイヤだ』と感じる心理的抵抗感)
心理学的には何も決まっていない状態で何かを設定させることより、あらかじめ設定していることを変えさせることの方が格段に難しいとされている。なぜなら、その変更によって生じる結果の事象が自らにとって不利益をもたらすと感じると即、人は自らがすでに手に入れている自らの所有物が取り上げられたかのような気分になり、客観的にその不利益が些細なことであってもかなりの損をした気分になってしまうためであると説明されている。
【0028】
これまで途中下車という行為が利用者の勝手な自己判断による目的地の変更と見なされるため、あらかじめ支払った利用料が戻ることはなく、また公共交通機関においては移動手段を一度に利用する場合よりも途中下車して利用する場合の方が割高となる料金設定にしてあるのが一般的であるので途中下車すると、途中下車しない場合に比べて高額の利用料を支払うことになる。
【0029】
基本的に利用者はこのような損をしてまで途中下車をしようとは思わない。しかしながら、それでもということになれば損を埋めて余りある得があると感じさせないと利用者の心を動かすことは出来ないことになり、利用者の多くは損をすること自体がおもしろくないので、生半可な穴埋めでは人の気持ちを動かせないことになる。
【0030】
よって、取り上げられた価値以上のものをその代償として得ないことには納得が得られないため、提供される情報に途中下車に見合うほどの魅力を求めることは提供者にとって大きな負担になることが避けられない。これは提供者側の持ち出しが多くなることを意味し、安易な手段としては低価格、値引き・割引など提供価格の割安感によって魅力を出そうとするものがある。これまでの情報配信のような安易な手法によって利用者に損をしたと感じさせたらそこで情報提供者の負けであり、当然のごとく穴埋めを要求されるため、ヘタに取り繕わない方がむしろよく、利用者に損をしたと感じさせる要素が少しでもあれば情報提供自体をしない方がよいくらいの割り切り必要である。
【0031】
そこで本発明では、この途中下車で「損をするのはイヤだ」と感じる心理的抵抗感に対しては、途中下車という行為によって少なくとも損をしない、つまり途中下車によって「新たな負担が生じない仕組みの提案」で解消をする。
【0032】
具体的には、例えば次に示すような途中下車しても新たな負担が生じない仕組みがいくつかあり、その仕組みの内容について検知した利用者の利用形態に応じて適切なものを選択してから情報配信するとよい。なお、これらは実施形態を具体的に示す例であり、これらに限定されるものでなく、途中下車で「損をするのはイヤだ」と感じる心理的抵抗感を少なくとも無くす提案であれば、この限りではない。
【0033】
(1)−A 定期券を含む期間限定フリーパスの活用(定期券を含むフリーパスの利用者を対象とした利用区間内における途中下車地に関する情報の配信)
例えば公共交通機関の駅の構内に設置された自動改札や移動体(移動手段)に乗り込む際のゲートで定期券を含む期間限定フリーパスの利用を検知したら、途中下車地域に関する情報を配信する。
【0034】
定期券を含む期間限定フリ−パスを持つ利用者のみを選択的に配信する場合には提案情報は不要としてもよい。またこれらの乗車券では途中下車しても新たな負担が生じないことを知らせるメッセージをあえて提案情報とすることで、途中下車するか否かの判断に迷っている利用者の決断に対して、その背中をトンと押すような効果が期待できる。なぜなら、心理学的には人は何か迷うときには意識しているかどうかは別にして、すでにその答えを深層心理ではほぼ決めており、最後の決心をするために悩んだり、相談したりするとされている。そこで利用者が迷うようであれば、このような些細な、いわば当たり前とも言える情報ですら利用者自らが自らを説得する材料になり得るからである。
【0035】
ここで言うところの定期券とは、移動手段を利用するための利用区間を設定した、一定区間にのみ有効なフリーパスのことであり、利用期間が設定されているのが一般的であるが、利用期間が有効であれば、設定された利用区間内で何度下車しても新たな負担は発生しない乗車券の特徴を活用する。また定期券は通勤・通学などの一日に利用区間を往復する用途が一般的であるので、目的地に急ぎ向かうと思われる一度目の利用よりも、その逆方向となる二度目の利用に重点を置く情報配信にすれば寄り道しやすい状況への配慮が出来る。
【0036】
(1)−B 途中下車地域での乗車券の再発行(途中下車により無効となった乗車券を途中下車地の周辺地域にある寄り道先で再発行)
利用者の持つ乗車券は、途中下車によって無効となるのが一般的であるが、一旦無効になった乗車券の復活を寄り道先で実行する場合である。ここで言うところの寄り道先とは、利用者に「ちょっと寄ってみてもいいかな」という気持ちにさせるべく配信される情報の対象のことを言う。
【0037】
これまで公共交通機関では、途中下車した乗車券は不正利用防止の観点から再利用を認めてこなかったが、一旦無効にしておいて寄り道先まで自ら足を運んだ利用者に対して、その乗車券の再発行を認めるものである。もちろん利用者は寄り道するつもりで途中下車するのだが、乗車券の再発行場所が寄り道先であることによって「そこまではとりあえず行ってみようか」などと利用者にモチベートさせることが出来る。
【0038】
また、例えばコンビニエンスストア(いわゆるコンビニ)や車販売店など街角(ここでは街頭の意。屋内、屋外を問わない)に設置されている街角端末を活用するのもよい。中でもコンビニの店舗内に設置されているコンビニ端末は情報満載を売りにしているが、なぜそこでその情報を取得しなければならないかという必然性が説明しきれていないため、活発な活用がされていない。
【0039】
そのような街角端末を用いた乗車券の再発行は公共交通機関との連携によって「寄り道先で」という「その場にある(その場にある端末でしか出来ない)」という必然性を持たせることが出来る。つまり、これまで活用されてこなかった周辺地域のインフラを活用する点でも有効である。
【0040】
(1)−C 乗車券が無効とならない領域を途中下車地域とする(例えば公共交通機関の駅構内などに設置された寄り道先を活用)
例えば鉄道などの比較的長距離な公共交通機関の利用は現代における「旅」に相当し、その土地その土地の特色が差別化要素として商品やサービスに反映させることが出来るので、新たなビジネスモデルとして活用が期待できる。
【0041】
これは、利用者にとってはちょっとした非日常に対する期待感を感じることが出来、また提供者にとっては(これまでの降車客に加えて)途中下車の客を取り込むことで機会増加するだけでなく、これは他の途中下車地と差異化することで切磋琢磨(自助努力)という、新たな機会創出である。
【0042】
つまりこれまで立地に恵まれなかった提供者であっても、例えば独自性などを利用者にアピールすることにより他の提供者と差異化をはかることが出来て、より努力する提供者に利用者が集まってくるという「がんばる者が報われる仕組み」とすることが出来る。また例えば各駅の構内売店が独自色を打ち出して切磋琢磨することでその路線自体の活性化が進み、路線全体として利用者を呼び込むことが出来るなどの相乗効果が期待できる。
【0043】
また、上記とは別の本発明における第二の特徴は、その検知情報の中に利用者が乗車する公共交通機関の車両に関する乗車車両情報がさらに含まれていた場合には、途中下車地に関する周辺地域の情報と途中下車による新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報に、目的地までの代替移動手段情報を加えて利用者の持つ端末に情報配信することで利用者に途中下車を勧めるための判断材料を提供することである。
【0044】
ここで言うところの代替移動手段とは、利用者が乗車している車両を途中下車した場合に、その降りた車両に代わって利用者を目的地まで運ぶ代わりの車両のことである。もちろん目的地に行くことができれば、途中下車した公共交通機関と同じである必要はなく、その種類は問わない。
【0045】
このような代替移動手段に関する情報は、利用者が目的地へ行くまでにちょっと寄り道するだけの多少の時間的余裕があり、配信された情報に魅力を感じたとしても「ちょっとその気に」ならない、もうひとつの心配事(心理的抵抗感)に配慮したものである。
【0046】
心理的抵抗感(2) 途中下車で生じる遅れはどのくらいだろうか?(つまり、『予定が狂うのはイヤだ』と感じる心理的抵抗感)
途中下車で目的地が変わるわけではないのだから、あらかじめの予定がある場合には利用者はどのくらいの遅れなら大丈夫かを見極める(判断する)必要がある。そこで本発明では途中下車という行為によってあらかじめの予定が許容できる範囲にあるか否かを利用者自らに判断してもらうための判断材料として「目的地までの代替移動手段の情報の提示」をする。
【0047】
また、あらかじめの予定がない場合であっても、例えば現在利用中の移動手段に替わる次の移動手段(つまり代替移動手段)の情報がなければ、どのくらい遅れるか、どれくらいの遅れなら自分は我慢が出来るかを判断することが出来ない。
【0048】
具体的には、例えば次に示すような代替移動手段についての情報を情報配信するとよい。
【0049】
(2)−A 乗車車両に対する後続車両を代替移動手段とする(運行表もしくは実稼動情報システムからの情報取得)
移動手段には通常ダイヤグラムと呼ばれる車両運行表(公共交通機関の運行予定)があり、国ごとに事情が異なるが、日本では一日のほぼ同じ時刻(平日、土日曜日のダイヤは異なることが一般的)に各駅を通過するように移動手段が運行されている。そこで乗車車両を検知もしくは利用者に入力させることにより、次以降の停車車両の中から代替移動手段を選択するとよい。
【0050】
具体的な選択方法としては、システムの内もしくは外にあらかじめ有する車両運行情報を記憶するデータベースからの情報に基づく処理であるが、このデータベースに記憶する情報は公共交通機関の車両運行に伴う変更事項によって更新されるとよい。
【0051】
次以降の停車車両とする意味は、情報提供された途中下車地域内の寄り道先まで移動(ほとんどの場合が徒歩)しなければならないので、その往復時間と寄り道先での滞在時間を考慮しておく必要があるためである。例えば降車地(駅)から情報提供の対象となった寄り道先との平均的な往復時間と、寄り道先での平均的な滞在時間に多少の余裕(ゆとり)時間を加えた後の時刻以降に初めて到着する停車車両を代替移動手段とする。もちろん代替移動手段は、複数本の停車車両を示してもよい。
【0052】
また、利用者が初めていく場所や久しぶりに訪れる場所については寄り道先までの時間にさらに余裕を持たせて往復時間を算出するとよい。この初めてか、久しぶりかなどは利用者自身に問うとよい。
【0053】
なお、例えば交通機関システムなどから実可動情報を取得できれば、運行表に対して生じたズレ(例えば不慮の事態による運行車両の遅れや運休)に対応することが出来る。
【0054】
(2)−B 座席指定を利用している場合には、その代替の座席指定も同時に提示する(今、座っている座席指定をムダにせずに途中下車を勧める)
移動手段による長距離移動の場合、利用者は座席指定料金を支払って自らの座席を確保している場合が多い。座席指定で席を確保している場合には、利用者にとって「席をムダにしたくない」という思いがあり、これが途中下車できない大きな阻害要因になっている。
【0055】
これまで説明のように一般に途中下車は利用者の自己判断による目的地の変更と見なされるため、せっかく確保した座席が途中下車によりムダになってしまい、ここで降りたら座れないと思えることが、また損をする気分にさせることになる。
【0056】
そこで、情報配信する際には代替移動手段を条件検索によって取得した際に、利用者が現在利用している座席指定と同等の座席がその代替移動手段に確保できるか否かを合わせて条件検索して、利用者に途中下車するか否かの判断材料として提示する。さらに具体的には、例えば座席が確保できた代替移動手段の情報を合わせて提示し、利用者から「承諾」の入力が利用者端末から得られれば現在利用者が使用中の座席指定は降車地まで(目的地までの座席指定はキャンセルの扱い)とし、代替移動手段において新たにその降車地から目的地までの座席指定とするとよい。
【0057】
代替移動手段の提示の際に代替座席指定の提示もする場合には、代替座席指定が確保できれば情報配信し、確保できなければ情報配信しないとしてもよい。
【0058】
いわば、これまで途中下車は利用者にとって負担が増すばかりで、あまりメリットもないものであった。
【0059】
よって本発明では、途中下車で「損をするのはイヤだ」と感じる心理的抵抗感に対しては、途中下車によって「新たな負担が生じない仕組みの提案」で解消し、さらに好ましくは途中下車によって生じる遅れが許容できるか否かを利用者自らに判断してもらうよう、その判断材料として「目的地までの代替移動手段の情報の提示」をする。つまり、利用者の心理的抵抗感を無くし、「途中下車してもいいかな」と思わせる仕組みを提供する。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る情報配信システムの具体的実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0061】
図1は、本発明の第1のコンセプトを説明するブロック図である。
同図において、ネットワークサービスシステム1は、行動活性した利用者2を移動手段の利用開始によって検知し、検知した利用者2の有する利用者端末(図示せず)に対して▲1▼途中下車地域に関する情報を▲2▼新たな負担が生じない仕組みの提案とともに配信する。ここで言うところの移動手段とは、具体的に電車、バスなどの沿線・路線を有する公共交通機関のことである。ここで言うところの途中下車地域に関する情報とは利用者2自らに足を運んでもらいたいと考える提供者からの情報のことであり、具体例には店舗、催し物、観光地などの物品やサービスを提供する提供者のことを示す。なお、ネットワークサービスシステム1は、公共交通機関の沿線・路線の周辺地域にある提供者を、その公共交通機関の寄り道先として情報配信する。
【0062】
図2は、本発明の第2のコンセプトを説明するブロック図である。
【0063】
同図において、ネットワークサービスシステム1は、図1と同様に行動活性した利用者2を移動手段の利用開始によって検知し、検知した利用者2の有する利用者端末(図示せず)に対して▲1▼途中下車地域に関する情報を▲2▼新たな負担が生じない仕組みの提案、▲3▼目的地までの代替移動手段情報の提示とともに配信する。データベース(DB)に記憶される代替移動手段情報は、外部のシステムとなる運行車両管理システム4からの情報によって更新されてもよい。
【0064】
図3は、途中下車という行為に関する、人の心理モデルを説明するフローチャートである。
【0065】
同図において、自らの持つ利用者端末に配信された情報によって途中下車を促された場合に人はまず、途中下車を促すための情報そのものに魅力を感じるかを判断し(ST301)、魅力を感じなければ何もせずにそのまま目的地まで行ってしまう(ST305)。魅力を感じると、次に途中下車という行為に見合うだけの価値がその情報にあるか否かを判断し(ST302)、価値が無いと判断した場合は、情報そのものには魅力を感じても途中下車という行為に心理的負担感を感じている状態であり(ST304)、これもまたそのまま目的地まで行ってしまう(ST305)。つまり、利用者2が途中下車しようと思い、受け取った情報に促されるように途中下車を実行する(ST303)のは、途中下車を促すための情報そのものに魅力を感じ、かつ次に途中下車という行為に見合うだけの価値がその情報にあると判断した時である。
【0066】
本発明は、途中下車を促す情報を配信する際にネック(障害)となる、この心理的負担感を解消することを目的とする。
【0067】
図4は、本発明の仕組みの概要を説明するフローチャートである。
【0068】
同図において、ネットワークサービスシステム1は、行動活性した利用者2を移動手段の利用開始によって検知する検知装置から、利用者2による移動手段の利用開始を示す受信があると(ST401)、受信情報から途中下車地を判定し、判定した途中下車地に関する周辺地域情報を、データベース3の一部を構成する周辺情報DBより取得し(ST402)、同じく受信情報から取得した利用形態に関する情報に基づく提案情報を、データベース3の一部を構成する提案情報DBより取得する(ST403)。さらに乗車車両情報の読み取りがあれば、乗車車両に代わる代替移動手段として後続車両情報を、データベース3の一部を構成する車両運行情報DBから取得して(ST405)、取得した情報を利用者端末へ送信して(ST406)、処理を終了する。
【0069】
図5は、本発明の実施形態における公共交通機関の利用形態を示す図である。
【0070】
同図において、公共交通機関の利用形態のうち、代表的なものを大別すると乗車券、料金前払い・後払い方式券(例えば料金前払いのプリペードカード・デビッドカードや、料金後払いのキャッシュカードなど)、定期券(公共交通機関を利用するための利用区間を設定したパスのことであり、利用区間とともに利用期間が定められているものが一般的)などがある。一般に公共交通機関の利用開始時に利用区間が明確なのは乗車券と定期券であり、不明確なのは料金前払い・後払い方式券であることを示している。また、途中下車によって新たな負担が生じない仕組みの提案内容としては、乗車券は途中下車すると無効になるので無効となった乗車券の再発行であり、料金前払い・後払い方式券は下車ごとに清算となるので目的地での再清算であり、定期券は利用区間内の途中下車によって無効とならないので特にないことを示している。ただし、定期券の場合も途中下車によって無効とならないこと、つまり新たな負担が生じないことを提案メッセージに用いてもよい。
【0071】
図6は、利用形態ではないが、本発明において提案情報となり得る情報の例を示す図である。
【0072】
同図において、駅構内に設置された寄り道先は途中下車しても乗車券などが無効とならない領域であり、途中下車する寄り道先として積極的に活用することが望ましいとともに、定期券と同様に途中下車によって無効とならないこと、つまり新たな負担が生じないことを提案メッセージに用いてもよい。また、同図において、座席指定券も途中下車すると無効となってしまうものであり、これもまた途中下車を阻む心理的抵抗感となるので、利用者2が座席指定を確保している場合には、後続車両にて再取得し、確保できた場合にはその結果を提案情報にすることを示している。なお、座席指定券は乗車車両があらかじめ決められているのが一般的であり、乗車してなくとも乗車予定情報として扱ってよい。
【0073】
図7は、本発明の実施形態における利用区間が明確か不明確かによる途中下車地の判定方法を示すフローチャートである。
【0074】
同図において、ネットワークサービスシステム1は、公共交通機関の利用開始を示す検知信号から利用区間の情報が得られたか否かを判定し(ST701)、得られた場合には乗車情報の取得があるか否かを判定して(ST702)、乗車情報があった場合には利用区間内の乗車車両の停車地を途中下車地に特定し(ST703)、乗車情報が無かった場合には利用区間全体を途中下車地として扱う(ST704)。ST701で利用区間が得られなかった場合には、さらに乗車情報の取得があるか否かを判定して(ST705)、乗車情報があった場合にはその乗車方向の停車地をすべて途中下車地として扱い(ST706)、乗車情報があった場合には沿線・路線全体を途中下車地として扱う(ST707)。
【0075】
図8は、本発明の実施形態における利用開始を示す検知信号に乗車情報があるか否かによる処理方法を示すフローチャートである。
【0076】
同図において、ネットワークサービスシステム1は、公共交通機関の利用開始を示す検知信号に乗車情報があるか否かを判定し(ST801)、なければさらに、乗車情報の取得を待つか否かを判定し(ST803)、取得を待つと判定した場合には乗車車両から乗車情報の取得を待機する(ST804)。ST803で乗車情報の取得を待たないと判断した場合には、さらに利用者に問い合わせが必要か否かを判定して、必要と判定した場合には利用者端末へ乗車情報の問い合わせ処理を実施し(ST806)、必要ないと判定した場合にはそのまま処理を終了する。
【0077】
図9は、本発明のコンセプトを実現するシステム全体図を説明するブロック図である。
同図において、利用者2が公共交通機関8の利用を開始したことを検知する利用手段検知装置7と、公共交通機関の沿線・路線の周辺地域の情報を取得する情報取得端末9−2と同じく情報取得機器9−3を統括する周辺地域情報取得サーバ9−1によって構成される周辺地域情報取得システム9と、ネットワークサービスシステムサーバ6からネットワーク10−1を介して取得した情報を利用者2に伝達する利用者端末5と、利用手段検知装置7からの情報を受信して周辺地域情報取得システム9から取得した情報の中から途中下車地の周辺地域に関する情報をデータベース3から抽出して利用者端末5に送信するネットワークサービスシステムサーバ6とから本発明のシステムは構成されている。ネットワークサービスシステムサーバ6は必要に応じて運行車両管理システム4から公共交通機関で運行される車両の情報を取得するとよい。
【0078】
図10は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバのハードブロック図である。
【0079】
同図において、サーバ操作者11とはネットワークサービスシステムサーバ6の操作者で、サーバの管理(運営、監視、維持などを含む)者のことである。HM(ヒューマンマシン)入出力部12とは、ネットワークサービスシステムサーバ6がサーバ操作者11と種々のやりとりをするための入出力機能を持つ部位である。入力装置としては、例えばキーボード、テンキー、マウス、バーコードリーダなどが該当し、サーバ操作者11の入力がシステムに対して情報を伝達するものなら、その種類は問わない。また出力装置としては、例えばディスプレイ、プリンタなどが該当し、サーバ操作者11に対してシステムから情報を伝達できるものなら、その種類は問わない。演算部13とは、プログラムを実行することによって各機能を駆動、処理するための演算機能を持つ部位であり、一般にCPU(中央演算装置)で構成される。メモリ部14とは、演算部13が実行するプログラムの実行エリアの部位である。通信部15とは、ネットワーク10を介した外部との通信を制御する部位である。ネットワーク認証部16とは、ネットワークや外部機器との認証機能を持つ部位である。DB管理部17とは、様々なデータ構造とデータ実体を管理する機能を持つ部位である。DB管理部17に管理される処理プログラム18とは、 ネットワークサービスシステムサーバ6の利用目的を達成するために必要なプログラムのことであり、OS(オペレーションシステム)もここに含まれる。同様に周辺地域情報DB19とは、周辺地域情報取得システム9から取得した周辺地域情報を記憶するデータベースのことである。同様に提案情報DB20とは、受信した利用者2の利用形態に応じた、途中下車しても新たな負担が発生しない仕組みの提案に関する情報を記憶するデータベースのことである。同様に車両運行情報DB21とは、公共交通機関で運行される車両の運行情報を記憶するデータベースのことであり、例えば通常ダイヤグラムと呼ばれる車両運行表(公共交通機関の運行予定)の情報であったり、運行車両管理システム4から取得した情報であったりする。同様に配信情報DB22とは、利用者端末5に配信した情報の履歴を記憶するデータベースである。同様にその他のプログラム・データ23とは、上記以外の例えばサーバ操作者11が使用するワードプロセッサや表計算プログラムなどのアプリケーションソフトウェアやそれらに付随するデータなどが該当する。
【0080】
図11は、本発明の実施形態における周辺地域情報取得サーバのハードブロック図である。
【0081】
同図において、周辺情報送受信部24とは、情報取得端末9−2および情報取得機器9−3との間で情報の送受信を行う部位であり、ここで周辺地域情報を受信する。周辺情報元情報DB30とは、周辺情報送受信部24で受信した周辺地域情報を記憶するデータベースのことであり、このデータベースに記憶した周辺地域情報がネットワーク10を介してネットワークサービスシステムサーバ6に送信される。
【0082】
図12は、本発明の実施形態における情報取得装置のハードブロック図である。
【0083】
同図において、取得部36とは、周辺地域に関する事象34を取得する機能を持つ部位である。メモリ部38とは、情報取得装置9−2の利用目的を達成するために必要なプログラム、及び演算部37が実行するプログラムの実行エリアの部位のことであり、OS(オペレーティングシステム)もここに含まれる。送受信部39とは、 ネットワークサービスシステムサーバ6と情報の送受信を行う機能を持つ部位であり、取得した情報はここから送信される。情報取得装置9−2とは、例えば装置操作者33が情報を入力する端末であったり、取得部36から周辺地域に関する情報を取得する装置であったりする。例えば広告宣伝会社が広告宣伝情報を入力する端末や、店舗や観光地の観光協会および催しもの主催者などの物品・サービス提供者が直接PR情報を入力する端末などが該当する。なお、取得部36によって取得される情報に相当するものは、例えばPOS(販売時点情報管理システム)の機能によって自動読み取りされる販売時点情報や、人の出入り(例えば、ある空間への人の入退出人数のこと)や天候・温度湿度などの環境観測情報などのことである。
【0084】
図13は、本発明の実施形態における情報取得機器のハードブロック図である。
【0085】
同図において、送信部43とは、 ネットワークサービスシステムサーバ6に取得情報を送信する機能を持つ部位である。情報取得機器9−3とは情報取得装置9−2に比べ、HM入出力部を持たない簡易的なもののことである。
【0086】
図14は、本発明の実施形態における利用手段検知装置のハードブロック図である。
【0087】
同図において、移動手段利用開始検知媒体44とは、利用手段検知装置7が利用者2を検知するために用いる媒体であり、詳細については後述する。検出部45とは、移動手段利用開始検知媒体44を検知する機能を持つ部位である。
【0088】
図15は、本発明の実施形態における利用者の有する利用者端末のハードブロック図である。
【0089】
同図において、送受信部52とは、ネットワーク10を介して ネットワークサービスシステムサーバ6と情報の送受信を行う機能を持つ部位である。
【0090】
図16は、本発明の実施形態における ネットワークサービスシステムサーバ、周辺地域情報取得サーバ、利用開始検知装置、及び利用者端末の機能ブロック図である。
【0091】
同図において、図1に示す本発明の第1のコンセプトに対応する。周辺地域情報取得サーバ9−1は、周辺地域情報をネットワークサービスシステムサーバ6に送信する機能有する。ネットワークサービスシステムサーバ6は、周辺地域情報取得サーバ9−1からの情報を取得する機能、及び取得した周辺地域情報を周辺地域情報DB19に記憶する機能を有する。利用開始検知装置7は、移動手段利用開始検知媒体44を検知する機能、及びその検知結果を ネットワークサービスシステムサーバ6に送信する機能を有する。ネットワークサービスシステムサーバ6は、検知結果を利用開始検知装置7から受信する機能と、検知した情報に含まれる利用区間の情報から途中下車地を判定する機能と、判定した途中下車地に関する周辺地域情報を周辺地域情報DB19から取得する機能と、検知した情報に含まれる利用形態に対応する提案情報を提案情報DB20から取得する機能と、取得した情報を利用者端末5に送信する機能と、送信した情報を配信情報DB22に記憶する機能を有する。利用開始検知装置7から受信した検知情報に利用区間の情報が含まれていなかった場合の処理は図7に示すフローに従うとよい。利用端末5は、商売活性情報を ネットワークサービスシステムサーバ6から受信する機能、及び受信した情報をHM出力部に出力する機能を有する。
【0092】
図17は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0093】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は周辺地域情報取得サーバから情報を取得すると(ST1701)、取得した情報を周辺地域情報DB19に記憶して(ST1702)処理を終了する。
【0094】
図18は、本発明の実施形態における利用開始検知装置、ネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャートである。
【0095】
同図において、利用開始検知装置7は、移動手段利用開始検知媒体44を検知すると(ST1801)、検知した情報をネットワークサービスシステムサーバ6に送信して(ST1802)、処理を終了する。ネットワークサービスシステムサーバ6は、利用開始検知装置7から検知情報を受信すると、検知情報に含まれる利用区間を読み取り、途中下車地を判定し(ST1803)、判定した途中下車地に関する周辺地域情報を周辺地域情報DB19より取得する(ST1804)。ここで、利用区間に関する情報が読み取れなかった場合には図7に示すフローに従うとよい。ネットワークサービスシステムサーバ6は、さらに検知情報に含まれる利用形態を読み取り、対応する提案情報を提案情報DB20から取得し(ST1805)、取得した周辺地域情報と提案情報を利用者端末5へ送信し(ST1806)、送信した情報を配信情報DB22に記憶して(ST1807)、処理を終了する。利用者端末5は、ネットワークサービスシステムサーバ6から配信情報を受信すると、受信した情報をHM出力部へ出力して(ST1808)、処理を終了する。
【0096】
図19は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの機能ブロック図である。
【0097】
同図において、図2に示す本発明の第2のコンセプトに対応する。ネットワークシステムサーバ6は、HM入出力部12もしくは外部システムから受け取った更新情報に基づいて車両運行情報DB21内の情報を更新する機能と、検知結果を利用開始検知装置7から受信する機能と、乗車車両情報取得装置52から乗車車両情報を受信する機能と、検知した情報に含まれる乗車車両情報もしくは乗車車両情報取得装置52から受信した乗車車両情報に基づき、場合によってはすでに配信した配信情報を参照して後続車両情報を車両運行情報DB21より取得する機能と、取得した情報を利用者端末5に送信する機能を有する。
【0098】
図20は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0099】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は車両運行情報を受け取ると(ST2001)、取得した情報を車両運行情報DB21に記憶して(ST2002)、処理を終了する。
【0100】
図21は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0101】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は移動手段の利用開始を示す受信があると(ST2101)、利用区間を読み取り、途中下車地を判定し(ST2102)、判定した途中下車地に関する周辺地域情報を周辺地域情報DB19より取得する(ST2103)。ここで、利用区間に関する情報が読み取れなかった場合には図7に示すフローに従うとよい。さらに、検知情報に含まれる利用形態を読み取り、対応する提案情報を提案情報DB20から取得して(ST2104)、乗車車両情報の読み取りがありか否かを判定し(ST2105)、あれば代替移動手段として後続車両情報を車両運行情報DB21から取得し(ST2106)、無ければそのまま、取得した情報を利用者端末へ送信し(ST2107)、送信した情報を配信情報DBに記憶して(ST2108)、処理を終了する。
【0102】
図22は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0103】
同図は、図21のフローチャートにおいて乗車車両情報が取得できなかった場合の処理を示す。同図において、乗車車両情報を受信すると(ST2201)、すでに利用者端末に送信した情報を配信情報DB22より取得し(ST2202)、送信した途中下車地に応じた代替移動手段として後続車両情報を車両運行情報21より取得する(ST2203)。さらに、取得した情報を利用者端末5に送信し(ST2204)、送信した情報を配信情報DB22に記憶して(ST2205)、処理を終了する。
【0104】
図23は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0105】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は移動手段の利用開始を示す受信があると(ST2301)、利用区間を読み取り、途中下車地を判定し(ST2302)、判定した途中下車地に関する周辺地域情報を周辺地域情報DB19より取得する(ST2303)。ここで、利用区間に関する情報が読み取れなかった場合には図7に示すフローに従うとよい。さらに、検知情報に含まれる利用形態を読み取り、対応する提案情報を提案情報DB20から取得して(ST2304)、乗車車両情報の読み取りがありか否かを判定し(ST2305)、あれば代替移動手段として後続車両情報を車両運行情報DB21から取得し(ST2306)、無ければそのまま、取得した情報を利用者端末へ送信し(ST2307)、送信した情報を配信情報DBに記憶して(ST2308)、処理を終了する。ST2305で乗車車両情報の読み取りが無かった場合には、乗車車両情報の受信があるか否かを判定し(ST2309)、受信があればST2306の処理を実行し、無ければさらに移動手段の利用終了を示す受信のあるか否かを判定し(ST2310)、無ければ演算部13としての他の処理を実行してST2309の処理に戻り、あればそのまま処理を終了する。この演算部13のフローチャートで、乗車情報のシステムへの送信を利用者が行うようにすれば、乗車情報の受信を待つことが送信情報配信をするか否かの最終的な決定権を利用者に持たせることと同意となり、システムからの一方的な情報の押し付けになりにくい。
【0106】
なお、図22、及び図23に示すネットワークサービスシステムサーバ6の演算部13のフローチャートでは、乗車車両情報の受信を待機することになるが、待機する場合にはあらかじめ利用者2に乗車車両もしくは乗車予定車両の情報を問い合わせてからとしてもよい。
【0107】
図24は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャートである。
【0108】
同図は、乗車車両情報の受信を待機する際に、あらかじめ利用者2に乗車車両もしくは乗車予定車両の情報について問い合わせをする場合の処理を示す。同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、乗車車両情報を利用者2に要求するか否かを判定し(ST2401)、要求する場合には乗車車両情報の要求を利用者端末5に送信する(ST2402)。乗車車両情報の要求を受信した利用者端末5は、受信した要求情報をHM出力部に出力して(ST2403)、処理を終了する。この場合の利用者端末5は利用者2に対してシステムからのメッセージを伝えるメッセージ伝達手段に相当し、利用者2は利用者端末5を用いない、例えば情報媒体や移動体を用いるなどの方法によって乗車車両情報を返信することになるが、その具体例については後述する。ネットワークサービスシステムサーバ6は、乗車車両情報を受信すると(ST2404)、受信した乗車車両情報に基づく処理を実行して(ST2405)、処理を終了する。
【0109】
図25は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャートである。
【0110】
同図は、乗車車両情報の受信を待機する際に、あらかじめ利用者2に乗車車両もしくは乗車予定車両の情報について問い合わせをし、その返信を利用者端末5を用いてなされる場合の処理を示す。同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、乗車車両情報を利用者2に要求するか否かを判定し(ST2501)、要求する場合には乗車車両情報の要求を利用者端末5に送信する(ST2502)。乗車車両情報の要求を受信した利用者端末5は、受信した要求情報をHM出力部に出力して(ST2503)、HM入力部よりの入力を待ち(ST2504)、入力があれば
HM入力部から入力された情報をネットワークサービスシステムサーバ6に送信して(ST2505)、処理を終了する。利用者端末5から情報を受信したネットワークサービスシステムサーバ6は、受信した乗車車両情報に基づく処理を実行して(ST2506)、処理を終了する。
【0111】
図26は、本発明の実施形態における途中下車のイメージを説明するブロック図である。
【0112】
同図において、利用者端末5を有する利用者2は、移動手段の利用開始となる出発地で公共交通機関の移動体(乗車車両)に乗車し、システムから配信される情報に同意した場合には、途中下車地で移動体を下車して(配信情報が示す寄り道先に)寄り道をする。そして寄り道が済んだ利用者2は途中下車地で再び移動体(後続車両)に乗車して、移動手段の利用終了となる目的地で移動体を下車する。
【0113】
図27は、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0114】
同図は、移動手段利用開始検知媒体44が利用区間読取媒体53と利用者端末アドレス読取媒体54で構成され、利用端末検知装置7が乗車駅構内へのパスゲートとして機能する自動改札7−1である場合の具体例を示す。電車などの公共交通機関では、省人力化のために駅構内へのパスゲートとなる自動改札7−1を設置していることが多く、この自動改札7−1を活用する。利用区間読取媒体53の具体例としては、例えば乗車券53−1、料金前払い・後払い方式券53−2、及び定期券53−3などである。同図において、利用者端末アドレス読取媒体54は読取媒体作成装置55にてあらかじめ作成されており、利用者2が作成された利用者端末アドレス読取媒体54を利用区間読取媒体53とともに自動改札7−1を通過させることで、ネットワークサービスシステムサーバ6は利用区間読取媒体53から利用者2が目指す目的地(つまり、利用区間)を、また利用者端末アドレス読取媒体54から途中下車に関する情報を配信するための利用者端末(携帯端末)5のアドレスを取得することが出来る。情報配信に必要な情報を取得したネットワークサービスシステムサーバ6は、途中下車地の周辺地域情報に途中下車しても新たな負担が生じない提案情報を加えて利用者端末5に情報配信する。さらに乗車車両の情報を取得したネットワークサービスシステムサーバ6は、代替移動手段として乗車車両の後続で運行される後続車両情報を利用者端末5に情報配信する。
【0115】
図28は、図27とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0116】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、利用区間読取媒体53から利用者2が目指す目的地(つまり、利用区間)を、また利用者端末アドレス読取媒体54から商売活性情報を配信する利用者端末(携帯端末)5のアドレスを取得し、さらに乗車車両情報を取得した場合に、途中下車地の周辺地域情報に途中下車しても新たな負担が生じない提案情報と代替移動手段として乗車車両の後続で運行される後続車両情報を加えて利用者端末5に情報配信する。
【0117】
図29は、図28とはさらに別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0118】
同図は、利用端末検知装置7が公共交通機関の移動体である場合の具体例を示す。同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、利用区間読取媒体53から利用者2が目指す目的地(つまり、利用区間)を、また利用者端末アドレス読取媒体54から途中下車に関する情報を配信するための利用者端末(携帯端末)5のアドレスを取得すると同時に乗車車両情報も取得し、途中下車地の周辺地域情報に途中下車しても新たな負担が生じない提案情報と代替移動手段として乗車車両の後続で運行される後続車両情報を加えて利用者端末5に情報配信する。
【0119】
図30は、図27〜29における読取媒体作成装置を用いた利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図である。
【0120】
同図において、利用者2は自らの持つ利用者端末5を直接、読取媒体作成装置55に接続して、そのアドレス情報5−1をダウンロードするか、自ら確認して読取媒体作成装置55に入力する。アドレス情報5−1を取得した読取媒体作成装置55は種々の記憶方式の中から適した方法を用いて、利用端末アドレス読取媒体54を作成し、出力する。ここで言うところの種々の記憶方式によって作成される記憶媒体とは、例えば磁性体記憶媒体、IC(集積回路)記憶媒体、及び1次元や2次元のバーコードなどのことを示す。読取媒体作成装置55は乗車券の発券装置などの近くに設置するとよく、場合によっては発券装置と併設、もしくは一体になっていてもよい。
【0121】
図31は、図30とは別の場合の、ネットワークを介して利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図である。
【0122】
同図において、利用者2は自らの持つ利用者端末5のアドレス情報5−1を自ら確認し、ネットワーク10−3を介して読取媒体作成装置55に接続されるネットワーク端末56に入力する。アドレス情報5−1を取得した読取媒体作成装置55は種々の記憶方式の中から適して方法を用いて、利用端末アドレス読取媒体54を作成し、人手による送付を用いて利用者2の元に届けるか、利用端末アドレス読取媒体情報54−1をネットワーク端末56にダウンロードして、ネットワーク端末56から利用端末アドレス読取媒体54を出力する。
【0123】
図32は、図31とはさらに別の場合の、ネットワークを介して利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図である。
【0124】
同図において、図31に示すようなネットワーク端末56を用いず、利用者2は利用者端末5を用いて読取媒体作成装置55にアドレス情報5−1を送信し、利用端末アドレス読取媒体情報54−1を利用者端末5に直接ダウンロードする場合である。こうすることで図27〜29における利用端末アドレス読取媒体54の役割を利用者端末5で代用することが出来る。
【0125】
図33は、図27とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0126】
同図は、利用者端末アドレス読取媒体54の代わりを利用区間読取媒体53がする場合であり、図27に対応する情報配信方法のみを図示する(図28、図29に対応する図は同様であるので省略)。つまり、乗車券53−1のように一回限りの使用を目的とした利用区間読取媒体53ではなく、リユース(複数回使用)できる媒体であれば、その媒体に利用者端末アドレスを記憶してもよいということである。同図において、利用区間読取媒体53に利用者端末アドレスが書き込まれる場合と利用区間読取媒体53ごとに割り当てられる識別コードを用いる場合に大別される。
【0127】
図34は、図33における定期券発券機を用いた利用区間読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図である。
【0128】
同図は、利用区間読取媒体53に利用者端末アドレスが書き込まれる場合を、利用区間読取媒体53が定期券53−3であるときを例に説明し、料金前払い・後払い方式券であるときは同様であるので省略する。同図において、利用者2は図30と同様の行為を定期券発券機57−1に対して実行する。定期券53−3にアドレス情報5−1を記憶させるための記憶方式は、定期券53−3の記憶方式に準じるとよい。
【0129】
図35は、図34における定期券を用いた場合の情報配信の仕組みの具体例を説明するブロック図である。
【0130】
同図において、図34に示す定期券発券機57−1であらかじめ発券された定期券53−3には利用者端末5のアドレス情報5−1が書き込まれているので、利用者2は図27〜29と同様の情報配信を受けることが出来る。
【0131】
図36は、図34とは別の場合の、図33における定期券発券機を用いた利用者端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図である。
【0132】
同図は、利用区間読取媒体53ごとに割り当てられる識別コードを用いる場合を、利用区間読取媒体53が定期券53−3であるときを例に説明し、料金前払い・後払い方式券であるときは同様であるので省略する。同図において、利用者2はあらかじめ定期券発券機57−1で発券された定期券53−3に記載される、いわば定期券の個体識別コードとも言える定期券コード53−4と、利用者端末5のアドレス情報5−1を確認し、ネットワーク10−3を介してネットワークサービスシステムサーバ6に接続されるネットワーク端末56に入力する。定期券コード53−4とアドレス情報5−1を取得したネットワークサービスシステムサーバ6は、取得したこれらの情報を関連づけて利用者情報DB58に記憶する。
【0133】
図37は、図36における定期券を用いた場合の情報配信の仕組みの具体例を説明するブロック図である。
【0134】
同図において、図36に示すようにネットワークサービスシステムサーバ6の利用者情報DB58に自らが使用する定期券53−3と利用者端末5の情報をあらかじめ登録した利用者2は、定期券53−3を自動改札7−1に通過させると、自動改札7−1からネットワークサービスシステムサーバ6に検知した定期券コード53−4が送信され、定期券コード53−4を取得したネットワークサービスシステムサーバ6は、利用者情報DB58に記憶される情報の中から定期券コード53−4に関連づけられた利用者端末5のアドレス情報5−1を取得し、途中下車に関する情報配信する。
【0135】
図38は、図27〜29もしくは図33とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0136】
同図は、図30〜32に示すようにあらかじめ発券された利用者端末アドレス読取媒体54を、図27〜29もしくは図33に示すような自動改札7−1で検知するのではなく、移動体の乗車口52−1で検知する場合である。同図において、移動体に利用者2が乗り込む乗車口52−1で、利用者端末アドレス読取媒体54に記憶される情報を読み取る。比較的規模が小さく自動改札が設置されていない駅から利用者2が乗車しなければならない場合や、電車のように駅構内が基本的に存在しないバスなどに特に有効な方法である。もちろん本発明の実施形態における移動手段の利用には移動体への乗車が必然であるため、自動改札の設置に関わらず、移動体の乗車口52−1を用いてもよい。ここで言うところの移動体とは、公共交通機関の車両であり、電車車両やバス車両などのことを示す。
【0137】
図39は、図38における具体例を示すブロック図である。
【0138】
同図において、移動体の乗車口52−1付近には車内検知装置52−2があらかじめ設置されており、利用者2が移動体への乗車の際に利用者端末アドレス読取媒体54を車内検知装置52−2に通すことによって、ネットワークサービスシステムサーバ6に検知情報が送信される。この場合の利用者端末アドレス読取媒体54に記憶される情報は図30〜32と同様のものでよく、利用者端末アドレス読取媒体54の替わりに図34、図36と同様の利用区間読取媒体53を用いてもよい。また、車内検知装置52−2に利用区間読取媒体53を通す場合には、公共交通機関の利用開始検知装置7の機能を兼ねることになる。
【0139】
図40は、図39とは別の場合の、図38における具体例を示すブロック図である。
【0140】
同図において、利用者2は移動体の壁面にあらかじめ設置された車内検知装置52−3に、自らの持つ利用者端末アドレス読取媒体54−2をかざすことによって、ネットワークサービスシステムサーバ6に検知情報が送信される。
【0141】
図41は、図40とはさらに別の場合の、図38における具体例を示すブロック図である。
【0142】
同図において、利用者2はあらかじめ利用者端末アドレス読取媒体54−3が下面にあらかじめ設置された靴を履いており、その靴で乗車口52−1の乗車ステップ(いわゆる乗車口階段)の上面にあらかじめ設置された車内検知装置52−4を踏むことによって、ネットワークサービスシステムサーバ6に検知情報が送信される。
【0143】
図42は、図38とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図である。
【0144】
同図において、乗車口59が移動体への乗車を示す情報が記憶される、いわば情報タグで、利用者端末5がこれまでに示す利用開始検知装置7の役割を合わせて担う。
【0145】
図43は、図42における利用者端末の機能ブロック図である。
【0146】
同図において、利用端末5は、移動体に設置された情報タグである乗車車両情報出力媒体59−1から乗車車両情報を読み取る機能と、読取結果をネットワークサービスシステムサーバ6に送信する機能と、ネットワークサービスシステムサーバ6から処理結果を受信する機能と、受信した情報をHM出力部に出力する機能を有する。
【0147】
図44は、本発明の実施形態における利用者端末、及びネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0148】
同図において、利用者端末5は、乗車車両情報を受信すると(ST4401)、受信した情報をネットワークサービスシステムサーバ6に送信する(ST4402)。利用者端末5から情報を受信したネットワークサービスシステムサーバ6は、受信した情報に基づく処理を実行し(ST4403)、処理結果に基づく情報を利用者端末5に送信して(ST4404)、処理を終了する。ネットワークサービスシステムサーバ6から情報を受信した利用者端末5は、受信した情報をHM出力部に出力して(ST4405)、処理を終了する。
【0149】
図45は、図42における乗車口に設置される情報タグの具体例を示す図である。
【0150】
同図において、情報タグは例えば乗車車両の乗車口(出入り口)59−1が開いている間だけ有効な乗車情報タグであり、より具体的には乗車口59−1の上方に設置され、下方に向けて上方を発信することによって、乗車口59−1から乗り込んだ利用者2の有する利用者端末5に乗車車両情報が取り込まれる。
【0151】
図46は、本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図である。
【0152】
同図において、(a)は乗車券使用の利用者向けの表示例であり、(b)は料金前払い・後払い方式券使用の利用者向けの表示例であり、(c)は定期券使用の利用者向けの表示例である。(c)において(c−1)は提案メッセージ無しの場合で、(c−2)は提案メッセージ有りの場合である。配信された情報に対して利用者2は利用者端末5のスイッチ60を入力することにより、寄り道先の地図や寄り道情報に関する予約などが出来るとなおよい。
【0153】
図47は、本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図である。
【0154】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6が乗車車両情報を受信した後に、利用者端末5に配信される代替移動手段となる後続車両情報の表示例である。
【0155】
図48は、本発明の実施形態における寄り道先での滞在時間標準モデルを説明するブロック図である。
【0156】
同図において、途中下車地からシステムが情報提供した寄り道先まで、利用者2は徒歩で移動するのが一般的であり、その往復の平均的な所要時間と寄り道先での平均的な滞在時間が滞在時間標準モデルである。
【0157】
図49は、本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図である。
【0158】
同図は、図48に示す滞在時間標準モデルを考慮して、後続車両情報を配信する場合を示す。同図において、図48に示される滞在時間標準モデルは20分なので、ネットワークサービスシステムサーバ6は20分後以降の後続車両からを代替移動手段と見なしている。
【0159】
図50は、本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図である。
【0160】
同図において、途中下車によって一旦無効化された乗車券53−1を寄り道先で再発行する場合を示す。
【0161】
図51は、図50における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図である。
【0162】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60は、途中下車する利用者2の持つ乗車券53−1を無効化する機能と、寄り道先の乗車券発行装置61で再発行された乗車券53−6でゲートの通過を許可する機能を有する。また、寄り道先に設置された乗車券再発行装置61は、入退出管理装置60で無効化された乗車券53−5に基づいて、乗車券53−6を再発行する機能を有する。なお、入退出管理装置60はこれらの機能を有していれば、自動改札7−1と同じこともある。
【0163】
図52は、本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部フローチャートである。
【0164】
同図において、入退出管理装置60は、途中下車による退出を示す乗車券情報を受信すると(ST5201)、乗車券53−1を無効化して出力する(ST5202)。入退出管理装置60によって無効化された乗車券53−5を受け付けた乗車券再発行装置61は、無効化された乗車券の再発行処理を実施して(ST5203)、処理を終了する。乗車券再発行装置61で再発行された乗車券53−6を受け付けた入退出管理装置60は、再発行された乗車券53−6にゲート通過を許可して(ST5204)、処理を終了する。
【0165】
図53は、図51とは別の場合の、図50における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図である。
【0166】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60は、途中下車する利用者2の持つ乗車券53−1を回収する機能と、回収した乗車券の代わりに再発行媒体(再発行情報)を発行する機能と、寄り道先の乗車券再発行装置61で再発行された乗車券53−6でゲートの通過を許可する機能を有する。再発行媒体(再発行情報)は媒体として入退出管理装置60から出力されるか、情報として一旦利用者端末5に記憶されるかなどの方法によって、乗車券再発行装置61に受け渡される。また、寄り道先に設置された乗車券再発行装置61は、入退出管理装置60からの乗車券情報に基づいて、乗車券53−6を再発行する機能を有する。
【0167】
図54は、本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャートである。
【0168】
同図において、入退出管理装置60は、途中下車による退出を示す乗車券情報を受信すると(ST5401)、乗車券を回収し(ST5402)、再発行媒体を発行する(ST5403)。再発行媒体を受け付けた乗車券再発行装置61は、無効化された乗車券の再発行処理を実施して(ST5404)、処理を終了する。乗車券再発行装置61で再発行された乗車券53−6を受け付けた入退出管理装置60は、再発行された乗車券53−6にゲート通過を許可して(ST5405)、処理を終了する。
【0169】
図55は、図54とは別の場合の、本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャートである。
【0170】
同図において、入退出管理装置60は、途中下車による退出を示す乗車券情報を受信すると(ST5501)、乗車券を回収し(ST5502)、再発行情報を利用者端末5に送信する(ST5503)。入退出管理装置60から情報を受信した利用者端末5は、受信した再発行情報を記憶部に記憶し(ST5504)、例えばHM入力部から再発行情報送信依頼があると(ST5505)、記憶した再発行情報を乗車券再発行装置61に送信して(ST5506)、処理を終了する。利用者端末5から再発行情報を受信した乗車券再発行装置61は、無効化された乗車券の再発行処理を実行して(ST5507)、処理を終了する。乗車券再発行装置61で再発行された乗車券53−6を受け付けた入退出管理装置60は、再発行された乗車券53−6にゲート通過を許可して(ST5508)、処理を終了する。
【0171】
図56は、本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図である。
【0172】
同図において、途中下車によって仮清算された料金前払い・後払い方式券53−2を目的地で再清算する場合を示す。また、仮清算と再清算の例として、出発地から目的地までの公共交通機関の区間料金が300円であり、同様に出発地から途中下車地までが250円、途中下車地から目的地までが150円である時に、これまでの途中下車では合わせて400円支払わなければならないところを、本発明の実施形態におけるシステムでは途中下車した際の仮清算で250円、目的地での再清算で差額の50円で済むことを示している。
【0173】
図57は、図56における途中下車地と目的地の入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図である。
【0174】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60−1は、利用者2の持つ料金前払い・後払い方式券53−2を利用区間料金に基づいて仮清算する機能と、料金前払い・後払い方式券53−2でゲートの通過を許可する機能を有する。また、寄り道先に設置された寄り道先端末63は、利用者2の訪問を記す記録を料金前払い・後払い方式券53−2に書き込む機能を有する。さらに、目的地に設置された入退出管理装置60−2は、寄り道先の寄り道先端末63で情報が書き込まれた料金前払い・後払い方式券53−2を利用区間料金に基づいて再清算する機能を有する。
【0175】
図58は、本発明の実施形態における途中下車地と目的地の入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャートである。
【0176】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60−1は、退出を示す料金前払い・後払い方式券53−2の情報を受信すると(ST5801)、料金前払い・後払い方式券53−2に仮清算処理を実行する(ST5802)。入退出管理装置60−1で仮清算処理が実施された料金前払い・後払い方式券53−2を受け付けた寄り道先端末63は、利用者2の訪問を記す記録を料金前払い・後払い方式券53−2に書き込んで(ST5803)、処理を終了する。寄り道先端末63で書き込みが実施された料金前払い・後払い方式券53−2を受け付けた入退出管理装置60−1は、料金前払い・後払い方式券53−2にゲートの通過を許可して(ST5804)、処理を終了する。目的地に設置された入退出管理装置60−2は、寄り道先端末63で書き込みが実施された料金前払い・後払い方式券53−2の情報を受信すると(ST5805)、料金前払い・後払い方式券53−2に再清算処理を実行して(ST5806)、処理を終了する。図59は、図57とは別の場合の、図56における途中下車地と目的地の入退出管理装置の機能ブロック図である。
【0177】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60−1は、利用者2の持つ料金前払い・後払い方式券53−2を利用区間料金に基づいて仮清算する機能と、料金前払い・後払い方式券53−2でゲートの通過を許可する機能と、利用者2による寄り道の退出時間を判定する機能を有し、この退出時間が図48に示す滞在時間標準モデルと大きな差異が無ければ、途中下車と見なして料金前払い・後払い方式券53−2にその記録を書き込む。また、目的地に設置された入退出管理装置60−2は、入退出管理装置60−1によって書き込まれた途中下車の記録に応じ、料金前払い・後払い方式券53−2を利用区間料金に基づいて再清算する機能を有する。
【0178】
図60は、本発明の実施形態における途中下車地と目的地の入退出管理装置の演算部のフローチャートである。
【0179】
同図において、途中下車地に設置された入退出管理装置60−1は、仮清算済みの料金前払い・後払い方式券53−2の情報を受信すると(ST6001)、退出時間から寄り道先を判定し、その判定結果を料金前払い・後払い方式券53−2に書き込んで(ST6002)、処理を終了する。入退出管理装置60−1によって途中下車の記録が書き込まれた料金前払い・後払い方式券53−2を受け付けた入退出管理装置60−2は、再清算処理の実施をして(ST6003)、処理を終了する。
【0180】
図61は、本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図である。
【0181】
同図において、利用者2が乗車する乗車車両に座席指定があった場合に、後続車両における途中下車地から目的地までの座席指定を確保し、その情報を利用者2に途中下車を促す提案情報とすることを示している。
【0182】
図62は、図61におけるネットワークサービスシステムサーバの機能ブロック図である。
【0183】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、座席指定乗車券を発行する機能と、利用形態に含まれる乗車車両の座席指定情報に基づいて、後続車両にて座席指定が確保できるか否かを判定する機能を有する。なお、座席指定乗車券を発行する機能は別システムによって構成されてもよく、この場合は座席指定が確保できるか否かをそのシステムに問い合わせることとなる。
【0184】
図63は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0185】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、乗車車両情報は座席指定に関する情報を含むかを判定し(ST6301)、含んでいる場合に以下の処理を実行する。後続車両において座席指定乗車券が確保できるか判定し(ST6302)、判定結果として座席は確保できると判定(ST6303)した場合には、確保できた座席を仮押さえ(仮予約)処理を実行し(ST6304)、確保できる座席に関する情報を提案情報に加えて(ST6305)、処理を終了し、ST6303で確保できないと判定した場合にはそのまま処理を終了する。
【0186】
図64は、本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャートである。
【0187】
同図において、ネットワークサービスシステムサーバ6は、図63に示すフロ−チャートに続く処理として、利用者端末5より承諾の意を示す返信を受信すると(ST6401)、仮押さえ座席指定を途中下車地から本予約する処理を実行し(ST6402)、乗車車両の座席指定を途中下車地まででキャンセルする処理を実行し(ST6403)、処理結果を利用者端末5へ送信し(ST6404)、送信した情報を配信情報DBに記憶して(ST6405)、処理を終了する。
【0188】
図65は、本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車及び座席指定に関する情報の具体的な表示例を示す図である。
【0189】
同図において、(a)は図62〜64の処理に対応する提案情報を含んだ周辺地域情報の表示例であり、(b)は同様に座席指定情報を含んだ代替移動手段(後続車両)に関する情報の表示例である。
【0190】
図66は、本発明の実施形態における途中下車によって乗車券が無効とならない領域に設置された構内販売所のイメージを説明するブロック図である。
【0191】
図67は、本発明の実施形態における利用者端末に配信される駅構内販売所を活用する場合に関する情報の具体的な表示例を示す図である。
【0192】
同図において、(a)は周辺地域情報に提案メッセージ有りの場合の表示例であり、(b)は同様に提案メッセージ無しの場合の表示例である。
【0193】
【発明の効果】
以上記載の本発明によれば、利用者はわざわざ行くような労力を要するほどの欲求エネルギは持ち合わせていないが、行動の「ついでに」であれば日ごろ満たされていない何かを求めて自発的行動をすることがあることに着眼して、途中下車によって不利益が生じないような仕組みの提案を、途中下車地域に関する情報とともに配信することによって、移動手段の利用によって気楽に行動に移せる状態(腰が上がった状態)の利用者を呼び寄せることが出来る。つまり、この仕組みによって、公共交通機関を移動手段として利用する利用者に「ちょっと寄ってみてもいいかな」という気持ちを生じさせ、情報の提供者にとっては新たな収益の機会を得るとともに、利用者にとっては新たな満足を得ることが出来る。
【0194】
また、その利用者がわざわざ行くような労力を要するほどの欲求エネルギは持ち合わせていないような人であっても、利用者自らが腰を上げたその行動の「ついでに」を組み合わせるという「きっかけ」を与えることによって、日頃「何かが欲しいわけではないが満たされているとは思えない」と感じている、何か満たされない気持ちを利用者自らの行動によって癒すことが出来る。
【0195】
一方、提供者にとっては(これまでの降車客に加えて)途中下車の客を取り込むことで機会増加するだけでなく、これは他の途中下車地と差異化することで切磋琢磨(自助努力)という、新たな機会創出となる。つまり、これまで立地に恵まれなかった提供者であっても、例えば独自性などを利用者にアピールすることにより他の提供者と差異化をはかることが出来て、より努力する提供者に利用者が集まってくるという「がんばる者が報われる仕組み」とすることが出来る。公共交通機関にとっても、例えば各駅の構内売店が独自色を打ち出して切磋琢磨することでその路線自体の活性化が進み、路線全体として利用者を呼び込むことが出来るなどの相乗効果が期待できる。
【0196】
さらに、本発明によれば、利用者自らの判断で途中下車するか否かを決断するために、途中下車による不利益を無くすだけでなく、代替移動手段を合わせて提示することによって途中下車しても大丈夫という安心感を与えることが出来る。また、利用者が座席指定を確保している場合には、乗車車両の後続で運行される後続車両にて座席指定を確保し、その情報を利用者に途中下車を促す提案情報とすることで、途中下車で「損をするのはイヤだ」と感じる利用者の心理的抵抗感を無くし、利用者は安心した状態での判断が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のコンセプトを説明するブロック図
【図2】本発明の第2のコンセプトを説明するブロック図
【図3】途中下車という行為に関する、人の心理モデルを説明するフローチャート
【図4】本発明の仕組みの概要を説明するフローチャート
【図5】本発明の実施形態における公共交通機関の利用形態を示す図
【図6】本発明において提案情報となり得る情報の例を示す図
【図7】本発明の実施形態における利用区間が明確か不明確かによる途中下車地の判定方法を示すフローチャート
【図8】本発明の実施形態における利用開始を示す検知信号に乗車情報があるか否かによる処理方法を示すフローチャート
【図9】本発明のコンセプトを実現するシステム全体図を説明するブロック図
【図10】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバのハードブロック図
【図11】本発明の実施形態における周辺地域情報取得サーバのハードブロック図
【図12】本発明の実施形態における情報取得装置のハードブロック図
【図13】本発明の実施形態における情報取得機器のハードブロック図
【図14】本発明の実施形態における利用手段検知装置のハードブロック図
【図15】本発明の実施形態における利用者の有する利用者端末のハードブロック図
【図16】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバ、周辺地域情報取得サーバ、利用開始検知装置、及び利用者端末の機能ブロック図
【図17】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図18】本発明の実施形態における利用開始検知装置、ネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャート
【図19】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの機能ブロック図
【図20】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図21】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図22】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図23】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図24】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャート
【図25】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバ、及び利用者端末の演算部のフローチャート
【図26】本発明の実施形態における途中下車のイメージを説明するブロック図
【図27】本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図28】図27とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図29】図28とはさらに別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図30】図27〜29における読取媒体作成装置を用いた利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図
【図31】図30とは別の場合の、ネットワークを介して利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図
【図32】図31とはさらに別の場合の、ネットワークを介して利用端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図
【図33】図27とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図34】図33における定期券発券機を用いた利用区間読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図
【図35】図34における定期券を用いた場合の情報配信の仕組みの具体例を説明するブロック図
【図36】図34とは別の場合の、図33における定期券発券機を用いた利用者端末アドレス読取媒体の発行方法の具体例を説明するブロック図
【図37】図36における定期券を用いた場合の情報配信の仕組みの具体例を説明するブロック図
【図38】図27〜29もしくは図33とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図39】図38における具体例を示すブロック図
【図40】図39とは別の場合の、図38における具体例を示すブロック図
【図41】図40とはさらに別の場合の、図38における具体例を示すブロック図
【図42】図38とは別の場合の、本発明の実施形態における情報配信の具体例を説明するブロック図
【図43】図42における利用者端末の機能ブロック図
【図44】本発明の実施形態における利用者端末、及びネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図45】図42における乗車口に設置される情報タグの具体例を示す図
【図46】本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図
【図47】本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図
【図48】本発明の実施形態における寄り道先での滞在時間標準モデルを説明するブロック図
【図49】本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車に関する情報の具体的な表示例を示す図
【図50】本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図
【図51】図50における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図
【図52】本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャート
【図53】図51とは別の場合の、図50における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図
【図54】本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャート
【図55】図54とは別の場合の、本発明の実施形態における入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャート
【図56】本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図
【図57】図56における途中下車地と目的地の入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の機能ブロック図
【図58】本発明の実施形態における途中下車地と目的地の入退出管理装置、及び乗車券再発行装置の演算部のフローチャート
【図59】図57とは別の場合の、図56における途中下車地と目的地の入退出管理装置の機能ブロック図
【図60】本発明の実施形態における途中下車地と目的地の入退出管理装置の演算部フローチャート
【図61】本発明の実施形態における提案情報を説明するブロック図
【図62】図61におけるネットワークサービスシステムサーバの機能ブロック図
【図63】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図64】本発明の実施形態におけるネットワークサービスシステムサーバの演算部のフローチャート
【図65】本発明の実施形態における利用者端末に配信される途中下車及び座席指定に関する情報の具体的な表示例を示す図
【図66】本発明の実施形態における途中下車によって乗車券が無効とならない領域に設置された構内販売所のイメージを説明するブロック図
【図67】本発明の実施形態における利用者端末に配信される駅構内販売所を活用する場合に関する情報の具体的な表示例を示す図
【図68】人の行動モデルと従来の広告(情報配信)システムの仕組みを示すブロック図
【符号の説明】
2 利用者
5 利用者端末
6 ネットワークサービスシステムサーバ
7 利用開始検知装置
8 公共交通機関
9 周辺地域情報取得システム
10 ネットワーク
19 周辺地域情報DB
20 提案情報DB
21 車両運行情報DB
22 配信情報DB
44 移動手段利用開始検知媒体
53 利用区間読取媒体
54 利用者端末アドレス読取媒体
59 乗車口(情報タグ)
Claims (10)
- 公共交通機関を利用する利用者が有する利用者端末に当該交通機関の沿線周辺地域又は路線周辺地域に関する周辺地域情報を配信する情報配信システムであって、
公共交通機関の駅名及び当該駅に対応させて当該駅周辺地域に係る商業店舗、観光名勝、催し物等の内容及び所在地等の周辺地域情報を路線・沿線情報を記憶すると共に、前記公共交通機関の普通乗車券、定期券、料金前払い・後払い券或いは座席指定券等の公共交通機関利用券の利用券種別情報と当該公共交通機関券利用券に係る乗車区間情報とを対応させて、前記利用者が途中下車しても新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を記憶する記憶手段と、
前記公共交通機関利用券が投入されたことを示す利用券投入検知情報を検知するとともに、前記公共交通機関利用券に記憶されている前記乗車区間情報と前記利用券種別情報とを対応させた公共交通機関利用券検知信号を検知する自動改札機等の入退出管理手段と、
前記入退出管理手段が検知した利用券投入検知情報および公共交通機関利用券検知信号を受信する受信手段と、
前記検知信号受信手段により利用券投入検知情報および公共交通機関利用券検知情報が受信された際に、当該公共交通機関利用券検知情報から前記乗車区間を読み取り、当該乗車区間が検知可能な場合には、当該乗車区間を基に、前記記憶手段が記憶している路線情報から前記乗車区間に関する路線情報及び周辺地域情報を当該乗車区間内に存在する駅毎に読み出し、当該駅を利用者の途中下車駅の候補を抽出し、当該候補駅に関する前記周辺地域情報と共に前記検知信号に含まれる前記利用券種別に対応する前記新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を前記記憶手段から呼び出して前記利用者への途中下車提案情報として作成し、前記乗車区間が検知できない場合には、前記公共交通機関利用券が投入された前記改札ゲートの設置駅を含む沿線・路線駅全体を途中下車駅の候補を抽出し、当該候補駅に関する前記周辺地域情報ともに前記検知信号に含まれる前記利用券種別に対応する前記新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を前記記憶手段から呼び出して前記利用者への途中下車提案情報として作成する提案情報作成手段と、
前記提案情報作成手段により作成された前記途中下車提案情報を前記利用者端末へ送信する情報送信手段と、
を有することを特徴とする情報配信システム。 - 前記提案情報作成手段が作成した前記途中下車提案情報により提案した途中下車駅に利用者が途中下車したことを示す途中下車検知信号を前記入退出管理手段管理手段が検知したことによって、当該途中下車検知信号を前記検知信号受信手段が受信した際に、前記入退出管理手段に投入された公共交通機関利用券が普通乗車券の場合には、前記途中下車駅から前記公共交通機関利用券の目的駅までの普通乗車券を再発行する乗車券再発行手段を有することを特徴とする請求項1記載の情報配信システム。
- 前記提案情報作成手段が作成した前記途中下車提案情報により提案した途中下車駅に利用者が途中下車したことを示す途中下車検知信号を前記入退出管理手段管理手段が検知したことによって、当該途中下車検知信号を前記検知信号受信手段が受信した際に、前記入退出管理手段に投入された公共交通機関利用券が、料金前払い・後払い方式券の場合には、前記入退出管理手段が前記途中下車駅毎に料金を精算するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の情報配信システム。
- 前記記憶手段は、前記公共交通機関の運行時刻及び運行車両名を対比した車両運行情報を記憶しており、
且つ、前記入退出管理手段が、前記公共交通機関利用券の投入によって、当該公共交通機関利用券が記憶している当該利用者の乗車する運行車両を特定する運行車両特定情報を検知し、前記受信手段が前記運行車両特定情報を受信した際、
前記提案情報作成手段は、前記運行車両特定情報に基づいて前記利用者の乗車する前記運行車両を識別することによって、前記途中下車駅で当該運行車両に後続する運行車両の運行時刻又は運行車両名情報を加えて前記利用者への前記途中下車提案情報を作成する請求項1乃至3のいずれか一に記載の情報配信システム。 - 前記記憶手段は、前記公共交通機関の運行時刻、運行車両名および座席指定券発行情報を対比した車両運行情報を記憶しており、
且つ、前記入退出管理手段が、前記座席指定券を含む前記公共交通機関利用券の投入によって、当該座席指定券が記憶している当該利用者の乗車する運行車両に係る座席券情報を検知し、前記受信手段が前記座席券情報を受信した際、
前記提案情報作成手段は、前記記憶手段が記憶している前記後続の運行車両に対する新たな座席指定券が確保できるか否かを判断し、確保可能な場合には、当該新たな座席指定券を確保した旨の情報を加えて前記利用者への途中下車提案情報を作成すると共に、
前記途中下車提案情報に承諾した旨の情報を前記利用者端末から受信し、この受信によって、当該後続する他の公共交通機関の座席指定券を発行する座席指定発行手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の情報配信システム。 - 公共交通機関を利用する利用者が有する利用者端末に当該交通機関の沿線周辺地域又は路線周辺地域に関する周辺地域情報を配信する情報配信方法であって、
記憶手段が、公共交通機関の駅名及び当該駅に対応させて当該駅周辺地域に係る商業店舗、観光名勝、催し物等の内容及び所在地等の周辺地域情報を路線・沿線情報を記憶すると共に、前記公共交通機関の普通乗車券、定期券、料金前払い・後払い券或いは座席指定券等の公共交通機関利用券の利用券種別情報と当該公共交通機関券利用券に係る乗車区間情報とを対応させて、前記利用者が途中下車しても新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を記憶し、
次に、前記公共交通機関利用券が投入されたことを示す利用券投入検知情報を検知すると共に、前記公共交通機関利用券に記憶されている前記乗車区間情報と前記利用券種別情報とを対応させた公共交通機関利用券検知信号を自動改札機等の入退出管理手段が検知し、
次に、前記入退出管理手段が検知した利用券投入検知情報および公共交通機関利用券検知信号を受信手段が受信し、
次に、前記検知信号受信手段により利用券投入検知情報および公共交通機関利用券検知情報が受信された際に、提案情報作成手段が、当該公共交通機関利用券検知情報から前記乗車区間を読み取り、当該乗車区間が検知可能な場合には、当該乗車区間を基に、前記記憶手段が記憶している路線情報から前記乗車区間に関する路線情報及び周辺地域情報を当該乗車区間内に存在する駅毎に読み出し、当該駅を利用者の途中下車駅の候補を抽出し、当該候補駅に関する前記周辺地域情報と共に前記検知信号に含まれる前記利用券種別に対応する前記新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を前記記憶手段から呼び出して前記利用者への途中下車提案情報として作成し、前記乗車区間が検知できない場合には、前記公共交通機関利用券が投入された前記改札ゲートの設置駅を含む沿線・路線駅全体を途中下車駅の候補を抽出し、当該候補駅に関する前記周辺地域情報ともに前記検知信号に含まれる前記利用券種別に対応する前記新たな負担が生じない仕組みの提案に関する提案情報を前記記憶手段から呼び出して前記利用者への途中下車提案情報として作成し、
次に、前記提案情報作成手段により作成された前記途中下車提案情報を前記利用者端末へ情報送信手段が送信することを特徴とする情報配信方法。 - 前記提案情報作成手段が作成した前記途中下車提案情報により提案した途中下車駅に利用者が途中下車したことを示す途中下車検知信号を前記入退出管理手段管理手段が検知したことによって、当該途中下車検知信号を前記検知信号受信手段が受信した際、乗車券再発行手段が前記入退出管理手段に投入された公共交通機関利用券が普通乗車券の場合には、前記途中下車駅から前記公共交通機関利用券の目的駅までの普通乗車券を再発行することを特徴とする請求項6記載の情報配信方法。
- 前記提案情報作成手段が作成した前記途中下車提案情報により提案した途中下車駅に利用者が途中下車したことを示す途中下車検知信号を前記入退出管理手段管理手段が検知したことによって、当該途中下車検知信号を前記検知信号受信手段が受信し た際に、前記入退出管理手段に投入された公共交通機関利用券が、料金前払い・後払い方式券の場合には、前記入退出管理手段が前記途中下車駅毎に料金を精算することを特徴とする請求項6記載の情報配信方法。
- 前記記憶手段が、前記公共交通機関の運行時刻及び運行車両名を対比した車両運行情報を記憶しており、
且つ、前記入退出管理手段が、前記公共交通機関利用券の投入によって、当該公共交通機関利用券が記憶している当該利用者の乗車する運行車両を特定する運行車両特定情報を検知し、前記受信手段が前記運行車両特定情報を受信した際、
前記提案情報作成手段が、前記運行車両特定情報に基づいて前記利用者の乗車する前記運行車両を識別することによって、前記途中下車駅で当該運行車両に後続する運行車両の運行時刻又は運行車両名情報を加えて前記利用者への前記途中下車提案情報を作成することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載の情報配信方法。 - 前記記憶手段が、前記公共交通機関の運行時刻、運行車両名および座席指定券発行情報を対比した車両運行情報を記憶しており、
且つ、前記入退出管理手段が、前記座席指定券を含む前記公共交通機関利用券の投入によって、当該座席指定券が記憶している当該利用者の乗車する運行車両に係る座席券情報を検知し、前記受信手段が前記座席券情報を受信した際、
前記提案情報作成手段が、前記記憶手段が記憶している前記後続の運行車両に対する新たな座席指定券が確保できるか否かを判断し、確保可能な場合には、当該新たな座席指定券を確保した旨の情報を加えて前記利用者への途中下車提案情報を作成すると共に、
前記途中下車提案情報に承諾した旨の情報を前記利用者端末から受信し、この受信によって、座席指定券発行手段が当該後続する他の公共交通機関の座席指定券を発行することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の情報配信方法。
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