JP3546178B2 - 引違い窓 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、引違い窓に係り、特に見込み寸法の異なる障子を交換して組み込み可能な引違い窓に関する。
【0002】
【背景技術】
引違い窓の下枠と障子間の水密性を確保する方法としては、従来より、水頭方式と等圧方式とがある。
水頭方式は、外障子の下框と下枠との間に配置される気密材を外障子用の外レールより下、つまり外障子の外側(より具体的には外障子の室外側見付け片と外レールとの間)に位置させ、下枠上に溜まる水の水頭を稼ぐことで、水頭圧と風圧とをバランスさせる方式である。
【0003】
一方、等圧方式は、気密材を外障子用のレールより上、つまり外障子の内側(より具体的には外障子の室内面と下枠との間)に位置させ、下枠上のレールを挟んだ室外側の空間と室内側の空間とを連通させて等圧にすることで、気圧差による雨水の吹込みを防止する方式である。
【0004】
これらの各気密方式は、その気密構造の違いから、気密性能や遮音性能が異なるため、引違い窓が設置される個所において要求される性能などに応じて選択されている。
例えば、水頭方式では、水頭圧によって水密性能が決まるため、高い水密性能を確保しようとすれば、気密材からの水位を高くする必要があり、その分、下枠の高さ寸法を大きくしなければならない。しかし、実際には、下枠の高さ寸法にも制限があるため、水頭圧を大きくすることはできない。このため、下枠の高さ寸法が同じ場合には、水頭方式に比べて等圧方式のほうが水密性能が高く、例えば、「JIS A 4706」による等級で表すと、水頭方式の水密性能が25等級の場合、等圧方式では35等級と、より高い水密性能を確保できる。
【0005】
また、等圧方式では、下枠においては、外障子の室内側に気密ラインを形成できるため、水頭方式では困難な外レール部分に形成される水抜き孔等からの音も遮音できるため、遮音性能も等圧方式のほうが高くなる。例えば、前記JISによる等級で表すと、水頭方式の遮音性能が25等級の場合、等圧方式では30等級となる。
なお、各方式において、内障子部分は、内障子の外側(内障子の室外側見付け片と内レールとの間)に気密材を位置させることで、共通化できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような各気密方式は、気密材の位置が相違し、特に等圧方式では、通常、下枠側に外障子の室内面との間を塞ぐ気密材を取り付けているのに対し、水頭方式では下枠側にこのような気密材を取り付ける必要がないため、下枠の構造が相違する。
このため、各気密方式を実現する際に、窓枠は各気密方式に対応した専用枠が用いられていた。さらに、サッシ窓の障子には、断熱材等を介在させたり、複層ガラスを組み込むことで断熱性能等を向上させるため、通常のアルミ押出形材(金属材)からなり単板ガラスを組み込んだ障子に比べて見込み寸法が大きな障子もあり、各気密方式に対応した専用枠は、さらに組み込まれる障子の見込み寸法に応じて寸法や構造が異なる専用枠が用意されていた。
【0007】
このため、2つの気密方式と、2種類の見込み寸法が設定されている場合には、気密方式の相違による2種類×障子の見込み寸法の相違による2種類の計4種類の窓枠を用意しなければならない。
その上、引違い窓の窓枠には、単体枠、雨戸付枠、シャッター付枠等の付属部品の相違によっても構造が異なり、さらに各枠においては、半外付け用と外付け用等の納まりの相違によっても異なる構造の窓枠が必要になる。従って、付属部品や納まりが相違する各窓枠において、さらに気密方式や障子見込み寸法の相違によって構造を変えなければならず、非常に多くの窓枠が必要になる。
【0008】
このような窓枠の種類が多いと、製造コストや管理コストが高くなるという問題がある。さらに、施工後に、断熱性能、水密性能、遮音性能を向上させるため等で、引違い窓の水密構造や見込み寸法を変更する場合には、躯体に取り付けられている窓枠から交換しなければならず、改修作業が煩雑になり、改修費用も高くなるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、窓枠の種類を削減できて製造コストや管理コストを低減できるとともに、施工後であっても水密構造や障子の見込み寸法を容易に変更できて改修費用も低減できる引違い窓を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、窓枠内に外障子および内障子が引違い状態に収納された引違い窓において、前記窓枠は、見込み寸法(室内外方向の寸法、厚さ寸法)が異なる複数の障子を交換して組み込み可能に構成され、所定の見込み寸法の障子を組み込んだ際には、少なくともその外障子の下框の室内面と、窓枠の下枠において外レールおよび内レール間に形成された立ち上がり壁部との間をシールして気密性を確保する気密材が設けられ、前記所定の見込み寸法よりも小さい見込み寸法の障子を組み込んだ際には、少なくともその外障子と、窓枠の下枠における外レールの室外面との間をシールして気密性を確保する気密材が設けられていることを特徴とする。
【0011】
この際、見込み寸法が異なる複数の障子を交換して組み込み可能とは、具体的には、様々な見込み寸法の障子の中で、最大の見込み寸法の障子を組み込んだ際に、障子と窓枠とが干渉しないように、例えば、外障子と立ち上がり壁部とが干渉しないように構成されていればよい。つまり、見込み寸法が最大の外障子における戸車等、外レールにガイドされる部分から外障子の室内面までの見込み寸法が、下枠の外レールから立ち上がり壁部までの見込み寸法よりも小さくされて、最大見込み寸法の外障子及び内障子が組み込み可能とされていればよい。
【0012】
また、前記所定の見込み寸法の障子とは、通常は、組み込み可能な最大の見込み寸法の障子や、その障子よりも見込み寸法が僅かに小さい障子である。要するに、所定の見込み寸法とは、外障子の下框の室内面と、窓枠の下枠の立ち上がり壁部との間に設けられた気密材が、下框や下枠に当接してシール可能な位置に、下框の室内面を配置可能な寸法であればよい。
一方で、所定の見込み寸法以外の障子とは、通常は、所定の見込み寸法よりも小さい見込み寸法の障子であり、要するに、下框の室内面と窓枠の下枠の立ち上がり壁部との間を、前記気密材でシールできない障子である。
【0013】
さらに、窓枠に設けられるレール間の寸法も、見込み寸法の最大の障子に合わせて設定されていればよい。このため、見込み寸法の小さな障子においても、外障子および内障子の各召合せ框は、見込み寸法の大きな障子と同様の見込み寸法に形成され、内外の各障子が離れて配置されていても、確実に召し合わせできるように構成されていればよい。
具体的には、内外の各召合せ框の戸車の見込み方向の位置や、係合部分(煙返し部分)の位置、各召合せ框間をシールする気密材の位置が、見込み寸法の異なる各障子において、それぞれ共通化されていればよい。
【0014】
このような本発明では、窓枠に見込み寸法の異なる複数の障子を交換して組み込むことができるため、見込み寸法の異なる様々な障子に対して窓枠を共通化できる。
【0015】
また、所定の見込み寸法の外障子を組み込んだ場合には、下枠の立ち上がり壁部と外障子の室内面との間に気密材が設けられてシールされるので、外障子の内側で気密する等圧方式の気密構造にすることができる。
一方で、所定の見込み寸法ではない(例えば、所定の見込み寸法よりも小さい見込み寸法の)外障子を組み込んだ場合には、立ち上がり壁部と外障子の室内面との隙間が大きくなり、この部分で気密構造を確立することができないが、外レールの室外面と外障子(外障子の室外側見付け片)との間に気密材を配置してシールしているので、水頭方式の気密構造にすることができる。
従って、見込み寸法の異なる障子を適宜選択すれば、窓枠を交換することなく異なる気密構造に設定することができる。
【0016】
このように、本発明では、見込み寸法が異なる場合でも、かつ気密構造が異なる場合でも、同一の窓枠を利用することができるため、窓枠の種類を大幅に軽減でき(例えば従来4種類必要であったものが1種類でよいため、1/4に減少できる)、製造コストや管理コストを大幅に低減できる。さらに、従来は、コスト増になるために、予め選択できる水密構造や見込み寸法が限定されている場合も多かったが、本発明によれば、窓枠の種類を増加させる必要がないため、低コストで様々なバリエーションを用意することができ、ユーザーの選択枝が増え、ユーザーの希望に柔軟に対応することができる。
【0017】
さらに、窓枠を交換せずに、障子のみを交換することで、水密構造や見込み寸法の異なる障子に変更できるため、建物の施工後に実際に住んでから、必要と思われる性能まで、水密性、遮音性、断熱性等を向上させることも容易にかつ安価に行うことができ、ユーザーの満足度の高いサッシ窓にすることができる。
【0018】
ここで、等圧方式の気密構造を実現するための気密材は、窓枠側および外障子側のいずれに取り付けられていても良いが、特に、窓枠の下枠における立ち上がり壁部に気密材が取り付けられており、所定の見込み寸法の外障子を組み込んだ際には、この気密材が外障子の下框の室内面に当接することでシールされて気密性が確保されていることが好ましい。
このように構成すれば、窓枠側に気密材を取り付けておくことができるので、その気密材の端部を窓枠に取り付けられる風止板に当接させて気密性を確保できるため、簡単な構造で確実な気密性能を得ることができる。
【0019】
また、見込み寸法が異なる各障子の召合せ框の一方に取り付けられ、他方に当接して気密性を確保する気密材は、その上下両端が上枠および下枠の召合せ部に取り付けられた各風止板に当接可能な位置に配置されていることが好ましい。特に、見込み寸法が異なる各障子において、召合せ框に取り付けられる気密材の窓枠に対する位置(見込み方向および見付け方向の位置)が同一であることが、より好ましい。
このように構成すれば、見込み寸法が異なる各障子を組み込んだ場合でも、召合せ框間をシールする気密材を確実に風止板に当接させて気密性を確保できる。このため、窓枠側に設けられる風止板を、障子の見込み寸法に応じて交換する必要もなく、風止板を含めて窓枠を共通化でき、施工作業を容易に行うことができるとともに、コストも低減できる。
【0020】
さらに、所定の見込み寸法の障子における外障子の戸先框の室内面と、窓枠の縦枠において前記立ち上がり壁部と見込み方向の位置が同一となるように形成された突出壁部との一方には、他方に当接して気密性を確保する気密材が取り付けられていることが好ましい。
このように構成すれば、所定の見込み寸法の外障子を組み込んだ際に、その外障子の戸先框の室内面と縦枠との間を気密材でシールすることができる。このため、下枠部分における等圧方式の気密構造と同様に、水密性能や遮音性能を向上できる。
【0021】
また、窓枠に組み込み可能な障子は、上框、下框、召合せ框および戸先框を四周框組みして面材を組み込んで形成されており、かつ(a)少なくとも外召合せ框以外の前記各框を、金属製の室内部材および室外部材と、この室内外部材を連結する断熱部材とから構成した障子、(b)少なくとも外召合せ框以外の前記各框を、金属製の室外部材と、断熱性部材からなる室内部材とから構成した障子、(c)前記各框を、金属形材で構成した障子、からなり、前記窓枠に、前記(a),(b),(c)の障子のうちの選択された一つの障子が組み込まれて構成されていることが好ましい。
ここで、(b)障子の断熱性部材としては、合成樹脂(木粉入り樹脂も含む)、合成木、木等の各種の断熱性部材が利用できる。
【0022】
窓枠に組み込まれる障子を、(a),(b),(c)の各障子から選択できるように構成されていれば、ユーザーが断熱性能や意匠等を考慮して希望する障子を選択でき、ユーザーの満足度を高めることができる。
例えば、(b)障子を選択すれば、室内部材を木、合成木、木粉入り樹脂にすることで木目調にでき、和室や洋室を問わず、上質なものにできる。さらに、これらの室内部材や合成樹脂製の室内部材を利用すれば、障子の断熱性能も向上できる。
また、(a)障子を用いれば、断熱部材で断熱性能を高めつつ、断熱部材の使用量が少ないので、(b)障子に比べてコストを抑えることができる。
さらに、(c)障子を用いれば、安価な障子にすることができる。
【0023】
なお、本発明において合成木とは、一般に、熱可塑性樹脂等の合成樹脂と、木粉とを混合溶融して成形され、この木粉の混合割合が30重量%以上のものを意味する。一方、木粉が30重量%以下の場合には、樹脂の性質が強くなるため、木粉入り樹脂となる。また、木粉の混合割合は70重量%以下であることが好ましい。これ以上になると、押出成形時の成形性が低下する。
なお、木粉とは、木材を粉砕して得られるものに限らず、椰子殻、コーヒーかす、古紙、廃材などのセルロース系材料を粉砕等で粉状にしたものを含むものである。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレンまたはポリエチレン等のオレフィン系樹脂や塩化ビニル樹脂等である。なお、木製の部材が中実であるのに対し、合成木製の場合には、押出成形が可能なため、中空形状に形成できる。
【0024】
さらに、(a)障子および(b)障子は、所定の見込み寸法に設定され、(c)障子は、所定の見込み寸法の障子(前記(a)障子および(b)障子)よりも見込み寸法が小さな障子が少なくとも用意されているものでもよい。
(a)障子や(b)障子を所定の見込み寸法に設定すれば、窓枠と組み合わせた際に、等圧方式の気密構造を採用できる。特に、断熱性能等に考慮した高性能の(a)障子や(b)障子において、水密性能や遮音性能も向上できるので、高規格の引違い窓を要望するユーザーにも十分に対応することができる。
【0025】
一方、比較的安価なサッシ窓を希望するユーザーは、見込み寸法が小さくために水頭方式の気密構造となる(c)障子を選択することができる。従って、性能およびコストの異なる引違い窓を構成することができ、ユーザーの多彩な要望にも確実に対応することができる。
【0026】
窓枠は、上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みして形成され、かつ前記各枠は、金属製の室内部材および室外部材と、この室内外部材を連結する断熱部材とから構成されていることが好ましい。
このようなアルミ断熱形材等で各枠を構成した窓枠を用いれば、断熱性能を向上できる上、コストの増加も最小限に抑えることができ、耐水性能、耐候性能にも優れた窓枠とすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面においては図面を見やすくするために、窓枠や障子等の主要な構成部材には断面を示すハッチングを省略して記載している。
【0028】
本実施形態の引違い窓は、図1に示すように、窓枠として、(A)上枠、下枠および縦枠が、それぞれアルミ(金属、非鉄金属)製の室内部材および室外部材と、これらの室内外部材を連結する断熱部材とからなるアルミ断熱形材で構成されたアルミ断熱形材窓枠2が用意されている。
【0029】
また、障子として、(a)前記各框を、アルミ(非鉄金属)製の室外部材と、樹脂(断熱性部材)製の室内部材とから構成し、複層ガラスを組み込んだ断熱複層障子5と、(b)前記各框を、アルミ(金属)製の室内部材および室外部材と、この室内外部材を連結する断熱部材とからなるアルミ断熱形材で構成し、複層ガラスを組み込んだ断熱複層障子6と、(c1)前記各框をアルミ(非鉄金属)で構成し、複層ガラスを組み込んだ一般複層障子7と、(c2)前記各框をアルミ(非鉄金属)で構成し、複層ガラスを組み込んだ一般複層障子8と、(c3)前記各框をアルミ(非鉄金属)で構成し、単板ガラスを組み込んだ一般単板障子9との5種類が用意されている。従って、(c)障子として、(c1)〜(c3)の3種類の障子7〜9が用意されていることになる。
【0030】
この際、前記(a),(b),(c1)の各障子5〜7は、図2〜11に示すように、外障子および内障子の見込み寸法L1がそれぞれ同一とされている。
一方、(c2)一般複層障子8は、アルミ製の框で構成され、複層ガラスが組み込まれている点では(c1)障子7と同一であるが、外障子および内障子の各見込み寸法L2は、(c1)障子7の見込み寸法L1よりも小さくされている。また、(c3)障子9は単板ガラスを組み込んでいることもあり、外障子および内障子の各見込み寸法L3は、(c2)障子8の見込み寸法L2よりもさらに小さくされている。従って、本実施形態では、障子5〜7が所定の見込み寸法の障子とされ、他の障子6,7が所定の見込み寸法ではない障子とされている。
【0031】
ここで、各寸法は実施にあたって適宜設定すればよいが、本実施形態では、例えば、寸法L1は30.5mm、寸法L2は23mm、寸法L3は15mmとされている。これらの見込み寸法は、通常、各框のガラスが保持される開口部の幅寸法で示されることが多く、その表示では、見込み寸法が最大(所定の見込み寸法)の障子5〜7は「26mm開口」、障子8は「20mm開口」、障子9は「9mm開口」とされている。
また、各障子5〜7の内外の障子間の隙間寸法L1’は8.5mm、障子8の隙間寸法L2’は16mm、障子9の隙間寸法L3’は24mmとされ、外障子の室外面から内障子の室外面までの寸法(L1+L1’、L2+L2’、L3+L3’)、つまり外障子の室外面を基準とした場合の召合せ部の見込み方向の位置は、各障子5〜9とも39mmと同一とされている。
【0032】
これらの各障子5〜9は、サッシ窓を設置する際に要求される断熱性能や水密性能等に応じて選択され、窓枠2と組み合わせて引違いのサッシ窓を構成している。以下、各障子5〜9を窓枠2に組み合わせた引違い窓の構造について図2〜11を参照して説明する。
【0033】
図2および図3は、(A)アルミ断熱形材窓枠2と、(a)断熱複層障子5とを組み合わせたサッシ窓100の縦断面図および横断面図である。
(A)アルミ断熱形材窓枠2は、上枠11、下枠12と左右両端の縦枠13とを四角枠状に接合して形成されている。
【0034】
窓枠2の各枠11,12,13は、それぞれ非鉄金属であるアルミ製の室外部材11A,12A,13Aと、アルミ製の室内部材11B,12B,13Bと、これらの室外部材11A,12A,13Aおよび室内部材11B,12B,13Bをそれぞれ連結するウレタン樹脂製の断熱部材11C,12C,13Cとで構成されている。
【0035】
なお、本実施形態では、ウレタン樹脂を各室外部材11A,12A,13Aおよび室内部材11B,12B,13B間に注入して硬化させることで断熱部材11C,12C,13Cとしているが、合成樹脂製の帯板状の断熱部材を各室外部材11A,12A,13Aおよび室内部材11B,12B,13B間にそれぞれ1枚以上配置し、各室内外部材をかしめて連結させることで、断熱部材11C,12C,13Cを構成してもよい。そして、各断熱部材11C,12C,13Cは、各枠11,12,13を枠組みすることで互いに当接され、窓枠2に四周連続する断熱ラインを形成している。
【0036】
上枠11の下面には、外、内の各上レール16,17が垂設され、下枠12の上面には外、内の各下レール18,19が立設されている。また、上下枠11,12の室外側には網戸レール20がそれぞれ設けられている。
なお、外レール16,18は、各枠11,12の室外部材11A,12Aに設けられ、内レール17,19は、各枠11,12の室内部材11B,12Bに設けられている。
【0037】
一方、断熱窓枠2内に配置される(a)断熱複層障子5は、室外側に配置されて外側のレール16,18でガイドされる外障子5Aと、室内側に配置されて内側のレール17,19でガイドされる内障子5Bとを備えている。
これらの各障子5A,5Bは、それぞれ上框51,52と、下框53,54と、左右の竪框(戸先框)55,56と、外召合せ框57および内召合せ框58とをそれぞれ四角枠状に組んで構成されている。
【0038】
各框51〜56,58は、アルミ(非鉄金属)製の室外部材51A〜56A,58Aと、断熱性部材であるポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製の室内部材51B〜56B,58Bとを接合して構成されている。
一方、外障子5Aの外召合せ框57は、室内側に露出する部分が殆ど無いため、アルミ押出形材で一体に形成されている。
そして、各框51〜58の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介して嵌合されている。
【0039】
そして、各戸先框55,56の上端部には、前記上レール16,17を挟み込む摺動片31が嵌入され、各下框53,54には、前記下レール18,19上を転動する戸車32が回転自在に支持されている。また、各竪框55,56の下端部には、下レール18,19を挟み込む摺動片33が嵌入されている。
また、これらの障子5A,5Bの室外側には、網戸レール20でガイドされた網戸35がレール20に沿って移動可能に配置されている。
【0040】
窓枠2の上枠11の下面には、外レール16の室内面から内レール17の室外面までの部分を被覆する断熱性カバー21が取り付けられている。この断熱性カバー21により、外障子5Aおよび内障子5Bを閉めた際に、室外部材11Aにおいて室内側に露出する室内側露出面部と、室内部材11Bにおいて室外側に露出する室外側露出面部とが被覆されている。
【0041】
窓枠2の下枠12および縦枠13には、断熱性カバー22,23がそれぞれ取り付けられている。
断熱性カバー22は、前記内レール19の室外側に配置されて前記内レール19にビス等で取り付けられている。断熱性カバー22は外障子5Aを閉めた際に外障子5Aが配置される部分、つまり下枠12の全長の約半分の部分に配置され、外障子5A、内障子5Bを閉めた際に、室外部材12Aにおいて室内側に露出する室内側露出面部を被覆している。
【0042】
そして断熱性カバー22には気密材25が室外側に向けて取り付けられ、外障子5Aを閉めた際に外障子5Aの下框53の室内面に気密材25が圧接してシールするように構成されている。従って、断熱性カバー22により、下枠12において気密材25が取り付けられる立ち上がり壁部が構成されている。
【0043】
断熱性カバー23は、一方の縦枠13において外障子5Aの戸先框55の室内面にほぼ沿った位置から室内側部分に配置され、ビス等で縦枠13に取り付けられている。これにより、断熱性カバー23も、外障子5Aを閉めた際に室外部材13Aにおいて室内側に露出する室内側露出面部を被覆している。
この断熱性カバー23の室外面には、気密材26が室外側に向けて取り付けられ、外障子5Aを閉めた際に外障子5Aの戸先框55の室内面に圧接してシールするように構成されている。従って、断熱性カバー23により、縦枠13において気密材26が取り付けられる突出壁部が構成されている。
断熱性カバー22,23の各気密材25,26が取り付けられた壁面は、その見込み方向の位置が互いに同一とされ、各気密材25,26は見込み方向に同じ位置に配置されている。
【0044】
さらに、他方の縦枠13において内障子5Bの室外側に形成された突片13Eには、内障子5Bの戸先框56の室外面に当接する気密材27が取り付けられている。
【0045】
一方、障子5には、次のような気密材が取り付けられている。すなわち、上框51の外レール16に対向する内面、つまり室外部材(室外側見付け片)51Aの室内面と室内部材(室内側見付け片)51Bの室外面とには、外レール16および断熱性カバー21の外レール16部分に当接する気密材41が取り付けられ、上レール16を室内外から挟持するようにシールしている。
一方、上框52の内レール17の室外面に対向する内面、つまり室外部材(室外側見付け片)52Aの室内面には、内レール17に当接する気密材42が取り付けられ、内レール17および室外部材52A間から外気が流入しないようにシールしている。
なお、室外部材(室内側見付け片)52Bには気密材が取り付けられていないが、その代わりに、樹脂製の室外部材52Bの上端に内レール17に当接されるヒレ部が形成され、気密材と同様にシールしている。
【0046】
外障子5Aの下框53には気密材は取り付けられていない。一方、内障子5Bの下框54において、内レール19の室外面に対向する内面、つまり室外部材(室外側見付け片)54Aの室内面には、内レール19に当接する気密材44が取り付けられ、内レール19および室外部材54A間から外気が流入しないようにシールしている。
【0047】
各障子5A,5Bの戸先框55,56の室外部材(室外側見付け片)55A,56Aには、各縦枠13において障子5A,5Bの戸先框55,56と対向した位置に設けられたガイド片13Dの室外面に当接する気密材45,46がそれぞれ取り付けられている。
さらに、外召合せ框57の室内面には、内召合せ框58の室外面に当接する気密材47が取り付けられている。
【0048】
次に、(a)断熱複層障子5の代わりに、(b)断熱複層障子6を(A)アルミ断熱形材窓枠2に組み込んだサッシ窓(引違い窓)110について、図4の縦断面図および図5の横断面図を参照して説明する。なお、以下の説明において前記サッシ窓100の各構成要素と同一あるいは相当構成要素には同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0049】
窓枠2内に配置される(b)断熱複層障子6は、室外側に配置されて外側のレール16,18でガイドされる外障子6Aと、室内側に配置されて内側のレール17,19でガイドされる内障子6Bとを備えている。
【0050】
これらの各障子6A,6Bは、上框61,62と、下框63,64と、左右の竪框(戸先框)65,66と、外召合せ框67および内召合せ框68とをそれぞれ四角枠状に組んで構成されている。そして、各框61〜68の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介して嵌合されている。
【0051】
各框61〜66は、それぞれアルミ製の室外部材61A〜66Aと、アルミ製の室内部材61B〜66Bと、これらの室外部材61A〜66Aおよび室内部材61B〜66Bを連結するウレタン樹脂製の断熱部材61C〜66Cとで構成されている。このうち、外障子6Aの下框63は、高さ寸法が大きいため、2本の断熱部材63Cで室外部材63A、室内部材63Bを連結している。
【0052】
また、外障子6Aの外召合せ框67は、図5に示すように、室内側に露出する部分が殆ど無いため、アルミ押出形材によって一体成形された外召合せ框57と同じものが用いられている。
一方、内障子6Bの内召合せ框68は、複層ガラス29の室外側を保持する室外部材68Aと、室内側を保持する室内部材68Bと、これらを連結する断熱部材68Cとで構成されている。
これら各框61〜66,68も、窓枠2と同様に、樹脂注入方式で形成されている。
【0053】
(b)断熱複層障子6の各框61〜67には、(a)断熱複層障子5と同様に、各気密材41,42,44,45,46,47が取り付けられている。さらに、内障子6Bの上框62には、上レール18の室内面に当接する気密材42が取り付けられ、外障子6Aの下框63には、下レール17の室外面に当接する気密材43が追加して取り付けられている。
また、摺動片31,33などは、前記(a)断熱複層障子5と同様に設けられている。
【0054】
次に、(a)断熱複層障子5の代わりに、(c1)一般複層障子7を(A)アルミ断熱形材窓枠2に組み込んだサッシ窓(引違い窓)120について、図6の縦断面図および図7の横断面図を参照して説明する。なお、以下の説明において前記サッシ窓100,110の各構成要素と同一あるいは相当構成要素には同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0055】
窓枠2内に配置される(c1)一般複層障子7は、室外側に配置されて外側のレール16,18でガイドされる外障子7Aと、室内側に配置されて内側のレール17,19でガイドされる内障子7Bとを備えている。
【0056】
これらの各障子7A,7Bは、上框71,72と、下框73,74と、左右の竪框(戸先框)75,76と、外召合せ框77および内召合せ框78とをそれぞれ四角枠状に組んで構成されている。そして、各框71〜78の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介して嵌合されている。
各框71〜78は、それぞれ一体成形されたアルミ製の押出形材で構成されている。
【0057】
(c1)一般複層障子7の各框71〜77には、(a)断熱複層障子5や(b)断熱複層障子6と同様に、気密材43を除く各気密材41〜47が取り付けられている。
さらに、摺動片31,33なども、前記(a)断熱複層障子5と同様に設けられている。
【0058】
次に、(a)断熱複層障子5の代わりに、(c2)一般複層障子8を(A)アルミ断熱形材窓枠2に組み込んだサッシ窓(引違い窓)130について、図8の縦断面図および図9の横断面図を参照して説明する。なお、以下の説明において前記サッシ窓100〜120の各構成要素と同一あるいは相当構成要素には同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0059】
窓枠2内に配置される(c2)一般複層障子8は、室外側に配置されて外側のレール16,18でガイドされる外障子8Aと、室内側に配置されて内側のレール17,19でガイドされる内障子8Bとを備えている。
【0060】
これらの各障子8A,8Bは、上框81,82と、下框83,84と、左右の竪框(戸先框)85,86と、外召合せ框87および内召合せ框88とをそれぞれ四角枠状に組んで構成されている。そして、各框81〜88の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介して嵌合されている。
各框81〜88は、それぞれ一体成形されたアルミ製の押出形材で構成されている。
【0061】
(c2)一般複層障子8の各框81〜87には、(b)断熱複層障子6と同様に、気密材41〜47が取り付けられている。さらに、摺動片31,33などは、前記(a)断熱複層障子5と同様に設けられている。
【0062】
次に、(a)断熱複層障子5の代わりに、(c3)一般単板障子9を(A)アルミ断熱形材窓枠2に組み込んだサッシ窓(引違い窓)140について、図10の縦断面図および図11の横断面図を参照して説明する。なお、以下の説明において前記サッシ窓100〜130の各構成要素と同一あるいは相当構成要素には同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0063】
窓枠2は、サッシ窓100〜130と同一のものである。一方、窓枠2内に配置される(c3)一般単板障子9は、室外側に配置されて外側のレール16,18でガイドされる外障子9Aと、室内側に配置されて内側のレール17,19でガイドされる内障子9Bとを備えている。
【0064】
これらの各障子9A,9Bは、上框91,92と、下框93,94と、左右の竪框(戸先框)95,96と、外召合せ框97および内召合せ框98とをそれぞれ四角枠状に組んで構成されている。そして、各框91〜98の内周面には、単板ガラス28がガスケット30を介して嵌合されている。
各框91〜98は、それぞれ一体成形されたアルミ製の押出形材で構成されている。
【0065】
(c3)一般単板障子9の各框91〜97には、(c2)一般複層障子8と同様に、気密材41〜47が取り付けられている。さらに、摺動片31,33なども、前記(a)断熱複層障子5と同様に設けられている。
【0066】
これらの各障子5〜9を組み込んだ場合の召合せ部のシール構造は、以下のように構成される。
すなわち、各障子5〜9において、上框51〜91,52〜92の気密材41,42の端面は、図12に示すように、戸先框55〜95、56〜96や召合せ框57〜97、58〜98の上端部分に組み込まれた摺動片31に当接されている。
同様に、下框53〜93,54〜94の気密材43,44の端面も、図13に示すように、戸先框55〜95、56〜96や召合せ框57〜97、58〜98の下端部分に組み込まれた摺動片33に当接されている。
【0067】
そして、各摺動片31,33は、上枠11および下枠12の召合せ部に配置された風止板201,202に当接されている。また、風止板201,202には、外召合せ框57〜97に取り付けられた気密材47の上端面および下端面がそれぞれ当接され、さらに下枠12の断熱性カバー22に取り付けられた気密材25の端面が当接されている。
この際、各障子5〜9における気密材47の平面位置(窓枠2に対する見付け方向および見込み方向の位置)は、ほぼ同一の位置とされている。特に、障子5〜8の気密材47は同一の位置に配置されている。一方、障子9の気密材47は見付け方向の位置のみが多少異なるが、風止板201,202に当接可能な位置に配置されている。
なお、風止板は、図示しないが、召合せ部だけでなく、窓枠2のコーナー部にも適宜設けられている。
【0068】
このような各障子5〜9は、主にその見込み寸法の相違により、障子全体の気密構造が異なっている。
すなわち、所定の見込み寸法(具体的にはL1が30.5mmとされた、いわゆる「26mm開口」)の障子5〜7は、下枠12部分においては、図14にも示すように、下枠12に取り付けた気密材25が外障子5A〜7Aの室内面に当接するため、等圧方式の水密構造となる。
一方、所定の見込み寸法ではない(見込み寸法が小さい)障子8,9は、下枠12部分においては、図15にも示すように、下枠12に取り付けた気密材25は外障子8A,9Aに当接せず、外障子8A,9Aと外レール17の室外面との間の気密材43でシールされているため、いわゆる水頭方式の気密構造とされている。
【0069】
なお、障子6のように、基本的には等圧方式の水密構造において、水頭方式の障子8,9と同様に、外障子6Aと外レール17の室外面との間を気密材43でシールすれば、水密性能をより向上できると共に、遮音性能も高めることができる。
【0070】
一方、上框51〜91,52〜92部分においては、各障子5〜9とも、レール16,18の室内外両面にそれぞれ気密材41,42を当接させてシールしているので、同じ気密構造とされている。
さらに、内障子5B〜9B用のガイド片13Dが形成された縦枠13部分は、縦枠13の突片13Eに設けられた気密材27が内障子5B〜9Bの室外面に当接し、かつ内障子5B〜9Bの気密材46がガイド片13Dに当接した2重のシール構造とされており、水密性や遮音性が向上されている。
【0071】
また、他方の縦枠13部分は、見込み寸法が大きな障子5〜7では、縦枠13の気密材26が外障子5A〜7Aの室内面に当接し、さらに外障子5A〜7Aの気密材45がガイド片13Dに当接しているので、各気密材26,45間に室外空間の気圧と室内空間の気圧との間の中間的な圧力となる空間が形成され、等圧方式と同様の気密構造とされて高い気密性能が確保されている。さらに、各空間の圧力差が小さくなるため、しぶきの発生なども防止されている。
【0072】
従って、見込み寸法の大きな障子5〜7では、図16に示すように、外障子5A〜7Aの上框51〜71部分では、気密材41によって外レール16の略室内面に沿って気密ライン(タイトライン)が形成される。また、竪框55〜75部分では、気密材26によって竪框55〜75の室内面に沿ってタイトラインが形成される。さらに、召合せ框57〜77部分では気密材47によって召合せ部に沿ってタイトラインが形成される。また、下框53〜73部分では、気密材25によってタイトラインが形成される。
これらの各タイトラインは、摺動片31,33や風止板201,202等を介して連続し、外障子5A〜7A部分において室内外の気密を確保している。この際、下框53〜73部分では、外レール18の室内側に気密ラインが形成されるため、等圧方式の気密構造とされている。
【0073】
一方、見込み寸法の小さな障子8,9では、図15,17に示すように、外障子8A,9Aの下框83,93や竪框85,95が窓枠2に取り付けられた気密材25,26に当接しないため、上下框81,91,83,93とも気密材41,43によって各外レール16,18の室外面にタイトラインが形成される。また、竪框85,95では、気密材45によりガイド片13Dの室外面にタイトラインが形成され、外召合せ框87、97では気密材47部分にタイトラインが形成される。これらの各タイトラインは、摺動片31,33や風止板201,202を介して連続するため、外障子8A,9A部分において室内外の気密が確保される。この際、下框83,93部分では、外レール18の室外側に気密ラインが形成されるため、水頭方式の気密構造とされている。
【0074】
また、各外召合せ框57〜97は、それぞれ見込み寸法(特に煙返し部の位置)、戸車32の見込み方向の位置、気密材47の取付位置(特に見込み方向の位置)がそれぞれ略同一とされている。同様に、各内召合せ框58〜98は、見込み寸法(特に煙返し部の位置)、戸車32の見込み方向の位置がそれぞれ略同一とされている。従って、同一の窓枠2に対して、見込み寸法の異なる各障子5〜9を交換して組み込んでも、召合せ部分では確実に召合せが行えて気密性も確保できるように構成されている。
【0075】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 窓枠2に、見込み寸法の異なる複数の障子5〜9を交換して組み込むことができるので、見込み寸法の異なる様々な障子5〜9に対して窓枠2を共通化できる。また、見込み寸法が最大の外障子5A〜7Aを組み込めば等圧方式の気密構造にでき、見込み寸法が小さい外障子8A、9Aを組み込めば水頭方式の気密構造にでき、窓枠2を交換することなく、気密構造を等圧方式および水頭方式の一方に切り替えることができる。
従って、障子5〜9の見込み寸法や気密構造が異なる場合でも、同一の窓枠2を利用できるため、窓枠2の種類を大幅に少なくできる。このため、在庫を削減でき、生産効率も向上でき、製造コストや管理コストを大幅に低減できる。また、低コストで様々なバリエーションを用意することができ、ユーザーの選択枝が増え、ユーザーの希望に柔軟に対応することができる。
【0076】
(2) 窓枠2に組み込む障子5〜9を交換するだけで、サッシ窓の水密性能、遮音性能、断熱性能を変更することができる。この際、引違い窓においては、障子5〜9は窓枠2から容易に着脱できるため、建物の施工後に実際に住んでから、水密性能、遮音性能、断熱性能等を向上させることも容易にかつ安価に行うことができる。このため、施工後であってもユーザーの要望に容易に対応することができる。
【0077】
(3) 召合せ框57〜97に取り付けられる気密材47の位置を、各障子5〜9でほぼ一致させ、気密材47の上下両端が各風止板201,202に当接可能な位置に配置しているので、見込み寸法が異なる各障子5〜9を組み込んだ場合でも、気密材47を確実に風止板201,202に当接させて気密性を確保できる。このため、窓枠2側に設けられる風止板201,202を、障子5〜9の見込み寸法に応じて交換する必要もなく、風止板201,202を含めて窓枠2を共通化でき、施工作業を容易に行うことができるとともに、コストも低減できる。
【0078】
(4) 外障子5A〜7Aの室内面と窓枠2との間をシールする気密材25を、窓枠2側に取り付けていたので、気密材25の端部を風止板202に当接させることができる。このため、簡単な構造で確実な気密性能を得ることができる。
【0079】
(5) さらに、気密材25を断熱性カバー22に取付けているので、下枠12において左半分のみに配置すればよい気密材25を保持するための保持溝を室外部材12Aに形成する必要が無く、室外部材12Aの形状が簡易になり、押出成形も容易に行うことができる。
その上、断熱性カバー22も下枠12の左半分のみに配置すればよいため、断熱性カバー22や気密材25を効率よく配置できる。
【0080】
(6) 見込み寸法の大きな障子5〜7において、断熱複層障子6のように、外障子6Aの下框63に外レール17に当接する気密材43を取り付ければ、外障子6A部分では気密材25および気密材43による2重の気密ラインを形成できるため、水密性能や遮音性能をより一層向上することができる。
同様に、障子5〜7において、断熱複層障子6のように、戸先框65に気密材45を取り付ければ、戸先框65部分でも気密材26,45で2重の気密ラインを形成でき、水密性能や遮音性能をより一層向上することができる。
【0081】
なお、本発明は、前述の各実施形態に限定されない。
例えば、前記実施形態では、等圧方式の水密構造を構成する気密材25を下枠12側に取り付けていたが、外障子5A〜7Aの下框53〜73側に取付け、下枠12に当接させるように構成してもよい。
この場合には、下枠12に気密材25が残らないので、例えば障子を開閉して出入りする際に、下枠12の気密材25を踏んで破損させるようなトラブルを未然に防止できる。
【0082】
同様に、縦枠13に取り付けられていた気密材26を、外障子5A〜7Aの竪框55〜75側に取付け、縦枠13に当接させるように構成してもよい。
また、水頭方式の水密構造を構成する気密材43を、下框83,93側ではなく、外レール18側に取り付けてもよい。
【0083】
さらに、召合せ框57〜97に取り付けられる気密材47の位置は、必ずしも各障子5〜9で同一にする必要はなく、気密材47の上下両端が各風止板201,202に当接可能な範囲でその位置を調整すればよい。
【0084】
また、前記実施形態では、窓枠として、(A)アルミ断熱形材窓枠2を用いていたが、他の構造の窓枠を用いてもよい。例えば、上枠および縦枠がアルミ材等の金属材で構成され、下枠がアルミ材等の非鉄金属製の室内部材および室外部材と、これらの室内外部材を連結する断熱部材とからなる断熱形材で構成された窓枠や、各枠がアルミ押出形材等の金属材のみで形成された窓枠や、各枠がアルミ等の金属からなる室外部材又は室内部材と、合成樹脂、木、合成木等からなる室内部材又は室外部材とで構成された窓枠等を用いてもよい。さらに、これらの各窓枠には、適宜断熱カバーを取り付けてもよい。
【0085】
さらに、前記実施形態では、1種類の窓枠2のみを用意していたが、前述のような様々な構造の窓枠を複数種類用意してもよい。この場合でも、各窓枠に各障子5〜9を自由に組み合わせることができるように、窓枠の内周面の形状や寸法を前記窓枠2と共通化させればよい。
このような複数の窓枠を用意しておけば、障子だけでなく、窓枠においても、断熱性能や意匠等を考慮して選択できるので、ユーザーの要望に柔軟に対応することができる。
【0086】
また、前記実施形態では、障子5〜9の5種類の障子を用意していたが、これらすべての障子を用意しなくてもよい。例えば、通常は、水密性能や遮音性能の高いサッシ窓を希望するユーザーは、同時に断熱性能なども高いもの、つまり高品質、高規格のサッシ窓を希望する場合が多いため、水密性能や遮音性能は高いが、断熱性能は障子5,6に比べると低い(c1)一般複層障子7の需要が小さい場合もあり、(c1)一般複層障子7以外の障子5〜9のみを用意してもよい。
【0087】
さらに、(a)断熱複層障子5において、室内部材51B〜58Bは、合成樹脂製のものに限らず、木製、合成木製等の他の材質のものを用いてもよい。
また、障子としては、(a)断熱複層障子5とは逆に、室外部材を木製、合成木製、樹脂製等として、アルミ形材製等の室内部材と組み合わせた障子を用意して選択できるようにしてもよい。
【0088】
また、前記実施形態では、(a)断熱複層障子5、(b)断熱複層障子6は最大寸法(26mm開口)のもののみを用意していたが、20mm開口などのより小さな見込み寸法であって水頭方式の水密構造となる(a)障子や(b)障子を用意し、選択できるようにしてもよい。
要するに、窓枠に組み込む障子の種類や、各障子の具体的な構造、寸法(見込み寸法)等は実施にあたって適宜設定すればよい。
【0089】
また、本発明は、2枚建ての引違い窓に限らず、3枚建てや4枚建ての引違い窓や、片引き窓のように、外障子が可動するタイプの各種サッシ窓に適用してもよい。
【0090】
【発明の効果】
このような本発明の引違い窓によれば、窓枠の種類を削減できて製造コストや管理コストを低減できるとともに、施工後であっても水密構造や障子の見込み寸法を容易に変更できて改修費用も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるサッシ窓の組み合わせを示すブロック図である。
【図2】本実施形態における(A)アルミ断熱形材窓枠2と(a)断熱複層障子5とを組み合わせた引違い窓を示す縦断面図である。
【図3】図2に示す引違い窓の横断面図である。
【図4】本実施形態における(A)アルミ断熱形材窓枠2と(b)断熱複層障子6とを組み合わせた引違い窓を示す縦断面図である。
【図5】図4に示す引違い窓の横断面図である。
【図6】本実施形態における(A)アルミ断熱形材窓枠2と(c1)一般複層障子7とを組み合わせた引違い窓を示す縦断面図である。
【図7】図6に示す引違い窓の横断面図である。
【図8】本実施形態における(A)アルミ断熱形材窓枠2と(c2)一般複層障子8とを組み合わせた引違い窓を示す縦断面図である。
【図9】図8に示す引違い窓の横断面図である。
【図10】本実施形態における(A)アルミ断熱形材窓枠2と(c3)一般単板障子9とを組み合わせた引違い窓を示す縦断面図である。
【図11】図10に示す引違い窓の横断面図である。
【図12】本実施形態における召合せ部上端の風止板および摺動片を示す分解斜視図である。
【図13】本実施形態における召合せ部下端の風止板および摺動片を示す分解斜視図である。
【図14】図2に示す引違い窓の下枠部分を示す拡大図である。
【図15】図10に示す引違い窓の下枠部分を示す拡大図である。
【図16】図3に示す引違い窓の外障子におけるタイトラインを示す平面図である。
【図17】図11に示す引違い窓の外障子におけるタイトラインを示す平面図である。
【符号の説明】
2…アルミ断熱形材窓枠、5…断熱複層障子、6…断熱複層障子、7…一般複層障子、8…一般複層障子、9…一般単板障子、5A〜9A…外障子、5B〜9B…内障子、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、11A,12A,13A…室外部材、11B,12B,13B…室内部材、11C,12C,13C…断熱部材、13D…ガイド片、13E…突片、16…外レール(上枠)、17…外レール(下枠)、18…内レール(上枠)、19…内レール(下枠)、20…網戸レール、21〜23…断熱性カバー、25〜27…気密材、28…単板ガラス、29…複層ガラス、30…ガスケット、31,33…摺動片、32…戸車、35…網戸、41〜47…気密材、51〜91,52〜92…上框、53〜93,54〜94…下框、55〜95、56〜96…戸先框(竪框)、57〜97…外召合せ框、58〜98…内召合せ框、51A〜56A,58A…室外部材、51B〜56B,58B…室内部材、61A〜66A,68A…室外部材、61B〜66B,68B…室内部材、61C〜66C,68C…断熱部材、100〜130…サッシ窓、201,202…風止板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、引違い窓に係り、特に見込み寸法の異なる障子を交換して組み込み可能な引違い窓に関する。
【0002】
【背景技術】
引違い窓の下枠と障子間の水密性を確保する方法としては、従来より、水頭方式と等圧方式とがある。
水頭方式は、外障子の下框と下枠との間に配置される気密材を外障子用の外レールより下、つまり外障子の外側(より具体的には外障子の室外側見付け片と外レールとの間)に位置させ、下枠上に溜まる水の水頭を稼ぐことで、水頭圧と風圧とをバランスさせる方式である。
【0003】
一方、等圧方式は、気密材を外障子用のレールより上、つまり外障子の内側(より具体的には外障子の室内面と下枠との間)に位置させ、下枠上のレールを挟んだ室外側の空間と室内側の空間とを連通させて等圧にすることで、気圧差による雨水の吹込みを防止する方式である。
【0004】
これらの各気密方式は、その気密構造の違いから、気密性能や遮音性能が異なるため、引違い窓が設置される個所において要求される性能などに応じて選択されている。
例えば、水頭方式では、水頭圧によって水密性能が決まるため、高い水密性能を確保しようとすれば、気密材からの水位を高くする必要があり、その分、下枠の高さ寸法を大きくしなければならない。しかし、実際には、下枠の高さ寸法にも制限があるため、水頭圧を大きくすることはできない。このため、下枠の高さ寸法が同じ場合には、水頭方式に比べて等圧方式のほうが水密性能が高く、例えば、「JIS A 4706」による等級で表すと、水頭方式の水密性能が25等級の場合、等圧方式では35等級と、より高い水密性能を確保できる。
【0005】
また、等圧方式では、下枠においては、外障子の室内側に気密ラインを形成できるため、水頭方式では困難な外レール部分に形成される水抜き孔等からの音も遮音できるため、遮音性能も等圧方式のほうが高くなる。例えば、前記JISによる等級で表すと、水頭方式の遮音性能が25等級の場合、等圧方式では30等級となる。
なお、各方式において、内障子部分は、内障子の外側(内障子の室外側見付け片と内レールとの間)に気密材を位置させることで、共通化できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような各気密方式は、気密材の位置が相違し、特に等圧方式では、通常、下枠側に外障子の室内面との間を塞ぐ気密材を取り付けているのに対し、水頭方式では下枠側にこのような気密材を取り付ける必要がないため、下枠の構造が相違する。
このため、各気密方式を実現する際に、窓枠は各気密方式に対応した専用枠が用いられていた。さらに、サッシ窓の障子には、断熱材等を介在させたり、複層ガラスを組み込むことで断熱性能等を向上させるため、通常のアルミ押出形材(金属材)からなり単板ガラスを組み込んだ障子に比べて見込み寸法が大きな障子もあり、各気密方式に対応した専用枠は、さらに組み込まれる障子の見込み寸法に応じて寸法や構造が異なる専用枠が用意されていた。
【0007】
このため、2つの気密方式と、2種類の見込み寸法が設定されている場合には、気密方式の相違による2種類×障子の見込み寸法の相違による2種類の計4種類の窓枠を用意しなければならない。
その上、引違い窓の窓枠には、単体枠、雨戸付枠、シャッター付枠等の付属部品の相違によっても構造が異なり、さらに各枠においては、半外付け用と外付け用等の納まりの相違によっても異なる構造の窓枠が必要になる。従って、付属部品や納まりが相違する各窓枠において、さらに気密方式や障子見込み寸法の相違によって構造を変えなければならず、非常に多くの窓枠が必要になる。
【0008】
このような窓枠の種類が多いと、製造コストや管理コストが高くなるという問題がある。さらに、施工後に、断熱性能、水密性能、遮音性能を向上させるため等で、引違い窓の水密構造や見込み寸法を変更する場合には、躯体に取り付けられている窓枠から交換しなければならず、改修作業が煩雑になり、改修費用も高くなるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、窓枠の種類を削減できて製造コストや管理コストを低減できるとともに、施工後であっても水密構造や障子の見込み寸法を容易に変更できて改修費用も低減できる引違い窓を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、窓枠内に外障子および内障子が引違い状態に収納された引違い窓において、前記窓枠は、見込み寸法(室内外方向の寸法、厚さ寸法)が異なる複数の障子を交換して組み込み可能に構成され、所定の見込み寸法の障子を組み込んだ際には、少なくともその外障子の下框の室内面と、窓枠の下枠において外レールおよび内レール間に形成された立ち上がり壁部との間をシールして気密性を確保する気密材が設けられ、前記所定の見込み寸法よりも小さい見込み寸法の障子を組み込んだ際には、少なくともその外障子と、窓枠の下枠における外レールの室外面との間をシールして気密性を確保する気密材が設けられていることを特徴とする。
【0011】
この際、見込み寸法が異なる複数の障子を交換して組み込み可能とは、具体的には、様々な見込み寸法の障子の中で、最大の見込み寸法の障子を組み込んだ際に、障子と窓枠とが干渉しないように、例えば、外障子と立ち上がり壁部とが干渉しないように構成されていればよい。つまり、見込み寸法が最大の外障子における戸車等、外レールにガイドされる部分から外障子の室内面までの見込み寸法が、下枠の外レールから立ち上がり壁部までの見込み寸法よりも小さくされて、最大見込み寸法の外障子及び内障子が組み込み可能とされていればよい。
【0012】
また、前記所定の見込み寸法の障子とは、通常は、組み込み可能な最大の見込み寸法の障子や、その障子よりも見込み寸法が僅かに小さい障子である。要するに、所定の見込み寸法とは、外障子の下框の室内面と、窓枠の下枠の立ち上がり壁部との間に設けられた気密材が、下框や下枠に当接してシール可能な位置に、下框の室内面を配置可能な寸法であればよい。
一方で、所定の見込み寸法以外の障子とは、通常は、所定の見込み寸法よりも小さい見込み寸法の障子であり、要するに、下框の室内面と窓枠の下枠の立ち上がり壁部との間を、前記気密材でシールできない障子である。
【0013】
さらに、窓枠に設けられるレール間の寸法も、見込み寸法の最大の障子に合わせて設定されていればよい。このため、見込み寸法の小さな障子においても、外障子および内障子の各召合せ框は、見込み寸法の大きな障子と同様の見込み寸法に形成され、内外の各障子が離れて配置されていても、確実に召し合わせできるように構成されていればよい。
具体的には、内外の各召合せ框の戸車の見込み方向の位置や、係合部分(煙返し部分)の位置、各召合せ框間をシールする気密材の位置が、見込み寸法の異なる各障子において、それぞれ共通化されていればよい。
【0014】
このような本発明では、窓枠に見込み寸法の異なる複数の障子を交換して組み込むことができるため、見込み寸法の異なる様々な障子に対して窓枠を共通化できる。
【0015】
また、所定の見込み寸法の外障子を組み込んだ場合には、下枠の立ち上がり壁部と外障子の室内面との間に気密材が設けられてシールされるので、外障子の内側で気密する等圧方式の気密構造にすることができる。
一方で、所定の見込み寸法ではない(例えば、所定の見込み寸法よりも小さい見込み寸法の)外障子を組み込んだ場合には、立ち上がり壁部と外障子の室内面との隙間が大きくなり、この部分で気密構造を確立することができないが、外レールの室外面と外障子(外障子の室外側見付け片)との間に気密材を配置してシールしているので、水頭方式の気密構造にすることができる。
従って、見込み寸法の異なる障子を適宜選択すれば、窓枠を交換することなく異なる気密構造に設定することができる。
【0016】
このように、本発明では、見込み寸法が異なる場合でも、かつ気密構造が異なる場合でも、同一の窓枠を利用することができるため、窓枠の種類を大幅に軽減でき(例えば従来4種類必要であったものが1種類でよいため、1/4に減少できる)、製造コストや管理コストを大幅に低減できる。さらに、従来は、コスト増になるために、予め選択できる水密構造や見込み寸法が限定されている場合も多かったが、本発明によれば、窓枠の種類を増加させる必要がないため、低コストで様々なバリエーションを用意することができ、ユーザーの選択枝が増え、ユーザーの希望に柔軟に対応することができる。
【0017】
さらに、窓枠を交換せずに、障子のみを交換することで、水密構造や見込み寸法の異なる障子に変更できるため、建物の施工後に実際に住んでから、必要と思われる性能まで、水密性、遮音性、断熱性等を向上させることも容易にかつ安価に行うことができ、ユーザーの満足度の高いサッシ窓にすることができる。
【0018】
ここで、等圧方式の気密構造を実現するための気密材は、窓枠側および外障子側のいずれに取り付けられていても良いが、特に、窓枠の下枠における立ち上がり壁部に気密材が取り付けられており、所定の見込み寸法の外障子を組み込んだ際には、この気密材が外障子の下框の室内面に当接することでシールされて気密性が確保されていることが好ましい。
このように構成すれば、窓枠側に気密材を取り付けておくことができるので、その気密材の端部を窓枠に取り付けられる風止板に当接させて気密性を確保できるため、簡単な構造で確実な気密性能を得ることができる。
【0019】
また、見込み寸法が異なる各障子の召合せ框の一方に取り付けられ、他方に当接して気密性を確保する気密材は、その上下両端が上枠および下枠の召合せ部に取り付けられた各風止板に当接可能な位置に配置されていることが好ましい。特に、見込み寸法が異なる各障子において、召合せ框に取り付けられる気密材の窓枠に対する位置(見込み方向および見付け方向の位置)が同一であることが、より好ましい。
このように構成すれば、見込み寸法が異なる各障子を組み込んだ場合でも、召合せ框間をシールする気密材を確実に風止板に当接させて気密性を確保できる。このため、窓枠側に設けられる風止板を、障子の見込み寸法に応じて交換する必要もなく、風止板を含めて窓枠を共通化でき、施工作業を容易に行うことができるとともに、コストも低減できる。
【0020】
さらに、所定の見込み寸法の障子における外障子の戸先框の室内面と、窓枠の縦枠において前記立ち上がり壁部と見込み方向の位置が同一となるように形成された突出壁部との一方には、他方に当接して気密性を確保する気密材が取り付けられていることが好ましい。
このように構成すれば、所定の見込み寸法の外障子を組み込んだ際に、その外障子の戸先框の室内面と縦枠との間を気密材でシールすることができる。このため、下枠部分における等圧方式の気密構造と同様に、水密性能や遮音性能を向上できる。
【0021】
また、窓枠に組み込み可能な障子は、上框、下框、召合せ框および戸先框を四周框組みして面材を組み込んで形成されており、かつ(a)少なくとも外召合せ框以外の前記各框を、金属製の室内部材および室外部材と、この室内外部材を連結する断熱部材とから構成した障子、(b)少なくとも外召合せ框以外の前記各框を、金属製の室外部材と、断熱性部材からなる室内部材とから構成した障子、(c)前記各框を、金属形材で構成した障子、からなり、前記窓枠に、前記(a),(b),(c)の障子のうちの選択された一つの障子が組み込まれて構成されていることが好ましい。
ここで、(b)障子の断熱性部材としては、合成樹脂(木粉入り樹脂も含む)、合成木、木等の各種の断熱性部材が利用できる。
【0022】
窓枠に組み込まれる障子を、(a),(b),(c)の各障子から選択できるように構成されていれば、ユーザーが断熱性能や意匠等を考慮して希望する障子を選択でき、ユーザーの満足度を高めることができる。
例えば、(b)障子を選択すれば、室内部材を木、合成木、木粉入り樹脂にすることで木目調にでき、和室や洋室を問わず、上質なものにできる。さらに、これらの室内部材や合成樹脂製の室内部材を利用すれば、障子の断熱性能も向上できる。
また、(a)障子を用いれば、断熱部材で断熱性能を高めつつ、断熱部材の使用量が少ないので、(b)障子に比べてコストを抑えることができる。
さらに、(c)障子を用いれば、安価な障子にすることができる。
【0023】
なお、本発明において合成木とは、一般に、熱可塑性樹脂等の合成樹脂と、木粉とを混合溶融して成形され、この木粉の混合割合が30重量%以上のものを意味する。一方、木粉が30重量%以下の場合には、樹脂の性質が強くなるため、木粉入り樹脂となる。また、木粉の混合割合は70重量%以下であることが好ましい。これ以上になると、押出成形時の成形性が低下する。
なお、木粉とは、木材を粉砕して得られるものに限らず、椰子殻、コーヒーかす、古紙、廃材などのセルロース系材料を粉砕等で粉状にしたものを含むものである。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレンまたはポリエチレン等のオレフィン系樹脂や塩化ビニル樹脂等である。なお、木製の部材が中実であるのに対し、合成木製の場合には、押出成形が可能なため、中空形状に形成できる。
【0024】
さらに、(a)障子および(b)障子は、所定の見込み寸法に設定され、(c)障子は、所定の見込み寸法の障子(前記(a)障子および(b)障子)よりも見込み寸法が小さな障子が少なくとも用意されているものでもよい。
(a)障子や(b)障子を所定の見込み寸法に設定すれば、窓枠と組み合わせた際に、等圧方式の気密構造を採用できる。特に、断熱性能等に考慮した高性能の(a)障子や(b)障子において、水密性能や遮音性能も向上できるので、高規格の引違い窓を要望するユーザーにも十分に対応することができる。
【0025】
一方、比較的安価なサッシ窓を希望するユーザーは、見込み寸法が小さくために水頭方式の気密構造となる(c)障子を選択することができる。従って、性能およびコストの異なる引違い窓を構成することができ、ユーザーの多彩な要望にも確実に対応することができる。
【0026】
窓枠は、上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みして形成され、かつ前記各枠は、金属製の室内部材および室外部材と、この室内外部材を連結する断熱部材とから構成されていることが好ましい。
このようなアルミ断熱形材等で各枠を構成した窓枠を用いれば、断熱性能を向上できる上、コストの増加も最小限に抑えることができ、耐水性能、耐候性能にも優れた窓枠とすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面においては図面を見やすくするために、窓枠や障子等の主要な構成部材には断面を示すハッチングを省略して記載している。
【0028】
本実施形態の引違い窓は、図1に示すように、窓枠として、(A)上枠、下枠および縦枠が、それぞれアルミ(金属、非鉄金属)製の室内部材および室外部材と、これらの室内外部材を連結する断熱部材とからなるアルミ断熱形材で構成されたアルミ断熱形材窓枠2が用意されている。
【0029】
また、障子として、(a)前記各框を、アルミ(非鉄金属)製の室外部材と、樹脂(断熱性部材)製の室内部材とから構成し、複層ガラスを組み込んだ断熱複層障子5と、(b)前記各框を、アルミ(金属)製の室内部材および室外部材と、この室内外部材を連結する断熱部材とからなるアルミ断熱形材で構成し、複層ガラスを組み込んだ断熱複層障子6と、(c1)前記各框をアルミ(非鉄金属)で構成し、複層ガラスを組み込んだ一般複層障子7と、(c2)前記各框をアルミ(非鉄金属)で構成し、複層ガラスを組み込んだ一般複層障子8と、(c3)前記各框をアルミ(非鉄金属)で構成し、単板ガラスを組み込んだ一般単板障子9との5種類が用意されている。従って、(c)障子として、(c1)〜(c3)の3種類の障子7〜9が用意されていることになる。
【0030】
この際、前記(a),(b),(c1)の各障子5〜7は、図2〜11に示すように、外障子および内障子の見込み寸法L1がそれぞれ同一とされている。
一方、(c2)一般複層障子8は、アルミ製の框で構成され、複層ガラスが組み込まれている点では(c1)障子7と同一であるが、外障子および内障子の各見込み寸法L2は、(c1)障子7の見込み寸法L1よりも小さくされている。また、(c3)障子9は単板ガラスを組み込んでいることもあり、外障子および内障子の各見込み寸法L3は、(c2)障子8の見込み寸法L2よりもさらに小さくされている。従って、本実施形態では、障子5〜7が所定の見込み寸法の障子とされ、他の障子6,7が所定の見込み寸法ではない障子とされている。
【0031】
ここで、各寸法は実施にあたって適宜設定すればよいが、本実施形態では、例えば、寸法L1は30.5mm、寸法L2は23mm、寸法L3は15mmとされている。これらの見込み寸法は、通常、各框のガラスが保持される開口部の幅寸法で示されることが多く、その表示では、見込み寸法が最大(所定の見込み寸法)の障子5〜7は「26mm開口」、障子8は「20mm開口」、障子9は「9mm開口」とされている。
また、各障子5〜7の内外の障子間の隙間寸法L1’は8.5mm、障子8の隙間寸法L2’は16mm、障子9の隙間寸法L3’は24mmとされ、外障子の室外面から内障子の室外面までの寸法(L1+L1’、L2+L2’、L3+L3’)、つまり外障子の室外面を基準とした場合の召合せ部の見込み方向の位置は、各障子5〜9とも39mmと同一とされている。
【0032】
これらの各障子5〜9は、サッシ窓を設置する際に要求される断熱性能や水密性能等に応じて選択され、窓枠2と組み合わせて引違いのサッシ窓を構成している。以下、各障子5〜9を窓枠2に組み合わせた引違い窓の構造について図2〜11を参照して説明する。
【0033】
図2および図3は、(A)アルミ断熱形材窓枠2と、(a)断熱複層障子5とを組み合わせたサッシ窓100の縦断面図および横断面図である。
(A)アルミ断熱形材窓枠2は、上枠11、下枠12と左右両端の縦枠13とを四角枠状に接合して形成されている。
【0034】
窓枠2の各枠11,12,13は、それぞれ非鉄金属であるアルミ製の室外部材11A,12A,13Aと、アルミ製の室内部材11B,12B,13Bと、これらの室外部材11A,12A,13Aおよび室内部材11B,12B,13Bをそれぞれ連結するウレタン樹脂製の断熱部材11C,12C,13Cとで構成されている。
【0035】
なお、本実施形態では、ウレタン樹脂を各室外部材11A,12A,13Aおよび室内部材11B,12B,13B間に注入して硬化させることで断熱部材11C,12C,13Cとしているが、合成樹脂製の帯板状の断熱部材を各室外部材11A,12A,13Aおよび室内部材11B,12B,13B間にそれぞれ1枚以上配置し、各室内外部材をかしめて連結させることで、断熱部材11C,12C,13Cを構成してもよい。そして、各断熱部材11C,12C,13Cは、各枠11,12,13を枠組みすることで互いに当接され、窓枠2に四周連続する断熱ラインを形成している。
【0036】
上枠11の下面には、外、内の各上レール16,17が垂設され、下枠12の上面には外、内の各下レール18,19が立設されている。また、上下枠11,12の室外側には網戸レール20がそれぞれ設けられている。
なお、外レール16,18は、各枠11,12の室外部材11A,12Aに設けられ、内レール17,19は、各枠11,12の室内部材11B,12Bに設けられている。
【0037】
一方、断熱窓枠2内に配置される(a)断熱複層障子5は、室外側に配置されて外側のレール16,18でガイドされる外障子5Aと、室内側に配置されて内側のレール17,19でガイドされる内障子5Bとを備えている。
これらの各障子5A,5Bは、それぞれ上框51,52と、下框53,54と、左右の竪框(戸先框)55,56と、外召合せ框57および内召合せ框58とをそれぞれ四角枠状に組んで構成されている。
【0038】
各框51〜56,58は、アルミ(非鉄金属)製の室外部材51A〜56A,58Aと、断熱性部材であるポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂製の室内部材51B〜56B,58Bとを接合して構成されている。
一方、外障子5Aの外召合せ框57は、室内側に露出する部分が殆ど無いため、アルミ押出形材で一体に形成されている。
そして、各框51〜58の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介して嵌合されている。
【0039】
そして、各戸先框55,56の上端部には、前記上レール16,17を挟み込む摺動片31が嵌入され、各下框53,54には、前記下レール18,19上を転動する戸車32が回転自在に支持されている。また、各竪框55,56の下端部には、下レール18,19を挟み込む摺動片33が嵌入されている。
また、これらの障子5A,5Bの室外側には、網戸レール20でガイドされた網戸35がレール20に沿って移動可能に配置されている。
【0040】
窓枠2の上枠11の下面には、外レール16の室内面から内レール17の室外面までの部分を被覆する断熱性カバー21が取り付けられている。この断熱性カバー21により、外障子5Aおよび内障子5Bを閉めた際に、室外部材11Aにおいて室内側に露出する室内側露出面部と、室内部材11Bにおいて室外側に露出する室外側露出面部とが被覆されている。
【0041】
窓枠2の下枠12および縦枠13には、断熱性カバー22,23がそれぞれ取り付けられている。
断熱性カバー22は、前記内レール19の室外側に配置されて前記内レール19にビス等で取り付けられている。断熱性カバー22は外障子5Aを閉めた際に外障子5Aが配置される部分、つまり下枠12の全長の約半分の部分に配置され、外障子5A、内障子5Bを閉めた際に、室外部材12Aにおいて室内側に露出する室内側露出面部を被覆している。
【0042】
そして断熱性カバー22には気密材25が室外側に向けて取り付けられ、外障子5Aを閉めた際に外障子5Aの下框53の室内面に気密材25が圧接してシールするように構成されている。従って、断熱性カバー22により、下枠12において気密材25が取り付けられる立ち上がり壁部が構成されている。
【0043】
断熱性カバー23は、一方の縦枠13において外障子5Aの戸先框55の室内面にほぼ沿った位置から室内側部分に配置され、ビス等で縦枠13に取り付けられている。これにより、断熱性カバー23も、外障子5Aを閉めた際に室外部材13Aにおいて室内側に露出する室内側露出面部を被覆している。
この断熱性カバー23の室外面には、気密材26が室外側に向けて取り付けられ、外障子5Aを閉めた際に外障子5Aの戸先框55の室内面に圧接してシールするように構成されている。従って、断熱性カバー23により、縦枠13において気密材26が取り付けられる突出壁部が構成されている。
断熱性カバー22,23の各気密材25,26が取り付けられた壁面は、その見込み方向の位置が互いに同一とされ、各気密材25,26は見込み方向に同じ位置に配置されている。
【0044】
さらに、他方の縦枠13において内障子5Bの室外側に形成された突片13Eには、内障子5Bの戸先框56の室外面に当接する気密材27が取り付けられている。
【0045】
一方、障子5には、次のような気密材が取り付けられている。すなわち、上框51の外レール16に対向する内面、つまり室外部材(室外側見付け片)51Aの室内面と室内部材(室内側見付け片)51Bの室外面とには、外レール16および断熱性カバー21の外レール16部分に当接する気密材41が取り付けられ、上レール16を室内外から挟持するようにシールしている。
一方、上框52の内レール17の室外面に対向する内面、つまり室外部材(室外側見付け片)52Aの室内面には、内レール17に当接する気密材42が取り付けられ、内レール17および室外部材52A間から外気が流入しないようにシールしている。
なお、室外部材(室内側見付け片)52Bには気密材が取り付けられていないが、その代わりに、樹脂製の室外部材52Bの上端に内レール17に当接されるヒレ部が形成され、気密材と同様にシールしている。
【0046】
外障子5Aの下框53には気密材は取り付けられていない。一方、内障子5Bの下框54において、内レール19の室外面に対向する内面、つまり室外部材(室外側見付け片)54Aの室内面には、内レール19に当接する気密材44が取り付けられ、内レール19および室外部材54A間から外気が流入しないようにシールしている。
【0047】
各障子5A,5Bの戸先框55,56の室外部材(室外側見付け片)55A,56Aには、各縦枠13において障子5A,5Bの戸先框55,56と対向した位置に設けられたガイド片13Dの室外面に当接する気密材45,46がそれぞれ取り付けられている。
さらに、外召合せ框57の室内面には、内召合せ框58の室外面に当接する気密材47が取り付けられている。
【0048】
次に、(a)断熱複層障子5の代わりに、(b)断熱複層障子6を(A)アルミ断熱形材窓枠2に組み込んだサッシ窓(引違い窓)110について、図4の縦断面図および図5の横断面図を参照して説明する。なお、以下の説明において前記サッシ窓100の各構成要素と同一あるいは相当構成要素には同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0049】
窓枠2内に配置される(b)断熱複層障子6は、室外側に配置されて外側のレール16,18でガイドされる外障子6Aと、室内側に配置されて内側のレール17,19でガイドされる内障子6Bとを備えている。
【0050】
これらの各障子6A,6Bは、上框61,62と、下框63,64と、左右の竪框(戸先框)65,66と、外召合せ框67および内召合せ框68とをそれぞれ四角枠状に組んで構成されている。そして、各框61〜68の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介して嵌合されている。
【0051】
各框61〜66は、それぞれアルミ製の室外部材61A〜66Aと、アルミ製の室内部材61B〜66Bと、これらの室外部材61A〜66Aおよび室内部材61B〜66Bを連結するウレタン樹脂製の断熱部材61C〜66Cとで構成されている。このうち、外障子6Aの下框63は、高さ寸法が大きいため、2本の断熱部材63Cで室外部材63A、室内部材63Bを連結している。
【0052】
また、外障子6Aの外召合せ框67は、図5に示すように、室内側に露出する部分が殆ど無いため、アルミ押出形材によって一体成形された外召合せ框57と同じものが用いられている。
一方、内障子6Bの内召合せ框68は、複層ガラス29の室外側を保持する室外部材68Aと、室内側を保持する室内部材68Bと、これらを連結する断熱部材68Cとで構成されている。
これら各框61〜66,68も、窓枠2と同様に、樹脂注入方式で形成されている。
【0053】
(b)断熱複層障子6の各框61〜67には、(a)断熱複層障子5と同様に、各気密材41,42,44,45,46,47が取り付けられている。さらに、内障子6Bの上框62には、上レール18の室内面に当接する気密材42が取り付けられ、外障子6Aの下框63には、下レール17の室外面に当接する気密材43が追加して取り付けられている。
また、摺動片31,33などは、前記(a)断熱複層障子5と同様に設けられている。
【0054】
次に、(a)断熱複層障子5の代わりに、(c1)一般複層障子7を(A)アルミ断熱形材窓枠2に組み込んだサッシ窓(引違い窓)120について、図6の縦断面図および図7の横断面図を参照して説明する。なお、以下の説明において前記サッシ窓100,110の各構成要素と同一あるいは相当構成要素には同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0055】
窓枠2内に配置される(c1)一般複層障子7は、室外側に配置されて外側のレール16,18でガイドされる外障子7Aと、室内側に配置されて内側のレール17,19でガイドされる内障子7Bとを備えている。
【0056】
これらの各障子7A,7Bは、上框71,72と、下框73,74と、左右の竪框(戸先框)75,76と、外召合せ框77および内召合せ框78とをそれぞれ四角枠状に組んで構成されている。そして、各框71〜78の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介して嵌合されている。
各框71〜78は、それぞれ一体成形されたアルミ製の押出形材で構成されている。
【0057】
(c1)一般複層障子7の各框71〜77には、(a)断熱複層障子5や(b)断熱複層障子6と同様に、気密材43を除く各気密材41〜47が取り付けられている。
さらに、摺動片31,33なども、前記(a)断熱複層障子5と同様に設けられている。
【0058】
次に、(a)断熱複層障子5の代わりに、(c2)一般複層障子8を(A)アルミ断熱形材窓枠2に組み込んだサッシ窓(引違い窓)130について、図8の縦断面図および図9の横断面図を参照して説明する。なお、以下の説明において前記サッシ窓100〜120の各構成要素と同一あるいは相当構成要素には同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0059】
窓枠2内に配置される(c2)一般複層障子8は、室外側に配置されて外側のレール16,18でガイドされる外障子8Aと、室内側に配置されて内側のレール17,19でガイドされる内障子8Bとを備えている。
【0060】
これらの各障子8A,8Bは、上框81,82と、下框83,84と、左右の竪框(戸先框)85,86と、外召合せ框87および内召合せ框88とをそれぞれ四角枠状に組んで構成されている。そして、各框81〜88の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介して嵌合されている。
各框81〜88は、それぞれ一体成形されたアルミ製の押出形材で構成されている。
【0061】
(c2)一般複層障子8の各框81〜87には、(b)断熱複層障子6と同様に、気密材41〜47が取り付けられている。さらに、摺動片31,33などは、前記(a)断熱複層障子5と同様に設けられている。
【0062】
次に、(a)断熱複層障子5の代わりに、(c3)一般単板障子9を(A)アルミ断熱形材窓枠2に組み込んだサッシ窓(引違い窓)140について、図10の縦断面図および図11の横断面図を参照して説明する。なお、以下の説明において前記サッシ窓100〜130の各構成要素と同一あるいは相当構成要素には同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
【0063】
窓枠2は、サッシ窓100〜130と同一のものである。一方、窓枠2内に配置される(c3)一般単板障子9は、室外側に配置されて外側のレール16,18でガイドされる外障子9Aと、室内側に配置されて内側のレール17,19でガイドされる内障子9Bとを備えている。
【0064】
これらの各障子9A,9Bは、上框91,92と、下框93,94と、左右の竪框(戸先框)95,96と、外召合せ框97および内召合せ框98とをそれぞれ四角枠状に組んで構成されている。そして、各框91〜98の内周面には、単板ガラス28がガスケット30を介して嵌合されている。
各框91〜98は、それぞれ一体成形されたアルミ製の押出形材で構成されている。
【0065】
(c3)一般単板障子9の各框91〜97には、(c2)一般複層障子8と同様に、気密材41〜47が取り付けられている。さらに、摺動片31,33なども、前記(a)断熱複層障子5と同様に設けられている。
【0066】
これらの各障子5〜9を組み込んだ場合の召合せ部のシール構造は、以下のように構成される。
すなわち、各障子5〜9において、上框51〜91,52〜92の気密材41,42の端面は、図12に示すように、戸先框55〜95、56〜96や召合せ框57〜97、58〜98の上端部分に組み込まれた摺動片31に当接されている。
同様に、下框53〜93,54〜94の気密材43,44の端面も、図13に示すように、戸先框55〜95、56〜96や召合せ框57〜97、58〜98の下端部分に組み込まれた摺動片33に当接されている。
【0067】
そして、各摺動片31,33は、上枠11および下枠12の召合せ部に配置された風止板201,202に当接されている。また、風止板201,202には、外召合せ框57〜97に取り付けられた気密材47の上端面および下端面がそれぞれ当接され、さらに下枠12の断熱性カバー22に取り付けられた気密材25の端面が当接されている。
この際、各障子5〜9における気密材47の平面位置(窓枠2に対する見付け方向および見込み方向の位置)は、ほぼ同一の位置とされている。特に、障子5〜8の気密材47は同一の位置に配置されている。一方、障子9の気密材47は見付け方向の位置のみが多少異なるが、風止板201,202に当接可能な位置に配置されている。
なお、風止板は、図示しないが、召合せ部だけでなく、窓枠2のコーナー部にも適宜設けられている。
【0068】
このような各障子5〜9は、主にその見込み寸法の相違により、障子全体の気密構造が異なっている。
すなわち、所定の見込み寸法(具体的にはL1が30.5mmとされた、いわゆる「26mm開口」)の障子5〜7は、下枠12部分においては、図14にも示すように、下枠12に取り付けた気密材25が外障子5A〜7Aの室内面に当接するため、等圧方式の水密構造となる。
一方、所定の見込み寸法ではない(見込み寸法が小さい)障子8,9は、下枠12部分においては、図15にも示すように、下枠12に取り付けた気密材25は外障子8A,9Aに当接せず、外障子8A,9Aと外レール17の室外面との間の気密材43でシールされているため、いわゆる水頭方式の気密構造とされている。
【0069】
なお、障子6のように、基本的には等圧方式の水密構造において、水頭方式の障子8,9と同様に、外障子6Aと外レール17の室外面との間を気密材43でシールすれば、水密性能をより向上できると共に、遮音性能も高めることができる。
【0070】
一方、上框51〜91,52〜92部分においては、各障子5〜9とも、レール16,18の室内外両面にそれぞれ気密材41,42を当接させてシールしているので、同じ気密構造とされている。
さらに、内障子5B〜9B用のガイド片13Dが形成された縦枠13部分は、縦枠13の突片13Eに設けられた気密材27が内障子5B〜9Bの室外面に当接し、かつ内障子5B〜9Bの気密材46がガイド片13Dに当接した2重のシール構造とされており、水密性や遮音性が向上されている。
【0071】
また、他方の縦枠13部分は、見込み寸法が大きな障子5〜7では、縦枠13の気密材26が外障子5A〜7Aの室内面に当接し、さらに外障子5A〜7Aの気密材45がガイド片13Dに当接しているので、各気密材26,45間に室外空間の気圧と室内空間の気圧との間の中間的な圧力となる空間が形成され、等圧方式と同様の気密構造とされて高い気密性能が確保されている。さらに、各空間の圧力差が小さくなるため、しぶきの発生なども防止されている。
【0072】
従って、見込み寸法の大きな障子5〜7では、図16に示すように、外障子5A〜7Aの上框51〜71部分では、気密材41によって外レール16の略室内面に沿って気密ライン(タイトライン)が形成される。また、竪框55〜75部分では、気密材26によって竪框55〜75の室内面に沿ってタイトラインが形成される。さらに、召合せ框57〜77部分では気密材47によって召合せ部に沿ってタイトラインが形成される。また、下框53〜73部分では、気密材25によってタイトラインが形成される。
これらの各タイトラインは、摺動片31,33や風止板201,202等を介して連続し、外障子5A〜7A部分において室内外の気密を確保している。この際、下框53〜73部分では、外レール18の室内側に気密ラインが形成されるため、等圧方式の気密構造とされている。
【0073】
一方、見込み寸法の小さな障子8,9では、図15,17に示すように、外障子8A,9Aの下框83,93や竪框85,95が窓枠2に取り付けられた気密材25,26に当接しないため、上下框81,91,83,93とも気密材41,43によって各外レール16,18の室外面にタイトラインが形成される。また、竪框85,95では、気密材45によりガイド片13Dの室外面にタイトラインが形成され、外召合せ框87、97では気密材47部分にタイトラインが形成される。これらの各タイトラインは、摺動片31,33や風止板201,202を介して連続するため、外障子8A,9A部分において室内外の気密が確保される。この際、下框83,93部分では、外レール18の室外側に気密ラインが形成されるため、水頭方式の気密構造とされている。
【0074】
また、各外召合せ框57〜97は、それぞれ見込み寸法(特に煙返し部の位置)、戸車32の見込み方向の位置、気密材47の取付位置(特に見込み方向の位置)がそれぞれ略同一とされている。同様に、各内召合せ框58〜98は、見込み寸法(特に煙返し部の位置)、戸車32の見込み方向の位置がそれぞれ略同一とされている。従って、同一の窓枠2に対して、見込み寸法の異なる各障子5〜9を交換して組み込んでも、召合せ部分では確実に召合せが行えて気密性も確保できるように構成されている。
【0075】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 窓枠2に、見込み寸法の異なる複数の障子5〜9を交換して組み込むことができるので、見込み寸法の異なる様々な障子5〜9に対して窓枠2を共通化できる。また、見込み寸法が最大の外障子5A〜7Aを組み込めば等圧方式の気密構造にでき、見込み寸法が小さい外障子8A、9Aを組み込めば水頭方式の気密構造にでき、窓枠2を交換することなく、気密構造を等圧方式および水頭方式の一方に切り替えることができる。
従って、障子5〜9の見込み寸法や気密構造が異なる場合でも、同一の窓枠2を利用できるため、窓枠2の種類を大幅に少なくできる。このため、在庫を削減でき、生産効率も向上でき、製造コストや管理コストを大幅に低減できる。また、低コストで様々なバリエーションを用意することができ、ユーザーの選択枝が増え、ユーザーの希望に柔軟に対応することができる。
【0076】
(2) 窓枠2に組み込む障子5〜9を交換するだけで、サッシ窓の水密性能、遮音性能、断熱性能を変更することができる。この際、引違い窓においては、障子5〜9は窓枠2から容易に着脱できるため、建物の施工後に実際に住んでから、水密性能、遮音性能、断熱性能等を向上させることも容易にかつ安価に行うことができる。このため、施工後であってもユーザーの要望に容易に対応することができる。
【0077】
(3) 召合せ框57〜97に取り付けられる気密材47の位置を、各障子5〜9でほぼ一致させ、気密材47の上下両端が各風止板201,202に当接可能な位置に配置しているので、見込み寸法が異なる各障子5〜9を組み込んだ場合でも、気密材47を確実に風止板201,202に当接させて気密性を確保できる。このため、窓枠2側に設けられる風止板201,202を、障子5〜9の見込み寸法に応じて交換する必要もなく、風止板201,202を含めて窓枠2を共通化でき、施工作業を容易に行うことができるとともに、コストも低減できる。
【0078】
(4) 外障子5A〜7Aの室内面と窓枠2との間をシールする気密材25を、窓枠2側に取り付けていたので、気密材25の端部を風止板202に当接させることができる。このため、簡単な構造で確実な気密性能を得ることができる。
【0079】
(5) さらに、気密材25を断熱性カバー22に取付けているので、下枠12において左半分のみに配置すればよい気密材25を保持するための保持溝を室外部材12Aに形成する必要が無く、室外部材12Aの形状が簡易になり、押出成形も容易に行うことができる。
その上、断熱性カバー22も下枠12の左半分のみに配置すればよいため、断熱性カバー22や気密材25を効率よく配置できる。
【0080】
(6) 見込み寸法の大きな障子5〜7において、断熱複層障子6のように、外障子6Aの下框63に外レール17に当接する気密材43を取り付ければ、外障子6A部分では気密材25および気密材43による2重の気密ラインを形成できるため、水密性能や遮音性能をより一層向上することができる。
同様に、障子5〜7において、断熱複層障子6のように、戸先框65に気密材45を取り付ければ、戸先框65部分でも気密材26,45で2重の気密ラインを形成でき、水密性能や遮音性能をより一層向上することができる。
【0081】
なお、本発明は、前述の各実施形態に限定されない。
例えば、前記実施形態では、等圧方式の水密構造を構成する気密材25を下枠12側に取り付けていたが、外障子5A〜7Aの下框53〜73側に取付け、下枠12に当接させるように構成してもよい。
この場合には、下枠12に気密材25が残らないので、例えば障子を開閉して出入りする際に、下枠12の気密材25を踏んで破損させるようなトラブルを未然に防止できる。
【0082】
同様に、縦枠13に取り付けられていた気密材26を、外障子5A〜7Aの竪框55〜75側に取付け、縦枠13に当接させるように構成してもよい。
また、水頭方式の水密構造を構成する気密材43を、下框83,93側ではなく、外レール18側に取り付けてもよい。
【0083】
さらに、召合せ框57〜97に取り付けられる気密材47の位置は、必ずしも各障子5〜9で同一にする必要はなく、気密材47の上下両端が各風止板201,202に当接可能な範囲でその位置を調整すればよい。
【0084】
また、前記実施形態では、窓枠として、(A)アルミ断熱形材窓枠2を用いていたが、他の構造の窓枠を用いてもよい。例えば、上枠および縦枠がアルミ材等の金属材で構成され、下枠がアルミ材等の非鉄金属製の室内部材および室外部材と、これらの室内外部材を連結する断熱部材とからなる断熱形材で構成された窓枠や、各枠がアルミ押出形材等の金属材のみで形成された窓枠や、各枠がアルミ等の金属からなる室外部材又は室内部材と、合成樹脂、木、合成木等からなる室内部材又は室外部材とで構成された窓枠等を用いてもよい。さらに、これらの各窓枠には、適宜断熱カバーを取り付けてもよい。
【0085】
さらに、前記実施形態では、1種類の窓枠2のみを用意していたが、前述のような様々な構造の窓枠を複数種類用意してもよい。この場合でも、各窓枠に各障子5〜9を自由に組み合わせることができるように、窓枠の内周面の形状や寸法を前記窓枠2と共通化させればよい。
このような複数の窓枠を用意しておけば、障子だけでなく、窓枠においても、断熱性能や意匠等を考慮して選択できるので、ユーザーの要望に柔軟に対応することができる。
【0086】
また、前記実施形態では、障子5〜9の5種類の障子を用意していたが、これらすべての障子を用意しなくてもよい。例えば、通常は、水密性能や遮音性能の高いサッシ窓を希望するユーザーは、同時に断熱性能なども高いもの、つまり高品質、高規格のサッシ窓を希望する場合が多いため、水密性能や遮音性能は高いが、断熱性能は障子5,6に比べると低い(c1)一般複層障子7の需要が小さい場合もあり、(c1)一般複層障子7以外の障子5〜9のみを用意してもよい。
【0087】
さらに、(a)断熱複層障子5において、室内部材51B〜58Bは、合成樹脂製のものに限らず、木製、合成木製等の他の材質のものを用いてもよい。
また、障子としては、(a)断熱複層障子5とは逆に、室外部材を木製、合成木製、樹脂製等として、アルミ形材製等の室内部材と組み合わせた障子を用意して選択できるようにしてもよい。
【0088】
また、前記実施形態では、(a)断熱複層障子5、(b)断熱複層障子6は最大寸法(26mm開口)のもののみを用意していたが、20mm開口などのより小さな見込み寸法であって水頭方式の水密構造となる(a)障子や(b)障子を用意し、選択できるようにしてもよい。
要するに、窓枠に組み込む障子の種類や、各障子の具体的な構造、寸法(見込み寸法)等は実施にあたって適宜設定すればよい。
【0089】
また、本発明は、2枚建ての引違い窓に限らず、3枚建てや4枚建ての引違い窓や、片引き窓のように、外障子が可動するタイプの各種サッシ窓に適用してもよい。
【0090】
【発明の効果】
このような本発明の引違い窓によれば、窓枠の種類を削減できて製造コストや管理コストを低減できるとともに、施工後であっても水密構造や障子の見込み寸法を容易に変更できて改修費用も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるサッシ窓の組み合わせを示すブロック図である。
【図2】本実施形態における(A)アルミ断熱形材窓枠2と(a)断熱複層障子5とを組み合わせた引違い窓を示す縦断面図である。
【図3】図2に示す引違い窓の横断面図である。
【図4】本実施形態における(A)アルミ断熱形材窓枠2と(b)断熱複層障子6とを組み合わせた引違い窓を示す縦断面図である。
【図5】図4に示す引違い窓の横断面図である。
【図6】本実施形態における(A)アルミ断熱形材窓枠2と(c1)一般複層障子7とを組み合わせた引違い窓を示す縦断面図である。
【図7】図6に示す引違い窓の横断面図である。
【図8】本実施形態における(A)アルミ断熱形材窓枠2と(c2)一般複層障子8とを組み合わせた引違い窓を示す縦断面図である。
【図9】図8に示す引違い窓の横断面図である。
【図10】本実施形態における(A)アルミ断熱形材窓枠2と(c3)一般単板障子9とを組み合わせた引違い窓を示す縦断面図である。
【図11】図10に示す引違い窓の横断面図である。
【図12】本実施形態における召合せ部上端の風止板および摺動片を示す分解斜視図である。
【図13】本実施形態における召合せ部下端の風止板および摺動片を示す分解斜視図である。
【図14】図2に示す引違い窓の下枠部分を示す拡大図である。
【図15】図10に示す引違い窓の下枠部分を示す拡大図である。
【図16】図3に示す引違い窓の外障子におけるタイトラインを示す平面図である。
【図17】図11に示す引違い窓の外障子におけるタイトラインを示す平面図である。
【符号の説明】
2…アルミ断熱形材窓枠、5…断熱複層障子、6…断熱複層障子、7…一般複層障子、8…一般複層障子、9…一般単板障子、5A〜9A…外障子、5B〜9B…内障子、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、11A,12A,13A…室外部材、11B,12B,13B…室内部材、11C,12C,13C…断熱部材、13D…ガイド片、13E…突片、16…外レール(上枠)、17…外レール(下枠)、18…内レール(上枠)、19…内レール(下枠)、20…網戸レール、21〜23…断熱性カバー、25〜27…気密材、28…単板ガラス、29…複層ガラス、30…ガスケット、31,33…摺動片、32…戸車、35…網戸、41〜47…気密材、51〜91,52〜92…上框、53〜93,54〜94…下框、55〜95、56〜96…戸先框(竪框)、57〜97…外召合せ框、58〜98…内召合せ框、51A〜56A,58A…室外部材、51B〜56B,58B…室内部材、61A〜66A,68A…室外部材、61B〜66B,68B…室内部材、61C〜66C,68C…断熱部材、100〜130…サッシ窓、201,202…風止板。
Claims (7)
- 窓枠内に外障子および内障子が引違い状態に収納された引違い窓において、
前記窓枠は、見込み寸法が異なる複数の障子を交換して組み込み可能に構成され、
所定の見込み寸法の障子を組み込んだ際には、少なくともその外障子の下框の室内面と、窓枠の下枠において外レールおよび内レール間に形成された立ち上がり壁部との間をシールして気密性を確保する気密材が設けられ、
前記所定の見込み寸法よりも小さい見込み寸法の障子を組み込んだ際には、少なくともその外障子と、窓枠の下枠における外レールの室外面との間をシールして気密性を確保する気密材が設けられている引違い窓。 - 窓枠の下枠における立ち上がり壁部に気密材が取り付けられており、所定の見込み寸法の外障子を組み込んだ際には、この気密材が外障子の下框の室内面に当接することでシールされて気密性が確保されている請求項1に記載の引違い窓。
- 見込み寸法が異なる各障子の召合せ框の一方に取り付けられ、他方に当接して気密性を確保する気密材は、その上下両端が上枠および下枠の召合せ部に取り付けられた各風止板に当接可能な位置に配置されている請求項1または請求項2に記載の引違い窓。
- 所定の見込み寸法の障子における外障子の戸先框の室内面と、窓枠の縦枠において前記立ち上がり壁部と見込み方向の位置が同一となるように形成された突出壁部との一方には、他方に当接して気密性を確保する気密材が取り付けられている請求項1〜3のいずれかに記載の引違い窓。
- 窓枠に組み込み可能な障子は、上框、下框、召合せ框および戸先框を四周框組みして面材を組み込んで形成されており、かつ
(a)少なくとも外召合せ框以外の前記各框を、金属製の室内部材および室外部材と、この室内外部材を連結する断熱部材とから構成した障子、
(b)少なくとも外召合せ框以外の前記各框を、金属製の室外部材と、断熱性部材からなる室内部材とから構成した障子、
(c)前記各框を、金属形材で構成した障子、からなり、
前記窓枠に、前記(a),(b),(c)の障子のうちの選択された一つの障子が組み込まれて構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の引違い窓。 - (a)障子および(b)障子は、所定の見込み寸法に設定され、(c)障子は、この(a)障子および(b)障子よりも見込み寸法が小さな障子が少なくとも用意されている請求項5に記載の引違い窓。
- 窓枠は、上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みして形成され、かつ前記各枠は、金属製の室内部材および室外部材と、この室内外部材を連結する断熱部材とから構成されている請求項1〜6のいずれかに記載の引違い窓。
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