JP3545871B2 - 光学分割用分離膜 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学分割用の分離膜に関する。この分離膜は、吸着させたタンパク質の有する不斉識別能により、分析、分取用の光学分割膜として利用される。
【0002】
【従来の技術】
光学分割は、ファインケミカル、医薬品の分野において、極めて重要な分離技術である。特に、医薬品の製造においては近年急速に重要性が高まっており、大量処理が可能で、低コストな方法の開発が強く求められている。現在利用されている方法の主なものは、ジアステレオマー法、優先晶析法、HPLCを用いた直接分割法などであり、これらが状況に応じて使い分けられる。とりわけ、HPLCによる分割法は、充填剤の進歩により、近年急速に普及している。HPLC法では、シリカゲル、多孔質ガラスなどに不斉識別能をもつ化合物(キラルセレクタ)を結合したものを充填したカラムを固定相とし、移動相によって鏡像体混合物をこのカラムに流すことにより、キラルセレクタと各鏡像異性体の相互作用の強さの差を利用して分離が達せられる。
【0003】
しかしながら、現在用いられている光学分割HPLCには、種々の問題点がある。キラルセレクタと各鏡像異性体との相互作用の差は、一般に自由エネルギーにして数キロカロリーと極めて小さなものである。したがって、分離を達成するためにはキラルセレクタとの相互作用の回数を多くする必要がある。そのためには移動距離を長くする、すなわちカラムを長くするか、またはキラルセレクタを多くしなけらばならない。後者は、化学反応によるためその結合量には限界があり、効果的に大きな結合量を得ることは困難である。したがって、一般にはカラム高さ数十センチのカラムを用いることになる。更に分離能の向上のために数ミクロンの粒径の充填剤を用いるため、数MPaという高い圧力損失を生じてしまう。また、移動距離がながいことで分離時間も長くなり、30cmのカラムで数十分から1時間以上を要することになる。これを生産スケールにすると、高耐圧の大型ポンプをはじめとする耐圧装置、充填が極めて困難な大型のカラムが必要となる。特にカラムの充填は大きな問題であり、分離に必要な理論段数をもつカラムを安定して得るには極めて高度な技術が必要となり、充填が失敗することも多い。また、基材として用いるシリカゲルや多孔質ガラスは酸やアルカリでの使用に制限があり、移動相の選択肢が制限される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を有する光学分割カラムクロマトグラフィーに代わる新規な分離精製方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新規な分離精製方法として、高分子膜の性質を鋭意検討した結果、イオン交換基を結合した高分子材料膜にタンパク質を吸着した膜が、従来の光学分割カラムクロマトグラフィーの欠点を克服した光学分割膜として利用できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、高分子基材に重合性単量体をグラフト重合させた高分子材料膜に、イオン交換基を結合した後、タンパク質を吸着させた分離膜を用いた光学分割方法、または高分子基材にイオン交換基を有する重合性単量体をグラフト重合させた高分子材料膜にタンパク質を吸着させた分離膜を用いた光学分割方法に関する。
【0007】
高分子基材としては、オレフィンまたはハロゲン化オレフィンの重合体または共重合体が用いられる。このオレフィンまたはハロゲン化オレフィンの重合体または共重合体としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンの重合体または共重合体が挙げられ、より具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン3重合体、プロピレン−ブチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。高分子基材の形状としては、種々のものから選択することができ、具体的にはフィルム状、中空糸状などの形状のものが挙げられるが、中空糸状のものが好適に使用される。
【0008】
高分子基材にイオン交換基を結合させるための官能基を有する重合性単量体またはイオン交換基を有するか、またはイオン交換基を有する重合性単量体をグラフト重合させる方法としては、種々の公知の方法を利用することができる。例えば、過酸化物開始剤を高分子基材に接触させ、高分子基材の幹上に活性点を導入し、これを重合開始点としてグラフト化する方法、高分子基材をオゾンで処理し活性点を高分子基材の幹上に生成させ、これを重合開始点としてグラフト化する方法、高分子基材を高温プラズマと接触し活性点を高分子基材の幹上に生成させ、これを開始点としてグラフト化するプラズマ法、高分子基材にイオン化放射線を照射し活性点を高分子基材の幹上に生成させ、これを開始点としてグラフト化する放射線グラフト化法などが挙げられる。そして、高分子基材の種類や形状を選ばないイオン化放射線を用いる方法が好適に使用される。イオン化放射線を用いる方法では、イオン化放射線としてα線、β線、γ線、加速電子線、X線のいずれもが用いられるが、特に加速電子線、γ線が好ましく用いられる。放射線法には、高分子基材を重合性単量体の共存下に放射線で照射してグラフト化する同時照射法と、高分子基材のみに予め放射線を照射した後、重合性単量体とこの高分子基材とを接触させる前照射法の2通りの方法がある。いずれの方法でもグラフト重合をおこない得るが、同時照射法によれば重合性単量体のホモポリマーを副成することがあるので、目的物を高収率で得るという観点からすれば、前照射法が好ましい。
【0009】
グラフト重合の際に、高分子基材を重合性単量体と接触させる方法は、液状の単量体あるいは単量体溶液と直接接触させる液相重合法と、重合性単量体を気化状態で接触させる気相グラフト重合法とがあるが、いずれの方法も目的にあった選択が可能である。
【0010】
イオン交換基を結合した高分子材料膜にタンパク質を吸着させる方法は、一般のイオン交換吸着の方法ならいかなるものでも利用可能である。また、吸着を強固なものにするために共有結合を用いることもできる。イオン交換吸着ののち、縮合剤で共有結合を生成する方法、イオン交換基に直接共有結合させる方法のいずれもが利用可能である。縮合剤としては、一般的に用いられるものならなんでもよいが、水溶性カルボジイミドが好適に使用される。
【0011】
高分子材料膜にイオン交換基を結合させた後、タンパク質を吸着させる方法について、より具体的に説明する。
【0012】
イオン化放射線法の場合、気相法では重合性単量体をそのまま用いる。液相法では重合性単量体をそのまま、または希釈して任意の濃度で用いる。希釈する場合は、メタノール又はアセトンなどが好適に使用され、その濃度は、目的とする単量体のグラフト量、高分子材料膜の性質、その重合性単量体の粘度などに応じて決定するが、その濃度は1〜100%の範囲で用いられる。
【0013】
一方、基材膜として中空糸を用いる場合、適当な長さの中空糸に窒素雰囲気下で加速電子線又はγ線を照射する。照射量は、基材の性質、重合性単量体の反応性、固定化量などにより任意に変えることができるが、好ましくは10から200kGyが用いられる。照射後の基材は、気相法の場合は密閉容器中で単量体の蒸気に所定時間接触させることにより、液相法では、密閉容器中の単量体溶液中に所定時間投入することでグラフト重合をおこなう。グラフト重合時間は、用いる単量体、基材の種類および固定化量により変化させるが、通常数分から数時間の範囲内である。
【0014】
ここで、重合性単量体としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルソルベート、グリシジルイタコネート、グリシジルマレエート、ヒドロキシエチルメタクリレート等から選ばれる化合物の一種または二種以上が挙げられる。また、イオン交換基を有する重合性単量体としては、アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、メタクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、スチレンスルホン酸ナトリウム等から選ばれる化合物の一種または二種以上が挙げられる。
【0015】
上記した製造方法により得られた膜のうち、グリシジル基を有する重合性単量体をグラフト重合した膜は、続けてイオン交換基の導入をおこなう。イオン交換基の導入反応は、アミノ基、ジメチルアミノ基、トリメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリエチルアミノ基、エタノールアミノ基、スルホン酸基のそれぞれに対応するアンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、亜硫酸ナトリウムを水またはアルコールの溶液として、その中にグラフト重合膜を投入することによりおこなわれる。濃度は5から100%の範囲ならいずれでもよく、導入したいイオン交換基の量と、溶液の粘度により適宜変化させる。ヒドロキシエチルメタクリレートをグラフト重合した膜も、プロパンサルトンとの反応を同様に行えばよい。
【0016】
イオン交換基を結合した膜にタンパク質を吸着させる方法としては、タンパク質をそれぞれのタンパク質に適した緩衝液に溶解し、膜に透過させれば良い。イオン交換基を有するグラフト重合膜は、イオン交換基の荷電反発のためにグラフト重合した高分子鎖が3次元的に伸びるために、タンパク質を3次元的に多層で吸着する。この多層度は、透過させるタンパク質の量およびpHにより制御することができるが、光学分割をおこなうためには多層度が大きい方がよい。しかし、多層度が大きくなるに従い透過流束が減少することから、使用する高分子材料膜の物性や、タンパク質の分子サイズなどに応じて変化させる。
【0017】
上記した製造方法により得られた光学分割膜は、キラルセレクタであるタンパク質を、合成した膜1gあたり1μmol〜から10μmolという非常に高い密度で有しており、優れた光学認識能を示す。
【0018】
本発明によって得られた光学分割膜は、タンパク質の種類および吸着量を簡便に制御することができ、分離対象物質の性質に応じて、種々のタンパク質を選ぶことができる。更に、1種類の膜に異なるタンパク質を同時に吸着させることで、それぞれのタンパク質にあった光学異性体が分離されることになり、同時に多種類の光学異性体混合物を分離することが可能となる。ここで、分離対象物質としては、トリプトファン、フェニルアラニン、ヒスチジン、チロシンなどのアミノ酸、α−フェニルプロピオン酸、ベンゾイン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、クロルフェニラミン、プロプラノロールなどの医薬品が挙げられる。
【0019】
本発明によって得られた光学分割膜のうち、共有結合を利用しないものは、溶液の塩濃度を高くすることにより、吸着したタンパク質を簡単に脱離させることが可能である。塩溶液としてはどのようなものでもよいが、たとえば食塩水などが好適に使用される。タンパク質を脱離させた膜は、そのイオン交換基を利用して再び別のタンパク質を吸着することが可能となる。したがって、本発明により得られる膜は何度でも再生が可能で、吸着させるタンパク質を変えることで、多様な分離対象に対応することができる。
【0020】
基材膜の材料として、例えばポリエチレンなどを選べば耐薬品性に優れたものとなり、アルカリ性条件下でも使用することができる。分離対象物質は強制流でタンパク質の不斉認識部位まで移動するために、高速の分離が可能となり洗浄も容易である。その結果、移動相の使用量を大幅に削減することができる。また、膜は移動距離が短いため圧力損失を低くおさえることができる。
【0021】
膜表面にグラフト高分子鎖を重合し、そこにタンパク質を吸着することで空間に高密度に3次元的に伸びたグラフト高分子鎖上のタンパク質が分離対象物質と効率よく相互作用する。その結果、カラムの1/100の移動距離で分離を達成することが可能となる。
【0022】
従って、本発明により得られる光学分割膜は、従来用いられてきたビーズ充填の光学分割カラムクロマトグラフィーの欠点を克服したものであり、カラムクロマトグラフィーに替わるものとして、極めて優れたものである。
【0023】
次に本発明で使用する光学分割用分離膜の製造例、及び光学異性体混合物を分割する実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
【0024】
【製造例1】
ポリエチレンの多孔性精密ろ過中空糸膜(内径1.2mm、外径2.5mm、長さ10cm、細孔径0.3μm)に、窒素雰囲気下で200kGyの電子線を照射(加速電圧2MeV、電子線電流1mA)した。電子線照射後、この膜を3方コックのついたアンプルに入れ脱気した。ここに、あらかじめ調製しておいたグリシジルメタクリレートの30(v/v)%のアセトン溶液を膜が完全に浸るまで吸入した。この容器を水浴に入れ、40度でグラフト重合をおこなった。反応時間を変えることにより、基材膜1gあたり1mmol〜16mmolのグリシジルメタクリレ−トが固定された膜を得た。
【0025】
【製造例2】
ジエチルアミンの50(v/v)%の水溶液100mlの入った試験管中に製造例1で得た膜のうち、グリシジルメタクリレートの含有量が基材膜1gあたり15mmolの膜を投入した。この試験管を303Kの恒温相に入れ、60分静置して付加反応をおこなった。この場合の反応時間と転化率との関係は図1に示すとおりである。
ここで、
転化率(%)=〔結合したジエチルアミノ基モル数/はじめに存在したエポキシ基モル数〕×100
であるものとする。
反応後の膜を純水で良く洗浄して、ジエチルアミノ基を固定した膜を得た。ジエチルアミノ基の含有量を滴定により求めたところ、基材膜1gあたり7.5mmolであった。
【0026】
【製造例3】
亜硫酸ナトリウムとイソプロピルアルコールの混合水溶液〔10/15/75(v/v/v)〕100mlの入った試験管中に製造例2で用いたのと同じグリシジルメタクリレート含有膜を投入した。この試験管を353Kの恒温槽に入れ、2時間反応を行った。反応後の膜を純水で良く洗浄し、スルホン酸基を固定した膜を得た。スルホン酸基の含有量を滴定により求めたところ基材膜1gあたり3mmolであった。
【0027】
【製造例4】
ウシ血清アルブミン(BSA)をTris−HCl緩衝液(pH=8.0)に溶解し、2g/lの溶液を調製した。この溶液を、図2に示す装置により製造例2で得た膜の内面から外面へ0.5ml/minで透過させた。溶出液の吸光度をUV(280nm)で測定することにより、吸着されたタンパク質の量を求めたところ、作成した膜1gあたり3μmolであった。
【0028】
【製造例5】
卵白リゾチームをリン酸緩衝液(pH=6.0)に溶解し、1g/lの溶液を調製した。この溶液を、図2に示す装置により製造例3で得た膜の内面から外面へ0.5ml/minで透過させた。溶出液の吸光度をUV(280nm)で測定することにより、吸着されたタンパク質の量を求めたところ、作成した膜1gあたり5μmolであった。
【0029】
【実施例1】
ラセミ体のトリプトファンをTris−HCl緩衝液(pH=8.0)に溶解し0.6mmol/lの溶液とした。この溶液を、製造例4で製造した膜を装着した図2に示す装置のインジェクターから20μl注入し、移動相としてTris−HCl緩衝液(pH=8.0)を0.5ml/minで送液した。溶出液の吸光度をUV280nmで検出したところ、図3に示すクロマトグラムを得た。
【0030】
【実施例2】
ラセミ体のベンゾインをリン酸緩衝液(pH=7.0)に溶解し0.01mmol/lの溶液とした。この溶液を、製造例5で製造した膜を装着した図2に示す装置のインジェクターから20μl注入し、移動相としてリン酸緩衝液(pH=7.0)を0.5ml/minで送液した。溶出液の吸光度をUV254nmで検出したところ、図4に示すクロマトグラムを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジエチルアミノ基の付加反応における反応時間と転化率の関係を示す。
【図2】イオン交換中空糸膜へのタンパク質を吸着させるための、及び得られた中空糸膜を用いる光学分割のための装置を示す。
【図3】ラセミ体トリプトファン分離のクロマトグラムを示す。
【図4】ラセミ体ベンゾイン分離のクロマトグラムを示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学分割用の分離膜に関する。この分離膜は、吸着させたタンパク質の有する不斉識別能により、分析、分取用の光学分割膜として利用される。
【0002】
【従来の技術】
光学分割は、ファインケミカル、医薬品の分野において、極めて重要な分離技術である。特に、医薬品の製造においては近年急速に重要性が高まっており、大量処理が可能で、低コストな方法の開発が強く求められている。現在利用されている方法の主なものは、ジアステレオマー法、優先晶析法、HPLCを用いた直接分割法などであり、これらが状況に応じて使い分けられる。とりわけ、HPLCによる分割法は、充填剤の進歩により、近年急速に普及している。HPLC法では、シリカゲル、多孔質ガラスなどに不斉識別能をもつ化合物(キラルセレクタ)を結合したものを充填したカラムを固定相とし、移動相によって鏡像体混合物をこのカラムに流すことにより、キラルセレクタと各鏡像異性体の相互作用の強さの差を利用して分離が達せられる。
【0003】
しかしながら、現在用いられている光学分割HPLCには、種々の問題点がある。キラルセレクタと各鏡像異性体との相互作用の差は、一般に自由エネルギーにして数キロカロリーと極めて小さなものである。したがって、分離を達成するためにはキラルセレクタとの相互作用の回数を多くする必要がある。そのためには移動距離を長くする、すなわちカラムを長くするか、またはキラルセレクタを多くしなけらばならない。後者は、化学反応によるためその結合量には限界があり、効果的に大きな結合量を得ることは困難である。したがって、一般にはカラム高さ数十センチのカラムを用いることになる。更に分離能の向上のために数ミクロンの粒径の充填剤を用いるため、数MPaという高い圧力損失を生じてしまう。また、移動距離がながいことで分離時間も長くなり、30cmのカラムで数十分から1時間以上を要することになる。これを生産スケールにすると、高耐圧の大型ポンプをはじめとする耐圧装置、充填が極めて困難な大型のカラムが必要となる。特にカラムの充填は大きな問題であり、分離に必要な理論段数をもつカラムを安定して得るには極めて高度な技術が必要となり、充填が失敗することも多い。また、基材として用いるシリカゲルや多孔質ガラスは酸やアルカリでの使用に制限があり、移動相の選択肢が制限される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を有する光学分割カラムクロマトグラフィーに代わる新規な分離精製方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新規な分離精製方法として、高分子膜の性質を鋭意検討した結果、イオン交換基を結合した高分子材料膜にタンパク質を吸着した膜が、従来の光学分割カラムクロマトグラフィーの欠点を克服した光学分割膜として利用できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、高分子基材に重合性単量体をグラフト重合させた高分子材料膜に、イオン交換基を結合した後、タンパク質を吸着させた分離膜を用いた光学分割方法、または高分子基材にイオン交換基を有する重合性単量体をグラフト重合させた高分子材料膜にタンパク質を吸着させた分離膜を用いた光学分割方法に関する。
【0007】
高分子基材としては、オレフィンまたはハロゲン化オレフィンの重合体または共重合体が用いられる。このオレフィンまたはハロゲン化オレフィンの重合体または共重合体としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンの重合体または共重合体が挙げられ、より具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン3重合体、プロピレン−ブチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。高分子基材の形状としては、種々のものから選択することができ、具体的にはフィルム状、中空糸状などの形状のものが挙げられるが、中空糸状のものが好適に使用される。
【0008】
高分子基材にイオン交換基を結合させるための官能基を有する重合性単量体またはイオン交換基を有するか、またはイオン交換基を有する重合性単量体をグラフト重合させる方法としては、種々の公知の方法を利用することができる。例えば、過酸化物開始剤を高分子基材に接触させ、高分子基材の幹上に活性点を導入し、これを重合開始点としてグラフト化する方法、高分子基材をオゾンで処理し活性点を高分子基材の幹上に生成させ、これを重合開始点としてグラフト化する方法、高分子基材を高温プラズマと接触し活性点を高分子基材の幹上に生成させ、これを開始点としてグラフト化するプラズマ法、高分子基材にイオン化放射線を照射し活性点を高分子基材の幹上に生成させ、これを開始点としてグラフト化する放射線グラフト化法などが挙げられる。そして、高分子基材の種類や形状を選ばないイオン化放射線を用いる方法が好適に使用される。イオン化放射線を用いる方法では、イオン化放射線としてα線、β線、γ線、加速電子線、X線のいずれもが用いられるが、特に加速電子線、γ線が好ましく用いられる。放射線法には、高分子基材を重合性単量体の共存下に放射線で照射してグラフト化する同時照射法と、高分子基材のみに予め放射線を照射した後、重合性単量体とこの高分子基材とを接触させる前照射法の2通りの方法がある。いずれの方法でもグラフト重合をおこない得るが、同時照射法によれば重合性単量体のホモポリマーを副成することがあるので、目的物を高収率で得るという観点からすれば、前照射法が好ましい。
【0009】
グラフト重合の際に、高分子基材を重合性単量体と接触させる方法は、液状の単量体あるいは単量体溶液と直接接触させる液相重合法と、重合性単量体を気化状態で接触させる気相グラフト重合法とがあるが、いずれの方法も目的にあった選択が可能である。
【0010】
イオン交換基を結合した高分子材料膜にタンパク質を吸着させる方法は、一般のイオン交換吸着の方法ならいかなるものでも利用可能である。また、吸着を強固なものにするために共有結合を用いることもできる。イオン交換吸着ののち、縮合剤で共有結合を生成する方法、イオン交換基に直接共有結合させる方法のいずれもが利用可能である。縮合剤としては、一般的に用いられるものならなんでもよいが、水溶性カルボジイミドが好適に使用される。
【0011】
高分子材料膜にイオン交換基を結合させた後、タンパク質を吸着させる方法について、より具体的に説明する。
【0012】
イオン化放射線法の場合、気相法では重合性単量体をそのまま用いる。液相法では重合性単量体をそのまま、または希釈して任意の濃度で用いる。希釈する場合は、メタノール又はアセトンなどが好適に使用され、その濃度は、目的とする単量体のグラフト量、高分子材料膜の性質、その重合性単量体の粘度などに応じて決定するが、その濃度は1〜100%の範囲で用いられる。
【0013】
一方、基材膜として中空糸を用いる場合、適当な長さの中空糸に窒素雰囲気下で加速電子線又はγ線を照射する。照射量は、基材の性質、重合性単量体の反応性、固定化量などにより任意に変えることができるが、好ましくは10から200kGyが用いられる。照射後の基材は、気相法の場合は密閉容器中で単量体の蒸気に所定時間接触させることにより、液相法では、密閉容器中の単量体溶液中に所定時間投入することでグラフト重合をおこなう。グラフト重合時間は、用いる単量体、基材の種類および固定化量により変化させるが、通常数分から数時間の範囲内である。
【0014】
ここで、重合性単量体としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルソルベート、グリシジルイタコネート、グリシジルマレエート、ヒドロキシエチルメタクリレート等から選ばれる化合物の一種または二種以上が挙げられる。また、イオン交換基を有する重合性単量体としては、アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、メタクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、スチレンスルホン酸ナトリウム等から選ばれる化合物の一種または二種以上が挙げられる。
【0015】
上記した製造方法により得られた膜のうち、グリシジル基を有する重合性単量体をグラフト重合した膜は、続けてイオン交換基の導入をおこなう。イオン交換基の導入反応は、アミノ基、ジメチルアミノ基、トリメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリエチルアミノ基、エタノールアミノ基、スルホン酸基のそれぞれに対応するアンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、亜硫酸ナトリウムを水またはアルコールの溶液として、その中にグラフト重合膜を投入することによりおこなわれる。濃度は5から100%の範囲ならいずれでもよく、導入したいイオン交換基の量と、溶液の粘度により適宜変化させる。ヒドロキシエチルメタクリレートをグラフト重合した膜も、プロパンサルトンとの反応を同様に行えばよい。
【0016】
イオン交換基を結合した膜にタンパク質を吸着させる方法としては、タンパク質をそれぞれのタンパク質に適した緩衝液に溶解し、膜に透過させれば良い。イオン交換基を有するグラフト重合膜は、イオン交換基の荷電反発のためにグラフト重合した高分子鎖が3次元的に伸びるために、タンパク質を3次元的に多層で吸着する。この多層度は、透過させるタンパク質の量およびpHにより制御することができるが、光学分割をおこなうためには多層度が大きい方がよい。しかし、多層度が大きくなるに従い透過流束が減少することから、使用する高分子材料膜の物性や、タンパク質の分子サイズなどに応じて変化させる。
【0017】
上記した製造方法により得られた光学分割膜は、キラルセレクタであるタンパク質を、合成した膜1gあたり1μmol〜から10μmolという非常に高い密度で有しており、優れた光学認識能を示す。
【0018】
本発明によって得られた光学分割膜は、タンパク質の種類および吸着量を簡便に制御することができ、分離対象物質の性質に応じて、種々のタンパク質を選ぶことができる。更に、1種類の膜に異なるタンパク質を同時に吸着させることで、それぞれのタンパク質にあった光学異性体が分離されることになり、同時に多種類の光学異性体混合物を分離することが可能となる。ここで、分離対象物質としては、トリプトファン、フェニルアラニン、ヒスチジン、チロシンなどのアミノ酸、α−フェニルプロピオン酸、ベンゾイン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、クロルフェニラミン、プロプラノロールなどの医薬品が挙げられる。
【0019】
本発明によって得られた光学分割膜のうち、共有結合を利用しないものは、溶液の塩濃度を高くすることにより、吸着したタンパク質を簡単に脱離させることが可能である。塩溶液としてはどのようなものでもよいが、たとえば食塩水などが好適に使用される。タンパク質を脱離させた膜は、そのイオン交換基を利用して再び別のタンパク質を吸着することが可能となる。したがって、本発明により得られる膜は何度でも再生が可能で、吸着させるタンパク質を変えることで、多様な分離対象に対応することができる。
【0020】
基材膜の材料として、例えばポリエチレンなどを選べば耐薬品性に優れたものとなり、アルカリ性条件下でも使用することができる。分離対象物質は強制流でタンパク質の不斉認識部位まで移動するために、高速の分離が可能となり洗浄も容易である。その結果、移動相の使用量を大幅に削減することができる。また、膜は移動距離が短いため圧力損失を低くおさえることができる。
【0021】
膜表面にグラフト高分子鎖を重合し、そこにタンパク質を吸着することで空間に高密度に3次元的に伸びたグラフト高分子鎖上のタンパク質が分離対象物質と効率よく相互作用する。その結果、カラムの1/100の移動距離で分離を達成することが可能となる。
【0022】
従って、本発明により得られる光学分割膜は、従来用いられてきたビーズ充填の光学分割カラムクロマトグラフィーの欠点を克服したものであり、カラムクロマトグラフィーに替わるものとして、極めて優れたものである。
【0023】
次に本発明で使用する光学分割用分離膜の製造例、及び光学異性体混合物を分割する実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
【0024】
【製造例1】
ポリエチレンの多孔性精密ろ過中空糸膜(内径1.2mm、外径2.5mm、長さ10cm、細孔径0.3μm)に、窒素雰囲気下で200kGyの電子線を照射(加速電圧2MeV、電子線電流1mA)した。電子線照射後、この膜を3方コックのついたアンプルに入れ脱気した。ここに、あらかじめ調製しておいたグリシジルメタクリレートの30(v/v)%のアセトン溶液を膜が完全に浸るまで吸入した。この容器を水浴に入れ、40度でグラフト重合をおこなった。反応時間を変えることにより、基材膜1gあたり1mmol〜16mmolのグリシジルメタクリレ−トが固定された膜を得た。
【0025】
【製造例2】
ジエチルアミンの50(v/v)%の水溶液100mlの入った試験管中に製造例1で得た膜のうち、グリシジルメタクリレートの含有量が基材膜1gあたり15mmolの膜を投入した。この試験管を303Kの恒温相に入れ、60分静置して付加反応をおこなった。この場合の反応時間と転化率との関係は図1に示すとおりである。
ここで、
転化率(%)=〔結合したジエチルアミノ基モル数/はじめに存在したエポキシ基モル数〕×100
であるものとする。
反応後の膜を純水で良く洗浄して、ジエチルアミノ基を固定した膜を得た。ジエチルアミノ基の含有量を滴定により求めたところ、基材膜1gあたり7.5mmolであった。
【0026】
【製造例3】
亜硫酸ナトリウムとイソプロピルアルコールの混合水溶液〔10/15/75(v/v/v)〕100mlの入った試験管中に製造例2で用いたのと同じグリシジルメタクリレート含有膜を投入した。この試験管を353Kの恒温槽に入れ、2時間反応を行った。反応後の膜を純水で良く洗浄し、スルホン酸基を固定した膜を得た。スルホン酸基の含有量を滴定により求めたところ基材膜1gあたり3mmolであった。
【0027】
【製造例4】
ウシ血清アルブミン(BSA)をTris−HCl緩衝液(pH=8.0)に溶解し、2g/lの溶液を調製した。この溶液を、図2に示す装置により製造例2で得た膜の内面から外面へ0.5ml/minで透過させた。溶出液の吸光度をUV(280nm)で測定することにより、吸着されたタンパク質の量を求めたところ、作成した膜1gあたり3μmolであった。
【0028】
【製造例5】
卵白リゾチームをリン酸緩衝液(pH=6.0)に溶解し、1g/lの溶液を調製した。この溶液を、図2に示す装置により製造例3で得た膜の内面から外面へ0.5ml/minで透過させた。溶出液の吸光度をUV(280nm)で測定することにより、吸着されたタンパク質の量を求めたところ、作成した膜1gあたり5μmolであった。
【0029】
【実施例1】
ラセミ体のトリプトファンをTris−HCl緩衝液(pH=8.0)に溶解し0.6mmol/lの溶液とした。この溶液を、製造例4で製造した膜を装着した図2に示す装置のインジェクターから20μl注入し、移動相としてTris−HCl緩衝液(pH=8.0)を0.5ml/minで送液した。溶出液の吸光度をUV280nmで検出したところ、図3に示すクロマトグラムを得た。
【0030】
【実施例2】
ラセミ体のベンゾインをリン酸緩衝液(pH=7.0)に溶解し0.01mmol/lの溶液とした。この溶液を、製造例5で製造した膜を装着した図2に示す装置のインジェクターから20μl注入し、移動相としてリン酸緩衝液(pH=7.0)を0.5ml/minで送液した。溶出液の吸光度をUV254nmで検出したところ、図4に示すクロマトグラムを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジエチルアミノ基の付加反応における反応時間と転化率の関係を示す。
【図2】イオン交換中空糸膜へのタンパク質を吸着させるための、及び得られた中空糸膜を用いる光学分割のための装置を示す。
【図3】ラセミ体トリプトファン分離のクロマトグラムを示す。
【図4】ラセミ体ベンゾイン分離のクロマトグラムを示す。
Claims (9)
- 高分子基材に重合性単量体をグラフト重合させた高分子材料膜に、イオン交換基を結合した後、タンパク質を吸着させた分離膜を用いた光学分割方法。
- 高分子基材にイオン交換基を有する重合性単量体をグラフト重合させた高分子材料膜にタンパク質を吸着させた分離膜を用いた光学分割方法。
- 高分子基材がオレフィン又はハロゲン化オレフィンの重合体又は共重合体である請求項1または2記載の光学分割方法。
- 重合性単量体がグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルソルベート、グリシジルイタコネート、グリシジルマレエート、及びヒドロキシエチルメタクリレートから選ばれる化合物の一種または二種以上である請求項1記載の光学分割方法。
- イオン交換基を有する重合性単量体が、アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、メタクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、及びスチレンスルホン酸ナトリウムから選ばれる化合物の一種または二種以上である請求項2記載の光学分割方法。
- イオン交換基がアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリメチルアミノ基、トリエチルアミノ基、エタノールアミノ基、スルホン酸基またはスルホプロピル基である請求項1または5記載の光学分割方法。
- タンパク質が、血清アルブミン、オボムコイド、リゾチーム、抗原、抗体タンパク質である請求項1記載の光学分割方法。
- ポリエチレンにグリシジルメタクリレ−トをグラフト重合させた高分子膜にジエチルアミノ基を結合させた後、ウシ血清アルブミンを吸着させた分離膜を用いた光学分割方法。
- ポリエチレンにスチレンスルホン酸ナトリウムをグラフト重合させた高分子膜にジエチルアミノ基を結合させた後、卵白リゾチームを吸着させた分離膜を用いた光学分割方法。
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