JP3544576B2 - 光学式エンコーダ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、対象の変位または回転を検出する用途に適用される光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
高分解能な光学式エンコーダの代表的な従来例として、二つのスリット(またはスケール)を使用したエンコーダ(日経メカニカル、1988.7.25、p.54)がある。その構成を図18に示す。
【0003】
図18(A)に示すように、光源100から出射した光はレンズ13により平行ビームに整形され、固定スケール22、移動スケール2を透過し、受光素子3(本明細書では受光素子は光検出器と同義語とみなす)により透過光の強度が検出される。スケールが移動スケール2だけの場合には、図18(B)に示すように、変位xに対して受光素子出力はスケールのピッチと同じ周期で僅かな出力変化が得られるのみであるが、この従来例の様に、スケールを固定スケール22と移動スケール2の二つで構成した場合には、移動スケール2が固定スケール22に対して移動したとき、二つのスケールの重なりの変化により、図18(C)に示すように、三角波または(二つのスケールの向きが僅かに傾いているときは)正弦波に近い形状で受光素子3の出力が変化し、信号の強度変化も大きなものとなる。従って、二つのスリットを用いることにより出力信号は、信号対雑音比(S/N)が大きく、さらに、出力信号の波形に応じてこれを変位に対して分割することが可能となり、スケールのピッチの1/2より細かい移動スケールの変位を検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来例では、レンズや固定スリット、光源、移動スリットを非常に高い精度で空間的に配置して組み立てる必要があるため、エンコーダの組立が難しく、エンコーダ全体のサイズが大きく、また製造コストが高いものとならざるを得ない。
【0005】
一方、本発明者らは、特願平06−043656号において、垂直共振器型面発光レーザ(面発光レーザまたは面発光半導体レーザとも記載する)を用いたエンコーダを提案している。その構成を図19に示す。
【0006】
図19(A)に示すように、面発光レーザ1から出射したレーザビームがこれに対して相対移動するスケール2に照射され、このスケールからの反射光または透過光が光検出器3または光検出器3′に入射し、強度検出される。
【0007】
スケール面上におけるレーザビームの直径がスケールのピッチに比べて非常に小さい場合には、スケール2の変位Δxに対して図19(B)のような受光素子出力信号が得られ、スケール面上におけるレーザビームの直径がスケールのピッチの1/2程度の場合には、スケールの変位Δxに対して図19(C)のような受光素子出力信号が得られる。図19(C)のような三角波または正弦波に近い形状の信号が得られるのは、面発光レーザ1の場合はレーザ光の放射角が非常に小さいため、図18(A)の従来例のようにレンズおよび固定スリットを使用しなくても、レーザ光の照射領域が小さく限定されるためである。
【0008】
このように、本発明者らが提案したエンコーダは、面発光レーザの細くて鋭いビームを利用するため、レンズや固定スリットを必要としない。これにより、小型で高分解能なエンコーダが低コストで得られる。
【0009】
しかしながら、このエンコーダでは、スケール面上におけるレーザビームの直径がスケールのピッチに比べて非常に小さい場合には、スケールの変位に対して受光素子出力信号が矩形波に近い形状となり、スケールのピッチの1/2より小さな変位を検出することが難しい。また、スケール面上におけるレーザビームの直径がスケールのピッチより大きい場合には、スケールの変位に対して受光素子出力信号の強弱が極端に小さくなるため、変位を検出することが難しい。このような場合には、面発光レーザを用いても、面発光レーザとスケールの間にレンズを配置し、レーザビームのスケール上におけるビーム直径をスケールのピッチの1倍〜1/2倍程度にする必要がある。
【0010】
本発明の目的は、レンズや固定スケールを必要としない、シンプルな構成で組立が簡単な光学式エンコーダであって、しかも、スケール面上における光ビームの径に対するスケールのピッチが小さくともスケールの変位を精度良く検出できる光学式エンコーダを提供することである。すなわち、小型で安価で高精度な光学式エンコーダを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による第一の光学式エンコーダは、光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有し、受光素子の受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb、前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWsとすると、ωpd<Pb、かつ、Ws>Psの関係を満たし、受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωoとし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、Psωo/λ>L≧ωo 2/λの関係を満たすことを特徴とする。
本発明による第二の光学式エンコーダは、光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有し、受光素子の受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb、前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWsとすると、ωpd<Pb、かつ、Ws>Psの関係を満たし、受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωoとし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、L<ωo 2/λの関係を満たすことを特徴とする。
【0012】
本発明による第三の光学式エンコーダは、光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有し、受光素子の受光領域または受光窓が面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンとスケール移動方向に対して同じ間隔で複数形成され、前記受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、前記受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb、前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWsとすると、ωpd<Pb、かつ、Ws>Psの関係を満たし、受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωoとし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、Psωo/λ>L≧ωo 2/λの関係を満たすことを特徴とする。
本発明による第四の光学式エンコーダは、光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有し、受光素子の受光領域または受光窓が面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンとスケール移動方向に対して同じ間隔で複数形成され、前記受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、前記受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb、前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWsとすると、ωpd<Pb、かつ、Ws>Psの関係を満たし、受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωoとし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、L<ωo 2/λの関係を満たすことを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明による光学式エンコーダでは、面発光レーザからの出射ビームは非常にビーム放射角が小さいのでほぼ平行ビームでかつほぼ平面波であるとみなすことができる。以下、代表的な場合として、スケールに照射された光が透過して受光素子で検出される場合について説明する。スケール面上においてビーム直径WsがWs>Psの関係を満たすことにより、スケール上において光ビームはスケールの1ピッチより大きなビーム径をもつ。また、ωpd<Pbなる関係があるため、受光素子のひとつの受光窓または受光領域は主として1ピッチ分の透過光を受光する。今、スケールが移動方向に変位したとすると、スケールを通過した光ビームもこの方向に動くので、受光素子からの出力が、スケール変位に対して、周期Psで三角波状または擬似的な正弦波状に変化することを利用してスケールの変位を検出することができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
(第一実施例)
第一実施例の光学式エンコーダについて図1ないし図6を参照しながら説明する。本実施例の光学式エンコーダの構成を図1に示す。
【0018】
図1に示すように、光学式エンコーダは、面発光半導体レーザ光源(以下、単に面発光レーザと呼ぶ)1と、その射出光を受けるように配置された受光素子3と、それらの間にx方向に移動可能に配置されたスケール2から構成されている。スケール2は透明基板7を有し、透明基板7の受光素子3側の面には、図2に示すように、等しい幅の遮光部5が等間隔で設けられている。また、透明基板7の面発光レーザ側の面には、図1に示すように、反射防止膜6が形成されている。受光素子3の受光領域4の表面には遮光膜51が形成されており、遮光膜51には一つの開口部が設けられている。遮光膜51の表面には反射防止膜52が形成されている。
【0019】
面発光レーザ1から射出したレーザ光はスケール2に入射し、遮光部5の隙間からなる透過窓を透過した光が受光素子3に照射し、遮光膜51に設けた開口部を通過した光が受光領域4に入射する。反射防止膜6はスケール2からの反射光が面発光レーザ1に戻るのを防止し、同様に反射防止膜52は受光素子3からの反射光が面発光レーザ1に戻るのを防止しており、これにより面発光レーザの安定な動作を確保している。
【0020】
ここで、スケール2を透過した光の振る舞いについて説明する。面発光レーザからの出射光はビーム拡がり角が非常に小さく、ほぼ平面波でかつ平行ビームであると見なすことができる。
【0021】
図1と図2に示すように、スケール2の移動方向をx軸、ビームの射出方向をy軸にとり、スケール2の透過窓の移動方向の寸法すなわち遮光部5の間隔をωo 、遮光部5のピッチをPs 、スケール2から受光素子3までの距離をL、光の波長をλ、一つの透過窓から受光素子に向かう光ビームの受光素子面におけるスケール移動方向(x軸方向)のビーム幅をωb とする。
まず、一つの透過窓を透過した光について考える。一つの透過窓から受光素子に向かう光ビームは図4に示すように広がり、そのビーム径は、
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
となる。ここでビーム径とは光強度が最大ピークに対して1/2以上のビームの差し渡し寸法を意味する。
【0024】
次に、多数の透過窓を透過した光の受光素子面でのパターンについて考える。スケール2の透過窓を通過した光ビームは図5に示すように広がるため、光ビームの重なりや干渉を考慮する必要がある。
【0025】
以下では、スケール2から受光素子3までの距離Lが、領域I:L<ωo 2 /λにある場合と、領域II:Ps ωo /λ>L≧ωo 2 /λにある場合と、領域III:L>Ps ωo /λにある場合とに分けて考える。
【0026】
まず、Lが領域Iにある場合、すなわちL<ωo 2 /λの場合、スケール2と受光素子3は非常に近くにあり、複数のビームは互いに干渉しない。従って、受光素子面上に現れるパターンは、(2)式で表される径を持つビームの重ね合わせとなり、図6(D)に示すようになる。
【0027】
次に、Lが領域IIにある場合、すなわちPs ωo /λ>L≧ωo 2 /λの場合、複数のビームの互いの干渉は小さく、ほとんど無視できる。従って、受光素子面上に現れるパターンは、(1)式で表される径を持つビームの重ね合わせとなり、図6(C)に示すようになる。図中、破線は重ね合わせ前の各ビームの強度分布を示しており、実線はビームを重ね合わせた光の実際に観測される強度分布を示している。このため、L=Ps ωo /λの付近では、実際に観測される光の強度分布は図6(B)に示すようなほぼ平坦なものになる。この領域では複数のビームの互いの干渉は小さいが、完全に無視できるものではない。
【0028】
最後に、Lが領域IIIにある場合、すなわちL>Ps ωo /λの場合、スケール2の複数の透過窓から射出した光ビームが互いに干渉するため、実際に観測されるビームの強度分布は、図6(A)に示すようになる。図6(A)において、最大ピークのx方向の間隔Δxdiffと、このピークの半値全幅ω’b、およそ以下の式で表せる。
【0029】
【数3】
【0030】
【数4】
ここにおいて、mは、スケール上に照射されたレーザビームの有効領域(ほぼスケール上のビーム径と考えてよい)内にある透過窓(遮光部5の隙間)の数である。これはピッチの数にほぼ一致する。
【0031】
なお、本明細書では、受光素子面における光ビームの幅は、単に透過や反射によるビーム径ωb を考える場合と、干渉パターンのピークの半値全幅ω’bを考える場合があるが、特に断らない限り、これらをともにビーム径ωb として扱う。
【0032】
以上に説明したように、スケール2から受光素子3までの距離が領域Iないし領域IIIのいずれに属するかにより、受光素子面上には異なる明暗のパターンが生成される。いずれのパターンにおいても、スケール2がx軸方向に移動すると、受光素子面に生成される明暗パターンが同じ方向に同じ速度で移動するため、受光素子3の出力は、図3に示すように、正弦波形に似た周期的波形となり、この出力波形を調べることにより、スケール2の移動量が求められる。
【0033】
スケール2から受光素子3までの距離Lが領域Iないし領域IIIのいずれにあるかで、図1内の諸寸法同士の関係が異なるので、これについて以下に説明する。
【0034】
距離Lが領域Iにある場合、スケール2からの射出光同士は干渉しないので、スケール上でのビームは、スケールの1ピッチ以上をカバーしていればよい。すなわち、スケール面上における光ビーム照射領域のx軸方向のビーム径をWs とし、Ws >Ps である。また、受光素子3の幅ωpdの開口部で、明暗パターンを検出するためには、その周期をPb とし、ωpd<Pb であることが必要である。
【0035】
距離Lが領域IIにある場合、干渉パターンを利用しているわけではないので、領域Iと同様に、スケール上でのビームは、スケールの1ピッチ以上をカバーしていればよい。すなわち、スケール面上における光ビーム照射領域のスケール移動方向(x軸方向)のビーム径(光ビームの強度がピーク値の1/2になるx軸方向の寸法)をWs とし、Ws >Ps である。また、明暗パターンを検出するためには、その周期をPb とし、ωpd<Pb であることが必要である。
【0036】
距離Lが領域IIIにある場合、干渉パターンを利用しているため、スケール2からは二本以上のビームが射出される必要がある。すなわち、スケール面上における光ビーム照射領域のx軸方向のビーム径をWs とし、Ws ≧2Ps である。また、明暗パターンを検出するためには、干渉パターンのピークの半値幅をωb とするとき、ωpd≦ωb であることが必要である。
【0037】
以上に述べたように、本実施例においては、スケール2と受光素子3の間隔Lに応じて三つの場合に分けられ、それぞれ一定の条件を満たすように各部の寸法を決めれば、スケール2の変位を検出することができる。
【0038】
このように本実施例では、レンズや固定スケールを必要とせず、ビーム径がスケールピッチに対して大きい場合にも、スケールピッチによって決まる分解能を持ち、センサ構成や組み立てがシンプルで、小型、低コスト高精度な光学式エンコーダが得られる。
【0039】
なお、受光素子における受光部位置の限定方法は、図1に示すように受光素子の受光面に開口部を設ける方法に限定されるものではなく、受光面を所定の大きさにする方法、あるいはCCD等の光位置検出機能を有するものでもよい。
【0040】
また、図5の領域IIIにおいて、図6の(A)のような干渉パターンによる測定を行なう場合は、スケール5を照射する光はコヒーレントな平面波を有するレーザ光であればよいから、光源は面発光レーザだけではなく、通常使用されている端面出射型の半導体レーザとコリメータレンズの組み合わせなどを用いることができる。
【0041】
(第二実施例)
第二実施例の光学式エンコーダについて図7を参照しながら説明する。
図7に示すように、本実施例の光学式エンコーダは、第一実施例の光学式エンコーダに類似しており、唯一、受光領域4の表面の遮光膜51に、幅ωpdの開口部が複数個、(第一実施例では一個だが)、等間隔で設けられている点で異なっている。複数の開口部のピッチPpdは、受光素子面に生成される明暗パターンの周期Pb に一致している。
【0042】
本実施例の動作原理、各寸法間の関係等は、すべて第一実施例と同じであり、その説明はここでは省略する。
本実施例によれば、第一実施例と同様な効果が得られるうえ、受光部を複数個設けたことにより第一実施例に比べて高出力を得ることができる。
【0043】
なお、受光素子における受光部位置の限定方法は、図7に示すように受光素子の受光面に遮光窓を設ける方法に限定されるものではなく、受光面を所定の大きさに分割する方法、あるいはCCD等の光位置検出機能を有するものでもよい。
【0044】
(第三実施例)
第三実施例の光学式エンコーダについて図8を参照しながら説明する。
図8に示すように、本実施例の光学式エンコーダは、第二実施例の光学式エンコーダに類似しているが、次に述べる二点で異なっている。第一に、スケール2と受光素子3がx軸を中心に回転した状態すなわち面発光レーザ1の射出光に対して傾いた状態で配置されている。第二に、スケール2と受光素子3に反射防止膜が設けられていない。
【0045】
本実施例では、スケール2と受光素子3が面発光レーザ1の射出光に対して傾けて配置されているため、スケール2と受光素子3からの反射光は面発光レーザ1に戻らない。このような理由により本実施例ではスケール2と受光素子3の反射防止膜が省略されている。
【0046】
本実施例では、スケール2と受光素子3に反射防止膜がなくても、面発光レーザの安定な動作が達成される。
本実施例の動作原理、各寸法間の関係等は、第二実施例と全く同じであり、その説明はここでは省略する。
【0047】
次に、本実施例の変形例について図9を参照しながら説明する。本変形例は、本実施例の透過型の光学式エンコーダを、反射型に変形したものである。
図9に示すように、スケール2は面発光レーザ1の射出光に対して傾けて配置され、スケール2の透明基板7には、透過型におけるスケールの遮光部に代わる、等しい幅の複数の反射部5’ が等間隔で設けられている。スケール2による反射方向には、受光素子3が垂直に配置されている。受光素子3は、第二実施例と同じもの、すなわち、遮光膜51に複数の開口部が形成され、遮光膜51の表面に反射防止膜52が形成されたものである。面発光レーザ1と受光素子3はベースに固定されている。
【0048】
本変形例では、スケール2による反射光は面発光レーザ1に戻らないので、スケール2には反射防止膜が省略されているが、受光素子3により反射光は面発光レーザ1に戻るので、受光素子3には反射防止膜52が設けられている。受光素子3をスケール2からの反射光の光軸に対して傾けて配置し、受光素子3による反射光が面発光レーザ1に戻らないようにすれば、反射防止膜は省略してもよい。
【0049】
本実施例では、スケール2に(受光素子3を傾けた場合には加えて受光素子3にも)反射防止膜がなくても、面発光レーザの安定な動作が達成される。
本変形例も、その動作原理、各寸法間の関係等は、第二実施例と全く同じである。
【0050】
(第四実施例)
第四実施例の光学式エンコーダについて図10を参照しながら説明する。
図10に示すように、本実施例の光学式エンコーダは、第三実施例(図8)の構成において、スケール2と受光素子3を面発光レーザ1の射出光に垂直な状態からx軸を中心に回転させて傾斜させる代わりに、z軸を中心に回転させて傾斜させた構成となっている。このため、スケール2はx軸を斜めに横切る方向に移動する。
【0051】
本実施例では、第三実施例と同様に、スケール2と受光素子3に反射防止膜がなくても、面発光レーザの安定な動作が達成される。
本実施例の動作原理、各寸法間の関係等は、第三実施例(すなわち第二実施例)と全く同じである。
【0052】
次に、本実施例の変形例について図11を参照しながら説明する。本変形例は、本実施例の透過型の光学式エンコーダを、反射型に変形したものである。
図11に示すように、第三実施例の変形例(図9)構成において、スケール2を面発光レーザ1の射出光に垂直な状態からx軸を中心に回転させて傾斜させる代わりに、z軸を中心に回転させて傾斜させた構成となっている。また、受光素子3は、スケール2からの反射光が垂直に入射するように配置されている。
【0053】
本変形例では、第三実施例の変形例と同様に、スケール2に反射防止膜がなくても、面発光レーザの安定な動作が達成される。
本実施例の動作原理、各寸法間の関係等は、第三実施例の変形例(すなわち第二実施例)と全く同じである。受光素子3上に反射防止膜を省略するための配置についても第三実施例の変形例と同じである。
【0054】
(第五実施例)
第五実施例の光学式エンコーダについて図12を参照しながら説明する。
本実施例では、受光素子3は、面発光レーザ1の射出光の光軸から外れた位置に配置されている。受光素子3は、第三実施例のものと同様に、受光領域4を覆う遮光膜51に複数の開口部が形成されたものである。面発光レーザ1と受光素子3の間には、入射光の向きを変える回折格子8を備えたスケール2がx軸方向に移動可能に配置されている。
【0055】
スケール2は、図14に示すように、ガラス基板7に形成した反射防止膜6の表面に、複数の回折格子8を等間隔で形成して作製される。このスケール2は、回折格子8の機能領域の幅をωo 、回折格子8の機能領域の1ピッチをPs 、スケール面上における光ビーム照射領域のスケール移動方向のビーム径をWs とすると、第一実施例において記した各条件が成立する。
【0056】
別のスケール2を図15に示す。このスケール2は、ガラス基板7の表面全体に回折格子8’ を形成し、この回折格子8’ の表面に等しい幅の遮光部5を等間隔で形成して作製される。これいより、等しい幅の複数の回折格子が等間隔で形成されたものと等価になり、図14のスケールと同じ機能を果たす。このスケール2でも、図14のスケール2と同様に、第一実施例において記した各条件が成立する。
【0057】
図12に示すように、面発光レーザ1から射出したレーザ光はスケール2に入射し、回折格子8に入射した光は回折される。回折格子8は入射光と反対側の一次回折光の回折強度が最大となるように設計されており、回折光は面発光レーザ1からの射出光に対して対して斜めになり、受光素子3に向かう。受光素子3に入射した光は、遮光膜51に設けた開口部を通過した光が受光領域4に入射する。
【0058】
本実施例の動作原理は、スケール2から回折光が射出される以外は、第二実施例と同様であり、図12に記載した各寸法間の関係等は、基本的に第一実施例に記したものと同様であり、その説明は省略する。
【0059】
本実施例では、受光素子3からの反射光は面発光レーザ1に戻らないので、受光素子3に反射防止膜がなくても、面発光レーザは安定に動作する。回折により光ビームを曲げているので、各光学素子(面発光レーザ1、スケール2、受光素子3)を平行に配置することができ、第三実施例や第四実施例に比べて、実装が容易かつ高精度に行える。
【0060】
次に、本実施例の変形例について図13を参照しながら説明する。本変形例は、本実施例の透過型の光学式エンコーダを、反射型に変形したものである。
図13に示すように、受光素子3はスケール2に対して面発光レーザ1と同じ側にあり、これらは半導体基板11の上に一体的に形成されている。また、スケール2の回折格子8は、入射光と同じ側の一次回折光の回折強度が最大となるように設計されている。
【0061】
本変形例の動作原理、図13に記載した各寸法間の関係等は、基本的に第一実施例に記したものと同様であり、ここでは説明を省略する。
本変形例によれば、本実施例と同じ効果が得られるとともに、面発光レーザ1と受光素子3が同一基板上に設けられているので、装置全体の構成が小型になり、実装も容易に行なえる。
【0062】
なお、本実施例では、スケールからの回折光を利用して測定するものであるから、スケール5を照射する光はコヒーレントな平面波を有するレーザ光であればよいから、光源は面発光レーザだけではなく、端面出射型の半導体レーザとコリメータレンズの組み合わせなどを用いることができる。
【0063】
(第六実施例)
これまでに説明した実施例の光学式エンコーダは、単にスケールの移動量のみを検出する機能を有するだけで、移動の向きを判別する機能は有していない。第六実施例は、前述の実施例の光学式エンコーダに改良を加えて、スケールの移動の向きを判別する機能を持たせるものである。
【0064】
図16に示すように、スケール2の遮光部は、移動方向(x軸)に平行な中心線に対して、上側の遮光部5aと下側の遮光部5bからなっている。上側の遮光部5aと下側の遮光部5bは、x軸方向に関して同一の周期構造を持ち、両者の位相はピッチPs の四分の一ずれている。光ビーム照射領域は、上側の遮光部5aと下側の遮光部5bの両方を同時に含むように設定される。また、受光素子は、上側の受光素子3aと下側の受光素子3bからなり、上側の受光素子3aはスケール2の上側部分すなわち遮光部5aの隙間を透過したビームを受光し、下側の受光素子3bはスケール2の下側部分すなわち遮光部5bの隙間を透過したビームを受光する。勿論、スケール2と受光素子3aと3bは、第一実施例に記した条件を満たしている。
【0065】
このような構成により、スケール2の上側部分すなわち遮光部5aの隙間を透過したビームは受光素子3aの受光面上に、スケール2の下側部分すなわち遮光部5bの隙間を透過したビームが受光素子3bの受光面上に生成する明暗パターンに対して、ピッチPs の四分の一ずれた明暗パターンを生成する。従って、スケール2が面発光レーザに対して移動するとき、上側の受光素子3aと下側の受光素子3bとからは、互いの位相が90度ずれた二つの正弦波信号が出力される。この二つの正弦波信号を比較することで、具体的にはどちらの正弦波信号の位相が90度進んでいるかを調べることで、スケール2の移動の向きを判定することができる。
【0066】
本実施例は、第一実施例ないし第五実施例のすべてに適応可能である。また、本実施例では遮光部5aと遮光部5bのずれ量をピッチPs の四分の一に選んだが、これはピッチPs の二分の一以外であればいくつでもよく、いずれの場合にもスケールの移動方向を判断できる。
【0067】
(第七実施例)
第七実施例について図17を参照しながら説明する。本実施例は、第六実施例と同様に、第一実施例ないし第五実施例の光学式エンコーダに改良を加えて、スケールの移動の向きを判別する機能を持たせるものである。
【0068】
図17に示すように、受光素子は、上側の受光素子3aと下側の受光素子3bからなり、上側の受光素子3aの遮光膜51aと下側の受光素子3bの遮光膜51bは、x軸方向に関して同一の周期構造を持ち、両者の位相はピッチPpdの四分の一ずれている。光ビーム照射領域は、スケール2からの光が二つの受光素子3に同時に入射するように設定されている。従って、上側の受光素子3aはスケール2の上側部分を透過したビームを受光し、下側の受光素子3bはスケール2の下側部分を透過したビームを受光する。勿論、スケール2と受光素子3aと3bは、第一実施例に記した条件を満たしている。
【0069】
上側の受光素子3aの遮光膜51aと下側の受光素子3bの遮光膜51bは、その周期構造すなわち開口部の位置がx軸方向にピッチPpdの四分の一ずれているため、上側の受光素子3aと下側の受光素子3bとからは、互いの位相が90度ずれた二つの正弦波信号が出力される。この二つの正弦波信号を比較することで、具体的にはどちらの正弦波信号の位相が90度進んでいるかを調べることで、スケール2の移動の向きを判定することができる。
【0070】
本実施例は、第一実施例ないし第五実施例のすべてに適応可能である。また、本実施例では遮光膜51aと遮光膜51bのずれ量をピッチPpdの四分の一に選んだが、これはピッチPpdの二分の一以外であればいくつでもよく、いずれの場合にもスケールの移動の向きを判断できる。
【0071】
以上、本発明のいくつかの実施例について説明したが、本発明は上述の実施例に何等限定されるものでない。本発明は以下の発明を含んでいる。
1.(第一実施例1〜第七実施例に対応する)
(構成)光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダにおいて、
受光素子の受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb 、
前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs 、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWs とすると、
ωpd<Pb かつ Ws >Ps
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0072】
(作用)面発光レーザからの出射ビームは非常にビーム放射角が小さいのでほぼ平行ビームでかつほぼ平面波であるとみなすことができる。以下、代表的な場合として、スケールに照射された光が透過して受光素子で検出される場合について説明する。スケール面上においてビーム直径Ws がWs >Ps の関係を満たすことにより、スケール上において光ビームはスケールの1ピッチより大きなビーム径をもつ。また、ωpd<Pb なる関係があるため、受光素子は主として1ピッチ分の透過光を受光する。今、スケールが移動方向に変位したとすると、スケールを通過した光ビームもこの方向に動くので、受光素子からの出力が、変位に対して、周期Ps で三角波状または擬似的な正弦波状に変化することを利用してスケールの変位を検出することができる。
【0073】
(効果)従来の光学式エンコーダのようにレンズや固定スケールを必要とせずに、スケール変位に対して周期Ps の三角波状または擬似的な正弦波状の信号を得ることができる。同時に、スケール面上における光ビームの径はスケールのピッチより十分大きくすることができ、スケールピッチがスケール面上における光ビームの径以下に制限されることがないため高分解能なエンコーダが実現できる。
【0074】
2.(第二実施例2〜第七実施例に対応する)
(構成)光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダにおいて、
受光素子の受光領域または受光窓が面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンとスケール移動方向に対して同じ間隔で複数形成され、
前記受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、前記受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb 、
前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs 、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWs とすると、
ωpd<Pb かつ Ws >Ps
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0075】
(作用)面発光レーザからの出射ビームは非常にビーム放射角が小さいのでほぼ平行ビームでかつほぼ平面波であるとみなすことができる。以下、代表的な場合として、スケールに照射された光が透過して受光素子で検出される場合について説明する。スケール面上においてビーム直径Ws がWs >Ps の関係を満たすことにより、スケール上において光ビームはスケールの1ピッチより大きなビーム径をもつ。また、ωpd<Pb なる関係があるため、受光素子のひとつの受光窓または受光領域は主として1ピッチ分の透過光を受光する。今、スケールが移動方向に変位したとすると、スケールを通過した複数のビームもこの方向に動くので、受光素子からの出力が、スケール変位に対して、周期Ps で三角波状または擬似的な正弦波状に変化することを利用してスケールの変位を検出することができる。
【0076】
(効果)従来の光学式エンコーダのようにレンズや固定スケールを必要とせずに、スケール変位に対して周期Ps の三角波状または擬似的な正弦波状の信号を得ることができる。同時に、スケール面上における光ビームの径はスケールのピッチより十分大きくすることができ、スケールピッチがスケール面上における光ビームの径以下に制限されることがないため高分解能なエンコーダが実現できる。この場合、第1項に比べて多くの受光窓を有し、たくさんの透過光(あるいは反射光、回折光)を受光するので、より強い出力信号が得られ、電子回路等による信号処理がより容易になる。
【0077】
3.(第一実施例〜第七実施例に対応する)
(構成)第1項において、
受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo 、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωo とし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
Ps ωo /λ>L≧ωo 2 /λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0078】
(作用)第1項の作用と同じである。
(効果)第1項の効果に加え、Ps ωo /λ>L≧ωo 2 /λの構成要件を満たすことにより、受光素子面上での光強度分布が平坦となることを妨げるので、スケール変位に対する出力信号の強弱が適正値以上で得られる。
【0079】
4.(第一実施例〜第七実施例に対応する)
(構成)第1項において、
受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo 、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωo とし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
L<ωo 2 /λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0080】
(作用)第1項の作用と同じである。
(効果)第1項の効果に加え、L<ωo 2 /λの構成要件を満たすことにより、受光素子面上での光強度分布が複数の光ビームの重ね合わせや干渉の効果に影響されず、スケール変位に対する出力信号の強弱が非常に強く得られる。また、このため、光ビームの重ね合わせによるビーム強度の平坦化による出力信号の劣化が殆どないので、スケールのピッチを非常に小さく設定できる。
【0081】
5.(第二実施例〜第七実施例に対応する)
(構成)第2項において、
受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo 、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωo とし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
Ps ωo /λ>L≧ωo 2 /λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0082】
(作用)第3項の作用に加えて、複数の受光素子の受光領域または受光窓を有し、スケール上の各々の透過または反射領域からの光ビームを受光領域または受光窓で同時に検出する。
【0083】
(効果)第3項の効果に加えて、スケール上の各々の透過または反射領域からの光ビームを受光領域または受光窓で同時に検出するので、受光強度が大きくなり信号処理が容易となる。
【0084】
6.(第二実施例〜第七実施例に対応する)
(構成)第2項において、
受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo 、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωo とし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
L<ωo 2 /λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0085】
(作用)第4項の作用に加えて、複数の受光素子の受光領域または受光窓を有し、スケール上の各々の透過または反射領域からの光ビームを受光領域または受光窓で同時に検出する。
【0086】
(効果)第4項の効果に加えて、スケール上の各々の透過または反射領域からの光ビームを受光領域または受光窓で同時に検出するので、受光強度が大きくなり信号処理が容易となる。
【0087】
7.(第一実施例〜第七実施例に対応する)
(構成)光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダで、
前記受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、前記レーザ光源からスケールに照射された光ビームの回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンの光強度が最大ピークの1/2となるスケール移動方向の幅をωb とし、
前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs 、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWs とすると、
ωpd≦ωb かつ Ws ≧2Ps
の関係を満たす光学式エンコーダにおいて、
受光素子がスケールの透過・回折光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo 、また、受光素子がスケールの反射・回折光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωo 、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
L>Ps ωo /λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0088】
(作用)面発光レーザからの出射ビームは非常にビーム放射角が小さいのでほぼ平行ビームでかつほぼ平面波であるとみなすことができる。以下、代表的な場合として、スケールに照射された光が透過して、さらに、回折することにより受光素子で検出される場合について説明する(反射して、回折する場合も同様)。スケール面上においてビーム直径Ws がWs ≧2Ps の関係を満たすことにより、スケール上において光ビームはスケールの2ピッチ以上のビーム径をもつ。従って、受光素子にはスケールを通過した光が複数のビームになって照射されるが、ωpd≦ωb なる関係があるため、受光素子は特定の次数の回折光を受光する。今、スケールが移動方向に変位したとすると、スケールからの回折光もこの方向に同じ変位量だけ動くので、受光素子からの出力が、変位に対して周期Ps で三角波状または擬似的な正弦波状に変化することを利用してスケールの変位を検出することができる。
【0089】
(効果)従来の光学式エンコーダのようにレンズや固定スケールを必要とせずに、スケール変位に対して周期Ps の三角波状または擬似的な正弦波状の信号を得ることができる。同時に、スケール面上における光ビームの径はスケールのピッチより十分大きくすることができ、スケールピッチがスケール面上における光ビームの径以下に制限されることがないため高分解能なエンコーダが実現できる。さらに、領域Iや領域IIでセンサを使用する場合はLが大きくなると、スケールの変位に対して受光素子での出力信号の強弱の幅が小さくなるが、本構成では回折を用いるのでこのような問題はない。
【0090】
8.(第二実施例〜第七実施例に対応する)
(構成)光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダで、
受光素子の受光領域または受光窓が面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンとスケール移動方向に対して同じ間隔で複数形成され、
前記受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、前記レーザ光源からスケールに照射された光ビームの回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンの光強度が最大ピークの1/2となるスケール移動方向の幅をωb とし、
前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs 、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWs とすると、
ωpd≦ωb かつ Ws ≧2Ps
の関係を満たす光学式エンコーダにおいて、
受光素子がスケールの透過・回折光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo 、また、受光素子がスケールの反射・回折光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωo 、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
L>Ps ωo /λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0091】
(作用)第7項の作用に加えて、複数の受光素子の受光領域または受光窓を有し、異なる次数の回折光を各々の受光領域または受光窓で同時に検出する。このとき、異なる次数の回折光は各々特定の回折角で回折するので、スケールの移動に対して受光面上で各回折次数の光ピークの位置は互いに同じ変位量だけ移動する。
【0092】
(効果)第7項の効果に加えて、異なる次数の回折光を各々の受光領域または受光窓同時に検出するので、受光強度が大きくなり信号処理が容易となる。
9.(第一実施例の変形例に対応する)
(構成)光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射するコリメータレンズと半導体レーザからなるレーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダで、
受光素子の受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンの光強度が最大ピークの1/2となるスケール移動方向の幅をωb とし、
前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs 、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWs とすると、
ωpd≦ωb かつ Ws ≧2Ps
の関係を満たす光学式エンコーダにおいて、
受光素子がスケールからの透過・回折光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo 、また、受光素子がスケールの反射・回折光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωo とし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
L>Ps ωo /λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0093】
(作用)光源は面発光レーザの代わりに、端面出射型の半導体レーザを用い、出射ビームの拡がりをコリメートレンズで制御し、平行ビームに成形する。この他は第7項の作用と同じである。
【0094】
(効果)第7項の効果に加えて、技術的に面発光レーザに比べてレーザの製造が容易で入手しやすい通常の半導体レーザを使うことができる。
10.(第二実施例を第一実施例の変形例に適用した場合に対応する)
(構成)光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射するコリメータレンズと半導体レーザからなるレーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダで、
受光素子の受光領域または受光窓が面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンとスケール移動方向に対して同じ間隔で複数形成され、
前記受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンの光強度が最大ピークの1/2となるスケール移動方向の幅をωb とし、
前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs 、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWs とすると、
ωpd≦ωb かつ Ws ≧2Ps
の関係を満たす光学式エンコーダにおいて、
受光素子がスケールからの透過・回折光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo 、また、受光素子がスケールの反射・回折光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωo とし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
L>Ps ωo /λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0095】
(作用)第9項の作用に加えて、複数の受光素子の受光領域または受光窓を有し、異なる次数の回折光を各々の受光領域または受光窓同時に検出する。
(効果)第9項の効果に加えて、異なる次数の回折光を各々の受光領域または受光窓同時に検出するので、受光強度が大きくなり信号処理が容易となる。
【0096】
11.(第三実施例に対応する)
(構成)第1項ないし第10項において、
スケールをスケールの移動方向を軸として回転させ、スケールの透過または反射面がレーザビームに対して垂直でない配置とすることを特徴とする光学式エンコーダ。
【0097】
(作用)スケールを傾斜させることにより、スケールから面発光レーザに反射して帰還してくるレーザ光が抑制され、レーザ光の強度変化が抑えられる。この他は、第1項ないし第10項の各々の作用と同じである。
【0098】
(効果)スケールから面発光レーザに反射して帰還してくるレーザ光がある場合は、スケールと面発光レーザの距離により帰還する光の位相が変化し、これがレーザと相互作用し、レーザ光の強度変化を引き起こす。また、スケールが動くとスケールの反射率の高い部分と低い部分からの帰還光の割合がわずかに変化するのでこれによってもレーザ光の強度が変化する。スケールを傾斜させることにより、スケールから面発光レーザに反射して帰還してくるレーザ光が抑制され、レーザ光の強度変化が抑えられ、ひいては、センサ信号を安定にする効果がある。
【0099】
12.(第四実施例に対応する)
(構成)第1項ないし第10項において、
スケールをスケールの移動方向に対する垂線とレーザビームの主軸を互いに傾斜させるように配置することを特徴とする光学式エンコーダ。
【0100】
(作用)スケールを傾斜させることにより、スケールから面発光レーザに反射して帰還してくるレーザ光が抑制され、レーザ光の強度変化が抑えられる。この他は、第1項ないし第10項の各々の作用と同じである。
【0101】
(効果)第11項の場合は、レーザビームの主軸と垂直な面に対してスケールをスライドさせる場合にコンパクトな構成であるが、本構成では、レーザビームの主軸に対して傾斜した面でスケールをスライドさせる場合にコンパクトな構成となる。
【0102】
13.(第五実施例に対応する)
(構成)光源に対して相対的に移動し、かつ、回折格子が機能する領域と機能しない領域を交互に形成したスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダにおいて、
受光素子の受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb 、
前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs 、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWs とすると、
ωpd<Pb かつ Ws >Ps
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0103】
(作用)レーザからスケールに照射された光の全部または一部が回折して受光素子に入射する。この他は、第1項または第2項の作用と同じである。
(効果)第1項または第2項の効果に加えて、受光素子に入射する回折光はスケールからの単なる反射光や透過光と向きが異なるため、受光素子の受光面からの反射光が半導体レーザに帰還しない。従って、受光素子の受光面をスケールの面と平行にした場合でも、受光面に反射防止膜などの反射防止対策を講じなくても、帰還する光によるレーザ出力の不安定化を抑制できる。
【0104】
14.(第五実施例の変形例に対応する)
(構成)光源に対して相対的に移動し、かつ、回折格子が機能する領域と機能しない領域を交互に形成したスケールと、このスケールの一部を照射するコリメータレンズと半導体レーザよりなる光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダにおいて、
受光素子の受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb 、
前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs 、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWs とすると、
ωpd<Pb かつ Ws >Ps
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
【0105】
(作用)コリメータレンズを半導体レーザと組み合わせることにより、面発光半導体レーザの場合と同様に、平行度の高いビームを出射できる。その他は、第13項の作用と同じである。
【0106】
(効果)第13項の効果に加えて、光源である半導体レーザの入手が、面発光半導体レーザに比較して容易である。
15.(第六実施例に対応する)
(構成)光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するようにパターン形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダで、
受光素子の受光領域または受光窓が面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンとスケール移動方向に対して同じ間隔で複数形成され、
前記受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、前記受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb 、
前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs 、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWs とすると、
ωpd<Pb かつ Ws >Ps
の関係を満たす光学式エンコーダにおいて、
前記パターン形成されたスケールのパターンが、ビーム照射領域内で1/2周期以外の位相シフトを有して2組形成され、これらの各々の組からの反射または、透過、回折光を分離して検出できる受光素子を備えた光学式エンコーダ。
【0107】
(作用)面発光半導体レーザから出射した光が互いに異なる位相で形成されたスケール上のパターンに同時に照射され、スケール上の位相差をもった各々のパターンから反射または透過、回折した光が分離された受光素子に各々入射する。従って、スケールが移動すると、各々の受光素子からの出力は互いに相似形状だが、互いに一定の位相差をもって出力される。
【0108】
(効果)互いに分離された受光素子から位相差をもった信号波形が出力されるので、これらの位相の遅延の関係を調べることにより、スケールの移動の向きが判定できる。
【0109】
16.(第七実施例に対応する)
(構成)光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するようにパターン形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダで、
受光素子の受光領域または受光窓が面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンとスケール移動方向に対して同じ間隔で複数形成され、
前記受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、前記受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb 、
前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs 、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWs とすると、
ωpd<Pb かつ Ws >Ps
の関係を満たす光学式エンコーダにおいて、
前記複数形成された受光領域または受光窓のパターンが、ビーム受光領域内で1/2周期以外の位相シフトを有して2組形成され、これらの各々の組の受光量を分離して検出できる受光素子を備えた光学式エンコーダ。
【0110】
(作用)面発光半導体レーザから出射した光が互いに異なる位相で形成されたスケール上のパターンに同時に照射され、スケール上の位相差をもった各々のパターンから反射または透過、回折した光が、受光素子の受光面上で明暗のパターン示すが、この明暗パターンに対して、互いに位相シフトした受光窓または受光領域に入射し、更に、これらの位相シフトした受光窓または受光領域が分離されている。従って、スケールが移動すると、各々の受光素子からの出力は互いに相似形状だが、互いに一定の位相差をもって出力される。
【0111】
(効果)第15項と同様なスケールの移動の向き判定可能な二つ以上の位相差信号を、受光窓に形成した受光領域または受光窓のパターンにより得ることができる。第15項の場合はこの位相シフトパターンをスケール上に配置する必要があるが、この場合は面発光半導体レーザからのビームの照射領域内にこの位相シフトが配置されるように調整する必要があり、更に、各々のパターンからのビーム領域に合うように受光素子も空間的に分離する必要があり組立が難しい。これに対して、本項では、面発光半導体レーザとスケールの配置にこのような制約がなく、単にスケールからの反射または透過、回折光が受光素子の位相シフトパターンにかかるように配置するだけでよく、素子の組立が容易になる。
【0112】
【発明の効果】
本発明の光学式エンコーダによれば、従来の光学式エンコーダのようにレンズや固定スケールを必要とせずに、スケール変位に対して周期Psの三角波状または擬似的な正弦波状の信号を得ることができる。同時に、スケール面上における光ビームの径はスケールのピッチより十分大きくすることができ、スケールピッチがスケール面上における光ビームの径以下に制限されることがないため高分解能なエンコーダが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図2】図1に示したスケールの正面図である。
【図3】図1の光学式エンコーダにおけるスケールの変位に対する受光素子の出力の特性を示すグラフである。
【図4】一つの透過窓を通過した光の広がり方を示す図である。
【図5】複数の透過窓を通過した光の重なり具合を示す図である。
【図6】図5において透過窓からの距離をLとした場合に、様々な距離Lの面上に生成される明暗パターンを示す図である。
【図7】本発明の第二実施例の光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図8】本発明の第三実施例の光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図9】本発明の第三実施例の変形例である反射型の光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図10】本発明の第四実施例の光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図11】本発明の第四実施例の変形例である反射型の光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図12】本発明の第五実施例の光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図13】本発明の第五実施例の変形例である反射型の光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図14】第五実施例に使用されるスケールの構造を説明するための図である。
【図15】第五実施例に使用される別のスケールの構造を説明するための図である。
【図16】第一実施例ないし第五実施例に改良を加えてスケールの移動方向を判別する機能をもたせた第六実施例の光学式エンコーダにおいて、スケールと受光素子を光源側から見た図である。
【図17】第一実施例ないし第五実施例に改良を加えてスケールの移動方向を判別する機能をもたせた第七実施例の光学式エンコーダにおいて、スケールと受光素子を光源側から見た図である。
【図18】従来例の光学式エンコーダを説明するための図である。
【図19】本発明者らが提案した光学式エンコーダを説明するための図である。
【符号の説明】
1…面発光レーザ、2…スケール、3…受光素子、5…遮光部、51…遮光膜。
Claims (4)
- 光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダにおいて、
受光素子の受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb、前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWsとすると、
ωpd<Pb かつ Ws>Ps
の関係を満たし、受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωoとし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
Psωo/λ>L≧ωo 2/λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。 - 光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダにおいて、
受光素子の受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb、前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWsとすると、
ωpd<Pb かつ Ws>Ps
の関係を満たし、受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωoとし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
L<ωo 2/λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。 - 光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダにおいて、
受光素子の受光領域または受光窓が面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンとスケール移動方向に対して同じ間隔で複数形成され、
前記受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、前記受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb、前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWsとすると、
ωpd<Pb かつ Ws>Ps
の関係を満たし、受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωoとし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
Psωo/λ>L≧ωo 2/λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。 - 光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールと、このスケールの一部を照射する面発光半導体レーザ光源と前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有する光学式エンコーダにおいて、
受光素子の受光領域または受光窓が面発光半導体レーザ光源からスケールに照射された光ビームの反射光、透過光または回折光による受光素子の受光面上における明暗パターンとスケール移動方向に対して同じ間隔で複数形成され、
前記受光領域または受光窓のスケール移動方向の寸法をωpd、前記受光面上における明暗パターンのスケール移動方向の周期をPb、前記スケールの反射率または透過率を変調させたスケール移動方向のピッチをPs、スケール面上において光ビーム強度がピーク値の1/2になるスケール移動方向のビーム径をWsとすると、
ωpd<Pb かつ Ws>Ps
の関係を満たし、受光素子がスケールの透過光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの透過部分のスケール移動方向の寸法をωo、また、受光素子がスケールの反射光を受光する場合はスケールの1ピッチあたりの反射部分のスケール移動方向の寸法をωoとし、スケールを形成した面と受光素子の受光面または遮光面の間の距離をL、レーザ光の波長をλとしたとき、
L<ωo 2/λ
の関係を満たすことを特徴とする光学式エンコーダ。
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