JP3544264B2 - 光透過性積層シート - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、合成繊維からなる織編物に軟質フッ素樹脂シートを貼着した積層シートに関し、より詳しくは光透過性、長期耐久性、防汚性、意匠性、難燃性、柔軟性などに優れた建築用、農業用、車両用等に用いられる積層シートに関する。
【0002】
【従来技術】
樹脂と繊維クロスとを組み合わせた積層シートにはポリ塩化ビニル樹脂を主体としたものやポリテトラフルオロエチレン樹脂を主体としたもの等多数が知られており、エアードーム、倉庫、フレキシブルコンテナー、自動車や大型機械のカバーなどに多量に使用されている。これは積層シートの利用により、同一規模の施設ないし設備を製造する場合と比較して建設費ないし設備費を軽減できること、自然光をある程度利用できること、ガラスなどで覆った場合に比べ、地震などの災害に対し強いこと等の理由によるものと考えられる。特に近年プールやテニスコートといった大型体育施設の設備環境充実を目的として使用量が増加しつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
積層シートに使われている繊維クロスは、合成繊維を使用したものと、ガラス繊維を使用したものとに分けられる。それぞれ一長一短があり、例えば合成繊維クロスは安価で軽く、かつ柔軟性に優れている半面、光による劣化が大きく、熱に弱いといった欠点を持っている。一方ガラス繊維クロスはまったく反対の性能を備えている。積層シートとしてどちらの繊維クロスを選択すべきかについては、用途、価格により異なるため一概には言えないが、同一の樹脂を使用した場合には少なくとも施工性という面では柔軟性に優れる合成繊維クロスの方が勝っている。
【0004】
また、現在使用されている積層シートを光透過性という面から眺めてみると、一部の例外を除き、半透明なものと透明なものとに分類される。これらはそれぞれ用途により使い分けられているが、光透過性に絞って性能を比べてみると、透明でかつ耐久性のある積層シートは見当たらない。すなわちポリテトラフルオロエチレンに代表されるフッ素樹脂を主体とした積層シートは耐久性に優れるものの、光透過性に劣り、逆にポリ塩化ビニル樹脂に代表される積層シートは光透過性に優れるものの、耐久性、防汚性に劣るという欠点があった。
【0005】
したがって、光透過性が要求される用途、例えばその中で植物を育てる施設や外の景色を取入れるような施設の天井等に使用可能な積層シートで、長期間の屋外曝露に耐えられるものはなかった。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
本発明者らはこのような事情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、軟質フッ素樹脂シートと合成繊維クロスを組合せることにより、光透過性に優れ、耐汚染性、柔軟性が良好でかつ難燃性の積層シートが得られることを見い出したが、同時に、この積層シートは合成繊維クロスが太陽光により劣化するため、長期耐久性が充分でないことも併せて見い出した。
【0007】
そこでさらに検討を重ねた結果、合成繊維そのものの外側を隠蔽性または光吸収性を有する材料で覆い、太陽光による劣化を防ぐことにより、前記性能に加え耐久性をも持たせられることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は合成繊維クロスと軟質フッ素樹脂シートを積層してなる積層シートであって、合成繊維の表面を顔料で被覆したことを特徴とする光透過性積層シートである。また、合成繊維クロスを顔料で処理する工程において、顔料の種類を選択することにより製造される、種々の色合いを持つ光透過性に優れる積層シートである。
【0009】
本発明に使用する軟質フッ素樹脂は、少なくとも一種の含フッ素単量体を含む一種以上の単量体と、分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量体とを共重合せしめて、その分子内にペルオキシ結合を含有し、かつそのガラス転移温度が室温以下である含フッ素共重合体を製造することを第1段階とし、第2段階において、第1段階で得られた共重合体を水性乳濁液または分散溶媒中で、融点が130℃以上である結晶性重合体を与える、少なくとも一種の含フッ素単量体を含む一種以上の単量体を、グラフト共重合させたフッ素樹脂である。
【0010】
ここで使用する分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量体としては、t−ブチルペルオキシメタアクリレート、t−ブチルペルオキシクロトネート等の不飽和ペルオキシエステル類、およびt−ブチルペルオキシアリルカーボネート、p−メンタンペルオキシアリルカーボネート等の不飽和ペルオキシカーボネート類が例示できる。
【0011】
また、そのガラス転移温度が室温以下である含フッ素共重合体の組成としては、分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量体の成分を除いて表示すると、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の二元共重合体、VDFとHFPとテトラフルオロエチレン(TFE)の三元共重合体、およびVDFとクロロトリフルオロエチレン(CTFE)の二元共重合体等が例示されるが、特にその組成を限定するものではない。
【0012】
特に好ましい例は、分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量体とVDFとCTFEからなるものであり、VDF/CTFEの構造単位の比が80/20〜40/60であり、VDFとCTFE100重量部に対し分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量体が0.01〜5重量部のものである。
【0013】
第1段階で製造されるそのガラス転移温度が室温以下である含フッ素共重合体と第2段階でグラフト共重合されるPVDFの重量比は95/5〜30/70の範囲にあることが望ましい。
【0014】
また、本発明でいう軟質フッ素樹脂フイルムは、軟質フッ素樹脂および軟質フッ素樹脂と相溶性の良好な他の樹脂、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やアクリル樹脂等をブレンドしたブレンド樹脂をも含むものである。ここでいうPVDFはVDF単独重合体またはVDF構造単位を50モル%以上含有する共重合体であればよく、共重合成分としては、TFE、HFP、CTFEなどから選ばれる1種以上が例示できる。また、アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸の炭素数8以下のアルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの一種以上の単量体構造単位からなるものが使用される。この際、積層シートの柔軟性、耐候性、耐汚染性等を維持するためには、その混合割合は、軟質フッ素樹脂100重量部当たり、0〜100重量部、好ましくは1〜50重量部の範囲である。
【0015】
また、軟質フッ素樹脂シートに、紫外線吸収剤および(または)光安定剤を添加しておくことも好ましい。すなわち、軟質フッ素樹脂中の紫外線吸収剤および(または)光安定剤による紫外光の遮蔽効果および合成繊維クロス表面の顔料による遮蔽効果とがあいまって、合成繊維クロスは2重に保護されるものと推測される。かかる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、無機系のいずれも使用可能であるが、軟質フッ素樹脂との相溶性のよいシアノアクリレート系紫外線吸収剤がより好ましい。シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート(バイオソーブ930(共同薬品製品))やエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート(バイオソーブ910(共同薬品製品))などが例示される。また紫外線吸収剤としてはヒンダードアミン系化合物(HALS)の使用が好ましい。HALSとしては、サノールLS−770、サノールLS−765、チヌビン−622LD、チマソーブ944LDなどを例示できるがこれらに限定されない。これらの添加量は紫外線吸収剤、光安定剤ともに軟質フッ素樹脂100重量部に対し、0.1〜5.0重量部、好ましくは0.3〜3.0重量部である。
【0016】
本発明に使用する軟質フッ素樹脂シートはどの様な方法で製造されたものであってもよい。例えば、ロールによる押出成型法、プレス成型法またはカレンダー成型法などによって製造できる。これらのうちカレンダー成型法が生産性の点で最も好ましい。
【0017】
軟質フッ素樹脂シートは、特にその厚みは限定されないが、1μm〜5mm、より好ましくは10μm〜2mm、さらに好ましくは50μm〜1mmである。
本発明に使用される合成繊維クロスは、合成繊維の紡績糸またはフィラメント糸からなる織布である。合成繊維クロスの素材は特に限定さないが、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維(アクリル繊維)、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維等を挙げることができる。何れの素材も一般的にはいくつかの原料単量体の共重合体であることが多いが、特にその組成を限定することなく繊維の分野において上記分類で理解される繊維であれば良い。これらのうち、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリロニトリル繊維製の紡績糸またはフィラメント糸を編織した合成繊維クロスが特に好適に用いられる。また、繊維の太さ、収束本数、編み方、編目の間隔、さらに上記繊維の混紡または混織等は、使用用途、部位により光透過性、強度、意匠性等を勘案して適宜選択可能である。例えば、合成繊維クロスの織密度としては、開口度(織布面積に対する糸の占める面積%)が0.01〜99%であるが、実用上20%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%とするのが好ましく、ポリエステル繊維の750デニールの紡績糸を使用した場合、3〜30本/インチが好ましく、10〜20本/インチがより好ましい。3本/インチ未満では積層シートの引張強度が低く、また、30本以上では織目の開口度が低く光透過率が低下し好ましくない。
【0018】
本発明における合成繊維クロスの表面への顔料の被覆は、耐候性に富む樹脂の溶液に顔料を分散させた溶液を塗布することにより行われる。耐候性に富む樹脂としてはフッ素樹脂が特に好ましく、例えば軟質フッ素樹脂、HFP/VDF共重合体、PVDF等が挙げられる。これらのフッ素樹脂を溶解させる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ならびにケトン、エステル類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフランなどが挙げられ、特にN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどまたはそれらとケトンまたはエステル類との混合溶媒が好ましい。この溶液のフッ素樹脂の濃度としては、5〜30重量%が良く、合成繊維クロスへの隠蔽性および積層シートの柔軟性から10〜25%がより好ましい。
【0019】
本発明の積層シートにおいて合成繊維クロスの保護に用いる顔料としては、塗料の技術分野において一般に使われる有機顔料、無機顔料、体質顔料のいずれも使用可能である。例えば有機顔料では、キナクリドンレッド、トルイジンレッド、ウオッチングレッド、クロモフタルエロー、グリーンゴールド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カーボンブラック等が挙げられる。また無機顔料としては亜鉛華、酸化チタン、ベンガラ、クロムバーミリオン、黄鉛、オーカー、紺青、群青、各種金属粉顔料、各種焼成顔料等が挙げられる。さらに体質顔料としては、アルミナ、クレー、カオリン、タルク、沈降性炭酸カルシウム、バライト、ベントナイト、ホワイトカーボン等が上げられる。これらの中で長期に亘る耐候性の維持、積層時にかかる温度等の影響を避けるためには、無機顔料がより好ましい。添加量は使用する顔料の種類により異なるが、一般的には溶液中に含まれるフッ素樹脂100重量部に対し、3〜150重量部、好ましくは5〜120重量部である。これらの顔料をフッ素樹脂溶液に分散させることで顔料分散液を調製することができるが、その方法は特に限定されない。例えば、攪拌機を備えた槽にフッ素樹脂溶液を仕込み、そこへ攪拌しながら顔料をそのまま或いは予め溶媒に分散させた状態で一度にまたは徐々に投入することで行うことができる。また、ホモジナイザー、ディスパーサーなどの分散操作において通常使用される機械を使用することもできる。また、この溶液中に紫外線吸収剤、光安定剤、分散剤、沈降防止剤、レベリング剤等の添加剤を加えることも好ましい。
【0020】
本発明の積層シートは軟質フッ素樹脂シートと顔料分散液で表面処理した合成繊維クロスを加熱圧着して貼着させることにより得ることができる。貼着力を向上させるために、前記のフッ素樹脂の溶液にイソシアネート基を含む硬化剤を配合することもできる。かかる硬化剤の添加量は、接着剤溶液中に含まれる軟質フッ素樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.3〜20重量部である。0.1重量部未満の場合には、イソシアネート基を含む硬化剤の添加効果が充分に発揮されない。30重量部を越えて混合した場合は、積層シートが柔軟性を失うとともに、耐薬品性、耐候性等も低下するので好ましくない。
【0021】
イソシアネート基を含む硬化剤としては特に限定しないが、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート(LDI)、ビス(2−イソシアネートエチル)カーボネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアネートエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジエチルベンゼンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、またはこれらから調製される、ウレタンアダクト、ビュレット体、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート、ウレタンプレポリマーなど、たとえばHDIの水変成物、TDI2量体、TDIトリメチロールプロパンアダクト(L)、HMDI−ビュレット体、L−フェノールブロック体、IPDIの3量化物などおよびこれらの粗製物または2種以上の混合物が挙げられる。
【0022】
本発明においては、上記イソシアネート基を含む硬化剤を選択して使用すればよいが、通常の場合変色は好まれないので、無黄変型または難黄変型といわれるイソシアネート基がベンゼン核に隣接していないもの、例えばHDI、XDI、LDI等の脂肪族ジイソシアネートまたはIPDI、水添MDI、水添XDI等の脂環式イソシアネートが好ましく、またこれらのポリイソシアネートから調製されるウレタンアダクト、ビュレット体、イソシアヌレート、ブロックイソシアネート、ウレタンプレポリマー等も好ましく使用できる。
【0023】
軟質フッ素樹脂を含む光透過性積層シートの製造における貼着方法は、加熱プレス機による枚葉式または加熱ロールによる連続式のいずれを採用してもよい。加工温度は150〜280℃であり、180〜250℃程度以下であることが好ましい。150℃以下では貼着し難く、剥離しやすい積層シートとなるので好ましくなく、また、250℃以上になると合成繊維クロスの強度低下をもたらすことになるので好ましくない。
【0024】
本発明の積層シートは、一層以上の軟質フッ素樹脂フィルムと一層以上の合成樹脂クロスが交互に積層されてなるが、それぞれの層の厚みは同じであっても異なってもよく、またそれぞれの層の材質、クロスの種類なども異なってもよい。一般的には一層の合成樹脂クロスとその両側に軟質フッ素樹脂を配置した構成をとるのが最も好ましい。
【0025】
本発明の積層シートは、20%以上の可視光線の透過率を有するものであり、より好ましくは30%以上の可視光線透過率を有するものである。
【0026】
【実施例】
次に例示する方法で軟質フッ素樹脂を含む光透過性積層シートを製造したが、本発明の実施態様はこれに限らない。
【0027】
軟質フッ素樹脂シートの製造例1
フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体にフッ化ビニリデンをグラフト重合させた軟質フッ素樹脂(セントラル硝子(株)製セフラルソフトG150、融点165℃)100重量部にポリフッ化ビニリデン樹脂(アウジモント(株)製ハイラー460)5重量部、成型助剤としてポリテトラフルオロエチレン(デュポン(株)製テフロン6J)0.2重量部とワックス(東京ファイン(株)製A−720)0.3重量部、紫外線吸収剤(共同薬品(株)バイオソーブ930)1.0重量部を配合し、カレンダー機により成型して約200μm厚みのフィルムを製造した(軟質フッ素樹脂シート1)。
【0028】
軟質フッ素樹脂シートの製造例2
PVDFを添加しないで軟質フッ素樹脂シートの製造例1と同様にして軟質フッ素樹脂シート2を製造した。
【0029】
軟質フッ素樹脂シートの製造例3
PVDF(ハイラー460)を20重量部として軟質フッ素樹脂シートの製造例1と同様にして軟質フッ素樹脂シート3を製造した。
【0030】
軟質フッ素樹脂シートの製造例4
VDF系樹脂として、低分子量PVDF(アウジモント(株)製ハイラー710)5重量部を用い、紫外線吸収剤としてバイオソーブ930(共同薬品(株))1.0重量部を用いて、軟質フッ素樹脂シートの製造例1と同様にして軟質フッ素樹脂シート4を製造した。
【0031】
軟質フッ素樹脂シートの製造例5
フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体にフッ化ビニリデンをグラフト重合させた軟質フッ素樹脂(セントラル硝子(株)製セフラルソフトG150、融点165℃)100重量部にPVDF(アトケム(株)製カイナー460、融点174℃)20重量部をミキシングロールにて充分混練後、30mm押出機(L/D=22、スクリュー回転数20rpm、金型Tダイ使用)により押出機の成形温度(C1=190℃、C2=200℃、C3=210℃、C4=220℃)の条件で成形し、約200μm厚みの軟質フッ素樹脂シート5を製造した。
【0032】
顔料分散液の調製例1
フッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体にフッ化ビニリデンをグラフト重合させた軟質フッ素樹脂(セントラル硝子(株)製セフラルソフトG180)100重量部にN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)511重量部を添加し、室温にてディスパーサーを用いて30分攪拌し、固形分濃度18%のDMF溶液を得た。ついでこの溶液に酸化チタン10重量部を添加し、再度ディスパーサーにて30分混練し、酸化チタン分散液を得た(顔料分散液1)。
【0033】
顔料分散液の調製例2
顔料を弁柄10重量部とした他は顔料分散液の調製例1と同様にして顔料分散液2を調製した。
【0034】
顔料分散液の調製例3
軟質フッ素樹脂をフッ化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体にフッ化ビニリデンをグラフト重合させた軟質フッ素樹脂(セントラル硝子(株)製セフラルソフトG150)100重量部とし、顔料を焼成青20重量部とした他は顔料分散液の調製例1と同様にして顔料分散液3を調製した。
【0035】
顔料分散液の調製例4
フッ素樹脂の溶媒を4/1容量比のDMF/メチルイソブチルケトン(MIBK)613重量部とした他は顔料分散液の調製例1と同様にして顔料分散液4を調製した。
【0036】
顔料分散液の調製例5
顔料を添加しないで顔料分散液の調製例1と同様にして顔料分散液5を調製した。
【0037】
[実施例1]
顔料分散液100重量部に対し、硬化剤としてポリイソシヌレート(日本ポリウレタン(株)製コロネートHX)を2重量部添加し、充分に攪拌混合後、浸漬槽に移した。ついでポリエステルクロス(東レ(株)製TF750D/1×TF750D/1、15×16本/インチ)をこの浸漬槽に通し、80℃/2分の条件で予備乾燥した後、180℃/3分で本乾燥を行なって、表面処理したポリエステルクロスを得た。
【0038】
表面処理したポリエステルクロスの両面に軟質フッ素樹脂シート1を配置した積層体を200℃に加熱したロールで線圧10kg/cmで圧着し積層シートを製造した。
【0039】
得られた光透過性積層シートの性能を、下記測定法で測定した。その結果を表1、表2に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003544264
【0041】
【表2】
Figure 0003544264
【0042】
[物性測定方法]
(1)厚み
マイクロメーターで測定。
【0043】
(2)全光線透過率およびヘーズ値
全光線透過率およびヘーズ値はJISK6714に従い、(株)東洋精機製作所製直読ヘイズメーターを用いて測定。
【0044】
(3)汚染性試験
カーボンブラックを水に分散させた溶液を、積層シートの表面に直径1cm位になるようにスポイトで落とし、ついで60℃の恒温槽に1時間放置後、水道水を流下させながらスポンジで軽く洗浄し、洗浄後のスポットの状態により、次の4段階で評価した。
【0045】
◎:スポットの痕がまったく残っていない
○:スポットの痕がわずかに残る
△:スポットの痕が多少残る
×:スポットの痕が明らかに残る
(4)促進耐候性試験の実施方法
JISA1415のサンシャインウェザーメーター(SWM:ブラックパネル温度63℃)に積層シートを入れ、4,000時間まで曝露した後の外観、引張強度、保持率、全光線透過率、ヘーズ値を測定した。
【0046】
[実施例2]
顔料分散液2を使用して実施例1と同様に積層シートを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0047】
[実施例3]
合成繊維クロスとして、1.7デニールのナイロン66ステープルからなるポリアミド繊維クロス(750D/1×750D/1、15×16本/インチ)と、顔料分散液3を用いて実施例1と同様に積層シートを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0048】
[実施例4]
顔料分散液4を用い、ポリエステルクロス(東レ(株)製TF750D/1×TF750D/1、8×9本/インチ)を用いて実施例1と同様に積層シートを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0049】
[実施例5]
軟質フッ素樹脂シート2を用い、硬化剤としてディスモジュールZ4370(住友バイエル(株))2重量部を用いて実施例1と同様に積層シートを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0050】
[実施例6]
軟質フッ素樹脂シート5、実施例1と同様にして調製したポリエステルクロス、軟質フッ素樹脂シートの順にセットした積層構成物を金属板の間に挟み、これを190℃に加熱した熱プレスで4分間無圧状態で予備加熱し、ついで40kgf/cmの圧力で3分間加圧成型した。その後、冷却プレスに移して、40kgf/cmの圧力で3分間加圧冷却し、積層シートを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0051】
[実施例7]
軟質フッ素樹脂シート3を用いて実施例1と同様に積層シートを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0052】
[実施例8]
軟質フッ素樹脂シート4を用いて実施例1と同様に積層シートを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0053】
[比較例1]
軟質フッ素樹脂シート5、顔料分散液5(顔料は入っていない)を用いて実施例1と同様に調製したポリエステルクロス、軟質フッ素樹脂シート5の順にセットし、実施例6と同様に積層シートを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0054】
[比較例2]
顔料分散液(顔料は入っていない)を用いて実施例1と同様に積層シートを製造し、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0055】
【発明の効果】
本発明の軟質フッ素樹脂を含む積層シートは、従来のポリテトラフルオロエチレン系シートなどに比べ、光透過性、柔軟性に優れる一方で、塩ビ系シートに比べ、耐久性に優れるという特徴をもった新規な積層シートであり、これまで使用が難しかった透光性の要求される分野、例えば建築分野、農業分野などへの展開が可能となる。

Claims (7)

  1. 合成繊維クロスと軟質フッ素樹脂シートを積層してなる積層シートであって、軟質フッ素樹脂として、少なくとも一種以上の含フッ素単量体を含む一種以上の単量体と、分子内に二重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量体とを共重合せしめてそのガラス転移温度が室温以下である含フッ素弾性共重合体(幹ポリマー)を製造し、この幹ポリマー100重量部に対してフッ化ビニリデン単量体を20〜80重量部グラフト重合せしめた軟質フッ素樹脂を用い、合成繊維の表面を顔料で被覆したことを特徴とする可視光線の透過率が20%以上である光透過性積層シート。
  2. 合成繊維がポリエステル繊維、ポリアミド繊維またはアクリル繊維である請求項1記載の光透過性積層シート。
  3. 合成繊維クロスが織布であり、かつ開口率が0.01〜99%である請求項1〜記載の光透過性積層シート。
  4. 軟質フッ素樹脂シートがカレンダー成形法により形成されたシートである請求項1〜記載の光透過性シート。
  5. 顔料が有機顔料、無機顔料または体質顔料である請求項1〜記載の軟質フッ素樹脂を含む光透過性積層シート。
  6. 顔料が、酸化チタンである請求項1〜記載の光透過性積層シート。
  7. 顔料が溶解または分散されたフッ素樹脂溶液を塗布されることにより合成繊維の表面を顔料で被覆したことを特徴とする請求項1〜記載の光透過性積層シート。
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