JP3544168B2 - 電子装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IEEE std 1149.1−1990 Standard Test Access Port and Boundary−Scan Architecture規格等に対応する中央演算処理装置によって制御される電子装置に関するものであって、特に、記憶素子に格納しているデータ(中央演算処理装置の動作プログラム、暗号キー、及び顧客識別子(ユーザIDコード)等を含む。)の不正改造防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、情報機器や家電機器をはじめとする電子装置の多くは、その制御の中心に中央演算処理装置(以下、CPUと言う)を用いているが、CPUを用いて電子装置を制御するためにはCPUを動作させるプログラムが必要不可欠である。CPUの種類によってはCPU内部にこのプログラムを格納できるものもあるが、主には電子装置の開発効率や製造効率及び保守の面でCPU外部に読み出し専用記憶素子(以下、ROMと言う)を設け、ROMにプログラムを格納している。
同様に、ROMに暗号キー(復号キーを含む。)又は顧客識別子等のデータを格納する場合もある。
ROMは不揮発性の記憶素子であって、特に記憶されている情報の書き換えが電気信号のみによって可能なもの(以下、EEPROMと言う。例えばフラッシュメモリ、及びELECTRICALLY ERASABLE AND PROGRAMMABLE ROM等を含む。)が主に用いられている。
「不揮発性の記憶素子」は、電源がなくても記憶の維持が可能な素子を意味する。
【0003】
EEPROMにデータ(CPUのプログラム、並びに顧客識別子及び復号化鍵等のコード等を含む。)を格納しておけば容易にデータの書き換えが可能となり製造効率等が向上でき、また電子装置の保守目的でデータ(CPUのプログラム等を含む。)の書き換えができると言う利点がある。反面、EEPROMの仕様は公になっているため、悪意の第三者によって不正にプロクラムの改造を行うこともでき電子装置の製造者を始め社会に対し不利益を生ずる可能性がある。
特に、CPUがIEEE1149規格に対応する素子である場合、外部装置を当該CPUに接続し、外部装置を通じてCPUの内部論理回路を直接制御してEEPROMのデータを書き換えることが出来る可能性がある。
【0004】
IEEE1149規格は、半導体装置(大規模集積回路装置及び中央演算装置を含む。)のテスト回路に関する規格である。IEEE1149規格に対応する素子(半導体装置)は、素子単体のテスト又は素子を含む回路ブロックのテスト(主として、故障の有無の判断及び故障個所の特定のためのテスト)のために、5個のテスト入出力端子(テストアクセスポート)を有する。
素子等のテストをする際には、例えば、外部装置を素子のテスト入力端子に接続し、外部装置から前記テスト入力端子にテスト用の入力信号を入力し、前記入力信号又は前記入力信号を処理した信号を素子の出力端子(通常の出力端子又はテスト出力端子)から出力させる。出力された信号と期待された信号とを比較することにより、素子等の故障の有無及び故障個所を診断出来る。
又、IEEE1149規格に対応するCPUのテスト入出力端子に外部装置を接続し、外部装置を通じてCPUの内部論理回路を直接制御してEEPROMにデータを書き込むことが出来る。
電子装置を製造する上で、この方法によるEEPROMへのデータ書き込み工程を導入することにより、市販されているPROMライターを使用してEEPROMにデータを書き込んでいた従来の方法よりも効率の良い電子装置の製造を実現できる。
【0005】
しかし、これを悪用して、市場でIEEE1149規格に対応するCPUのテスト入出力端子に外部装置を接続し、外部装置を通じてCPUの内部論理回路を直接制御してEEPROMにデータを書き換える不正な改造が行われる恐れがある。
例えば、衛星放送等において顧客ごとに固有のデータを付与する場合があり、受信装置等は、当該固有のデータを内蔵するEEPROMに記憶することが出来る。 固有のデータは、顧客識別子(個々の顧客ごとに付与する固有の識別コード、及び顧客が所有する受信装置ごとに付与する固有の識別コードを含む。)、復号鍵、及び暗証番号を含む。
CPUは、EEPROMに記憶した固有のデータ(例えば、顧客識別子)を用いて月々の視聴料を支払う。しかし、例えば、EEPROMに記録している固有のデータを他人の固有のデータに書き換えることにより、又はEEPROMに書き込まれているプログラムを書き換えることにより(例えば、実際の視聴時間と無関係に、視聴時間がゼロであると放送センターに連絡するプログラムを書き込む。)、視聴料の支払いを逃れようとする犯罪が発生する可能性がある。
【0006】
そこで、このような犯罪を防止するために、EEPROMのデータ(CPUのプログラム等を含む。)の不正な改造(書き換え)を防止する手段が要望される。
EEPROMのデータの不正改造を防止する手段を有する従来の電子装置を図6を用いて説明する。
図6に示す電子装置の用途は任意であるが、例えば、衛星放送の受信装置、携帯電話等である。図6には、EEPROMへのデータの書き込み又は読み出しに関するブロックのみを記載する。
【0007】
図6において、107は電子装置を制御するCPU、8はCPUのプログラム等のデータを格納しているEEPROM、101はプログラム書き換えのための外部装置(図示しない)を接続するための電気式あるいは光式のコネクタ、102はコネクタ101から入力された信号を入力するインターフェイス部である。105は、予め電子装置固有の暗証番号が記憶され、半田等で取り外しができないように実装され、かつ記憶データの書き換えが不可能な記憶素子(以下、パスワードROMと言う)である。104はコネクタ101及びインターフェイス部102を通して入力された暗証番号とパスワードROMに記憶された暗証番号を照合比較し、一致した場合のみプログラム書き換え許可信号を出力する照合回路である。103はEEPROM8の書き換え制御信号及びプログラムデータの通過を制御するゲート回路である。
【0008】
つぎにプログラムを書き換える動作について説明する。EEPROM8に格納されたプログラムの書き換えが必要になった場合、コネクタ101にプログラム書き換え装置(外部装置)を接続する。プログラム書き換え装置には暗証番号と新しいプログラム及びEEPROMを書き換えるために必要な制御命令が格納されている。まずプログラム書き換え装置よりプログラム書き換え開始命令が入力され、この命令によってCPU107等は通常の動作を停止しEEPROM8の記憶データの書き換えが可能な状態になる。
【0009】
つぎに照合回路104はインターフェイス部102を介してプログラム書き換え装置より入力された暗証番号と、パスワードROM105から読み出した暗証番号を照合する。この2つの暗証番号が完全に一致した場合に限り照合回路104はゲート回路103に対しプログラム書き換え許可信号を出力する。ゲート回路103はプログラム書き換え許可信号に従い、インターフェイス部102を介して入力されるEEPROM8の書き換え制御信号及びプログラムデータを通過させる。EEPROM8のプログラムの書き換えが行われる。プログラム書き換え動作が完了すると、プログラム書き換え装置はインターフェイス部102を介してCPU107に対して書き換え完了命令を出力する。CPU107はこの命令によって電子装置の初期化を実行した後、EEPROM8に格納された新たなプログラムに従い電子装置の制御を開始する。
【0010】
しかしながら近年、IEEE std 1149.1−1990 Standard Test Access Port and Boundary−Scan Architecture規格(以下、通称名称のJTAG規格と言う)対応のCPUが使われるようになってきている。CPUがJTAG規格対応素子であった場合、外部から直接CPUの内部論理回路を制御し、CPUを介してEEPROM8に格納されたプログラムを改造することが可能であるために、従来のプログラム不正改造防止システムでは改造防止が不十分である。
【0011】
JTAG対応素子のCPUを用いたシステムとJTAG対応素子の構造を図7と図8を用いて簡単に説明する。
図8はJTAG規格対応素子の構造を示す図であって、1はJTAG規格対応のCPU(以下、従来のCPUと区別するためにJ−CPUと言う)、2は素子本来の動作をつかさどる内部論理回路、3は通常の動作のための端子(一般的には、他の素子の端子等と接続される。)である。TDI(テストデータ入力ピン)、TMS(テストモード選択ピン)、TCK(テストクロック)、TDO(テストデータ出力ピン)及びTRST(パワーオン時のリセットピン)からなる端子7はTest Access Port(以下、TAPと言う)と呼ばれるJTAG規格に基づくテスト端子である(TRSTはオプションである。)。TAPは、外部装置とテスト回路を接続するためのインターフェイスである。
JTAG規格対応素子は内部にバイパスレジスタ及び命令レジスタ等からなるJTAGレジスタ5(オプションとして、内部スキャンレジスタ及びIDCODEレジスタを含むことが出来る。)と、JTAGレジスタ5を制御するTAPコントローラ6、及び各端子3と内部論理回路2の間に配置されたシフトレジスタであるセル4を備えている。
【0012】
セル4は、内部論理回路2の出力データ(J−CPU1の入力端子3を含む。)又は隣接するセル4から伝送されるテストデータを選択的に入力する。又、セル4の出力データは、内部論理回路2(J−CPU1の出力端子3を含む。)又は隣接するセル4に伝送される。
通常の動作時には(テストモードでないとき)、J−CPU1の入力端子3から入力された入力データは各セル4を通過してそのまま内部論理回路2に伝送され、内部論理回路2の出力データは、各セル4を通過してそのままJ−CPU1の出力端子3から出力される。
テストモードにおいては、入力端子から入力された入力データに代えて、TAP7から入力した信号をセル4を通じて内部論理回路2に伝送することが出来る。又、内部論理回路2の出力データに代えて、TAP7から入力した信号をセル4を通じて出力端子3から出力することが出来る。
TAPコントローラ6は、TMS端子から入力される入力シーケンスに従ってテスト回路全体の種々の動作を制御する。
【0013】
JTAG規格対応の素子はTAP7に接続した外部装置によってセル4を通過する各信号(端子3の各入出力信号)を監視したり、任意のデータを内部論理回路2に入力することができる。
例えば、外部装置から伝送されたテスト入力データをTDI端子に入力し、複数のセル4により構成されるシリアルシフトレジスタを直列駆動する(クロック信号はTCK端子に入力する。)。これにより、テスト入力データは各セル4に送られる。次に、各セル4の出力データを内部論理回路2(J−CPU1の出力端子3を含む。)に出力する。以上のようにテスト入力データを内部論理回路2(J−CPU1の出力端子3を含む。)に直接入力することが出来る。
同様に、内部論理回路2の出力データ(J−CPU1の入力端子3を含む。)をセル4にラッチして、複数のセル4により構成されるシリアルシフトレジスタを直列駆動し、TDO端子から前記出力データを出力することが出来る。
つまりJ−CPU1は外部装置を接続して最大5本の信号線を制御することにより、外部装置から直接J−CPU1の内部論理回路2を制御することが可能となる。これにより、J−CPU1等の素子又は電子装置のテストが容易になるという利点がある。
【0014】
図7はJ−CPU1を用いた電子装置のシステムを示す図であり、図7において9はJ−CPU1のTAP7を外部装置と接続するためのJTAGコネクタ、108はRAM(電子装置を動作させるために一時的に記憶する必要があるデータ等を記憶する読み書き可能な記憶素子)、110はJ−CPUとEEPROM8やRAM108等を接続する信号母線(以下、バスと言う)である。バス110には109で示すEEPROM8やRAM108以外の素子も複数接続することが可能である。また、実際の回路は他にも多数の電子部品を含むが、記載を省略している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
J−CPUを有する従来の電子装置は、J−CPUにJTAGデバッカと呼ばれる外部装置を接続することで外部よりJ−CPUの内部論理回路を直接制御でき、プログラム等のデータが格納されているEEPROMを含む全素子にアクセスできるため、開発効率の向上や製造段階での検査及びプログラムの書込み時間の短縮を図ることが出来るという利点があった。
しかしその反面、このJTAGデバッカを使用して第三者が不正に従来の電子装置のEEPROMのデータを書き換えることが出来るという問題があった。
本発明は、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現することを目的とする。
又、本発明は、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMのデータを市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、前記領域に取り付けられたコネクタとを備えた基板を有し、かつ前記領域を切り離した状態において前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに外部装置を接続して前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を前記基板から切り離す切り離しステップと、
を有することを特徴とする電子装置の製造方法である。
【0017】
本発明の電子装置の製造方法は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込み、その後、コネクタを含む領域を切り離す。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、コネクタを含む領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
例えば基板上の抵抗素子を取り外すことによりEEPROMへの書き込みを出来なくする方法も考えられるが、もし第3者がこのことを知れば、代わりの抵抗素子を半田付けすることにより容易にEEPROMへの書き込みを可能に出来るという問題がある。これに対して、基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
本発明は、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
【0018】
「電子装置」の種類、用途等は任意である。例えば、衛星放送等種々の放送の受信機、及び携帯電話等の家庭用の電子機器の他、コピー機等の業務用の電子機器も含む。
「切り離し可能な領域」とは、任意の方法により基板から分離可能な領域の意味である。例えば、基板の一面又は両面にV字型の溝を掘り、外部から力を加えることにより当該溝のところで当該領域を切り離すことが出来る基板である。又、例えば、切り離す領域の境界線に沿って多くの貫通穴等を設け、境界線に沿って当該領域を切り離すことが出来る基板である。
又、例えば、シアにより切り離し可能な領域を境界線に沿って切断することも含む。この場合は、境界線上に部品がないこと、境界線に沿って切断した後にも、前記基板が正常に動作すること等が、「切り離し可能」である条件である。
【0019】
「中央演算処理装置の内部回路を直接制御して」とは、CPUを通常のプログラム(ソフトウエア)動作以外の方法で制御することを意味する。例えば、JTAG規格に対応するJ−CPUをTAPを通じて直接制御することである。
又、スキャンデザイン回路を具備するCPUを、当該スキャンデザイン回路を通じて直接制御することを含む。
又、クロスチェック回路をを具備するCPUを、当該クロスチェック回路(プローブ線ドライバ及びセンス線レシーバ)を通じて直接制御することを含む。
例えば、通常のソフトウエアにより動作しているCPUと外部装置との間でハンドシェイク等の方法によりデータを伝送する方法は、含まれない。
「前記領域を切り離した状態において前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない」とは、例えば、切り離されたコネクタ以外のコネクタを利用することによって、中央演算処理装置の内部回路を直接制御することが出来ないことを含む。
「データ」は、中央演算処理装置の動作プログラム、暗号キー、顧客識別子(ユーザIDコード)、及び暗証番号等を含む。
【0020】
本発明の請求項4に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有し、かつ前記領域を切り離した状態において、前記検出装置の出力信号に基づいて前記中継装置が前記コネクタの端子と前記中央演算処理装置の端子とを接続する少なくとも1本の接続線を遮断している故に前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに外部装置を接続して前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を切り離す切り離しステップと、
を有することを特徴とする電子装置の製造方法である。
【0021】
本発明の電子装置の製造方法は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込み、その後、領域を切り離す。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、前記領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
本発明は、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
【0022】
中継装置は、例えばJTAG対応のCPUのTDI端子とコネクタの端子とを接続する接続線を遮断している故に、JTAGデバッガ等の外部装置をコネクタに接続し、前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない。
【0023】
本発明の請求項6に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有し、かつ、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データをスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記検出装置の出力信号に基づいて、前記スクランブル装置が前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない、
電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データをスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を切り離す切り離しステップと、
を有する、ことを特徴とする電子装置の製造方法である。
【0024】
本発明の電子装置の製造方法は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込み、その後、領域を切り離すことにより、EEPROMの書き換えを出来なくする。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
第3者はスクランブルの方法が分からないため、EEPROMを取り外して、PROMライター等を使用してデータを書き換える方法によって、電子装置を不法に改造することが出来ない。
本発明は、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
【0025】
「記憶素子にデータを書き込むことが出来ない」ようにする方法は任意である。例えば、J−CPUとEEPROMとを接続する線を遮断する。全ての線を遮断してもよく、又は例えばライトストローブ信号の線だけを遮断してもよい。又、EEPROMのチップセレクト端子をディスエーブルにしてもよい。
【0026】
本発明の請求項10に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有し、かつ、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記検出装置の出力信号に基づいて、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来る、
電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を切り離す切り離しステップと、
を有する、ことを特徴とする電子装置の製造方法である。
【0027】
本発明の電子装置の製造方法は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込み、その後、領域を切り離すことにより、EEPROMの書き換えを困難にする。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を第1のスクランブルパターンでスクランブルして書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを困難にする。
【0028】
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
第3者が市場にある製品に外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、外部装置から入力したデータを記憶素子に書き込んだ場合にも、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む。当該スクランブル装置は記憶素子からデータを読み出して第1のスクランブルパターンでデスクランブルするため、不正書き換えしたデータにより電子装置は動作しない。
【0029】
好ましくは、秘密の操作を行うことにより(例えば、第2の領域を基板から切り離すこと、又は特定の抵抗素子を外すこと等)、スクランブル装置が第2のスクランブルパターンによりデスクランブルするようになる。
何らかの理由によりEEPROMのデータを書き換える必要が発生した場合に、製品に外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、外部装置から入力したデータを記憶素子に書き込むことが出来る。データは第2のスクランブルパターンでスクランブルされて記憶素子に書き込まれるが、秘密の操作を行うことにより、スクランブル装置が第2のスクランブルパターンによりデスクランブルするようになり、電子装置は正常に動作する。本発明は、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さい電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
又、本発明は、製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータを後で書き換えることが出来る電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
【0030】
本発明の請求項15に記載の発明は、
前記中央演算処理装置はIEEE1149規格に対応した素子である、ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかの請求項に記載の電子装置の製造方法である。
【0031】
IEEE1149規格に対応した素子は、外部装置をTAPに接続することにより、CPUの内部論理回路を直接制御することが出来る。
本発明は、IEEE1149規格に対応した回路を利用して効率良くデータをEEPROMに記録し、効率の良い電子装置の製造方法を実現するとともに、製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
【0032】
IEEE1149規格とは、IEEE std 1149.1−1990 Standard Test Access Port and Boundary−Scan Architecture及びその改訂規格(将来の改訂を含む。)を意味する。
【0033】
本発明の請求項16に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、前記領域にコネクタとを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込むことが出来、かつ
前記領域を切り離した状態において、前記中央演算処理装置を制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置である。
【0034】
本発明の電子装置は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、かつその後コネクタを含む領域を切り離すことにより、EEPROMのデータの書き換えを防止できる電子装置である。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、コネクタを含む領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
本発明は、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現するという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項17に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込むことが出来、かつ
前記領域を切り離した状態において、前記検出装置の出力信号に基づいて前記中継装置は前記コネクタの端子と前記中央演算処理装置の端子とを接続する少なくとも1本の接続を遮断している故に前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置である。
【0036】
本発明の電子装置は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、かつその後領域を切り離すことにより、EEPROMのデータの書き換えを防止できる電子装置である。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、前記領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくすることが出来る。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
本発明は、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現するという作用を有する。
【0037】
本発明の請求項18に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データをスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記検出装置の出力信号に基づいて前記スクランブル装置が前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置である。
【0038】
本発明の電子装置は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、かつその後領域を切り離すことにより、EEPROMのデータの書き換えを防止できる電子装置である。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
本発明は、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMのデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現するという作用を有する。
【0039】
本発明の請求項19に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第1のスクランブルパターン又は前記第1のスクランブルパターンと異なるスクランブルパターンである第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来る、
ことを特徴とする電子装置である。
【0040】
本発明の電子装置は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、かつその後領域を切り離すことにより、EEPROMのデータの書き換えを防止できる電子装置である。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を第1のスクランブルパターンでスクランブルして書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
【0041】
「前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第1のスクランブルパターン又は第2のスクランブルパターンでデスクランブルし」とは、第1のスクランブルパターンでデスクランブルする電子装置(第2のスクランブルパターンでデスクランブル出来ない。)、第2のスクランブルパターンでデスクランブルする装置(第1のスクランブルパターンでデスクランブル出来ない。)、及び第1のスクランブルパターン及び第2のスクランブルパターンのうちの顧客が選択したスクランブルパターンでデスクランブルする電子装置を含む。
【0042】
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第1のスクランブルパターンでデスクランブルする本発明の電子装置は、下記の作用を有する。
工場で効率よくEEPROMにデータを書き込んで製造された電子装置を、前記領域を切り離して出荷する。第1のスクランブルパターンでスクランブルされているEEPROMのデータは、第1のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、電子装置は正常に動作する。
【0043】
第3者が市場にある製品に外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、外部装置から入力したデータを記憶素子に書き込んだ場合には、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む。当該スクランブル装置は記憶素子からデータを読み出して第1のスクランブルパターンでデスクランブルするため、不正書き換えしたデータにより電子装置は動作しない。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
これにより、本発明は、EEPROMのデータの書き換えが困難な電子装置を実現するという作用を有する。
【0044】
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第2のスクランブルパターンでデスクランブルする本発明の電子装置は、下記の作用を有する。
工場で効率よくEEPROMにデータを書き込んで製造された電子装置を、前記領域を切り離すことなく出荷する。第1のスクランブルパターンでスクランブルされているEEPROMのデータは、第1のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、電子装置は正常に動作する。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
EEPROMのデータは、何度でも書き換えることが出来る。第1のスクランブルパターンでスクランブルされたデータがEEPROMに書き込まれ、EEPROMから読み出されたデータが第1のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、例えば、視聴者の毎月の視聴記録等のデータを記録することが出来る。
【0045】
もし、第1のスクランブルパターンが第3者に漏洩し、EEPROMが不正に書き換えられた(EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて不正なデータを直接EEPROMに書き込む場合を想定する。)場合には、前記領域を切り離す。これにより、スクランブルパターンが第1のスクランブルパターンから第2のスクランブルパターンに変更される。電子装置は前記領域を切り離す前と変わらない機能を有し、かつ第3者に対する秘密を回復することが出来る。
即ち、EEPROMのデータは、何度でも書き換えることが出来る。第2のスクランブルパターンでスクランブルされたデータがEEPROMに書き込まれ、EEPROMから読み出されたデータが第2のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、例えば、視聴者の毎月の視聴記録等のデータを記録することが出来る。
又、第3者は、第2のスクランブルパターンを知らない。
これにより、本発明は、EEPROMのデータの書き換えが困難な電子装置を実現するという作用を有する。
【0046】
本発明の請求項20に記載の発明は、
切り離し可能な第1の領域及び第2の領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、スクランブル装置と、前記第1の領域が切り離されているか否かを検出する検出装置と、前記第2の領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記第1の領域及び前記第2の領域のいずれの領域も切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記第1の領域を切り離しかつ前記第2の領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第1のスクランブルパターンと異なるスクランブルパターンである第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記第1の領域及び前記第2の領域を共に切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに接続した前記外部装置を通じて前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記スクランブル装置を介して前記記憶素子に書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置である。
【0047】
本発明は、第1の領域及び第2の領域の切り離し状態に応じてスクランブル装置のスクランブルパターン及びデスクランブルパターンのモードを切替えることが出来、かつEEPROMへの書き換え可能回数を制限することが出来る電子装置を実現するという作用を有する。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
これにより、本発明は、EEPROMのデータの書き換えが困難な電子装置を実現するという作用を有する。
【0048】
工場で効率よくEEPROMにデータを書き込んで製造された電子装置を、第1の領域を切り離して出荷する。第1のスクランブルパターンでスクランブルされているEEPROMのデータは、第1のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、電子装置は正常に動作する。
第3者が市場にある製品に外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、外部装置から入力したデータを記憶素子に書き込んだ場合にも、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む。当該スクランブル装置は記憶素子からデータを読み出して第1のスクランブルパターンでデスクランブルするため、不正書き換えしたデータにより電子装置は動作しない。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
【0049】
又、EEPROMのデータを書き換える必要が発生した場合には、外部装置をコネクタに接続し、外部装置によりCPUの内部論理回路を直接制御し、EEPROMにデータを書き込む。データは第2のスクランブルパターンでスクランブルされる。そこで、基板の第2の領域を切り離す。これにより、EEPROMのデータは第2のスクランブルパターンでデスクランブルされるため、電子機器は正常に動作する。
なお、第2の領域を切り離した場合にスクランブル装置が第2のスクランブルパターンでデスクランブルすることは、秘密にしておくことが好ましい。
従って、本発明の電子装置は、2回、外部装置によりCPUの内部論理回路を直接制御し、EEPROMにデータを書き込むことが出来る。
【0050】
本発明の請求項21に記載の発明は、
前記中央演算処理装置はIEEE1149規格に対応した素子である、ことを特徴とする請求項16から請求項20のいずれかの請求項に記載の電子装置である。
【0051】
IEEE1149規格に対応した素子は、外部装置をTAPに接続することにより、CPUの内部論理回路を直接制御することが出来る。
本発明は、IEEE1149規格に対応した回路を利用して効率の良く製造できる電子装置を実現し、かつEEPROMのデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現するという作用を有する。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施例について図面とともに記載する。
《実施例1》
本発明の第1の実施例を図1を用いて説明する。
図1は、第1の実施例の電子装置におけるJ−CPU1及びEEPROMを含むブロックを示す。電子装置の用途及び種類等は任意であるが、第1の実施例の電子装置は、衛星放送の受信機である。
なお、従来の技術で説明したものと実質的に同じ素子及び部品等については同一の符号を用いる。
図1において、1は従来の技術で図8を用いて説明したJTAG規格対応素子の構造のCPU(J−CPU)、8は電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子であってプログラム格納用の記憶素子であるEEPROM、9はJ−CPU1の内部論理回路を直接制御するための外部装置であるJTAGデバッカ(図示していない。)を接続するためのJTAGコネクタ、10はJ−CPU1やEEPROM8をはじめ多数の電子部品が実装されている基板で少なくとも4層以上の多層基板、13は基板10の切り離しが容易にできるように設けられたVカットである。
【0053】
図1においてVカット13より左側のJTAGコネクタ9が設けられた領域が切り離し可能な領域を示す。J−CPU1は複数の端子3を備えており、基板10に半田付けされている。複数の端子3のうち7はTest Access Port(TAP)とよばれるJTAG規格対応素子特有の端子であり、TDI、TDO、TMS、TCK、TRSTの5個の端子からなる。
しかし図1の回路構成に限定されるものではなく、JTAG規格ではTRSTはオプションとなっているために、7はTDI、TDO、TMS及びTCKの4個の端子からなる場合もある。
【0054】
11はJTAGコネクタ9とTAP端子7を接続する5本又は4本の接続線である。接続線11は、基板10の内層14に形成されている。12はJ−CPU1とEEPROM8等とを接続するアドレスバス及びデータバスである。アドレスバス及びデータバス12は、又、J−CPU1と他の素子(例えば、シリアルポートLSI等の周辺素子)とを接続している。
なお、JTAGコネクタ9は、一般的にはTAPへの接続線全て(4本又は5本)を含むが、TDIのみ又はTCKのみのようにJTAG回路を動作させるために不可欠な信号(特に、EEPROMにデータを書き込むために不可欠な信号)のみの接続線を含む場合もある。
【0055】
J−CPU1のチップは基板10に実装された状態(半田付け等された状態)では外部から端子3に接触できないBall Grid Array(BGA)パッケージに封じされている。BGAパッケージの素子の端子は、図1のように全てBGAパッケージと基板との接触面内に存在するため、素子を基板に取り付けた状態(素子は基板に密着しており、素子と基板の間の隙間はほとんどない。)では端子が外部から見えない。そのため、例えば、図1のJ−CPU1の端子に線材を半田付けして、当該線材を通じてJ−CPU1に信号を入力したりすることは出来ない。
【0056】
電子装置を以下の手順で製造する。
(1)切り離し可能な領域を切り離していない状態において、基板に実装されたEEPROM8にプログラムを書き込む。プロクラム書き込みはJTAGコネクタ9にJTAGデバッカを接続し、JTAGデバッカから接続線11を介してJ−CPU1の制御命令とプログラムをJ−CPU1に送る。J−CPU1は制御命令に従い送られたプログラムを、バス12を介してEEPROM8に書き込む。
例えば、TDI端子にデータを入力し、TCK端子にクロック信号を入力して、データをセル4に伝送する(シフトレジスタのシリアル伝送)。次に、EEPROM8を制御するJ−CPU1の端子3(例えば、EEPROM8の複数のアドレス端子、複数のデータ端子、ライトストローブ端子及びイネーブル端子(又はチップセレクト端子)である。)から、セル4のデータを出力する。出力されたデータはEEPROM8に入力される。これを逐次繰り返すことにより、EEPROMにデータを書き込むことが出来る。
この一連の書き込み動作はJTAGデバッカを用いてJ−CPU1の内部論理回路を直接制御できるため実現できる。
(2)プログラム書き込み完了後Vカット13で基板10の切り離し可能な領域を切り離す。切り離し可能な領域を切り離した後、完成した電子装置を市場に出荷する。
【0057】
切り離し可能な領域を切り離した後はJ−CPU1のTAP7に繋がったJTAGコネクタ9がないため、JTAGデバッカを接続できない。これにより、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路を直接制御してEEPROM8にプログラムを書き込むことができなくなり、第3者が不正にEEPROMのプログラムを改造することを防止できる。
【0058】
また、接続線11(JTAG信号が通る。)が基板10の表層に形成されていれば、接続線11を覆っている保護層を削り取ることにより接続線11を露出させることができる。露出させた接続線11に線材を直接半田付けし、線材の他端をJTAGデバッカに接続することにより、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路2を直接制御してプログラムの改造か可能になる。
第1の実施例の電子装置は、接続線11が基板10の内層に形成されているため、接続線11にJTAGデバッカを直接接続することが出来ない。従って、領域を切り離した後は、プログラムを改造することが出来ない。
5本又は4本の接続線11全てが基板10の内層に形成されていても良く、例えば、TDIの接続線のみ又はTCKの接続線のみが基板10の内層に形成されていてもよい。
【0059】
J−CPU1のチップが例えばQuad Flat Package(QFP)のように基板10に実装された後も端子3に外部より接触可能なパッケージに封じされていれば、端子3に直接JTAGデバッカを接続できるため、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路2を直接制御してプログラムの改造をすることが可能になる。
第1の実施例においては、J−CPU1のチップがBGAパッケージに封じされており、TAP7にJTAGデバッカを直接接続してプログラムを改造することが出来ない。
【0060】
第1の実施例の変形においては、J−CPU1のチップは外部から接触できるパッケージ(例えばQFP)に封じされているが、J−CPU1を実装後少なくともTAP7が樹脂封じされている(例えば、TAP7の端子の上に除去が困難な樹脂を塗布し、樹脂を固化させる。)。J−CPU1は基板に実装された状態において、その端子が外部より接触できないように封じされる。従って、このような方法によっても、同様の効果が得られる。
明細書及び特許請求の範囲の記載における「基板に実装された状態において端子が外部より接触できないように封じされている」とは、半導体装置のチップがBGAパッケージ等に封じされている場合、及び半導体装置を基板に実装後その端子を樹脂で覆う等の方法により封じする場合を含む。
【0061】
《実施例2》
本発明の第2の実施例を図2及び図3を用いて説明する。
図2は、第2の実施例の電子装置におけるJ−CPU1及びEEPROM8を含むブロックを示す。電子装置の用途及び種類等は任意であるが、第2の実施例の電子装置は、携帯情報端末である。
なお、従来の技術又は第1の実施例で説明したものと実質的に同じ素子及び部品については同一の符号を用い、説明を省略する。
図2において、15はJTAGコネクタ9とJ−CPU1間の信号を中継する第1の中継装置、16は基板10の切り離し可能な領域が切り離されているか否かを検出するために切り離し可能な領域まで引き出された切り離し監視線である。領域が切り離されているか否かを検出する検出装置は、切り離し監視線16を含む。切り離し監視線16は、基板10の内層に形成されている。
【0062】
図3を用いて、切り離し監視線16を含む検出装置が基板10の切り離し可能な領域が切り離されているか否かを検出する方法を説明する。切り離し監視線16の一端は基板10の切り離し可能な領域でグラウンドに接続され、他方は中継装置15に接続され、中継装置15内部で電圧検出部と、抵抗を介して電源に接続されている。検出装置は、切り離し監視線、抵抗及び電圧検出部等を含む。
切り離し可能な領域が切り離されていない場合は切り離し監視線16の電圧はグラウンドと等しくなり(0V)、切り離された後は電源電圧(例えば+5V)と等しくなる。中継装置15内部の電圧検出部はこの切り離し監視線16の電圧を検出する。
切り離し監視線16の電圧が0Vであることを電圧検出部が検出した場合は、中継装置15は接続線11(JTAGコネクタ9とJ−CPU1のTAP7とを接続する接続線で、JTAG信号が通る。)を接続する。外部装置(JTAGデバッガ)をJTAGコネクタ9に接続し、外部装置からJ−CPU1にJTAG信号を伝送し、J−CPU1の内部論理回路を直接制御してEEPROM8にデータ(プログラム)を書き込むことが出来る。
切り離し監視線16の電圧が5Vの場合は、中継装置15は接続線11を遮断する。外部装置からJ−CPU1にJTAG信号を伝送出来ない。そのため、EEPROMのデータを書き換えることが出来ない。
中継装置15は接続線11を全て(4本又は5本)遮断してもよく、TDIのみ、又はTCKのみ遮断してもよい。
【0063】
電子装置を以下の手順で製造する。
(1)切り離し可能な領域を切り離していない状態において、基板に実装されたEEPROM8にプログラムを書き込む。プロクラム書き込みはJTAGコネクタ9にJTAGデバッカを接続し、JTAGデバッカから接続線11及び中継装置15を介してJ−CPU1の制御命令とプログラムをJ−CPU1に送る。J−CPU1は制御命令に従って、送られたプログラムをバス12を介してEEPROM8に書き込む。この一連の書き込み動作はJTAGデバッカを用いてJ−CPU1の内部論理回路を直接制御できるため実現できる。
(2)プログラム書き込み完了後Vカット13で基板10の切り離し可能な領域を切り離す。切り離し可能な領域を切り離した後、完成した電子装置を市場に出荷する。
【0064】
切り離し可能な領域を切り離した後は中継装置15が接続線11を遮断するため、JTAGデバッカによりJ−CPU1の内部論理回路を直接制御してEEPROM8にプログラムを書き込むことができない。これにより、第3者が不正にEEPROMのプログラムを改造することを防止できる。
【0065】
もし、切り離し監視線16が基板10の表層に形成されていれば、基板10の切り離し可能な領域が切り離された後、切り離し監視線16を覆っている保護層を削り取ることにより切り離し監視線16を露出させることができる。露出させた切り離し監視線16に線材を直接半田付けし、線材の他端をグラウンドに接続するという不正な改造を行うことにより、中継装置15が接続線11を接続する。これにより、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路2を直接制御してプログラムの改造をすることが可能になる。
第1の実施例の電子装置は、切り離し監視線16が基板10の内層に形成されているため、上記のような不正な改造が出来ない。従って、領域を切り離した後は、プログラムを改造することが出来ない。
同様に、中継装置15とJ−CPU1との間の接続線11も基板10の内層14に形成されているために、中継装置15とJ−CPU1との間の接続線11に直接JTAGデバッカを接続することができない。これにより、プログラムの改造を防止できる。
【0066】
さらに、J−CPU1及び中継装置15のチップがBGAパッケージに封じされているため、これらの素子を基板に実装後はそれらの端子3に外部から接触できない。従って、J−CPU1または中継装置15のJTAG信号線の端子に直接JTAGデバッカを接続してプログラムを改造することが出来ない。
他の実施例においては、J−CPU1及び中継装置15のチップは外部から接触できるパッケージ(例えばQFP)に封じされているが、J−CPU1及び中継装置15を実装後少なくともJTAG信号線の端子を樹脂封じする(例えば、TAP7の端子の上に除去が困難な樹脂を塗布し、樹脂を固化させる。)。J−CPU1及び中継装置15は基板に実装された状態において、その端子が外部より接触できないように封じされる。従って、このような方法によっても、同様の効果が得られる。
【0067】
《実施例3》
本発明の第3の実施例を図4を用いて説明する。
図4は、第3の実施例の電子装置におけるJ−CPU1及びEEPROMを含むブロックを示す。電子装置の用途及び種類等は任意であるが、第3の実施例の電子装置は、複写機である。
なお、従来の技術、第1の実施例又は第2の実施例で説明したものと実質的に同じ素子及び部品については同一の符号を用い、説明を省略する。
図4において、19は検出装置と中継装置を有する第2の中継装置である。検出装置は、基板10の切り離し可能な領域が切り離されているか否かを検出し、検出結果を第2の中継装置19が有する中継装置及びスクランブル装置17に伝送する。第2の中継装置19が有する中継装置は、検出装置の検出結果に従ってJTAGコネクタ9とJ−CPU1間の接続線11(JTAGコネクタ9とJ−CPU1のTAPとを接続する接続線で、JTAG信号が通る。)を接続もしくは遮断する。
17はJ−CPU1からEEPROM8に伝送されるデータをスクランブルし、かつEEPROM8からJ−CPU1に伝送されるデータをデスクランブルする第1のスクランブル装置である。12aはデータバス、12bはアドレスバス、12cはスクランブルが施されたデータバスで、18は少なくとも第2の中継装置19とスクランブル装置17を含む第1の半導体装置である。
【0068】
第2の中継装置19の機能は、検出結果をスクランブル装置17に伝送することを除いて、第2の実施例の中継装置15と同様である。
検出装置は、図3に示す第2の実施例と同じである。従って、切り離し可能な領域が切り離されていない場合は、切り離し監視線16はグラウンドに接地されており、切り離し監視線16の電圧は0Vである。切り離し可能な領域が切り離された場合は、切り離し監視線16の電圧は電源電圧(例えば+5V)である。基板10の切り離し可能な領域が切り離されていない場合には、検出装置は基板10の切り離し可能な領域が切り離されていないことを切り離し監視線16によって検出し、第2の中継装置19に含まれる中継装置及びスクランブル装置17に前記領域が切り離されていないことを示す検出信号(以下、第1の検出信号という。)を伝送する。第2の中継装置19に含まれる中継装置は、JTAGコネクタ9とJ−CPU1間の接続線11を接続する。
スクランブル装置が第1の検出信号を入力する場合には、スクランブル装置17は、J−CPU1が出力するデータを入力し、入力したデータを秘密のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルされたデータを出力する。スクランブルされたデータは、EEPROMに書き込まれる。また、検出装置が第1の検出信号を出力しているか、又は前記領域が切り離されていることを示す検出信号(以下、第2の検出信号という。)を出力しているかにかかわらず、スクランブル装置17は、EEPROM8から読み出したデータを入力し、入力したデータを秘密の前記スクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルされたデータをJ−CPU1に伝送する。
【0069】
基板10の切り離し可能な領域が切り離されている場合には、検出装置はスクランブル装置17に対し第2の検出信号を伝送する。
スクランブル装置17が第2の検出信号を入力する場合には、スクランブル装置17はEEPROM8へのデータの書き込みを行わない。具体的には、例えば、スクランブル装置17がJ−CPU1とEEPROM8との全ての接続線を遮断すること、又はJ−CPU1からEEPROM8に伝送するライトストローブ信号を遮断すること、又はEEPROM8のイネーブル端子(又はチップセレクト端子)をディスエーブルにする等により、EEPROM8へのデータ書き込みが禁止される。
【0070】
電子装置を以下の手順で製造する。
(1)切り離し可能な領域を切り離していない状態において、基板に実装されたEEPROM8にプログラムを書き込む。プロクラム書き込みはJTAGコネクタ9にJTAGデバッカを接続し、JTAGデバッカから接続線11及び第2の中継装置19を介してJ−CPU1の制御命令とプログラムをJ−CPU1に送る。J−CPU1は制御命令に従って、送られたプログラムをバス12a及び12bを介してスクランブル装置17に伝送する。スクランブル装置17はプログラムをスクランブルする。スクランブルされたプログラムは、EEPROM8に書き込まれる。この一連の書き込み動作はJTAGデバッカを用いてJ−CPU1の内部論理回路を直接制御できるため実現できる。
(2)プログラム書き込み完了後Vカットで基板の切り離し可能な領域を切り離す。切り離し可能な領域を切り離した後、完成した電子装置を市場に出荷する。
【0071】
切り離し可能な領域を切り離した後は、中継装置19が接続線11を遮断しかつスクランブル装置17がデータをEEPROM8に書き込まないため、JTAGデバッカによりJ−CPU1の内部論理回路を直接制御してEEPROM8にプログラムを書き込むことができない(接続線11の遮断のみでもよく、又はEEPROM8への書き込み禁止のみでもよい。)。これにより、第3者が不正にEEPROMのプログラムを改造することを防止できる。
【0072】
また、第3の実施例においては、中継装置19とスクランブル装置17が電子装置の動作上不可欠な他の回路とともに、一体的に半導体装置18内部で構成されている。もし、半導体装置18を基板10から取り外し、中継装置19とスクランブル装置17をバイパスし、JTAGコネクタ9の各端子とJ−CPU1のTAPとを線材によって直接接続し、かつJ−CPU1とEEPROM8間のデータバス12aを線材によって直接接続した場合には、JTAGデバッカを使用してEEPROMのプロクラムを書き換えることが出来る可能性があるが、半導体装置18が取り外されているため電子装置の動作上不可欠な他の回路がなく、電子装置は動作しない。
動作上不可欠な他の回路は任意であり、実際の装置の内部構成に依存して不可欠であるか否かが決まるが、例えばRAM、拡張入出力端子、シリアル入出力装置等である。
【0073】
EEPROM8を基板から取り外し、EEPROM8のプログラムをPROMライター等を用いて書き換え、プログラムを書き換えたEEPROM8を再び基板に取り付けるという不正な改造が行われる可能性がある。しかし、第3者はスクランブル装置17のスプランブルパターンを知らないため、第3者は、秘密のスクランブルパターンでスクランブルされたプログラムをEEPROM8に書き込むことが出来ない。従って、スクランブルされていないデータ等をEEPROMに書き込むことによって不正な改造を行っても、電子装置は動作しない。
【0074】
さらに、J−CPU1及び半導体装置18のチップがBGAパッケージに封じされているため、これらの素子を基板に実装後はそれらの端子に外部から接触できない。従って、J−CPU1又は半導体装置18のJTAG信号線の端子に直接JTAGデバッカを接続等してプログラムを改造することが出来ない。
他の実施例においては、J−CPU1及び半導体装置18のチップは外部から接触できるパッケージ(例えばQFP)に封じされているが、J−CPU1及び半導体装置18を実装後少なくともJTAG信号線の端子及びJ−CPU1からEEPROM8に伝送されるライトストローブ信号の端子を樹脂封じする(例えば、端子の上に除去が困難な樹脂を塗布し、樹脂を固化させる。)。J−CPU1及び半導体装置18は基板に実装された状態において、その端子が外部より接触できないように封じされる。従って、このような方法によっても、同様の効果が得られる。
【0075】
もし、切り離し監視線16が基板10の表層に形成されていれば、基板10の切り離し可能な領域が切り離された後、切り離し監視線16を覆っている保護層を削り取ることにより切り離し監視線16を露出させることができる。露出させた切り離し監視線16に線材を直接半田付けし、線材の他端をグラウンドに接続するという不正な改造を行うことにより、第2の中継装置19の検出装置は第1の検出信号を出力する。これにより、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路2を直接制御してプログラムの改造をすることが可能になる。
第3の実施例の電子装置は、切り離し監視線16が基板10の内層に形成されているため、上記のような不正な改造が出来ない。従って、領域を切り離した後は、プログラムを改造することが出来ない。
同様に、第2の中継装置19とJ−CPU1との間の接続線11も基板10の内層14に形成されているために、第2の中継装置19とJ−CPU1との間の接続線11に直接JTAGデバッカを接続することができない。
これにより、プログラムの改造を防止できる。
【0076】
《実施例4》
本発明の第4の実施例を図5を用いて説明する。
図5は、第4の実施例の電子装置におけるJ−CPU1及びEEPROMを含むブロックを示す。電子装置の用途及び種類等は任意であるが、第4の実施例の電子装置は、セットトップボックスである。
なお、従来の技術、第1の実施例、第2の実施例又は第3の実施例で説明したものと実質的に同じ素子及び部品については同一の符号を用い、説明を省略する。
図5において、基板10は第1の切り離し可能な領域と第2の切り離し可能な領域を有する。16a及び16bはそれぞれ基板10の第1の切り離し可能な領域及び第2の切り離し可能な領域が切り離されているか否かを検出する監視線である。図3の監視線(第2の実施例)と同様に、監視線16aは基板10の第1の切り離し可能な領域内でグラウンドに接続されており、監視線16bは基板10の第2の切り離し可能な領域内でグラウンドに接続されている。
【0077】
22は切り離し監視線16aを用いて、基板10の第1の切り離し領域が切り離されているか否かを検出する第1の検出装置、23は切り離し監視線16bを用いて、基板10の第2の切り離し領域が切り離されているか否かを検出する第2の検出装置である。第1の検出装置及び第2の検出装置は、図3(第2の実施例)と同様の構成をしており、電源(+5V)と第1の監視線又は第2の監視線との間に接続された抵抗と電圧検出部を含む。
20は2種類のスクランブルパターンと2種類のデスクランブルパターンを有する第2のスクランブル装置である。21は少なくとも第1の検出装置22と第2の検出装置23と第2のスクランブル装置20とを含む第2の半導体装置である。
【0078】
第1及び第2の切り離し可能な領域がともに切り離されていない場合について説明する。
第1の検出装置22及び第2の検出装置23が、切り離し監視線16a及び16bがグラウンドに接続されていることをそれぞれ検出し、検出結果を第2のスクランブル装置20に伝送する。第2のスクランブル装置20はスクランブルパターンを第1のスクランブルパターンに設定し、デスクランブルパターンを第1のデスクランブルパターンに設定する。
外部装置(例えばJTAGデバッガ)をJTAGコネクタ9に接続し、外部装置によりJ−CPU1の内部論理回路を直接駆動し、EEPROM8にプログラムを書き込む場合には、スクランブル装置20はJ−CPU1が出力するデータを入力し、入力したデータを第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータをEEPROM8に書き込む。
スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを入力し、入力したデータを第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
【0079】
つぎに第1の切り離し可能な領域が切り離されており、かつ第2の切り離し可能な領域が切り離されていない場合について説明する。
切り離し監視線16aの電圧が+5V(第1の領域が切り離されている状態)であることを第1の検出装置22が検出し、切り離し監視線16bの電圧が0V(第2の領域が切り離されていない状態)であることを第2の検出装置23が検出し、それぞれの検出結果が第2のスクランブル装置20に伝送される。第2のスクランブル装置20はスクランブルパターンを第2のスクランブルパターンに設定し、デスクランブルパターンを第1のデスクランブルパターンに設定する。外部装置(例えばJTAGデバッガ)をJTAGコネクタ9に接続し、外部装置によりJ−CPU1の内部論理回路を直接駆動し、EEPROM8にプログラムを書き込む場合には、スクランブル装置20はJ−CPU1が出力するデータを入力し、入力したデータを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータをEEPROM8に書き込む。
スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを入力し、入力したデータを第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
【0080】
つぎに第1及び第2の切り離し可能な領域が切り離されている場合について説明する。
切り離し監視線16a及び16bの電圧がともに+5V(領域が切り離されている状態)であることを第1の検出装置22及び第2の検出装置23が検出する。それぞれの検出結果が第2のスクランブル装置20に伝送される。第2のスクランブル装置20はEEPROM8への書き込みデータ及びEEPROM8へのライトストローブ信号が通る経路を遮断し、デスクランブルパターンを第2のデスクランブルパターンに設定する。
従って、外部装置(例えばJTAGデバッガ)をJTAGコネクタ9に接続し、外部装置によりJ−CPU1の内部論理回路を直接駆動しても、EEPROM8にデータを書き込むことが出来ない。
スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを入力し、入力したデータを第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
【0081】
すなわち、第1及び第2の切り離し可能な領域がともに切り離されていない場合は、JTAGコネクタ9に接続したJTAGデバッカより接続線11を介してJ−CPU1に送られたEEPROM8のプログラムはデータバス12aで第2のスクランブル装置20に入力され、第1のスクランブルパターンでスクランブルされ、データバス12cでEEPROM8に書き込まれる。EEPROM8から読み出されたデータはデータバス12cで第2のスクランブル装置20に入力され、第1のデスクランブルパターンに従いデスクランブルされ、データバス12aでスクランブルされていないデータがJ−CPU1に入力される。そのため、この場合には無制限の回数、プログラム改造が可能である。
【0082】
第1の切り離し可能な領域のみが切り離された状態でプログラムの書き換えを実行すると、第2のスクランブルパターンに従ってスクランブルされたデータがEEPROM8に書き込まれるため、EEPROM8から読み出したデータにはスクランブル装置20で第2のデスクランブルパターンに従ったデスクランブルを施す必要があり、このため第2の切り離し可能な領域を折り取らなければならない。第2の切り離し可能な領域を切り離すと第2のスクランブル装置20はEEPROM8への書き込みを禁止するために、その後はEEPROM8のデータを書き換えることが出来ない。
第4の実施例の電子装置は、プログラムの無制限回数の書き換え、1回のみのプログラムの書き換え、プログラムの書き換え禁止の各状態を実現できる。これにより、不正なプログラム改造を防止出来るとともに、必要な場合には電子装置のEEPROM8のデータを書き換えることが出来る。
【0083】
電子装置を以下の手順で製造する。
(1)切り離し可能な領域を切り離していない状態において、基板に実装されたEEPROM8にプログラムを書き込む。プロクラム書き込みはJTAGコネクタ9にJTAGデバッカを接続し、JTAGデバッカから接続線11を介してJ−CPU1の制御命令とプログラムをJ−CPU1に送る。J−CPU1は制御命令に従って、送られたプログラムをバス12aを介してスクランブル装置20に伝送する。伝送されたプログラムは、スクランブル装置20により第1のスクランブルパターンでスクランブルされる。スクランブルされたプログラムはバス12cを介してEEPROM8に書き込まれる。この一連の書き込み動作はJTAGデバッカを用いてJ−CPU1の内部論理回路を直接制御できるため実現できる。
(2)プログラム書き込み完了後第1の切り離し可能な領域を切り離す。切り離し可能な領域を切り離した後、完成した電子装置を市場に出荷する。
(3)もし製品を市場に出荷した後にプログラムの書き換えが必要になれば、サービスステーションにおいて(1)と同様の手順でEEPROMにデータを書き込み、その後第2の切り離し可能な領域を切り離す。その後、電子装置を市場に送り返す。
【0084】
第3者がJTAGコネクタ9にJTAGデバッガを接続し、JTAGデバッガによりJ−CPU1の内部論理回路を直接制御し、JTAGデバッガが送出するデータをEEPROM8に不正に書き込むことが考えられる。しかし、スクランブル装置20は入力されたデータを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルされたデータをEEPROM8に書き込む。又、EEPROM8から読み出されたデータはスクランブル装置20によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、電子機器は動作しない。
第2の領域を切り離すことによりスクランブル装置20が第2のスクランブルパターンでデスクランブルすることは秘密であることが好ましい。
万一、第3者がこの秘密を知った場合にも、EEPROMのデータの書き換えは1回しか出来ない。第3者が不十分な情報に基づいて改造プログラムを作成し、1回のデータ書き換えで電子装置を正常に動作させることは一般に極めて困難である。
【0085】
もし、何らかの理由により、市場にある製品のEEPROMのプログラムを書き換える必要がある場合は、JTAGデバッガを使ってJ−CPU1の内部論理回路を直接制御し、第2のスクランブルパターンでスクランブルされたデータをEEPROM8に書き込むことが出来る。書き込んだ後、第2の領域を切り離すことにより、電子装置は正常に動作する。
第2の切り離し可能な領域を切り離した後は、スクランブル装置20がデータバス12aと12cとの接続を遮断等するため、その後は第3者が不正にEEPROMのプログラムを改造することが極めて困難になる。
【0086】
第4の実施例においては、第2の半導体装置21が、第1の検出装置22と第2の検出装置23と第2のスクランブル装置20と電子装置の動作上不可欠な他の回路とを含む。もし、半導体装置21を基板10から取り外し、スクランブル装置20をバイパスし、J−CPU1とEEPROM8間のデータバス12a及び12cを線材で直接接続した場合には、JTAGデバッカを使用してEEPROMのプロクラムを書き換えることが出来る可能性があるが、半導体装置21が取り外されているため電子装置の動作上不可欠な他の回路がなく、電子装置は動作しない。
【0087】
EEPROM8を基板から取り外し、EEPROM8のプログラムをPROMライター等を用いて書き換え、プログラムを書き換えたEEPROM8を再び基板に取り付けるという不正な改造が行われる可能性がある。しかし、第3者はスクランブル装置20の第1のスプランブルパターンを知らないため、第3者は、第1のスクランブルパターンでスクランブルされたプログラムをEEPROM8に書き込むことが出来ない。従って、上記の不正な改造を行っても、電子装置は動作しない。
【0088】
もし、切り離し監視線16a又は16bが基板10の表層に形成されていれば、基板10の切り離し可能な領域が切り離された後、切り離し監視線16a又は16bを覆っている保護層を削り取ることにより切り離し監視線16a又は16bを露出させることができる。露出させた切り離し監視線16a又は16bに線材を直接半田付けし、線材の他端をグラウンドに接続するという不正な改造を行うことにより、第1の検出装置22又は第2の検出装置23は第1の領域又は第2の領域が切り離されていない状態を示す検出信号を出力する。これにより、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路2を直接制御してEEPROM8のプログラムの改造をすることが可能になる。
第4の実施例の電子装置は、切り離し監視線16a及び16bが基板10の内層に形成されているため、上記のような不正な改造が出来ない。従って、第1の領域を切り離した後はプログラムを改造することが困難であり、第1の領域及び第2の領域を切り離した後はプログラムを改造することが出来ない。
これにより、プログラムの改造を防止できる。
【0089】
図5の構成を有する他の実施例を説明する。
第1の領域及び第2の領域が切り離されていない場合は、スクランブル装置20は、J−CPU1が出力するデータを第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータをEEPROM8に伝送する。又、スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
第1の領域が切り離されており、かつ第2の領域が切り離されていない場合は、スクランブル装置20は、J−CPU1が出力するデータを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータをEEPROM8に伝送する。又、スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
第1の領域及び第2の領域が切り離されている場合は、スクランブル装置20は、J−CPU1のライトストローブ信号が通る経路を遮断する。又、スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
【0090】
【発明の効果】
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
本発明によれば、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという有利な効果が得られる。
【0091】
本発明により、市場で第3者がCPU等の端子又は基板の接続線等に線材を直接半田付けし、当該線材の他端をJTAGデバッガ等の外部装置の端子に接続等して不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを、出来なくする。
本発明によれば、製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れがさらに小さな電子装置の製造方法を実現するという有利な効果が得られる。
【0092】
本発明の電子装置の製造方法においては、さらに、EEPROMにスクランブルされたデータが書き込まれており、第3者はスクランブルパターンが分からないため、第3者がEEPROMを取り外して、PROMライター等を使用してデータを書き換えることが出来ない。
本発明によれば、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという有利な効果が得られる。
【0093】
本発明によれば、さらに、基板の領域を切り離すことによりEEPROMに書き込まれるデータのスクランブルパターンを変更することが出来る電子装置を実現できるという有利な効果が得られる。しかも、いったん領域を切り離した状態においては、スクランブル装置がデスクランブルするスクランブルパターンと、スクランブルするスクランブルパターンが異なるため、第3者が不正にデータを書き込むことが非常に困難である。また、秘密の第2の領域を切り離す等の方法により、EEPROMのデータを書き直すことが可能になる。
本発明によれば、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さい電子装置の製造方法を実現するという有利な効果が得られるとともに、製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータを後で書き換えることが出来る電子装置の製造方法を実現するという有利な効果が得られる。
【0094】
本発明によれば、IEEE1149規格に対応した回路を利用して効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実という有利な効果が得られる有する。
【0095】
本発明の電子装置は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、かつその後領域を切り離すことにより、EEPROMのデータの書き換えを防止できる電子装置である。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
本発明によれば、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現すという有利な効果が得られる。
【0096】
本発明においては、さらに、EEPROMにスクランブルされたデータが書き込まれており、第3者はスクランブルパターンが分からないため、第3者がEEPROMを取り外して、PROMライター等を使用してデータを書き換えることが出来ない。
本発明によれば、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMのデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現するという有利な効果が得られる。
【0097】
本発明によれば、さらに、基板の領域を切り離すことによりEEPROMに書き込まれるデータのスクランブルパターンを変更することが出来る電子装置を実現するという有利な効果が得られる。
又、いったん領域を切り離した状態においては、スクランブル装置がデスクランブルするスクランブルパターンと、スクランブルするスクランブルパターンが異なる電子装置においては、第3者が不正にデータを書き込むことが非常に困難である。また、秘密の第2の領域を切り離す等の方法により、EEPROMのデータを書き直すことが可能になる。
本発明によれば、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMのデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さい電子装置を実現するという有利な効果が得られるとともに、EEPROMのデータを後で書き換えることが出来る電子装置を実現するという有利な効果が得られる。
【0098】
本発明の電子装置は、さらに、基板の領域を切り離すことによりEEPROMに書き込まれるデータのスクランブルパターンを変更することが出来、かつそれぞれのスクランブルパターンで何回でもEEPROMのデータの書き換えをすることが出来る電子装置を実現する。
本発明は、視聴者の毎月の視聴記録等の何回も書き直す必要があるデータを、不正に書き換えることが困難なの電子装置を実現する。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
又、不正にデータを書き換えられたと判断した場合には、基板の領域を切り離すことにより、スクランブルパターンを変更することが出来る。
本発明によれば、EEPROMのデータの書き換えが困難な電子装置を実現すという有利な効果が得られる。
【0099】
本発明によれば、第1の領域及び第2の領域の切り離し状態に応じてスクランブル装置のスクランブルパターン及びデスクランブルパターンのモードを切替えることが出来、かつEEPROMへの書き換え可能回数を制限する(1回だけの書き換えが可能である。)ことが出来る電子装置を実現すという有利な効果が得られる。
【0100】
本発明によれば、IEEE1149規格に対応した回路を利用して効率の良く製造できる電子装置を実現し、かつEEPROMのデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現という有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の電子装置のCPU等の構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施例の電子装置のCPU等の構成を示す図。
【図3】本発明の第2の実施例、第3の実施例及び第4の実施例における領域が切り離されていることの検出装置の構成を示す図。
【図4】本発明の第3の実施例の電子装置のCPU等の構成を示す図。
【図5】本発明の第4の実施例の電子装置のCPU等の構成を示す図。
【図6】従来の電子装置ののCPU等の構成を示す図。
【図7】JTAG規格対応のCPUを有する電子装置のCPU周辺のブロック図。
【図8】JTAG規格対応素子の内部構造を示す図。
【符号の説明】
1 JTAG規格に対応したCPU(J−CPU)
2 CPUの内部論理回路
3 端子
4 セル
5 JTAGレジスタ
6 TAPコントローラ
7 TAP
8 EEPROM
9 JTAGコネクタ
10 基板
11 JTAGコネクタ9とJ−CPU1のTAPとを接続する接続線
12 バス
13 Vカット
14 内層
15 中継装置
16 切り離し監視線
17、20 スクランブル装置
18、21 半導体装置
19 第2の中継装置
22 第1の検出装置
23 第2の検出装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、IEEE std 1149.1−1990 Standard Test Access Port and Boundary−Scan Architecture規格等に対応する中央演算処理装置によって制御される電子装置に関するものであって、特に、記憶素子に格納しているデータ(中央演算処理装置の動作プログラム、暗号キー、及び顧客識別子(ユーザIDコード)等を含む。)の不正改造防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、情報機器や家電機器をはじめとする電子装置の多くは、その制御の中心に中央演算処理装置(以下、CPUと言う)を用いているが、CPUを用いて電子装置を制御するためにはCPUを動作させるプログラムが必要不可欠である。CPUの種類によってはCPU内部にこのプログラムを格納できるものもあるが、主には電子装置の開発効率や製造効率及び保守の面でCPU外部に読み出し専用記憶素子(以下、ROMと言う)を設け、ROMにプログラムを格納している。
同様に、ROMに暗号キー(復号キーを含む。)又は顧客識別子等のデータを格納する場合もある。
ROMは不揮発性の記憶素子であって、特に記憶されている情報の書き換えが電気信号のみによって可能なもの(以下、EEPROMと言う。例えばフラッシュメモリ、及びELECTRICALLY ERASABLE AND PROGRAMMABLE ROM等を含む。)が主に用いられている。
「不揮発性の記憶素子」は、電源がなくても記憶の維持が可能な素子を意味する。
【0003】
EEPROMにデータ(CPUのプログラム、並びに顧客識別子及び復号化鍵等のコード等を含む。)を格納しておけば容易にデータの書き換えが可能となり製造効率等が向上でき、また電子装置の保守目的でデータ(CPUのプログラム等を含む。)の書き換えができると言う利点がある。反面、EEPROMの仕様は公になっているため、悪意の第三者によって不正にプロクラムの改造を行うこともでき電子装置の製造者を始め社会に対し不利益を生ずる可能性がある。
特に、CPUがIEEE1149規格に対応する素子である場合、外部装置を当該CPUに接続し、外部装置を通じてCPUの内部論理回路を直接制御してEEPROMのデータを書き換えることが出来る可能性がある。
【0004】
IEEE1149規格は、半導体装置(大規模集積回路装置及び中央演算装置を含む。)のテスト回路に関する規格である。IEEE1149規格に対応する素子(半導体装置)は、素子単体のテスト又は素子を含む回路ブロックのテスト(主として、故障の有無の判断及び故障個所の特定のためのテスト)のために、5個のテスト入出力端子(テストアクセスポート)を有する。
素子等のテストをする際には、例えば、外部装置を素子のテスト入力端子に接続し、外部装置から前記テスト入力端子にテスト用の入力信号を入力し、前記入力信号又は前記入力信号を処理した信号を素子の出力端子(通常の出力端子又はテスト出力端子)から出力させる。出力された信号と期待された信号とを比較することにより、素子等の故障の有無及び故障個所を診断出来る。
又、IEEE1149規格に対応するCPUのテスト入出力端子に外部装置を接続し、外部装置を通じてCPUの内部論理回路を直接制御してEEPROMにデータを書き込むことが出来る。
電子装置を製造する上で、この方法によるEEPROMへのデータ書き込み工程を導入することにより、市販されているPROMライターを使用してEEPROMにデータを書き込んでいた従来の方法よりも効率の良い電子装置の製造を実現できる。
【0005】
しかし、これを悪用して、市場でIEEE1149規格に対応するCPUのテスト入出力端子に外部装置を接続し、外部装置を通じてCPUの内部論理回路を直接制御してEEPROMにデータを書き換える不正な改造が行われる恐れがある。
例えば、衛星放送等において顧客ごとに固有のデータを付与する場合があり、受信装置等は、当該固有のデータを内蔵するEEPROMに記憶することが出来る。 固有のデータは、顧客識別子(個々の顧客ごとに付与する固有の識別コード、及び顧客が所有する受信装置ごとに付与する固有の識別コードを含む。)、復号鍵、及び暗証番号を含む。
CPUは、EEPROMに記憶した固有のデータ(例えば、顧客識別子)を用いて月々の視聴料を支払う。しかし、例えば、EEPROMに記録している固有のデータを他人の固有のデータに書き換えることにより、又はEEPROMに書き込まれているプログラムを書き換えることにより(例えば、実際の視聴時間と無関係に、視聴時間がゼロであると放送センターに連絡するプログラムを書き込む。)、視聴料の支払いを逃れようとする犯罪が発生する可能性がある。
【0006】
そこで、このような犯罪を防止するために、EEPROMのデータ(CPUのプログラム等を含む。)の不正な改造(書き換え)を防止する手段が要望される。
EEPROMのデータの不正改造を防止する手段を有する従来の電子装置を図6を用いて説明する。
図6に示す電子装置の用途は任意であるが、例えば、衛星放送の受信装置、携帯電話等である。図6には、EEPROMへのデータの書き込み又は読み出しに関するブロックのみを記載する。
【0007】
図6において、107は電子装置を制御するCPU、8はCPUのプログラム等のデータを格納しているEEPROM、101はプログラム書き換えのための外部装置(図示しない)を接続するための電気式あるいは光式のコネクタ、102はコネクタ101から入力された信号を入力するインターフェイス部である。105は、予め電子装置固有の暗証番号が記憶され、半田等で取り外しができないように実装され、かつ記憶データの書き換えが不可能な記憶素子(以下、パスワードROMと言う)である。104はコネクタ101及びインターフェイス部102を通して入力された暗証番号とパスワードROMに記憶された暗証番号を照合比較し、一致した場合のみプログラム書き換え許可信号を出力する照合回路である。103はEEPROM8の書き換え制御信号及びプログラムデータの通過を制御するゲート回路である。
【0008】
つぎにプログラムを書き換える動作について説明する。EEPROM8に格納されたプログラムの書き換えが必要になった場合、コネクタ101にプログラム書き換え装置(外部装置)を接続する。プログラム書き換え装置には暗証番号と新しいプログラム及びEEPROMを書き換えるために必要な制御命令が格納されている。まずプログラム書き換え装置よりプログラム書き換え開始命令が入力され、この命令によってCPU107等は通常の動作を停止しEEPROM8の記憶データの書き換えが可能な状態になる。
【0009】
つぎに照合回路104はインターフェイス部102を介してプログラム書き換え装置より入力された暗証番号と、パスワードROM105から読み出した暗証番号を照合する。この2つの暗証番号が完全に一致した場合に限り照合回路104はゲート回路103に対しプログラム書き換え許可信号を出力する。ゲート回路103はプログラム書き換え許可信号に従い、インターフェイス部102を介して入力されるEEPROM8の書き換え制御信号及びプログラムデータを通過させる。EEPROM8のプログラムの書き換えが行われる。プログラム書き換え動作が完了すると、プログラム書き換え装置はインターフェイス部102を介してCPU107に対して書き換え完了命令を出力する。CPU107はこの命令によって電子装置の初期化を実行した後、EEPROM8に格納された新たなプログラムに従い電子装置の制御を開始する。
【0010】
しかしながら近年、IEEE std 1149.1−1990 Standard Test Access Port and Boundary−Scan Architecture規格(以下、通称名称のJTAG規格と言う)対応のCPUが使われるようになってきている。CPUがJTAG規格対応素子であった場合、外部から直接CPUの内部論理回路を制御し、CPUを介してEEPROM8に格納されたプログラムを改造することが可能であるために、従来のプログラム不正改造防止システムでは改造防止が不十分である。
【0011】
JTAG対応素子のCPUを用いたシステムとJTAG対応素子の構造を図7と図8を用いて簡単に説明する。
図8はJTAG規格対応素子の構造を示す図であって、1はJTAG規格対応のCPU(以下、従来のCPUと区別するためにJ−CPUと言う)、2は素子本来の動作をつかさどる内部論理回路、3は通常の動作のための端子(一般的には、他の素子の端子等と接続される。)である。TDI(テストデータ入力ピン)、TMS(テストモード選択ピン)、TCK(テストクロック)、TDO(テストデータ出力ピン)及びTRST(パワーオン時のリセットピン)からなる端子7はTest Access Port(以下、TAPと言う)と呼ばれるJTAG規格に基づくテスト端子である(TRSTはオプションである。)。TAPは、外部装置とテスト回路を接続するためのインターフェイスである。
JTAG規格対応素子は内部にバイパスレジスタ及び命令レジスタ等からなるJTAGレジスタ5(オプションとして、内部スキャンレジスタ及びIDCODEレジスタを含むことが出来る。)と、JTAGレジスタ5を制御するTAPコントローラ6、及び各端子3と内部論理回路2の間に配置されたシフトレジスタであるセル4を備えている。
【0012】
セル4は、内部論理回路2の出力データ(J−CPU1の入力端子3を含む。)又は隣接するセル4から伝送されるテストデータを選択的に入力する。又、セル4の出力データは、内部論理回路2(J−CPU1の出力端子3を含む。)又は隣接するセル4に伝送される。
通常の動作時には(テストモードでないとき)、J−CPU1の入力端子3から入力された入力データは各セル4を通過してそのまま内部論理回路2に伝送され、内部論理回路2の出力データは、各セル4を通過してそのままJ−CPU1の出力端子3から出力される。
テストモードにおいては、入力端子から入力された入力データに代えて、TAP7から入力した信号をセル4を通じて内部論理回路2に伝送することが出来る。又、内部論理回路2の出力データに代えて、TAP7から入力した信号をセル4を通じて出力端子3から出力することが出来る。
TAPコントローラ6は、TMS端子から入力される入力シーケンスに従ってテスト回路全体の種々の動作を制御する。
【0013】
JTAG規格対応の素子はTAP7に接続した外部装置によってセル4を通過する各信号(端子3の各入出力信号)を監視したり、任意のデータを内部論理回路2に入力することができる。
例えば、外部装置から伝送されたテスト入力データをTDI端子に入力し、複数のセル4により構成されるシリアルシフトレジスタを直列駆動する(クロック信号はTCK端子に入力する。)。これにより、テスト入力データは各セル4に送られる。次に、各セル4の出力データを内部論理回路2(J−CPU1の出力端子3を含む。)に出力する。以上のようにテスト入力データを内部論理回路2(J−CPU1の出力端子3を含む。)に直接入力することが出来る。
同様に、内部論理回路2の出力データ(J−CPU1の入力端子3を含む。)をセル4にラッチして、複数のセル4により構成されるシリアルシフトレジスタを直列駆動し、TDO端子から前記出力データを出力することが出来る。
つまりJ−CPU1は外部装置を接続して最大5本の信号線を制御することにより、外部装置から直接J−CPU1の内部論理回路2を制御することが可能となる。これにより、J−CPU1等の素子又は電子装置のテストが容易になるという利点がある。
【0014】
図7はJ−CPU1を用いた電子装置のシステムを示す図であり、図7において9はJ−CPU1のTAP7を外部装置と接続するためのJTAGコネクタ、108はRAM(電子装置を動作させるために一時的に記憶する必要があるデータ等を記憶する読み書き可能な記憶素子)、110はJ−CPUとEEPROM8やRAM108等を接続する信号母線(以下、バスと言う)である。バス110には109で示すEEPROM8やRAM108以外の素子も複数接続することが可能である。また、実際の回路は他にも多数の電子部品を含むが、記載を省略している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
J−CPUを有する従来の電子装置は、J−CPUにJTAGデバッカと呼ばれる外部装置を接続することで外部よりJ−CPUの内部論理回路を直接制御でき、プログラム等のデータが格納されているEEPROMを含む全素子にアクセスできるため、開発効率の向上や製造段階での検査及びプログラムの書込み時間の短縮を図ることが出来るという利点があった。
しかしその反面、このJTAGデバッカを使用して第三者が不正に従来の電子装置のEEPROMのデータを書き換えることが出来るという問題があった。
本発明は、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現することを目的とする。
又、本発明は、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMのデータを市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、前記領域に取り付けられたコネクタとを備えた基板を有し、かつ前記領域を切り離した状態において前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに外部装置を接続して前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を前記基板から切り離す切り離しステップと、
を有することを特徴とする電子装置の製造方法である。
【0017】
本発明の電子装置の製造方法は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込み、その後、コネクタを含む領域を切り離す。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、コネクタを含む領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
例えば基板上の抵抗素子を取り外すことによりEEPROMへの書き込みを出来なくする方法も考えられるが、もし第3者がこのことを知れば、代わりの抵抗素子を半田付けすることにより容易にEEPROMへの書き込みを可能に出来るという問題がある。これに対して、基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
本発明は、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
【0018】
「電子装置」の種類、用途等は任意である。例えば、衛星放送等種々の放送の受信機、及び携帯電話等の家庭用の電子機器の他、コピー機等の業務用の電子機器も含む。
「切り離し可能な領域」とは、任意の方法により基板から分離可能な領域の意味である。例えば、基板の一面又は両面にV字型の溝を掘り、外部から力を加えることにより当該溝のところで当該領域を切り離すことが出来る基板である。又、例えば、切り離す領域の境界線に沿って多くの貫通穴等を設け、境界線に沿って当該領域を切り離すことが出来る基板である。
又、例えば、シアにより切り離し可能な領域を境界線に沿って切断することも含む。この場合は、境界線上に部品がないこと、境界線に沿って切断した後にも、前記基板が正常に動作すること等が、「切り離し可能」である条件である。
【0019】
「中央演算処理装置の内部回路を直接制御して」とは、CPUを通常のプログラム(ソフトウエア)動作以外の方法で制御することを意味する。例えば、JTAG規格に対応するJ−CPUをTAPを通じて直接制御することである。
又、スキャンデザイン回路を具備するCPUを、当該スキャンデザイン回路を通じて直接制御することを含む。
又、クロスチェック回路をを具備するCPUを、当該クロスチェック回路(プローブ線ドライバ及びセンス線レシーバ)を通じて直接制御することを含む。
例えば、通常のソフトウエアにより動作しているCPUと外部装置との間でハンドシェイク等の方法によりデータを伝送する方法は、含まれない。
「前記領域を切り離した状態において前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない」とは、例えば、切り離されたコネクタ以外のコネクタを利用することによって、中央演算処理装置の内部回路を直接制御することが出来ないことを含む。
「データ」は、中央演算処理装置の動作プログラム、暗号キー、顧客識別子(ユーザIDコード)、及び暗証番号等を含む。
【0020】
本発明の請求項4に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有し、かつ前記領域を切り離した状態において、前記検出装置の出力信号に基づいて前記中継装置が前記コネクタの端子と前記中央演算処理装置の端子とを接続する少なくとも1本の接続線を遮断している故に前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに外部装置を接続して前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を切り離す切り離しステップと、
を有することを特徴とする電子装置の製造方法である。
【0021】
本発明の電子装置の製造方法は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込み、その後、領域を切り離す。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、前記領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
本発明は、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
【0022】
中継装置は、例えばJTAG対応のCPUのTDI端子とコネクタの端子とを接続する接続線を遮断している故に、JTAGデバッガ等の外部装置をコネクタに接続し、前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない。
【0023】
本発明の請求項6に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有し、かつ、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データをスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記検出装置の出力信号に基づいて、前記スクランブル装置が前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない、
電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データをスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を切り離す切り離しステップと、
を有する、ことを特徴とする電子装置の製造方法である。
【0024】
本発明の電子装置の製造方法は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込み、その後、領域を切り離すことにより、EEPROMの書き換えを出来なくする。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
第3者はスクランブルの方法が分からないため、EEPROMを取り外して、PROMライター等を使用してデータを書き換える方法によって、電子装置を不法に改造することが出来ない。
本発明は、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
【0025】
「記憶素子にデータを書き込むことが出来ない」ようにする方法は任意である。例えば、J−CPUとEEPROMとを接続する線を遮断する。全ての線を遮断してもよく、又は例えばライトストローブ信号の線だけを遮断してもよい。又、EEPROMのチップセレクト端子をディスエーブルにしてもよい。
【0026】
本発明の請求項10に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有し、かつ、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記検出装置の出力信号に基づいて、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来る、
電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を切り離す切り離しステップと、
を有する、ことを特徴とする電子装置の製造方法である。
【0027】
本発明の電子装置の製造方法は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込み、その後、領域を切り離すことにより、EEPROMの書き換えを困難にする。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を第1のスクランブルパターンでスクランブルして書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを困難にする。
【0028】
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
第3者が市場にある製品に外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、外部装置から入力したデータを記憶素子に書き込んだ場合にも、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む。当該スクランブル装置は記憶素子からデータを読み出して第1のスクランブルパターンでデスクランブルするため、不正書き換えしたデータにより電子装置は動作しない。
【0029】
好ましくは、秘密の操作を行うことにより(例えば、第2の領域を基板から切り離すこと、又は特定の抵抗素子を外すこと等)、スクランブル装置が第2のスクランブルパターンによりデスクランブルするようになる。
何らかの理由によりEEPROMのデータを書き換える必要が発生した場合に、製品に外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、外部装置から入力したデータを記憶素子に書き込むことが出来る。データは第2のスクランブルパターンでスクランブルされて記憶素子に書き込まれるが、秘密の操作を行うことにより、スクランブル装置が第2のスクランブルパターンによりデスクランブルするようになり、電子装置は正常に動作する。本発明は、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さい電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
又、本発明は、製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータを後で書き換えることが出来る電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
【0030】
本発明の請求項15に記載の発明は、
前記中央演算処理装置はIEEE1149規格に対応した素子である、ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかの請求項に記載の電子装置の製造方法である。
【0031】
IEEE1149規格に対応した素子は、外部装置をTAPに接続することにより、CPUの内部論理回路を直接制御することが出来る。
本発明は、IEEE1149規格に対応した回路を利用して効率良くデータをEEPROMに記録し、効率の良い電子装置の製造方法を実現するとともに、製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという作用を有する。
【0032】
IEEE1149規格とは、IEEE std 1149.1−1990 Standard Test Access Port and Boundary−Scan Architecture及びその改訂規格(将来の改訂を含む。)を意味する。
【0033】
本発明の請求項16に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、前記領域にコネクタとを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込むことが出来、かつ
前記領域を切り離した状態において、前記中央演算処理装置を制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置である。
【0034】
本発明の電子装置は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、かつその後コネクタを含む領域を切り離すことにより、EEPROMのデータの書き換えを防止できる電子装置である。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、コネクタを含む領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
本発明は、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現するという作用を有する。
【0035】
本発明の請求項17に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込むことが出来、かつ
前記領域を切り離した状態において、前記検出装置の出力信号に基づいて前記中継装置は前記コネクタの端子と前記中央演算処理装置の端子とを接続する少なくとも1本の接続を遮断している故に前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置である。
【0036】
本発明の電子装置は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、かつその後領域を切り離すことにより、EEPROMのデータの書き換えを防止できる電子装置である。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、前記領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくすることが出来る。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
本発明は、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現するという作用を有する。
【0037】
本発明の請求項18に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データをスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記検出装置の出力信号に基づいて前記スクランブル装置が前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置である。
【0038】
本発明の電子装置は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、かつその後領域を切り離すことにより、EEPROMのデータの書き換えを防止できる電子装置である。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
本発明は、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMのデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現するという作用を有する。
【0039】
本発明の請求項19に記載の発明は、
切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第1のスクランブルパターン又は前記第1のスクランブルパターンと異なるスクランブルパターンである第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来る、
ことを特徴とする電子装置である。
【0040】
本発明の電子装置は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、かつその後領域を切り離すことにより、EEPROMのデータの書き換えを防止できる電子装置である。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を第1のスクランブルパターンでスクランブルして書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
【0041】
「前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第1のスクランブルパターン又は第2のスクランブルパターンでデスクランブルし」とは、第1のスクランブルパターンでデスクランブルする電子装置(第2のスクランブルパターンでデスクランブル出来ない。)、第2のスクランブルパターンでデスクランブルする装置(第1のスクランブルパターンでデスクランブル出来ない。)、及び第1のスクランブルパターン及び第2のスクランブルパターンのうちの顧客が選択したスクランブルパターンでデスクランブルする電子装置を含む。
【0042】
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第1のスクランブルパターンでデスクランブルする本発明の電子装置は、下記の作用を有する。
工場で効率よくEEPROMにデータを書き込んで製造された電子装置を、前記領域を切り離して出荷する。第1のスクランブルパターンでスクランブルされているEEPROMのデータは、第1のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、電子装置は正常に動作する。
【0043】
第3者が市場にある製品に外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、外部装置から入力したデータを記憶素子に書き込んだ場合には、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む。当該スクランブル装置は記憶素子からデータを読み出して第1のスクランブルパターンでデスクランブルするため、不正書き換えしたデータにより電子装置は動作しない。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
これにより、本発明は、EEPROMのデータの書き換えが困難な電子装置を実現するという作用を有する。
【0044】
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第2のスクランブルパターンでデスクランブルする本発明の電子装置は、下記の作用を有する。
工場で効率よくEEPROMにデータを書き込んで製造された電子装置を、前記領域を切り離すことなく出荷する。第1のスクランブルパターンでスクランブルされているEEPROMのデータは、第1のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、電子装置は正常に動作する。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
EEPROMのデータは、何度でも書き換えることが出来る。第1のスクランブルパターンでスクランブルされたデータがEEPROMに書き込まれ、EEPROMから読み出されたデータが第1のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、例えば、視聴者の毎月の視聴記録等のデータを記録することが出来る。
【0045】
もし、第1のスクランブルパターンが第3者に漏洩し、EEPROMが不正に書き換えられた(EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて不正なデータを直接EEPROMに書き込む場合を想定する。)場合には、前記領域を切り離す。これにより、スクランブルパターンが第1のスクランブルパターンから第2のスクランブルパターンに変更される。電子装置は前記領域を切り離す前と変わらない機能を有し、かつ第3者に対する秘密を回復することが出来る。
即ち、EEPROMのデータは、何度でも書き換えることが出来る。第2のスクランブルパターンでスクランブルされたデータがEEPROMに書き込まれ、EEPROMから読み出されたデータが第2のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、例えば、視聴者の毎月の視聴記録等のデータを記録することが出来る。
又、第3者は、第2のスクランブルパターンを知らない。
これにより、本発明は、EEPROMのデータの書き換えが困難な電子装置を実現するという作用を有する。
【0046】
本発明の請求項20に記載の発明は、
切り離し可能な第1の領域及び第2の領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、スクランブル装置と、前記第1の領域が切り離されているか否かを検出する検出装置と、前記第2の領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記第1の領域及び前記第2の領域のいずれの領域も切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記第1の領域を切り離しかつ前記第2の領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第1のスクランブルパターンと異なるスクランブルパターンである第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記第1の領域及び前記第2の領域を共に切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに接続した前記外部装置を通じて前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記スクランブル装置を介して前記記憶素子に書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置である。
【0047】
本発明は、第1の領域及び第2の領域の切り離し状態に応じてスクランブル装置のスクランブルパターン及びデスクランブルパターンのモードを切替えることが出来、かつEEPROMへの書き換え可能回数を制限することが出来る電子装置を実現するという作用を有する。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
これにより、本発明は、EEPROMのデータの書き換えが困難な電子装置を実現するという作用を有する。
【0048】
工場で効率よくEEPROMにデータを書き込んで製造された電子装置を、第1の領域を切り離して出荷する。第1のスクランブルパターンでスクランブルされているEEPROMのデータは、第1のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、電子装置は正常に動作する。
第3者が市場にある製品に外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、外部装置から入力したデータを記憶素子に書き込んだ場合にも、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む。当該スクランブル装置は記憶素子からデータを読み出して第1のスクランブルパターンでデスクランブルするため、不正書き換えしたデータにより電子装置は動作しない。
基板の領域を切り離してあることを第3者が知っても実際に修復してEEPROMへの書き込みを可能にすることは極めて困難である。
【0049】
又、EEPROMのデータを書き換える必要が発生した場合には、外部装置をコネクタに接続し、外部装置によりCPUの内部論理回路を直接制御し、EEPROMにデータを書き込む。データは第2のスクランブルパターンでスクランブルされる。そこで、基板の第2の領域を切り離す。これにより、EEPROMのデータは第2のスクランブルパターンでデスクランブルされるため、電子機器は正常に動作する。
なお、第2の領域を切り離した場合にスクランブル装置が第2のスクランブルパターンでデスクランブルすることは、秘密にしておくことが好ましい。
従って、本発明の電子装置は、2回、外部装置によりCPUの内部論理回路を直接制御し、EEPROMにデータを書き込むことが出来る。
【0050】
本発明の請求項21に記載の発明は、
前記中央演算処理装置はIEEE1149規格に対応した素子である、ことを特徴とする請求項16から請求項20のいずれかの請求項に記載の電子装置である。
【0051】
IEEE1149規格に対応した素子は、外部装置をTAPに接続することにより、CPUの内部論理回路を直接制御することが出来る。
本発明は、IEEE1149規格に対応した回路を利用して効率の良く製造できる電子装置を実現し、かつEEPROMのデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現するという作用を有する。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施例について図面とともに記載する。
《実施例1》
本発明の第1の実施例を図1を用いて説明する。
図1は、第1の実施例の電子装置におけるJ−CPU1及びEEPROMを含むブロックを示す。電子装置の用途及び種類等は任意であるが、第1の実施例の電子装置は、衛星放送の受信機である。
なお、従来の技術で説明したものと実質的に同じ素子及び部品等については同一の符号を用いる。
図1において、1は従来の技術で図8を用いて説明したJTAG規格対応素子の構造のCPU(J−CPU)、8は電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子であってプログラム格納用の記憶素子であるEEPROM、9はJ−CPU1の内部論理回路を直接制御するための外部装置であるJTAGデバッカ(図示していない。)を接続するためのJTAGコネクタ、10はJ−CPU1やEEPROM8をはじめ多数の電子部品が実装されている基板で少なくとも4層以上の多層基板、13は基板10の切り離しが容易にできるように設けられたVカットである。
【0053】
図1においてVカット13より左側のJTAGコネクタ9が設けられた領域が切り離し可能な領域を示す。J−CPU1は複数の端子3を備えており、基板10に半田付けされている。複数の端子3のうち7はTest Access Port(TAP)とよばれるJTAG規格対応素子特有の端子であり、TDI、TDO、TMS、TCK、TRSTの5個の端子からなる。
しかし図1の回路構成に限定されるものではなく、JTAG規格ではTRSTはオプションとなっているために、7はTDI、TDO、TMS及びTCKの4個の端子からなる場合もある。
【0054】
11はJTAGコネクタ9とTAP端子7を接続する5本又は4本の接続線である。接続線11は、基板10の内層14に形成されている。12はJ−CPU1とEEPROM8等とを接続するアドレスバス及びデータバスである。アドレスバス及びデータバス12は、又、J−CPU1と他の素子(例えば、シリアルポートLSI等の周辺素子)とを接続している。
なお、JTAGコネクタ9は、一般的にはTAPへの接続線全て(4本又は5本)を含むが、TDIのみ又はTCKのみのようにJTAG回路を動作させるために不可欠な信号(特に、EEPROMにデータを書き込むために不可欠な信号)のみの接続線を含む場合もある。
【0055】
J−CPU1のチップは基板10に実装された状態(半田付け等された状態)では外部から端子3に接触できないBall Grid Array(BGA)パッケージに封じされている。BGAパッケージの素子の端子は、図1のように全てBGAパッケージと基板との接触面内に存在するため、素子を基板に取り付けた状態(素子は基板に密着しており、素子と基板の間の隙間はほとんどない。)では端子が外部から見えない。そのため、例えば、図1のJ−CPU1の端子に線材を半田付けして、当該線材を通じてJ−CPU1に信号を入力したりすることは出来ない。
【0056】
電子装置を以下の手順で製造する。
(1)切り離し可能な領域を切り離していない状態において、基板に実装されたEEPROM8にプログラムを書き込む。プロクラム書き込みはJTAGコネクタ9にJTAGデバッカを接続し、JTAGデバッカから接続線11を介してJ−CPU1の制御命令とプログラムをJ−CPU1に送る。J−CPU1は制御命令に従い送られたプログラムを、バス12を介してEEPROM8に書き込む。
例えば、TDI端子にデータを入力し、TCK端子にクロック信号を入力して、データをセル4に伝送する(シフトレジスタのシリアル伝送)。次に、EEPROM8を制御するJ−CPU1の端子3(例えば、EEPROM8の複数のアドレス端子、複数のデータ端子、ライトストローブ端子及びイネーブル端子(又はチップセレクト端子)である。)から、セル4のデータを出力する。出力されたデータはEEPROM8に入力される。これを逐次繰り返すことにより、EEPROMにデータを書き込むことが出来る。
この一連の書き込み動作はJTAGデバッカを用いてJ−CPU1の内部論理回路を直接制御できるため実現できる。
(2)プログラム書き込み完了後Vカット13で基板10の切り離し可能な領域を切り離す。切り離し可能な領域を切り離した後、完成した電子装置を市場に出荷する。
【0057】
切り離し可能な領域を切り離した後はJ−CPU1のTAP7に繋がったJTAGコネクタ9がないため、JTAGデバッカを接続できない。これにより、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路を直接制御してEEPROM8にプログラムを書き込むことができなくなり、第3者が不正にEEPROMのプログラムを改造することを防止できる。
【0058】
また、接続線11(JTAG信号が通る。)が基板10の表層に形成されていれば、接続線11を覆っている保護層を削り取ることにより接続線11を露出させることができる。露出させた接続線11に線材を直接半田付けし、線材の他端をJTAGデバッカに接続することにより、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路2を直接制御してプログラムの改造か可能になる。
第1の実施例の電子装置は、接続線11が基板10の内層に形成されているため、接続線11にJTAGデバッカを直接接続することが出来ない。従って、領域を切り離した後は、プログラムを改造することが出来ない。
5本又は4本の接続線11全てが基板10の内層に形成されていても良く、例えば、TDIの接続線のみ又はTCKの接続線のみが基板10の内層に形成されていてもよい。
【0059】
J−CPU1のチップが例えばQuad Flat Package(QFP)のように基板10に実装された後も端子3に外部より接触可能なパッケージに封じされていれば、端子3に直接JTAGデバッカを接続できるため、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路2を直接制御してプログラムの改造をすることが可能になる。
第1の実施例においては、J−CPU1のチップがBGAパッケージに封じされており、TAP7にJTAGデバッカを直接接続してプログラムを改造することが出来ない。
【0060】
第1の実施例の変形においては、J−CPU1のチップは外部から接触できるパッケージ(例えばQFP)に封じされているが、J−CPU1を実装後少なくともTAP7が樹脂封じされている(例えば、TAP7の端子の上に除去が困難な樹脂を塗布し、樹脂を固化させる。)。J−CPU1は基板に実装された状態において、その端子が外部より接触できないように封じされる。従って、このような方法によっても、同様の効果が得られる。
明細書及び特許請求の範囲の記載における「基板に実装された状態において端子が外部より接触できないように封じされている」とは、半導体装置のチップがBGAパッケージ等に封じされている場合、及び半導体装置を基板に実装後その端子を樹脂で覆う等の方法により封じする場合を含む。
【0061】
《実施例2》
本発明の第2の実施例を図2及び図3を用いて説明する。
図2は、第2の実施例の電子装置におけるJ−CPU1及びEEPROM8を含むブロックを示す。電子装置の用途及び種類等は任意であるが、第2の実施例の電子装置は、携帯情報端末である。
なお、従来の技術又は第1の実施例で説明したものと実質的に同じ素子及び部品については同一の符号を用い、説明を省略する。
図2において、15はJTAGコネクタ9とJ−CPU1間の信号を中継する第1の中継装置、16は基板10の切り離し可能な領域が切り離されているか否かを検出するために切り離し可能な領域まで引き出された切り離し監視線である。領域が切り離されているか否かを検出する検出装置は、切り離し監視線16を含む。切り離し監視線16は、基板10の内層に形成されている。
【0062】
図3を用いて、切り離し監視線16を含む検出装置が基板10の切り離し可能な領域が切り離されているか否かを検出する方法を説明する。切り離し監視線16の一端は基板10の切り離し可能な領域でグラウンドに接続され、他方は中継装置15に接続され、中継装置15内部で電圧検出部と、抵抗を介して電源に接続されている。検出装置は、切り離し監視線、抵抗及び電圧検出部等を含む。
切り離し可能な領域が切り離されていない場合は切り離し監視線16の電圧はグラウンドと等しくなり(0V)、切り離された後は電源電圧(例えば+5V)と等しくなる。中継装置15内部の電圧検出部はこの切り離し監視線16の電圧を検出する。
切り離し監視線16の電圧が0Vであることを電圧検出部が検出した場合は、中継装置15は接続線11(JTAGコネクタ9とJ−CPU1のTAP7とを接続する接続線で、JTAG信号が通る。)を接続する。外部装置(JTAGデバッガ)をJTAGコネクタ9に接続し、外部装置からJ−CPU1にJTAG信号を伝送し、J−CPU1の内部論理回路を直接制御してEEPROM8にデータ(プログラム)を書き込むことが出来る。
切り離し監視線16の電圧が5Vの場合は、中継装置15は接続線11を遮断する。外部装置からJ−CPU1にJTAG信号を伝送出来ない。そのため、EEPROMのデータを書き換えることが出来ない。
中継装置15は接続線11を全て(4本又は5本)遮断してもよく、TDIのみ、又はTCKのみ遮断してもよい。
【0063】
電子装置を以下の手順で製造する。
(1)切り離し可能な領域を切り離していない状態において、基板に実装されたEEPROM8にプログラムを書き込む。プロクラム書き込みはJTAGコネクタ9にJTAGデバッカを接続し、JTAGデバッカから接続線11及び中継装置15を介してJ−CPU1の制御命令とプログラムをJ−CPU1に送る。J−CPU1は制御命令に従って、送られたプログラムをバス12を介してEEPROM8に書き込む。この一連の書き込み動作はJTAGデバッカを用いてJ−CPU1の内部論理回路を直接制御できるため実現できる。
(2)プログラム書き込み完了後Vカット13で基板10の切り離し可能な領域を切り離す。切り離し可能な領域を切り離した後、完成した電子装置を市場に出荷する。
【0064】
切り離し可能な領域を切り離した後は中継装置15が接続線11を遮断するため、JTAGデバッカによりJ−CPU1の内部論理回路を直接制御してEEPROM8にプログラムを書き込むことができない。これにより、第3者が不正にEEPROMのプログラムを改造することを防止できる。
【0065】
もし、切り離し監視線16が基板10の表層に形成されていれば、基板10の切り離し可能な領域が切り離された後、切り離し監視線16を覆っている保護層を削り取ることにより切り離し監視線16を露出させることができる。露出させた切り離し監視線16に線材を直接半田付けし、線材の他端をグラウンドに接続するという不正な改造を行うことにより、中継装置15が接続線11を接続する。これにより、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路2を直接制御してプログラムの改造をすることが可能になる。
第1の実施例の電子装置は、切り離し監視線16が基板10の内層に形成されているため、上記のような不正な改造が出来ない。従って、領域を切り離した後は、プログラムを改造することが出来ない。
同様に、中継装置15とJ−CPU1との間の接続線11も基板10の内層14に形成されているために、中継装置15とJ−CPU1との間の接続線11に直接JTAGデバッカを接続することができない。これにより、プログラムの改造を防止できる。
【0066】
さらに、J−CPU1及び中継装置15のチップがBGAパッケージに封じされているため、これらの素子を基板に実装後はそれらの端子3に外部から接触できない。従って、J−CPU1または中継装置15のJTAG信号線の端子に直接JTAGデバッカを接続してプログラムを改造することが出来ない。
他の実施例においては、J−CPU1及び中継装置15のチップは外部から接触できるパッケージ(例えばQFP)に封じされているが、J−CPU1及び中継装置15を実装後少なくともJTAG信号線の端子を樹脂封じする(例えば、TAP7の端子の上に除去が困難な樹脂を塗布し、樹脂を固化させる。)。J−CPU1及び中継装置15は基板に実装された状態において、その端子が外部より接触できないように封じされる。従って、このような方法によっても、同様の効果が得られる。
【0067】
《実施例3》
本発明の第3の実施例を図4を用いて説明する。
図4は、第3の実施例の電子装置におけるJ−CPU1及びEEPROMを含むブロックを示す。電子装置の用途及び種類等は任意であるが、第3の実施例の電子装置は、複写機である。
なお、従来の技術、第1の実施例又は第2の実施例で説明したものと実質的に同じ素子及び部品については同一の符号を用い、説明を省略する。
図4において、19は検出装置と中継装置を有する第2の中継装置である。検出装置は、基板10の切り離し可能な領域が切り離されているか否かを検出し、検出結果を第2の中継装置19が有する中継装置及びスクランブル装置17に伝送する。第2の中継装置19が有する中継装置は、検出装置の検出結果に従ってJTAGコネクタ9とJ−CPU1間の接続線11(JTAGコネクタ9とJ−CPU1のTAPとを接続する接続線で、JTAG信号が通る。)を接続もしくは遮断する。
17はJ−CPU1からEEPROM8に伝送されるデータをスクランブルし、かつEEPROM8からJ−CPU1に伝送されるデータをデスクランブルする第1のスクランブル装置である。12aはデータバス、12bはアドレスバス、12cはスクランブルが施されたデータバスで、18は少なくとも第2の中継装置19とスクランブル装置17を含む第1の半導体装置である。
【0068】
第2の中継装置19の機能は、検出結果をスクランブル装置17に伝送することを除いて、第2の実施例の中継装置15と同様である。
検出装置は、図3に示す第2の実施例と同じである。従って、切り離し可能な領域が切り離されていない場合は、切り離し監視線16はグラウンドに接地されており、切り離し監視線16の電圧は0Vである。切り離し可能な領域が切り離された場合は、切り離し監視線16の電圧は電源電圧(例えば+5V)である。基板10の切り離し可能な領域が切り離されていない場合には、検出装置は基板10の切り離し可能な領域が切り離されていないことを切り離し監視線16によって検出し、第2の中継装置19に含まれる中継装置及びスクランブル装置17に前記領域が切り離されていないことを示す検出信号(以下、第1の検出信号という。)を伝送する。第2の中継装置19に含まれる中継装置は、JTAGコネクタ9とJ−CPU1間の接続線11を接続する。
スクランブル装置が第1の検出信号を入力する場合には、スクランブル装置17は、J−CPU1が出力するデータを入力し、入力したデータを秘密のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルされたデータを出力する。スクランブルされたデータは、EEPROMに書き込まれる。また、検出装置が第1の検出信号を出力しているか、又は前記領域が切り離されていることを示す検出信号(以下、第2の検出信号という。)を出力しているかにかかわらず、スクランブル装置17は、EEPROM8から読み出したデータを入力し、入力したデータを秘密の前記スクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルされたデータをJ−CPU1に伝送する。
【0069】
基板10の切り離し可能な領域が切り離されている場合には、検出装置はスクランブル装置17に対し第2の検出信号を伝送する。
スクランブル装置17が第2の検出信号を入力する場合には、スクランブル装置17はEEPROM8へのデータの書き込みを行わない。具体的には、例えば、スクランブル装置17がJ−CPU1とEEPROM8との全ての接続線を遮断すること、又はJ−CPU1からEEPROM8に伝送するライトストローブ信号を遮断すること、又はEEPROM8のイネーブル端子(又はチップセレクト端子)をディスエーブルにする等により、EEPROM8へのデータ書き込みが禁止される。
【0070】
電子装置を以下の手順で製造する。
(1)切り離し可能な領域を切り離していない状態において、基板に実装されたEEPROM8にプログラムを書き込む。プロクラム書き込みはJTAGコネクタ9にJTAGデバッカを接続し、JTAGデバッカから接続線11及び第2の中継装置19を介してJ−CPU1の制御命令とプログラムをJ−CPU1に送る。J−CPU1は制御命令に従って、送られたプログラムをバス12a及び12bを介してスクランブル装置17に伝送する。スクランブル装置17はプログラムをスクランブルする。スクランブルされたプログラムは、EEPROM8に書き込まれる。この一連の書き込み動作はJTAGデバッカを用いてJ−CPU1の内部論理回路を直接制御できるため実現できる。
(2)プログラム書き込み完了後Vカットで基板の切り離し可能な領域を切り離す。切り離し可能な領域を切り離した後、完成した電子装置を市場に出荷する。
【0071】
切り離し可能な領域を切り離した後は、中継装置19が接続線11を遮断しかつスクランブル装置17がデータをEEPROM8に書き込まないため、JTAGデバッカによりJ−CPU1の内部論理回路を直接制御してEEPROM8にプログラムを書き込むことができない(接続線11の遮断のみでもよく、又はEEPROM8への書き込み禁止のみでもよい。)。これにより、第3者が不正にEEPROMのプログラムを改造することを防止できる。
【0072】
また、第3の実施例においては、中継装置19とスクランブル装置17が電子装置の動作上不可欠な他の回路とともに、一体的に半導体装置18内部で構成されている。もし、半導体装置18を基板10から取り外し、中継装置19とスクランブル装置17をバイパスし、JTAGコネクタ9の各端子とJ−CPU1のTAPとを線材によって直接接続し、かつJ−CPU1とEEPROM8間のデータバス12aを線材によって直接接続した場合には、JTAGデバッカを使用してEEPROMのプロクラムを書き換えることが出来る可能性があるが、半導体装置18が取り外されているため電子装置の動作上不可欠な他の回路がなく、電子装置は動作しない。
動作上不可欠な他の回路は任意であり、実際の装置の内部構成に依存して不可欠であるか否かが決まるが、例えばRAM、拡張入出力端子、シリアル入出力装置等である。
【0073】
EEPROM8を基板から取り外し、EEPROM8のプログラムをPROMライター等を用いて書き換え、プログラムを書き換えたEEPROM8を再び基板に取り付けるという不正な改造が行われる可能性がある。しかし、第3者はスクランブル装置17のスプランブルパターンを知らないため、第3者は、秘密のスクランブルパターンでスクランブルされたプログラムをEEPROM8に書き込むことが出来ない。従って、スクランブルされていないデータ等をEEPROMに書き込むことによって不正な改造を行っても、電子装置は動作しない。
【0074】
さらに、J−CPU1及び半導体装置18のチップがBGAパッケージに封じされているため、これらの素子を基板に実装後はそれらの端子に外部から接触できない。従って、J−CPU1又は半導体装置18のJTAG信号線の端子に直接JTAGデバッカを接続等してプログラムを改造することが出来ない。
他の実施例においては、J−CPU1及び半導体装置18のチップは外部から接触できるパッケージ(例えばQFP)に封じされているが、J−CPU1及び半導体装置18を実装後少なくともJTAG信号線の端子及びJ−CPU1からEEPROM8に伝送されるライトストローブ信号の端子を樹脂封じする(例えば、端子の上に除去が困難な樹脂を塗布し、樹脂を固化させる。)。J−CPU1及び半導体装置18は基板に実装された状態において、その端子が外部より接触できないように封じされる。従って、このような方法によっても、同様の効果が得られる。
【0075】
もし、切り離し監視線16が基板10の表層に形成されていれば、基板10の切り離し可能な領域が切り離された後、切り離し監視線16を覆っている保護層を削り取ることにより切り離し監視線16を露出させることができる。露出させた切り離し監視線16に線材を直接半田付けし、線材の他端をグラウンドに接続するという不正な改造を行うことにより、第2の中継装置19の検出装置は第1の検出信号を出力する。これにより、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路2を直接制御してプログラムの改造をすることが可能になる。
第3の実施例の電子装置は、切り離し監視線16が基板10の内層に形成されているため、上記のような不正な改造が出来ない。従って、領域を切り離した後は、プログラムを改造することが出来ない。
同様に、第2の中継装置19とJ−CPU1との間の接続線11も基板10の内層14に形成されているために、第2の中継装置19とJ−CPU1との間の接続線11に直接JTAGデバッカを接続することができない。
これにより、プログラムの改造を防止できる。
【0076】
《実施例4》
本発明の第4の実施例を図5を用いて説明する。
図5は、第4の実施例の電子装置におけるJ−CPU1及びEEPROMを含むブロックを示す。電子装置の用途及び種類等は任意であるが、第4の実施例の電子装置は、セットトップボックスである。
なお、従来の技術、第1の実施例、第2の実施例又は第3の実施例で説明したものと実質的に同じ素子及び部品については同一の符号を用い、説明を省略する。
図5において、基板10は第1の切り離し可能な領域と第2の切り離し可能な領域を有する。16a及び16bはそれぞれ基板10の第1の切り離し可能な領域及び第2の切り離し可能な領域が切り離されているか否かを検出する監視線である。図3の監視線(第2の実施例)と同様に、監視線16aは基板10の第1の切り離し可能な領域内でグラウンドに接続されており、監視線16bは基板10の第2の切り離し可能な領域内でグラウンドに接続されている。
【0077】
22は切り離し監視線16aを用いて、基板10の第1の切り離し領域が切り離されているか否かを検出する第1の検出装置、23は切り離し監視線16bを用いて、基板10の第2の切り離し領域が切り離されているか否かを検出する第2の検出装置である。第1の検出装置及び第2の検出装置は、図3(第2の実施例)と同様の構成をしており、電源(+5V)と第1の監視線又は第2の監視線との間に接続された抵抗と電圧検出部を含む。
20は2種類のスクランブルパターンと2種類のデスクランブルパターンを有する第2のスクランブル装置である。21は少なくとも第1の検出装置22と第2の検出装置23と第2のスクランブル装置20とを含む第2の半導体装置である。
【0078】
第1及び第2の切り離し可能な領域がともに切り離されていない場合について説明する。
第1の検出装置22及び第2の検出装置23が、切り離し監視線16a及び16bがグラウンドに接続されていることをそれぞれ検出し、検出結果を第2のスクランブル装置20に伝送する。第2のスクランブル装置20はスクランブルパターンを第1のスクランブルパターンに設定し、デスクランブルパターンを第1のデスクランブルパターンに設定する。
外部装置(例えばJTAGデバッガ)をJTAGコネクタ9に接続し、外部装置によりJ−CPU1の内部論理回路を直接駆動し、EEPROM8にプログラムを書き込む場合には、スクランブル装置20はJ−CPU1が出力するデータを入力し、入力したデータを第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータをEEPROM8に書き込む。
スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを入力し、入力したデータを第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
【0079】
つぎに第1の切り離し可能な領域が切り離されており、かつ第2の切り離し可能な領域が切り離されていない場合について説明する。
切り離し監視線16aの電圧が+5V(第1の領域が切り離されている状態)であることを第1の検出装置22が検出し、切り離し監視線16bの電圧が0V(第2の領域が切り離されていない状態)であることを第2の検出装置23が検出し、それぞれの検出結果が第2のスクランブル装置20に伝送される。第2のスクランブル装置20はスクランブルパターンを第2のスクランブルパターンに設定し、デスクランブルパターンを第1のデスクランブルパターンに設定する。外部装置(例えばJTAGデバッガ)をJTAGコネクタ9に接続し、外部装置によりJ−CPU1の内部論理回路を直接駆動し、EEPROM8にプログラムを書き込む場合には、スクランブル装置20はJ−CPU1が出力するデータを入力し、入力したデータを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータをEEPROM8に書き込む。
スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを入力し、入力したデータを第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
【0080】
つぎに第1及び第2の切り離し可能な領域が切り離されている場合について説明する。
切り離し監視線16a及び16bの電圧がともに+5V(領域が切り離されている状態)であることを第1の検出装置22及び第2の検出装置23が検出する。それぞれの検出結果が第2のスクランブル装置20に伝送される。第2のスクランブル装置20はEEPROM8への書き込みデータ及びEEPROM8へのライトストローブ信号が通る経路を遮断し、デスクランブルパターンを第2のデスクランブルパターンに設定する。
従って、外部装置(例えばJTAGデバッガ)をJTAGコネクタ9に接続し、外部装置によりJ−CPU1の内部論理回路を直接駆動しても、EEPROM8にデータを書き込むことが出来ない。
スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを入力し、入力したデータを第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
【0081】
すなわち、第1及び第2の切り離し可能な領域がともに切り離されていない場合は、JTAGコネクタ9に接続したJTAGデバッカより接続線11を介してJ−CPU1に送られたEEPROM8のプログラムはデータバス12aで第2のスクランブル装置20に入力され、第1のスクランブルパターンでスクランブルされ、データバス12cでEEPROM8に書き込まれる。EEPROM8から読み出されたデータはデータバス12cで第2のスクランブル装置20に入力され、第1のデスクランブルパターンに従いデスクランブルされ、データバス12aでスクランブルされていないデータがJ−CPU1に入力される。そのため、この場合には無制限の回数、プログラム改造が可能である。
【0082】
第1の切り離し可能な領域のみが切り離された状態でプログラムの書き換えを実行すると、第2のスクランブルパターンに従ってスクランブルされたデータがEEPROM8に書き込まれるため、EEPROM8から読み出したデータにはスクランブル装置20で第2のデスクランブルパターンに従ったデスクランブルを施す必要があり、このため第2の切り離し可能な領域を折り取らなければならない。第2の切り離し可能な領域を切り離すと第2のスクランブル装置20はEEPROM8への書き込みを禁止するために、その後はEEPROM8のデータを書き換えることが出来ない。
第4の実施例の電子装置は、プログラムの無制限回数の書き換え、1回のみのプログラムの書き換え、プログラムの書き換え禁止の各状態を実現できる。これにより、不正なプログラム改造を防止出来るとともに、必要な場合には電子装置のEEPROM8のデータを書き換えることが出来る。
【0083】
電子装置を以下の手順で製造する。
(1)切り離し可能な領域を切り離していない状態において、基板に実装されたEEPROM8にプログラムを書き込む。プロクラム書き込みはJTAGコネクタ9にJTAGデバッカを接続し、JTAGデバッカから接続線11を介してJ−CPU1の制御命令とプログラムをJ−CPU1に送る。J−CPU1は制御命令に従って、送られたプログラムをバス12aを介してスクランブル装置20に伝送する。伝送されたプログラムは、スクランブル装置20により第1のスクランブルパターンでスクランブルされる。スクランブルされたプログラムはバス12cを介してEEPROM8に書き込まれる。この一連の書き込み動作はJTAGデバッカを用いてJ−CPU1の内部論理回路を直接制御できるため実現できる。
(2)プログラム書き込み完了後第1の切り離し可能な領域を切り離す。切り離し可能な領域を切り離した後、完成した電子装置を市場に出荷する。
(3)もし製品を市場に出荷した後にプログラムの書き換えが必要になれば、サービスステーションにおいて(1)と同様の手順でEEPROMにデータを書き込み、その後第2の切り離し可能な領域を切り離す。その後、電子装置を市場に送り返す。
【0084】
第3者がJTAGコネクタ9にJTAGデバッガを接続し、JTAGデバッガによりJ−CPU1の内部論理回路を直接制御し、JTAGデバッガが送出するデータをEEPROM8に不正に書き込むことが考えられる。しかし、スクランブル装置20は入力されたデータを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルされたデータをEEPROM8に書き込む。又、EEPROM8から読み出されたデータはスクランブル装置20によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルされる。従って、電子機器は動作しない。
第2の領域を切り離すことによりスクランブル装置20が第2のスクランブルパターンでデスクランブルすることは秘密であることが好ましい。
万一、第3者がこの秘密を知った場合にも、EEPROMのデータの書き換えは1回しか出来ない。第3者が不十分な情報に基づいて改造プログラムを作成し、1回のデータ書き換えで電子装置を正常に動作させることは一般に極めて困難である。
【0085】
もし、何らかの理由により、市場にある製品のEEPROMのプログラムを書き換える必要がある場合は、JTAGデバッガを使ってJ−CPU1の内部論理回路を直接制御し、第2のスクランブルパターンでスクランブルされたデータをEEPROM8に書き込むことが出来る。書き込んだ後、第2の領域を切り離すことにより、電子装置は正常に動作する。
第2の切り離し可能な領域を切り離した後は、スクランブル装置20がデータバス12aと12cとの接続を遮断等するため、その後は第3者が不正にEEPROMのプログラムを改造することが極めて困難になる。
【0086】
第4の実施例においては、第2の半導体装置21が、第1の検出装置22と第2の検出装置23と第2のスクランブル装置20と電子装置の動作上不可欠な他の回路とを含む。もし、半導体装置21を基板10から取り外し、スクランブル装置20をバイパスし、J−CPU1とEEPROM8間のデータバス12a及び12cを線材で直接接続した場合には、JTAGデバッカを使用してEEPROMのプロクラムを書き換えることが出来る可能性があるが、半導体装置21が取り外されているため電子装置の動作上不可欠な他の回路がなく、電子装置は動作しない。
【0087】
EEPROM8を基板から取り外し、EEPROM8のプログラムをPROMライター等を用いて書き換え、プログラムを書き換えたEEPROM8を再び基板に取り付けるという不正な改造が行われる可能性がある。しかし、第3者はスクランブル装置20の第1のスプランブルパターンを知らないため、第3者は、第1のスクランブルパターンでスクランブルされたプログラムをEEPROM8に書き込むことが出来ない。従って、上記の不正な改造を行っても、電子装置は動作しない。
【0088】
もし、切り離し監視線16a又は16bが基板10の表層に形成されていれば、基板10の切り離し可能な領域が切り離された後、切り離し監視線16a又は16bを覆っている保護層を削り取ることにより切り離し監視線16a又は16bを露出させることができる。露出させた切り離し監視線16a又は16bに線材を直接半田付けし、線材の他端をグラウンドに接続するという不正な改造を行うことにより、第1の検出装置22又は第2の検出装置23は第1の領域又は第2の領域が切り離されていない状態を示す検出信号を出力する。これにより、JTAGデバッカでJ−CPU1の内部論理回路2を直接制御してEEPROM8のプログラムの改造をすることが可能になる。
第4の実施例の電子装置は、切り離し監視線16a及び16bが基板10の内層に形成されているため、上記のような不正な改造が出来ない。従って、第1の領域を切り離した後はプログラムを改造することが困難であり、第1の領域及び第2の領域を切り離した後はプログラムを改造することが出来ない。
これにより、プログラムの改造を防止できる。
【0089】
図5の構成を有する他の実施例を説明する。
第1の領域及び第2の領域が切り離されていない場合は、スクランブル装置20は、J−CPU1が出力するデータを第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータをEEPROM8に伝送する。又、スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
第1の領域が切り離されており、かつ第2の領域が切り離されていない場合は、スクランブル装置20は、J−CPU1が出力するデータを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータをEEPROM8に伝送する。又、スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
第1の領域及び第2の領域が切り離されている場合は、スクランブル装置20は、J−CPU1のライトストローブ信号が通る経路を遮断する。又、スクランブル装置20は、EEPROM8から読み出したデータを第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータをJ−CPU1に伝送する。
【0090】
【発明の効果】
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
本発明によれば、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという有利な効果が得られる。
【0091】
本発明により、市場で第3者がCPU等の端子又は基板の接続線等に線材を直接半田付けし、当該線材の他端をJTAGデバッガ等の外部装置の端子に接続等して不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを、出来なくする。
本発明によれば、製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れがさらに小さな電子装置の製造方法を実現するという有利な効果が得られる。
【0092】
本発明の電子装置の製造方法においては、さらに、EEPROMにスクランブルされたデータが書き込まれており、第3者はスクランブルパターンが分からないため、第3者がEEPROMを取り外して、PROMライター等を使用してデータを書き換えることが出来ない。
本発明によれば、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実現するという有利な効果が得られる。
【0093】
本発明によれば、さらに、基板の領域を切り離すことによりEEPROMに書き込まれるデータのスクランブルパターンを変更することが出来る電子装置を実現できるという有利な効果が得られる。しかも、いったん領域を切り離した状態においては、スクランブル装置がデスクランブルするスクランブルパターンと、スクランブルするスクランブルパターンが異なるため、第3者が不正にデータを書き込むことが非常に困難である。また、秘密の第2の領域を切り離す等の方法により、EEPROMのデータを書き直すことが可能になる。
本発明によれば、効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さい電子装置の製造方法を実現するという有利な効果が得られるとともに、製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータを後で書き換えることが出来る電子装置の製造方法を実現するという有利な効果が得られる。
【0094】
本発明によれば、IEEE1149規格に対応した回路を利用して効率の良い電子装置の製造方法を実現し、かつ製造された電子装置のEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置の製造方法を実という有利な効果が得られる有する。
【0095】
本発明の電子装置は、外部装置(例えばJTAGデバッカ)によってCPUの内部論理回路を直接制御して効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、かつその後領域を切り離すことにより、EEPROMのデータの書き換えを防止できる電子装置である。
本発明により、工場で電子装置を製造する時には、JTAGデバッガ等の外部装置を使用してCPU(例えばJ−CPU)の内部回路を直接制御して、効率よくEEPROMにデータ(プログラム等を含む。)を書き込むことが出来、又故障個所の検出等を迅速かつ的確に行うことが出来る。EEPROMへのデータの書き込みを完了後、領域を切り離すことにより、市場で第3者が電子装置にJTAGデバッガ等の外部装置を接続し、不正に内部のEEPROMのデータを書き換えることを出来なくする。
本発明によれば、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMに記憶されたデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現すという有利な効果が得られる。
【0096】
本発明においては、さらに、EEPROMにスクランブルされたデータが書き込まれており、第3者はスクランブルパターンが分からないため、第3者がEEPROMを取り外して、PROMライター等を使用してデータを書き換えることが出来ない。
本発明によれば、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMのデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現するという有利な効果が得られる。
【0097】
本発明によれば、さらに、基板の領域を切り離すことによりEEPROMに書き込まれるデータのスクランブルパターンを変更することが出来る電子装置を実現するという有利な効果が得られる。
又、いったん領域を切り離した状態においては、スクランブル装置がデスクランブルするスクランブルパターンと、スクランブルするスクランブルパターンが異なる電子装置においては、第3者が不正にデータを書き込むことが非常に困難である。また、秘密の第2の領域を切り離す等の方法により、EEPROMのデータを書き直すことが可能になる。
本発明によれば、効率の良い製造が可能な電子装置を実現し、かつEEPROMのデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さい電子装置を実現するという有利な効果が得られるとともに、EEPROMのデータを後で書き換えることが出来る電子装置を実現するという有利な効果が得られる。
【0098】
本発明の電子装置は、さらに、基板の領域を切り離すことによりEEPROMに書き込まれるデータのスクランブルパターンを変更することが出来、かつそれぞれのスクランブルパターンで何回でもEEPROMのデータの書き換えをすることが出来る電子装置を実現する。
本発明は、視聴者の毎月の視聴記録等の何回も書き直す必要があるデータを、不正に書き換えることが困難なの電子装置を実現する。
第3者は第1のスクランブルパターンを知らないため、EEPROMを基板から外して、PROMライター等を用いて直接データをEEPROMに書き込むことが出来ない。
又、不正にデータを書き換えられたと判断した場合には、基板の領域を切り離すことにより、スクランブルパターンを変更することが出来る。
本発明によれば、EEPROMのデータの書き換えが困難な電子装置を実現すという有利な効果が得られる。
【0099】
本発明によれば、第1の領域及び第2の領域の切り離し状態に応じてスクランブル装置のスクランブルパターン及びデスクランブルパターンのモードを切替えることが出来、かつEEPROMへの書き換え可能回数を制限する(1回だけの書き換えが可能である。)ことが出来る電子装置を実現すという有利な効果が得られる。
【0100】
本発明によれば、IEEE1149規格に対応した回路を利用して効率の良く製造できる電子装置を実現し、かつEEPROMのデータが市場で書き換えられる恐れが非常に小さな電子装置を実現という有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の電子装置のCPU等の構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施例の電子装置のCPU等の構成を示す図。
【図3】本発明の第2の実施例、第3の実施例及び第4の実施例における領域が切り離されていることの検出装置の構成を示す図。
【図4】本発明の第3の実施例の電子装置のCPU等の構成を示す図。
【図5】本発明の第4の実施例の電子装置のCPU等の構成を示す図。
【図6】従来の電子装置ののCPU等の構成を示す図。
【図7】JTAG規格対応のCPUを有する電子装置のCPU周辺のブロック図。
【図8】JTAG規格対応素子の内部構造を示す図。
【符号の説明】
1 JTAG規格に対応したCPU(J−CPU)
2 CPUの内部論理回路
3 端子
4 セル
5 JTAGレジスタ
6 TAPコントローラ
7 TAP
8 EEPROM
9 JTAGコネクタ
10 基板
11 JTAGコネクタ9とJ−CPU1のTAPとを接続する接続線
12 バス
13 Vカット
14 内層
15 中継装置
16 切り離し監視線
17、20 スクランブル装置
18、21 半導体装置
19 第2の中継装置
22 第1の検出装置
23 第2の検出装置
Claims (21)
- 切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、前記領域に取り付けられたコネクタとを備えた基板を有し、かつ前記領域を切り離した状態において前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに外部装置を接続して前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を切り離す切り離しステップと、
を有することを特徴とする電子装置の製造方法。 - 前記中央演算装置が、前記基板に実装された状態において前記中央演算処理装置の端子が外部より接触できないように封じされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。 - 前記基板が少なくとも4層以上の多層基板であって、前記中央演算処理装置と前記コネクタとを接続する少なくとも1本の接続線は前記基板の内層に形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子装置の製造方法。 - 切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有し、かつ前記領域を切り離した状態において、前記検出装置の出力信号に基づいて前記中継装置が前記コネクタの端子と前記中央演算処理装置の端子とを接続する少なくとも1本の接続線を遮断している故に前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに外部装置を接続して前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を切り離す切り離しステップと、
を有することを特徴とする電子装置の製造方法。 - 前記中央演算装置及び前記中継装置が、前記基板に実装された状態において前記中央演算処理装置の端子及び前記中継装置の端子が外部より接触できないように封じされている、
ことを特徴とする請求項4に記載の電子装置の製造方法。 - 切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有し、かつ、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データをスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記検出装置の出力信号に基づいて、前記スクランブル装置が前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ない、
電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データをスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を切り離す切り離しステップと、
を有する、ことを特徴とする電子装置の製造方法。 - 前記中継装置、前記スクランブル装置及び前記電子装置の動作上不可欠な他の回路は、1個の半導体装置に含まれることを特徴とする請求項6記載の電子装置の製造方法。
- 前記中央演算処理装置と前記半導体装置とが、前記基板に実装された状態において、前記中央演算処理装置の端子及び前記半導体装置の端子が外部より接触できないように封じされている、
ことを特徴とする請求項7に記載の電子装置の製造方法。 - 前記領域を切り離した状態において、前記スクランブル装置が前記中央演算処理装置から前記記憶素子に伝送されるライトストローブ信号の線を遮断する、
ことを特徴とした請求項6から請求項8のいずれかの請求項に記載の電子装置の製造方法。 - 切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有し、かつ、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記検出装置の出力信号に基づいて、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来る、
電子装置の製造方法であって、
前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込む書き込みステップと、
前記書き込みステップの後に、前記領域を切り離す切り離しステップと、
を有する、ことを特徴とする電子装置の製造方法。 - 前記スクランブル装置、前記検出装置及び前記電子装置の動作上不可欠な他の回路は、1個の半導体装置に含まれることを特徴とする請求項10記載の電子装置の製造方法。
- 前記半導体装置が、前記基板に実装された状態において前記半導体装置の端子が外部より接触できないように封じされている、
ことを特徴とする請求項11に記載の電子装置の製造方法。 - 前記基板は少なくとも4層以上の多層基板であって、前記領域が切り離されているか否かの検出信号が通る線が、前記基板の内層に形成されている、
ことを特徴とする請求項4から請求項12のいずれかの請求項に記載の電子装置の製造方法。 - 前記基板は少なくとも4層以上の多層基板であって、前記中央演算処理装置と前記中継装置とを接続する少なくとも1本の接続線が、前記基板の内層に形成されている、
ことを特徴とする請求項4から請求項9のいずれかの請求項に記載の電子装置の製造方法。 - 前記中央演算処理装置はIEEE1149規格に対応した素子である、ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかの請求項に記載の電子装置の製造方法。
- 切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、前記領域にコネクタとを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込むことが出来、かつ
前記領域を切り離した状態において、前記中央演算処理装置を制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置。 - 切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御し、前記記憶素子にデータを書き込むことが出来、かつ
前記領域を切り離した状態において、前記検出装置の出力信号に基づいて前記中継装置は前記コネクタの端子と前記中央演算処理装置の端子とを接続する少なくとも1本の接続を遮断している故に前記中央演算処理装置の内部回路を直接制御して前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置。 - 切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、少なくとも1本の前記コネクタの端子と少なくとも1本の前記中央演算処理装置の端子とを接続する中継装置と、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データをスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によってデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記検出装置の出力信号に基づいて前記スクランブル装置が前記記憶素子にデータを書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置。 - 切り離し可能な領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、コネクタと、スクランブル装置と、前記領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記領域を切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第1のスクランブルパターン又は前記第1のスクランブルパターンと異なるスクランブルパターンである第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来る、
ことを特徴とする電子装置。 - 切り離し可能な第1の領域及び第2の領域を有する基板であって、中央演算処理装置と、電気的書き換え可能な不揮発性の記憶素子と、スクランブル装置と、前記第1の領域が切り離されているか否かを検出する検出装置と、前記第2の領域が切り離されているか否かを検出する検出装置とを備えた基板を有する電子装置であって、
前記第1の領域及び前記第2の領域のいずれの領域も切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第1のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記第1の領域を切り離しかつ前記第2の領域を切り離していない状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第1のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに前記外部装置を接続することによって前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記中央演算処理装置から前記スクランブル装置にデータを出力し、前記スクランブル装置は前記中央演算処理装置の出力データを前記第1のスクランブルパターンと異なるスクランブルパターンである第2のスクランブルパターンでスクランブルし、スクランブルしたデータを前記記憶素子に書き込むことが出来、
前記第1の領域及び前記第2の領域を共に切り離した状態において、前記記憶素子から読み出したデータを前記スクランブル装置によって前記第2のスクランブルパターンでデスクランブルし、デスクランブルしたデータを前記中央演算処理装置に伝送することが出来るとともに、前記コネクタに接続した前記外部装置を通じて前記中央演算処理装置の内部論理回路を直接制御して前記スクランブル装置を介して前記記憶素子に書き込むことが出来ないようにした、
ことを特徴とする電子装置。 - 前記中央演算処理装置はIEEE1149規格に対応した素子である、ことを特徴とする請求項16から請求項20のいずれかの請求項に記載の電子装置。
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