JP3543413B2 - 移動体識別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、リーダライタと移動体に設けたデータキャリアとの間で電磁波による無線信号を用いてデータの送受信を行い、リーダライタの送受信可能エリア内での移動体の存否を検出したり、データキャリアにデータ設定を行うことができるようにした移動体識別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、リーダライタと移動体に設けたデータキャリアとの間で電磁波による無線信号を用いてデータの送受信を行い、リーダライタの送受信可能エリア内での移動体の存否を検出したり、データキャリアにデータ設定を行うことができるようにした移動体識別装置としては、特開平1−290336号公報及び特開平1−290337号公報で提案された移動体識別装置がある。この移動体識別装置は、図16に示すように、移動体に設けられたデータキャリアB’と、データキャリアB’と電磁波により交信してデータキャリアB’へのデータの書込み及びデータキャリアB’からのデータの読み出しを行うリーダライタA’とを備え、通常はリーダライタA’の上位にコンピュータなどから成るコントローラCが設けられ、リーダライタA’はコントローラCによって制御されるようになっている。
【0003】
この移動体識別装置では、一般的に固定して設置されるリーダライタA’から移動体に向けて電磁波を送信する。そして、リーダライタA’からデータキャリアB’へのデータの伝送は、例えば論理値”1”に対しては搬送波のデューティ比を70%、論理値”0”に対してはデューティ比を30%というように送信データを一旦パルス幅変調し、パルス幅変調されたデータをさらに振幅シフトキーイング変調(以下、ASK変調と略す)してデータキャリアB’に送信する。データキャリアB’では、図17に示すようにその送信信号を受信して復調部31においてパルス幅復調し、プロトコル解析部34において2値化データに変換して、データを得る。そのデータはデータキャリアB’から識別コードなどを返信させる命令を示すものである。これにより、データキャリアB’はデータを返信可能な状態になる。
【0004】
ここで、図17に示すように、データキャリアB’はアンテナコイルL4 を有する共振回路30を有しており、リーダライタA’から送信される電磁波によって共振回路30に誘起された誘起電圧を電源部35において全波整流して自らの動作電源を得ている。なお、コンデンサC0 は平滑コンデンサである。しかしこの場合、送信されてくるデータの論理の組み合わせにより、例えば論理値”0”か論理値”1”の何れか一方が他方よりも多いようなデータを送信することによって受電電力が変動するので、送信するデータをマンチェスタ符号化することにより安定した電力を得るようにしている。
【0005】
そして、リーダライタA’からのデータ送信が停止されたときにデータキャリアB’の共振回路30に現れる残留振動を利用して、データキャリアB’からリーダライタA’へ返送データを送信する。具体的には、プロトコル解析部34によってEEPROM33から読み出された返信データに基づき、変調部32において残留振動を断続させることによってASK変調し、リーダライタA’に設けた共振回路(図示せず)によって残留振動の有無を受信し、その残留振動信号をASK復調して、リーダライタA’はデータキャリアB’からの返送データを得る。つまり、リーダライタA’は、データキャリアB’からの識別コードなどのデータを受けて、移動体を識別する。
【0006】
また、リーダライタA’からの送信データにより、データキャリアB’が有するEEPROM33にデータを書き込むことも可能である。すなわち、図18に示すように、コントローラCからリーダライタA’に与えられる書き込むアドレス、バイト数及びデータから成る書込コマンドをリーダライタA’からデータキャリアB’に送信データとして送信し、データキャリアB’は送信データの内容に誤りがなければデータが正常であったことを知らせる返信データをリーダライタA’に返信して、それらのデータに基づいてEEPROM33にデータを書き込む。また、データキャリアB’のEEPROM33からデータを読み出す場合には、リーダライタA’よりアドレス、バイト数などの読出コマンドを送信し、データキャリアB’はその読出コマンドに基づいてEEPROM33からデータを読み出してリーダライタA’に返信データとして送信する。リーダライタA’では受け取ったデータをコントローラCへ与える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来構成の移動体識別装置のリーダライタA’では、送信するデータをマンチェスタ符号化しているため、単位時間当たりにデータキャリアB’において受電される電力は、平均すると50%となり、単位時間当たりに受電電力が得られる時間はその半分でしかないので効率が悪く、リーダライタA’とデータキャリアB’との交信距離を大きくできないという問題がある。
【0008】
また、上記従来構成の移動体識別装置では、リーダライタA’から送信されるデータのパルス幅変調のデューティ比を論理値”1”と論理値”0”とで各々70%,30%としているので、論理値”1”と論理値”0”とではデューティ比の変化率が40%しかない。そのため、データキャリアB’においては外来のノイズや共振回路の残響によってデータの誤りを起こす可能性が高くなるという問題がある。これを解決するために論理値に対するデューティ比の変化率を大きくすると、共振回路の残響振動によって送信データの区切りを判別できなくなるという問題がある。
【0009】
さらに、上記従来構成の移動体識別装置のデータキャリアB’においては、メモリバックアップ用の電池を備えていないから、メモリとして通常はEEPROM33を用いている。EEPROM33にデータを書き込む際には昇圧回路を動作させる必要があり、EEPROM33からのデータの読み出し時に比較して書込み時のデータキャリアB’の消費電流が増加することになる。そのため、データキャリアB’がリーダライタA’と正常に交信できるエリア内にいる場合であっても、データキャリアB’の電源電圧がEEPROM33へのデータの書込みに必要な電圧を下回ることがあり、このようなときにはEEPROM33に正しくデータを書き込むことができないことがある。ここで、EEPROM33はデータが書き込まれる前に現在書き込まれているデータが消去され、その後で指定されたアドレスにデータが書き込まれるから、上記のようにデータが正常に書き込まれなかった場合はEEPROM33の内容が全く異なったものとなるという問題がある。
【0010】
本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、電力供給の効率を高めるとともに交信の信頼性を向上させ、データキャリアにおけるデータの誤書込みを防止した移動体識別装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段を設けた移動体識別装置であって、リーダライタには送信するデータに対応した論理値”0”と論理値”1”の2値化データを1つの単位中において論理値”1”の数を論理値”0”の数よりも多くした所定の符号列に変換する符号化手段と、変換された符号列の論理値”1”の符号に対しては搬送波の振幅を一定値とし論理値”0”の符号に対しては搬送波の振幅を略ゼロとする振幅シフトキーイング変調を行って呼び出し信号とする変調手段とを具備し、データキャリアには振幅シフトキーイング変調されてリーダライタから送信される呼び出し信号の搬送波の波数をカウントする波数カウント手段と、波数カウント手段のカウント値に基づいて呼び出し信号を復調する復調手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、データキャリアにはリーダライタからの電磁波の呼び出し信号に共振する共振回路を具備し、呼び出し信号の送信が停止したときに共振回路に発生する残響振動によってデータキャリアからリーダライタに電磁波の返信信号を送信する移動体識別装置であって、共振回路の共振周波数を2つの値に切り換えることにより論理値”0”と論理値”1”の2値化データからなる返信信号を得る共振周波数切換手段をデータキャリアに設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、上記目的を達成するために、電磁波を用いて無線によりデータを送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタから送信されたデータを受信して受信したデータをEEPROMに書込みあるいは受信したデータに応じてEEPROMから返送データを読み出してリーダライタに送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、リーダライタから送信される制御信号に応じてEEPROMへのデータの書込みを許可・禁止するとともに正しく書込みがされないときには禁止状態とする書込許可禁止手段と、電源変換手段から供給される動作電源の電源電圧を監視して電源電圧がEEPROMへの書込み動作が正常に行える所定の電圧を下回ったときにEEPROMへの書込みを禁止する制御信号を書込許可禁止手段に与える電源監視手段と、受信したデータをEEPROMに書き込むとともにEEPROMからデータを読み出し、EEPROMに受信データを書き込む前にEEPROMの所定の空き領域にダミーの書き込みを行い、その後に実際にEEPROMに受信データを書き込む制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、データキャリアはEEPROMへのデータの書込みが書込許可禁止手段により許可されたときに実際にデータをEEPROMに書き込む前に書込み動作と同じ消費電流を同じ時間だけ消費させるダミー書込み動作を行うことを特徴とする。
請求項5の発明は、上記目的を達成するために、電磁波を用いて無線によりデータを送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタから送信されたデータを受信して受信したデータをEEPROMに書込みあるいは受信したデータに応じてEEPROMから返送データを読み出してリーダライタに送信するデータキャリアとを備え、データキャリアはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、電源変換手段からの電源電圧が書込み動作可能な電圧を下回ると初期化され書込み動作時の動作時間及び消費電流がEEPROMと略等しいRAMと、受信したデータのEEPROMあるいはRAMへの書き込み及び読み出しを行う制御手段とを具備してEEPROMに受信データを書き込む前にRAMに書き込むとともに書き込んだ受信データを読み出してリーダライタに返信し、リーダライタは返信されたデータに基づいてRAMに対する受信データの書込みの良否を判定して受信データがRAMに正しく書き込まれていたときに実際にEEPROMに受信データを書き込ませる書込コマンドをデータキャリアに送信することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、上記目的を達成するために、無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタへ送信する返信信号を周波数シフトキーイング変調する変調手段を具備するとともに、リーダライタには受信した返信信号を周波数シフトキーイング復調する復調手段を具備して成る移動体識別装置であって、データキャリアから送信される所定のテスト信号の周波数を計測する周波数計測部と、返信信号の周波数の違いを判別するためのしきい値を周波数計測部によって計測されたテスト信号の周波数に応じて可変して返信信号を復調する復調部とをリーダライタの復調手段に備え、データキャリアの変調手段はリーダライタからの呼び出し信号に応答しない場合には所定のテスト信号を送信して成ることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、上記目的を達成するために、無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアには、リーダライタから送信されたデータが書き込まれるEEPROMと、EEPROMへのデータの書込みあるいは読み出しを行なう制御手段と、リーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、制御手段によるEEPROMへのデータの書込みを許可あるいは禁止状態にする書込許可禁止手段と、電源変換手段から供給される動作電源の電源電圧を監視して電源電圧がEEPROMへの書込み動作が正常に行える所定の電圧を下回ったときに書込許可禁止手段を禁止状態とする制御信号を書込許可禁止手段に与える電源監視手段とを備え、制御手段はリーダライタからの呼び出し信号に応じて書込許可禁止手段を許可状態とするとともにデータの書込過程において書込許可禁止手段が禁止状態とされたときにはリーダライタへの返信信号の送信を行なわないことを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、データキャリアの制御手段はEEPROMへのデータの書込みが書込許可禁止手段により許可状態とされたときに実際にデータをEEPROMに書き込む前に書込み動作と同じ消費電流を同じ時間だけ消費させるダミー書込み動作を行うことを特徴とする。
【0018】
【作用】
請求項1の発明の構成では、無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段を設けた移動体識別装置であって、リーダライタには送信するデータに対応した論理値”0”と論理値”1”の2値化データを1つの単位中において論理値”1”の数を論理値”0”の数よりも多くした所定の符号列に変換する符号化手段と、変換された符号列の論理値”1”の符号に対しては搬送波の振幅を一定値とし論理値”0”の符号に対しては搬送波の振幅を略ゼロとする振幅シフトキーイング変調を行って呼び出し信号とする変調手段とを具備し、データキャリアには振幅シフトキーイング変調されてリーダライタから送信される呼び出し信号の搬送波の波数をカウントする波数カウント手段と、波数カウント手段のカウント値に基づいて呼び出し信号を復調する復調手段とを具備したので、リーダライタから送信され、データキャリアの電源変換手段にて動作電源に変換される呼び出し信号の搬送波の振幅が単位時間当たりに断続する回数を減らすことができ、リーダライタからデータキャリアへの電力供給の効率を上げることができる。しかも、データキャリアにおいては搬送波の波数をカウントすることによりリアルタイムでのエラー検出が可能となり、さらに、呼び出し信号のデータに対応した搬送波の変化の割合が大きくなり、データの変化する点を見出すのが容易になる。
【0019】
請求項2の発明の構成では、データキャリアにはリーダライタからの電磁波の呼び出し信号に共振する共振回路を具備し、呼び出し信号の送信が停止したときに共振回路に発生する残響振動によってデータキャリアからリーダライタに電磁波の返信信号を送信する移動体識別装置であって、共振回路の共振周波数を2つの値に切り換えることにより論理値”0”と論理値”1”の2値化データからなる返信信号を得る共振周波数切換手段をデータキャリアに設けたので、従来のように残響振動の有無によって返信信号を送信するのに比べ、リーダライタとデータキャリアとの距離が近接している場合にも確実に返信信号を送信することができ、しかも、データキャリアにおいてはリーダライタからの呼び出し信号が停止したことを厳密に検出する必要がなく、リーダライタが搬送波を送信している途中でも返信信号を送信することができる。
【0020】
請求項3の発明の構成では、電磁波を用いて無線によりデータを送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタから送信されたデータを受信して受信したデータをEEPROMに書込みあるいは受信したデータに応じてEEPROMから返送データを読み出してリーダライタに送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、リーダライタから送信される制御信号に応じてEEPROMへのデータの書込みを許可・禁止するとともに正しく書込みがされないときには禁止状態とする書込許可禁止手段と、電源変換手段から供給される動作電源の電源電圧を監視して電源電圧がEEPROMへの書込み動作が正常に行える所定の電圧を下回ったときにEEPROMへの書込みを禁止する制御信号を書込許可禁止手段に与える電源監視手段と、受信したデータをEEPROMに書き込むとともにEEPROMからデータを読み出し、EEPROMに受信データを書き込む前にEEPROMの所定の空き領域にダミーの書き込みを行い、その後に実際にEEPROMに受信データを書き込む制御手段とを備えたので、EEPROMへのダミーの書き込みが正常に行われなければ書込許可禁止手段によってEEPROMが書込禁止状態となり、EEPROMに誤ったデータが書き込まれるのを防止することができる。
【0021】
請求項4の発明の構成では、データキャリアはEEPROMへのデータの書込みが書込許可禁止手段により許可されたときに実際にデータをEEPROMに書き込む前に書込み動作と同じ消費電流を同じ時間だけ消費させるダミー書込み動作を行うので、EEPROMに対してダミーの書き込みを行わずに済み、EEPROMの寿命を延ばし、書込みの信頼性を向上させることができる。
【0022】
請求項5の発明の構成では、電磁波を用いて無線によりデータを送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタから送信されたデータを受信して受信したデータをEEPROMに書込みあるいは受信したデータに応じてEEPROMから返送データを読み出してリーダライタに送信するデータキャリアとを備え、データキャリアはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、電源変換手段からの電源電圧が書込み動作可能な電圧を下回ると初期化され書込み動作時の動作時間及び消費電流がEEPROMと略等しいRAMと、受信したデータのEEPROMあるいはRAMへの書き込み及び読み出しを行う制御手段とを具備してEEPROMに受信データを書き込む前にRAMに書き込むとともに書き込んだ受信データを読み出してリーダライタに返信し、リーダライタは返信されたデータに基づいてRAMに対する受信データの書込みの良否を判定して受信データがRAMに正しく書き込まれていたときに実際にEEPROMに受信データを書き込ませる書込コマンドをデータキャリアに送信するので、ダミーの書込みを書込み回数に制限のないRAMに行うことでEEPROMに対してダミーの書き込みを行わずに済み、EEPROMの寿命を延ばし、書込みの信頼性を向上させることができる。
【0023】
請求項6の発明の構成では、無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタへ送信する返信信号を周波数シフトキーイング変調する変調手段を具備するとともに、リーダライタには受信した返信信号を周波数シフトキーイング復調する復調手段を具備して成る移動体識別装置であって、データキャリアから送信される所定のテスト信号の周波数を計測する周波数計測部と、返信信号の周波数の違いを判別するためのしきい値を周波数計測部によって計測されたテスト信号の周波数に応じて可変して返信信号を復調する復調部とをリーダライタの復調手段に備え、データキャリアの変調手段はリーダライタからの呼び出し信号に応答しない場合には所定のテスト信号を送信して成るので、周波数シフトキーイング変調された返信信号を復調する場合に、返信信号の周波数の違いを判別するためのしきい値をテスト信号の周波数に応じて可変することで常に最適なしきい値を設定でき、データキャリアとリーダライタとの位置関係によって返信信号の周波数が変動したり、部品の特性ばらつきなどによって個々のデータキャリアの返信信号の周波数に違いが生じても、返信信号を正確に復調して交信の信頼性を高めることができる。
【0024】
請求項7の発明の構成では、無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアには、リーダライタから送信されたデータが書き込まれるEEPROMと、EEPROMへのデータの書込みあるいは読み出しを行なう制御手段と、リーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、制御手段によるEEPROMへのデータの書込みを許可あるいは禁止状態にする書込許可禁止手段と、電源変換手段から供給される動作電源の電源電圧を監視して電源電圧がEEPROMへの書込み動作が正常に行える所定の電圧を下回ったときに書込許可禁止手段を禁止状態とする制御信号を書込許可禁止手段に与える電源監視手段とを備え、制御手段がリーダライタからの呼び出し信号に応じて書込許可禁止手段を許可状態とするとともにデータの書込過程において書込許可禁止手段が禁止状態とされたときにはリーダライタへの返信信号の送信を行なわないので、EEPROMへのデータの書込みが正常に行なわれない状態においては、データキャリアからリーダライタへ何ら信号を送信せず、リーダライタ側では所定のタイミングでデータキャリアからの返信信号の送信がないことでデータキャリア側の不具合を知ることができ、その時点で再度呼び出し信号の送信が可能となり、交信が不安定な状態であってもリーダライタ側での対処がし易くなる。
【0025】
請求項8の発明の構成では、データキャリアの制御手段はEEPROMへのデータの書込みが書込許可禁止手段により許可状態とされたときに実際にデータをEEPROMに書き込む前に書込み動作と同じ消費電流を同じ時間だけ消費させるダミー書込み動作を行うので、EEPROMに対してダミーの書き込みを行わずに済み、EEPROMの寿命を延ばし、書込みの信頼性を向上させることができる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)
本実施例を図1〜図4を参照して説明する。この移動体識別装置は、コンベア上を搬送されるワークのような移動体(図示せず)に設けられたデータキャリアBと、このデータキャリアBとの間で電磁波による無線のデータの送受信を行うリーダライタAとで構成されている。なお、リーダライタAとデータキャリアBとの間のデータの送受信は、リーダライタAがデータキャリアBに対してデータを送信する(データの書込みを行う)とともに、データキャリアBからのデータを返信させる(データキャリアBの保持するデータの読み出しを行う)ようにしてある。なお、一般にリーダライタAは従来例において説明したように、コンピュータから成るコントローラ(図示せず)の制御の下でデータキャリアBとの間でデータの送受信を行うものであり、リーダライタAはコントローラを介して電源の供給を受けるようになっている。
【0027】
図1は本実施例の移動体識別装置の回路ブロック図を示すものである。リーダライタAは、図1に示すように、データの送信を行うための送信用コイルL1 と、データの受信を行うための受信用コイルL2 とを有しており、データキャリアBが有する送受信用コイルL3 と、これらの送信用コイルL1 及び受信用コイルL2 とが移動体の移動によって電磁気的に結合されるように、データキャリアBに対してリーダライタAが配置してある。
【0028】
また、リーダライタAには図示しない上位のコントローラが接続されており、このコントローラが送出データSDをリーダライタAに送出し、リーダライタAから得られる受信データRDを読み込むようにしている。
さて、リーダライタAは、コントローラからの送信受信切換信号によって送信状態に切り換えられているときに、コントローラからのデータクロック信号に同期してコントローラから送出される送出データSDを後述するような所定の符号列に変換する符号化回路1と、搬送波を発生する搬送波発生器2と、符号化回路1から得られる符号列の論理値”0”と論理値”1”に応じて搬送波を断続させて振幅シフトキーイング変調を行うASK変調回路3と、ASK変調回路3からパルス信号が与えられたときにのみ一定の周波数の発振を行う発振器4とを備え、送信用コイルL1 によって発振器4の出力を電磁波として送信するようになっている。
【0029】
また、上述のように、リーダライタAには受信用コイルL2 が設けてあり、この受信用コイルL2 に並列にコンデンサC1 が接続され発振器4の発振周波数に共振する受信用共振回路5が構成されている。この受信用共振回路5の両端に得られる誘起電圧は受信アンプ6において増幅される。増幅された誘起電圧はアナログスイッチSWを介して周波数シフトキーイング復調回路(以下、FSK復調回路7と略す)に与えられる。
【0030】
ここで、アナログスイッチSWは受信タイミング発生回路8から与えられる受信タイミング信号によってオン・オフされ、FSK復調回路7に与えられる受信アンプ6の出力を断続するのである。受信タイミング発生回路8は、コントローラから与えられる送受信切換信号により制御されるものであって、受信状態に切り換えられているときにデータクロック信号に同期して受信タイミング信号を発生する。
【0031】
一方、FSK復調回路7はアナログスイッチSWを介して得られる信号をFSK復調するものであり、復調された信号はサンプルホールド回路9に与えられる。サンプルホールド回路9はコントローラからのデータクロック信号に基づいて入力信号をホールドして2値信号を得るものであり、その出力は受信データRDとしてコントローラに与えられる。
【0032】
データキャリアBは、送受信用コイルL3 と並列にコンデンサC2 を接続して成る送受信用共振回路10を有しており、この送受信用共振回路10の両端の誘起電圧が包絡線検波回路11及びダイオードブリッジDBに与えられる。ダイオードブリッジDBは送受信用共振回路10に得られる誘起電圧を全波整流して定電圧回路12に与える。定電圧回路12はその整流された電圧を平滑し一定の電圧としてデータキャリアBの動作電源としている。すなわち、本実施例においては、送受信用共振回路10と、ダイオードブリッジDBと、定電圧回路12とで電源変換手段を構成してある。
【0033】
送受信用共振回路10の一端にはクロック弁別回路13が接続してある。このクロック弁別回路13は送受信共振回路10に得られる発振周波数のクロックを送信信号が与えられたときに検出するものであって、そのクロック信号をデータ判別回路14に与える。また、データ判別回路14には包絡線検波回路11の出力が与えられており、その出力がクロック信号のパルス数をカウントするゲート信号となる。すなわち、データ判別回路14は上記包絡線検波回路11の出力であるゲート信号に基づいてクロック弁別回路12から与えられるクロック信号のパルス数をカウントし、リーダライタAの符号化回路1における符号化の規則に従って送信データを復調しており、波数カウント手段及び復調手段を兼ねるものである。
【0034】
ところで、リーダライタAから送信される信号にはデータ及びコマンドが含まれており、データキャリアBが有するメモリ制御部15はこのコマンドに基づいて与えられたデータをメモリ16に書き込むとともに、メモリ16内のデータを読み出すように制御するのである。また、メモリ制御部15には基準クロックとして、クロック弁別回路13の出力の立ち上がりに同期したサンプリングクロック信号がデータ判別回路14より与えられており、メモリ16から読み出されたデータは返信制御回路17に与えられる。この返信制御回路17は、送受信用共振回路10の送受信用コイルL3 にコンデンサC3 を介して並列に接続されたスイッチング素子18をオン・オフするものである。すなわち、スイッチング素子18がオンされることによって送受信用共振回路10にコンデンサC3 が接続されてその共振周波数が変化するから、返信制御回路17はリーダライタAからの送信が停止されたときに送受信用共振回路10に発生する残響振動の振動周波数を2つの値(送受信用コイルL3 とコンデンサC2 とで決まる周波数、送受信用コイルL3 、コンデンサC2 及びコンデンサC3 で決まる周波数)に切り換えることにより、返信データをFSK変調してリーダライタAに送信している。すなわち、返信制御回路17と、スイッチング素子18と、コンデンサC3 とにより共振周波数切換手段を構成している。
【0035】
次に本実施例の動作について、図2及び図3のタイムチャートに基づいて説明する。図2はリーダライタAからデータキャリアBにデータを送信する場合のタイムチャートである。まず、リーダライタAよりデータキャリアBにデータを送信する際には、コントローラより符号化回路1に送受信切換信号が与えられて送信状態に切り換えられる。その後、図2(a)に示すようにコントローラより送出データSD(例えば図示のように”HLLH”)の信号が符号化回路1に与えられる。送出データSDが与えられた符号化回路1は、コントローラから与えられるデータクロック信号に同期して送出データSDをサンプリングし、1ビットごとに以下のような規則に従って符号化する。その規則とは、例えば送出データSDの1ビットを論理値”0”が1個、論理値”1”が3個から成る4ビットの符号に置き換えるものである。すなわち、送出データSDが”L”のときには”1011”、”H”のときには”1110”という4ビットの符号が得られる(同図(b)参照)。但し、符号の決め方は上記に限定するものではなく、例えば送出データSDが”L”のときには”0111”、”H”のときには”1101”というようにしてもよい。
【0036】
上記の規則に従って送出データSDを符号化すると、図4に示すように、送出データSDが変化しない場合には、符号列では論理値”0”と論理値”0”の間に論理値”1”が3個連続することになる。また、送出データSDが論理値”0”から論理値”1”に変化した場合には、符号列では論理値”0”と論理値”0”の間に論理値”1”が5個連続することになる。さらに、送出データSDが論理値”1”から論理値”0”に変化した場合には、符号列では論理値”0”と論理値”0”の間に論理値”1”が1個だけしかない。そこで、符号列の論理値”1”に対して搬送波のパルスをn個割り当て、ASK変調回路3において搬送波を断続してASK変調すれば、送出データSDのデータ列をn個,3n個,5n個の搬送波のパルスの組み合わせで送信することができる。このときの送信信号の波形は図2(c)に示すようになる。
上記の送信信号はリーダライタAの送信用コイルL1 から電磁波にて送信され、その送信信号によってデータキャリアBの送受信用共振回路10に誘起電圧が生じる(図2(d)参照)。なお、送信信号が停止されても送受信用共振回路10には徐々に減衰する残響振動が生じている。
【0037】
ここで、送受信用共振回路10の出力はダイオードブリッジDBにて全波整流されて定電圧回路12によりデータキャリアBの動作電源となっており、本実施例においては、上述のような規則に従って送出データSDを符号化して送信しているので、単位時間当たりに送信されてくる論理値”1”の信号の割合は75%となる。すなわち、論理値”1”の場合に搬送波が送信されてくるのであるから、結局リーダライタAから伝送されてくる電力伝送の効率も75%となり、従来構成に比べて電力伝送の効率を向上させることができるのである。
【0038】
さて、送受信用共振回路10の出力は包絡線検波回路11に与えられて図2に(e)に示すようなゲート信号が得られるとともに、クロック弁別回路13にも与えられて図2(f)に示すようなクロック信号が得られる。これらのゲート信号とクロック信号とはデータ判別回路14に与えられ、データ判別回路14においてクロック信号のパルス数がカウントされる。カウントされたパルス数より上記の規則に従って復調される符号列を”H”,”L”の信号に戻せば、コントローラから送出された送出データSDをデータキャリアBにおいて再現できる(図2(g)参照)。なお、データ判別回路14においては、図2(h)に示すような包絡線検波回路11の出力の立ち上がりに同期したサンプリングクロック信号を得ており、上記再現された送出データSD(復調信号)と、このサンプリングクロック信号とをメモリ制御部15に与えている。ここで、リーダライタAより送信されてくる送信データの違いによるクロック弁別回路13の出力であるクロック信号におけるパルス数の変化は、上記の規則に従って1:3:5の割合となるから、従来例に比べて搬送波のパルス数の変化の割合が大きくなり、送信データの変化する点が見つけやすくなるものである。また、上記の規則に従わないデータであれば直ちにそのデータが誤りであることが判別でき、リアルタイムのエラー判定が可能になるという利点がある。
【0039】
次に、データキャリアBからリーダライタAへ返信データを送信する場合について図3のタイムチャートを参照して説明する。従来構成においては、送受信用共振回路10の残響振動の有無によって返信データをASK変調して送信している。しかしながら、このような構成であると送受信用共振回路10の残響振動を完全に無くすることはできないから、リーダライタAとデータキャリアBとが充分離れているときには問題ないが、極めて接近している場合には残響振動の有無を判別することができない場合がある。また、データキャリアBにおいてはリーダライタAからの送信が停止したことを検出してから、残響振動を停止させなければならず、両者が極めて接近している場合にはデータキャリアBにおいてリーダライタAの送信停止を検出できない場合がある。そこで、本実施例のデータキャリアBにおいては、送受信用共振回路10の残響振動の有無によって返信データを送信するのではなく、送受信用共振回路10が残響振動している期間に、送受信用共振回路10の共振周波数を残響振動の返信データの論理値”0”,”1”に対応した2つの値に切り換えて、残響振動をFSK変調して返信データを送信するようにしている。
【0040】
以下、具体的な動作を説明する。まず、データキャリアBからリーダライタAに返信データを送信する場合には、コントローラによって受信状態に切り換えられ、リーダライタAからは図3(a)に示すような搬送波を一定の間隔で断続させた信号が送信される。ここで、リーダライタAからデータキャリアBへのデータ送信時と同じだけの電力伝送を行うために、本実施例においては搬送波を断続させる上記一定の間隔を1ビット当たりの論理値”0”,”1”の割合を1:3とし、リーダライタAからデータキャリアBへのデータ送信時における符号化と同じ割合としている。したがって、受信状態におけるリーダライタAからは図3(b)に示すような波形の信号が送信されており、データキャリアBの送受信用共振回路10の出力は図3(c)に示すような波形となる。そして、図3(c)に示す残響振動の期間にデータキャリアBから返送データを送信するのである。
【0041】
データキャリアBの返信制御回路17にはメモリ制御部15においてメモリ16から読み出された送信データが入力されている。また、返送制御回路17がスイッチング素子18をオン(あるいはオフ)させるタイミングを与える切換タイミング出力がデータ判別回路14より返信制御回路17に与えられている。この切換タイミング出力は包絡線検波回路11の出力(図3(d)参照)と、クロック弁別回路13の出力(図3(e)参照)とから得られるものであり、図3(f)に示すように、送信信号の立ち上がりから一定の時間後に立ち上がって送信信号の立ち下がりに同期して立ち下がるような信号である。
【0042】
返送制御回路17は上記切換タイミング信号に同期して、メモリ制御部15から与えられる送信データの論理値”0”,”1”に対応して、例えば論理値”0”に対してスイッチング素子18をオンさせて送受信用共振回路10の共振周波数、すなわち残響振動の振動数を変化させ、返信データをFSK変調してリーダライタAに送信している(図3(g)参照)。
【0043】
リーダライタAにおいては、データキャリアBから電磁波により返信されてくる信号で受信用共振回路5に図3(g)に示す信号波形と同じ誘起電圧が発生し、この誘起電圧を受信アンプ6にて増幅した後アナログスイッチSWを介してFSK復調回路7に与えている。なお、アナログスイッチSWは受信タイミング発生回路8によってオン・オフ制御されており、コントローラからのデータクロック信号に同期してリーダライタAからの送信が停止しているときにオンとなる。よって、リーダライタAから信号が送信されているときにはFSK復調回路7にリーダライタAの送信信号による誘起電圧が与えられることがないものである。そして、既に説明したようにFSK復調回路7の出力がサンプルホールド回路9に与えられて最終的にデータキャリアBからの返送データRDがコントローラに与えられるのである。
【0044】
上記の構成では、リーダライタAとデータキャリアBとが極めて接近している場合にも、残響振動の周波数を検出することができ、リーダライタAとデータキャリアBとの距離に因らずに確実にデータの送受信を行うことができる。また、リーダライタAからの送信が停止する前にスイッチング素子をオンさせることができるから、データキャリアBにおいてリーダライタAからの送信停止を厳密に検出する必要がなく、また、リーダライタAが搬送波を送信している途中でもデータキャリアBから返信データを送信することができる。
【0045】
(実施例2)
本実施例における移動体識別装置のデータキャリアBの概略ブロック図を図5に示す。図5に示すように、このデータキャリアBの基本構成は図17に示す従来例のデータキャリアB’の構成とほぼ共通であり、共通する部分については同一の符号を付して説明は省略する。また、データキャリアB’以外のリーダライタA’やコントローラCの構成は全く共通であり、それらについては図示を省略する。
【0046】
本実施例のデータキャリアBには、共振回路30の誘起電圧から電源部35において得られる動作電源の電源電圧を監視する電源監視回路20と、制御手段たるプロトコル解析部34からEEPROM33へのデータの書込みを許可・禁止する書込許可禁止部21とが設けてある。この書込許可禁止部21は、書込許可のフラグを有しこの書込許可フラグがセットされているときに、プロトコル解析部34とEEPROM33とのデータの伝送経路を断続するアナログスイッチ22をオンしてデータの書込みを可能とするものである。ここで、上記書込フラグは、リーダライタA’からの書込コマンドをプロトコル解析部34が受け取ったときにプロトコル解析部34によってセットされ、電源監視回路20において電源電圧が書込みに必要な電圧を下回ったことを検出したときに電源監視回路20によりリセットされるものである。
【0047】
次に、図6を参照して本実施例の動作を説明する。所定のデータをデータキャリアBのEEPROM33に書き込む場合には、コントローラCよりアドレス、バイト数、データからなる書込コマンドがリーダライタA’に与えられ、リーダライタA’からデータキャリアBに送信される。このとき、リーダライタA’は書込コマンドに先立って書込許可禁止部21の書込許可フラグをセットするコマンドをデータキャリアBに送信する。そして、データキャリアBは電源電圧が書込みに必要な電圧以上であって書込許可フラグがセットされれば、その旨の返信データ(レスポンス)をリーダライタA’に送信する。リーダライタA’は上記返信データを受信すると、今度は予め決められたEEPROM33の固定のアドレス(FF番地)にダミーの書込みを行う書込コマンドをデータキャリアBに送信する。このダミー書込み用の書込コマンドを受け取ったデータキャリアBは、プロトコル解析部34においてコマンドの内容をチェックして誤りがなければその旨の返信データ(レスポンス)をリーダライタA’に送信して、EEPROM33のFF番地にダミーの書込みを行う。このとき、何らかの原因によって電源部35の出力が低下して電源電圧が書込みに必要な電圧を下回ると、電源監視回路20によって書込許可禁止部21の書込許可フラグがリセットされてアナログスイッチ22がオフとなり、ダミーの書込みが途中で禁止される。
【0048】
その次に、リーダライタA’から本来の書込コマンドがデータキャリアBに送信される。そして、上記のダミーの書込みが正常に行われていた場合には、書込許可禁止部21の書込許可フラグがセットされたままであるから、その旨の返信データ(レスポンス)がリーダライタA’に送信され、EEPROM33へのデータの書込みが行われる。しかし、上述のようにダミーの書込みが正常に行われなかった場合には書込許可禁止部21の書込許可フラグがリセットされているので、書込許可フラグがセットされている旨の返信データの送信及びEEPROM33へのデータの書込みという上記の処理(図6中の(イ)の処理)は実行されない。つまり、リーダライタA’に対して、EEPROM33からのデータの読み出しは可能であるが電源電圧の不足によってデータの書込みが正しくできないようなエリアにデータキャリアBがいる場合に、EEPROM33へのデータの書込みを禁止することができるのである。
【0049】
一方、EEPROM33に書き込まれたデータを読み出す場合には、リーダライタA’からデータキャリアBに読出コマンドが送信され、データキャリアBのプロトコル解析部34にてEEPROM33からデータが読み出されてリーダライタA’に返信され、リーダライタA’からコンロトーラCに読み出したデータが送られる。ここで、EEPROM33へのデータの書込みが失敗していた場合には、読出コマンドに対してデータを読み出すことができないから、リーダライタA’に対して読み出しエラーを返信する。
【0050】
上記構成では、電源電圧がEEPROM33へのデータの書込みに必要な電圧を下回っている場合に、書込許可禁止部21によってEEPROM33へのデータの書込みを禁止するようにしたから、EEPROM33に誤ったデータが書き込まれるのを防止することができる。
(実施例3)
本実施例における移動体識別装置のリーダライタA’及びデータキャリアの構成は実施例2のものと共通である。すなわち、本実施例の移動体識別装置においては、データキャリアBにデータを書き込む際に、実施例2において説明したEEPROM33のFF番地へのデータのダミーの書込みの代わりに、実際にはEEPROM33への書込みを行わないダミー書込コマンドをリーダライタA’からデータキャリアBに送信するようにした点に特徴を有するものである。
【0051】
以下、図7を参照して本実施例の動作を説明する。所定のデータをデータキャリアBのEEPROM33に書き込む場合に、コントローラCよりアドレス、バイト数、データからなる書込コマンドがリーダライタA’に与えられ、リーダライタA’からデータキャリアBに書込許可禁止部21の書込許可フラグをセットするコマンドが送信され、データキャリアBは電源電圧が書込みに必要な電圧以上であって書込許可フラグがセットされれば、その旨の返信データ(レスポンス)をリーダライタA’に送信する。
【0052】
次に、リーダライタA’が上記返信データを受信すると、データキャリアBにダミー書込コマンドを送信する。このダミー書込コマンドを受け取ったデータキャリアBは、プロトコル解析部34においてコマンドの内容をチェックして誤りがなければその旨の返信データ(レスポンス)をリーダライタA’に送信する。そして、データキャリアBにおいてダミー書込コマンドが実行されると、実施例2のようにEEPROM33のFF番地にダミーの書込みを行わず、データキャリアBにおいて実際にEEPROM33に書込み動作を行うときと同じ時間だけ同じ大きさの電流を消費させる。このとき、何らかの原因によって電源部35の出力が低下して電源電圧が書込みに必要な電圧を下回ると、電源監視回路20によって書込許可禁止部21の書込許可フラグがリセットされてアナログスイッチ22がオフとなり、ダミーの書込みが途中で禁止される。
【0053】
その次に、リーダライタA’から本来の書込コマンドがデータキャリアBに送信される。そして、上記のダミー書込コマンドが正常に実行されていた場合には、書込許可禁止部21の書込許可フラグがセットされたままであるから、その旨の返信データ(レスポンス)がリーダライタA’に送信され、EEPROM33へのデータの書込みが行われる。しかし、上述のようにダミー書込コマンドが正常に実行されなかった場合には書込許可禁止部21の書込許可フラグがリセットされているので、書込許可フラグがセットされている旨の返信データの送信及びEEPROM33へのデータの書込みという上記の処理(図7中の(イ)の処理)は実行されない。つまり、リーダライタA’に対して、EEPROM33からのデータの読み出しは可能であるが電源電圧の不足によってデータの書込みが正しくできないようなエリアにデータキャリアBがいる場合に、EEPROM33へのデータの書込みを禁止することができるのである。
【0054】
一方、EEPROM33に書き込まれたデータを読み出す場合には、実施例2と同様にリーダライタA’からデータキャリアBに読出コマンドが送信され、データキャリアBのプロトコル解析部34にてEEPROM33からデータが読み出されてリーダライタA’に返信され、リーダライタA’からコンロトーラCに読み出したデータが送られる。ここで、EEPROM33へのデータの書込みが失敗していた場合には、読出コマンドに対してデータを読み出すことができないから、リーダライタA’に対して読み出しエラーを返信する。
【0055】
上記構成では、実施例2と同様に電源電圧がEEPROM33へのデータの書込みに必要な電圧を下回っている場合に、書込許可禁止部21によってEEPROM33へのデータの書込みを禁止するようにしたから、EEPROM33に誤ったデータが書き込まれるのを防止することができる。しかも、本実施例においては、ダミー書込コマンドを実行することによってEEPROM33には実際にダミーの書込みを行わないから、通常約1万回程度の書込み可能回数しかないEEPROM33の寿命を延ばすことができるという利点がある。
【0056】
(実施例4)
本実施例における移動体識別装置のデータキャリアBの概略ブロック図を図8に示す。図8に示すように、このデータキャリアBの基本構成は実施例2の構成とほぼ共通であり、共通する部分については同一の符号を付して説明は省略する。また、データキャリアB以外のリーダライタA’やコントローラCの構成は全く共通であり、それらについては図示を省略する。
【0057】
本実施例のデータキャリアBには、プロトコル解析部34によりデータの書込み・読み出しが可能はRAM23を設け、電源監視回路20によって監視している電源部35の電源電圧がEEPROM33へのデータの書込みに必要な電圧を下回ったときに電源監視回路20からの初期化信号によってこのRAM23が初期化されるようになっている。ここで、このRAM23は、書込み時に必要とされる時間及び消費電流がEEPROM33のそれと同一である。
【0058】
次に、図9を参照して本実施例の動作を説明する。所定のデータをデータキャリアBのEEPROM33に書き込む場合には、コントローラCよりアドレス、バイト数、データからなる書込コマンドがリーダライタA’に与えられ、リーダライタA’からデータキャリアBに送信される。このとき、リーダライタA’はEEPROM33にデータを書き込む本来の書込コマンドに先立って、RAM23に対してデータを書き込むRAM書込コマンドをデータキャリアBに送信する。なお、RAM書込コマンドの書込みデータは初期値以外の値を選ぶ。このRAM書込コマンドを受け取ったデータキャリアBは、プロトコル解析部34においてコマンドの内容をチェックして誤りがなければその旨の返信データ(レスポンス)をリーダライタA’に送信し、RAM23に対してデータの書込みを行う。このとき、何らかの原因によって電源部35の出力が低下して電源電圧が書込みに必要な電圧を下回ると、電源監視回路20から初期化信号がRAM23に出力されて初期化される。
【0059】
そして、リーダライタA’からデータキャリアBに対してRAM23のデータを読み出すRAM読出コマンドが送信され、データキャリアBからリーダライタA’にRAM23の内容が送信される。リーダライタA’はデータキャリアBから送信されたRAM23の内容が最初に送信したRAM書込コマンドのデータの内容と一致するか否かを判定し、一致していれば今度は実際にEEPROM33への書込コマンドを送信する。一方、上述のように電源電圧の低下によってRAM23が初期化されてしまった場合には、データキャリアBから送信されたRAM23の内容と最初に送信したRAM書込コマンドのデータの内容とが一致しないから、一致しなかった場合にはリーダライタA’からデータキャリアBに対してEEPROM33への書込コマンドを送信しない。つまり、リーダライタA’に対して、EEPROM33からのデータの読み出しは可能であるが電源電圧の不足によってデータの書込みが正しくできないようなエリアにデータキャリアBがいる場合に、EEPROM33へのデータの書込みを禁止することができるのである。
【0060】
一方、EEPROM33に書き込まれたデータを読み出す場合には、実施例2,3と同様にリーダライタA’からデータキャリアBに読出コマンドが送信され、データキャリアBのプロトコル解析部34にてEEPROM33からデータが読み出されてリーダライタA’に返信され、リーダライタA’からコンロトーラCに読み出したデータが送られる。ここで、EEPROM33へのデータの書込みが行われていない場合には、読出コマンドに対してデータを読み出すことができないから、リーダライタA’に対して読み出しエラーを返信する。
【0061】
上記構成では、EEPROM33への実際のデータの書込みの前にRAM23に対して書込みを行い、電源電圧がEEPROM33へのデータの書込みに必要な電圧を下回っているためにRAM23への書込みが正常に行われなかったときには、EEPROM33へのデータの書込みを行わないようにしたから、EEPROM33に誤ったデータが書き込まれるのを防止することができる。しかも、本実施例においては、書込み回数に制限のないRAM23にデータを書き込んで書込みの良否を判定しているから、EEPROM33にはダミーの書込みを行う必要がなく、通常約1万回程度の書込み可能回数しかないEEPROM33の寿命を延ばすことができるという利点がある。
【0062】
(実施例5)
本実施例における移動体識別装置のリーダライタAの概略ブロック図を図10に示す。図10に示すように、このリーダライタAの基本構成は実施例1の構成とほぼ共通であり、共通する部分については同一の符号を付して説明は省略する。また、データキャリアBの構成は実施例1と共通であり、図示及び説明は省略する。
【0063】
ここで、実施例1で説明したように、データキャリアBからリーダライタAへ送信される返信信号はFSK変調され、リーダライタAのFSK復調回路7においてFSK復調されるのであるが、具体的には、データキャリアBの送受信用共振回路10に発生する2つの残響振動の周波数を論理値の”0”と”1”に割り当て、図11(a)に示すように両周波数fL ,fH のほぼ中間位置に設定されたしきい値Thと比較することで送信信号の”0”,”1”を判別して復調するようにしている。
【0064】
ところで、実施例1のようにデータキャリアBからリーダライタAへの返信信号をFSK変調することにより、残響振動の有無で返信する場合に比較して近距離での通信が確実に行なえるが、リーダライタAとデータキャリアBとが極めて接近したときには、リーダライタAの受信用コイルL2 とデータキャリアBの送受信用コイルL3 とが磁気的に結合することが原因と思われるコイルL2 ,L3 のインダクタンス変化という現象が生じることがあり、データキャリアBからの返信信号の周波数が変動してしまう場合がある。その結果、図11(b)〜(d)に示すように、予め設定され固定されたしきい値Thに対して、2つの周波数fL ,fH がともに大きくなったりあるいは小さくなったり、また、何れかの周波数fL ,fH と極めて近くなって、返信信号に含まれる”0”,”1”のデータを判別できなかったり、あるいは判別結果が不安定になったりすることがある。あるいは、送受信用共振回路10を構成する送受信用コイルL3 やコンデンサC2 の定数がばらついたり、周囲温度による変化や経年変化などで定数が変化することでデータキャリアBに特性のばらつきが生じ、個々のデータキャリアBによって返信信号の周波数に違いが生じることもある。すなわち、リーダライタAとデータキャリアBとが接近した場合に両者が交信できない領域(不感帯)が生じることになる。
【0065】
また、上述のような周波数のばらつきを考慮してFSK変復調における周波数のシフト幅(周波数差Δf=fH −fL )を大きくすると、リーダライタAの受信用コイルL2 やデータキャリアBの送受信用共振回路10の共振周波数から大きくずれて伝送効率が著しく低下するので、上記シフト幅をあまり大きくすることは好ましくない。つまり、個々のデータキャリアBの特性のばらつきを考慮することと、伝送効率を高めること(交信可能距離を延ばすこと)とは、トレードオフの関係にあることになる。
【0066】
そこで、本実施例では、データキャリアBから送信される返信信号を受信する前に、データキャリアBの返信信号の周波数を調べ、個々のデータキャリアBの特性の違いによる周波数の変動に合わせて最適のしきい値Thを設定して復調を行なうようにしている。すなわち、データキャリアBから送信される返信信号の周波数を計測する周波数計測部40と、しきい値Thを周波数計測部40によって計測された周波数に応じて可変して返信信号を復調する復調部50とでFSK復調回路7を構成している。
【0067】
周波数計測部40は、受信アンプ6から出力された返信信号を所定の基準値と比較することでLレベルとHレベルの信号に変換するコンパレータ41と、コンパレータ41の出力信号に基づいて返信信号の周波数を計測するための開始点及び終了点を設定するカウント区間発生回路42と、カウント区間発生回路42によってオン、オフされるアナログスイッチ43と、アナログスイッチ43を介してコンパレータ41の出力信号が入力されるとともにこの出力信号が入力されている期間に搬送波発生器2の原発振器2aの波数をカウントするカウンタ44とを備えている。なお、本実施例における搬送波発生器2は原発振器2a、分周回路2b及び搬送波発生回路2cによって構成されている。
【0068】
一方、復調部50は、データキャリアBからの返信信号の2つの周波数fL ,fH の差に対応した初期値(後述する)が設定されている初期値設定回路51と、この初期値設定回路51から出力される初期値のカウンタ44への入力をオン、オフするアナログスイッチ52と、コントローラCからの送受信切換信号及びデータクロックに応じて上記アナログスイッチ52をオン、オフする第1のしきい値設定タイミング発生回路53と、設定されたしきい値Thを記憶保持するしきい値保持回路54と、カウンタ44からしきい値保持回路54へのしきい値Thの入力をオン、オフするアナログスイッチ55と、コントローラCからの送受信切換信号及びデータクロックに応じて上記アナログスイッチ55をオン、オフする第2のしきい値設定タイミング発生回路56と、カウンタ44の出力信号としきい値保持回路54に保持されたしきい値Thとを比較する比較器57とで構成されている。
【0069】
次に本実施例における移動体識別装置のリーダライタAの動作について説明する。なお、リーダライタAからデータキャリアBへの呼び出し信号の送信に関する動作については、実施例1の場合と共通であるから説明は省略し、データキャリアBからの返信信号を受信する場合についてのみ説明する。
ここで、図12に示すように、コントローラCから受信タイミング発生回路8に2種類の送受信切換信号TXC,RXCが入力され、これら送受信切換信号TXC,RXCがともにLレベルのときにはリーダライタAの停止区間Tsとなり、データキャリアBとの交信が行なわれない。また、送受信切換信号TXC,RXCがともにHレベルのときには受信タイミング発生回路8がアナログスイッチSWをオンする受信区間TrとなってデータキャリアBからの返信信号を受信し、送受信切換信号TXCがHレベル、RXCがLレベルのときには送信区間Ttであって受信タイミング発生回路8はアナログスイッチSWをオフする。よって、リーダライタAからデータキャリアBへの呼び出し信号の送信と、データキャリアBからの返信信号の受信とが交互に繰り返されて交信が行なわれる。
【0070】
上述のように、リーダライタAはコントローラCからHレベルの送受信切換信号TXC,RXCが入力されることで受信状態となる。そして、受信用共振回路5に誘起されたデータキャリアBからの返信信号と同一波形の信号が受信アンプ6で増幅された後、上記受信区間TrにおいてアナログスイッチSWを介してコンパレータ41に入力される。コンパレータ41では取り込んだ信号を2値化して出力する。すなわち、返信信号はコンパレータ41においてA/D変換されることになる。そして、コンパレータ41以降では返信信号はディジタル信号として処理される。
【0071】
コンパレータ41の出力信号はカウント区間発生回路42に取り込まれる。カウント区間発生回路42では、コンパレータ41の出力信号に基づいてカウンタ44で原発振器2aの波数をカウントする場合の開始点及び終了点を決定する。例えば、コンパレータ41の出力信号は交互にH,Lが切り替わるので、開始点から3回切り替わったときを終了点とすればよい。そして、カウント区間発生回路42は上記開始点から終了点までの期間でアナログスイッチ43をオンし、コンパレータ41の出力信号をカウンタ44に入力する。
【0072】
カウンタ44は、コンパレータ41の出力信号が入力されると原発振器2aの波数をカウントし始め、コンパレータ41の出力信号が入力されなくなればカウントを止めてその時点のカウント値をラッチする。すなわち、カウンタ44においては、コンパレータ41の出力信号の変化の周期を原発振器2aの波数に置き換えており、言い換えれば、データキャリアBからの返信信号の周波数をカウント値に置き換えることで計測していることになる。
【0073】
そして、カウンタ44のカウント値が、しきい値保持回路54に保持されているしきい値Thと比較器57において比較されることにより、例えば、しきい値Thより小さい場合には論理値”0”に、大きい場合には論理値”1”が比較器57から出力され、データキャリアBの返信信号が復調されるのである。
次に、本実施例の要旨であるしきい値Thの設定を行なう動作について説明する。既に述べたように、初期値設定回路51には、データキャリアBのFSK変調に用いられる2つの周波数fL ,fH の周波数差Δfに対応した初期値が予め設定されており、その初期値は、周波数差Δfの2分の1の周波数を周波数計測部40においてカウント値に置き換えられた値である。
【0074】
第1のしきい値設定タイミング発生回路53は、図12に示すリーダライタAの停止区間Tsに続く最初の受信区間Tr1 において、アナログスイッチ52をオンすることで初期値設定回路51に設定されている初期値をカウンタ44に入力させる。ここで、上記最初の受信区間、すなわち、しきい値設定区間Tr1 においては、データキャリアBはリーダライタAからの呼び出し信号を受信していない状態であり、論理値”0”を示す周波数の返信信号をテスト信号として返信している。
【0075】
一方、リーダライタAは、しきい値設定区間Tr1 においても周波数計測部40において返信信号(テスト信号)の周波数を計測してカウント値に置き換えるのであるが(図13(a)参照)、カウンタ44には初期値が設定されているため、このときのカウンタ44のカウント値は常に返信信号の2つの周波数fL ,fH に対応したカウント値の略中央値となる(図13(b)及び(c)参照)。そして、しきい値設定区間Tr1 に続く最初の送信区間Ttに切り替われば、送受信切換信号TXC,RXCとデータクロックとに応じて第2のしきい値設定タイミング発生回路56がアナログスイッチ55をオンして上記しきい値Thをしきい値保持回路54に入力して保持させる。そして、以降の一連の交信中における受信区間Trでは、第1及び第2のしきい値設定タイミング回路53,56は動作せず、しきい値保持回路54に保持されたしきい値Thと周波数計測部40によって計測されたデータキャリアBからの返信信号の周波数(カウント値)とが比較器57において比較され、例えば、しきい値Thより大きければ論理値”1”に、小さければ論理値”0”に対応した信号をサンプルホールド回路9に出力することで復調が行なわれる。そして、一旦交信が終了すれば再度交信を始めるときに上記動作を繰り返して新たにしきい値Thを再設定するのである。
【0076】
上記構成によれば、復調部50におけるしきい値Thは、しきい値Thの演算及びしきい値Thの設定、解除、再設定を適時行なうことにより、リーダライタAとデータキャリアBとが極めて接近している場合や、部品の特性ばらつきによって個々のデータキャリアBの返信信号の周波数に違いが生じている場合でも、常に返信信号の2つの周波数fL ,fH の略中央値とすることができる。すなわち、リーダライタAでは常に最適なしきい値Thによって復調が行なわれるため、返信信号を正確に復調して交信の信頼性を高めるとともに交信領域の拡大が図れるものである。
【0077】
(実施例6)
本実施例における移動体識別装置のデータキャリアBの概略ブロック図を図14に示す。図14に示すように、このデータキャリアBの基本構成は図5に示す実施例2のデータキャリアBの構成とほぼ共通であり、共通する部分については同一の符号を付して説明は省略する。また、データキャリアB以外のリーダライタA’やコントローラCの構成は図16に示す従来例と全く共通であり、それらについては図示を省略する。
【0078】
ところで、実施例2における移動体識別装置のデータキャリアBは、EEPROM33へのデータの書込みが失敗していた場合に、リーダライタA’からの読出コマンドに対してデータを読み出すことができないためにリーダライタA’に対して読み出しエラーを示すコマンドを返送している。しかしながら、実施例2のようにエラーコマンドを返送する場合、エラーコマンドを格納しておくための固定データ領域が必要となり、また、エラーコマンドを返送する時間が必要なために通信時間が長くなり、あるいは、エラーを判別してエラーコマンドを返送するシーケンスが必要なためにデータキャリアBの回路規模が大きくなるといった不利な点がある。
【0079】
そこで、本実施例においては、上記のような書込みエラーが発生した場合にデータキャリアBからリーダライタA’への返送は行なわず、データキャリアBをリーダライタA’の呼び出し信号を待つ待機状態とするようにしている。すなわち、本実施例のデータキャリアBには、実施例2と同様に共振回路30の誘起電圧から電源部35において得られる動作電源の電源電圧を監視する電源監視回路20と、制御手段たるプロトコル解析部34からEEPROM33へのデータの書込みを許可あるいは禁止状態とする書込許可禁止部21とが設けてあり、書込許可禁止部21は、書込許可のフラグを有しこの書込許可フラグがセットされているときに、プロトコル解析部34からEEPROM33へのデータの書込みを可能とするものである。ここで、上記書込フラグは、リーダライタA’からの一連のコマンドをプロトコル解析部34が正常に受け取ったときにプロトコル解析部34によってセットされ、電源監視回路20において電源電圧が書込みに必要な電圧を下回ったことを検出したときに電源監視回路20によりリセットされるものである。
【0080】
以下、図15を参照して本実施例の動作を説明する。所定のデータをデータキャリアBのEEPROM33に書き込む場合に、コントローラCよりアドレス、バイト数、データからなる書込コマンドがリーダライタA’に与えられ、リーダライタA’からデータキャリアBに書込許可禁止部21の書込許可フラグをセットするコマンドが送信され、データキャリアBは電源電圧が書込みに必要な電圧以上であって書込許可フラグがセットされれば、その旨の返信データ(レスポンス)をリーダライタA’に送信する。
【0081】
リーダライタA’が上記返信データを受信すると、データキャリアBにダミー書込コマンドを送信する。このダミー書込コマンドを受け取ったデータキャリアBは、プロトコル解析部34においてコマンドの内容をチェックして誤りがなければその旨の返信データ(レスポンス)をリーダライタA’に送信する。そして、データキャリアBにおいてダミー書込コマンドが実行されると、実施例2のようにEEPROM33のFF番地にダミーの書込みを行わず、データキャリアBにおいて実際にEEPROM33に書込み動作を行うときと同じ時間だけ同じ大きさの電流を消費させる。例えば、書込み時の消費電流の大半を消費する書込み用の昇圧回路(図示せず)が具備する発振回路を同じ時間だけ動作させることで行なうことができる。このとき、何らかの原因によって電源部35の出力が低下して電源電圧が書込みに必要な電圧を下回ると、電源監視回路20によって書込許可禁止部21の書込許可フラグがリセットされ、ダミーの書込みが途中で禁止される。
【0082】
次に、リーダライタA’から本来の書込コマンドがデータキャリアBに送信される。そして、上記のダミー書込コマンドが正常に実行されていた場合には、書込許可禁止部21の書込許可フラグがセットされているから、その旨の返信データ(レスポンス)がリーダライタA’に送信され、EEPROM33へのデータの書込みが行われる。しかし、上述のようにダミー書込コマンドが正常に実行されなかった場合には書込許可禁止部21の書込許可フラグがリセットされているので、EEPROM33へのデータの書込みという上記の処理(図15中の(イ)の処理)は実行されない。つまり、リーダライタA’に対して、EEPROM33からのデータの読み出しは可能であるが電源電圧の不足によってデータの書込みが正しくできないようなエリアにデータキャリアBがいる場合に、EEPROM33へのデータの書込みを禁止することができる。ここで、本実施例では、上記のように書込許可フラグがリセットされている場合に、実施例2のように書込許可フラグがセットされている旨の返信データ(レスポンス)をデータキャリアBからリーダライタA’へ送信せずにデータキャリアBのプロトコル解析部34はリーダライタA’からの呼び出し信号の送信を待つ待機状態となるようにしている。
【0083】
一方、EEPROM33に書き込まれたデータを読み出す場合には、実施例2,3と同様にリーダライタA’からデータキャリアBに読出コマンドが送信され、データキャリアBのプロトコル解析部34にてEEPROM33からデータが読み出されてリーダライタA’に返信され、リーダライタA’からコンロトーラCに読み出したデータが送られる。ここで、EEPROM33へのデータの書込みが行われていない場合には、読出コマンドに対してデータを読み出すことができないから、リーダライタA’に対しては何も返信せず、データキャリアBのプロトコル解析部34はリーダライタA’からの呼び出し信号の送信を待つ待機状態となる。
上記構成では、実施例2と同様に電源電圧がEEPROM33へのデータの書込みに必要な電圧を下回っている場合に、書込許可禁止部21によってEEPROM33へのデータの書込みを禁止してEEPROM33に誤ったデータが書き込まれるのを防止することができ、また、実施例3と同様にダミー書込コマンドを実行することによってEEPROM33には実際にダミーの書込みを行わないから、通常約1万回程度の書込み可能回数しかないEEPROM33の寿命を延ばすことができる。しかも、電源電圧がEEPROM33へのデータの書込みに必要な電圧を下回っている場合や、リーダライタA’からのコマンドがデータキャリアBにおいて正常に受信できなかった場合には、データキャリアBからリーダライタA’へエラーコマンドの送信を行なわず、データキャリアBを待機状態とするようにしたため、実施例2,3に比較してデータキャリアBの回路構成を簡素化することができ、例えば、回路を集積化した場合のチップサイズが小さくなり、回路のコストダウンが図れる。また、リーダライタA’は所定のタイミングでデータキャリアBからの返信がない時点でデータキャリアB側の不具合を知ることができ、その時点で再度呼び出し信号の送信が可能となり、交信が不安定な状態であってもリーダライタA’側での対処が容易に且つ敏速に行なえ、ひいては通信時間の短縮が図れるという利点がある。
【0084】
【発明の効果】
請求項1の発明は、無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段を設けた移動体識別装置であって、リーダライタには送信するデータに対応した論理値”0”と論理値”1”の2値化データを1つの単位中において論理値”1”の数を論理値”0”の数よりも多くした所定の符号列に変換する符号化手段と、変換された符号列の論理値”1”の符号に対しては搬送波の振幅を一定値とし論理値”0”の符号に対しては搬送波の振幅を略ゼロとする振幅シフトキーイング変調を行って呼び出し信号とする変調手段とを具備し、データキャリアには振幅シフトキーイング変調されてリーダライタから送信される呼び出し信号の搬送波の波数をカウントする波数カウント手段と、波数カウント手段のカウント値に基づいて呼び出し信号を復調する復調手段とを具備したので、リーダライタから送信され、データキャリアの電源変換手段にて動作電源に変換される呼び出し信号の搬送波の振幅が単位時間当たりに断続する回数を減らすことができ、リーダライタからデータキャリアへの電力供給の効率を上げることができ、その結果、リーダライタとデータキャリアとの距離を大きくできるという効果がある。しかも、データキャリアにおいては搬送波の波数をカウントすることによりリアルタイムでのエラー検出が可能となり、さらに、呼び出し信号のデータに対応した搬送波の変化の割合が大きくなり、データの変化する点を見出すのが容易になるという効果がある。
【0085】
請求項2の発明は、データキャリアにはリーダライタからの電磁波の呼び出し信号に共振する共振回路を具備し、呼び出し信号の送信が停止したときに共振回路に発生する残響振動によってデータキャリアからリーダライタに電磁波の返信信号を送信する移動体識別装置であって、共振回路の共振周波数を2つの値に切り換えることにより論理値”0”と論理値”1”の2値化データからなる返信信号を得る共振周波数切換手段をデータキャリアに設けたので、従来のように残響振動の有無によって返信信号を送信するのに比べ、リーダライタとデータキャリアとの距離が近接している場合にも確実に返信信号を送信することができるという効果がある。しかも、データキャリアにおいてはリーダライタからの呼び出し信号が停止したことを厳密に検出する必要がなく、リーダライタが搬送波を送信している途中でも返信信号を送信することができ、処理能力の向上を図ることができるという効果がある。
【0086】
請求項3の発明は、電磁波を用いて無線によりデータを送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタから送信されたデータを受信して受信したデータをEEPROMに書込みあるいは受信したデータに応じてEEPROMから返送データを読み出してリーダライタに送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、リーダライタから送信される制御信号に応じてEEPROMへのデータの書込みを許可・禁止するとともに正しく書込みがされないときには禁止状態とする書込許可禁止手段と、電源変換手段から供給される動作電源の電源電圧を監視して電源電圧がEEPROMへの書込み動作が正常に行える所定の電圧を下回ったときにEEPROMへの書込みを禁止する制御信号を書込許可禁止手段に与える電源監視手段と、受信したデータをEEPROMに書き込むとともにEEPROMからデータを読み出し、EEPROMに受信データを書き込む前にEEPROMの所定の空き領域にダミーの書き込みを行い、その後に実際にEEPROMに受信データを書き込む制御手段とを備えたので、EEPROMへのダミーの書き込みが正常に行われなければ書込許可禁止手段によってEEPROMが書込禁止状態となり、EEPROMに誤ったデータが書き込まれるのを防止することができるという効果がある。
【0087】
請求項4の発明は、データキャリアはEEPROMへのデータの書込みが書込許可禁止手段により許可されたときに実際にデータをEEPROMに書き込む前に書込み動作と同じ消費電流を同じ時間だけ消費させるダミー書込み動作を行うので、EEPROMに対してダミーの書き込みを行わずに済み、EEPROMの寿命を延ばし、書込みの信頼性を向上させることができるという効果がある。
【0088】
請求項5の発明は、電磁波を用いて無線によりデータを送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタから送信されたデータを受信して受信したデータをEEPROMに書込みあるいは受信したデータに応じてEEPROMから返送データを読み出してリーダライタに送信するデータキャリアとを備え、データキャリアはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、電源変換手段からの電源電圧が書込み動作可能な電圧を下回ると初期化され書込み動作時の動作時間及び消費電流がEEPROMと略等しいRAMと、受信したデータのEEPROMあるいはRAMへの書き込み及び読み出しを行う制御手段とを具備してEEPROMに受信データを書き込む前にRAMに書き込むとともに書き込んだ受信データを読み出してリーダライタに返信し、リーダライタは返信されたデータに基づいてRAMに対する受信データの書込みの良否を判定して受信データがRAMに正しく書き込まれていたときに実際にEEPROMに受信データを書き込ませる書込コマンドをデータキャリアに送信するので、ダミーの書込みを書込み回数に制限のないRAMに行うことでEEPROMに対してダミーの書き込みを行わずに済み、EEPROMの寿命を延ばし、書込みの信頼性を向上させることができるという効果がある。
【0089】
請求項6の発明は、無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタへ送信する返信信号を周波数シフトキーイング変調する変調手段を具備するとともに、リーダライタには受信した返信信号を周波数シフトキーイング復調する復調手段を具備して成る移動体識別装置であって、データキャリアから送信される所定のテスト信号の周波数を計測する周波数計測部と、返信信号の周波数の違いを判別するためのしきい値を周波数計測部によって計測されたテスト信号の周波数に応じて可変して返信信号を復調する復調部とをリーダライタの復調手段に備え、データキャリアの変調手段はリーダライタからの呼び出し信号に応答しない場合には所定のテスト信号を送信して成るので、周波数シフトキーイング変調された返信信号を復調する場合に、返信信号の周波数の違いを判別するためのしきい値をテスト信号の周波数に応じて可変することで常に最適なしきい値を設定でき、データキャリアとリーダライタとの位置関係によって返信信号の周波数が変動したり、部品の特性ばらつきなどによって個々のデータキャリアの返信信号の周波数に違いが生じても、返信信号を正確に復調して交信の信頼性を高めるとともに交信領域の拡大が図れるという効果がある。
【0090】
請求項7の発明は、無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアには、リーダライタから送信されたデータが書き込まれるEEPROMと、EEPROMへのデータの書込みあるいは読み出しを行なう制御手段と、リーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、制御手段によるEEPROMへのデータの書込みを許可あるいは禁止状態にする書込許可禁止手段と、電源変換手段から供給される動作電源の電源電圧を監視して電源電圧がEEPROMへの書込み動作が正常に行える所定の電圧を下回ったときに書込許可禁止手段を禁止状態とする制御信号を書込許可禁止手段に与える電源監視手段とを備え、制御手段がリーダライタからの呼び出し信号に応じて書込許可禁止手段を許可状態とするとともにデータの書込過程において書込許可禁止手段が禁止状態とされたときにはリーダライタへの返信信号の送信を行なわないので、EEPROMへのデータの書込みが正常に行なわれない状態においては、データキャリアからリーダライタへ何ら信号を送信せず、リーダライタ側では所定のタイミングでデータキャリアからの返信信号の送信がないことでデータキャリア側の不具合を知ることができ、その時点で再度呼び出し信号の送信が可能となり、交信が不安定な状態であってもリーダライタ側での対処がし易くなるという効果がある。
【0091】
請求項8の発明は、データキャリアの制御手段はEEPROMへのデータの書込みが書込許可禁止手段により許可状態とされたときに実際にデータをEEPROMに書き込む前に書込み動作と同じ消費電流を同じ時間だけ消費させるダミー書込み動作を行うので、EEPROMに対してダミーの書き込みを行わずに済み、EEPROMの寿命を延ばし、書込みの信頼性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示す回路ブロック図である。
【図2】(a)〜(h)は同上の動作を説明するための波形図である。
【図3】(a)〜(g)は同上の動作を説明するための波形図である。
【図4】同上の動作を説明するための説明図である。
【図5】実施例2におけるデータキャリアを示す概略ブロック図である。
【図6】同上の動作を説明するための説明図である。
【図7】実施例3の動作を説明するための説明図である。
【図8】実施例4におけるデータキャリアを示す概略ブロック図である。
【図9】同上の動作を説明するための説明図である。
【図10】実施例5におけるリーダライタを示す概略ブロック図である。
【図11】同上を説明するための説明図である。
【図12】同上の動作を説明するための説明図である。
【図13】同上の動作を説明するための説明図である。
【図14】実施例6におけるデータキャリアを示す概略ブロック図である。
【図15】同上の動作を説明するための説明図である。
【図16】従来例を示す概略ブロック図である。
【図17】同上のデータキャリアを示す概略ブロック図である。
【図18】同上の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 符号化回路
3 ASK変調回路
4 発振器
10 送受信用共振回路
11 包絡線検波回路
12 定電圧回路
13 クロック弁別回路
14 データ判別回路
A リーダライタ
B データキャリア

Claims (8)

  1. 無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段を設けた移動体識別装置であって、リーダライタには送信するデータに対応した論理値”0”と論理値”1”の2値化データを1つの単位中において論理値”1”の数を論理値”0”の数よりも多くした所定の符号列に変換する符号化手段と、変換された符号列の論理値”1”の符号に対しては搬送波の振幅を一定値とし論理値”0”の符号に対しては搬送波の振幅を略ゼロとする振幅シフトキーイング変調を行って呼び出し信号とする変調手段とを具備し、データキャリアには振幅シフトキーイング変調されてリーダライタから送信される呼び出し信号の搬送波の波数をカウントする波数カウント手段と、波数カウント手段のカウント値に基づいて呼び出し信号を復調する復調手段とを具備したことを特徴とする移動体識別装置。
  2. データキャリアにはリーダライタからの電磁波の呼び出し信号に共振する共振回路を具備し、呼び出し信号の送信が停止したときに共振回路に発生する残響振動によってデータキャリアからリーダライタに電磁波の返信信号を送信する移動体識別装置であって、共振回路の共振周波数を2つの値に切り換えることにより論理値”0”と論理値”1”の2値化データからなる返信信号を得る共振周波数切換手段をデータキャリアに設けたことを特徴とする請求項1記載の移動体識別装置。
  3. 電磁波を用いて無線によりデータを送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタから送信されたデータを受信して受信したデータをEEPROMに書込みあるいは受信したデータに応じてEEPROMから返送データを読み出してリーダライタに送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、リーダライタから送信される制御信号に応じてEEPROMへのデータの書込みを許可・禁止するとともに正しく書込みがされないときには禁止状態とする書込許可禁止手段と、電源変換手段から供給される動作電源の電源電圧を監視して電源電圧がEEPROMへの書込み動作が正常に行える所定の電圧を下回ったときにEEPROMへの書込みを禁止する制御信号を書込許可禁止手段に与える電源監視手段と、受信したデータをEEPROMに書き込むとともにEEPROMからデータを読み出し、EEPROMに受信データを書き込む前にEEPROMの所定の空き領域にダミーの書き込みを行い、その後に実際にEEPROMに受信データを書き込む制御手段とを備えたことを特徴とする移動体識別装置。
  4. データキャリアはEEPROMへのデータの書込みが書込許可禁止手段により許可されたときに実際にデータをEEPROMに書き込む前に書込み動作と同じ消費電流を同じ時間だけ消費させるダミー書込み動作を行うことを特徴とする請求項3記載の移動体識別装置。
  5. 電磁波を用いて無線によりデータを送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタから送信されたデータを受信して受信したデータをEEPROMに書込みあるいは受信したデータに応じてEEPROMから返送データを読み出してリーダライタに送信するデータキャリアとを備え、データキャリアはリーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、電源変換手段からの電源電圧が書込み動作可能な電圧を下回ると初期化され書込み動作時の動作時間及び消費電流がEEPROMと略等しいRAMと、受信したデータのEEPROMあるいはRAMへの書き込み及び読み出しを行う制御手段とを具備してEEPROMに受信データを書き込む前にRAMに書き込むとともに書き込んだ受信データを読み出してリーダライタに返信し、リーダライタは返信されたデータに基づいてRAMに対する受信データの書込みの良否を判定して受信データがRAMに正しく書き込まれていたときに実際にEEPROMに受信データを書き込ませる書込コマンドをデータキャリアに送信することを特徴とする移動体識別装置。
  6. 無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアにはリーダライタへ送信する返信信号を周波数シフトキーイング変調する変調手段を具備するとともに、リーダライタには受信した返信信号を周波数シフトキーイング復調する復調手段を具備して成る移動体識別装置であって、データキャリアから送信される所定のテスト信号の周波数を計測する周波数計測部と、返信信号の周波数の違いを判別するためのしきい値を周波数計測部によって計測されたテスト信号の周波数に応じて可変して返信信号を復調する復調部とをリーダライタの復調手段に備え、データキャリアの変調手段はリーダライタからの呼び出し信号に応答しない場合には所定のテスト信号を送信して成ることを特徴とする移動体識別装置。
  7. 無線による電磁波の呼び出し信号を送信するリーダライタと、移動体に設けられリーダライタからの呼び出し信号を受信するとリーダライタに対して無線による電磁波の返信信号を送信するデータキャリアとを備え、データキャリアには、リーダライタから送信されたデータが書き込まれるEEPROMと、EEPROMへのデータの書込みあるいは読み出しを行なう制御手段と、リーダライタから送信された電磁波をデータキャリアの動作電源に変換する電源変換手段と、制御手段によるEEPROMへのデータの書込みを許可あるいは禁止状態にする書込許可禁止手段と、電源変換手段から供給される動作電源の電源電圧を監視して電源電圧がEEPROMへの書込み動作が正常に行える所定の電圧を下回ったときに書込許可禁止手段を禁止状態とする制御信号を書込許可禁止手段に与える電源監視手段とを備え、制御手段はリーダライタからの呼び出し信号に応じて書込許可禁止手段を許可状態とするとともにデータの書込過程において書込許可禁止手段が禁止状態とされたときにはリーダライタへの返信信号の送信を行なわないことを特徴とする移動体識別装置。
  8. データキャリアの制御手段はEEPROMへのデータの書込みが書込許可禁止手段により許可状態とされたときに実際にデータをEEPROMに書き込む前に書込み動作と同じ消費電流を同じ時間だけ消費させるダミー書込み動作を行うことを特徴とする請求項7記載の移動体識別装置。
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