JP3542963B2 - リアプロジェクションテレビジョン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリーン背面から画像を投影するリアプロジェクションテレビジョンに係り、特に、全反射式フレネルレンズをスクリーンとして用い、高い打ち上げ角度と高倍率、且つ、短い投写距離で画像をスクリーン上に投写する、奥行きの薄いリアプロジェクションテレビジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオプロジェクションテレビジョン(以下、「テレビジョン」を「テレビ」と略記する)のようにスクリーンの背面から映像を投影するリアプロジェクションテレビは、原理的には図5(a)に示すように、映像投写装置(1)から出射する光を適宜光学系(投写レンズや投写結像用ミラー(2a)〜(2d)等)によって拡大して、スクリーン(4)の背面側から投影し、このスクリーン(4)の前面より観察する構成になっている。その際、リアプロジェクションテレビの奥行きを短くするためにスクリーン(4)の後方に折り返し用平面ミラー(3)を配置する。折り返し用平面ミラー(3)で反射した光線はリアプロジェクションテレビのスクリーン(4)に結像する。その時、発散傾向にある光線を一定の方向に向けるため、図5(b)のスクリーン断面図に示すように、スクリーン(4)に屈折式フレネルレンズ(5a)を用いて映像光線を水平軸hに平行となるように曲げる。しかし、そのままのスクリーン構成(屈折式フレネルレンズのみでスクリーンを構成)では画面の光線視野角が狭くなるため、通常はシリンドリカルレンズの集合体であるレンチキュラーレンズ(6)をフレネルレンズ(5a)の出射面前面に配置することで画像の光線に広がりを持たせ、スクリ―ン(4)の隅々まで明るくする手段が施されている。
【0003】
しかし、スクリーン(4)に屈折式フレネルレンズ(5a)を用いたリアプロジェクションテレビは、屈折式フレネルレンズ(5a)の出射光屈折角ψに限界があり、高い打ち上げ角度ζ(スクリーン(4)に入射する光線と水平軸hとの成す角度(ζ<90度)、所謂、仰角)の投写光線を水平軸hに対し平行(スクリーン前面への入射角θ3≒0度、即ち、スクリーン前面へ垂直入射)に補正することが難しく、奥行きを短くするには難点がある。このため、屈折式フレネルレンズに替えて、図5(c)のスクリーン断面図に示すように、スクリーン(4)の入射面に、同心円状の多数のプリズム群を設けると共に、このプリズム群を形成する個々のプリズムに全反射面Prを設けた全反射式フレネルレンズ(5)を設け、入射した光線を全反射面Prで全反射して観察側、即ち、出射面側に出射する構造のスクリーン(4)にした奥行きの短いリアプロジェクションテレビが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
全反射式フレネルレンズを有するスクリーンを用いたリアプロジェクションテレビは打ち上げ角を大きくでき、奥行きを短くできるが、図3に示すように、スクリーン(4)として用いる全反射式フレネルレンズの出射面上で投写光線が全反射式フレネルレンズを透過しきれずにその一部が全反射式フレネルレンズ表面(出射面)で反射し、この反射光線Lrがリアプロジェクションテレビ内部背面に配置した平面ミラー(3)で再反射されることによって全反射式フレネルレンズのスクリーンに再入射して、画面上に迷光(ゴースト像G)として現れる欠点がある。
【0005】
投写光線が全反射式フレネルレンズ表面(出射面)で反射するのは、スクリーンとなる全反射式フレネルレンズの出射面の透過率に原因がある。通常、物体を光線が透過する場合には、物体の持つ透過率によって光線の量が減衰されて出射される。透明度の高い物体でも透過率100%は存在することはなく、必ず数%の光はその物体の内部、または表面上で反射か吸収される。このため、全反射式フレネルレンズの出射面で透過出来なかった投写光線の一部成分は、全反射式フレネルレンズ内で吸収されるか、その入出射表面で反射されて全反射式フレネルレンズの入射面側方向に戻ることになる。図5(c)に示す様に、全反射式フレネルレンズの出射面に入射角θ3が0度、または限りなく0度に近い角度で入射した場合、出射面で反射した光線は入射光と同じ経路を逆行する。しかし、入射した光線と全反射式フレネルレンズの反射面Prの傾斜角度設定が完全に合致していない場合や、リアプロジェクションテレビを組立た時に、全反射式フレネルレンズのスクリーンと映像投写装置(1)との位置関係に誤差が生じている場合には、全反射式フレネルレンズへの入射角度θ1(図5(c)参照)にも変化が発生し、その結果、光線が全反射式フレネルレンズ出射面に入射するときの角度θ3も0度からずれた値になる。この様な場合、全反射式フレネルレンズ(5)の出射面で反射した光線Lrは図4(図3B部拡大図)に示す経路で全反射式フレネルレンズ(5)から出射する。即ち、打ち上げ角度ζで投写した光線は全反射式フレネルレンズ(5)にθ1の角度で入射し、スネルの法則により入射面でψ1の角度に屈折・進行する。入射後の光線は全反射式フレネルレンズ(5)の反射面Prにθ2で入射する。反射面Prに入射した光線は反射角θ2で反射し、全反射式フレネルレンズ出射面Po(平面)に進行する。全反射式フレネルレンズ出射面Poに進行した光線は、入射角θ3で出射面Poに入射し、その大部分が出射面Poからその前方に出射し、映像として観測者に認識されるが、一部は反射角θ3で反射して、入射面Piに入射角Θ4で再度入射する。入射面Piに再入射した反射光線Lrは反射角Θ4で反射されて反射面Prに入射角Θ5で入射し、角度Ψ5だけ屈折して反射面Prから出射する。この場合の反射光線Lrと水平軸hとの成す角度ζrは入射光線Liの打ち上げ角度ζよりも小さくなる。この結果、図3に示すように、反射光線Lrが折り返し用平面ミラー(3)に浅い角度ζr(ζr<ζ)で入射して反射されるため、反射光線Lrは全反射式フレネルレンズのスクリーン(4)に再度入射し、本来の画像には存在しない迷光(ゴースト像G)として画面の状態を悪化させる。
【0006】
本発明の目的は、上記のゴースト像を消去、または、肉眼で識別出来ないレベルまで軽減することによってリアプロジェクションテレビ画面の画質を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のリアプロジェクションテレビは、画像を形成する画像表示部を有し、画像表示部の画像を投写する映像投写装置と、画像を表示するスクリーンと、映像投射装置からの画像をスクリーン背面に投写する映像結像光学系とを備えたリアプロジェクションテレビにおいて、スクリーン背面が、全反射により入射光線を反射してその進行方向を変化させるプリズムを同心円状に配列して成る全反射式フレネルレンズで成り、プリズムで反射して全反射式フレネルレンズの出射面に入射する光線の入射角が0度又はほぼ0度で、且つ、全反射式フレネルレンズに入射する光線が水平軸となす角度ζと、全反射式フレネルレンズ出射面で反射して全反射式フレネルレンズの入射面から出射した反射光線が水平軸となす角度ζrとの関係がζr≧ζを満たす様に、全反射式フレネルレンズ入射面側にある反射面の傾斜角度を設定したことを特徴としている。この結果、全反射式フレネルレンズ出射面で反射した反射光線の進行方向が、リアプロジェクションテレビ内部の折り返しミラーを介しても、スクリーンに再入射しなくなり、ゴースト像の発生が防止できる。なお、スクリーンは、全反射式フレネルレンズのみで構成、或いは、全反射式フレネルレンズと、全反射式フレネルレンズ出射面前方に配置したレンチキュラーレンズとを有する構成の何れでもよい。
【0008】
また、本発明は、スクリーンを構成する全反射式フレネルレンズの出射面に透過率を向上(反射率を減少)させる処理、即ち、無反射コーティング(ARコーティング)を施す、或いは、全反射式フレネルレンズ出射面に、入射光を散乱する梨地処理を施したことを特徴としている。この構成により、全反射式フレネルレンズ出射面にゴースト像の原因となる透過しきれないで発生する反射光線の光量を減少させ、全反射式フレネルレンズに反射光線が再度入射する時には、その光量は肉眼では識別不能な状態にまで減少され、ゴースト像は画面上では肉眼で識別不能な状態となる。
【0009】
さらに、本発明のリアプロジェクションテレビは、画像をスクリーンに投影・結像させる映像結像光学系に複数の非球面ミラーを用いた構成、或いは、複数又は1つの非球面ミラーと投射レンズとの組み合わせで構成したことを特徴としている。このように、本発明は、投射レンズや平面ミラーに比べて、投写光線の打ち上げ角度ζ(スクリーンに入射する光線と水平軸との成す角度)を大きくできる非球面ミラーを用いているので、奥行きが非常に薄いリアプロジェクションテレビが実現できる。
【0010】
上記構成の本発明のリアプロジェクションテレビは、液晶パネルを有する映像投射装置のみならず、複数の微小ミラーをマトリクス状に配置し、前記微小ミラーの姿勢変化により照明光束を任意の方向に反射させて画像表示を行うミラーアレイを有する映像投射装置を用いることも可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の実施形態について図1、図2を参照にして説明をする。なお、図1は本発明のリアプロジェクションテレビの概略構成図、図2は、図1のA部拡大図で、スクリーンに対する入・出射光線の経路を示す図ある。
【0012】
図1を参照にすると、本実施形態のリアプロジェクションテレビは、筐体底部に映像投写装置(1)が設置してある。この映像投写装置(1)は、画像表示部に液晶パネル(1a)を用い、液晶パネル(1a)で形成された赤(R)、緑(G)、青(B)の各画像光線がクロスプリズム(1b)で合成されて出射する、所謂、液晶投写装置である。映像投写装置(1)の前方には投写結像用ミラー(2a)が設置してあり、投写結像用ミラー(2a)の上方に、光路がジグザグになるように投写結像用ミラー(2b)〜(2d)が順次上方に向かって前後に互い違いに配置されて投写結像光学系が構成されている。これら投写結像用ミラー(2a)〜(2d)により映像光線は反射・折り返されて順次上方に進行する。最終段の投写結像用ミラー(2d)の斜め前方の筐体内背面に折り返し用平面ミラー(3)が設置され、折り返し用平面ミラー(3)斜め上方前方筐体前面にスクリーン(4)が配置されている。映像投写装置(1)を出射した光線は、投写結像用ミラー(2a)〜(2d)、折り返し用平面ミラー(3)で反射・折り返されてジグザグに進みスクリーン画面(4)に投写・結像する。
【0013】
このように、本発明のリアプロジェクションテレビでは、本体奥行きをより短くする目的から、映像投写装置(1)とスクリーン(4)との間に映像投写用部品として非球面ミラーから成る複数の投写結像用ミラー(2a)〜(2d)及び折り返し用平面ミラー(3)を配置している。非球面ミラーはレンズ、平面ミラー等に比べて打ち上げ角度を大きくできるので、この投写結像用ミラー(2a)〜(2d)を用いることで短い投写距離で高倍率の画面となり、更に、投写光線(入射光線Li)の打ち上げ角度ζが通常の投写レンズを用いた場合よりも大きくなる。この結果、スクリーン(4)への入射角度も大きくなり、平面ミラーやその他の部品が投射光線の折り返し反射に干渉、遮光されなくなるため、リアプロジェクションテレビの奥行きが大幅に薄く出来るようになる。
【0014】
スクリーン(4)背面には、図2、図5(c)に示すように、平面ミラー(3)で反射した発散傾向にある光線を一定の方向に向ける目的で、個々のプリズムに全反射面Pr(以下、反射面と記す)を設けたプリズム群から成る全反射式フレネルレンズ(5)を設けて、映像光線を表示面であるスクリーン前面に垂直となるように曲げている。図5(b)に示すように、屈折式フレネルレンズ(5a)をスクリーン背面に設けた場合は本発明の様な非常に高い打ち上げ角度ζの投写光線を水平軸に対し平行(θ3≒0度)に補正する事は困難となるので、本発明では屈折式フレネルレンズ(5a)ではなく、プリズムと同じ原理で光線の全反射を利用したフレネルレンズ、即ち、全反射式フレネルレンズ(5)をスクリーン背面に設けて光線の角度補正を行う構成としている。この、背面に全反射式フレネルレンズ(5)を設けただけのスクリーン構成で画面の光線視野角が狭くなる場合は、図5(c)に示すように、シリンドリカルレンズの集合体であるレンチキュラーレンズ(6)を全反射式フレネルレンズ(5)の出射面に配置する事で画像の光線に広がりを持たせて視野角を広くする。スクリーン前面における視野角が広い場合はレンチキュラーレンズを設置する必要はない。本実施の形態では前者を採用し、全反射式フレネルレンズ(5)の前面にレンチキュラーレンズ(6)を設けたスクリーン構成になっている(図2ではレンチキュラーレンズは図示省略)。
【0015】
全反射式フレネルレンズ(5)を用いた構成では、図2(レンチキュラーレンズは図示省略)に示す様に、打ち上げ角度ζで投写した光線は全反射式フレネルレンズ(5)にθ1の角度で入射し、スネルの法則により入射角θ1とフレネルレンズ材質の屈折率nにより入射面でψ1の角度に屈折・進行する。入射後の光線は全反射式フレネルレンズ(5)の反射面Prにθ2で入射する。全反射式フレネルレンズ(5)はこの入射角θ2が臨界角θc(θc=sin-1(1/n)、nはフレネルレンズの屈折率)以上(θ2≧θc)になるように反射面Prの傾斜角度β(反射面Prと垂直軸vとの成す角度)が設定されているので、反射面Prに入射した光線はプリズムの反射と同じ様に、理論上100%の反射率で反射角θ2で反射し、全反射式フレネルレンズ出射面Po(平面)に進行する。ここで、全反射した光線の進行角度は水平になる様に予め設定することで、全反射式フレネルレンズ出射面Poに入射する角度θ3は0度、または限りなく0度に近くなる(入射角θ3≒0度ならば、反射角θ3≒0度となる)。
【0016】
全反射式フレネルレンズ(5)は屈折式フレネルレンズと異なり、焦点距離fの概念はないので、スクリーンの各点に入射する打ち上げ角度ζ(y)(yはスクリーン上の光線入射点の位置座標(垂直軸方向の座標))の光線が最終的に全反射式フレネルレンズ出射面Poに入射する入射角度θ3がθ3=0度又はθ3≒0度となるように全反射式フレネルレンズ各入射面Piの面角度α(全反射式フレネルレンズの入射面Piと垂直軸vとの成す角度)及び反射面Prの傾斜角度βを設定する。しかし、理論上では、全反射式フレネルレンズ出射面Poに入射する光線の入射角度θ3をθ3=0度又はθ3≒0度にできるが、実際にはスクリーンの微妙な撓み、傾き、スクリーンの基準位置と映像投写装置との位置関係の機械的ズレ等により、スクリーンを出射する光線は本来の設計値通りにはならないことが多い。そのため、上記問題点で述べた様な全反射式フレネルレンズの出射表面で発生する反射光線によってスクリーンの投写画面上にゴースト像が発生する。このため、本発明では、全反射式フレネルレンズ出射面Poに透過光量を向上させる処理、例えば、Si膜とSiO2膜を交互に積層した誘電体多層膜、或いは、TiO2膜とSiO2膜を交互に積層した誘電体多層膜から成る無反射コート(ARコート)を施し、ゴースト像となる反射光線Lrの光量を減少させると共に、全反射式フレネルレンズ出射面Poで反射した反射光線Lrが図4に示す反射光路を取らずに図2に示す反射光路を進行するように、即ち、全反射式フレネルレンズ出射面Poで反射して全反射式フレネルレンズ(5)から出射した反射光線Lrと水平軸hとの成す角度ζrが全反射式フレネルレンズに入射する入射光線Liの打ち上げ角度ζよりも大きくなる(ζr≧ζ)ように全反射式フレネルレンズ(5)の入射面Piの面角度α、及び反射面Prの傾斜角度β(図2参照)を特定の角度に設定して、全反射式フレネルレンズ出射面Poで反射した光線Lrが折り返し用平面ミラー(3)に再入射してもゴースト像がスクリーンの投写画面上に現れないようにしている。
【0017】
このためには、図2に示すように、全反射式フレネルレンズ出射面Poに入射し、反射する光線が出射面Poの入射点下方から入射して上方へ反射進行し、その入射角度θ3が0度により近似するようにスクリーン各ポイントの全反射式フレネルレンズ入射面Piの面角度α、及び反射面Prの傾斜角度βを設定、即ち、全反射式フレネルレンズ出射面Poへの入射光路上方に反射光路があり、全反射式フレネルレンズ出射面への入射角度θ3を0度にできるだけ近い角度、即ち、近似的に0度とみなせる角度となるようにスクリーン各ポイントにおける全反射式フレネルレンズ入射面Piの面角度α、及び反射面Prの傾斜角度βを設定する。
【0018】
このように角度α、βを設定すると、出射面Poに進行した光線は、入射角θ3で出射面Poに入射し、その大部分が出射面Poからその前方に出射し、映像として観測者に認識され、残余の部分は反射角θ3で反射して、反射面Prに入射角θ4で再度入射する。反射面Prに再入射した反射光線Lrは反射角θ4で反射されて入射面Piに入射角θ5で入射し、角度ψ5だけ屈折して入射面Piから出射する。この時、全反射フレネルレンズから出射した反射光線Lrの角度ζrは入射光線Liの打ち上げ角度ζよりも大きくなり、図1に示すように、再度スクリーンに入射することはないため、ゴースト像は発生しない。
【0019】
角度α、βの設定に当たっては、下記の関係式(1)〜(9)を用い、θ3=0度又はθ3<0度(光線が出射面Poの入射点下方から入射するときをθ3<0と定義し、図4のように、光線が出射面Poの入射点上方から入射するときをθ3>0と定義した)で、且つ、θ3≒0度、ζr≧ζ、θ2≧θc、θ4≧θcを満たす様に各面の角度α、βを設定する。
Figure 0003542963
ここで、θ1は全反射式フレネルレンズ入射面Piへの入射光線Liの入射角度、
ψ1は全反射式フレネルレンズ入射面Piにおける屈折角度、
θ2は全反射式フレネルレンズ内に入射した光線の反射面Prへの入射角度、
θ3は全反射式フレネルレンズ出射面Poへの反射面Prで反射した光線の入射角度、
θ4は全反射式フレネルレンズ出射面Poで反射した反射光線Lrの反射面Prへの入射角度、
θ5は全反射式フレネルレンズ入射面Piへの反射光線Lr(出射面Po、反射面Prで順次反射した光)の入射角度、
ψ5は全反射式フレネルレンズ入射面Piでの反射光線Lrの屈折角度(反射光線の出射角度)、
ζは水平軸hに対する入射光線Liの成す角度(鋭角の方を採用、フレネルレンズへの入射位置、及び、投写光学系によって各々異なる。所謂、仰角である)、
ζrは水平軸hに対する反射出射光線Lrの成す角度(鋭角の方を採用、所謂、俯角)、
αは全反射式フレネルレンズ入射面Piの傾斜角度、即ち、入射面Piと垂直軸v(水平軸に垂直な軸)との成す角度(α<90度)、
βは全反射式フレネルレンズ反射面Prの傾斜角度、即ち、反射面Prと垂直軸vとの成す角度(β<90度)、
γは全反射式フレネルレンズ先端部のエッジ角度、即ち、反射面Prと入射面Piの成す角度(通常は40度〜50度の一定値をとる)、
nは全反射式フレネルレンズの屈折率、
θcは臨界角(θc=sin-1(1/n))、
である。
【0020】
(第2実施形態)
本実施の形態は、全反射式フレネルレンズ出射面に無反射膜を施した透過率向上処理に替えて、全反射式フレネルレンズ出射面に梨地処理を施している。この他の構成、即ち、全反射式フレネルレンズ入射面Piの面角度α、及び反射面Prの傾斜角度βの設定や映像投射装置(1)、折り返し用平面ミラー(3)、投射結像用ミラー(2a)〜(2d)の配置等は第1実施形態と同じである。
【0021】
全反射式フレネルレンズ出射面Poの梨地処理面に当たった光線は、透過、反射の両成分共に拡散光となる(拡散の度合いは表面の梨地の具合によって変化する)。このため、全反射式フレネルレンズ出射面Poで反射した成分は出射面Poの梨地処理により拡散する。仮に反射した光線の総量自体はそのままでも、単位面積(単位立体角)当たりの光線の密度は拡散により減少する。この結果、図3、図4に示すようなゴースト像となる光線の経路をたどる光量も少なくなり、ゴースト像は反射光線Lrがスクリーン(4)に再入射した時には完全に消失するか、肉眼で識別できないレベルにまで減少している。
【0022】
尚、本実施の形態では、上述したように、ゴースト像は反射光線Lrがスクリーン(4)に再入射した時には完全に消失するか、肉眼で識別できないレベルにまで減少しているので、全反射式フレネルレンズの各面の角度α、βの設定は必ずしも第1実施形態と同じにしなくてもよい。また、梨地処理した面に無反射膜(ARコート)を設けると反射散乱する反射光が更に減少するので、ゴースト像防止効果が更に向上する。
【0023】
上記何れの実施形態も、結像光学系に非球面レンズから成る投映結像用ミラー(2a)〜(2d)を用いているが、図6に示すように、投映結像用ミラー(2a)〜(2c)(映像結像用ミラーは必ずしも3つである必要はない)と投射レンズ7で結像光学系を構成してもよい。
【0024】
また、映像投写装置(1)は、液晶パネル(1a)を用いた透過型の映像投写装置を用いた例を示したが、図7(a)、(b)に示すように、微小ミラー(12)をシリコン基板(11)の表面にマトリクス状に配置して成る微小ミラー集合体で構成されたミラーアレイを用いてもよい。このミラーアレイは、図7(b)に示すように、微小ミラー(12)が捻れ梁(13)により支持されてシリコン基板上に設置され、1つの微小ミラー(12)で1画素を形成している。微小ミラー(12)は、微小ミラー裏側のシリコン基板表面に設けたアドレス電極(14)との間の静電吸引力により回転する。このように、アドレス電極14に印加する電圧をオン・オフすることにより各微小ミラー(12)の姿勢をそれぞれ変化させ、光源ランプ(10)からの光Lの反射方向を変化させて画像を生成し、投写レンズ(7)により画像を投射する(図7(a))。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、全反射式フレネルレンズ出射面にARコートや梨地処理等を施して、ゴースト像発生の原因となる全反射式フレネルレンズの出射表面で生じる反射光線の光量を、反射光が画面上に再度出現した際に、その周りの部分と肉眼で識別出来ない位にまでに減少すると共に、全反射式フレネルレンズの反射面の傾斜角度β、及び入射面の面角度αを、反射光が再度スクリーンに入射出来ないような角度に設定したので、リアプロジェクションテレビの投写画面上に本来ならば存在しない光像、所謂、ゴースト像を消失、または、肉眼では識別出来ないレベルにまで減少できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリアプロジェクションテレビの概略図。
【図2】図1のA部拡大図で、ゴースト像が発生しないための入・出射光線の経路を示す全反射式フレネルレンズ断面図。
【図3】ゴースト像発生経路を示す図。
【図4】ゴースト像発生経路を示す図3B部拡大図(全反射式フレネルレンズ断面図)。
【図5】(a)はリアプロジェクションテレビの概略図、(b)は屈折式フレネルレンズを用いたスクリーン構成概略断面図、(c)は全反射式フレネルレンズを用いたスクリーン構成概略断面図。
【図6】本発明のリアプロジェクションテレビの概略図。
【図7】(a)は多数の微小ミラーから成るミラーアレイを用いた映像投写装置の概略図、(b)は微小ミラーの構成概略図。
【符号の説明】
1 映像投写装置
1a 液晶パネル
1b クロスプリズム
2a 投写結像用ミラー(非球面ミラー)
2b 投写結像用ミラー(非球面ミラー)
2c 投写結像用ミラー(非球面ミラー)
2d 投写結像用ミラー(非球面ミラー)
3 折り返し用平面ミラー
4 スクリーン
5 全反射式フレネルレンズ
5a 屈折式フレネルレンズ
6 レンチキュラーレンズ
7 投写レンズ
10 光源ランプ
11 シリコン基板
12 微小ミラー
13 捻れ梁
14 アドレス電極

Claims (7)

  1. 画像を形成する画像表示部を有し、前記画像表示部の画像を投写する映像投写装置と、画像を表示するスクリーンと、前記映像投写装置からの画像を前記スクリーン背面に投写する映像結像光学系とを備えたリアプロジェクションテレビジョンにおいて、前記スクリーン背面が、全反射により入射光線を反射してその進行方向を変化させるプリズムを同心円状に配列して成る全反射式フレネルレンズで成り、前記プリズムで反射して前記全反射式フレネルレンズの出射面に入射する光線の入射角が0度又はほぼ0度で、且つ、前記映像結像光学系を出射して前記全反射式フレネルレンズに入射する光線が水平軸となす角度ζと、前記全反射式フレネルレンズ出射面で反射して前記全反射式フレネルレンズの入射面から出射した反射光線が水平軸となす角度ζrとの関係がζr≧ζを満たす様に、前記全反射式フレネルレンズ入射面側にある反射面の傾斜角度を設定したことを特徴とするリアプロジェクションテレビジョン。
  2. 全反射式フレネルレンズ出射面に透過率を向上させる処理を施したことを特徴とする請求項1記載のリアプロジェクションテレビジョン。
  3. 全反射式フレネルレンズ出射面に、入射光を散乱する梨地処理を施したことを特徴とする請求項1又は2記載のリアプロジェクションテレビジョン。
  4. 複数の微小ミラーをマトリクス状に配置し、前記微小ミラーの姿勢変化により照明光束を任意の方向に反射させて画像表示を行うミラーアレイを有する映像投射装置を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のリアプロジェクションテレビジョン。
  5. 画像をスクリーンに投影・結像させる映像結像光学系に複数の非球面ミラーを用いたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のリアプロジェクションテレビジョン。
  6. 画像をスクリーンに投影・結像させる映像結像光学系を複数又は1つの非球面ミラーと投射レンズとの組み合わせで構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のリアプロジェクションテレビジョン。
  7. スクリーンが、全反射式フレネルレンズと、前記全反射式フレネルレンズ出射面前方に配置したレンチキュラーレンズとを有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のリアプロジェクションテレビジョン。
JP2000393303A 2000-12-25 2000-12-25 リアプロジェクションテレビジョン Expired - Fee Related JP3542963B2 (ja)

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