JP3542548B2 - 流体の温度調節装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は流体の温度調節装置に係り、特に、コーヒー、紅茶、ジュース、ビールなどの各種飲料を冷却するための飲料冷却装置を構成する場合に好適な熱的装置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コーヒー、紅茶、ジュース、ビールなどの各種飲料を冷却する飲料冷却装置として、例えば、高温の飲料を流通させるための流通管を冷却槽内において例えばコイル状に配置し、冷却管の周りに水などの液体を満たした飲料サーバーが知られている。これらの液体は、液体中に導入された冷却管に冷媒を流したり、或いは、液体を直接ペルチェ素子と接触させたりするなどの方法によって冷却される。そして、このように冷却された液体を介して流通管内を流通する飲料が適宜の温度まで冷却される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の飲料サーバー(飲料冷却装置)においては、例えば高温のコーヒーや紅茶などを冷却するためには、これらを流通管内にきわめてゆっくりと流すか、或いは、流通管における前記液体中に浸漬された部分を長く構成する必要があるので、飲料の冷却量(冷却速度)が低くなるか、或いは、冷却装置が大型化するという問題点がある。
【0004】
上記の問題点を解決する方策として、直接冷媒に接触させるなどの方法で飲料をきわめて低い温度に曝すことによって急激に冷やすことが考えられる。しかし、上記のような飲料サーバーにおいては必要が生じた適時に少量の飲料をその都度冷却して供給することが要求されるので、飲料が不定期に流れることとなる。したがって、飲料が流れないときに流通経路が過剰に冷却されてしまうために流し始めの際に飲料を冷却しすぎてしまうなど、冷却状態が不安定になり、その結果、供給される飲料の温度が変動するという問題点が考えられる。
【0005】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、装置の小型化と温度調節能力の向上(温度調節の迅速化若しくは温度調節可能な流体量の増大)とを両立することのできる新規の温度調節装置を提供することにある。また、安定した状態で迅速に温度を調節することのできる温度調節装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の温度調節装置は、温度調節ユニットと、該温度調節ユニット内に構成された流通経路とを有する温度調節装置であって、前記温度調節ユニットには、前記流通経路を流通する流体に対して熱的に接触する温度調節手段と、前記流通経路を流通する前記流体に対して熱的に接触する蓄熱手段とを有することを特徴とする。流通経路に流通する流体は熱的に接触した温度調節手段によってその温度が調節されるが、流通経路に流体が流通していないときでも温度調節手段によりもたらされる熱エネルギーが蓄熱手段によって蓄積されることから、流通経路に流体が流れ始めたときに、流れ始めの流体分に過冷却又は過熱を生じさせることを防止することができるなど、安定した温度調節を行うことが可能になるとともに、蓄熱手段によって蓄積された熱エネルギーを用いて温度調節を再開することができるので、エネルギーの無駄を低減することができ、安定した温度調節を効率的に行うことができる。
【0007】
本発明において、前記蓄熱手段は、前記流通経路と前記温度調節手段との間に配置されていることが好ましい。流通経路と温度調節手段との間に蓄熱手段が配置されていることにより、温度調節手段は蓄熱手段を介して流通経路中の流体の温度調節を行うので、より安定した温度調節作用を行うことができるとともに、流体の流通が一旦途絶えてから流通を再開した際における流体温度の過剰調節(すなわち流体の過冷却又は過熱)を、より効果的に防止することができる。
【0008】
本発明において、前記蓄熱手段は、前記流通経路に対して前記温度調節手段と並列に熱接触していることが好ましい。蓄熱手段と温度調節手段とが並列に流通経路に対して熱接触していることにより、温度調節手段によって直接に流通経路内の流体の温度調節を行うことができるので、より正確な温度調節ができると同時に、蓄熱手段によるエネルギーの節約及び流体温度の過剰調節の防止も可能になる。
【0009】
本発明において、前記蓄熱手段は、前記流通経路を流通する前記流体の目標温度と実質的に同等若しくは目標温度を調節方向に越えた変態点を備えた蓄熱物質を有することが好ましい。蓄熱手段が蓄熱物質を有し、この蓄熱物質の変態点が流体の目標温度と実質的に同等若しくは目標温度を調節方向に越えた変態点を備えていることにより、潜熱の形で大きな熱エネルギーを蓄積することができる。また、変態点が流体の目標温度と実質的に同等若しくは目標温度を調節方向に越えていることにより、蓄熱流体に蓄積された熱エネルギーによって効率的に流体の温度調節を行うことができる。
【0010】
ここで、変態点が目標温度を調節方向に越えているとは、例えば、流体を加熱する方向に温度調節する場合には変態点が目標温度より高温であり、流体を冷却する方向に温度調節する場合には変態点が目標温度より低温であることを意味する。
【0011】
本発明において、前記蓄熱手段は、ゲル状の蓄熱物質を有することが好ましい。蓄熱手段がゲル状の蓄熱物質を有することによって、蓄熱流体の漏出を抑制することができるとともに、蓄熱凝固時の外形変化によって蓄熱槽等の容器が破壊されてしまう危険性を低減できる。
【0012】
また、本発明の温度調節装置は、内部に第1流通経路及び該第1温度調節経路を流通する流体に対して熱的に接触する第1温度調節手段を有する第1温度調節ユニットと、前記第1流通経路に連通した第2流通経路及び該第2温度調節経路を流通する流体に対して熱的に接触する第2温度調節手段を有する第2温度調節ユニットとを有し、連続稼動時における前記第1温度調節手段の調節温度は、前記物前記第2温度調節手段の調節温度よりも前記流体の初期温度に近いことを特徴とする。この発明によれば、まず、温度調節すべき流体の初期温度に近い調節温度の第1温度調節手段により第1温度調節ユニットにおいて流体の温度調節を行い、流体温度をある程度目標温度に近づけた後に、温度調節すべき流体の初期温度からより離れた調節温度の第2温度調節手段により第2温度調節ユニットにおいて流体をさらに温度調節するようにしたので、各ユニットにおいて効率的に流体の温度を調節することができ、多量の流体を迅速に目標温度に調節することが可能になる。
【0013】
ここで、上記調節温度とは、流体の温度を調節しているときに流体に対する熱の出入りを生じさせるための温度調節手段の基準温度を言い、温度調節手段の構成によって調節温度が実質的に一定の場合もあれば流体温度によって変動する場合もあるものである。例えば、空冷、水冷、熱電変換等の温度調節方式に拘わらず、流体に接する部分の温度を一定になるように制御している場合にはその設定温度が調節温度であり、常に冷却ファンの風量や熱電素子に供給する電力などを一定になるように制御しているときには、流体に接する部分の温度はその温度調節の状態によって決まり、一定若しくは変動することとなり、その温度が調節温度となる。いずれにしても、調節温度が流体温度と相違しない限り、流体の温度調節は実質的に行われない。
【0014】
本発明において、前記第1温度調節手段は吸熱部、該吸熱部に熱的に接続された放熱部及び前記吸熱部若しくは前記放熱部において気流を生じさせるための気流発生手段を有し、前記第2温度調節手段は、吸熱部及び放熱部を備えた熱電素子を有することが好ましい。第1温度調節手段は気流によって熱を供給若しくは排出するようになっているので、簡易に構成できるとともに大きな熱量を移動させることが可能になり、一方、第2温度調節手段は熱電素子によって熱量を移動させるので、コンパクトに構成できる。したがって、装置の小型化と温度調節能力の向上とを両立することができる。
【0015】
本発明において、前記第2流通経路には、蓄熱手段が熱的に接触していることが好ましい。蓄熱手段が第2流通経路に接触していることによって、エネルギー効率を高めることができるとともに、流体温度の過剰調節を防止することができる。
【0016】
上記各発明において、温度調節ユニット、或いは、第1温度調節ユニット若しくは第2温度調節ユニットには、内面と外面との間で熱を移動させることのできる熱移動部材と、流通経路を有する流通部材とが積層されているか、或いは、一対の熱移動部材によって流通経路を有する流通部材が挟持された温度調節セルが設けられていることが好ましい。熱移動部材としては、外面に放熱フィンを備えた放熱板、内外面のいずれか一方に吸熱部を、他方に放熱部を有する熱電素子(ペルチェ素子など)などが挙げられる。
【0017】
また、複数の温度調節セルが設けられ、流通経路が繰り返し複数の温度調節セル間を順次に通過していることが好ましい。このようにすれば、特定の温度調節セルに大きな負担がかからないので、効率的に温度調節を行うことができる。
【0018】
特に、隣接する一対の温度調節セルにおけるそれぞれの熱移動部材の外面が対向配置されるように、複数の温度調節セルを配列することが装置をコンパクトに構成するうえで望ましい。この場合にはさらに、隣接する温度調節セルの対向する一対の熱移動部材の外面間に気流を生じさせる気流発生手段を設けることが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る温度調節装置の実施形態について詳細に説明する。図1は本実施形態の飲料サーバー(飲料冷却装置)の内部構造を示す概略斜視図である。本実施形態には、第1冷却ユニット101と第2冷却ユニット102とが設けられている。高温のコーヒー、紅茶などの飲料は、まず第1冷却ユニット101に導入され、或る程度の温度まで冷却された後、第2冷却ユニット102に導入される。なお、図1に示す内部構造は図示しないハウジングによって覆われ、このハウジングに飲料導入口及び飲料供給口を設けることによって飲料サーバーとして構成される。
【0020】
第1冷却ユニット101には、相互に対向するように配置された一対の冷却セル110,120が設けられている。冷却セル110,120は、それぞれ一対ずつの放熱板111,121によって、流通部材112,122が挟持された構造となっている。放熱板111,121及び流通部材112,122は、銅若しくは銅合金、アルミニウム若しくはその合金などの熱伝導性の良好な材質によって構成され、それらの外面上には多数の放熱フィン111a、121aが形成されている。
【0021】
また、上記飲料導入口には第1流通管103が接続され、この第1流通管103は、熱伝導性の良好な材質(銅又は銅合金、アルミニウム又はその合金、ステンレス鋼など)で構成されている。第1流通管103は、冷却セル110の上部内に導入されて、冷却セル110の板面に沿って内部を水平方向に挿通した後、その導入された端面とは反対側の端面から出て、隣接配置された冷却セル120の上部内に導入され、冷却セル120の内部を挿通して冷却セルの反対側の端面から導出され、再び冷却セル110の端面上における最初の導入位置よりやや下の位置から導入されるというように、冷却セル110の内部と冷却セル120の内部とを交互に挿通し順次に下方に進む螺旋構造を備えている。第1流通管103は第2冷却ユニット102の上面上に設置されたポンプ104に接続されている。
【0022】
第2冷却ユニット102には、相互に対向するように配置された一対の冷却セル130,140が設けられている。冷却セル130,140は、それぞれ一対ずつの放熱板131,141によって、セル積層体132,142が挟持された構造となっている。放熱板131,141はアルミニウム若しくはその合金などの熱伝導性の良好な材質によって構成され、それらの外面上には多数の放熱フィン131a、141aが形成されている。
【0023】
また、飲料を流通させるための第2流通管105は、熱伝導性の良好な材質(銅又は銅合金、アルミニウム又はその合金、ステンレス鋼など)で構成されている。第2流通管105は、ポンプ104から導出されて冷却セル130の上部内に導入され、冷却セル130の板面に沿って内部を水平方向に挿通した後、その導入された端面とは反対側の端面から出て、隣接配置された冷却セル140の上部内に導入され、冷却セル140の内部を挿通して冷却セルの反対側の端面から導出され、再び冷却セル130の端面上における最初の導入位置よりやや下の位置から導入されるというように、冷却セル130の内部と冷却セル140の内部とを交互に挿通し順次に下方に進む螺旋構造を備えている。第2流通管105は最後に冷却セル104の下部から導出され、図示しない上記の飲料供給口に接続される。
【0024】
上記の第1冷却ユニット101と第2冷却ユニット102は共に基部106上に設置されている。この基部106内には、第1冷却ユニット101を冷却するための冷却ファン107と、第2冷却ユニットを冷却するための冷却ファン108とがそれぞれ複数設置されている。これらの冷却ファン107,108は、第1冷却ユニット101及び第2冷却ユニット102においてそれぞれ相互に対向する冷却セル110、120の放熱板111と121との間隙及び冷却セル130、140の放熱板131と141との間隙の中間位置にそれぞれファンの回転軸線が合致するように配置されている。
【0025】
図2は上記実施形態における第1冷却ユニット101の冷却セル110の構造を示すものである。なお、冷却セル120は冷却セル110と同一の構造を備えている。冷却セル110においては、2枚の放熱板111に流通部材112が挟持され、流通部材112の内部に第1流通管103が挿通されている。また、放熱板111の外面に形成された放熱フィン111aは上記の冷却ファン107によって強制的に冷却される。したがって、第1流通管103の内部を流通する飲料は流通部材112を介して空冷される。
【0026】
図3は上記実施形態における第2冷却ユニット102の冷却セル130の構造を示すものである。なお、冷却セル140は冷却セル130と同一の構造を備えている。冷却セル130においては、2枚の放熱板131にセル積層体132が挟持され、このセル積層体132の内部には、第2流通管105が挿通された流通部材133と、放熱板131の内面に接触したペルチェ素子等の熱電素子134と、この熱電素子134と流通部材133とに挟持され、合成樹脂フィルムなどからなる可撓性の収容器(袋)135内に封入されたゲル状の蓄熱剤136とが配置されている。なお、熱電素子134は、放熱板131の板面においてほぼ均等に分散配置された状態となっており、好ましくは放熱板131の内面に固着される。
【0027】
セル積層体132の内部においては、蓄熱剤136を収容した複数の収容器135がほぼ隙間なく配列、充填された状態となっている。蓄熱剤136としては、吸水性の高い高分子ポリマーに水を吸収させたものなど、飲料の目標温度よりもやや低い変体点(凝固点)を有する液体をゲル状にした物質を用いる。吸水性の高い高分子ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸(塩)架橋体、アクリル酸(塩)−ビニルアルコール重合体、デンプン−アクリロニロリルグラフト共重合体の加水分解物、カルボキシメチルセルロース架橋体、ポリエチレンオキサイド架橋体等が挙げられる。
【0028】
これらの高分子ポリマーに水を吸収させたものは、基本的に0℃近傍の変態点を有している。したがって、蓄熱剤136は0℃近傍まで温度が降下し得ることから、飲料を数℃程度の目標温度まで冷却しようとする場合、蓄熱剤136を介して充分に飲料を冷却することができ、上記の目標温度に到達させることが可能である。
【0029】
この実施形態では蓄熱剤136をゲル状に構成したことにより、収容器135の外へ蓄熱剤136が漏出しにくくなり、保守・管理が容易になるとともに、蓄熱剤136が凝固してもシャーベット状に固化するので、凝固時の外形変形により冷却セルが破壊される危険性を低減することができる。
【0030】
また、第2流通管105内に飲料が流通していないときに熱電素子134が稼動しつづけても、熱電素子134は蓄熱剤136のみを冷却するが、蓄熱剤136の変態点が0℃近傍にあるので、第2流通管105はその変態点の温度以下には低下しない。飲料が流通していないときに熱電素子134から与えられた熱エネルギーは蓄熱剤136内に潜熱として蓄積される。第2流通管105に再び飲料が流れ始めたときには、熱電素子134が既に稼動していたとしても第2流通管134近傍がほぼ変態点の温度になっているので、飲料を過剰に冷却してしまうことが防止される。さらに、蓄熱剤136に潜熱として蓄えられている熱エネルギーによって飲料を冷却することができるので、飲料が流れていなかった期間の熱電素子134による冷却動作が無駄になることはなく、エネルギー及び冷却能力を効率的に用いることが可能になる。
【0031】
蓄熱剤等の蓄熱流体の変態点としては、冷却装置の場合には目標温度に対して0〜10℃程度低いことが好ましく、特に1〜5℃程度低いことが望ましい。逆に加熱装置の場合には目標温度に対して同様に0〜10℃程度高いことが好ましく、特に1〜5℃程度高いことが望ましい。変態点が目標温度より離れすぎると飲料の過冷却や過熱が生じやすくなり、また、潜熱を利用した熱エネルギーの効果的な蓄積が困難になる。逆に変態点が調節方向に見て目標温度に到達していない場合には、飲料を目標温度にまで調節することができなくなる。なお、目標温度としては、装置内若しくは各ユニット内において、流体の流通経路に沿って複数の目標温度を設定した複数の温度調節セルを設け、各温度調節セル毎に蓄熱剤の変態点を適宜に設計してもよい。
【0032】
この実施形態では、冷却ファン107,108を稼動させて第1冷却ユニット101及び第2冷却ユニット102の各冷却セル110,120の間及び外側面並びに冷却セル130,140の間及び外側面に気流(空気流)を生じさせ、放熱板111,121,131,141が強制冷却されるとともに、熱電素子134が図示しない制御装置によって動作されるように構成されている。この状態で、ポンプ104を稼動させて第1流通管103に飲料を引き込み、第1冷却ユニット101内に流通させるとともに、第1冷却ユニット101を通過してきた飲料を第2流通管105に送り出し、最終的に第2冷却ユニット102にて冷却された飲料を供給するようになっている。
【0033】
この実施形態によれば、100℃に近い高温の飲料であっても、第1冷却ユニット101においてまず粗熱が除去され、続いて、第2冷却ユニット102において熱電素子によって高精度に所望の温度まで冷却される。この場合、各冷却ユニット101,102においては、より高温の飲料がまず冷却セルの上部に導入され、螺旋状の第1流通管103、第2流通管105の内部を進むに従って冷却セルの下部を通過するようになる。また、各冷却ユニット101,102には一対ずつの冷却セルが設置され、一対の冷却セルを流通管が交互に通過するように構成されているので、一対の冷却セルに均等に熱的負荷を課すことができ、効率的に飲料を冷却することができる。
【0034】
本実施形態では上記のような100℃に近い高温の飲料を数秒のうちに数℃にまで冷却することができ、従来では不可能であった急速冷却を実現することができるようになった。また、飲料を適宜の時点で装置に流しても、安定した冷却性能を発揮することができるとともに、飲料温度の変動もきわめて少ない装置を実現できた。
【0035】
図4及び図5は、上記第2冷却ユニット102に設置する冷却セル130,140の代わりに用いることのできる別の冷却セル230の構成例を示すものである。この冷却セル230においては、放熱板231の内面にペルチェ素子等の熱電素子234が取り付けられ、熱電素子234は流通部材233に固着されている。流通部材233の内部には上記と同様の第2流通管105が挿通される。また、流通部材233における上記放熱板231とは反対側の外面にはカバー部材235が固着され、このカバー部材235と流通部材233との間には上記と同様の蓄熱剤236が、収容器を介することなくそのまま密封されている。
【0036】
この構成例においては、熱電素子234によって第2流通管105内の飲料が直接に冷却されるように構成されている。また、熱電素子234の吸熱面の反対側において第2流通管105が蓄熱剤236に熱的に接触した構造となっている。すなわち、熱電素子234と蓄熱剤236とは、第2流通管105に対して熱的に並列に接続されていることとなる。したがって、第2流通管105内に飲料が流れているときには、熱電素子234によって直接に飲料を冷却することができるため、装置の動作可能状態になるまでの時間(いわゆるウォームアップ時間)を短縮することができるとともに、飲料温度の細かな制御を容易に行うことができる。また、第2流通管105内に飲料が流れなくなったときには、熱電素子234をそのまま稼動させておいても、蓄熱剤236が冷却されることによって第2流通管105近傍の温度が過剰に低下することを防止することができる。したがって、第2流通管105内に再び飲料を流し始めたときに、最初に流された飲料分が過剰に冷却されてしまうことを防止することができる。
【0037】
尚、本発明の温度調節装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では飲料を冷却する装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明は飲料に限らず、各種の液体、気体等の流体の温度調節に対して用いることができる。また、本発明は、上記のように流体を冷却する場合に限らず、逆に流体を所定の温度にまで加熱する場合にも同様に用いることができる。この場合、上記実施形態においては、放熱板に加熱流体(温風や温水など)を吹き付け、また、熱電素子への電力供給の極性を逆転させることにより吸熱側と放熱側とが逆に配置されるように動作させることによって、各種流体を加熱することが可能になる。
【0038】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、装置の小形化、温度調節能力の増大、温度調節能力の安定化等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度調節装置の実施形態である飲料サーバーの内部構造を示す概略斜視図である。
【図2】同実施形態における第1冷却ユニットの冷却セルの断面構造を示す拡大断面図である。
【図3】同実施形態における第2冷却ユニットの冷却セルの断面構造を示す拡大断面図である。
【図4】同実施形態における第2冷却ユニットの冷却セルの異なる構成例を示す拡大断面図である。
【図5】図4に示す構成例の冷却セルの平面図である。
【符号の説明】
100 飲料サーバー(飲料冷却装置)
101 第1冷却ユニット
102 第2冷却ユニット
103 第1流通管
104 ポンプ
105 第2流通管
106 基部
107,108 冷却ファン
110,120,130,140,230 冷却セル
111,121,131,141,231 放熱板
111a,121a,131a,141a,231a 放熱フィン
112,122 流通部材
132,142 セル積層体
133,233 流通部材
134,234 熱電素子
135 収容器
136,236 蓄熱剤
235 カバー部材

Claims (2)

  1. 温度調節ユニットと、該温度調節ユニット内に構成された流通経路とを有する温度調節装置であって、前記温度調節ユニットには、前記流通経路を流通する流体に対して熱的に接触する温度調節手段と、前記流通経路を流通する前記流体に対して熱的に接触する蓄熱手段とを有し、
    前記温度調節ユニットには、内面と外面との間で熱を移動させることのできる熱移動部材と、前記流通経路を有する流通部材とが積層されているか、或いは、一対の熱移動部材によって前記流通経路を有する流通部材が挟持されている複数の温度調節セルが設けられ、前記流通経路が複数回繰り返し前記複数の温度調節セルを順次に通過し
    隣接する一対の前記温度調節セルにおけるそれぞれの前記熱移動部材の外面が対向配置されるように、前記複数の温度調節セルが配列され、
    隣接する前記温度調節セルの対向する一対の熱移動部材の外面間に気流を生じさせる気流発生手段が設けられていることを特徴とする温度調節装置。
  2. 内部に第1流通経路及び該第1温度調節経路を流通する流体に対して熱的に接触する第1温度調節手段を有する第1温度調節ユニットと、
    前記第1流通経路に連通した第2流通経路及び該第2温度調節経路を流通する流体に対して熱的に接触する第2温度調節手段を有する第2温度調節ユニットとを有し、
    前記第1温度調節手段の調節温度が、前記第2温度調節手段の調節温度よりも前記流体の初期温度に近くなるように構成され、
    前記第1温度調節ユニット及び前記第2温度調節ユニットには、内面と外面との間で熱を移動させることのできる熱移動部材と、前記流通経路を有する流通部材とが積層されているか、或いは、一対の熱移動部材によって前記流通経路を有する流通部材が挟持されている、複数の温度調節セルがそれぞれ設けられ、前記流通経路が複数回繰り返し前記複数の温度調節セルを順次に通過し、
    前記第1温度調節ユニット及び前記第2温度調節ユニットには、隣接する一対の前記温度調節セルにおけるそれぞれの前記熱移動部材の外面が対向配置されるように、前記複数の温度調節セルがそれぞれ配列され
    前記第1温度調節ユニット及び前記第2温度調節ユニットには、隣接する前記温度調節セルの対向する一対の熱移動部材の外面間に気流を生じさせる気流発生手段が設けられていることを特徴とする温度調節装置。
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