JP3540812B2 - 高温で高靭性を有する低密度高強度のアルミニウム−リチウム合金 - Google Patents

高温で高靭性を有する低密度高強度のアルミニウム−リチウム合金 Download PDF

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Description

本出願は、1991年5月14日申請の米国特許出願第07/699,540号の一部継続出願である。
発明の詳細な説明
[発明の属する技術分野]
本発明は、改良されたアルミニウム・リチウム合金に関し、さらに詳細には、航空機および航空宇宙分野の高温環境での長期使用に耐える充分な破壊靭性と高強度を維持する低密度合金としての特徴を有し、銅、マグネシウムおよび銀を含むアルミニウム・リチウム合金に関する。
[背景技術と問題点]
航空機産業において、航空機の重量を軽くする最も効果的な方法の1つは、その航空機構造物に使用されているアルミニウム合金の密度を下げることであると、一般に認識されている。アルミニウム合金の密度を下げるために、リチウムの添加が行われてきたが、これには、いくつか問題がある。例えば、アルミニウム合金にリチウムを添加したために、延性や破壊靭性の低下を招くことがある。航空機の部品に用いる場合、合金にリチウムを添加することにより、延性、破壊靭性および強度などの特性が改善されることが、絶対に必要な条件である。
従来の合金に関しては、航空機分野で通常使用されるAA(AAはアルミニウム協会の略)2024−T3Xおよび7050−T7Xのような通常の合金を考慮すると、高強度と高破壊靭性の両方を得ることは実に困難のように思われる。例えば、AA2040の板については、強度が増すとともに靭性が低下することが判っている。また、同じことがAA7050の板についても云える。靭性を殆ど、もしくは全く低下させることなく強度を高められる合金や、強度と靭性のより望ましい組み合わせを得るために、強度を高めながら靭性の制御を行う処理工程を可能とする合金があれば、一層望ましい。さらに、密度を5乃至15%程度低減したアルミニウム・リチウム合金が、強度と靭性とを兼ね備えていることが一層望ましい。このような合金であれば、軽量で高強度及び高靭性が燃料を大幅に節約する航空宇宙産業において幅広い用途がある。このように、靭性を殆どまたは全く犠牲にせず、高い強度などの特性を得ること、即ち強度を高めながら靭性を調節できることが可能となれば、極めて特徴的なアルミニウム・リチウム合金の製品を得ることができる。
周知のように、アルミニウム合金にリチウムを添加すると、密度の減少と弾性係数の増大が起こり、比剛性が著しく改善される。さらに、0〜500℃の温度範囲でアルミニウム中へのリチウムの固溶解度(solid solubility)が急激に増大すると、析出硬化を受けて既存の市販アルミニウム合金に匹敵する強度レベルに達する合金系が得られる。しかしながら、制限された破壊靭性や延性、層剥離の問題、および応力腐食割れに対する低い抵抗力などの欠点で相殺されて、リチウムを含有するアルミニウム合金の利点は発揮されていない。
このように、航空宇宙分野では、4種類のリチウム含有合金しか実用になっていない。即ち、2つの米国製合金AAX2020、AA2020、英国製合金AA8090、およびロシア製合金AA01420である。
米国製合金AAX2020は、公称組成が、アルミニウム及び、4.5重量%の銅、1.1重量%のリチウム、0.5重量%のマンガン、0.2重量%のカドミニウムであり、1957年に登録された。
AXX2020に1.1%のリチウムを添加した場合、これに関する密度の減少は3%であり、合金の強度は非常に高くなったが、破壊靭性が極めて低レベルであったため、高応力における効率的使用は得策とはならなかった。さらに延性に関する問題も成形作業中に発見された。結局、この合金は正式に取り下げとなった。
一方の米国製合金AA2090は、組成がアルミニウム及び、2.4〜3.0重量%の銅、1.9〜2.6重量%のリチウム、0.08〜0.15重量%のジルコニウムであり、1984年にアルミニウム協会に登録された。この合金は、高強度であったが、破壊靭性に乏しく、層剥離の問題に関連して横方向の延性も小さく、広範な産業的な実施はされていない。この合金は、軽量化と高剛性化の目的でAA7075−T6に替わるものとして設計されたが、産業上の利用は限られていた。
英国製合金AA8090は、組成がアルミニウム及び、1.0〜1.6重量%の銅、0.6〜1.3のマグネシウム、2.2〜2.7重量%のリチウム、0.04〜0.16重量%のジルコニウムであり、アルミニウム協会への登録は1988年である。2.2乃至2.7重量%のリチウムによる密度の減少は相当あったが、破壊靭性と応力腐食割れ抵抗が不充分なことに加え、低強度であったため、AA8090は航空宇宙および航空機の用途には広く用いられる合金とはならなかった。
ロシア製合金AA01420は、アルミニウム及び、4〜7重量%のマグネシウム、1.5〜2.6重量%のリチウム、0.2〜1.0重量%のマンガン、0.05〜0.3重量%のジルコニウム(マンガンとジルコニウムのどちらかはなくても良い。)であり、フリッドラインダ(Eridlyander)他により英国特許第1,172,736号で開示された。ロシア製合金AA01420は、通常の合金より優れた比剛性を有するが、その比強度のレベルは、通常使用される2000シリーズのアルミニウム合金に匹敵するに過ぎず、剛性が重要な用途でしか軽量化できない。
合金AAX2094およびAAX2095は、1990年にアルミニウム協会に登録された。これらのアルミニウム合金は、いずれもリチウムを含む。
合金AAX2094は、4.4〜5.2重量%の銅、最大0.01重量%のマンガン、0.25〜0.6重量%のマグネシウム、最大0.25重量%の亜鉛、0.04〜0.18重量%のジルコニウム、0.25〜0.6重量%の銀および0.8〜1.5重量%のリチウムを含む。また、この合金は、最大0.12重量%の珪素、最大0.15重量%の鉄、最大0.10重量%のチタン、およびその他のさらに少量の不純物も含む。
合金AAX2096には、3.9〜4.6重量%の銅、最大0.01重量%のマンガン、0.25〜0.6重量%のマグネシウム、最大0.25重量%の亜鉛、0.04〜0.18重量%のジルコニウム、0.25〜0.6重量%の銀、および1.0〜1.6重量%のリチウムが含まれる。また、この合金には、最大0.12重量%の珪素、最大0.15重量%の鉄、最大0.10重量%のチタン、およびその他のさらに少量の不純物も含まれる。
1989年2月23日発表のピケンズ(Pickens)他によるPCT出願WO89/01531で周知の通り、あるアルミニウム−銅−リチウム−マグネシウム−銀の合金は、強度および延性が高く、密度が低く、溶接性と自然時効の応答(response)が良好である。これらの金属は、最も広く開示されたもので、実質的に、銅、マグネシウム、またはこれらの混合である2.0乃至9.8重量パーセントの合金要素(マグネシウムは最低でも0.01重量%)の他、約0.01〜2.0重量%の銀、0.05〜4.1重量%のリチウム、および1.0重量%未満の粒微細化添加物(ジルコニウム、クロム、マンガン、チタン、ホウ素、ハフニウム、バナジウム、ホウ化チタン、またはこれらの混合物)からなるとされる。
しかしながら、このPCT出願に開示された特定の合金を調べて、3つの合金、具体的には、合金049、合金050、および合金051が確認された、合金049は、6.2重量%の銅、0.37重量%のマグネシウム、0.39重量%の銀、1.21重量%のリチウムおよび0.17重量%のジルコニウムを含むアルミニウム合金である。合金050は、銅を一切含まない代わりに、5.0重量%程度と云う多量のマグネシウムを含む。合金051は、6.51重量%の銅と非常に少量のマグネシウム(0.40重量%程度)を含む。
また、この出願には、合金058、059、060、061、062、063、064、065、066および067という他の合金についても開示されている。これらの合金は、すべて銅の含有率が、非常に高い(5.4重量%以上)か、または非常に低い(0.3重量%以下)かの、何れかである。1990年3月8日発表のPCT出願WO90/02211にも、同様の合金が開示されているが、この場合は、銅を5%以上含み、かつ、銀を全く含まない。
また周知の通り、アルミニウム合金にリチウムと共にマグネシウムを含有させることで、その合金に高い強度と低い密度を与えることもあるが、これらの成分は、他の二次的な成分なしに高い強度を作り出すほど、それ自体で充分なわけではない。銅および亜鉛などの二次的な成分により、析出硬化の応答が改善される。例えば、ジルコニウムは、粒子の大きさを制御し、珪素および遷移金属元素のような元素は、200℃までの中間温度における熱安定性を与える。しかしながら、通常の鋳造の最中にきめの粗い複雑な金属間相の形成を助長する液体アルミニウムの反応性のために、アルミニウム合金においてこれらの元素を組み合わせることは、困難であった。
超音速輸送機の開発計画に対する最近の新たな関心のために、充分なレベルの破壊靭性を有し、熱的に安定な低密度、高強度の構造アルミニウム合金の必要性が生じた。市販のアルミニウム−銅−リチウム合金AA2090は超音速の用途には不適当であると考えられてきた。R・J・バクサ(R.J.Bucci)他による海軍海上戦センタ(Naval Surface Warfare Center)TR89−106報告によれば、AA2090の破壊靭性は、約1000時間に亘る100℃(212゜F)の中程度の温度での熱履歴によって、非常に劣化したとのことである。超音速航空機の構造材への応用に適した特性を実現するためには、100〜177℃(200〜350゜F)の範囲の高温で良好な熱安定性を有する合金を開発する必要がある。さらに、音速以下の航空機の構造的用途のためにも充分な物理的・機械的特性を備えた合金を開発しなければならない。
従来の技術においては、AA2219およびAA2519のようなアルミニウム−銅ベースの高強度合金が、耐熱航空機材料として使用されてきた。しかし、これらのアルミニウム−銅合金は、かなり密度が高く(2.84g/cm33)(0.103lbs/in3)、強度はあまり高くない。
前記の通り、従来、アルミニウム−リチウム型のアルミニウム合金の中で、高強度と高い応力腐食割れ抵抗を実現するためにアルミニウム−銅−リチウム−マグネシウム−銀合金系が提案された。
しかしながら、前記の従来技術の合金系、例えば、アルミニウム−銅ベースのものおよびアルミニウム−銅−リチウム−マグネシウム−銀ベースのものは、過時効時の作用および長期間の高温履歴において異なる特性を示す。
図1を参照しながら、リチウムを含まない合金とリチウムを含む合金との間の経年硬化および軟化の作用における差を示す。図1に例示した2種類の合金を、長時間の熱履歴を加える、即ち、人工時効して最大強度にした後に過時効する。過時効中の通常の7000シリーズの合金(アルミニウム−亜鉛−マグネシウム−銅)については、点線で表す。これらの合金は、過時効中に最大強度に達し、その後、更なる時効または反復高温履歴により、軟化すると同時に破壊靭性を回復することができる。これは、AA7000シリーズの合金での、その最大強度付近でカーブし、最大強度到達後、斜め上方に上がっていくU形曲線部によって示される。
従来技術のアルミニウム−リチウム高強度アルミニウム合金については、図1において実線で表す。人工時効によりアルミニウム−リチウム合金が最大強度に達した後に、さらに高温履歴をこの合金に加えると、破壊靭性及び延性は回復する。但し、その時には強度が大幅に低下する。このことは、破壊靭性の回復時に低強度を示すなだらかな曲線によって示される。この曲線はリチウムを含まないアルミニウム合金がそうであるように最終的に上方に向かう曲線である。
このように、航空機または航空宇宙への応用中に高温環境への温度的照射の期間中に充分なレベルの破壊靭性を維持する高温用途の高強度アルミニウム−リチウム合金を提供する必要性が生じた。
したがって、航空機および航空宇宙産業において高温分野で使用するための構造材を形成する低密度のアルミニウム合金を作り出すために相当の努力が払われてきた。
本発明が提供する合金は、正に当分野のこの要求に沿うものである。
本発明は、従来の周知合金に優るように改善された特性をアルミニウム・リチウム合金に提供するものである。本発明の合金は、リチウムおよび銅の成分比ならびに密度と共に、ここで述べる合金成分の正確な量を有し、航空機および航空宇宙の産業で用いるために、改善された優れた特性を有する特定の一群の合金を提供する。
[発明の概要]
従って、本発明の1つの目的は、リチウム、銅およびマグネシウムを含む低密度かつ高強度のアルミニウム合金を提供することである。
本発明の更なる目的は、限界量(critical amount)のリチウム、マグネシウム、銀および銅を含む低密度、高強度かつ高破壊靭性のアルミニウム合金を提供することである。
本発明の更なる目的は、合金要素、特にリチウムおよび銅を限界量だけ含み、長時間に亘る高温履歴で、高い強度と充分な破壊靭性を維持するアルミニウム合金を提供することである。
本発明の更なる目的は、前記合金の製造方法ならびに航空機および航空宇宙部品における使用方法を提供することである。
本発明の他の目的および利点は、以下、説明の進行とともに明らかにされる。
前記の目的および利点の達成のために、本発明は、本質的に次の式からなるアルミニウム合金を提供する。
CuaLibMgcAgdZreAlbal
但し、a、b、c、d、eおよびbalは、合金に存在する各合金成分の重量百分率で表した量を示し、文字a、b、c、d、eは、次に示す値を有するとともに、
2.8<a<3.8
0.80<b<1.3
0.20<c<1.00
0.20<d<1.00
0.08<e<0.40
珪素、鉄および亜鉛などの不純物を、それぞれ最大0.25重量%、合計で0.5重量%まで含む。珪素、鉄および亜鉛以外の1つの不純物の量は、0.05重量%を超えず、かつそのような他の不純物の総量は、0.15重量%を超えないことが好ましい。また、この合金は、
Cu(重量%)+1.5Li(重量%)<5.4
で定義される銅とリチウムとの間の関係によって特徴付けられる。本発明の合金の組成には、チタン、マンガン、ハフニウム、スカンジウム、およびクロムなどの好適な粒微細化成分を含めても良い。
好ましい実施例においては、合金の組成は、本質的には3.6重量%の銅、1.1重量%のリチウム、0.4重量%のマグネシウム、0.4重量%の銀、0.14重量%のジルコニウムの他、前記のような不純物および結晶粒微細化元素からなり、その密度は、約26.8g/cm3(約0.971lbs/in3)である。
また、本発明は、本発明の合金を用いた製品を製造する方法も提供するものである。この方法は、次の工程から成る。
a)合金のビレットまたはインゴットを鋳造する
b)約316℃乃至427℃(約600乃至800゜F)の温度で加熱することによりビレットまたはインゴット中の応力を除去する
c)ビレットまたはインゴットを加熱し冷ますことにより、粒子構造を均質化する
d)鍛造生成物を作るために熱間加工をする
e)鍛造生成物を溶体化処理する
f)溶体化処理した生成物を延伸する
g)延伸した生成物を時効させる
また、本発明により、本発明の合金を含み、かつ本発明の製造方法に従って製造される航空機および宇宙航空用の構造部品も提供される。
【図面の簡単な説明】
本発明を説明する添付図面は次のとおりである。
図1は、従来技術のアルミニウム合金でリチウムを含むものと含まないものとに時効処理を施したときの破壊靭性および引張降伏応力を比較するグラフである。
図2は、本発明および従来技術による合金の組成に対する銅およびリチウムの重量百分率の関係を示す。
図3は、本発明に係る合金及び従来技術による合金である凡例に示した合金を最大強度に達するまで時効し、163℃(325゜F)に100および1000時間の熱履歴を加えた後の、それらの合金に対する破壊靭性および降伏強度を比較するグラフである。
図4は、本発明に係る合金及び従来技術による合金である凡例に示した合金に163℃(325゜F)に約100時間の熱履歴を加えた後の破壊靭性および降伏強度に関するグラフである。
図5は、本発明に係る合金及び従来技術による合金である凡例に示した合金構造に163℃(325゜F)に約1000時間の熱履歴を加えた後の破壊靭性および降伏強度を比較するグラフを示す。
図6は、本発明に係る合金及び従来技術による合金である凡例に示した合金の構造体を177℃(350゜F)に約1000時間に亘る熱履歴を加えた後の破壊靭性および降伏強度に関するグラフを示す。
[詳細な説明]
本発明の目的は、高温環境での使用に充分な破壊靭性および強度を提供するアルミニウム合金と、その合金を含む製品を作る方法とを提供することである。
本発明の発明者であるアレックス・チョウ(Alex Cho)が先に出願した、米国特許出願第07/699,540号に開示された合金は、3.6重量%の銅、1.1重量%のリチウム、0.4重量%のマグネシウム、0.4重量%の銀、0.14重量%のジルコニウム(溶解度限界以下0.5重量%)を有し、例えば、149℃(300゜F)、163℃(325゜F)または177℃(350゜F)などの種々の高温に対する100時間または1000時間のような長期間の熱履歴に対して
Figure 0003540812
以上の破壊靭性値(K1c)を維持することができる。出願第07/699,540号の全内容は、参照により本明細書に包含される。
さらに、本発明は、高温環境下でも破壊靭性および高強度を兼ね備えるアルミニウム−リチウム合金の構成範囲、製造方法、および製造方法で作られる製品を限定する。従来技術の他の合金に優る改良された本発明の合金構成により、高温環境下での破壊靭性低下の問題を解決する。短期間でも破壊靭性が低下する従来技術による合金は、長期間の高温使用には耐えられない。仮にこれらの合金が、さらに高温で、失われた破壊靭性を回復することができるとしても、破壊靭性が受け入れがたいレベルまで低下することにより、その時点で強度不足となって使用に耐えなくなることがある。これらの従来技術による合金は、このような強度不足になる可能性があるために、長期の高温履歴後、それらの破壊靭性が増大しても、それらは不適格なものとされてしまう。
本発明の合金構成およびこれらアルミニウム合金製品の製造方法の利点につき、再び図1を参照して実証する。図1の実線を見ると、従来技術の合金を用いた構成部品は、長期間の高温履歴の後に破壊靭性が回復するとしても、破壊靭性および強度か最小限度を下回ることになる。本発明の合金組成は、高温での熱履歴時に長期間に亘って充分なレベルの破壊靭性を維持することができる。
本発明の合金組成は、主合金要素として、銅、リチウム、マグネシウム、銀およびジルコニウムを含む。また、合金組成には、1つ以上の粒微細化成分が必須成分として含まれる。好適な粒微細化成分には、次の元素の組み合わせが1つ以上含まれる。即ち、ジルコニウム、チタン、マンガン、ハフニウム、スカンジウムおよびクロムである。
また、本発明の合金組成には、シリコン、鉄および亜鉛などの付随的な不純物が含まれる場合もある。
本発明の低密度アルミニウム合金は、本質的に次の式からなる。
CuaLibMgcAgdZreAlbal
但し、a、b、c、dおよびeは、各合金成分の重量百分率で表した量を示し、balは、アルミニウムであると思われる残り量(不純物、または粒微細化成分のような他の成分、またはその両方を含む場合もある)を示す。
本発明の好適な実施例は、文字a、b、c、d、eが次に示す値を有するような合金である。
2.8<a<3.8
0.80<b<1.3
0.20<c<1.00
0.20<d<1.00
0.08<e<0.04
各合金成分の範囲を明確にすると、銅の含有量は、高強度を達成するため2.8重量%以上に保つべきであるが、過時効中に良好な破壊靭性を維持するために3.8重量%以下でなければならない。
リチウムの含有量は、良好な強度と低密度を達成するために0.8重量%以上を維持し、過時効中の破壊靭性の喪失を避けるために1.3重量%以上でなければならない。
本発明のもう1つの特徴は、高温での破壊靭性の喪失を避けるために、銅およびリチウムの全体的な溶質含有量の間の関係を調節することである。破壊靭性の大幅な低下を避けるために、所与のアルミニウム中のリチウムの含有量に対して、銅の含有量が、そのときにアルミニウム内に溶ける銅の溶解限度の値よりも0.4重量%以上低い値となるように、銅およびリチウムの複合含有量を定める必要がある。
また、銅とリチウムとの間の間は次のように表される。
Cu(重量%)+1.5Li(重量%)<5.4
マグネシウムおよび銀の含有量は、それぞれ約0.2重量%から約1.0重量%の範囲にあるべきである。粒微細化成分が合金組成に含まれている場合、次のような範囲である。即ち、チタンは0.2重量%まで、マグネシウムは0.5重量%まで、ハフニウムは0.2重量%まで、スカンジウムは0.5重量%まで、そしてクロムは0.3重量%までである。
前記のように合金生成物に合金成分をその量を調節して添加する一方で、強度および破壊靭性の両方に関して最も望ましい特性を与えるために特定の方法の工程により合金を製造することが好ましい。したがって、ここで述べる合金は、鋳造品を作るための技術で現在採用されている鋳造技法により、好適な鍛造物へと作り上げるためのインゴットまたはビレットとして得ることができる。なお、合金は、先に述べた範囲の組成を有する粒化アルミニウム合金のような微細粒子から固めてできたビレットの形で得られる場合もある。粉末または粒状物は、噴霧法、機械的合金法(mechanical alloying)、および溶融スピン法(melt spinning)などの処理によって生成することができる。インゴットまたはビレットは、以降の加工処理に適したストック(stock)を作製するために予備的に処理または成形してもよい。本来の加工処理に先立ち、金属の内部構造を均質化するために、合金ストックに応力除去と均質化を施すことが好ましい。応力除去は、316乃至427℃(600乃至800゜F)の温度で約8時間で行うことができる。均質化温度は、34乃至538℃(650乃至1000゜F)の範囲で行える。好適な時間は、前記の均質化温度の範囲で約8時間か、それ以上である。通常は、加熱および均質化の処理は、40時間以上にも及ぶ必要はないが、時間を長くしても、通常、有害なことはない。均質化温度で20乃至40時間の長さが非常に適していることが判った。例えば、インゴットを約504℃(約940゜F)で8時間均熱し、続いて538℃(1000゜F)で約36時間均熱してから冷却する。加工しやすくするために成分を溶かすことに加え、この均質化処理は、最終的な粒子構造を制御するのに役立つ分散質を析出させると考えられ、重要である。
均質化処理の後、その金属は、圧延するか、押し出し成形するか、または加工処理を施して、薄板、板金もしくは押し出し成形物のようなストック、または目的の製品へと成形するのに適したその他のストックを作ることができる。
つまり、インゴットまたはビレットを均質化した後は、熱間加工をしても、熱間圧延をしてもよい。熱間圧延は、一般的には316乃至482℃(600乃至900゜F)の範囲であるが、260乃至510℃(500乃至950゜F)の温度範囲で行う場合もある。熱間圧延により、インゴットの厚さを圧延機の能力に応じて初期の厚さの4分の1ないし最終的寸法にまで薄くすることができる。圧延手順としては、インゴットまたはビレットを予熱し、510℃(950゜F)で3乃至5時間均熱、482℃(900゜F)まで空気冷却して熱間圧延するのが好ましい。さらに寸法を縮小する場合、常温圧延を用いてもよい。
圧延した材料は、一般に516乃至560℃(960乃至1040゜F)の範囲の温度で0.25乃至5時間の範囲の期間にわたり溶体化処理を行うのが好ましい。最終的な製品およびその製品を形成する際の処理に必要な所望の強度および破壊靭性をさらに備えるには、強化相の無調整の析出を防ぐか最小にするために、その製品を迅速に焼き入れするか、送風により冷却する必要がある。このように、本発明を実施する場合、焼き入れ速度は、溶解温度から約93.3℃(約200゜F)以下の温度まで、最低55.6℃/秒(100゜F/秒)であることが好ましい。好適な焼き入れ速度は、504℃(940゜F)以上の温度から約93.3℃(約200゜F)以下の温度まで最低111℃/秒(200゜F/秒)である。金属が約93.3℃(約200゜F)の温度に達した後は、これを空気冷却する。溶体化処理においては、加工生成物を約538℃(約1000゜F)で約1時間にわたり溶体化処理をして、冷水焼き入れをすることが好ましい。本発明の合金が、例えば、スラブ鍛造や圧延鍛造される場合、前記の工程の全部または一部を省略することもあるが、これも、本発明の範囲内と考えられる。
前記のような溶体化処理および焼き入れの後、その改善された薄板、板金、押し出し形成物またはその他の鍛造物は、強度を改善するために人工時効するが、この場合、破壊靭性はかなり低下する可能性がある。強度の改善に関係するこの破壊靭性の損失を最小限に止めるために、溶体化処理と焼き入れを施した合金製品、特に、薄板、板金または押し出し成形物は、人工時効の前に、延伸するが、これは室温で行うことが好ましい。例えば、溶体化処理し圧延した材料を2時間以内に6%延伸する。
本発明の合金製品を加工した後に、航空機部材において極めて強く望まれる破壊靭性および強度を兼ね備えるように、その合金製品を人工時効する場合がある。この人工時効は、薄板、板金または成形された製品を65.6乃至204℃(150乃至400゜F)の範囲の温度に、降伏強度をさらに増加させるに充分な時間だけ熱履歴を加えることによって実現することができる。人工時効は、合金製品を135乃至191℃(275乃至375゜F)の範囲の温度に少なくとも30分は熱履歴を加えることが好ましい。好適な時効の実施は、約160乃至171℃(約320乃至340゜F)の間の温度で約8乃至32時間の処理、特に、160℃(320゜F)または171℃(340゜F)で12、16および(または)32時間の処理であると考えられる。さらに、本発明による合金製品には、自然時効を含め、当分野で周知で一般的な不充分時効(underaging)処理の何れかを施してもよい。また、これまでは単一時効の工程について述べてきたが、強度を増加させたり、強度異方性の過酷さ(severity)を軽減したり、またはその両方を行ったりするというように特性を改善するために、2重または3重の時効工程などの多重時効工程も考えられる。
本発明の利点をさらに実証するために、本発明を説明するための例を次に示すが、本発明はそれに限定されるものではない。
比較のために、6種類の実験的合金および2つのベースとなる合金を表Iに示す。2つのベースとなる合金は、周知のアルミニウム合金AAX2095およびAAX2094である。その他、全体の溶質含有量だけでなく、銅およびリチウムの含有量ならびにそれらの成分の割合が熱安定性、強度および破壊靭性に及ぼす影響を評価できるように、6種類の実験的合金の組成を選んだ。なお、表Iに示した組成の化学的分析は、1.91cm(0.75インチ)の標準寸法のプレートによる誘導プラズマ方式(inductive plasma techniques)を用いて行った。また、合金元素の百分率は、重量百分率によるものである。
Figure 0003540812
表Iに示した化学組成を選定するにあたり、2.62乃至2.72g/cm3(0.095乃至0.098lbs/in3)の目標密度範囲を設定した。表Iから判るとおり、6種類の実験的合金A〜Fおよび2つの従来技術の合金は、全て目標密度の範囲内である。マグネシウム、銀およびジルコニウムの合金成分は基本的に、0.4重量%、0.4重量%および0.14重量%にそれぞれ固定した。銅およびリチウムの量ならびにリチウムの銅に対する成分比は、6種類の実験的合金A〜Fに対して変化させた。
6種類の実験的合金および2つの従来技術の合金の銅およびリチウムの含有量は、図2において、非平衡溶融温度における予測溶解限度曲線、即ち点線で示した溶解度曲線に対してプロットしてある。図2から判るように、示された全合金の銅含有率は、およそ2.5乃至4.7重量%の範囲であり、リチウムの含有量は1.1乃至1.7重量%の範囲である。前述のように、溶解限度に対する総溶質含有量は、本発明の合金の強度および破壊靭性と共に重要な変数である。良好な破壊靭性を保証するために、図2に示したように、6種類の実験的合金の組成は、すべて予測溶解限度曲線以下になるよう選択した。合金のうちの4つ、即ちA、B、CおよびFは、溶質含有量が比較的低い合金であり、合金DおよびEは、溶質含有量が中間の合金である。合金DおよびEでは、溶解限度曲線に近い。これに対して、従来技術の合金AAX2094およびAAX2095では、溶解度曲線のかなり上方にある。
また、図2には、本発明の合金に対する銅およびリチウムの好ましい範囲を表す組成枠も示してある。この組成枠は、本発明の合金に対する銅およびリチウムの好適な範囲を囲むように相互接続する5つの点によって表される。組成枠は、5つの点3.8重量%の銅−0.8重量%のリチウム、2.8重量%の銅−0.8重量%のリチウム、2.8重量%の銅−1.3重量%のリチウム、3.45重量%の銅−1.3重量%のリチウムおよび3.8重量%の銅−1.07重量%のリチウムによって定義される。
組成枠の水平な線および垂直な線を定義する銅およびリチウムの含有量の上限および下限については、既に述べた。組成枠の斜めの部分は、銅およびリチウムを合わせた含有率を、所与のリチウム含有率に対する銅の含有量が、そのときの銅の溶解限度より0.5重量%低く維持されるよう定めることを示す。
6種類の合金A〜Fは、直径22.9cm(9インチ)の丸い(round)ビレットに直接冷硬鋳造した。この丸いビレットを、約8時間、316乃至427℃(600乃至800゜F)の温度で応力除去を行った。その後、合金のビレットA〜Fを、鋸で切り、次の工程を含む従来の方法を用いて均質化を行った。
1)27.8℃/時(50゜F/時)で504℃(940゜F)まで加熱する。
2)504℃(940゜F)で8時間均熱する。
3)27.8℃/時(50゜F/時)か、またはそれ以下で538℃(1000゜F)まで加熱する。
4)538℃(1000゜F)で36時間均熱する。
5)室温まで送風冷却する。
6)ビレットの両側から機械よって力を加えて、熱間圧延して板に延ばすため、15.2cm厚の圧延ストックにする。
比較用の従来技術の合金は、工場で生産されたプレートサンプルから比較のために得た。従来技術の合金AAX2095およびAAX2094は、直接冷硬鋳造して、厚さ30.5cm(12インチ)×114cm(45インチ)の長方形のインゴットとした。316乃至427℃(600乃至800゜F)の温度で8時間にわたり応力除去を行った後、インゴットを鋸で切り、次のステップによる均質化を行った。
1)27.8℃/時(50゜F/時)以下で499℃(930゜F)まで加熱する。
2)499℃(930゜F)で36時間均熱する。
3)室温まで空気冷却する。
4)インゴットの両表面を同量だけ削り、さらに両側を鋸で切断し、熱間圧延するための25.4×102cm(10×40インチ)の最終的なインゴット断面とした。
均質化した後、すべての合金に熱間圧延を施す。2つの平らな表面を有する合金A〜Fを熱間圧延して板にした。熱間圧延の方法は次のとおりである。
1)510℃(950゜F)で予熱し、3乃至5時間均熱する。
2)熱間圧延の前に482℃(900゜F)に空気冷却する。
3)クロス圧延により厚さ10.2cm(4インチ)のスラブとする。
4)不良のエッジ・クラックを熱間せん断する。
5)ストレート圧延により1.91cm(0.75インチ)の標準寸法のプレートにする。
6)室温まで空冷する。
従来技術の合金のインゴットを次の手順にしたがって熱間圧延した。
1)488乃至499℃(910乃至930゜F)に予熱し、さらに1乃至5時間均熱する。
2)厚さ17.8cm(7インチ)のスラブにクロス圧延する。
3)3.81cm(1.5インチ)のスラブまでストレート圧延する。
4)スラブを482乃至499℃(900乃至930゜F)まで再び加熱する。
5)熱間圧延により1.27cm(0.5インチ)の標準寸法スラブとする。
6)室温まで空冷する。
熱間圧延に続き、各合金を溶体化処理した。1.92cm(0.75インチ)の標準寸法のプレートからなる合金A〜Fを61.0cm(24インチ)の長さに鋸で切断し、538℃で1時間にわたり溶体化処理を行い、さらに冷水で焼き入れした。T3およびT8テンパー(temper)の板は、すべて2時間以内に6%まで延伸した。
1.27cm(0.5インチ)の標準寸法のプレートとしての合金AAX2095およびAAX9024を、504℃(940゜F)で2時間にわたり溶体化処理を行い、冷水で焼き入れし、さらに6%まで延伸した。
溶体化処理に続き、合金をすべて人工時効した。合金A〜Fについては、T8テンパー特性を持たせるために、T3テンパーのプレートサンプルを160℃(320゜F)または171℃(340゜F)の何れかで12、16および(または)32時間にわたり時効した。合金AAX2095のT3テンパーのプレートサンプルは、149℃(300゜F)で10時間、20時間、30時間と時効して、T8テンパーの特性を引き出した。合金AAX2094−T3のプレートサンプルは、149℃(300゜F)12時間時効した。
超音速航空機の高温での使用環境を再現するために、評価温度として163℃(325゜F)と177℃(350゜F)とを選んだ。この実験において、163℃(325゜F)の場合は、熱履歴時間を100および1000時間に選定した。さらに、これらの8種類の合金の熱安定性に関する組成の変化を評価するために、177℃(350゜F)で1000時間の熱履歴を選定した。
前記の処理条件にしたがい、合金A〜Fならびに合金AAX2095およびAAX9024に対して、機械的特性を調べた。表IIにT8テンパー条件における最高強度への時効硬化の結果を示す。なお、引張り特性は、すべて重複試験から得た平均値である。破壊靭性試験の結果は、単一試験によるものである。引張り試験は、縦9.98mm(0.350インチ)の円形の検査標本で行い、破壊靭性試験は、W=1.5"のCT(compact tension)検査標本で行った。
合金AAX2094およびAAX9025と合金A〜Fとの間の特性の比較をおだやか(conservative)にするために、合金A〜Fには厚さ1.91cm(0.75インチ)の検査標本を、そして従来の技術の合金には厚さ1.27cm(0.5インチ)の検査標本を用いたCT検査標本によって破壊靭性の試験を実施した。
機械的特性試験の結果は、表II〜IVに示す。表IIには、引張り試験および破壊靭性試験の結果を掲げ、合金A〜Fおよび2つの従来技術の合金に関して、T8テンパー条件において最高強度に至るまでの人工時効の応答を示す。
Figure 0003540812
Figure 0003540812
なお、時効条件に関する降伏強度の増減を判断するために、異なる時効時間で機械的特性を試験した。後述するように、時効中に機械的特性を監視することにより、熱安定性に対する種々の組成の評価が容易にできた。、
表IIIは、163℃(325゜F)で100時間および1000時間にわたる長期熱履歴後の引張降伏応力(TYS)および破壊靭性(Kq)をそれぞれ示したものである。表IIに示したような最高強度が達成された後、同様の温度および時間でさらに合金に熱履歴を加えた。
表IIおよびIIIに指定した時効条件に対する破壊靭性および引張降伏応力を図3に示した。図3に、その凡例にある各合金に対応した時効作用曲線を示す。この時効作用曲線は、初期時効から最大または最大に近い強度に対応するデータ点を表している。これらの組み合わされたデータを使用することにより、合金A〜Fおよび2つの従来技術による試験用合金の過時効作用の比較が、図1に図示したように可能となる。例えば、合金Fに対する時効曲線は、表IIから得られる破壊靭性(Kq)および対応する引張降伏応力(TYS)の点を3点有し、これらの点は一般に垂直に並ぶ。同じ曲線上にさらに続けて2つのデータ点が示されているが、これらは、表IIIに示したような163℃(325゜F)における100時間および1000時間の熱履歴を表す。このように、各合金の曲線は、2つの追加点によって表されるような延長された過時効作用を示す。つまり、第1の追加点は、163℃(325゜F)での100時間の過時効後の標本のTYS−Kq値を表し、第2の追加点は、163℃(325゜F)での1000時間の過時効後の標本のTYS−Kq値を表す。
基礎となる合金AAX2095およびAAX9024は、図1に示すように高強度のリチウム含有アルミニウム合金の典型的な過時効作用を示し、過時効中に破壊靭性の重大な損失と強度の激しい損失とを示し、長期間熱に曝した後も破壊靭性は検知できるほどは回復しない。このことは、AAX2095およびAAX9024の曲線において最高の引張降伏応力を達成した後の概して水平な形状によって実証される。長期間の熱履歴を受けた後も不充分な破壊靭性を示すことに関連して、合金AAX2095およびAAX9024は、高溶質合金であり、図2に示すように溶解限度曲線の上方に組成を有する。
同様に図3を参照すると、合金A〜CおよびFは、163℃(325゜F)への熱履歴中の過時効の間、破壊靭性の著しい損失は見られない。図2を参照すると、これらの4種類の合金は、溶解限度曲線と比較した場合、銅およびリチウムの含有量、即ち、全体的な溶質の含有量が低い。合金DおよびE(溶質含有量が中程度の合金)は、中間的な作用を示す、即ち、過時効の初期段階では破壊靭性の損失を示すが、破壊靭性の回復は強度の激しい損失の後にしか起らない。
図3に実証されているように、過時効中の
Figure 0003540812
以下の破壊靭性の損失および付加的な過時効による軟化後の
Figure 0003540812
を超える破壊靭性の回復能力は、銅およびリチウムを合わせた溶質含有量のレベルに強く関係している。総溶質含有量が、溶解限度より充分低い、即ち、所与のリチウムレベルにおける銅の溶解限度より銅の含有量が0.5重量%低い場合、その合金は、高温履歴の期間を通じ
Figure 0003540812
を超える良好な破壊靭性値を維持する。
本発明の合金組成のより優れた破壊靭性をさらに明確に比較するために、163℃(325゜F)で100時間にわたり熱履歴した後の凡例中の各合金の破壊靭性および引張降伏応力を図4に示した。図4から明らかなとおり、合金A〜CおよびFは、163℃(325゜F)で100時間後も良好な破壊靭性を維持し、各合金は、
Figure 0003540812
以上の破壊靭性がある。また、合金FおよびCは、2つの比較的柔らかい合金AおよびBと同様の破壊靭性を維持する一方で、合金AおよびBより高い強度を保つ。合金Fは、合金Cより高い強度を示し、合金Cは、合金Fより僅かに高い破壊靭性を示す。図4に示したデータは、図3の各合金の曲線における最後から2番目のデータ点に対応する。
図5は、図4と同様のグラフで、163℃(325゜F)で1000時間の熱履歴の後の凡例中の各合金に対する破壊靭性と引張降伏応力との間の関係を示す。図5に示したデータは、図3に示した曲線上の最後の点に対応する。
図5に示した結果は、図4に示したものと同様であることが判る。この場合も、合金FおよびCが、良好な強度および破壊靭性を維持し、合金Fが、最高の強度と充分なレベルの破壊靭性、即ち、
Figure 0003540812
以上を維持する。合金Cは、やはり比較的高い破壊靭性を示すが、強度は合金Fより低い。なお、溶質含有量が中程度の2つの合金DおよびEが、軟化すると同時に破壊靭性の回復を示す点は注目に値する。
本発明の合金組成に関する熱履歴の効果をさらに実証するために、177℃(350゜F)で長期にわたる熱履歴の後に室温で試験を行った表Iの合金の引張降伏応力(TYS)および破壊靭性(Kq)を表IVに示す。1000時間を超える長時間にわたる163℃の試験は実験として、実際的でないため、このデータは、1000時間を越えた長期にわたる163℃(325゜F)の熱履歴を再現することを意図したものである。
Figure 0003540812
時効の結果、および表IVに示した破壊靭性と引張降伏応力との間の関係を図3と同様の要領で図6に示す。この場合でも、強度と破壊靭性との組み合わせで示した他の合金に比べ、合金Fの方が優れている。この177℃(350゜F)で1000時間の「加速試験」において実証されたことは、合金Fは、他の低溶質および中間溶質の合金と同じレベルの破壊靭性を本質的に維持すると同時に、AAX2094およびAAX2095などのはるかに高溶質の合金と同じレベルの強度も本質的に持っているということである。
図3〜6および表II〜IVに示した結果に基づいて、過時効中の破壊靭性の損失および過時効による軟化後の破壊靭性の回復能力は銅とリチウムとを合わせた溶質含有率の水準に強く関係することが判った。合金A〜F間の比較から明らかなように、銅の含有量が高いほど、長期間の高温での熱履歴を加えた後の強度の損失を最小限に止めるのに役立つ。
163℃(325゜F)における100時間および1000時間の熱履歴試験ならびに177℃(350゜F)における1000時間の熱履歴試験に基づいて、合金Fは、高温での長期間に亘る熱履歴を加えた後も破壊靭性を失うことなく強度の最小限の損失という最も好ましい特性を示した。図3〜6に示したように、合金Fは、充分なレベルへの回復により、最小限の充分なレベル以下となるような破壊靭性の低下という望ましくない影響は示さなかった。また、合金Fは、高温での熱履歴の全期間に亘り充分なレベルの破壊靭性を維持した。さらに、合金Fの密度は、従来技術のアルミニウム−銅ベースの高強度高温合金AA2519に比較して6%軽い、即ち、2.69g/cm3(0.097lbs/in3)である。本発明の合金成分の予測しなかった特性をさらに示すために、合金Fに対する163℃(325゜F)および177℃(350゜F)における100時間の熱履歴後の密度および引張降伏応力を、3種類の従来技術の合金と表Vにより比較する。表Vから明らかなように、合金Fは、最低の密度を示す一方で、両温度レベルで最高の引張降伏応力を与えている。
Figure 0003540812
合金Fおよび3種類の従来技術の合金に対する表Vと同様の比較を表VIに示す。表IVにおいて、163℃(325゜F)および177℃(350゜F)に1000時間での熱履歴後の室温の引張降伏応力と密度を比較する。この場合も、合金Fが、最低の密度および最高の室温引張降伏応力を示す。なお、2618、2024、2219および2519の特性の出典は、1991年12月6〜7日にNASAラングレイ金属材料研究会(NASA Langley Metallic Materials Workshop)においてL・アンガーズ(L.Angers)により提示された「高速航空機のためのアルミニウム材料(Aluminum−based Materials for High Speed Aircraft)」である。
Figure 0003540812
本発明の合金組成により、予想外に、高温での温度履歴によって充分なレベルの破壊靭性と高レベルの強度とが同時に得られる。このように、本発明の合金組成は、良好な温度安定性を必要とする宇宙航空および航空機の分野での使用に特に適合するものである。これらのタイプの用途においては、マッハ2.0乃至2.2に曝される機体の表面材は、163℃(325゜F)に曝される場合もある。前記の結果に基づいて、本発明の合金組成により、このような高温期間中も破壊靭性の重大な劣化を伴わずに、平面ひずみ破壊靭性の値を約
Figure 0003540812
以上に維持する低密度高強度のアルミニウム・リチウム合金が得られる。
なお、板状の構造を得るという点から本発明の製造方法を説明してきたが、本発明の合金組成および方法を用いて如何なる形状の部品も作ることができる。例えば、機体の表面材または構造上の枠構成要素は、本発明の合金組成から作り、かつ本発明の方法に従って組立てることができる。
そのようなものとして、以上のような本発明の目的のそれぞれを達成する本発明の好適な実施例によって開示されてきた本発明は、高温での熱履歴での全期間に亘り高い強度と充分なレベルの破壊靭性とを共に具する新たに改良されたアルミニウム合金組成を提供する。
勿論、当業者であれば、本発明の示すところにより種々の修正、修正および改変を考えることができるが、それらは何れも本発明の意図する原理および範囲に該当する。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。

Claims (8)

  1. 実質的に、
    CuaLibMgcAgdZreAlbal
    なる式から成り、前記式において、a、b、c、d、eおよびbalは各合金成分の重量百分率で表した量を示し、
    2.8 <a<3.8、
    0.80<b<1.3、
    0.10<c<1.00、
    0.20<d<1.00、かつ
    0.08<e<0.25であり、
    2.62乃至2.72g/cm3の範囲の密度を有し、銅含有量が一方の軸上にあり且つリチウム含有量が他方の軸上にあるようなグラフの一領域が、次の座標(corners)
    (a)3.8重量%Cu−0.8重量%Li
    (b)2.8重量%Cu−0.8重量%Li
    (c)2.8重量%Cu−1.3重量%Li
    (d)3.45重量%Cu−1.3重量%Li
    (e)3.8重量%Cu−1.07重量%Li
    によって確定されるものとし、前記領域の中に在るような銅:リチウムの比を有し、さらに高温での熱履歴の全期間にわたり高い強度および破壊靭性を有することを特徴とする低密度アルミニウム合金。
  2. 銅およびリチウムの量が、
    Cu(重量%)+1.5Li(重量%)<5.4
    によって決定されることを特徴とする請求項1記載の低密度アルミニウム合金。
  3. 所与のアルミニウム中のリチウムの含有量に対して、銅の含有量が、そのときにアルミニウム内に溶ける銅の溶解限度の値よりも0.4重量%以上低い値であることを特徴とする請求項1記載の低密度アルミニウム合金。
  4. 請求項1記載の低密度アルミニウム合金から作られた航空宇宙用機体構造物。
  5. 高温において高い破壊靭性および強度を有するアルミニウム合金の製品を作るために、
    A)各合金成分の重量百分率で表した量をa、b、c、d、eおよびbalで表し、
    2.8 <a<3.8、
    0.80<b<1.30、
    0.20<c<1.00、
    0.20<d<1.00、かつ
    0.08<e<0.40として、
    CuaLibMgcAgdZreAlbal
    なる組成の合金をインゴットまたはビレットとして鋳造し、このとき、
    前記合金が、2.62乃至2.72g/cm3の範囲の密度を持ち、且つ銅含有量が一方の軸上にありリチウム含有量が他方の軸上にあるようなグラフの一領域が、次の座標(corners)
    (a)3.8重量%Cu−0.8重量%Li
    (b)2.8重量%Cu−0.8重量%Li
    (c)2.8重量%Cu−1.3重量%Li
    (d)3.45重量%Cu−1.3重量%Li
    (e)3.8重量%Cu−1.07重量%Li
    によって確定されるとき、銅:リチウムの比が前記領域の中に在るようにする工程、
    B)加熱により前記のインゴットまたはビレットの応力を除去する工程、
    C)前記のインゴットまたはビレットを加熱し、高温で均熱し、さらに冷却することにより、均質化する工程、
    D)前記のインゴットまたはビレットを圧延して、最終的な標準寸法の製品にする工程、
    E)均熱後に焼き入れすることにより、前記製品を溶体化処理する工程、
    F)前記製品を5乃至11%まで延伸する工程および
    G)加熱することにより前記製品を時効する工程
    を備えたことを特徴とするアルミニウム合金製品の製造方法。
  6. 前記製品の高温での使用期間中に、前記製品が充分な破壊靭性を維持できるように、
    Cu(重量%)+1.5Li(重量%)<5.4
    なる式にしたがって、銅およびリチウムの量を決定する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  7. A)316乃至427℃の間で8時間にわたり応力除去を行う工程、
    B)最初に504℃で8時間、次に538℃で36時間、前記インゴットを均熱化し、続いて送風冷却する工程、
    C)前記インゴットを510℃で3乃至5時間予熱し、482℃で空冷し、さらに熱間圧延する工程、
    D)538℃で1時間にわたり溶体化処理を行い、さらに冷水焼き入れを行う工程、
    E)6%延伸する工程、および
    F)160乃至171℃で12乃至32時間時効する工程
    を備えたことを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  8. 少なくとも163℃の高温に長期間曝されたときに、
    Figure 0003540812
    を超える破壊靭性を示すことを特徴とする請求項5記載の製造方法によって作られる製品。
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