JP3539604B2 - モータ駆動回路 - Google Patents
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- Power Engineering (AREA)
- Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
- Inverter Devices (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモータの駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、3相ブラシレスモータの駆動回路は図6に示すように制御回路60から各相に対し一対ずつの制御信号を出力し、それによってドライブトランジスタ(出力トランジスタ)T1〜T6を駆動してモータコイルL1、L2、L3に駆動電流を供給するようになっている。
【0003】
この場合、各相に一対ずつ設けられたトランジスタのうち、T1、T3、T5はそれがONすると、コイルに電流を与え、一方、T2、T4、T6はそれがONすると、コイルから電流を取り込んでグランドに流すようになっており、例えば一対のトランジスタT1とT2が同時にONすることはない。
【0004】
A1、A2、A3はモータコイルに接続される端子を示している。61は電源ラインである。D1、D2、D3はOR回路を成すダイオードである。62はトランジスタT1、T3、T5の飽和を防止するための増幅器であり、その反転端子(−)にはダイオードD1、D2、D3が接続され、非反転端子(+)には電圧VM−V1が印加されている。この電圧は飽和防止レベルを決めるものである。
【0005】
増幅器62の出力は制御回路60へ帰還され、制御回路60の出力を前記飽和を回避するように成す。具体的には増幅器62はトランジスタT1、T3、T5のコレクタ・エミッタ間電圧VCEを飽和防止レベルV1と比較し、VCEがV1より低くならないようにする。出力トランジスタT1〜T6を飽和領域で駆動するとリニアリティが悪くなってモータの回転特性が悪くなり、騒音が酷くなる。そこで、上記飽和防止の回路を設けているのである。ただし、図では上側のトランジスタT1、T3、T5の飽和を防止する回路のみを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記モータ駆動回路における出力トランジスタの飽和防止は、その出力トランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧VCEを強制的に設定して出力トランジスタが飽和しないようにしているため出力トランジスタのバラツキを考慮せざるを得ない。従って、飽和防止レベルV1は充分にマージンを持った値で設計される。その結果、VCEを充分には小さくできず、無効電圧が増加して駆動トルクが落ちるという欠点があった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、出力トランジスタによる無効電圧を充分抑えて駆動トルクを向上させた飽和防止型のモータ駆動回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明では、電源ラインとグランド電位間にNPN型の第1、第2トランジスタをそれらのコレクタ・エミッタ路が直列になるように接続し、その接続中点をモータコイルに接続するとともに前記電源ライン側に接続された第1トランジスタのベースに制御回路から制御電流を与えて第1トランジスタから前記モータコイルにドライブ電流を供給するようにしたモータ駆動回路において、
前記電源ラインにエミッタが接続されたPNP型の第3、第4トランジスタから成るカレントミラー回路を設け、該カレントミラー回路の入力側を成す第3トランジスタのベース及びコレクタをダイオード回路を介して前記制御回路に接続するとともに前記ダイオード回路のカソード側にベースが接続されたPNP型の第5のトランジスタを設け、この第5のトランジスタのエミッタを前記カレントミラー回路の出力側を成す第4トランジスタのコレクタ及び前記第1トランジスタのベースにするとともに第5トランジスタがONしたとき、そのON状態を一定に維持するようなフィードバックをかけるため第5トランジスタのコレクタを前記制御回路に接続した構成としている。
【0009】
また、本発明では、電源ラインとグランド電位間にNPN型の第1、第2トランジスタをそれらのコレクタ・エミッタ路が直列になるように接続し、その接続中点をモータコイルに接続するとともに前記電源ライン側に接続された第1トランジスタのベースに制御回路から制御電流を与えて第1トランジスタから前記モータコイルにドライブ電流を供給するようにしたモータ駆動回路において、
前記電源ラインにエミッタが接続されたPNP型の第3、第4トランジスタから成るカレントミラー回路を設け、該カレントミラー回路の入力側を成す第3トランジスタのベース及びコレクタをダイオード回路を介して前記制御回路に接続するとともに前記ダイオード回路に並列に抵抗分圧回路を接続し、この抵抗分圧回路の分圧点にベースが接続されたPNP型の第5のトランジスタを設け、この第5のトランジスタのエミッタを前記カレントミラー回路の出力側を成す第4トランジスタのコレクタ及び前記第1トランジスタのベースに接続するとともにコレクタを前記制御回路に接続して第5トランジスタにフィードバックをかける構成としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1において、11は制御回路である。1はトルク指令電圧ECが入力される入力端子、2はトルク指令基準電圧ECRが入力される入力端子である。3はECとECRの差電圧を電流変換して出力するコントロールアンプであり、その出力電流は抵抗4を通してグランドへ流れる。このとき抵抗4に生じる電圧VAが電流帰還アンプ5に入力される。
【0011】
電流帰還アンプ5の反転端子(−)には、後述する帰還電流が与えられる。電流帰還アンプ5の出力電流は波形合成回路7へ与えられる。3相ブラシレスモータ12の各位置センサ(ホール素子)から得られる信号がホール入力端子H1〜H6を介してホールアンプ6へ供給される。ホールアンプ6の出力は波形合成回路7で電流I1と合成され、各相のコイルL1、L2、L3のための出力回路にドライブ用の制御電流を供給する。
【0012】
出力回路13、14、15は同一の構成であるので、出力回路13のみについて説明する。電源ライン8に対しPNP型のトランジスタQ1とQ2で構成されるカレントミラー回路が接続される。このカレントミラー回路の入力側トランジスタQ1のベースとコレクタにダイオードQ3のアノード側が接続され、そのダイオードQ3のカソード側は波形合成回路7に接続されている。ICの場合、ダイオードQ3はトランジスタで形成してもよい。
【0013】
ダイオードQ3のカソードにベースが接続されたPNP型のトランジスタQ4が設けられている。このトランジスタQ4のエミッタはカレントミラー回路の出力側トランジスタQ2のコレクタと接続され、その接続中点が上側の出力トランジスタT1のベースに接続される。
【0014】
トランジスタQ4のコレクタは波形合成回路7と電流帰還アンプ5に図示の如く接続されており、そのコレクタ電流は電流帰還アンプ5の出力電流に重畳されて波形合成回路7へ帰還される。
【0015】
下側の出力トランジスタT2のベースは波形合成回路7からの出力電流によって駆動される。この出力トランジスタT2のエミッタは端子9に外付けされた抵抗10に接続される。その抵抗に生じる電圧は電流帰還アンプ5の反転端子(−)へ印加される。モータコイルに流れる電流はトルク指令電圧によって決まるが、電圧帰還アンプ5、抵抗10で構成される回路は、その電流を一定に保持するように働く。
【0016】
今、図1はトランジスタT1とT4、T6がONしている状態を示している。トランジスタT1のエミッタから出力される電流IO1は端子A1からコイルL1を流れ、更にコイルL2を通って端子A2に流れ込むものと、コイルL3を通って端子A3に流れ込むものとに分かれる。電流IO2はトランジスタT4を通して抵抗10に流れ、また電流IO3はトランジスタT6を通して抵抗10に流れる。従って、抵抗10を流れる電流IOはIO2とIO3を加算したものとなる。
【0017】
さて、このとき、IO1が大きくて端子A1の電圧が高くなると、トランジスタT1のコレクタ・エミッタ間電圧VCEが小さくなり、そのまま放っておくと、飽和してしまう。しかし、本実施形態の回路では、トランジスタT1のベース電流を減少させることによってトランジスタT1が飽和するのを防止するようになっている。即ち、A1点の電位がVM−2VF以上になろうとした場合を考える。ここで、VMは電源ライン8の電圧であり、VFはトランジスタのベース・エミッタ間導通電圧である。
【0018】
今、A1点の電圧がVM−2VFになった場合、トランジスタT1のベース電位はエミッタ電位よりVF高いので、VM−VFとなる。一方、ダイオードQ3のカソード側の電位はVMよりも2VF低いからVM−2VFとなる。このため、トランジスタQ4のエミッタとベース間にはVFの電圧がかかり、トランジスタQ4がONする。そのためトランジスタT1のベース電流が減少する。
【0019】
このように、ベース電流が減少すると、トランジスタT1のVCEも小さくなる。そして、この小さくなったVCE’に対応するリニア領域でトランジスタは動作することになる。すなわち、先にトランジスタT1が動作していたときのVCE”(VCE’よりも大きい)のもとではエミッタ電位が上がることによって飽和してしまうが、ベース電流を減少させてVCE”よりも小さなVCE’に移行させることによってリニア領域で動作させるのである。
【0020】
トランジスタQ4のコレクタ電流I1’は波形合成回路7を介してトランジスタQ4のベースに帰還され、トランジスタQ4のON状態が一定に保持される。これによってトランジスタT1のエミッタ電位はVM−2VFに制限された状態に保持される。
【0021】
トルク指令電圧によってIO1が小さくなると、トランジスタT1のエミッタ電位がVM−2VFよりも低下するので、トランジスタQ4のエミッタ・ベース間はカットオフされ、トランジスタQ4はオフになる。
【0022】
図3は横軸にモータコイルに流れる全電流IOをとり、縦軸にトランジスタT1のVCEをとって本発明の効果を示している。同図において、(イ)はトランジスタT1単体の特性であり、(ロ)は本実施形態による飽和防止(上側トランジスタT1の飽和防止)特性、(ハ)は従来の対応する飽和防止特性を示している。これから分かるように本発明では、トランジスタの特性(イ)に充分近づけることができ、その分、無効電圧を少なくでき、効率良くモータを駆動できることになる。
【0023】
上記第1実施形態について出力回路13に関してのみ示すと、図2のようになる。次に、図4に示す第2の実施形態では、ダイオード回路として2つのダイオードQ3、Q3’が用いられている点が図2に比べて異なっている。また、図5に示す第3の実施形態では、ダイオード3に並列に一対の抵抗R1、R2から成る抵抗分圧回路を接続し、その分圧点aをトランジスタQ4に接続している点が図2と異なっている。
【0024】
これらの第2、第3実施形態はいずれも第1実施形態とは異なる飽和防止レベルを設定している。即ち、第2実施形態では飽和防止レベルはVM−3VFとなり、第3実施形態ではVM−VF−VF・R1/(R1+R2)となる。尚、飽和防止レベルは第2実施形態(図4)が一番低く、第1実施形態(図2)が中間で、第3実施形態(図5)が一番高くなる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、飽和防止レベルを出力トランジスタの動作特性に充分近づけることができ、トルクが増大するという効果がある。また、飽和防止レベルの設定が容易であるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータ駆動回路の第1実施形態を示す回路図。
【図2】その一部を取り出して示す回路図。
【図3】その効果を示す特性図。
【図4】本発明のモータ駆動回路の第2実施形態を示す回路図。
【図5】本発明のモータ駆動回路の第3実施形態を示す回路図。
【図6】従来例の回路図。
【符号の説明】
8 電源ライン
11 制御回路
12 3相ブラシレスモータ
13、14、15 出力回路
L1、L2、L3 モータコイル
T1〜T6 出力トランジスタ
Q1、Q2 カレントミラー回路を構成するトランジスタ
Q3、Q3’ ダイオード
Q4 トランジスタ
R1、R2 抵抗分圧回路を構成する抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明はモータの駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、3相ブラシレスモータの駆動回路は図6に示すように制御回路60から各相に対し一対ずつの制御信号を出力し、それによってドライブトランジスタ(出力トランジスタ)T1〜T6を駆動してモータコイルL1、L2、L3に駆動電流を供給するようになっている。
【0003】
この場合、各相に一対ずつ設けられたトランジスタのうち、T1、T3、T5はそれがONすると、コイルに電流を与え、一方、T2、T4、T6はそれがONすると、コイルから電流を取り込んでグランドに流すようになっており、例えば一対のトランジスタT1とT2が同時にONすることはない。
【0004】
A1、A2、A3はモータコイルに接続される端子を示している。61は電源ラインである。D1、D2、D3はOR回路を成すダイオードである。62はトランジスタT1、T3、T5の飽和を防止するための増幅器であり、その反転端子(−)にはダイオードD1、D2、D3が接続され、非反転端子(+)には電圧VM−V1が印加されている。この電圧は飽和防止レベルを決めるものである。
【0005】
増幅器62の出力は制御回路60へ帰還され、制御回路60の出力を前記飽和を回避するように成す。具体的には増幅器62はトランジスタT1、T3、T5のコレクタ・エミッタ間電圧VCEを飽和防止レベルV1と比較し、VCEがV1より低くならないようにする。出力トランジスタT1〜T6を飽和領域で駆動するとリニアリティが悪くなってモータの回転特性が悪くなり、騒音が酷くなる。そこで、上記飽和防止の回路を設けているのである。ただし、図では上側のトランジスタT1、T3、T5の飽和を防止する回路のみを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記モータ駆動回路における出力トランジスタの飽和防止は、その出力トランジスタのコレクタ・エミッタ間電圧VCEを強制的に設定して出力トランジスタが飽和しないようにしているため出力トランジスタのバラツキを考慮せざるを得ない。従って、飽和防止レベルV1は充分にマージンを持った値で設計される。その結果、VCEを充分には小さくできず、無効電圧が増加して駆動トルクが落ちるという欠点があった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、出力トランジスタによる無効電圧を充分抑えて駆動トルクを向上させた飽和防止型のモータ駆動回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明では、電源ラインとグランド電位間にNPN型の第1、第2トランジスタをそれらのコレクタ・エミッタ路が直列になるように接続し、その接続中点をモータコイルに接続するとともに前記電源ライン側に接続された第1トランジスタのベースに制御回路から制御電流を与えて第1トランジスタから前記モータコイルにドライブ電流を供給するようにしたモータ駆動回路において、
前記電源ラインにエミッタが接続されたPNP型の第3、第4トランジスタから成るカレントミラー回路を設け、該カレントミラー回路の入力側を成す第3トランジスタのベース及びコレクタをダイオード回路を介して前記制御回路に接続するとともに前記ダイオード回路のカソード側にベースが接続されたPNP型の第5のトランジスタを設け、この第5のトランジスタのエミッタを前記カレントミラー回路の出力側を成す第4トランジスタのコレクタ及び前記第1トランジスタのベースにするとともに第5トランジスタがONしたとき、そのON状態を一定に維持するようなフィードバックをかけるため第5トランジスタのコレクタを前記制御回路に接続した構成としている。
【0009】
また、本発明では、電源ラインとグランド電位間にNPN型の第1、第2トランジスタをそれらのコレクタ・エミッタ路が直列になるように接続し、その接続中点をモータコイルに接続するとともに前記電源ライン側に接続された第1トランジスタのベースに制御回路から制御電流を与えて第1トランジスタから前記モータコイルにドライブ電流を供給するようにしたモータ駆動回路において、
前記電源ラインにエミッタが接続されたPNP型の第3、第4トランジスタから成るカレントミラー回路を設け、該カレントミラー回路の入力側を成す第3トランジスタのベース及びコレクタをダイオード回路を介して前記制御回路に接続するとともに前記ダイオード回路に並列に抵抗分圧回路を接続し、この抵抗分圧回路の分圧点にベースが接続されたPNP型の第5のトランジスタを設け、この第5のトランジスタのエミッタを前記カレントミラー回路の出力側を成す第4トランジスタのコレクタ及び前記第1トランジスタのベースに接続するとともにコレクタを前記制御回路に接続して第5トランジスタにフィードバックをかける構成としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1において、11は制御回路である。1はトルク指令電圧ECが入力される入力端子、2はトルク指令基準電圧ECRが入力される入力端子である。3はECとECRの差電圧を電流変換して出力するコントロールアンプであり、その出力電流は抵抗4を通してグランドへ流れる。このとき抵抗4に生じる電圧VAが電流帰還アンプ5に入力される。
【0011】
電流帰還アンプ5の反転端子(−)には、後述する帰還電流が与えられる。電流帰還アンプ5の出力電流は波形合成回路7へ与えられる。3相ブラシレスモータ12の各位置センサ(ホール素子)から得られる信号がホール入力端子H1〜H6を介してホールアンプ6へ供給される。ホールアンプ6の出力は波形合成回路7で電流I1と合成され、各相のコイルL1、L2、L3のための出力回路にドライブ用の制御電流を供給する。
【0012】
出力回路13、14、15は同一の構成であるので、出力回路13のみについて説明する。電源ライン8に対しPNP型のトランジスタQ1とQ2で構成されるカレントミラー回路が接続される。このカレントミラー回路の入力側トランジスタQ1のベースとコレクタにダイオードQ3のアノード側が接続され、そのダイオードQ3のカソード側は波形合成回路7に接続されている。ICの場合、ダイオードQ3はトランジスタで形成してもよい。
【0013】
ダイオードQ3のカソードにベースが接続されたPNP型のトランジスタQ4が設けられている。このトランジスタQ4のエミッタはカレントミラー回路の出力側トランジスタQ2のコレクタと接続され、その接続中点が上側の出力トランジスタT1のベースに接続される。
【0014】
トランジスタQ4のコレクタは波形合成回路7と電流帰還アンプ5に図示の如く接続されており、そのコレクタ電流は電流帰還アンプ5の出力電流に重畳されて波形合成回路7へ帰還される。
【0015】
下側の出力トランジスタT2のベースは波形合成回路7からの出力電流によって駆動される。この出力トランジスタT2のエミッタは端子9に外付けされた抵抗10に接続される。その抵抗に生じる電圧は電流帰還アンプ5の反転端子(−)へ印加される。モータコイルに流れる電流はトルク指令電圧によって決まるが、電圧帰還アンプ5、抵抗10で構成される回路は、その電流を一定に保持するように働く。
【0016】
今、図1はトランジスタT1とT4、T6がONしている状態を示している。トランジスタT1のエミッタから出力される電流IO1は端子A1からコイルL1を流れ、更にコイルL2を通って端子A2に流れ込むものと、コイルL3を通って端子A3に流れ込むものとに分かれる。電流IO2はトランジスタT4を通して抵抗10に流れ、また電流IO3はトランジスタT6を通して抵抗10に流れる。従って、抵抗10を流れる電流IOはIO2とIO3を加算したものとなる。
【0017】
さて、このとき、IO1が大きくて端子A1の電圧が高くなると、トランジスタT1のコレクタ・エミッタ間電圧VCEが小さくなり、そのまま放っておくと、飽和してしまう。しかし、本実施形態の回路では、トランジスタT1のベース電流を減少させることによってトランジスタT1が飽和するのを防止するようになっている。即ち、A1点の電位がVM−2VF以上になろうとした場合を考える。ここで、VMは電源ライン8の電圧であり、VFはトランジスタのベース・エミッタ間導通電圧である。
【0018】
今、A1点の電圧がVM−2VFになった場合、トランジスタT1のベース電位はエミッタ電位よりVF高いので、VM−VFとなる。一方、ダイオードQ3のカソード側の電位はVMよりも2VF低いからVM−2VFとなる。このため、トランジスタQ4のエミッタとベース間にはVFの電圧がかかり、トランジスタQ4がONする。そのためトランジスタT1のベース電流が減少する。
【0019】
このように、ベース電流が減少すると、トランジスタT1のVCEも小さくなる。そして、この小さくなったVCE’に対応するリニア領域でトランジスタは動作することになる。すなわち、先にトランジスタT1が動作していたときのVCE”(VCE’よりも大きい)のもとではエミッタ電位が上がることによって飽和してしまうが、ベース電流を減少させてVCE”よりも小さなVCE’に移行させることによってリニア領域で動作させるのである。
【0020】
トランジスタQ4のコレクタ電流I1’は波形合成回路7を介してトランジスタQ4のベースに帰還され、トランジスタQ4のON状態が一定に保持される。これによってトランジスタT1のエミッタ電位はVM−2VFに制限された状態に保持される。
【0021】
トルク指令電圧によってIO1が小さくなると、トランジスタT1のエミッタ電位がVM−2VFよりも低下するので、トランジスタQ4のエミッタ・ベース間はカットオフされ、トランジスタQ4はオフになる。
【0022】
図3は横軸にモータコイルに流れる全電流IOをとり、縦軸にトランジスタT1のVCEをとって本発明の効果を示している。同図において、(イ)はトランジスタT1単体の特性であり、(ロ)は本実施形態による飽和防止(上側トランジスタT1の飽和防止)特性、(ハ)は従来の対応する飽和防止特性を示している。これから分かるように本発明では、トランジスタの特性(イ)に充分近づけることができ、その分、無効電圧を少なくでき、効率良くモータを駆動できることになる。
【0023】
上記第1実施形態について出力回路13に関してのみ示すと、図2のようになる。次に、図4に示す第2の実施形態では、ダイオード回路として2つのダイオードQ3、Q3’が用いられている点が図2に比べて異なっている。また、図5に示す第3の実施形態では、ダイオード3に並列に一対の抵抗R1、R2から成る抵抗分圧回路を接続し、その分圧点aをトランジスタQ4に接続している点が図2と異なっている。
【0024】
これらの第2、第3実施形態はいずれも第1実施形態とは異なる飽和防止レベルを設定している。即ち、第2実施形態では飽和防止レベルはVM−3VFとなり、第3実施形態ではVM−VF−VF・R1/(R1+R2)となる。尚、飽和防止レベルは第2実施形態(図4)が一番低く、第1実施形態(図2)が中間で、第3実施形態(図5)が一番高くなる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、飽和防止レベルを出力トランジスタの動作特性に充分近づけることができ、トルクが増大するという効果がある。また、飽和防止レベルの設定が容易であるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータ駆動回路の第1実施形態を示す回路図。
【図2】その一部を取り出して示す回路図。
【図3】その効果を示す特性図。
【図4】本発明のモータ駆動回路の第2実施形態を示す回路図。
【図5】本発明のモータ駆動回路の第3実施形態を示す回路図。
【図6】従来例の回路図。
【符号の説明】
8 電源ライン
11 制御回路
12 3相ブラシレスモータ
13、14、15 出力回路
L1、L2、L3 モータコイル
T1〜T6 出力トランジスタ
Q1、Q2 カレントミラー回路を構成するトランジスタ
Q3、Q3’ ダイオード
Q4 トランジスタ
R1、R2 抵抗分圧回路を構成する抵抗
Claims (3)
- 電源ラインとグランド電位間にNPN型の第1、第2トランジスタをそれらのコレクタ・エミッタ路が直列になるように接続し、その接続中点をモータコイルに接続するとともに前記電源ライン側に接続された第1トランジスタのベースに制御回路から制御電流を与えて第1トランジスタから前記モータコイルにドライブ電流を供給するようにしたモータ駆動回路において、
前記電源ラインにエミッタが接続されたPNP型の第3、第4トランジスタから成るカレントミラー回路を設け、該カレントミラー回路の入力側を成す第3トランジスタのベース及びコレクタをダイオード回路を介して前記制御回路に接続するとともに前記ダイオード回路のカソード側にベースが接続されたPNP型の第5トランジスタを設け、この第5トランジスタのエミッタを前記カレントミラー回路の出力側を成す第4トランジスタのコレクタ及び前記第1トランジスタのベースに接続するとともに第5トランジスタがONしたとき、そのON状態を一定に維持するようなフィードバックをかけるため第5トランジスタのコレクタを前記制御回路に接続して成るモータ駆動回路。 - 前記ダイオード回路は直列接続された複数のダイオードからなることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動回路。
- 電源ラインとグランド電位間にNPN型の第1、第2トランジスタをそれらのコレクタ・エミッタ路が直列になるように接続し、その接続中点をモータコイルに接続するとともに前記電源ライン側に接続された第1トランジスタのベースに制御回路から制御電流を与えて第1トランジスタから前記モータコイルにドライブ電流を供給するようにしたモータ駆動回路において、
前記電源ラインにエミッタが接続されたPNP型の第3、第4トランジスタから成るカレントミラー回路を設け、該カレントミラー回路の入力側を成す第3トランジスタのベース及びコレクタをダイオード回路を介して前記制御回路に接続するとともに前記ダイオード回路に並列に抵抗分圧回路を接続し、この抵抗分圧回路の分圧点にベースが接続されたPNP型の第5トランジスタを設け、この第5トランジスタのエミッタを前記カレントミラー回路の出力側を成す第4トランジスタのコレクタ及び前記第1トランジスタのベースに接続するとともにコレクタを前記制御回路に接続して第5トランジスタにフィードバックをかけるようにして成るモータ駆動回路。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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