JP3539308B2 - 自動変速機のロックアップ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃費向上のために車両惰性走行時においてもトルクコンバータのロックアップを行う自動変速機のロックアップ制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行中に一時的にロックアップを解除する技術としては、特開平3−189471号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来出典には、発進時のみならず加速時にも流体継手を有効活用して走行性能を向上することが可能なロックアップ付流体継手を有する無段変速機の制御装置を提供することを目的とし、加速の有無を迅速に判断する手段と、ロックアップ状態において加速信号が入力すると、一時的にロックアップ解除する手段とを備えた装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術にあっては、ロックアップを一時解除するための加速信号を、ドライバーの加速操作という観点から決めているため、アクセル踏み込み速度が設定された固定値以上であれば常にロックアップが一時的に解除されることになり、ロックアップ解除の頻度が高く、燃費の向上を妨げてしまうという問題がある。
【0005】
一方、コーストロックアップ状態からのアクセル踏み込み操作を行うと、特開平8−177540号公報に記載されているように、いわゆるガクガク振動が発生するという問題がある。このガクガク振動とは、スロットル開度が全閉状態を含む定開度から高開度へステップ的に移行する時等において、駆動系へのステップトルク入力に起因して、駆動系の固有振動により車両に加わる前後方向加速度が変動するような振動をいう。
【0006】
そこで、ロックアップを一時的に解除することでトルクコンバータに流体継手機能を発揮させ、これによりトルク変動を吸収することでガクガク振動を抑える案が考えられる。
【0007】
これに対し、従来技術を適用し、アクセル踏み込み速度のしきい値を固定値にした場合、下記に列挙する問題がある。
【0008】
(1) 最もガクガク振動の厳しい(発生しやすい)低車速域、或いは、ローギア比域での条件で低い固定値に設定すると、ガクガク振動が発生しにくい、或いは、発生しても振動レベルが小さい高車速域、或いは、ハイギア比域では、必要以上にロックアップが解除されることになり、燃費の向上を妨げてしまう。
【0009】
(2) ガクガク振動が発生しにくい、或いは、発生しても振動レベルが小さい高車速域、或いは、ハイギア比域での条件で高い固定値に設定すると、低車速域、或いは、ローギア比域では、ガクガク振動の発生を許容してしまい、本来目指そうとしているガクガク振動の発生を抑制できない。
【0010】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、ロックアップを一時的に解除する踏み込み速度しきい値をガクガク振動のレベル(発生しやすさ)と相関のあるパラメータにより切り換えることで、ガクガク振動の発生の抑制と燃費の向上との両立を図ることができる自動変速機のロックアップ制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明では、車両の惰性走行中もトルクコンバータのロックアップクラッチを締結作動するロックアップ制御手段を備えた自動変速機のロックアップ制御装置において、
ガクガク振動レベルと相関のあるアクセル踏み込み開始時の車速及び変速比により、車速が高車速であるほど、また、変速比が高変速比であるほど大きな値によるアクセル開度しきい値を設定するアクセル開度しきい値設定手段と、
コーストロックアップ状態で、アクセル踏み込み開始から設定時間の間に、検出されるアクセル開度が設定されたアクセル開度しきい値以上となった場合、一時的にロックアップを解除する一時的ロックアップ解除手段と、
を設けたことを特徴とする。
【0014】
【発明の作用および効果】
本発明のうち請求項1記載の発明にあっては、ロックアップ制御手段において、アクセル足離しによる車両の惰性走行中もトルクコンバータのロックアップクラッチが締結作動される。そして、アクセル開度しきい値設定手段において、ガクガク振動レベルと相関のあるアクセル踏み込み開始時の車速及び変速比により、車速が高車速であるほど、また、変速比が高変速比であるほど大きな値によるアクセル開度しきい値が設定され、一時的ロックアップ解除手段において、コーストロックアップ状態で、アクセル踏み込み開始から設定時間の間に、検出されるアクセル開度が設定されたアクセル開度しきい値以上となった場合、一時的にロックアップが解除される。
【0015】
すなわち、アクセル踏み込み時にガクガク振動が発生しやすい低車速域、或いは、ローギア比域では、アクセル開度しきい値が低い値に設定されることになり、コーストロックアップ状態からのアクセルを急踏み込み操作すると、アクセル開度がしきい値を超えて一時的にロックアップが解除され、トルクコンバータに流体継手機能によりトルク変動が吸収され、ガクガク振動が抑えられる。
【0016】
一方、ガクガク振動が発生しにくい、或いは、発生しても振動レベルが小さい高車速域、或いは、ハイギア比域では、アクセル開度しきい値が高い値に設定されることになり、コーストロックアップ状態からのアクセルを急踏み込み操作してもよほど踏み込み速度が速くない限りアクセル開度がしきい値を超えることはなく、ロックアップが維持されて燃費の向上が図られる。
【0017】
このように、ロックアップ解除のアクセル開度しきい値をガクガク振動のレベルと相関のあるパラメータ(車速及び変速比)により切り換えることで、ガクガク振動の発生の抑制と燃費の向上との両立を図ることができる。
【0018】
また、アクセル開度しきい値設定手段において、アクセル踏み込み開始時の車速及び変速比により推定されるガクガク振動レベルが小さい時ほど、ロックアップの一時解除がされにくいアクセル開度しきい値に設定される。
【0019】
このように、アクセル開度しきい値の設定が段階的な設定ではなく、ガクガク振動のレベルと相関のあるパラメータ(車速及び変速比)により推定されるガクガク振動レベルに応じた設定とされることで、推定されるガクガク振動レベルの大小にかかわらず、ガクガク振動の発生の抑制と燃費の向上とをうまく両立させることができる。
【0020】
さらに、一時的ロックアップ解除手段において、コーストロックアップ状態で、アクセル踏み込み開始から設定時間の間に、検出されるアクセル開度が設定されたアクセル開度しきい値以上となった場合、一時的にロックアップが解除される。
【0021】
すなわち、アクセル踏み込み速度は、サンプリング周期当たりのアクセル開度変化量により算出することができるが、サンプリング周期を短くすると算出誤差が大きくなり、また、サンプリング周期を長くすると速度判定が遅れることになる。
【0022】
これに対し、アクセル踏み込み操作の判定時間を決めておき、判定時間経過時のアクセル開度検出値がアクセル開度しきい値以上の時にアクセル急踏みとみなすようにすることで、アクセル開度の微分演算により速度を算出することなく、検出されるアクセル開度の対比により実質的に速度対比が行われ、算出誤差や遅れのない効果的なロックアップ解除条件の判定ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明による自動変速機のロックアップ制御装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
[無段変速機の伝動ユニット及び変速制御装置の構成について]
図1及び図2は、本発明による自動変速機のロックアップ制御装置を備えるトロイダル型無段変速機を示し、図1はトロイダル型無段変速機の伝動ユニットを示す縦断側面図、図2はトロイダル型無段変速機の変速制御装置を示す図である。
【0025】
まず、トロイダル型無段変速機の主要部である伝動ユニットを、図1により説明する。この伝動ユニットは、図示しないエンジンからの回転がロックアップクラッチ付トルクコンバータを介して伝達される入力軸20を備え、この入力軸20は、図1に示すように、エンジンから遠い端部を変速機ケース21内に軸受22を介して回転自在に支持し、中央部を変速機ケース21の中間壁23内に軸受24及び中空出力軸25を介して回転自在に支持する。
【0026】
前記入力軸20には入力コーンディスク1を支持し、前記中空出力軸25には出力コーンディスク2を支持し、入出力コーンディスク1,2は、そのトロイド曲面1a,2aが互いに対向するように同軸配置する。
【0027】
そして、入出力コーンディスク1,2の対向するトロイド曲面1a,2a間には、入力軸20を挟んでその両側に配置した一対のパワーローラ3,3を介在させ、これらのパワーローラ3,3を入出力コーンディスク1,2間に挟圧するために、以下の構成を採用する。
【0028】
すなわち、入力軸20の軸受22側端部にローディングナット26を螺合し、このローディングナット26により抜け止めして入力軸20上に回転係合させたカムディスク27と、入力コーンディスク1のトロイド曲面1aから遠い端面との間にローディングカム28を介在させ、このローディングカム28を介して、入力軸20からカムディスク27への回転が入力コーンディスク1に伝達されるようになす。
【0029】
ここで、入力コーンディスク1の回転は両パワーローラ3,3の回転を介して出力コーンディスク2に伝わり、この伝動中、ローディングカム28は伝達トルクに比例したスラストを発生して、パワーローラ3,3を入出力コーンディスク1,2間に狭圧し、上記動力伝達を可能にする。
【0030】
前記出力コーンディスク2は、出力軸25に楔着し、この出力軸25上に出力歯車29を一体回転するように嵌着する。
【0031】
出力軸25はさらに、ラジアル兼スラスト軸受30を介して変速機ケース21の端蓋31内に回転自在に支持し、この端蓋31内には別にラジアル兼スラスト軸受32を介して入力軸20を回転自在に支持する。ここで、ラジアル兼スラスト軸受30,32は、スペーサ33を開始て相互に接近しないように突き合わせ、また相互に遠ざかる方向への相対変位不能になるよう、対応する出力歯車29入力軸20に対し軸線方向に衝接させる。
【0032】
上記構成により、ローディングカム28によって入出力コーンディスク1,2間に作用するスラストは、スペーサ33を挟むような内力となり、変速機ケース21に作用することがない。
【0033】
各パワーローラ3,3は、図2にも示すように、トラニオン41,41に回転自在に支持し、このトラニオン41,41は、それぞれ上端を球面継手42によりアッパリンク43の両端に回転自在及び揺動自在に、また、下端を球面継手44によりロアリンク45の両端に回転自在及び揺動自在に連結する。
【0034】
そして、アッパリンク43及びロアリンク45は、中央を球面継手46,47により変速機ケース21に上下方向揺動可能に支持し、両トラニオン41,41を相互逆向きにに同期して上下動させ得るようにする。
【0035】
このように、両トラニオン41,41を、相互逆向きに同期して上下動させることによって変速を行う変速制御装置を、図2に基づいて説明する。
【0036】
各トラニオン41,41は、これらを個々に上下方向へストロークさせるためのピストン6,6を設け、両ピストン6,6の両側に、それぞれ上方室51,52及び下方室53,54を画成する。そして両ピストン6,6を相互逆向きにストローク制御するために、変速制御弁5を設置する。
【0037】
ここで、変速制御弁5は、スプール型の内弁体5aと、スリーブ型の外弁体5bとを相互に摺動可能に嵌合し、外弁体5bを弁ケース5cに摺動自在に嵌合して構成する。
【0038】
上記変速制御弁5は、入力ポート5dを圧力源55に接続し、一方の連絡ポート5eをピストン室51,54に、また、他方の連絡ポート5fをピストン知る52,53にそれぞれ接続する。
【0039】
そして、内弁体5aを、一方のトラニオン41の下端に固着したプリセスカム7のカム面に、ベルクランク型の変速レバー8を介して共働させ、外弁体5bを変速アクチュエータとしてのステップモータ4に、ラックアンドピニオン型式で駆動係合させる。
【0040】
変速制御弁5の操作指令は、アクチュエータ駆動位置指令Astep(ステップ位置指令)に応動するステップモータ4が、ラックアンドピニオンを介し外弁体5bにストロークとして与えることとする。
【0041】
この操作指令で、変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置から、例えば、図2の位置に変位されて変速制御弁5が開くとき、圧力源55からの流体圧(ライン圧PL)が室52,53に供給される一方、他の室51,54がドレンされ、また、変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置から逆方向に変位されて変速制御弁5が開くとき、圧力源55からの流体圧が室51,54に供給される一方、他の室52,53がドレンされ、両トラニオン41,41が流体圧でピストン6,6を介して図中、対応した上下方向へ相互逆向きに変位されるものとする。
【0042】
これにより両パワーローラ3,3は、回転軸軸Oが入出力コーンディスク1,2の回転軸線Oと交差する図示位置からオフセット(オフセット量y)されることになり、核オフセットによりパワーローラ3,3は入出力コーンディスク1,2からの首振り分力で、自己の回転軸線Oと直行する首振り軸線Oの周りに傾転(傾転角φ)されて無段変速を行うことができる。
【0043】
このような変速中、一方のトラニオン41の下端に結合したプリセスカム7は、変速リンク8を介して、トラニオン41及びパワーローラ3の上述した上下動(オフセット量y)及び傾転角φを変速制御弁5の内弁体5aに機械的にxで示すようにフィードバックされる。
【0044】
そして上記無段変速により、ステップモータ4へのアクチュエータ駆動位置指令Astepに対応した変速比指令値が達成される時、上記のプリセスカム7を介した機械的フィ一ドバックが変速制御弁5の内弁体5aをして、外弁体5bに対し相対的に初期の中立位置に復帰させ、同時に、両パワーローラ3,3は、回転軸線Oが入出力コーンディスク1,2の回転軸線0と交差する図示位置に戻ることで、上記変速比指令値の達成状態を維持することができる。
【0045】
なお、パワーローラ傾転角φを変速比指令値に対応した値にすることが制御の狙いであるから、基本的にプリセスカム7はパワーローラ傾転角φのみをフィードバックすればよいことになるが、ここでパワーローラオフセット量yをもフィードバックする理由は、変速制御が振動的になるのを防止ずるダンピング効果を与えて、変速制御のハンチング現象を回避するためである。
【0046】
ステップモータ4へのアクチュエ一タ駆動位置指令Astepは、コントローラ61によって設定される。
【0047】
このためにコントローラ61には図2に示すように、エンジンスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ62からの信号、車速VSPを検出する車速センサ63からの信号、入力コーンディスク1の回転数Ni(エンジン回転数Neでもよい)を検出する入力回転センサ64からの信号、出力コーンディスク2の回転数Noを検出する出力回転センサ65からの信号、変速機作動油温TMPを検出ずる油温センサ66からの信号、前記油圧源55からのライン圧Pを検出する(通常は、ライン圧Pをコントローラ61で制御するからコントローラ61の内部信号から検知する)ライン圧センサ67からの信号、工ンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ68からの信号、インヒビタスイッチ60からのレンジ情報についての信号、UP/DOWNスイッチ69からのUP/DOWN情報についての信号、モード選択スイッチ70からの選択モード信号、工ンジン制御装置310からのトルクダウン許可信号、アンチスキッド制御装置(ABS)320からのABS制御信号、トラクションコントロール装置(TCS)330からのTCS制御信号及び定速走行装置340からの定速走行作動信号をそれぞれ入力する。
【0048】
コントローラ61は、上記の各種入力情報を基にして以下の演算によってステップモータ4へのアクチュエータ駆動位置指令Astep(変速指令値)を設定するものとする。
【0049】
[コントローラの構成について]
本実施の形態では、コントローラ61を図3に示すように構成する。
【0050】
変速マップ選択部71は、図2のセンサ66で検出した油温TMPや、排気浄化触媒の活性化運転中か否かなど、各種条件に応じて変速マッブを選択する。
【0051】
到達入力回転数算出部72は、このようにして選択された変速マップが例えば図4に示すようなものである場合について説明すると、図2のセンサ62,63でそれぞれ検出したスロットル開度TVO及び車速VSPから、同図の変速線図に対応した変速マップをもとに、現在の運転状態での定常的な目標入力回転数とすべき到達入力回転数Ni*を検索して求める。
【0052】
到達変速比演算部73は、到達入力回転数Ni*を図2のセンサ65で検出した変速機出力回転数Noで除算することによって、到達入力回転数Ni*に対応する定常的な目標変速比である到達変速比i*を求める。
【0053】
変速時定数算出部74は、選択レンジ(前進通常走行レンジD、前進スポーツ走行レンジDs)、車速VSP、スロットル開度TVO、エンジン回転数Ne、アクセルペダル操作速度、トルクダウン制御装置(図示せず)からのトルクダウン量に関する信号及びトルクダウン許可信号、アンチスキッド制御信号、トラクション制御信号、定速走行信号、後に説明する目標変速比Ratio0との変速比偏差RtoERR、などの各種条件に応じて変速制御の第1変速時定数Tg1及び第2変速時定数Tg2を設定するとともに、到達変速比i*と目標変速比Ratio0との偏差Eipを算出する。
【0054】
ここでトロイダル型無段変速機の2次的な遅れ系に対応するために設定される第1変速時定数Tg1及び第2変速時定数Tg2は、到達変速比i*に対する変速の応答性を設定して変速速度を定めるためのもので、目標変速比算出部75は、到達変速比i*を第1変速時定数Tg1及び第2変速時定数Tg2で定めた変速応答をもって実現するための過渡的な時時刻々の目標変速比Ratio0及び中間変速比Ratio00をそれぞれ算出し、目標変速比Ratio0のみを出力する。
【0055】
入力トルク算出部76は、周知の方法によって変速機入力トルクTiを求めるものであり、先ずスロットル開度TVO及びエンジン回転数Neからエンジン出力トルクを求め、次いでトルクコンバータの入出力回転数(Ne,Ni)比である速度比からトルクコンバータのトルク比tを求め、最後にエンジン出力トルクにトルク比tを乗じて変速機入力トルクTiを算出する。
【0056】
トルクシフト補償変速比算出部77は、過渡的な上記目標変速比Ratio0及び当該変速機入力トルクTiから、トロイダル型無段変速機に特有なトルクシフト(変速比の不正)をなくすためのトルクシフト補償変速比TSrtoを算出する。
【0057】
ここで、トロイダル型無段変速機のトルクシフトを補足説明すると、トロイダル型無段変速機の伝動中には、既に説明したようにしてパワーローラ3,3を入出力コーンディスク1,2間に挟圧することからトラニオン41の変形が発生し、これによりこのトラニオンの下端におけるプリセスカム7の位置が変化してプリセスカム7及び変速リンク8からなる機械的フィードバック系の系路長変化を惹起し、これによって上記トルクシフトを発生させる。
【0058】
したがって、トロイダル型無段変速機のトルクシフトは、目標変速比Ratio0及び変速機入力トルクTiによって異なり、トルクシフト補償変速比算出部77は、これらの2次元マップからトルクシフト補償変速比TSrtoを検索によって求める。
【0059】
実変速比算出部78は、変速機入力回転数Niを図2のセンサ65で検出した変速機出力回転数Noで除算することによって、実変速比Ratioを算出する。変速比偏差算出部79は、上記目標変速比Ratio0から実変速比Ratioを差し引いて、両者間における変速比偏差RtoERR(=Ratio0−Ratio)を求める。
【0060】
第1フィードバック(FB)ゲイン算出部80は、変速比偏差RtoERRに応じた周知のPID制御(Pは比例制御、Iは積分制御、Dは微分制御)による変速比フィードバック補正量を算出するときに用いられ、それぞれの制御のフィードバックゲインのうち、変速機入力回転数Ni及び車速VSPに応じて設定すべき第1の比例制御用フィードバックゲインfbpDATA1、積分制御用フィードバックゲインfbiDATA1、及び微分制御用フィードバックゲインfbdDATA1をそれぞれ求める。
【0061】
これら第1のフィードバックゲインfbpDATA1,fbiDATA1,fbdDATA1は、変速機入力回転数Ni及び車速VSPの2次元マップとして予め定めておき、このマップを基に変速機入力回転数Ni及び車速VSPから検素により求めるものとする。
【0062】
第2フィードバック(FB)ゲイン算出部81は、上記PID制御による変速比フィードバック補正量を算出するときに用いるフィードバックゲインのうち、変速機作動油温TMP及びライン圧Pに応じて設定すべき第2の比例制御用フィードバックゲインfbpDATA2、積分制御用フィードバックゲインfbiDATA2、及び微分制御用フィードバックゲインfbdDATA2をそれぞれ求める。
【0063】
これら第2のフィードバックゲインfbpDATA2,fbiDATA2,fbdDATA2は、作動油温TMP及びライン圧Pの2次元マップとして予め定めておき、このマップを基に作動油温TMP及びライン圧Pから検索により求めるものとする。
【0064】
フィードバックゲイン算出部83は、上記第1のフィ一ドバックゲイン及び第2のフィードバックゲインを対応するもの同士掛け合わせて、比例制御用フィードバックゲインfbpDATA(=fbpDATA1×fbpDATA2)、積分制御用フィードバックゲインfbiDATA(=fbiDATA1×fbiDATA2)、及び微分制御用フィードバックゲインfbdDATA(=fbdDATA1×fbdDATA2)を求める。
【0065】
PID制御部84は、以上のようにして求めたフィードバックゲインを用い、変速比偏差RtoERRに応じたPID制御による変速比フィードバック補正量FBrtoを算出するために、
先す比例制御による変速比フィードバック補正量をRtoERR×fbpDATAにより求め、
次いで積分制御による変速比フィードバック補正量を∫RtoERR×fbiDATAにより求め、
更に微分制御による変速比フィードバック補正量を(d/dt)RtoERR×fbdDATAにより求め、
最後にこれら3者の和値をPID制御による変速比フィードバック補正量FBrto(=RtoERR×fbpDATA+∫RtoERR×fbiDATA+(d/dt)RtoERR×fbdDATA)とする。
【0066】
目標変速比補正部85は、目標変速比Ratio0をトルクシフト補償変速比TSrto及び変速比フィードバック補正量FBrtoだけ補正して、補正済目標変速比DsrRTO(=Ratio0+TSrto+FBrto)を求める。目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)算出部86は、上記の補正済目標変速比DsrRTOを実現するためのステップモータ(アクチュエータ)4の目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPをマップ検索により求める。
【0067】
ステップモータ駆動位置指令算出部87は、ステップモータ駆動速度設定部88が変速機作動油温TMPなどから設定するステップモータ4の限界駆動速度でも1制御周期中にステップモータ4が上記目標ステップ数DsrSTPに変位し得ないとき、ステップモータ4の上記限界駆動速度で実現可能な実現可能限界位置をステップモータ4への駆動位置指令Astepとなし、ステップモータ4が1制御周期中に上記目標ステップ数DsrSTPに変位し得るときは、当該目標ステッブ数DsrSTPをそのままステップモータ4への駆動位置指令Astepとなすものとする。
【0068】
したがって、駆動位置指令Astepは常時ステップモータ4の実駆動位置とみなすことができる。
【0069】
ステップモータ4は、駆動位置指令Astepに対応する方向及び位置に変位されてラックアンドピニオンを介し変速制御弁5の外弁体5bをストロ一クさせ、トロイダル型無段変速機を既に説明したように所定通りに変速させることができる。
【0070】
この変速によって駆動位置指令Astepに対応した変速比指令値が達成される時、プリセスカム7を介した機械的フィードバックが変速制御弁5の内弁体5aをして、外分体5bに対し相対的に初期の中立位置に復帰させ、同時に、両パワーローラ3,3は、回転軸線0が入出力コーンディスク1,2の回転軸線0と交差する図示位置に戻ることで、上記変速比指令値の達成状態を維持することができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、ステップモータ追従可能判定部89を付加して設ける。
【0072】
このステップモータ追従可能判定部89は、ステップモータ4が補正済目標変速比DsrRTOに対応した目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従可能か否かを、以下により判定するものである。
【0073】
つまり判定部89は先ず、目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPと、実駆動位置とみなすことができる駆動位置指令Astepとの間におけるステップ数偏差(アクチュエータ駆動位置偏差)△STPを求める。
【0074】
そして判定部89は、ステップモータ駆動速度設定部88によって既に説明したように設定されたステップモ一夕4の限界駆動速度でもステップモータ4が1制御周期中に解消し得ないステップ数偏差(アクチュエータ駆動位置偏差)の下限値△STPLIMよりもステップ数偏差(アクチュエータ駆動位置偏差)△STPが小さい時(△STP<△STPLIM)、ステップモータ4が補正済目標変速比DsrRTOに対応した目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従可能であると判定し、
逆に△STP≧△STPLIMである時、ステップモータ4が目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従不能であると判定する。
【0075】
判別部89は、ステップモータ4が補正済目標変速比DsrRTOに対応した目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従可能であると判定する場合、PID制御部84で、既に説明した通りのPID制御による変速比フィードバック補正量FBrtoの演算を継続させる。
【0076】
このようにして、ステップモータ4が目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従不能であると判定した場合は、積分制御による変速比フィードバック補正量∫RtoERR×fbiDATAを当該判定時における値に保持するようPID制御部84に指令する。
【0077】
さらに本実施の形態では、ステップモータ駆動位置指令算出部87において、ステップモータ4の限界駆動速度でも1制御周期中にステップモータ4が目標ステップ数DsrSTPに変位し得ないとき、ステップモータ4の限界駆動速度で実現可能な実現可能限界位置をステップモータ4への駆動位置指令Astepとなすようにし、この駆動位置指令Astepをステップモータ4の実駆動位置として判定部89でのステップモータ追従可能判定に資することにしたから、
このような追従可能判定を行うに際して必要なステップモータ4の実駆動位置を、変速制御装置からステップモータ4への駆動位置指令Astepで検知することとなり、上記の追従可能判定を、ステップモータ4の実駆動位置の実測に頼ることなく廉価に行うことができる。
【0078】
また本実施の形態では、ステップモータ追従可能判定部89において、目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPと、実駆動位置(駆動位置指令)Astepとの間におけるステップ数偏差(アクチュエータ駆動位置偏差)△STFが、ステップモータ4の限界駆動速度ごとに定めた追従判定基準偏差△STPLIMよりも小さい時(△STP<△STPLIM)、ステップモータ4が補正済目標変速比DsrRTOに対応した目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従可能であると判定し、逆に△STP≧△STPLIMである時、ステップモータ4が目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従不能であると判定するため、
油温TMPなどで種々に変化するステップモータ4の限界駆動速度に関係なくステップモータ4の追従可能判定を確実に行うことができる。
【0079】
[変速制御について]
図2のコントローラ61をマイクロコンピュータで構成する場合、図3について説明した変速制御は図5のプログラムでこれを実行する。
【0080】
図5は変速制御の全体を示し、このルーチンは、例えば、10msごとに実行される。先ず、ステップ91において、変速時定数算出部74(図3)は、車速センサ63(図2)によって検出された車速VSP、エンジン回転センサ68(図2)によって検出されたエンジン回転数Ne、入力回転センサ64(図2)によって検出された変速機入力回転数Ni、スロットル開度センサ62(図2)によって検出されたスロットル開度TVO、インヒビタスイッチ60(図2)からのレンジ情報(自動変速(D)レンジ、スポーツ走行(S)レンジ等)等を読み込む。
【0081】
次いで、ステップ92において、到達入力回転数算出部72(図3)は、入力回転数Niを変速機出力回転数Noによって除算することによって、実変速比Ratioを算出する。次いで、ステップ93において、スロットル開度TVO及び車速VSPから図4に図示したような変速マップを基にして到達入力回転数Niを検索して求める。
【0082】
次いで、到達変速比設定手段としてのステップ94において、到達変速比算出部73(図3)は、この到達入力回転数Niを変速機出力回転数Noで除算することによって到達変速比iを算出する。次いで、偏差算出手段としてのステップ95において、変速時定数算出部74(図3)は、到達変速比iから、前回のルーチンで算出した目標変速比Ratio0(これは後のステップ99で算出される。)を減算して偏差Eipを算出する。
【0083】
次いで、ステップ96において、モード切替、マニュアル変速による有段の変速(以下、「スイッチ変速」という。)があったか否か判定する。具体的には、モード選択スイッチ70(図2)からの選択モード信号に応じて、パワーモードとスノーモードとの間の切替の有無を検出し、インヒビタスイッチ60(図2)からマニュアルレンジ信号を検出するとともにUP/DOWNスイッチ69(図2)からUP/DOWN情報についての信号を検出したか否か判定する。次いで、モード設定手段としてのステップ97、ステップ98及び目標変速比設定手段としてのステップ99において、変速時定数算出部74(図3)は、時定数算出モードと、第1及び第2変速時定数Tg1及びTg2と、目標変速比Ratio0及び中間変速比Ratio00とをそれぞれ算出する。
【0084】
その後、ステップ100において、トルクシフト補償変速比算出部77(図3)は、目標変速比Ratio0及び変速機入力トルクTiに関するマップからトルクシフト補償変速比TSrtoを算出する。次いで、ステップ101において、PID制御部84(図3)は、PID制御によって変速比フィードバック補正量FBrtoを算出する。次いで、ステップ102において、目標変速比補正部85(図3)は、目標変速比Ratio0にトルクシフト補償変速比TSrto及び変速比フィードバック補正量FBrto加算して、補正済目標変速比DsrRTOを算出する。次いで、ステップ103において、ステップモータ4(図2)への駆動位置指令Astepを算出し、本ルーチンを終了する。
【0085】
[ロックアップ制御処理]
図6(イ)はロックアップ制御プログラム中のロックアップ判定処理を示す全体フローチャートである。
【0086】
ステップ104では、図7に示す急踏み込みロックアップ禁止判定処理が行われ、ステップ105へ進む。
【0087】
ステップ105では、ステップ104での判定結果がロックアップ許可かロックアップ禁止かどうかが判断され、ロックアップ許可の場合はステップ106へ進み、ロックアップ禁止の場合はステップ111へ進む。
【0088】
ステップ106では、他の禁止条件、例えば、低油温時、ABS作動時、TCS作動時、後進時、低入力回転時等が判定され、ステップ107へ進む。
【0089】
ステップ107では、ステップ106での禁止条件が成立することによりロックアップ禁止かどうか判断され、NOの場合はステップ108へ進み、YESの場合はステップ111へ進む。
【0090】
ステップ108では、車速VSPに基づいてロックアップ領域が判定され、ステップ109へ進む。ここで、ロックアップ領域は、図6(ロ)に示すように、スロットル開度とは無関係(0%〜100%)に車速VSPが設定車速(例えば、20km/h)以上の領域に設定されている。よって、アクセル足離しによる惰性走行中も車速条件さえ成立すればロックアップされる。
【0091】
ステップ109では、ステップ1208での判定がロックアップ領域かどうかが判断され、YESの場合はステップ110へ進み、NOの場合はステップ111へ進む。
【0092】
ステップ110では、ロックアップクラッチを締結するロックアップ状態とされる。
【0093】
ステップ111では、ロックアップクラッチを解放するトルクコンバータ状態とされる。
【0094】
図7はロックアップ制御プログラム中の急踏み込みロックアップ禁止判定処理を示すフローチャートである。
【0095】
ステップ112では、図8に示す急踏み込みロックアップ解除判定処理の結果が急踏み込みか急踏み込み以外かどうかが判断され、急踏み込みの場合はステップ115へ進み、急踏み込み以外の場合はステップ113へ進む。
【0096】
ステップ113では、ロックアップ状態が判断され、トルクコンバータ状態であるとの判断時にはステップ117へ進み、ロックアップ状態であるとの判断時にはステップ114へ進む。
【0097】
ステップ114では、図8に示す急踏み込みロックアップ解除判定処理が行われる。
【0098】
ステップ115では、急踏み込み判断からロックアップ禁止を継続するロックアップ禁止タイマー値RELUTIMが、RELUTIM=0かどうか、つまり、ロックアップ禁止時間を経過したかどうかが判断され、NOの場合にはステップ118へ進み、YESの場合はステップ116へ進む。なお、このロックアップ禁止タイマー値RELUTIMは、制御用定数表に予め設定されている。
【0099】
ステップ116では、ステップ115でロックアップ禁止時間を経過したと判断されると、急踏み込み以外であるとみなされ、ステップ117へ進む。
【0100】
ステップ117では、ロックアップ許可であると判定される。
【0101】
ステップ118では、ステップ115の判断でロックアップ禁止時間を経過していないと判断されると、ロックアップ禁止タイマー値RELUTIMが、RELUTIM=RELUTIM−1と減算され、ステップ119へ進む。
【0102】
ステップ119では、ロックアップ禁止であると判定される。
【0103】
図8はロックアップ制御プログラム中の急踏み込みロックアップ解除判定処理を示すフローチャートである。
【0104】
ステップ120では、レンジ,走行モードに応じた制御定数テーブルが検索され、低車速しきい値rpaclofvlと高車速しきい値rpaclofvhとアイドルOFFとなってから急踏み込みの判定を行う踏み込み初期時間tvotimが決められる。
【0105】
ステップ121では、アイドルスイッチ信号によりアイドル状態かどうかが判断され、ONの時にはステップ122へ進み、OFFの時にはステップ124へ進む。
【0106】
ステップ122では、ステップ121でアイドル状態であると判断されると、タイマー値Timerが、Timer=tvotimに設定され、ステップ123へ進む。
【0107】
ステップ123では、ロックアップを許可する急踏み込み以外であると判定される。
【0108】
ステップ124では、ステップ121でアイドルOFFであると判断されると、タイマー値Timerが、Timer=Timer−1により減算され、ステップ125へ進む。
【0109】
ステップ125では、車速VSPが低車速しきい値rpaclofvl以上で高車速しきい値rpaclofvh未満の範囲内であるかどうかという車速条件が判断され、不成立の場合にはステップ123へ進み、成立の場合はステップ126へ進む。ここで、低車速しきい値rpaclofvl未満の低車速域は非ロックアップ領域を示し、高車速しきい値rpaclofvh以上の高車速域はガクガク振動が発生しない領域を示す。
【0110】
ステップ126では、ステップ125で車速条件が成立すると、タイマー値Timerが、Timer=0かどうか、つまり、急踏み込みの判定を行う踏み込み初期時間を経過したかどうかが判断され、NOの場合はステップ127へ進み、YESの場合はステップ130へ進む。
【0111】
ステップ127では、レンジ,走行モードからテーブルを選択し、車速VSPに基づいて、車速VSPが高車速であるほど、また、変速比が高変速比であるほど大きな値によるスロットル開度しきい値ioftvo(アクセル開度しきい値に相当)が算出され、ステップ128へ進む(アクセル開度しきい値設定手段に相当)。このスロットル開度しきい値ioftvoは、車速VSPとレンジ位置(変速比)により、low(ロー),mid(ミドル),hi(ハイ)の3段階の値により与えられる。なお、2段階以上の値であれば何段階の値により与えても良いし、さらに、もっときめ細かく無段階の値により与えても良い。
【0112】
ステップ128では、スロットル開度センサ62で検出されたその時のスロットル開度TvoSEN(アクセル開度に相当)が、ステップ127で決められたスロットル開度しきい値ioftvo以上かどうかが判断され、YESの場合はステップ129へ進み、NOの場合はステップ130へ進む。
【0113】
ステップ129では、ステップ128のアクセル操作条件が成立することで、ロックアップを禁止する急踏み込みであると判定される。
【0114】
ステップ130では、ステップ126で踏み込み初期時間を経過したと判断された時、または、ステップ128でアクセル操作条件が非成立である時、前回の判定がそのまま保持される。
【0115】
[ロックアップ制御作用]
まず、無段変速機の場合、ロックアップ状態で無段に変速比を変えることができるため、有段の自動変速機に比べ、低速からロックアップが可能であり、本実施の形態においても、図6(ロ)に示すロックアップ領域の車速であればアクセル足離しによる車両の惰性走行中も、図6(イ)のステップ108→ステップ109→ステップ110へ進む流れとなり、トルクコンバータのロックアップクラッチが締結作動される。しかし、コーストロックアップ状態から急なアクセル踏み込み操作を行ない、アクセル急踏み込み操作時であると判定された場合、図7のフローチャートにおいて、ステップ112→ステップ115→ステップ118→ステップ119へと進む流れとなり、ガクガク振動を抑制するという目的でロックアップ禁止タイマー値RELUTIMによる設定時間だけ一時的にロックアップが解除される。
【0116】
ここで、アクセルの急踏み込み操作の判定は、図8のフローチャートのステップ127において、ガクガク振動レベルと相関のあるアクセル踏み込み開始時の車速VSP及び変速比により、車速VSPが高車速であるほど、また、変速比が高変速比であるほど大きな値によるスロットル開度しきい値ioftvoが算出され、ステップ128において、スロットル開度センサ62で検出されたその時のスロットル開度TvoSENが、スロットル開度しきい値ioftvo以上かどうかが判断され、YESの場合はステップ129へ進み、ロックアップを禁止する急踏み込みであると判定される。
【0117】
すなわち、アクセル踏み込み時にガクガク振動が発生しやすい低車速域、或いは、ローギア比域では、スロットル開度しきい値ioftvoが低い値に設定されることになり、コーストロックアップ状態からのアクセルを急踏み込み操作すると、アクセル踏み込み開始からのスロットル開度TvoSENが、急踏み込みの判定を行う踏み込み初期時間tvotimまでの間に、スロットル開度しきい値ioftvoを超えて急踏み込みであると判定され、一時的にロックアップが解除され、トルクコンバータに流体継手機能によりトルク変動が吸収され、ガクガク振動が抑えられる。
【0118】
一方、ガクガク振動が発生しにくい、或いは、発生しても振動レベルが小さい高車速域、或いは、ハイギア比域では、スロットル開度しきい値ioftvoが高い値に設定されることになり、コーストロックアップ状態からのアクセルを急踏み込み操作してもよほど踏み込み速度が速くない限り、アクセル踏み込み開始からのスロットル開度TvoSENが、急踏み込みの判定を行う踏み込み初期時間tvotimまでの間にスロットル開度しきい値ioftvoを超えることはなく、ロックアップが維持されて燃費の向上が図られる。
【0119】
このように、ロックアップ解除のスロットル開度しきい値ioftvoをガクガク振動のレベルと相関のあるパラメータ(車速及び変速比)により切り換えることで、ガクガク振動の発生の抑制と燃費の向上との両立を図ることができる。
【0120】
また、ステップ127において、アクセル踏み込み開始時の車速VSP及びレンジ位置(変速比)により推定されるガクガク振動レベルが小さい時ほど、ロックアップの一時解除がされにくいスロットル開度しきい値ioftvoに設定されるため、推定されるガクガク振動レベルの大小にかかわらず、ガクガク振動の発生の抑制と燃費の向上とをうまく両立させることができる。
【0121】
さらに、ステップ128において、コーストロックアップ状態で、アクセル踏み込み開始からのスロットル開度TvoSENが、急踏み込みの判定を行う踏み込み初期時間tvotimまでの間に、スロットル開度しきい値ioftvoを超えて急踏み込みであると判定され、一時的にロックアップが解除されるため、スロットル開度の微分演算により速度を算出することなく、検出されるスロットル開度TvoSENとスロットル開度しきい値ioftvoとの対比により実質的に速度対比が行われ、算出誤差や遅れのない効果的なロックアップ解除条件の判定ができる。
【0122】
すなわち、アクセル踏み込み速度は、サンプリング周期当たりのアクセル開度変化量により算出することができるが、サンプリング周期を短くすると算出誤差が大きくなり、また、サンプリング周期を長くすると速度判定が遅れることになる。
【0123】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【0124】
例えば、上記実施の形態では、本発明による自動変速機のロックアップ制御装置をトロイダル型無段変速機に適用する例を示したが、Vベルト式無段変速機に適用しても良いし、また、コーストロックアップを採用した有段の自動変速機に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動変速機のロックアップ制御装置を備えるトロイダル型無段変速機の縦断側面図である。
【図2】図1のトロイダル型無段変速機をその変速制御システムと共に示す縦断正面図である。
【図3】図2のコントローラが実行する変速制御の機能ブロック線図である。
【図4】無段変速機の変速パターンを例示する変速線図である。
【図5】本発明による自動変速機のロックアップ制御装置の変速制御プログラムの全体を示すフローチャートである。
【図6】(イ)はロックアップ制御プログラム中のロックアップ判定処理を示す全体フローチャートであり、(ロ)はロックアップ領域特性図である。
【図7】ロックアップ制御プログラム中の急踏み込みロックアップ禁止判定処理を示すフローチャートである。
【図8】ロックアップ制御プログラム中の急踏み込みロックアップ解除判定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 入力コーンディスク
2 出力コーンディスク
3 パワーローラ
4 ステップモータ
5 変速制御弁
6 ピストン
7 プリセスカム
8 変速リンク
20 入力軸
28 ローディングカム
41 トラニオン
43 アッパリンク
45 ロアリンク
60 インヒビタスイッチ
61 コントローラ
62 スロットル開度センサ
63 車速センサ
64 入力回転センサ
65 出力回転センサ
66 油温センサ
67 ライン圧センサ
68 エンジン回転センサ
69 UP/DOWNスイッチ
70 モード選択スイッチ
71 変速マップ選択部
72 到達入力回転数算出部
73 到達変速比算出部
74 変速時定数算出部
75 目標変速比算出部
310 エンジン制御スイッチ
320 アンチスキッド制御装置
330 トラクションコントロール装置
340 定速走行装置

Claims (1)

  1. 車両の惰性走行中(コースト)もトルクコンバータのロックアップクラッチを締結作動するロックアップ制御手段を備えた自動変速機のロックアップ制御装置において、
    ガクガク振動レベルと相関のあるアクセル踏み込み開始時の車速及び変速比により、車速が高車速であるほど、また、変速比が高変速比であるほど大きな値によるアクセル開度しきい値を設定するアクセル開度しきい値設定手段と、
    コーストロックアップ状態で、アクセル踏み込み開始から設定時間の間に、検出されるアクセル開度が設定されたアクセル開度しきい値以上となった場合、一時的にロックアップを解除する一時的ロックアップ解除手段と、
    を設けたことを特徴とする自動変速機のロックアップ制御装置。
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