JP3537685B2 - 介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片およびその製造方法 - Google Patents
介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片およびその製造方法Info
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Description
の連続鋳造鋳片とその製造方法に関し、特に介在物性欠
陥の少ない鋳片およびその製造方法に係わるものであ
る。
る介在物性の欠陥は非常に少なくなってきている。これ
は、溶鋼段階での脱酸法の技術改善や、連続鋳造におけ
る種々の介在物対策が効を奏した結果である(第126
・127回西山記念技術講座「高清浄鋼」社団法人日本
鉄鋼協会,1988)。
素材用鋳片においては、益々の介在物低減が要求されて
おり、個数の低減とともにそのサイズを小さくすること
が求められている。鋳片内の介在物個数を低減する技術
としては、例えば特開平7−300612号公報、特開
平5−331522号公報等がある。また、微細介在物
をつくる技術としては、例えば特開昭58−20411
7号公報、特開平3−267311号公報等がある。
術として、上記特開平7−300612号公報には、二
次精錬において、溶鋼中にガス吹き込みランスからフラ
ックスを吹き込んで、該フラックスを介在物と凝集合体
させ、浮上させることが記載されているが、吹き込んだ
フラックスが溶鋼中に残留して介在物となる恐れがあっ
た。
では、転炉内へCaOを投入してスラグを固化させた
後、取鍋内に出鋼し、その後取鍋上のスラグにAlを添
加して、スラグ中FeO濃度を2%以下にすることを記
載しているが、スラグ中FeO濃度を安定的に2%以下
にするには、多量のAl投入が必要となり、コスト的に
高くなる。また、スラグ中FeO濃度を2%以下にして
も、Al脱酸を行なう限り、脱酸生成物であるアルミナ
が生成してクラスタ状になる。これは比重が大きいた
め、溶鋼表面への浮上によるアルミナクラスタ個数の大
幅減少は、期待出来ない。
は、特開昭58−204117号公報ではMn、Siと
TiまたはAl、或いは更にREMまたはCaを脱酸力
の弱い順で加える技術が示されているが、Mnが0.8
重量%以上と規定されており、Mnの低い薄板向けでは
適用できない。また、特開平3−267311号公報で
は、TiとCaを用いた脱酸法が開示されているが、
0.005重量%以上のZrが必須となっているため、
コスト的に高くなる。また、TiやCa添加前の溶鋼酸
素濃度が高い場合には、TiやCaを添加して脱酸を行
なっても、介在物の微細化効果が十分に発揮されないこ
とから、生成した介在物は大きなものとなってしまう。
では、薄板向鋼板用鋳片の介在物個数の低減と介在物サ
イズの微細化を安定して達成することは困難であった。
物個数の低減と介在物サイズの微細化を安定して達成す
ることによって、介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片と
その製造方法を提供することである。すなわち、本発明
は、薄板製品で介在物性欠陥が発生しないための鋳片内
介在物条件を満足する鋳片とその鋳片の製造方法であ
り、特に、薄鋼板用鋳片で制約を受ける、MnやSi含
有量に依存しない、介在物性欠陥の少ない鋳片とその製
造方法を提供することを課題とする。
を添加する前に、減圧雰囲気でC脱酸を行なって溶鋼中
の酸素濃度を低減して、その後、脱酸材としてTi、C
aの順で金属または合金として添加して脱酸し、その後
Alを添加することにより、53μm以上の酸化物介在
物の個数が200個/kg以下で、かつ、その内、アル
ミナクラスタ介在物の個数が20個/kg以下の鋳片に
して、製品加工において、介在物欠陥の発生を防止する
ものであり、その手段1は、C:0.001〜0.2重
量、Mn:0.01〜0.5重量%、Si:0.001
〜0.5重量%、P:0.001〜0.3重量%、S:
0.0005〜0.05重量%、Al:0.006重量
%以下、Ti:0.005〜0.06重量%、Ca:
0.0005〜0.01重量%、N:0.0005〜
0.01重量%、酸素:0.0005〜0.0050重
量%を含み、残部鉄および不可避的不純物からなる炭素
鋼で、鋳片中の酸化物系介在物のうち、53μm以上の
介在物の個数が200個/kg以下で、かつ、その内、
アルミナクラスタ介在物の個数が20個/kg以下であ
ることを特徴とする介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片
である。
0.10重量%、V:0.005〜0.20重量%、C
r:0.01〜0.50重量%、Mo:0.01〜0.
50重量%、Cu:0.01〜0.50重量%、Ni:
0.01〜0.50重量%、B:0.0002〜0.0
020重量%の一種または二種以上を含有せしめるもの
である。
%、Mn:0.01〜0.5重量%、Si:0.001
〜0.5重量%、P:0.001〜0.3重量%、S:
0.0005〜0.05重量%、Al:0.006重量
%以下、Ti:0.005〜0.06重量%、Ca:
0.0005〜0.01重量%、N:0.0005〜
0.01重量%、酸素:0.0005〜0.0050重
量%を含み、残部鉄および不可避的不純物からなる炭素
鋼溶鋼を連続鋳造設備で鋳造して鋳片を製造する際に、
脱炭を行なった溶鋼を、減圧雰囲気でC脱酸を行なって
該溶鋼中の酸素濃度を300ppm以下とし、その後、
Ti、Caの順で金属または合金として添加して脱酸す
る介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片の製造方法であ
る。
0.10重量%、V:0.005〜0.20重量%、C
r:0.01〜0.50重量%、Mo:0.01〜0.
50重量%、Cu:0.01〜0.50重量%、Ni:
0.01〜0.50重量%、B:0.0002〜0.0
020重量%の一種または二種以上を含有せしめるもの
である。
%、Mn:0.01〜0.5重量%、Si:0.001
〜0.5重量%、P:0.001〜0.3重量%、S:
0.0005〜0.05重量%、Al:0.006重量
%以下、Ti:0.005〜0.06重量%、Ca:
0.0005〜0.01重量%、N:0.0005〜
0.01重量%、酸素:0.0005〜0.0050重
量%を含み、残部鉄および不可避的不純物からなる炭素
鋼溶鋼を連続鋳造設備で鋳造して鋳片を製造する際に、
脱炭を行なった溶鋼を、減圧雰囲気でC脱酸を行なって
該溶鋼中の酸素濃度を300ppm以下とし、その後、
MnまたはMn,SiまたはMn,Siそして溶鋼中の
Al濃度が0.006重量%以下となるように微量Al
を金属または合金として添加して脱酸を行ない、次にT
iを金属または合金として添加して脱酸し、更にCa金
属または合金として添加して脱酸する介在物性欠陥の少
ない薄鋼板用鋳片の製造方法である。
1〜0.10重量%、V:0.005〜0.20重量
%、Cr:0.01〜0.50重量%、Mo:0.01
〜0.50重量%、Cu:0.01〜0.50重量%、
Ni:0.01〜0.50重量%、B:0.0002〜
0.0020重量%の一種または二種以上を含有せしめ
るものである。
介在物性欠陥の発生しにくい鋳片の介在物条件について
検討した。ここで、介在物とは、製品欠陥に悪影響を与
えやすい酸化物系のものを示す。鋳片内の介在物個数が
多くなると、製品での介在物性欠陥が発生しやすくな
る。そこで、鋳片内の介在物の大きさや個数と製品欠陥
発生との関係を調査した結果、図1に示すように、鋳片
内の介在物のうち、53μm以上の大きさのものが、鋳
片1kgあたり200個以下で、しかも、53μm以上
のアルミナクラスタが、鋳片1kg当たり20個以下で
あると製品欠陥発生率が極めて低い。
上の介在物が鋳片1kgあたり200個超、アルミナク
ラスタが鋳片1kg当たり20個超である場合)には製
品欠陥発生率が高い、すなわち製品欠陥が発生しやすい
傾向にあることが判明した。
子が凝集したもので、この集合体を1個と数える。一般
的にAl脱酸後の生成物であるアルミナは、一つ一つの
粒子は小さいが、生成後すぐに粒子どうしが凝集し、ク
ラスタ状となってサイズが大きくなる。また、このクラ
スタは、構成粒子どうしの間に鉄を含むので、比重が大
きく浮上しにくい。また、アルミナクラスタのほうが他
の介在物よりも、製品欠陥に与える影響が大きい。な
お、53μmという数字は、介在物分析法におけるフィ
ルターの編み目のサイズである。
るために、発明の条件を規定した理由を述べる。Cは鋼
の強度を持たす為に用いられる元素であるが、薄板向け
では深絞り用鋼板等でCを極力低減させたほうが望まし
い場合もある。しかしながら、Cが0.001重量%以
下では本発明におけるC脱酸が非常に困難になるので、
下限を0.001重量%とし、上限は板材で用いられる
最大炭素量として0.2重量%とした。
化を抑制するために必要であり、上限はハイテン材等で
使用される場合の最大値0.5重量%とした。また、下
限は不可避的に混入するために0.01重量%とした。
Siも強度を得るためや高温特性を改善するために用い
られる元素であり、上限は0.5重量%とした。また、
不可避的に混入するためその下限を0.001重量%と
した。
いほうが望ましいが、不可避的に混入するため下限値
0.001重量%が現実的である。しかしながら、鋼の
強度や耐食性向上の観点から多量のP添加を求められる
場合があるので、その上限を0.3重量%とした。これ
以上では、Pによる脆化の影響が強くなる。Sも同様に
製品特性に害をなす場合が多く、極力低位とすることが
望ましいが、不可避的に混入するため下限値0.000
5重量%が現実的である。また上限は連続鋳造時の割れ
を防ぐために0.05重量%とした。
いるが、鋳片中の酸化物系介在物のうち、53μm以上
の介在物の個数が200個/kg以下であり、かつその
内、アルミナ粒子が2個以上合体したアルミナクラスタ
介在物の個数が20個/kg以下であることを満たすた
めには、本発明では極力Alを脱酸元素として用いない
ことが、基本思想である。しかしながら、不可避的に混
入される場合があったり、後述のようにスラグ改質のた
めにスラグ中にAlを添加した時に溶鋼中にもAlがつ
いてしまう場合がある。そこで、上限を0.006重量
%とした。Al含有量を0.006重量%以下に制限す
れば、TiとCaの効果が阻害されない。
る。鋳片中の酸化物系介在物のうち、53μm以上の介
在物の個数が200個/kg以下であり、かつその内、
アルミナ粒子が2個以上合体したアルミナクラスタ介在
物の個数が20個/kg以下であることを満たすために
は、Alを脱酸材として用いるのではなく、後述するよ
うにTiやCaを用いる必要があることを、発明者らは
知見した。
0.005重量%とし、上限については、多量に添加す
るとCa脱酸の効果を阻害するので、0.06重量%と
規定した。Caについても、十分な脱酸効果を得るため
に、下限値は0.0005重量%とした。上限値は、過
剰に入れても効果が飽和するレベルとして0.01重量
%とした。
晶粒の成長を抑えることに利用される。この観点から用
いられている添加量の上限値として、0.01重量%と
した。また、不可避的に混入される分を考慮して、下限
値として0.0005重量%とした。
の酸化物系介在物として含まれる分である。製品で有害
となる53μm以上の介在物については、極力少ないほ
うが望ましいが、大きな介在物が少なくなれば、必ず酸
素量が低くなるという訳ではない。すなわち、製品に無
害な微細介在物が多数あっても、酸素量は高くなる。従
って、酸素量があるレベル以下では、必ずしも酸素量は
介在物個数の指標とは成り得ないが、酸素値が非常に高
い場合には、大きな介在物個数が多くなる傾向が見られ
るので、上限を0.0050重量%とした。また、下限
については、不可避的に混入する分を考慮して、0.0
005重量%とした。
であるが、強度や耐食性、焼き入れ性を初めとする材料
の諸特性を向上させるために、鋼の用途に応じてNb、
V、Cr、Mo、Cu、Ni、Bの一種または二種以上
を添加しても、本発明の効果は何ら損なわれるものでは
ない。すなわち、その添加量の範囲は、Nb:0.00
1〜0.10重量%、V:0.005〜0.20重量
%、Cr:0.01〜0.50重量%、Mo:0.01
〜0.50重量%、Cu:0.01〜0.50重量%、
Ni:0.01〜0.50重量%、B:0.0002〜
0.0020重量%とする。
中に含まれる場合もあるが、当該1元素につき10pp
mまでなら、含まれても本発明の効果に影響を与えるこ
とはない。
元素が100%溶鋼中に含まれることになるわけではな
いので、歩留を考慮して余分に添加する必要がある。ま
た、添加方法については、特に規定はしない。上記条件
を満足するように鋼中に含有できる方法であれば、どの
ような方法でも構わない。また、鋳片中の酸化物系介在
物のうち、53μm以上の介在物の個数を200個/k
g以下とし、かつその内のアルミナクラスタの個数を2
0個/kg以下としたのは、図1に示したように、製品
欠陥の発生率が小さくなる条件から決定したものであ
る。
たすための製造方法について検討した。発明者らは、ま
ず脱酸元素について着目した。溶鋼の脱酸元素として
は、一般にAlが広く用いられている。しかしながら、
Al脱酸後の生成物であるアルミナは、一つ一つの粒子
は小さいが、生成後すぐに粒子どうしが凝集し、クラス
タ状となってサイズが大きくなる。また、このクラスタ
は、構成粒子どうしの間に鉄を含むので、比重が大きく
浮上しにくい。従って、Al脱酸で生成したアルミナ介
在物を浮上・除去するためには、静置時間を非常に長く
とる、Arガスを多量に溶鋼中へ吹き込んで、ガスと介
在物を合体させて浮上を促進する等の対策が必要であっ
た。
いないことを考え、Alに代わる脱酸元素として、Ca
に着目した。Caで脱酸すると、脱酸生成物であるCa
Oが生成するが、そのサイズが他の脱酸元素に較べて小
さい特徴がある。しかしながら、このCaOのサイズ
は、Ca添加前の溶鋼酸素濃度に大きく依存する。
くなるCa添加前の溶鋼酸素濃度について、ラボ実験に
より求めた。鋼の成分は0.04%C−0.0010%
NでTi,Ca,酸素量を変化させた。なお、他の成分
は含まれていない。図2には、Ca脱酸直後のCaO介
在物平均粒径と、Ca脱酸前の溶鋼酸素濃度の関係を示
すが、溶鋼酸素濃度が50ppm以下の場合に、生成し
たCaO介在物の平均サイズが10μm以下と非常に小
さくなることが判った。
pm以下に制御する手段について検討した。熱力学的に
検討すると、溶鋼酸素濃度を50ppm以下にするため
には、Siよりも酸素親和力の強い脱酸元素を選択する
のが良い。これは、Siを0.5重量%と比較的多量に
入れて脱酸した時に、溶鋼温度1600℃で熱力学的に
平衡する溶鋼酸素濃度が約70ppmであることから推
測出来る。
i,Al,Mg,Caが挙げられるが、Caはその後の
脱酸で用いるので、除外される。また、MgはCaに近
い強脱酸元素なので、除かれる。また、Alについて
は、脱酸元素として用いないことが本発明の基本思想で
あるから除いた。以上の考察から、Ca添加前の溶鋼酸
素濃度を50ppm以下に制御する手段として、Tiを
用いることにした。Ti脱酸は、脱酸するために必要な
濃度が数百ppmと、MnやSiの場合に較べて非常に
少ないことも特徴である。
脱酸と同様に、Ti添加前の溶鋼酸素濃度が、生成する
Ti酸化物のサイズに大きく影響する。すなわち、溶鋼
酸素濃度が高い場合には、生成するTi酸化物が大きい
ものになり、本発明の意図と矛盾することになる。そこ
で、発明者らは、Ti酸化物のサイズが小さくなるTi
添加前の溶鋼酸素濃度について、ラボ実験により求め
た。図3には、Ti脱酸直後のTi酸化物の平均粒径
と、Ti脱酸前の溶鋼酸素濃度の関係を示すが、溶鋼酸
素濃度が300ppm以上では、生成したTi酸化物の
サイズが急激に大きくなることが判った。従って、Ti
添加前の溶鋼酸素濃度を300ppm以下とする必要が
あることが判明した。
ppm以下に制御する手段について検討した。熱力学的
に検討すると、溶鋼酸素濃度を300ppm以下にする
ためには、Mn脱酸やSi脱酸が挙げられるが、本発明
が対象とする薄鋼板用鋳片では、材質上MnやSi濃度
を低く制約される場合がある。従って、MnやSi濃度
に依存しない脱酸法を考える必用があった。
を行なうことにより、溶鋼酸素濃度を300ppm以下
にすることを考えた。C脱酸平衡から検討すると、例え
ばC濃度0.04重量%の場合、溶鋼温度1600℃で
雰囲気中のCO分圧が約0.4であれば、平衡する溶鋼
酸素濃度は約300ppmとなり、本発明で要求される
条件を満足する事が出来る。C脱酸は、脱酸生成物がC
Oガスであるため、溶鋼中に残留して介在物とならない
ことも大きな特徴である。
Siおよび微量Alを添加してからTi添加をしても構
わない。ここで、微量Alとは、添加した後、溶鋼中の
濃度で0.006重量%以下の場合であり、介在物生成
に大きな悪影響を与えないので、Ti添加前にAlを添
加して脱酸しても構わない。また、脱酸を行なう前に、
取鍋内溶鋼上のスラグにCaOやAlを添加して、スラ
グ中の酸素ポテンシャルを低下させる、いわゆるスラグ
改質を行なうことは、本発明の効果にとっても有利な方
法であり、スラグ改質を行なうほうが、更なる介在物個
数の低減と介在物の微細化が期待できる。
件で製造し、得られた鋳片の介在物個数と、鋳片を圧延
して得られた鋼板および、それを素材として加工した場
合の結果について調査した。調査方法としては、表4に
示した方法で行なった。なお、水準A−1、C−1、G
−1はスラグ改質として、C脱酸前に、取鍋内のスラグ
上に、溶鋼300tにつきCaOを1.5t、Alを5
00kg添加した。また、F−1ではMn,Si,微量
をAlをC脱酸後Ti添加前に添加し、D−1,E−1
ではMn,SiをC脱酸後Ti添加前に添加した。
の条件を満たす場合には、鋳片内の介在物個数が少な
く、表面疵や内部欠陥による不合格が発生せず、更に加
工時の欠陥も発生しないという良好な結果が得られた。
は、次の通り問題のある結果となった。すなわち、比較
材B−2、E−2では、脱酸用合金元素であるTi,C
aの添加前にC脱酸を行なっていないので、結果的に脱
酸用合金元素添加前の溶鋼酸素濃度が300ppmより
高くなり、Ti−Caの順序で添加を行なっても、鋳片
内介在物個数が多くなっている。
素添加前にC脱酸を行なったにもかかわらず、脱酸用合
金元素添加前の溶鋼酸素濃度が300ppm以下を満た
していないので、鋳片内介在物個数が多くなっている。
比較材C−2、F−2では、脱酸元素の添加順序が本発
明を満たしていなかったので製品加工時に欠陥が発生し
た。
発明を満たさないため、またH−1ではAlが高く、本
発明を満たさないため、I−1ではTi、酸素の濃度が
高く本発明を満たしていないために、鋳片内介在物個数
が多くなっている。特にH−1の場合には、53μm以
上の介在物個数は、条件を満たしているが、アルミナク
ラスタ個数が本発明範囲よりも多くなっている。
には、鋳片内介在物の個数が多く、圧延後のコイル欠陥
や製品加工時の欠陥も発生している。ここで、表3中の
加工欠陥の欄で、−印となっているものは、コイル段階
で不合格になったために、製品にはならず、加工に至ら
なかったものである。
個数が大幅に減少した薄鋼板用鋳片であることから、圧
延後の鋼板に介在物に起因する欠陥や製品加工時の欠陥
が非常に少なくなり、良好な製品を得ることが可能とな
って、製品歩留を向上出来る。更に、本発明により、介
在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片の製造を確実に行うこ
とが可能となる。
示した図。
係を示した図。
係を示した図。
Claims (6)
- 【請求項1】 C:0.001〜0.2重量%、Mn:
0.01〜0.5重量%、Si:0.001〜0.5重
量%、P:0.001〜0.3重量%、S:0.000
5〜0.05重量%、Al:0.006重量%以下、T
i:0.005〜0.06重量%、Ca:0.0005
〜0.01重量%、N:0.0005〜0.01重量
%、酸素:0.0005〜0.0050重量%を含み、
残部鉄および不可避的不純物からなる炭素鋼で、鋳片中
の酸化物系介在物のうち、53μm以上の介在物の個数
が200個/kg以下で、かつ、その内、アルミナクラ
スタ介在物の個数が20個/kg以下であることを特徴
とする介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片。 - 【請求項2】 Nb:0.001〜0.10重量%、
V:0.005〜0.20重量%、Cr:0.01〜
0.50重量%、Mo:0.01〜0.50重量%、C
u:0.01〜0.50重量%、Ni:0.01〜0.
50重量%、B:0.0002〜0.0020重量%の
一種または二種以上を含有せしめることを特徴とする請
求項1記載の介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片。 - 【請求項3】 C:0.001〜0.2重量%、Mn:
0.01〜0.5重量%、Si:0.001〜0.5重
量%、P:0.001〜0.3重量%、S:0.000
5〜0.05重量%、Al:0.006重量%以下、T
i:0.005〜0.06重量%、Ca:0.0005
〜0.01重量%、N:0.0005〜0.01重量
%、酸素:0.0005〜0.0050重量%を含み、
残部鉄および不可避的不純物からなる炭素鋼溶鋼を連続
鋳造設備で鋳造して鋳片を製造する際に、脱炭を行なっ
た溶鋼を、減圧雰囲気でC脱酸を行なって該溶鋼中の酸
素濃度を300ppm以下とし、その後、Ti、Caの
順で金属または合金として添加して脱酸することを特徴
とする、介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片の製造方
法。 - 【請求項4】 Nb:0.001〜0.10重量%、
V:0.005〜0.20重量%、Cr:0.01〜
0.50重量%、Mo:0.01〜0.50重量%、C
u:0.01〜0.50重量%、Ni:0.01〜0.
50重量%、B:0.0002〜0.0020重量%の
一種または二種以上を含有せしめることを特徴とする請
求項3記載の介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片の製造
方法。 - 【請求項5】 C:0.001〜0.2重量%、Mn:
0.01〜0.5重量%、Si:0.001〜0.5重
量%、P:0.001〜0.3重量%、S:0.000
5〜0.05重量%、Al:0.006重量%以下、T
i:0.005〜0.06重量%、Ca:0.0005
〜0.01重量%、N:0.0005〜0.01重量
%、酸素:0.0005〜0.0050重量%を含み、
残部鉄および不可避的不純物からなる炭素鋼溶鋼を連続
鋳造設備で鋳造して鋳片を製造する際に、脱炭を行なっ
た溶鋼を、減圧雰囲気でC脱酸を行なって該溶鋼中の酸
素濃度を300ppm以下とし、その後、MnまたはM
n、SiまたはMn、Siそして溶鋼中のAl濃度が0.
006重量%以下となるように微量Alを金属または合金
として添加して脱酸を行ない、次にTiを金属または合
金として添加して脱酸し、更にCa金属または合金とし
て添加して脱酸することを特徴とする、介在物性欠陥の
少ない薄鋼板用鋳片の製造方法。 - 【請求項6】 Nb:0.001〜0.10重量%、
V:0.005〜0.20重量%、Cr:0.01〜
0.50重量%、Mo:0.01〜0.50重量%、C
u:0.01〜0.50重量%、Ni:0.01〜0.
50重量%、B:0.0002〜0.0020重量%の
一種または二種以上を含有せしめることを特徴とする請
求項5記載の介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32438998A JP3537685B2 (ja) | 1998-10-30 | 1998-10-30 | 介在物性欠陥の少ない薄鋼板用鋳片およびその製造方法 |
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