JP3536644B2 - 易開封性包材及び包装袋 - Google Patents

易開封性包材及び包装袋

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JP3536644B2
JP3536644B2 JP02828998A JP2828998A JP3536644B2 JP 3536644 B2 JP3536644 B2 JP 3536644B2 JP 02828998 A JP02828998 A JP 02828998A JP 2828998 A JP2828998 A JP 2828998A JP 3536644 B2 JP3536644 B2 JP 3536644B2
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thermoplastic resin
laminate
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秀夫 倉島
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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    • B65D65/00Wrappers or flexible covers; Packaging materials of special type or form
    • B65D65/38Packaging materials of special type or form
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    • B65D75/00Packages comprising articles or materials partially or wholly enclosed in strips, sheets, blanks, tubes, or webs of flexible sheet material, e.g. in folded wrappers
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  • Packages (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、易開封性包材及び
それを用いた易開封性包装袋に関するもので、より詳細
には、分子配向された熱可塑性樹脂から成る外表面層
と、熱封緘性熱可塑性樹脂から成る内表面層とから成る
積層体から成り、保存性に優れ、包材の損耗等を実質上
生じることなしに、更にはシール部のシール強度や耐衝
撃強度等を低下させることなしに、易開封性を付与した
包材及びそれを用いた包装袋に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品類やその他の小型の製品類を
収納する包装袋として、プラスチックフィルム同士、或
いは更に紙、金属箔等積層して成る積層体の袋が広く使
用されており、これらの積層袋は内容物を充填後、ヒー
トシールによる密封を容易に行うことができると共に、
気密性や破袋強度にも優れているという利点がある。
【0003】しかしながら、プラスチックフィルムは引
き裂き強度が大きく、内容物の取り出し時に手による引
き裂きがしばしば困難になるという問題がある。
【0004】このため、手による引き裂き性を付与した
包装袋、所謂易開封性包装袋も古くから使用されてい
る。易開封性包装袋の最も代表的なものは、ヒートシー
ル端縁部にノッチと呼ばれる切り欠き部を設けたもので
あり、ノッチの先端部に応力集中が生じて、積層体の切
り裂きによる開封が比較的容易に行われるものである。
【0005】しかしながら、このタイプの易開封性包装
袋では、ノッチを設けた部分のシール幅が当然のことな
がら減少し、袋のこの部分の強度が減少するのを避け得
なく、これを防止するためには、シール端縁部のシール
幅を十分大きくとり、ノッチ形成部のシール部の残留幅
を十分に確保する必要があり、このために、包材の使用
量が多くなるという問題がある。また、ノッチの形成に
伴って切り欠き屑が発生することも問題であり、この切
り欠き屑が製品に混入しないように、格別の除去手段や
監視手段が必要となる。
【0006】また、袋自体に手による引き裂き性を付与
した包装袋、所謂易開封性包装袋も古くから使用されて
いる。易開封性包装袋の最も代表的なものは、分子配向
を付与した一軸延伸フィルムを、分子配向方向と袋の引
き裂き方向とが合致するように貼り合わせた積層シート
を使用するものであり、一軸延伸フィルムが延伸方向に
引き裂きやすいという性質を利用するものである。
【0007】上記積層シートを用いた易開封性包装袋
は、破袋強度や易引き裂き性の点では問題ないとして
も、単に線状開封予定部に易引き裂き性を付与するため
に、製袋用シートの全面に一軸配向フィルムを貼り合わ
せる必要があり、そのため、易開封性包装袋のコストが
高くなり、また貴重な資源を浪費するなど、決して好ま
しいものではなかった。また、引裂きは直線状のものに
限られた。
【0008】レトルト食品用易開封性包装袋は、今日で
はごく一般的なものであるが、その普及と共に、材料の
節約、コストの低減が厳しく要求されている。
【0009】ノッチ付き包装袋の上記欠点を解消するも
のとして、包装袋の開封開始部乃至その近傍に、ノッチ
以外の弱化部を形成することも既に知られており、例え
ば、特公昭61−39228号公報には、少なくとも3
方、合掌貼り、両端縁シール部を融着して成るプラスチ
ック製密封小分け袋において、袋を構成するシートの融
着部に多数の傷痕が実質的に端縁線上に密集して設けら
れている密封小分け袋が記載されている。また、上記の
傷痕の代わりに微細な孔を多数設けることも知られてい
る。
【0010】袋の切り裂き予定部に開口線をレーザ等に
より形成させることも既に知られており、特開昭62−
222835号公報には、液体用紙容器のブランク成形
後、外部ランクの垂直部上端辺付近に、表層側から全周
にわたって略水平方向に炭酸ガスレーザを照射し、幅1
mm以下の薄肉溝から成る開口線を形成することを特徴
とする液体用紙容器の開口線形成方法が記載されてい
る。
【0011】また、特開平4−327139号公報に
は、両端縁に熱融着部を有する包装袋であって、包装袋
の表裏両面の、相互に対応する位置に形成した引き裂き
誘導溝の夫々の端縁を、前記熱融着部の側端縁より約1
mm以上の間隔を置いて位置させて成る易開封性包装袋
が記載されており、上記誘導溝はレーザにより形成され
ることも記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、開封開
始部或いは切り裂き予定部に弱化部を形成させる従来の
手段では、包材の強度と易開封性とをバランスよく両立
させることがしばしば困難であるという事実に直面す
る。即ち、易開封性包装袋に要求される特性は、引き裂
きのための切れ目を容易に導入し、且つ引き裂きを線状
開封予定部に沿って正しく案内することであるが、前述
した刃物等により開封開始部を弱化する手段やレーザに
より溝等を形成する手段では、引き裂き性は向上して
も、これと同時に弱化部に応力が集中して、落下やその
他の衝撃に対する強度も同時に低下してしまうという問
題がある。
【0013】また、これらの加工方式では、加工の制御
が非常に困難であり、また加工屑が発生するという問題
がある。例えば、刃物による加工方法では、細かく鋭い
刃を多数並べた刃物や一枚の刃物を包材に押しつけて、
加工を行うが、押しつけの力加減により切断厚みが大き
く変化するという問題がある。また、これを解消するた
めには、加工機の機械的精度を高める必要があるが、そ
のために生産性が低下したり、装置コストが高くなると
いう問題もある。更に、切断や磨耗のために、細かな包
材の粉が多数発生したり、これが製品に混入するという
問題もある。
【0014】更に、レーザによる加工方法では、レーザ
光を、プラノコンベックスレンズ等により、包材表面に
0.2mm程度のスポットに集光して、包材表面のプラ
スチックを揮散させ、これにより溝或いは線を形成させ
るが、包材位置が上下に僅かに変動した場合にも、包材
が全て或いは過度に切断されてしまう場合があり、加工
状態を一定にするためには、加工機の精度を非常に高め
る必要があり、生産性が低下したり、装置コストが高く
なるという問題もある。さらに、包材の一部が高温で昇
華し、ヒュームが発生し、包材に付着するという問題も
あり、これを防止するために、ヒュームの排気が必要で
ある。さらに、袋の表裏における細溝がわずかでもずれ
ると引裂きが困難になったり、引裂きが細溝からはずれ
てしまうなどの支障を生じる。また、金属箔を用いた積
層体の場合には、箔が露出し、外面側の耐食性を著しく
損なうという問題点がある。更に、細くスコア状の溝を
設けたものでは、この部分が局部的に屈曲し易くなり、
流通の際などに箔が疲労し、線状に破断するという問題
点を生ずる。
【0015】本発明者らは、包装袋用の積層体として、
少なくとも1層の分子配向熱可塑性樹脂層及び分子配向
熱可塑性樹脂よりも内側の熱封緘性熱可塑性樹脂層から
なる積層体を使用し、以下に述べる山及び谷が特定の関
係となるように、レーザビームを照射するときには、内
容物の保存性や、耐衝撃性に優れており、しかも引き裂
き開始性や引き裂き案内性に優れた易開封性包材及び包
装袋が得られることを見い出した。
【0016】即ち、本発明の目的は、それ自体内容物の
保存性に優れていると共に、包材の損耗等を実質上生じ
ることなしに、更には加工部のシール強度や耐衝撃強度
等を低下させることなしに、易開封性、即ち易引き裂き
開始性や易引き裂き案内性を付与した包材及び包装袋を
提供するにある。
【0017】本発明の他の目的は、易引き裂き性の付与
を、格別の面倒な制御を必要とすることなしに容易にし
かも高生産性を以て行うことが可能な易開封性包材及び
包装袋を提供するにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも1層の分子配向熱可塑性樹脂層、及び分子配向熱可
塑性樹脂層よりも内側の熱封緘性熱可塑性樹脂層である
積層体から形成された包材であって、前記分子配向熱可
塑性樹脂層の側には、断面が少なくとも1個の谷部乃至
凹部と谷部乃至凹部両側の山部乃至凸部とから成る溶融
弱化部が形成され、前記分子配向熱可塑性樹脂層の厚み
をt0 、谷部乃至凹部の最薄肉部分の厚みをt1 、山部
乃至凸部頂部の厚みをt2 としたとき、t1 /t0 の値
が0.9乃至0.1、特に0.8乃至0.5であり且つ
2 /t0 の値が1.05乃至2.0、特に1.1乃至
1.8であることを特徴とする易開封性包材が提供され
る。
【0019】本発明によればまた、包材が、熱封緘性熱
可塑性樹脂層が対面するように重ね合わされ且つ前記溶
融弱化部が引き裂き開始部或いは引き裂き案内部となる
ように製袋して成る易開封性包装袋が提供される。
【0020】本発明における前記溶融弱化部は、包装袋
の引き裂きが行われる場所に設ければよく、例えば引き
裂き開始部、引き裂き案内部に形成することができる。
また、包装袋においては、前記溶融弱化部が、対面する
積層体の両側に、重なる位置関係で設けられていること
が好ましい。
【0021】本発明の包材及び包装袋においては、最薄
肉部分を通る断面において山部乃至凸部頂部と対向する
山部乃至凸部頂部との間の距離が10乃至3000μ
m、特に30乃至1500μmであることが好ましい。
【0022】また、前記溶融弱化部において、谷部乃至
凹部が分散相及び山部乃至凸部が連続相の関係に設けら
れていてもよく、或いは前記谷部乃至凹部及び山部乃至
凸部が線状或いはミシン目状に形成されていてもよい。
更に、谷部乃至凹部が微小間隔の山部乃至凸部を介して
並んだストライプ状或いは長さ方向に断続したストライ
プ状に形成されていてもよく、この場合、谷部乃至凹部
のピッチが20乃至3000μm、特に50乃至200
0μmの範囲にあることが好ましい。
【0023】更に、好適な例として、溶融弱化部が、両
側の高い山部乃至凸部(A)と、山部乃至凸部(A)間
に交互に形成された複数の谷部乃至凹部(B)及び複数
の低い山部乃至凸部(C)とから成っていてもよい。
【0024】本発明に用いる積層体では、 1.分子配向熱可塑性樹脂層が、少なくとも一軸方向に
延伸されたポリエステル、ポリアミド或いはオレフィン
系樹脂のフィルムから成ること、 2.分子配向熱可塑性樹脂層が少なくとも2層から成り
且つこの層間に印刷インク層が形成されていること、 3.分子配向熱可塑性樹脂層と熱封緘性熱可塑性樹脂層
との間に金属箔が設けられていること、が好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明では、包材として、少なく
とも1層の分子配向熱可塑性樹脂層及び分子配向熱可塑
性樹脂層よりも内側の熱封緘性熱可塑性樹脂層からなる
積層体を使用する。
【0026】本発明において、分子配向された熱可塑性
樹脂を用いるのは、熱可塑性樹脂の分子配向が、積層体
の機械的強度や耐衝撃性、ガスバリアー性、耐熱性、透
明性等を高めるからである。更に、熱可塑性樹脂の一軸
配向は、配向方向への引き裂き性を向上させる作用もあ
る。尚、分子配向熱可塑性樹脂よりも内側に施された熱
封緘性樹脂層は、包材にヒートシール性を付与するため
のものである。
【0027】本発明では、積層体の外側に設けた樹脂層
が有する分子配向を利用して、溶融弱化層を形成させ
る。熱可塑性樹脂層が分子配向、特に二軸配向された状
態では、樹脂層の引き裂き強度も当然向上しているが、
本発明では、積層体の外側に位置する樹脂層を溶融し、
この分子配向を緩和乃至消失せしめることにより、この
溶融部分に対して選択的に引き裂きに対して弱化された
部分を形成させることが可能となるのである。
【0028】本発明における溶融弱化部並びにその寸法
関係を説明するための図1(拡大断面図)において、分
子配向熱可塑性樹脂層2の表面には、溶融弱化部6が形
成されており、この溶融弱化部6は、断面が少なくとも
1個の谷部乃至凹部7と谷部乃至凹部両側の山部乃至凸
部8a、8bとから成っている。
【0029】この溶融弱化部6における谷部乃至凹部7
と山部乃至凸部8a、8bとの形成は、分子配向熱可塑
性樹脂層に、実質上樹脂の揮散は生じないが、樹脂の溶
融が生じる程度のエネルギー強度のレーザビームを照射
した場合にのみ起こる特有の現象であり、この現象がど
うして生じるのかは、未だ不明の点があるが、ビームが
照射されて溶融された樹脂が、その近傍の配向樹脂に引
っ張られて(一種の収縮を生じて)、谷部乃至凹部7と
山部乃至凸部8a、8bとを形成するものと思われる。
【0030】溶融弱化部6における谷部乃至凹部7で
は、樹脂が溶融されて配向が消失していることに加え
て、厚みが減少していることにより、引き裂きが容易と
なっており、一方山部乃至凸部8a、8bでは、配向が
幾分残存していると共に、厚みが増大していることによ
り、引き裂きに対する抵抗性がある。このため、谷部乃
至凹部7を介して引き裂きが行われ、山部乃至凸部8
a、8bは溶融弱化部6以外に引き裂きが伝搬するのを
防止する。
【0031】本発明では、引き裂き開始部乃至引き裂き
案内部以外の位置における分子配向熱可塑性樹脂層2の
厚みをt0 、引き裂き開始部乃至引き裂き案内部におけ
る谷部乃至凹部の最薄肉部分の厚みをt1 、山部乃至凸
部頂部の厚みをt2 としたとき、t1 /t0 の値が0.
9乃至0.1、特に0.8乃至0.5であり且つt2
0 の値が1.05乃至2.0、特に1.1乃至1.8
とすることも重要である。
【0032】即ち、t1 /t0 の値が上記範囲よりも大
きい場合には、引き裂き開始性や引き裂き案内性の点で
不十分である。一方、この値が上記範囲よりも小さい
と、溶融弱化部の破袋強度や耐衝撃性が上記範囲内にあ
る場合に比してかなり低下すると共に、金属箔の保護が
不十分となるので好ましくない。また、t2 /t0 の値
が上記範囲よりも下回ると、溶融弱化部の保護効果が失
われて、溶融弱化部に対して直角方向への強靱性が低下
し、破袋強度が低下すると共に、引裂きの案内性も低下
しやすい。一方、この値が上記範囲を上回ると、谷部乃
至凹部への応力集中が生じやすくなると共に、加工も困
難となるので実際的でない。
【0033】本発明においては、図2において、山部乃
至凸部の断面積をS1 及び谷部乃至凹部の断面積をS2
としたとき、S1 /S2 の比が0.5乃至1.5の範囲
にあることが十分な強度を保持しながら、引き裂き性を
向上させるために好ましい。フォーカスビームなどのよ
うにエネルギー密度の高いレーザビームでは、山部乃至
凸部は、熱影響が大きいため多くなり、その断面積S1
は、谷部乃至凹部の断面積S2 よりは通常大きくなり、
それらの面積比S1 /S2 は1.5よりも大きくなる。
これに対して、カライドスコープによるレーザビーム
や、シリンドリカルレンズによるレーザビームでは、山
部乃至凸部への熱影響が小さくなり、前記面積比S1
2 は0.5乃至1.5の値となる。
【0034】実際の測定値を下記に示す。 レーザ光源 断面積比 S1 /S2 フォーカスビーム5W 1.78 フォーカスビーム10W 1.91 デフォーカスビーム10W 0.90 カライド100W6mmGAP 1.25 0.38 カライド100W1mmGAP 0.81 0.65 カライド120W1mmGAP 1.29 1.19 0.91
【0035】本発明における引き裂き開始部或いは引き
裂き案内部における溶融弱化は、引き裂き方向を横切る
方向の幅dが1mmよりも大きい範囲にわたって連続的
に或いは不連続的に面方向に分布して行われていること
が好ましい。即ち、溶融のための熱を1mmよりも広い
範囲にわたって分散させることにより、局部的な加熱に
よる溶断や樹脂の蒸発揮散を回避することが可能となる
のみならず、引き裂き開始位置や案内位置のずれに対す
る許容度を増大させて、円滑な引き裂きを可能にして易
開封性を向上させ、更に溶融弱化樹脂層に加わる応力を
分散させて衝撃等による偶発的な破袋を防止することも
可能となる。また、表側の積層体に設けた溶融樹脂弱化
層位置と、裏側に設けた溶融樹脂弱化層の位置との間に
多少のズレがあったとしても、幅が1mmよりも大きい
ため、両者の重なり合いを確保し、円滑且つ確実な引き
裂きによる開封が可能となる。1mmよりも広い範囲に
溶融弱化加工を行う場合、加工線が1本の場合は、山部
乃至凸部頂部と対向する山部乃至凸部頂部との間の距離
が1mmより大きくなる。また、ストライプ状の複数本
の加工が行われる場合は、本数が多いほど、山部乃至凸
部頂部と対向する山部凸部頂部との間の距離は小さくな
る傾向になる。しかし、前記距離が10μmより小さく
なると、引裂きの効果が小さくなる。
【0036】本発明においては、引き裂き開始部乃至引
き裂き案内部の外表面樹脂層は、ほぼ規則的に配列され
た微細なドット状或いはストライプ状の溶融弱化樹脂部
となるように加工されていることが特に好ましい。この
ような樹脂溶融弱化層では、熱可塑性樹脂の分子配向部
と溶融部とが混在し、両者の利点が組み合わせで達成さ
れるからである。尚、この場合の引き裂きは、ドット或
いはストライプを通る形で行われることになる。また、
前記ドット状或いはストライプ状の弱化樹脂層が20乃
至3000μmのピッチを有することが、袋の破袋強度
を低下させずに、易引き裂き性を付与するために好まし
い。
【0037】本発明における好適な引き裂き開始部及び
引き裂き案内部の断面構造を示す図3において、溶融弱
化部6は、両側の高い山部乃至凸部8a、8b(A)
と、山部乃至凸部8a、8b(A)間に交互に形成され
た複数の谷部乃至凹部9(B)及び複数の低い山部乃至
凸部10(C)とから成っている。この形状の溶融弱化
部6も、図1に示したものと本質的には変わりがない
が、図1に示した谷部乃至凹部7の中に、更に複数の谷
部乃至凹部9(B)及び複数の低い山部乃至凸部10
(C)が交互に形成されている点が特徴である。勿論、
この場合も山部乃至凸部8(A)及び谷部乃至凹部9
(B)は、厚みに関して、前述した条件を満足するもの
でなくてはならないし、谷部乃至凹部9(B)が溶融さ
れたものであるが、低い山部乃至凸部10(C)は実質
上溶融されていないか、或いは部分的に溶融されていて
も溶融の程度が低い(部分的である)ものである。谷部
乃至凹部Bは、図に対して直角方向に連続したストライ
プ状のものであってもよいし、またこの方向に対して断
続したドット状のものであってもよいことが理解される
べきである。
【0038】本発明においては、溶融弱化部をレーザ照
射、特にカライドスコープによるレーザビームや、シリ
ンドリカルレンズによるレーザビームにより形成させる
のがよい。即ち、引き裂き開始部乃至引き裂き案内部の
外表面樹脂層に対するレーザ照射を、開封方向を横切る
方向の幅が1mmよりも大きい範囲にわたって行うこと
により、外表面樹脂層の溶融を生じるがその飛散を実質
的に生じない程度の加熱を行うことが可能となり、これ
により樹脂材料の損失を防止しつつ、またこの部分の強
度の損失を過度に生じることなしに、易引き裂き性の溶
融弱化樹脂層を形成させることが可能となる。
【0039】本発明の包装材においては、分子配向熱可
塑性樹脂層と熱封緘性熱可塑性樹脂層との間に、中間層
として金属箔を使用するのが好ましい。というのは、金
属箔はガスバリアー性を有し、包材に優れた内容物保存
性を与えること、及び包材に可撓性と同時に適度の剛性
(形態保持性)を与えることによるが、本発明において
は、金属箔を使用することにより、レーザビームの照射
に関連して、格別の利点が達成される。即ち、金属箔は
レーザ光に対する優れた反射材であり、熱封緘性樹脂層
にレーザビームが到達するのを遮断して、包材のヒート
シールに欠陥が発生するのを防止すると共に、レーザ光
が有効に分子配向樹脂層に吸収されるようにする。
【0040】[積層体(包材)]本発明において、包装
袋の器壁を構成する可撓性積層体(包材)としては、機
械的強度や耐熱性等を付与するための延伸(分子配向)
プラスチックフィルム、ヒートシール性を与えるための
オレフィン樹脂、或いは更に酸素等に対するガスバリア
ー性を付与するための金属箔が、組み合わせで、ラミネ
ートの形で使用される。
【0041】延伸プラスチックフィルムとしては、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレンテレ
フタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル
フィルム:ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン6/ナイロン6,6共重合
体等のポリアミド(Ny)フィルム:プロピレン系重合
体フィルム(PP):ポリ塩化ビニルフィルム:ポリ塩
化ビニリデンフィルム:エチレンビニルアルコール共重
合体フィルム(EVOH)等を挙げることができる。こ
れらのフィルムは、一軸延伸或いは二軸延伸のものでも
よい。その厚みは、一般に3乃至50μm、特に5乃至
40μmの範囲にあることが望ましい。
【0042】一方、ヒートシール性樹脂フィルムとして
は、一般に、低−、中−、高−密度ポリエチレン(P
E)、線状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポ
リプロピレン(PP)、プロピレン−エチレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、
エチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物でグラフト
変性されたオレフィン樹脂等の変性オレフィン系樹脂;
比較的低融点乃至低軟化点のポリアミド乃至コポリアミ
ド樹脂;比較的低融点乃至低軟化点のポリエステル乃至
コポリエステル樹脂;の1種或いは2種以上の組み合わ
せからなるものが使用される。これらのフィルムは15
乃至100μmの厚みを有するのがよい。
【0043】一方、ガスバリアー性を付与するために使
用される金属箔としては、各種表面処理鋼箔やアルミニ
ウム(Al)等の軽金属箔が使用される。表面処理鋼箔
としては、冷圧延鋼箔に、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッ
ケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面
処理の一種叉は二種以上行なったものや、最終圧延に先
立って前記メッキ処理を行い、次いで冷間圧延処理を行
って得られる表面処理鋼箔を用いることができる。軽金
属箔としては、所謂純アルミニウムの他にアルミニウム
合金箔が使用される。これらの金属箔は、厚さが150
μm以下、特に5乃至120μmのものを使用する。ガ
スバリアー性を付与するために、金属箔に代えて、エチ
レンビニルアルコール共重合体や、ナイロン樹脂、環状
オレフィン系共重合体等のガスバリアー性樹脂を単独あ
るいは2種以上の組み合わせで用いることもできる。
【0044】積層体の適当な例は、内側から外側にかけ
ての層構成で、オレフィン系樹脂ヒートシール層/アル
ミニウム箔/一軸延伸ポリプロピレンフィルム、オレフ
ィン系樹脂ヒートシール層/アルミニウム箔/二軸延伸
ナイロンフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/
アルミニウム箔/二軸延伸ポリプロピレンフィルム、オ
レフィン系樹脂ヒートシール層/アルミニウム箔/二軸
延伸ナイロンフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール
層/アルミニウム箔/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、オレフィン系樹脂ヒートシール層/二軸
延伸ナイロンフィルム/アルミニウム箔/二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルム等であるが、この例に
限定されない。例えば、最外層、或いは最外層より下の
層として、紙の層を設けることができる。
【0045】本発明に好適に使用される積層体の一例を
示す図4において、この積層体1は、表面から順に、熱
可塑性ポリエステル(PET)から成る外層2/金属箔
から成る中間層3/オレフィン系樹脂のヒートシール用
内層4の層構成を有する。好適な積層体の他の例を示す
図5において、この積層体1は、熱可塑性ポリエステル
から成る外層2/ナイロンから成る第二の中間層5/金
属箔から成る第一の中間層3/オレフィン系樹脂のヒー
トシール用内層4の層構成を有する。
【0046】ラミネート1の全体の厚みは、30乃至2
00μm、特に40乃至150μmの範囲にあることが
好ましい。上記範囲より薄いと、破袋強度が低下すると
共に、厚さ方向に対する積層体の外表面層の選択的な溶
融弱化層の形成が困難となり、一方、上記範囲よりも厚
いと、袋としての可撓性が失われると共に、引き裂き性
の付与が困難となる。
【0047】積層体の製造は、ドライラミネーション、
サンドイッチラミネーション、押出コート、共押出等の
それ自体公知の任意の手段で行うことができる。各層の
間に十分な接着性が得られない場合には、ウレタン系接
着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン系樹脂接着
剤等の接着剤樹脂を用いることができる。
【0048】また、サンドイッチラミネーションに際し
ては、任意の樹脂をフィルム間或いはフィルムと樹脂被
覆金属箔の間に押し出すことにより行われ、また、押出
コートに際しては、任意の樹脂をフィルム或いは金属箔
の上に押し出すことにより行われる。押し出す樹脂とし
ては、一般に、低−、中−、高−密度ポリエチレン、線
状低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピ
レン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、イオン架橋オレフ
ィン共重合体(アイオノマー)、エチレン系不飽和カル
ボン酸乃至その無水物でグラフト変性されたオレフィン
樹脂等の変性オレフィン樹脂;比較的低融点乃至低軟化
点のポリアミド乃至コポリアミド樹脂;比較的低融点乃
至低軟化点のポリエステル乃至コポリエステル樹脂;前
記した樹脂の1種乃至2種以上とおよびまたは公知の充
填剤とからなるブレンド樹脂;などが単層押出乃至共押
出されて使用される。押出樹脂層を施す表面には、ウレ
タン系、チタネート系等のアンカー剤を施しておくこと
ができる。
【0049】[溶融弱化樹脂層及びその形成]本発明で
は、前述した包材(積層体)の分子配向熱可塑性樹脂層
にレーザビームを照射して、この樹脂層の照射部に前述
した谷部乃至凹部と山部乃至凸部とから成る溶融弱化部
を形成させる。前述した寸法関係の谷部乃至凹部及び山
部乃至凸部を形成させるためには、既に指摘したとお
り、照射される樹脂層が分子配向されていることが必須
不可欠であり、これと共に、レーザビームの単位面積当
たりのエネルギー強度も一定範囲内にあることが必要で
ある。このエネルギー強度の調節は、レーザ光源におけ
る入力を調節することによっても可能であるが、一般に
はレーザビームの照射面積を広げ、或いは更にその強度
分布を調節することにより行うのが適当である。
【0050】本発明においては、引き裂き開始部乃至引
き裂き案内部において、開封方向を横切る方向の照射幅
が1mmよりも大きい範囲、好適には1.5乃至10m
mの範囲にわたるように行うのが、局部的な過度の加熱
を回避する上で好ましい。即ち、この幅が1mm以下で
ある場合には、局部的な加熱による積層体の溶断や樹脂
の蒸発揮散が生じやすく、引き裂き開始位置や引き裂き
案内部の多少のずれによって、円滑な引き裂きが困難と
なる傾向があり、更に溶融弱化樹脂層に応力集中が生じ
やすくなり、衝撃等による偶発的な破袋を生じる傾向が
増大する。
【0051】分子配向熱可塑性樹脂層における溶融弱化
部は、包材の引き裂き開始部に設けてもよく、或いは包
材の引き裂き案内部に設けてもよく、更には両方を兼ね
るように設けてもよい。引き裂き開始部に溶融弱化部を
設ける場合、溶融弱化部の開封方向への寸法は、包装袋
の端に切れ目が容易に入るようなものであればよく、特
に限定されないが、一般に0.5mm以上、特に2乃至
10mmの範囲にあるのが好ましい。この寸法があまり
にも小さいと、引き裂きを続行するに十分な引き裂き開
始部を形成することが困難となりやすい。また、引き裂
き開始部における溶融弱化部の平面における輪郭形状
は、三角形、正方形、矩形、菱形、六角形、円、楕円、
半円、不定形等の任意の形状であってよく、その面積
は、前述した寸法に対応して、一般に1乃至300mm
2 の範囲にある。引き裂き案内部に溶融弱化部を設ける
場合、溶融弱化部の開封方向への寸法は、引き裂き方向
の全長にわたって設けるのが通常であるが、引き裂きに
よる開封が実質的に行われる範囲、例えば全長の2割以
上程度にわたって部分的に設けてもよい。
【0052】積層体の外表面層の溶融弱化部において、
分子配向が消失乃至緩和しているという事実は、それ自
体公知の測定手段、例えば複屈折法、X線回折法、蛍光
複屈折法等により確認することができる。
【0053】本発明においては、溶融弱化部は面方向に
連続した所謂ベタの状態で設けることもできるし、ま
た、ほぼ規則的に配列された微細なドット或いはストラ
イプの形状で設けることもできる。
【0054】引き裂き開始部における溶融弱化部の表面
の分布の形態を示す図6において、Aは引き裂き開始部
11がベタの溶融弱化部(谷部乃至凹部)7で形成され
ている例を示すものであり、Bは引き裂き開始部11が
ストライプ状の溶融弱化部(谷部乃至凹部)9で形成さ
れている例を示すものであり、Cは引き裂き開始部11
がドット状の溶融弱化部(谷部乃至凹部)9で形成され
ている例を示すものである。図6のAの例では、引き裂
き開始部11の外部には配向樹脂層12が存在するが、
引き裂き開始部11の内部には溶融弱化樹脂7が存在す
るのみで元の状態の配向樹脂は存在しない。勿論、その
周囲には、図1に示す山部乃至凸部8が存在する。図6
のBの例では、引き裂き開始部11の外部には山部乃至
凸部8を介して、配向樹脂層12が存在すると共に、引
き裂き開始部11の内部にも、ストライプ状の溶融弱化
樹脂部(谷部乃至凹部)9とストライプ状の低い山部乃
至凸部(配向乃至低配向樹脂部)10とが交互に繰り返
して存在する。図6のCの例では、引き裂き開始部11
の外部には配向樹脂層12が存在すると共に、引き裂き
開始部11の内部には、低い山(配向乃至低配向樹脂)
10の連続相の中に溶融樹脂の凹部9が分散相となった
状態で存在する。
【0055】引き裂き案内部13における溶融弱化部の
表面の分布の形態を示す図7において、溶融弱化部9の
分布は、図6の組織が引き裂き方向に延長されたもので
あって、本質的には図6のものと相違がない。
【0056】本発明では、溶融弱化部の形成は、特にこ
れに制限されるものではないが、レーザビーム照射、特
にカライドスコープによるレーザビームや、シリンドリ
カルレンズによるレーザビームにより形成させることが
好ましい。即ち、本発明の好適態様では、積層体がレー
ザに対する優れた反射材である金属箔を使用しているの
で、単位面積当たりのエネルギー密度が低い場合にも、
分子配向樹脂層の加熱が効率的に行われ、この樹脂層の
溶融弱化が円滑に進行するものである。また、レーザビ
ーム引き裂き開始部乃至引き裂き案内部の外表面樹脂層
に対するレーザ照射を、開封方向を横切る方向の幅が1
mmよりも大きい範囲にわたって行うことにより、外表
面樹脂層の溶融を生じるがその飛散を実質的に生じない
程度の加熱を行うことが可能となり、これにより樹脂材
料の損失を防止しつつ、またこの部分の強度の損失を過
度に生じることなしに、前述した易引き裂き性の溶融弱
化樹脂層を形成させることが可能となる。
【0057】本発明において、溶融樹脂部は、非晶質化
乃至低結晶化された状態にあっても、或いは熱結晶化さ
れた状態にあってもよい。配向結晶化された樹脂が表面
から厚み方向の途中へのごく限られた部分が短時間の内
に急激に融点以上の温度に加熱され且つ加熱中止と共に
結晶化温度よりも低い温度に急速に冷却されるようにす
ると、溶融樹脂層は、非晶質化乃至低結晶化された状態
と成る。このように非晶質化され或いは低結晶化された
ものでは、加工部の耐衝撃性が高いレベルに保持されて
いる。一方、溶融樹脂層が結晶化温度領域を通過する時
間が長いと、溶融樹脂層は熱結晶化する傾向が大とな
る。溶融樹脂層の熱結晶化はまた、熱間充填やレトルト
殺菌等の場合のように、包装袋の熱処理温度域と外層乃
至中間層樹脂の結晶化温度域とが重なる場合にも生じ
る。溶融樹脂が熱結晶化すると、性質としていく分か脆
くなり、引き裂き性が向上する利点をもたらす。
【0058】このような限定された急速加熱及び急速冷
却には、例えば炭酸ガスレーザビームの直線状乃至曲線
状の走査照射を用いることができ、この場合には、レー
ザビームの出力及び走査速度を変えることにより、溶融
層の厚みと温度とを制御することができる。また、レー
ザビーム径を変えることによりその幅を制御することが
可能となる。レーザ出力は、また、構成基材の種類やイ
ンキ層の材質により適宜選択される。また、逆に加工度
を強くする場合、レーザ吸収の大きな材料を用いること
ができる。
【0059】本発明の一つの態様では、レーザビーム
を、プラノコンベックスレンズ(片面がフラットで他方
の面が凸となったレンズ)で集光し、積層体にデフォー
カスされた状態で照射する。必要あれば、所定の照射面
積を確保するために、走査照射を行う。
【0060】この態様を説明するための図8において、
レーザビーム30を、プラノコンベックスレンズ31
(フラット面32、凸面33)で集光し、積層体1に、
デフォーカスされた状態、即ち、フォーカス距離fより
も更にデフォーカス距離f0 だけはなされた状態で、照
射する。
【0061】普通にレーザビームを照射する場合を考え
ると、積層体の位置に焦点を合わせる(f)のが通常で
あるが、その場合のレーザビームの強度分布は図9の曲
線aの様な急峻なガウシャン分布となる。したがって、
幅が狭く(半値幅H0 )、中心部の強度が高くて、積層
体の表面温度は高温となる。これに対して、本発明で
は、図8に示すように、焦点位置をずらして(デフォー
カスして)、積層体に照射する。こうすることにより、
図9の曲線bに示すように、レーザビームの強度分布は
滑らかなガウシャン分布(半値幅H1 、H1 >>H0 )
になる。したがって、中心部は高温にならず、ヒューム
の発生はなく、また、幅広い弱化部が加工される。集光
レンズとしては、プラノコンベックスレンズの他、メニ
カスレンズ、非曲面レンズ、両面凸レンズなど、公知の
レンズを必要に応じて用いることができる。
【0062】本発明の他の好適な態様では、レーザビー
ムを、シリンドリカルレンズ(かまぼこ型で、片面がフ
ラットで他方の面が凸となり長手方向に延びているレン
ズ)で集光し、加工方向に走査しながら照射を行う。
【0063】この態様を説明するための図10におい
て、レーザビーム30を、シリンドリカルレンズ34
(フラット面32、凸面35)で集光し、積層体1に、
加工方向Xに走査しながら、照射する。この場合、レー
ザビームは線上に集光され、曲面と平行な方向の幅広い
集光ビームはほぼ均一な強度分布となるが、この集光ビ
ームを、線ビームに対して直角方向に走査することによ
り、ほぼ四辺形でしかもベタ状の弱化部を加工できる。
もちろん、走査方向に平行な1本乃至数本のマスキング
用スリットを介して照射すれば数本からなるストライプ
状の弱化部も加工できる。
【0064】本発明の最も好適な態様では、レーザビー
ムを、カライドスコープを通して、積層体にレーザの干
渉パターンを照射する。必要あれば、所定の照射面積を
確保するために、走査照射を行う。
【0065】カライドスコープを説明するための図11
において、このカライドスコープ36は金属製の直方体
筒であり、中心付近に種々の形状をした断面の穴37が
開いており、内面38は反射率の高い金メッキなどが施
されているものである。内面38で反射されたレーザ光
の波長が整数倍ずれた部分では光が重なり合い、半波長
ずれた部分では光が打ち消しあって、微細な干渉パター
ン40が形成される。
【0066】カライドスコープ36の空洞部入り口37
に、プラノコンベックス31でレーザビーム30を集光
させると、カライドスコープ36の出口のレーザビーム
は空洞部の断面が四角形であると、図12に示されるよ
うな点状集合ビームとなる。このビームを走査させるこ
とにより、図13に示すような多数本のストライプ状の
走査ビームが形成される。これにより、包材の強度低下
が無くなる上に、引き裂き性は低下しない。
【0067】カライドスコープからの点状集合ビームに
おいて、それぞれの点の間隔と大きさは、カライドスコ
ープ出口からの積層体への距離(離すほど間隔は広がり
大きくなるが、強度は低下する)や、断面の寸法、カラ
イドスコープの長さにより変化する。
【0068】カライドスコープの空洞部の入り口の大き
さと出口の大きさを変えることも可能であり、これによ
り非常に大きな弱化部が加工できる利点がある。例え
ば、図14のAに示すように、入り口が5mm×3mm
の大きさで、出口が18mm×3mmの大きさである
と、点状集合ビームの大きさは約20mm×5mmの大
きさになる。また、点状集合ビームのパターンは図14
のBの様になる。
【0069】また、カライドスコープを、プラノコンベ
ックスレンズの光軸から、図15のAに示すように傾け
ると、図15のBに示すように、傾けた方向に点状ビー
ムの点間間隔が広がる。
【0070】さらに、図16に示すように、カライドス
コープの空洞部の入り口37の形状は、四角形以外に、
三角形、六角形などの形状でも可能である。
【0071】図17には、カライドスコープの空洞入り
口の形状及び寸法が5mm×3mmの場合、レーザビー
ムを短時間被加工物に照射したときの加工パターンを示
す。被加工物の表面は溶融して細かい谷凸のパターンに
なっている。点間のピッチは約0.3mmであった。
【0072】本発明において、レーザビームとしては、
炭酸ガスレーザーが使用されるが、一般にその出力は、
10W乃至1.2kWの範囲にあるものが好適である
が、勿論これに限定されない。
【0073】本発明において、樹脂溶融による弱化層の
形成は、製袋前、製袋中或いは製袋後の任意の段階で施
すことができる。例えば、積層体を製造するための任意
の段階、即ち、ラミネート前、ラミネート中、或いはラ
ミネート後の表面層となるべき分子配向フィルムに、レ
ーザビームを照射して、所定パターンの溶融弱化部を形
成させることができる。
【0074】[包装袋及びその製法]本発明の易開封性
包装袋は、上記積層体を、ヒートシール性樹脂層同士が
対面するように重ね合わせ、これをヒートシール等によ
り製袋することにより形成される。
【0075】本発明の包装袋の一例(三方ヒートシール
パウチ)を示す図18において、この易開封性包装袋2
0は、一方に折り返し部21と、三方に端縁ヒートシー
ル部22a、22b、22cとを有し、これらの折り返
し部21、或いは三方の端縁ヒートシール部22a、2
2b、22cの少なくとも一部には、溶融弱化部から成
る引き裂き開始部11が形成され、これから引き裂き方
向に延びる引き裂き案内部13が形成されている。尚、
引き裂き開始部11と、引き裂き案内部13とは別の加
工で形成してもよいが、単一の加工で同時に形成しても
よく、この後者の場合、溶融弱化部13の端部が引き裂
き開始部となる。このタイプの包装袋は、一枚の積層体
を重ね合わせ、三方をヒートシールすることにより製造
される。ヒートシールは、ヒートシール性樹脂は溶融す
るが、分子配向された樹脂層が実質的に溶融しない温度
条件で行われ、これは、以下の例でも同様である。溶融
弱化部13の形成は、後述する方法で行われる。
【0076】本発明の包装袋の他の例(四方ヒートシー
ルパウチ)を示す図19において、この易開封性包装袋
20は、四方に端縁ヒートシール部22a、22b、2
2c、22dを有し、四方の端縁ヒートシール部22
a、22b、22c、22dの少なくとも一部には、分
子配向樹脂の溶融弱化による引き裂き開始部11と、こ
れから引き裂き方向に延びる引き裂き案内部13とが形
成されている。
【0077】本発明の包装袋の更に他の例(ピロー包装
パウチ)を示す図20において、この易開封性包装袋2
0は、ヒートシールによる中央に延びる合掌貼り24
と、合掌貼りと平行な両側の折り返し部21a、21b
と、合掌貼りに直角な方向の端縁ヒートシール部22
a、22bとを有し、これらの折り返し部21、合掌貼
り24或いは二方の端縁ヒートシール部22a、22b
の少なくとも一部には、分子配向樹脂の溶融弱化による
引き裂き開始部11と、これから引き裂き方向に延びる
引き裂き案内部13とが形成されている。
【0078】本発明の包装袋においては、端縁ヒートシ
ール部及び合掌貼りにおけるヒートシール幅は、破袋防
止と使用材料の低減の見地から3乃至15mmの範囲に
あることが好ましい。本発明においては、これらのヒー
トシール部の積層体の外表面層が分子配向を実質上その
まま維持していることを利用して、溶融弱化樹脂層の形
成、即ち引き裂き開始部の形成を可能にするものであ
る。
【0079】本発明のピロー包装パウチにおいて、合掌
貼り24と端縁シール部分22との交叉部に沿った弱化
部11を設けると、合掌貼り24を把持部とし、合掌貼
り24に沿ったパウチ器壁を引裂き案内部として、合掌
貼り24に沿った開封が可能となるので好都合である。
【0080】製袋に付するべき積層体(包材)の一例を
示す図21において、この積層体1は、対向するシート
部分27a、27bに折り返されるべき部分25と、ヒ
ートシールされるべき三方の部分26a、26b及び2
6cとを備えており、溶融弱化による引き裂き開始予定
部11は両方のシート部分27a、27bの上方シール
用部分26a、26bのそれぞれの端縁にまたがるよう
に形成されている。また、これから引き裂き方向に延び
る引き裂き案内部13がやはり分子配向樹脂の溶融弱化
により形成されている。この場合、溶融弱化層11及び
13は1mm以上の幅にわたって形成されているので、
折り返されるべき部分25から一方のシート27aの溶
融弱化層11、13への距離L1 と、折り返されるべき
部分25から他方のシート27bの溶融弱化層11、1
3への距離L2 とが厳密に一致せず、両者の間に多少の
ズレがあっても、包装袋の手による引き裂き開封を円滑
に行うことができる。
【0081】また、本発明においては、製袋工程におけ
る積層体の巻き出し工程で、或いは製袋後、包装袋の所
定位置に溶融弱化層の形成を行うことができ、また、包
装袋への内容物の充填前或いは充填後に溶融弱化層の形
成を行うことができる。
【0082】
【実施例】本発明を次の例で更に具体的に説明する。
【0083】表1に示す3種類の積層体を準備した。
【表1】 注1) 表中の・記号はウレタン系接着剤を用いてドラ
イラミネーションした接着界面を示す。また、/記号は
サンドイッチラミネーションによる接着界面を示し、接
着面には必要に応じてウレタン系のアンカー剤をコーテ
ィングした。 注2) 表中の( )内の数値は各基材の厚さを示す。
単位はμm。 注3) 表中、略号で示した基材はそれぞれ以下のもの
を示す。 PET:ラミネート面に印刷を施した二軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(東レ ルミラー P−6
0)。 PA:二軸延伸ナイロン6フィルム(興人 ボニール
RX)。 Al:アルミニウム箔。 UOPP:ラミネート面に印刷を施した圧延による一軸
延伸ポリプロピレンフィルム(日石 バリーラPG)。 CPP:エチレンとのブロックコポリマーからなるポリ
プロピレンの無延伸フィルム(東レ合成フィルム トレ
ファン3701)。 LDPE:押出コート用低密度ポリエチレン層。 LLDPE:線状低密度ポリエチレンフィルム。
【0084】また、カライドスコープとして表2に示す
5種類を、さらに焦点距離2.5インチのプラノコンベ
ックスレンズおよび3.5インチのシリンドリカルレン
ズを準備した。
【表2】
【0085】また、落下試験、引張試験は以下の方法で
行った。 [落下試験]5℃下で、120cmの高さから、パウチ
を正立および倒立にした状態と横にした状態の3通り
で、それぞれ10回ずつコンクリート面に落下させ、破
袋の有無を評価した。 [引張試験(レーザ加工部における材料強度測定)]レ
ーザ加工部から加工方向に対し垂直に、幅15mmの短
冊を切り出し、加工部を延伸する部分の中央に配置し、
引張試験機を用いて延伸した。延伸部分の初期試料長は
20mm、引張速度は50mm/分で行った。
【0086】実施例1〜3 図11のように炭酸ガスレーザビームをプラノコンベッ
クスレンズで点状集合ビームにしカライドスコープAを
介して、積層体1のPET面にロール方向に沿って速度
13m/分で弱化帯を加工した。なお、カライドスコー
プ出口面と積層体との距離は8mmに調整した。また、
レーザ出力は190W(実施例1)、210W(実施例
2)、230W(実施例3)の3条件とした。このよう
にして得られた積層体の表面状態を走査型電子顕微鏡で
観察した。いずれの条件でも、弱化帯の全体の幅は約6
mmであり、幅150μm程度の溶融弱化線部とやはり
幅150μm程度の未溶融線部が交互に存在していた。
断面を観察するとPET層の各々の溶融弱化線部の中央
部は元の厚さより僅かに薄くなっており、端では盛り上
った状態となっていた。この積層体を用いて、4方ヒー
トシールパウチを作成し、ミートソースを160g充填
しヒートシールにより密封した。なお、レーザ加工部は
パウチの充填口側のヒートシール部に平行に、かつ、パ
ウチ頂部より15mm下にパウチの表裏にそれぞれ位置
させた。121℃−20分のレトルト殺菌を施した後、
落下試験を行った。いずれの条件のものも未加工のパウ
チと同じに破袋しなかった。また、レーザ加工部から引
き裂いたところ、いずれも弱化帯に沿って直線的に引き
裂かれ、最後まで引き裂き切ることができた。引き裂き
性はレーザ出力が大きい程優れていたが、これはPET
層の分子配向の緩和の促進によるものと考えられる。ま
た、引き裂いた部分は目視では直線的であるが、走査型
電子顕微鏡で観察すると、主には一本の溶融弱化線部に
沿って引き裂かれ、途中で引き裂きがずれ隣接する溶融
弱化線部に移っている部分も見られた。このように、直
進引き裂き性は複数の溶融弱化線部を微少間隔おいて平
行に配置していることにより安定的に保持されていた。
なお、表裏での溶融弱化線部のずれはほとんどが1mm
以内で、1.5mm程度のものもあったが、引き裂き性
には影響しなかった。それぞれの条件のパウチについ
て、35℃−1ヶ月間の保存試験を実施した。保存後、
内容物を調べたが異常はみられなかった。
【0087】比較例1〜3 図8のように炭酸ガスレーザビームをプラノコンベック
スレンズで集光し、実施例1で用いた積層体1のPET
面に、積層体のロール方向に速度13m/分で弱化線を
加工した。このとき、レンズと積層体との距離を焦点距
離と一致するように調整した。また、レーザ出力は5W
(比較例1)、15W(比較例2)、25W(比較例
3)の3条件とした。なお、出力15W以上では、加工
時にPET層が昇華して、ヒュームが多量に発生しレン
ズが汚れた。このようにして得られた積層体の表面状態
を走査型電子顕微鏡で観察したところ、5Wの条件のも
のでは、レーザ加工により形成した凹部でのPET層の
残厚は、薄いところで元厚の95%と、弱化線はほとん
ど形成されていなかった。また、15W以上の条件のも
のでは弱化線の幅は0.6mm以下であり、外面のPE
T層が完全に消失し破断していた。この積層体を用い
て、実施例1と同様にして、4方ヒートシールパウチを
作成し、ミートソースを充填密封し、レトルト処理を施
した。なお、レーザ加工部をパウチの表裏の同じ位置に
位置させることは加工部の幅が狭いため、実施例1に比
較し困難であった。121℃−20分のレトルト殺菌を
施した後、実施例1と同様に、落下試験を行ったとこ
ろ、5Wの条件のものでは破袋したものはなかったが、
15W以上では破袋するものが50袋中3乃至4袋あっ
た。また、レーザ加工部の端から引き裂いたところ、5
Wの条件では、引き裂くことができなかった。15W以
上の条件のものでは引き裂くことはできたが、10袋中
3袋が引き裂きが途中から弱化線からはずれた。詳細に
調べたところ、引き裂きが弱化線からはずれなかったも
のは、表裏の弱化線のずれは0.2mm以内であった
が、はずれたものは0.5mm程度であった。このよう
に比較例2および3のパウチの引裂性は表裏の弱化線の
位置関係に極めて強い依存性を示し、良好に引き裂かれ
るための表裏におけるずれの許容範囲は0.2mm程度
であった。15W以上の条件(比較例2、3)のパウチ
について、実施例1と同様の保存試験を実施したとこ
ろ、保存後、内容物は赤茶色から茶色乃至焦げ茶色に変
色していた。パウチの周縁ヒートシール部を切り取り、
内容物を洗い落とした後、パウチ側壁を光に透かしてみ
たところ、レーザ加工部においてアルミ箔が破断してい
た。
【0088】実施例1〜3と比較例2、3で作成した積
層体のそれぞれについて、レーザ加工部の材料強度を測
定した。結果を表3に示す。
【表3】 表1のように、実施例1〜3は比較例2、3よりも、降
伏点強度、降伏点ひずみとも高い値を示した。その他、
比較例2、3のパウチは引っ張りだけでなく、屈曲によ
ってもアルミ箔が破断し易かった。
【0089】実施例4 カライドスコープBを用い、レーザ出力300W、走査
速度60m/分とした以外は、実施例1と同条件でスタ
ンディングパウチを作成した。なお、走査方向はカライ
ドスコープ出口の長手方向と一致させた。このように作
成したパウチのレーザ加工部には、幅約50μmの溶融
弱化線部と幅約300μmの未溶融線部が交互にストラ
イプ状に、幅3mmで存在していた。このパウチは、レ
ーザ加工部に沿って直線的に引き裂かれ、容易にパウチ
を二つに最後まで引き裂き切ることができた。
【0090】実施例5 レンズと積層体との距離を12mmデフォーカスした距
離にし、レーザ出力を35Wにした以外は、比較例1と
同条件で4方ヒートシールパウチを作成した。なお、加
工時にはヒュームは発生しなかった。このように作成し
たパウチのレーザ加工部には、幅約1.1mmの溶融弱
化線1本からなる弱化帯が形成していた。このパウチ
は、レーザ加工部に沿って直線的に引き裂かれ、容易に
パウチを二つに最後まで引き裂き切ることができた。
【0091】実施例6 図10に示すようにシリンドリカルレンズを用い、レー
ザ出力120Wとした以外は、実施例1と同条件で4方
ヒートシールパウチを作成した。なお、積層体は焦点距
離3.5インチに位置させ、加工部が広幅となる方向に
走査させた。このように作成したパウチのレーザ加工部
には、幅約3mmの溶融弱化線1本からなる弱化帯が形
成していた。このパウチは、レーザ加工部に沿って直線
的に引き裂かれ、容易にパウチを二つに最後まで引き裂
き切ることができた。
【0092】実施例7 積層体2を用い、レーザ出力を190Wした以外は、実
施例1と同条件で4方ヒートシールパウチを作成した。
このパウチは、開封用ノッチから容易に、しかも、加工
部に沿って直線的に引き裂かれ、容易にパウチを二つに
最後まで引き裂き切ることができた。
【0093】実施例8 積層体3を用い、出力を230Wとした以外は、実施例
1と同条件で4方ヒートシールパウチを作成した。この
パウチは、開封用ノッチから容易に、しかも、加工部に
沿って直線的に引き裂かれ、容易にパウチを二つに最後
まで引き裂き切ることができた。
【0094】実施例1〜8および比較例2、3につい
て、もとのフィルム厚みt0 と谷状に薄肉化した部分に
おける最薄肉部分の厚みt1 、山状に厚肉化した部分の
厚みt2 、これらの比の値t1 /t0 とt2 /t0 、対
向する山部間の距離d、および隣接する谷状部分間のピ
ッチPの平均値を表4に示す。
【表4】
【0095】実施例9 幅100mmの積層体1を用いて、図18に示す三方ヒ
ートシールパウチの折り曲げ部21の一カ所に、かつ端
縁シール部近傍に開封開始用弱化部を有するパウチを製
袋式充填機を用いて作成した。なお、弱化部は積層体を
ロールから光電マークを利用して間欠的に巻き出し、外
層のPET面にレーザにより加工した。加工は、図11
のように炭酸ガスレーザビームをプラノコンベックスを
介し、カライドスコープCで点状集合ビームにして、レ
ーザ出力30W、照射時間約60msecで行った。カ
ライドスコープ出口面と積層体との距離は8mmに調整
した。このように作成した実施例1のパウチは、折り曲
げ部21にピッチおよそ0.35mmで、積層体の長手
方向に3mm、幅方向に3mmの範囲に、多数のドット
状の弱化部を有していた。この部分から切片を切り出
し、偏光顕微鏡で観察したところ、弱化部ではレーザ加
工により外面のPET層が溶融し、配向が緩和乃至消失
していた。また、この溶融部の中心近傍は谷状に薄肉化
し、反対にこの周りは山状に厚肉化していた。これらの
パウチでは内容品に液体スープ等を充填しても溶融弱化
部より破袋するものはなかった。また、このパウチは加
工部分から、ノッチがなくても容易に引き裂くことがで
きた。
【0096】実施例10 カライドスコープDを用いた他は、実施例9と同様にし
てパウチを製袋した。このパウチは、実施例1のパウチ
と同様の溶融弱化部を有し、同等の性能を示した。
【0097】実施例11 カライドスコープEを用いた他は、実施例9と同様にし
てパウチを製袋した。このパウチは、実施例1のパウチ
と同様の溶融弱化部を有し、同等の性能を示した。
【0098】比較例4 レーザ加工を施さなかった他は、実施例1と同様にして
パウチを製袋した。このパウチは折り曲げ部分21のど
この部分からも引き裂くことができなかった。
【0099】実施例9〜11について、もとのフィルム
厚みt0 と谷状に薄肉化した部分における最薄肉部分の
厚みt1 、山状に厚肉化した部分の厚みt2 、これらの
比の値t1 /t0 とt2 /t0 および隣接する谷状部分
間のピッチPを表5に示す。
【表5】
【0100】実施例12〜15 図11のように炭酸ガスレーザビームをプラノコンベッ
クスレンズで点状集合ビームにし、カライドスコープA
を介して、積層体PA−1(15)・LLDPE(13
0)のナイロン面にロール方向に沿って速度13m/分
で弱化帯を加工した。なお、カライドスコープ出口面と
積層体との距離は8mmに調整した。また、レーザ出力
は160W(実施例12)から220W(実施例15)
迄、20Wおきに変化させた(実施例12、13、1
4、15)。このようにして得られた積層体の表面状態
を走査型電子顕微鏡で観察した。160Wと180Wの
条件では、弱化帯の全体の幅は約6mmであり、幅15
0μm程度の溶融弱化線部とやはり幅150μm程度の
未溶融線部が交互に存在していた。断面を観察するとナ
イロン層の各々の溶融弱化線部の中央部は元の厚さより
僅かに薄くなっており、端では盛り上った状態となって
いた。また、200Wと220Wの条件では、溶融弱化
線の幅が広がると共に、ナイロン層の溶融弱化線の一部
に発泡が見られたが、貫通に至るものではなかった。こ
の二層から成る積層体を用いて、ドイパック式のスタン
ディングパウチを作成し、液体洗剤を500ml充填し
ヒートシールにより密封した。なお、レーザ加工部はパ
ウチの充填口側のヒートシール部に平行に、かつ、パウ
チ頂部より15mm下にパウチの表裏にそれぞれ位置さ
せた。また、引き裂き開始部となる端縁シール部にはV
ノッチを刻設した。これらのパウチについて落下試験を
行ったところ、いずれの条件のものでも未加工のパウチ
と同じに破袋したものはなかった。また、レーザ加工部
から引き裂いたところ、いずれも弱化帯に沿って直線的
に引き裂かれ、最後まで引き裂き切ることができた。引
き裂き性はレーザ出力が大きい程優れていたが、これは
ナイロン層の分子配向の緩和の促進あるいは発泡による
ものと考えられる。また、引き裂いた部分は目視では直
線的であるが、走査型電子顕微鏡で観察すると、主には
一本の溶融弱化線部に沿って引き裂かれ、途中で引き裂
きがずれ隣接する溶融弱化線部に移っている部分も見ら
れた。このように、直進引き裂き性は複数の溶融弱化線
部を微少間隔おいて平行に配置していることにより安定
的に保持されていた。なお、表裏での溶融弱化線部のず
れはほとんどが1mm以内で、1.5mm程度のものも
あった。また、引き裂き強度は何れの条件のものでも、
およそ0.7kgfであった。なお、この積層体のナイ
ロンフィルム層を引き剥がし、JIS K 0068に
より規定されている方法で測定した水分含有量は1.5
重量%であった。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、積層体の外表面層が有
する分子配向を利用して、分子配向樹脂層に溶融弱化部
を形成させることにより、外表面熱可塑性樹脂層が分子
配向されていることの利点を保全しながら、この溶融部
分に対して選択的に引き裂きに対して弱化された部分を
形成させることが可能となる。
【0102】また、溶融弱化部に、樹脂が溶融された谷
部乃至凹部とその両側の山部乃至谷部とを形成すること
が可能となり、谷部乃至凹部では、樹脂が溶融されて配
向が緩和乃至消失していることに加えて、厚みが減少し
ていることにより、引き裂きが容易となっており、一方
山部乃至凸部では、配向が幾分残存していると共に、厚
みが増大していることにより、引き裂きに対する抵抗性
がある。このため、谷部乃至凹部を介して引き裂きが容
易に行われ、山部乃至凸部は溶融弱化部以外に引き裂き
が伝搬するのを防止する。
【0103】また、溶融弱化部の引き裂き方向に対して
直角方向の幅を1mmよりも大とすることにより、樹脂
の蒸発揮散を回避しながら、円滑な溶融弱化部の形成が
可能となると共に、引き裂き開始位置のずれに対する許
容度を増大させて、円滑な引き裂きを可能にして易開封
性を向上させ、更に溶融弱化樹脂層に加わる応力を分散
させて衝撃等による偶発的な破袋を防止することも可能
となる。また、表側の積層体に設けた溶融樹脂弱化層位
置と、裏側に設けた溶融樹脂弱化層の位置との間に多少
のズレがあったとしても、幅が1mmよりも大きいた
め、両者の重なり合いを確保し、円滑且つ確実な引き裂
きによる開封が可能となる。
【0104】本発明の好適態様に従い、少なくとも引き
裂き開始部乃至引き裂き案内部の外表面樹脂層に、ほぼ
規則的に配列された微細なドット状或いはストライプ状
の弱化樹脂層を形成させると、このような樹脂溶融弱化
層では、熱可塑性樹脂の分子配向部と溶融部とが混在
し、両者の利点が組み合わせで達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における溶融弱化部並びにその寸法関係
を説明するための拡大断面図である。)
【図2】溶融弱化部における山部乃至凸部の断面積S1
及び谷部乃至凹部の断面積S2を説明する説明図であ
る。
【図3】本発明の好適態様における溶融弱化部を説明す
るための拡大断面図である。
【図4】本発明に好適に使用される積層体の一例を示す
断面図である。
【図5】本発明に好適に使用される積層体の他の例を示
す断面図である。
【図6】溶融弱化による引き裂き開始部の表面状態を示
す説明図であって、Aは引き裂き開始部がベタの溶融弱
化樹脂層で形成されている例、Bは引き裂き開始部がス
トライプ状の溶融弱化樹脂層で形成されている例、Cは
引き裂き開始部がドット状の溶融弱化樹脂層で形成され
ている例を示す。
【図7】溶融弱化による引き裂き案内部の表面状態の例
を示す説明図である。
【図8】本発明の一つの態様に従い、レーザビームをプ
ラノコンベックスレンズで集光し、積層体にデフォーカ
スされた状態で照射する例を示す説明図である。
【図9】図8の例におけるレーザビームの強度分布を示
すグラフである。
【図10】本発明の他の態様に従い、レーザビームをシ
リンドリカルレンズで集光し、積層体に走査下に照射す
る例を示す説明図である。
【図11】本発明の更に他の好適態様に従い、レーザビ
ームをカライドスコープに導き、積層体に照射する例を
示す説明図である。
【図12】正方形の入口と出口とを有するカライドスコ
ープを使用した場合の点状集合ビームを説明するための
説明図である。
【図13】図12のカライドスコープを使用して走査を
行った場合の線状ビームを示す説明図である。
【図14】カライドスコープの入口及び出口の寸法関係
及び形成される線状ビームを示す説明図である。
【図15】カライドスコープを光軸からずらして配置す
る態様と、これにより形成される点状集合ビームとの関
係を示す説明図である。
【図16】カライドスコープの入口の形状と、形成され
る点状集合ビームとの関係の数例を示す説明図である。
【図17】図11の方法により形成される溶融樹脂弱化
部の組織の一例を示す正面図である。
【図18】本発明の包装袋の一例(三方ヒートシールパ
ウチ)を示す平面図である。
【図19】本発明の包装袋の他の例(四方ヒートシール
パウチ)を示す平面図である。
【図20】本発明の包装袋の更に他の例(ピロー包装パ
ウチ)を示す平面図である。
【図21】製袋に付するべき積層体(包材)の一例を示
す正面図である。
【符号の説明】
1 積層体 2 外層 3 中間層 4 内層 5 第二の中間層 6 溶融弱化部 7 溶融弱化部(谷部乃至凹部) 8 山部乃至凸部 9 溶融弱化部(谷部乃至凹部) 10 山部乃至凸部(配向乃至低配向樹脂部) 11 引き裂き開始部 12 配向樹脂層 13 引き裂き案内部 20 易開封性包装袋 21 折り返し部 22 端縁ヒートシール部 24 合掌貼り 25 折り返されるべき部分 26 ヒートシールされるべき部分 27 シート部分 30 レーザビーム 31 プラノコンベックス 32 フラット面 33 凸面 34 シリンドリカルレンズ 35 凸面 36 カライドスコープ 37 空洞部入り口 38 内面 40 干渉パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−267750(JP,A) 特開 平10−139900(JP,A) 特開 平10−139049(JP,A) 特開 平8−192282(JP,A) 特開 平4−327139(JP,A) 特開 平4−100685(JP,A) 特開 平1−179465(JP,A) 実開 昭63−94167(JP,U) 実開 昭60−110269(JP,U) 実開 平9−531(JP,U) 実開 平7−35341(JP,U) 実開 平5−2104(JP,U) 実開 昭60−110267(JP,U) 実開 昭60−157665(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 65/40 B32B 15/08 B65B 51/10 B65D 33/00 B65D 77/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層の分子配向熱可塑性樹脂
    層、及び分子配向熱可塑性樹脂層よりも内側の熱封緘性
    熱可塑性樹脂層から成る積層体から形成された包材であ
    って、前記分子配向熱可塑性樹脂層の側には、断面が少
    なくとも1個の谷部乃至凹部と谷部乃至凹部の両側の山
    部乃至凸部とから成る溶融弱化部が形成され、前記分子
    配向熱可塑性樹脂層の平均厚みをt0 、谷部乃至凹部の
    最薄肉部分の厚みをt1 、山部乃至凸部頂部の厚みをt
    2 としたとき、t1 /t0 の値が0.9乃至0.1であ
    り且つt2 /t0 の値が1.05乃至2.0であること
    を特徴とする易開封性包材。
  2. 【請求項2】 前記溶融弱化部がカライドスコープを通
    過させたレーザビーム照射により形成されたものである
    請求項1記載の易開封性包材。
  3. 【請求項3】 前記溶融弱化部がシリンドリカルレンズ
    を通過させたレーザビーム照射形成されたものである請
    求項1記載の易開封性包材。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載の包材
    が、熱封緘性熱可塑性樹脂層が対面するように重ね合わ
    され且つ前記溶融弱化部が引き裂き開始部或いは引き裂
    き案内部となるように製袋して成る易開封性包装袋。
  5. 【請求項5】 前記溶融弱化部が、対面する積層体の両
    側に、重なる位置関係で設けられている請求項4記載の
    易開封性包装袋。
  6. 【請求項6】 分子配向熱可塑性樹脂層と、熱封緘性熱
    可塑性樹脂層との間に金属箔が設けられている請求項4
    乃至5の何れかに記載の易開封性包装袋。
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