JP3536013B2 - 表面形状測定方法 - Google Patents

表面形状測定方法

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JP3536013B2 JP2000221243A JP2000221243A JP3536013B2 JP 3536013 B2 JP3536013 B2 JP 3536013B2 JP 2000221243 A JP2000221243 A JP 2000221243A JP 2000221243 A JP2000221243 A JP 2000221243A JP 3536013 B2 JP3536013 B2 JP 3536013B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元測定機など
に取付けた接触式プローブにより被測定物の表面形状を
測定する表面形状測定方法に関し、特に超音波振動式の
接触検出プローブを用いる際の測定効率および精度の向
上に関する。
【0002】
【背景技術】被測定物の形状や寸法の測定を行う測定機
器としてハイトゲージ(一次元測定器)、三次元測定機
や輪郭測定器が知られている。これらの測定機器には、
測定機器本体と被測定物との位置関係を検出するために
各種プローブが使用される。これらのプローブは、非接
触式プローブと接触式プローブに、あるいは連続測定プ
ローブと接触検出プローブ(タッチトリガプローブ)等
に分類される。そして、三次元測定機用の接触検出プロ
ーブとしては、特開平6-221806号公報で開示される超音
波式タッチ信号プローブが知られている。
【0003】前記公報に開示されるタッチ信号プローブ
は、被測定物と接触する接触部を先端に有するスタイラ
スと、このスタイラスを支持するスタイラスホルダと、
スタイラスを軸方向に共振させる加振手段と、この加振
手段によるスタイラスの振動の変化を検出する検出手段
とを含んで構成される。このようなタッチ信号プローブ
によれば、加振手段によりスタイラスを振動させた状態
で先端部を被測定物の端面と接触させると、接触力によ
りスタイラスの振動の状態が変化するので、この変化を
検出手段により検出することにより、被測定物の端面位
置を検出することができる。
【0004】このような超音波式タッチ信号プローブを
用いて小孔径等の測定を行うこともあり、小孔等を測定
可能とするために、小型化が図られた超音波式タッチ信
号プローブとして、特願平10-220474号に示されるタッ
チ信号プローブが提案されている。図12に示すよう
に、このタッチ信号プローブ100は、スタイラスホル
ダ101、スタイラス102、加振手段103A、およ
び検出手段103Bを備えている。スタイラス102の
先端には、被測定物と接触する接触部102Aが設けら
れるとともに、その基端にはカウンタバランス102B
が設けられ、スタイラス102の軸方向中央位置が重心
位置とされている。そして、スタイラス102を軸方向
に振動させると、振動の節はこの重心位置となる。
【0005】このようなタッチ信号プローブ100は、
小孔測定を可能とするために、スタイラス102を、細
い棒状部材で構成するとともに、接触部102Aをこの
スタイラス102に合わせて小径の球状体で構成してい
る。また、スタイラスホルダ101は、このような細い
スタイラス102を1カ所で支持するのは困難であるた
め、スタイラス102の重心位置を挟んで2カ所でスタ
イラス102支持している。
【0006】加振手段103Aおよび検出手段103B
は、スタイラスホルダ101の2カ所の支持部分にまた
がるように配置される圧電素子103を二分割して構成
される。そして、加振手段103Aによりスタイラス1
02を軸方向に沿って共振させると、振動の節は、スタ
イラス102の重心位置に生じ、スタイラスホルダ10
1のスタイラス102の支持部分は、この振動の節を挟
むような位置とされる。
【0007】このようなタッチ信号プローブ100によ
れば、スタイラスホルダ101がスタイラス102を振
動の節を挟んで2カ所で支持しているので、スタイラス
102を極めて細い棒状部材で構成しても、スタイラス
ホルダ101により支持させることができ、アスペクト
比の大きい小孔の内面測定等を行うことができる。
【0008】一方、被測定物の表面への接触を振動動作
により行う方式(タッピング方式)も開発されている
(特願平11-96377号など)。この方式は、例えば前述し
たスタイラスホルダ101に第2の加振手段を設け、こ
の加振手段によりスタイラス102を振動させ、その先
端の接触部102Aを被測定物に対して近接離隔する方
向へ振動させるものである。このようなタッピング方式
によれば、スタイラス102を被測定物の表面に沿って
移動させて表面形状の連続測定を行っても、接触部10
2Aが被測定物に対して近接離隔することで、スタイラ
ス102の剛性が小さくても被測定物による引きづり
(凝着現象)を回避することができる。従って、高精度
を維持しつつ連続測定による作業効率の向上が図れる等
の効果がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した超音
波振動式のタッチ信号プローブでは、接触検出のトリガ
を出力するタイミングが測定精度を左右する。つまり、
加振手段により振動するスタイラスが被測定物に近接
し、接触部が被測定物の表面に接触すると、接触が始っ
た時点で振動が抑制され出す。そして、更に近接し、あ
る程度の圧接力を以て接触部と被測定物の表面とが接触
することで、更にスタイラスの振動が抑制される。この
際、被測定物の表面に対する押付け状態と振動の抑制状
態には相関関係があるから、検出手段の出力信号を監視
し、振動の抑制が所定のレベルに達したことを判定すれ
ば、被測定物に対するスタイラスの押込み量は一定とな
り、正確な位置検出が可能となる。
【0010】しかし、被測定物の表面の一点の位置測定
には、その位置でスタイラスの振動状態が所定状態に収
束するまで、スタイラスを近接離隔させては検出して等
の繰返し作業が必要である。特に、被測定物の表面の連
続測定など、多数の点を検査する場合には作業時間の合
計が膨大になる虞がある。一方、被測定物の各点の位置
測定の際に、その位置でスタイラスの振動状態を厳密に
収束させるのではなく、所定の範囲内にまで収束する程
度とすれば、作業時間は短縮できるが、この場合は当然
測定精度が劣る結果となる。
【0011】本発明の目的は、振動式の接触検出におけ
る被測定物の接触点毎の収束時間の影響を回避し、測定
精度を高く維持しつつ作業効率を高められる表面形状測
定方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の振動式
接触検出が、スタイラスの振動状態が所定状態となる位
置にスタイラスを移動させ、この位置でのスタイラス位
置情報を読出して接触位置を算出していたのであり、こ
のためにスタイラスを細かく近接離隔させる煩雑さが収
束時間となっていたことに着目したものである。そし
て、スタイラスを実際に所定位置に落着かせるのではな
く、近傍で得られる検出手段からの情報とスタイラスの
位置情報から従来落着かせるべきであった所定位置の情
報を演算するものとし、これにより被測定物の表面の位
置を精度良くかつ効率よく測定できるようにするもので
ある。
【0013】具体的には、外部からの指令により三次元
空間内を所定の指令速度ベクトルで運動する支持体と、
この支持体に支持されかつ被測定物に接触する接触部を
有するスタイラスと、前記スタイラスを軸方向に周波数
f1で共振させる加振手段と、この加振手段による前記
スタイラスの振動の変化を検出する検出手段とを備えた
接触検出プローブを用い、前記被測定物の表面に前記接
触部が接触した際の支持体の位置から前記被測定物の表
面形状を測定する表面形状測定方法であって、前記指令
速度ベクトルの指令により、前記接触検出プローブを移
動させて前記被測定物の測定すべき表面に接触させる工
程、前記検出回路から出力される前記検出信号の振幅情
報値Anが所定の基準情報値Asとなるように前記測定すべ
き表面との距離を制御しつつ、前記接触検出プローブを
前記測定すべき表面に沿って移動させ、前記振幅情報値
Anとこれに対応する実位置rnを出力してゆくことで前記
測定すべき表面を走査する工程、前記振幅情報値Anとこ
れに対応する実位置rnから、前記振幅情報値Anが一定に
なるように走査した場合に得られると推定される推定表
面位置Rnを演算する工程を含むことを特徴とする。
【0014】接触検出プローブとしては、前述した超音
波振動式のタッチ信号プローブ等を利用することができ
る。スタイラスは支持体に接続されたスタイラスホルダ
を介して支持される構造等とすればよい。加振手段とし
ては圧電素子などの既存の駆動要素が適宜利用できる。
この加振手段を作動させるために外部に電源および駆動
回路を接続してもよい。検出手段も圧電素子により構成
でき、加振手段と一体化した構造など既存の構成が適宜
採用できる。支持体の駆動は既存の三次元測定機に依存
してもよく、外部のコントローラあるいはコンピュータ
システムで実行される指令プログラムに基づいて動作が
行われるようにすればよい。検出手段からの振幅情報値
Anの収集、基準情報値Asに沿った制御、推定表面位置Rn
の演算等はこれら外部のコントローラあるいはコンピュ
ータシステムで実行させることができる。走査する工程
における振幅情報値An、実位置rnの収集と推定表面位置
Rnの演算とは、並行して行っても良いし、後述するよう
に各工程を順次行ってもよい。並行して行うとは、rn
置の検出を行っている間に、外部コンピュータ等で数ス
テップ前の振幅情報値An-2、実位置rn-2から推定表面位
置Rn-2の演算を行う等を意味する。
【0015】このような構成においては、スタイラスを
被測定物の表面に接触させた後、前記表面の走査により
各点の振幅情報値An、実位置rnが収集され、これらから
各点の推定表面位置Rnが演算される。この際、スタイラ
スは各点の振幅情報値Anが基準情報値Asになるように表
面との距離を制御されるが、振幅情報値Anが基準情報値
Asに収束するまで各点で留まるものではなく、従来のよ
うな収束時間はかからない。一方、各点の推定表面位置
Rnは、実位置rnを振幅情報値Anで補正する形で導くこと
ができ、スタイラスが振幅情報値An=基準情報値Asの位
置に達することがなくとも正確な値を得ることができ
る。
【0016】本発明において、前記走査する工程におけ
る前記指令速度ベクトルVn+1は、直前の値Vnと当該Vn+1
との外積のスカラーを前記振幅情報値Anと前記基準情報
値Asとの差に比例定数k倍した値と等価とすることで決
定されることが望ましい。このようにすれば、前述した
振幅情報値Anが基準情報値Asに近づくようにスタイラス
を移動させる制御を簡単かつ適切に行うことができる。
【0017】本発明において、前記演算する工程で演算
される前記推定表面位置Rnは、前記実位置rnに対して次
の実位置rn+1を確定した後、前記実位置rnを始点とし、
前記振幅情報値Anに対応した大きさで、前記次の実位置
rn+1および一つ前の実位置rn -1を結ぶ直線と直交する向
きに補正された位置とすることができる。このようにす
れば、簡単な演算で精度良く推定表面位置Rnを得ること
ができる。
【0018】また、前記演算する工程で演算される前記
推定表面位置Rnは、前記実位置rnを始点とし、前記振幅
情報値Anに対応した大きさで、前記実位置rnおよび一つ
前の実位置rn-1を結ぶ直線と直交する向きに補正された
位置とすることができる。このようにすれば、次の実位
置rn+1が必要ないため、検出データを直ちに演算処理す
ることができる。
【0019】更に、前記演算する工程で演算される前記
推定表面位置Rnは、前記実位置rnを始点とし、前記振幅
情報値Anに対応した大きさで、少なくとも前記実位置rn
とこの近傍の実位置rn+1,rn-1の3点で規定される曲線
に前記実位置rnから下ろした垂線の向きに補正された位
置とすることができる。このようにすれば、より精度の
高い推定表面位置Rnを得ることができる。
【0020】本発明において、前記演算する工程で演算
される前記推定表面位置Rnは、前記振幅情報値Anに対応
した大きさに更に前記スタイラスの接触部のスタイラス
軸に対するオフセット量Dが加味されることが望まし
い。オフセット量Dは、例えばスタイラスの接触部が球
状なら、その半径等で与えられる。これらは、スタイラ
ス軸位置に対して実際の接触位置の距離を加味するとい
うことである。
【0021】本発明において、先に前記測定すべき表面
に対する走査を完了し、その間に前記表面に関する必要
な全ての前記振幅情報値Anとこれに対応する実位置rn
を順次記憶しておき、この後記憶しておいた情報値群A0
〜Amとこれに対応する実位置群r0〜rmとから前記演算を
行って推定表面位置群R0〜Rmを得ることが望ましい。振
幅情報値Anとこれに対応する実位置rnとを順次記憶する
のは、前述した外部のコンピュータシステム等を適宜利
用すればよい。このようにすれば、情報値A0〜Am、実位
置r0〜rmを検出する走査工程と、推定表面位置群R0〜Rm
を演算する演算工程とを別個に順次行えるため、並行し
て行う場合よりも制御を簡略にでき、かつ相互の動作タ
イミングを考慮しないでよいため各々における動作を最
速になるように調整できる。
【0022】本発明において、前記接触検出プローブ
は、更に前記スタイラスを軸交叉方向に周波数f2で共
振させる第2の加振手段を備え、前記走査する工程にお
いては、前記第2の加振手段による振動が所定の位相に
ある時に前記検出回路から出力される前記検出信号の振
幅情報値Anをラッチし、このラッチした振幅情報値Anを
前記基準情報値Asと比較して制御を行うものとすること
ができる。このようにすれば、本発明を前述したタッピ
ング方式において実現することができる。
【0023】この際、前記第2の加振手段による前記ス
タイラスの振動の方向は、前記スタイラスの軸方向に略
直交するとともに、前記走査する工程での前記支持体の
移動方向と略直交しているものとすることが望ましい。
このようにすれば、被測定物の測定表面に対して常に略
直角方向へタッピングを与えることができる。
【0024】本発明において、前記支持体は、前記接触
検出プローブを任意姿勢に回転および傾斜させる姿勢操
作手段を有し、前記被測定物の形状に応じて前記接触検
出プローブの姿勢を操作するようにしてもよい。これに
より、前記被測定物の測定表面と前記接触検出プローブ
の軸を並行にすることができ、前記被測定物の測定表面
が傾斜等している場合でも本発明に基づく測定の実施が
容易にできる。
【0025】この際、前記第2の加振手段による前記ス
タイラスの振動の方向が、前記接触部が接触する前記被
測定物の表面の法線方向となるように前記姿勢操作手段
を操作することことが望ましい。これにより、前記被測
定物の測定表面が傾斜等している場合でも、法線方向の
タッピングによってより正確な測定を行うことができ
る。
【0026】なお、接触検出プローブの姿勢の操作にあ
たっては、被測定物の測定表面に関する情報が必要とな
る。この情報は、例えば本発明に基づく測定に先立っ
て、被測定物の測定表面の複数箇所の位置測定を行って
測定表面の形状を割出すか、あるいは被測定物の設計デ
ータ、例えばCADデータを利用してもよい。
【0027】本発明において、前記第2の加振手段によ
る前記スタイラスの振動は直線的であることが望まし
い。このようにすれば、本発明おいて適切なタッピング
動作を実現することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。尚、以下の説明では、既に説明
した部分又は部材と同一又は類似の部分等については、
同一符号を付してその説明を省略又は簡略する。図1お
よび図2には、本発明の第1実施形態に係る表面形状測
定方法を組み込んだ内外側面測定装置が示されている。
【0029】内外側面測定装置1は、測定器本体2、コ
ントローラ3、駆動回路4、検出回路5、およびパーソ
ナルコンピュータ6を含んで構成される。駆動回路4
は、タッチ信号プローブ100をスタイラスの軸方向お
よび軸に直交する方向に振動させるためのものであり、
検出回路5は、スタイラスに設けられた検出手段からの
電気信号を処理してコントローラ3に出力する部分であ
る。また、パーソナルコンピュータ6は、コントローラ
3に制御信号を出力して測定器本体2の動作制御を行う
とともに、検出回路5やコントローラ3の制御手段31
からの情報の演算処理を行ってワークWの真円度等の評
価を行う。
【0030】測定器本体2は、ワークWを設置して表面
形状を測定するものであり、該ワークWが設置されるX
YZテーブル21と、このXYZテーブル21の端部に
立設される支柱22と、この支柱22の延出方向に摺動
自在に設けられる支持体23と、この支持体23に支持
されるタッチ信号プローブ100とを含んで構成され
る。XYZテーブル21は、図1では図示を略したが、
ワークWを所定の位置に設置するために、ワークWをX
YZテーブル21の面に沿って移動させるX軸調整機構
およびY軸調整機構と、ワークWをXYZテーブル21
の面の法線方向に移動させるZ軸調整機構とを備えてい
る。そして、ワークWをXYZテーブル21に設置した
後、これらの軸調整機構を操作して該ワークの正確な位
置調整を行う。
【0031】支持体23は、図1では図示を略したが、
タッチ信号プローブ100をXYZテーブル21の面に
沿って移動させるX軸駆動機構およびY軸駆動機構と、
支柱22に沿って上下に支持体23を移動させるZ軸駆
動機構とを備え、これらの軸駆動機構は、後述するコン
トローラ3により動作制御される。コントローラ3は、
支持体23を動作制御する部分であり、制御手段31お
よび回避手段32を備えている。
【0032】制御手段31は、パーソナルコンピュータ
6からの指令に基づいて、測定器本体2の支持体23の
動作制御を行うものである。制御手段31は支持体23
の軸駆動機構へ移動動作のための指令速度ベクトルVn
送り、支持体23の軸駆動機構はこの指令速度ベクトル
Vnに基づく移動を実行する。制御手段31にはパーソナ
ルコンピュータ6から稼働開始時などに基準情報値As
送られる。制御手段31は、支持体23の動作の間、検
出回路5からの振幅情報値Anをモニタし、この振幅情報
値Anが基準情報値Asに近づくように指令速度ベクトルVn
を設定し、支持体23の移動を制御するようになってい
る。回避手段32は、検出回路5からの検出信号が所定
の値を維持できない場合、制御手段31による動作制御
を中止し、それまでの制御手段31によるタッチ信号プ
ローブ100の移動方向とは反対方向に、支持体23を
移動させる制御信号を出力する部分である。この回避手
段32により、タッチ信号プローブ100は、ワークW
と非接触状態となり、過大な接触力による損傷が防止さ
れる。
【0033】図2に示すように、タッチ信号プローブ1
00は、スタイラスホルダ101、スタイラス102、
接触部102A、カウンタバランス102B、加振手段
103A、および検出手段103Bを備えている。そし
て、支持体23とこの支持体23に支持されるスタイラ
スホルダ101との間には、スタイラス102を該スタ
イラス102の軸に直交する方向に振動させる第2加振
手段110が設けられている。尚、スタイラス102の
軸に直交する平面内で任意の方向に該スタイラス102
を振動させるために、第2加振手段110は、互いに直
交する方向に振動させるX軸加振素子110XおよびY
軸加振素子110Yを備え、X軸加振素子110Xおよ
びY軸加振素子110Yは、スタイラスホルダ101お
よび支持体23の間に直列に配置されている。
【0034】駆動回路4は、加振手段103Aおよび第
2加振手段110に所定の周波数で電気信号を与える部
分であり、加振回路41および第2加振回路42から構
成されている。加振回路41は、加振手段103Aが所
定の振幅、所定の周波数で動作するような電気信号を発
生させる発信器を備え、これにより、スタイラス102
は周波数f1で軸方向に振動する。
【0035】第2加振回路42は、上述したX軸加振素
子110XおよびY軸加振素子110Yを所定の振幅、
所定の周波数で動作するような電気信号を発生させる発
信器を備えている。尚、この発信器は、X軸加振素子1
10XおよびY軸加振素子110Yを同期して動作させ
るが、各加振素子110X、110Yの電気信号の振幅
は、独立で調整可能となっている。そして、各加振素子
110X、110Yに振幅の異なる電気信号を与えるこ
とにより、スタイラス102は任意の方向に振動し、両
加振素子110X、110Yの振動を同期させることに
より、スタイラス102は、周波数f2でスタイラス1
02の軸に直交する任意の方向に振動する。
【0036】パーソナルコンピュータ6には、検出回路
5からの検出信号(振幅情報値An)が入力されている。
検出回路5にはパーソナルコンピュータ6から所定周期
のサンプリング信号が出力されており、検出回路5はこ
のサンプリング信号が送られた時点の振幅情報値Anを出
力するようになっている。また、パーソナルコンピュー
タ6には制御手段31から現在位置(実位置rn)が入力
されている。制御手段31には前述した検出回路5向け
と同じサンプリング信号が送られており、制御手段31
は前述した検出回路5から出力される振幅情報値Anに対
応した実位置rnをパーソナルコンピュータ6に出力する
ようになっている。更に、パーソナルコンピュータ6に
は、前述した振幅情報値Anおよび実位置rnのデータセッ
トを複数記憶しておき、これらを演算処理して推定表面
位置Rnを求める演算機能がソフトウェアにより設定され
ている。
【0037】次に、上述した第1実施形態に係る内径測
定装置1の動作を、図3に示すようなワークWの内周表
面W1の形状測定を行う場合について説明する。 (1) 図3に示すように、予め三点測定を行うかあるいは
CADデータを利用する等により、内周の中心Owの位
置座標および概ねの半径Rwを取得する。 (2) スタイラス102の第2加振手段110による振幅
を考慮し、半径RwよりもΔrだけ小さい円S1を接触
部102Aの基本的な動作軌跡として制御手段31に設
定する。具体的には、図3における測定開始点P0から
の角度θと、半径Rw−Δrに基づいて接触部102A
の動作制御を行う。尚、加振手段2によるスタイラス1
02の軸に直交する振動の振幅が極めて微小であるた
め、このΔrは、接触部102Aの半径に略等しい値と
考えても、実際上は差し支えない。
【0038】(3) スタイラス102の第2加振手段11
0による振動が内周表面W1の内側面の法線方向となる
ように、第2加振回路42の電気信号を前記角度θの関
数として設定し、第2加振手段110を構成するX軸加
振素子110X、Y軸加振素子110Yを動作させる。
具体的には、円S1の中心点Oおよび測定開始点P0を
結ぶ方向をX軸加振素子110Xの振動方向とし、X軸
加振素子110XおよびY軸加振素子110Yのスタイ
ラス102の軸に直交する方向の最大力をF、第2加振
回路による周波数をf2とすると、X軸加振素子110
XによるX軸方向の力Fx、およびY軸加振素子110
YによるY軸方向の力Fyは、以下の関数として設定さ
れる。 Fx=F・sin(2π・f2・t)・cosθ Fy=F・sin(2π・f2・t)・sinθ これにより、接触部102Aは、内周表面W1を所定の
周期(1/f2)でタッピングする。なお、式中のtは
時間を示す。 (4) 加振手段103Aによりスタイラス102を軸方向
に振動させるとともに、接触部102Aで内周表面W1
をタッピングしながら、制御手段31により内周表面W
1の走査を開始する。
【0039】(5) 走査の間、制御手段31は検出回路5
からの振幅情報値Anに基づいて指令速度ベクトルVnを適
宜調整し、支持体23を移動させてタッチ信号プローブ
100が内周表面W1に沿って移動するようにするとと
もに、検出回路5からの振幅情報値Anおよび制御手段3
1からの実位置rnが、各測定点n=0〜m毎の情報値群A0
Amおよび実位置群r0〜rmとしてパーソナルコンピュータ
6に蓄積されてゆく。 (6) 走査が完了したら、パーソナルコンピュータ6は、
蓄積した振幅情報値群A0〜Amおよび実位置群r0〜rmから
演算処理を行い、走査した内周表面W1の各点に関する
推定表面位置R0〜Rmを算出する。以下、これらの走査お
よび演算手順の詳細について説明する。
【0040】まず、走査にあたってのタッチ信号プロー
ブ100の移動(倣い動作)について説明する。図4に
おいて、タッチ信号プローブ100の位置はrn-1、rn
rn+1、rn+2と移行するものとする。各位置rn-1、rn、r
n+1、rn+2は座標系の原点(0,0)からの位置ベクトルrn
=(xn,yn)の形で表現される。図中各点の両側に延びる矢
印はタッピング動作の振動を表す。ここで、点rnから次
の点rn+1へ移動する際の移動方向ベクトル(これに基づ
いて制御手段31は指令速度ベクトルを逐次設定する)
の決定は次のように行われる。
【0041】n番目の測定点において、検出手段5の検
出信号から得られる振動の振幅情報をAnとし、この時の
タッチ信号プローブ100の位置情報を実位置rn=(xn,y
n)とする。同様に、n+1番目の測定点において、検出手
段5の検出信号から得られる振動の振幅情報をAn+1
し、この時のタッチ信号プローブ100の位置情報を実
位置rn+1=(xn+1,yn+1)とする。これらから、点rnから点
rn+1への移動方向ベクトルはvn+1=(xn+1-xn,yn+1-yn)=
(vx n+1,vy n+1)となる。一つ前の測定点については同
様にvn=(xn-xn-1,yn-yn- 1)=(vx n,vy n)となる。従っ
て、移動方向ベクトルを大きさ一定にすると次のように
なる。
【0042】
【数1】
【0043】移動方向ベクトルVn,Vn+1についてZ軸方
向(スタイラス102の軸方向)の単位ベクトルezを用
いベクトル積をとると次のようになる。
【0044】
【数2】
【0045】
【数3】
【0046】、サンプリング時間間隔を小さくすれば向
きの変化θも小さくなるから、sinθ≒θとおくことが
でき、この式(2)の変形と式(3)とにより次のようにおく
ことができる。
【0047】
【数4】
【0048】タッチ信号プローブ100の移動は、内周
表面W1の走査にあたって、どの位置でも所定の接触状
態で、つまり接触による振幅情報値Anが基準情報値As
保つように行われる必要がある。つまり、図5のよう
に、各点rn-1〜rn+2において、各々での振幅情報値An-1
〜A n+2と基準情報値Asとの差(An-1-As〜An+2-As)が
あるとしたら、これらが消えるように制御する必要があ
る。ここで、式(4)のPnはAnに依存することから、θ=
0付近では比例定数kを用いて次のように表せる。
【0049】
【数5】
【0050】以上より、移動方向ベクトルの成分
Vx n+1,Vy n+1は次のように求めることができる。
【0051】
【数6】
【0052】
【数7】
【0053】更に、これらの式(6)、式(7)を整理する
と、最終的に次のように表すことができる。
【0054】
【数8】
【0055】このように、n番目の点(位置ベクトル
Vn)からn+1番目の点(位置ベクトルVn +1)への移動
は、その時の振幅情報値Anを用いて決定することができ
る。通常、このような処理はデジタル演算処理により行
われるため、離散化誤差が発生し、値Rに影響すること
が予測されるが、値Rを所定の大きさとなるように随時
補正してゆくことで解決できる。以上のように、タッチ
信号プローブ100の倣い動作の制御が行われ、この際
前述のように求められる移動方向ベクトルVn+1に基づい
て制御手段31から指令速度ベクトルとして支持体23
を移動させればよい。また、移動方向ベクトルVn +1は内
周表面W1に沿った形となるので、タッピングの振動方
向はこの移動方向ベクトルVn+1に直交する方向へ向くよ
うに修正していれば、常時内周表面W1を法線方向に叩
く形にできる。従って、被測定物の形状が既知でない場
合でも走査が可能であり、常に測定表面をその法線方向
へ確実にタッピングすることができる。
【0056】次に、上述のような走査の間に、各測定点
でのサンプリングにより得られる振幅情報値Anと実位置
rn(蓄積された振幅情報値群A0〜Amと実位置群r0〜rm
から内周表面W1の推定表面位置Rn(R0〜Rm)を演算す
る処理について説明する。
【0057】図6において、タッチ信号プローブ100
の出力信号には次のような性質がある。タッチ信号プロ
ーブ100のスタイラス102が内周表面W1に接触し
ていない状態(A)では、タッチ信号プローブ100の実
位置rnはスタイラス102の軸線位置を指しており、こ
の位置は先端の接触部102Aの中心位置に一致してい
る。接触部102Aが内周表面W1に接触した状態(B)
になると、内周表面W1からの反力としての接触力F1
僅かに生じる。この状態では、内周表面W1位置は、実
位置rnと接触部102Aの球状の半径D(スタイラス1
02の軸線からのオフセット量)との和で計算できる。
スタイラス102が更に内周表面W1に押付けられる
と、接触力F2が大きくなり、スタイラス102が撓んだ
状態(C)となる。この状態ではスタイラス102の軸線
位置と接触部102Aの中心位置とがずれ、接触部10
2Aの中心位置は制御手段31から読み出せる実位置rn
とは異なる状態になる。このずれ量が押込み量dnであ
り、この値を無くすか常時一定にするかしないと正確な
測定ができない。
【0058】図7において、前述した図6(A)の状態で
は接触部102Aと内周表面W1とは接触しておらず、
どの位置にあってもスタイラス102は振動f1の共振
状態にあり、検出回路5から得られるスタイラス102
の振動振幅情報値Anは最大値A0で一定である。前述した
図6(B)のように、接触部102Aが内周表面W1に接
触すると、スタイラス102の共振状態が崩れ、振動が
抑制されて振幅情報値Anは減少する。振幅減少は内周表
面W1からの接触力が強くなるほど、つまり押込み量が
大きくなるほど顕著となる。この際の比例関係は感度勾
配ksで表すことができる。
【0059】このような関係から、振幅情報値Anが所定
の基準情報値Asとなるように常に制御すれば、前述した
押込み量dnの一定化による精度確保が可能である。具体
的には、振幅情報値Anが所定の基準情報値Asとなるよう
に維持しようとしても、スタイラス102の移動は予測
制御であるため基準情報値As近傍のAnのように少しずれ
た状態になるものとする。以上より、前述した実位置
rn、振幅情報値An、基準情報値Asの関係から、押込み量
dnを算出することができ、更に接触部102Aの球状の
半径Dを加味して内周表面W1の推定表面位置Rnが算出
できることになる。押込み量のスカラー|dn|と振幅情報
値Anとの関係は、感度勾配ks、最大振幅値A0から次のよ
うになる。
【0060】
【数9】
【0061】従って、押込み量のスカラー|dn|は次のよ
うになる。
【0062】
【数10】
【0063】更に、接触部102Aの球状の半径Dを考
慮して推定表面位置のスカラー|Rn|を推定すると次のよ
うになる。
【0064】
【数11】
【0065】以上の処理を各測定点毎に行えば、全ての
測定対象表面の接触位置推定が可能となる。なお、前述
した説明ではタッチ信号プローブ100の性質を変位に
対応した一定の感度勾配ksとしたが、実際には一定とは
限らない。このため、より実際に即した関数等による特
性表現あるいは特性テーブルを採用すれば一層の精度向
上が可能である。以上、推定表面位置のスカラー|Rn|を
推定する手順について述べたが、続いて、方向も加味し
た実際の推定表面位置Rnの推定について説明する。
【0066】図4に示した走査が終了すると、パーソナ
ルコンピュータ6には振幅情報値群A0〜Amおよび対応す
る実位置群r0(x0,y0)〜rm(xm,ym)が蓄積されている。こ
れらの蓄積データから次のようにして内周表面W1の推
定表面位置R0〜Rmが得られる。先ず、推定表面位置Rnを
求める場合、実位置rnに対して前後の実位置rn-1,rn+ 1
を用い、接触力が0の状態の位置ベクトルR'nと、これ
を正規の位置ベクトルRnに補正する方向を決定する。
【0067】図8に示すように、補助線ベクトルh'n=r
n+1-rn-1とおくと、これに垂直なベクトルhn=±(yn+1-y
n-1,-(xn+1-xn-1))が存在する。なお、図において、補
助線ベクトルh'nが測定表面の対応位置の接線方向に略
並行していることから、垂直なベクトルhnは測定表面の
対応位置に直交する方向となることが解る。この方向の
うち、位置ベクトルR'nへの補正の向きを考えると、倣
い測定中の振幅情報に対応する制御の向きが決定された
ようにして一つの向きを選択することが可能である。選
択の方法はこれに限らず、例えば通常測定表面は倣い測
定の進行方向のどちら側か解っているから、これに基づ
いて何れか一つの向きを選択してもよい。こうして選択
したベクトルから補正する向きの単位ベクトルinを求め
る。
【0068】
【数12】
【0069】前述した式(11)に上の式(12)の向きを与え
ることでrnからR'nが計算できる。
【0070】
【数13】
【0071】更に、オフセット量である接触部102A
の球状の半径Dを考慮して推定表面位置Rnを推定すると
次のようになる。
【0072】
【数14】
【0073】以上により得られるRnの集合(R0〜Rm)に
より測定表面(内周表面W1)の推定形状が得られる。
なお、前述の手順では、前後の測定点の情報を用いるた
め、端の点(0番目とm番目)についての測定表面位置
(R0,Rm)は得られないことになるが、この場合には端
位置を拡大する等で有効範囲を広げればよい。
【0074】以上のような第1実施形態によれば、スタ
イラス102を被測定物の表面に接触させた後、前記表
面の走査により各点の振幅情報値An、実位置rnが収集さ
れ、これらから各点の推定表面位置Rnを演算することが
できる。この際、スタイラスは各点の振幅情報値Anが基
準情報値Asになるように表面との距離を制御されるが、
振幅情報値Anが基準情報値Asに収束するまで各点で留ま
るものではなく、従来のような収束時間はかからない。
一方、各点の推定表面位置Rnは、実位置rnを振幅情報値
Anで補正する形で導くことができ、スタイラスが振幅情
報値An=基準情報値Asの位置に達することがなくとも正
確な値を得ることができる。
【0075】走査の際、移動のための指令速度ベクトル
Vn+1は、直前の値Vnと当該Vn+1との外積のスカラーを前
記振幅情報値Anと前記基準情報値Asとの差に比例定数k
倍した値と等価とすることで決定されるようにしたの
で、前述した振幅情報値Anが基準情報値Asに近づくよう
にスタイラスを移動させる制御を簡単かつ適切に行うこ
とができる。
【0076】演算の際、推定表面位置Rnは、実位置rn
対して次の実位置rn+1を確定した後、前記実位置rnを始
点とし、前記振幅情報値Anに対応した大きさで、前記次
の実位置rn+1および一つ前の実位置rn-1を結ぶ直線と直
交する向きに補正された位置とするようにしたので、簡
単な演算で精度良く推定表面位置Rnを得ることができ
る。
【0077】演算の際、推定表面位置Rnは、振幅情報値
Anに対応した大きさに更にスタイラス102の接触部1
02Aのスタイラス軸に対するオフセット量Dを加味す
ることで、スタイラス軸位置に対して実際の接触位置の
距離を加味することができ、正確な位置測定ができる。
【0078】走査と演算の処理については、先に前記測
定すべき表面に対する走査を完了し、その間に前記表面
に関する必要な全ての前記振幅情報値Anとこれに対応す
る実位置rnとを順次記憶しておき、この後記憶しておい
た情報値群A0〜Amとこれに対応する実位置群r0〜rmとか
ら前記演算を行って推定表面位置群R0〜Rmを得るように
したので、情報値A0〜Am、実位置r0〜rmを検出する走査
工程と、推定表面位置群R0〜Rmを演算する演算工程とを
別個に順次行えるため、並行して行う場合よりも制御を
簡略にでき、かつ相互の動作タイミングを考慮しないで
よいため各々における動作を最速になるように調整でき
る。
【0079】更に、本実施形態では、スタイラス102
を軸交叉方向に周波数f2で共振させることでタッピン
グ方式とすることができるとともに、走査の際には、タ
ッピング用の振動(周波数f2)が所定の位相にある時
に検出回路5から出力される検出信号の振幅情報値Anを
ラッチし、このラッチした振幅情報値Anを基準情報値As
と比較して制御を行うようにしたので、正確な制御を実
現することができる。
【0080】この際、スタイラス102におけるタッピ
ング用の振動(周波数f2)の方向は、スタイラス10
2の軸方向に略直交するとともに、走査する工程での支
持体23の移動方向(測定表面の方向、倣い方向)と略
直交しているものとし、かつこの振動は直線的であると
したため、適切なタッピング動作を実現することができ
る。
【0081】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。本実施形態は前述した第1実施形態と装置構成、
走査の手順等は同じであり、演算手順の最終段階である
推定表面位置Rnの算出手順が異なるものである。このた
め、異なる部分である推定表面位置Rnの算出手順のみ説
明し、他の共通部分は説明を省略する。図9には本実施
形態の推定表面位置Rnの算出手順が示されている。前記
第1実施形態では補助線ベクトルh'n=rn+1-rn-1と設定
したが、本実施形態では補助線ベクトルh'n=rn-rn-1
設定する。その後の演算は前記第1実施形態と同じでよ
い。
【0082】このような第2実施形態によれば、前記第
1実施形態のように次の実位置rn+1が必要ないため、検
出データを直ちに演算処理することができる。すなわ
ち、前記第1実施形態のように先に全ての測定点に関す
る検出データ(振幅情報値Anおよび実位置rn)を蓄積し
ておき、後でまとめて推定表面位置Rnを演算する場合に
は、次の実位置rn+1は容易に得られる。しかし、検出デ
ータを蓄積せずに、各測定点で測定する都度、推定表面
位置Rnを演算する場合、次の実位置rn+1は次の測定点に
移行するまで得られない。しかし、本実施形態のような
演算手法を用いることで、検出データを蓄積しない処理
を行う場合でも確実に演算処理を行うことができる。
【0083】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。本実施形態は前述した第1実施形態と装置構成、
走査の手順等は同じであり、演算手順の最終段階である
推定表面位置Rnの算出手順が異なるものである。このた
め、異なる部分である推定表面位置Rnの算出手順のみ説
明し、他の共通部分は説明を省略する。図10には本実
施形態の推定表面位置Rnの算出手順が示されている。前
記第1実施形態では補助線ベクトルh'n=rn+1-rn-1を設
定し、前記第2実施形態では補助線ベクトルh'n=rn-r
n-1を設定し、各々から垂直なベクトルhnを導いて演算
を行った。これに対し、本実施形態では、rn近傍の複数
の測定点(rn-1,rn、rn+1,rn+2等)を選択し、各点に基
づいて近似曲線Cnを設定し、この近似曲線Cn上の実位置
rnに最寄の点へ実位置rnから垂線を下ろし、この垂線を
垂直なベクトルhnとする。その後の演算は前記第1実施
形態と同じでよい。
【0084】このような第3実施形態によれば、前記第
1実施形態よりも多数の測定点(rn -1,rn、rn+1,r
n+2等)を用いて垂直なベクトルhnを導くことができ、
測定精度を一層向上することができる。特に、前記第1
実施形態と同様に先に走査を行って検査データを蓄積し
ておき、後でまとめて演算処理を行う場合には複数の測
定点のデータが簡単に利用できるため、容易に高精度化
が図れる。
【0085】次に、本発明の第4実施形態について説明
する。図11に示すように、本実施形態の装置構成は前
記第1実施形態とほぼ同一であるが、支持体23にはタ
ッチ信号プローブ100を任意姿勢に回転、傾斜させる
姿勢操作手段24を有するとともに、コントローラ3は
姿勢制御手段33を有し、これらによってワークWの内
周表面W1の傾斜に応じてタッチ信号プローブ100の
姿勢を操作する点が相違する。
【0086】実際の測定においては、ワークWの内周表
面W1の走査に先立って、タッチ信号プローブ100の
姿勢を操作する必要があり、ワークWの内周表面W1の
傾斜に関する情報が必要となる。これに対しては、予め
ワークWの内周表面W1の複数箇所の位置測定を行って
おくか、あるいはワークWの設計データ(CADデー
タ)を利用して内周表面W1の形状を割出しておけばよ
い。ワークWの内周表面W1の走査においては、スタイ
ラス102と内周表面W1との相対位置関係については
第1実施形態と同様になるようにするが、本実施形態に
おいては内周表面W1に傾きがあるため、支持体23の
X軸駆動機構とY軸駆動機構との他にZ軸駆動機構も制
御手段31により制御して走査を行う。
【0087】本実施形態において、その他の装置構成は
第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略す
る。スタイラス102と内周表面W1との相対位置関係
は第1実施形態と同様であるので、第1実施形態におけ
る走査方法や第2実施形態、第3実施形態による推定表
面位置Rnの演算手順を適用することができる。本実施形
態においては、姿勢操作手段24と姿勢制御手段33を
有するので、前もって内周表面W1の傾斜情報を得てお
くことで、接触部102Aにより常に内周表面W1の法
線方向にタッピングを行うことができる。
【0088】尚、本発明は、前述の各実施形態に限定さ
れるものではなく、以下に示すような変形をも含むもの
である。前記各実施形態に係る表面形状測定方法は、円
筒状のワークWの内周表面W1の測定を行うために利用
されていたが、被測定物としてはこれに限らない。すな
わち、円筒状のワークWの外周表面や、他の複雑な三次
元形状を有するワークの連続測定を行うために本発明を
利用してもよい。
【0089】また、前記各実施形態では、加振手段およ
び第2加振手段を圧電素子103A、110から構成し
ていたが、これに限らず、他の構造により加振手段およ
び第2加振手段を構成してもよい。要するに、スタイラ
スを軸方向および軸に直交する方向に所定の周波数で振
動させることができる加振手段および第2加振手段であ
れば、他の構成を採用してもよい。
【0090】更に、前記各実施形態では、タッチ信号プ
ローブを移動させてワークを測定していたが、ワークを
載置したXYZテーブルを移動させて測定を行ってもよ
い。また、姿勢操作手段は支持体に設けるものに限ら
ず、XYZテーブルのワーク載置面に姿勢操作手段を設
ける等してワークの姿勢を操作するようにしてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等
は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等として
もよい。
【0091】更に、接触検出プローブの具体的な形式、
特にスタイラス先端の形状などは適宜選択すればよく、
前記第1実施形態のように球状の接触部102Aならそ
の半径をオフセット量Dとすればよく、他の形状であれ
ば基準軸線から接触位置までのオフセット量を考慮すれ
ばよい。また、前記各実施形態ではタッピング動作を行
うプローブとしたが、これを行わない倣い動作だけの測
定にも本発明は利用できる。この場合、前記各実施形態
の第2の加振手段等は適宜省略すればよい。
【0092】
【発明の効果】前述したように、本発明の表面形状測定
方法によれば、プローブを測定点毎に安定させるのでは
なく、検出データの処理により推定表面位置を算出でき
るようにしたため、振動式の接触検出における被測定物
の接触点毎の収束時間の影響を回避し、測定精度を高く
維持しつつ作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の全体構成を示す概略ブ
ロック図である。
【図2】前記第1実施形態の要部を示すブロック図であ
る。
【図3】前記第1実施形態の測定状態を示す模式平面図
である。
【図4】前記第1実施形態の走査手順を示す模式平面図
である。
【図5】前記第1実施形態の走査における検出信号の変
化を表すグラフである。
【図6】前記第1実施形態のスタイラス先端の接触状態
を示す模式立面図である。
【図7】前記第1実施形態のスタイラス先端の接触状態
に応じた検出信号の変化を表す模式図である。
【図8】前記第1実施形態の演算手順を示す模式平面図
である。
【図9】本発明の第2実施形態の演算手順を示す模式平
面図である。
【図10】本発明の第3実施形態の演算手順を示す模式
平面図である。
【図11】本発明の第4実施形態の要部を示すブロック
図である。
【図12】従来のタッチ信号プローブのスタイラス部分
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 内外側面測定装置 5 検出手段 6 パーソナルコンピュータ 23 支持体 24 姿勢操作手段 31 制御手段 33 姿勢制御手段 100 タッチ信号プローブ 101 スタイラスホルダ 102 スタイラス 102A 接触部 103A 加振手段 103B 検出手段 110 第2加振手段 An 振幅情報値 A0〜Am 振幅情報値群 As 基準情報値 D オフセット量である半径 dn 押込み量 Rn 推定表面位置 R0〜Rm 推定表面位置群 rn 実位置 r0〜rm 実位置群 W 被測定物であるワーク W1 測定表面である内周表面
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−201010(JP,A) 特開 平8−247743(JP,A) 特開 平7−243846(JP,A) 特開 平9−264897(JP,A) 特表 平9−503857(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 21/00 - 21/32

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの指令により三次元空間内を所
    定の指令速度ベクトルで運動する支持体と、この支持体
    に支持されかつ被測定物に接触する接触部を有するスタ
    イラスと、前記スタイラスを軸方向に周波数f1で共振
    させる加振手段と、この加振手段による前記スタイラス
    の振動の変化を検出する検出手段とを備えた接触検出プ
    ローブを用い、前記被測定物の表面に前記接触部が接触
    した際の支持体の位置から前記被測定物の表面形状を測
    定する表面形状測定方法であって、 前記指令速度ベクトルの指令により、前記接触検出プロ
    ーブを移動させて前記被測定物の測定すべき表面に接触
    させる工程、 前記検出回路から出力される前記検出信号の振幅情報値
    Anが所定の基準情報値Asとなるように前記測定すべき表
    面との距離を制御しつつ、前記接触検出プローブを前記
    測定すべき表面に沿って移動させ、前記振幅情報値Anと
    これに対応する実位置rnを出力してゆくことで前記測定
    すべき表面を走査する工程、 前記振幅情報値Anとこれに対応する実位置rnから、前記
    振幅情報値Anが一定になるように走査した場合に得られ
    ると推定される推定表面位置Rnを演算する工程を含むこ
    とを特徴とする表面形状測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の表面形状測定方法にお
    いて、前記走査する工程における前記指令速度ベクトル
    Vn+1は、直前の値Vnと当該Vn+1との外積のスカラーを前
    記振幅情報値Anと前記基準情報値Asとの差に比例定数k
    倍した値と等価とすることで決定されることを特徴とす
    る表面形状測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の表面形
    状測定方法において、前記演算する工程で演算される前
    記推定表面位置Rnは、前記実位置rnに対して次の実位置
    rn+1を確定した後、前記実位置rnを始点とし、前記振幅
    情報値Anに対応した大きさで、前記次の実位置rn+1およ
    び一つ前の実位置rn-1を結ぶ直線と直交する向きに補正
    された位置であることを特徴とする表面形状測定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の表面形
    状測定方法において、前記演算する工程で演算される前
    記推定表面位置Rnは、前記実位置rnを始点とし、前記振
    幅情報値Anに対応した大きさで、前記実位置rnおよび一
    つ前の実位置rn-1を結ぶ直線と直交する向きに補正され
    た位置であることを特徴とする表面形状測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の表面形
    状測定方法において、前記演算する工程で演算される前
    記推定表面位置Rnは、前記実位置rnを始点とし、前記振
    幅情報値Anに対応した大きさで、少なくとも前記実位置
    rnとこの近傍の実位置rn+1,rn-1の3点で規定される曲
    線に前記実位置rnから下ろした垂線の向きに補正された
    位置であることを特徴とする表面形状測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項3〜請求項5の何れかに記載の表
    面形状測定方法において、前記演算する工程で演算され
    る前記推定表面位置Rnは、前記振幅情報値Anに対応した
    大きさに更に前記スタイラスの接触部のスタイラス軸に
    対するオフセット量Dが加味されることを特徴とする表
    面形状測定方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6の何れかに記載の表
    面形状測定方法において、先に前記測定すべき表面に対
    する走査を完了し、その間に前記表面に関する必要な全
    ての前記振幅情報値Anとこれに対応する実位置rnとを順
    次記憶しておき、この後記憶しておいた情報値群A0〜Am
    とこれに対応する実位置群r0〜rmとから前記演算を行っ
    て推定表面位置群R0〜Rmを得ることを特徴とする表面形
    状測定方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7の何れかに記載の表
    面形状測定方法において、前記接触検出プローブは、更
    に前記スタイラスを軸交叉方向に周波数f2で共振させ
    る第2の加振手段を備え、前記走査する工程において
    は、前記第2の加振手段による振動が所定の位相にある
    時に前記検出回路から出力される前記検出信号の振幅情
    報値Anをラッチし、このラッチした振幅情報値Anを前記
    基準情報値Asと比較して制御を行うことを特徴とする表
    面形状測定方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の表面形状測定方法におい
    て、前記第2の加振手段による前記スタイラスの振動の
    方向は、前記スタイラスの軸方向に略直交するととも
    に、前記走査する工程での前記支持体の移動方向と略直
    交していることを特徴とする表面形状測定方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項8の何れかに記載の
    表面形状測定方法において、前記支持体は、前記接触検
    出プローブを任意姿勢に回転および傾斜させる姿勢操作
    手段を有し、前記被測定物の形状に応じて前記接触検出
    プローブの姿勢を操作することを特徴とする表面形状測
    定方法。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の表面形状測定方法に
    おいて、前記第2の加振手段による前記スタイラスの振
    動の方向が、前記接触部が接触する前記被測定物の表面
    の法線方向となるように前記姿勢操作手段を操作するこ
    とを特徴とする表面形状測定方法。
  12. 【請求項12】請求項8〜請求項11の何れかに記載の
    表面形状測定方法において、前記第2の加振手段による
    前記スタイラスの振動は直線的であることを特徴とする
    表面形状測定方法。
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