JP3529862B2 - 自動化学分析装置 - Google Patents

自動化学分析装置

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JP3529862B2
JP3529862B2 JP28073894A JP28073894A JP3529862B2 JP 3529862 B2 JP3529862 B2 JP 3529862B2 JP 28073894 A JP28073894 A JP 28073894A JP 28073894 A JP28073894 A JP 28073894A JP 3529862 B2 JP3529862 B2 JP 3529862B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数種の項目を同時に
分析するディスクリート形の多項目、多検体用の自動化
学分析装置に係り、特に、各試薬の残量をモニタする手
段を備えた自動化学分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数種の項目を同時に分析するディスク
リート形の多項目、多検体用の自動化学分析装置では、
それぞれの試薬容器から専用の試薬ラインを介して試薬
を反応容器に一定量吐出するディスペンシングタイプの
試薬分注方式が一般に用いられている。
【0003】この種の分析装置では、一つの項目を分析
するのに通常2種類の試薬を用いることが多い。例え
ば、20項目の分析であれば、一般に40種類の試薬を
必要とする。各項目により一回の分析に必要な試薬量は
異なり、且つ検体毎に要求される測定項目も異なるため
に、各試薬の消費量は一様ではなくそのため全ての試薬
を同時に交換することはなく、うっかりすると分析の途
中で試薬切れを引き起こしかねず、試薬の消費量の管理
は重大な問題である。
【0004】試薬消費量管理のための方法として、従来
からよく用いられてきたのは、試薬交換時に初期試薬量
の値をキー入力してメモリに記憶しておき、測定毎に消
費量を差し引くことで残量を管理する方式であった。
【0005】しかしながらこの方式は、試薬交換毎に試
薬量の値をいちいちキー入力する必要があるため非常に
煩わしく、入力ミスを誘発し易かった。その上、キー操
作に費やす時間が膨大であるため、日常のルーチン業務
の使用においては、実用上耐え得るものではなかった。
【0006】このような問題点を解消するために、例え
ば導電センサを用いて試薬の有無を検知する方法があ
る。この導電センサを用いた最近の例としては、特開
05−10958号公報に開示された分析装置が知られ
ている。
【0007】この分析装置は、試薬吸引チューブの両端
に溶着され先端付近に接点を持つ2本の電極線(導電セ
ンサ)を備え、この電極線の導通、非導通をモニタする
ことにより、試薬の有無を検出していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した特開平05
10958号公報に開示された分析装置によれば、試薬
交換毎に必要だったキー入力操作がいらず、操作性に関
しては改善された。しかしながら、試薬量はセンサの物
理的特性からオン/オフ信号でしか提供されず、モニタ
としてのリアルタイム性あるいは連続性が不十分であ
り、総合的な試薬管理が難しかった。また、オペレータ
は常に試薬残量の警告に気を配らなければならず、負担
は相変わらず大きかった。
【0009】一方、試薬の劣化は分析結果の正確さに悪
影響を与えるために極力避ける努力がなされている。こ
のような状況を反映して、特開平05−10958号公
報に開示された分析装置のように、試薬の導通の有無検
出のために電極線を試薬に直接接触させる方法では、電
極線に白金のような高価な材料を使わなければならず、
コストアップの原因となっていた。
【0010】また、特開平05−10958号公報に開
示された他の例によれば、この電極線と試薬との接触に
伴うコストアップの問題点を解決するために、試薬容器
を金属板上に配置し、電極線と金属板との間の静電容量
による試薬残量の検出方法を示している。しかし、この
ように直接試薬容器全体の静電容量を検出する方法で
は、検出された静電容量が(1)試薬容器の形状や材質
に影響を受けること(2)電極線と装置筐体との浮遊容
量に影響を受けること等について何等の配慮がなされて
いないため、正確に試薬残量を検出することが難しかっ
た。
【0011】本発明は上述した問題に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、オペレータの負担を軽減しな
がら試薬残量を正確且つリアルタイムにモニタリング可
能な自動化学分析装置を提供することである。
【0012】また、本発明の第2の目的は、試薬の劣化
を引き起こしにくく、且つ試薬容器の形状や装置筐体の
引き回しに起因する浮遊容量の影響を受けずに試薬残量
を連続且つリアルタイムにモニタリング可能な自動化学
分析装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するた
め、請求項1記載の自動化学分析装置では、液状試薬が
収容された液体容器内から試薬分注チューブを介して反
応容器へ前記液状試薬を分注する一方、前記液体容器内
に挿入されたセンサ部により検出される前記液状試薬の
液面高さに応じた静電容量変化に基づいて前記液状試薬
の残量をモニタするようにした自動化学分析装置におい
て、前記センサ部は、前記静電容量検出用の所要の長さ
の一対の電極と、下端が前記液体容器の底面に接して
の一対の電極を前記液体容器の深さ方向に内包して支持
し、且つ液密構造に形成した電極支持体とを備える一
方、試薬に浸けたときに試薬中に沈む重さを有し、前記
一対の電極の下端は、前記電極支持体の底面から所定の
距離をおいた位置に置かれる。
【0014】また、請求項2に記載した自動化学分析装
置では、前記センサ部は、当該センサ部を構成する前記
電極支持体の中心に軸方向に沿って貫通孔を穿設し、こ
の貫通孔内に前記チューブを、当該チューブの吸引口が
前記電極支持体の底面に接するように挿設している。
【0015】一方、前記目的を達成するため、請求項3
に記載した自動化学分析装置では、液状試薬が収容され
た液体容器と、この液体容器から反応容器へ前記液状試
薬を分注する試薬分注用チューブと、前記液体容器内に
挿入され且つ前記液状試薬の液面高さに応じた静電容量
変化を検出するセンサ部と、前記センサ部により検出さ
れた静電容量変化を取り出す出力ラインと、一対の出力
端子を有し、前記静電容量変化を電気信号に変換する変
換手段とを備え、この変換手段から出力された電気信号
に基づいて前記液状試薬の残量をモニタするようにした
自動化学分析装置であって、前記センサ部は前記静電容
量検出用の所要の長さの第1及び第2の電極からなる一
対の電極と、この一対の電極を前記液体容器の深さ方向
に内包して支持し、且つ液密構造に形成した電極支持体
とを備える一方、前記出力ラインは第1及び第2のケー
ブルからなる2本のケーブルと、この2本のケーブルを
シールドするシールド部とを有するとともに、前記第1
及び第2のケーブルを前記変換手段の一対の出力端子に
それぞれ接続し、前記第1の電極をグラウンドに接続
し、さらに前記第2の電極を前記第1のケーブルに接続
するとともに、前記第2のケーブルの一端を解放端とし
ている。
【0016】特に、請求項4に記載した自動化学分析装
置では、前記液体容器は複数個あり、その複数個の液体
容器それぞれに前記センサ部を設けるとともに、前記複
数個のセンサ部それぞれに前記出力ラインを接続する一
方、前記複数個の出力ラインを介してそれぞれ送られる
出力信号の中から一つの出力信号を選択して前記変換手
段に送る選択手段を備えている。
【0017】
【作用】請求項1記載の自動化学分析装置によれば、液
状試薬が収容された液体容器内に挿入されたセンサ部に
は、液状試薬の液面高さに応じた静電容量変化検出用の
所要の長さの一対の電極と、下端が前記液体容器の底面
に接してこの一対の電極を液体容器の深さ方向に内包し
て支持し、且つ液密構造に形成した電極支持体とが備え
られている一方、試薬に浸けたときに試薬中に沈む重さ
を有している。つまり、電極支持体は、液体容器の底面
に載置された状態となり、かつ、液状試薬と電極とは電
極支持体により非接触であるため、前記電極により静電
容量変化を検出する際にも、液状試薬の組成に何等影響
を与えることがない。
【0018】特に、請求項2に記載した発明では、セン
サ部は、当該センサ部を構成する前記電極支持体の中心
に軸方向に沿って穿設された貫通孔内に、チューブが、
その吸引口が電極支持体の底面に接するように挿設され
いる。電極支持体は、液体容器の底面に載置されてい
ることから、この結果、チューブの吸引口もまた容器の
底面に接することになる。したがって、液状試薬の吸引
動作が良好に行なわれることになる。
【0019】一方、請求項3に記載した発明では、請求
項1に記載された発明と同様に、センサ部には、静電容
量検出用の所要の長さの第1及び第2の電極からなる一
対の電極と、この一対の電極を液体容器の深さ方向に内
包して支持し、且つ液密構造に形成した電極支持体とが
備えられる一方、その一対の電極により検出された静電
容量は、シールド部によりシールドされた2本のケーブ
ルを有した出力ラインを介して変換手段に送られる。
【0020】変換手段では、送られた静電容量変化が電
気信号に変換され、この電気信号は一対の出力端子を介
して取り出される。そして、この電気信号に基づいて前
記液状試薬の残量がモニタされるようになっている。
【0021】このとき、第1及び第2のケーブルから成
る2本のケーブルが変換手段の一対の出力端子にそれぞ
れ接続され、第1の電極がグラウンドに接続され、さら
に第2の電極が第1のケーブルに接続されるとともに、
第2のケーブルの一端が解放端とされている。
【0022】つまり、変換手段の一方の出力端子は第1
のケーブルを介して第2の電極に接続され、他方の出力
端子は第2のケーブルに接続され、その先端は開放端に
なっている。また、第1の電極はグラウンドに接続され
ている。
【0023】この結果、変換手段の一方の出力端子に
は、第1及び第2の電極間の静電容量が接続されている
とみなすことができる(第1の電極がグラウンドに接続
されているから)。また、変換手段の他方の出力端子と
接続された第2のケーブルの先端が開放端となっている
ため、変換手段の両出力端子間に働くケーブルに起因し
た浮遊容量は両端子間で相殺される。したがって、ケー
ブルに起因した浮遊容量の影響を除去することができ
る。
【0024】さらに、請求項4に記載した発明では、複
数個の液体容器それぞれにセンサ部が設けられている。
また、複数個のセンサ部それぞれに出力ラインが接続さ
れている。
【0025】このとき、複数個の容器の内、ある容器の
液体残量をモニタしたければ、選択手段により、複数個
の出力ラインを介してそれぞれ送られる出力信号の中か
ら、所望の容器に対応する一つの出力ラインの出力信号
が選択され、変換手段に送られるようになっている。つ
まり、選択手段で適宜選択することにより、複数の液体
容器の内どの容器に対しても液状試薬の残量をリアルタ
イムでモニタすることが可能になっている。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係る自動化学分析装置の一実
施例を図1〜図10を参照して説明する。
【0027】図1は、複数種の項目を同時に分析するデ
ィスクリート形の多項目、多検体用の自動化学分析装置
(以下、単に分析装置という)の概略構成図であり、煩
雑さを避けるために、図は主に試薬の残量をモニタする
際の動作に係る構成部分を中心に示している。
【0028】この自動化学分析装置は、反応系1、試薬
分注系2、及び試薬残量モニタ系3とを備えている。ま
た、試薬分注系2と試薬残量モニタ系3とは一部の構成
要素が重複している。
【0029】反応系1は、図示しない円盤状の反応ディ
スクにおける円形の反応ライン4上に配設された複数
(図示では一本のみ)の反応管5を備えている。この反
応管5には液体試料(検体)が収容され、試薬分注位置
に間欠的に移送されるようになっている。試薬分注位置
における反応管5の例えば上方には、液状試薬が収容さ
れた複数の試薬容器6a〜6dが配置されている。
【0030】各試薬容器6a〜6d内には、試薬吸引用
の吸引チューブ7a〜7dと試薬残量モニタ用の平行電
極線(以下、センサ電極線ともいう)(8a1、8a
2)〜(8d1、8d2)とを共に保持した保持ベース
9a〜9dが設置されている。この保持ベース9a〜9
dの概略構成を図2(a),(b)に示す(なお、図2
には、保持ベース9aの概略構成のみを示しており、そ
の他の保持ベース9b〜9dも同様の構成である)。な
お、センサ電極線(8a1、8a2)と保持ベース9a
とでセンサ部SEaを形成する(同様に、その他のセン
サ電極線(8b1、8b2)〜(8d1、8d2)、保
持ベース9b〜9dもそれぞれセンサ部SEb〜センサ
部SEdを形成する)。
【0031】保持ベース9aは略円柱体であり、容器6
aの深さ方向にその保持ベース9aの長軸方向が沿うよ
うに直立した状態で同容器6a内に設置されている。そ
して、その保持ベース9aの中心軸部分には貫通孔が穿
設され、この貫通孔には、図2に示すように試薬を吸引
するための吸引チューブ7aが挿設されている。この吸
引チューブ7aの吸引側先端の吸引口は、試薬容器6a
底面に接している。
【0032】また、保持ベース9aには、その軸方向に
沿って一対の盲孔が所定間隔離間して穿設され、その一
対の盲孔内には、それぞれ電極線(センサ電極線8a
1)及び(センサ電極線8a2)が埋設されている。こ
のセンサ電極線(8a1、8a2)の内、一方の電極線
8a1は、同保持ベース9a上面から、図2(a)に示
すように接続引き出し部10を介して、例えば網目構造
の金属体(シールド部S)に覆われる等して電磁的にシ
ールドされた「ペア線(11a1、11a2)(一対の
ケーブル)」の一方(ケーブル11a1)に接続されて
いる。なお、一対のケーブルの他方(ケーブル11a
2)のセンサ部側の端部は開放端となっている。
【0033】また、他方の電極線8a2は別個のケーブ
ル11caを介してシールド部Sのセンサ部側端部に接
続されている。このとき、センサ電極線(8a1、8a
2)は接続引き出し部(リード線引き出し部ともいう)
10を含めて試薬溶液が浸透されない液密構造になって
いる。
【0034】さらに、反応管5の上方には、当該反応管
5へ試薬を吐出するための複数(図1では4本)の吐出
チューブ12a〜12dが配設されている。この吐出チ
ューブ12a〜12dは試薬スライダ13により固定さ
れた状態で保持されている。そして、この複数(図1で
は4本)の吐出チューブ12a〜12dがスライダ駆動
機構14によるスライダ13の矢印s方向の移動により
選択され、試薬分注位置に位置づけられる。
【0035】そして、自動化学分析装置は、試薬の吸引
及び吐出動作を行なうためのシリンジ15a〜15dを
備えている。このシリンジ15a〜15dの吸引路と吐
出路を兼ねる共通チューブ16a〜16dは、三方切換
弁(以下、切換弁ともいう)Vにより吸引チューブ7a
〜7dと吐出チューブ12a〜12dとに選択的に接続
されている。なお、試薬容器6a〜6d、吸引チューブ
7a〜7d、吐出チューブ12a〜12d、スライダ1
3、スライダ駆動機構14、及びシリンジ15a〜15
dが試薬分注系を構成する。
【0036】一方、ペア線(11a1、11a2)〜
(11d1、11d2)は、マルチプレクサ17の各入
力端子に接続されている。なお、マルチプレクサ17
は、一対の信号線が接続可能な一対の入力端子を少なく
とも試薬容器6a〜6dの個数分だけ備えている。な
お、この複数個の入力端子を以下チャンネルともいう。
また、シールド部Sのマルチプレクサ17側の端部(ケ
ーブル11caの接続端とは反対側の端部)はグラウン
ドに接続されている。
【0037】ここで、ある試薬容器6a内のセンサ電極
線(8a1、8a2)とマルチプレクサ17との接続構
成を図3に示す。センサ電極線(8a1、8a2)の一
方8a1に接続されたケーブル11a1は、シールド部
S内を通ってマルチプレクサ17の一対の入力端子の内
の一方xa1に接続されている。また、マルチプレクサ
17の一対の入力端子の内の他方xa2に接続されたケ
ーブル11a2は、シールド部Sを通ってセンサ部側へ
伸び、そのセンサ部側の先端は、上述したように開放状
態になっている。なお、その他の試薬容器6b〜6d内
の電極線(8b1、8b2)〜(8d1、8d2)の接
続も同様に、ペア線(11b1、11b2)〜(11d
1、11d2)及びケーブル11cb〜11cdにより
行なわれる。
【0038】このようにして、全ての試薬容器6a〜6
dの各センサ電極線(8a1、8a2)〜(8d1、8
d2)の一方(8a1〜8d2)に接続されたペア線の
一方のケーブル(11a1〜11d1)が、マルチプレ
クサ17の一方の入力端子(xa1〜xd1)に接続さ
れ、ペア線の他方のケーブル(11a2〜11d2)が
マルチプレクサ17の他方の入力端子(xa2〜xd
2)に接続されている。
【0039】また、図3には試薬残量モニタ系3の概略
構成も示されている。この試薬残量モニタ系は、上述し
たセンサ電極線(8a1、8a2)〜(8d1、8d
2)、及びマルチプレクサ17を構成要素の一部として
備えている。
【0040】マルチプレクサ17の出力は試薬残量モニ
タ信号検知回路18に接続されている。試薬残量モニタ
検知回路18の出力側には、A/D変換器19、残量モ
ニタ信号制御・演算部20、及びTVモニタ21が接続
されている。また、残量モニタ信号制御・演算部20に
は入力部22及び警報ブザー発生部23が接続され、さ
らに、マルチプレクサ17にはアドレスラッチ回路24
が接続されている。さらにまた、試薬残量モニタ系3
は、系全体を制御するシステム制御部25を備えてい
る。
【0041】試薬残量モニタ信号検知回路18は、図3
に示すように、角周波数ωの正弦波信号を発振するオシ
レータ(発振器)26を備えている。このオシレータ2
6の出力側には、ブリッジ回路27、計装アンプ28、
全波整流器29、及び低域濾波器30が順次接続されて
いる。
【0042】マルチプレクサ17の唯一の出力端子であ
る一対の出力端子「ya(入力端子xa1〜xn1
用)、yb(入力端子xa2〜xn2用)」は、それぞ
れブリッジ回路27の出力端子P1、P2に接続されて
いる。つまり、ブリッジ回路27は、マルチプレクサ1
7で選択されたセンサ電極線{(8a1、8a2)〜
(8d1、8d2)の内の一つ}間の静電容量をその構
成要素の一部としている。また、ブリッジ回路27の出
力端子P1は計装アンプ28の逆相端子(−入力)と接
続され、出力端子P2は計装アンプ28の正相端子(+
入力)と接続されている。さらにまた、端子P2(計装
アンプ28の+入力側)には、補償用容量(コンデン
サ)31が接続されている。この補償用コンデンサ31
は、センサ電極線(8a1、8a2)〜(8d1、8d
2)にペア線(11a1、11a2)〜(11d1、1
1d2)の一方しか接続されていないために生ずるブリ
ッジ回路27の不平衡を補償するために設けられてい
る。本実施例での補償用コンデンサ31の値は、数pF
〜数十pFである。
【0043】ここで、ブリッジ回路27の等価回路を図
4に示す(なお、マルチプレクサ17がセンサ電極線
(8a1、8a2)の入力端子(xa1、xa2)を選
択していると仮定する)。図中Rは、ブリッジ回路27
のブリッジ抵抗の値、C0はシールドされたペア線(1
1a1、11a2)に起因した静電容量、Cxはセンサ
部SEaが試薬に浸漬された状態で生じる静電容量、そ
して、C1は前記補償用容量の値である。また、オシレ
ータ26から印加される正弦波印加電圧をei、ブリッ
ジ回路27の両端子P1、P2それぞれの電圧をe1、
e2とする。
【0044】図4の等価回路から明らかなように、ブリ
ッジ回路27からセンサ電極線(8a1、8a2)まで
の浮遊容量は、その構成上シールドされたペア線(11
a1、11a2)それぞれの固有の等しい容量C0(以
下、固有容量という)となり、ブリッジ回路27のグラ
ウンドを挟む両端子P1、P2にそれぞれ接続されてい
るとみなすことができる。つまり、その両端子P1、P
2に接続されている固有容量C0は相殺されることにな
る。
【0045】さらに、この1対のペア線(11a1、1
1a2)は電磁的にシールドされているため、ブリッジ
回路27からセンサ電極線(8a1、8a2)までの浮
遊容量の影響は、シールドされた1対のケーブル(11
a1、11a2)の固有の線間容量だけとなり、その静
電容量の値はケーブル長で定まる。したがって、ケーブ
ルの装置筐体上での引き回しや取り付け方による周囲環
境からの浮遊容量の影響は無視されることになる。
【0046】したがって、ブリッジ回路27の出力電圧
{ブリッジ回路27の両端子P1〜P2間の電位差(e
1−e2)}は、マルチプレクサ17で選択されたセン
サ電極線(8a1、8a2)を有するセンサ部SEaが
試薬に浸漬された状態で生じる静電容量Cxの変化(Δ
Cx)により発生する。言い換えれば、センサ電極線
(8a1、8a2)間の静電容量変化ΔCxをブリッジ
回路27の出力電圧として得ることができるようになっ
ている。
【0047】このブリッジ回路27の出力電圧(e1−
e2)は、計装アンプ28により差動増幅された後、全
波整流器29及び低周波濾波器30を介して平均値(以
下、センサ信号という)として取り出されるようになっ
ている。なお、マルチプレクサ17がセンサ電極線(8
b1、8b2)〜(8d1〜8d2)の端子(xb1、
xb2)〜(xd1、xd2)を選択した場合でも、上
述したセンサ電極線(8a1、8a2)の端子(xa
1、xa2)場合と同様である。
【0048】このセンサ信号は、A/D変換器19を介
してディジタルデータに変換された後残量モニタ信号制
御・演算部20に送られる。
【0049】残量モニタ信号制御・演算部20は、メモ
リ、ローカルの中央処理装置(以下、CPUという)を
備え、システム制御部25から送られる制御実行指令及
び入力部22から送られる入力データ等に基づいて後述
する図11に示す処理を行なうようになっている。
【0050】入力部22は、例えばキーボード等を有
し、オペレータから種々のデータを入力可能になってい
る。なお、この入力データは、残量モニタ信号制御・演
算部20のメモリに送られ、記憶されるようになってい
る。
【0051】警報ブザー発生部23は、残量モニタ信号
制御・演算部20から送られる警報ブザー発生指令に応
じて所要の大きさの警報ブザーを鳴らすようになってい
る。
【0052】アドレスラッチ回路24は、システム制御
部25から送られる出力信号切換用のアドレス信号を一
時的に保持した後、同アドレス信号をマルチプレクサ1
7に送るようになっている。
【0053】マルチプレクサ17は、アドレスラッチ回
路24から送られるアドレス信号に応じて、そのアドレ
スに対応する入力端子(チャンネル)に入力されたデー
タを選択し、出力端子に送るようになっている。
【0054】ここで、試薬残量をモニタする上での種々
のパラメータとセンサ出力との関係について説明する。
なお、以下の説明は、マルチプレクサ17がセンサ電極
線(8a1、8a2)の入力端子(xa1、xa2)を
選択しているものと仮定する。
【0055】図5(a)及び(b)は、ブリッジ抵抗R
=100KΩ、eiの振幅を1としたときの容量変化C
xと「e1−e2」の信号振幅変化の関係を示す。周波
数5KHz(図5(a))と30KHz(図5(b))
の場合で、C0をパラメータとしている。信号電圧「e
1−e2」は周波数が大きくなるほど感度が大きくな
る。しかしながら、他方では静電容量C0の信号電圧へ
の影響は小さいほど望ましいのでこの両者のトレードオ
フが重要である。
【0056】図6は、本実施例における試薬残量モニタ
での各種容器でのセンサ出力の様子を示す。なお、容量
500mlのビーカーの底面の直径は約83mm、容量
500mlのポリビンの底面の直径は72mm、容量1
000mlのポリビンの底面の直径は100mmであ
る。同じサンプル容量でも容器の形状や大きさが異なる
ため、それぞれの試薬液面の高さが変わってくる。した
がって、センサ出力の大きさに違いが出てくる。
【0057】一方、図6の各々の容器での試薬の液面高
さとセンサ出力の関係を図7に示す。図7に示されるよ
うに、センサ出力は容器の形状、大きさによらずセンサ
電極線(8a1、8a2)が試薬と接触する長さに依存
することが明らかである。
【0058】また、図8に、幾つかの試薬による液面高
さとセンサ出力との関係を示す。試薬の種類によるセン
サ出力の違いは、認められ無かった。これは、各種試薬
を構成する成分の誘電率よりも極性溶媒である水の誘電
率の影響が支配的であるためと考えられる。
【0059】つまり、センサ電極線(8a1、8a2)
が保持ベース9aを介して試薬に包まれる長さ(すなわ
ち、試薬の液面高さh)の変化に対応してセンサ出力、
言い換えればセンサ電極線(8a1、8a2)間の静電
容量Cxが変化する。すなわち、センサ電極線(8a
1、8a2)間の静電容量Cxは、
【数1】 Cx=(ε1+εx)×h×S/d ……(1) ただし、ε1は、保持ベース9aの誘電率、εxは、保
持ベース9aを包む領域の誘電率、Sは、単位長さ当り
のセンサ電極線(8a1、8a2)の互いに対向する領
域の面積、dは、センサ電極線(8a1、8a2)間の
距離である。
【0060】したがって、静電容量Cx、つまりセンサ
出力は、液面高さに応じて、図8に示すように変化す
る。
【0061】また、Cxは、試薬容器の形状、大きさ、
及び試薬の種類に無関係なことが分かる。
【0062】さらに、実際の試薬残量をモニタしている
状態では、試薬溶液が容器中に満たされた状態から少し
ずつ溶液が減少していく状態をモニタしなければならな
い。そのため、センサ電極線(8a1、8a2)に付着
してそのまま残ってしまう溶液は、実際の残量に上乗せ
され、誤った結果を与えてしまう恐れがある。したがっ
て、センサ電極線(8a1、8a2)を保持する保持ベ
ース9aの設計は実用上の重要なポイントとなる。保持
ベース9aは、試薬チューブ7aの保持と、試薬チュー
ブ7aの吸引口を試薬容器6aの底面に接した構造にす
るためのオモリとを兼用した働きを有することから考え
ると、その材質の選択は、絶縁性、耐薬品性、比重、及
び破水性が重要なファクタとなる。このような条件を満
足する材質としては、例えばフッ素樹脂、ポリサルフォ
ン、PEEK等がある。
【0063】前掲図2に保持ベース9aの概略寸法の一
例を示す。オモリとしての機能を果たし、液面高さを7
0mm程度の範囲(例えば、底面積110mm×20m
m、深さ150mm、有効容量200mlの試薬容器で
は120mlの試薬量)から残量をモニタできること及
びその保持ベース9aを容器6a内に投入したとき直立
状態を保つこと等を考慮して、全長「Dx=80m
m」、「直径Dz=9mm」としている。
【0064】ここで、本実施例の保持ベース9aによる
試薬残量増減によるセンサ出力特性を図9に示す。図9
の結果は、次の測定手順により得た。先ず試薬200m
lが満たされた所要の大きさの試薬容器6aの中に保持
ベース9aを投入し、少しずつ試薬を吸い出しながら所
定の液面高さのセンサ出力値を測定した。次に、試薬容
器6aと保持ベース9aを洗浄した後、今度は試薬容器
6a内に適量づつ試薬を注入しながら所定の液面高さの
センサ出力値を測定した。更に、試薬容器6a内に適量
づつの試薬を注入しながら、所定の液面高さに対応する
センサ出力値を測定した。続いて、試薬容器6a内に満
たされた200mlの試薬を再び適量づつ減量しなが
ら、所定の液面高さに対応するセンサ出力値を測定し
た。
【0065】図9から明らかなように、試薬量の増減に
対してセンサ出力のスロープは略同じである。これは試
薬量が減少していっても、保持ベース9aに残る試薬の
影響が小さいことを示している。
【0066】また、前掲図2中に、保持ベース9aの構
造に依存するセンサ電極線(8a1、8a2)の深さ方
向の長さD1、センサ電極線(8a1、8a2)が保持
ベース9aの盲孔内に挿入されているために、主に肉厚
の原因により生ずる不感体部分の深さ方向の長さD2
(約10mm)、及び接続引き出し部10の深さ方向の
長さD3を併記している。試薬量が少しずつ増加してい
く状態では、図9に示すように、センサ出力はこの保持
ベースの構造と良く一致した出力変化を示す。なお、セ
ンサ電極線(8a1、8a2)の深さ方向の長さD1
は、保持ベース9aの全長Dxに比べてDy(例えば、
5mm)だけ短くなっている。これは、試薬量の減少に
より液面高さがセンサ電極線(8a1、8a2)の長さ
D1を越えて降下し、センサ電極線(8a1、8a2)
のセンサ出力がこれを検出しても、容器6a内には、未
だ試薬が残存するように設定するためである。
【0067】一方、試薬が容器6a内に満たされた状態
から少しずつ減少していく状態では、シールドペア線接
続引き出し部分10への試薬の付着が主要な原因とな
り、液面高さがセンサ電極線(8a1、8a2)の長さ
を越えて降下しても、センサ出力はある値を持ってしま
う(試薬付着時バイアス値という)。したがって、実用
上では、このような実験等により予め定まる試薬付着時
バイアス値を各センサ電極線(8a1、8a2)毎に求
めておき、そのバイアス値を残量モニタ信号制御・演算
部20のメモリに記憶しておくとよい。
【0068】また、上述した試薬量減少時における測定
結果で、例えば試薬容器6aの底面積が既知の場合、得
られた液面高さを試薬量に換算したときのその試薬容量
とセンサ出力との関係を図10に示す。つまり、分析装
置への適用に際しては、図9あるいは図10に示すよう
な、試薬の液面高さとセンサ出力、あるいは液面高さを
試薬量に換算したときのその試薬量とセンサ出力との関
係を示すグラフ等のデータを複数の測定データに基づい
て予め作成しておく{以下、この試薬量(あるいは液面
高さ)とセンサ出力との関係を示すグラフ等のデータを
検量線データという}。この検量線データは、例えば図
示しない外部記憶装置等を介して残量モニタ信号制御・
演算部20のメモリに保存されるようになっている。
【0069】次に試薬の分注動作、及びその分注動作に
伴う試料残量のモニタ動作を中心に全体動作を説明す
る。
【0070】予め分析装置据え付け時に、試薬残量モニ
タ系3の初期設定を行なう。すなわち、センサ電極線
(8a1、8a2)〜(8d1、8d2)をそれぞれ有
するセンサ部SEa〜SEdが試薬に浸漬されていない
状態において、試薬残量モニタ系3を起動させる。そし
て、システム制御部25からアドレスラッチ回路24を
介してマルチプレクサ17に順次アドレス信号を出力
し、各センサ電極線(8a1、8a2)〜(8d1、8
d2)のセンサ出力{初期バイアス値ともいう;つま
り、シールドペア線の静電容量の不平衡や保持ベース9
a〜9d上のセンサ電極線(8a1、8a2)〜(8d
1、8d2)による静電容量といった残量モニタ信号検
知回路18の構成上の要因により生じてしまう出力}を
A/D変換器19を介して残量モニタ信号制御・演算部
20のメモリに記憶しておく。
【0071】分析動作を開始するにあたり、オペレータ
は、所定の試薬残量(すなわち、これ以上試薬が減少し
ては困る量)を入力部22から予め入力しておく。この
値は、残量信号制御・演算部20のメモリに記憶され
る。
【0072】そして、検体及び試薬の分注動作が行なわ
れる。すなわち、図示されていないサンプル分注位置に
ある反応管5に所定の検体(サンプル)量が分注され
る。そして、反応ライン4が回転移動して、このサンプ
ルが収容された反応管5は試薬分注位置Aに位置付けら
れる。
【0073】一方、所定の検査項目に対応する試薬シリ
ンジが例えば15aとする。この時点で切換弁Vの切り
換え動作により、共通チューブ16aと吸引チューブ7
aとが接続される。そして、試薬シリンジ15aの吸引
動作により、分析に必要な分注量の試薬が試薬容器6a
から吸引チューブ7aを介して吸引される。
【0074】こうして所定量の試薬が吸引された後、切
換弁Vの切り換え動作により、共通チューブ16aは吐
出チューブ12aと接続される。このとき、試薬スライ
ダ13は、スライダ駆動機構14により試薬ノズルNa
を反応管5上の試薬吐出位置に移動させる。そして、試
薬シリンジ15aの吐出動作により吐出チューブ12
a、試薬ノズルNaを介して所定量の試薬が反応管5内
に吐出される。なお、検体の反応は、例えば発色反応が
進行したときに反応液を光学的に測定し、濃度または活
性値として求められる。
【0075】試薬の吐出が終了すると、反応管5は、次
の攪拌位置に移動される。
【0076】こうして、所定の項目の試薬の吐出動作が
行なわれると、システム制御部25の制御により、アド
レスラッチ回路24を介して、試薬の分注が行なわれた
試薬容器6a内の平行電極線(8a1、8a2)に対応
する入力端子(xa1、xa2)を選択する旨のアドレ
ス信号がマルチプレクサ17に送られる。マルチプレク
サ17では、送られたアドレス信号に応じて入力端子
(xa1、xa2)に送られたセンサ電極線(8a1、
8a2)間の静電容量データが選択され、試薬残量モニ
タ信号検知回路18のブリッジ回路27の静電容量変化
ΔCxとなる。
【0077】平衡状態であったブリッジ回路27は、こ
の静電容量変化ΔCxに応じて出力電圧が発生し、この
出力電圧は、全波整流器29、低域濾波器30を介して
センサ信号となる。そしてこのセンサ信号は、A/D変
換器19を介してセンサ出力データとして残量モニタ信
号制御・演算部20のメモリに記憶される。
【0078】このとき、残量モニタ信号制御・演算部2
0は、CPUの動作に基づいて図11に示す処理を行な
っている。すなわち、残量モニタ信号制御・演算部20
は、A/D変換器19から送られたセンサ出力データか
ら、メモリに記憶された初期バイアス値及び試薬付着時
バイアス値をそれぞれ減算する(ステップ101)。な
お、この減算により得られたデータは、新センサ出力デ
ータとしてメモリに記憶される。
【0079】続いて残量モニタ信号制御・演算部20
は、メモリに記憶された試薬残量及び検量線データを読
み込み、設定された試薬残量に対応するセンサ出力値
(閾値)を検量線データを参照して求める(ステップ1
02)。
【0080】そして、残量モニタ信号制御・演算部20
は、新センサ出力データのレベルVrが閾値レベルTr
より低下したか否かを判断し(ステップ103)、低下
していれば(YESの判断)、警報ブザー発生部23に
警報ブザー発生指令を送り(ステップ104)、処理を
終了する。また、低下していなければ(NOの判断)、
ステップ101の実行前に戻り、次のセンサ出力を待
ち、センサ出力が入力される毎に、上述した処理を繰り
返す。そして、このような一連の動作を検査内容等に応
じたサイクル毎に次々に繰り返していく。
【0081】このようにして、試薬の分注動作毎に上述
した残量モニタ動作を繰り返していく。そして、もし試
薬残量に対応するセンサ出力が閾値より低下すれば、上
記ステップ104の処理により警報ブザー発生部23に
警報ブザー発生指令が送られ 。この結果、警報ブザー
発生部23により警報ブザーが鳴り、オペレータに試薬
残量の限界を知らせるようになっている。
【0082】以上、詳述したように、本実施例によれ
ば、試薬容器に設けられたセンサ部をセンサ電極線
{(8a1、8a2)〜(8d1、8d2)}及び保持
ベース9a〜9dで構成し、センサ電極線{(8a1、
8a2)〜(8d1、8d2)}の一方の電極線をグラ
ウンドにして当該センサ電極線{(8a1、8a2)〜
(8d1、8d2)}間の容量を検出している。また、
センサ電極線{(8a1、8a2)〜(8d1、8d
2)}とブリッジ回路27とを接続するラインをシール
ドされたペア線{(11a1、11a2)〜(11d
1、11d4)}で接続している。
【0083】したがって、試薬の形状、大きさや材質の
変化等の影響に関係なく、試料液面の変化に対応して当
該電極線間容量が変化するため、リアルタイムで連続的
に試薬残量がモニタできる。
【0084】また、試薬容器に設けられたセンサ電極線
{(8a1、8a2)〜(8d1、8d2)}は、保持
ベース(9a〜9d)を介して試薬と絶縁された液密構
造になっているため、上記電極線間の容量変化をリアル
タイムで検出しても試薬組成に何等影響を与えない。
【0085】なお、上述の動作では、試薬吐出された容
器6aのセンサ信号だけを残量モニタ信号制御・演算部
20に取り込む方式を示したが、マルチプレクサ17の
入力端子を次々に切り換え、各サイクル毎に全てのセン
サ信号を書き換えてもよい。
【0086】また、閾値は複数個設定し、例えば、試薬
切れによる装置のサンプリング動作の停止、試薬量の不
足警告や試薬量の不足注意等いくつかの階層に応じた情
報を例えば警告ブザー等によりオペレータに提供しても
よい。
【0087】さらに、保持ベース9a〜9dの構造は、
本実施例では図2に示したように略円柱体としたが、本
発明はこれに限定されるものではなく、上述したよう
に、試薬チューブの保持と試薬チューブの吸引口を試薬
容器の底面に接した構造にするためのオモリの機能とを
兼用した働きが可能であれば、多角柱体等どんな形状で
もよい。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明に係る自動化学分析装置では、液体容器内に挿入さ
れた、試薬に浸けたときに試薬中に沈む重さを有する
ンサ部の構成要素である、液状試薬の液面高さに応じた
静電容量変化検出用の所要の長さの一対の電極が、液密
構造に形成され、下端が前記液体容器の底面に接する
極支持体により液体容器の深さ方向に内包して支持さ
れ、前記一対の電極の下端は、前記電極支持体の底面か
ら所定の距離をおいた位置に置かれているため、試薬組
成に何等影響を与えることなく電極線間の容量変化を検
出することができるとともに、試薬量の減少により液面
高さがセンサ電極線の長さを越えて降下し、センサ電極
線のセンサ出力がこれを検出しても、容器内には、未だ
一定量の試薬が残存するという優れた効果を奏する。
【0089】また、請求項3に記載の発明に係る自動化
学分析装置では、第1及び第2の電極からなる一対の電
極により検出された静電容量変化を取り出す出力ライン
が、第1及び第2のケーブルからなる2本のケーブル
と、この2本のケーブルをシールドするシールド部とを
有するとともに、その第1及び第2のケーブルを変換手
段の一対の出力端子にそれぞれ接続し、第1の電極をグ
ラウンドに接続し、さらに第2の電極を第1のケーブル
に接続しているため、変換手段の一方の出力端子には、
一対の電極間の静電容量が接続されているとみなすこと
ができる。したがって、液面高さの変化に応じた電極間
の静電容量変化を変換手段により変換された出力信号と
して得ることができる。さらに、変換手段の他方の出力
端子と接続された第2のケーブルの先端が開放端となっ
ているため、当該変換手段の両出力端子間に働くケーブ
ルに起因した浮遊容量は両端子間で相殺され、ケーブル
に起因した浮遊容量の影響を除去することができる。
【0090】したがって、試薬の形状、大きさや材質の
変化等の影響に関係なく、また、試薬の劣化を引き起こ
すことなく試薬液面高さの変化に対応して当該電極線間
容量が変化するため、リアルタイムで連続的且つ正確に
試薬残量をモニタすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る自動化学分析装置の
概略構成を示すブロック図。
【図2】(a)は吸引チューブとセンサ電極線とを共に
保持した保持ベース概略構成を示す図。(b)は図2
(a)におけるA−A矢視断面図。
【図3】試薬容器内の平行電極線とマルチプレクサとの
接続構成及び試薬残量モニタ系の概略構成を示す図。
【図4】ブリッジ回路の等価回路を示す図。
【図5】容量変化とセンサ信号の振幅変化の関係を示す
グラフ。
【図6】各種容器でのセンサ出力を示すグラフ。
【図7】各種容器での液面高さとセンサ出力との関係を
示すグラフ。
【図8】種々の試薬によるセンサ出力を示すグラフ。
【図9】本実施例のセンサ用保持ベースの試薬量増減に
よるセンサ出力特性を示すグラフ。
【図10】本実施例のセンサ用保持ベースによる試薬残
量とセンサ出力との関係を示すグラフ。
【図11】残量モニタ制御・演算部における処理の一例
を示す概略フローチャート。
【符号の説明】
1 反応系 2 試薬分注系 3 試薬残量モニタ系 4 反応ライン 5 反応管 6a〜6d 試薬容器 7a〜7d 吸引チューブ (8a1、8a2)〜(8d1、8d2) センサ電極
線 9a〜9d 保持ベース 10 接続引き出し部 (11a1、11a2)〜(11d1、11d4) ペ
ア線 11ca〜11cd ケーブル 17 マルチプレクサ 18 残量モニタ信号回路 19 A/D変換器 20 残量モニタ信号制御・演算部 21 TVモニタ 22 入力部 23 警報ブザー発生部 24 アドレスラッチ回路 25 システム制御部 26 オシレータ 27 ブリッジ回路 28 計装アンプ 29 全波整流器 30 低域濾波器 S シールド部 SEa〜SEd センサ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−137824(JP,A) 特開 平8−122126(JP,A) 特開 平7−20133(JP,A) 特開 平6−258127(JP,A) 特開 平6−213699(JP,A) 特開 平5−10958(JP,A) 実開 昭58−62235(JP,U) 実開 昭57−166157(JP,U) 実開 昭57−104325(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/00 - 35/10 G01F 23/00 - 23/76 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状試薬が収容された液体容器内から試
    薬分注チューブを介して反応容器へ前記液状試薬を分注
    する一方、前記液体容器内に挿入されたセンサ部により
    検出される前記液状試薬の液面高さに応じた静電容量変
    化に基づいて前記液状試薬の残量をモニタするようにし
    た自動化学分析装置において、前記センサ部は、前記静
    電容量検出用の所要の長さの一対の電極と、下端が前記
    液体容器の底面に接してこの一対の電極を前記液体容器
    の深さ方向に内包して支持し、且つ液密構造に形成した
    電極支持体とを備える一方、試薬に浸けたときに試薬中
    に沈む重さを有し、前記一対の電極の下端は、前記電極
    支持体の底面から所定の距離をおいた位置に置かれたこ
    とを特徴とする自動化学分析装置。
  2. 【請求項2】 前記センサ部は、当該センサ部を構成す
    る前記電極支持体の中心に軸方向に沿って貫通孔を穿設
    し、この貫通孔内に前記チューブを、当該チューブの吸
    引口が前記電極支持体の底面に接するように挿設した請
    求項1記載の自動化学分析装置。
  3. 【請求項3】 液状試薬が収容された液体容器と、この
    液体容器から反応容器へ前記液状試薬を分注する試薬分
    注用チューブと、前記液体容器内に挿入され且つ前記液
    状試薬の液面高さに応じた静電容量変化を検出するセン
    サ部と、前記センサ部により検出された静電容量変化を
    取り出す出力ラインと、一対の出力端子を有し、前記静
    電容量変化を電気信号に変換する変換手段とを備え、こ
    の変換手段から出力された電気信号に基づいて前記液状
    試薬の残量をモニタするようにした自動化学分析装置で
    あって、前記センサ部は前記静電容量検出用の所要の長
    さの第1及び第2の電極からなる一対の電極と、この一
    対の電極を前記液体容器の深さ方向に内包して支持し、
    且つ液密構造に形成した電極支持体とを備える一方、前
    記出力ラインは第1及び第2のケーブルからなる2本の
    ケーブルと、この2本のケーブルをシールドするシール
    ド部とを有するとともに、前記第1及び第2のケーブル
    を前記変換手段の一対の出力端子にそれぞれ接続し、前
    記第1の電極をグラウンドに接続し、さらに前記第2の
    電極を前記第1のケーブルに接続するとともに、前記第
    2のケーブルの一端を解放端としたことを特徴とする自
    動化学分析装置。
  4. 【請求項4】 前記液体容器は複数個あり、その複数個
    の液体容器それぞれに前記センサ部を設けるとともに、
    前記複数個のセンサ部それぞれに前記出力ラインを接続
    する一方、前記複数個の出力ラインを介してそれぞれ送
    られる出力信号の中から一つの出力信号を選択して前記
    変換手段に送る選択手段を備えた請求項3記載の自動化
    学分析装置。
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