JP3527705B2 - 光ピックアップ及びトラッキングサーボ方法 - Google Patents

光ピックアップ及びトラッキングサーボ方法

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JP3527705B2
JP3527705B2 JP2000387981A JP2000387981A JP3527705B2 JP 3527705 B2 JP3527705 B2 JP 3527705B2 JP 2000387981 A JP2000387981 A JP 2000387981A JP 2000387981 A JP2000387981 A JP 2000387981A JP 3527705 B2 JP3527705 B2 JP 3527705B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクや光カ
ード等の情報記録媒体に対して光学的に情報を記録再生
する光ピックアップに関するものである。また、トラッ
キング誤差信号に発生するオフセットを、容易にかつ低
コストで補正するトラッキングサーボ方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスクは多量の情報信号を高
密度で記録することができるため、オーディオ、ビデ
オ、コンピュータ等の多くの分野において利用が進めら
れている。特に最近は、動画情報などのように、コンピ
ュータ等で取り扱うデータ量が飛躍的に増大しており、
それに伴って、記録ピットやトラックピッチの縮小化に
よる光ディスクの大容量化が進んでいる。
【0003】上記情報記録媒体においては、ミクロン単
位で記録された情報信号を再生するために、情報トラッ
クに対して光ビームを正確にトラッキングさせる必要が
ある。トラッキング誤差信号(TES)の検出方法とし
ては、種々の方法が知られているが、最も単純な方法と
して、プッシュプル法が知られている。
【0004】以下に、プッシュプル法の検出原理と問題
点について説明する。対物レンズによる集光ビームが、
光ディスク上のトラック(またはピット)形成部分で反
射されると、反射光に回折パターンが現れる。
【0005】この反射光のレンズ瞳面でのファーフィー
ルドパターンの強度分布の左右対称性を検出することに
より、トラッキング誤差信号を算出する方法をプッシュ
プル法という。
【0006】例えば図26に示す如く、半導体レーザ1
から出たレーザ光をコリメータレンズ2により平行光に
変換し、ビームスプリッタ4を通過した後、対物レンズ
5により記録媒体6のトラック61上に集光させて、反
射光を対物レンズ5を介してビームスプリッタ4で反射
させ、集光レンズ7でトラック方向に分割線を有する2
分割検出器11に導き、各分各部の信号を差動検出し
て、プッシュプル信号を得る。
【0007】ここで、図27に示すように、光ビームが
トラックの中央にある場合は、そのファーフィールドパ
ターンが左右同じ明るさとなるため、2分割光検出器の
差動信号は0となる(オントラック状態)。
【0008】また、トラックの中心からずれると、その
量に従ってファーフィールドパターンの強度分布の左右
対称性が崩れるので、図27に示すようなプッシュプル
信号(トラッキング誤差信号)が得られる。
【0009】ところが、図28(a)に示す如く、対物
レンズ5が移動した状態でトラッキングサーボを行う
と、2分割光検出器11上でのビームのファーフィール
ドパターンも移動するので、TESはオントラック状態
にもかかわらず、TESオフセットが発生する。
【0010】また、図28(b)に示す如く、記録媒体
6が傾いた場合も同様に、2分割光検出器11上でビー
ムが移動するので、TESオフセットが発生する。
【0011】(従来例1)このオフセットをキャンセル
する方法として、複数ビームを用いた方法(差動プッシ
ュプル(DPP:Differential Push
Pull)法)が、特公平4−34212号公報に記
載されている。
【0012】これについて、図29を用いて説明する。
光源1からの出射光をグレーティング3により3ビーム
に分割し、図30(a)に示すように、光ディスク6上
のトラックの接線方向にメインビーム30、サブビーム
の+1次光31、サブビームの−1次光32を配列させ
る。
【0013】この時、それぞれのサブビーム31,32
はメインビーム30が集光するトラックに対して、1/
2トラックピッチだけ半径方向にずらして形成する。
【0014】そして、図30(b)に示すように、メイ
ンビーム30、サブビーム31,32の反射光のファー
フィールドパターンをそれぞれトラック方向の分割線を
有する2分割光検出器8A,8B,8Cで受光する。
【0015】また、各2分割光検出器8A,8B,8C
からの差信号すなわちプッシュプル信号PP30,PP
31,PP32を得る。図31に示すように、サブビー
ム(+1次光)31とサブビーム(−1次光)32のプ
ッシュプル信号PP31,PP32は、メインビーム3
0に対して1/2トラックピッチだけ半径方向にずれて
いるため、メインビーム30のプッシュプル信号P30
に対して、位相が180°ずれた(逆位相)信号とな
る。
【0016】一方、図28で示した対物レンズシフトや
ディスクの傾きによるTESのオフセットに対しては同
相になる。従って、 PP=PP30−k(PP31+PP32) (1) の演算を行うことにより、上記オフセットをキャンセル
したプッシュプル信号を検出することができる。
【0017】ここで、係数kは0次光30と+1次光3
1および−1次光32の光強度の違いを補正するための
もので、強度比が0次光:+1次光:−1次光=a:
b:bならば、係数k=a/(2b)である。
【0018】しかしながら、このDPP法は、サブビー
ムをメインビームに対してちょうど1/2トラックピッ
チだけディスクの半径方向にずらせて配置させる必要が
あるため、トラックピッチの異なる複数の種類の光ディ
スクを、1つの光ピックアップで再生する場合には問題
となる。
【0019】また、組立て調整時にグレーティングなど
を精度良く回転調整させなければならない。さらに、対
物レンズの移動位置が常に光ディスクの中心線上(半径
方向)になければならないという構成上の制約があり、
スイングアーム方式の光ピックアップには使用すること
ができないという欠点があった。
【0020】(従来例2)これを解決する手段として、
特開平9−81942号公報には、オフセットの発生が
小さく、検出感度のトラック間隔に対する依存性が小さ
いトラッキング誤差検出方法が提案されている。
【0021】図32を用いてこの方法を説明する。レー
ザダイオード1から出射された光をグレーティング3で
3ビームに分割して対物レンズ5で集光させる点は、上
記従来例1のものと同じであるが、グレーティング3の
溝部の構造が上記のものとは異なる。
【0022】グレーティング3の溝部は、図33に示す
ように、トラック方向(y方向)の分割線により分割さ
れたラジアル方向の2つの領域3a,3bにおいて、周
期構造の位相差が180°異なっている。
【0023】これにより、溝部によって回折されたサブ
ビーム31および32において、トラック方向の分割線
で分割された2つの半円領域で180°の位相差が発生
する。このビームを対物レンズ5により光ディスク6上
に集光したスポットは、図34に示すように、2つの楕
円状サブスポットから構成される形状となる。
【0024】このサブビーム31,32のプッシュプル
信号PP310は、図35に示すように、位相差を加え
ない場合のビーム(メインビームに相当)のプッシュプ
ル信号P30に比べて、位相差が180°異なる。
【0025】そこで、図34に示すように、サブビーム
31,32をメインビーム30と同じトラック上に配置
しても、各ビームのプッシュプル信号は、図31ととも
に上述した従来例1のものと同様、メインビームのプッ
シュプル信号PP30に対して、サブビームのプッシュ
プル信号PP31,PP32の位相差は180°ずれた
信号となる。
【0026】よって、上記従来例1のように、サブビー
ムをメインビームに対して1/2ピッチずらせて配置し
なくても、DPP信号を検出することができる。これに
より、トラックピッチの異なる複数の種類の光ディスク
を、1つの光ピックアップで再生することが可能にな
る。
【0027】しかしながら、この従来例2においても、
同一トラックにサブビームが配置するように微調整する
必要があり、調整の簡素化には適さないという問題点が
ある。
【0028】(従来例3)さらに別の従来例として、特
開平10−162383号公報には、プッシュプルオフ
セットを低コストでキャンセルすることができる光ディ
スクの記録再生方法が提案されている。
【0029】図36を用いてこの方法を説明する。レー
ザダイオード1から出射された光をグレーティング3で
3ビームに分割し対物レンズ5で集光させる点は、上記
従来例1,2のものと同じであるが、グレーティング3
の溝部を有効光束の中央部にのみ形成する点で上記のも
のとは異なる。
【0030】グレーティング3の溝部は、図37に示す
ように、基板の中央部にのみ形成されているため、溝部
による+1次および−1次回折光のビーム径は有効光束
径(対物レンズの開口径)に比べて小さくなる。
【0031】すなわち、回折された光に対する対物レン
ズの開口数が実質小さくなったことになる。グレーティ
ング3の0次光(メインビーム)は、対物レンズの開口
よりも大きく設定されているので、ディスク6上には対
物レンズの開口数で決まる回折限界のビームスポットが
形成される。
【0032】メインビーム30としてトラックピッチに
対し適正な大きさのビームスポットが形成されるような
光学系を用いている場合、図38に示すように、サブビ
ーム31,32はトラックピッチに対して大きなビーム
スポットが形成される。
【0033】半径方向の開口率によって定まる光学カッ
トオフ周波数がトラックピッチの空間周波数よりも大き
くなるように、グレーティング3の溝部の半径を決める
ことにより、サブビームの+1次および−1次光からは
トラッキング誤差信号(プッシュプル信号)を得ること
ができなくなる。
【0034】しかし、対物レンズシフトなどによるオフ
セット信号は得られるため、上述の(1)式の演算によ
り、同様にオフセットキャンセルは可能になる。
【0035】これによれば、トラック横断による変調信
号が出ないため、サブビームをメインビームに対してち
ょうど1/2トラックピッチだけディスクの半径方向に
ずらせて配置させる必要がなく、また対物レンズの移動
位置が常に光ディスクの中心線上(半径方向)に設定す
る必要がなくなる。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たグレーティングを用いた場合、0次光を含むメインビ
ームの光強度は、グレーティングの溝部では平坦部に対
して回折効率の分だけ減ってしまうため、グレーティン
グ外周部の平坦部の光強度が相対的に強くなる。
【0037】また、0次光の位相に関しても、溝部では
平坦部に対して光学的位相差が発生する。これによっ
て、メインビームのディスク上での集光ビーム形状が変
化し、記録再生特性が劣化する。
【0038】これを補正する方法として、平坦部にも中
央部とは回折方向の異なる回折格子を設け、0次光の強
度分布や位相差を均一にする方法も提案されているが、
その部分の回折光は利用しない(0次光のみ用いる)た
め、光が無駄になる。
【0039】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、光の利用効率を低下させずに、プッシュプル法
を利用したTESのオフセットを低コストでキャンセル
する方法を提供するものである。しかも、組立て調整を
大幅に簡略化することができ、異なるトラックピッチの
ディスクに対しても適応することが可能な光ピックアッ
プを提供するものである。
【0040】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では以下の構成を有する。
【0041】本願の第1の発明は、少なくとも2つ以上
の光ビームを、対物レンズにより光ディスクに集光し、
その反射光をそれぞれ実質的にトラック方向の分割線で
分割して2分割検出器で受光し、各2分割検出器の差信
号すなわち各ビームのプッシュプル信号からトラッキン
グ誤差信号を生成する光ピックアップであって、一方の
光ビームにおいてプッシュプル信号の振幅がほぼ0にな
るように、光ビームの一部分に位相差を与えることを特
徴とする。
【0042】本願の第2の発明は、上記位相差を与える
光ビームのプッシュプル信号を用いて、もう一方の光ビ
ームのプッシュプル信号のオフセットを補正することを
特徴とする。
【0043】本願の第3の発明は、上記位相差を与える
光ビームにおいて、光ビーム中のプッシュプル信号に関
与する領域をAとし、位相差を与える領域をBとした場
合、領域Bの位相差と、領域Bとビームの中心を原点と
して対称な位置にある領域Cの位相差との和が180°
の整数倍であり、さらに領域Bと領域Cとの面積の和が
領域A全体の面積の略半分であることを特徴とする。
【0044】本願の第4の発明は、上記位相差を与える
光ビームにおいて、光ビームの中心を原点として、光デ
ィスクのラジアル方向をx方向、トラック方向をy方向
とすると、4象限のうちの1つの象限にのみ、略180
°の位相差を与えることを特徴とする。
【0045】本願の第5の発明は、上記位相差を与える
光ビームにおいて、光ビームの中心を原点として、光デ
ィスクのラジアル方向をx方向、トラック方向をy方向
とすると、4象限のうち第1象限と第3象限、または第
2象限と第4象限にのみ、略90°の位相差を与えるこ
とを特徴とする。
【0046】本願の第6の発明は、上記位相差を与える
光ビームにおいて、中心を通り光ディスクのラジアル方
向の分割線で分割された半円領域のうちプッシュプル信
号に関与する領域をDとし、位相差を与える領域をEと
した場合、領域Eの位相差と、領域Eとトラック方向の
中心線に対して対称な位置にある領域Fの位相差との和
が180°の整数倍であり、かつ領域Eと領域Fとの面
積の和が領域D全体の略半分であり、この半円領域のみ
を用いてプッシュプル信号を検出することを特徴とす
る。
【0047】本願の第7の発明は、上記プッシュプル信
号を検出する半円領域のうち、円周方向に略20°の扇
形領域に、180°の位相差を与えることを特徴とす
る。
【0048】本願の第8の発明は、上記プッシュプル信
号を検出する半円領域のうち、片側の1/4円の中で、
トラック方向の幅がほぼ一定であるような略長方形領域
に、180°の位相差を与えることを特徴とする。
【0049】本願の第9の発明は、回折格子により光ビ
ームを0次光と、+1次光または−1次光との少なくと
も2つ以上の光ビームに分離するとともに、位相差を与
える部分の回折格子の周期構造を他の部分に比べてずら
して形成し、0次以外の回折光にのみ、位相差を付加す
ることを特徴とする。
【0050】本願の第10の発明は、上記回折格子の中
で光ディスクのラジアル方向の幅がほぼ一定であるよう
な略長方形領域に、180°の位相差を与えることを特
徴とする。
【0051】本願の第11の発明は、上記回折格子の中
で実質的に+1次光のみに影響を与える領域と、−1次
光にのみ影響を与える領域とに、180°の位相差を与
えることを特徴とする。
【0052】本願の第12の発明は、集積化ホログラム
レーザユニットを搭載していることを特徴とする。
【0053】本願の第13の発明は、少なくとも2つ以
上の光ビームを対物レンズにより、情報記録媒体に集光
し、その反射光のうち少なくとも一方の光ビームについ
て実質的にトラック方向の分割線で分割して2分割検出
器で受光し、各2分割検出器の差信号すなわちプッシュ
プル信号を検出する光ピックアップであって、前記一方
の光ビームにおいてプッシュプル信号の振幅がほぼ0に
なるように、光ビームの一部分に位相差を与えるととも
に、前記差信号を対物レンズの位置検出信号に用いるこ
とを特徴とする。
【0054】本願の第14の発明は、異なる規格の光デ
ィスク即ち異なるプッシュプルパターンが発生する光デ
ィスクに対して、サブビームのプッシュプル信号の振幅
がほぼ0になるように、サブビームの一部分に位相差を
与えることを特徴とする。
【0055】本願の第15の発明は、記録または再生を
行うメインビームと、少なくとも1つ以上のサブビーム
とを、対物レンズにより情報記録媒体に集光し、その反
射光をそれぞれ実質的にトラック方向の分割線で分割し
て2分割検出器で受光し、各2分割検出器の差信号すな
わち各ビームのプッシュプル信号を用いてトラッキング
を行うトラッキングサーボ方法であって、サブビームの
プッシュプル信号の振幅がほぼ0になるように、サブビ
ームの一部分に位相差を与えるるとともに、この差信号
を用いて、メインビームのトラッキング誤差信号のオフ
セットを補正することを特徴とする。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて詳細に説明するが、上述した従来例と
同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0057】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態について、図1乃至図8を用いて詳細に説明す
る。
【0058】例えば図1に示す如く、半導体レーザ1か
ら出たレーザ光をコリメータレンズ2により平行光に変
換し、グレーティング3によってメインビーム30、サ
ブビーム(+1次光)31、サブビーム(−1次光)3
2に分割する。
【0059】ビームスプリッタ4を通過した後、対物レ
ンズ5により光ディスク6のトラック61上に集光さ
せ、反射光を対物レンズ5を介してビームスプリッタ4
で反射させ、集光レンズ7で光検出器8(8A,8B,
8C)に導く。
【0060】メインビーム30、サブビーム31,32
の反射光のファーフィールドパターンは、それぞれトラ
ック方向に相当する分割線を有する2分割光検出器8
A,8B,8Cで受光される。そして、各2分割光検出
器8A,8B,8Cからの差信号すなわちプッシュプル
信号PP30,PP31,PP32を得る。
【0061】ここで、本実施形態においては、グレーテ
ィング3の溝部の構造に特徴を有する。光ディスク6の
半径方向に相当する方向(以下、「ラジアル方向」とす
る)をx方向、それに直交するタンジェンシャル方向す
なわちトラックの長さ方向(以下、「トラック方向」と
する)をy方向とすると、グレーティング3の溝部は、
図1(b)に示すように、例えばx−y平面の第1象限
のみが他の領域に比べて、周期構造の位相差が180°
異なっている。
【0062】これにより、溝部によって回折されたサブ
ビーム31,32においては、第1象限の部分だけ18
0°の位相差が発生する。
【0063】このビームを対物レンズ5により光ディス
ク6上に集光したスポットは、図2(a)に示すような
形状になる。図2(a)は光ディスク上の3つのビーム
の平面図、図2(b)はサブビーム31をx−y軸に4
5°方向のx’−y’軸で切断した断面図である。
【0064】このとき、サブビーム31,32を用いた
プッシュプル信号PP31,PP32は、図3に示すよ
うに、位相差が加わらないメインビームのプッシュプル
信号PP30に比べて、振幅がほぼ0になる。
【0065】これは、トラックの位置に関係なく、プッ
シュプル信号が検出されないので、図2(a)に示すよ
うに、サブビーム31,32をメインビーム30と同じ
トラック上に配置しても、また異なるトラック上に配置
してもほぼ同じ信号になる。
【0066】一方、図28(a),(b)で示した対物
レンズシフトやディスクの傾きによるTESのオフセッ
トに対しては、図4に示すように、PP30とPP31
(PP32)はそれぞれ光量に応じてΔpおよびΔp’
だけ同じ側(同相)にオフセットが発生する。
【0067】ゆえに、 PP3=PP30−k(PP31+PP32) の演算を行うことにより、上記オフセットをキャンセル
したプッシュプル信号PP3を検出することができる。
【0068】ここで、係数kは0次光30と+1次光3
1および−1次光32の光強度の違いを補正するための
もので、強度比が0次光:+1次光:−1次光=a:
b:bならば、係数k=a/(2b)である。
【0069】本実施形態の場合、各サブビームのプッシ
ュプル信号振幅がほぼ0であるため、PP31及びPP
32の2つの信号を用いて演算する必要はなく、PP3
1またはPP32のどちらかのみを用いて、 PP3=PP30−2k(PP31) または、 PP3=PP30−2k(PP32) の演算によって、上記オフセットをキャンセルしたプッ
シュプル信号PP3を検出することもできる。
【0070】また、各サブビームのプッシュプル信号P
P31またはPP32は、対物レンズのラジアル方向の
位置検出信号として利用することもできる。
【0071】ここで、サブビームのプッシュプル信号が
発生しない(振幅0)原理について説明する。
【0072】図5に示すように、対物レンズにより周期
構造をもつトラック61に集光された光ビーム(サブビ
ーム31)は、0次回折光310と±1次回折光31
1,312に分かれて反射され、その重なり合う領域n
1,n2で互いに干渉して対物レンズ瞳上で回折パター
ン(プッシュプルパターン)を生じる。
【0073】図6は対物レンズに入射するビームを示し
たもので、図1(b)のグレーティング3を用いた場合
には、第1象限の領域のみ入射光に180°の位相差
(位相進み)が発生する。
【0074】図7は反射光(回折光)の対物レンズ瞳上
のビームパターンを2分割検出器8B上に投影したもの
であるが、回折光(反射光)は、第3象限において0次
光310が180°の位相進みを持ち(網目領域)、第
4象限において回折光311が180°の位相進みを持
つ(斜線領域)ようになる。
【0075】ここで、仮にトラック方向の分割線mで分
割された2分割検出器8Bにラジアル方向の分割線nを
仮想的に考え、第1象限〜第4象限の検出領域をそれぞ
れ8B−a,8B−b,8B−c,8B−d、各領域の
出力をIa,Ib,Ic,Idとする。
【0076】一般的に溝ディスクからの反射光(回折パ
ターン)は、次のように表すことができる。
【0077】 (0次光の複素振幅) A0=E0・exp(2πi) (2) (+1次光の複素振幅) A1=E1・exp{(ψ1+2πvt/vp)i} (3) (−1次光の複素振幅) A-1=E1・exp{(ψ1−2πvt/vp)i} (4) ここで、E0,E1,E-1はそれぞれ0次,1次,−1次
光の振幅、ψ1は0次と±1次光の位相差(溝深さに関
係するもの)、vtはトラック溝中心からの変位量、vp
pはトラック溝のピッチ、である。
【0078】通常プッシュプル信号は、図7の検出器の
{(8B−a)+(8B−b)}と{(8B−c)+
(8B−d)}の出力(Ia+Ib)と(Ic+Id)
の差より算出する。
【0079】各信号は、 IR=(Ia+Ib) =S0|E0・exp(2πi)|2+S1|E0・exp(2πi)+E1・e xp{(ψ1+2πvt/vp)i}|2 =E0 2(S0+S1)+E1 21+2E011・cos(ψ1+2πvt/vp ) (5) IL=(Ic+Id) =S0|E0・exp(2πi)|2+S1|E0・exp(2πi)+E1・e xp{(ψ1−2πvt/vp)i}|2 =E0 2(S0+S1)+E1 21+2E011・cos(ψ1−2πvt/vp) (6) となる。
【0080】ここで、S0は第1象限及び第4象限にお
いて、±1次光がなく0次光のみ存在する領域の面積
(第3象限及び第2象限においても同じ)であり、S1
は第1象限及び第4象限において、0次光と±1次光が
重なり合う部分の面積(第3象限及び第2象限において
も同じ)である。
【0081】これより、プッシュプル信号PP31は、 PP31=IR−IL =4S101・sinψ1・sin(2πvt/vp) ( 7) となる。
【0082】次に、本実施形態のように、入射ビームの
一部に位相差を加えた場合のプッシュプル信号について
説明する。
【0083】反射ビーム(回折パターン)の0次光に加
わる位相差を、θ1(図7の第4象限)、θ-1(図7の
第3象限)、反射ビーム(回折パターン)の1次光のう
ち0次光と干渉する部分に加わる位相差をδ1(図7の
第4象限)、反射ビーム(回折パターン)の−1次光の
うち0次光と干渉する部分に加わる位相差をδ-1(図7
の第3象限)とすると、各象限の光の複素振幅は、上記
(2)〜(4)式より、以下のようになる。
【0084】 (0次光の複素振幅:第1象限及び第4象限) A0=E0・exp{(2π+θ1)i} (8) (0次光の複素振幅:第3象限及び第2象限) A0=E0・exp{(2π+θ-1)i} (9) (+1次光の複素振幅:第1象限及び第4象限) A1=E1・exp{(ψ1+2πvt/vp+δ1)i} (10) (−1次光の複素振幅:第3象限及び第2象限) A-1=E1・exp{(ψ1−2πvt/vp+δ-1)i} (11) 図7に示すように、第4象限と第3象限のみに位相差が
加わった場合のプッシュプル信号PPbcを求める。
【0085】検出器8B−bと8B−cの出力IbとI
cは、上記(8)〜(11)式を用いて、 Ib=1/2[S0|E0・exp{(2π+θ1)i}|2+S1|E0・exp {(2π+θ1)i}+E1・exp{(ψ1+2πvt/vp+δ1)i}|2] =1/2[E0 2(S0+S1)+E1 21+2E011・cos(ψ1+2π vt/vp+δ1−θ1)] (12) Ic=1/2[S0|E0・exp{(2π+θ-1)i}|2+S1|E0・ex p{(2π+θ-1)i}+E1・exp{(ψ1−2πvt/vp+δ-1)i}|2 ] =1/2[E0 2(S0+S1)+E1 21+2E011・cos(ψ1−2π vt/vp+δ-1−θ-1)] (13) と表される。
【0086】ここで、図7においては、θ1=0、θ-1
=π(180°)、δ1=π(180°)、δ-1=0な
ので、Ib,Icはそれぞれ、 Ib=1/2[E0 2(S0+S1)+E1 21+2E011・cos(ψ1+2 πvt/vp+π)] (14) Ic=1/2[E0 2(S0+S1)+E1 21+2E011・cos(ψ1−2 πvt/vp−π)] (15) となり、プッシュプル信号PPbcは、 PPbc=Ib−Ic =2S101・sinψ1・sin{2π(vt/vp+1/2) } =−2S101・sinψ1・sin(2πvt/vp) (16 ) となる。
【0087】位相差が関係しないPPabは、上述の式
(7)に1/2を乗算したもの(面積が半分になるた
め)と同じで、 PPad=2S101・sinψ1・sin(2πvt/vp) (17) となるので、図8に示すように、PPadとPPbc
は、溝深さ(ψ1に関連)に関係なく、1/2ピッチ即
ち位相が180°ずれた(逆位相)信号となる。
【0088】よって、最終的に得られる検出器8Bから
のプッシュプル信号は、 PP31=PPbc+PPad=0 となり、振幅が常に0となる。
【0089】尚、本実施形態においては、第1象限のみ
に位相遅れが発生する場合について説明したが、これに
限らず、第2象限から第4象限の1つだけに位相遅れが
ある場合も当然同じ効果が得られる。また、与える位相
差は位相遅れでも位相進みでも同様の結果となる。
【0090】さらに、図1においては、1つの象限全体
に位相差がある場合を示したが、プッシュプル信号に関
与する領域は、図5に示す光ディスク溝部からの回折光
の重なり合う領域n1,n2であるので、象限全体に位
相差を加える必要はなく、例えば第1象限の領域n1の
部分にのみ位相差を加えれば十分に効果が得られる。
【0091】本実施形態により、サブビームのプッシュ
プル信号は溝深さに関係なく、振幅が0になる。すなわ
ち、トラック上のどの位置にあっても振幅が0であるの
で、上述した従来例1,2のように、3ビームの位置調
整(回折格子等の回転調整)が不要となるため、ピック
アップの組立て調整を大幅に簡略化することができる。
【0092】また、回折格子は光ビーム全体に対して設
けることができるので、上述した従来例3のように、メ
インビームの光強度分布が変化したり、光の利用効率が
低下することはない。さらに、異なるトラックピッチの
ディスクに対しても、全く問題無く適応することができ
る。
【0093】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態について、図9乃至図13を用いて詳細に説明す
る。本実施形態の光ピックアップの構成は、図1に示し
たものと同じであるが、グレーティング3の溝部の構造
が異なる。
【0094】本実施形態においては、図9に示すよう
に、第1象限と第3象限の部分の周期構造が他に比べ
て、+1/4ピッチだけずれている。これにより、図1
0に示すように、±1次光のサブビーム31,32にお
いて、第1象限と第3象限の部分の位相差が+90°だ
けずれる。
【0095】図7と同様、トラック方向の分割線mと仮
想分割線nとで分割された検出器8B上のビームパター
ンを図11に示す。第1象限と第3象限の部分では、メ
インビーム310側に位相差90°があり(網目領
域)、第4象限と第2象限の部分では、サブビーム31
1,312側に90°の位相差がある(斜線領域)。
【0096】この場合、第1象限と第2象限の1/4円
ビームどうしでのプッシュプル信号PPadは、位相差
を与えない場合のプッシュプル信号に比べて90°位相
がずれた信号となり、第4象限と第3象限の1/4円ビ
ームどうしのプッシュプル信号PPbcは、逆に−90
°位相がずれた信号となる。
【0097】ここで、サブビームのプッシュプル信号が
発生しない(振幅0)原理について、上記第1の実施の
形態と同様に説明する。
【0098】反射ビーム(回折パターン)の0次光に加
わる位相差を、θ1(図11の第1象限)、θ1’(図1
1の第4象限)、θ-1(図11の第2象限)、θ-1
(図11の第3象限)、反射ビーム(回折パターン)の
1次光のうち0次光と干渉する部分に加わる位相差をδ
1(図11の第1象限)、δ1’(図11の第4象限)、
反射ビーム(回折パターン)の−1次光のうち0次光と
干渉する部分に加わる位相差をδ-1(図11の第2象
限)、δ-1’(図11の第3象限)、とすると、各象限
の光の複素振幅は、上記(8)〜(11)式を参考にし
て、 (0次光の複素振幅:第1象限) A0=E0・exp{(2π+θ1)i} (18) (0次光の複素振幅:第4象限) A0=E0・exp{(2π+θ1’)i} (19) (0次光の複素振幅:第3象限) A0=E0・exp{(2π+θ-1’)i} (20) (0次光の複素振幅:第2象限) A0=E0・exp{(2π+θ-1)i} (21) (+1次光の複素振幅:第1象限) A1=E1・exp{(ψ1+2πvt/vp+δ1)i} (22) (+1次光の複素振幅:第4象限) A1=E1・exp{(ψ1+2πvt/vp+δ1’)i} (23) (−1次光の複素振幅:第3象限) A-1=E1・exp{(ψ1−2πvt/vp+δ-1’)i} (24) (−1次光の複素振幅:第2象限) A-1=E1・exp{(ψ1−2πvt/vp+δ-1)i} (25) となる。
【0099】図11においては、θ1=π/2(90
°)、θ1’=0、θ-1’=π/2(90°)、θ-1
0、δ1=0、δ1’=π/2(90°)、δ-1=0、δ
-1’=π/2(90°)なので、Ia,Ib,Ic,I
dは、上記式(14)、(15)を参考にして、 Ia=1/2[E0 2(S0+S1)+E1 21+2E011・cos(ψ1+2 πvt/vp−π/2)] (26) Ib=1/2[E0 2(S0+S1)+E1 21+2E011・cos(ψ1+2 πvt/vp+π/2)] (27) Ic=1/2[E0 2(S0+S1)+E1 21+2E011・cos(ψ1−2 πvt/vp−π/2)] (28) Id=1/2[E0 2(S0+S1)+E1 21+2E011・cos(ψ1−2 πvt/vp+π/2)] (29) となる。
【0100】そして、プッシュプル信号PPad,Pb
cは、 PPad=Ia−Id =2S101・sinψ1・sin{2π(vt/vp+1/4) } (30) PPbc=Ib−Ic =2S101・sinψ1・sin{2π(vt/vp−1/4) } (31) となるので、図12に示すように、PPadとPPbc
は、溝深さ(ψ1に関連)に関係なく、±1/4ピッチ
即ち位相が±90°ずれる。
【0101】お互いの信号同士は、1/2ピッチ即ち位
相が180°異なっているので、最終的に得られる検出
器8Bからのプッシュプル信号は、 PP31=PPbc+PPad=0 となり、振幅が常に0となる。
【0102】このように、4分割の対角領域に位相差を
与える構成では、x方向とy方向ともに、グレーティン
グの位置ずれ、レーザ出射光の位置ずれやトラッキング
による対物レンズシフトがある場合(ビーム中心とグレ
ーティング中心がずれた場合)でも、位相シフトする領
域の面積が変化しないので、有利である。
【0103】本実施形態においては、第1象限と第3象
限に位相進みが発生する場合を説明したが、これに限ら
ず、第2象限と第4象限に90°の位相差(位相進み)
を与えた場合、またそれぞれに−90°の位相差(位相
遅れ)を与えた場合でも同様の効果が得られる。
【0104】また、1つの象限全体に位相差がある場合
について示したが、プッシュプル信号に関与する領域
は、図5に示す光ディスク溝部からの回折光の重なり合
う領域n1,n2であるので、象限全体に位相差を加え
る必要はなく、例えば第1象限の領域n1の部分と第3
象限の領域n2の部分とに位相差を加えれば十分に効果
が得られる。
【0105】さらに、図11に示すような位相差の組合
せに限らず、 θ1’+θ-1=nπ (n:整数) かつ θ1=θ-1
=0 (この時、必ず δ1+δ-1=nπ かつ δ1’=
δ-1’=0 になる)となる組合せ、例えば図13に示
すように、入射光の第1象限の位相差45°、第3象限
の位相差135°のような場合であっても、プッシュプ
ル信号の振幅は0になる。
【0106】即ち、円形の光ビーム全体を用いた従来の
プッシュプル信号検出においては、全光ビーム中のプッ
シュプル信号に関与する領域、すなわち溝からの反射光
(回折光)の0次光と±1次光とが重なり合う領域(お
互いが干渉する領域)をAとし、位相差を与える領域を
Bとすると、領域Bとビームの中心を原点として対称な
位置にある領域Cとの位相差の和が180°の整数倍で
あり、かつ領域Bと領域Cとの面積の和が領域Aの面積
の略半分程度に設定されれば、光ビーム全体のプッシュ
プル信号振幅はほぼ0になる。
【0107】例えば、図13に示すように、反射光の第
1象限の部分に位相差45°が加わるように入射光に位
相を与えた場合、ビームの中心を原点として対称な位置
にある領域すなわち第3象限の部分には135°位相差
が加わるように設定すれば、第1象限と第2象限の1/
4円ビームどうしのプッシュプル信号PPadは、位相
差を与えない場合のプッシュプル信号に比べて45°位
相がずれた信号となり、第4象限と第3象限の1/4円
ビームどうしのプッシュプル信号PPbcは、−135
°位相がずれた信号となる。
【0108】よって、全体のプッシュプル信号PP31
(=PPad+PPbc)は、お互いの位相差が180
°であるため、振幅が相殺されて実質的に振幅が0にな
る。
【0109】また、本実施形態においては、ビームを原
点を中心に4分割して各領域に位相差を与える例を示し
たが、これに限らず、多分割(4分割以上)にして位相
を与えてもよい。
【0110】さらに、上記実施形態では、光ビームを検
出器上で2分割してプッシュプル信号を検出している
が、光ビームを多分割ホログラムやウェッジプリズムな
どにより分離して、異なる検出器に導いた後、各信号の
演算によりプッシュプル信号を検出する場合でも、全く
同様の効果が得られる。
【0111】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態について、図14乃至図20を用いて詳細に説明
する。ここでは、ピックアップ装置として、光源として
の半導体レーザ、3ビーム用グレーティング、サーボ信
号生成用ホログラムおよび光検出器を集積化したホログ
ラムレーザユニットに適用した場合の例について説明す
る。
【0112】図14に示すように、半導体レーザ1から
出射した光は、グレーティング3で3ビーム(メインビ
ームと±1次光のサブビーム)に分割され、ホログラム
素子9の0次回折光が、コリメートレンズ2と対物レン
ズ5を介して光ディスク6上に集光される。そして、そ
の戻り光はホログラム素子9により回折されて、光検出
器に導かれる。
【0113】ここで、ホログラム素子9は、図15に示
すように、光ディスク6のラジアル方向に対応するy方
向に延びる分割線9gと、この分割線9gの中心から光
ディスク6のラジアル方向と直交するx方向、つまり光
ディスク6のトラック方向に対応する方向に延びる分割
線9hとにより、3つの分割領域9a,9b,9cに分
割され、それぞれこれら各分割領域9a,9b,9cに
対応して、別個の格子が形成されている。
【0114】受光素子10は、フォーカス用2分割受光
領域10a,10bとトラッキング用受光領域10c,
10d,10e,10f,10g,10hとからなる。
【0115】合焦状態の時に、ホログラム素子9の分割
領域9aで回折されたメインビームが、分割線10y上
にビームP1を形成し、分割領域9b,9cで回折され
たメインビームが、それぞれ受光領域10c,10d上
にビームP2,P3を形成する。
【0116】また、分割領域9aで回折された±1次の
サブビームは、それぞれ2分割受光領域10a,10b
の外側にビームP4,P5を形成し、分割領域9b,9
cで回折された±1次のサブビームは、それぞれ受光領
域10e,10f上にビームP6,P7を、受光領域1
0g,10h上にビームP8,P9を形成する。
【0117】受光領域10a,10b,10c,10
d,10e,10f,10g,10hの出力信号を、そ
れぞれIa,Ib,Ic,Id,Ie,If,Ig,I
hとすると、フォーカス誤差信号FESを、シングルナ
イフエッジ法により、 (Ia−Ib) の演算で求める。
【0118】また、トラッキング誤差信号TESは、 TES=(Ic−Id)−k((If−Ih)+(Ie
−Ig)) により求める。
【0119】ここで、TESの(Ic−Id)はメイン
ビームのプッシュプル信号、(If−Ih),(Ie−
Ig)はそれぞれサブビーム±1次光のプッシュプル信
号である。
【0120】上記第1の実施の形態と異なるのは、プッ
シュプル信号をビームの半分の光(ホログラム素子の分
割領域9b,9cのみの光)を用いている点である。こ
の場合に、サブビームのプッシュプル信号の振幅を0に
するための、グレーティングの構造を次に示す。
【0121】図15において、例えば復路にあるホログ
ラム素子の分割領域9b,9cに入射する光を第1象限
及び第2象限とすると、この第1象限と第2象限の光出
力の減算でのみプッシュプル信号振幅を打ち消して0に
する必要がある。
【0122】この場合、例えば図16に示すように、往
路の入射ビームにおいては、x−y座標系における円周
方向180°から200°付近のグレーティングの周期
構造を1/2ピッチずらせば、すなわち図17に示すよ
うに、位相差をπ(180°)ずらせば、プッシュプル
信号、(If−Ih)、(Ie−Ig)はそれぞれ振幅
がほぼ0になる。
【0123】この場合の信号検出原理を次に示す。本実
施形態では、ホログラムにより光ビームを分割して、そ
れぞれを異なる検出器に導いているが、これはビームを
分割せずに検出器上に導き、検出器を分割する場合と同
じなので、説明を分かりやすくするために、上述した第
1及び第2の実施の形態と同様に、図18のような検出
器上のビームを用いて説明する。
【0124】図18の検出器においては、8B−aと8
B−dの光がそれぞれホログラムの分割領域9b,9c
で回折された光に相当する。また、図19は図18にお
いて位相差を加えた領域を次のように仮に分割したもの
として考える。
【0125】第1象限において、反射光の0次光中の位
相差を含む領域をSS2、それ以外をSS1とし、第2
象限において、反射光の−1次光中の位相差を含む領域
をSS3、それ以外をSS4とする。
【0126】そして、領域SS1,SS2,SS3,S
S4において、±1次光がなく0次光のみ存在する領域
の面積をS0-1,S0-2,S0-3,S0-4とし、0次光と±
1次光とが重なり合う部分の面積をS1-1,S1-2,S
1-3,S1-4とする。
【0127】ここでは、S1-1とS1-2の面積をほぼ等し
くなるような分割にする(本実施形態では、図18に示
すように、円周方向に20°程度分割する)。即ち、S
1-1=S1-2、S1-3=S1-4となるように分割する。
【0128】ここで、領域SS1〜SS4を、上記第1
の実施の形態として説明した図7における第1象限、第
2象限と考えた場合の式(12)〜(17)を参照すれ
ば、プッシュプル信号の振幅が0になることが容易に分
かる。
【0129】即ち、領域SS2,SS3で生成されるプ
ッシュプル信号と、領域SS1,SS4で生成されるプ
ッシュプル信号とは、振幅が同じであるが、位相差が1
80°ずれる。
【0130】これは、プッシュプル信号に関与する領域
すなわち溝からの反射光(回折光)の0次光と±1次光
とが重なり合う領域(お互いが干渉する領域)におい
て、位相差を180°与えられた領域の光のプッシュプ
ル信号と、関係しない部分の光によるプッシュプル信号
との振幅がほぼ等しく、位相が180°ずれているため
に、全体としてプッシュプル信号の振幅が0になるため
に生じる。
【0131】尚、S0-2とS0-3、S0-1とS0-4はそれぞ
れ異なるが、(S0-1+S0-2)と(S0-3+S0-4)とは
等しいので、0次光のみ存在する領域の面積の直流成分
は減算すれば0になる。
【0132】このように、ビームの半分の光を用いて、
プッシュプル信号を検出するホログラムレーザユニット
においても、本発明を適用することができる。
【0133】半円ビームを用いたプッシュプル信号検出
においては、半円ビーム中のプッシュプル信号に関与す
る領域、すなわち溝からの反射光(回折光)の0次光と
±1次光とが重なり合う領域(お互いが干渉する領域)
をDとし、位相差を与える領域をEとすると、領域Eと
トラック方向の中心線に対して対称な位置にある領域F
との位相差の和が180°の整数倍であり、かつ領域E
と領域Fとの面積の和が領域Dの面積の略半分程度に設
定されれば、光ビーム全体のプッシュプル信号振幅はほ
ぼ0になる。
【0134】また、位相差を与える領域は、図17に示
すものに限らず、図20のように、位相差180°を与
える領域を、y方向の幅が一定で、1つの象限内の干渉
領域の略半分程度の面積になるように設定しても、同様
の効果が得られる。
【0135】このように、y方向の幅が一定であれば、
トラッキングにより対物レンズ即ち光ビームがラジアル
方向にシフトしても、干渉領域において位相差を与える
面積が変化しないので、位置ずれの影響を小さくするこ
とができる。
【0136】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態について、図21及び図22を用いて詳細に説明
する。
【0137】本実施形態のピックアップ装置は、第3の
実施の形態と同じくホログラムレーザユニットを用いた
構成で、さらにサブビームに与える位相差の精度を向上
させたものである。
【0138】図21は光学系を模式的に表したものであ
る。半導体レーザ1から出射した光は、グレーティング
3で3ビーム(メインビーム30と±1次光のサブビー
ム31及び32)に分割され、ホログラム素子9の0次
回折光が、コリメートレンズ2と対物レンズ5を介して
光ディスク6上に集光される。
【0139】次に、サブビームの位置ずれについて説明
する。サブビーム31,32はグレーティング3で分割
されるが、これは図21(a)に示すように、仮想光源
1−31,1−32から発した光と考えることができ
る。
【0140】よって、実質的に対物レンズ5に入射する
サブビーム光は、図21(b)に示すように、グレーテ
ィング3上及びホログラム9上で、メインビーム30と
ずれた部分の光を利用することになる。
【0141】このずれ量は、グレーティングやホログラ
ムの光軸方向の位置によって異なるが、小型に集積化し
たホログラムレーザユニットなどにおいては、比較的大
きな値になる。
【0142】従って、上記第3の実施の形態のように、
メインビームの光軸中心に合わせて、グレーティング3
に位相差分布を与えたとしても、±1次光のサブビーム
においては、それぞれ中心からずれた位相差分布にな
る。
【0143】ずれ量がビーム径に対して無視できる程度
に小さい場合は、光軸中心に位相差分布を与えれば、±
1次光に同じ位相分布が加わるとみなせるが、ずれ量が
大きい場合は、これを考慮して設計する必要がある。
【0144】この場合の位相差分布について次に示す。
図21(b)に示すように、3分割ホログラム9でビー
ムのy方向の半円部分のみを使って、プッシュプル信号
を検出する場合は、このようなサブビームのy方向の位
置ずれの影響が、±1次ビームに不均等に加わる。本実
施形態は、このような場合に有効な位相差分布を与える
ものである。
【0145】図22(a)はグレーティング3の中でy
方向にほぼ均等な幅で帯状にビームのx方向の半円の端
の部分に位相差を与える場合を示す。また、図22
(b)はグレーティング3の中でy方向にほぼ均等な幅
で帯状にビームのx方向の半円の中央付近に位相差を与
える場合を示す。
【0146】この幅は上記第3の実施の形態で示したサ
ブビームのプッシュプル信号振幅がほぼ0になるように
設定すればよい。この構成は、y方向(トラック方向)
に一様な位相差分布であるため、グレーティング上で実
質的にサブビームの位置がずれても、付加される位相差
分布は変化しない。よって、位相差分布の精度を向上さ
せることができる。
【0147】図22(c)はグレーティング上でサブビ
ームの位置が実質的にずれることを利用して、実質的に
+1次のサブビーム31だけに位相差を付加する領域3
Aと、−1次のサブビーム32だけに位相差を付加する
領域3Bとに分けて、位相差分布を与えるものである。
【0148】このように、それぞれのサブビームに個別
に位相差分布を付加することができるため、本実施形態
のピックアップ装置のように、3分割のホログラムを用
いて±1次ビームのプッシュプル信号が不均等になる場
合であっても、各ビームに正確に位相差を付加すること
ができる。
【0149】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
の形態について、図23乃至図25を用いて詳細に説明
する。
【0150】本実施形態のピックアップ装置は、上記第
3及び第4の実施の形態と同じくホログラムレーザユニ
ットを用いた構成で、さらに異なるピッチや溝深さのデ
ィスクに対してもサブビームに与える位相差の精度を向
上させたものである。
【0151】図23は光学系を模式的に表したもので、
基本的には図21と同じであるので、詳細な説明は省略
する。但し、ホログラム素子9は、図23(b),
(c)に示すように、4分割またはy方向の分割線で分
割された2分割を想定し、光ビーム全体を用いてプッシ
ュプル信号を検出する場合について説明する。
【0152】図23(b)に示すように、サブビーム3
1,32はグレーティング3上で実質的にメインビーム
30とずれた部分の光を利用することになる点は、上記
第3の実施の形態で説明したのと同様である。
【0153】次に、異なる仕様の光ディスクに対するプ
ッシュプルの回折パターンについて説明する。同じ光ピ
ックアップ装置を用いて、異なる規格の光ディスクを記
録再生することが要求されているが、特に溝構造のピッ
チや深さが変化すると、プッシュプルパターンは大きく
異なる。
【0154】例えば、溝ピッチが狭い場合のプッシュプ
ルパターンを、図24(a)(プッシュプル信号に関与
する領域n1,n2)、ピッチが広い場合を、図24
(b)(プッシュプル信号に関与する領域n3,n4)
にそれぞれ示す。
【0155】このように、回折パターンが大きく異な
り、しかもグレーティング3上で実質的にサブビームの
位置がメインビームとずれる場合には、最適な位相差分
布パターンも異なることになる。本実施形態は、このよ
うな場合に有効な位相差分布を与えるものである。
【0156】図25に本実施形態の位相差分布を示す。
これは、グレーティング3の中で、ビームのx方向の半
円に対して、3C,3D,3Eの3つの領域に180°
の位相差を与える。
【0157】この中で、領域3Dはサブビーム31及び
32の両方に対して位相差を付加し、領域3Cはサブビ
ーム32に対してのみ位相差を与え、逆に領域3Eはサ
ブビーム31に対してのみ位相差を与える。
【0158】また、領域3Dは、図24(a),(b)
で示した両者の回折パターンの重なり合う領域n2,n
4を含んでいる。それに対して、領域3Cは、サブビー
ム32のn4領域だけを含んでおり、領域3Eはサブビ
ーム31のn4領域だけを含んでいる。
【0159】よって、例えば図24(a)に示すよう
に、ピッチの狭いディスクに対しては位相差付加領域3
Dの大きさや形状を最適化して、サブビーム31,32
の両方に対してプッシュプル信号振幅をほぼ0にする。
【0160】また、図24(b)に示すように、ピッチ
の広いディスクでのサブビーム31に対しては位相差付
加領域3Eと3Dの大きさや形状を最適化してプッシュ
プル信号振幅をほぼ0にし、サブビーム32に対しては
位相差付加領域3Cと3Dの大きさや形状を最適化し
て、プッシュプル信号振幅をほぼ0にする。
【0161】従って、グレーティング上で2つのサブビ
ームの位置が実質的にメインビームに対して異なる方向
にずれた場合でも、本実施形態のように互いに影響を与
えない位相差付加領域3C,3Eを設けることにより、
それぞれのサブビームに個別に位相差分布を付加するこ
とができるため、異なる規格の光ディスクに対しても、
各ビームに正確に位相差を付加することができる。
【0162】尚、上記実施の形態においては、3ビーム
の±1次光に位相差を与える方法として、グレーティン
グの溝の周期構造を部分的にずらす方法について示した
が、本発明はこれに限ることはなく、実際に透過ガラス
板や位相差板を用いても良い。
【0163】
【発明の効果】本発明によれば、プッシュプル法を利用
したTES検出において、光の利用効率を低下させず
に、対物レンズシフトやディスクチルトにより発生する
オフセットを低コストでキャンセルすることができる。
【0164】サブビームのプッシュプル信号は溝深さに
関係なく、振幅が0で、対物レンズシフトやディスクチ
ルトによる検出器上でのビームシフト成分のみが検出さ
れる。
【0165】すなわち、サブビームがメインビームに対
して1/2ピッチに限らずどの位置にあっても、プッシ
ュプル信号の振幅が0であるので、サブビームの位置調
整(回折格子等の回転調整)が不要となり、ピックアッ
プの組立て調整を大幅に簡略化することができる。
【0166】また、回折格子は光ビーム全体に対して設
けることができるので、メインビームの光強度分布が変
化したり、光の利用効率が低下することはない。
【0167】さらに、異なるトラックピッチのディスク
に対しても全く問題無く適応することができる。
【0168】そしてまた、半分の光ビームを用いたプッ
シュプル信号検出においても適用することができるの
で、集積化したホログラムレーザユニットなどにも利用
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光ピックアップの
光学系を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の光ピックアップを
用いた場合の光ディスク上でのビームスポット形状を示
す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態でのプッシュプル信
号を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において対物レンズ
がシフトした場合のプッシュプル信号を示す説明図であ
る。
【図5】光ディスクからの反射ビームの回折パターンを
示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における対物レンズ
入射ビームの位相分布を示す説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における検出器上の
ビームの回折パターンを示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態でのプッシュプル信
号の検出原理を説明するための図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の光ピックアップの
回折格子の構造を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における対物レン
ズ入射ビームの位相分布を示す説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における検出器上
のビームの回折パターンを示す説明図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態でのプッシュプル
信号の検出原理を説明するための図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における対物レン
ズ入射ビームの位相分布の他のパターンを示す説明図で
ある。
【図14】本発明の第3の実施の形態の光ピックアップ
の光学系を示す概略構成図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態のホログラムレー
ザピックアップにおけるホログラムと光検出器の構造を
示す説明図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態の回折格子の構造
を示す説明図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態における対物レン
ズ入射ビームの位相分布を示す説明図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態における仮の検出
器上ビームパターンを示す説明図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態における検出器上
の仮の分割領域を示す説明図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態における他の位相
分布を示す説明図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態のピックアップ光
学系とグレーティング及びホログラム上でのビーム位置
を示す説明図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態におけるグレーテ
ィング上の位相差付加パターンを示す説明図である。
【図23】本発明の第5実施の形態のピックアップ光学
系とグレーティング及びホログラム上でのビーム位置を
示す説明図である。
【図24】異なる規格のディスクにおけるプッシュプル
パターンを示す説明図である。
【図25】本発明の第5の実施の形態におけるグレーテ
ィング上の位相差付加パターンを示す説明図である。
【図26】従来の光ピックアップの光学系を示す概略構
成図である。
【図27】プッシュプル信号について説明するための図
である。
【図28】プッシュプル信号のオフセット発生原因を説
明するための図である。
【図29】従来例1の光ピックアップの光学系を示す概
略構成図である。
【図30】従来例1における光ディスク上のビーム配列
と検出系の構成を示す説明図である。
【図31】従来例1でのプッシュプル信号の検出原理を
説明するための図である。
【図32】従来例2の光ピックアップの光学系を示す概
略構成図である。
【図33】従来例2の回折格子の構造を示す説明図であ
る。
【図34】従来例2における光ディスク上のビーム配列
を示す説明図である。
【図35】従来例2でのプッシュプル信号の検出原理を
説明するための図である。
【図36】従来例3の光ピックアップの光学系を示す概
略構成図である。
【図37】従来例3における回折格子の構造と光ディス
クへの集光ビームを示す説明図である。
【図38】従来例3における光ディスク上のビーム配列
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 コリメータレンズ 3 3ビーム用回折格子 4 ビームスプリッタ 5 対物レンズ 6 ディスク 7 集光レンズ 8 光検出器 9 ホログラム 10 ホロレーザ用検出器 11 2分割検出器 30 0次回折光 31 +1次回折光 32 −1次回折光 61 トラック 310 サブビームの0次反射回折光 311 サブビームの+1次回折光 312 サブビームの−1次回折光
フロントページの続き (72)発明者 平島 廣茂 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−149935(JP,A) 特開 平9−81942(JP,A) 特開 平9−219030(JP,A) 特開 平11−154338(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/09 G11B 7/125 G11B 7/13 G11B 7/135

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つ以上の光ビームを、対物
    レンズにより光ディスクに集光し、その反射光をそれぞ
    れ実質的にトラック方向の分割線で分割して2分割検出
    器で受光し、各2分割検出器の差信号すなわち各ビーム
    のプッシュプル信号からトラッキング誤差信号を生成す
    る光ピックアップであって、 一方の光ビームにおいてプッシュプル信号の振幅がほぼ
    0になるように、光ビームの一部分に位相差を与えるこ
    とを特徴とする光ピックアップ。
  2. 【請求項2】 上記位相差を与える光ビームのプッシュ
    プル信号を用いて、もう一方の光ビームのプッシュプル
    信号のオフセットを補正することを特徴とする前記請求
    項1に記載の光ピックアップ。
  3. 【請求項3】 上記位相差を与える光ビームにおいて、
    光ビーム中のプッシュプル信号に関与する領域をAと
    し、位相差を与える領域をBとした場合、領域Bの位相
    差と、領域Bとビームの中心を原点として対称な位置に
    ある領域Cの位相差との和が180°の整数倍であり、
    さらに領域Bと領域Cとの面積の和が領域A全体の面積
    の略半分であることを特徴とする前記請求項1又は2に
    記載の光ピックアップ。
  4. 【請求項4】 上記位相差を与える光ビームにおいて、
    光ビームの中心を原点として、光ディスクのラジアル方
    向をx方向、トラック方向をy方向とすると、4象限の
    うちの1つの象限にのみ、略180°の位相差を与える
    ことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の光ピック
    アップ。
  5. 【請求項5】 上記位相差を与える光ビームにおいて、
    光ビームの中心を原点として、光ディスクのラジアル方
    向をx方向、トラック方向をy方向とすると、4象限の
    うち第1象限と第3象限、または第2象限と第4象限に
    のみ、略90°の位相差を与えることを特徴とする前記
    請求項1又は2に記載の光ピックアップ。
  6. 【請求項6】 上記位相差を与える光ビームにおいて、
    中心を通り光ディスクのラジアル方向の分割線で分割さ
    れた半円領域のうちプッシュプル信号に関与する領域を
    Dとし、位相差を与える領域をEとした場合、領域Eの
    位相差と、領域Eとトラック方向の中心線に対して対称
    な位置にある領域Fの位相差との和が180°の整数倍
    であり、かつ領域Eと領域Fとの面積の和が領域D全体
    の略半分であり、この半円領域のみを用いてプッシュプ
    ル信号を検出することを特徴とする前記請求項1又は2
    に記載の光ピックアップ。
  7. 【請求項7】 上記プッシュプル信号を検出する半円領
    域のうち、円周方向に略20°の扇形領域に、180°
    の位相差を与えることを特徴とする前記請求項6に記載
    の光ピックアップ。
  8. 【請求項8】 上記プッシュプル信号を検出する半円領
    域のうち、片側の1/4円の中で、トラック方向の幅が
    ほぼ一定であるような略長方形領域に、180°の位相
    差を与えることを特徴とする前記請求項6に記載の光ピ
    ックアップ。
  9. 【請求項9】 回折格子により光ビームを0次光と、+
    1次光または−1次光との少なくとも2つ以上の光ビー
    ムとに分離するとともに、位相差を与える部分の回折格
    子の周期構造を他の部分に比べてずらして形成し、0次
    以外の回折光にのみ、位相差を付加することを特徴とす
    る前記請求項1乃至8のいずれかに記載の光ピックアッ
    プ。
  10. 【請求項10】 上記回折格子の中で光ディスクのラジ
    アル方向の幅がほぼ一定であるような略長方形領域に、
    180°の位相差を与えることを特徴とする前記請求項
    9に記載の光ピックアップ。
  11. 【請求項11】 上記回折格子の中で実質的に+1次光
    のみに影響を与える領域と、−1次光にのみ影響を与え
    る領域とに、180°の位相差を与えることを特徴とす
    る前記請求項9に記載の光ピックアップ。
  12. 【請求項12】 集積化ホログラムレーザユニットを搭
    載していることを特徴とする前記請求項1乃至11のい
    ずれかに記載の光ピックアップ。
  13. 【請求項13】 少なくとも2つ以上の光ビームを対物
    レンズにより、情報記録媒体に集光し、その反射光のう
    ち少なくとも一方の光ビームについて実質的にトラック
    方向の分割線で分割して2分割検出器で受光し、各2分
    割検出器の差信号すなわちプッシュプル信号を検出する
    光ピックアップであって、 前記一方の光ビームにおいてプッシュプル信号の振幅が
    ほぼ0になるように、光ビームの一部分に位相差を与え
    るとともに、前記差信号を対物レンズの位置検出信号に
    用いることを特徴とする光ピックアップ。
  14. 【請求項14】 異なる規格の光ディスク即ち異なるプ
    ッシュプルパターンが発生する光ディスクに対して、サ
    ブビームのプッシュプル信号の振幅がほぼ0になるよう
    に、サブビームの一部分に位相差を与えることを特徴と
    する前記請求項13に記載の光ピックアップ。
  15. 【請求項15】 記録または再生を行うメインビーム
    と、少なくとも1つ以上のサブビームとを、対物レンズ
    により情報記録媒体に集光し、その反射光をそれぞれ実
    質的にトラック方向の分割線で分割して2分割検出器で
    受光し、各2分割検出器の差信号すなわち各ビームのプ
    ッシュプル信号を用いてトラッキングを行うトラッキン
    グサーボ方法であって、 サブビームのプッシュプル信号の振幅がほぼ0になるよ
    うに、サブビームの一部分に位相差を与えるるととも
    に、この差信号を用いて、メインビームのトラッキング
    誤差信号のオフセットを補正することを特徴とするトラ
    ッキングサーボ方法。
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