JP3526891B2 - 放射線画像信号読出方法およびそれに用いられる放射線検出器 - Google Patents

放射線画像信号読出方法およびそれに用いられる放射線検出器

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JP3526891B2
JP3526891B2 JP21730493A JP21730493A JP3526891B2 JP 3526891 B2 JP3526891 B2 JP 3526891B2 JP 21730493 A JP21730493 A JP 21730493A JP 21730493 A JP21730493 A JP 21730493A JP 3526891 B2 JP3526891 B2 JP 3526891B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線検出器より放射
線画像信号を読み出す方法および放射線検出器に関し、
詳細には放射線検出器に蓄積される暗電流ノイズを除去
して、放射線画像を表す信号を読み出す方法および放射
線検出器の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、医療診断を目的とする放射線
撮影の医療用放射線撮影、物質の非破壊検査等を目的と
する工業用放射線撮影等の種々の分野における放射線撮
影において、増感紙と放射線写真フイルムとを組合せた
いわゆる放射線写真法が利用されている。この方法によ
れば、被写体を透過したX線等の放射線が増感紙に入射
すると、増感紙に含まれる蛍光体はこの放射線のエネル
ギーを吸収して蛍光(瞬時発光)を発する。この発光に
より、増感紙に密着させるように重ね合わされた放射線
写真フイルムが感光し、放射線写真フイルム上には放射
線画像が形成される。このようにして放射線画像は直接
に放射線フイルム上に可視化された画像として得ること
ができる。
【0003】一方、放射線写真フイルムに記録された放
射線画像を光電的に読み取って画像信号を得、この画像
信号に適切な画像処理を施した後、画像を再生記録する
ことが種々の分野で行われている。たとえば、後の画像
処理に適合するように設計されたガンマ値の低いフィル
ムを用いてX線画像を記録し、このX線画像が記録され
たフィルムからX線画像を読み取って電気信号に変換
し、この電気信号(画像信号)に画像処理を施した後コ
ピー写真等に可視像として再生することにより、コント
ラスト,シャープネス,粒状性等の画質性能の良好な再
生画像を得ることが行われている(特公昭61-5193 号公
報参照)。
【0004】また本願出願人により、放射線(X線,α
線,β線,γ線,電子線,紫外線等)を照射すると、こ
の放射線エネルギの一部が蓄積され、その後可視光等の
励起光を照射すると蓄積されたエネルギに応じて輝尽発
光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人
体等の被写体の放射線画像情報を一旦シート状の蓄積性
蛍光体に記録し、この蓄積性蛍光体シートをレーザ光等
の励起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られた輝
尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、この画像
データに基づき被写体の放射線画像を写真感光材料等の
記録材料、CRT等に可視像として出力させる放射線画
像記録再生システムがすでに提案されている(特開昭55
-12429号,同56-11395号,同55-163472 号,同56-10464
5 号,同55- 116340号等)。
【0005】このシステムは、従来の銀塩写真を用いる
放射線写真システムと比較して極めて広い放射線露出域
にわたって画像を記録しうるという実用的な利点を有し
ている。すなわち、蓄積性蛍光体においては、放射線露
光量に対して蓄積後に励起によって輝尽発光する発光光
の光量が極めて広い範囲にわたって比例することが認め
られており、従って種々の撮影条件により放射線露光量
がかなり大幅に変動しても、蓄積性蛍光体シートより放
射される輝尽発光光の光量を読取ゲインを適当な値に設
定して光電変換手段により読み取って電気信号に変換
し、この電気信号を用いて写真感光材料等の記録材料、
CRT等の表示装置に放射線画像を可視像として出力さ
せることによって、放射線露光量の変動に影響されない
放射線画像を得ることができる。
【0006】しかしながら、このような放射線写真シス
テムにより放射線画像を得るためには、上述した放射線
画像を直接可視化する際に、撮影に用いる放射線写真フ
イルムと増感紙との感度領域を一致させて撮影を行う必
要がある。
【0007】また、上述した放射線写真フイルム、蓄積
性蛍光体シートを用いて光電的に放射線画像を読み取る
システムにおいては、放射線画像に画像処理をおこなっ
て目的に応じた濃度およびコントラストを有するように
調整したり、放射線画像を一旦電気信号に変換しなけれ
ばならず、そのための画像読取装置を用いて読取り走査
を行う必要があり、放射線画像を得るための操作が煩雑
なものとなり、放射線画像を得るまでの時間がかかるも
のとなっている。
【0008】そこで、従来のシステムによる上記のよう
な問題点を解決するために、放射線検出器が提案されて
いる(例えば特開昭59-211263 号公報、特開平2-164067
号公報、PCT国際公開番号WO92/06501号、Signal,n
oise,and read out considerations in the developmen
t of amorphous silicon photodiode arrays for radio
therapy and diagnostic x-ray imaging,L.E.Antonuk
et.al ,University of Michigan,R.A.Street Xerox,
PARC,SPIE Vol.1443 Medical Imaging V;Image Physic
s(1991) ,p.108-119 )。
【0009】この放射線検出器は、例えば厚さ3mm の石
英ガラスからなる基板にアモルファス半導体膜を挟んで
透明導電膜と導電膜とからなるマトリクス状に配された
複数の固体検出素子および互いに直交するようにマトリ
クス状にパターン形成される複数の信号線と走査線とか
ら構成されている固体検出器に放射線を可視光に変換す
るシンチレータを積層することにより構成されてなるも
のである。
【0010】この放射線検出器をシンチレータが放射線
入射側の面を向くように配置し、放射線検出器に被写体
を透過した放射線を照射することにより、放射線がシン
チレータに直接入射して可視光に変換され、この変換さ
れた可視光が固体検出素子の光電変換部により検出され
て放射線画像情報を担持する画像信号に光電変換され
る。この画像信号は、放射線検出器の各固体検出素子に
設けられた転送部から所定の読出手段により読み出され
て出力される。
【0011】一方、シンチレータを要しない放射線検出
器も提案されており、この放射線検出器は上述の放射線
検出器において、シンチレータを除去し、通常の固体検
出器の代わりに、 (i) 放射線の透過方向の厚さが通常のものより10倍程度
厚く設定された固体検出器(MATERIAL PARAMETERS IN T
HICK HYDROGENATED AMORPHOUS SILICON RADIATION DETE
CTORS,Lawrence Berkeley Laboratory.University of C
alifornia,Berkeley.CA 94720 Xerox Parc.Palo Alto.C
A 94304)、あるいは、 (ii)放射線の透過方向に、金属板を介して2つ以上積層
された固体検出器(Metal/Amorphous Silicon Multilaye
r Radiation Detectors,IEE TRANSACTIONS ON NUCLEAR
SCIENCE.VOL.36.NO.2.APRIL 1989) 、あるいは、 (iii) CdTe等の半導体放射線検出器(特開平1-2162
90号公報)を用いた構成の放射線検出器であって、可視
光を介すことなく、直接に放射線を検出して電気信号等
に変換し、この信号は、前述の放射線検出器と同様に走
査線に入力される読出信号により、マトリックス状に配
された固体検出素子(上記(i) 〜(iii) の放射線検出器
を構成する多数の素子)より各別に読み出されて出力さ
れる。
【0012】このように出力された画像信号は、後段の
信号処理装置により種々の信号処理が成された後にCR
T等の再生手段により可視情報等として再生される。
【0013】上記放射線検出器を用いることにより、被
写体の放射線画像を煩雑な操作を行うことなくリアルタ
イムで放射線画像情報を得ることができ、直ちに再生す
ることができ、上述した従来のシステムの欠点を解消す
ることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで固体検出素子
には、放射線が照射されていない状態においても常に、
いわゆる暗電流によるノイズ成分が蓄電され、このノイ
ズ成分が画像信号のS/Nを低下させ、したがってこの
画像信号に基づいて再生される放射線画像の画質を劣化
させるという問題がある。
【0015】上記画質の劣化を防止するために、通常は
放射線の照射直前に放射線検出器より、この放射線検出
器に蓄積された暗電流ノイズを読み出して固体検出素子
の蓄電をゼロにリセットし、その後に照射された放射線
の照射完了と同期せしめて、放射線画像信号を読み出す
方法が行われている。
【0016】しかしこの同期方法は、通常マニュアル操
作で行われており、完全な同期をとるのは困難であり、
また同期装置を用いて完全な同期をとろうとすれば、放
射線照射装置と放射線検出器とをこの同期装置に接続す
る必要があり、その場合放射線検出器と放射線検出器と
を一体的に取り扱わなければならず、撮影(検出)の自
由度を低下させることになる。
【0017】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、撮影の自由度を狭めることなく、暗電流ノイズを
低減して、高S/Nの放射線画像を再生するための画像
信号を得る放射線画像信号読出方法および放射線検出器
を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】通常、暗電流ノイズによ
って蓄電される信号値は、放射線の照射によって蓄電さ
れる信号値に対して小さいことが認識されており、本発
明の放射線画像信号読出方法はこの信号値の差を利用し
たものであり、放射線の照射以前から放射線の照射以降
に至る期間中に、放射線検出器に検出された信号を短い
間隔で複数回読み出し、その読み出された各回の信号値
が、しきい値より大きいか、または小さいかによって、
あるいはしきい値以上の信号値を出力する固体検出素子
の割合によって、読み出された信号が暗電流ノイズによ
って蓄電したものであるか、または放射線画像情報を担
持する放射線が照射されたものであるかを識別し、画像
情報を担持するものであると識別した場合は、その信号
値を固体検出素子ごとに加算してメモリに記憶せしめ、
暗電流ノイズによるものであると判定した場合は、その
信号値を読み捨てるようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0019】すなわち本発明の第1の放射線画像信号読
出方法は、画像情報を担持する放射線を検出して全体と
して放射線画像を表す信号に変換する2次元状に配列さ
れた多数の固体検出素子を有する放射線検出器より、該
信号を読み出す放射線画像信号読出方法において、該放
射線検出器より所定の周期で前記信号を読み出し、該周
期ごとに、読み出された信号の値と予め設定された所定
のしきい値とを前記各固体検出素子ごとに比較し、該信
号の値が該しきい値以上の固体検出素子については、該
信号の値をメモリに加算蓄積し、該信号の値が該しきい
値以下の固体検出素子については、該信号の値の前記メ
モリへの加算蓄積を行わないことを特徴とするものであ
る。
【0020】ここで上記所定の周期とは、放射線の照射
時間に対して十分に短い時間を意味し、また上記所定の
しきい値とは、上記所定の周期ごとに暗電流ノイズによ
って固体検出素子に生じる信号値よりも大きく、放射線
が照射されることによって生じる信号値よりも小さい範
囲内で設定される値である。
【0021】また上記信号値がしきい値と等しい場合に
は、しきい値以上の場合の作用と、しきい値以下の場合
の作用とのうち一方を選択的に採ることができる。
【0022】また本発明の第2の放射線画像信号読出方
法は、画像情報を担持する放射線を検出して全体として
放射線画像を表す信号に変換する2次元状に配列された
多数の固体検出素子を有する放射線検出器より、該信号
を読み出す放射線画像信号読出方法において、該放射線
検出器より所定の周期で前記信号を読み出し、該周期ご
とに、読み出された信号の値と予め設定された所定のし
きい値とを前記各固体検出素子ごとに比較し、該信号の
値が該しきい値以上である固体検出素子の数が、全ての
固体検出素子数に対して所定の割合以上であるときは、
全ての固体検出素子より前記該信号の値をメモリに加算
蓄積し、該信号の値が該しきい値以上である固体検出素
子の数が、全ての固体検出素子数に対して所定の割合以
下であるときは、前記信号の値の前記メモリへの加算蓄
積を行わないことを特徴とするものである。
【0023】さらに本発明の放射線検出器は、上記本発
明の第1または第2の方法に用いられる放射線検出器で
あって、画像情報を担持する放射線を検出して全体とし
て放射線画像を表す信号に変換する2次元状に配列され
た多数の固体検出素子を有する放射線検出器において、
該放射線検出器より所定の周期で前記信号を読み出す信
号読出手段と、該信号読出手段により読み出された信号
の値と予め設定された所定のしきい値とを比較し、該比
較の結果、該信号の値が該しきい値以上の場合は該信号
の値を出力し、該信号の値が該しきい値以下の場合は該
信号の値を出力しないように制御する比較手段と、該比
較手段より出力された前記信号の値を、固体検出素子ご
とに加算する加算手段と、該加算手段により加算された
演算値を記憶するメモリとを備えたことを特徴とするも
のである。
【0024】なお上記放射線検出器としては、例えば、
所定の厚さの石英ガラスからなる基板に、アモルファス
半導体膜を挟んで透明導電膜と導電膜とからなるマトリ
ックス状に配された複数の固体検出素子および互いに直
交するようにマトリックス状にパターン形成される複数
の信号線と走査線とから構成される固体検出器であっ
て、前述した(i) 放射線の透過方向の厚さが通常のもの
より10倍程度厚く設定された固体検出器や、(ii)放射線
の透過方向に、金属板を介して2つ以上積層された固体
検出器や、(iii) CdTe等の半導体放射線検出器など
を用いることができる。さらに通常のフォトダイオード
等の固体検出素子からなる固体検出器を用いることもで
き、この場合は放射線の照射を受け、その放射線の強度
に応じた強度の可視光に変換するGdS,CsI
等の蛍光体からなるシンチレータを、固体検出器に積層
した構成も採用することができる。
【0025】なお、上記所定の厚さとは、放射線の吸収
量が放射線画像の画質を低下させるほどに大きくない程
度の厚さをいうが、具体的には固体検出器を支持するた
めのある程度の強度が必要であるため、数百ミクロン程
度であることをいう。
【0026】
【作用および発明の効果】本発明の放射線画像信号読出
方法およびそれに用いられる放射線検出器によれば、放
射線が照射されていない状態において放射線検出器によ
り検出される信号は、暗電流ノイズによって蓄電される
信号であるから、その信号値はしきい値よりも小さく、
したがってこの信号は読み捨てられる。放射線検出器
は、検出され蓄電された信号を読み出すことによって蓄
電された信号値がゼロにリセットされるため、短い周期
で複数回この信号値を読み出すごとにゼロにリセットさ
れ、その読出しから次の読出しの期間中に蓄電される暗
電流ノイズによる信号値は読み捨てられる。
【0027】次いで放射線の照射が開始されると、この
放射線検出器はゼロにリセットされた状態から放射線照
射による信号が蓄電される。この放射線照射期間中は検
出される信号の値がしきい値以上となり、したがってこ
の期間中に検出される信号値は各固体検出素子ごとに加
算され、この加算された加算値は、放射線の照射開始か
ら信号読出しの行われた時点までに照射された放射線の
総量に応じた信号値としてメモリ等に記憶される。
【0028】放射線の照射の照射が終了すると、検出さ
れる信号値は再びしきい値未満となり、この信号値は読
み捨てられる。
【0029】上述の作用によりメモリに蓄積記憶された
信号値は、放射線の照射によって検出された信号値であ
り、放射線照射以前および放射線照射完了以降の各期間
中に蓄電された暗電流ノイズによる信号値は加算されて
いない。したがって放射線照射装置と同期させることな
く、再生される放射線画像のS/Nを向上させて、高画
質の放射線画像を得ることができる。
【0030】なお、上記しきい値と信号値との比較にお
いて、放射線検出器を構成する全ての固体検出素子から
の信号値がしきい値を上回るかまたは下回るかによっ
て、そののちの作用が進むように設定してもよいし、全
ての固体検出素子のうち、所定の割合の数の固体検出素
子からの信号値がしきい値を上回りまたは下回ることに
よって、そののちの作用が進むように設定してもよい。
【0031】
【実施例】以下、本発明による放射線画像信号読出方法
を実施するために用いられる放射線検出器の実施例につ
いて図面を用いて説明する。
【0032】図1は本発明の放射線検出器の一実施態様
の概略構成を示すブロック図、図2は本実施例の放射線
検出器を用いた放射線画像情報の検出の態様を示すシス
テム図である。図示の放射線検出器は、図2に示すよう
に放射線源20より出射され被写体10を透過した放射線R
を受けて可視光に変換する平面状のシンチレータ32と、
このシンチレータ32に積層された、シンチレータ32の各
部により変換された可視光をそれぞれ検出して全体とし
て放射線画像を表す画像信号Eに変換する2次元状に多
数の固体検出素子Pが配された固体検出器31とを備えて
いる。
【0033】ここで固体検出器31を構成する固体検出素
子Pの詳細な構造を図3に示す。固体検出器31は、樹脂
シートからなる基板31A の上にパターン成形した導電膜
からなる信号線31B ,31H があり、アモルファスシリコ
ン31C と透明電極31D とからなるフォトダイオード31E
、アモルファスシリコン31F およびアモルファスシリ
コン31F 内に設けられたゲートとしての転送電極31J か
らなる薄膜トランジスタ31G により固体検出素子Pが多
数形成されてなるものである。ここで、固体検出器31の
樹脂シート31A の厚さは数百ミクロン程度であり、放射
線吸収率が低いものである。また、アモルファスシリコ
ン31C の厚さは1ミクロン程度である。
【0034】さらに本実施例の放射線検出器は、各固体
検出素子Pよりそれぞれ、所定の周期で画像信号Eを読
み出し、この読み出された画像信号Eと予め内部に記憶
された所定のしきい値Kとを比較し、比較の結果、画像
信号Eがしきい値K以上の場合はこの画像信号Eを出力
し、画像信号Eがしきい値K以下の場合は画像信号Eを
出力せずに内部で消失せしめるように制御するデータ判
断制御部33と、このデータ判断制御部33より出力された
画像信号EをA/D変換するA/D変換器34と、A/D
変換された画像信号Eを固体検出素子Pごとに加算する
加算器35と、加算器35により加算された演算値を記憶す
る画像メモリ36とを備えている。
【0035】ここで上記しきい値Kは、上記所定の周期
ごとに暗電流によって固体検出素子Pに生じるノイズ信
号よりも大きく、放射線が照射されることによって生じ
る信号よりも小さい範囲内で設定される値である。
【0036】次に本実施例の放射線検出器の作用につい
て説明する。
【0037】各固体検出素子Pには、放射線Rの照射以
前に、暗電流によるノイズ信号が発生し、このノイズ信
号はフォトダイオード31E において画像信号E(K>
E)として蓄積される。ここでデータ判断制御部33は、
例えば周期1msecで、各固体検出素子Pに転送パルスを
送り、その転送パルスが送られるごとに各固体検出素子
Pのスイッチは「入」状態(固体検出素子Pの転送電極
31J に電圧がかかり、信号線31B ,31H 間を電流が流れ
る状態)となり、フォトダイオード31E に蓄積された画
像信号Eは薄膜トランジスタ31G を通じてデータ判断制
御部33へ出力される。
【0038】各固体検出素子Pは、この画像信号Eの出
力の都度、その画像信号蓄積量がゼロにリセットされて
暗電流の影響が除去され、リセットの瞬間から次に転送
パルスが送られるまでの間に再び暗電流によるノイズ信
号を蓄積する作用を繰り返す。
【0039】一方、データ判断制御部33に周期1msecご
とに入力される画像信号Eは、このデータ判断制御部33
内に予め記憶されたしきい値Kと大小比較がなされ、ノ
イズ信号はしきい値Kより小さいため内部で消失され
る。なおデータ判断制御部33への最初の画像信号Eの入
力に同期して、画像メモリ36はゼロにリセットされる。
【0040】次いで、図2に示すように被写体10を介し
て放射線Rが照射され、この放射線Rの照射を受けた放
射線検出器30は、シンチレータ32によりこの放射線Rを
可視光に変換する。この可視光は被写体10の放射線画像
情報を担持し、固体検出器31を構成する各固体検出素子
Pのアモルファスシリコン31C に入射し、この可視光は
上記暗電流ノイズ信号の場合と同様に放射線画像情報を
担持する画像信号E′(E′>K)に光電変換されて蓄
積される。データ判断制御部33は上記暗電流ノイズ信号
の場合と同様に、この画像信号E′を所定(1msec)の
周期で読み出し、その周期ごとに内部に記憶されたしき
い値Kと大小比較がなされる。
【0041】ここで被写体10の放射線画像情報を担持し
た画像信号E′はしきい値Kより大きいため、A/D変
換器34に出力されてデジタル信号化され、加算器35に入
力される。加算器35はデジタル信号化された画像信号
E′が入力される都度、その入力された画像信号E′と
それにより以前に画像メモリ36に記憶されている画像信
号とを加算して画像メモリ36に入力する。画像メモリ36
は上述のリセット作用により初期的にゼロに設定されて
おり、画像メモリ36には、放射線Rが照射された後から
現実に放射線Rが照射されている瞬間までの間に固体検
出素子Pより読み出された画像信号の総和が記憶される
こととなる。
【0042】放射線Rの照射が終了すると、各固体検出
素子Pに蓄積される信号は低下して放射線照射以前の暗
電流によるノイズ信号だけが検出される。この信号はし
きい値Kより小さいため、データ判断制御部33内部で消
失される。
【0043】このように画像メモリ36には、放射線Rの
照射開始以前および照射終了以後の期間中に、固体検出
器31に蓄積される暗電流によるノイズ信号成分は記憶さ
れず、放射線Rの照射によって蓄積される被写体10の放
射線画像情報を担持した画像信号成分だけが記憶され
る。したがって画像メモリ36に記憶された画像信号は、
被写体10の放射線画像情報を高S/Nで担持するもので
あり、後段においてこの画像メモリ36に記憶された画像
信号を出力して画像再生装置等により放射線画像として
可視化することができる。
【0044】このように本実施例の放射線検出器によれ
ば、放射線源20から放射線Rを照射するのと同期させる
必要がないため、撮影の自由度を狭めることもなく、暗
電流ノイズを低減して、高S/Nの放射線画像を再生す
るための画像信号を得ることができる。
【0045】なお本発明による放射線検出器は、本実施
例のようにデータ判断制御部33が、放射線検出器を構成
する全ての固体検出素子Pからの信号がしきい値を上回
るかまたは下回るかによって、そののちの作用を制御す
るように設定してもよいし、全ての固体検出素子のう
ち、所定の割合の数の固体検出素子からの信号がしきい
値を上回りまたは下回ることによって、そののちの作用
を制御するように設定してもよい。このように所定の割
合を設定することにより、例えば被写体が放射線透過率
の非常に低い部分を有し、その放射線透過率の低い部分
を透過した僅かな放射線による画像信号がしきい値を下
回った場合にも、所定の割合以上の他の部分を透過した
放射線による画像信号がしきい値を上回れば、メモリへ
の画像信号を加算蓄積することができ、放射線の照射開
始時を一層正確に認識してその作用を制御することがで
きる。
【0046】また本発明による放射線検出器は、必ずし
も上記実施例のようにシンチレータを用いる構成のもの
に限るものではなく、上記実施例の放射線検出器におい
て、固体検出器の代わりに、例えば前述した(i) 放射線
の透過方向の厚さが通常のものより10倍程度厚く設定さ
れた固体検出器、または(ii)放射線の透過方向に、金属
板を介して2つ以上積層された固体検出器、または(ii
i) CdTe等の半導体放射線検出器などを用いた構成
を採用した場合は、シンチレータを具備する必要はな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線検出器の一実施態様の概略構成
を示すブロック図
【図2】図1に示した放射線検出器を用いた放射線画像
情報の検出の態様を示すシステム図
【図3】固体検出器の詳細な構造を示す詳細構成図
【符号の説明】
10 被写体 20 放射線源 30 放射線検出器 31 固体検出器 32 シンチレータ 33 データ判断制御部 34 A/D変換器 35 加算器 36 画像メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 27/14 H04N 5/32 H04N 5/32 H01L 27/14 K (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/00 - 7/12 G03B 42/02 H01L 27/14 H04N 5/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報を担持する放射線を検出して全
    体として放射線画像を表す信号に変換して蓄積する2次
    元状に配列された多数の固体検出素子を有する放射線検
    出器より、該信号を読み出す放射線画像信号読出方法に
    おいて、 該放射線検出器より所定の周期で前記信号を読み出し、
    該周期ごとに、読み出された信号の値と予め設定された
    所定のしきい値とを前記各固体検出素子ごとに比較し、 該信号の値が該しきい値以上の固体検出素子について
    は、該信号の値をメモリに加算蓄積し、 該信号の値が該しきい値未満の固体検出素子について
    は、該信号の値の前記メモリへの加算蓄積を行わないこ
    とを特徴とする放射線画像信号読出方法。
  2. 【請求項2】 画像情報を担持する放射線を検出して全
    体として放射線画像を表す信号に変換する2次元状に配
    列された多数の固体検出素子を有する放射線検出器よ
    り、該信号を読み出す放射線画像信号読出方法におい
    て、 該放射線検出器より所定の周期で前記信号を読み出し、
    該周期ごとに、読み出された信号の値と予め設定された
    所定のしきい値とを前記各固体検出素子ごとに比較し、 該信号の値が該しきい値以上である固体検出素子の数
    が、全ての固体検出素子数に対して所定の割合以上であ
    るときは、全ての固体検出素子より該信号の値をメモリ
    に加算蓄積し、 該信号の値が該しきい値以上である固体検出素子の数
    が、全ての固体検出素子数に対して所定の割合未満であ
    るときは、全ての固体検出素子より該信号の値の前記メ
    モリへの加算蓄積を行わないことを特徴とする放射線画
    像信号読出方法。
  3. 【請求項3】 画像情報を担持する放射線を検出して全
    体として放射線画像を表す信号に変換する2次元状に配
    列された多数の固体検出素子を有する放射線検出器にお
    いて、 該放射線検出器より所定の周期で前記信号を読み出す信
    号読出手段と、 該信号読出手段により読み出された信号の値と予め設定
    された所定のしきい値とを比較し、該比較の結果、該信
    号の値が該しきい値以上の場合は該信号の値を出力し、
    該信号の値が該しきい値未満の場合は該信号の値を出力
    しないように制御する比較手段と、 該比較手段より出力された前記信号の値を、固体検出素
    子ごとに加算する加算手段と、 該加算手段により加算された演算値を記憶するメモリと
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の放射線画像信
    号読出方法に用いられる放射線検出器。
  4. 【請求項4】 画像情報を担持する放射線を検出して全
    体として放射線画像を表す信号に変換する2次元状に配
    列された多数の固体検出素子を有する放射線検出器にお
    いて、 該放射線検出器より所定の周期で前記信号を読み出す信
    号読出手段と、 該信号読出手段により読み出された信号の値と予め設定
    された所定のしきい値とを比較し、該信号の値が該しき
    い値以上である固体検出素子の数が、全ての固体検出素
    子数に対して所定の割合以上であるときは、全ての固体
    検出素子より該信号の値を出力し、該信号の値が該しき
    い値以上である固体検出素子の数が、全ての固体検出素
    子数に対して所定の割合未満であるときは、全ての固体
    検出素子より該信号の値を出力しないように制御する比
    較手段と、 該比較手段より出力された前記信号の値を、固体検出素
    子ごとに加算する加算手段と、 該加算手段により加算された演算値を記憶するメモリと
    を備えたことを特徴とする請求項2記載の放射線画像信
    号読出方法に用いられる放射線検出器。
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