JP3520688B2 - コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

コンデンサ及びその製造方法

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JP3520688B2 JP24439796A JP24439796A JP3520688B2 JP 3520688 B2 JP3520688 B2 JP 3520688B2 JP 24439796 A JP24439796 A JP 24439796A JP 24439796 A JP24439796 A JP 24439796A JP 3520688 B2 JP3520688 B2 JP 3520688B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ及びそ
の製造方法に関し、特に、周波数特性及び耐圧特性等の
コンデンサ特性に優れた小型大容量のコンデンサ及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器のデジタル化に伴って、
コンデンサについても、小型大容量で高周波領域でのイ
ンピーダンスの低いものが要求されている。
【0003】従来、高周波領域で使用されるコンデンサ
には、プラスチックコンデンサ、マイカコンデンサ、積
層セラミックコンデンサがあるが、これらのコンデンサ
では、形状が大きくなり大容量化が難しい。
【0004】一方、大容量のコンデンサとしては、アル
ミニウム乾式電解コンデンサ、またはアルミニウムもし
くはタンタル固体電解コンデンサ等の電解コンデンサが
存在する。
【0005】これらのコンデンサでは、誘電体となる酸
化皮膜が極めて薄いために、大容量化が実現できるので
あるが、一方酸化皮膜の損傷が起こり易いために、それ
を修復するための真の陰極を兼ねた電解質を設ける必要
がある。
【0006】例えば、アルミニウム乾式コンデンサで
は、エッチングを施した陽極、陰極アルミニウム箔をセ
パレータを介して巻取り、液状の電解質をセパレータに
含浸して用いている。
【0007】この液状電解質は、イオン伝導性で比抵抗
が大きいため、損失が大きく、インピーダンスの周波数
特性、温度特性が著しく劣るという課題を有する。
【0008】さらに加えて、液漏れ、蒸発等が避けられ
ず、時間経過と共に容量の減少及び損失の増加が起こる
といった課題を抱えていた。
【0009】また、タンタル固体電解コンデンサでは、
マンガン酸化物を電解質として用いているため、温度特
性及び容量、損失等の経時変化についての課題は改善さ
れるが、マンガン酸化物の比抵抗が比較的高いため損
失、インピーダンスの周波数特性が、積層セラミックコ
ンデンサ、あるいはフィルムコンデンサと比較して劣っ
ていた。
【0010】さらに、タンタル固体電解コンデンサで
は、マンガン酸化物からなる電解質の形成に当り、硝酸
マンガン溶液に浸漬後、300℃程度の温度で熱分解す
るという工程を数回から十数回繰り返して行う必要があ
り、形成工程がそもそも煩雑であった。
【0011】そして、タンタル固体電解コンデンサで
は、マンガン酸化物からなる電解質を熱分解を繰り返し
て形成しているから、生じた皮膜損傷を修復するために
はその都度の化成が必要であり、この点からも工程は複
雑になってしまっていた。
【0012】そこで、近年、金属、導電性を有する金属
酸化物、ポリピロール等の導電性高分子を誘電体皮膜上
に形成後、それらの導電層を経由して、電解重合によ
り、ポリピロール等の導電性高分子を形成してなる固体
電解コンデンサが提案されてきている(特開昭63−1
58829号公報、特開昭63−173313号公報及
び特開平1−253226号公報等)。
【0013】さらに、3、4位に置換基を有する導電性
高分子ポリチオフェンを化学重合によって形成してなる
固体電解コンデンサが提案されている(特公平2−15
611号公報)。
【0014】さらに、また、エッチドアルミ箔上に電着
ポリイミド薄膜からなる誘電体を形成した後、化学重合
及び電解重合により、順次導電性高分子層を形成して電
極とする大容量フィルムコンデンサが提案されている
(電気化学会第58回大会講演要旨集251〜252頁
(1991年))。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固体電
解コンデンサにおけるマンガン酸化物のような導電性の
熱分解金属酸化物を経由して電解重合高分子を形成する
場合には、熱による誘電体皮膜の損傷がおこるため、高
耐圧のコンデンサを得るためには、電解重合前に再度化
成を行い、その修復を行うことが必要でもあり、工程が
さらに複雑になっていた。
【0016】加えて、ポリピロールで化学重合で導電性
高分子層を形成する場合、室温付近における重合速度大
きいため、一方の電極であるエッチドアルミニウム箔や
タンタル焼結体の細孔の深部まで浸透する途中で重合す
る結果、エッチピットや焼結体の細孔の閉塞が一部で起
こり、高充填率の導電性高分子層を形成することは困難
であった。
【0017】もっとも、この課題は、重合温度を下げる
ことにより解決可能であるが、媒体に水を使用する場
合、摂氏0度付近で凍結するため、限界があった。
【0018】また、ピロールモノマーの濃度を下げるこ
とにより、この課題は解決されるが、一方で被覆に要す
る重合繰り返し回数が多くなるという新たな課題が発生
してしまう。
【0019】さらにまた、ポリピロール層を化学重合に
より形成した場合、粉体状の重合体が得られ、コンデン
サ電極表面や内部でもエッジ部の被覆性が劣り、完全被
覆のための重合時間を長時間要することも課題であっ
た。
【0020】一方、電解重合ポリピロールの場合には、
フィルム状の重合体が得られるため、このような課題は
生じないが、一方誘電体表面に導電性を付与しないと高
被覆率の皮膜形成ができないという課題があった。
【0021】さらにまた、3、4位に置換基を有するポ
リチオフェンを化学重合により形成する場合は、重合速
度が遅いため重合に長時間を要するか、あるいはその重
合時間を短縮するためには、重合温度を上昇させること
が必要であった。
【0022】そして、重合温度を上げた場合には、酸化
剤の活性作用が強くなり、誘電体皮膜が損傷を被るとい
う課題もあった。
【0023】本発明は、上記従来技術における各課題を
解決するもので、高容量達成率、高コンデンサ特性でか
つ高耐熱耐湿性の固体電解コンデンサを簡便に得るこ
と、及び小型大容量、高容量達成率、高コンデンサ特性
かつ高耐熱耐湿性のフィルムコンデンサを簡便に得るこ
とを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明のコンデンサは、
対向して設けられた一対の電極と、電極間に設けられた
誘電体層と、電極間に設けられ、以下の(化2)に示す
チオフェン誘導体を繰り返し単位として含む第1の導電
性高分子層及びピロールまたはその誘導体を繰り返し単
位として含む第2の導電性高分子層を有する積層導電性
高分子層とを備え、さらに、積層導電性高分子層は、第
1の導電性高分子層の反対側において第2の導電性高分
子層に隣接するように設けられ、以下の(化2)に示す
チオフェン誘導体を繰り返し単位として含む第3の導電
性高分子層を含む構成である。
【0025】
【化2】
【0026】このチオフェン誘導体は、例えば、3,4
−ジヒドロキシチオフェン−2,5−ジカルボン酸エス
テルのアルカリ金属塩と適当なアルキレン−vic−ジ
ハライドを反応させ、次いで加水分解により3,4(ア
ルキレン−vic−ジオキシ)チオフェン−2,5−カ
ルボン酸を得、これを脱カルボン酸して得ることができ
るものである(Polymer誌35巻7号(1994
年)1347頁、Tetrahedron誌23巻(1
967年)2437頁及びJ.Am.Chem.So
c.誌67巻(1945年)2217頁等)。
【0027】また、本発明のコンデンサの製造方法は、
このようなコンデンサを好適に製造し得るもので、特
に、第1の導電性高分子層と第2の導電性高分子層とを
積層するための積層導電性高分子層形成工程として、第
1の導電性高分子層を化学重合により形成する第1の導
電性高分子層形成工程及び第2の導電性高分子層を化学
重合により形成する第2の導電性高分子層形成工程を有
する積層導電性高分子層形成工程を実行するか、第1の
導電性高分子層を導電性高分子溶液に含浸して形成する
第1の導電性高分子層形成工程及び第2の導電性高分子
層を化学重合により形成する第2の導電性高分子層形成
工程を有する積層導電性高分子層形成工程を実行する
か、または第1の導電性高分子層を導電性高分子溶液に
含浸して形成する第1の導電性高分子層形成工程及び第
2の導電性高分子層を電解重合により形成する第2の導
電性高分子層形成工程を有する積層導電性高分子層形成
工程を実行する構成を有するものである。
【0028】以上の構成により、高容量達成率、高コン
デンサ特性でかつ耐熱耐湿性の高い固体電解コンデンサ
を容易に得ること、及び小型大容量、高容量達成率、高
コンデンサ特性、高耐熱耐湿性のフィルムコンデンサを
簡便に得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の本発明は、対向
して設けられた一対の電極と、前記電極間に設けられた
誘電体層と、前記電極間に設けられ、前述した(化2)
に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む第1
の導電性高分子層及びピロールまたはその誘導体を繰り
返し単位として含む第2の導電性高分子層を有する積層
導電性高分子層とを備え、さらに、前記積層導電性高分
子層は、前記第1の導電性高分子層の反対側において前
記第2の導電性高分子層に隣接するように設けられ、前
記(化2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位とし
て含む第3の導電性高分子層を含むコンデンサである。
【0030】このように積層導電性高分子層は、誘電体
が弁金属の酸化皮膜で構成されるコンデンサでは、真の
陰極を兼ねた電解質として機能し、一方それが高分子薄
膜で構成されるコンデンサでは、単純な電極として機能
する。
【0031】さらに、置換可能なアルキレン基として
は、エテン、1−プロペン、1−ヘキセンなどのよう
な、アルファオレフェンから得られるような1,2−ア
ルキレン基であることが好ましく、さらに1,2−シク
ロヘキセン、2,3−ブチレン、2,3−ジメチレン
2,3−ブチレン及び2,3−ペンチレン基等であって
もよい。もっとも、好適な例としては、メチレン、1,
2−エチレン、1,2−プロピレン基が挙げられる。
【0032】このような構成により、コンデンサ特性及
び耐熱性が向上する。さらに、請求項2に記載のよう
に、第1の導電性高分子層は、一価アニオンをドーパン
トとして含む構成であってもよく、第1の導電性高分子
層の収量及び電気伝導度が増加するとともに、コンデン
サ特性及び耐熱性が向上する。
【0033】さらに、請求項3記載のように、第1の導
電性高分子層は、さらに多価アニオンをドーパントとし
て含んでいてもよく、請求項10に記載のように、一価
アニオンが、スルホン酸基であることが好適である。
【0034】というのは、スルホン酸基のような一価ア
ニオンが、例えば酸化剤として使用された遷移金属多価
酸塩の多価アニオンと競争的に、第1の導電性高分子中
に取り込まれるためである。
【0035】ここで、請求項11に記載のように、スル
ホン酸基が、アニオン系界面活性剤から解離したものを
含むことが好適であり、界面活性作用によりコンデンサ
特性及び耐熱性がより向上する。
【0036】また、請求項12に記載のように、多価ア
ニオンが硫酸基であってもよい。ここで、この多価アニ
オンは、酸化剤として作用する遷移金属の多価酸塩から
供給されることが好ましく、例えば、遷移金属として鉄
(III)、銅(II)、クロム(VI)、セリウム(IV)、
ルテニウム(III)及びマンガン(VII)等を用いること
ができる。
【0037】そして、多価酸としては、硫酸、燐酸、過
マンガン酸、クロム酸、重クロム酸等を用いることがで
きる。
【0038】一方、請求項6に記載のように、第1の導
電性高分子層は、スルホン酸系アニオンをドーパントと
して含むものでもよく、請求項13に記載のように、ス
ルホン酸系アニオンが、ポリスチレンスルホン酸イオン
であることが好適である。
【0039】このような構成でも、コンデンサ特性及び
耐熱性が向上する。また、請求項4に記載のように、第
2の導電性高分子層も、一価アニオンをドーパントとし
て含むものが好適であり、コンデンサ特性及び耐熱性が
向上する。
【0040】そして、請求項5に記載のように、第2の
導電性高分子層は、さらに多価アニオンをドーパントと
して含んでいてもよく、請求項10に記載のように、一
価アニオンが、スルホン酸基であることが好適である。
【0041】というのは、第1の導電性高分子と同様
に、スルホン酸基のような一価アニオンが、例えば酸化
剤として使用された遷移金属多価酸塩の多価アニオンと
競争的に、第2の導電性高分子中に取り込まれるためで
ある。
【0042】ここで、請求項11に記載のように、スル
ホン酸基が、アニオン系界面活性剤から解離したものを
含むことが好適であり、界面活性作用によりコンデンサ
特性及び耐熱性がより向上する。
【0043】また、請求項12に記載のように、多価ア
ニオンが硫酸基であってもよい。さらに、積層導電性高
分子層は、第1の導電性高分子層の反対側において第2
の導電性高分子層に隣接するように設けられ、前述の
(化2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として
含む第3の導電性高分子層を含む構成であってもよい。
【0044】この第3の導電性高分子層は、第1の導電
性高分子と同様に、請求項に記載のように、一価アニ
オンをドーパントとして含み、請求項に記載のよう
に、第3の導電性高分子層は、さらに多価アニオンをド
ーパントとして含んでもよく、請求項10に記載のよう
に、一価アニオンが、スルホン酸基であり、請求項11
に記載のように、スルホン酸基が、アニオン系界面活性
剤から解離したものを含むことが好適である。
【0045】また、請求項12に記載のように、多価ア
ニオンが硫酸基であってもよい。一方、請求項に記載
のように、第3の導電性高分子層は、スルホン酸系アニ
オンをドーパントとして含んでもよく、請求項13に記
載のように、スルホン酸系アニオンが、ポリスチレンス
ルホン酸イオンであってもよい。
【0046】そして、以上の構成において、請求項14
に記載のように、誘電体層が、電極の一方を構成する弁
金属の酸化物被膜であってもよく、請求項15に記載の
ように、弁金属は、アルミニウムまたはタンタルが挙げ
られる。
【0047】一方、請求項16に記載のように、誘電体
層が、高分子誘電体であってもよく、請求項17に記載
のように、高分子が、ポリイミドであってもよい。
【0048】もっとも、請求項18に記載のように、第
1の導電性高分子層は、このような誘電体層に隣接する
ものである。
【0049】さて、コンデンサの製造方法についての本
発明は、請求項19に記載の、対向した一対の電極を配
置する工程と、前記電極間に誘電体層を形成する誘電体
層形成工程と、前記電極間において、前述の(化2)に
示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む第1の
導電性高分子層を化学重合により形成する第1の導電性
高分子層形成工程及びピロールまたはその誘導体を繰り
返し単位として含む第2の導電性高分子層を化学重合に
より形成する第2の導電性高分子層形成工程を有する積
層導電性高分子層形成工程とを備えたコンデンサの製造
方法である。
【0050】
【0051】または、請求項20に記載のように、対向
した一対の電極を配置する工程と、前記電極間に誘電体
層を形成する誘電体層形成工程と、前記電極間におい
て、前述の(化2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し
単位として含む第1の導電性高分子層を導電性高分子溶
液に含浸して形成する第1の導電性高分子層形成工程及
びピロールまたはその誘導体を繰り返し単位として含む
第2の導電性高分子層を化学重合により形成する第2の
導電性高分子層形成工程を有する積層導電性高分子層形
成工程とを備えたコンデンサの製造方法である。
【0052】または、請求項21に記載のように、対向
した一対の電極を配置する工程と、前記電極間に誘電体
層を形成する誘電体層形成工程と、前記電極間におい
て、前述の(化2)に示すチオフェン誘導体を繰り返し
単位として含む第1の導電性高分子層を導電性高分子溶
液に含浸して形成する第1の導電性高分子層形成工程及
びピロールまたはその誘導体を繰り返し単位として含む
第2の導電性高分子層を電解重合により形成する第2の
導電性高分子層形成工程を有する積層導電性高分子層形
成工程とを備えたコンデンサの製造方法である。
【0053】このようないずれの製造方法によっても、
確実に積層導電性高分子層を形成し、コンデンサの特性
及び耐熱性を向上する。
【0054】また、第1の導電性高分子層に用いたチオ
フェン誘導体は、重合速度がピロールの場合より遅いた
め、エッチド箔もしくは多孔質焼結体電極を用いたコン
デンサの細孔の深部まで浸透後重合されるため、ポリピ
ロールが単独で形成された場合より容量達成率の高いコ
ンデンサが容易に得られる。
【0055】さらにつけ加えれば、誘電体層が、弁金属
の酸化皮膜で構成される場合であって、導電性高分子層
を溶液中で化学重合によって形成した場合には、熱によ
る誘電体層の損傷を防止することができる。
【0056】そして、熱分解によるマンガン酸化物層形
成に際して、繰り返して行う熱分解の処理毎に必要とさ
れていた修復化成処理を省略しても、低漏れ電流の固体
電解コンデンサが容易に得られる。
【0057】さらに、請求項22に記載のように、積層
導電性高分子層形成工程は、前述の(化2)に示すチオ
フェン誘導体を繰り返し単位として含む第3の導電性高
分子層を、第1の導電性高分子層の反対側において第2
の導電性高分子層に隣接するように形成する第3の導電
性高分子層形成工程を含む構成であってもよい。
【0058】このような構成により、確実に第3の導電
性高分子層を含む積層導電性高分子層を確実に形成し、
コンデンサの特性及び耐熱性を向上する。
【0059】この第3の導電性高分子層形成工程は、請
求項23に記載のように、化学重合工程により形成する
工程であってもよいし、請求項24に記載のように、導
電性高分子溶液に含浸することにより形成する工程であ
ってもよい。
【0060】このような構成により、確実に第3の導電
性高分子層を有する積層導電性高分子層を形成し、コン
デンサの特性及び耐熱性を向上する。
【0061】また、この第3の導電性高分子層は、特に
その内層のポリピロール層が化学重合により形成される
場合には、溶液含浸を用いて形成される製造方法が好適
である。
【0062】ここで、以上の化学重合工程は、請求項
に記載のように、水媒体中での化学重合工程であるこ
とが好適であり、請求項26に記載のように、化学重合
工程では、硫酸第二鉄とアニオン系界面活性剤とを含む
溶液を用いて導電性高分子層を形成することが好適であ
る。
【0063】このように、重合媒体に無毒性かつ不燃性
の水を用いると、生産プロセスの構築が容易となる。
【0064】また、このように鉄界面活性剤を、前述の
(化2)に示すチオフェン誘導体重合溶液に含ませるこ
とにより、重合溶液のコンデンサ電極素子表面への濡れ
性が向上し、高被覆率の導電性高分子が形成できるた
め、高容量のコンデンサが実現される。
【0065】また、この場合、3価の鉄カチオンと界面
活性剤アニオンからなる微細な沈殿が一時的に生じ、こ
の表面に該チオフェンモノマー分子が吸着され、その表
面で重合するため、過度に反応速度が遅くなりがちな重
合を促進する作用があるため、好適である。
【0066】さらに、界面活性剤としてアニオン系のも
のを使用しているため、それから解離した一価アニオン
が、重合された導電性高分子中に酸化剤として使用され
た遷移金属多価酸塩の多価アニオンと競争的に取り込ま
れる。
【0067】そして、アニオン系界面活性剤のアニオン
には、疎水性基が含まれており、そのイオンサイズが大
きいが、この大きなイオンサイズのドーパントのため、
高温あるいは高湿時の拡散による脱ドープが抑制され、
その結果、導電性の劣化の小さい該チオフェン誘導体を
繰り返し単位とする導電性高分子が形成されることにな
り、またこの効果はポリピロールの場合にも全く同様に
現れ、耐熱・耐湿性の優れたコンデンサが得られる。
【0068】また、界面活性剤のアニオンは一価である
ため、酸化剤から生じる多価のアニオンより、チオフェ
ン誘導体及びピロールからなる導電性高分子にドーパン
トとして取り込まれやすい。
【0069】そのため、全ドーパントに対する一価アニ
オンの比率は、酸化剤濃度よりも界面活性剤濃度に強く
依存し、この濃度を変化させることにより、その比率を
調節することができる。
【0070】そして、ドーパントを有する導電性高分子
の電気伝導度及びその安定性は、界面活性剤に基づく分
子サイズの大きな一価アニオンのドープ比率が高くなれ
ばなるほど向上する傾向が見られる。
【0071】したがって、遷移金属多価酸塩を用いて重
合した導電性高分子を用いた場合や二酸化マンガンを用
いた場合に比較して、高周波特性及び損失特性の大幅に
改善されたコンデンサが容易に得られる。
【0072】また、ここで、請求項27に記載のよう
に、スルホン酸基を有するアニオンを含むアニオン系界
面活性剤を用いることが好ましい。
【0073】そして、請求項28に記載のように、化学
重合工程で、さらにフェノールまたはその誘導体を含む
溶液を用いて化学重合をしてもよく、請求項29に記載
のように、フェノール誘導体がニトロフェノール、シア
ノフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェノ
ール若しくはアセトフェノール、またはそれらの組合せ
であってもよい。
【0074】このように、フェノールまたはその誘導体
の添加により、チオフェン誘導体及び及びピロールから
得られた導電性高分子の電気伝導度及びその安定性が、
より向上する。
【0075】これは、フェノール系化合物は、前記両導
電性高分子中にはドーパントとして組み込まれないが、
規則性の高い、したがって共役長の発達した導電性高分
子を生成させるためと考えられるが、その結果、フェノ
ール系の誘導体を添加した重合系から得られたポリピロ
ールを用いたコンデンサの初期特性及び安定性はさらに
向上するためである。
【0076】また、以上の電解重合工程は、請求項30
に記載のように、水媒体中での電解重合工程であること
が好適であり、請求項31に記載のように、電解重合工
程で、さらに化学重合と同様にフェノールまたはその誘
導体を含む溶液を用いて電解重合をしてもよく、フェノ
ール誘導体は、請求項32に記載のように、ニトロフェ
ノール、シアノフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒド
ロキシフェノール若しくはアセトフェノール、またはそ
れらの組合せであってもよい。
【0077】そして、以上のコンデンサの製造方法によ
れば、請求項33に記載のように、誘電体形成工程が、
弁金属の陽極酸化により誘電体を形成してもよく、請求
34に記載のように、電極の一方を構成する弁金属が
アルミニウムまたはタンタルであってもよい。
【0078】一方、請求項35に記載のように、誘電体
形成工程が、高分子を用いて誘電体を形成するスピンコ
ート工程であってもよく、請求項36に記載のように、
高分子がポリイミドであってもよい。
【0079】以下、本発明の各実施の形態について、詳
細に説明をする。 (実施の形態1)本実施の形態においては、まず、2x
1.4x0.9mm3のタンタル焼結体に対して、燐酸
5mlを1000mlの水に溶解した溶液を用い、約9
0℃で40Vを印加して、陽極酸化により酸化皮膜誘電
体皮膜を形成した。
【0080】この構成をコンデンサと見立て、化成液中
の容量を測定したところ、18.0μFであった。
【0081】さらに、この構成を用いて、エチレンジオ
キシチオフェン(EDOT)0.1mol/lと芳香族
スルホン酸系界面活性剤であるアルキルナフタレンスル
ホン酸ナトリウム(平均分子量338)0.75重量%
からなる45℃のモノマー水溶液に5分間浸漬後、硫酸
第二鉄0.75mol/lを含む65℃の酸化剤溶液に
60分間浸漬した。
【0082】ここで、EDOTは、ドイツのバイエル社
から市販されているものを用いたが、EDOTを一般的
な作製方法で合成してもよい。
【0083】この処理により、2価の硫酸イオンと1価
のアルキルナフタレンスルホン酸イオンとがドープされ
たポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)から
なる導電層を、誘電体被膜が形成されたタンタル焼結体
上に形成した。
【0084】ここで、図1は、アルキルナフタレンスル
ホン酸ナトリウムの添加量を変化させた場合に得られる
PEDOTの収量と電気伝導度の変化を示す。
【0085】図1に示すように、このアルキルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムを徐々に添加をしていくことに
より、PEDOTの収量及び電気伝導度が増加している
ことがわかる。
【0086】これは、PEDOT中に、1価のアルキル
ナフタレンスルホン酸イオンがドープされていることに
起因すると考えられる。
【0087】また、一方で、界面活性作用のないスルホ
ン酸塩を添加した場合には、PEDOTの収量や電気伝
導度は、ここまでは顕著に増加しなかった。
【0088】したがって、界面活性剤作用のあるスルホ
ン酸塩を添加した方が、より重合速度を促進して収量を
増大させる効果もあることも判明した。
【0089】なお、この重合生成物中には、元素分析か
ら実質的に鉄が含まれていないことが確認された。
【0090】ついで、このようにPEDOT層が形成さ
れたタンタル焼結体上に、ピロールモノマー0.75m
ol/lとアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム
(平均分子量338)0.75重量%からなる25℃の
モノマー水溶液に2分間浸漬後、PEDOTで用いた組
成の酸化剤溶液で25℃のものに10分間浸漬した。
【0091】この処理を14回繰り返し、2価の硫酸イ
オンと1価のアルキルナフタレンスルホン酸イオンとが
ドープされたポリピロールからなる導電層を形成した。
【0092】このポリピロールについても、この界面活
性剤アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを全く添
加しないものに対して、徐々に添加をしていくことによ
り、収量及び電気伝導度が増加する。
【0093】これは、やはりポリピロール中に、1価の
アルキルナフタレンスルホン酸イオンがドープされてい
ることに起因すると考えられる。
【0094】また、一方で、界面活性作用のないスルホ
ン酸塩を添加した場合には、ポリピロールの収量は、こ
こまで増加しなかった。
【0095】したがって、ポリピロールについても、界
面活性剤作用のあるスルホン酸塩を添加した方が、重合
速度を促進して収量を増大させる効果があることが判明
した。
【0096】なお、元素分析から、この重合生成物中に
は、実質的に鉄は含まれていなかった。
【0097】ついで、このようにポリピロール層が形成
されたタンタル焼結体上に、カーボン層と銀ペイント層
で陰極を形成すると共に、その上に陰極リードを取り付
け、合計で10個のコンデンサ素子を得た。
【0098】さらに、その素子をエポキシ樹脂を用いて
外装して、さらに125℃で13Vを印加したエ−ジン
グ処理を行い、コンデンサを完成させた。
【0099】これら10個の素子について、1kHzに
おける容量、損失係数、及び400kHzにおけるイン
ピーダンスを各々測定し、さらに125℃で10Vを印
加して行った負荷耐熱試験後の容量変化率及び損失係数
を測定し、それらの平均値を以下の(表1)に示した。
【0100】
【表1】
【0101】(実施の形態2)本実施の形態では、実施
の形態1において、PEDOTに代えて、同様に(化
2)で示されるチオフェン誘導体を繰り返し単位として
含む導電性高分子ポリ(3,4−(1,2−プロピレ
ン)ジオキシチオフェン)(PPDOT)を用いた以外
は、実施の形態1と同様にして構成された10個のコン
デンサ素子を完成させた。
【0102】これら10個の素子についても、実施の形
態1と同様に1kHzにおける容量、損失係数、及び4
00kHzにおけるインピーダンス、さらに125℃で
10Vを印加して行った負荷耐熱試験後の容量変化率及
び損失係数を各々測定し、それらの平均値を前述の(表
1)に示した。
【0103】(表1)より理解されるように、本実施の
形態においても、実施の形態1と同様のコンデンサ特性
及び耐熱性を実現できることがわかる。
【0104】これは、本実施形態においても、PEDO
T層と同様の物性を有する導電性高分子PPDOTの層
を用いてポリピロール層との積層導電層を形成し、かつ
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが、その嵩高な
1価のスルホン酸アニオンが2価の硫酸イオンを一部置
換した形で、このような導電性高分子とポリピロールに
ドープされており、界面活性剤としての機能も有してい
るためである。
【0105】以上より、本実施の形態においても、高容
量達成率、低損失及び高周波インピーダンス特性に優
れ、さらに耐熱性の高いコンデンサを効率的に得ること
ができた。
【0106】なお、前述の(化2)に示す他のチオフェ
ン誘導体についても、同様の結果が得られた。
【0107】(比較例1)次に、比較のため、比較例1
としてポリピロール層を全く積層形成せず、PEDOT
層形成の操作を繰り返した以外、実施の形態1と同様の
条件で10個のコンデンサを完成させた。
【0108】但し、PEDOT層形成に要した繰り返し
回数は、30回必要であった。これら10個の素子につ
いても、実施の形態1と同様に1kHzにおける容量、
損失係数、及び400kHzにおけるインピーダンス、
さらに125℃で10Vを印加して行った負荷耐熱試験
後の容量変化率及び損失係数を各々測定し、それらの平
均値を前述の(表1)に示した。
【0109】実施の形態1と本比較例との結果を検討す
ると、コンデンサ特性及び耐熱性は、互いに同等ではあ
るが、導電層であるPEDOT層形成に必要な繰り返し
回数は多く必要であった。
【0110】つまり実施の形態1と同等の特性や耐久性
を確保するには、より長い導電層の形成時間が必要であ
り、工程保持時間が極めて長くなる結果となってしまっ
て、実用的でないことがわかる。
【0111】以上より、PEDOT層に対してポリピロ
ール層を組合わせた積層導電層を採用することにより、
コンデンサ特性及び耐熱性に優れたコンデンサを実用的
に製造することができることが判明した。
【0112】(比較例2)次に、比較のため、比較例2
として、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを添
加しなかった以外、実施の形態1と同様の条件で10個
のコンデンサを完成させた。
【0113】これら10個の素子についても、実施の形
態1と同様に1kHzにおける容量、損失係数、及び4
00kHzにおけるインピーダンス、さらに125℃で
10Vを印加して行った負荷耐熱試験後の容量変化率及
び損失係数を各々測定し、それらの平均値を前述の(表
1)に示した。
【0114】実施の形態1と本比較例との結果を検討す
ると、本比較例においては、コンデンサ特性及び耐熱性
は極めて低いものであった。
【0115】これは、まず第1に、PEDOT層及びポ
リピロール層は形成されてはいるものの、そもそも嵩高
な1価のアルキルナフタレンスルホン酸イオンが、とも
にドープされていないことに起因すると考えられる。
【0116】さらに、実施の形態1の場合には、界面活
性剤としても作用するアルキルナフタレンスルホン酸ナ
トリウムを用いているため、それを用いていない本比較
例においては、コンデンサ特性及び耐熱性において一層
顕著な差異を生じたものと考えられる。
【0117】さらに、本比較例の場合、界面活性剤とし
て作用するアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを
用いていないため、特にPEDOT層については、誘電
体表面に形成されている状態が、目視では観察され得な
い程度の形成程度でるに過ぎず、コンデンサ特性及び耐
熱性を向上させるほどのPEDOT層の実質的な形成が
なされ得なかったことも影響をしていると考えられる。
【0118】以上より、積層導電層に1価のアルキルナ
フタレンスルホン酸イオンをドープすることで、PED
OT層等の収量及び電気伝導度が増加するのみならず、
コンデンサ特性及び耐熱性は向上し、特に界面活性剤と
しても作用するアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ムを用いることにより、それらを一層向上できたことが
判明した。
【0119】(比較例3)次に、比較のため、比較例3
としてPEDOT層を形成しなかった以外、実施の形態
1と同様の条件でポリピロール層のみを形成して10個
のコンデンサを完成させた。
【0120】これら10個の素子についても、実施の形
態1と同様に1kHzにおける容量、損失係数、及び4
00kHzにおけるインピーダンス、さらに125℃で
10Vを印加して行った負荷耐熱試験後の容量変化率及
び損失係数を各々測定し、それらの平均値を前述の(表
1)に示した。
【0121】実施の形態1と本比較例との結果を検討す
ると、コンデンサ容量が小さくなる傾向が示された。
【0122】これは、ポリピロールの重合速度が大きい
ため、焼結体の細孔深部までモノマーが達する前に重合
してポリピロールが形成されてしまい、細孔の一部を閉
塞さするためと考えられる。
【0123】対して、実施の形態1では、EDOTモノ
マー溶液に界面活性剤アルキルナフタレンスルホン酸ナ
トリウムを適用して、EDOTの重合速度を増大させて
いる面はあるとはいえ、ピロールと比較すれば重合速度
が適度に遅いため、誘電体被膜が形成された焼結体深部
までより浸透して、細孔を閉塞することなくPEDOT
を形成することができるため、より大きなコンデンサ容
量が達成されたと考えられる。
【0124】以上より、誘電体被膜が形成された焼結体
側に位置するようにPEDOT層を形成した積層導電層
を採用することにより、コンデンサ容量が大きなコンデ
ンサを実現できることが判明した。
【0125】以上の実施の形態1と、比較例1から3の
比較結果から、実施の形態1では、まずPEDOTとポ
リピロールとを含む積層導電層を採用することにより、
つまり、重合速度が大きいポリピロール層を組合わせて
おくことにより、コンデンサ特性及び耐熱性に優れたコ
ンデンサをより効率的に実用に適した形で製造すること
ができたものである。
【0126】そして、この構成の積層導電層に1価のア
ルキルナフタレンスルホン酸イオンをドープすること
で、PEDOT層等の収量及び電気伝導度が増加するの
みならず、コンデンサ特性及び耐熱性は向上し、特に界
面活性剤としても作用するアルキルナフタレンスルホン
酸ナトリウムを用いることにより、それらを一層向上さ
せたものである。
【0127】さらに、PEDOT層を誘電体被膜が形成
された焼結体側に形成すれば、この誘電体被膜が形成さ
れた焼結体深部まで浸透して、細孔を閉塞することなく
PEDOT層を形成することとなり、コンデンサ容量を
増大することができたものである。
【0128】また、以上の結果は、実施の形態2で示さ
れた各導電性高分子についても確認された。
【0129】これは、(化2)で示されるチオフェン誘
導体を繰り返し単位として含む導電性高分子であれば、
芳香族スルホン酸系界面活性剤等から同様の作用を受け
るためと考えられる。
【0130】(実施の形態3)本実施の形態では、実施
の形態1において、アルキルナフタレンスルホン酸ナト
リウムに代えて、同様に芳香族スルホン酸系界面活性剤
であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた
以外は、実施の形態1と同様にして構成された10個の
コンデンサ素子を完成させた。
【0131】これら10個の素子についても、実施の形
態1と同様に1kHzにおける容量、損失係数、及び4
00kHzにおけるインピーダンス、さらに125℃で
10Vを印加して行った負荷耐熱試験後の容量変化率及
び損失係数を各々測定し、それらの平均値を前述の(表
1)に示した。
【0132】(表1)より理解されるように、本実施の
形態においても、実施の形態1と同様のコンデンサ特性
及び耐熱性を実現できることがわかる。
【0133】これは、本実施形態においても、PEDO
T層とポリピロール層の積層導電層を有し、かつドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムも、その嵩高な1価の
スルホン酸アニオンが2価の硫酸イオンを一部置換した
形で、PEDOTとポリピロールにドープされており、
さらに界面活性剤としての機能も有しているためであ
る。
【0134】以上より、本実施の形態においても、高容
量達成率、低損失及び高周波インピーダンス特性に優
れ、さらに耐熱性の高いコンデンサを効率的に得ること
ができた。
【0135】また、以上の結果は、実施の形態2で示さ
れた各導電性高分子についても確認された。
【0136】(実施の形態4)本実施の形態では、実施
の形態1のタンタル焼結体に代えてエッチドアルミニウ
ム箔電極を用いた以外、実施の形態1と同様の条件で1
0個のコンデンサを完成させ、同様の特性評価を行い、
その結果を前述の(表1)に示した。
【0137】なお、ポリピロ−ル層形成のために要した
繰り返し処理回数は12回であった。
【0138】ここで、具体的なエッチドアルミニウム電
極箔の作製は次の通りに行なった。まず、4×10mm
2のアルミニウムエッチド箔を、3mmと6mmの部分
に仕切るように、両面に渡って、幅1mmのポリイミド
テープを貼付けた。
【0139】次に、アルミニウムエッチド箔1の4×3
mm2の部分の陽極リードを取り付け、アルミニウムエ
ッチド箔の4×6mm2の部分を、3%アジピン酸アン
モニウム水溶液を用い、約70℃で50Vを印加して、
陽極酸化により酸化皮膜誘電体層を形成した。
【0140】ここで、この構成をコンデンサと見立て、
化成液中の容量を測定したところ、4.92μFであっ
た。
【0141】なお、本実施の形態でも、PEDOTに代
え実施の形態2で示された各導電性高分子を用いた場
合、及びアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムに代
えて、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた
場合にも、同様な結果が得られた。
【0142】(比較例4)次に、比較のため、比較例4
としてポリピロール層を全く積層形成せず、PEDOT
層形成の操作を繰り返した以外、実施の形態4と同様の
条件で10個のコンデンサを完成させた。
【0143】但し、PEDOT層形成に要した繰り返し
回数は、27回必要であった。これら10個の素子につ
いても、実施の形態4と同様に1kHzにおける容量、
損失係数、及び400kHzにおけるインピーダンス、
さらに125℃で10Vを印加して行った負荷耐熱試験
後の容量変化率及び損失係数を各々測定し、それらの平
均値を前述の(表1)に示した。
【0144】実施の形態4と本比較例との結果を検討す
ると、コンデンサ特性及び耐熱性は、互いに同等ではあ
るが、導電層であるPEDOT層形成に必要な繰り返し
回数は多く必要であった。
【0145】つまり実施の形態4と同等の特性や耐久性
を確保するには、より長い導電層の形成時間が必要であ
り、工程保持時間が極めて長くなる結果となってしまっ
て、実用的でないことがわかる。
【0146】以上より、PEDOT層に対してポリピロ
ール層を組合わせた積層導電層を採用することにより、
コンデンサ特性及び耐熱性に優れたコンデンサを実用的
に製造することができることが判明した。
【0147】(比較例5)次に、比較のため、比較例5
として、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを添
加しなかった以外、実施の形態4と同様の条件で10個
のコンデンサを完成させた。
【0148】これら10個の素子についても、実施の形
態4と同様に1kHzにおける容量、損失係数、及び4
00kHzにおけるインピーダンス、さらに125℃で
10Vを印加して行った負荷耐熱試験後の容量変化率及
び損失係数を各々測定し、それらの平均値を前述の(表
1)に示した。
【0149】実施の形態4と本比較例との結果を検討す
ると、本比較例においては、コンデンサ特性及び耐熱性
は極めて低いものであった。
【0150】これは、まず第1に、PEDOT層及びポ
リピロール層は形成されてはいるものの、そもそも嵩高
な1価のアルキルナフタレンスルホン酸イオンが、とも
にドープされていないことに起因すると考えられる。
【0151】さらに、実施の形態4の場合には、界面活
性剤としても作用するアルキルナフタレンスルホン酸ナ
トリウムを用いているため、それを用いていない本比較
例においては、コンデンサ特性及び耐熱性において一層
顕著な差異を生じたものと考えられる。
【0152】さらに、本比較例の場合、界面活性剤とし
て作用するアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを
用いていないため、特にPEDOT層については、誘電
体表面に形成されている状態が、目視では観察され得な
い程度の形成程度であるに過ぎず、コンデンサ特性及び
耐熱性を向上させるほどのPEDOT層の実質的な形成
がなされ得なかったことも影響をしていると考えられ
る。
【0153】以上より、積層導電層に1価のアルキルナ
フタレンスルホン酸イオンをドープすることで、PED
OT層等の収量及び電気伝導度が増加するのみならず、
コンデンサ特性及び耐熱性は向上し、特に界面活性剤と
しても作用するアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ムを用いることにより、それらを一層向上できたことが
判明した。
【0154】(比較例6)次に、比較のため、比較例6
としてPEDOT層を形成しなかった以外、実施の形態
4と同様の条件でポリピロール層のみを形成して10個
のコンデンサを完成させた。
【0155】これら10個の素子についても、実施の形
態4と同様に1kHzにおける容量、損失係数、及び4
00kHzにおけるインピーダンス、さらに125℃で
10Vを印加して行った負荷耐熱試験後の容量変化率及
び損失係数を各々測定し、それらの平均値を前述の(表
1)に示した。
【0156】実施の形態4と本比較例との結果を検討す
ると、コンデンサ容量が小さくなる傾向が示された。
【0157】これは、ポリピロールの重合速度が大きい
ため、焼結体の細孔深部までモノマーが達する前に重合
してポリピロールが形成されてしまい、細孔の一部を閉
塞さするためと考えられる。
【0158】対して、実施の形態4では、EDOTモノ
マ−溶液に界面活性剤アルキルナフタレンスルホン酸ナ
トリウムを適用して、EDOTの重合速度を増大させて
いる面はあるとはいえ、ピロールと比較すれば重合速度
が適度に遅いため、誘電体被膜が形成された焼結体深部
までより浸透して、細孔を閉塞することなくPEDOT
を形成することができるため、より大きなコンデンサ容
量が達成されたと考えられる。
【0159】以上より、誘電体被膜が形成された焼結体
側に位置するようにPEDOT層を形成した積層導電層
を採用することにより、コンデンサ容量が大きなコンデ
ンサを実現できることが判明した。
【0160】以上の実施の形態4と、比較例4から6の
比較結果から、実施の形態4では、まずPEDOTとポ
リピロールとを含む積層導電層を採用することにより、
つまり、重合速度が大きいポリピロール層を組合わせて
おくことにより、コンデンサ特性及び耐熱性に優れたコ
ンデンサをより効率的に実用に適した形で製造すること
ができたものである。
【0161】そして、積層導電層に1価のアルキルナフ
タレンスルホン酸イオンをドープすることで、PEDO
T層等の収量及び電気伝導度が増加するのみならず、コ
ンデンサ特性及び耐熱性は向上し、特に界面活性剤とし
ても作用するアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム
を用いることにより、それらを一層向上させたものであ
る。
【0162】さらに、PEDOT層を誘電体被膜が形成
されたエッチド箔側に形成すれば、この誘電体被膜が形
成されたエッチド箔に良好に密着してPEDOT層を形
成し、コンデンサ容量を増大することができたものであ
る。
【0163】(実施の形態5)本実施の形態では、実施
の形態4の構成において、エッチドアルミニウム箔に代
え、20mmx20mmのアルミニウム平滑箔を用い、
加えて酸化皮膜誘電体を形成するのではなく、スピンコ
ートにより、厚さ0.5μmのポリイミド薄膜からなる
ポリイミド誘電体層を一面に形成した電極を用いた以
外、実施の形態3と実質的に同様の条件で、計10個の
コンデンサを作製した。
【0164】ポリピロール層形成のために要した処理繰
り返し回数は10回であった。これらについて実施の形
態4と同様の評価を行い、その結果を前述の(表1)に
示した。
【0165】なお、本実施の形態でも、PEDOTに代
え実施の形態2で示された導電性高分子を用いた場合、
及びアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムに代え
て、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いた場
合にも、同様な結果が得られた。
【0166】(比較例7)次に、比較のため、比較例7
としてポリピロール層を全く積層形成せず、PEDOT
層形成の操作を繰り返した以外、実施の形態5と同様の
条件で10個のコンデンサを完成させた。
【0167】但し、PEDOT層形成に要した繰り返し
回数は、22回必要であった。これら10個の素子につ
いても、実施の形態5と同様に1kHzにおける容量、
損失係数、及び400kHzにおけるインピーダンス、
さらに125℃で10Vを印加して行った負荷耐熱試験
後の容量変化率及び損失係数を各々測定し、それらの平
均値を前述の(表1)に示した。
【0168】実施の形態5と本比較例との結果を検討す
ると、コンデンサ特性及び耐熱性は、互いに同等ではあ
るが、導電層であるPEDOT層形成に必要な繰り返し
回数は多く必要であった。
【0169】つまり実施の形態5と同等の特性や耐久性
を確保するには、より長い導電層の形成時間が必要であ
り、工程保持時間が極めて長くなる結果となってしまっ
て、実用的でないことがわかる。
【0170】以上より、PEDOT層に対してポリピロ
ール層を組合わせた積層導電層を採用することにより、
コンデンサ特性及び耐熱性に優れたコンデンサを実用的
に製造することができることが判明した。
【0171】(比較例8)次に、比較のため、比較例8
として、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムを添
加しなかった以外、実施の形態5と同様の条件で10個
のコンデンサを完成させた。
【0172】これら10個の素子についても、実施の形
態5と同様に1kHzにおける容量、損失係数、及び4
00kHzにおけるインピーダンス、さらに125℃で
10Vを印加して行った負荷耐熱試験後の容量変化率及
び損失係数を各々測定し、それらの平均値を前述の(表
1)に示した。
【0173】実施の形態5と本比較例との結果を検討す
ると、本比較例においては、コンデンサの耐熱性は極め
て低いものであった。
【0174】これは、PEDOT層及びポリピロール層
は形成されてはいるものの、そもそも嵩高な1価のアル
キルナフタレンスルホン酸イオンが、ともにドープされ
ておらず耐熱性の低いポリピロール層が形成されたこと
に起因すると考えられる。
【0175】以上より、積層導電層に1価のアルキルナ
フタレンスルホン酸イオンをドープすることで、PED
OT層等の収量及び電気伝導度が増加するのみならず耐
熱性も向上するため、コンデンサの耐熱性は向上し、特
に界面活性剤としても作用するアルキルナフタレンスル
ホン酸ナトリウムを用いることにより、それを一層向上
できたことが判明した。
【0176】以上の実施の形態5と、比較例7、8の比
較結果から、実施の形態5では、まずPEDOTとポリ
ピロールとを含む積層導電層を採用することにより、つ
まり、重合速度が大きいポリピロール層を組合わせてお
くことにより、コンデンサ特性及び耐熱性に優れたコン
デンサをより効率的に実用に適した形で製造することが
できたものである。
【0177】そして、積層導電層に1価のアルキルナフ
タレンスルホン酸イオンをドープすることで、PEDO
T層等の収量及び電気伝導度が増加するのみならず、コ
ンデンサ特性及び耐熱性は向上し、特に界面活性剤とし
ても作用するアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム
を用いることにより、それらを一層向上させたものであ
る。
【0178】なお、誘電体となる高分子として、ポリイ
ミドを用いる場合について述べたが、薄膜を形成できる
誘電体の高分子材料であればポリイミド以外のものを用
いることもできる。
【0179】そして、アルミニウム平滑箔にスピンコー
トで誘電体となるポリイミド膜を形成する場合について
述べたが、エッチドアルミニウム箔表面に、例えば電着
でポリイミドフィルムを形成してもよく、実施の形態5
においても高分子誘電体の適用が可能である。
【0180】(実施の形態6)本実施の形態では、実施
の形態1の構成において、酸化剤溶液に、さらに0.0
5mol/lのp−ニトロフェノールを添加した以外
は、実施の形態1と同様にして10個のコンデンサ素子
を完成させた。
【0181】これらについて実施の形態1と同様の評価
を行い、その結果を前述の(表1)に示した。
【0182】ここで、図2は、P−ニトロフェノール添
加の有無による、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム添加量に対するポリピロールの電気伝導度の関係を
示している。
【0183】図2より、p−ニトロフェノール添加時の
電気伝導度は、p−ニトロフェノール無添加の場合に比
較して明らかに大きいことがわかる。
【0184】なお、元素分析からp−ニトロフェノール
添加による得られたポリピロールの組成の変化は見られ
ないことから、ドーパントとしては取込まれていないこ
とも確認された。
【0185】一方、PEDOTについては、ポリピロー
ルの場合のように、p−ニトロフェノール添加による電
気伝導度の向上は明確には観測されなかったが、その重
合速度が細孔を閉塞するほどではない程度に一層促進さ
れることが確認された。
【0186】そして、(表1)から理解されるように、
本実施形態のコンデンサは、実施の形態1や2のコンデ
ンサと、コンデンサ特性及び耐熱性において、ほぼ同様
の結果となった。
【0187】よって、本実施の形態においては、高容量
達成率、低損失及び高周波インピーダンス特性に優れ、
耐熱性の高いコンデンサを実現するのみならず、p−ニ
トロフェノールを重合溶液中に添加することにより、P
EDOTへの重合反応が促進され、PEDOTの焼結体
中への良好な浸透性を維持しながら収量が増大するた
め、より効率的、実用的にコンデンサを実現することが
できたといえる。
【0188】なお、実施の形態2から5においても、ア
ニオン系界面活性剤に加えてさらにp−ニトロフェノー
ルを重合溶液中に添加することにより、同様の効果が得
られた。
【0189】(実施の形態7)本実施の形態において
は、実施の形態6のp−ニトロフェノールに代えて、p
−シアノフェノール(A)、m−ヒドロキシ安息香酸
(B)、m−ヒドロキシフェノール(C)、m−ニトロ
フェノール(D)を添加した以外は、実施の形態6と同
様にして10個のコンデンサを完成させた。
【0190】これらについて実施の形態1と同様の評価
を行い、その結果を前述の(表1)に示した。
【0191】(表1)から理解されるように、本実施の
形態におけるコンデンサも、実施の形態6のコンデンサ
特性及び耐熱性と同様な結果を呈した。
【0192】よって、本実施の形態においても、高容量
達成率、低損失及び高周波インピーダンス特性の優れ、
耐熱性の高いコンデンサ素子を効率的に得ることができ
たといえる。
【0193】なお、実施の形態2から5においても、ア
ニオン系界面活性剤に加えて以上のフェノール誘導体を
重合溶液中に添加することにより、同様の効果が得られ
た。
【0194】(実施の形態8)本実施の形態において
は、実施の形態1において、硫酸第二鉄に代えて同濃度
の硫酸第二銅を用いた以外は、実施の形態1と同様にし
て構成された10個のコンデンサ素子を完成させた。
【0195】これらについて実施の形態1と同様の評価
を行い、その結果を前述の(表1)に示した。
【0196】(表1)から理解されるように、本実施の
形態におけるコンデンサも、実施の形態1のコンデンサ
特性及び耐熱性から若干劣るものの、実用上は許容可能
な結果を呈した。
【0197】よって、本実施の形態においても、高容量
達成率、低損失及び高周波インピーダンス特性の優れ、
耐熱性の高いコンデンサ素子を効率的に得ることができ
たといえる。
【0198】なお、実施の形態2から7においても、硫
酸第二鉄に代えて、硫酸第二銅を用いることにより、同
様の効果が得られた。
【0199】(実施の形態9)本実施の形態において
は、実施の形態4において、ポリピロールを、化学重合
に代えて、電解重合で形成した以外、実施の形態4と同
様にして10個のコンデンサを完成させた。
【0200】これらについて、実施の形態4と同様の評
価を行い、その結果を前述の(表1)に示した。
【0201】ここで、本実施の形態の電解重合の条件を
示す。ピロールモノマ−濃度は、0.25mol/l、
支持電解質アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム濃
度は、0.1mol/lとし、これらを含む水溶液中
に、PEDOT層が形成された素子を浸漬し、ステンレ
ス製電解重合用電極を接触させ、電解重合用電極と離隔
して設けた電解重合用の第2の電極との間に2.5Vの
電圧を印加したもので、PEDOT層を介して電解重合
ポリピロール層を形成したものである。
【0202】(表1)から理解されるように、本実施の
形態におけるコンデンサも、実施の形態4のコンデンサ
特性及び耐熱性と同様な結果を呈した。
【0203】さらに、本実施の形態では、PEDOT層
形成工程を一回実行した後、そのPEDOT層を介し
て、電解重合により、ポリピロール層を積層形成してい
るのため、例えば、熱分解二酸化マンガン層を形成しこ
れを導電層として用いる場合と同様に、電解重合前に誘
電体皮膜修復のための化成処理する必要なく、漏れ電流
の小さなコンデンサを得ることができる効果を有する。
【0204】具体的には、本実施の形態によるコンデン
サの10V印加2分後の漏れ電流は、平均15nAであ
った。
【0205】よって、本実施の形態においても、高容量
達成率、低損失及び高周波インピーダンス特性に優れ、
耐熱性の高いコンデンサ素子を得ることができることに
加え、漏れ電流の小さなコンデンサを得ることができた
ものである。
【0206】なお、実施の形態1から3、5から8にお
いても、電解重合により、ポリピロール層を積層形成す
ることにより、同様の効果が得られた。
【0207】(比較例9)比較のため、比較例9とし
て、PEDOT層の形成に代えて、30%の硝酸マンガ
ン水溶液に浸漬後、250℃で熱分解し、3%アジピン
酸アンモニウム水溶液を用いて、約70℃で40V印加
して修復化成を行った以外、実施の形態9と同様にして
10個のコンデンサを完成させた。
【0208】そして、これらについて実施の形態9と同
様にして漏れ電流を測定したところ平均37nAが得ら
れた。
【0209】また、これらについて実施の形態9と同様
の評価を行い、その結果を(表1)に示す。
【0210】以上の実施の形態9と、本比較例とを比較
検討すると、本比較例では、誘電体被膜を修復化成して
も、コンデンサ特性及び耐熱性において実施の形態9よ
り若干劣る結果となっている。
【0211】よって、実施の形態9においては、高容量
達成率、低損失及び高周波インピーダンス特性及び漏れ
電流特性に優れ、耐熱性の高いコンデンサを得ながら、
さらに誘電体被膜の修復の必要性がないことからきわめ
て効率的に製造し得る実用的なコンデンサを実現した。
【0212】(比較例10)比較のため、比較例10と
して、実施の形態9において、ポリピロールの電解重合
時に、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムに代え
て過塩素酸ナトリウムを用いた以外、実施の形態9と同
様にして10個のコンデンサを完成させた。
【0213】これらについて、実施の形態9と同様の評
価を行い、その結果を(表1)に示す。
【0214】以上の実施の形態9と、本比較例とを比較
検討すると、本比較例では、コンデンサ特性及び耐熱性
において実施の形態9よりはるかに劣る結果となってい
る。
【0215】これは、過塩素酸ナトリウムは、さして導
電性を付与することもないし嵩高でもなく、しかも界面
活性剤としても作用しないため、熱安定性にも欠け、重
合溶液のエッチピットへの浸透も十分でなくて容量が低
下等したものと考えられる。
【0216】よって、実施の形態9においては、電解重
合時にもアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等の
芳香族スルホン酸系界面活性剤を用いることにより、高
容量達成率、低損失及び高周波インピーダンス特性及び
漏れ電流特性に優れ、耐熱性の高いコンデンサを得るこ
とができたものである。
【0217】(実施の形態10)本実施の形態において
は、実施の形態9において、ポリピロールの電解重合溶
液に、P−ニトロフェノールを0.05mol/lさら
に添加した以外、実施の形態9と同様にして10個のコ
ンデンサを完成させた。
【0218】これらについて実施の形態9と同様の評価
を行い、その結果を前述の(表1)に示した。
【0219】そして、(表1)から理解されるように、
本実施形態のコンデンサは、実施の形態9のコンデンサ
と比較して、コンデンサ特性及び耐熱性において、一層
向上した結果を呈するに至った。
【0220】これは、P−ニトロフェノールの共存によ
り、電解重合ポリピロールの初期電気伝導度及び環境安
定性が、一層大きく改善されるためであると考えられ
る。
【0221】よって、本実施の形態においては、高容量
達成率、低損失及び高周波インピーダンス特性に優れ、
耐熱性の高いコンデンサを、一層顕著に実現したものと
いえる。
【0222】なお、実施の形態7で述べたような、P−
ニトロフェノールに代えて他のフェノール誘導体を添加
した場合にも同様の効果が認められた。
【0223】(実施の形態11)本実施の形態では、実
施の形態1のPEDOTを、化学重合で形成することに
代えて、スルホン酸系アニオンであるポリスチレンスル
ホン酸イオンがドープされたPEDOT溶液(濃度0.
2重量%)に、さらに0.2%のアルキルナフタレンス
ルホン酸ナトリウムを添加して、室温で5分間浸漬後、
105℃15分間乾燥して形成した以外、実施の形態1
と同様の条件で10個のコンデンサを完成させた。
【0224】ここで、ポリスチレンスルフォン酸イオン
がドープされたPEDOTは、ポリスチレンスルフォン
酸塩を支持電解質として用いてEDOTを電解重合して
作製したが、他に、例えばポリスチレンスルフォン酸塩
の共存下で硫酸第二鉄のような多価アニオンを含む酸化
剤を用いてEDOTを酸化重合させて作製することがで
きる。
【0225】そして、これらについて、実施の形態1と
同様の特性評価を行い、その結果を前述の(表1)に示
した。
【0226】(表1)から、本実施の形態のコンデンサ
は、実施の形態1のものと同様なコンデンサ特性及び耐
熱性を呈していることがわかる。
【0227】この理由としては、ポリスチレンスルホン
酸イオンは、嵩高であり、実施の形態1でドープされた
芳香族スルホン酸系界面活性剤であるアルキルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムから得られたアルキルナフタレ
ンスルホン酸基等と実質同等の役割を果たしているため
と考えられる。
【0228】よって、本実施の形態においては、予め重
合されたPEDOTを用いるために、極めて容易に高容
量達成率、低損失及び高周波インピーダンス特性及び漏
れ電流特性に優れ、耐熱性の高いコンデンサを得ること
ができたものである。
【0229】なお、実施の形態2から10においても、
可溶型PEDOTを用いて、スルホン酸系アニオンであ
るポリスチレンスルホン酸イオンを、PEDOT層にド
ープすることにより、同様の効果が得られた。
【0230】また、可溶型であればPEDOT以外の
(化2)で示すチオフェン誘導体を繰り返し単位として
導電性高分子を用いることができ、嵩高なものであれば
ポリスチレンスルホン酸イオン以外のスルホン酸系アニ
オンも好適にドープさせることもできる。
【0231】(実施の形態12)本実施の形態では、以
上の実施の形態で説明した積層導電性高分子層に加え、
さらに第3の導電性高分子層を追加した構成を有する。
【0232】まず、本実施の形態では、実施の形態1と
同様にして第1の導電性高分子層であるPEDOT層
と、第2の導電性高分子層であるポリピロール層とを多
孔質タンタル焼結体電極上に順次積層形成した。
【0233】ただし、ポリピロール形成のための繰り返
し処理を3回に限定した。ついで、さらにポリスチレン
スルホン酸イオンがドープされたPEDOT溶液(濃度
0.2重量%)に、室温で5分間浸漬後、105℃で1
5分間乾燥した。
【0234】その後、実施の形態1と同様にして陰極を
形成するとともにエポキシ樹脂外層して導電性高分子層
がPEDOT/ポリピロール/PEDOTの三層積層さ
れた構造を有する10個のタンタルコンデンサを完成さ
せた。
【0235】そして、これらについて、実施の形態1と
同様の特性評価を行い、その結果を前述の(表1)に示
した。
【0236】(表1)から、本実施の形態のコンデンサ
は、実施の形態1等のPEDOT層とポリピロール層が
2層積層されたものと同様なコンデンサ特性及び耐熱性
を呈していることがわかる。
【0237】さらに、本実施の形態では、ポリピロール
層の形成に要する化学重合の繰り返し回数、つまり処理
時間が大幅に短縮されている。
【0238】よって、本実施の形態においては、PED
OT層/ポリピロール層/PEDOT層の3層構造の積
層導電性高分子層を採用することにより、高容量達成
率、低損失及び高周波インピーダンス特性及び漏れ電流
特性に優れ、耐熱性の高いコンデンサを、効率よく得る
ことができたものである。
【0239】なお、本実施の形態では、第1、第3の導
電性高分子層であるPEDOT層は、浸漬乾燥により形
成してもよいし、第2の導電性高分子層であるポリピロ
ール層は電解重合により形成してもよい。
【0240】さらに、第1や第3の導電性高分子層であ
るPEDOT層の代わりに、前述の(化2)に示される
チオフェン誘導体のいずれかを繰り返し単位に含む導電
性高分子層を用いてもよく、前述した各実施の形態にお
ける構成及び工程の態様を適宜含ませることももちろん
可能である。
【0241】また、以上の各実施の形態では、多価アニ
オンとして硫酸イオンについてのみ述べたが、その他の
多価アニオンがドープされるように、硫酸塩以外の遷移
金属多価酸塩を用いることもできる。
【0242】また、以上の各実施の形態では、遷移金属
として鉄(III)と銅(II)を用いた場合についてのみ
述べたが、その他のピロールを酸化することができる酸
化還元電位を有する遷移金属をまた同様に用いることが
でき、本発明はその種類に限定されない。
【0243】また、以上の各実施の形態では、重合可能
なモノマーとしてピロールを用いた場合についてのみ述
べたが、置換基を有するその誘導体を用いることもでき
る。
【0244】また、以上の各実施の形態では、弁金属が
アルミニウムやタンタルの場合についてのみ述べたが、
その他ジルコニウム、ニオブ、ハフニウム及びチタンさ
らにはそれらのの金属間化合物等も使用可能である。
【0245】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、まず
PEDOT層に代表される第1層に重合速度が大きいポ
リピロール層に代表される第2層を組合わせた積層導電
性高分子層を採用することにより、コンデンサ特性及び
耐熱性に優れたコンデンサをより効率的に実用に適した
形で製造することができる。
【0246】そして、この構成の積層導電層に1価のア
ルキルナフタレンスルホン酸イオン等をドープすること
で、導電性高分子層の収量及び電気伝導度が増加するの
みならず、コンデンサ特性及び耐熱性は向上し、特に界
面活性剤としても作用するアルキルナフタレンスルホン
酸ナトリウムを用いることにより、それらを一層向上さ
せることができる。
【0247】さらに、第1層を誘電体被膜が形成された
焼結体側に形成すれば、この誘電体被膜が形成された焼
結体深部まで浸透して、細孔を閉塞することなくPED
OT層を形成することとなり、コンデンサ容量を増大す
ることができる。
【0248】さらに、p−ニトロフェノール等を重合溶
液中に添加することにより、第1層の重合反応が促進さ
れ、PEDOT等の焼結体中への良好な浸透性を維持し
ながら収量が増大するため、より効率的、実用的にコン
デンサを実現することができる。
【0249】さらに、PEDOT層に代表される第1層
/ポリピロール層に代表される第2層/PEDOT層に
代表される第3層の3層構造の積層導電性高分子層を採
用することにより、高容量達成率、低損失及び高周波イ
ンピーダンス特性及び漏れ電流特性に優れ、耐熱性の高
いコンデンサを、効率よく得ることができる。
【0250】さらに、第1層、第3層を化学重合または
導電性高分子溶液に含浸して形成し、第2の導電性高分
子層を化学重合または電解重合により形成することによ
り、コンデンサ特性及び耐熱性に優れたコンデンサをよ
り効率的に実用に適した形で確実に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における導電性高分
子の界面活性剤添加量と電気伝導度及び収量の関係図
【図2】同第5の実施の形態におけるP−ニトロフェノ
ールの添加の有無に対応した導電性高分子の界面活性剤
添加量と電気伝導度の関係図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松家 安恵 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−42912(JP,A) 特開 平2−15611(JP,A) 特開 平4−87316(JP,A) 特開 平4−315412(JP,A) 特開 平5−175082(JP,A) 特開 平5−175081(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/028

Claims (36)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して設けられた一対の電極と、前記
    電極間に設けられた誘電体層と、前記電極間に設けら
    れ、(化1)に示すチオフェン誘導体を繰り返し単位と
    して含む第1の導電性高分子層及びピロールまたはその
    誘導体を繰り返し単位として含む第2の導電性高分子層
    を有する積層導電性高分子層とを備え、さらに、前記積
    層導電性高分子層は、前記第1の導電性高分子層の反対
    側において前記第2の導電性高分子層に隣接するように
    設けられ、前記(化1)に示すチオフェン誘導体を繰り
    返し単位として含む第3の導電性高分子層を含むコンデ
    ンサ。 【化1】
  2. 【請求項2】 第1の導電性高分子層は、一価アニオン
    をドーパントとして含む請求項1記載のコンデンサ。
  3. 【請求項3】 第1の導電性高分子層は、さらに多価ア
    ニオンをドーパントとして含む請求項2記載のコンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 第2の導電性高分子層は、一価アニオン
    をドーパントとして含む請求項1から3のいずれかに記
    載のコンデンサ。
  5. 【請求項5】 第2の導電性高分子層は、さらに多価ア
    ニオンをドーパントとして含む請求項4記載のコンデン
    サ。
  6. 【請求項6】 第1の導電性高分子層は、スルホン酸系
    アニオンをドーパントとして含む請求項1記載のコンデ
    ンサ。
  7. 【請求項7】 第3の導電性高分子層は、一価アニオン
    をドーパントとして含む請求項1から6のいずれか記載
    のコンデンサ。
  8. 【請求項8】 第3の導電性高分子層は、さらに多価ア
    ニオンをドーパントとして含む請求項記載のコンデン
    サ。
  9. 【請求項9】 第3の導電性高分子層は、スルホン酸系
    アニオンをドーパントとして含む請求項記載のコンデ
    ンサ。
  10. 【請求項10】 一価アニオンが、スルホン酸基である
    請求項2、4または記載のコンデンサ。
  11. 【請求項11】 スルホン酸基が、アニオン系界面活性
    剤から解離したものを含む請求項10記載のコンデン
    サ。
  12. 【請求項12】 多価アニオンが硫酸基である請求項
    3、5または記載のコンデンサ。
  13. 【請求項13】 スルホン酸系アニオンが、ポリスチレ
    ンスルホン酸イオンである請求項6または記載のコン
    デンサ。
  14. 【請求項14】 誘電体層が、電極の一方を構成する弁
    金属の酸化物被膜である請求項1から13のいずれかに
    記載のコンデンサ。
  15. 【請求項15】 弁金属が、アルミニウムまたはタンタ
    ルである請求項14記載のコンデンサ。
  16. 【請求項16】 誘電体層が、高分子誘電体である請求
    項1から15のいずれかに記載のコンデンサ。
  17. 【請求項17】 高分子が、ポリイミドである請求項
    記載のコンデンサ。
  18. 【請求項18】 第1の導電性高分子層は、誘電体層に
    隣接する請求項1から17のいずれかに記載のコンデン
    サ。
  19. 【請求項19】 対向した一対の電極を配置する工程
    と、前記電極間に誘電体層を形成する誘電体層形成工程
    と、前記電極間において、請求項1記載の(化1)に示
    すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む第1の導
    電性高分子層を化学重合により形成する第1の導電性高
    分子層形成工程及びピロールまたはその誘導体を繰り返
    し単位として含む第2の導電性高分子層を化学重合によ
    り形成する第2の導電性高分子層形成工程を有する積層
    導電性高分子層形成工程とを備えたコンデンサの製造方
    法。
  20. 【請求項20】 対向した一対の電極を配置する工程
    と、前記電極間に誘電体層を形成する誘電体層形成工程
    と、前記電極間において、請求項1記載の(化1)に示
    すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む第1の導
    電性高分子層を導電性高分子溶液に含浸して形成する第
    1の導電性高分子層形成工程及びピロールまたはその誘
    導体を繰り返し単位として含む第2の導電性高分子層を
    化学重合により形成する第2の導電性高分子層形成工程
    を有する積層導電性高分子層形成工程とを備えたコンデ
    ンサの製造方法。
  21. 【請求項21】 対向した一対の電極を配置する工程
    と、前記電極間に誘電体層を形成する誘電体層形成工程
    と、前記電極間において、請求項1記載の(化1)に示
    すチオフェン誘導体を繰り返し単位として含む第1の導
    電性高分子層を導電性高分子溶液に含浸して形成する第
    1の導電性高分子層形成工程及びピロールまたはその誘
    導体を繰り返し単位として含む第2の導電性高分子層を
    電解重合により形成する第2の導電性高分子層形成工程
    を有する積層導電性高分子層形成工程とを備えたコンデ
    ンサの製造方法。
  22. 【請求項22】 さらに、積層導電性高分子層形成工程
    は、請求項1記載の(化1)に示すチオフェン誘導体を
    繰り返し単位として含む第3の導電性高分子層を、第1
    の導電性高分子層の反対側において第2の導電性高分子
    層に隣接するように形成する第3の導電性高分子層形成
    工程を含む請求項19から21のいずれかに記載のコン
    デンサの製造方法。
  23. 【請求項23】 第3の導電性高分子層形成工程は、化
    学重合工程により形成する工程である請求項22記載の
    コンデンサの製造方法。
  24. 【請求項24】 第3の導電性高分子層形成工程は、導
    電性高分子溶液に含浸することにより形成する工程であ
    る請求項22記載のコンデンサの製造方法。
  25. 【請求項25】 化学重合工程は、水媒体中での化学重
    合工程である請求項19、20、または23記載のコン
    デンサの製造方法。
  26. 【請求項26】 化学重合工程では、硫酸第二鉄とアニ
    オン系界面活性剤とを含む溶液を用いて導電性高分子層
    を形成する請求項25記載のコンデンサの製造方法。
  27. 【請求項27】 スルホン酸基を有するアニオンを含む
    アニオン系界面活性剤を用いる請求項26記載のコンデ
    ンサの製造方法。
  28. 【請求項28】 化学重合工程で、さらにフェノールま
    たはその誘導体を含む溶液を用いて化学重合をする請求
    19、2023から27のいずれかに記載コンデン
    サの製造方法。
  29. 【請求項29】 フェノール誘導体がニトロフェノー
    ル、シアノフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキ
    シフェノール若しくはアセトフェノール、またはそれら
    の組合せである請求項28記載のコンデンサの製造方
    法。
  30. 【請求項30】 電解重合工程は、水媒体中での電解重
    合工程である請求項21記載のコンデンサの製造方法。
  31. 【請求項31】 電解重合工程で、さらにフェノールま
    たはその誘導体を含む溶液を用いて電解重合をする請求
    21または30記載コンデンサの製造方法。
  32. 【請求項32】 フェノール誘導体がニトロフェノー
    ル、シアノフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキ
    シフェノール若しくはアセトフェノール、またはそれら
    の組合せである請求項31記載のコンデンサの製造方
    法。
  33. 【請求項33】 誘電体形成工程が、弁金属の陽極酸化
    により誘電体を形成する請求項19から32のいずれか
    に記載のコンデンサの製造方法。
  34. 【請求項34】 電極の一方を構成する弁金属がアルミ
    ニウムまたはタンタルである請求項19から33のいず
    れかに記載のコンデンサの製造方法。
  35. 【請求項35】 誘電体形成工程が、高分子を用いて誘
    電体を形成するスピンコート工程である請求項19から
    34のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
  36. 【請求項36】 高分子がポリイミドである請求項35
    記載のコンデンサの製造方法。
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