JP3518156B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置

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JP3518156B2
JP3518156B2 JP08859496A JP8859496A JP3518156B2 JP 3518156 B2 JP3518156 B2 JP 3518156B2 JP 08859496 A JP08859496 A JP 08859496A JP 8859496 A JP8859496 A JP 8859496A JP 3518156 B2 JP3518156 B2 JP 3518156B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディスクブレー
キ装置に関し、特に、制動時におけるブレーキパッドの
摩擦材とディスクロータの摩擦摺動面との間の面圧の分
布が、より均一化されるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来のディスクブレーキ装置としては、
例えば、実開昭62−39032号公報に記載されてい
るものがある。
【0003】これは、車輪と共に回転するディスクロー
タの摩擦摺動面にブレーキパッドが対向して配置され
て、そのブレーキパッドが、車体側に支持されたシリン
ダボディのピストンや爪部等によって、上記ディスクロ
ータの摩擦摺動面に向けて押圧されることで制動が掛か
る構成となっている。
【0004】そして、この従来のディスクブレーキ装置
では、上記ブレーキパッドを押圧するシリンダボディ
を、所定揺動軸周りに揺動可能に車体側に支持させる構
成とすることで、制動中のディスクロータの面振れに追
従してブレーキパッド全体を揺動可能とし、もってディ
スクロータにその摩擦摺動面全体が傾くような変形が生
じてもブレーキパッドの面当たりを均一となるようにし
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、通常のディス
クブレーキ装置にあっては、ブレーキパッドをディスク
ロータに向けて押圧する際の押圧力がそのブレーキパッ
ドの一部分に集中するため、制動時におけるブレーキパ
ッド及びディスクロータ摩擦面間の面圧は、上記押圧力
が集中する部分で最大となり、その面圧が最大となる部
分にヒートスポットが発生し易いという傾向がある。
【0006】即ち、制動中には、押圧力が集中する部位
で最もブレーキパッドは圧縮されるため、その押圧力が
集中する部位でブレーキパッドの面圧が最大になり、ま
た、ブレーキパッドに入力される熱量は、ブレーキパッ
ドの面圧と、ディスクロータ及びブレーキパッド間の相
対速度との積で決まり、しかも制動中はブレーキパッド
の冷却は実質的に無視でき、さらに従来のブレーキパッ
ドの熱膨張率は部位に関係なく一定であることから、ブ
レーキパッドの熱膨張量は、ディスクロータ径方向のう
ち押圧力が集中する部位で最大となり、次に周速の速い
ディスクロータの外周側の部位で大きく、最も小さいの
はディスクロータの内周側の部位である。
【0007】そして、熱膨張量が大きくなれば面圧も大
きくなるから、その面圧が大きい部分への流入熱量が増
大してさらに熱膨張量が大きくなり、さらに面圧が大き
くなる、というような循環が繰り返される。その結果、
押圧力が集中する部分にヒートスポットが発生してしま
い、その部分が集中的に磨耗してブレーキパッドの交換
間隔が短くなってしまう等の不具合があるのである。
【0008】なお、上記公報記載のディスクブレーキ装
置では、確かにディスクロータの摩擦摺動面全体が傾く
ような変形に対する面当たりの均一化には有効である
が、押圧力の集中に起因する面圧の不均一に対してはな
んら対策にはならなかった。
【0009】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、ブレー
キパッドの面圧をより均一化し、もってヒートスポット
の発生を抑制できるディスクブレーキ装置を提供するこ
とを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、車輪と共に回転するディス
クロータの摩擦摺動面に対向して配置されるブレーキパ
ッドと、このブレーキパッドを前記ディスクロータに向
けて押圧する押圧手段と、を備えるとともに、前記ブレ
ーキパッドは、前記ディスクロータの摩擦摺動面に摺接
し且つ表面が平坦な摩擦材と、この摩擦材を保持する裏
金と、を備えて構成されるディスクブレーキ装置におい
て、前記ブレーキパッドの前記摩擦材の厚さを、ディス
クロータ径方向の各部位のうち前記押圧手段による押圧
力が集中する部位では厚く、ディスクロータ径方向の内
周側部位及び外周側部位では薄くするとともに、前記ブ
レーキパッドの前記裏金を、熱膨張率の異なる複数の金
属を重ね合わせて形成するとともに、前記複数の金属の
うち熱膨張率の高い金属の厚さを、ディスクロータ径方
向の各部位のうち前記押圧手段による押圧力が集中する
部位では薄く、ディスクロータ径方向の内周側部位及び
外周側部位では厚くした。
【0011】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明であるディスクブレーキ装置において、前
記摩擦材の前記外周側部位の厚さを前記内周側部位の厚
さよりも厚くした。
【0012】
【0013】さらに、上記目的を達成するために、請求
に係る発明は、車輪と共に回転するディスクロータ
の摩擦摺動面に対向して配置されるブレーキパッドと、
このブレーキパッドを前記ディスクロータに向けて押圧
する押圧手段と、を備えるとともに、前記ブレーキパッ
ドは、前記ディスクロータの摩擦摺動面に摺接し且つ表
面が平坦な摩擦材と、この摩擦材を保持する裏金と、を
備えて構成されるディスクブレーキ装置において、前記
ブレーキパッドの前記裏金を、熱膨張率の異なる複数の
金属を重ね合わせて形成するとともに、前記複数の金属
のうち熱膨張率の高い金属の厚さを、ディスクロータ径
方向の各部位のうち前記押圧手段による押圧力が集中す
る部位では薄く、ディスクロータ径方向の内周側部位及
び外周側部位では厚くした。
【0014】そして、請求項に係る発明は、上記請求
1乃至請求項に係る発明であるディスクブレーキ装
置において、前記複数の金属のうち熱膨張率の高い金属
の前記外周側部位の厚さを前記内周側部位の厚さよりも
薄くした。
【0015】ここで、一般的なディスクブレーキ装置の
ブレーキパッドにあっては、摩擦材のヤング率が裏金の
ヤング率に比べて格段に小さいため、ブレーキパッドの
厚さ方向の弾性は、摩擦材の弾性が支配的になる。ちな
みに、一般的なブレーキパッドの摩擦材のヤング率は1
00kgf/mm2 程度であり、ブレーキパッドの裏金
のヤング率は20000kgf/mm2 程度である。
【0016】このため、制動時に押圧手段がブレーキパ
ッドをディスクロータに向けて押圧し、そのブレーキパ
ッドの摩擦材がディスクロータの摩擦摺動面に摺接する
と、押圧手段の押圧力によって摩擦材が圧縮変形するこ
とになるが、その圧縮量は、押圧手段による押圧力が集
中する部位で大きく、内周側部位(ディスクロータ径方
向の内周側に近い部位)及び外周側部位(ディスクロー
タ径方向の外周側に近い部位)では小さくなる。その結
果、通常のディスクブレーキ装置のブレーキパッドで
は、押圧力が集中する部位で面圧が高くなるのである。
【0017】これに対し、請求項1に係る発明では、摩
擦材の厚さには上述のようにディスクロータ径方向部位
で差を与えており、厚い部位の圧縮剛性は薄い部位の圧
縮剛性よりも低くなるため、押圧手段による押圧力が集
中する部位の変形量が外周側部位及び内周側部位の変形
量より大きくても、その押圧力が集中する部位の面圧
は、ブレーキパッド全体の面圧の総和が同一であれば通
常のブレーキパッドを用いた場合よりも低くなる。その
結果、制動時における、押圧手段による押圧力が集中す
る部位の流入熱量と、ディスクロータ径方向の外周側部
位及び内周側部位の流入熱量との差は、従来よりも小さ
くなるという作用が得られる。さらに、請求項1に係る
発明では、ブレーキパッドの裏金の厚さ方向の熱膨張率
は、押圧手段により押圧力が集中する部位で小さく、外
周側部位及び内周側部位で大きくなるため、その裏金の
熱膨張量は、従来に比べて、押圧手段により押圧力が集
中する部位で小さく、外周側部位及び内周側部位で大き
くなる傾向となる。すると、制動時の裏金の熱膨張によ
る面圧の増加は、従来に比べて、押圧手段により押圧力
が集中する部位で小さく、外周側部位及び内周側部位で
大きくなり、面圧の不均一が拡大し難くなる。
【0018】一方、摩擦材の外周側部位は、ディスクロ
ータ摩擦摺動面の比較的周速の速い部分に摺接し、摩擦
材の内周側部位は、ディスクロータ摩擦摺動面の比較的
周速の遅い部分に摺接するものであるから、両部位での
面圧が等しければ流入熱量は外周側部位の方が大きくな
る。これに対し、請求項2に係る発明では、外周側部位
の圧縮剛性が内周側部位の圧縮剛性よりも低くなって、
外周側部位の面圧は、内周側部位の面圧よりも低くなる
ので、請求項1に係る発明の作用に加えて、外周側部位
の流入熱量と、内周側部位の流入熱量との差は、従来よ
りも小さくなるという作用が得られる。
【0019】
【0020】また、請求項に係る発明であっても、ブ
レーキパッドの裏金の厚さ方向の熱膨張率は、押圧手段
により押圧力が集中する部位で小さく、外周側部位及び
内周側部位で大きくなるから、裏金の熱膨張量は、従来
に比べて、押圧手段により押圧力が集中する部位で小さ
く、外周側部位及び内周側部位で大きくなる傾向とな
る。よって、制動時の裏金の熱膨張による面圧の増加
は、従来に比べて、押圧手段により押圧力が集中する部
位で小さく、外周側部位及び内周側部位で大きくなり、
面圧の不均一が拡大し難くなる。
【0021】さらに、請求項に係る発明では、上記請
求項1乃至請求項に係る発明の作用に加えて、裏金の
各部位のうち、ディスクロータ摩擦摺動面の比較的周速
の速い部分に摺接する外周側部位の熱膨張率は、ディス
クロータ摩擦摺動面の比較的周速の遅い部分に摺接する
内周側部位の熱膨張率よりも低くなるから、裏金の外周
側部位の熱膨張量と、裏金の内周側部位の熱膨張量との
差は、従来よりも小さくなり、面圧の不均一がさらに拡
大し難くなる。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係る発明にあっては、ディス
クロータ径方向のうち押圧手段による押圧が集中する部
位の面圧が従来よりも低くなるとともに、ディスクロー
タ径方向の外周側部位及び内周側部位との面圧が従来よ
りも高くなり、しかも、裏金の熱膨張による面圧の増加
が、押圧手段により押圧力が集中する部位で小さくなる
とともに、外周側部位及び内周側部位で大きくなる
め、面圧がより均一化されてヒートスポットが発生し難
くなるという効果がある。
【0023】特に、請求項2に係る発明では、ディスク
ロータ径方向の外周側部位の面圧が低くなるとともに、
ディスクロータ径方向の内周側部位の面圧が高くなるた
め、それら外周側部位及び内周側部位間の流入熱量の差
が小さくなり、外周側部位及び内周側部位の面圧の差が
増大し難くなるという効果もある。
【0024】
【0025】また、請求項に係る発明であれば、裏金
の熱膨張による面圧の増加が、押圧手段により押圧力が
集中する部位で小さくなるとともに、外周側部位及び内
周側部位で大きくなるため、面圧の不均一が拡大し難く
なってヒートスポットが発生し難くなるという効果があ
る。
【0026】そして、請求項に係る発明であれば、デ
ィスクロータ径方向の外周側部位の熱膨張量が小さくな
るとともに、ディスクロータ径方向の内周側部位の熱膨
張量が大きくなるため、それら外周側部位及び内周側部
位間の面圧の差が増大し難くなるという効果もある。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の第
1の実施の形態のディスクブレーキ装置の構成を示す図
であって、図1は斜視図であり、図2は断面図である。
【0028】まず、ディスクブレーキ装置の構成を説明
すると、図1に示すように、サスペンション部材40,
41に連結する車輪支持部材に対してトルクメンバ1が
固定され、そのトルクメンバ1に、シリンダボディ2が
摺動可能に支持されている。具体的には、該シリンダボ
ディ2は、一対のスライドピン3によって、車輪42と
共に回転するディスクロータ4の軸線と平行な方向にの
み移動可能に拘束されている。また、該シリンダボディ
2は、ディスクロータ4を跨ぐように配置されていて、
先端部に設けられた一対の爪部5が、ディスクロータ4
の一方の摩擦摺動面に対向し、且つ、基部2a側が、デ
ィスクロータ4の他方の摩擦摺動面に対向している。
【0029】上記シリンダボディ2の基部2aには、図
2に示すように、ディスクロータ4の摩擦摺動面4b
(内面側)に開口部を対向させてシリンダ孔6が形成さ
れ、該シリンダ孔6内にピストン7が同軸に配置されて
いる。そのピストン7の動きは、上記シリンダ孔6に規
制され、図示しない配管を介してシリンダ孔6内に給排
される作動油に応じて上記ディスクロータ4の摩擦摺動
面4bに向けて進退可能となっている。また、シリンダ
孔6の内周面には、その周方向に沿って無端環状にシー
ルリング8が配設され、そのシールリング8内周面が上
記ピストン7外周面に摺動可能に当接している。
【0030】ここで、本実施の形態では、上記爪部5、
ピストン7、及びシリンダ孔6を備えたシリンダボディ
2によって押圧手段が構成され、上記シリンダ孔6に供
給される作動油の流体圧によって上記ピストン7が作動
する。
【0031】また、上記シリンダボディ2の基部2aと
爪部5との間には、図2に示すように、一対のブレーキ
パッド10,11が、上記ディスクロータ4を挟んだ状
態で対向して配置されている。そして、一方のブレーキ
パッド11は、ピストン7に押圧されて上記ディスクロ
ータ4の摩擦摺動面4bに当接可能となっており、ま
た、他方のブレーキパッド10は、一対の爪部5に押圧
されて上記ディスクロータ4の摩擦摺動面4aに当接可
能となっている。
【0032】上記各ブレーキパッド10,11は、それ
ぞれ、ピストン7又は爪部5によって押圧される裏金1
2,13と、その裏金12,13に固着して直接ディス
クロータ4の摩擦摺動面4a、4bに摺接する摩擦材1
4,15とから構成されている。なお、ブレーキパッド
10及び11は同一の構成であるため、ここからはブレ
ーキパッド11に関する説明を行い、ブレーキパッド1
0に関する説明はブレーキパッド11に関する説明と同
様ということで省略する。
【0033】即ち、図3に拡大図示するように、ブレー
キパッド11の摩擦材15は、ディスクロータ径方向
(ディスクロータ4の半径方向に沿った方向、以下、ロ
ータ径方向と称す。)のうちピストン7による押圧力が
集中する中央部位15Aにおいて最大の厚さを有し、そ
の中央部位15Aからロータ径方向に沿って外周側,内
周側に離れるに従って連続的に薄くなり、外周側部位1
5B及び内周側部位15Cにおいて最小の厚さを有する
ようになっている。但し、ブレーキパッド11の磨耗材
15のロータ径方向の外周側部位15Bの厚さを、内周
側部位15Cの厚さよりも厚くている。つまり、磨耗材
15の各部位の厚さを、中央部位15A>外周側部位1
5B>内周側部位15Cという順番にしている。なお、
ピストン7による押圧力が集中する部位とは、ピストン
7の中心軸線L1 と交わる部分及びその近傍の部分のこ
とを指す。但し、磨耗材15の表面(ディスクロータ4
の摩擦摺動面4bに摺接する面)は平坦に形成されてい
るから、磨耗材15の各部位での厚さの差は、そのまま
裏金13との固着面側に表れることになる。
【0034】また、ブレーキパッド10側の磨耗材14
も、同様に爪部5の押圧力が集中する中央部位において
最大の厚さを有し、外周側部位及び内周側部位で最小の
厚さを有するようになっているが、その場合の爪部5の
押圧力が集中する部位とは、爪部5と裏金12との接触
部分の中心点を通り且つディスクロータ径方向(図2左
右方向)に伸びる直線と交わる部分及びその近傍の部分
を指すことになる。しかし、その爪部5と裏金12との
接触部分の中心点を通り且つディスクロータ径方向(図
2左右方向)に伸びる直線は、一対のブレーキパッド1
0及び11がディスクロータ4を両側から挟み込む力
が、一点に集中して効率的に制動力に変換されるよう
に、ピストン7の中心軸線L1 に一致させることが通常
であり、この実施の形態でも両線は一致するようになっ
ている。
【0035】一方、磨耗材15が固着される裏金13
は、二枚の金属板20及び21を重ね合わせた構造とし
ている。磨耗材15に近い側に配設される金属板21は
高熱膨張率の金属材料で形成され、磨耗材15から遠い
側に配設される金属板20は低熱膨張率の金属材料で形
成されている。 裏金13全体としては、ピストン7に押
圧される側(磨耗材15が固着される側とは逆側)の面
は平坦に形成されているが、磨耗材15が固着される側
の面は、その磨耗材15の形状に整合するように中央部
が凹んだ形状となっている。具体的には、裏金13は、
その中央部位13Aにおいて最小の厚さを有し、そこか
らロータ径方向に沿って外周側,内周側に離れるに従っ
て連続的に厚くなり、外周側部位13B及び内周側部位
13Cにおいて最大の厚さを有するようになっていて、
その裏金13と磨耗材15とを張り合わせるとブレーキ
パッド11表裏面は平坦になる。そして、裏金13を形
成する金属板21のロータ径方向の外周側部位15Bの
厚さを、内周側部位15Cの厚さよりも薄くしている。
つまり、金属板21の各部位の厚さを、中央部位15A
<外周側部位15B<内周側部位15Cという順番にし
ている。 これに対し、金属板20は平板となっており、
また、高熱膨張率の金属からなる金属板21は、金属板
20側は平坦であるが、磨耗材15側はその磨耗材15
の形状に合わせた形状となっている。この場合、磨耗材
15の厚さの変化と、金属板21の厚さの変化とは逆に
なっているから、ブレーキパッド11全体では平坦な形
状となる。
【0036】次に、本実施の形態の動作を説明する。即
ち、運転者がブレーキペダルを踏み込むと、マスタシリ
ンダ等によって増大分配された油圧がシリンダ孔6内に
供給されるから、その油圧によってピストン7がディス
クロータ4に近づく方向に変位する。すると、ピストン
7の先端面がブレーキパッド11の裏金13を押圧する
ため、ブレーキパッド11がディスクロータ4に近づく
方向に変位し、その磨耗材15がディスクロータ4の摩
擦摺動面4bに押し付けられる。
【0037】この状態からシリンダ孔6内の油圧によっ
てピストン7がさらにディスクロータ4側に変位しよう
とすると、ブレーキパッド11がディスクロータ4を押
圧することによる反力によりシリンダボディ2自体が、
ピストン7の移動方向とは逆方向に変位するから、爪部
5もディスクロータ4に近づく方向に変位してブレーキ
パッド10の裏金12を押圧するようになって、そのブ
レーキパッド10がディスクロータ4に近づく方向に変
位し、その磨耗材14がディスクロータ4の摩擦摺動面
4aに摺接する。
【0038】このようなブレーキパッド10,11の動
作は極短い時間内に行われるため、ブレーキペダルを踏
み込むのと殆ど同時に両ブレーキパッド10,11によ
ってディスクロータ4が両側から挟み込まれることにな
り、ブレーキパッド10,11の摩擦材14,15とデ
ィスクロータ4の摩擦摺動面4a,4bとの間の摩擦に
よってディスクロータ4の回転力が熱に変換されて制動
が行われる。なお、ディスクロータ4からブレーキパッ
ド10,11に入力される制動トルクは、トルクメンバ
1を介して車体側に支持される。
【0039】そして、ブレーキパッド11(ブレーキパ
ッド10に関しても同様)がディスクロータ4に押し付
けられると、ピストン7の押圧力によってその磨耗材1
5が圧縮変形することになるが、ピストン7の押圧力が
集中する中央部位15Aにおいて磨耗材15は最も圧縮
変形し、外周側部位15B及び内周側部位15Cにおい
て磨耗材15の圧縮変形量は最小となる。
【0040】つまり、磨耗材15には、その表面は摩擦
摺動面4bに摺接するため平坦な状態を維持するから、
裏金13が変形しつつ、図4(a)に破線で示すような
分布で圧縮変形が生じるのであるが、その場合の面圧p
の分布は、図4()に実線で示すように、中央部位1
5Aで最大となり、そこから外周側部位15B及び内周
側部位15Cに近づくに従って徐々に小さくなるような
分布となる。なお、図4()中のrはロータ径方向に
沿った距離である。
【0041】しかし、摩擦材15の厚さには上述したよ
うなロータ径方向位置に応じた差が与えられており、そ
の厚さの差によって、摩擦材15の圧縮剛性は中央部位
15Aで低く、次に外周側部位15Bが高く、内周側部
位15Cで最も高くなっている。すると、磨耗材15の
面圧の総和が従来のブレーキパッドと等しければ、中央
部位15Aの面圧は従来よりも低くなり、外周側部位1
5B及び内周側部位15Cの面圧は従来よりも高くな
る。このため、ピストン7によって押圧された際の面圧
pの分布は、図4(c)に示すように、中央部位15A
>外周側部位15B>内周側部位15Cとなる。
【0042】この結果、本実施の形態における摩擦材1
5と摩擦摺動面4bとの間の面圧分布は、中央部位15
Aの面圧が外周側部位15B及び内周側部位15Cの面
圧に比べて高くはなっているものの、図4()に破線
で示す従来の面圧分布と比較すれば判るように、従来に
比べれば均一化が図られているのである。さらに、高熱
膨張率の金属からなる金属板21の各部位の厚さに上述
のような差を与えているため、ブレーキパッド11の熱
膨張率Aは、図4(b)に示すように、中央部位で最低
となり、次に外周側部位が低く、最高となるのは内周側
部位である。つまり、ブレーキパッド11の外周側部位
の熱膨張率は、内周側部位の熱膨張率よりも高くなるの
である。このため、制動時の流入熱量Qによる磨耗材1
5の張り出し量は、図4(a)に一点鎖線で示すよう
に、内周側部分15Cの方が外周側部分15Bよりも大
きくなる。
【0043】図5は本実施の形態におけるブレーキパッ
ド10,11の面圧分布の発生メカニズムを概念的に示
した図であり、図中、rはロータ径方向に沿った距離、
pはブレーキパッド10.11の磨耗材14,15とデ
ィスクロータ4の摩擦摺動面4a,4bとの間の面圧、
vはディスクロータ4とブレーキパッド10,11との
間の相対速度、Qはブレーキパッド10,11への流入
熱量、Tはブレーキパッド10,11の温度、Aはブレ
ーキパッド10,11の熱膨張率、Xはブレーキパッド
10,11の熱膨張量である。
【0044】即ち、ブレーキパッド10,11の裏金に
爪部5,ピストン7の押圧力が加わると(図5(a)参
照)、押圧力はロータ径方向の中央部位に集中するた
め、面圧は、図4を伴って説明したように、押圧力が集
中する部分で高く、そこからロータ径方向に離れるに従
って低くなり、且つ内周側部位に比べて外周側部位で低
くなる分布となる(図5(b)参照)。そして、面圧p
と相対速度v(図5(c)参照)との積でブレーキパッ
ド10,11への流入熱量Qが決まるが、相対速度vは
ロータ径方向の外周側程高くなるから、流入熱量Qは、
ブレーキパッド10,11の中央部位で最大となり、次
に外周側部位が大きく、内周側部位が最小となるが、面
圧の分布が上記のように内周側部位に比べて外周側部位
で低くなっているため、外周側部位の流入熱量Qが小さ
くなる分、内周側部位の流入熱量との差の縮小が図られ
ている(図5(d)参照)。
【0045】また、制動中には、ブレーキパッド10,
11の冷却は殆ど無視できるから、磨耗材14,15の
温度Tの分布は、流入熱量Qと略同じ形になり(図5
(e)参照)、ブレーキパッド10,11の熱膨張率
は内周側部位で高く、次に外周側部位で高く、中央部位
で最低となるから(図5(f)参照)、ブレーキパッド
10,11の熱膨張量Xは、中央部位の熱膨張量Xが小
さくなるとともに、外周側部位の熱膨張量Xが内周側部
位の熱膨張量Xよりも小さくなる(図5(g)参照)。
従って、制動中のブレーキパッド10,11の形状の
均一は特に緩和される(図5(h)参照)。
【0046】ここで、従来の構成であると、制動時のブ
レーキパッド10,11の形状が図5(h)に示すよう
な傾向ではなく、中央部で厚く、外周側部位及び内周側
部位で薄くなる傾向があるため、厚い部分の面圧pはさ
らに増加傾向となるから、面圧pの分布はさらに中央部
位が高くなる傾向となり、その面圧pの分布変化によっ
てさらに流入熱量Qの分布も変化し、ブレーキパッド1
0,11の形状の変化が進み、さらに面圧pの分布の中
央部位が高くなり、…、という具合に、制動中には、ロ
ータ径方向の中央部位の面圧pが外周側部位,内周側部
位の面圧pよりも高くなる傾向が助長されるのである。
【0047】そして、面圧pの分布発生の大きな要因と
して、ブレーキパッド10,11を押圧した際の面圧の
不均一にあるが、本実施の形態にあっては、図4(
に比較して示したように、ブレーキパッド10,11を
押圧した際の面圧の不均一が従来よりも緩和されている
ため、面圧pの分布の中央部位が高くなる傾向は従来の
ディスクブレーキ装置に比べて小さくなっているのであ
る。
【0048】よって、本実施の形態の構成であれば、制
動時であってもブレーキパッド10及び11にヒートス
ポットが発生し難いのであり、ヒートスポットが発生し
難くなれば、磨耗材14,15の部分的な磨耗促進等が
緩和されるから、例えばブレーキパッド10,11の交
換間隔が短くなるような不具合によって有効な対策とな
るのである。さらに、相対速度vの大きい外周側部位の
面圧を低くした結果、流入熱量Qの均一化が図られてい
る。このため、ブレーキパッド10,11の形状は中央
部位で厚く、次に外周側部位が厚く、内周側部位は他の
部位に比べて薄くなる傾向となるものの、その外周側部
位と内周側部位との厚さの差は、小さくなる(図5
(h)参照)。その結果、外周側部位の面圧が内周側部
位の面圧よりも高くなる傾向が抑制されるから、より確
実に面圧分布を均一化することができ、ヒートスポット
はさらに発生し難くなるのである。 しかも、ブレーキパ
ッド11の裏金に押圧力が加わった際の面圧pが中央部
位及び外周側部位で低くなり(図5(b)参照)、中央
部位の面圧が高くなる傾向が抑制され、外周側部位の面
圧が内周側部位の面圧よりも高くなる傾向が抑制され、
熱膨張率Aは内周側部位で高く、次に外周側部位で高
く、中央部位で最低となり(図5(f)参照)、中央部
位の熱膨張量Xが小さくなるとともに、外周側部位の熱
膨張量Xが内周側部位の熱膨張量Xよりも小さくなって
いるため(図5(g)参照)、制動時のブレーキパッド
11の形状の不均一がより確実に緩和されている。この
結果、ヒートスポットはさらに発生し難くなっている。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】図乃至図は本発明の第の実施の形態
を示す図であって、図はブレーキパッド11の拡大断
面図である。なお、ブレーキパッド10に関する構成は
ブレーキパッド11の構成と同様であるため、その図示
及び説明は省略する。また、全体的な構成は上記第1の
実施の形態と同様であるため、その図示及び説明は省略
する。
【0056】
【0057】そして、本実施の形態にあっても、磨耗材
15に近い側に配設される金属板21は高熱膨張率の金
属材料で形成され、磨耗材15から遠い側に配設される
金属板20は低熱膨張率の金属材料で形成されている。
さらに、金属板21は、裏金13のロータ径方向の中央
部位13Aにおいて最も薄く、そこからロータ径方向に
沿って外周側及び内周側に離れるに従って徐々に厚くな
り、外周側部位13B及び内周側部位13Cにおいて最
大の厚さを有している。但し、金属板21の磨耗材15
が固着される側の面は平坦になっている。
【0058】一方、金属板20は、ピストン7に押圧さ
れる側(金属板21が張り付けられる側とは逆側)の面
は平坦に形成されているが、金属板21が張り付けられ
る側の面は、その金属板21の形状に整合するように中
央部が突出した形状となっている。具体的には、金属板
20は、中央部位13Aにおいて最大の厚さを有し、そ
こからロータ径方向に沿って外周側,内周側に離れるに
従って連続的に薄くなり、外周側部位13B及び内周側
部位13Cにおいて最小の厚さを有するようになってい
て、それら金属板20及び21を張り合わせれば、裏金
13は平坦になる。
【0059】このような構成であっても、ブレーキパッ
ド11がディスクロータ4に押し付けられると、ピスト
ン7の押圧力が集中する中央部位15Aにおいて磨耗材
15は最も圧縮変形し、外周側部位15B及び内周側部
位15Cにおいて磨耗材15の圧縮変形量は最小となる
から、制動時の磨耗材15の圧縮変形量の分布は、図
(a)に破線で示すようになる。
【0060】一方、本実施の形態では、裏金13を上述
のような熱膨張率の金属板20及び21を張り合わせて
形成するとともに、それら金属板20及び21の厚さを
ロータ径方向の各部位で異ならせているため、ロータ径
方向の各部位におけるブレーキパッド11の熱膨張率A
は、図(b)に実線で示すように、中央部位13Aで
低く、外周側部位13B及び内周側部位13Cで高くな
っている。なお、図(b)の破線は、従来のブレーキ
パッドにおける熱膨張率を示している。
【0061】このため、制動時にブレーキパッド11が
入力熱量Qによって熱膨張すると、裏金13の外周側部
位13B及び内周側部位13Cの熱膨張量が、中央部位
13Aの熱膨張量よりも大きくなり、ブレーキパッド1
1の外周側部位及び内周側部位が表裏面両方に張り出す
ようになって、磨耗材15にも図(a)に一点鎖線で
示すような張り出しが形成される。なお、磨耗材15の
表面はディスクロータ4の摩擦摺動面4bに摺接してい
るから平坦な状態を維持するから、その張り出し部分
は、磨耗材15の圧縮変形として吸収される。
【0062】そして、外周側部位15B及び内周側部位
15Cの張り出し量が大きくなれば、相対的に中央部位
15Aの厚さが薄くなったことと等価になり、制動時に
おけるブレーキパッド11の厚さの不均一が緩和される
のである。
【0063】図はこの第の実施の形態における面圧
分布の発生メカニズムを概念的に示しているが、磨耗材
14,15の厚さを均一としたため、ブレーキパッド1
1の裏金に押圧力が加わった際の面圧pの分布の中央部
位が高くなり(図(b)参照)、中央部位への流入熱
量Qが大きくなっている(図(d)参照)。しかし、
ブレーキパッド11は図(b)に実線で示すような熱
膨張率Aを有しているため(図(f)参照)、ブレー
キパッド11の熱膨張量Xは、中央部位13Aの他に、
外周側部位13B及び内周側部位13Cにおいても大き
くなっている。中央部位13Aの熱膨張量Xが大きいの
は、その部位への流入熱量Qが大きいからであり、外周
側部位13B及び内周側部位13Cの熱膨張量Xが大き
いのは、それら部位の熱膨張率Aが高いからである。
【0064】その結果、制動時におけるブレーキパッド
11の中央部位,外周側部位及び内周側部位の厚さに大
きな差が生じ難くなるから(図(h)参照)、面圧分
布の中央部位が外周側部位及び内周側部位よりも高くな
る傾向が抑制されるのである。よって、この実施の形態
であっても、ヒートスポットはさらに発生し難くなるか
ら、磨耗材14,15の部分的な磨耗促進等が緩和さ
れ、例えばブレーキパッド10,11の交換間隔が短く
なるような不具合によって有効な対策となるのである。
【0065】図乃至図1は本発明の第の実施の形
態を示す図であって、図はブレーキパッド11の拡大
断面図である。なお、ブレーキパッド10に関する構成
はブレーキパッド11の構成と同様であるため、その図
示及び説明は省略する。また、全体的な構成は上記第1
の実施の形態と同様であるため、その図示及び説明は省
略する。
【0066】即ち、本実施の形態の構成は基本的には上
記第の実施の形態と同一であり、異なるのは、裏金1
3を形成する金属板21のロータ径方向の外周側部位1
5Bの厚さを、内周側部位15Cの厚さよりも薄くした
点である。つまり、本実施の形態では、金属板21の各
部位の厚さを、中央部位15A<外周側部位15B<内
周側部位15Cという順番にしている。なお、金属板2
1と張り合わされる金属板20の厚さも、金属板21の
厚さに対応して変更してある。
【0067】このような構成であっても、ブレーキパッ
ド11がディスクロータ4に押し付けられると、ピスト
ン7の押圧力が集中する中央部位15Aにおいて磨耗材
15は最も圧縮変形し、外周側部位15B及び内周側部
位15Cにおいて磨耗材15の圧縮変形量は最小となる
から、制動時の磨耗材15の圧縮変形量の分布は、図1
(a)に破線で示すようになる。
【0068】そして、本実施の形態では、高熱膨張率の
金属からなる金属板21の各部位の厚さに上述のような
差を与えているため、ブレーキパッド11の熱膨張率A
は、図1(b)に示すように、中央部位で最低とな
り、次に外周側部位が低く、最高となるのは内周側部位
である。つまり、上記第の実施の形態とは異なり、ブ
レーキパッド11の外周側部位の熱膨張率は、内周側部
位の熱膨張率よりも高くなるのである。このため、制動
時の流入熱量Qによる磨耗材15の張り出し量は、図1
(a)に一点鎖線で示すように、内周側部分15Cの
方が外周側部分15Bよりも大きくなる。
【0069】図1はこの第の実施の形態における面
圧分布の発生メカニズムを概念的に示しているが、上記
の実施の形態の場合と比較すると、外周側の熱膨張
率Aが低くなり(図1(f)参照)、外周側の熱膨張
量Xが小さくなっている(図1(g)参照)。つま
り、流入熱量Qが大きい外周側部位の熱膨張率Aを低く
した結果、熱膨張量Xがより均一化されるのである。
って、制動時におけるブレーキパッド11の外周側部位
及び内周側部位の厚さの差が上記第の実施の形態の場
合よりもさらに小さくなり(図1(h)参照)、ヒー
トスポットはさらに発生し難くなるのである。
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】なお、上記第1,第の実施の形態では、
磨耗材15の厚さを連続的に変化させているが、これに
限定されるものではなく、段差を付けて段階的に厚さを
変化させてもよい。
【0076】また、上記第1〜3の実施の形態では、裏
金13を形成する金属板20及び21の厚さを段階的に
変化させているが、これに限定されるものではなく、段
差を付けて段階的に厚さを変化させてもよい。
【0077】そして、上記第1〜3の実施の形態では、
裏金13を熱膨張率の異なる二種類の金属板20及び2
1を張り合わせて形成しているが、三種類以上の金属板
で裏金13を形成してもよい。
【0078】さらに、裏金13を例えば熱膨張率の異な
る二種類の金属板で形成する場合、内周側部位13Aを
低熱膨張率の金属板のみで形成し、外周側部位13B及
び内周側部位13Cを高熱膨張率の金属板のみで形成す
るようにしてもよい。つまり、熱膨張率の高い金属板の
厚さを、中央部位13Aでは極薄く(厚さ零)とし、外
周側部位13B及び内周側部位13Cでは厚くするよう
にしてもよい。また、裏金13を例えば熱膨張率の異な
る三種類の金属板で形成する場合、内周側部位13Aを
低熱膨張率の金属板のみで形成し、外周側部位13Bを
中熱膨張率の金属板のみ形成し、内周側部位13Cを高
熱膨張率の金属板のみで形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるディスクブレーキ
装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるディスクブレーキ
装置の断面図である。
【図3】第1の実施の形態におけるブレーキパッドの断
面図である。
【図4】第1の実施の形態の制動時の動作を説明する図
である。
【図5】第1の実施の形態の面圧の発生メカニズムの概
要を示す図である。
【図6】第2の実施の形態におけるブレーキパッドの断
面図である。
【図7】第2の実施の形態の制動時の動作を説明する図
である。
【図8】第2の実施の形態の面圧の発生メカニズムの概
要を示す図である。
【図9】第3の実施の形態におけるブレーキパッドの断
面図である。
【図10】第3の実施の形態の制動時の動作を説明する
図である。
【図11】第3の実施の形態の面圧の発生メカニズムの
概要を示す図である。
【図12】第4の実施の形態におけるブレーキパッドの
断面図である。
【図13】第4の実施の形態の制動時の動作を説明する
図である。
【図14】第4の実施の形態の面圧の発生メカニズムの
概要を示す図である。
【図15】第5の実施の形態におけるブレーキパッドの
断面図である。
【図16】第5の実施の形態の制動時の動作を説明する
図である。
【図17】第5の実施の形態の面圧の発生メカニズムの
概要を示す図である。
【符号の説明】
2 シリンダボディ 4 ディスクロータ 4a,4b 摩擦摺動面 5 爪部 6 シリンダ孔 7 ピストン 10,11 ブレーキパッド 12,13 裏金 13A 中央部位(押圧力が集中する部位) 13B 外周側部位 13C 内周側部位 14,15 磨耗材 15A 中央部位(押圧力が集中する部位) 15B 外周側部位 15C 内周側部位 20,21 金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−127833(JP,A) 特開 平5−1733(JP,A) 特開 平9−177845(JP,A) 実開 昭64−49739(JP,U) 実開 昭60−59832(JP,U) 実開 昭54−56081(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 69/00 - 69/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と共に回転するディスクロータの摩
    擦摺動面に対向して配置されるブレーキパッドと、この
    ブレーキパッドを前記ディスクロータに向けて押圧する
    押圧手段と、を備えるとともに、前記ブレーキパッド
    は、前記ディスクロータの摩擦摺動面に摺接し且つ表面
    が平坦な摩擦材と、この摩擦材を保持する裏金と、を備
    えて構成されるディスクブレーキ装置において、 前記ブレーキパッドの前記摩擦材の厚さを、ディスクロ
    ータ径方向の各部位のうち前記押圧手段による押圧力が
    集中する部位では厚く、ディスクロータ径方向の内周側
    部位及び外周側部位では薄くするとともに、 前記ブレーキパッドの前記裏金を、熱膨張率の異なる複
    数の金属を重ね合わせて形成するとともに、前記複数の
    金属のうち熱膨張率の高い金属の厚さを、ディスクロー
    タ径方向の各部位のうち前記押圧手段による押圧力が集
    中する部位では薄く、ディスクロータ径方向の内周側部
    位及び外周側部位では厚く したことを特徴とするディス
    クブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記摩擦材の前記外周側部位の厚さを前
    記内周側部位の厚さよりも厚くした請求項1記載のディ
    スクブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 車輪と共に回転するディスクロータの摩
    擦摺動面に対向して配置されるブレーキパッドと、この
    ブレーキパッドを前記ディスクロータに向けて押圧する
    押圧手段と、を備えるとともに、前記ブレーキパッド
    は、前記ディスクロータの摩擦摺動面に摺接し且つ表面
    が平坦な摩擦材と、この摩擦材を保持する裏金と、を備
    えて構成されるディスクブレーキ装置において、 前記ブレーキパッドの前記裏金を、熱膨張率の異なる複
    数の金属を重ね合わせて形成するとともに、前記複数の
    金属のうち熱膨張率の高い金属の厚さを、ディスクロー
    タ径方向の各部位のうち前記押圧手段による押圧力が集
    中する部位では薄く、ディスクロータ径方向の内周側部
    位及び外周側部位では厚くしたことを特徴とするディス
    クブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の金属のうち熱膨張率の高い金
    属の前記外周側部位の厚さを前記内周側部位の厚さより
    も薄くした請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載
    ディスクブレーキ装置。
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