JP3514529B2 - 多値fsk検波回路 - Google Patents
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Description
Shift Keying)検波回路に関し、特に、LSI化を意識
したものである。
多値FSK変復調方式が各種通信システムで採用されて
おり、それに対応する多値FSK検波回路としても種々
のものが提案されている。多値FSK検波回路として、
例えば、文献1や文献2に記載のものを挙げることがで
きる。
Mディスクリ検波方式の特性」、昭和55年度電子通信
学会総合全国大会、No.2107 文献2:高瀬、赤岩共著、「多値FMディスクリ検波方
式における中心周波数と変調度変動の補償」、昭55年
度電子通信学会総合全国大会、No.2108
文献1及び文献2の説明からもわかるように、従来の多
値FSK検波回路は、アナログ回路方式であったため、
各部品の定数バラツキの影響を大きく受けてしまうとい
う課題と、LSI(集積回路)化が困難であるという課
題とがあった。そのため、LSI化に適した構成を有す
る多値FSK検波回路が望まれている。
(A)多値FSK変調波信号及び基準クロック信号が入力
され、この多値FSK変調波信号の瞬時位相を検出して
デジタル的に出力する瞬時位相検出回路と、(B)この瞬
時位相検出回路から出力された多値FSK変調波信号の
瞬時位相信号を微分して、多値FSK変調波信号の瞬時
周波数を計算して出力する微分回路と、(C)この微分回
路から出力された瞬時周波数信号から、データ及びデー
タクロックを再生するベースバンド処理回路とで、多値
FSK検波回路を構成したものであり、その内の瞬時位
相検出回路が、(A-1)基準クロック信号に基づいて生成
されたπ/2だけ位相が異なる同一周波数の第1及び第
2のクロック信号を基に、多値FSK変調波信号のこれ
ら第1及び第2のクロック信号を基準とした位相差反映
情報を含む第1及び第2の変調波情報信号を出力する変
調波情報生成回路と、(A-2)これら第1及び第2の変調
波情報信号の移動平均をそれぞれ得る、単純移動フィル
タ回路又は二重移動フィルタ回路でなる第1及び第2の
移動平均フィルタ回路と、(A-3)これら第1及び第2の
移動平均フィルタ回路からの移動平均信号に基づいて、
入力された多値FSK変調波信号の瞬時位相信号を形成
する瞬時位相信号形成用論理回路とでなると共に、ベー
スバンド処理回路が、 (C-1) 再生されたデータクロック
及び上記微分回路からの瞬時周波数信号に基づいて、そ
の瞬時周波数信号が所定の上限及び下限間に入るよう
に、送受信機間の搬送波周波数のずれに基づく誤差を補
償するフィードバック型周波数ずれ補償回路と、 (C-2)
このフィードバック型周波数ずれ補償回路からの瞬時周
波数信号からデータクロックを再生するクロック再生回
路と、 (C-3) 再生されたデータクロック及びフィードバ
ック型周波数ずれ補償回路からの瞬時周波数信号に基づ
いて、その瞬時周波数信号に含まれている、送受信機間
の搬送波周波数のずれに基づく残存誤差を補償するフィ
ードフォワード型周波数ずれ補償回路と、 (C-4) このフ
ィードフォワード型周波数ずれ補償回路によって周波数
ずれが補償された瞬時周波数信号から、再生されたデー
タクロックに基づいて、データを再生するデータ再生回
路とを備えることを特徴とするものである。
との間には、瞬時周波数を積分したものが瞬時位相とな
るという関係があり、逆にいうならば、瞬時位相を微分
したものが瞬時周波数となるという関係がある。瞬時周
波数を得たならば、その瞬時周波数が、どのデータ値に
対応する周波数を有するかを弁別することで、データを
再生することができる。
も、各部品の定数バラツキの影響を受けず、LSI化に
容易に対応できるように、下記構成でなる瞬時位相検出
回路が、基準クロック信号に基づいて、入力された多値
FSK変調波信号の瞬時位相をデジタル的に検出して微
分回路に出力し、微分回路がこの瞬時位相信号を微分し
て、多値FSK変調波信号の瞬時周波数を計算してベー
スバンド処理回路に出力し、ベースバンド処理回路が、
瞬時周波数信号から、データ及びデータクロックを再生
するようにした。
生成回路、第1及び第2の移動平均フィルタ回路、及
び、瞬時位相信号形成論理回路とを有し、変調波情報生
成回路が、基準クロック信号に基づいて生成されたπ/
2だけ位相が異なる同一周波数の第1及び第2のクロッ
ク信号を基に、多値FSK変調波信号のこれら第1及び
第2のクロック信号を基準とした位相差反映情報を含む
第1及び第2の変調波情報信号を出力し、第1及び第2
の移動平均フィルタ回路が、これら第1及び第2の変調
波情報信号の移動平均をそれぞれ得、瞬時位相信号形成
用論理回路がこれら第1及び第2の移動平均フィルタ回
路からの移動平均信号に基づいて、入力された多値FS
K変調波信号の瞬時位相信号を形成することで、入力さ
れた多値FSK変調波信号の瞬時位相信号をデジタル的
に出力する。
方 まず、FSK変調波信号と位相との関係について検討す
る。受信したFSK変調波信号の瞬時周波数をf、搬送
波周波数をf0 、周波数偏移を二値FSK変復調方式で
考えて±Δfとする。なお、周波数偏移の「+」符号は
例えばデジタルの“1”に、「−」符号は例えばデジタ
ルの“0”に割り当てられる。
送波周波数f0 及び周波数偏移±Δfの和で表すことが
できる。この(1) 式の両辺にそれぞれ2πを乗算するこ
とにより、(2) 式に示す各周波数についての関係式が得
られる。なお、ωは瞬時角周波数、ω0 は搬送波の角周
波数、Δωは角周波数偏移である。
t=0からt=tまで積分すると(なお、(3) 式におけ
る∫には積分時間を示す時間範囲を規定する記号を省略
している)、瞬時位相θを求めることができる。
を得る手順を説明したが、逆の手順で考えると、すなわ
ち瞬時位相θを微分すると、瞬時位相θから瞬時周波数
fが得られることが分かる。瞬時周波数fは、(1) 式に
示すように、搬送波周波数f0 及び周波数偏移±Δfの
和であり、搬送波周波数f0 は定まっているので、瞬時
位相θから逆の手順によって、周波数偏移±Δfが得ら
れることが分かる。二値FSK変復調方式であれば、周
波数偏移±Δfの符号がデジタルデータの論理を表して
おり、データを復調することができる。また、四値FS
K変復調方式であれば、周波数偏移、±3Δf、±Δf
の段階が2ビットデジタルデータの論理の組合せを表し
ており、データを復調することができる。
はいずれもかかる考え方に従っており、まず、瞬時位相
θを検出し、それを微分することで瞬時周波数f(瞬時
角周波数ω)を求め、瞬時周波数fに基づいてデータを
再生するものである。瞬時周波数f及び瞬時角周波数ω
間には定数倍の関係があるので、瞬時位相θを微分した
ものを瞬時周波数fの情報として処理することができ
る。
図面を参照しながら詳述する。
成を示すものであり、まず、この図1を参照しながら、
全体構成及びその動作を説明する。
波回路は、大きくは、瞬時位相検出回路105、微分回
路115及びベースバンド処理回路130からなる。
子101から入力された多値FSK変調波信号及び発振
器102が出力した基準クロック信号が入力される。多
値FSK変調波信号の周波数(入力変調波周波数)をf
1 とすると、発振器102は、この入力変調波信号の中
心周波数(以下、入力変調波周波数と呼ぶ)f1 よりも
十分高くかつデータクロックのN倍の周波数f2 を有す
る基準クロック信号を出力する。
許出願PCT/JP/01904号明細書及び図面に記
載されたようなものを適用できる。この第1実施例で
は、後述する低域濾波特性からの理由によって、記載さ
れている瞬時位相検出回路における移動平均フィルタ回
路に代えて二重移動平均フィルタ回路を適用している
(なお、単純移動平均フィルタ回路を適用したものも本
発明の実施例である)。すなわち、瞬時位相検出回路1
05は、2個のエクスクルーシブオア回路106及び1
07と、1/m分周回路108と、π/2移相器109
と、2個の二重移動平均フィルタ回路110及び111
と、瞬時位相信号形成用論理回路(極性制御回路)11
2とからなっている。
クルーシブオア回路106の一方の入力端子には多値F
SK変調波信号(中心周波数f1 )が入力され、他方の
入力端子には発振器102からの基準クロック信号(周
波数f2 )を1/m分周回路108で1/m分周して得
た第1のクロック信号(周波数f2 /mはf1 にほぼ等
しい)が入力される。また、エクスクルーシブオア回路
107の一方の入力端子には多値FSK変調波信号が入
力され、他方の入力端子には1/m分周回路108から
の第1のクロック信号をπ/2移相器109によってπ
/2だけ遅延させた第2のクロック信号が入力される。
FSK変調波信号及び第1のクロック信号との排他的論
理和信号(一致不一致信号:以下、第1の位相差反映信
号と呼ぶ)を得て周波数f2 で動作する二重移動平均フ
ィルタ回路110に入力する。エクスクルーシブオア回
路106からの第1の位相差反映信号が“1”(不一
致)又は“0”(一致)をとる割合及び周期は、変調波
信号及び第1のクロック信号の位相差に応じている。エ
クスクルーシブオア回路107は、変調波信号及び第2
のクロック信号との排他的論理和信号(一致不一致信
号:以下、第2の位相差反映信号と呼ぶ)を得て、上記
二重移動平均フィルタ回路110と同様に動作する二重
移動平均フィルタ回路111に入力する。エクスクルー
シブオア回路107からの第2の位相差反映信号が
“1”(不一致)又は“0”(一致)をとる割合及び周
期は、変調波信号及び第2のクロック信号の位相差、従
って、変調波信号及び第1のクロック信号の位相差に応
じている。
1としては、例えば特公平1−45097号公報に開示
されているものを適用でき、詳細は後述する。
の位相差反映信号の移動平均を求めるものであり、二重
移動平均フィルタ回路111は、第2の位相差反映信号
の移動平均を求めるものである。なお、二重移動平均フ
ィルタ回路が単なる移動平均フィルタ回路と異なる点
は、その移動平均を求める所定時間の区間を時間軸上異
なる位置に2か所とって2か所に係る値を反映させた値
(移動平均値)を出力する点にある。
動平均信号は、多値FSK変調波信号及び第1のクロッ
ク信号の位相差との間に図2(a)に示す関係がある。
一方、二重移動平均フィルタ回路111からの移動平均
信号は、第2の位相差反映信号が第1のクロック信号を
π/2だけ遅延させた第2のクロック信号を基準とした
ものであるので、多値FSK変調波信号及び第1のクロ
ック信号の位相差との間に図2(b)に示す関係があ
る。
(c)共に多値FSK変調波信号及び第1のクロック信
号の位相差(瞬時位相)を示している。図2(a)及び
(b)の縦軸は、出力される移動平均値を示している。
0、111は、低域濾波特性を持ち、さらに位相に関し
てアナログ情報をデジタル情報に変換するA/Dコンバ
ータの役割を果しており、これにより、以後の処理を全
てデジタル的に実行できるようにしている。
1からの移動平均信号は、瞬時位相信号形成用論理回路
112に入力される。論理回路112は、一方の二重移
動平均フィルタ回路(ここでは111)の移動平均信号
の極性(中心値より大で正極性、小で負極性)で他方の
二重移動平均フィルタ回路(ここでは110)の極性を
反転するようにしたものであり、図2(c)に示したよ
うな位相検出特性を呈する。この論理回路112からの
出力信号は、入力変調波信号の瞬時位相を表しており、
当該瞬時位相検出回路105の出力信号として送出され
る。
を構成する遅延回路113及び位相差分計算回路114
に与えられる。この微分回路115においては、瞬時位
相検出信号の時間微分が実行される。
検出信号は、遅延回路113で発振器102の基準クロ
ック信号をクロックとして、1クロック分又は複数クロ
ック分だけ遅延されて位相差分計算回路114に入力さ
れ、この位相差分計算回路114によって、論理回路1
12からの現在の瞬時位相検出信号と遅延された瞬時位
相検出信号との差分が求められる。発振器102からの
基準クロック信号の周波数f2 は、上述したようにデー
タクロックに比べて十分に高い(ここではN倍)周波数
であるので、差分をとる時間間隔は十分短く、そのた
め、差分信号は瞬時位相検出信号の微分値を表してい
る。
ので位相差分計算回路114の出力は、すなわち、瞬時
位相検出信号の微分信号は、基準クロック信号の周波数
を1/m分周した周波数(言い換えると第1のクロック
信号の周波数)に対する瞬時周波数となる。
FSK変調波信号であれば、瞬時周波数の値は、図3
(a)に示すように、周波数偏移+Δf又は−Δfに応
じた値間で変化するものとなる。また、例えば、入力多
値FSK変調波信号が四値FSK変調波信号であれば、
瞬時周波数の値は、図3(b)に示すように、周波数偏
移+3Δf、+Δf、−Δf又は−3Δfに応じた値間
で変化するものとなる。なお、位相差分計算回路114
からの瞬時周波数信号の値はデジタルで表した値である
ので、図3(a)、(b)はこの数値をデジタル/アナ
ログ変換して示してある。
力信号の場合におけるいわゆるアイパタンを示してい
る。位相差分計算回路114からの瞬時周波数信号は、
このアイパタン上のいずれかの軌跡をとるものである。
信号は、微分回路115の出力として、ベースバンド処
理回路130に入力される。
再生回路116、AFC回路117、加算回路118及
びデータ再生回路119でなり、瞬時周波数信号は、ク
ロック再生回路116、AFC回路117及び加算回路
118に入力される。
61−265922号公報に開示されているようなもの
を適用できる。クロック再生回路116は、発振器10
2からの基準クロック信号に基づいて、瞬時周波数信号
から送られてきたデータのクロックを再生する。このよ
うな再生クロックは、AFC回路117、加算回路11
8及びデータ再生回路119に与えられると共に、再生
クロック出力端子121を介して次段の再生データ処理
回路(図示せず)に与えられる。AFC回路117は、
後述するようにして送受信機間の周波数ずれ成分を検出
するものであり、加算回路118は、この検出された周
波数ずれ成分を瞬時周波数信号から除去してその影響を
排除させてデータ再生回路119に与える。データ再生
回路119では、クロック再生回路116の再生クロッ
クを使用しながら、瞬時周波数信号からデータを再生
し、再生データ出力端子120を介して次段の再生デー
タ処理回路(図示せず)に与える。
補足説明 次に、瞬時位相検出回路105について補足説明する。
移動平均フィルタ110の機能による入力された多値F
SK変調波信号の位相検出特性(基準クロック信号を1
/m分周したものに対する入力変調波信号の位相差特
性)は図2(a)に示すように表される。例えば、仮
に、変調波信号及び第1のクロック信号の位相差が0で
あれば、エクスクルーシブオア回路106からの第1の
位相差反映信号は“0”が連続し、その移動平均は0と
なり、また、変調波信号及び第1のクロック信号の位相
差がπであれば、第1の位相差反映信号は“1”が連続
し、その移動平均は最大値(p)となり、変調波信号及
び第1のクロック信号の位相差がその中間であれば、移
動平均は、その位相差に応じた0及び最大値の中間の値
をとる。結局、エクスクルーシブオア回路106及び二
重移動平均フィルタ110の機能による入力多値FSK
変調波信号の位相検出特性は図2(a)に示すようにな
る。
は、第1のクロック信号をπ/2だけ遅延させた第2の
クロック信号と入力多値FSK変調波信号とが入力され
ている。言い換えると、エクスクルーシブオア回路10
6における変調波信号及び第1のクロック信号の位相差
より、エクスクルーシブオア回路107における変調波
信号及び第2のクロック信号の位相差の方がπ/2だけ
常に大きい。そのため、エクスクルーシブオア回路10
7及び二重移動平均フィルタ111の機能による、第1
のクロック信号よりπ/2だけ遅れた第2のクロック信
号に対する入力変調波信号の位相検出特性は図2(a)
に示すように表されるが、エクスクルーシブオア回路1
07及び二重移動平均フィルタ111の機能による第1
のクロック信号に対する入力変調波信号の位相検出特性
は、図2(b)に示すように、図2(a)に示すものよ
りπ/2だけずれて表される。
フィルタ回路111からの移動平均信号が中心値より大
きいときに(このことは、図2(b)に正極性と記載し
ている位相差範囲にあることを意味する)、二重移動平
均フィルタ回路110からの移動平均信号をそのまま通
過させ、これに対し、二重移動平均フィルタ回路111
からの移動平均信号が中心値より小さいときに(このこ
とは、図2(b)に負極性と記載している位相差範囲に
あることを意味する)、二重移動平均フィルタ回路11
0からの移動平均信号の符号を反転させて出力させるよ
うにすれば、論理回路112からの信号の位相検出特性
は、図2(c)に示すようになる。すなわち、−π〜
π、π〜3π、3π〜5π、…のように、2πの範囲に
わたって位相が直線で検出できる。位相は2πをモジュ
ロとしているので、このことは全ての位相にわたって直
線で検出できることを示している。
二重移動平均フィルタ回路110及び111を適用して
いることについて説明する。言い換えると、単純移動平
均フィルタ回路の低域濾波特性と、二重移動平均フィル
タ回路の低域濾波特性との相違について説明する。
は、文献3に記載されているように、(4) 式で表され
る。なお、(4) 式において、fは周波数、τは移動平均
を行なう時間長である。
ル信号処理」、昭和50年11月10日初版発行、PP
43−45 A={2(1−cos 2πfτ)}1/2 /2πfτ …(4) ここで、振幅特性の包絡線特性Aenv を求めると、(5)
式に示すようになり、−6dB/Octの特性を持って
いることが分かる。
なり、単純な移動平均フィルタ回路では、位相差分計算
回路114の出力点で周波数特性(包絡線特性)がフラ
ットになってしまう。そこで、移動平均を二重に重ねる
ことで−12dB/Octの特性を有する二重移動平均
フィルタ回路110及び111を使って、位相差分計算
回路114の出力点で−6dB/Octの特性を持たせ
るようにした。
1としては、例えば図5に示すものを適用できる(特公
平1−45097号公報参照)。
1及び202−2と、2個の論理回路204−1及び2
04−2と、2個のアップダウンカウンタ205−1及
び205−2と、加算回路210と、減算回路211
と、レジスタ212とでなるものを適用できる。
7から出力され、入力端子201から入力された位相差
反映信号は、入力端子203を介して与えられた発振器
102からの基準クロック信号によってシフトレジスタ
202−1に取り込まれ、また、その最終段の前の段か
ら取出された位相差反映信号は、基準クロック信号によ
ってシフトレジスタ202−2に取り込まれる。
の段数(p+1)は、以下のように選定されている。必
要な移動平均時間τを、発振器102からの基準クロッ
ク信号の周波数をf2 とすると、pが(6) 式を満足する
ように選定されている。言い換えると、第p段目までが
移動平均に供する値を格納し、最終段が移動平均時間を
越えたばかりの値を格納するように選定されている。な
お、この点は、後述する単純移動平均フィルタ回路12
6、127、多ビット移動平均フィルタ回路128につ
いても同様である。
理回路204−1に入力され、基準クロック信号のタイ
ミングで比較される。アップダウンカウンタ205−1
の値は、現時点から所定期間前の時点までの所定時間τ
での移動平均値になっている。論理回路204−1は、
初段及び最終段の値(最終段の値は移動平均には反映さ
れない)が一致しているときには、移動平均の変化がな
いとしてアップダウンカウンタ205−1のカウント値
を操作せず、初段の値が“1”で最終段の値が“0”の
ときには移動平均値が増大したとしてアップダウンカウ
ンタ205−1をアップカウントさせ、初段の値が
“0”で最終段の値が“1”のときには移動平均値が減
少したとしてアップダウンカウンタ205−1をダウン
カウントさせる。
理回路204−2及びアップダウンカウンタ205−2
も同様に所定期間τの移動平均値を得るものである。但
し、上述のものより、移動平均に供する所定時間τが、
その直前期間に選定されているという差異がある。
格納し、出力端子213から移動平均信号として出力さ
せるものである。加算回路210は、レジスタ212の
最終的な移動平均値にアップダウンカウンタ205−1
の移動平均値を加算し、減算回路211は、レジスタ2
12の最終的な移動平均値にアップダウンカウンタ20
5−2の移動平均値を減算する。すなわち、レジスタ2
12に格納されている最終的な移動平均値は、現時点を
含めその直前所定期間τの移動平均値と、さらにその直
前所定期間τの移動平均値との差分ずつ修正されていく
ものである。以上のようにして移動平均が移動平均信号
に二重に反映される。
明 次に、AFC回路117について、入力変調波信号が四
値FSK変調波信号であるとして、補足説明する。
信号は、上述したように、図4に示したアイパタン上の
いずれかの軌跡をとる。
m)に差があり、送信側周波数が高いと、アイパタン
は、図6(a)に示すように図4に示す本来のアイパタ
ンより上方にずれる。逆に、送信側周波数が低いと、ア
イパタンは、図6(b)に示すように図4に示す本来の
アイパタンより下方にずれる。
たタイミングtnで、位相差分計算回路114からの瞬
時周波数信号の値を取出し、送受信機間で周波数が一致
しているときに現れる4種類の値+3Δf、+Δf、−
Δf、−3Δfの1番近いものと比較してその差をと
り、この差を何回か平均して周波数誤差として取り出
す。そして、この周波数誤差信号を加算回路118に与
えて、位相差分計算回路114からの瞬時周波数信号か
ら減算させ、瞬時周波数信号における周波数ずれによる
誤差をキャンセルさせる。
イパタンのような正しい瞬時周波数信号がデータ再生回
路119に入力され、正しいデータが再生される。
としては、図7に示すようなフィードフォワード型の内
部構成のものを適用できる。
グtnで瞬時周波数信号の値を取込み、各差分回路30
6、…、309によってその値と基準値+3Δf、+Δ
f、−Δf、−3Δfとの差分をそれぞれ求め、さらに
各絶対値化回路310、…、313によって絶対値に変
換する。この差分絶対値のうち最小のものを最小値検出
回路314が検出してセレクタ315に選択制御信号を
与え、セレクタ315によって、瞬時周波数信号の値と
基準値+3Δf、+Δf、−Δf、−3Δfとの差分値
のうち最小のものを選択させ、この選択された差分値が
多ビットデータの移動平均を求める多ビット移動平均フ
ィルタ回路316(後述する図16参照)に与えられ、
かくして多ビット移動平均フィルタ回路316から周波
数誤差信号が出力される。
ル回路でなる、瞬時位相検出回路105、微分回路11
5、ベースバンド処理回路130等の構成要素によって
多値FSK検波回路を構成したので、製造バラツキのな
い多値FSK検波回路が実現でき、また、LSI化に容
易に対応することができる。
回路105内の移動平均フィルタ回路として二重移動平
均フィルタ回路110及び111を適用しているので、
微分回路105からの瞬時周波数信号に−6dB/Oc
tの特性を持たせることができ、データ生成精度を高め
ることができる。
117及び加算回路118を設けて、送受信機間の周波
数ずれを補償した後、データ再生させるようにしたの
で、この点からも正確な再生データを得られるようにで
きる。
図面を参照しながら詳述する。ここで、図8がこの第2
実施例の構成を示すものであり、上述した図1との同
一、対応部分には同一符号を付して示している。
施例の多値FSK検波回路は、第1実施例に比較して、
ベースバンド処理回路130Aの構成が異なっており、
微分回路115までの構成及び動作は同様である。
Aは、第1実施例でも存在していたクロック再生回路1
16、AFC回路(この第2実施例の説明においてはフ
ィードフォワード型AFC回路と呼ぶ:図ではF.F.
AFCで表している)117、加算回路118及びデー
タ再生回路119に加えて、フィードバック型AFC回
路(図ではF.B.AFCで表している)150及び加
算回路151を備えている。
実施例の多値FSK検波回路よりも、送受信機間の搬送
波周波数の相違が大きくなる可能性を有する伝送システ
ムに適用して好適なものである。
るAFC動作は、図6(a)及び図6(b)に示す周波
数ずれ成分の絶対値が、四値の各値の最小差2Δfの半
分(すなわちΔf)を越えると、本来修正すべき方向と
は逆方向へ引っ張られ、間違った方向に修正されること
になる。従って、送受信機間で大きな周波数ずれが予想
される伝送システムでは、第1実施例を適用できず、こ
の場合には、第2実施例の多値FSK検波回路を適用す
れば良い。
回路150及び加算回路151が、送受信機間で搬送波
周波数に大きな周波数ずれがあっても、高い再生精度を
補償するためのものであり、フィードフォワード型AF
C回路117及び加算回路118による周波数ずれ成分
の除去構成を補って、上述した不都合の発生を未然に防
止しようとしたものである。
瞬時周波数信号から、フィードバック型AFC回路15
0が粗く検出したその瞬時周波数信号に含まれている周
波数ずれ成分を除去し、クロック再生回路116、フィ
ードフォワード型AFC回路117、加算回路118及
びフィードバック型AFC回路150に与えるものであ
る。フィードバック型AFC回路150は、加算回路1
51からの瞬時周波数信号が、その瞬時周波数信号に対
して予め設定されている上限及び下限間の範囲を越えた
ときに内部のローパスフィルタを通して加算回路151
にフィードバックさせ、加算回路151からの瞬時周波
数信号が上記上限及び下限の範囲内に入るように制御す
るものであり、加算回路151からの瞬時周波数信号に
おける周波数ずれの影響をある値まで軽減するものであ
る。
及び加算回路151の構成は、特公平5−1662号公
報の「受信周波数補正方式」で示されるアナログ的手法
をデジタル的手段に置き換えたものであり、より詳細な
説明は後述する。
ード型AFC回路117及び加算回路118はそれぞ
れ、第1実施例に比較すると、微分回路115の出力瞬
時周波数信号が入力されるのではなく、微分回路115
の出力瞬時周波数信号に含まれている周波数ずれ成分が
粗く除去された瞬時周波数信号が入力されるという相違
はあるが、第1実施例と同様に作用する。データ再生回
路119も、第1実施例同様に、クロック再生回路11
6の再生クロックを使用しながら、加算回路118の出
力瞬時周波数信号からデータを再生する。
117には、フィードバック型AFC回路150及び加
算回路151によって、ある範囲内に周波数ずれ成分が
押さえられた瞬時周波数信号が入力されるので、送受信
機間で搬送波周波数に大きな周波数ずれがあっても、周
波数ずれ成分を正しく検出することができる。
0の詳細構成例を加算回路151と共に示すものであ
る。図10は、フィードバック型AFC回路150の動
作説明に供するアイパタンを示す図面である。なお、図
10におけるアイパタンは、送受信機間の搬送波周波数
が一致している場合のものである。
限コンパレータ351、下限コンパレータ352、上限
リミッタ353、下限リミッタ354及びアップダウン
カウンタ355から構成されている。
ータ352には、加算回路151からの瞬時周波数信号
が入力され、上限コンパレータ351又は下限コンパレ
ータ352はそれぞれ、入力された瞬時周波数信号を、
クロック再生回路116からの再生クロックのタイミン
グで、図10に示す上限値BU (正規の3△f<BU<
正規の4△f)又は下限値BL (正規の−4△f<BL
<正規の−3△f)を比較する。上限コンパレータ35
1は、入力瞬時周波数信号が上限値BU を越えたら出力
パルスを上限リミッタ353に送り、この上限リミッタ
353の出力によってアップダウンカウンタ355をダ
ウンカウントさせる。一方、下限コンパレータ352
は、入力瞬時周波数信号が下限値BL より小さくなると
出力パルスを下限リミッタ354に送り、この下限リミ
ッタ354の出力によってアップダウンカウンタ355
をアップカウントさせる。アップダウンカウンタ355
は、ローパスフィルタ機能を有し、そのカウント値を加
算回路151にフィードバックする。
側の搬送波周波数より高いと、微分回路115からの図
10に示す瞬時周波数信号のアイパタンは上昇する。こ
の瞬時周波数信号が上限値Bu を越えると、上限コンパ
レータ351からダウンカウントを指示する出力パルス
が出力され、上限リミッタ353を介してアップダウン
カウンタ355に与えられ、アップダウンカウンタ35
5のカウント値は負の方向に変化し、かかる動作の繰返
しの結果、加算回路151からの瞬時周波数信号のアイ
パタンは最大値が上限値Bu に一致するところまで下げ
られる。逆に、送信機側の搬送波周波数が相対的に受信
機側の搬送波周波数より低いと、微分回路115からの
図10に示す瞬時周波数信号のアイパタンは下降する。
この瞬時周波数信号が下限値Bl より小さくなると、下
限コンパレータ352からアップカウントを指示する出
力パルスが出力され、下限リミッタ354を介してアッ
プダウンカウンタ355に与えられ、アップダウンカウ
ンタ355のカウント値は正の方向に変化し、かかる動
作の繰返しの結果、加算回路151からの瞬時周波数信
号のアイパタンは最小値が下限値BL に一致するところ
まで上げられる。また、微分回路115からの瞬時周波
数信号のアイパタンが上限値Bu 及び下限値BL 間にあ
ると、上限コンパレータ351及び下限コンパレータ3
52から出力パルスが送出されないので、アップダウン
カウンタ355はそのままのカウント値を保つ。
0及び加算回路151の動作によって、周波数ずれがか
なり大きくても、後段のフィードフォワード型AFC回
路117及び加算回路118で除去可能な周波数ずれま
で、微分回路115からの瞬時周波数信号における周波
数ずれを押さえる(軽減する)ことができる。
能な範囲は、このような機能を担える程度に選定されて
いる。上限リミッタ353及び下限リミッタ354はそ
れぞれ、アップダウンカウンタ355がオーバーフロー
するのを防止するものであり、オーバーフローする前
に、ダウンカウント又はアップカウントするのを制限す
る。すなわち、微分回路115からの瞬時周波数信号の
アイパタンの最大値が上限値Bu より過度に越えている
場合において、また、微分回路115からの瞬時周波数
信号のアイパタンの最小値が下限値BL より過度に小さ
い場合において、アップダウンカウンタ355のオーバ
ーフローによって、周波数制御の動作が乱れてしまうこ
とを防止する。上限リミッタ353及び下限リミッタ3
54はそれぞれ、アップダウンカウンタ355がオーバ
ーフローする恐れがなければ対応するコンパレータ35
1、352からの出力パルスをそのまま通過させ、アッ
プダウンカウンタ355がオーバーフローする恐れがあ
れば対応コンパレータ351、352からの出力パルス
の通過を阻止する。
動作を行なおうとすると、ローパスフィルタのカットオ
フ周波数を高くする必要があり、カットオフ周波数を高
くするとAFC動作に伴って雑音が加算されてしまうと
いう欠点がある。この実施例のフィードバック型AFC
回路150は、上限値Bu と下限値BL の内側に瞬時周
波数信号があるときには制御を行なわないので、雑音が
加算されることはなく高速動作を行なうことができる。
算回路151による周波数ずれの補正構成では、微分回
路115からの瞬時周波数信号における周波数ずれを全
て除去して瞬時周波数信号が有する本来のアイパタンに
合わせる機能はないが、後段の加算回路118及びフィ
ードフォワード型AFC回路117が残りの周波数ずれ
を除去する。すなわち、四値FSK変調信号における各
値間の最小差を2△fとすると、フィードバック型AF
C回路150及び加算回路151によって周波数ずれを
△fよりも十分小さい値まで補正し、加算回路118及
びフィードフォワード型AFC回路117が残りの△f
より小さい周波数ずれを補正し、瞬時周波数信号を本来
のアイパタンに合わせる。
には、第1実施例の処理構成を有するので、第1実施例
と同様な効果を奏する。これに加えて、第2実施例によ
れば、ベースバンド処理回路130Aが、送受信機間の
搬送波周波数のずれを2段で補正するようにしているの
で、送受信機間の搬送波周波数のずれが大きい伝送シス
テムであっても、高精度にデータを再生することができ
る。
図面を参照しながら詳述する。ここで、図11がこの第
3実施例の構成を示すものであり、上述した図1との同
一、対応部分には同一符号を付して示している。
実施例の多値FSK検波回路よりも高い周波数の入力多
値FSK変調波信号を処理できるようにしたものであ
る。瞬時位相検出回路105への入力信号の周波数は、
好ましい周波数が定まっている。例えばあまりにも高い
サンプリング周波数で動作するようにすると、各回路素
子に求められる動作速度の要求が高くなり、従って、消
費電流が増加することになる。また、低いサンプリング
周波数を選択すると、再生データのエラー率を大きくさ
せる。そのため、高くもなく低くもない周波数が好まし
い。第3実施例は、多値FSK変調波信号の周波数が、
瞬時位相検出回路105への入力信号の好ましい周波数
より高い場合に好適な構成となっている。
に、第3実施例の回路は、第1実施例の構成にさらに1
/n分周器103及びエクスクルーシブオア回路104
を追加したものである。
の基準クロック信号を1/n分周して、エクスクルーシ
ブオア回路104の一方の入力端子に加えるものであ
る。エクスクルーシブオア回路104の他方の入力端子
は変調波入力端子101に接続され、中心周波数f3
(第1実施例ではf1 で表していた)の多値FSK変調
波信号が入力される。このエクスクルーシブオア回路1
04はミキサの役目を果しており、二重移動平均フィル
タ回路110及び111の低域濾波特性を考慮すると、
入力変調波信号の中心周波数f3 を、周波数f3 −f2
/n(上記第1実施例のf1 に対応)の信号に変換する
役目を果している。
相検出回路105に入力されて、第1実施例と同様に処
理される。
出回路105に入力される信号の周波数f3 −f2 /n
と、1/m分周回路108からの信号の周波数f2 /m
とが等しいことが求められる。
の中心周波数f3 =10.8MHzの場合を考えてみ
る。瞬時位相検出回路105への入力信号の周波数f3
−f2 /nは、その構成のLSI化の実現性や再生デー
タのエラー率等を考慮すると1.2MHz程度が好まし
い。また、この実施例では、上述のように基準クロック
信号の周波数f2 がデータ速度の整数倍(N倍)である
ことを要する。これらを考慮すると、f2 =N(=5
0)×384KHz=19.2MHz、m=16、n=
2で(7) 式を満たすことができる。
的には、第1実施例の処理構成を有するので第1実施例
と同様な効果を奏する。また、エクスクルーシブオア回
路104及び1/n分周回路103を設けたので、当該
多値FSK検波回路への入力多値FSK変調波信号の周
波数が高くなっても検波できる。すなわち、製造バラツ
キのないLSI化に容易に対応できる高周波数用の多値
FSK検波回路を実現できる。
図面を参照しながら詳述する。ここで、図12がこの第
4実施例の構成を示すものであり、第3実施例に係る上
述した図11との同一、対応部分には同一符号を付して
示している。
においては、当該多値FSK検波回路への入力変調波信
号の周波数f3 と、発振器102からの基準クロック信
号の周波数f2 との間に(7) 式に示す関係が成立するこ
とが必要である。また、基準クロック信号の周波数f2
がデータ速度の整数倍である必要がある。入力変調波信
号の周波数f3 によっては、周波数f2 がデータ速度の
整数倍であるという条件及び(7) 式が成立するという条
件の両者を共に満足させようとすると、周波数f2 が現
実的でない非常に高い周波数になることがある。
回路は、(7) 式が成立するという条件だけを満足させ、
周波数f2 がデータ速度の整数倍という条件を満足しな
いために生じる不都合を補償する構成を設けている。す
なわち、発振器123(発振器102と区別するため第
2の発振器と呼ぶ)、サンプリング回路124及び1/
k分周回路125を、第3実施例の構成に追加して設け
ている。
倍の周波数を有する基準クロック信号(発振器102か
らの基準クロック信号と区別するため第2の基準クロッ
ク信号と呼ぶ)を、1/k分周回路125、遅延回路1
13及びクロック再生回路116に与える。1/k分周
回路125は、この第2の基準クロック信号を1/k分
周してサンプリング回路124に与える。サンプリング
回路124は、瞬時位相検出回路105及び微分回路1
15間に介挿されており、1/k分周回路125からの
信号に基づいて瞬時位相検出回路105からの瞬時位相
検出信号を再サンプリングし、1/k分周回路125か
らの信号が有する周波数をサンプリング周波数としてい
る瞬時位相検出信号を微分回路115に出力する。遅延
回路113及びクロック再生回路116は、当然に第2
の基準クロック信号に基づいて動作する。
0.7MHz(第2実施例の説明では10.8MHzで
行なっている)の場合には、m=16、n=2で(7) 式
を満足させるためには、発振器102からの基準クロッ
ク信号の周波数f2 は19.0222MHzとなる。こ
の周波数f2 は、データ速度(384KHz)の整数倍
とはならず、第3実施例によれば、クロック再生回路1
16の内部構成からクロック再生回路116でのクロッ
ク抽出が難しい。
2の発振器123を用意し、データ速度(384KH
z)の整数倍(50倍)の周波数f4 (例えば19.2
MHz)を有する第2の基準クロック信号を発生させて
遅延回路113及びクロック再生回路116に与えるこ
とにより、第3実施例と同様に復調処理をできるように
した。しかし、この場合、瞬時位相検出回路105の出
力レートは周波数f2 であるのに対して、それ以後の処
理は周波数f4 を基本としたものであり、非同期となっ
てしまう。
回路115間に、第2の発振器123からの第2の基準
クロック信号を1/k分周回路125を介して1/k分
周した信号の速度でサンプリングするサンプリング回路
124を設けている。
出信号は、二重移動平均フィルタ回路110及び111
により高周波成分は除去されており、出力サンプリング
レートに対してデータ存在周波数帯域は非常に小さく、
サンプリング回路124によって非同期でサンプリング
しても折返し現象によるデータ品質劣化はほとんどな
い。
れぞれがデジタル回路でなる、瞬時位相検出回路10
5、微分回路115、ベースバンド処理回路130等の
構成要素によって多値FSK検波回路を構成したので、
また、入力段にエクスクルーシブオア回路104を設け
て高い周波数f3 の多値FSK変調波信号の周波数を低
減して瞬時位相検出回路105に入力するようにしたも
ので、製造バラツキのない高周波数用の多値FSK検波
回路が実現でき、また、LSI化に容易に対応すること
ができる。
調波信号の周波数は、データ速度にかかわらず任意の周
波数であっても良い。
図面を参照しながら詳述する。ここで、図13がこの第
5実施例の構成を示すものであり、第4実施例に係る上
述した図12との同一、対応部分には同一符号を付して
示している。
に、第5実施例の多値FSK検波回路は、サンプリング
回路124の介挿位置が第4実施例と異なっている。す
なわち、この第5実施例では、微分回路115及びベー
スバンド処理回路130間にサンプリング回路124を
介挿させている。微分回路115までは、発振器102
からの基準クロック信号に基づいて動作し、サンプリン
グ回路124以降は第2の発振器123からの第2の基
準クロック信号に基づいて動作し、これ以外の点は第4
実施例と同様である。
例と同様な効果を奏する。
図面を参照しながら詳述する。ここで、図14がこの第
6実施例の構成を示すものであり、第1実施例に係る上
述した図1との同一、対応部分には同一符号を付して示
している。
1実施例と異なる点は、微分回路115及びベースバン
ド処理回路130間に多ビット移動平均フィルタ回路1
28を介挿している点、瞬時位相検出回路105内の移
動平均フィルタ回路として二重移動平均フィルタ回路1
10、111に代えて単純移動平均フィルタ回路12
6、127を適用している点である。
瞬時周波数信号のS/N比は、再生データのエラー率に
影響を与える。ところで、このような瞬時周波数信号を
出力する微分回路115は、上述したように、+6dB
/Octの特性を有するため、周波数が高くなるに従い
歪みを大きくさせる。そこで、この第6実施例において
は、ベースバンド処理回路130の直前に低域濾波特性
を有する多ビット移動平均フィルタ回路128を設けて
いる。この多ビット移動平均フィルタ回路128が二重
移動平均の一方の移動平均を担っていると見ることもで
きるので、この第6実施例においては、瞬時位相検出回
路105内の移動平均フィルタ回路として単純移動平均
フィルタ回路126、127を適用している。
8を設けた理由が上述のようであり、二重移動平均を分
散させて行なうということは2次的なものであるので、
瞬時位相検出回路105内の移動平均フィルタ回路とし
て、二重移動平均フィルタ回路110、111をそのま
ま適用しても良い。
7としては、例えば図15に示すものを適用できる(特
公平4−10776号公報参照)。
路404及びアップダウンカウンタ405でなるものを
適用できる。
7から出力され、入力端子401から入力された位相差
反映信号は、入力端子403を介して与えられた発振器
102からの基準クロック信号によってシフトレジスタ
402に取り込まれる。シフトレジスタ402の初段及
び最終段の値は、論理回路404に入力され、基準クロ
ック信号のタイミングで比較される。アップダウンカウ
ンタ405の値は、現時点から所定期間τ前の時点まで
の移動平均値になっている。論理回路404は、初段及
び最終段の値(最終段の値は移動平均には反映されな
い)が一致しているときには、移動平均の変化がないと
してアップダウンカウンタ405のカウント値を操作せ
ず、初段の値が“1”で最終段の値が“0”のときには
移動平均値が増大したとしてアップダウンカウンタ40
5をアップカウントさせ、初段の値が“0”で最終段の
値が“1”のときには移動平均値が減少したとしてアッ
プダウンカウンタ405をダウンカウントさせる。この
ように逐次更新されるアップダウンカウンタ405の値
が移動平均信号として出力端子406から送出される。
単純移動平均フィルタ回路126及び127と異なって
多ビット(ここではjビットとする)の入力信号を扱う
ものであるが、例えば、図15に示す構成と類似してい
る図16に示すものを適用できる。すなわち、入力レジ
スタ502、jビットシフトレジスタ(1ビットシフト
レジスタ群503−1〜503−j)503、加算回路
504、減算回路505及び出力レジスタ506でなる
ものを適用し得る。
振器102からの基準クロック信号によって入力レジス
タ502に取り込まれた後、その基準クロック信号に同
期してjビットシフトレジスタ503に入力されて順次
シフトしていく。ここで、出力レジスタ506は移動平
均値を格納し、出力端子507から移動平均信号として
出力させるものである。加算回路504は、出力レジス
タ506に格納されている直前の移動平均値に、jビッ
トシフトレジスタ503の初段のjビットデータを加算
して現時点のjビットデータを移動平均値に反映させ、
減算回路505は、出力レジスタ506に格納されてい
る移動平均値から、jビットシフトレジスタ503の最
終段のjビットデータを減算して移動平均時間τを越え
たjビットデータが移動平均値に反映されることを除外
する。
力信号のアイパタンは、送受信機間でキャリア周波数の
ずれがなければ、上記図4に示すようになり、ベースバ
ンド処理回路130は、第1実施例と同様の動作を行な
う。
例と同様に、それぞれがデジタル回路でなる、瞬時位相
検出回路105、微分回路115、ベースバンド処理回
路130等の構成要素によって多値FSK検波回路を構
成したので、製造バラツキのないLSI化に容易に対応
できる多値FSK検波回路が実現できる。微分回路11
5の後段に多ビット移動平均フィルタ回路128を設け
たので、再生データのエラー率をより小さく押さえるこ
とが期待できる。
例又は第5実施例の特徴構成を追加したものも本発明の
実施例となる。なお、今までの説明で動作や機能が明ら
かなので、詳細説明は省略する。
のである。第7実施例は、第6実施例の構成に、第3実
施例の特徴構成である周波数変換のための1/n分周回
路103及びエクスクルーシブオア回路104を追加し
たものである。
のである。第8実施例は、第7実施例における瞬時位相
検出回路105及び微分回路115間にサンプリング周
波数変換用のサンプリング回路124を介挿すると共
に、そのサンプリング周波数規定用の第2の発振器12
3及び1/k分周回路125を設けたものである。
のである。第9実施例は、第8実施例におけるサンプリ
ング回路124の介挿位置を微分回路115の後段にし
たものである。
ベースバンド処理回路130に代えて、第2実施例で説
明したようなフィードバック型AFC回路150及び加
算回路151を有するベースバンド処理回路130Aに
適用したものもそれぞれ本発明の実施例を構成する。な
お、今までの説明で動作や機能が明らかなので、詳細説
明は省略する。
ものである。第10実施例は、図11に示す第3実施例
におけるベースバンド処理回路130に代えて、第2実
施例で説明したベースバンド処理回路130Aに適用し
たものである。
ものである。第11実施例は、図12に示す第4実施例
におけるベースバンド処理回路130に代えて、第2実
施例で説明したベースバンド処理回路130Aに適用し
たものである。
ものである。第12実施例は、図13に示す第5実施例
におけるベースバンド処理回路130に代えて、第2実
施例で説明したベースバンド処理回路130Aに適用し
たものである。
ものである。第13実施例は、図14に示す第6実施例
におけるベースバンド処理回路130に代えて、第2実
施例で説明したベースバンド処理回路130Aに適用し
たものである。
ものである。第14実施例は、図17に示す第7実施例
におけるベースバンド処理回路130に代えて、第2実
施例で説明したベースバンド処理回路130Aに適用し
たものである。
ものである。第15実施例は、図18に示す第8実施例
におけるベースバンド処理回路130に代えて、第2実
施例で説明したベースバンド処理回路130Aに適用し
たものである。
ものである。第16実施例は、図19に示す第9実施例
におけるベースバンド処理回路130に代えて、第2実
施例で説明したベースバンド処理回路130Aに適用し
たものである。
されず、上記各実施例の一部を変形した各種実施例も含
むものである。数例を挙げれば以下の通りである。
数にほとんとずれがないように構成できたものであれ
ば、AFC回路(フィードフォワード型AFC回路)1
17及び加算回路118や、フィードバック型AFC回
路150及び加算回路151を省略することができる。
及び111、又は、126及び127からの信号に、π
/2だけの位相差を与えるためには、エクスクルーシブ
オア回路106及び107に入力される搬送波周波数信
号間にπ/2だけの位相差があれば良く、そのために
は、位相を遅れさせるπ/2移相回路109に代え、位
相を進めさせるπ/2移相回路を適用しても良く、ま
た、移相方向が異なる2個のπ/4移相回路によってπ
/2の位相差を形成させるようにしても良い。
る2個の移動平均信号から、−π〜π、π〜3π、3π
〜5π、…のような2πの範囲で直線変化する位相特性
を有する信号を作成できれば良いので、上記実施例の方
法に限定されない。例えば、図2(b)に示す位相特性
を有する信号の負極性で図2(a)に示す位相特性を有
する信号の極性を維持させ、図2(b)に示す位相特性
を有する信号の正極性で図2(a)に示す位相特性を有
する信号の極性を反転するものであっても良い。
は、上述した図面に示したものに限定されない。例え
ば、図5に示した二重移動平均フィルタ回路は、特公平
1−45097号の第4図に対応したものであるが、特
公平1−45097号の第4図に対応したものを適用し
ても良い。また、例えば、図12に示した単純移動平均
フィルタ回路は、特公平4−10776号の第5図に対
応したものであるが、特公平4−10776号の第7図
に対応したものを適用しても良い。
106、107に代えてエクスクルーシブノア回路を適
用しても良い。
れがデジタル回路でなる、瞬時位相検出回路、微分回
路、ベースバンド処理回路等の構成要素によって多値F
SK検波回路を構成したので、製造バラツキのない多値
FSK検波回路が実現でき、また、LSI化に容易に対
応することができる。
位相特性の説明図である。
である。
タンを示す図である。
成を示すブロック図である。
ある。
ブロック図である。
図である。
構成を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
る。
周回路、104、106、107…エクスクルーシブオ
ア回路、105…瞬時位相検出回路、109…π/2移
相回路、110、111…二重移動平均フィルタ回路、
112…論理回路、113…遅延回路、114…位相差
分検出回路、115…微分回路、116…クロック再生
回路、117…AFC回路(フィードフォワード型AF
C回路)、118、151…周波数ずれ補償用加算回
路、119…データ再生回路、124…サンプリング回
路、126、127…単純移動平均フィルタ回路、12
8…多ビット移動平均フィルタ回路、130、130A
…ベースバンド処理回路、150…フィードバック型A
FC回路。
Claims (8)
- 【請求項1】 多値FSK変調波信号及び基準クロック
信号が入力され、この多値FSK変調波信号の瞬時位相
を検出してデジタル的に出力する瞬時位相検出回路と、 この瞬時位相検出回路から出力された多値FSK変調波
信号の瞬時位相信号を微分して、上記多値FSK変調波
信号の瞬時周波数を計算して出力する微分回路と、 この微分回路から出力された瞬時周波数信号から、デー
タ及びデータクロックを再生するベースバンド処理回路
とでなり、 上記瞬時位相検出回路が、 上記基準クロック信号に基づいて生成されたπ/2だけ
位相が異なる同一周波数の第1及び第2のクロック信号
を基に、上記多値FSK変調波信号のこれら第1及び第
2のクロック信号を基準とした位相差反映情報を含む第
1及び第2の変調波情報信号を出力する変調波情報生成
回路と、 これら第1及び第2の変調波情報信号の移動平均をそれ
ぞれ得る、単純移動フィルタ回路又は二重移動フィルタ
回路でなる第1及び第2の移動平均フィルタ回路と、 これら第1及び第2の移動平均フィルタ回路からの移動
平均信号に基づいて、入力された上記多値FSK変調波
信号の瞬時位相信号を形成する瞬時位相信号形成用論理
回路とでなり、 上記ベースバンド処理回路が、 再生されたデータクロック及び上記微分回路からの瞬時
周波数信号に基づいて、その瞬時周波数信号が所定の上
限及び下限間に入るように、送受信機間の搬送波周波数
のずれに基づく誤差を補償するフィードバック型周波数
ずれ補償回路と、 このフィードバック型周波数ずれ補償回路からの瞬時周
波数信号からデータクロックを再生するクロック再生回
路と、 再生されたデータクロック及び上記フィードバック型周
波数ずれ補償回路からの瞬時周波数信号に基づいて、そ
の瞬時周波数信号に含まれている、送受信機間の搬送波
周波数のずれに基づく残存誤差を補償するフィードフォ
ワード型周波数ずれ補償回路と、 このフィードフォワード型周波数ずれ補償回路によって
周波数ずれが補償された瞬時周波数信号から、再生され
たデータクロックに基づいて、データを再生するデータ
再生回路とを備える ことを特徴とする多値FSK検波回
路。 - 【請求項2】 上記変調波情報生成回路が、 上記基準クロック信号を1/m分周(mは整数)する1
/m分周回路と、 分周されたクロック信号を2分岐し、少なくとも分岐し
た一方のクロック信号の位相を操作してπ/2だけ位相
が異なる上記第1及び第2のクロック信号を形成するク
ロック信号形成回路と、 当該瞬時位相検出回路に入力された上記多値FSK変調
波信号と、上記第1のクロック信号との論理レベルの一
致不一致信号を形成して第1の変調波情報信号として出
力する第1の一致不一致回路と、 当該瞬時位相検出回路に入力された上記多値FSK変調
波信号と、上記第2のクロック信号との論理レベルの一
致不一致信号を形成して第2の変調波情報信号として出
力する第2の一致不一致回路とを備えることを特徴とす
る請求項1に記載の多値FSK検波回路。 - 【請求項3】 上記基準クロック信号に基づいて、入力
された多値FSK変調波信号の周波数を変換し、周波数
が変換された多値FSK変調波信号を上記瞬時位相検出
回路に入力させる周波数変換回路を設けたことを特徴と
する請求項1又は2に記載の多値FSK検波回路。 - 【請求項4】 上記周波数変換回路が、 上記基準クロック信号を1/n分周(nは整数)する1
/n分周回路と、 この1/n分周回路から出力されたクロック信号と、入
力された上記多値FSK変調波信号との論理レベルの一
致不一致を求める周波数変換用一致不一致回路とを備え
ることを特徴とする請求項3に記載の多値FSK検波回
路。 - 【請求項5】 上記微分回路及び上記ベースバンド処理
回路が、上記基準クロック信号とは異なる周波数であっ
て、データ速度のN倍(Nは整数)の周波数を有する第
2の基準クロック信号に基づいて動作することを特徴す
る請求項1〜4のいずれかに記載の多値FSK検波回
路。 - 【請求項6】 上記ベースバンド処理回路が、上記基準
クロック信号とは異なる周波数であって、データ速度の
N倍(Nは整数)の周波数を有する第2の基準クロック
信号に基づいて動作することを特徴する請求項1〜4の
いずれかに記載の多値FSK検波回路。 - 【請求項7】 上記第2の基準クロック信号を1/k分
周(kは整数)する1/k分周回路と、 この1/k分周回路からのクロック信号に基づいて、入
力信号のサンプリング周波数を変換して出力するサンプ
リング回路とを備え、 上記サンプリング回路が、上記基準クロック信号で動作
する最も後段の回路の後段に設けられていることを特徴
する請求項5又は6に記載の多値FSK検波回路。 - 【請求項8】 上記微分回路及び上記ベースバンド処理
回路間に、多ビット移動平均フィルタ回路を設けたこと
を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多値FS
K検波回路。
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