JP3514222B2 - 圧電共振子、電子部品及び電子機器 - Google Patents

圧電共振子、電子部品及び電子機器

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JP3514222B2
JP3514222B2 JP2000253661A JP2000253661A JP3514222B2 JP 3514222 B2 JP3514222 B2 JP 3514222B2 JP 2000253661 A JP2000253661 A JP 2000253661A JP 2000253661 A JP2000253661 A JP 2000253661A JP 3514222 B2 JP3514222 B2 JP 3514222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電共振子、圧電部
品及び圧電機器に関し、特に、圧電体層の弾性振動を利
用した圧電共振子とそれを利用した電子部品および電子
機器に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電基板の厚み振動を利用した圧電薄膜
共振子の共振周波数は、圧電基板の厚さに反比例し、超
高周波領域では圧電基板を極めて薄く加工する必要があ
る。しかし、圧電基板自体の厚さを薄くするのは、その
機械的強度や取り扱い上の制限などから、基本モードで
は数100MHzが実用上の高周波限界とされてきた。
【0003】このような問題を解決するため、従来より
圧電薄膜共振子が提案されており、フィルタや共振器と
して提案されている。この圧電薄膜共振子1は、図1に
示すように、微細加工法を用いてSi基板2を部分的に
エッチングすることにより、Si基板2の一部に数μm
以下の厚さの薄膜支持部3を形成し、その上に一対の励
振用電極5a,5bを有するZnO圧電薄膜4を設けた
ものである。
【0004】このような圧電薄膜共振子1では、薄膜支
持部3は微細加工技術を用いて薄くすることができ、圧
電薄膜4もスパッタリング等によって薄く形成すること
ができるので、数100MHz〜数1000MHzまで
高周波特性を延ばすことができる可能性がある。
【0005】しかし、ZnOの共振周波数の温度係数
(TCF)は約−70ppm/℃、Siの共振周波数の温
度係数は約−30ppm/℃であって、ZnOとSiでは
共振周波数の温度係数がいずれも負の値をもつので、Z
nOからなる圧電薄膜4とSiからなる薄膜支持部3と
の組み合わせでは、基本モードにおける共振周波数の温
度特性が悪くなるという欠点がある。
【0006】また、図2に示す圧電薄膜共振子6では、
Si基板2の表面に熱酸化等によってSiO2薄膜7を
形成し、Si基板2を部分的にエッチングすることによ
ってSiO2薄膜7で薄膜支持部3を形成し、その上に
励振用電極5a,5bを両面に有するZnO圧電薄膜4
を設けている。
【0007】ZnOの共振周波数の温度係数は約−70
ppm/℃、SiO2の共振周波数の温度係数は約+100
ppm/℃であって、ZnOとSiO2では共振周波数の温
度係数の符号が異なるので、ZnOからなる圧電薄膜4
の膜厚とSiO2からなる薄膜支持部3の膜厚との比を
ある適当な値(概略で、2:1)に設定することによ
り、基本モードにおける共振周波数の温度係数を小さく
し、共振周波数の温度特性を安定にすることができる
(特開昭58−121817号公報)。
【0008】図3は別な構造の圧電薄膜共振子9を示す
断面図である。これは、浮き構造(エアブリッジ構造)
を有する圧電薄膜共振子9であって、Si基板10の上
にエアギャップ11を介してSiO2からなる薄膜支持
部12を形成し、Si基板10から浮き上がるように形
成された薄膜支持部12の上に、励振用電極14a,1
4bを両面に有するZnO圧電薄膜13を設けている。
【0009】この圧電薄膜共振子9でも、図2に示した
圧電薄膜共振子6と同様、ZnO圧電薄膜13の膜厚と
SiO2薄膜支持部12の膜厚との比をある適当な値に
設定することにより共振周波数の温度係数を小さくし、
共振周波数の温度特性を安定にすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記第2の圧電薄膜共
振子6にあっては、ZnO圧電薄膜4とSiO2薄膜支
持部3を組み合わせることにより共振周波数の温度係数
を相殺させることができる。また、上記第3の圧電薄膜
共振子9にあっては、ZnO圧電薄膜13とSiO2
膜支持部12を組み合わせることにより共振周波数の温
度係数を相殺させることができる。
【0011】しかし、ZnOは圧電体であるのに対し、
SiO2は非圧電体であるため、これらの圧電薄膜共振
子においては、共振レスポンスが小さく、共振特性がよ
くなかった。
【0012】本発明は上述の技術的問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、共
振周波数の温度特性が安定で、かつ共振レスポンスも大
きくて共振特性が良好な圧電共振子、電子部品および電
子機器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段とその作用】請求項1に記
載の圧電共振子は、基板の上に、該基板から少なくとも
一部を浮かせるようにして、つまり、基板に接しないよ
うに絶縁体層を形成し、AlNからなる1層もしくは複
数層の圧電体層とZnOからなる1層もしくは複数層の
圧電体層とを積層した圧電積層体を前記絶縁体層の上に
配置し、前記圧電積層体を構成する圧電体層の少なくと
も1層を挟むようにして電極を設けたことを特徴として
いる。請求項2に記載の圧電共振子は、基板の上に、該
基板から少なくとも一部を浮かせるようにして絶縁体層
を形成し、共振周波数の温度係数が正である1層もしく
は複数層の圧電体層と該温度係数が負である1層もしく
は複数層の圧電体層とを積層した圧電積層体を前記絶縁
体層の上に配置し、前記圧電積層体を構成するいずれの
圧電体層もいずれかの電極間に挟まれるようにして電極
を設けたことを特徴としている。請求項3に記載の圧電
共振子は、基板の上に、該基板から少なくとも一部を浮
かせるようにして絶縁体層を形成し、共振周波数の温度
係数が正である1層もしくは複数層の圧電体層と該温度
係数が負である1層もしくは複数層の圧電体層とを積層
した圧電積層体を前記絶縁体層の上に配置し、前記圧電
積層体を構成する圧電体層の少なくとも1層を挟むよう
にして電極を設け、共振周波数の温度係数が負である前
記圧電体層を、ZnO、LiNbO 、LiTaO
PbZr Ti (1−X) 〔0≦x≦0 . 52〕の
いずれかの圧電材料を主成分として構成したことを特徴
としている。請求項4に記載の圧電共振子は、基板の上
に、該基板から少なくとも一部を浮かせるようにして絶
縁体層を形成し、共振周波数の温度係数が正である1層
もしくは複数層の圧電体層と該温度係数が負である1層
もしくは複数層の圧電体層とを積層した圧電積層体を前
記絶縁体層の上に配置し、前記圧電積層体を構成する圧
電体層の少なくとも1層を挟むようにして電極を設け、
共振周波数の温度係数が正である前記圧電体層を、Al
N、PbZr Ti (1−X) 〔0 . 54≦x≦
1〕を主成分として構成したことを特徴としている。請
求項5に記載の圧電共振子は、基板の上に、該基板から
少なくとも一部を浮かせるようにして絶縁体層を形成
し、共振周波数の温度係数が正である1層もしくは複数
層の圧電体層と該温度係数が負である1層もしくは複数
層の圧電体層とを積層した圧電積層体を前記絶縁体層の
上に配置し、前記圧電積層体を構成する圧電体層の少な
くとも1層を挟むようにして電極を設け、前記絶縁体層
を、SiO 又はSiNを主成分として構成したことを
特徴としている。
【0014】請求項1〜5に記載の圧電共振子にあって
は、AlN又は共振周波数の温度係数が正である1層も
しくは複数層の圧電体層と、ZnO又は該温度係数が負
である1層もしくは複数層の圧電体層とを絶縁体層の上
に積層しているので、絶縁体層及び各圧電体層の厚さを
適当に設定することにより、圧電共振子全体としての共
振周波数の温度係数をほぼゼロにすることができる。し
かも、圧電積層体のうち共振周波数の温度係数が正の値
を有する層も負の値を有する層も、いずれも圧電体によ
って構成されているので、圧電共振子の共振レスポンス
を良好にし、その共振特性を良好にすることができる。
【0015】また、基板の上に直接に圧電体層を形成し
た場合には、それを基板から浮かせるために基板や犠牲
層をエッチングする際、圧電体層もエッチングされる恐
れがあり、製造工程における加工が難しくなる。これに
対し、請求項1〜5に記載した圧電共振子では、基板の
上に絶縁体層を設けており、一般に絶縁体層は基板や犠
牲層をエッチングするためのエッチング液ではエッチン
グされにくいから、製造工程における加工を容易にする
ことができる。
【0016】さらに、基板の上に絶縁体層と2種以上の
圧電体層が積層されるので、振動部位の材料パラメータ
が3つ以上となり、機械結合係数や圧電特性などの調整
も可能になる。
【0017】よって、請求項1〜5に記載の圧電共振子
によれば、共振周波数の温度特性を安定させ、共振レス
ポンスを大きくして共振特性を良好にすることができ、
かつ絶縁体層を基板から浮かせるためのエッチング加工
を容易に行なえ、その他の特性の設計自由度も高くする
ことができる。
【0018】請求項に記載の圧電共振子は、請求項
又は3〜5に記載した圧電共振子において、前記圧電積
層体を構成するいずれの圧電体層も、いずれかの電極間
に挟まれていることを特徴としている。
【0019】請求項2又は6に記載の圧電共振子にあっ
ては、全ての圧電体層が電極間に挟まれているので、電
極に励振用電気信号を入力すると全ての圧電体層が励振
される。従って、圧電共振子の共振レスポンスを非常に
大きくでき、強い共振特性を有する圧電共振子を作製す
ることができる。
【0020】請求項に記載の圧電共振子は、請求項
又は4〜6に記載した圧電共振子における共振周波数の
温度係数が負である圧電体層が、ZnO、LiNb
、LiTaO、PbZrTi(1−X)
〔0≦x≦0.52〕のいずれかの圧電材料を主成分
として構成されていることを特徴としている。
【0021】ZnO、LiNbO、LiTaO、P
bZrTi(1−X)〔0≦x≦0.52〕は、
いずれも圧電体であって、しかも共振周波数の温度係数
が負の値を有しているから、請求項3又は7に記載した
圧電共振子においては、共振周波数の温度係数が正の圧
電体層と組合わせることにより、共振特性の良好な圧電
共振子を作製することができる。
【0022】請求項に記載の圧電共振子は、請求項
2、3又は5〜7に記載した圧電共振子における共振周
波数の温度係数が正である圧電体層が、AlN、PbZ
Ti(1−X)〔0.54≦x≦1〕のいずれ
かの圧電材料を主成分として構成されていることを特徴
としている。
【0023】AlN、PbZrTi(1−X)
〔0.54≦x≦1〕は、いずれも圧電体であって、
しかも共振周波数の温度係数が正の値を有しているか
ら、請求項4又は8に記載した圧電共振子においては、
共振周波数の温度係数が負の圧電体層と組合わせること
により、共振特性の良好な圧電共振子を作製することが
できる。
【0024】請求項に記載の圧電共振子は、請求項
〜4又は6〜8に記載の圧電共振子における前記絶縁体
層が、SiO又はSiNを主成分として構成されてい
ることを特徴としている。
【0025】SiOやSiNからなる絶縁体層は、フ
ォトリソグラフィ技術とRIEなどのエッチングによっ
て、任意にパターニングが可能である。このため、請求
5又は9に記載の圧電共振子では、SiOやSiN
からなる絶縁膜を圧電膜や基板の保護膜として使用す
る。また、任意の形状に形成し、基板の特定部分をエッ
チングするためのマスクとして使用することも可能であ
る。また、SiOでは、共振周波数の温度係数は正の
値であり、SiNでは、共振周波数の温度係数は負の値
をとるから、SiOとSiNとを使い分けることによ
り、圧電共振子の設計を容易にすることができる。
【0026】またこの圧電共振子は、請求項10又は1
に記載したように、表面実装型やチップタイプ、パッ
ケージタイプなどの圧電共振器、圧電フィルタ、ディス
クリミネータ等の電子部品や電子機器に応用することが
でき、共振周波数の温度特性が安定で、かつ共振レスポ
ンスも大きくて共振特性が良好な電子部品および電子機
器を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図4は本発明
の第1の実施形態による圧電薄膜共振子21の構造を示
す断面図である。この圧電薄膜共振子21にあっては、
Si基板22の上面にSiO2薄膜23を形成し、Si
基板22の中央部を開口して空洞24を設ける。SiO
2薄膜23の空洞24に対応する部分は、薄膜支持部2
5となる。また、Si基板22の下面にも、SiO2
29が形成されている。SiO2薄膜23の上面には、
AlNからなる圧電薄膜26Aが形成され、その上には
ZnOからなる圧電薄膜26Zが形成されており、薄膜
支持部25の上にAlN圧電薄膜26AとZnO圧電薄
膜26Zからなる圧電積層体28が配置されている。A
lN圧電薄膜26Aの下面には一方の励振用電極27a
を設けてあり、この励振用電極27aの一部はAlN圧
電薄膜26Aから露出している。また、ZnO圧電薄膜
26Zの上面には他方の励振用電極27bを設けてい
る。
【0028】こうしてZnO圧電薄膜26ZとAlN圧
電薄膜26Aの積層体からなる振動部位の両面に励振用
電極27a,27bが設けられ、励振用の電気信号が加
えられると、厚み振動する。
【0029】図5(a)〜(h)は上記圧電薄膜共振子
21の製造工程の概略を示す図である。まず、(10
0)面Si基板22を用意し、Si基板22の裏面にス
パッタ等によってSiO2膜29を形成する。ついで、
SiO2膜29の上にレジスト膜30を形成し、フォト
リソグラフィ法によりレジスト膜30をパターニングし
て開口をあける〔図5(a)〕。このレジスト膜30の
開口を通してフッ酸等でSiO2膜29を選択的にエッ
チングし、レジスト膜30の開口に合わせてSiO2
29に開口をあける〔図5(b)〕。Si基板22の裏
面に形成されていたレジスト膜30を除去した後、つい
で、Si基板22の表面に、スパッタやCDD等により
SiO2薄膜23を形成する〔図5(c)〕。
【0030】裏面のSiO2膜29をマスクとして、T
MAH等のエッチング液によってSi基板22を下面側
から異方性エッチングする。この異方性エッチングによ
り、Si基板22の中央部が開口され、SiO2薄膜2
3の下に空洞24ができる。この結果、SiO2薄膜2
3はその周囲をSi基板22によって支持され、SiO
2薄膜23の中央部が空洞24の上でSi基板22から
浮いた状態となっている〔図5(d)〕。このとき、S
iO2薄膜23は、TMAH等のエッチング液によって
はエッチングされないから、SiO2薄膜23をSi基
板22から浮かせるための加工を容易に行なうことがで
きる。
【0031】ついで、SiO2基板23の表面に電極材
料を、リフトオフ蒸着法によって堆積させ、一方の励振
用電極27aを形成する〔図5(e)〕。この後、リア
クティブスパッタにより、励振用電極27a及びSiO
2薄膜23の上にAlN圧電薄膜26Aを形成する〔図
5(f)〕。このとき、励振用電極27aの一部をAl
N薄膜から露出させておく。
【0032】さらに、メタルマスクを用いてリアクティ
ブスパッタによりZnOを堆積させ、AlN圧電薄膜2
6Aの上にZnO圧電薄膜26Zを形成する〔図5
(g)〕。ZnO圧電薄膜26Zの上に電極材料を、リ
フトオフ蒸着法によって堆積させ、他方の励振用電極2
7bを形成する〔図5(h)〕。このようにして、図4
に示したような構造の圧電薄膜共振子21が製作され
る。
【0033】ZnOの共振周波数の温度係数は負の値を
有するのに対し、AlN及びSiO 2の共振周波数の温
度係数は正の値を有しているから、SiO2薄膜支持部
25とAlN圧電薄膜26AとZnO圧電薄膜26Zを
接合させた当該圧電薄膜共振子21によれば、SiO2
薄膜23、AlN圧電薄膜26A、ZnO圧電薄膜26
Zの膜厚比を適当に設定することで、共振周波数の温度
係数をほぼゼロにすることができる。
【0034】また、従来の圧電薄膜共振子においては、
共振周波数の温度係数を相殺させるための、温度係数の
正負が異なる2種の薄膜のうち、一方の薄膜だけが圧電
材料によって形成されていたのに対し、本発明の圧電薄
膜共振子21にあっては、共振周波数の温度係数が負の
ZnO圧電薄膜26Zも温度係数が正のAlN圧電薄膜
26Aも共に圧電材料であるから、励振用電極27a,
27bを通して両圧電薄膜26A,26Zに電気信号を
印加すると、両圧電薄膜26A,26Zに弾性振動(厚
み振動)が発生し、大きな共振レスポンスを得ることが
でき、強い共振特性を実現できる。
【0035】しかも、SiO2の共振周波数の温度係数
の値は、AlNの共振周波数の温度係数の値よりも大き
いので、ZnOの共振周波数の温度係数を打ち消すため
には、AlN圧電薄膜26Aのみの場合よりもSiO2
薄膜支持部25を併用するほうが圧電積層体28及びS
iO2薄膜支持部25の合計膜厚を薄くすることがで
き、圧電薄膜共振子21を高周波領域に適合させること
ができる。
【0036】さらに、材料パラメータとしては、絶縁体
であるSiO2薄膜支持部25、AlN圧電薄膜26
A、ZnO圧電薄膜26Zの3つとなるので、共振周波
数の温度係数及び共振特性以外の特性、例えば機械係合
係数なども調整することができ、設計の自由度が高くな
る。
【0037】(第2の実施形態)図6は本発明の第2の
実施形態による圧電薄膜共振子31を示す断面図であ
る。この圧電薄膜共振子31にあっては、Si基板22
の上面にSiO2薄膜23を形成し、Si基板22の中
央部に空洞24を形成することによってSiO2薄膜2
3を形成している。さらに、SiO2薄膜支持部25の
上にZnO圧電薄膜26Zを形成し、その上にAlN圧
電薄膜26Aを形成することにより、SiO 2薄膜支持
部25の上にZnO圧電薄膜26ZとAlN圧電薄膜2
6Aからなる圧電積層体28を設けている。また、Al
N圧電薄膜26AとZnO圧電薄膜26Zからなる圧電
積層体28の上面及び下面には、それぞれ励振用電極2
7b,27aを設けている。
【0038】この圧電薄膜共振子31は、第1の実施形
態とは、AlN圧電薄膜26AとZnO圧電薄膜26Z
の位置を入れ替えたものであるから、第1の実施形態と
同様、SiO2薄膜支持部25、ZnO圧電薄膜26Z
及びAlN圧電薄膜26Aの各膜厚を適当に設定するこ
とにより、共振周波数の温度係数を安定させることがで
きる。また、共振周波数の温度係数の符号が異なるZn
O圧電薄膜26ZとAlN圧電薄膜26Aの両方が圧電
振動するので、圧電薄膜共振子31の共振インピーダン
スを大きくし、強い共振特性を得ることができる。
【0039】さらに、SiO2薄膜支持部25によって
Si基板22のエッチング作業を容易にできる点、圧電
積層体28及びSiO2薄膜支持部25の合計膜厚を薄
くすることで圧電薄膜共振子31の高周波領域への対応
が可能になる点、材料パラメータの増加によって設計自
由度が高くなる点も第1の実施形態と同様である。
【0040】(第3の実施形態)図7は本発明の第3の
実施形態による圧電薄膜共振子32を示す断面図であ
る。この圧電薄膜共振子32は、Si基板22の上にS
iO2薄膜支持部25を形成し、異方性エッチングによ
ってSi基板22の中央部に空洞24を形成することに
よってSiO2薄膜支持部25を形成する。さらに、S
iO2薄膜支持部25の上にAlN圧電薄膜26Aを形
成し、その上にZnO圧電薄膜26Zを形成し、さらに
その上にAlN圧電薄膜26Aを形成することにより、
SiO2薄膜支持部25の上に3層構造の圧電積層体2
8を設けている。また、上層のAlN圧電薄膜26A、
ZnO圧電薄膜26Z及び下層のAlN圧電薄膜26A
の圧電積層体28からなる振動部位の上面及び下面に、
それぞれ励振用電極27b,27aを設けている。
【0041】このような3層構造の圧電積層体28を用
いた場合においても、共振周波数の温度係数が負の値を
有するZnO圧電薄膜26Z、共振周波数の温度係数が
正の値を有するAlN圧電薄膜26A及びSiO2薄膜
支持部25の各膜厚比を適当に設定することにより、共
振周波数の温度係数をほぼゼロにすることができ、温度
特性を安定させることができる。
【0042】さらに、励振用電極27a,27b間に挟
まれている上層及び下層のAlN圧電薄膜26AとZn
O圧電薄膜26Zがいずれも圧電材料によって構成され
ているから、励振用電極27a,27bを通して圧電積
層体28に電気信号を印加すると、圧電積層体28の各
圧電薄膜26A,26Z,26Aに弾性振動が発生し、
大きな共振レスポンスを得ることができ、強い共振特性
を実現できる。
【0043】また、このような構造の圧電薄膜共振子3
2にあっては、SiO2薄膜支持部25によってSi基
板22のエッチング作業を容易にできる、圧電積層体2
8及び薄膜支持部25の合計膜厚を薄くすることで圧電
薄膜共振子32の高周波領域への対応が可能になる、材
料パラメータの増加によって設計自由度が高くなるとい
う長所がある。
【0044】(第4の実施形態)図8は本発明の第4の
実施形態による圧電薄膜共振子33を示す断面図であ
る。この圧電薄膜共振子33にあっては、Si基板22
の上面にSiO2薄膜23を形成し、Si基板22の中
央部に空洞24を形成することによってSiO2薄膜支
持部25を形成している。さらに、SiO2薄膜支持部
25の上にZnO圧電薄膜26Zを形成し、その上にA
lN圧電薄膜26Aを形成し、さらにその上にZnO圧
電薄膜26Zを形成することにより、SiO2薄膜支持
部25の上に3層構造の圧電積層体28を設けている。
また、3層構造の圧電積層体28の上面及び下面に、そ
れぞれ励振用電極27b,27aを設けている。
【0045】この圧電薄膜共振子33は、圧電積層体2
8を構成する各圧電薄膜26Z,26A,26Zにおい
てAlN圧電薄膜26AとZnO圧電薄膜26Zの配置
を第3の実施形態とは逆にしただけであるから、第3の
実施形態と同様、SiO2薄膜支持部25の膜厚と各圧
電薄膜26Z,26A,26Zの膜厚を適当に設定する
ことにより、共振周波数の温度係数を安定させることが
できる。さらに、圧電積層体28を構成する各圧電薄膜
26Z,26A,26Zが圧電振動するので、圧電薄膜
共振子33の共振インピーダンスを大きくし、強い共振
特性を得ることができる。
【0046】また、SiO2薄膜支持部25によってS
i基板22のエッチング作業を容易にできる点、圧電積
層体28及びSiO2薄膜支持部25の合計膜厚を薄く
することで圧電薄膜共振子33の高周波領域への対応が
可能になる点、材料パラメータの増加によって設計自由
度が高くなる点も他の実施形態と同様である。
【0047】(第5の実施形態)図9は本発明の第5の
実施形態による圧電薄膜共振子34を示す断面図であ
る。この圧電薄膜共振子34は、Si基板22の上にS
iO2薄膜23を形成し、異方性エッチングによってS
i基板22の中央部に空洞24を形成することによって
SiO2薄膜23を形成する。さらに、SiO2薄膜支持
部25の上にAlN圧電薄膜26Aを形成し、その上に
ZnO圧電薄膜26Zを形成することにより、SiO2
薄膜支持部25の上にAlN圧電薄膜26A及びZnO
圧電薄膜26Zからなる圧電積層体28を設けている。
また、ZnO圧電薄膜26Zの上面及び下面に、それぞ
れ励振用電極27b,27aを設けている。
【0048】このような構造の圧電薄膜共振子34にお
いても、SiO2からなる薄膜支持部25、AlN圧電
薄膜26A及びZnO圧電薄膜26Zの各膜厚比を適当
に設定することにより、共振周波数の温度係数をほぼゼ
ロにすることができ、温度特性を安定させることができ
る。
【0049】この圧電薄膜共振子34では、ZnO圧電
薄膜26Zが励振用電極27a,27bに挟まれている
ので、励振用電極27a,27bを通してZnO圧電薄
膜26Zに電気信号を印加すると、ZnO圧電薄膜26
Zに弾性振動(厚み振動)が発生し、大きな共振レスポ
ンスを得ることができ、強い共振特性を実現できる。一
方、AlN圧電薄膜26Aは、励振用電極27a,27
b間の外にあるが、AlNは圧電材料であるから、励振
用電極27a,27bに信号電圧が印加されるとAlN
圧電薄膜26Aにも誘電分極によって電圧が掛かり、圧
電薄膜共振子34の共振特性の向上に寄与する。
【0050】さらに、SiO2薄膜支持部25によって
Si基板22のエッチング作業を容易にできる点、圧電
積層体28及びSiO2薄膜支持部25の合計膜厚を薄
くすることで圧電薄膜共振子34の高周波領域への対応
が可能になる点、材料パラメータの増加によって設計自
由度が高くなる点も他の実施形態と同様である。
【0051】(第6の実施形態)図10は本発明の第6
の実施形態による圧電薄膜共振子35を示す断面図であ
る。この圧電薄膜共振子35は、第5の実施形態(図
9)と同じSiO2薄膜支持部25及び圧電積層体28
の構成において、AlN圧電薄膜26Aの上面及び下面
に、それぞれ励振用電極27b,27aを設けたもので
ある。
【0052】このような構造の圧電薄膜共振子35にお
いても、共振周波数の温度係数をほぼゼロにして温度特
性を安定させることができる。また、ZnO圧電薄膜2
6Zは、励振用電極27a,27b間の外にあるが、Z
nOは圧電材料であるから、励振用電極27a,27b
に信号電圧が印加されるとZnO圧電薄膜26Zにも誘
電分極によって電圧が掛かり、圧電薄膜共振子35の共
振特性の向上に寄与する。
【0053】さらに、この圧電薄膜共振子35も、第5
の実施形態による圧電共振子34と同様、SiO2薄膜
23で形成しているので、Si基板22のエッチング工
程を簡単にできる、設計自由度が高くなる、高周波領域
への対応が可能になるといった長所を有する。
【0054】(第7の実施形態)図11は本発明の第7
の実施形態による圧電薄膜共振子36を示す断面図であ
る。この圧電薄膜共振子36は、Si基板22の上にS
iO2薄膜23を形成し、異方性エッチングによってS
i基板22の中央部に空洞24を形成することによって
SiO2薄膜23を形成する。さらに、薄膜支持部25
の上にZnO圧電薄膜26Zを形成し、その上にAlN
圧電薄膜26Aを形成することにより、薄膜支持部25
の上にZnO圧電薄膜26Z及びAlN圧電薄膜26A
からなる圧電積層体28を設けている。また、AlN圧
電薄膜26Aの上面及び下面に、それぞれ励振用電極2
7b,27aを設けている。
【0055】このような構造の圧電薄膜共振子36にお
いても、SiO2からなる薄膜支持部25、ZnO圧電
薄膜26Z及びAlN圧電薄膜26Aの各膜厚比を適当
に設定することにより、共振周波数の温度係数をほぼゼ
ロにすることができ、温度特性を安定させることができ
る。
【0056】この圧電薄膜共振子36では、AlN圧電
薄膜26Aが励振用電極27a,27bに挟まれている
ので、励振用電極27a,27bを通してAlN圧電薄
膜26Aに電気信号を印加すると、AlN圧電薄膜26
Aに弾性振動が発生し、大きな共振レスポンスを得るこ
とができ、強い共振特性を実現できる。一方、ZnO圧
電薄膜26Zは、励振用電極27a,27b間の外にあ
るが、ZnOは圧電材料であるから、励振用電極27
a,27bに信号電圧が印加されるとZnO圧電薄膜2
6Zにも誘電分極によって電圧が掛かり、圧電薄膜共振
子36の共振特性の向上に寄与する。
【0057】さらに、SiO2薄膜支持部25によって
Si基板22のエッチング作業を容易にできる点、圧電
積層体28及び薄膜支持部25の合計膜厚を薄くするこ
とで圧電薄膜共振子36の高周波領域への対応が可能に
なる点、材料パラメータの増加によって設計自由度が高
くなる点も他の実施形態と同様である。
【0058】(第8の実施形態)図12は本発明の第8
の実施形態による圧電薄膜共振子37を示す断面図であ
る。この圧電薄膜共振子37は、第7の実施形態(図1
1)と同じ薄膜支持部25及び圧電積層体28の構成に
おいて、ZnO圧電薄膜26Zの上面及び下面に、それ
ぞれ励振用電極27b,27aを設けたものである。
【0059】このような構造の圧電薄膜共振子37にお
いても、共振周波数の温度係数をほぼゼロにして温度特
性を安定させることができる。また、AlN圧電薄膜2
6Aは、励振用電極27a,27b間の外にあるが、A
lNは圧電材料であるから、励振用電極27a,27b
に信号電圧が印加されるとAlN圧電薄膜26Aにも誘
電分極によって電圧が掛かり、圧電薄膜共振子37の共
振特性の向上に寄与する。
【0060】さらに、この圧電薄膜共振子37も、第7
の実施形態による圧電共振子36と同様、薄膜をSiO
2薄膜23で形成しているので、Si基板22のエッチ
ング工程を簡単にできる、設計自由度が高くなる、高周
波領域への対応が可能になるといった長所を有する。
【0061】(第9の実施形態)図13は本発明の第9
の実施形態による圧電薄膜共振子38を示す断面図であ
る。この圧電薄膜共振子38は、Si基板22の上にS
iO2薄膜23を形成し、異方性エッチングによってS
i基板22の中央部に空洞24を形成することによって
SiO2薄膜23を形成する。さらに、薄膜支持部25
の上にAlN圧電薄膜26Aを形成し、その上にZnO
圧電薄膜26Zを形成し、さらにその上にAlN圧電薄
膜26Aを形成することにより、薄膜支持部25の上に
下層のAlN圧電薄膜26A、ZnO圧電薄膜26Z及
び上層のAlN圧電薄膜26Aからなる圧電積層体28
を設けている。また、上層のAlN圧電薄膜26Aの上
面とZnO圧電薄膜26Zの下面に、それぞれ励振用電
極27b,27aを設けている。
【0062】このような構造の圧電薄膜共振子38にお
いても、SiO2薄膜支持部25、上層のAlN圧電薄
膜26A及びZnO圧電薄膜26Zの各膜厚比を適当に
設定することにより、共振周波数の温度係数をほぼゼロ
にすることができ、温度特性を安定させることができ
る。
【0063】この圧電薄膜共振子38では、上層のAl
N圧電薄膜26A及びZnO圧電薄膜26Zが励振用電
極27a,27bに挟まれているので、励振用電極27
a,27bを通して上層のAlN圧電薄膜26A及びZ
nO圧電薄膜26Zに電気信号を印加すると、上層のA
lN圧電薄膜26A及びZnO圧電薄膜26Zに弾性振
動が発生し、大きな共振レスポンスを得ることができ、
強い共振特性を実現できる。一方、下層のAlN圧電薄
膜26Aは、励振用電極27a,27b間の外にある
が、励振用電極27a,27bに信号電圧が印加される
と下層のAlN圧電薄膜26Aにも誘電分極によって電
圧が掛かり、圧電薄膜共振子38の共振特性の向上に寄
与する。
【0064】さらに、SiO2薄膜支持部25によって
Si基板22のエッチング作業を容易にでき、圧電積層
体28及び薄膜支持部25の合計膜厚を薄くすることで
圧電薄膜共振子38の高周波領域への対応が可能にな
り、材料パラメータの増加によって設計自由度が高くな
る。
【0065】(第10の実施形態)図14は本発明の第
10の実施形態による圧電薄膜共振子39を示す断面図
である。この圧電薄膜共振子39は、第9の実施形態
(図13)と同じ薄膜支持部25及び圧電積層体28の
構成において、ZnO圧電薄膜26Zの上面と下層のA
lN圧電薄膜26Aの下面に、それぞれ励振用電極27
b,27aを設けたものである。
【0066】このような構造の圧電薄膜共振子39にお
いても、共振周波数の温度係数をほぼゼロにして温度特
性を安定させることができる。また、上層のAlN圧電
薄膜26Aは、励振用電極27a,27b間の外にある
が、励振用電極27a,27bに信号電圧が印加される
とAlN圧電薄膜26Aにも誘電分極によって電圧が掛
かり、圧電薄膜共振子39の共振特性の向上に寄与す
る。
【0067】さらに、この圧電薄膜共振子39も、第9
の実施形態による圧電共振子38と同様、薄膜をSiO
2薄膜23で形成しているので、Si基板22のエッチ
ング工程を簡単にできる、設計自由度が高くなる、高周
波領域への対応が可能になるといった長所を有する。
【0068】(第11の実施形態)図15は本発明の第
11の実施形態による圧電薄膜共振子40を示す断面図
である。この圧電薄膜共振子40は、第9の実施形態
(図13)と同じSiO2薄膜支持部25及び圧電積層
体28の構成において、ZnO圧電薄膜26Zの上面及
び下面に励振用電極27b,27aを設けたものであ
る。
【0069】このような構造の圧電薄膜共振子40にお
いても、共振周波数の温度係数をほぼゼロにして温度特
性を安定させることができる。また、上層及び下層のA
lN圧電薄膜26A,26Aはいずれも励振用電極27
a,27b間の外にあるが、励振用電極27a,27b
に信号電圧が印加されると上下のAlN圧電薄膜26
A,26Aにも誘電分極によって電圧が掛かり、圧電薄
膜共振子40の共振特性の向上に寄与する。
【0070】さらに、この圧電薄膜共振子40も、一番
下の薄膜をSiO2薄膜23で形成しているので、Si
基板22のエッチング工程を簡単にできる、設計自由度
が高くなる、高周波領域への対応が可能になるといった
長所を有する。
【0071】なお、この実施形態は1層の圧電薄膜のみ
を励振用電極27a,27bで挟んだものであり、図で
はZnO圧電薄膜26Zのみを励振用電極27a,27
bで挟んでいるが、上層又は下層のAlN圧電薄膜26
Aのみを励振用電極27a,27bで挟んでもよい。
【0072】(第12の実施形態)図16は本発明の第
12の実施形態による圧電薄膜共振子41を示す断面図
である。この圧電薄膜共振子41は、Si基板22の上
にSiO2薄膜23を形成し、異方性エッチングによっ
てSi基板22の中央部に空洞24を形成することによ
ってSiO2薄膜23を形成する。さらに、薄膜支持部
25の上にZnO圧電薄膜26Zを形成し、その上にA
lN圧電薄膜26Aを形成し、さらにその上にZnO圧
電薄膜26Zを形成することにより、薄膜支持部25の
上に下層のZnO圧電薄膜26Z、AlN圧電薄膜26
A及び上層のZnO圧電薄膜26Zからなる圧電積層体
28を設けている。また、上層のZnO圧電薄膜26Z
の上面とAlN圧電薄膜26Aの下面に、それぞれ励振
用電極27b,27aを設けている。
【0073】このような構造の圧電薄膜共振子41にお
いても、SiO2からなる薄膜支持部25、下層のZn
O圧電薄膜26Z、AlN圧電薄膜26A及び上層のZ
nO圧電薄膜26Zの各膜厚比を適当に設定することに
より、共振周波数の温度係数をほぼゼロにすることがで
き、温度特性を安定させることができる。
【0074】この圧電薄膜共振子41では、上層のZn
O圧電薄膜26Z及びAlN圧電薄膜26Aが励振用電
極27a,27bに挟まれているので、励振用電極27
a,27bを通して上層のZnO圧電薄膜26Z及びA
lN圧電薄膜26Aに電気信号を印加すると、上層のZ
nO圧電薄膜26Z及びAlN圧電薄膜26Aに弾性振
動が発生し、大きな共振レスポンスを得ることができ、
強い共振特性を実現できる。一方、下層のZnO圧電薄
膜26Zは、励振用電極27a,27b間の外にある
が、ZnOは圧電材料であるから、励振用電極27a,
27bに信号電圧が印加されると上層のZnO圧電薄膜
26Zにも誘電分極によって電圧が掛かり、圧電薄膜共
振子41の共振特性の向上に寄与する。
【0075】さらに、SiO2薄膜支持部25によって
Si基板22のエッチング作業を容易にでき、圧電積層
体28及び薄膜支持部25の合計膜厚を薄くすることで
圧電薄膜共振子41の高周波領域への対応が可能にな
り、材料パラメータの増加によって設計自由度が高くな
る。
【0076】(第13の実施形態)図17は本発明の第
13の実施形態による圧電薄膜共振子42を示す断面図
である。この圧電薄膜共振子42は、第12の実施形態
(図16)と同じ薄膜支持部25及び圧電積層体28の
構成において、AlN圧電薄膜26Aの上面と下層のZ
nO圧電薄膜26Zの下面に、それぞれ励振用電極27
b,27aを設けたものである。
【0077】このような構造の圧電薄膜共振子42にお
いても、共振周波数の温度係数をほぼゼロにして温度特
性を安定させることができる。また、上層のZnO圧電
薄膜26Zは、励振用電極27a,27b間の外にある
が、励振用電極27a,27bに信号電圧が印加される
とZnO圧電薄膜26Zにも誘電分極によって電圧が掛
かり、圧電薄膜共振子42の共振特性の向上に寄与す
る。
【0078】さらに、この圧電薄膜共振子42も、第1
2の実施形態による圧電共振子41と同様、SiO2
膜23で形成しているので、Si基板22のエッチング
工程を簡単にできる、設計自由度が高くなる、高周波領
域への対応が可能になるといった長所を有する。
【0079】(第14の実施形態)図18は本発明の第
14の実施形態による圧電薄膜共振子43を示す断面図
である。この圧電薄膜共振子43は、第12の実施形態
(図16)と同じ薄膜支持部25及び圧電積層体28の
構成において、AlN圧電薄膜26Aの上面及び下面に
励振用電極27b,27aを設けたものである。
【0080】このような構造の圧電薄膜共振子43にお
いても、共振周波数の温度係数をほぼゼロにして温度特
性を安定させることができる。また、上層及び下層のZ
nO圧電薄膜26Z,26Zはいずれも励振用電極27
a,27b間の外にあるが、励振用電極27a,27b
に信号電圧が印加されると上下のZnO圧電薄膜26
Z,26Zにも誘電分極によって電圧が掛かり、圧電薄
膜共振子43の共振特性の向上に寄与する。
【0081】さらに、この圧電薄膜共振子43も、Si
2薄膜23で形成しているので、Si基板22のエッ
チング工程を簡単にできる、設計自由度が高くなる、高
周波領域への対応が可能になるといった長所を有する。
【0082】なお、この実施形態は1層の圧電薄膜のみ
を励振用電極27a,27bで挟んだものであり、図1
8ではAlN圧電薄膜26Aのみを励振用電極27a,
27bで挟んでいるが、上層又は下層のZnO圧電薄膜
26Zのみを励振用電極27a,27bで挟んでもよ
い。
【0083】(第15の実施形態)図19は本発明の第
15の実施形態による圧電薄膜共振子44を示す断面図
である。この圧電薄膜共振子44は、Si基板22の上
にSiO2薄膜23を形成し、異方性エッチングによっ
てSi基板22の中央部に空洞24を形成することによ
ってSiO2薄膜23で薄膜支持部25を形成する。さ
らに、薄膜支持部25の上にZnO圧電薄膜26Zを形
成し、その上にAlN圧電薄膜26Aを形成し、さらに
その上にZnO圧電薄膜26Zを形成することにより、
薄膜支持部25の上に下層のZnO圧電薄膜26Z、A
lN圧電薄膜26A及び上層のZnO圧電薄膜26Zか
らなる圧電積層体28を設けている。また、上層のZn
O圧電薄膜26Z及びAlN圧電薄膜26Aの境界と下
層のZnO圧電薄膜26Zの下面とにそれぞれ励振用電
極27aを設けて互いに導通させ、上層のZnO圧電薄
膜26Zの上面とAlN圧電薄膜26A及び下層のZn
O圧電薄膜26Zの境界とにそれぞれ励振用電極27b
を設けて互いに導通させている。
【0084】このような構造の圧電薄膜共振子44にあ
っては、上層のZnO圧電薄膜26ZとAlN圧電薄膜
26Aと下層のZnO圧電薄膜26Zとが並列に接続さ
れているので、励振用電極27a,27bを通して各圧
電薄膜26A,26Zに電気信号を印加すると、すべて
の圧電薄膜26Z,26A,26Zに弾性振動が発生
し、大きな共振レスポンスを得ることができ、強い共振
特性を実現できる。
【0085】また、このような3層構造の積層体におい
ても、薄膜支持部25、下層のZnO圧電薄膜26Z、
AlN圧電薄膜26A、上層のZnO圧電薄膜26Zの
各膜厚比を適当に設定することにより、共振周波数の温
度係数をほぼゼロにすることができ、温度特性を安定さ
せることができる。
【0086】さらに、このような構造の圧電薄膜共振子
44にあっても、一番下の薄膜をSiO2薄膜23で形
成しているので、Si基板22のエッチング工程を簡単
にできる、設計自由度が高くなる、高周波領域への対応
が可能になるといった長所を有する。
【0087】なお、ここで説明したものは一例であっ
て、他の構成の圧電積層体28において励振用電極27
a,27bを3層以上に形成してもよいことはもちろん
である。
【0088】(第16の実施形態)図20は本発明の第
16の実施形態による圧電薄膜共振子51を示す断面図
である。これは、浮き構造(エアブリッジ構造)を有す
る圧電薄膜共振子51であって、ガラス基板52の上に
エアギャップ53を介してSiO2からなる薄膜支持部
54を形成し、薄膜支持部54の上にAlN圧電薄膜5
5AとZnO圧電薄膜55Zとからなる圧電積層体56
を設けている。また、ZnO圧電薄膜55ZとAlN圧
電薄膜55Aによって構成された圧電積層体56の上面
及び下面に励振用電極57b,57aを設けている。
【0089】こうしてZnO圧電薄膜55ZとAlN圧
電薄膜55Aからなる振動部位の両面に励振用電極57
a,57bが設けられ、励振用の電気信号が加えられる
と、厚み振動する。
【0090】図21(a)〜(g)は上記圧電薄膜共振
子51の製造工程の概略を示す図である。まず、スパッ
タ法により、ガラス基板52の上にZnOからなる犠牲
層58を成膜し、エアギャップ53となる部分を残して
犠牲層58をエッチングする〔図21(a)〕。つい
で、リアクティブスパッタ法により、犠牲層58の上に
SiO2によって薄膜支持部54を形成する〔図21
(b)〕。
【0091】次に、リフトオフ蒸着法により、薄膜支持
部54の上にAlによって励振用電極57aを形成する
〔図21(c)〕。薄膜支持部54及び励振用電極57
aの上には、リアクティブスパッタ法により、AlNか
らなる圧電薄膜55Aを形成する〔図21(d)〕。
【0092】この後、酢酸水溶液を用いて犠牲層58を
エッチングし、薄膜支持部54の下面にエアギャップ5
3を形成し、薄膜支持部54をガラス基板52の上面か
ら浮かせる〔図21(e)〕。このとき、SiO2から
なる薄膜支持部54は、CH3COOH等のエッチング
液によってはエッチングされないから、薄膜支持部54
をガラス基板52から浮かせるための加工を容易に行な
うことができる。なお、犠牲層58は、AlN圧電薄膜
55Aを形成する前にエッチング除去してもよい。
【0093】次に、スパッタ法により、AlN圧電薄膜
55Aの上面にZnO圧電薄膜55Zを形成し〔図21
(f)〕、メタルマスクを用いて真空蒸着法によりZn
O圧電薄膜55Zの上に励振用電極57bを形成する
〔図21(g)〕。このようにして、図20に示したよ
うな浮き構造の圧電薄膜共振子51が製作される。
【0094】ZnOの共振周波数の温度係数は負の値を
有するのに対し、AlNの共振周波数の温度係数は正の
値を有しているから、浮き構造の薄膜支持部54の上に
AlN圧電薄膜55AとZnO圧電薄膜55Zを形成し
た当該圧電薄膜共振子51でも、薄膜支持部54、Zn
O圧電薄膜55ZとAlN圧電薄膜55Aの膜厚比を適
当に設定することで、共振周波数の温度係数をほぼゼロ
にすることができる。
【0095】さらに、この圧電薄膜共振子51にあって
は、ZnO圧電薄膜55ZもAlN圧電薄膜55Aも共
に圧電材料であるから、励振用電極57a,57bを通
してZnO圧電薄膜55Z及びAlN圧電薄膜55Aに
電気信号を印加すると、両圧電薄膜55A,55Zに弾
性振動が発生し、大きな共振レスポンスを得ることがで
き、強い共振特性を実現できる。
【0096】しかも、SiO2の共振周波数の温度係数
の値は、AlNの共振周波数の温度係数の値よりも大き
いので、ZnOの共振周波数の温度係数を打ち消すため
には、AlN圧電薄膜55Aのみの場合よりもSiO2
薄膜支持部54を併用するほうが圧電積層体56及び薄
膜支持部54の合計膜厚を薄くすることができ、圧電薄
膜共振子51を高周波領域に適合させることができる。
【0097】さらに、材料パラメータとしては、絶縁体
であるSiO2薄膜支持部54、AlN圧電薄膜55
A、ZnO圧電薄膜55Zの3つとなるので、共振周波
数の温度係数及び共振特性以外の特性、例えば機械係合
係数なども調整することができ、設計の自由度が高くな
る。
【0098】また、このような浮き構造の圧電薄膜共振
子51によれば、基板52の裏面をエッチングによって
削る必要がないので、ガラス基板等の特定の材質の基板
に限定しなくても良い利点がある。
【0099】なお、この実施形態の圧電薄膜共振子51
においても、ZnOとAlNとを入れ替え、薄膜支持部
54の上にZnO圧電薄膜55Zを設け、その上にAl
N圧電薄膜55Aを形成するようにしてもよい。
【0100】(第17の実施形態)ダイアフラム型の圧
電薄膜共振子については種々の実施形態を説明したが、
浮き構造の圧電薄膜共振子についても、薄膜支持部の上
に3層以上の圧電薄膜を形成したものや、圧電積層体を
構成する一部の圧電薄膜だけを励振用電極で挟み込んだ
もの、圧電材料の組合せを変えたものなど、種々の実施
形態が可能である。
【0101】例えば、図22は本発明の第17の実施形
態による圧電薄膜共振子59を示す断面図であって、浮
き構造の圧電薄膜共振子59の異なる実施形態を示して
いる。この圧電薄膜共振子59にあっては、ガラス基板
52の上にエアギャップ53を介して浮き構造のSiO
2薄膜支持部54を形成し、薄膜支持部54の上にAl
N圧電薄膜55Aを形成し、その上にZnO圧電薄膜5
5Zを形成し、ZnO圧電薄膜55Zの上面及び下面に
励振用電極57b,57aを形成している。
【0102】この圧電薄膜共振子59では、ZnO圧電
薄膜55Zが励振用電極57a,57bに挟まれている
ので、励振用電極57a,57bを通してZnO圧電薄
膜55Zに電気信号を印加すると、ZnO圧電薄膜55
Zに弾性振動が発生し、共振レスポンスを得ることがで
きる。一方、AlN圧電薄膜55Aは、励振用電極57
a,57b間の外にあるが、励振用電極57a,57b
に信号電圧が印加されるとAlN圧電薄膜55Aにも誘
電分極によって電圧が掛かり、圧電薄膜共振子59の共
振特性を向上させることができる。従って、この実施形
態においても、共振周波数の温度特性が安定で、強い共
振特性を有する圧電薄膜共振子59を製作することがで
きる。
【0103】さらに、このような構造の圧電薄膜共振子
59にあっても、第16の実施形態と同様、設計自由度
が高くなる、高周波領域への対応が可能になるといった
長所を有する。
【0104】(第18の実施形態)図23は本発明の第
18の実施形態による圧電共振子60の構造を示す断面
図である。この実施形態にあっては、Si基板22の上
面をエッチングすることによってSi基板22の上面に
空洞24を形成してあり、そのSi基板22の上に絶縁
膜としてSiO2膜23(薄膜支持部25)、励振用電
極27a、AlN圧電薄膜26A、ZnO圧電薄膜26
Z及び励振用電極27bを形成している。また、Si基
板22の下面にはSiO2膜29を設けている。製造手
順としては、Si基板22の上面にSiO2膜23を形
成した後、SiO2膜23に設けた開口部よりSi基板
22の上面にエッチング液を注入し、SiO2膜23の
開口部下のSi基板22の一部をエッチングすることに
より空洞24を設ける。ついで、SiO2膜23の上面
に順次励振用電極27a、AlN圧電薄膜26A、Zn
O圧電薄膜26Z、励振用電極26bを設ければよい。
【0105】本実施形態は、第1の実施形態において空
洞24を基板裏面からではなく表面から形成したものに
相当する。このような圧電共振子30でも第1の実施形
態と同様な作用効果を奏する。また、本実施形態におい
ても、圧電膜と電極の組み合わせ方により、第2の実施
形態〜第16の実施形態に相当する実施形態が可能であ
る。
【0106】なお、上記各実施形態においては、圧電材
料としてZnOとAlNを組合わせた場合について説明
したが、これ以外にもZnO、LiNbO3、LiTa
3、PbZrTi(1−X)3〔0≦x≦0.5
2〕等の共振周波数の温度係数が負の値を有する圧電材
料と、共振周波数の温度係数が正の値を有するAlNの
ような圧電材料との組合わせを用いてもよい。また、一
番下層の薄膜や薄膜支持部は、SiNによって形成して
もよい。
【0107】
【発明の効果】請求項1に記載の圧電共振子によれば、
共振周波数の温度係数が正である1層もしくは複数層の
圧電体層と該温度係数が負である1層もしくは複数層の
圧電体層とを絶縁体層の上に積層しているので、絶縁体
層及び各圧電体層の厚さを適当に設定することにより、
圧電共振子全体としての共振周波数の温度係数をほぼゼ
ロにすることができる。しかも、圧電積層体のうち共振
周波数の温度係数が正の値を有する層も負の値を有する
層も、いずれも圧電体によって構成されているので、圧
電共振子の共振レスポンスを良好にし、その共振特性を
良好にすることができる。
【0108】また、請求項1に記載した圧電共振子で
は、基板の上に絶縁体層を設けており、一般に絶縁体層
は基板や犠牲層をエッチングするためのエッチング液で
はエッチングされにくいから、製造工程における加工を
容易にすることができる。
【0109】さらに、基板の上に絶縁体層と2種以上の
圧電体層が積層されるので、振動部位の材料パラメータ
が3つ以上となり、機械結合係数や圧電特性などの調整
も可能になる。
【0110】よって、請求項1に記載の圧電共振子によ
れば、共振周波数の温度特性が安定で、共振レスポンス
も大きくて共振特性が良好で、かつ絶縁体層を基板から
浮かせるためのエッチング加工を容易に行なえ、その他
の特性の設計自由度も高くすることができる。
【0111】請求項2に記載の圧電共振子にあっては、
全ての圧電体層が電極間に挟まれているので、電極に励
振用電気信号を入力することによって全ての圧電体層が
励振される。従って、圧電共振子の共振レスポンスを非
常に大きくでき、強い共振特性を有する圧電共振子を作
製することができる。
【0112】ZnO、LiNbO3、LiTaO3、Pb
ZrTi(1−X)3〔0≦x≦0.52〕は、いず
れも圧電体であって、しかも共振周波数の温度係数が負
の値を有しているから、請求項3に記載した圧電共振子
によれば、共振周波数の温度係数が正の圧電体層と組合
わせることにより、共振特性の良好な圧電共振子を作製
することができる。
【0113】AlN、PbZrTi(1−X)
3〔0.54≦x≦1〕は、いずれも圧電体であって、し
かも共振周波数の温度係数が正の値を有しているから、
共振周波数の温度係数が負の圧電体層と組合わせること
により、共振特性の良好な圧電共振子を作製することが
できる。
【0114】SiO2やSiNからなる絶縁体層は、フ
ォトリソグラフィ技術とRIEなどのエッチングによっ
て、任意にパターニングが可能である。このため、請求
項5に記載した圧電共振子では、SiO2やSiNから
なる絶縁膜を圧電膜や基板の保護膜として使用する。ま
た、任意の形状に形成し、基板の特定部分をエッチング
するためのマスクとして使用することも可能である。ま
た、SiO2では、共振周波数の温度係数は正の値であ
り、SiNでは、共振周波数の温度係数は負の値をとる
から、SiO2とSiNとを使い分けることにより、圧
電共振子の設計を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の圧電薄膜共振子の構造を示す断面図であ
る。
【図2】共振周波数の温度特性を改善した従来の別な圧
電薄膜共振子の構造を示す断面図である。
【図3】浮き構造を有する従来の別な圧電薄膜共振子の
構造を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による圧電薄膜共振子
の構造を示す断面図である。
【図5】(a)〜(h)は同上の圧電薄膜共振子の製造
工程を説明する概略図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による圧電薄膜共振子
の構造を示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による圧電薄膜共振子
の構造を示す断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態による圧電薄膜共振子
の構造を示す断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態による圧電薄膜共振子
の構造を示す断面図である。
【図10】本発明の第6の実施形態による圧電薄膜共振
子の構造を示す断面図である。
【図11】本発明の第7の実施形態による圧電薄膜共振
子の構造を示す断面図である。
【図12】本発明の第8の実施形態による圧電薄膜共振
子の構造を示す断面図である。
【図13】本発明の第9の実施形態による圧電薄膜共振
子の構造を示す断面図である。
【図14】本発明の第10の実施形態による圧電薄膜共
振子の構造を示す断面図である。
【図15】本発明の第11の実施形態による圧電薄膜共
振子の構造を示す断面図である。
【図16】本発明の第12の実施形態による圧電薄膜共
振子の構造を示す断面図である。
【図17】本発明の第13の実施形態による圧電薄膜共
振子の構造を示す断面図である。
【図18】本発明の第14の実施形態による圧電薄膜共
振子の構造を示す断面図である。
【図19】本発明の第15の実施形態による圧電薄膜共
振子の構造を示す断面図である。
【図20】本発明の第16の実施形態による圧電薄膜共
振子の構造を示す断面図である。
【図21】(a)〜(g)は同上の圧電薄膜共振子の製
造工程を説明する概略図である。
【図22】本発明の第17の実施形態による圧電薄膜共
振子の構造を示す断面図である。
【図23】本発明の第18の実施形態による圧電薄膜共
振子の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
22 Si基板 23 SiO2薄膜 25 薄膜支持部 26A,55A AlN圧電薄膜 26Z,55Z ZnO圧電薄膜 27a,27b,57a,57b 励振用電極 28,56 圧電積層体 52 ガラス基板 53 エアギャップ 54 薄膜支持部
フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−165188(JP,A) 特開 平4−349164(JP,A) 特開 平3−148186(JP,A) 特開 昭60−126907(JP,A) 特開 昭60−68711(JP,A) 特開 平7−254836(JP,A) 特開 昭58−137317(JP,A) 特開 平7−30354(JP,A) 特公 平5−32925(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/17 C23C 14/06 C23C 14/08 H01L 21/205 H01L 41/083 H01L 41/09 H01L 41/18 H03H 9/54

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の上に、該基板から少なくとも一部
    を浮かせるようにして絶縁体層を形成し、AlNからな
    る1層もしくは複数層の圧電体層とZnOからなる1層
    もしくは複数層の圧電体層とを積層した圧電積層体を前
    記絶縁体層の上に配置し、前記圧電積層体を構成する圧
    電体層の少なくとも1層を挟むようにして電極を設けた
    ことを特徴とする圧電共振子。
  2. 【請求項2】 基板の上に、該基板から少なくとも一部
    を浮かせるようにして絶縁体層を形成し、共振周波数の
    温度係数が正である1層もしくは複数層の圧電体層と該
    温度係数が負である1層もしくは複数層の圧電体層とを
    積層した圧電積層体を前記絶縁体層の上に配置し、前記
    圧電積層体を構成するいずれの圧電体層もいずれかの電
    極間に挟まれるようにして電極を設けたことを特徴とす
    る圧電共振子。
  3. 【請求項3】 基板の上に、該基板から少なくとも一部
    を浮かせるようにして絶縁体層を形成し、共振周波数の
    温度係数が正である1層もしくは複数層の圧電体層と該
    温度係数が負である1層もしくは複数層の圧電体層とを
    積層した圧電積層体を前記絶縁体層の上に配置し、前記
    圧電積層体を構成する圧電体層の少なくとも1層を挟む
    ようにして電極を設け、共振周波数の温度係数が負であ
    る前記圧電体層を、ZnO、LiNbO 、LiTaO
    、PbZr Ti (1−X) 〔0≦x≦0 .
    2〕のいずれかの圧電材料を主成分として構成したこと
    を特徴とする圧電共振子。
  4. 【請求項4】 基板の上に、該基板から少なくとも一部
    を浮かせるようにして絶縁体層を形成し、共振周波数の
    温度係数が正である1層もしくは複数層の圧電体層と該
    温度係数が負である1層もしくは複数層の圧電体層とを
    積層した圧電積層体を前記絶縁体層の上に配置し、前記
    圧電積層体を構成する圧電体層の少なくとも1層を挟む
    ようにして電極を設け、共振周波数の温度係数が正であ
    る前記圧電体層を、AlN、PbZr Ti (1−X)
    〔0 . 54≦x≦1〕を主成分として構成したこと
    を特徴とする圧電共振子。
  5. 【請求項5】 基板の上に、該基板から少なくとも一部
    を浮かせるようにして絶縁体層を形成し、共振周波数の
    温度係数が正である1層もしくは複数層の圧電体層と該
    温度係数が負である1層もしくは複数層の圧電体層とを
    積層した圧電積層体を前記絶縁体層の上に配置し、前記
    圧電積層体を構成する圧電体層の少なくとも1層を挟む
    ようにして電極を設け、前記絶縁体層を、SiO 又は
    SiNを主成分として構成したことを特徴とする圧電共
    振子。
  6. 【請求項6】 前記圧電積層体を構成するいずれの圧電
    体層も、いずれかの電極間に挟まれていることを特徴と
    する、請求項1又は3〜5に記載の圧電共振子。
  7. 【請求項7】 共振周波数の温度係数が負である圧電体
    層は、ZnO、LiNbO、LiTaO、PbZr
    Ti(1−X)〔0≦x≦0.52〕のいずれか
    の圧電材料を主成分として構成されていることを特徴と
    する、請求項2又は4〜6に記載の圧電共振子。
  8. 【請求項8】 共振周波数の温度係数が正である圧電体
    層は、AlN、PbZrTi(1−X)〔0.5
    4≦x≦1〕を主成分として構成されていることを特徴
    とする、請求項2、3又は5〜7に記載の圧電共振子。
  9. 【請求項9】 前記絶縁体層は、SiO又はSiNを
    主成分として構成されていることを特徴とする、請求項
    1〜4又は6〜8に記載の圧電共振子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜のいずれかに記載の圧電
    共振子を用いた電子部品。
  11. 【請求項11】 請求項1〜のいずれかに記載の圧電
    共振子を用いた電子機器。
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