JP3513787B2 - Lc複合部品 - Google Patents
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Description
LC複合部品に関するもので、特に、コンデンサ部分と
インダクタ部分とを一体焼結して得られるLC複合部品
に関するものである。
ダクタとコンデンサとを組み合わせて積層チップ型とし
たLC複合部品が用いられている。このLC複合部品
は、磁性体グリーンシートおよび誘電体グリーンシート
のそれぞれを積層して得られる積層体、すなわちインダ
クタとなる磁性体セラミック部分とコンデンサとなる誘
電体セラミック部分とを互いに重ね合わせた上で一体焼
結してなる部品本体を備えている。
材料のうち、磁性体セラミック材料と直接に一体焼結し
得るものは限られている。それにも関わらず、LC複合
部品の需要者は、多様な用途に応えるため、あらゆる誘
電体セラミック材料が、LC複合部品における誘電体セ
ラミック部分において用いられ得ることを望んでいる。
部分とを一体焼結させる技術を採用しながらも、上述の
要望に応えるためには、種類の異なる材料を組み合わせ
ても常に良好な接合が達成されるよう、焼結挙動および
拡散種を制御するとともに、一体焼結温度から常温に戻
す際に接合界面に生じる応力を、誘電体セラミックおよ
び磁性体セラミックの双方の破壊強度以下に制御する必
要がある。
ようなものがある。たとえば、特開昭64−61015
号公報では、セラミック誘電体層にホウケイ酸ガラスを
含有させてセラミック誘電体層とセラミック磁性体層と
の各線膨張率を近似させることが記載されている。この
場合のガラス添加は、熱膨張係数の差によってもたらさ
れる応力の緩和を目的としている。
ク誘電体および/またはセラミック磁性体にアルカリ土
類酸化物を含有するホウケイ酸ガラスを含有させて、セ
ラミック誘電体層とセラミック磁性体層との各線膨張率
を近似させることが記載されている。この場合のガラス
添加も、熱膨張係数の差によってもたらされる応力の緩
和を目的としている。
体セラミックおよび/または磁性体セラミックにホウケ
イ酸ガラスを添加することによって得ようとする効果
は、誘電体セラミックおよび磁性体セラミックの各熱膨
張係数とホウケイ酸ガラスの熱膨張係数とを合成するこ
とによって、コンデンサ部分とインダクタ部分との熱膨
張係数を制御しようとすることである。
るには、ガラスの熱膨張係数だけを変化させる手法には
無理ないしは限界がある。ホウケイ酸ガラスの熱膨張係
数を変化させるには、まず、ホウケイ酸ガラスの組成お
よび組成比を変化させる必要がある。ホウケイ酸ガラス
の組成および組成比を変化させると、ガラスの物理的お
よび化学的特性が変化する。特にガラス軟化点が有効な
指標となるガラス粘度は大きく変化する。この粘度が変
化することにより、コンデンサ部分およびインダクタ部
分の焼結性が変化する。このため、熱膨張係数だけでな
く、焼結温度まで変化していまい、一体焼成したときに
は、部品本体に剥がれや反りなどの欠陥が生じてしま
う。
び磁性体セラミックに含有されるガラスが接合性にどの
ような影響を及ぼすかについて全く言及していない。実
際、上述したようにガラスの組成および組成比を変化さ
せ、そのため、ガラス粘度が変化すると、コンデンサ部
分とインダクタ部分との間での組成種の相互拡散速度や
反応性が変化し、接合性が変化してしまう。
ラミック層に含有されるホウケイ酸ガラスは、組成比に
よって、耐湿性、耐酸性および耐アルカリ性が劣化する
ことがある。この原因の主なものの一つに、B2 O3 の
含有が挙げられる。特に、低SiO2 領域では、このこ
とが顕著である。ガラスのB2 O3 含有に伴う信頼性の
低下は、たとえばコンデンサ部分の誘電体セラミック層
において層間マイグレーションを引き起こし、LC複合
部品の致命的な欠陥につながることがある。
を解決し得るLC複合部品を提供しようとすることであ
る。
ミック層と電極層との積層構造を有するコンデンサ部分
と、磁性体セラミック層と電極層との積層構造を有する
インダクタ部分とを一体焼成して得られた部品本体を備
える、LC複合部品に向けられるものであって、上述し
た技術的課題を解決するため、次のような構成を採用し
たことを特徴としている。
ク層は、800℃以下の軟化点をもち、B 2 O 3 を含まな
いケイ酸塩ガラスを0.5wt%〜90wt%含有す
る。磁性体セラミック層は、ガラスを含有しないか、ま
たは、800℃以下の軟化点をもち、B 2 O 3 を含まない
ケイ酸塩ガラスを0.5wt%〜90wt%含有する。
磁性体セラミック層に含有される前記ケイ酸塩ガラス
は、主成分として、少なくとも1種のMa 2 O(Maは
アルカリ金属)を1mol%〜15mol%と、少なく
とも1種のMeO(Meはアルカリ土類金属)を20m
ol%〜70mol%と、SiO 2 を5mol%〜60
mol%と、Bi 2 O 3 を0.5mol%〜70mol%
とを含む。さらに、前記コンデンサ部分と前記インダク
タ部分との一体焼結温度が1000℃以下であり、前記
コンデンサ部分と前記インダクタ部分とがガラスの相互
拡散によって接合されている。
を50 mol%以下とCuOを50 mol%以下とを含むも
の、Al2 O3 およびZrO2 の少なくとも一方を10
mol%以下含むもの、ZnO、Co3 O4 およびNiO
の少なくとも1種を5 mol%以下含むもの、少なくとも
1種の希土類酸化物を5 mol%以下含むもの、あるい
は、これらの組合せを含むものであることが好ましい。
によるLC複合部品1の外観が斜視図で示されている。
LC複合部品1は、コンデンサ部分2とインダクタ部分
3とを一体焼成して得られた部品本体4を備え、部品本
体4の端面上には、複数の外部電極5が形成されてい
る。
は、誘電体セラミック層と電極層との積層構造を有し、
インダクタ部分3は、磁性体セラミック層と電極層との
積層構造を有している。上述した誘電体セラミック層の
み、または、誘電体セラミック層および磁性体セラミッ
ク層には、800℃以下の軟化点をもつガラスが含有さ
れ、コンデンサ部分2とインダクタ部分3との一体焼結
温度が1000℃以下とされている。
て、コンデンサ部分2とインダクタ部分3との接合性
は、主に誘電体セラミック層のみ、または、誘電体セラ
ミック層および磁性体セラミック層に含有される上述し
た低軟化点ガラスの相互拡散で得ようとしている。この
ような低軟化点ガラスを用いた相互拡散による接合手法
によると、低温焼結に有利であるだけでなく、ガラスを
含有する誘電体セラミック層のみ、または、誘電体セラ
ミック層および磁性体セラミック層における残留応力
は、ガラスのガラス歪み点以上では無視できるため、低
軟化点ガラスを使用することにより、ガラス歪み点以下
での熱膨張係数が同じまたはほぼ同じであれば、ガラス
無添加での固相反応による接合と比較して、接合界面に
かかる応力(残留応力)を著しく低減できる。このとき
の焼結温度と残留応力との関係は、主にガラスの軟化点
を代表的指標とするガラス粘度とガラスに対する誘電体
および磁性体の各濡れ性とによって決定される。
えば金、銀または銅を主成分とする比抵抗の小さい金属
を内蔵化する必要がある。このためには、誘電体セラミ
ック層および磁性体セラミック層はともに1000℃以
下の温度で焼成される必要がある。誘電体セラミック層
のみ、または、誘電体セラミック層および磁性体セラミ
ック層に添加されるガラスとして、上述した800℃以
下の軟化点をもつガラスを用いたとき、1000℃以下
の温度での焼成を可能とする。
ガラスは、組成比によっては、耐湿性、耐酸性および耐
アルカリ性において劣る。この発明において、ガラスと
して、B2O3を含まないケイ酸塩ガラスが用いられる。
このように、ガラスの組成からB2O3を除外することに
より、ガラスを結晶化させやすくし、ガラスの耐化学性
を高くできるため、コンデンサ部分の誘電体セラミック
層における層間マイグレーションを防止し、LC複合部
品の信頼性を向上させることができる。また、ガラスの
結晶化は、ガラス強度も向上させるため、ガラス歪み点
以下で生じる残留応力に対しても有利となる。
スは、0.5wt%〜90wt%の範囲で添加される。
一般的に、固相反応接合では、約10mm角の接合面を
1000℃で接合しようとしたとき、接合されるべき材
料のヤング率やポアソン比によって若干の違いがある
が、熱膨張係数の差が0.5×10-6/℃より大きくな
ると、接合界面にクラックが生じることがわかってい
る。これに対して、800℃以下の軟化点をもつガラス
を0.5wt%〜90wt%添加することにより、コン
デンサ部分2とインダクタ部分3との熱膨張係数の差が
0.5×10-6/℃よりも大きくても接合界面にクラッ
クが生じることがない。
として、少なくとも1種のMa2O(Maはアルカリ金
属)を1mol%〜15mol%と、少なくとも1種の
MeO(Meはアルカリ土類金属)を20mol%〜7
0mol%と、SiO2を5mol%〜60mol%
と、Bi2O3を0.5mol%〜70mol%とを含
む。
は、ガラス粘度を低下させる働きがある。Ma2 Oが1
mol%未満であると、ガラス化温度が高くなりすぎ、1
000℃以下での焼結が困難となる。他方、15 mol%
を越えると、誘電体の耐湿性とQとが低下する。MeO
(Meはアルカリ土類金属)は、誘電体とガラスとの反
応を促進させる働きがある。MeOが20 mol%未満で
あると、誘電体との反応が進まず、1000℃以下での
焼結が困難となる。しかも、MeOは、ガラス化温度を
上昇させ、Q値に悪影響を及ぼす。MeOが70 mol%
を越えると、1000℃以下での焼結が困難となり、Q
値が著しく悪化してしまう。
化温度が高くなりすぎ、1500℃以下ではガラス化し
ない。また、SiO2 が5 mol%未満であると、焼結体
の収縮率のばらつきが大きくなり、部品本体4の基材と
しての実用に耐え得ない。Bi2 O3 は、誘電体および
磁性体とガラスとの反応を促進させ、ガラス粘度を低下
させる働きがある。Bi2 O3 が0.5 mol%未満であ
ると、1000℃以下での焼結が困難となり、70 mol
%を越えると、内部の電極層と反応してしまい、また耐
湿性も著しく低下してしまう。
として、TiO2 を50 mol%以下とCuOを50 mol
%以下とを含むもの、Al2 O3 およびZrO2 の少な
くとも一方を10 mol%以下含むもの、ZnO、Co3
O4 およびNiOの少なくとも1種を5 mol%以下含む
もの、少なくとも1種の希土類酸化物を5 mol%以下含
むもの、あるいは、これらの組合せを含むものであるこ
とが好ましい。
反応を促進させ、誘電体セラミック層の誘電率を高め、
化学的耐久性を高める働きをする。しかし、TiO2 が
50mol%を越えると、ガラスの溶融温度を高くし、1
000℃以下の焼成が困難となる。CuOは、誘電体お
よび磁性体とガラスとの反応を促進させ、さらにガラス
の結晶化材として働く。しかし、CuOが50 mol%を
越えると、Qが著しく劣化する。
び部品本体4の化学的耐久性を高める働きをする。しか
し、Al2 O3 やZrO2 が10 mol%を越えると、ガ
ラスの溶融温度を高くし、1000℃以下の焼結が困難
となる。ZnO、Co3 O4 およびNiOは、磁性体と
ガラスとの反応を促進させ、磁性体の磁気特性を向上さ
せる。しかし、ZnOやCo3 O4 やNiOが5 mol%
を越えると、1000℃以下での焼結が困難となる。
ラスとの反応を促進させ、誘電率を高める働きがある。
しかし、その添加量が5 mol%を越えると、化学的耐久
性が劣化する。
3 系材料を用いた。このBaTiO 3 系材料に添加する
ガラスとして、以下の表1に示すようなガラスDG1、
DG2、DG3およびDG4を用意した。ここで、ガラ
スDG1、DG2およびDG3は、この発明の範囲内の
ものであり、ガラスDG4は、比較例として用意された
この発明の範囲外のアルカリ土類金属酸化物含有ホウケ
イ酸ガラスである。
−Znフェライト材料を用いた。このNi−Znフェラ
イト材料に添加するガラスとして、以下の表2に示すよ
うなガラスFG1、FG2、FG3およびFG4を用意
した。ここで、ガラスFG1、FG2およびFG3は、
この発明の範囲内のものであり、ガラスFG4は、比較
例として用意されたこの発明の範囲外のものである。
料には、適当量のバインダ、可塑剤および溶剤ととも
に、ガラスDG1、DG2、DG3およびDG4の各々
を、以下の表3に示す割合で添加し、これらを混練して
誘電体材料のスラリーを得た。また、Ni−Znフェラ
イト材料には、適当量のバインダ、可塑剤および溶剤と
ともに、ガラスFG1、FG2、FG3およびFG4の
各々を、表3に示す割合で添加し、これらを混練して磁
性体材料のスラリーを得た。
および磁性体スラリーのそれぞれを、ドクターブレード
法により厚さ100μm以下のシート状に成形した。成
形されたセラミックグリーンシートを縦12mm、横12
mmの寸法にカットし、誘電体グリーンシートには静電容
量取得のための内部電極パターンを、磁性体グリーンシ
ートにはインダクタンス取得のためのコイル電極パター
ンを、それぞれ、Ag/Pdペーストで印刷した。
とからなる部品本体を得るべく、誘電体グリーンシート
と磁性体グリーンシートとをそれぞれ積み重ね、この積
層体を3mmの厚さになるようにプレスした。このとき、
コンデンサ部分の厚さとインダクタ部分の厚さとは同等
とした。このようにして得られた積層体を、次いで、9
00℃〜1000℃の温度で2時間焼成し、部品本体を
得た。そして、この部品本体の端面に外部電極を付与し
た。この外部電極の付与には、Ag粉末にガラスフリッ
トおよび有機ビヒクルを加えた導電性ペーストを塗布
し、800℃で30分間焼き付けることを行なった。
有するLC複合部品を得た。このLC複合部品に関し
て、焼結性、ならびに、接合性、Δα(=α2 −α1 ;
α1 は誘電体セラミック材料の熱膨張係数、α2 は磁性
体セラミック材料の熱膨張係数)、および接合界面での
クラックの有無のような機械的特性をそれぞれ評価し、
これらも表3に併せて示した。
に比較例であるガラスFG4を1wt%添加した試料5、
10、15および20では、焼結性が低く、1000℃
以下では適正に焼結しなかった。また、誘電体セラミッ
ク材料に比較例であるガラスDG4を18wt%添加した
試料16〜20では、焼結性が低いばかりでなく、コン
デンサ部分とインダクタ部分との接合界面にクラックが
発生した。
加されるガラスが800℃以下の軟化点をもつガラスD
G1、DG2またはDG3であり、このガラスの添加量
が18wt%であるとともに、磁性体セラミック材料に添
加されるガラスが800℃以下の軟化点をもつガラスF
G1、FG2またはFG3であり、このガラスの添加量
が1wt%である、この発明の範囲内にある試料2〜4、
7〜9、および12〜14では、焼結性および機械的特
性がともに良好であった。
0℃以下の軟化点をもつガラスDG1、DG2またはD
G3が添加された、この発明の範囲内にある試料1、6
および11においても、上述の試料2〜4、7〜9、お
よび12〜14と同様、焼結性および機械的特性がとも
に良好であった。また、試料1〜4、6〜9、および1
1〜14と、試料5、10、および15〜20とを比較
することにより、誘電体セラミック材料および/または
磁性体セラミック材料に添加されるガラスの組成からB
2 O3 を除外する意義を見出すこともできる。すなわ
ち、上記ガラスの組成からB2 O3 を除外したケイ酸塩
ガラスを用いた試料1〜4、6〜9、および11〜14
によれば、B2 O3 を含有したガラスを用いた試料5、
10、および15〜20に比べて、焼結性および機械的
特性がともに良好であると言うことができる。これは、
ガラスの組成からB2O3 を除外することにより、ガラ
スを結晶化させやすくでき、強度を向上させることがで
きるためであり、残留応力に対して有利となる。さら
に、ガラスの耐化学性を高くできるため、コンデンサ部
分の層間マイグレーションを防止し、LC複合部品の信
頼性を向上させることができる。
ガラスDG4を誘電体セラミック材料に50wt%添加す
るとともに、磁性体セラミック材料にガラスFG1、F
G2またはFG3を10wt%あるいはFG4を20wt%
添加した試料21〜24では、焼結性および機械的特性
がともに良好であったことがわかる。しかしながら、こ
れら試料21〜24では、プレッシャークッカーテスト
を実施したとき、10時間以内に絶縁抵抗が1012から
106 にまで劣化した。
料1〜4、6〜9、および11〜14では、プレッシャ
ークッカーテストを実施したとき、150時間以上経過
した後も絶縁抵抗は1012に維持された。
系材料を用いた。他方、磁性体セラミック材料として
は、実施例1と同様、、Ni−Znフェライト材料を用
いた。また、Al2 O3 系材料およびNi−Znフェラ
イト材料にそれぞれ添加するガラスとしては、前の表1
に示すようなガラスDG1、DG2、DG3およびDG
4、ならびに前の表2に示すようなガラスFG1、FG
2、FG3およびFG4を用いた。
には、適当量のバインダ、可塑剤および溶剤とともに、
ガラスDG1、DG2、DG3およびDG4の各々を、
以下の表4に示す割合で添加し、これらを混練して誘電
体材料のスラリーを得た。また、Ni−Znフェライト
材料には、適当量のバインダ、可塑剤および溶剤ととも
に、ガラスFG1、FG2、FG3およびFG4の各々
を、表4に示す割合で添加し、これらを混練して磁性体
材料のスラリーを得た。
および磁性体スラリーをそれぞれ用いて、実施例1と同
様の手法により、内部電極パターンが印刷された誘電体
グリーンシートおよびコイル電極パターンが印刷された
磁性体グリーンシートをそれぞれ作製し、これらグリー
ンシートを積み重ね、プレスして、積層体を得た。次い
で、この積層体を、900℃の温度で2時間焼成し、部
品本体を得た。そして、この部品本体の端面に、実施例
1と同様、外部電極を付与して、図1に示すような外観
を有するLC複合部品を得た。このLC複合部品に関し
て、実施例1と同様、焼結性、ならびに、接合性、Δ
α、および接合界面でのクラックの有無のような機械的
特性をそれぞれ評価し、これらも表4に併せて示した。
に比較例であるガラスFG4を添加した試料29、3
4、39および44では、焼結性が低く、1000℃以
下の900℃では焼結しなかった。このことは、ガラス
FG4の添加量を増やしても同様であった。また、誘電
体セラミック材料に比較例であるガラスDG4を添加し
た試料40〜44では、焼結性が低いばかりでなく、コ
ンデンサ部分とインダクタ部分との接合界面にクラック
が発生した。
加されるガラスがガラスDG1、DG2またはDG3で
あるとともに、磁性体セラミック材料に添加されるガラ
スがガラスFG1、FG2またはFG3である場合、す
なわち、800℃以下、より特定的には780℃以下の
軟化点をもつガラスを添加した誘電体セラミック材料と
磁性体セラミック材料とを組み合わせた場合、この発明
の範囲内にある試料26〜28、31〜33、および3
6〜38において現れているように、焼結性および機械
的特性がともに良好であった。
0℃以下の軟化点をもつガラスDG1、DG2またはD
G3が添加された、この発明の範囲内にある試料25、
30および35においても、上述の試料26〜28、3
1〜33、および36〜38と同様、焼結性および機械
的特性がともに良好であった。また、この実施例2にお
いても、試料25〜28、30〜33、および35〜3
8と、試料29、34、および39〜44とを比較する
ことにより、誘電体セラミック材料および/または磁性
体セラミック材料に添加されるガラスの組成からB2 O
3 を除外することにより、焼結性および機械的特性がと
もに良好になることがわかる。すなわち、前述した実施
例1と同様、ガラスの組成からB2 O3を除外すること
により、ガラスを結晶化させやすくでき、強度を向上さ
せることができるため、残留応力に対して有利となると
ともに、ガラスの耐化学性を高くできるため、コンデン
サ部分の層間マイグレーションを防止し、LC複合部品
の信頼性を向上させることができる、ということが理解
できる。
タ部分との一体焼結体からなる部品本体を備えるLC複
合部品において、この発明によれば、コンデンサ部分と
インダクタ部分との接合性は、コンデンサ部分における
誘電体セラミック層のみ、または、コンデンサ部分にお
ける誘電体セラミック層およびインダクタ部分における
磁性体セラミック層に添加されたガラスの相互拡散によ
って得られる。このガラスは、800℃以下の軟化点を
もつとともに、誘電体のみ、または、誘電体および磁性
体に添加されたとき、1000℃以下の温度で誘電体セ
ラミックおよび磁性体セラミックを焼結可能とするの
で、コンデンサ部分とインダクタ部分との間で熱膨張係
数にある程度の差があっても、焼結後の残留応力を緩和
することができる。
ることが可能な誘電体セラミック材料および磁性体セラ
ミック材料の幅が広がり、それゆえ、多種類の複合化さ
れたLC複合部品を得ることがより容易になる。
外観を示す斜視図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 誘電体セラミック層と電極層との積層構
造を有するコンデンサ部分と、磁性体セラミック層と電
極層との積層構造を有するインダクタ部分とを一体焼成
して得られた部品本体を備える、LC複合部品におい
て、 前記誘電体セラミック層は、800℃以下の軟化点をも
ち、B 2 O 3 を含まないケイ酸塩ガラスを0.5wt%〜
90wt%含有し、 前記磁性体セラミック層は、ガラスを含有しないか、ま
たは、800℃以下の軟化点をもち、B 2 O 3 を含まない
ケイ酸塩ガラスを0.5wt%〜90wt%含有し、 前記誘電体セラミック層のみ、または、前記誘電体セラ
ミック層および前記磁性体セラミック層に含有される前
記ケイ酸塩ガラスは、主成分として、 少なくとも1種のMa 2 O(Maはアルカリ金属)を1
mol%〜15mol%と、 少なくとも1種のMeO(Meはアルカリ土類金属)を
20mol%〜70mol%と、 SiO 2 を5mol%〜60mol%と、 Bi 2 O 3 を0.5mol%〜70mol%とを含み、 前記コンデンサ部分と前記インダクタ部分との一体焼結
温度が1000℃以下であり、前記コンデンサ部分と前
記インダクタ部分とが前記ガラスの相互拡散によって接
合されていることを特徴とする、LC複合部品。 - 【請求項2】 前記ケイ酸塩ガラスは、副成分として、
TiO2を50mol%以下と、CuOを50mol%
以下とを含む、請求項1に記載のLC複合部品。 - 【請求項3】 前記ケイ酸塩ガラスは、副成分として、
Al2O3およびZrO2の少なくとも一方を10mol
%以下含む、請求項1または請求項2に記載のLC複合
部品。 - 【請求項4】 前記ケイ酸塩ガラスは、副成分として、
ZnO、Co3O4およびNiOの少なくとも1種を5m
ol%以下含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の
LC複合部品。 - 【請求項5】 前記ケイ酸塩ガラスは、副成分として、
少なくとも1種の希土類酸化物を5mol%以下含む、
請求項1ないし4のいずれかに記載のLC複合部品。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30602896A JP3513787B2 (ja) | 1996-11-18 | 1996-11-18 | Lc複合部品 |
EP97119798A EP0843410B1 (en) | 1996-11-18 | 1997-11-12 | Inductance-capacitance composite component |
DE69738860T DE69738860D1 (de) | 1996-11-18 | 1997-11-12 | Zusammengesetztes Induktivität-Kapazitäts-Bauteil |
US08/971,505 US6094111A (en) | 1996-11-18 | 1997-11-17 | Inductance-capacitance composite component with a glass having a low temperature softening point |
Applications Claiming Priority (1)
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