JP3511986B2 - Co2を50%以上含有するシールドガスを用いるマグ溶接に適した溶接部の靭性及び耐食性に優れた大型構造物用ステンレス鋼 - Google Patents

Co2を50%以上含有するシールドガスを用いるマグ溶接に適した溶接部の靭性及び耐食性に優れた大型構造物用ステンレス鋼

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、橋梁、ビルディ
ング、集合住宅、個人住宅、温室、農業ハウスなどの大
型構造物に使用するのに適したステンレス鋼に関するも
のであって、特に、CO2 を50%以上含有するシールドガ
スを用いてマグ溶接(metal active gas welding)した
場合の溶接部の靭性及び耐食性の改善を図る。
【0002】
【従来の技術】構造用鋼としては、従来、主にSS400 等
の普通鋼やSM490 等の高張力鋼が使用されてきたが、近
年、ライフサイクルコストおよびメンテナンスコストの
低減が問題となっているインフラ建造物や高耐久性が要
求される構造物に対しては、ステンレス鋼を用いること
が検討されている。
【0003】構造用ステンレス鋼としては、既にSUS304
鋼などが認定されているが、高価格であることが障害と
なってあまり普及していないのが実情であり、従って、
構造用ステンレス鋼を普及させるためにはコストダウン
による低価格化を図ることが必要である。
【0004】この発明が対象とするような大型構造物で
は、鋼材のコストダウンのみならず、溶接でのコストダ
ウンや施工性の向上も重要である。
【0005】ステンレス鋼の溶接では、溶接部の耐食性
を確保するためにシールドガスとして一般に不活性ガス
を用いているが、溶接コストの低減や溶接アークを安定
させて施工性を向上させるためにはCO2 ガスを混合させ
ることが必要となる。
【0006】しかしながら、CO2 ガスの混合割合が大き
くなると、溶接組織内の不純物が増加して、耐食性や靱
性が劣化しやすくなるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、特にCO2
ガスを50%以上含有するシールドガスを用いてマグ溶接
した場合であっても、溶接部の靱性や耐食性の劣化し難
い大型構造物を製造するのに適し、しかもSUS304鋼など
に比べて安価なステンレス鋼を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記のよう
な課題に対し、多くのステンレス鋼及び添加元素の影響
を調査した結果、以下に示す成分組成を有するステンレ
ス鋼は、CO2 を50%以上含有するシールドガスを用いて
マグ溶接した場合であっても、溶接部の靭性及び耐食性
は、100 %不活性ガスをシールドガスとして用いて溶接
(ミグ溶接)した場合と同等レベルであり、しかも、CO
2 を50%以上含有するシールドガスを用いているので、
溶接コストが格段に低減され、加えて、素材コストはSU
S304鋼に比べて大幅に安価にできることを見出した。
【0009】すなわち、本発明の要旨構成は次のとおり
である。 1.C:0.0025mass%超え、0.03mass%未満、 N:0.0025mass%超え、0.03mass%未満、 Si:0.1 mass%超え、2.0 mass%未満、 Mn:0.5 mass%超え、2.0 mass%未満、 P:0.04mass%未満、 S:0.03mass%未満、 Cr:8.0mass %超え、15.0mass%未満および V:0.01mass%超え、0.5 mass%未満 を含有し、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物の組
成になることを特徴とする、溶接部の靭性及び耐食性に
優れた、 CO 50 %以上含有するシールドガスを用いる
マグ溶接用の大型構造物用ステンレス鋼。
【0010】2.上記1において、さらにCo:0.5 mass
%未満およびW:0.05mass%未満のうちから選んだ1種
または2種を含有する組成になることを特徴とする、大
型構造物用ステンレス鋼。
【0011】3.上記1または2において、さらにTi:
0.7 mass%未満、Nb:0.7 mass%未満、Ta:0.7 mass%
未満、Zr:0.5 mass%未満、Al:0.5 mass%未満および
B:0.005 mass%未満のうちから選んだ1種または2種
以上を含有する組成になることを特徴とする大型構造物
用ステンレス鋼。
【0012】4.上記1,2または3において、さらに
Ni:5.0 mass%未満、Cu:3.0 mass%未満およびMo:3.
0 mass%未満のうちから選んだ1種または2種以上を含
有する組成になることを特徴とする大型構造物用ステン
レス鋼。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明について具体的に
説明する。まず、この発明において、合金の成分組成を
上記の範囲に限定した理由について説明する。
【0014】C:0.0025mass%超え、0.03mass%未満 Cはオーステナイト相(γ相)安定化元素であるが、0.
0025mass%以下ではオーステナイト相を十分に生成する
ことができなくなって、溶接部のマルテンサイト組織の
存在割合が少なくなる結果、靱性不足となるため、C含
有量は0.0025mass%超えとする必要がある。一方、C含
有量が0.03mass%以上では、溶接割れが生じ易くなる。
従って、C含有量は0.0025mass%超え、0.03mass%未満
とした。特に溶接割れ防止のためには0.0025mass%超
え、0.015 mass%未満の範囲が好適である。
【0015】N:0.0025mass%超え、0.03mass%未満 NもCと同じくオーステナイト相安定化元素であるとと
もに、溶接部のマルテンサイト組織において固溶状態で
存在する場合には、耐食性を向上させる効果もあるた
め、一定量の添加が必要であるが、0.0025mass%以下で
はオーステナイト相を十分に生成することができなくな
って、溶接部のマルテンサイト組織の存在割合が少なく
なる結果、靱性不足となるため、N含有量は0.0025mass
%超えとする必要がある。一方、N含有量が0.03mass%
以上では溶接割れが生じ易くなる。従って、N含有量は
0.0025mass%超え、0.03mass%未満とした。より好まし
くは0.0025mass%超え、0.015 mass%以下の範囲であ
る。
【0016】Si:0.1 mass%超え、2.0 mass%未満 Siは、脱酸剤として有用な元素であるが、その含有量
は、0.1 mass%以下では十分な脱酸効果が得られないた
め、0.1 mass%超えにする必要がある。しかし、Si含有
量が2.0 mass%以上になると機械的性質が劣化する。従
って、Si含有量は0.1 mass%超え、2.0 mass%未満とし
た。特に機械的性質の面では 0.1mass%超え、0.5 mass
%未満の範囲が好適である。
【0017】Mn:0.5 mass%超え、2.0 mass%未満 MnもCと同じくオーステナイト相安定化元素であるが、
0.5 mass%以下ではオーステナイト相を十分に生成する
ことができなくなって、溶接部のマルテンサイト組織の
存在割合が少なくなる結果、靱性不足となるため、Mn含
有量は0.5 mass%超えとする必要がある。一方、Mn含有
量が2.0mass %以上では鋼中に残存する介在物が多くな
って耐食性が劣化する。従って、Mn含有量は0.5 mass%
超え、2.0 mass%未満とした。特にオーステナイト相の
生成と耐食性とのバランスの面からは 0.5mass%超え、
1.0 mass%未満の範囲が好適である。
【0018】P:0.04mass%未満 Pは、靭性等の機械的性質を劣化させるばかりでなく、
耐食性に対しても有害な元素であり、特にP含有量が0.
04mass%以上になるとその影響が顕著になることから、
P含有量を0.04mass%未満に抑制するものとした。より
好ましくは0.035 mass%未満である。
【0019】S:0.03mass%未満 Sは、Mnと結合してMnSを形成し、初期発銹起点とな
る。またSは、結晶粒界に偏析して、粒界脆化を促進す
る有害元素でもあるので、極力低減することが好まし
い。特にS含有量が0.03mass%以上になるとその悪影響
が顕著になるので、S含有量は0.03mass%未満に抑制す
るものとした。より好ましくは0.01mass%未満である。
【0020】Cr:8.0mass %超え、15.0mass%未満 Crは、この発明が対象とする大型構造物の構造部材とし
て長期使用が可能となるレベルの耐食性を碓保するのに
必要不可欠な元素であり、Cr含有量は、8.0mass %以下
だと耐食性を確保ができなくなるため、8.0 mass%超え
にすることが必要である。一方、Cr量を15mass%以上に
しても、コストアップになるばかりでなく、フェライト
相の生成が多くなって溶接部のマルテンサイト組織の割
合が少なくなる結果、靱性不足となる。従って、Cr含有
量は8.0mass %超え、15.0mass%未満とした。
【0021】V:0.01mass%超え、0.5 mass%未満 Vはこの発明において最も重要な元素であり、Vの添加
により炭窒化物の形態制御を行い、その結果、CO2 の混
合割合が多いシールドガスを用いたマグ溶接を行った場
合であっても、溶接部の靱性が良好となる。また、Cr炭
窒化物の析出が少なくなるため、耐食性の向上にも有効
である。しかしながら、V含有量が0.01mass%以下では
上記効果が十分に得られず、また、V含有量を0.5 mass
%以上にしても、上記効果の向上は期待できないばかり
か、コストの上昇を招くことになる。従って、V含有量
は0.01mass%超え、0.5 mass%未満とした。
【0022】以上、この発明に従うステンレス鋼中に含
有する必須成分について説明したが、この発明では、そ
の他にも以下に述べる各種元素を適宜含有させることが
できる。
【0023】Co:0.5 mass%未満 Coは、溶接部の靱性及び耐食性を向上させるのに有用な
元素であるが、その含有量を0.5 mass%以上にしてもコ
ストアップとなるだけで、靭性向上効果が十分に得られ
なくなるおそれがある。そのため、Co含有量は0.5 mass
%未満にすることが好ましい。
【0024】W:0.05mass%未満 Wは、Vと同様に炭窒化物の形態制御を行うことによっ
て溶接部の靱性を向上させるだけでなく、耐食性も向上
させる有用元素であるが、W含有量を0.05mass%以上に
すると機械的性質が劣化する傾向にある。そのため、W
含有量は0.05mass%未満にすることが好ましい。
【0025】Ti:0.7 mass%未満、Nb:0.7 mass%未満
およびTa:0.7 mass%未満 Ti,Nb,Taは、いずれもVと同様に炭窒化物の形態制御
を行うことによって溶接部の靱性を向上させるのに有用
な元素であるが、いずれの含有量とも0.7 mass%以上だ
と機械的性質が劣化する傾向にある。そのため、Ti,Nb
およびTa含有量はいずれも0.7 mass%未満にすることが
好ましい。
【0026】Zr:0.5 mass%未満 Zrは、Vと同様に炭窒化物の形態制御を行うことによっ
て溶接部の靱性を向上させるのに有用な元素であるが、
Zr含有量を0.5 mass%以上にすると鋼中の介在物が多く
なり機械的性質が劣化する傾向にある。そのため、Zr含
有量は0.5 mass%未満にすることが好ましい。
【0027】Al:0.5 mass%未満 Alは、溶接部の靱性を向上させるのに有用な元素である
が、その含有量が0.5mass%以上では介在物が多くなり
機械的性質が劣化する傾向にある。そのため、Al含有量
は0.5 mass%未満にすることが好ましい。
【0028】B:0.005 mass%未満 Bは、溶接部の靱性を向上させるのに有用な元素である
が、その含有量が0.005 mass%以上だと、鋼板製造時の
熱間加工性が劣化する傾向がある。そのため、B含有量
は0.005 mass%未満にすることが好ましい。
【0029】Ni:5.0 mass%未満、 Niは、活性溶解を低減して耐食性を向上させる効果が極
めて大きいだけでなく、溶接部の靱性を向上させる上で
も有用な成分であるが、その含有量を5.0 mass%以上に
なるとコストアップとなるだけで、靭性向上効果が十分
に得られなくなるおそれがある。そのため、Ni含有量は
5.0 mass%未満にすることが好ましい。
【0030】Cu:3.0 mass%未満 Cuは、フェライト組織やマルテンサイト組織の耐食性を
向上させるのに有用な元素であるが、その含有量が3.0
mass%以上になると逆に耐食性が劣化する傾向がある。
そのため、Cu含有量は3.0 mass%未満にすることが好ま
しい。
【0031】Mo:3.0 mass%未満 Moは、耐食性を向上させるのに非常に有用な元素である
が、その含有量を3.0mass%以上にしてもコストアップ
となるだけで、耐食性向上効果が十分に得られなくなる
おそれがある。そのため、Mo含有量は3.0 mass%未満に
することが好ましい。
【0032】以上述べたように、この発明では、ステン
レス鋼中の組成成分を上記含有範囲に限定することと
し、この構成を採用することによって、CO2 を50%以上
含有するシールドガスを用いてマグ溶接した場合であっ
ても、溶接部の靭性及び耐食性を劣化させずに良好な性
能を維持することができるのである。しかも、マグ溶接
の際に用いるシールドガス中のCO2 の混合割合が多いほ
ど、低コストとなり溶接施工性も向上するため、この発
明の効果は顕著となる。
【0033】次に、本発明のステンレス鋼の好適な製造
方法の一例について説明する。まず、上記の好適成分組
成に調整した溶鋼を、転炉または電気炉等の通常公知の
溶製炉にて溶製したのち、真空脱ガス法(RH法)、V
OD法、AOD法等の公知の精練方法で精練し、ついで
連続鋳造法あるいは造塊−分塊法でスラブ等に鋳造し
て、鋼素材とする。
【0034】鋼素材は、ついで加熱され、熱間圧延工程
により熱延鋼板とされる。熱間圧延工程における加熱温
度は特に限定されないが、加熱温度が高すぎると結晶粒
の粗大化を招き、靱性、加工性を劣化させるので、加熱
温度は1300℃以下とするのが好ましい。なお、圧延の負
荷を考慮すると加熱温度は1000℃以上とすることが好ま
しい。また、熱間圧延工程では所望の板厚の熱延鋼板と
することができればよく、熱間仕上圧延条件は特に限定
されないが、熱間圧延の仕上げ温度は 700℃以上とする
ことが、表面性状、形状の点から好ましい。
【0035】熱間圧延終了後、鋼組織がマルテンサイト
相となり硬質なものについては、マルテンサイト相の焼
き戻しによる軟質化のために熱延板焼鈍を施すのが好ま
しい。この熱延板焼鈍は、焼鈍温度:600 ℃〜750 ℃、
保持時間:3〜20時間とするのが、軟質化のみならず、
加工性の改善、延性の確保の観点から好ましい。また、
熱延板焼鈍を省略する場合には、巻取り温度は 650〜75
0 ℃程度とし、さらに、500 〜750 ℃の温度範囲の冷却
速度を 100℃/h以下とするのが、軟質化の面でより好ま
しい。さらに、熱延終了後あるいは熱延板焼鈍終了後、
酸洗等によりスケールを除去し、さらに研磨等により所
望の表面性状に調整したのち、製品板としてもよい。
【0036】
【実施例】表1に示す化学組成になる50kg鋼塊を真空溶
解し、鋼塊の表面5mmを研削した後、1200℃、1時間
の焼鈍を施し、熱間圧延、空冷により5mm厚の熱延板
とし、前記熱延板に650 ℃、10時間の均一化焼鈍を行っ
た後に、ショットブラストと3%フッ酸−12%硝酸の混
合酸による脱スケールを行うことにより、ステンレス鋼
板を製造し、これらのステンレス鋼板を用いて下記に示
す条件でマグ溶接を行った。
【0037】記 (マグ溶接条件) 溶接ワイヤー:Y309、1.2mm φ 開先形状 :I形 溶接速度 :50 cm/min 溶接入熱 :5000 J/cm シールドガス:Ar+CO2 (CO2 の混合割合:0〜100 %
まで変化)
【0038】
【表1】
【0039】上記条件で溶接した供試鋼板から、溶着金
属と熱影響部がそれぞれ半分となる位置に2mmV ノッチ
を入れたJIS Z 2202に準じたハーフサイズのシャルピー
衝撃試験用の試験片を切り出し、JIS Z 2242に準じて−
25℃におけるシャルピー衝撃値(kg・m/cm2 )を測定
し、溶接部の靭性を評価した。表2にその評価結果を示
す。尚、表2中の靭性の数値は、大きいほど靭性が優れ
ていることを意味するが、この発明では、この数値が5
kg・m/cm2 以上の場合を靭性が合格レベルであるとし
た。
【0040】また、溶接ビードを中央にして、サイズ50
×100mm の試験片を切り出し、溶接スケールをフッ酸、
硝酸の混合酸にて除去した後、0.5 %NaCl溶液を用いて
JISZ 2371に準じた塩水噴霧試験を24時間行い、そのと
きの発錆程度から溶接部の耐食性を5段階で評価した。
この評価結果を表2に示す。尚、表2中の耐食性の数値
は、大きいほど耐食性が優れていることを意味するが、
この発明では、この数値が4以上の場合を耐食性が合格
レベルであるとした。
【0041】
【表2】
【0042】表2に示す結果から、発明例であるNo. 1
〜24は、いずれもCO2 を50%以上含有するシールドガス
を用いてマグ溶接したにもかかわらず、溶接部の靭性及
び耐食性が優れており、また、高価な従来鋼(SUS304
鋼)を用いた従来例であるNo.30 とほぼ同等の性能を有
しているのがわかる。
【0043】一方、鋼組成がこの発明の適正範囲外であ
る比較例であるNo.25 〜28は、いずれも溶接部の靭性お
よび耐食性の少なくとも一方が合格レベルに達していな
かった。また、比較例No.28 と同じ鋼種Yを、シールド
ガスとして高価なArガスのみを用いてマグ溶接した比較
例No.29 は、溶接部の靭性及び耐食性の双方とも合格レ
ベルにあるものの、高価なArガスをシールドガスとして
用いているため、製造コストが発明例に比べて大きく劣
っていた。
【0044】
【発明の効果】この発明に従い、合金成分の適正化を図
ることによって、特にCO2 ガスを50%以上含有するシー
ルドガスを用いてマグ溶接した場合であっても、溶接部
の靱性や耐食性の劣化を防止することができるため、こ
の発明のステンレス鋼は、とりわけ大型構造物を製造す
るのに適しており、しかも、従来の構造用ステンレス鋼
として認定されているSUS304鋼などに比べて安価に製造
できるという顕著な効果を奏することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−80881(JP,A) 特開 昭58−174554(JP,A) 特開 昭58−52460(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.0025mass%超え、0.03mass%未満、 N:0.0025mass%超え、0.03mass%未満、 Si:0.1 mass%超え、2.0 mass%未満、 Mn:0.5 mass%超え、2.0 mass%未満、 P:0.04mass%未満、 S:0.03mass%未満、 Cr:8.0mass %超え、15.0mass%未満および V:0.01mass%超え、0.5 mass%未満 を含有し、残部は実質的にFeおよび不可避的不純物の組
    成になることを特徴とする、溶接部の靭性及び耐食性に
    優れた、 CO 50 %以上含有するシールドガスを用いる
    マグ溶接用の大型構造物用ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらに Co:0.5 mass%未満および W:0.05mass%未満 のうちから選んだ1種または2種を含有する組成になる
    ことを特徴とする、大型構造物用ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、さらに Ti:0.7 mass%未満、 Nb:0.7 mass%未満、 Ta:0.7 mass%未満、 Zr:0.5 mass%未満、 Al:0.5 mass%未満および B:0.005 mass%未満 のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成に
    なることを特徴とする大型構造物用ステンレス鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3において、さらに Ni:5.0 mass%未満、 Cu:3.0 mass%未満および Mo:3.0 mass%未満 のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成に
    なることを特徴とする大型構造物用ステンレス鋼。
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