JP3510891B2 - デキストランエステル、その製造方法および医薬を被覆または埋め込むためのその使用法 - Google Patents

デキストランエステル、その製造方法および医薬を被覆または埋め込むためのその使用法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水に不溶のデキストランエステル、その製造
方法、医薬作用物質または医薬製剤を被覆および/また
は埋め込むためのその使用法およびデキストランエステ
ルにより被覆されたまたは埋め込まれた作用物質を含有
する医薬に関する。
現代の医薬の発展および製剤化において補助物質はま
すます重要になっている。従って、意図的な作用に対応
する単独の医薬物質でなく、むしろ1種以上の添加され
る補助物質との相互作用が存在する。医薬物質放出の時
間および場所特異性および吸収に関して補助物質は特に
重要である。経口医薬の形の投与において従来は医薬物
質放出の時間および場所特異性は適当な被覆物質の選択
により胃および小腸の種々の部分に限定された。しかし
ながら今日まで医薬物質を意図的に放出するために変化
せずにおよび大腸まで完全に活性で移送される医薬の形
を可能にする適当な被覆物質は存在しない。この種の医
薬の形は、たとえばクローン病のような大腸粘膜の炎症
性疾患の局所的治療に好ましい。更に経口投与の際に胃
液および小腸液の生理的または酵素作用により消化さ
れ、従って不活性になるペプチド医薬物質を用いた処理
という新たな方法を記載することが可能である。経口ペ
プチド医薬の発展においてほかの投与可能な手段、たと
えば鼻、経皮または肺の投与と比べてほかの助剤(たと
えば軟膏、スプレー)が不要であるという利点を生じ
る。これは患者が医薬物質の経口投与をより自然に受け
入れ、更に自分で実施できるので、治療の減少した経費
および高められた受け入れ性を生じる。
ヒト大腸の医薬物質の意図的放出のために被覆物質は
以下の要求を満足しなければならない。
1.埋め込みまたは被覆物質は水に不溶でなければなら
ず、大腸の細菌性酵素により分解されなければならな
い。
2.前記物質はなお十分に水中で膨潤すべきである、それ
というのもこれは酵素の攻撃に必要であるからである。
3.前記物質は胃液および小腸液に耐性でなければならな
い。
4.前記物質およびその分解生成物は毒性がなく、生理的
に認容されるべきである。
小腸(104細菌/ml)と大腸(1014細菌/ml)との細菌
の転移増殖密度の明らかな違いが存在する。従って小腸
で安定の皮膜を分解するための大腸菌相の細菌の酵素活
性を利用することが可能である。
J.Chem.Soc.74(1952)5016からステアリルデキスト
ランが公知である。しかしながら分子量または置換の程
度(エステル化度)に関する情報は見出されない。従っ
て大腸菌により分解される物質に対してこれらのパラメ
ータをどのように設定しなければならないかについては
記載されていない。
ドイツ特許公開第4006521号明細書(欧州特許公開第4
50176号明細書に相当)には医薬物質を被覆および埋め
込むための糖含有ポリマーが記載されている。これらの
糖含有ポリマーは経口投与できる医薬作用物質を被覆お
よび/または埋め込むために使用され、ポリマー中に含
有される作用物質が大腸ではじめて放出するという効果
を有する。この刊行物に記載のポリマーは複雑な製造を
必要とし、ポリイソシアネートと架橋するという欠点を
有する。
ドイツ特許公開第4136324号明細書から20000までの分
子量を有し、胆汁酸の吸着剤として使用されるデキスト
ラン誘導体が公知である。
ドイツ特許公開第4131292号明細書にはガラクトマン
ナンがエーテル化またはエステル化された、医薬を被覆
または埋め込むためのガラクトマンナン誘導体が記載さ
れている。しかしながらエーテル化またはエステル化さ
れたガラクトマンナン誘導体の製造方法および精製は複
雑であり、経費がかかる。
従って、本発明の課題は、大腸内で分解可能な物質に
関する前記要求を満足し、容易に入手可能な出発物質か
ら誘導され、技術的に容易に製造し、加工することがで
きる、医薬のための補助物質を提供することであった。
前記課題は分子量40000〜10000000を有し、6〜18個
の炭素原子を有する酸から誘導されるエステル側鎖を有
するデキストランエステルにより解決され、その際デキ
ストランエステルが室温で水に不溶であり、大腸菌によ
り分解されるようにエステル化度を側鎖の炭素原子の数
および分子量に依存して0.04〜1.1の値に調整する。
驚異的にもデキストランから出発して前記の要求を満
足する埋め込み物質を製造できることが判明した。本発
明によるデキストランエステルが更に皮膜形成特性を有
する場合が特に有利であることが判明した、それという
のもこの場合にこの物質が埋め込み物質としておよび被
覆物質として適しているからである。
本発明によるデキストランエステルが環境に問題のな
い溶剤混合物、たとえば水/アルコール混合物に溶解す
るかまたは少なくとも分散可能であることが特に重要で
あり、それというのもそれによりデキストランエステル
を皮膜として塗布する拡大された可能性が提供されるか
らである。
それにより本発明は更に医薬作用物質または医薬製剤
を被覆または埋め込むためのデキストランエステルの使
用法および大腸で有効な作用物質または胃または小腸を
通過する際に分解する作用物質を本発明によるデキスト
ランエステルにより被覆してまたは埋め込んで含有する
医薬に関する。
本発明によるデキストランエステルが被覆物質として
適当であるためには、種々の要因を考慮しなければなら
ない。
従って一方では分子量および皮膜形成のための置換度
および他方では分解可性に逆行する要因が存在する。高
い分子量を選択する場合は皮膜形成に有利であるが、酵
素による攻撃後に皮膜の分解が減速する。合成により高
い置換度を達成する場合は水中での皮膜の安定性が改良
されるが、膨潤および分解可能性が低下する。
本発明は更にデキストランエステルの製造方法に関
し、この方法はデキストランがなお溶解する量の非プロ
トン性の極性有機溶剤を添加することができるホルムア
ミドおよび/またはジメチルスルホキシドからなる溶剤
にデキストランを溶解し、プロトン捕獲剤の存在下で6
〜18個の炭素原子を有する酸のハロゲン化物、特に塩化
物を反応混合物の温度が40℃を上回らないように添加す
る。プロトン捕獲剤としてアミン、特にピリジンを使用
する。
本発明によるデキストランエステルを製造するために
使用されるデキストランは容易に入手可能である。
これはたとえばロイコノストク(leuconostoc)種の
細菌培養基から得られる。ロイコノストク種に応じて種
々の構造のデキストランを単離することができる。使用
することができるデキストランの例は文献に記載されて
いる(J.Am,Chem.Soc.76(1964)5041)。しかしながら
デキストラン中の、従って生じるデキストランエステル
中のα−1,6結合の割合は60%より低くてはいけない、
それというのも60%以下のα−1,6結合割合を有するデ
キストランは所定の条件下でのみデキストラナーゼによ
り酵素分解されるからである。更に腸細菌によるデキス
トランの分解可能性は公知である(J.of Bact.63(195
1)424)。
市販のデキストランの例はNRRL−512型である。これ
はロイコノストクメセンテロイデス(leuconostoc mese
nteroides)の培養基から単離する。デキストランNRRL
−512はα−1,6−ポリグルカンである。α−1,6結合の
割合は約95%である。残りの結合はグルコースモノマー
のα−1,2結合およびα−1,4結合であり、これらはグル
コース単位の鎖長を有する分枝を生じる。従ってデキス
トランNRRL−512はほぼ非分枝の糖ポリマーである。
デキストランは800〜10000000の多くの分子量範囲で
得られる。細菌の培養基から高分子量デキストランを単
離後培養基を酸加水分解し、異なる濃度のエタノール/
水混合物での分別蒸留により種々の分子量範囲が得られ
る。
本発明によるデキストランエステルのための出発デキ
ストランの分子量は誘導後に要求される分解および溶解
または膨潤特性が得られるように選択する。
デキストランは大腸で分解できる皮膜により満足しな
ければならない冒頭に記載の要求を満足する。しかしな
がら水溶性であり、従って適当な置換基での置換により
意図的に疎水性でなければならない。導入される置換基
の性質および数は溶解性または膨潤性および皮膜形成お
よび酵素分解可能性により決定される。
大腸の酵素の攻撃に対してデキストランエステル中に
非置換の領域が存在しなければならないことが判明し
た。しかしながら本発明によるデキストランエステルは
胃および小腸で生じるアミラーゼにより攻撃されず、従
って小腸で安定である。
有利なデキストランエステルは8〜16個、特に8〜12
個の炭素原子を有する酸から誘導されるエステル側鎖を
有し、分子量40000〜1000000、特に60000〜400000を有
し、エステル化度0.08〜0.8、特に0.1〜1.5を有する。
その際以下のデキストランエステルが特に有利であ
る。
ラウロイル置換基を有し、置換度(エステル化度)DS
=0.1〜0.5、有利にはDS=0.1〜0.2を有するデキストラ
ンエステルが大腸で分解可能の皮膜および埋め込みのた
めに好ましい。ラウロイルデキトランの分子量は150000
〜1000000、有利には200000〜300000であるべきであ
る。
これに対してDS=0.1〜0.5、有利にはDS=0.1〜0.2お
よび分子量1000000〜10000000を有するカプロイルデキ
ストランは埋め込みにのみ適している。DS=0.1〜0.5、
有利にはDS=0.1〜0.2および分子量150000〜1000000、
有利には200000〜300000を有するステアロイルデキスト
ランも同様である。更にDS=0.2〜0.5および分子量6000
0〜150000を有するラウロイルデキストランが挙げられ
る。
本発明によるデキストランエステルはたとえば以下の
ように製造することができる。
デキストランを真空乾燥棚内で乾燥させ、塩化カルシ
ウム乾燥管を有する丸底フラスコ中でホルムアミドおよ
びピリジンの混合物に溶解する。引き続き脂肪酸塩化物
を添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌する。生じた
反応生成物を水中で沈殿させ、分離し、水で数回洗浄す
る。最後に生成物を酢酸エチルおよびエタノールの混合
物で数回洗浄し、乾燥する。
J.Am.Soc.74(1952)5339にはデキストラントリアセ
テートを製造する匹敵する方法が記載されている。
本発明によるエステルは無水条件下で製造しなければ
ならない。このために適当な溶剤は特に非プロトン性の
極性有機溶剤、たとえばホルムアミド、N−メチルピロ
リドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
および/またはジメチルスルホキシドである。エステル
化は溶剤を使用せずにメルトで実施することができる。
この場合にポリマーのための溶剤はアシル化剤または反
応体、たとえばアルカロイルハロゲン化物、アルカロイ
ル無水物またはクロロ酢酸無水物である。エステル化た
とえば0℃〜160℃でまたは溶剤の沸騰温度で適当なデ
キストランをC6〜C18−アルカノイルハロゲン化物、有
利にはC8〜C16−アルカノイルハロゲン化物またはC6〜C
18−アルカノイル無水物、有利にはC8〜C16−アルカノ
イル無水物と反応させることにより行う。
このアシル化はピリジンのような塩基化合物の存在下
で有利に実施する。
塩基物質は出発アルカノイル化合物に対して過剰で、
たとえば出発アルカノイル成分1モル当たり0.1〜0.2モ
ルの過剰で存在すべきである。
本発明は特に本発明によるデキストランエステルの医
薬作用物質、特に経口投与可能な作用物質または経口投
与することができ、大腸で作用物質を放出する医薬の皮
膜および埋め込み物を製造するための使用に関する。こ
れは本発明によるデキストランエステルで被覆されたま
たは埋め込まれた作用物質または作用物質を有する医
薬、たとえば粒状物、ペレットまたは錠剤により達成さ
れる。
作用物質または医薬、すなわち作用物質が一般的なま
たは必要な医薬補助物質と一緒に混入されている医薬の
被覆は製薬技術で周知の方法または医薬を被覆する一般
的な方法により行う。治療に有効な物質の埋め込みは同
様に製薬技術で周知の方法により行う。この場合に更に
常用の医薬補助物質または添加物、たとえば可塑剤(特
に被覆の場合に)、香料、甘味料、補助物質、たとえば
タルク、炭酸カルシウム、マンニトール、セルロース粉
末、可溶性着色料および顔料を使用することも可能であ
る。
使用することができる付加的な補助物質、その使用お
よび医薬の製造は、ドイツ特許公開第4131292号明細書
5〜10欄ほか多く記載されており、従って当業者に周知
である。
本発明によるデキストランと有利に製剤化することが
できる適当な作用物質の例は、胃または小腸で分解また
は消化され、従ってこれまで経口投与できなかった医薬
作用物質および大腸ではじめて作用する医薬、たとえば
大腸の疾患に作用する医薬およびペプチド医薬である。
例としてはペプチド、心臓血管治療薬、抗リューマチ
薬、鎮痛薬、クローン病および潰瘍性大腸炎のような大
腸疾患の治療剤、抗喘息剤、抗繊維素溶解剤、止血剤、
抗腫瘍剤、酵素製剤、抗生物質、防カビ剤、および中枢
神経に作用する物質が挙げられる。
ペプチド作用物質の例としては、ACTH(向副腎皮質ホ
ルモン)、コルチコスタチン、カルシトニン、インシュ
リン、オキシトシン、ソマトスタチンおよび類似物、LH
RH類似物、ボンベシン類似物、コレシストキニンおよび
誘導体、エンドテリンおよび類似物、トロンビン抑制
剤、ペプチド成長因子(たとえばIGF、EGF、NGF)、マ
ガイニン(PGSペプチド)、ガストリン類似物、ブラジ
キニン類似物、副甲状腺ホルモン類似物、ニューロキニ
ンおよび類似物、VIPおよび類似物、ANP(心房性ナトリ
ウム利尿性ペプチド)および類似物、ネオキオトロフィ
ンおよび類似物、アンジオテンシン類似物、エンセファ
リン、ダイノルフィン、デルモルフィン、デルトルフィ
ン、リーニン抑制ペプチド、腫瘍成長因子ペプチド、MS
H(黒血球刺激ホルモン)類似物、ミトトキシン、ディ
ルフォスチン、クロモグラニンA、ティモペンチン、TR
Hおよび類似物、物資P、タフチン、フィブロネクチン
およびペプチド免疫モジュレータ、たとえばシクロスポ
リンA、FK506、ニューロペプチドYおよびNPKが挙げら
れる。
バイオテクノロジーにより製造されるペプチド、特に
低級ペプチドは本発明により有利に使用される。
例 1.カプロイルデキストラン 1.1製造 分子量200000〜300000および1000000〜10000000を有
するデキストランを合成に使用した。使用される反応媒
体はピリジン(不均一膨潤合成)またはホルムアミド
(均一反応混合物)であった。酸クロリドをアシル化試
薬として使用した。
詳しくは以下の通りに行った。
DS=0.13(DS=エステル化度)を有するカプロイルデ
キストラン 強力冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ
中でデキストラン(分子量1000000〜10000000)4.0gを
ピリジン144g中で懸濁させた。70℃で2時間撹拌し、カ
プロン酸クロリド2.1gを添加し、更に3時間撹拌した。
生じた生成物を水およびアセトンで数回洗浄した。
DS=0.08を有するカプロイルデキストランを同様に製
造した。
DS=1.7を有するカプロイルデキストラン 強力冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ
中でデキストラン4.0gをピリジン136g中で懸濁させた。
70℃で2時間撹拌し、カプロン酸クロリド10.0gを添加
し、更に3時間撹拌した。沈殿した生成物を水およびア
セトンで数回洗浄した。
DS=0.62を有するカプロイルデキストランを同様に製
造した。
1.2生成物の特性化 1.2.1置換度決定 エステル化したカプロイルエステルをアルカリ加水分
解後にカプロン酸メチルエステルとしてガスクロマトグ
ラフィーにより定量的に分析した。ピーク表面を評価
後、置換度DSを以下の式Iから得た。
1.2.2溶解性 分子量1000000〜10000000のデキストランから得られ
た水に不溶のカプロン酸エステルを引き続きホルムアミ
ドおよびDMSOに溶かした。
選択された低分子量の場合は得られた生成物は置換度
に依存して種々の極性溶剤中で溶解性を示した。
1.2.3皮膜形成 分子量200000〜300000のデキストランから得られたカ
プロイルデキストランは前記溶剤から安定な皮膜を形成
した。高分子生成物からは皮膜を形成することができな
かった。
その際安定性の欄の記号“−”は水中での皮膜の分解
を表し、記号“o"は1%より多い膨潤の際の皮膜の重量
損失を表し、記号“+”は1%未満の皮膜の重量損失を
表す。
1.2.4カプロイルデキストラン皮膜の水吸収 酵素の攻撃のために皮膜が限られた量で水を吸収する
ことが必要である、それというのも大腸菌相の酵素は水
性媒体に溶けた形で存在するからである。皮膜の水吸収
の間にポリマーの分解すべき結合に酵素が到達する。
水吸収は以下の式により決定する。
式中のAは重量増加を%で表し、Goは乾燥皮膜の重量
およびGtは膨潤した、水で飽和した皮膜の重量を表す。
以下の値が検出された。
置換度:1.7 0.62 水吸収(%):3.3 37.5 1.2.5純粋のデキストラナーゼを用いた分解可能性 カプロイルデキストランの分解可能性を薄層クロマト
グラフィーにより試験した。低分子物質は酵素により攻
撃されなかった、それというのも水に不溶の生成物を得
るためにこの場合に必要な置換度が高すぎたからであ
る。
高分子カプロン酸エステルの場合はすでにDS=0.1よ
り高い低い置換度で水に不溶の生成物を生じた。この低
い置換において分解可能性は維持された。
1.3.カプロイルデキストランの総括的評価 実施した置換後に乾燥および膨潤状態で十分安定な皮
膜が形成されるように分子量の大きさをまず正確に選択
した。C6−置換基の導入によりこの要求は出発デキスト
ランの分子量200000〜3000000で満たされた。この分子
量で水に不溶の誘導体に対してDS=0.6より高い置換度
を生じた。しかしながらこの置換度では酵素の攻撃はも
はや不可能であった。
合成に1000000〜10000000の範囲の出発デキストラン
の高い分子量を選択する場合は、すでにDS=0.1より高
い置換度で水に不溶の生成物が得られた。ここでは酵素
の分解可能性はなお保証された。有機溶剤からの皮膜形
成はこの高分子誘導体においてはその難溶性により不可
能であった。水性懸濁液からの熱ゲル化は皮膜を形成し
たが、これは水中で十分な安定性を示さなかった。従っ
て高い分子量を有するカプロイルデキストランは大腸適
用のための埋め込み物質として適している。
2.ステアロイルデキストラン 2.1製造 分子量200000〜300000を有するデキストランを使用し
た。
ステアロイルデキストランの製造方法は文献に記載さ
れている(J.Chem.Soc.1952,74,5016)。その際触媒と
してクロロ酢酸無水物および過塩素酸ナトリウムを用い
ていわゆるアクチュエータ法(actuator method)を利
用した。合成中にアクチュエータと反応することにより
ステアリン酸から相当する無水物を形成した。引き続き
これを有利にはデキストランのヒドロキシル基と反応さ
せた。反応生成物中にクロロアセチル基は検出不可能で
あった。溶剤として過剰のクロロ酢酸無水物を用いた。
反応を80℃で実施し、不均一に進行した。異なる量のス
テアリン酸の添加により変動可能の置換度を有するステ
アロイルデキストランを取得することができた。
詳しくは以下のように実施した。
DS=0.32を有するステアロイルデキストラン 強力冷却器を有する50ml丸底フラスコ中にデキストラ
ン2.0g、ステアリン酸4.0g、クロロ酢酸無水物20.0gお
よび過塩素酸ナトリウム50mgを導入し、撹拌下で80℃に
加熱した。8時間後反応を中断し、沈殿した生成物を水
およびアセトンで数回洗浄した。
DS=0.48を有するステアロイルデキストラン を同様に製造した。
DS=1.16を有するステアロイルデキストラン 強力冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ
中でデキストラン2.0gをピリジン140g中で懸濁させ、70
℃で2時間撹拌した。ステアリン酸クロリド8.0gを添加
し、更に4時間撹拌した。沈殿した生成物を水およびア
セトンで数回洗浄した。
2.2.生成物の特性化 2.2.1置換度決定 ステアロイル置換基をアルカリ加水分解により分解
し、単離し、メタノールでエステル化後ステアリン酸メ
チルエステルとしてガスクロマトグラフィーにより定量
的に決定した。ヘプタデカン酸メチルエステルを評価の
ために内部規格として用いた。
置換度はカプロイルデキストランと同様に式Iから算
定した。
2.2.2溶解性 得られたステアロイル誘導体はDMSOおよびホルムアミ
ドにのみ溶解した。DS=1.16を有する高置換された親油
性のステアリルデキストランはジクロロメタン中で著し
い膨潤を示した。しかしながらすべての生成物が医薬核
を皮膜で被覆するために適した溶剤(たとえばイソプロ
パノール)に溶解しなかった。
2.2.3皮膜形成 得られたステアロイルデキストランから皮膜をきわめ
て劣悪にのみ形成することができた。高置換された誘導
体はジクロロメタンからの皮膜形成傾向を示した。
2.2.4ステアロイルデキストラン皮膜の水吸収 得られた皮膜をカプロイルデキストラン皮膜と同様に
検査した。
置換度1.16で水吸収3.75%が測定された。
2.2.5純粋のデキストラナーゼを用いた分解可能性 分解可能性を薄層クロマトグラフィーにより試験し
た。2つの低置換された生成物を酵素により攻撃した。
DS=1.16を有するステアリルデキストランは分解しなか
った。
2.3ステアロイルデキストランの総括的評価 親油性ステアリン酸置換基を用いて選択された分子量
200000〜300000でDS=0.5未満の置換度で酵素分解可能
性が維持された水に不溶の生成部が得られた。この生成
物からその劣った溶解特性により皮膜が得られなかっ
た。しかしながら意図的な大腸適用の埋め込み物質とし
て適していた。高置換されたステアロイル誘導体は皮膜
形成傾向を示したが、分解しなかった。
3.ラウロイルデキストラン 3.1製造 分子量範囲200000〜300000,120000〜170000および600
00〜90000を有するデキストランを使用した。
合成をデキストランがきわめてよく溶解するホルムア
ミド中で実施した。ホルムアミドは特に水を牽引する物
質を作用させると高温で分解する傾向を有するので、合
成を室温で実施した。プロトン捕獲剤としてピリジンを
使用した。アシル化剤として相当する酸クロリドを使用
した。ラウリン酸クロリドはホルムアミドとともに1種
のゲル錯体を形成し、これが合成中にかなりの粘度の問
題を生じることがある。これは過剰の溶剤を添加するこ
とにより除くことができる。その際プロトン捕獲剤とし
てのピリジンの使用はほかの室温で固体の塩基、たとえ
ば4−ジメチルアミノピリジンに比べて反応バッチの粘
度を低下するためにより好ましいことが示された。
塩基触媒としてピリジンのほかに4−ジメチルアミノ
ピリジンを使用した。これはピリジンに比べて反応生成
物から良好に精製により除去できるという利点を有し
た。合成は可能なホルムアミド分解の理由から酸クロリ
ドを作用させた室温で実施した。比較的低い活性のラウ
リン酸クロリドを用いて3〜4時間の短い反応時間を維
持するために、大過剰のアシル化剤を添加した。これに
より反応バッチは濁ったが、これは合成の再現可能性に
何ら影響を示さなかった。従ってデキストランおよび生
じたデキストランエステルは合成中に更に溶解したまま
であり、一部のアシル化剤のみが溶解しないままである
ことが推測できた。比較的少量の酸クロリドを添加して
もバッチは均一であった。
詳しくは以下のように実施した。
DS=0.08を有するラウロイルデキストラン 冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ中で
デキストラン3.0gおよび4−ジメチルアミノピリジン2.
2gをホルムアミド85gに溶かし、ラウリン酸クロリド9.6
gを添加した。室温で3.5時間撹拌し、水を添加すること
により反応を中断した。沈殿した生成物をエタノールお
よび酢酸エチルの80:20の比の混合物で数回洗浄した。
DS=0.11を有するラウロイルデキストラン 冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ中で
デキストラン6.0gをホルムアミド90.0gに溶かし、ピリ
ジン60.0gおよびラウリン酸クロリド8.0gを添加した。
室温で3.5g時間撹拌し、水の添加により反応を中断し
た。沈殿した生成物をエタノールおよび酢酸エチルの8
0:20の比の混合物で数回洗浄した。その後なお水で数回
洗浄した。
DS=0.19を有するラウロイルデキストラン 冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ中で
デキストラン3.0gおよび4−ジメチルアミノピリジン2.
2gをホルムアミド81gに溶かし、ラウリン酸クロリド14.
1gを添加した。室温で3.5時間撹拌し、水の添加により
反応を中断した。沈殿した生成物をエタノールおよび酢
酸エチルの80:20の比の混合物で数回洗浄した。その後
なお水で数回洗浄した。
その他のラウロイルデキストランはそれぞれ同様に製
造した。
3.2生成物の特性化 3.2.1置換度決定 置換基を分解、単離およびメタノールでエステル化後
にラウリン酸メチルエステルとして定量的にガスクロマ
トグラフィーにより決定した。内部規格としてミリスチ
ン酸メチルエステルを用いた。置換度DSはカプロイルデ
キストランと同様に式Iから算定した。
3.2.2溶解性 出発デキストランの分子量200000〜300000において水
に不溶の誘導体を得るためにDS=0.06より高い置換度が
存在しなければならない。少ない分子量を使用する場合
は、生成物が類似の溶解性を得るためにかなり高く置換
しなければならない。
この限界値より高い置換度を有するラウロイルデキス
トランは二成分溶剤混合物中でコロイド状で溶解し、そ
の際有機成分(イソプロパノール/エタノール)に常に
水を添加しなければならない。温度を高めると乳白光が
失われる。使用される有機成分の置換度および種類に応
じて透明温度は40℃〜60℃である。これは温かい溶剤か
ら医薬核に皮膜を被覆するために作用物質または補助物
質の可能な熱不安定性にとって重要である。
3.2.3皮膜形成 120000より大きい分子量において皮膜形成傾向を示
す。200000より大きい分子量を有する誘導体において定
量的に良好な皮膜が得られる。この皮膜は冷たいまたは
温かい溶液からおよび水性懸濁液から37℃で得られた。
熱ゲル化により均一な皮膜を得るためには、皮膜取得の
際の懸濁液中の粒度は膨潤した状態で30μm未満である
べきである。
分子量120000〜170000の誘導体から得られた皮膜はこ
の生成物が水に不溶の誘導体であるにもかかわらず30〜
120分の時間内で水に溶解した。
3.2.4皮膜の水吸収 水吸収を前記の方法により決定した。
以下の値が測定された。
置換度:0.28 0.11 0.24 ★ ★★ ★★ 水吸収:198 230 178 ★:デキストラン150 ★★:デキストラン250 3.2.5純粋のデキストラナーゼを用いた分解可能性 すべての得られた生成物は酵素により分解可能であ
る。酵素攻撃終了後若干の水に不溶の生成物に置換度に
依存して水に不溶の基が残留した。DS=0.11を有するラ
ウロイルデキストランは完全に水溶性の分解生成物に分
解した。水中の溶解度限界は分子量約60000であった。
3.3.ラウロイルデキストランの総括的評価 ラウリン酸での置換により皮膜を形成する大腸で分解
可能な皮膜の要求にすべての点で相当するデキストラン
誘導体が得られた。使用されるデキストランがDS=0.12
より高く、分子量60000〜90000、DS=0.08より高く、分
子量120000〜170000、およびDS=0.06より高く、分子量
200000〜300000の場合に水不溶性が得られた。水中の皮
膜の安定性のためには皮膜形成に必要な分子量200000〜
300000においてDS=0.1〜0.2の置換度が必要である。生
成物はエタノール中で50%またはイソプロパノール中で
50%コロイド状で溶解している。温度を高めると透明な
ポリマー溶液が生じる。この溶液から皮膜が得られる。
水性懸濁液からの熱ゲル化も同様に可能である。水中で
十分な安定性を有するラウロイルデキストラン皮膜を形
成できるためには、出発デキストラン分子量は200000よ
り大きくなければならない。
従って特に適当な2つの物質を製造することができ
る。しかしながらDS=0.11を有する誘導体はDS=0.24を
有する誘導体に比べて更に改良された分解特性を有す
る。従って医薬物質放出は一方では皮膜の機械的強度を
弱めることにより達成され、他方では皮膜の分解により
安全に保証される。
4.アセチルデキストランを用いた比較試験 比較物質としてアセチルデキストランを製造した。分
子量1000000〜10000000を有するデキストランを使用し
た。
製造は文献(J,Am.Chem.Soc.74.5339.1952)に記載さ
れているように行った。
詳しくはたとえば以下のように実施した。
DS=3を有するアセチルデキストラン 強力冷却器および乾燥管を有する250ml丸底フラスコ
中でデキストラン3.0gをホルムアミド122.6gとともに溶
解し、引き続きピリジン10.5gを添加し、反応性のアセ
チル基とデキストランの遊離したヒドロキシル基のモル
比が1.2:1になる量の無水酢酸を添加した。室温で3時
間撹拌した。水の添加により反応を中断した。反応生成
物を沈殿させ、水で数回洗浄した。ほかのアセチルデキ
ストランを同様に製造した。
特性化をほかのデキストランエステルに記載されたと
同様に実施した。皮膜形成化合物が得られたが、DS=1.
2の置換度より低いアセチルデキストランは水溶性であ
り、従って本発明の目的に適さないことが判明した。DS
=1.2未満の水に不溶のアセチルデキストランはもはや
分解せず、従って同様に適さなかった(以下の表を参
照)。
5.分析法 5.1.カプロイルデキストランの置換度決定 カプロイルデキストラン50.0mgおよびヘプタン酸メチ
ルエステル20.0mgにバイアル中でKOH10%5mlを加え、ふ
たをして90℃で3時間熱処理した。冷却後溶液を50ml分
液漏斗に移し、濃塩酸で酸性にし、ジエチルエーテルそ
れぞれ10mlで3回振出した。硫酸ナトリウム上で乾燥し
たエーテル相を50ml丸底フラスコに移し、回転蒸発機で
エーテルを分離した。残留物にメタノール10.0mlおよび
50%メタノール性三フッ化硼素溶液5.0mlを加え、還流
冷却して30分で加熱して沸騰させた。水5mlの添加によ
り反応を中断し、冷却した反応混合物をヘキサンそれぞ
れ5mlで3回振出した。乾燥したヘキサン相を精製し、
ガスクロマトグラフィーの噴霧溶液として用いた。
因子決定のためにカプロン酸メチルエステルおよびヘ
プタン酸メチルエステルそれぞれ20.0mgをヘキサン5.0m
lに溶かし、噴霧した。ピーク表面を互いに評価した。
ガスクロマトグラフィー: カラム:DEGS 炉温度:70℃ 噴霧温度:100℃ 噴霧量:1μl ほかのデキストランエステルの置換度を同様に決定し
た(前記式Iにより算定)。
5.2皮膜の取得 5.2.1有機溶剤から デキストランエステル100mgを適当な溶剤2mlに溶か
し、直径3cmを有するテフロンシェルに注いだ。溶剤を3
7℃で蒸発した。
5.2.2熱ゲル化 デキストランエステル200mgを水2ml中で懸濁させた。
ポリマーを30分膨潤した後で懸濁液をUltraturraxで5
分間分散させた。懸濁液を直径3cmを有するテフロンシ
ェルに注いだ。37℃で水を蒸発することにより皮膜を取
得した。
5.3皮膜の水吸収 均一皮膜10mgを水5mlに導入した。完全に膨潤後皮膜
表面から表面の水を濾紙により除去し、新たに皮膜を得
た。水吸収を%で表した。
5.4.デキストランエステルの分解可能性 薄層クロマトグラフィーを用いた分解可能性試験 デキストランエステル50mgをpH6.8燐酸塩緩衝液5ml中
で懸濁させた。1時間後酵素6U/mlを含有するデキスト
ラナーゼ溶液1mlを添加した。混合物を37℃で1時間保
温培養し、メタノール100μlの添加により酵素反応を
中断した。被覆溶液として透明な上ずみ液を使用した。
非置換のデキストラン50mgを同様に処理し、盲値として
用いた。
薄層クロマトグラフィー: 被覆量:20μl 帯域幅:15mm 移動区間:15cm 移動相:1−プロパノール:ブタノール:ニトロメタ
ン:水 4:1:2:3の比 比較:グルコース、イソマルトース、イソマルトトリ
オースの0.1%溶液 検出:エッカート試薬(eckert−reagent)/120℃ 全体として、出発デキストランの置換基、置換度およ
び分子量の変動により、大腸で分解可能な皮膜としての
適性に関するすべての要求に相応する意図的な誘導体を
製造することができたことが確認された。60000〜10000
000の範囲の分子量を使用した。C6〜C12−脂肪酸で置換
する際にデキストランの分子量は有利には200000より大
きく、それにより乾燥および膨潤状態で生成物から機械
的に安定の皮膜を獲得することができた。皮膜形成傾向
はすでに分子量約120000で認識された。しかしながらこ
の皮膜の安定性は特に膨潤状態で低かった。ステアロイ
ルデキストランからは不十分な皮膜のみが形成された。
可能な酵素の攻撃に関してポリマー中に大きな非置換の
領域が存在しなければならなかった。有利にはDS=0.5
の置換度以下でそれぞれ分解可能性が維持された。従っ
て適当な置換基を用いてこの最適に測定された置換度で
水に不溶の誘導体が得られた。ラウロイル置換基の導入
によりすべての要求に相応する誘導体が得られた。2000
00より大きい分子量およびDS=0.1より高い置換度で乾
燥および膨潤状態で安定の皮膜が得られた。皮膜は有機
溶剤、たとえばイソプロパノール50%からまたは37℃の
熱ゲル化により得られた。この低い置換度で生成物の分
解可能性が保証された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヤン−フレデリク ケッセルフート ドイツ連邦共和国 D―79114 フライ ブルク フライタークシュトラーセ 5 (56)参考文献 独国特許出願公開4136324(DE,A 1) 米国特許2954372(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 37/02 A61K 38/00 A61K 47/36

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エステル化度がデキストランエステルが室
    温で水に不溶であり、大腸菌により分解されるように側
    鎖のC原子数および分子量に依存して0.04〜1.1の値に
    調整され、分子量40000〜10000000および6〜18個のC
    原子を有する酸から誘導されるエステル側鎖を有するデ
    キストランエステル。
  2. 【請求項2】エステル側鎖が8〜16個のC原子を有する
    酸から誘導され、分子量が40000〜1000000であり、エス
    テル化度が0.08〜0.8である請求の範囲1記載のデキス
    トランエステル。
  3. 【請求項3】エステル側鎖が8〜12個のC原子を有する
    酸から誘導され、分子量が60000〜400000であり、エス
    テル化度が0.1〜0.5である請求の範囲2記載のデキスト
    ランエステル。
  4. 【請求項4】医薬作用物質または医薬製剤を被覆および
    /または埋め込むための請求の範囲1から3までのいず
    れか1項記載のデキストランエステルの使用法。
  5. 【請求項5】請求の範囲1記載のデキストランエステル
    を製造する方法において、デキストランがなお溶解する
    量の非プロトン性の極性有機溶剤を混合することができ
    るホルムアミドおよび/またはジメチルスルホキシドか
    らなる溶剤にデキストランを溶かし、プロトン捕獲剤の
    存在下で6〜18個のC原子を有する酸のハロゲン化物を
    反応混合物の温度が40℃を上回らないように添加するこ
    とを特徴とする、デキストランエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】大腸で作用する作用物質または胃または小
    腸を通過する際に分解する作用物質を請求の範囲1から
    3までのいずれか1項記載のデキストランエステルで被
    覆するかまたは埋め込んで含有することを特徴とする医
    薬。
  7. 【請求項7】作用物質としてペプチド医薬を含有する請
    求の範囲6記載の医薬。
  8. 【請求項8】錠剤、粒状物またはカプセルの形で存在す
    る請求の範囲6または7記載の医薬。
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