JP3510660B2 - フォージャサイト型ゼオライトの製造方法 - Google Patents

フォージャサイト型ゼオライトの製造方法

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JP3510660B2
JP3510660B2 JP04304894A JP4304894A JP3510660B2 JP 3510660 B2 JP3510660 B2 JP 3510660B2 JP 04304894 A JP04304894 A JP 04304894A JP 4304894 A JP4304894 A JP 4304894A JP 3510660 B2 JP3510660 B2 JP 3510660B2
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  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォージャサイト型ゼ
オライトの製造方法に関し、さらに詳しくは、短時間
で、結晶化度が高く、シリカ/アルミナ モル比の高い
フォージャサイト型ゼオライトを製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】フォージャサイト型ゼオ
ライトは、クラッキング反応、ハイドロクラッキング反
応、その他炭化水素変換反応などの触媒や吸着剤などに
広く利用されており、特に、シリカ/アルミナ モル比
(以下、ケイバン比ということがある)が4.5以上の
フォージャサイト型ゼオライトは、耐熱性、耐酸性など
に優れているため、クラッキング触媒やハイドロクラッ
キング触媒などに好適である。フォージャサイト型ゼオ
ライトの耐酸性、耐水熱性、耐熱性などは、ケイバン比
(SiO2/Al23モル比)に大きく依存し、ケイバ
ン比が高い程これらの性質は優れていることが知られて
いるため、従来より高ケイバン比フォージャサイト型ゼ
オライトを製造する方法が種々提案されてきた。
【0003】例えば、特公平5−68410号公報に
は、シリカ源としてシリカゾルを用いてY型ゼオライト
(フォージャサイト型ゼオライトに属する)を製造する
に際し、シリカゾルを2段階で添加して特定な組成範囲
にある反応混合物を調製し、これから結晶を析出させる
ことにより、高ケイバン比で高純度のY型ゼオライトを
形成する方法が開示されている。
【0004】また、特開昭61−91013号公報に
は、シリカ、アルミナ、苛性ソーダおよび水からなる特
定範囲のモル比を有する水性反応混合物を、室温で3〜
24時間熟成したのち、90〜110℃の温度に維持
し、生成するゼオライト結晶を母液から分離して高シリ
カ含有熱安定性フォージャサイト型ゼオライトを製造す
る方法が記載されている。
【0005】しかし、従来の方法では、高ケイバン比の
フォージャサイト型ゼオライトを製造するためには、水
性反応混合物のSiO2/Al23モル比を、得られる
ゼオライトのSiO2/Al23モル比に比較して非常
に高くしなければならず、また、結晶化するのに長時間
を要するという問題点があった。
【0006】さらに、ケイバン比6.5以上のフォージ
ャサイト型ゼオライトの合成は、従来は非常に困難であ
った。このようなゼオライト合成の例としては、非常に
高価なクラウンエーテルをテンプレト(Templat
e)に使用して合成した例が見られるにすぎない〔F.
Delprato, L.Delmotte, J.
L.Guth and L.Huve, ZEOLIT
ES, VOL10,P546(1990)〕。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、結晶化度が高く、高ケ
イバン比のフォージャサイト型ゼオライトを短時間で製
造する方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、経済的にケイバン比が6.5以上のフォージャサイ
ト型ゼオライトの製造方法を提供することにある。
【0008】
【構成】本発明のフォージャサイト型ゼオライトの製造
方法は、シリカ源、アルミナ源およびアルカリ源からな
る水性混合物を80〜200℃の温度で、熟成して結晶
化するフォージャサイト型ゼオライトの製造方法におい
て、温度T1>温度T2としたとき、該熟成を温度T1
熟成した後、温度T2で熟成することを特徴とする。
【0009】本発明での水性混合物は、通常、フォージ
ャサイト型ゼオライトの製造に使用される組成範囲の水
性混合物が使用可能で、例えば、つぎの表1のモル比組
成で、
【表1】 モル組成 範囲 好ましい範囲 SiO2/Al23 6〜20 7.7〜11.5 M2O/SiO2 0.17〜0.50 0.23〜0.39 H2O/M2O 20〜60 35〜55 (ここで、Mはアルカリ金属を示す) の範囲が例示される。しかし、生成されるフォージャサ
イト型ゼオライトのSiO2/Al23モル比に比較し
て、非常に高いSiO2/Al23モル比を有する水性
混合物を使用することは経済的でない。
【0010】該水性混合物を調製するのに使用されるシ
リカ源、アルミナ源およびアルカリ源としては、通常ゼ
オライト合成に用いられるそれぞれの原料が使用可能で
ある。例えば、シリカ源としては、シリカゾル、珪酸ソ
ーダ、フッ化アルミニウム製造時の副産物である副性シ
リカ、ヒュームドシリカ、もみがらから得られるシリ
カ、ゼオライト合成の回収シリカなどが例示され、アル
ミナ源としては、アルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウム
などのアルミニウム塩や水酸化アルミニウムなどが使用
され、また、アルカリ源としては、水酸化ナトリウムや
水酸化カリウムなどが例示される。
【0011】一般に、フォージャサイト型ゼオライト
は、前述の水性混合物(ゼオライトの核発生のシードと
なる水性混合物をも含む)を室温で熟成(スラリーの均
一化のために通常行われているもので、低温熟成といわ
れている)した後、80〜200℃の温度範囲にある選
択された任意の一定温度で熟成(高温熟成という)して
結晶化し、母液から分離した後、洗浄、乾燥して製造さ
れる。従来、フォージャサイト型ゼオライト製造におけ
る高温熟成は、結晶化時間およびゼオライトの結晶化度
などの観点から、通常、80〜200℃の温度範囲で行
われてきた。高温熟成での熟成温度が低い場合には、フ
ォージャサイト型ゼオライトの結晶化度は高くなるが、
結晶化するまでに長時間を要する。また、熟成温度が高
い場合には、結晶化に要する時間は相対的に短くなる
が、P型やグメリナイトが生成し易くなり、フォージャ
サイト型ゼオライトの結晶化度が低下する。そこで、高
い温度で熟成する場合には、従来は、SiO2/Al2
3モル比の非常に高い水性混合物を使用して結晶化度を
高くする方法が行われていた。
【0012】ところが、本発明によれば、これらの従来
方法より相対的にSiO2/Al23モル比の低い水性
混合物を使用して結晶化時間が短く、しかも結晶化度の
高いフォージャサイト型ゼオライトを製造することがで
きる。
【0013】すなわち、本発明の方法では、前述の水性
混合物を80〜200℃の温度で熟成して結晶化するに
際し、温度T1>温度T2としたとき、該熟成を温度T1
で熟成した後、温度T2で熟成して結晶化することを特
徴とする。本発明は、高温熟成する際に前述の水性混合
物を最初に温度T1まで昇温して熟成した後、冷却して
温度T2で結晶化するまで熟成する方法のほか、最初に
温度(T2の1)まで昇温して熟成し、途中で一時的に
温度T1まで昇温して熟成した後、冷却して温度T2で熟
成して結晶化する方法や最初に温度T1まで昇温して熟
成した後、冷却して温度(T2の2)で熟成し、さらに
冷却して温度(T2の3)で熟成して結晶化する方法な
どをも含む〔但し、温度(T2の1)は、温度T1よりも
低く、温度T2と同じかまたは異なる温度である。温度
(T2の2)は、温度T1よりも低く、温度(T2の3)
よりも高い温度である。〕。なお、これらT1、T2
(T2の1)、(T2の2)の温度は必ずしも特定の一定
温度でなくても、ある範囲内の温度以内であれば、多少
の変動があっても何ら支障はない。
【0014】本発明での結晶化に際しての高温熟成は、
結晶化時間の短縮および生成フォージャサイト型ゼオラ
イトの結晶化度などの点で所望の効果を得るうえで、温
度T1は100〜200℃、好ましくは100〜150
℃の温度範囲から、また、温度T2は80〜150℃、
好ましくは80〜120℃の温度範囲から選択された任
意の温度で熟成することが好ましく、更に、温度T1
温度T2との温度差が5℃以上、好ましくは10℃以上
とすることが望ましい。
【0015】また、本発明の方法では、温度T1での熟
成時間は、温度T2での熟成時間よりも短くすることが
望ましい。温度T1での熟成時間を温度T2での熟成時間
よりも長くするとP型やグメリナイトの生成が起こりや
すくなり、フォージャサイト型ゼオライトの結晶化度が
低下する傾向にある。
【0016】本発明の方法で、所望のケイバン比のフォ
ージャサイト型ゼオライトを経済的に製造するために
は、生成フォージャサイト型ゼオライトに対応する特定
のモル比組成を有する水性混合物を特定の温度T1、T2
および時間の範囲で熟成して結晶化することが好まし
い。この好ましい製造条件は表2に示される。
【0017】
【表2】 (注)*1ここでMは、アルカリ金属を示す。 *2温度T2℃における熟成時間は、フォージャサイト型
ゼオライトが十分に生成するまで行なわれるが、そのお
およその所要時間を示す。
【0018】高温熟成において、温度T1が表に記載の
温度よりも高くなると、また、温度T1での熟成時間が
表に記載の時間よりも長くなるとP型ゼオライトやグメ
リナイトなどの有用でないゼオライトが析出しやすくな
り、フォージャサイト型ゼオライトの結晶化度が低下す
る。温度T1が表に記載の温度よりも低くなると、ま
た、温度T1での熟成時間が表に記載の時間よりも短く
なると、フォージャサイト型ゼオライトの結晶が生成す
るまでの時間が長くなり、本発明の結晶化時間の短縮と
いう効果が小さくなるので好ましくない。さらに、熟成
温度T2が120℃よりも高くなると表に記載の水性混
合物のモル組成の範囲ではP型ゼオライトやグメリナイ
トなどのゼオライトが析出しやすくなり、フォージャサ
イト型ゼオライトの結晶化度が低下し、熟成温度T2
80℃よりも低い場合には、結晶化するまでの時間が長
くなるので望ましくない。
【0019】次に、本発明での工業的規模でフォージャ
サイト型ゼオライトを製造する場合の製造フローの一例
を図1に示す。操作手順を製造フローに従って説明す
る。なお、本発明はこの方法に限定されるものではな
い。 (1)調合槽において水性混合物を調製する。 (2)調合槽において低温熟成した後、水性混合物は流
量計を経て一定流量で熱交換器で加温された後、オート
クレーブに送入される。 (3)オートクレーブ入口では、温度計と連動された
蒸気配管のバルブによって蒸気を吹き込んで所定の温
度T1に加熱される。 (4)オートクレーブは、所定の温度T1を保持するた
めに温度計と連動したバルブによって間接加熱する
ことが出来るようになっている。蒸気はドレイン取出口
から排出される。 (5)オートクレーブでの熟成時間は、水性混合物の流
量を調節することによって一定時間に保たれる。 (6)オートクレーブにおいて温度T1にて熟成された
水性混合物は、熱交換器で冷却された後、冷却槽に溜め
られる。 (7)冷却槽に溜められた水性混合物は、液面計で計量
され、所定量になった所で、液面計と連動したバルブ
が開いて結晶化槽に移される。 (8)結晶化槽では、水性混合物は、温度T2で結晶生
成物が得られるまで熟成される。 (9)得られた結晶生成物を濾過、水洗・乾燥してフォ
ージャサイト型ゼオライトとする。 次に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明する。
【0020】
【実施例】
実施例1 1018gのケイ酸ナトリウム(SiO2 24wt%、
Na2O 7.7wt%)と511gの固形シリカ(Si
2 50wt%)および608gの水との混合物に1
5.9Na2O−Al23−14.7SiO2−330H
2Oの組成を有する水性混合物のシード(A)143g
を加えた。次いで456gのアルミン酸ナトリウム(A
23 22wt%、Na2O 7.7wt%)を添加し
て、下記のモル組成の水性混合物を調製した。 2.8 Na2O:1.0 Al23:8.6 SiO2
108 H2O この水性混合物を室温で3時間熟成し、固まりを分散さ
せた後、耐圧容器中において125℃で30分間熟成し
た。その後、常圧下95℃で25時間熟成して結晶生成
物を析出させ、これを濾過後水洗し、130℃で16時
間乾燥した。得られた生成物は、X線回折法により分析
した結果、このものは格子定数24.67Å、結晶化度
1.13、結晶子径917Å、ケイバン比5.0のY型
ゼオライトで他の結晶形は認められなかった。なお、こ
のY型ゼオライトの結晶化度は、(331)、(51
1)、(440)、(533)、(642)及び(55
5)面の総ピーク高さ(H)を求め、基準に市販のY型
ゼオライト(ユニオンカーバイト製 SK−40)の結
晶化度を1.0としての同じ面の総ピーク高さ(H0
を求め、次式から計算した。 結晶化度=H/H0 格子定数は、乾燥生成物にアナターゼ型TiO2を加え
混合したものをX線回折法にてTiO2の(101)面
と(533)及び(642)面の距離より求め、ブレッ
クの式〔ZEOLITES VOL9, July(1
989)〕によりケイバン比を求めた。一方格子定数は
(533)面の半価幅よりシェーラーの式により算出し
た。また、BET法により測定したこのY型ゼオライト
の比表面積は731m2/gであった。
【0021】実施例2 1018gのケイ酸ナトリウムと427gの固形シリカ
および650gの水の混合物に143gのシード(A)
を加えた。次いで456gのアルミン酸ナトリウムを添
加して、下記のモル組成の水性混合物を調製した。 2.8 Na2O:1.0 Al23:7.9 SiO2
108 H2O この水性混合物を室温で3時間熟成し、固まりを分散さ
せた後、耐圧容器中において105℃で60分間熟成し
た。その後、常圧下95℃で15時間熟成して結晶生成
物を析出させ、これを濾過後水洗し、130℃で16時
間乾燥した。得られた生成物は、X線回折装置と比表面
積測定装置を用いて分析した。このものは格子定数2
4.70Å、結晶化度1.04、結晶子径883Å、ケ
イバン比4.6のY型ゼオライトで比表面積698m2
/gであった。
【0022】実施例3 1018gのケイ酸ナトリウムと631gの固形シリカ
および548gの水の混合物に143gのシード(A)
を加えた。次いで456gのアルミン酸ナトリウムを添
加して、下記のモル組成の水性混合物を調製した。 2.8 Na2O:1.0 Al23:9.6 SiO2
108 H2O この水性混合物を室温で3時間熟成し、固まりを分散し
た後、耐圧容器中において130℃で60分間熟成し
た。その後、常圧下95℃で70時間熟成して結晶生成
物を析出させ、これを濾過後水洗し、130℃で16時
間乾燥した。得られた生成物は、X線回折法から格子定
数24.61Å、結晶化度1.04、結晶子径916
Å、ケイバン比6.0のY型ゼオライトで他の結晶形は
認められなかった。またこのゼオライトの比表面積は7
01m2/gであった。
【0023】実施例4 1018gのケイ酸ナトリウムと751gの固形シリカ
および488gの水の混合物に143gのシード(A)
を加えた。次いで456gのアルミン酸ナトリウムを添
加して、下記のモル組成の水性混合物を調製した。 2.8 Na2O:1.0 Al23:10.6 Si
2:108 H2O この水性混合物を室温で3時間熟成し、固まりを分散し
た後、耐圧容器中において140℃で70分間熟成し
た。その後、常圧下95℃で400時間熟成して結晶生
成物を析出させ、これを濾過後水洗し、130℃で16
時間乾燥した。得られた生成物は、X線回折法から格子
定数24.57Å、結晶化度1.02、結晶子径803
Å、ケイバン比6.8のY型ゼオライトで他の結晶形は
認められなかった。またこのゼオライトの比表面積は6
82m2/gであった。
【0024】実施例5 図1に示す製造フローに従ってフォージャサイト型ゼオ
ライトの製造を行った。調合槽に25.46kgのケイ
酸ナトリウム(SiO2 24wt%、Na2O7.7w
t%)と12.78kgの固形シリカ(SiO2 50w
t%)および15.20kgの水を張り込み、この混合
物に15.9 Na2O−Al23−14.7 SiO2
330 H2Oの組成を有する水性混合物のシード(A)
を3.57kg加えた。次いで11.39kgのアルミ
ン酸ナトリウム(Al23 22wt%、Na2O 7.
7wt%)水溶液を添加して、下記のモル組成の水性混
合物68.09kgを調製した。 2.8 Na2O:1.0 Al23:8.6 SiO2
108 H2O この水性混合物を室温で3時間熟成し、固まりを分散し
た後、流量計を経て、熱交換器で熱交換した後、オート
クレーブに送入した。オートクレーブでは、温度を12
5℃に保持し、オートクレーブ入口から出口までの滞留
時間が30分間となるよう流量を調節して供給した。オ
ートクレーブで熟成された該水性混合物は、熱交換器を
経て冷却槽に溜め、所定量になったところで結晶化槽に
移した。その後、結晶化槽で常圧にて95℃で25時間
熟成して結晶生成物を析出させ、これを濾過水洗し、1
30℃で16時間乾燥した。得られた生成物は、X線回
折装置と比表面積測定装置で分析した結果、このものは
格子定数24.67Å、結晶化度1.08、結晶子径9
07Å、ケイバン比5.0のY型ゼオライトで他の結晶
形は認められなかった。また、比表面積は716m2
gであった。
【0025】比較例1 1018gのケイ酸ナトリウムと511gの固形シリカ
および608gの水の混合物に143gのシード(A)
を加えた。次いで456gのアルミン酸ナトリウムを添
加して、下記のモル組成の水性混合物を調製した。 2.8 Na2O:1.0 Al23:8.6 SiO2
108 H2O この水性混合物を室温で3時間熟成し、固まりを分散し
た後、耐圧容器中において125℃で8時間熟成して結
晶生成物を析出させ、これを濾過後水洗し、130℃で
16時間乾燥した。得られた生成物は、X線回折法から
結晶化度0.6のY型ゼオライトとグメリナイトおよび
P型ゼオライトの混合物であった。
【0026】比較例2 比較例1において耐圧容器中において125℃で16時
間熟成した以外は、比較例1と全く同様にして結晶生成
物を得た。この生成物は、結晶化度0.3のY型ゼオラ
イトとグメリナイトおよびP型ゼオライトであった。
【0027】比較例3 実施例1と同様にして調製した水性混合物を室温で3時
間熟成し、固まりを分散した後、常圧下に95℃で35
時間熟成して結晶生成物を析出させ、これを濾過後水洗
し、130℃で16時間乾燥した。得られた生成物は、
X線回折法から格子定数24.67Å、結晶化度1.0
9、結晶子径806Å、ケイバン比5.0のY型ゼオラ
イトで他の結晶形は認められなかった。また、比表面積
は708m2/gであった。なお、常圧下に95℃で2
5時間熟成での生成物は、無定形シリカ・アルミナを含
む結晶化度0.8のY型ゼオライトであった。
【0028】比較例4 実施例2と同様にして調製した水性混合物を室温で3時
間熟成し、固まりを分散した後、常圧下に95℃で25
時間熟成して結晶生成物を析出させ、これを濾過後水洗
し、130℃で16時間乾燥した。得られた生成物は、
X線回折法から格子定数24.70Å、結晶化度1.0
3、結晶子径878Å、ケイバン比4.6のY型ゼオラ
イトで他の結晶形は認められなかった。また、比表面積
は690m2/gであった。なお、常圧下に95℃で1
5時間熟成での生成物は、無定形シリカ・アルミナを含
む結晶化度0.2のY型ゼオライトであった。
【0029】比較例5 実施例3と同様にして調製した水性混合物を室温で3時
間熟成し、固まりを分散した後、常圧下に95℃で10
0時間熟成して結晶生成物を析出させ、これを濾過後水
洗し、130℃で16時間乾燥した。得られた生成物
は、X線回折法から格子定数24.61Å、結晶化度
1.03、結晶子径817Å、ケイバン比6.0のY型
ゼオライトで他の結晶形は認められなかった。また、こ
のゼオライトの比表面積は689m2/gであった。な
お、常圧にて95℃で70時間熟成での生成物は、無定
形シリカ・アルミナを含む結晶化度0.3のY型ゼオラ
イトであった。
【0030】比較例6 実施例4と同様にして調製した水性混合物を室温にて3
時間熟成し、固まりを分散した後、常圧にて95℃で8
40時間熟成して結晶生成物を析出させ、これを濾過後
水洗し、130℃で16時間乾燥した。得られた生成物
は、X線回折法から格子定数24.57Å、結晶化度
1.02、結晶子径790Å、ケイバン比6.8のY型
ゼオライトでBET法による比表面積は672m2/g
であった。なお、常圧にて95℃で400時間熟成での
生成物は、無定形のシリカ・アルミナでまだY型の結晶
形は認められなかった。
【0031】
【効果】本発明の方法では、SiO2/Al23モル比
の相対的に低い水性混合物からケイバン比の高いフォー
ジャサイト型ゼオライトを比較的短時間で製造すること
ができるので工業的に有益である。実施例1と比較例
3、実施例2と比較例4、実施例3と比較例5および実
施例4と比較例6をそれぞれ比較すると、同じケイバン
比のフォージャサイト型ゼオライトを製造するに際し、
本発明の方法は、従来の方法に比較して結晶化時間が短
く、しかも、結晶度が高いことがわかる。また、本発明
の方法で得られるフォージャサイト型ゼオライトは、高
ケイバン比を有し、結晶化度が高く、結晶子径が大き
く、また、耐熱性や耐酸性が良いため、吸着分離材、イ
オン交換材、クラッキングや異性化、水素化分解、その
他の炭化水素変換反応などの触媒として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明におけるフォージャサイト型ゼ
オライトの製造用フローシートの1例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−109200(JP,A) 特開 平3−88712(JP,A) 特開 平3−83812(JP,A) 特開 平1−122919(JP,A) 特開 平7−25609(JP,A) 特表 昭61−500951(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 39/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ源、アルミナ源およびアルカリ源
    からなる水性混合物を80〜200℃の温度で、熟成し
    て結晶化するフォージャサイト型ゼオライトの製造方法
    において、温度T1>温度T2としたとき、該熟成を温度
    1で熟成した後、温度T2で熟成することを特徴とする
    フォージャサイト型ゼオライトの製造方法。
  2. 【請求項2】 温度T1が100〜150℃の範囲であ
    り、温度T2が80〜120℃の範囲であることを特徴
    とする請求項1記載のフォージャサイト型ゼオライトの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 温度T1と温度T2との温度差が5℃以上
    であることを特徴とする請求項1または2記載のフォー
    ジャサイト型ゼオライトの製造方法。
  4. 【請求項4】 モル比で SiO2/Al23 6〜20 M2O/SiO2 0.17〜0.50 H2O/M2O 20〜60 (ここで、Mはアルカリ金属を示す) の範囲の組成を有する水性混合物を温度100〜150
    ℃の範囲の温度T1で0.2〜3時間熟成した後、温度
    80〜120℃の範囲の温度T2で熟成して結晶化する
    ことを特徴とするシリカ/アルミナ モル比4.5以上
    のフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。但し、温
    度T1>温度T2とする。
  5. 【請求項5】 モル比で SiO2/Al23 7.7〜9.5 M2O/SiO2 0.27〜0.39 H2O/M2O 35〜55 (ここで、Mはアルカリ金属を示す) の範囲の組成を有する水性混合物を温度100〜130
    ℃の範囲の温度T1で0.2〜1.5時間熟成した後、
    温度80〜120℃の範囲の温度T2で熟成して結晶化
    することを特徴とするシリカ/アルミナ モル比4.5
    〜5.5のフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。
    但し、温度T1>温度T2とする。
  6. 【請求項6】 モル比で SiO2/Al23 8.7〜10.5 M2O/SiO2 0.25〜0.34 H2O/M2O 35〜55 (ここで、Mはアルカリ金属を示す) の範囲の組成を有する水性混合物を温度100〜140
    ℃の範囲の温度T1で0.5〜2時間熟成した後、温度
    80〜120℃の範囲の温度T2で熟成して結晶化する
    ことを特徴とするシリカ/アルミナ モル比5.5〜
    6.5のフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。但
    し、温度T1>温度T2とする。
  7. 【請求項7】 モル比で SiO2/Al23 9.7〜11.5 M2O/SiO2 0.23〜0.31 H2O/M2O 35〜55 (ここで、Mはアルカリ金属を示す) の範囲の組成を有する水性混合物を温度100〜150
    ℃の範囲の温度T1で0.5〜3時間熟成した後、温度
    80〜120℃の範囲の温度T2で熟成して結晶化する
    ことを特徴とするシリカ/アルミナ モル比6.5〜
    7.5のフォージャサイト型ゼオライトの製造方法。但
    し、温度T1>温度T2とする。
  8. 【請求項8】 温度T1での熟成時間が、温度T2での熟
    成時間よりも短いことを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6または7記載のフォージャサイト型ゼオライ
    トの製造方法。
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