JP3509071B2 - 密閉型往復動式圧縮機 - Google Patents

密閉型往復動式圧縮機

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JP3509071B2 JP2000354278A JP2000354278A JP3509071B2 JP 3509071 B2 JP3509071 B2 JP 3509071B2 JP 2000354278 A JP2000354278 A JP 2000354278A JP 2000354278 A JP2000354278 A JP 2000354278A JP 3509071 B2 JP3509071 B2 JP 3509071B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は，密閉型往復動式圧
縮機に係り，特に冷蔵庫や空調機器等において冷媒を圧
縮して吐き出させるのに使用される密閉型往復動式圧縮
機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般的な密閉型往復動式圧縮機は，図４
に示したように，上，下部シェル１１，１２からなる密
閉ケース１０の内部に，駆動源である電動機構部２０
と，この電動機構部２０から動力の伝達を受けて作動し
ながら冷媒を圧縮して吐き出させる圧縮機構部３０を設
けて構成される。
【０００３】電動機構部２０はステーター２１，ロータ
ー２２およびクランク軸２３を含む。ここで，クランク
軸２３はローター２２に圧入，結合され，一側には偏心
部２３ａが備えられる。
【０００４】そして，圧縮機構部３０は圧縮室３１ａが
備えられたシリンダーブロック３１と，このシリンダー
ブロック３１の圧縮室３１ａに直線往復運動可能に設け
られたピストン３２およびピストン３２とクランク軸２
３の偏心部２３ａの間に設けられクランク軸２３の回転
運動をピストン３２の直線往復運動に変換して伝達する
コネクテイングロッド３３を含む。
【０００５】このような一般的な密閉型往復動式圧縮機
は，電源が印加されると，クランク軸２３の回転運動が
コネクテイングロッド３３を介してピストン３２の直線
往復運動に変換して伝達され，これによりピストン３２
がシリンダーブロック３１の圧縮室３１ａを直線往復運
動しながら冷媒を圧縮して吐き出させる。この時，冷媒
が高速に流動することによる流体騒音とともに各種のバ
ルブ類，回転部およびスライデイング部から発生される
振動による騒音が随伴される。従って，密閉型往復動式
圧縮機では，つぎのような騒音・振動低減システムを採
用して圧縮機の運転時に発生される各種の振動および騒
音等を低減させている。
【０００６】その一つは冷媒の吸入流路上に設けられた
吸入マフラー４１と吐き出し流路上に設けられた吐出マ
フラー４２を含むマフラーシステムである。このマフラ
ーシステムによって，流体騒音は顕著に低減される。
【０００７】騒音・振動低減システムの他の一つは，電
動機構部２０および圧縮機構部３０から発生した振動
が，密閉ケース１０に直接伝達されるのを抑制するため
の懸架システム５０であって，このような懸架システム
５０は，圧縮機構部３０を密閉ケース１０の下部シエル
１２に対して動くことができるように弾力支持すること
により，電動機構部２０および圧縮機構部３０から発生
した振動を自体的に吸収また緩和させる。このような懸
架システム５０は，下部シエル１２の底面に配置された
数個のスナバー（ｓｎｕｂｂｅｒ）５１と，シリンダー
ブロック３１の下部に突設された複数の突起５２と，こ
れらの間に介在し，シリンダーブロック３１を弾力的に
支持する複数の懸架スプリング５３を含んで構成され
る。
【０００８】一方，電動機構部２０および圧縮機構部３
０は，上述のような懸架システム５０により密閉ケース
１０の内部に動くことができるように弾力的に支持され
ているので，圧縮機の輸送時などに縦，横方向に動い
て，密閉ケース１０の内壁面と接触する虞れがある。こ
のような電動機構部２０および圧縮機構部３０の動きを
制限するために，クランク軸ストッパー６０が備えられ
る。
【０００９】上述のような騒音・振動低減システムによ
れば，圧縮機の運転時に発生する騒音および振動が，マ
フラーシステムおよび懸架システム５０により１次に低
減および抑制され，最終的に密閉ケース１０によって低
減および抑制される。
【００１０】しかしながら，このような一般的な密閉型
往復動式圧縮機においては，マフラーシステムおよび懸
架システムにより，運転時に発生する騒音および振動を
ある程度までは低減させられるが，密閉ケース１０の剛
性が弱いので密閉ケース１０による騒音および振動の抑
制効率が落ちることにより圧縮機の全体的な騒音水準が
高くなってしまうという問題点があった。
【００１１】また，従来の密閉型往復動式圧縮機におい
ては，電動機構部２０および圧縮機構部３０から発生し
た振動が，懸架スプリング５３によって１次的に減殺，
減振された後，その余振がスナバー５１を介して密閉ケ
ース１０に集中的に伝達することにより，密閉ケース１
０の共振による追加的騒音が発生するという問題があっ
た。
【００１２】また，スナバー５１を介して密閉ケース１
０に伝達された振動が，減殺や減振がなく直ちにセット
に伝達されることにより，セットの全体的な振動および
騒音を増大させる要因に作用するという問題もあった。
【００１３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は，このような
問題点に鑑みてなされたもので，その目的とするところ
は，密閉ケースの剛性を増大させ，密閉ケースによる振
動，騒音抑制効率を高めることにより圧縮機の全体的な
騒音水準を低下させ得る密閉型往復動式圧縮機を提供す
ることである。
【００１４】本発明の他の目的は，電動機構部および圧
縮機構部から発生した振動の伝達経路，即ち，密閉ケー
スに伝達される振動の伝達経路を分散させて減振および
吸振を図るとともに，密閉ケースの共振を抑制すること
により圧縮機の全体的な振動を低減させ得る密閉型往復
動式圧縮機を提供することである。
【００１５】
【課題を解決するための手段】前述した課題を達成する
ために本発明は，上部シェルおよび下部シェルからなる
密閉ケースと，密閉ケースの内部に収容される電動機構
部と，電動機構部から動力の伝達を受けて作動しながら
冷媒を圧縮して吐出させる圧縮機構部と，圧縮機構部を
密閉ケースの下部シェルに対して弾力的に支持し，圧縮
機運転時電動機構部および圧縮機構部から発生する振動
を吸収または緩和させ，密閉ケースの方向の経路を沿っ
て振動を伝達する懸架システムと，圧縮機構部と下部シ
ェルとのあいだに弾性を付与するように設けられた剛性
増大手段とを含むことを特徴とする密閉型往復動式圧縮
機である。
【００１６】弾性部材は，下部シエルの底面の中央部に
接触する円形ホールを有する胴体から少なくとも4つの
支持脚が一体に延長して形成され，それぞれの支持脚は
下部シエルに配置された複数のスナバーにそれぞれ弾性
的に結合される。これによって，電動機構部および圧縮
機構部から発生して密閉ケースに伝達される振動の伝達
経路が支持脚等に分散され，一部の振動は吸収される。
従って，圧縮機の振動を低減させることができる。
【００１７】一方，それぞれの支持脚の端部には一側が
開放された溝また結合孔がそれぞれ形成され，それぞれ
の支持脚をスナバーにたやすく挿入結合できるように構
成される。このような弾性部材としてはそれ自体吸振力
が優れた鉄板や，プラスチック材料で形成され得る。
【００１８】また本発明は，上部シェルおよび下部シェ
ルからなる密閉ケースと，密閉ケースの内部に収容され
る電動機構部と，電動機構部から動力の伝達を受けて作
動しながら冷媒を圧縮して吐出させる圧縮機構部と，圧
縮機構部と結合されるマフラーシステムと，圧縮機構部
と下部シェルとの間に配置され，圧縮機構部を下部シェ
ルに対して弾力的に支持し，電動機構部および圧縮機構
部から発生する振動を吸収または緩和させ，下部シェル
に設けられた複数のスナバーを含む懸架システムと，下
部シェルに設けられる胴体と胴体から延びる複数の支持
脚を含み，懸架システムに結合され，電動機構部と圧縮
機構部から発生した騒音および振動の伝達を制御する弾
性部材とを含み，それぞれの支持脚はそれぞれのスナバ
ーに結合され，弾性部材の前記胴体には円形ホールが形
成されていることを特徴とする密閉型往復動式圧縮機で
ある。
【００１９】弾性部材の胴体には円形ホールが形成さ
れ，それぞれの支持脚は支持脚とスナバーとの結合を容
易にする連結溝が形成された端部を持つ。このような弾
性部材としては鋼材などがよい。
【００２０】
【発明の実施の形態】以下，図面に基づいて，本発明の
実施の形態を詳細に説明する。図１に示したように，本
発明の一実施例による密閉型往復動式圧縮機は，密閉ケ
ース１１０，電動機構部１２０，圧縮機構部１３０，マ
フラーシステム，懸架システム１５０，クランク軸スト
ッパー１６０および弾性部材１７０を備える。
【００２１】密閉ケース１１０は，大略，半球形状の上
下部シエル１１１，１１２からなり，内部には電動機構
部１２０，圧縮機構部１３０，マフラーシステム，懸架
システム１５０，クランク軸ストッパー１６０および弾
性部材１７０が収容される。
【００２２】電動機構部１２０はステーター１２１，ロ
ーター１２２およびクランク軸１２３を含む。クランク
軸１２３はローター１２２に圧入結合され，一側には偏
心部１２３ａが備えられる。
【００２３】圧縮機構部１３０は，圧縮室１３１ａが備
えられたシリンダーブロック１３１と，シリンダーブロ
ック１３１の圧縮室１３１ａに直線往復運動可能に設け
られたピストン１３２と，ピストン１３２とクランク軸
１２３の偏心部１２３ａの間に設けられ，クランク軸１
２３の回転運動をピストン１３２の直線往復運動に変換
して伝達するコネクティングロッド１３３を含む。
【００２４】マフラーシステムは，冷媒の吸入流路上に
設けられる吸入マフラー１４１と吐出流路上に設けられ
る吐き出しマフラー１４２を含む。このようなマフラー
システムにより流体騒音は顕著に低減される。
【００２５】この懸架システム１５０は，圧縮機構部１
３０のシリンダーブロック１３１を密閉ケース１１０の
下部シエル１１２に対して弾力的に支持することによ
り，圧縮機の運転時に発生する各種の振動を吸収して緩
和させる役割をする。このような懸架システム１５０
は，下部シエル１１２の底面に配置された数個のスナバ
ー１５１と，シリンダーブロック１３１の下部に突設さ
れた複数の突起１５２と，これらの間に介在してシリン
ダーブロック１３１を弾力的に支持する複数の懸架スプ
リング１５３を含んで構成される。
【００２６】クランク軸ストッパー１６０は，電動機構
部１２０および圧縮機構部１３０が上述のような懸架シ
ステム１５０によって密閉ケース１１０の内部に，動く
ことができるように弾力的に支持されることにより，圧
縮機の輸送時電動機構部１２０および圧縮機構部１３０
が縦，横方向に流動しながら密閉ケース１１０の内壁面
と接触され得るが，このような電動機構部１２０および
圧縮機構部１３０の動きを制限するために備えられる。
このようなクランク軸ストッパー１６０は上部シエル１
１１の内部上側に溶接結合され，クランク軸１２３の上
端部が収容される動き制限溝１６１が備えられる。この
ようなクランク軸ストッパー１６０の動き制限溝１６１
にクランク軸１２３の上端部が収容されて支持されるた
め，電動機構部１２０および圧縮機構部１３０の動き幅
が制限される。従って，圧縮機の輸送時，電動機構部１
２０および圧縮機構部１３０が縦，横方向に激しく動い
た場合に発生し得る密閉ケース１１０の内壁面との接触
による部品の変形および破損を防止することができる。
【００２７】弾性部材１７０は密閉ケース１１０，より
具体的には，下部シエル１１２の剛性を増大させるため
の剛性増大手段の一例であって，このような弾性部材１
７０により下部シエル１１２の剛性が増大されることに
より，密閉ケース１１０の厚さを増加させるのと同じ効
果を提供して密閉ケース１１０の騒音透過を抑制させる
ことができるようになる。このような弾性部材１７０は
下部シエル１１２と下部シエル１１２に配置された複数
のスナバー１５１とのあいだに弾性を付与するように設
けらるが，弾性部材１７０の弾性復元力によって下部シ
エル１１２およびスナバー１５１が力を受けるようにな
るので，下部シエル１１２の振動が減少して剛性が増大
されるようになる。
【００２８】のような弾性部材１７０は図２および図３
でみられるように，円形ホール１７１ａを有する胴体１
７１と，この胴体１７１から一体に延長される複数の支
持脚１７２を備える。本実施例には，弾性部材１７０は
四つの支持脚１７２を持つ。胴体１７１は下部シエル１
１２の底面の中央部に接触され，支持脚１７２等は該当
するスナバー１５１に弾性的に結合される。また，各支
持脚１７２の端部には一側が開放された溝また結合孔１
７２ａが形成され，これによってそれぞれの支持脚１７
２などを該当するスナバー１５１によりたやすく挿入結
合することができる。
【００２９】弾性部材１７０は金属材，例えば，鉄材や
鋼材で形成してもよく，また減振および吸振性能の優れ
たプラスチック材料で形成することもできる。
【００３０】一方このような弾性部材１７０は，密閉ケ
ース１１０の剛性を増大させるばかりでなく，電動機構
部１２０および圧縮機構部１３０から発生して密閉ケー
ス１１０に伝達される振動の伝達経路を分散させると同
時に吸収することにより振動を低減させる機能も共にす
る。
【００３１】このように構成された本発明の一実施の形
態による密閉型往復動式圧縮機は，電源が印加されば，
クランク軸１２３の回転運動がコネクテイングロッド１
３３を介してピストン１３２の直線往復運動に変換され
て伝達され，これによりピストン１３２がシリンダーブ
ロック１３１の圧縮室１３１ａを直線往復運動をしなが
ら冷媒を圧縮して吐き出させる。
【００３２】この時，従来のような理由で各種の騒音お
よび振動が発生し大気中に伝播されるが，この各種の周
波数帯域の騒音および振動は，本発明の一実施の形態に
よって付設された弾性部材の作用により顕著に減少され
るようになる。即ち，各種の周波数帯域の騒音は本発明
の一実施の形態に基づいて付設された弾性部材により剛
性が増大し騒音透過抑制効果が改善された密閉ケースに
よって，殆んど密閉ケースを透過できず消滅するように
なる。また，振動はその発生源から密閉ケースに伝達さ
れる経路が弾性部材により，分散されると同時に弾性部
材によって吸振され低減されるようになる。
【００３３】以上，添付図面を参照しながら本発明にか
かる密閉型往復動式圧縮機の好適な実施形態について説
明したが，本発明はかかる例に限定されない。当業者で
あれば，特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇
内において各種の変更例または修正例に想到し得ること
は明らかでありそれについても当然に本発明の技術的範
囲に属するものと了解される。
【００３４】
【発明の効果】以上，詳細に説明したように本発明によ
れば，密閉ケースの剛性を増大させ，密閉ケースによる
振動，騒音抑制効率を高めることにより圧縮機の全体的
な騒音水準を低下させ得る密閉型往復動式圧縮機を提供
することができる。
【００３５】また，密閉ケースに伝達される振動の伝達
経路が分散され，減振および吸振される。密閉ケースの
共振を抑制することにより圧縮機の全体的な振動が低減
される。
【００３６】従って，圧縮機の品質向上はもとより，圧
縮機が適用される製品の品質向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施例による密閉型往復動式圧縮
機の構造を概略的に示した縦断面図である。
【図２】 本発明の一実施例による要部構成である剛性
増大手段としての弾性部材の構造を示す平面図である。
【図３】 図２のＡからＡ線に沿って取った断面図であ
る。
【図４】 一般的な密閉型往復動式圧縮機の構造を概略
的に示した縦断面図である。
【符号の説明】
１１０ 密閉ケース １２０ 電動機構部 １３０ 圧縮機構部 １５０ 懸架システム １６０ クランク軸ストッパー １７０ 弾性部材 １７１ 胴体 １７１ａ 円形ホール １７２ 支持脚 １７２ａ 結合孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F04B 39/00 102

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 上部シェルおよび下部シェルからなる密
    閉ケースと， 前記密閉ケースの内部に収容される電動機構部と， 前記電動機構部から動力の伝達を受けて作動しながら冷
    媒を圧縮して吐出させる圧縮機構部と， 前記圧縮機構部と結合されるマフラーシステムと， 前記圧縮機構部と前記下部シェルとの間に配置され，前
    記圧縮機構部を前記下部シェルに対して弾力的に支持
    し，前記電動機構部および圧縮機構部から発生する振動
    を吸収または緩和させ，前記下部シェルに設けられた複
    数のスナバーを含む懸架システムと， 前記下部シェルに設けられる胴体と前記胴体から延びる
    複数の支持脚を含み，前記懸架システムに結合され，前
    記電動機構部と前記圧縮機構部から発生した騒音および
    振動の伝達を制御する弾性部材とを含み， それぞれの前記支持脚はそれぞれの前記スナバーに結合
    され， 前記弾性部材の前記胴体には円形ホールが形成されてい
    ることを特徴とする，密閉型往復動式圧縮機。
  2. 【請求項２】 前記弾性部材のそれぞれの支持脚は前記
    支持脚と前記スナバーとの結合を容易にする連結溝が形
    成された端部を持つことを特徴とする，請求項１に記載
    の密閉型往復動式圧縮機。
  3. 【請求項３】 前記弾性部材は鋼材で形成されることを
    特徴とする，請求項１または２のいずれかに記載の密閉
    型往復動式圧縮機。
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