JP3508761B2 - 浴室用床パネル - Google Patents

浴室用床パネル

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JP3508761B2
JP3508761B2 JP2001380463A JP2001380463A JP3508761B2 JP 3508761 B2 JP3508761 B2 JP 3508761B2 JP 2001380463 A JP2001380463 A JP 2001380463A JP 2001380463 A JP2001380463 A JP 2001380463A JP 3508761 B2 JP3508761 B2 JP 3508761B2
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drainage
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俊実 北角
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東陶機器株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はユニットバスの一部
として組み込まれる樹脂製の浴室用床パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の住宅等の浴室はユニットバスが主
流になっている。これは、床が防水性を有するFRP等
の材質からなる防水床パンを用いることにより建築の浴
室空間にあらかじめ防水工事を施す必要がないためであ
る。
【0003】また、近年の高齢化社会到来に準じ、防水
床パンは洗い場での洗体行為を行う場合に使用者が脚を
滑らせて転倒することを極力防ぐために、石鹸水等が湯
水に混じった場合でも滑りにくいように凹凸を施したノ
ンスリップ仕様にしている。また、防水床パンの洗い場
面には岩肌模様や石目模様を採用し、意匠性を向上させ
ている。
【0004】このようなユニットバスとして、例えば、
特開平6−93745号公報に開示されるものが知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たユニットバスの防水床パンは、洗い場での洗体行為を
行う場合等は滑りにくいため使用感が良いが、前記凹凸
が洗い場面の排水性に悪影響を及ぼし、島状に排水を残
水させてしまい、翌日になってもこの島状に残った残水
は表面積の割に水量が多いため、乾きにくく、翌日にな
っても自然乾燥せずに残ってしまっていた。これは翌
日、使用者が浴槽の清掃を行う際、靴下のまま浴室内の
洗い場部に立つと靴下を濡らしてしまう結果となり、非
常に不快であり、また掃除の度に靴下を脱がなければな
らないので煩わしく、特に冬場では残水が冷水となって
いるため、高齢者にはつらいものであった。
【0006】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、ユニットバスの洗い場部の滑り止め効果を損
うことなく、翌日には洗い場部に残水が残ることがない
浴室用床パネルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく
発明に係る浴室用床パネルは、樹脂製の床パネルの表面
に、滑り止め用の凸部と、これら凸部の間に流れ込んだ
水を途切れさせずに一時捕水出来る状態に形成された流
路とを備え、前記凸部上の水は、前記流路内に一時捕水
されている水と接触することで前記流路から排水口また
は排水流し溝に連続した状態で排水される構成とした。
【0008】前記流路内の水に接触すること無く前記凸
部の上面に留まれる水量としては2CC以下であること
が好ましい。2CC以下に抑えることによって、万が一
上面に水玉が残留しても翌日までに乾燥させることがで
きる。
【0009】前記床パネル凸部上の水は、前記流路内に
一時捕水されている水と接触することで誘引・導水され
る。また、流路内の流速を遅くする手段としては、流路
内に障害物となる微細な凹凸部を設けることも考えられ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本願発明に係る浴室用
床パネルの実施例1の平面図、図2は同床パネルの拡大
平面図、図3は本願発明に係る浴室用床パネルの実施例
2の拡大平面図、図4は図2のA−A線拡大断面図、図
5は図3のB−B線拡大断面図、図6(a)〜(c)は
床パネル上の水の挙動を示す図である。
【0011】床パネル1は樹脂材料(例えばFRP)を
成形してなり、浴槽設置部2とそれに隣接する洗場部よ
り構成される。浴槽設置部2は洗場側床パネルと別体で
形成され、接続される分割タイプや、浴槽側の床パネル
そのものを浴槽形状にした洗場付きの浴槽の場合もあ
る。
【0012】床パネル1の洗場面上には、排水のための
排水口凹部4が形成され、排水口凹部4の中に排水口3
が配置されている。
【0013】床パネル1は、上記排水口凹部4が最も低
くなるように排水勾配が取られており、床パネル1上の
水が排水勾配に沿って流れ、排水口凹部4に集水される
ようになっている。本実施例では、床面排水勾配と合せ
て、排水を補助するための排水流し溝5を設け、床パネ
ル1上の水を集め、排水口凹部4に集水させる構造を採
用している。
【0014】実施例1及び実施例2では、床パネル1表
面には滑り止め用の凸部6と、これら凸部6の間に連続
する流路7が形成されている。この流路7は、概ね上記
排水口3または排水流し溝5に向かうように設定してい
る。滑り止め用の凸部6の形状は図2及び図4に示す比
較的長尺形状、或いは図3及び図5に示す円形に限ら
ず、どのような形状でもよい。
【0015】また、滑り止めの凸形状の上面に、凸形状
の周囲を区画した流路内に流れ込むこと無く、独立して
残留することのできる水玉の水量を平均的な浴室環境
下、例えば温度15.3℃、湿度66%の環境下におい
て8時間程度の間に自然乾燥可能な2CC以下に抑える
ことによって、万が一凸形状部の上面に残留する水玉が
発生した場合でも、その水を翌日まで残留させることな
く乾燥させることができるようになる。
【0016】また、床パネル1上の少なくとも流路7の
上には、水玉の表面張力を破壊する凹凸形状部8が重ね
て形成されている。この凹凸形状部8は線状をなし、そ
の方向は凸部6及び流路7を横切る方向に形成され、そ
の結果、流路7の中を流れる水の速度が凹凸形状部8に
邪魔されて抑制され、ゆっくり流れるようになり、流路
7内で水が途切れることがない。
【0017】また、床パネル1表面には、滑り止め用の
凸部6、流路7及び表面張力を破壊する凹凸形状部8の
機能を損わない範囲で、格子状の境界部9を設けて意匠
性を高めている。
【0018】以上において、床パネル1表面に水が落下
すると、図6(a)に示すように、凹凸形状部8によっ
て表面張力が破壊され、想像線で示す水玉を形成するこ
となく流路7の中に広がる。そして広がった水は連続し
て形成されている流路7を流れて排水口3に直接、若し
くは排水流し溝5を介して排水口3に入る。
【0019】上記凹凸形状部8は表面張力を破壊して水
が蒸発する表面積を大きくするだけでなく、流路7内に
流れ込んで流れようとする水に対して抵抗になるため、
流路内の流速が抑制され、図6(b)に示すように、流
路7を流れる水が途切れることがない。即ち、流路7内
の排水は、ゆっくりではあるが排水口3若しくは流し溝
5まで連続して繋がった状態で確実に排水され、その結
果、水が島状に残ることがない。
【0020】更に、流路7を水が流れた後に、図6
(c)に示すように、凹凸形状部8間に水が残る場合で
あっても、この場合の残水量は極めて少ないため、短時
間のうちに蒸発してしまい、実使用上問題とならない。
【0021】図7は本願発明に係る浴室用床パネルの
施例3の平面図である。床パネルの表面形状以外の構成
は前述の実施例と同じ構成である。この実施例の床パ
ネルにあっては、床パネル1表面の全域に滑り止め兼、
表面張力を破壊する目的の凸形状部10を形成し、この
凸形状部10の間を流路11とし、流路11内の排水速
度を抑制する手段を施して形成されている。
【0022】また、滑り止めの凸形状の上面に、凸形状
の周囲を区画した流路内に流れ込むこと無く、独立して
残留することのできる水玉の水量を平均的な浴室環境
下、例えば温度15.3℃、湿度66%の環境下におい
て8時間程度の間に自然乾燥可能な2CC以下に抑える
ことによって、万が一凸形状部の上面に残留する水玉が
発生した場合でも、その水を翌日まで残留させることな
く乾燥させることができるようになる。
【0023】図7で示した流路11内の流速抑制手段
は、水下部の流路11を排水勾配に抗する方向へ曲げた
状態で形成した例となっているが、その他にも水下側の
排水勾配をその他の部分と比較して緩く形成したり、流
路11内に排水抵抗になるような微細凸凹を形成するな
どの手段がある。
【0024】前記したように、効率よく床パネル1表面
の水を乾燥させるには、床パネル1表面に落下した水を
排水口3まで導く際に、水の流れの速度を制御し、排水
が途中で途切れないようにして、島状に孤立して残る水
を無くすことが肝心である。通常、床面上の排水速度が
速い方が、「水はけが良い床」と感じやすいが、流下し
て排水される速度が速いと、連続して繋がって排水され
ている水が途中で途切れてしまい、取り残されてしまう
水が発生するため、島状の孤立した残水が発生しやす
く、最終的に見ると乾きにくい床となってしまう。
【0025】このため、図7に示す実施例にあって
は、流路11の下流側を曲げることで下流側の排水性を
低下させ、流路11内の排水に先詰りの渋滞状態を発生
させることで排水が途中で途切れることのない構造とし
ている。また、下流側の排水勾配を緩くすることでも同
様の効果が得られる。
【0026】同じく、流路11内の排水流速を遅くする
方法として、流路11内に微細な凹凸を設け、障害物と
することで流路11内を流れる排水の速度を遅くするこ
とも可能で、この場合も上記と同様の効果が得られる。
【0027】図8及び図9は、本願発明に係る浴室用床
パネルの他の流速抑制手段を遅くする実施例の斜視図
及び平面図である。この実施例の床パネルにあっては、
床パネル1表面の全域に滑り止め兼、表面張力を破壊す
る目的の凸形状部12が形成されている。この凸形状部
12は、約5mm×約10mmの略長方形で、高さを
0.5mmと比較的高く形成されている。また、各々の
凸形状部12の間隔を2mmと非常に接近させること
で、隣り合う凸形状部12の間で形成される流路13
は、その深さと幅をそれぞれ0.5mmと2mmとし、
水下側の排水口3(図示せず)もしくは流し溝5(図示
せず)に連続させて形成している。このような、細くて
深い流路内では水の粘性抵抗が流速抑制効果として顕著
に発現され、合わせて細い流路で発生する表面張力の効
果とあいまって、効率的に流路13内の流速を遅くする
ことができる。
【0028】本発明の実施例では、図9に示したよ
うに、凸形状部12を小さく形成することで、流路13
によって区画される凸形状部12の上面に、周囲の流路
13内に流れ込むことなく独立して残留することのでき
る水玉の水量を、約0.2CCと非常に少なくしている
ため、万が一、この凸形状部12の上に水玉が独立して
残留しても、前記した浴室環境の条件下においても、よ
りすばやく自然乾燥し、より短時間での床表面の乾燥を
確実なものにしている。
【0029】このように、基本形状を長方形とする凸形
状部12は縦・横、互い違いにずらして配置され、その
間に形成される流路13を細かく方向転換・枝別れさ
せ、細かい網目状に流路13を配置することで、流路内
の流下抵抗を高めるとともに、水下側に向かって水が流
れて行く際に様々な経路を通り、結果として、排水の流
速が遅くなり途切れることがないようにされている。
【0030】図10(a)及び図10(b)で示したよ
うに本実施例4での流路13の断面形状は、清掃性など
を考慮し、略V字型の流路としているが、このほかにも
流路13の断面形状としては図11(a)乃至図11
(c)に示すように略角型、略丸型など、どのような形
態でも良い。また、流路13の断面形状における各々の
形態の場合の幅と深さは、図10及び図11に示したよ
うに各々W・Dで定義されるものとする。この場合、流
路13の断面形状を問わず、図10(b)、図11
(b)、及び図11(d)に示すように、途中で断面形
状を変化させた2段形状などで形成した場合は、実質的
に最小限の水を溜められる流路形状部の幅を流路幅Wと
するものとする。また、凸形状部12の形状や配置も本
実施例に記載されている略長方形の他、略円形・略正方
形・幾何学模様など、どのような形状をどのように並べ
ても、また異なる形状の組み合わせでも、それら凸形状
部間に形成される流路13自体の寸法や経路、その他流
路13内で発生する水の粘性抵抗あるいは表面張力の効
果によって、結果として、床パネル1上に水を流した
際、表面上に形成された水玉が壊され、水玉の姿を消す
までの一時の間、流路13内に流れ込んだ水を途切れさ
せずに一時捕水出来るような状態にするような流速を一
に遅くする効果を生むことが出来るものであれば、
その配置・形状・経路を問わない。
【0031】次に以上のように構成される本発明の作用
について説明する。まず、実施例1及び実施例2では、
床パネル1表面での水の使用に伴って形成される水玉
は、図6(a)の想像線で示すように、流路7の中に広
がって流れ込もうとする。これは水玉が床表面の凸凹の
高低差によって切り裂かれ、高い凸部分から低い凹部分
に流れようとする一般的な物理現象によるものであり、
滑り止め用の凸部6や表面張力破壊用の凸凹形状部8は
この作用を補助する働きをする。流路7に流れ込んだ水
は、連続して形成されている流路7を流れて排水口3に
直接、もしくは排水流し溝5を介して排水される。
【0032】従来の一般的な床の場合、床パネルの材質
がプラスチックなど疎水性のものであり、素材自体が水
を弾こうとすることや、流路の中での水はけが良すぎて
流速が早くなりすぎたり、流速に不均一な部分が発生し
たりすることで、折角、床の表面形状の効果で水玉を流
路7の中に押し込んでも、流し込んだ流路7内で早期に
水が途切れてしまう現象が多発し、取り残された部分の
水は停滞し、結果として床パネル1上に流された水は水
玉の形態を完全に壊す事ができず、独立した水玉となっ
て残留してしまいがちであった。
【0033】実施例1及び実施例2の前記凸凹形状部8
は、水玉の表面張力を破壊し、流路7内に水を導く効果
とともに流路7内に流れ込んで流下しようとする水に対
して抵抗となることで、水の流速を遅くし、流路7内の
水をゆっくりと進む渋滞状態にする効果を持つ。それに
より流路7内を繋がった水で満たされた捕水状態とする
ことが可能となり、さらに、流路7内の水をゆっくりと
した速度でしか排水させないため、その捕水状態を長時
間保持する事ができる。そのため、たとえ床パネル1の
表面が疎水性のものであっても、図6(b)に示すよう
に、流路7を流れる水が早期に途中で途切れることがな
く、上記の一時捕水した状態を長時間に渡って保持でき
る。
【0034】この状態から入浴行為などにより新たな水
が床パネル1表面に流され、その水が表面張力によっ
て、いったん床パネル1の表面に水玉を形成した場合で
も、これらの水玉が床パネル1上の流路7内にすでに存
在している一時捕水状態の水に接触しているため、この
流路7内の水の誘引・導水作用と前述した滑り止め用凸
部6や凸凹形状部8の表面張力破壊作用の相乗効果によ
って、水玉内の水が徐々に流路7内に流れ込み、ゆっく
りと、しかし途切れること無く、排水口3あるいは排水
流し溝5に導かれて確実に排水される。その結果、床パ
ネル1上の水玉は消滅してしまい、床パネル1上に残留
することがない。
【0035】この流路7内に一時捕水された水による誘
引・導水作用は、水の表面張力を利用したものである。
水は表面張力によって、その表面積を最も小さくするべ
く、球状になろうとし、その結果、疎水性の物質上では
水玉となって安定する。しかし、各々の表面張力で別々
に安定して存在している複数の水玉が接触した場合、こ
れらが個別に水玉を形成し続けるよりも、1つにまとま
った大きな水玉を形成した方がトータルの表面積が小さ
くて済み、より安定するため、接触した時点でこれらの
水に1つにまとまろうとする力が発生する。この力は、
各々の水が持つ表面張力によるものであるが、これによ
って他に外的な力が働いていない停滞状態の水玉でも、
その他の水玉や水分と接触した瞬間に水自身が持つ表面
張力によって動こうとする動力を得ることができるので
ある。実施例1及び実施例2では流路7内に一時捕水し
た水と、新たに床パネル1表面で水玉を形成した残水と
を接触させることで、これら2つの水の表面張力によっ
て発生する力を流路7内への誘引・導水力として利用
し、単独で残留する水玉を削減することで床パネル1表
面の乾燥時間を短縮しているのである。
【0036】流路7内に流れ込み、一時捕水された水
は、完全に停滞しているわけではなく、速度を抑制され
た状態でゆっくりと流れているため、水玉の消滅後も時
間の経過とともに床パネル1上の流路7内に一時捕水さ
れたトータル水量を着実に削減でき、床パネル1を早期
に乾燥させることができる。しばらくして、流路7を水
が流れてしまった後に、図6(c)に示すように、凸凹
形状部8間に水が残る場合であっても、この場合の残水
量は極めて少ないため、短時間の内に蒸発してしまい、
実使用上なんら問題とならない。
【0037】また、流路7内の一時捕水状態は、床パネ
ル1表面上に発生した水玉が流路7内におおむね誘引・
導水されるまでの間、保持されれば良く、水玉消滅前に
床パネル1上のどこか一部で部分的に流路7内の連続状
態が途切れたとしても、実際に水玉に触れている流路7
と床パネル1の水下部分とが、いずれかの経路の捕水状
態の流路7で繋がっているのであれば、水玉の水はその
経路を伝わって流れ、排水されてしまうため、本願発明
の効果を損なうものではない。また、万が一、水玉消滅
直後に流路7内の繋がった捕水状態が途切れてしまい流
路7内のみに水が残留してしまった場合でも、残された
水は床パネル1上の広範囲に拡散されて存在するため、
独立して残る水玉状態の残水より自然乾燥しやすく、同
じく本願発明の効果を損なうものではない。
【0038】また、それとあわせて流路で区画される床
パネル上の滑り止め用凸形状部の上面に流路内の水に接
触すること無く留まれる水量を一般的な浴室の換気条件
や平均的な温度・湿度の環境下において8時間程度の時
間で乾燥可能な2CC以下のレベルに抑えている。この
範囲の残水量であれは、一般的な浴室の環境下におい
て、入浴後から翌日の朝まで8時間程度の間に自然乾燥
が可能なため、運悪く、流路に一切接触せず、独立して
残留してしまう水玉が発生した場合でも、その水量を規
定時間内に乾燥可能な量に抑えることができ、本発明の
目的を十分達成することができるため、何ら問題になら
ない。
【0039】また、図7に示す本願発明の実施例にお
いては、床パネル1の表面の全域に滑り止め効果と表面
張力破壊効果を兼用する凸形状部10を形成し、凸形状
部10の間を流路11としている。床パネル1表面に流
された水は凸形状部10によって切り裂かれ、流路11
内に押し込まれる。流路11内では流速抑制手段として
水下側の流路を排水勾配に抗する方向に曲げたり、水下
側の排水勾配をその他の部分と比較して、ゆるくするこ
とで下流側の排水性を低下させ、流路11内の排水に先
詰まりの渋滞状態を発生させている。そのため、流路1
1内の水が途中で途切れることのない構造となってい
る。また、流路11内の排水流速を制御する方法とし
て、流路11内に微細な凸凹を設け、障害物とすること
で流路11内を流れる排水の速度を抑制する手段もあ
る。
【0040】一般的な感覚では、床面上の排水速度が速
い方が、「水はけが良い床」と感じやすいため、従来か
ら特開平4−243941号公報に開示されているよう
に排水流路内の排水性を少しでも良くする方向での様々
な工夫が行われてきたが、特にプラスチックなどの疎水
性の材料で形成された床では、流下して排水される速度
が速すぎると、折角、連続状態で繋がって排水されてい
る水が途中で途切れてしまいやすく、その結果、取り残
されてしまう水が発生するため、島状の孤立した水玉残
水が発生し、一見、水はけが良さそうに見えても最終的
に見ると逆に乾きにくい床となってしまっていた。そこ
で、実施例3では前述した本願発明の実施例1及び実施
例2と同様に、従来の技術とまったく逆の視点からの発
想で流路11内の流速を抑制し、床の一部分の水を流れ
にくくすることで、全体としての排水性・乾燥性を向上
させる構造を採用している。
【0041】それによれば流路11内の流速を抑制する
手段を施すことで、床パネル1上に流された水の一部を
いったん流路11内に捕水し、水で繋がった連続状態の
流路11をしばらくの間形成することで、床パネル1上
の水玉を流路11内に誘引・導水し、水玉を徐々に破壊
することができる。またその後も途切れることなく、ゆ
っくり確実に流路11内を流れ、表面上の水を排水する
ため、床面上の水分を時間の経過とともに確実に削減す
ることができ、同時に床パネル1上に広範囲に水分を散
らすことで効率的な自然乾燥を促進させ、床の乾燥時間
を大幅に短縮することができる。
【0042】また、それとあわせて流路で区画される床
パネル上の滑り止め用凸形状部の上面に流路内の水に接
触すること無く留まれる水量を一般的な浴室の換気条件
や平均的な温度・湿度の環境下において8時間程度の時
間で乾燥可能な2CC以下のレベルに抑えている。この
範囲の残水量であれは、一般的な浴室の環境下におい
て、入浴後から翌日の朝まで8時間程度の間に自然乾燥
が可能なため、運悪く、流路に一切接触せず、独立して
残留してしまう水玉が発生した場合でも、その水量を規
定時間内に乾燥可能な量に抑えることができ、本発明の
目的を十分達成することができるため、何ら問題になら
ない。
【0043】また、図8及び図9に示す本願発明に係る
浴室用パネルの実施例においては、床パネル1表面の
全域に形成された略長方形の凸形状部12の間で形成さ
れる流路13の幅と深さを細く深くすることで、流路1
3内の水を途切れないようにしている。これは水の粘性
抵抗と表面張力の効果を利用したものである。水にはそ
れ自身に粘性が有るため、細く深く形成された流路13
内では粘性抵抗が流速抑制効果として発現しやすくなる
ため、十分な流速抑制効果が得られる。また細く深い流
路形態で発生する表面張力の効果と合わせて水を流路1
3内に一時捕水する効果が高くなり、たとえ床パネル1
の材質が水を弾く疎水性のものであっても、流路13内
は一見、水を弾かずに連続して繋がった状態で一時捕水
する事が可能となる。
【0044】また細かいピッチで配された流路や網目状
の流路形態などでも同様に水が流下する際に粘性抵抗が
発現しやすく、前述した実施例と同じく流路13内に連
続して繋がった状態で一時捕水する事を可能とする流速
抑制効果を生むことができる。
【0045】また、それとあわせて流路で区画される床
パネル1上の滑り止め用凸形状部の上面に流路内の水に
接触すること無く留まれる水量を一般的な浴室の換気条
件や平均的な温度・湿度の環境下において8時間程度の
時間で乾燥可能な2CC以下のレベルに抑えている。こ
の範囲の残水量であれ、一般的な浴室の環境下におい
て、入浴後から翌日の朝まで8時間程度の間に自然乾燥
が可能なため、図9に示すように、運悪く、流路に一切
接触せず、独立して残留してしまう水玉が発生した場合
でも、その水量を規定時間内に乾燥可能な量に抑えるこ
とができ、本発明の目的を十分達成することができるた
め、何ら問題にならない。図9の実施例では、滑り止
め凸形状部12を小さく形成することで、その量を0.
2CCと更に少量にし、より短時間での確実な乾燥を実
現している。
【0046】なお、床パネル1上の凸形状部12の上面
に流路13内の水に接触すること無く留まれる水玉の水
量を2CC以下とするという状態は実質的な状態を言
い、部分的にこの条件から逸脱する量の水が残留できる
凸形状部12が部分的に存在したとしても、得られる床
乾燥効果が本願発明の要旨を変更しない範囲であれば実
質的に同一のものとする。
【0047】図9に示すとおり本実施例では、凸形状
部12を約5×約10mmの大きさとし、縦・横、互い
違いにずらして配置され、その間に形成される流路13
を細かく方向転換・枝別れさせ、細かい網目状に流路1
3を配置することで、流路内の流下抵抗を高めるととも
に、水下に向かって水が流れて行く際に様々な経路を採
れるようにされている。これは流路13内で繋がって捕
水している状態が、たとえ部分的に途切れたとしても、
別の経路を伝って水玉の水が確実に排水される効果を生
む。また凸形状部12の幅を約5mmとし、水滴の平均
液滴径に近い寸法で形成することで、水玉破壊の効果を
高めることができるとともに、床パネル1上の水は、高
い確率で流路13内の水に接触できるようになり、凸形
状部12の上に独立した水玉として存在し難くなるた
め、運悪く凸形状部12の上に残留してしまう可能性の
ある水量を自然乾燥で乾ききるだけの範囲に制限するこ
とができる。本実施例の場合には上記の工夫などによ
り、約0.2CC以下の水量しか凸形状部12の上に独
立して存在できないようにされているため、より確実な
水玉破壊とより確実な床面乾燥を実現している。
【0048】これらの流速抑制効果と表面張力の効果を
利用して流路13内に繋がった状態で一時捕水された水
は、前述の本願発明の実施例と同様の作用を生み、図1
2に示すように流路13内に水玉を誘引・導水して残さ
ず排水させることが可能となり、結果として本願発明と
同様の効果で早期に床を乾燥せしめることができる。
【0049】
【発明の効果】以上に説明した如く本発明によれば、浴
室用床パネルの表面に滑り止め用かつ、水玉の表面張力
を破壊する凸部と、これら凸部の間に排水口または流し
溝に向って連続する流路を形成し、更にこの流路内の水
が途切れないようにするために流路内の流速を遅くする
手段を施したので、床表面の水が途切れること無く確実
に排水でき、床面の乾燥性能を向上させることができ
る。
【0050】また本発明の浴室用床パネルでは流路内の
水の流速を制御することで床表面に流された水の一部を
流路内に繋がった状態で一時捕水し、該流路で区画され
た滑り止め凸部の上面に、前記流路内の一時捕水した水
に触れること無く独立して残留できる水量を2CC以下
としているため、万が一、凸部上に独立して残留してし
まう可能性のある水量を一般的な浴室環境下の中で規定
時間内に十分自然乾燥可能な量に制限することができる
ため、床の乾燥性能を確実に保証できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る浴室用床パネルの実施例1の
面図
【図2】同床パネルの拡大平面図
【図3】本願発明に係る浴室用床パネルの実施例2の拡
大平面図
【図4】図2のA−A線拡大断面図
【図5】図3のB−B線拡大断面図
【図6】(a)〜(c)は床パネル上の水の挙動を示す
【図7】本願発明に係る浴室用床パネルの実施例3の
面図
【図8】本願発明に係る浴室用床パネルの実施例によ
る床パネルの斜視図
【図9】本願発明に係る浴室用床パネルの実施例によ
る床パネルの平面詳細図
【図10】(a)〜(b)は図9におけるC−C断面で
の床パネルの溝形状断面図
【図11】(a)〜(d)は本願発明に係る浴室用床パ
ネルの他の実施例による溝形状の詳細図
【図12】本願発明に係る浴室用床パネルの実施例
よる床パネル上の水玉消滅の様子を示した斜視図
【符号の説明】
1…床パネル、 2…浴槽設置部、 3…排水口、 4
…排水口凹部、 5…流し溝、 6…滑り止め用の凸
部、 7,11,13…流路、 8,10,12…表面
張力を破壊する凹凸形状部、 9…境界部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−102564(JP,A) 特開 平6−93745(JP,A) 特開 平10−14803(JP,A) 特開 平11−131753(JP,A) 特開 平9−203227(JP,A) 実開 昭53−34865(JP,U) 登録実用新案3041233(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04F 15/00 A47K 4/00 E03C 1/20 E04F 15/10 104 E04H 1/12 301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユニットバスの一部として組み込まれる
    樹脂製の浴室用床パネルであって、前記床パネルの表面
    には、滑り止め用の凸部が形成され、これら凸部の間に
    流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水出来る状態にす
    流路を排水口あるいは排水流し溝に連続させて形成
    し、前記床パネルの表面で水玉を形成した残水は、前記
    流路内に一時捕水されている水と接触することで前記流
    路から排水口あるいは排水流し溝に途切れること無く
    水されることを特徴とする樹脂製の浴室用床パネル。
  2. 【請求項2】 前記流路内の水に接触すること無く前記
    凸部の上面に留まれる水量が2CC以下であることを特
    徴とする請求項1記載の樹脂製の浴室用床パネル。
  3. 【請求項3】 前記流路内の水を一時捕水するために、
    排水流速を遅くする手段として流路内に微細な凹凸を設
    けたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記
    載の樹脂製の浴室用床パネル。
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