JP3505359B2 - 魚釣用リール - Google Patents

魚釣用リール

Info

Publication number
JP3505359B2
JP3505359B2 JP20682497A JP20682497A JP3505359B2 JP 3505359 B2 JP3505359 B2 JP 3505359B2 JP 20682497 A JP20682497 A JP 20682497A JP 20682497 A JP20682497 A JP 20682497A JP 3505359 B2 JP3505359 B2 JP 3505359B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
braking force
adjusting member
force adjusting
reel
spool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20682497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1146641A (ja
Inventor
晴道 大石
Original Assignee
ダイワ精工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダイワ精工株式会社 filed Critical ダイワ精工株式会社
Priority to JP20682497A priority Critical patent/JP3505359B2/ja
Publication of JPH1146641A publication Critical patent/JPH1146641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3505359B2 publication Critical patent/JP3505359B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、スプールと;ス
プールを支持したリール本体と;リール本体に回転可能
に設けられ、スプールからの釣糸の放出及びスプールへ
の釣糸の巻き上げの少なくともいずれか一方に関連して
回転する回転部材と;回転部材の中心線に沿った方向に
移動可能にリール本体に設けられ、リール本体の外部に
露出し上記中心線に沿った方向の一方及び他方への移動
を選択的に生じさせる操作部を有しているとともに、上
記一方への移動により回転部材に対して押圧されて回転
部材の回転に対する制動力が強化され上記他方への移動
により回転部材に対する押圧が弱められて上記制動力が
弱められる摩擦制動部材を有している、制動力調節部材
と;を備えている魚釣用リールに関係している。 【0002】 【従来の技術】上述した如き構成の魚釣用リールは従来
から広く知られており、例えば実開昭55−10887
4号公報に記載されている。実開昭55−108874
号公報に記載されている魚釣用リールは両軸受型リール
であって、この魚釣用リールにおいてはスプール軸がス
プールからの釣糸の放出及びスプールへの釣糸の巻き上
げによりスプールとともに回転する回転部材である。ス
プール軸の一端部はリール本体の一側壁の外表面に露出
されており、上記一側壁の外表面にはスプール軸の一端
部を取り囲むよう袋ねじ状の制動力調節部材が上記一端
部に対して同心的に回転自在に配置されている。上記一
側壁の外表面に露出されている制動力調節部材の外表面
は制動力調節部材の回転を操作する為の操作部を構成し
ており、制動力調節部材の内底面には上記一端部の端面
に対向して摩擦部材が配置されている。制動力調節部材
が外表面の操作部を操作されて一方向に回転されると制
動力調節部材はスプール軸の回転中心線に沿い一方に移
動し内底面の摩擦部材をスプール軸の一端部の端面に押
圧されてスプール軸の回転に対する制動力が強化され、
他方向に回転されると制動力調節部材はスプール軸の回
転中心線に沿い他方に移動しスプール軸の一端部の端面
に対する内底面の摩擦部材の押圧が弱められてスプール
軸の回転に対する制動力が弱められる。 【0003】このような制動力調節部材は、主にスプー
ルからの釣糸の放出時に、釣糸よりも大きな慣性力を有
するスプールが釣糸の放出速度よりも速い速度で回転し
て釣糸にいわゆるバックラッシュ現象が生ずるのを防止
する目的で使用されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述した実開昭55−
108874号公報に記載されている魚釣用リールにお
いては、制動力調節部材がリール本体の一側壁の外表面
に回転自在に配置されているので、制動力調節部材によ
るスプール軸の回転に対する制動力が所定の値に調整さ
れた後に時間が経過し魚釣用リールの使用回数が増大す
ると、制動力調節部材の内底面の摩擦部材とスプール軸
の一端部の端面との間に作用する摩擦力により魚釣用リ
ールの使用者の意図に反して制動力調節部材が上記他方
に回転されてスプール軸の一端部の端面に対する制動力
を弱めることがある。そして甚だしい場合には、制動力
調節部材がリール本体の一側壁の外表面から脱落してし
まうこともある。 【0005】上述した如き使用者の意図に反した制動力
の弱化やリール本体の一側壁の外表面からの制動力調節
部材の脱落を防止する為に、上述した実開昭55−10
8874号公報に記載されている魚釣用リールにおいて
は、リール本体の一側壁の外表面に制動力調節部材の内
周面に接触する摩擦リングが設置されている。しかしな
がら、魚釣用リールの長期間の使用の後には摩擦リング
は摩耗し、また経年劣化の為に摩擦リングは弾性をなく
し制動力調節部材の内周面に対して摩擦力を発生させな
くなり、摩擦リングは上述した本来の機能を発揮するこ
とが出来なくなる。 【0006】魚釣用リールの長期間の使用の後における
リール本体の一側壁の外表面からの制動力調節部材の脱
落を防止する構造は、特開平9−28241号公報に開
示されている。この構造では、制動力調節部材と操作部
とが相互に独立して形成されており、操作部がリール本
体の一側壁の外表面に回転のみ自在に設置されており、
制動力調節部材はリール本体の一側壁にスプール軸の回
転中心線に沿った方向にのみ移動自在に配置されてい
て、制動力調節部材の一端部が操作部の内底面に螺合さ
れている。そして、操作部を一方向に回転させると制動
力調節部材が上記回転中心線に沿ってリール本体の一側
壁の内方に向かい移動しスプール軸の一端部の端面に押
圧されてスプール軸の回転に対する制動力が強化され、
他方向に回転させると制動力調節部材は上記回転中心線
に沿い他方に移動しスプール軸の一端部の端面に対する
押圧が弱められてスプール軸の回転に対する制動力が弱
められる。 【0007】上述した特開平9−28241号公報に開
示されている魚釣用リールにおいては、操作部が制動力
調節部材とともにリール本体の一側壁に対して外側から
取り付けられており、この為に、操作部をリール本体の
一側壁の外表面に回転のみ自在に設置する為の構造が複
雑になっている。そしてこの複雑な構造が魚釣用リール
の部品点数を増大させ、その結果として魚釣用リールの
製造コストを増加させ、また組み立てを煩雑にしてい
る。 【0008】この発明は上記事情の下でなされ、この発
明の目的は、簡易な構造で魚釣用リールの製造コストを
増加させたり組み立てを煩雑にすることがないにもかか
わらず、スプールからの釣糸の放出及びスプールへの釣
糸の巻き上げの少なくともいずれか一方に関連して回転
する回転部材に対して制動力を負荷する為の制動力調節
部材や制動力調節部材に伴われた操作部が魚釣用リール
の使用中にリール本体から離脱することを確実に防止す
ることが出来て長期間の使用後でも所定の制動力を保つ
ことが出来る、魚釣用リールを提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上述したこの発明の目的
を達成する為に、この発明に従った魚釣用リールは:ス
プールと;スプールを支持したリール本体と;リール本
体に回転可能に設けられ、スプールからの釣糸の放出及
びスプールへの釣糸の巻き上げの少なくともいずれか一
方に関連して回転する回転部材と;リール本体の内部か
ら外部に向かい挿入されて回転部材の中心線に沿った方
向に移動可能にリール本体に設けられ、リール本体の外
部に露出し上記中心線に沿った方向の一方及び他方への
移動を選択的に生じさせる操作部を有しているととも
に、上記一方への移動により回転部材に対して押圧され
て回転部材の回転に対する制動力が強化され上記他方へ
の移動により回転部材に対する押圧が弱められて上記制
動力が弱められる摩擦制動部材を有しており、リール本
体の外部への脱落を防止する抜け止め部をさらに有して
いる、制動力調節部材と;を備えており、上記制動力調
節部材は上記回転部材を回転自在に支持する為の軸受を
保持している、ことを特徴としている。 【0010】このように構成されたことを特徴としてい
るこの発明に従った魚釣用リールにおいては、操作部を
有している制動力調節部材がリール本体の内部から外部
に向かい挿入されていて、しかもリール本体の外部への
脱落を防止する抜け止め部を有していることにより、簡
易な構造で魚釣用リールの製造コストを増加させたり組
み立てを煩雑にすることがないにもかかわらず、スプー
ルからの釣糸の放出及びスプールへの釣糸の巻き上げの
少なくともいずれか一方に関連して回転する回転部材に
対して制動力を負荷する為の制動力調節部材や制動力調
節部材に伴われた操作部が魚釣用リールの使用中にリー
ル本体から離脱することを確実に防止することが出来て
長期間の使用後でも所定の制動力を保つことが出来る。 【0011】 上述した如く構成されたことを特徴とし
ているこの発明に従った魚釣用リールにおいては、制動
力調節部材は回転部材を回転自在に支持する為の軸受を
保持している。 【0012】このような構成であると、上記軸受を支持
する為の軸受支持構造をリール本体に設置する必要がな
く、この結果として、リール本体の構造を簡易にするこ
とが出来、ひいてはリール本体の構造をコンパクトにす
ることができる。 【0013】制動力調節部材における軸受支持構造は、
回転部材の回転中心線に対する同心円上に配置され弾性
を有した複数の係合爪であることが好ましい。このよう
な係合爪の形成は容易であり軸受支持構造の構成を簡易
にし、ひいては軸受支持構造を伴った制動力調節部材の
製造や組み立てを容易にするとともに制動力調節部材の
外形寸法をコンパクトにする。 【0014】上述した如く構成されたことを特徴として
いるこの発明に従った魚釣用リールにおいては、制動力
調節部材がリール本体に螺合されていて、操作部が制動
力調節部材と一体に形成されていることが好ましい。 【0015】このような構成であれば、操作部を一方ま
たは他方に回転させることにより制動力調節部材を回転
部材の回転中心線に沿い一方または他方に容易に移動さ
せることが出来、しかも操作部を含めた制動力調節部材
の構造を簡易にコンパクトにすることが出来る。 【0016】制動力調節部材がリール本体に螺合されて
いる場合、制動力調節部材は、制動力調節部材の回転を
選択的に規制する回転選択規制手段を含んでいることが
好ましい。 【0017】このような構成であれば、制動力調節部材
の意図しない回転による制動力の意図しない変化の発生
を確実に阻止することが出来る。回転選択規制手段は、
制動力調節部材が、回転部材の回転中心線の半径方向に
弾性的に移動自在なクリック部材及び回転部材の回転中
心線に対して同心的に配置されてクリック部材が上記回
転中心線に沿った方向には移動を許容され上記回転中心
線の周方向において係合する複数のクリック凹所のいず
れか一方を含んでいて、リール本体が上記クリック部材
及び上記クリック凹所のいずれか他方を含んでいる、こ
とが好ましい。 【0018】このようなクリック部材及びクリック凹所
は対応する制動力調節部材及びリール本体と一体に形成
すれば、構成を簡易にすることが出来、ひいては製造を
容易にすることが出来る。 【0019】上述した如く構成されたことを特徴として
いるこの発明に従った魚釣用リールにおいては、操作部
を制動力調節部材に対して独立して形成し、リール本体
の内部から外部に向かい挿入して回転部材の中心線の回
りに回転自在に設け、リール本体の外部への脱落を防止
する抜け止め部を有するよう構成することが出来る。 【0020】この場合には、操作部と制動力調節部材と
を、操作部の一方向及び他方向への回転により制動力調
節部材が回転部材の中心線に沿った一方向及び他方向へ
移動するよう回転−直線移動変換手段により連結する。
このような回転−直線移動変換手段は、操作部に対して
制動力調節部材を螺合することにより簡易に構成するこ
とが出来る。 【0021】上述した如く操作部が制動力調節部材に対
して独立して形成されていて、リール本体の内部から外
部に向かい挿入して回転部材の中心線の回りに回転自在
である場合には、操作部がリール本体の内部に移動する
ことを選択的に阻止する移動選択阻止手段を備えている
ことが好ましい。 【0022】このような移動選択阻止手段はリール本体
に着脱自在に装着するスナップリング等の弾性リングで
構成すれば、構成が簡易となる。上述した如く操作部が
制動力調節部材に対して独立して形成されていて、リー
ル本体の内部から外部に向かい挿入して回転部材の中心
線の回りに回転自在である場合にはさらに、操作部は、
操作部の回転を選択的に規制する回転選択規制手段を含
んでいることが好ましい。 【0023】このような構成であれば、操作部の意図し
ない回転による制動力の意図しない変化の発生を確実に
阻止することが出来る。回転選択規制手段は、操作部
が、回転部材の回転中心線の半径方向に弾性的に移動自
在なクリック部材及び回転部材の回転中心線に対して同
心的に配置されてクリック部材が上記回転中心線に沿っ
た方向には移動を許容され上記回転中心線の周方向にお
いて係合する複数のクリック凹所のいずれか一方を含ん
でいて、リール本体が上記クリック部材及び上記クリッ
ク凹所のいずれか他方を含んでいる、ことが好ましい。 【0024】このようなクリック部材及びクリック凹所
は対応する操作部及びリール本体と一体に形成すれば、
構成を簡易にすることが出来、ひいては製造を容易にす
ることが出来る。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、この発明の魚釣用リールの
種々の実施の形態を添付の図面を参照しながら詳細に説
明する。 [第1の実施の形態]まず最初は、添付の図面中の図1
乃至図4を参照しながらこの発明の魚釣用リールの第1
の実施の形態について詳細に説明する。 【0026】図1は、この発明の魚釣用リールの第1の
実施の形態を要部を切り欠いた状態で示す平面図であ
り;図2の(A)は、図1の要部において魚釣用リール
のスプールに関連した回転部材の1つであるスプール軸
に対して制動力調節部材の摩擦制動部材が摩擦制動力を
負荷していない状態を拡大して示す縦断面図であり;図
2の(B)は、図1の要部において魚釣用リールのスプ
ールに関連した回転部材の1つであるスプール軸に対し
て制動力調節部材の摩擦制動部材が摩擦制動力を負荷し
た状態を拡大して示す縦断面図であり;図3の(A)
は、図1の要部において魚釣用リールのスプールに関連
した回転部材の1つであるスプール軸に対して摩擦制動
部材により摩擦制動力を負荷する制動力調節部材を操作
部とともに示す拡大された側面図であり;図3の(B)
は、図3の(A)のI−I線に沿った断面において制動
力調節部材の回転選択規制手段を示す横断面図であり;
図4の(A)は、図3の(A)の制動力調節部材の拡大
された側面図であり;そして、図4の(B)は、図4の
(A)の制動力調節部材の底面を示す拡大された側面図
である。 【0027】図1を参照すると、この発明の魚釣用リー
ルの第1の実施の形態は、相互に略平行に配置された1
対の側壁10a,10bを有したリール本体10と、リ
ール本体10の1対の側壁10a,10bの間に配置さ
れたスプール12と、を備えており、スプール12に同
心的に固定されているスプール軸12aが両端部を1対
の側壁10a,10bに回転自在に支持されている両軸
受型魚釣用リールである。 【0028】リール本体10の1対の側壁10a,10
bの一方、図1では右方の側壁10b、の外表面からは
ハンドル14が回転自在に突出しており、ハンドル14
の内端部は回転力伝達機構16を介してスプール軸12
aに連結されている。回転力伝達機構16は図示しない
公知のクラッチ機構を含んでいる。 【0029】魚釣用リールの使用者は、クラッチ機構
を、ハンドル14とスプール軸12aとの間の動力伝達
を許容しハンドル14から入力された回転力を回転力伝
達機構16を介してスプール軸12aに伝達しスプール
12の外周面に図示しない釣糸を巻き取らせる動力伝達
状態とハンドル14とスプール軸12aとの間の動力伝
達を遮断してスプール12の自由な回転を許容しスプー
ルからの図示しない釣糸の放出を許容する動力不伝達状
態との間で選択的に動作させることが出来る。 【0030】この実施の形態では、スプール12に対し
て同心的に固定されたスプール軸12aが、リール本体
10に回転可能に設けられスプール12からの図示しな
い釣糸の放出及びスプール12への図示しない釣糸の巻
き上げの少なくともいずれか一方に関連して回転する回
転部材である。 【0031】リール本体10の1対の側壁10a,10
bの他方、図1では左方の側壁10a、中のスプール軸
12aの端部は、左方の側壁10a中に支持されている
図示しない軸受により回転自在に支持されており、リー
ル本体10の1対の側壁10a,10bの一方、図1で
は右方の側壁10b、中のスプール軸12aの端部は、
右方の側壁10bの外表面に支持されているスプール制
動機構18に支持されている軸受20により回転自在に
支持されている。 【0032】図2の(A)に示す如く、この実施の形態
においてスプール制動機構18はスプール軸12aの回
転中心線Xに対して同心的に配置されたキャップ形状の
制動力調節部材22を備えている。制動力調節部材22
の外周面は底壁22aから遠ざかるにつれて大きな半径
を有する4段の階段状の略円筒形状に構成されている。 【0033】リール本体10の1対の側壁10a,10
bの一方、図1では右方の側壁10b、の外表面には、
スプール軸12aの回転中心線Xに対して同心的に3段
の階段状の開口が形成されている。3段の階段状の開口
の内周面の直径は制動力調節部材22の4段の階段状の
外周面のなかで2番目に直径が小さな領域から4番目に
直径が小さな領域(即ち、最も直径が大きな領域)まで
の直径に対応している。 【0034】より詳細には、図2の(A)や図3の
(A)や図4の(A)に示す如く、制動力調節部材22
の外周面において底壁22aから最も近く最も小さな半
径を有する第1の領域は、リール本体10の1対の側壁
10a,10bの一方、図1では右方の側壁10b、に
形成されている上述した3段の階段状の開口から外部に
向かい突出して露出され滑り止め加工された操作部22
bを構成している。即ち、操作部22bは制動力調節部
材22と一体に形成されている。 【0035】制動力調節部材22の外周面において底壁
22aから2番目に位置し2番目に小さな半径を有した
第2の領域には雄ねじ22cが形成されていて、制動力
調節部材22の雄ねじ22cは、リール本体10の1対
の側壁10a,10bの一方、図1では右方の側壁10
b、に形成されている上述した3段の階段状の開口の内
周面中の最も小さな直径の領域に形成されている雌ねじ
10cに螺合している。 【0036】図2の(A),図3の(A),そして図4
の(A)に加えて図4の(B)に示す如く、制動力調節
部材22の外周面において底壁22aから3番目に位置
し3番目に小さな半径を有した第3の領域は滑らかな表
面形状をしており、スプール軸12aの回転中心線Xに
対する同心円上で周方向における複数の位置、図1の実
施の形態では直径方向で相互に対向する2か所、から回
転中心線Xに沿い底壁22aから遠ざかるよう延出した
係合爪22dが形成されている。係合爪22dは弾性を
有しており、この実施の形態では制動力調節部材22が
合成樹脂により形成されていて係合爪22dが制動力調
節部材22中に一体成形されることにより係合爪22d
は弾性を有している。係合爪22dの基端において制動
力調節部材22の内周面には段部22eが形成されてお
り、上記内周面において段部22eよりも底壁22aか
ら遠い領域は制動力調節部材22に対応したスプール軸
12aの端部を回転自在に支持した軸受20の直径と略
等しく形成されていて、上記内周面において段部22e
よりも底壁22aに接近した領域は軸受20の直径より
も小さく形成されている。また係合爪22dの基端から
先端において回転中心線Xに向かい突出して形成されて
いる爪部の付根までの回転中心線Xに沿った方向におけ
る距離は軸受20の幅と略等しく形成されている。従っ
て、制動力調節部材22は内周面において段部22eよ
りも底壁22aから遠い領域に段部22eと係合爪22
dの爪部との間で軸受20を保持しており、係合爪22
dの爪部を回転中心線Xに対する半径方向の外方に弾性
的に撓ませることにより上記領域に対する軸受20の着
脱を行うことが出来る。 【0037】なお制動力調節部材22の底壁22aの内
端面には、制動力調節部材22に対応したスプール軸1
2aの端部の端面に対面して摩擦制動部材24がクッシ
ョン部材26を介して設置されている。摩擦制動部材2
4は公知の材料で摩耗に強い材料により構成されてい
る。 【0038】制動力調節部材22がリール本体10の1
対の側壁10a,10bの一方、図1では右方の側壁1
0b、に上述した如く螺合されているこの実施の形態で
は、制動力調節部材22は制動力調節部材22の回転を
選択的に規制する回転選択規制手段を含んでいる。 【0039】より詳細に説明すると、この実施の形態で
は、制動力調節部材22の外周面において底壁22aか
ら4番目に位置し4番目に小さな半径を有した(即ち、
底壁22aから最も遠くに位置し最も大きな半径を有し
た)第4の領域とリール本体10の1対の側壁10a,
10bの一方、図1では右方の側壁10b、に形成され
ている上述した3段の階段状の開口の内周面中で制動力
調節部材22の外周面の上述した第4の領域に対向して
いる3番目に小さな直径の領域との間に、上述した回転
選択規制手段が設けられている。 【0040】図2の(A),図3の(A),そして図4
の(A)及び(B)に加えて図3の(B)に示す如く、
制動力調節部材22の外周面において底壁22aから4
番目に位置し4番目に小さな半径を有した(即ち、底壁
22aから最も遠くに位置し最も大きな半径を有した)
第4の領域は滑らかな表面形状をしており、スプール軸
12aの回転中心線Xに対する同心円上で周方向におけ
る少なくとも1つの位置、図1の実施の形態では1か
所、から回転中心線Xの半径方向における外方に向かい
突出したクリック部材22fを有している。第4の領域
においてクリック部材22fの近傍でクリック部材22
fよりも半径方向の内方に位置する部分には、クリック
部材22fから周方向の両側に広がった空洞22gが形
成されている。空洞22gと制動力調節部材22の材料
が有する弾性とのお陰で、クリック部材22fは回転中
心線Xの半径方向において弾性的に移動することが出来
る。 【0041】リール本体10の1対の側壁10a,10
bの一方、図1では右方の側壁10b、に形成されてい
る上述した3段の階段状の開口の内周面中で、制動力調
節部材22の外周面の上述した第4の領域に対向してい
る3番目に小さな直径の領域には回転中心線Xに沿った
方向に延出している多数のクリック凹所10dが回転中
心線Xに対して同心的に配置されている。この多数のク
リック凹所10dのいずれかに、制動力調節部材22の
外周面の第4の領域中のクリック部材22fが着座して
おり、クリック部材22f、ひいては制動力調節部材2
2、は、クリック凹所10d、ひいては上述した3段の
階段状の開口、に対して回転中心線Xの周囲の周方向に
は係合し、回転中心線Xに沿った方向には移動自在であ
る。 【0042】なお制動力調節部材22に対して操作部2
2bを介して上記周方向に向かう所定以上の回転力が負
荷されればクリック部材22fが半径方向の内方に向か
い撓んでクリック凹所10dの山を乗り越えることが出
来、クリック凹所10d、ひいては上述した3段の階段
状の開口、に対するクリック部材22f、ひいては回転
調整部材22の上記周方向における回動が可能となり、
回転中心線Xに沿った方向における移動も可能になる。 【0043】上述した如く構成された制動力調節部材2
2は、第1の実施の形態の魚釣用リールの組み立て時に
は、リール本体10の1対の側壁10a,10bの一
方、図1では右方の側壁10b、に形成されている上述
した3段の階段状の開口に対して内側から外側に向か
い、即ち図2の(A)及び図3の(A)において左側か
ら右側に向かい、最も大きな直径の内周面の領域を介し
て挿入され、外周面の第2の領域の雄ねじ22cを3段
の階段状の開口の内周面の中の最も小さな直径の領域の
雌ねじ10cに螺合させる。これにより制動力調節部材
22の外周面において最も小さな直径の領域である操作
部22bが右方の側壁10bの外表面から外部に突出し
露出される。操作部22bを一方向あるは他方向に回転
させることにより回転中心線Xに沿った方向における一
方向あるは他方向に制動力調節部材22を選択的に移動
させることが出来る。しかしながらリール本体10の右
方の側壁10bから外側に向かう移動は、図2の(A)
や図3の(A)に示す如く、制動力調節部材22の外周
面の雄ねじ22cを伴う上記第2の領域と係合爪22d
を伴う上記第3の領域との間の段部22hがリール本体
10の右方の側壁10bに形成されている3段の階段状
の開口の内周面の中の雌ねじ10cを伴った最も小さな
直径の領域と2番目に小さな直径の領域との間の段部1
0eに当接することにより阻止される。即ち、リール本
体10の右方の側壁10bの外表面から外方への制動力
調節部材22の脱落が、制動力調節部材22の外周面の
上記第2の領域と記第3の領域との間の段部22hとリ
ール本体10の右方の側壁10bの3段の階段状の開口
の内周面の最小直径領域と2番目に小さな直径の領域と
の間の段部10eとの間の衝突により阻止され、制動力
調節部材22の外周面の段部22hは制動力調節部材2
2の為の抜け止め部を構成している。 【0044】制動力調節部材22の底壁22aの内端面
に対する摩擦制動部材24の取り付けや制動力調節部材
22の係合突起22dによる対応する軸受20の保持
は、リール本体10の右方の側壁10bの3段の階段状
の開口に対する制動力調節部材22の上述した如き螺合
の前でも後でも行うことが出来る。 【0045】組み立てが終了した後の第1の実施の形態
の魚釣用リールにおいて、スプール12(図1参照)の
回転を制御する必要がある時には、操作部22bを一方
向あるは他方向に前述した所定以上の回転力で回転させ
ることにより回転中心線Xに沿った方向において制動力
調節部材22をリール本体10の右方の側壁10bの内
方(図2の(A)では左方)に移動させて、図2の
(B)に示す如く、制動力調節部材22の底壁22aの
内端面の摩擦制動部材24を制動力調節部材22に対応
したスプール軸12aの端部の端面に押圧させる。ここ
において操作部22bを操作して制動力調節部材22を
リール本体10の右方の側壁10bの内方(図2の
(A)では左方)に移動させて制動力調節部材22の底
壁22aの内端面の摩擦制動部材24がスプール軸12
aの端部の端面を押圧する力が強められれば摩擦制動部
材24がスプール軸12aの回転に対して発揮させる制
動力が強化される。また、操作部22bを操作して制動
力調節部材22をリール本体10の右方の側壁10bの
外方(図2の(A)では右方)に移動させて制動力調節
部材22の底壁22aの内端面の摩擦制動部材24がス
プール軸12aの端部の端面を押圧する力が弱められれ
ば摩擦制動部材24がスプール軸12aの回転に対して
発揮させる制動力が弱められる。 【0046】なお、所望の制動力の保持は、リール本体
10の右方の側壁10bに対する操作部22bの、ひい
ては制動力調節部材22の、回転角位置を静止させてリ
ール本体10の右方の側壁10bの3段の階段状の開口
中における回転中心線Xに沿った方向での制動力調節部
材22の相対的な位置を静止させれば達成される。そし
てこの実施の形態では、リール本体10の右方の側壁1
0bの3段の階段状の開口中の多数の同心円状のクリッ
ク凹所10dに対する制動力調節部材22の外周面のク
リック部材22fの前述した周方向における係合が、上
記回転角位置の静止を選択的に保証し、ひいては所望の
制動力の保持を保証する。 【0047】[第2の実施の形態]次には、この発明の
魚釣用リールの第2の実施の形態を添付の図面中の図5
の(A)及び(B)そして図6の(A)及び(B)を参
照しながら詳細に説明するが、図1乃至図4の(A)及
び(B)を参照しながら前述したこの発明の魚釣用リー
ルの第1の実施の形態の構成部材と同じ構成部材には第
1の実施の形態の対応する構成部材を指摘していた参照
符号と同じ参照符号を記してこれらの構成部材について
の詳細な説明は省略する。 【0048】なお図5の(A)は、この発明の魚釣用リ
ールの第2の実施の形態の要部において魚釣用リールの
スプールに関連した回転部材の1つであるスプール軸に
対して制動力調節部材の摩擦制動部材が摩擦制動力を負
荷していない状態を拡大して示す縦断面図であり;図5
の(B)は、この発明の魚釣用リールの第2の実施の形
態の要部において魚釣用リールのスプールに関連した回
転部材の1つであるスプール軸に対して制動力調節部材
の摩擦制動部材が摩擦制動力を負荷した状態を拡大して
示す縦断面図であり;図6の(A)は図5の(A)のI
I−II線に沿った横断面図であり;そして図6の
(B)は図5の(A)のIII−III線に沿った断面
において制動力調節部材から独立した操作部の回転選択
規制手段及び抜け止め部を示す横断面図である。 【0049】図5の(A)から明らかなように、この発
明の魚釣用リールの第2の実施の形態もまた、この発明
の魚釣用リールの第1の実施の形態に関連して参照され
た図1の両軸受型魚釣用リールであり、リール本体10
(図1参照)の1対の側壁10a,10bの一方、図1
では右方の側壁10b、の外表面に支持されたスプール
制動機構18´である。 【0050】この実施の形態においてスプール制動機構
18´もまた、スプール軸12aの回転中心線Xに対し
て同心的に配置されたキャップ状の制動力調節部材30
を備えている。制動力調節部材30の外周面は底壁30
aから遠ざかるにつれて大きな半径を有する3段の階段
状の略円筒形状に構成されている。 【0051】リール本体10(図1参照)の1対の側壁
10a,10bの一方、図1では右方の側壁10b、の
外表面には、スプール軸12aの回転中心線Xに対して
同心的に2段の階段状の開口が形成されている。2段の
階段状の開口の内周面において最も小さな直径の領域の
直径は、制動力調節部材30の3段の階段状の外周面の
中で2番目に小さな直径の領域の直径よりは遥かに大き
く、しかし制動力調節部材30の3段の階段状の外周面
の中で3番目に小さな直径(即ち、一番の大きな直径)
の領域の直径よりは小さく設定されている。 【0052】右方の側壁10bの2段の階段状の開口の
内周面において2番目に小さな直径の領域の直径は、制
動力調節部材30の3段の階段状の外周面の中で3番目
に小さな直径(即ち、一番の大きな直径)の領域の直径
に略対応している。 【0053】そして2段の階段状の開口の内周面におい
て2番目に小さな直径の領域には、図6の(A)に示す
如く、周方向における少なくとも1か所においてスプー
ル軸12aの回転中心線Xに沿い延出している回り止め
溝32が形成されている。 【0054】制動力調節部材30の3段の階段状の外周
面において3番目に小さな直径(即ち、一番の大きな直
径)の領域には、右方の側壁10bの2段の階段状の開
口の内周面の2番目に小さな直径の領域の回り止め溝3
2に突入された回り止め突起30bが形成されている。
このような回り止め溝32と回り止め突起30との組み
合わせにより、制動力調節部材30は右方の側壁10b
の2段の階段状の開口中で回転中心線Xに沿った方向に
のみ移動自在であり、回転中心線Xの周りには回転する
ことが出来ない。 【0055】制動力調節部材30の3段の階段状の外周
面において3番目に小さな直径(即ち、一番の大きな直
径)の領域にはまた、スプール軸12aの回転中心線X
に対する同心円上で周方向における複数の位置、この実
施の形態では図5の(A)及び図6の(A)に示す如
く、直径方向で相互に対向する2か所、から回転中心線
Xに沿い底壁30aから遠ざかるよう延出した係合爪3
0cが形成されている。係合爪30cは弾性を有してお
り、この実施の形態では制動力調節部材30が合成樹脂
により形成されていて係合爪30cが制動力調節部材3
0中に一体成形されることにより係合爪30cは弾性を
有している。係合爪30cの基端において制動力調節部
材30の内周面には段部30dが形成されており、上記
内周面において段部30dよりも底壁30aから遠い領
域は制動力調節部材30に対応したスプール軸12aの
端部を回転自在に支持した軸受20の直径と略等しく形
成されていて、上記内周面において段部30dよりも底
壁30aに接近した領域は軸受20の直径よりも小さく
形成されている。また係合爪30cの基端から先端にお
いて回転中心線Xに向かい折れ曲げられている爪部の付
根までの回転中心線Xに沿った方向における距離は軸受
20の幅と略等しく形成されている。従って、制動力調
節部材30は内周面において段部30dよりも底壁30
aから遠い領域に段部30dと係合爪30cの爪部との
間で軸受20を保持しており、係合爪30cの爪部を回
転中心線Xに対する半径方向の外方に弾性的に撓ませる
ことにより上記領域に対する軸受20の着脱を行うこと
が出来る。 【0056】なお制動力調節部材30の底壁30aの内
端面には、制動力調節部材30に対応したスプール軸1
2aの端部の端面に対面して摩擦制動部材24がクッシ
ョン部材26を介して設置されている。摩擦制動部材2
4は公知の材料で摩耗に強い材料により構成されてい
る。 【0057】この実施の形態では、制動力調節部材30
の3段の階段状の外周面において1番目に小さな直径の
領域にはスプール軸12aの回転中心線Xに対して同心
的に雄ねじ30eが形成されている。 【0058】この実施の形態では、図5の(A)に示す
如く、制動力調節部材30から独立してキャップ状の操
作部40が形成されている。操作部40はスプール軸1
2aの回転中心線Xに対して同心的に配置されていて、
操作部40の内孔が制動力調節部材30の外周面におい
て1番目に小さな直径の領域に被せられている。操作部
40の外周面において操作部40の底壁40aから最も
遠い部分には、回転中心線Xの半径方向の外方に向かい
突出する外方フランジ40bが形成されている。 【0059】リール本体10(図1参照)の1対の側壁
10a,10bの一方、図1では右方の側壁10b、の
外表面の2段の階段状の開口の内周面において最も小さ
な直径の領域には、右方の側壁10bの外表面の近傍に
おいて回転中心線Xの半径方向の内方に向かい突出する
内方フランジ10fが形成されている。そして操作部4
0の外方フランジ40bが上記2段の階段状の開口にお
いて内方フランジ10fに対して内側から当接されてい
る。この当接により操作部40は上記2段の階段状の開
口の内側から外側への抜け落ち、即ち脱落、が防止され
ており、操作部40の外方フランジ40bは上記2段の
階段状の開口において内方フランジ10fと協働する抜
け止め部を構成している。 【0060】上記2段の階段状の開口の内周面において
は、内方フランジ10fに対して当接した操作部40の
外方フランジ40bのさらに内側に、回転中心線Xに対
して同心的に形成された環状溝が形成されていて、この
環状溝に弾性的に直径の変更が可能な抜け止めリング1
0gが選択的に着脱可能に嵌合されている。抜け止めリ
ング10gは上述した内方フランジ10fと協働して回
転中心線Xに沿った方向における操作部40の外方フラ
ンジ40bの移動、ひいては操作部40の移動、を阻止
しているとともに、回転中心線Xの回りの周方向におけ
る操作部40の外方フランジ40bの回転、ひいては操
作部40の回転、を許容している。 【0061】しかしながら操作部40は操作部40の回
転を選択的に規制する回転選択規制手段を含んでいる。
より詳細に説明すると、この実施の形態では、操作部4
0の外方フランジ40bの外周面とリール本体10(図
1参照)の1対の側壁10a,10bの一方、図1では
右方の側壁10b、の外表面の2段の階段状の開口の内
周面において最も小さな直径の領域との間に、上述した
回転選択規制手段が設けられている。 【0062】図6の(B)に示す如く、操作部40の外
方フランジ40bの外周面において回転中心線Xに対す
る同心円上で周方向における少なくとも1つの位置、図
5及び図6の第2の実施の形態では1か所、から回転中
心線Xの半径方向における外方に向かい突出したクリッ
ク部材40cを有している。外方フランジ40bにおい
て、クリック部材40cの近傍でクリック部材40cよ
りも半径方向の内方に位置する部分には、クリック部材
40cから周方向の両側に広がった空洞40dが形成さ
れている。空洞40dと外方フランジ40bの材料が有
する弾性とのお陰で、クリック部材40cは回転中心線
Xの半径方向において弾性的に移動することが出来る。 【0063】リール本体10の1対の側壁10a,10
bの一方、図1では右方の側壁10b、に形成されてい
る上述した2段の階段状の開口の内周面中で、操作部4
0の外方フランジ40bの外周面に対向している1番目
に小さな直径の領域には、回転中心線Xに沿った方向に
延出している多数のクリック凹所10hが回転中心線X
に対して同心的に配置されている。この多数のクリック
凹所10hのいずれかに、操作部40の外方フランジ4
0bの外周面のクリック部材40cが着座しており、ク
リック部材40c、ひいては操作部40、は、クリック
凹所10h、ひいては上述した2段の階段状の開口、に
対して回転中心線Xの周囲の周方向には係合し、回転中
心線Xに沿った方向には図5の(A)に示す抜け止めリ
ング10gがなければ上述した2段の階段状の開口の内
側に向かい移動自在である。 【0064】なお操作部40に上記周方向に向かう所定
以上の回転力が負荷されればクリック部材40cが半径
方向の内方に向かい撓んでクリック凹所10hの山を乗
り越えることが出来、クリック凹所10h、ひいては上
述した2段の階段状の開口、に対するクリック部材40
c、ひいては操作部40の上記周方向における回動が可
能となる。 【0065】操作部40と制動力調節部材30とは、操
作部40の一方向あるいは他方向への回転により制動力
調節部材30が回転中心線Xに沿い一方向または他方向
に移動するよう回転−直線移動変換手段42により連結
されている。 【0066】より詳細に説明すると、操作部40の内孔
の内周面には、図5の(A)に示す如く、制動力調節部
材30の3段の階段状の外周面において1番目に小さな
直径の領域に形成されている雄ねじ30eに螺合した雌
ねじ40eが形成されている。 【0067】図5及び図6に示されていて上述した如く
構成されているこの発明の第2の実施の形態の魚釣用リ
ールの組み立て時には、まず最初に操作部40が、リー
ル本体10の1対の側壁10a,10bの一方、図1で
は右方の側壁10b、に形成されている上述した2段の
階段状の開口に対して内側から外側に向かい、即ち図5
の(A)において左側から右側に向かい、最も大きな直
径の内周面の領域を介して挿入され、外方フランジ40
cを上述した2段の階段状の開口の内方フランジ10f
に対して図5の(A)に示す如く当接される。この状態
で操作部40は右方の側壁10bの外表面から外部に向
かい突出し上記外部に露出される。 【0068】次に、操作部40の外方フランジ40cに
隣接して抜け止めリング10gが上述した2段の階段状
の開口の内周面の中の1番小さな直径の領域の環状溝に
嵌合される。 【0069】さらに次に、制動力調節部材30を自身の
外周面において最も小さな直径の領域を先頭にして右方
の側壁10b、に形成されている上述した2段の階段状
の開口に対して内側から外側に向かい、即ち図5の
(A)において左側から右側に向かい、最も大きな直径
の内周面の領域を介して挿入される。制動力調節部材3
0の外周面において最も小さな直径の領域の雄ねじ30
eの先端が操作部40の内孔の雌ねじ40eの先端に当
接した状態で操作部40を所定の方向に回転させると、
制動力調節部材30の雄ねじ30eが操作部40の雌ね
じ40eに螺合する。ここにおいて操作部40を一方向
あるは他方向に回転させることにより回転中心線Xに沿
った方向における一方向あるは他方向に制動力調節部材
30を選択的に移動させることが出来る。しかしながら
リール本体10の右方の側壁10bから外側に向かう移
動は、図5の(A)に示す如く、制動力調節部材30の
外周面において第2番目に小さな直径の領域と第3番目
に小さな直径の領域(即ち、最も大きな直径の領域)と
の間の段部30fがリール本体10の右方の側壁10b
に形成されている2段の階段状の開口の内周面の中のク
リック凹所10hを伴った最も小さな直径の領域と2番
目に小さな直径の領域(即ち、最も大きな直径の領域)
との間の段部10iに当接することにより阻止される。 【0070】即ち、リール本体10の右方の側壁10b
の外表面から外方への制動力調節部材30の脱落が、制
動力調節部材30の外周面の上記第2番目に小さな直径
の領域と第3番目に小さな直径の領域(即ち、最も大き
な直径の領域)との間の段部30fがリール本体10の
右方の側壁10bに形成されている2段の階段状の開口
の内周面の中のクリック凹所10hを伴った最も小さな
直径の領域と2番目に小さな直径の領域(即ち、最も大
きな直径の領域)との間の段部10iに当接することに
より阻止され、制動力調節部材30の外周面の段部30
fは制動力調節部材30の為の抜け止め部を構成してい
る。 【0071】制動力調節部材30の底壁30aの内端面
に対する摩擦制動部材24の取り付けや制動力調節部材
30の係合突起30cによる対応する軸受20の保持
は、リール本体10の右方の側壁10bの上述した2段
の階段状の開口に対する制動力調節部材30の上述した
如き装填、即ち、操作部40の内孔に対する螺合、の前
でも後でも行うことが出来る。 【0072】組み立てが終了した後の第2の実施の形態
の魚釣用リールにおいて、スプール12(図1参照)の
回転を制御する必要がある時には、操作部40を一方向
あるは他方向に前述した所定以上の回転力で回転させる
ことにより回転中心線Xに沿った方向において制動力調
節部材30をリール本体10の右方の側壁10bの内方
(図5の(A)では左方)に移動させて、図5の(B)
に示す如く、制動力調節部材30の底壁30aの内端面
の摩擦制動部材24を制動力調節部材30に対応したス
プール軸12aの端部の端面に押圧させる。ここにおい
て操作部40を操作して制動力調節部材30をリール本
体10の右方の側壁10bの内方(図5の(A)では左
方)に移動させて制動力調節部材30の底壁30aの内
端面の摩擦制動部材24がスプール軸12aの端部の端
面を押圧する力が強められれば摩擦制動部材24がスプ
ール軸12aの回転に対して発揮させる制動力が強化さ
れる。また、操作部40を操作して制動力調節部材30
をリール本体10の右方の側壁10bの外方(図5の
(B)では右方)に移動させて制動力調節部材30の底
壁30aの内端面の摩擦制動部材24がスプール軸12
aの端部の端面を押圧する力が弱められれば摩擦制動部
材24がスプール軸12aの回転に対して発揮させる制
動力が弱められる。 【0073】なお、所望の制動力の保持は、リール本体
10の右方の側壁10bに対する操作部40の回転角位
置を静止させてリール本体10の右方の側壁10bの2
段の階段状の開口中における回転中心線Xに沿った方向
での制動力調節部材30の相対的な位置を静止させれば
達成される。そしてこの実施の形態では、リール本体1
0の右方の側壁10bの2段の階段状の開口の内周面中
の最も小さな直径の領域の多数の同心円状のクリック凹
所10h対する操作部40の外方フランジ40bのクリ
ック部材40cの前述した周方向における係合が、上記
回転角位置の静止を選択的に保証し、ひいては所望の制
動力の保持を保証する。 【0074】[第3の実施の形態]さらに次には、添付
の図面中の図7乃至図9を参照しながらこの発明の魚釣
用リールの第3の実施の形態について詳細に説明する。 【0075】図7は、この発明の魚釣用リールの第3の
実施の形態を要部を切り欠いた状態で示す平面図であ
り;図8は、図7の要部において魚釣用リールのスプー
ルに関連した回転部材の1つであるスプール軸に対して
制動力調節部材の摩擦制動部材が摩擦制動力を負荷して
いない状態を拡大して示す縦断面図であり;図9の
(A)は、図8のIV−IV線に沿った横断面図であ
り;そして図9の(B)は、図8のV−V線に沿った横
断面図である。 【0076】図7を参照すると、この発明の魚釣用リー
ルの第3の実施の形態は、リール本体50と、リール本
体50の前端部に前後方向に延出した回転中心線の周り
で回転自在となるように支持されたロータ52と、リー
ル本体50の前端部においてロータ52の前方に隣接し
てロータ52と同心的に支持されたスプール54と、を
備えているスピニングリールである。 【0077】リール本体50の両側壁の一方、図7では
右方の側壁、の外表面からはハンドル56が回転自在に
突出しており、ハンドル56の内端部は図示しない回転
力伝達機構に連結されていて、ハンドル56から入力さ
れた回転力は上記回転力伝達機構及びスプール軸54a
と同一軸上に設けられた図示しないピニオンギヤを介し
てロータ52に伝達されてロータ52を図示しない釣糸
の巻き取りの為に回転させる。 【0078】ロータ52には、図7に示した釣糸巻き取
り位置と図7の釣糸巻き取り位置から前方に向かい起こ
された釣糸放出位置との間で選択的に回動されるベール
58が取り付けられる。 【0079】魚釣用リールの使用者は、スプール54の
釣糸巻回胴部54b上に巻装された図示しない釣糸を釣
糸巻回胴部54b上から放出する時には、ベール58を
図7の釣糸巻き取り位置から前方に向かい起こされた図
示しない釣糸放出位置に配置した後に図7に示す第3の
実施の形態に従った魚釣用リールが取り付けられた図示
しない釣竿を後方から前方に向かい大きくふる。 【0080】スプール54の外周面上へと図示しない釣
糸を巻き上げる時には、ベール58を上述した図示しな
い釣糸放出位置から図7に示す釣糸巻き取り位置に回転
して釣糸巻き取り位置に配置した後に、ハンドル56を
所定の方向に回転させる。また、リール本体50中に図
示しないベール反転機構が含まれている場合には、ハン
ドル56を図示しない釣糸を巻き上げる為の所定の方向
に回転させるだけで、ベール58は上述した図示しない
釣糸放出位置から図7に示す釣糸巻き取り位置に自動的
に反転して釣糸巻き取り位置に配置される。ハンドル5
6から入力された回転力は前述した図示しない回転力伝
達機構を介してスプール軸54a上の前述した図示しな
いピニオンギヤに伝達され、前述した図示しないピニオ
ンギヤはベール58を伴ったロータ52を所定の方向に
回転させてベール58により図示しない釣糸をスプール
54の外周面上へと巻き上げる。なおこの間にスプール
軸54aはさらに、スプール54を所定の範囲で前後方
向に往復移動させて、スプール54の釣糸巻回胴部54
b上において所定の範囲内に図示しない釣糸を略均等に
巻き取らせる。 【0081】そして図示しない釣糸の巻き取り時に、図
示しない釣糸の図示しない釣針に魚が掛かると、図示し
ない釣糸に大きな張力が負荷される。この張力が図示し
ない釣糸の強度以上になると図示しない釣糸の破断が生
じる。このような破断を防止する為に、図7のスピニン
グリールにおいては、リール本体50の後端部にドラグ
制動機構60が設けられている。 【0082】ドラグ制動機構60は、スプール軸54a
の先端部に固定されているスプール54に対して図示し
ない釣糸に負荷された張力により釣糸放出方向への所定
以上の回転トルクが負荷された時に、スプール54の釣
糸放出方向への回転を許容することにより、上述した如
き図示しない釣糸の破断を防止する。そして、この実施
の形態のドラグ制動機構60は、スプール54を伴った
スプール軸54aの釣糸放出方向への回転を許容する時
の所定の回転トルクの値を、ドラグ制動機構60がスプ
ール軸54aに負荷する摩擦制動力の大きさにより変化
させることが出来る。 【0083】即ちこの実施の形態では、スプール軸54
aが、リール本体50に回転可能に設けられており、ス
プール54への図示しない釣糸の巻き取りに関連して図
示しない釣糸に負荷される張力が所定の値以上になると
ドラグ制動機構60により回転が許容される回転部材で
ある。 【0084】リール本体50の後端部のドラグ制動機構
60は、スプール軸54aの後端部に対して同心的に配
置されている。ドラグ制動機構60はリール本体50の
後端部の後端面から外部空間に突出して露出された操作
部62aを有した制動力調節部材62を備えており、制
動力調節部材62の操作部62aを一方または他方に回
転させることによりスプール軸54aに負荷させる制動
力を変化させることが出来る。 【0085】図8に示す如く、この実施の形態において
ドラグ制動機構60の制動力調節部材62はスプール軸
54aの回転中心線Yに対して同心的に配置されたキャ
ップ形状をしており、制動力調節部材62の外周面は底
壁62bから遠ざかるにつれて大きな半径を有する3段
の階段状の略円筒形状に構成されている。 【0086】リール本体50の後端部の後端面には、ス
プール軸54aの回転中心線Yに対して同心的に3段の
階段状の開口が形成されている。3段の階段状の開口の
内周面の直径は制動力調節部材62の3段の階段状の外
周面の直径に対応している。 【0087】より詳細には、図8に示す如く、制動力調
節部材62の外周面において底壁62bから最も近く最
も小さな半径を有する第1の領域は、リール本体62の
後端部の後端面に形成されている上述した3段の階段状
の開口から外部に向かい突出して露出され滑り止め加工
された操作部62aを構成している。即ち、操作部62
aは制動力調節部材62と一体に形成されている。 【0088】制動力調節部材62の外周面において底壁
62bから2番目に位置し2番目に小さな半径を有した
第2の領域は、制動力調節部材62の回転を選択的に規
制する回転選択規制手段を含んでいる。 【0089】より詳細に説明すると、この実施の形態で
は、制動力調節部材62の外周面において底壁62bか
ら2番目に位置し2番目に小さな半径を有した第2の領
域とリール本体50の後端部の後端面に形成されている
上述した3段の階段状の開口の内周面中で制動力調節部
材62の外周面の上述した第2の領域に対向している2
番目に小さな直径の領域との間に、上述した回転選択規
制手段が設けられている。 【0090】図9の(B)に示す如く、制動力調節部材
62の外周面において底壁62bから2番目に位置し2
番目に小さな半径を有した第2の領域は滑らかな表面形
状をしており、スプール軸54aの回転中心線Yに対す
る同心円上で周方向における少なくとも1つの位置、図
8の実施の形態では1か所、から回転中心線Yの半径方
向における外方に向かい突出したクリック部材62fを
有している。第2の領域においてクリック部材62fの
近傍でクリック部材62fよりも半径方向の内方に位置
する部分には、クリック部材62fから周方向の両側に
広がった空洞62cが形成されている。空洞62cと制
動力調節部材62の材料が有する弾性とのお陰で、クリ
ック部材62fは回転中心線Yの半径方向において弾性
的に移動することが出来る。 【0091】リール本体50の後端部の後端面に形成さ
れている上述した3段の階段状の開口の内周面中で、制
動力調節部材62の外周面の上述した第2の領域に対向
している2番目に小さな直径の領域には回転中心線Yに
沿った方向に延出している多数のクリック凹所50aが
回転中心線Yに対して同心的に配置されている。この多
数のクリック凹所50aのいずれかに、制動力調節部材
62の外周面の第2の領域中のクリック部材62fが着
座しており、クリック部材62f、ひいては制動力調節
部材62、は、クリック凹所50a、ひいては上述した
3段の階段状の開口、に対して回転中心線Yの周囲の周
方向には係合し、回転中心線Yに沿った方向には移動自
在である。 【0092】しかしながらリール本体50の後端部の後
端面から外側に向かう制動力調節部材62の移動は、図
8に示す如く、制動力調節部材62の外周面において操
作部62aを構成している第1番目に小さな直径の領域
と上述した如くクリック部材62fが設けられている第
2番目に小さな直径の領域との間の段部62dがリール
本体50の後端部の後端面に形成されている3段の階段
状の開口の内周面の中の最も小さな直径の領域とクリッ
ク凹所50aを伴った2番目に小さな直径の領域との間
の段部50bに当接することにより阻止される。 【0093】即ち、リール本体50の後端部の後端面か
ら外方への制動力調節部材62の脱落が、制動力調節部
材62の外周面の第1番目に小さな直径の領域と第2番
目に小さな直径の領域との間の段部62dがリール本体
50の後端部の後端面に形成されている3段の階段状の
開口の内周面の中の最も小さな直径の領域と2番目に小
さな直径の領域との間の段部50bに当接することによ
り阻止され、制動力調節部材62の外周面の段部62d
は制動力調節部材62の為の抜け止め部を構成してい
る。 【0094】なお制動力調節部材62に対して操作部6
2aを介して上記周方向に向かう所定以上の回転力が負
荷されればクリック部材62fが半径方向の内方に向か
い撓んでクリック凹所50aの山を乗り越えることが出
来、クリック凹所50a、ひいては上述した3段の階段
状の開口、に対するクリック部材62f、ひいては制動
力調節部材62の上記周方向における回動が可能とな
り、回転中心線Yに沿った方向における移動も可能にな
る。 【0095】制動力調節部材62の外周面の第3番目に
小さな直径の領域(即ち、最も大きな直径の領域)には
雄ねじ62eが形成されていて、制動力調節部材62の
雄ねじ62eは、リール本体50の後端部の後端面に形
成されている上述した3段の階段状の開口の内周面中の
3番目に小さな直径の領域(即ち、最も大きな直径の領
域)に形成されている雌ねじ50cに螺合している。 【0096】リール本体50の後端部の後端面に形成さ
れている上述した3段の階段状の開口の内周面中の3番
目に小さな直径の領域(即ち、最も大きな直径の領域)
において、スプール軸54a上で制動力調節部材62の
外周面の第3番目に小さな直径の領域(即ち、最も大き
な直径の領域)の端面からスプール軸54aの回転中心
線Yに沿った内方に所定距離離間した位置にはスプール
軸54aに対して同心的に固定された回転部材60aが
配置されている。 【0097】さらにリール本体50の後端部の後端面に
形成されている上述した3段の階段状の開口の内周面中
の3番目に小さな直径の領域(即ち、最も大きな直径の
領域)において、スプール軸54a上で制動力調節部材
62の外周面の第3番目に小さな直径の領域(即ち、最
も大きな直径の領域)の端面と回転部材60aとの間に
は複数枚の摩擦制動部材60bがスプール軸54aに対
して同心的に配置されている。 【0098】複数枚の摩擦制動部材60bはスプール軸
54aに対して相対的に回転自在であるとともに回転中
心線Yに沿った方向には相対的に移動自在であり、図9
の(A)に示す如く、複数枚の摩擦制動部材60bの中
の少なくとも1枚の外周面において回転中心線Yの回り
の周方向における少なくとも1か所から係合突起60c
が突出しており、この係合突起60cは上述した3段の
階段状の開口の内周面中の3番目に小さな直径の領域
(即ち、最も大きな直径の領域)において係合突起60
cに対応して形成されて回転中心線Yに沿い延出してい
る係合凹所50d中に受け入れられている。 【0099】なお摩擦制動部材60bは公知の材料で摩
耗に強い材料により構成されている。複数枚の摩擦制動
部材60bと制動力調節部材62との間にはさらに付勢
手段64、この実施の形態では上記の間でスプール軸5
4aに巻装された圧縮コイルばね、が介在されている。 【0100】上述した如く構成された制動力調節部材6
2は、第3の実施の形態の魚釣用リールの組み立て時に
は、リール本体50の後端部の後端面に形成されている
上述した3段の階段状の開口に対して内側から外側に向
かい、即ち図8において左側から右側に向かい、最も大
きな直径の内周面の領域を介して挿入され、外周面の第
3の領域の雄ねじ62eを3段の階段状の開口の内周面
の中の最も大きな直径の領域の雌ねじ50cに螺合させ
る。これにより制動力調節部材62の外周面において最
も小さな直径の領域である操作部62aがリール本体5
0の後端部の後端面から外部に突出し露出される。 【0101】操作部62aを一方向あるいは他方向に回
転させることにより回転中心線Yに沿った方向における
一方向あるいは他方向に制動力調節部材62を選択的に
移動させることが出来る。しかしながらリール本体50
の後端部の後端面から外側に向かう移動は、図8に示す
如く、制動力調節部材62の外周面の操作部62aを伴
う上記第1の領域とクリック部材62fを伴う上記第2
の領域との間の段部62dがリール本体50の後端部の
後端面に形成されている3段の階段状の開口の内周面の
中の最も小さな直径の領域とクリック凹所50aを伴っ
た2番目に小さな直径の領域との間の段部50bに当接
することにより阻止される。 【0102】即ち、リール本体50の後端部の後端面か
ら外方への制動力調節部材62の脱落が、制動力調節部
材62の外周面の操作部62aを伴う上記第1の領域と
クリック部材62fを伴う上記第2の領域との間の段部
62dがリール本体50の後端部の後端面に形成されて
いる3段の階段状の開口の内周面の中の最も小さな直径
の領域とクリック凹所50aを伴った2番目に小さな直
径の領域との間の段部50bに当接することにより阻止
され、制動力調節部材62の外周面の段部62dは制動
力調節部材62の為の抜け止め部を構成している。 【0103】次にリール本体50の内部空間に、複数枚
の摩擦制動部材60bや付勢手段64を伴ったスプール
軸54aや前述した図示しない回転力伝達機構等の種々
の構成部材が夫々の所定の位置に配置される。 【0104】組み立てが終了した後の第3の実施の形態
の魚釣用リールにおいて、スプール軸54aの回転を制
御する必要がある時には、操作部62aを一方向あるは
他方向に前述した所定以上の回転力で回転させることに
より回転中心線Yに沿った方向において制動力調節部材
62をリール本体50の後端部の後端壁に形成されてい
る3段の階段状の開口において内方(図8では左方)に
移動させて、制動力調節部材62の外周面の第3番目に
小さな直径の領域(即ち、最も大きな直径の領域)の端
面をスプール軸54a上の複数枚の摩擦制動部材60b
に押圧させる。ここにおいて操作部62aを操作して制
動力調節部材62をリール本体50の後端部の後端面か
ら内方(図8では左方)に移動させて制動力調節部材6
2の外周面の第3番目に小さな直径の領域(即ち、最も
大きな直径の領域)の端面がスプール軸54a上の複数
枚の摩擦制動部材60bに押圧される力が強められれば
摩擦制動部材60bがスプール軸54aの回転部材60
aの回転に対して発揮させる制動力が強化される。ま
た、操作部62aを操作して制動力調節部材62をリー
ル本体50の後端部の後端面の外方(図8では右方)に
移動させて制動力調節部材62の外周面の第3番目に小
さな直径の領域(即ち、最も大きな直径の領域)の端面
がスプール軸54a上の複数枚の摩擦制動部材60bを
押圧する力が弱められれば摩擦制動部材60bがスプー
ル軸54aの回転部材60aの回転に対して発揮させる
制動力が弱められる。 【0105】なお、所望の制動力の保持は、リール本体
50の後端部の後端面に対する操作部62aの、ひいて
は制動力調節部材62の、回転角位置を静止させてリー
ル本体50の後端部の後端面の3段の階段状の開口中に
おける回転中心線Yに沿った方向での制動力調節部材6
2の相対的な位置を静止させれば達成される。そしてこ
の実施の形態では、リール本体50の後端部の後端面の
3段の階段状の開口中の多数の同心円状のクリック凹所
50aに対する制動力調節部材62の外周面のクリック
部材62fの前述した周方向における係合が、上記回転
角位置の静止を選択的に保証し、ひいては所望の制動力
の保持を保証する。 【0106】 【発明の効果】以上詳述した如く、この発明の魚釣用リ
ールによれば、簡易な構造で魚釣用リールの製造コスト
を増加させたり組み立てを煩雑にすることがないにもか
かわらず、スプールからの釣糸の放出及びスプールへの
釣糸の巻き上げの少なくともいずれか一方に関連して回
転する回転部材に対して制動力を負荷する為の制動力調
節部材や制動力調節部材に伴われた操作部が魚釣用リー
ルの使用中にリール本体から離脱することを確実に防止
することが出来て長期間の使用後でも所定の制動力を保
つことが出来る。さらには、上記回転部材を回転支持す
る軸受を支持する為の軸受支持構造をリール本体に設置
する必要がなく、この結果として、リール本体の構造を
簡易にすることが出来、ひいてはリール本体の構造をコ
ンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の魚釣用リールの第1の実施の形態を
要部を切り欠いた状態で示す平面図である。 【図2】(A)は、図1の要部において魚釣用リールの
スプールに関連した回転部材の1つであるスプール軸に
対して制動力調節部材の摩擦制動部材が摩擦制動力を負
荷していない状態を拡大して示す縦断面図であり;
(B)は、図1の要部において魚釣用リールのスプール
に関連した回転部材の1つであるスプール軸に対して制
動力調節部材の摩擦制動部材が摩擦制動力を負荷した状
態を拡大して示す縦断面図である。 【図3】(A)は、図1の要部において魚釣用リールの
スプールに関連した回転部材の1つであるスプール軸に
対して摩擦制動部材により摩擦制動力を負荷する制動力
調節部材を操作部とともに示す拡大された側面図であ
り;(B)は、(A)のI−I線に沿った断面において
制動力調節部材の回転選択規制手段を示す横断面図であ
る。 【図4】(A)は、図3の(A)の制動力調節部材の拡
大された側面図であり;(B)は、図4の(A)の制動
力調節部材の底面を示す拡大された側面図である。 【図5】(A)は、この発明の魚釣用リールの第2の実
施の形態の要部において魚釣用リールのスプールに関連
した回転部材の1つであるスプール軸に対して制動力調
節部材の摩擦制動部材が摩擦制動力を負荷していない状
態を拡大して示す縦断面図であり;(B)は、この発明
の魚釣用リールの第2の実施の形態の要部において魚釣
用リールのスプールに関連した回転部材の1つであるス
プール軸に対して制動力調節部材の摩擦制動部材が摩擦
制動力を負荷した状態を拡大して示す縦断面図である。 【図6】(A)は図5の(A)のII−II線に沿った
横断面図であり;(B)は図5の(A)のIII−II
I線に沿った断面において制動力調節部材から独立した
操作部の回転選択規制手段及び抜け止め部を示す横断面
図である。 【図7】この発明の魚釣用リールの第3の実施の形態を
要部を切り欠いた状態で示す平面図である。 【図8】図7の要部において魚釣用リールのスプールに
関連した回転部材の1つであるロータ軸に対して制動力
調節部材の摩擦制動部材が摩擦制動力を負荷していない
状態を拡大して示す縦断面図である。 【図9】(A)は、図8のIV−IV線に沿った横断面
図であり;(B)は、図8のV−V線に沿った横断面図
である。 【符号の説明】 10 リール本体 10d クリック凹所(回転選択規制手段) 10c 雌ねじ 12 スプール 12a スプール軸(回転部材) 20 軸受 22 制動力調節部材 22b 操作部 22c 雄ねじ 22d 係合爪 22f クリック部材(回転選択規制手段) 22h 段部(抜け止め部) 24 摩擦制動部材 X 回転中心線 10h クリック凹所(回転選択規制手段) 30 制動力調節部材 30c 係合爪 30e 雄ねじ 30f 段部(抜け止め部) 40 操作部 40b 外方フランジ(抜け止め部) 40c クリック部材(回転選択規制手段) 50 リール本体 50a クリック凹所(回転選択規制手段) 50c 雌ねじ 52 ロータ 54 スプール 54a スプール軸(回転部材) 58 ベール 60 ドラグ機構 60a 回転部材 60b 摩擦制動部材 62 制動調節部材 62a 操作部 62d 段部(抜け止め部) 62e 雄ねじ 62f クリック部材(回転選択規制手段) Y 回転中心線

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 スプールと; スプールを支持したリール本体と; リール本体に回転可能に設けられ、スプールからの釣糸
    の放出及びスプールへの釣糸の巻き上げの少なくともい
    ずれか一方に関連して回転する回転部材と; リール本体の内部から外部に向かい挿入されて回転部材
    の中心線に沿った方向に移動可能にリール本体に設けら
    れ、リール本体の外部に露出し上記中心線に沿った方向
    一方及び他方への移動を選択的に生じさせる操作部を
    有しているとともに、上記一方への移動により回転部材
    に対して押圧されて回転部材の回転に対する制動力が強
    化され上記他方への移動により回転部材に対する押圧が
    弱められて上記制動力が弱められる摩擦制動部材を有し
    ており、リール本体の外部への脱落を防止する抜け止め
    部をさらに有している、制動力調節部材と; を備えており、 上記制動力調節部材は上記回転部材を回転自在に支持す
    る為の軸受を保持している、 ことを特徴としている魚釣用リール。
JP20682497A 1997-07-31 1997-07-31 魚釣用リール Expired - Fee Related JP3505359B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20682497A JP3505359B2 (ja) 1997-07-31 1997-07-31 魚釣用リール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20682497A JP3505359B2 (ja) 1997-07-31 1997-07-31 魚釣用リール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1146641A JPH1146641A (ja) 1999-02-23
JP3505359B2 true JP3505359B2 (ja) 2004-03-08

Family

ID=16529695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20682497A Expired - Fee Related JP3505359B2 (ja) 1997-07-31 1997-07-31 魚釣用リール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3505359B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020010650A (ja) * 2018-07-19 2020-01-23 株式会社シマノ 釣り用リール

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG117579A1 (en) * 2004-05-20 2005-12-29 Shimano Kk Brake operation structure for fishing reel spool
JP5291904B2 (ja) * 2007-08-20 2013-09-18 シマノコンポネンツ マレーシア エスディーエヌ.ビーエッチディー. 両軸受リールのキャストコントロール機構
KR101884236B1 (ko) 2017-02-03 2018-08-01 유한책임회사 도요엔지니어링 텐션 너트 이탈 방지수단을 구비한 낚시 릴
KR102235633B1 (ko) 2019-01-31 2021-04-05 주식회사 바낙스 텐션 조정노브 이탈방지구가 구비된 베이트 캐스트 릴

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020010650A (ja) * 2018-07-19 2020-01-23 株式会社シマノ 釣り用リール
JP7122897B2 (ja) 2018-07-19 2022-08-22 株式会社シマノ 釣り用リール

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1146641A (ja) 1999-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5926564B2 (ja) 両軸受リールのスプール制動装置及び両軸受リール
TWI533800B (zh) 雙軸承捲線器的離心制動裝置
US5277379A (en) Spinning reel for fishing
US5221057A (en) Spinning reel with one-way clutch mechanism
KR20180028359A (ko) 양 베어링 릴
JP3505359B2 (ja) 魚釣用リール
KR20150056031A (ko) 양 베어링 릴
TWI771374B (zh) 釣魚用捲線器
EP0600523B1 (en) Reverse rotation preventing mechanism in spinning reel for fishing
KR102491582B1 (ko) 듀얼 베어링 릴
US5485969A (en) Reverse rotation preventive mechanism for fishing reel
JP7084736B2 (ja) 両軸受リール
JP7404161B2 (ja) スピニングリール
JP6209310B2 (ja) 両軸受リール及びその駆動軸
JP4381885B2 (ja) 釣り用リールのスプールの制動操作構造
JP7412294B2 (ja) 釣り用リールのトルク制限装置及び釣り用リール
TWI776855B (zh) 雙軸承捲線器
JP2019129781A5 (ja)
US5379959A (en) Fishing reel having one-way brake
JP2013146202A5 (ja)
JP6965124B2 (ja) 両軸受リール
JP6971612B2 (ja) 両軸受リール
JP3198234B2 (ja) 魚釣用リール
JP3009074B2 (ja) 両軸受リール
JP3448409B2 (ja) スピニングリールのクラッチ機構

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031215

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees