JP3504584B2 - 同時送信機能付き携帯電話システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数の携帯電話
と、携帯電話の携帯用交換局と、携帯用交換局と接続さ
れた各種情報プロバイダとにより構成される携帯電話シ
ステムであって、特に、情報を一斉に複数の携帯電話に
対して送信する同時送信機能付き携帯電話システムに関
するものである。 【０００２】 【従来の技術】携帯電話に対する従来の情報提供手段
は、次のようなシステムによっている。１）オンデマン
ドタイプ：情報を得ようとする携帯端末の保有者が携帯
端末を利用して予め特定されたＩＤ番号、あるいはパス
ワードを入力して無線にて連絡し、情報提供サービス会
社がこのＩＤ番号あるいはパスワードによって登録され
たユーザとして認証し、ユーザの携帯電話番号に情報の
内容を送信する。２）プッシュタイプ：情報提供者が予
め登録された携帯電話の利用者に対し、登録された電話
番号を個々に呼び出して携帯電話のメモリに電子メール
着信などの形で情報内容を蓄積させる。または、特定の
利用者グループに対し、予め設定された周波数を用い、
同時送信用の特別な無線端末を使用して同時送信を行
う。小電力を利用した無線端末などカバー地域が狭いエ
リアに対し、同じ周波数を利用して同時送信により音声
などを送る。 【０００３】従来のオンデマンドタイプでは、携帯端末
の保有者が必要に応じて情報提供を請求することによ
り、これに応じて情報提供サービス会社が情報提供をす
るものであり、情報が必要なことが予め利用者に認識さ
れていなければならない。しかしながら、緊急を要する
伝達情報、例えば、地震、津波、台風等の警報や、即時
的に変化する金融情報、例えば、株価、為替などの急激
な上下変動等は、利用者が必要であることを必要時点で
認識していることは稀である。このためにプッシュタイ
プの情報提供システムが必要とされる。 【０００４】また、従来のオンデマンドタイプでは、携
帯電話の利用者が通常の携帯電話の利用時間帯に請求す
るために、電波が多い時に多量の情報を送信することに
なり、なお一層、電波が過密となり混雑の増大をもたら
す。 【０００５】プッシュタイプの配信でも、個別の電話番
号に対して各々に発信する場合には、情報提供内容を利
用者に順次送信しなければならず、送信相手先がＮ人で
あれば、送信時間は送信相手先が１人の場合に比較して
Ｎ倍の時間を要することになる。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、情報
を一斉に送信できると共に、地域に限られることなく広
範囲に情報が送信でき、同じ無線ゾーン内では利用者数
に逆比例してコストを下げることができる同時送信機能
付き携帯電話システムを提供することにある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明の同時送信機能付
き携帯電話システムは、複数の携帯電話と、前記携帯電
話の携帯用交換局と、前記携帯用交換局と接続された各
種情報プロバイダとにより構成され、前記複数の携帯電
話と前記携帯用交換局とに同時送信用の送信先情報を登
録しておき、携帯電話事業者に割り当てられた携帯電話
利用帯域内の一般交信用の周波数とは別に１つの特定周
波数を同時送信用に割当てておき、前記携帯用交換局
が、前記各種情報プロバイダから送られた情報を前記同
時送信用の送信先情報に基いて、各基地局より前記１つ
の特定周波数で同時送信を行うことを特徴とする。 【０００８】前記同時送信用の送信先情報は、例えば、
共通の電話番号あるいは共通のＩＤ番号を用いる。情報
の送信に際して用いる特定周波数は、携帯電話利用帯域
内の特定周波数を使用して同時送信を行う。 【０００９】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態を説明する。図１は、本実施形態の同時送信
機能付き携帯電話システム（以下、単に携帯電話システ
ム１という）の概略ブロック図である。図１に示すよう
に、携帯電話システム１は、複数の携帯電話２，２，
２，…と、携帯電話２の携帯用交換局３と、携帯用交換
局３と接続された各種情報プロバイダ４とにより構成さ
れる。携帯用交換局３には各基地局５，５，５，…が通
信接続され、各基地局５に各携帯電話２が無線通信接続
されている。 【００１０】携帯用交換局３は加入者メモリ６を備えて
おり、加入者メモリ６には複数の携帯電話２，２，２，
…に同時送信用（同報通信用）の送信先情報（例えば、
共通の電話番号あるいは共通のＩＤ番号）が登録されて
いる。また、各種情報プロバイダ４は、情報提供用サー
バ７を備えており、情報提供用サーバ７に送信するべき
各種情報（例えば、情報Ａ、情報Ｂ、情報Ｃ、…）が登
録されている。 【００１１】また、携帯電話２は、図示しないが、ＣＰ
Ｕ、ＲＯＭ及びＲＡＭを含む制御回路、無線送受信回
路、音声入出力回路、変復調回路、ベースバンド回路、
キーボード用の入力回路、表示画面用の表示ドライバ回
路、外部装置接続用のインタフェース等を備えており、
前記制御回路のＲＯＭにも、同時送信用（同報通信用）
の送信先情報（例えば、共通の電話番号あるいは共通の
ＩＤ番号）が記憶されている。なお、図１に示すよう
に、携帯電話２には受信した情報を印字するプリンタ８
や受信した情報を蓄積するサーバ９等が接続可能であ
る。 【００１２】携帯用交換局３は、各種情報プロバイダ４
から送られた情報を同時送信用の送信先情報に基いて同
時送信する。携帯用交換局３は、情報の送信に際して用
いる周波数は、携帯電話利用帯域内の特定周波数を使用
して同時送信を行う。 【００１３】特定周波数の選び方は、例えば、携帯用交
換局３が自己に割り当てられた周波数帯域のうち、携帯
電話利用帯域内の特定周波数を使用して同時送信を行
う。図２は携帯用交換局３に割り当てられた周波数帯域
の一態様を示す図である。図２では、１つの携帯電話事
業者に割り当てられた帯域幅を示しており、この帯域幅
のうち、特定周波数（Ｘ）を同時送信用に割当て、他の
周波数（Ａ，Ｂ，Ｃ，…）を一般交信用に割り当ててい
る。 【００１４】特定周波数の割当を行う場合、ＴＤＭＡ
（ｔｉｍｅ ｄｉｖｉｓｉｏｎ ｍｕｌｔｉｐｌｅ ａ
ｃｃｅｓｓ）（時分割多元接続）方式、Ｗ−ＣＤＭＡ
（ｃｏｄｅ ｄｉｖｉｓｉｏｎ ｍｕｌｔｉｐｌｅ ａ
ｃｃｅｓｓ）（符号分割多元接続）方式などの各種の符
号化された信号に対して適用が可能である。 【００１５】なお、図３に、ＴＤＭＡ方式で同時送信に
より、各情報を特定周波数を使用して順に送信した場合
を示す。送信する情報が、情報Ａ、情報Ｂ、情報Ｃ、…
とした場合、図３に示すＴＤＭＡ方式では、特定周波数
でＮ人に同時に情報Ａを送信し、情報Ａを送信し終える
と、次いで同じ特定周波数でＮ人に同時に情報Ｂを送信
し、情報Ｂを送信し終えると、次いで同じ特定周波数で
Ｎ人に同時に情報Ｃを送信することになる。 【００１６】また、図４に、ＣＤＭＡ方式で同時送信に
より、各情報を、複数の周波数に割り当てて同時に送信
した場合を示す。なお、図５は、図４の時間軸による断
面図である。図４に示すＣＤＭＡ方式では、情報Ａを特
定周波数に割り当て、情報Ｂを情報Ａに割り当てた周波
数とは別の異なる特定周波数に割り当て、情報Ｃを情報
Ａを割り当てた周波数及び情報Ｂを割り当てた周波数の
両方の周波数とは別の異なる特定周波数に割り当て、３
つの異なる特定周波数で、同時にＮ人に送信することに
なる。 【００１７】図６は情報提供サービスを受けるまでの一
連の動作を説明するための流れ図である。顧客が情報提
供サービスを携帯用交換局３に申し込むと（ステップＳ
０１）、携帯用交換局３の顧客データベースに顧客の氏
名、性別、住所等が登録される（ステップＳ０２）。ま
た、顧客の所持する携帯電話２に同時送信用（同報通信
用）の送信先情報（ＩＤ番号あるいは電話番号）が記録
される。各種情報プロバイダ４から情報が送られると、
携帯用交換局３は、各種情報プロバイダ４から送られた
情報を受け（ステップＳ０３）、同時送信用の送信先情
報に基いて、携帯電話利用帯域内の特定周波数で同時送
信を行う（ステップＳ０４）。この情報は、携帯電話の
ある圏内の基地局に送信され（ステップＳ０５）、該基
地局より該当する携帯電話へ発信され（ステップＳ０
６）、携帯電話にて受信される（ステップＳ０７）。受
信された情報は携帯電話２内のメモリに記憶される（ス
テップＳ０８）。メモリに記憶された情報は、携帯電話
２の表示部に表示され顧客が認識することとなる（ステ
ップＳ０９）。 【００１８】以上のように、携帯電話システム１によれ
ば、限られた時間内に各種の情報が送信可能となり、Ｎ
人への同時送信による情報提供サービスを効率的に行う
ことができる。 【００１９】情報提供サービスを夜間、早朝などの電波
トラフィックが少ない時間帯に同時送信用の電話番号ま
たはＩＤ番号を設定した携帯電話に同時送信により行
う。この結果、従来では送信設備があまり使用されてい
ない時間帯を有効活用することになり、電波の利用効率
は高くなり、携帯用交換局（通信事業者）３としては情
報提供のための利用料金を非常に安くしても採算が取れ
るために、電波利用コストは安くなり、情報提供サービ
スも送信コストに関しては低料金にすることが可能とな
る。 【００２０】また、同じ無線ゾーン内に複数の同時送信
利用者がいる場合はその利用者数に逆比例してコストは
下がることになる。 【００２１】また、従来のような特定のグループに対す
る特定の機器を利用した送信ではなく、また小電力のよ
うな限られた地域に対する送信でもなく、広範囲に情報
が送信できるので、一般の携帯電話利用者に対する情報
提供サービスが可能となる。 【００２２】また、例えば、官公庁、地方自治体、各企
業などの組織内の人員に対する連絡がリアルタイムで可
能となり、地震、火災等の災害時の緊急連絡が可能とな
る。 【００２３】さらに、例えば、新聞による情報提供に
は、新聞の朝刊締め切りは前日の午後１１時前後であっ
て、それ以降のニュースは記事に反映されず、リアルタ
イムのニュースという点でテレビに劣る点、新聞の読者
は全ての記事を読むわけではないが、新聞には全て印刷
する必要がある点、読者への新聞の配達は、時間と労力
がかかり、新聞のコスト高の原因となっている点などの
各種の問題がある。これら問題は携帯電話などの受信端
末へ必要情報が同時配信され、プリンタにて印刷または
液晶などの表示器に表示されることにより、解決され
る。 【００２４】以上のように、本発明の属するビジネス分
野として、ニュース配信を各家庭でプリンタへ接続すれ
ば、新聞に代わるものとなり得る。同様に雑誌、書籍の
配信も通常の印刷、配送、書店、自宅のルートに比して
安価に提供可能となる。また、カタログ、チラシなどの
配信が低価格にて可能となる。さらに、情報提供サービ
スの中身をデータに入れ換えれば、各地域に広がって位
置する各種機器の遠隔操作が可能となる。また、各地域
に広がって設置されているコンピュータやネットワーク
機器のソフトの変更、データの変更が瞬時に可能とな
る。 【００２５】 【発明の効果】本発明の同時送信機能付き携帯電話シス
テムによれば、複数の携帯電話と携帯用交換局とに同時
送信用の送信先情報を登録しておき、携帯用交換局が、
各種情報プロバイダから送られた情報を同時送信用の送
信先情報に基いて、携帯電話利用帯域内の一般交信用に
割り当てた周波数とは別の１つの特定周波数で各基地局
より同時送信を行うので、情報を一斉に送信できると共
に、地域に限られることなく広範囲に情報が送信でき、
利用者数に逆比例して情報提供のために要するコストを
下げることができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】同時送信機能付き携帯電話システムの概略ブロ
ック図 【図２】携帯用交換局に割り当てられた周波数帯域と同
時送信用として使用する特定周波数の一態様を示す図 【図３】ＴＤＭＡ方式で同時送信により、各情報を特定
周波数に割り当て、順に送信した場合を示す図 【図４】ＣＤＭＡ方式で同時送信により、各情報を、複
数の周波数に割り当てて同時に送信した場合を示す図 【図５】図４の時間軸による断面図 【図６】顧客が情報提供サービスを受けるまでの一連の
動作を説明するための流れ図 【符号の説明】 １ 同時送信機能付き携帯電話システム ２ 携帯電話 ３ 携帯用交換局 ４ 各種情報プロバイダ ５ 基地局 ６ 加入者メモリ ７ 情報提供用サーバ ８ プリンタ ９ サーバ

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 複数の携帯電話と、前記携帯電話の携帯
   用交換局と、前記携帯用交換局と接続された各種情報プ
   ロバイダとにより構成され、前記複数の携帯電話と前記
   携帯用交換局とに同時送信用の送信先情報を登録してお
   き、携帯電話事業者に割り当てられた携帯電話利用帯域
   内の一般交信用の周波数とは別に１つの特定周波数を同
   時送信用に割当てておき、前記携帯用交換局が、前記各
   種情報プロバイダから送られた情報を前記同時送信用の
   送信先情報に基いて、各基地局より前記１つの特定周波
   数で同時送信を行うことを特徴とする同時送信機能付き
   携帯電話システム。