JP3503614B2 - 車両用盗難防止装置 - Google Patents

車両用盗難防止装置

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JP3503614B2 JP2001174166A JP2001174166A JP3503614B2 JP 3503614 B2 JP3503614 B2 JP 3503614B2 JP 2001174166 A JP2001174166 A JP 2001174166A JP 2001174166 A JP2001174166 A JP 2001174166A JP 3503614 B2 JP3503614 B2 JP 3503614B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用の盗難防止
装置に関し、特に遠隔操作により原動機を始動できる機
能を備えた車両における盗難防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の盗難を防止するための
装置として、例えばドアやトランクリッドが正規のキー
以外に何らかの不正な手段によって開放されたり、何者
かがガラス窓を割って車両内部に侵入したり、車両その
ものをレッカー車等で移送しようとしたり、或いは正規
のキー以外の不正操作によってエンジンを始動しようと
する等の、不正な操作がなされた場合に、その不正操作
を検知して各種の警報を発生する盗難防止装置が知られ
ている。
【0003】このような盗難防止装置では、例えば、ユ
ーザがイグニションスイッチをオフにしてキーを抜き、
全てのドアをロックすると、警戒状態に入る。警戒状態
では、上記のような不正操作が監視され、不正な操作が
なされたときは警報状態に入って、例えばホーンを鳴ら
したり、ハザードランプを点滅させたりするなどの警報
が発せられる。そして、再びユーザが正規のキーにてド
アロックを解除したときに、警戒状態が解除されて無警
戒状態に入る。つまり、車両は常に、警戒状態・無警戒
状態・警報状態のうちいずれかの状態(盗難防止状態)
にある。
【0004】ところで、一般的な盗難防止装置では、上
記のような不正操作以外に、バッテリからの電源が遮断
された後再び電源が回復した場合も、警戒状態から警報
状態に入る不正な操作として設定されている場合が多
い。これは、警戒状態にあるときに、例えばバッテリが
外されて盗難防止装置の動作が停止し、その後再びバッ
テリを接続して盗難防止装置が動作を再開したときに、
何者かによる不正なバッテリ外しが行われたものと判断
して警報状態に入るものである。
【0005】より具体的にいうと、盗難防止装置に供給
される動作用電圧が、盗難防止装置を動作させるために
供給すべき電圧の下限値より低くなってしまうと、盗難
防止装置はその動作を停止することになり、再びその供
給すべき電圧の下限値を超えれば、初期化されてその動
作が再開される。このとき、動作停止前(初期化前)の
盗難防止状態を記憶しておき、初期化されて再び動作開
始したときに、その初期化前の盗難防止状態をみて、無
警戒状態であったならばそのまま無警戒状態を継続する
が、警戒状態であった場合は、警報状態に移行して、何
らかの警報を発生させる。
【0006】尚、盗難防止装置に供給される動作用電圧
が低下する原因としては、上記のようなバッテリ外し以
外に、例えばエンジン始動時のクランキングによりバッ
テリ電圧が瞬間的に低下してしまうことが考えられる
が、エンジンの始動は通常、ユーザが正規のキーにてド
アを開けることにより警戒状態が解除されて無警戒状態
に移行した後に行われるため、仮にエンジン始動によっ
てバッテリ電圧が瞬間的に低下して盗難防止装置が初期
化されたとしても、初期化前の盗難防止状態は無警戒状
態であるわけだから、そのまま無警戒状態が維持される
ことになる。そのため、通常はエンジン始動時のクラン
キングによるバッテリ電圧低下が原因で警報状態になっ
てしまうおそれはない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような盗難防止装置では、例えばエンジン暖機等のため
に、ユーザが送信機からデータを送信することにより遠
隔地からエンジンを始動できる、いわゆるリモートエン
ジンスタータにてエンジンを始動させた場合に、不正な
操作でないにも拘わらず警報状態になってしまうといっ
た問題がある。
【0008】即ち、リモートエンジンスタータにてユー
ザが遠隔地からエンジンを始動しようとする際は、通常
は車両の盗難防止状態は警戒状態にある。このとき、リ
モートエンジンスタータにてエンジンを始動すると、上
記同様、バッテリ電圧が低下して盗難防止装置が初期化
されるおそれがある。万一初期化されてしまうと、初期
化前の盗難防止状態が警戒状態であるため、再びバッテ
リ電圧が回復して盗難防止装置が動作を再開したとき、
警報状態となって警報が発せられてしまうことになる。
特に、バッテリが弱っているときにリモートエンジンス
タータにてエンジンを始動しようとすると、その都度、
完全に始動するまでの間のクランキングでバッテリ電圧
が盗難防止装置の動作用電圧の下限値を下回り、警報が
発せられてしまうことになる。
【0009】上記のように誤って警報が発せられてしま
った場合には、例えばキーレスエントリシステムにより
ドアロックを解除することにより、車両から離れた場所
にいながら無警戒状態に移行させて警報を停止させるこ
とができるが、そうなるとセキュリティ上問題となる。
【0010】一方、車両に対する不正操作及びそれを検
知する方法は様々であるが、例えば何者かがガラス窓を
割って車両内部に侵入しようとするのを検知する場合、
一般に、超音波や電波等を利用した侵入センサが使用さ
れる。この種の侵入センサは、超音波或いは電波等を発
信し、発信した周波数と車内の対象物に反射して再び戻
って来たときの周波数の差分を測定して、その差分が変
化したときに、何者かが侵入したと判断するもので、例
えばルームミラー等に固定され使用される。
【0011】また、例えば何者かが車両そのものをレッ
カー車等で移送しようとするのを検知する場合、一般
に、車両の傾斜を検知する傾斜センサ(例えばジャイロ
センサ)が使用される。レッカー車等で車両の一端部を
引き上げようとすると当然ながら車両は傾くため、傾斜
センサは、その傾斜量に基づいて移送されようとしてい
るか否かを検知する。
【0012】ところが、上記の侵入センサや傾斜センサ
についても、リモートエンジンスタータにてエンジンを
始動させた場合(通常、このときの車両の盗難防止状態
は警戒状態にある)、エンジンが作動して車両が振動す
ること等の諸要因によって、不正な操作がなされていな
いにも拘わらず、何者かが侵入したこと或いは車両が傾
いていることが誤って検知されてしまうといった問題が
ある。特に、エンジン始動直後のスタータ駆動中は車両
の振動も大きいため、誤検知されるおそれも大きい。
【0013】特に、超音波を利用した侵入センサの場
合、車両の振動以外にも、警戒状態中に例えばエンジン
始動によりエアコンが作動すると、車両内部の空気が流
動することに起因して誤検知してしまうおそれがある。
更に、電波を利用した侵入センサの場合、スタータ駆動
時に発生するサージノイズの影響で誤動作してしまうお
それもある。
【0014】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、リモートエンジンスタータによって遠隔地からエン
ジンを始動した時に、不正操作がなされていないにも拘
わらず誤って盗難検知してしまうことのない車両用盗難
防止装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するためになされた請求項1記載の車両用盗難防
止装置は、リモート始動制御装置により外部の送信機か
ら始動指令を送信することによって原動機の始動が可能
な車両に設けられ、電源から所定の動作電圧が供給され
ることにより初期化されて動作を開始するものである。
【0016】そして、本発明の車両用盗難防止装置で
は、動作状態設定手段が、ユーザによる操作に応じて当
該装置の動作状態を警戒状態又は無警戒状態のいずれか
にし、該動作状態を動作状態記憶手段に記憶する。通常
時警報制御手段は、当該装置の動作状態が警戒状態であ
るときに、所定の不正操作がなされると、警報発生手段
を動作させて車両に対する不正操作を周囲に報知する。
また、起動時警報制御手段は、当該装置の起動時(初期
化されて動作を開始したとき)に、動作状態記憶手段に
記憶されている初期化前の動作状態を読み込み、警戒状
態である場合は、警報発生手段を動作させる。
【0017】そこで更に、本発明の車両用盗難防止装置
は、起動時警報動作禁止手段が、当該装置の起動時に、
リモート始動制御装置が動作中であるか否かを判断し、
動作中であると判断したならば、起動時警報制御手段が
警報発生手段を動作させるのを禁止するものである。
【0018】ここでいうリモート始動制御装置の動作中
とは、少なくとも、外部の送信機から送信される始動指
令を受信したときから、原動機が完全に始動するまでの
間をいう。また、動作状態記憶手段に記憶される内容
は、動作電圧が完全になくなっても保持されるものであ
る。
【0019】つまり、起動時警報制御手段は、通常は当
該装置の起動時に、初期化前の動作状態を読み込んで、
初期化前が警戒状態であったならば、警戒状態中に何ら
かの不正操作が行われて初期化されてしまったおそれが
あるものとみて警報発生手段を動作させるのだが、初期
化前が警戒状態であっても、リモート始動制御装置が動
作中である場合は、リモート始動制御装置の動作により
例えば電源電圧の低下等に起因して初期化されてしまっ
たものであって不正操作によるものではないとみて、起
動時警報動作禁止手段により、警報発生手段の動作が禁
止されるのである。
【0020】従って、本発明の車両用盗難防止装置によ
れば、起動時に、初期化前の動作状態を判断するととも
にリモート始動制御装置が動作中であるか否かも判断
し、たとえ初期化前が警戒状態であってもリモート始動
制御装置が動作中なら警報発生手段を動作させないた
め、警戒状態中に遠隔地から原動機を始動させようとし
たとき、リモート始動制御装置の動作により万一動作電
圧が低下して盗難防止装置が初期化されてしまっても、
誤って警報が発生されてしまうのを防ぐことができる。
【0021】ここで、リモート始動制御装置の動作によ
って当該車両用盗難防止装置が初期化されるおそれがあ
るのは、主として原動機の始動開始直後から完全に始動
するまでの間である。車両における原動機の始動は、一
般に、スタータを動作させることにより行われるが、ス
タータ動作中は電源から大電力が消費されるため、これ
が原因で動作電圧が瞬間的に低下して初期化されるおそ
れがあるのである。しかし、原動機が完全に始動した定
常状態(例えばアイドリング状態)になって、上記のよ
うな動作電圧の低下(延いては車両用盗難防止装置の初
期化)のおそれがほとんどなくなっても、電磁ノイズの
混入などの何らかの影響によって、動作電圧が正常であ
るにもかかわらず盗難防止装置が初期化されてしまうお
それがある。
【0022】そこで、例えば請求項2に記載したよう
に、起動時警報動作禁止手段は、当該装置の起動時に、
リモート始動制御装置が動作を終了していても、該リモ
ート始動制御装置の動作によって原動機が作動していれ
ば、起動時警報制御手段が警報発生手段を動作させるの
を禁止するようにするとよい。このようにすれば、原動
機が完全に始動した後に例えば電磁ノイズの混入等によ
って盗難防止装置が初期化されてしまっても、再び起動
したときに原動機が作動していれば警報を発しないよう
にするため、より信頼性の高い盗難防止装置を提供する
ことができる。
【0023】また、上記のような盗難防止装置では、リ
モート始動制御装置が動作中であるか否かの判断を、例
えば起動時警報動作禁止手段がリモート始動制御装置か
ら信号を受けたり、或いは起動時警報動作禁止手段が一
旦リモート始動制御装置に信号を送ってその返信内容を
みて判断する等、種々の方法が考えられるが、このよう
に相互に信号をやりとりする方法では、例えば起動直後
にリモート始動制御装置からの信号を起動時警報動作禁
止手段がうまく受信できない場合が生じると、起動時警
報動作禁止手段は、リモート始動制御装置が動作中であ
るにも拘わらず誤って動作中ではないと判断してしまう
おそれがある。
【0024】そこで、例えば請求項3に記載の車両用盗
難防止装置のように、リモート始動制御装置が動作中で
あるか否かの判断は、原動機作動状態記憶手段に記憶さ
れている内容に基づいて行うようにするとよい。即ち、
請求項3の車両用盗難防止装置では、原動機状態監視手
段が、警戒状態のときにリモート始動制御装置が動作中
であるか否かを判断し、動作中であると判断したなら
ば、原動機が作動状態であることを原動機作動状態記憶
手段に記憶させる。起動時警報動作禁止手段は、この原
動機作動状態記憶手段に記憶されている内容に基づい
て、リモート始動制御装置が動作中であるか否かを判断
するのであり、具体的には、原動機が作動状態であるこ
とが記憶されている場合に、リモート始動制御装置が動
作中であるものと判断する。
【0025】このようにすれば、リモート始動制御装置
が動作を開始したことが一度でも検出されたら、原動機
が作動状態であることが記憶され、消去する旨の操作が
なされない限りその記憶は保持され続ける。そのため、
当該車両用盗難防止装置が初期化されて再起動したと
き、原動機作動状態記憶手段に記憶されている内容をみ
れば、初期化前の原動機の状態を確実に知ることができ
るため、リモート始動制御装置が動作中であるか否かを
誤判断するおそれがなく、より確実に警報の誤発生を防
ぐことができる。
【0026】そして、既に述べた通り、リモート始動制
御装置の動作によって車両用盗難防止装置が初期化され
るおそれがあるのは、主として原動機の始動開始直後か
ら完全に始動するまでの間であるから、原動機作動状態
記憶手段への記憶内容は、例えば原動機が完全に始動し
た後は消去してもよい。しかし、原動機が完全に始動し
た定常状態になっても電磁ノイズ等の影響によって引き
続き初期化されるおそれがあることも既述の通りであ
る。そのため、原動機が完全に始動した後、原動機作動
状態記憶手段に原動機が作動状態であることが記憶され
ていないと、誤って警報が発せられるおそれがある。
【0027】そこで、例えば請求項4に記載したよう
に、原動機状態監視手段は、原動機が作動状態であるこ
とを原動機作動状態記憶手段に一旦記憶したら、原動機
が停止するまではその記憶内容を保持するようにすると
よい。このようにすれば、原動機が完全に始動した後に
例えば電磁ノイズの混入等によって盗難防止装置が初期
化されてしまっても、再び起動したときに原動機作動状
態記憶手段をみれば、初期化前の状態(原動機が作動状
態であること)が記憶されているため、誤って警報が発
せられてしまうおそれがなくなり、より信頼性の高い盗
難防止装置を提供することができる。
【0028】請求項5記載の車両用盗難防止装置は、請
求項1〜4いずれかに記載の車両用盗難防止装置であっ
て、更に、警告音発生装置を備えたものである。この警
告音発生装置は、基本的には、動作状態設定手段により
設定された当該車両用盗難防止装置の動作状態を内蔵補
助記憶手段に記憶する第1記憶制御手段と、内蔵補助記
憶手段に記憶されている動作状態が警戒状態であるとき
に、動作電圧が所定の電圧値を下回ったか否かを判断
し、下回ったと判断したとき所定の警告音を鳴らす警告
手段と、を備え、専用の内蔵補助電源によって動作する
ものであるが、本発明では更に、警告音発生禁止手段
が、リモート始動制御装置が動作中であるか否かを判断
し、動作中であると判断したならば、警告手段が警告音
を鳴らすのを禁止する。
【0029】警戒状態において動作電圧が所定電圧値を
下回るような不正操作がなされたとき(具体的には、例
えば車両のバッテリが外されたとき等)に警告音を鳴ら
すような警告音発生装置は従来から知られているが、こ
のような構成のみでは、やはりリモート始動制御装置の
動作により原動機が始動して動作電圧が低下すると、不
正操作がなされていないにも拘わらず警告音が鳴ってし
まうおそれがある。そこで、本発明では、動作電圧が所
定電圧値を下回っても、リモート始動制御装置が動作中
であれば警告音を鳴らさないようにしたのである。
【0030】そのため、請求項1〜4記載の発明では、
バッテリ外し等によって当該盗難防止装置への電源供給
が停止すると、再起動するまでは何ら警報等を発しない
が、請求項5記載の発明によれば、バッテリ外し等の不
正操作で動作電圧が所定電圧値を下回った時点で警告音
が鳴るため、より効果的な盗難防止装置を提供すること
ができる。しかも、動作電圧が所定電圧値を下回ったと
きに無条件で警告音を鳴らすのではなく、リモート始動
制御装置が動作中であれば鳴らさないようにするため、
リモート始動制御装置の動作に起因して動作電圧が低下
して誤って警告音が鳴ってしまうのを防止できる。
【0031】ところで、既に述べた通り、車両に対する
不正操作を検出する方法として、例えば侵入センサや傾
斜センサなどの各種センサを設けることがあるが、この
場合においてリモート始動制御装置を動作させると、車
両振動や車内の空気流動、或いは原動機からのサージノ
イズ等の種々の要因によって、センサが誤って検出して
しまうおそれがある。
【0032】そこで、請求項1〜5いずれかに記載の車
両用盗難防止装置は、例えば請求項6に記載したよう
に、車両に対する不正操作を検出するための不正検出セ
ンサを備えたものであって、通常時警報制御手段は、不
正検出センサにて不正操作が検出されたときに所定の不
正操作がなされたものと判断し、更に、リモート始動制
御装置が動作中であるか否かを判断して、動作中である
と判断したならば不正検出センサが不正操作を検出する
際の検出感度を低下させる検出感度低下手段を備えたも
のとして構成するとよい。
【0033】検出感度の低下は、不正検出センサとし
て、例えば超音波の発信周波数と受信周波数の差が所定
の範囲内にない場合に不正者が侵入したものとする侵入
センサを使用する場合、その所定の範囲をより広げるこ
とで実現できるし、また例えば、不正検出センサとし
て、車両の傾斜角が所定角度より大きくなった場合に何
者かによって不正に車両が傾斜させられているものとす
る傾斜センサを使用する場合、その所定角度をより大き
い角度に設定することで実現できる。
【0034】つまり、リモート始動制御装置を動作させ
ることに起因して生じる種々の現象(例えば車両振動、
車内空気流動、サージノイズ発生など)によって、不正
操作がなされていないにも拘わらず不正検出センサが誤
検出してしまうおそれのない程度に、検出感度を低下さ
せればよい。このようにすれば、警戒状態のときにリモ
ート始動制御装置によって原動機が始動しても、それに
よって不正検出センサが誤検出してしまうのを防止する
ことができ、当該装置の信頼性をより高めることができ
る。
【0035】尚、検出感度低下手段は、具体的には、例
えば他の動作状態設定手段や通常時警報制御手段等と共
に1つのマイコンにて構成するなど、不正検出センサと
は別に構成してもいいが、例えば、不正検出センサの中
に組み込んで(つまり不正検出センサが検出感度低下手
段を内蔵したものとして)構成するようしてもよい。
【0036】また、不正検出センサの検出感度を低下さ
せる代わりに、例えば請求項7に記載したように、不正
検出センサからの検出結果自体を無視するようにしても
よい。即ち、請求項7記載の発明は、請求項1〜5いず
れかに記載の車両用盗難防止装置であって、通常時警報
制御手段が、不正検出センサによって車両に対する不正
操作が検出されたときに所定の不正操作がなされたもの
と判断すると共に、リモート始動制御装置が動作中であ
るか否かも判断して、動作中であると判断したならば、
不正検出センサが不正操作を検出しても警報発生手段を
動作させないようにしたものである。
【0037】つまり、不正検出センサによって不正操作
が検出されても、リモート始動制御装置が動作していれ
ば、その検出結果を無視するのである。このようにして
も、請求項6記載の発明と同様、リモート始動制御装置
の動作に起因した誤警報を防止することができ、車両用
盗難防止装置の信頼性をより高めることができる。
【0038】ここで、リモート始動制御装置の動作によ
って不正検出センサが誤検出してしまうおそれが特に大
きいのは、原動機の始動直後から完全に始動するまでの
間である。この間は、スタータ駆動中で原動機の作動状
態が安定せずに振動が激しくなったり、スタータへの通
電電流(特に通電直後のサージ電流)によって電磁ノイ
ズが発生しやすいため、誤検出のおそれが大きいのであ
る。そして、原動機が完全に始動して安定した作動状態
(アイドリング状態)になれば、誤検出されるおそれは
少なくなるのだが、誤検出のおそれが全くなくなるわけ
ではない。原動機が作動している限り、程度の差こそあ
れ、引き続き誤検出の可能性は残っているのである。
【0039】そこで、例えば請求項8に記載したよう
に、請求項7記載の発明における通常時警報制御手段
は、リモート始動制御装置が動作を終了していても、該
リモート始動制御装置の動作によって原動機が作動して
いる間は、引き続き、不正検出センサが不正操作を検出
しても警報発生手段を動作させないようにするのが好ま
しい。このようにすれば、リモート始動制御装置の動作
が終了しても、それによって原動機が作動している間
は、不正検出センサが不正操作を検出してもそれを無視
するため、原動機作動中の誤検出をより確実に防止する
ことができる。
【0040】一方、上記請求項6〜8に記載の車両用盗
難防止装置は、いずれも、当該装置の起動時(初期化
時)に初期化前の動作状態をみて、初期化前が警戒状態
であれば警報発生手段を動作させる起動時警報制御手段
と、不正操作を検出する不正検出センサとを、共に備え
たものであるが、起動時警報制御手段を備えず不正検出
センサからの検出結果だけに基づいて動作する盗難防止
装置もある。このような場合にも、請求項6〜8に記載
の盗難防止装置と同様、リモート始動制御装置の動作中
は不正検出センサが誤検出しないようにするとよい。
【0041】 即ち、請求項9記載の車両用盗難防止装
置は、外部の送信機から送信される始動指令に従って原
動機を始動させるリモート始動制御装置を備えた車両に
設けられたものであって、ユーザによる操作に応じて当
該装置の動作状態を警戒状態又は無警戒状態のいずれか
にし、該動作状態を動作状態記憶手段に記憶する動作状
態設定手段と、車両に対する不正操作を検出する不正検
出センサと、車両に対する不正操作を周囲に報知するた
めの警報発生手段と、動作状態が警戒状態であって不正
検出センサにより不正操作が検出された場合に、警報発
生手段を動作させる警報制御手段とを備えたものであっ
て、更に、検出感度低下手段が、リモート始動制御装置
が動作中であるか否かを判断し、動作中であると判断し
たならば不正検出センサの検出感度を低下させる。そし
て、検出感度低下手段が、リモート始動制御装置が動作
を終了していても該リモート始動制御装置の動作によっ
て原動機が作動している間は、引き続き検出感度を低下
させるように構成されたものである。
【0042】このように構成された車両用盗難防止装置
では、請求項6に記載の盗難防止装置と同様、警戒状態
のときにリモート始動制御装置によって原動機が始動し
ても、それによって不正検出センサが誤検出してしまう
のを防止することができ、当該装置の信頼性をより高め
ることができる。そしてこの場合も、検出感度低下手段
は、具体的には、例えば動作状態設定手段や警報制御手
段と共に1つのマイコンにて構成してもいいし、また例
えば、不正検出センサの中に組み込んでもよい。
【0043】
【0044】 そして、既述のように、リモート始動制
御装置が動作を終了しても原動機が作動している限り誤
検出の可能性は残っているため、原動機の作動中は引き
続き不正検出センサの検出感度を低下させるのである。
このようにすれば、原動機作動中の不正検出センサの誤
検出をより確実に防止することができる。
【0045】 また、請求項10記載の車両用盗難防止
装置は、請求項9と同様、外部の送信機から送信される
始動指令に従って原動機を始動させるリモート始動制御
装置を備えた車両に設けられた盗難防止装置であって、
動作状態設定手段と、不正検出センサと、警報発生手段
と、警報制御手段とを備えたものであるが、本発明(請
求項10)では、請求項9のように不正検出センサの検
出感度を低下させるのではなく、警報制御手段が、リモ
ート始動制御装置が動作中であるか否かを判断し、動作
中であると判断したならば不正検出センサが不正操作を
検出しても警報発生手段を動作させない。
【0046】 更に、警報制御手段が、リモート始動制
御装置が動作を終了していても、該リモート始動制御装
置の動作によって原動機が作動している間は、引き続
き、不正検出センサが不正操作を検出しても警報発生手
段を動作させないように構成されたものである。
【0047】 上記請求項10記載の発明によれば、請
求項7記載の発明と同様、リモート始動制御装置の動作
中は不正検出センサの検出結果を無視するため、リモー
ト始動制御装置の動作に起因した誤警報を防止すること
ができる。特に、リモート始動制御装置によって原動機
が完全に始動した後も原動機の作動中は不正検出センサ
による不正操作の検出結果を無視するようにすれば、原
動機作動中の誤警報をより確実に防止できる。
【0048】ここで、不正検出センサとして侵入センサ
や傾斜センサなど種々のセンサがあることは既に述べた
通りであるが、特に侵入センサは、超音波や電波或いは
赤外線等、音波・光波・電波を利用して侵入を検出する
ものがほとんどであるため、車両の振動や車内空気の流
動、或いは電磁ノイズ等の影響をより受けやすく、リモ
ート始動制御装置の動作によって原動機が始動すると、
誤検出してしまうおそれが大きい。
【0049】 そこで、請求項6〜10いずれかに記載
の盗難防止装置は、例えば請求項11に記載したよう
に、不正検出センサとして少なくとも車両内部に侵入し
ようとする者を検出する侵入センサを備えたものである
とよい。このように、侵入センサを備えた盗難防止装置
に対して本発明(リモート始動制御装置動作中における
侵入センサ検出感度低下、又は侵入センサ検出結果の無
視)を適用すれば、リモート始動制御装置の動作による
侵入センサの誤動作(誤検出)を確実に防止することが
できる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1は、本発明が適用された実施形態
の車両用盗難防止装置の全体構成を示す概略ブロック図
である。この車両用盗難防止装置は、主として受信機1
1と、エンジン制御ECU12と、エンジンスタータ1
3と、バッテリ15と、盗難検知装置20と、警報装置
30と、盗難防止制御装置40と、盗難防止状態記憶装
置50と、サイレン35とで構成されている。
【0051】受信機11は、携帯型送信機10から送信
されるエンジン始動送信データ又はキーレスエントリー
送信データをアンテナ16を介して受信すると共に、受
信したデータがエンジン始動送信データである場合は、
そのデータをエンジン制御ECU12へ出力し、受信し
たデータがキーレスエントリー送信データである場合
は、そのデータを盗難防止制御装置40へ出力する。
尚、携帯型送信機10は、遠隔地から車両のドアロック
を開閉したりエンジンを始動するために、ユーザが上記
各データを選択的に送信できるよう、本発明の送信機と
して構成されたものであり、エンジン始動送信データは
本発明の始動指令に相当するものである。即ち、本実施
形態の車両用盗難防止装置を搭載した車両は、遠隔操作
によるエンジン始動機能(いわゆるリモートエンジンス
タータ機能)と遠隔操作によるドアロック開閉機能(い
わゆるキーレスエントリー機能)とを備えている。
【0052】エンジン制御ECU12は、車両の各部に
設置された図示しない各種センサ等からの信号に基づい
て本発明の原動機に相当するエンジン14の点火時期制
御や燃料噴射量制御などのエンジン制御を行うための周
知の電子制御装置であり、盗難防止制御装置40に対し
ては、エンジン14が作動中であるか否かを示すエンジ
ン状態信号(L又はHレベルのディジタル信号)を常時
出力している。
【0053】そして、本実施形態のエンジン制御ECU
12では、上記のような通常のエンジン制御に加え、リ
モートエンジンスタータ機能によるリモートエンジン始
動処理も行い、受信機11にて受信したエンジン始動送
信データに基づき、エンジンスタータ13へエンジン1
4を始動させるためのスタータ駆動指令を出力すると共
に、このスタータ駆動指令より早いタイミング(例えば
エンジン制御ECU12内の図示しないCPUの動作ク
ロックの1クロック分だけ早いタイミング等、少なくと
も、エンジンスタータ13の駆動開始までに後述の図5
(a)におけるS320が実行され得る程度のタイミン
グ)で、盗難防止制御装置40へ出力されているエンジ
ン状態信号をHレベルにすることにより、エンジン14
が作動中であることを盗難防止制御装置40に知らせ
る。
【0054】但し、本実施形態では、エンジン制御EC
U12は、これらのスタータ駆動指令出力及びエンジン
状態信号のHレベル化を、受信機11からエンジン始動
送信データが入力されたときに無条件に出力するのでは
なく、所定の条件を満たした場合にのみ出力する。具体
的には、例えばエンジン始動送信データに含まれる携帯
型送信機10固有の暗証コードをエンジン制御ECU1
2にて解読し、エンジン制御ECU12が備える図示し
ない不揮発性メモリに予め格納されている暗証コードと
一致するか否かを判定する。そして、一致した場合に
は、正規の携帯型送信機から送信されたエンジン始動送
信データであるものと判断して、エンジン状態信号をH
レベルにすると共にスタータ駆動指令を出力する。一
方、一致しない場合は、不正な送信機或いは他の車両用
の送信機から送信されたデータを受信したものと判断し
て、そのデータを破棄する。
【0055】つまり、エンジン制御ECU12は、上記
各暗証コードが一致したときにはじめて、上記のリモー
トエンジン始動処理を実行するわけである。また、エン
ジン制御ECU12は、盗難検知装置20から入力され
る各種信号に基づくエンジン制御も行うが、これらのリ
モートエンジン始動処理の詳細については、後で詳述す
る。
【0056】エンジンスタータ13は、エンジンを始動
させるためにクランク軸等を強制的に回転駆動させる周
知のスタータであり、電源としてのバッテリ15から供
給される電力(バッテリ電圧VB )により駆動する。
尚、バッテリ電圧VB は、本発明の動作電圧に相当する
ものである。
【0057】通常は、ユーザが運転室内のステアリング
周辺に設けられたキーシリンダ61にキーを挿入してキ
ーシリンダ61を回動操作することにより、イグニショ
ンスイッチ62がスタート位置STAになると、バッテ
リ15からイグニションスイッチ62及び通常スタータ
電源ライン63を介してエンジンスタータ13に電力が
供給され、エンジンスタータ13が駆動する。
【0058】一方、リモートエンジンスタータ機能によ
り遠隔地からエンジンを始動する場合、エンジン制御E
CU12からスタータ駆動指令がエンジンスタータ13
へ入力されると、エンジンスタータ13内に設けられ且
つリモートスタータ電源ライン64と接続された図示し
ないリモートスタータ電源スイッチがオンされる。つま
り、通常はこの図示しないリモートスタータ電源スイッ
チがオフしているが、スタータ駆動指令の入力によりリ
モートスタータ電源スイッチがオンされると、バッテリ
15からエンジンスタータ13への電力供給が開始さ
れ、エンジンスタータ13が駆動することになる。
【0059】盗難検知装置20は、ユーザによる正規の
操作以外に、車両に対して何らかの不正な操作がなされ
た場合に、その不正な操作を検知するために用いるもの
であり、本実施形態では、ドアロックポジションスイッ
チ21と、ドアカーテシスイッチ22と、ラゲージカー
テシスイッチ23と、エンジンフードカーテシスイッチ
24とを備えている。
【0060】ドアロックポジションスイッチ21は、車
両のフロントドア及びリアドアに各々設けられているド
アロックノブがロック位置又はアンロック位置のいずれ
にあるかを検出するスイッチであり、このオン・オフの
状態を示す信号が、盗難防止制御装置40へ出力され
る。
【0061】また、ドアカーテシスイッチ22は車両の
フロントドア及びリアドアの開閉に伴い、ラゲージカー
テシスイッチ23は車両のラゲージドア(トランクリッ
ド)の開閉に伴い、エンジンフードカーテシスイッチ2
4はエンジンフード(ボンネット)の開閉に伴って、そ
れぞれランプ負荷等を自動的にオン・オフさせるための
周知のカーテシスイッチであり、各スイッチのオン・オ
フ状態を示す信号が、盗難防止制御装置40及へ入力さ
れる。そのため、例えばラゲージドアを開けたときに
は、ラゲージカーテシスイッチ23から盗難防止制御装
置40へ、ラゲージドアが開いていることを示す信号が
入力されることになる。
【0062】尚、上記4つのスイッチ21〜24は、車
両に対する不正操作を検知するためだけのものではな
く、車両における他の各種制御においても使用されるも
のである。そのため、これら4つのスイッチ21〜24
からの信号は、エンジン制御ECU12や、図示しない
ボデーECU等の他のECUにも入力される。
【0063】一方、不正検出センサとしての侵入センサ
25及び傾斜センサ26は、本実施形態の車両用盗難防
止装置でのみ使用されるものであり、各センサ25,2
6からの検知信号は盗難防止制御装置40へ入力され
る。侵入センサ25は、何者かが車両室内に侵入したこ
とを検出するものであって、超音波を利用したものであ
り、車両内部のルームミラーに取り付けられている。ま
た、傾斜センサ26は、物体の角度・加速度等を測定す
るための周知のジャイロセンサ等を利用したものであ
り、例えば車両の一端がレッカー車で引き上げられる等
により車両が所定の角度以上傾くと、その旨を検出する
ものである。以下、侵入センサ25について、図2に基
づいて説明する。図2は、侵入センサ25の概略構成を
示す説明図である。
【0064】図2に示す如く、本実施形態の侵入センサ
25は、CPU73,ROM74,RAM75等を備え
た周知のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」とい
う)にて構成されている。そして、CPU73からの指
示に基づき送信部71からは所定の超音波が送出され、
その超音波が車内における所定の対象物に反射して戻っ
てきた反射波が、受信部72で受信されてCPU72へ
入力される。
【0065】CPU73は、電源回路76からの電源供
給により動作するもので、送信部71からの超音波送信
周波数と受信部72による超音波受信周波数の差分を算
出する。そして、この差分fと予め設定された基準値f
THとを比較し、両者の差(Δf=|f−fTH|)が所定
の最大許容差(S)以下であれば正常(侵入者なし)と
するが、最大許容差Sを超えた場合は異常(侵入者あ
り)と判断する。
【0066】一方、トランジスタTRのベースには、正
常時はCPU73のポートP2からLレベル信号が出力
されている。そして、トランジスタTRのコレクタはプ
ルアップ抵抗R1を介して電源回路76からの電源(電
圧:Vcc)が印加されている。そのため、正常時のコレ
クタ電圧はVccと同等(Hレベル)となり、このHレベ
ル信号が盗難防止制御装置40へ出力される。しかし、
CPU73は、侵入者ありと判断すると、トランジスタ
TRのベースへHレベル信号を出力し、トランジスタT
Rをオンする。これにより、トランジスタTRのコレク
タはグランド電位(つまりLレベル)となり、このLレ
ベル信号が、侵入者があったことを示す検知信号として
盗難防止制御装置40へ出力される。
【0067】また、本実施形態の盗難防止装置では、盗
難防止制御装置40から侵入センサ25へ感度「弱」指
示信号(パルス信号)を出力することにより、侵入セン
サ25の検出感度を低下させることができ、同じく侵入
センサ25へ感度「通常」指示信号(パルス信号)を出
力することにより、侵入センサ25の感度を通常状態に
設定することもできる。
【0068】具体的には、盗難防止制御装置40からパ
ルス信号が出力され、CPU73のポートP1へ入力さ
れる。そして、入力されたパルス信号が感度「弱」指示
信号であれば、CPU73は、例えば上記の最大許容差
Sを大きくなるように設定する。このように最大許容差
Sを大きくすることで、結果として侵入センサ25の検
出感度低下を実現できる。逆に、入力されたパルス信号
が感度「通常」指示信号であれば、CPU73は、上記
最大許容差Sを、大きくする前の元の値に戻す。
【0069】尚、ROM74には、CPU73が上記各
処理を実行するためのプログラムが格納されている。ま
た、電源回路76は、盗難防止制御装置40からのセン
サ駆動電源の供給を受け、そのセンサ駆動電源を適宜電
圧変換等して侵入センサ25内の各部へ電源を供給して
いる。但し、本実施形態では、盗難防止制御装置40か
らのセンサ駆動電源の供給があるのは、車両の盗難防止
状態が警戒状態にあるとき(詳細は後述)のみである。
つまり、侵入センサ25は、警戒状態にあるときのみ動
作し、それ以外の状態(例えば正規のユーザが車両を運
転している時など)には動作しない。
【0070】傾斜センサ26も、図示しないものの侵入
センサ25と同様、マイコンを主体として構成されたも
のであり、盗難防止制御装置40からのセンサ駆動電源
の供給を受けて動作し、車両の傾斜角度が所定の角度θ
以上になったときに、何らかの不正な行為がなされてい
るものとして、Lレベルの検知信号を盗難防止制御装置
40へ出力する。
【0071】また、傾斜センサ26についても、侵入セ
ンサ25と同様、盗難防止制御装置40からの感度
「弱」指示信号によってその検出感度を低下させること
ができ、逆に感度「通常」指示信号によって検出感度を
通常状態に戻すこともできる。具体的には、上記所定の
角度θの値を通常時よりも大きく設定することにより、
検出感度の低下を実現している。
【0072】警報装置30は、例えば正規ユーザ以外の
第三者がドアをこじ開けるなど、車両に対して何らかの
不正な操作がなされたことが盗難検知装置20にて検知
された場合に、周囲に対して不正操作されている旨の警
報を発するためのものであり、本実施形態では、ホーン
31と、ハザードランプ32と、テールランプ33と、
ヘッドランプ34とがその機能を有するものとして構成
されている。そして、不正操作がなされた場合には、例
えばホーン31を断続的に鳴らしたり、ハザードランプ
32を点滅させたり、テールランプ33,ヘッドランプ
34を点灯或いは点滅させるなどして、周囲へ警報を発
する。
【0073】盗難防止制御装置40は、マイクロコンピ
ュータを主体として構成され、CPU41、ROM4
2、RAM43、電源回路44等を備えたものであり、
盗難検知装置20の各スイッチ21〜24から入力され
た信号や、同じく盗難検知装置20の各センサ25,2
6から入力された検知信号、更に盗難防止状態記憶装置
50に記憶されている車両の盗難防止状態(正確には当
該車両用盗難防止装置の動作状態;詳細は後述)等に基
づいて、警報装置30の動作を制御する盗難防止制御処
理を実行する。この盗難防止制御処理の詳細について
は、後で詳述する。
【0074】また、盗難防止制御装置40は、エンジン
制御ECU12から入力されるエンジン状態信号に応じ
て、「エンジン作動状態」であることを盗難防止状態記
憶装置50へ記憶させ、或いはその記憶を消去する処理
も実行するが、この処理の詳細についても後述する。
【0075】更に、盗難防止制御装置40では、受信機
11から入力されたキーレスエントリー送信データに含
まれる携帯型送信機10固有の暗証コードを解読すると
共に盗難防止状態記憶装置50に予め格納されている暗
証コードを読み出して、各暗証コードが一致するか否か
を判断する。そして、一致した場合には、正規の携帯型
送信機から送信されたキーレスエントリー送信データで
あるものと判断して、図示しないドアロック機構を操作
してドアロックの開閉を行う。一方、一致しない場合
は、不正な送信機或いは他の車両用の送信機から送信さ
れたデータを受信したものと判断して、そのデータを破
棄する。
【0076】尚、盗難防止制御装置40は、通常はバッ
テリ電圧VB (例えば12V)が電源回路44にて所定
の動作用電圧(例えば6V)に変換され、CPU41等
の各部位へ供給されることにより動作する。そのため、
バッテリ15が接続されている限り、盗難防止制御装置
40はバッテリ15からの電力供給により動作し続ける
が、例えばバッテリ15が外されたりバッテリ電圧VB
が低下したりすると、その動作が停止することになる。
【0077】そして、再びバッテリ電圧VB が供給さ
れ、盗難防止制御装置40が初期化されて動作を再開す
るときは、その都度、盗難防止状態記憶装置50に記憶
されている盗難防止状態を参照する。そして、その参照
結果によっては警報装置30を動作させて警報を発生さ
せる場合があるが、これについても後で詳述する。
【0078】盗難防止状態記憶装置50は、EEPRO
M等の周知の不揮発性メモリにて構成されており、上記
のように「エンジン作動状態」であることを記憶すると
共にキーレスエントリー機能によるドアロック開閉の際
に用いる既述の暗証コードを記憶し、更に、車両が現
在、「警戒状態」、「無警戒状態」、又は「警報状態」
の3つの盗難防止状態のうちどの状態にあるかを常に記
憶しておくためのものである。尚、この盗難防止状態は
本発明の動作状態に相当するものである。
【0079】本実施形態では、車両は通常、上記3つの
盗難防止状態のうちいずれか一つの状態をとっており、
状態の遷移は盗難防止制御装置40により制御され、そ
の状態は常に盗難防止状態記憶装置50に記憶される。
ここで、「警戒状態」とは、不正な操作がなされてそれ
が検知された場合に警報の発生を許可する状態であり、
例えばユーザが運転終了後に車両から出て、全てのドア
をロックすると「警戒状態」になる。そして、「警戒状
態」であるときに、例えば他人がドアを無理にこじ開け
ると、ドアカーテシスイッチ22からドアが開けられた
ことを示す信号が盗難防止制御装置40へ入力され、こ
れに基づき盗難防止状態は「警報状態」に移行して、警
報装置30のうち予め定められた警報手段(例えばホー
ン31の吹鳴)にて警報を発する。つまり「警報状態」
とは、警報装置30にて何らかの警報が発せられている
状態をいい、「警戒状態」のときに不正な操作が行われ
て盗難検知装置20にて検知された場合は「警報状態」
に移行する。そして、「警戒状態」又は「警報状態」の
ときに、例えばユーザが正規の操作にてドアロックを解
除すると、「無警戒状態」に移行する。「無警戒状態」
とは、正規のキー操作によりドアロックの開閉やエンジ
ン始動などが行われるなど、ユーザによる通常の操作が
行われている状態をいう。
【0080】本実施形態の車両用盗難防止装置には、更
に、何者かによる不正操作を周囲に報知するための手段
として、警報装置30以外に、サイレン35(本発明の
警告音発生装置に相当)も備えられている。このサイレ
ン35は、何者かによってバッテリ15が取り外された
場合(言い換えれば、バッテリ15から車内各部への電
源供給が遮断された場合)に警告音を鳴らすためのもの
である。以下、サイレン35について図3に基づいて説
明する。図3は、サイレン35の概略構成を示す説明図
である。
【0081】図3に示す如く、本実施形態のサイレン3
5は、CPU81,ROM82,RAM83等を備えた
周知のマイコンを主体として構成されており、内蔵バッ
テリ84(本発明の内蔵補助電源に相当)により動作す
る。CPU81には、図示しない入出力インタフェース
を介して、車両の盗難防止状態を示す盗難防止状態信号
が盗難防止制御装置40から入力されると共に、エンジ
ン制御ECU12からのエンジン状態信号も盗難防止制
御装置40を介して入力され、更に、バッテリ15から
もバッテリ電圧VB が入力される。
【0082】そして、バッテリ15が取り外される等の
操作によってCPU81へ入力されるバッテリ電圧VB
が所定の電圧値を下回ったとき、スピーカSPから警告
音を発生させるのであるが、その詳細については後述す
る。次に、本実施形態の車両用盗難防止装置の動作につ
いて説明する。まず、リモートエンジンスタータ機能に
よりエンジン14を始動させる場合(即ちエンジン始動
送信データを受信し、その受信したデータが正規の携帯
型送信機10からのものであると判断された場合)にエ
ンジン制御ECU12にて実行されるリモートエンジン
始動処理について、図4に基づいて説明する。図4は、
エンジン制御ECU12が実行するリモートエンジン始
動処理のフローチャートである。
【0083】この処理が開始されると、まずステップ
(以下「S」と略す)110にて、エンジン制御ECU
12から盗難防止制御装置40へ出力されているエンジ
ン状態信号(エンジン停止時はLレベル)をHレベルに
する。つまり、これからエンジン14を始動しようとし
ていることを、盗難防止制御装置40に知らせるわけで
ある。このHレベルのエンジン状態信号は、エンジン1
4が完全に作動してエンジンスタータ13が停止した後
も、エンジン14の動作中は継続して出力される。
【0084】その後S120に進み、エンジンスタータ
13へスタータ駆動指令を出力する。これにより、エン
ジンスタータ13が駆動され、エンジン14が始動し始
める。そして、S130に進んでエンジン14が完全に
始動したか否かが判断される。この判断は、例えばエン
ジンの回転数等に基づいて判断され、まだ完全に始動し
ていないならば再びS120に戻ってスタータ駆動指令
の出力を継続するが、完全に始動したと判断されたとき
は、S140に進んでスタータ駆動指令の出力を停止す
る。この時点では、既にエンジン14は完全に始動して
いる状態にあるため、S150に進んで通常のアイドル
制御を行い、エンジン回転数を所定のアイドル回転数に
制御する。またこのとき、図示しないタイマをスタート
させることにより、エンジンが完全に始動した後の経過
時間を計時する。
【0085】次に、S160に進み、車両の各ドアが開
放されているか否かを判断する。具体的には、例えば盗
難検知装置20の各スイッチ21〜24からの信号に基
づいて、ドアロックの状態や各ドアの開閉状態をみるこ
とにより判断する。いずれのドアも閉まった状態であれ
ば、S170に進み、S150でスタートしたタイマに
基づき、エンジン始動後一定時間(例えば5分)経過し
たか否かを判断する。そして、一定時間がまだ経過して
いないならばS160に戻るが、一定時間が経過した場
合は、S180に進んでエンジン14を停止し、更にS
190に進んで、盗難防止制御装置40へのエンジン状
態信号の出力をLレベルにする。
【0086】S160で、例えば不正操作にてドアがこ
じ開けられたり、ユーザが正規の手段にてドアロックを
解除したりするなどにより、ドアが開放されていると判
断された場合は、そのままS180に進んでエンジン1
4を停止させ、S190に進む。つまり、リモートエン
ジンスタータ機能によりエンジンを始動した場合、正規
の手段であるか不正手段であるかに関わらず、いずれか
のドアが解放されたときには必ずエンジン14を停止す
るようにしている。
【0087】ところで、上記のように、リモートエンジ
ンスタータ機能によりエンジン14の始動が行われよう
とする場合は、エンジンスタータ13の駆動前に、エン
ジン制御ECU12から盗難防止制御装置40へのエン
ジン状態信号の出力がHレベルとなり、エンジン14が
停止したときに、その出力はLレベルとなる。そして、
盗難防止制御装置40は、このエンジン状態信号に基づ
いて、図5に示す各処理を実行する。図5は、盗難防止
制御装置40が実行するエンジン作動状態記憶・消去処
理を示すフローチャートであり、(a)は盗難防止状態
が「警戒状態」のときに実行されるエンジン作動状態記
憶処理を示すフローチャート、(b)はすべての盗難防
止状態において実行されるエンジン作動状態消去処理を
示すフローチャートである。
【0088】まず、図5(a)に示すエンジン作動状態
記憶処理は、盗難防止状態が「警戒状態」であるときに
実行されるものであり、より詳細には、図6に示す盗難
防止制御処理(詳細は後述)におけるS500の警戒状
態処理の一つとして実行されるものである。この処理が
開始されると、S310にて、エンジン状態信号がHレ
ベルであるか否かが判断され、エンジン14が停止中で
まだLレベルのときはそのままこの処理を終了するが、
エンジン始動によりHレベルになったときは、S320
に進み、「エンジン作動状態」であることを盗難防止状
態記憶装置50に記憶する。
【0089】続くS330で、侵入センサ25及び傾斜
センサ26に対し、検出感度を低下させるために感度
「弱」指示信号を出力して、一旦この処理を終了する。
この処理は、「警戒状態」にある間(図6のS500の
処理が行われる毎に)繰り返し実行される。
【0090】次に、図5(b)に示すエンジン作動状態
消去処理は、盗難防止状態に関わらず常に実行されるも
のであり、より詳細には、図6に示す盗難防止制御処理
におけるS430の無警戒状態処理、S500の警戒状
態処理、S470の警報状態処理の各処理の一つとして
実行されるものである。この処理が開始されると、S3
60にて、エンジン状態信号がLレベルであるか否かが
判断され、エンジン14が作動中でまだHレベルのとき
はそのままこの処理を終了するが、エンジン停止により
Lベルになったときは、S370に進み、盗難防止状態
記憶装置50に記憶されている「エンジン作動状態」で
あることの記憶を消去する。
【0091】続くS380で、侵入センサ25及び傾斜
センサ26に対し、検出感度を通常状態に戻すための感
度「通常」指示信号を出力して、一旦この処理を終了す
る。但し、前述したように侵入センサ25及び傾斜セン
サ26は「警戒状態」のときのみ動作するため、S38
0で感度「通常」指示信号が出力されても、「警報状
態」或いは「無警戒状態」であるときは盗難防止制御装
置40から侵入センサ25及び傾斜センサ26にセンサ
駆動電源は供給されない。このエンジン作動状態消去処
理は、図6のS430、S500、S470の各処理が
行われる毎に繰り返し実行される。
【0092】つまり、盗難防止制御装置40は、「警戒
状態」のとき、リモートエンジンスタータ機能によって
エンジン14が始動されようとしてエンジン制御ECU
12からHレベルのエンジン状態信号が入力されると、
エンジンスタータ13が駆動開始する前に「エンジン作
動状態」であることを盗難防止状態記憶装置50に記憶
すると共に各センサ25,26の感度を低下させるので
ある。「エンジン作動状態」であることの記憶内容は、
エンジン制御ECU12からHレベルのエンジン状態信
号が入力されている間は保持される。
【0093】そして、既述のように盗難防止状態記憶装
置50はEEPROM等の不揮発性メモリにて構成され
ているため、この「エンジン作動状態」の記憶は、バッ
テリ電圧低下等により万一盗難防止制御装置40がリセ
ットされたとしても、リセット前の記憶状態はそのまま
保持される。
【0094】次に、本実施形態の盗難防止制御装置40
にて実行される、盗難防止制御処理について説明する。
CPU41は、初期化(リセット)されてその動作を開
始すると同時に、ROM42から盗難防止制御処理プロ
グラムを読み出し、このプログラムに従って処理を実行
する。
【0095】尚、CPU41がリセットされるのは、例
えば車両製造時に初めてバッテリが接続されてその動作
が開始される場合や、点検等によりバッテリを一旦外し
て再取り付け又は交換する場合などであり、通常の使用
時は、上述のようにCPU41にはバッテリ15から常
時電力供給されているためリセットされることはない。
しかし、エンジン始動の際にスタータを駆動すると、ス
タータ駆動中はバッテリ電圧が急激に低下するおそれが
あり、特にバッテリが弱っているときはそのおそれが大
きい。そのため、スタータによるエンジン始動時に、ク
ランキングによりバッテリ電圧が低下してCPU41へ
供給される電圧がCPU41の動作可能電圧の下限値
(例えば3〜4V)より低くなると、その動作が停止す
る。そして、再びバッテリ電圧が回復してCPU41へ
供給される電圧がCPU41の動作可能電圧の下限値以
上になると、CPU41は初期化されて再びその動作を
開始する(つまり盗難防止制御装置40が動作を開始す
る)。
【0096】図6は、盗難防止制御処理のフローチャー
トである。この処理が開始されると、まずS410に
て、リセット前の盗難防止状態が「無警戒状態」である
か否かを判断する。例えばユーザが正規のキー操作にて
ボンネットを開けてバッテリを着脱操作したことにより
リセットした場合や、正規のキーにてエンジン14を始
動する際のクランキングによりバッテリ電圧が瞬断され
てリセットした場合等は、リセット前は「無警戒状態」
になっており、その状態は盗難防止状態記憶装置50に
記憶されている。そのため、この盗難防止状態記憶装置
50に記憶されている盗難防止状態を読み出すことによ
り、このようにリセット前が「無警戒状態」である場合
は、S410にて肯定判定され、S420に進む。
【0097】S420では、「警戒状態」へ移行する操
作(以降「セット入力」と称す)がなされたか否かを判
定する。本実施形態では、正規のキー操作或いはキーレ
スエントリー操作により全てのドアがロックされ、且つ
トランクリッドやボンネットも閉じた状態になったとき
に、セット入力がなされる。S420で、例えばユーザ
がまだドアをロックしていないこと等によりセット入力
がないときは、S430に進んで無警戒状態処理を実行
する。ここでは、盗難防止状態を「無警戒状態」として
盗難防止状態記憶装置50に記憶するほか、上述したエ
ンジン作動状態消去処理(図5(b)参照)等が実行さ
れ、以降再びS420以下の処理を繰り返す。そして、
例えばユーザが全ドアをロックすることによりセット入
力があった場合には、S420にて肯定判断されてS5
00に進む。
【0098】S500では、警戒状態処理が実行され、
この警戒状態処理として、盗難防止状態を「警戒状態」
として盗難防止状態記憶装置50に記憶するほか、上述
したエンジン作動状態消去処理(図5(b)参照)が実
行されると共に、上述したエンジン作動状態記憶処理
(図5(a)参照)等も実行される。
【0099】つまり、リセット前が「無警戒状態」であ
る場合は、リセット後も引き続き「無警戒状態」が継続
され、セット入力があったときに「警戒状態」に移行す
ることになる。次に、S410にて否定判断された場合
(即ちリセット前が「警戒状態」或いは「警報状態」で
ある場合)は、S440に進む。このように、「警戒状
態」或いは「警報状態」のときにリセットされたという
ことは、ユーザがいない状況においてバッテリ外し等の
何らかの不正操作によりリセットされた可能性が高い。
しかし、リモートエンジンスタータにてユーザが遠隔地
からエンジン14を始動した場合にもエンジン始動時の
クランキングによりリセットされるおそれがあり、その
場合は不正操作が行われたわけではない。
【0100】そのため、すぐに「警報状態」に移行せ
ず、S440で、リセット前にエンジン14が作動中で
あったか否かの判断を行う。このときも、盗難防止状態
記憶装置50の内容を読み出して、「エンジン作動状
態」であることが記憶されているか否かを判断する。リ
セット前にエンジン14が停止している場合は、図5
(b)で示したエンジン作動状態消去処理が実行されて
おり、盗難防止状態記憶装置50には「エンジン作動状
態」であることは記憶されていないため、S440では
否定判定されてS450に進む。
【0101】S450では、例えばユーザが正規のキー
操作或いはキーレスエントリー機能によるキー操作によ
りドアロックを解除することにより「無警戒状態」へ移
行する操作(以下「アンセット入力」と称す)があった
か否かを判断し、アンセット入力がない場合はS460
に進む。S460では、警報状態が一定時間(例えば3
0秒)経過したか否かが判断され、このときはまだリセ
ットにより動作開始した直後であるため、否定判定され
てS470へ進む。
【0102】S470では、警報状態処理が実行され、
この警報状態処理として、盗難防止状態を「警報状態」
として盗難防止状態記憶装置50に記憶すると共に、警
報装置30を作動させて何らかの警報を発生させる。つ
まり、エンジン14の始動が行われたわけではないにも
拘わらずリセットされた場合は、何らかの不正操作が行
われたものと判断して、警報を発生させるものである。
その他、上述したエンジン作動状態消去処理(図5
(b)参照)等も実行される。
【0103】その後、再びS450以下の処理を繰り返
し、ユーザによるアンセット入力がない限り引き続き警
報状態処理が繰り返されて警報が発生し続けることにな
るが、「警報状態」中にアンセット入力があった場合に
は、S450にて肯定判断されてS430へ進み、無警
戒状態処理が実行され、「無警戒状態」に移行する。つ
まり、アンセット入力があったということは、ユーザに
よる正規の操作(ドアロック解除等)がなされたことに
なるため、以降警報を発生し続ける必要がないわけであ
る。また、アンセット入力がない場合でも、「警報状
態」が一定時間(30秒)経過したときは、S460に
て肯定判断されてS500へ進み、警戒状態処理が実行
されて「警戒状態」に移行する。これは、例えばホーン
31を無制限に吹鳴させ続けると、バッテリが上がっ
て、正規のキー操作によるエンジン始動自体が困難にな
ってしまうおそれがあるからである。
【0104】一方、S440においてリセット前にエン
ジン14が作動中であったか否かを判断したとき、肯定
判定された場合(即ちリセット前がエンジン作動中であ
って、盗難防止状態記憶装置50に「エンジン作動状
態」であることが記憶されている場合)は、S480に
進む。尚、このようにS440にて肯定判断されるの
は、既に述べたように、「警戒状態」のときにユーザが
携帯型送信機10からエンジン始動送信データを送信し
てエンジン14を始動させたことにより図5(a)に示
したエンジン作動状態記憶処理が実行された後、エンジ
ン始動時のクランキングにより、バッテリ電圧が一時的
(瞬間的)に低下してCPU31がリセットされるケー
スが考えられる。そしてこの場合は、図5(a)のS3
30の処理によって、各センサ25,26の検出感度は
低下した状態となっている。
【0105】S480では、S450と同様、アンセッ
ト入力があったか否かが判断され、アンセット入力がな
い場合はS490に進む。S490では、盗難検知があ
ったかどうか、即ち盗難検知装置20の各スイッチ及び
各センサからの信号をみて何らかの不正な操作がなされ
てないかどうか(例えばドアが開放されていることを示
す信号がドアカーテシスイッチ22から出力されていた
り、ボンネットが開放されていることを示す信号がエン
ジンフードカーテシスイッチ24から出力されていた
り、或いは侵入センサ25から検知信号が出力されてい
ないかどうか等)を判断する。
【0106】この場合、各センサ25,26による検出
は、検出感度が低下した状態で行われるため、エンジン
14が作動していることに起因して生じる車両振動や電
磁ノイズ、車内空気の流動等の影響を受けて各センサ2
5,26が誤検知してしまうおそれはない。
【0107】そして、不正操作が検出されない場合は、
S500に進んで警戒状態処理を実行する。その後は再
びS480以下の処理を繰り返すが、ユーザによりアン
セット入力があった場合は、S480からS430に進
んで、無警戒状態処理が実行されて「無警戒状態」に移
行する。また、盗難検知装置20にて何らかの不正操作
が検知された場合は、車両が盗難されているものと判断
して、S470へ進み、警報状態処理が実行され、「警
報状態」に移行する。
【0108】尚、図6には示していないものの、例えば
車両製造時に初めてバッテリ15を接続したときのよう
に、リセット後動作を開始したときに盗難防止状態記憶
装置50にいずれの盗難防止状態も記憶されていない場
合は、とりあえず「無警戒状態」に移行する(つまりS
430の処理を実行する)。
【0109】次に、サイレン35の動作について、図7
に基づいて説明する。図7は、サイレン35のCPU8
1にて実行される警告音発生処理を示すフローチャート
である。CPU81は、ROM82に格納された警告音
発生処理プログラムに基づき、この処理を実行する。
【0110】図7に示す如く、まずS610で、エンジ
ン14の作動状態及び車両の盗難防止状態をRAM83
に記憶する。既に説明した通り、CPU81には、車両
の盗難防止状態を示す盗難防止状態信号が盗難防止制御
装置40から入力されると共に、リモートエンジンスタ
ータ機能によってエンジン14を始動しようとする(つ
まり、携帯型送信機10からのエンジン始動送信データ
がエンジン制御ECU12に入力される)と、エンジン
スタータ13の駆動が開始される前に、エンジン制御E
CU12からのHレベルのエンジン状態信号が盗難防止
制御装置40を介して入力される。このようにして入力
された各信号を、RAM83に記憶するのである。
【0111】続くS620では、RAM83の記憶内容
に基づいて車両の盗難防止状態が警戒状態であるか否か
を判断する。警戒状態でなければ再びS610に戻る
が、警戒状態であれば、S630に移行する。S630
では、バッテリ電圧VB が所定の電圧値を下回っていな
いかどうかを判断し、下回っていない場合は、バッテリ
15に対して特に不正操作はなされていないものとして
S610に戻るが、下回っている場合は、何者かによっ
てバッテリ15が外された可能性があるものとして続く
S640に移行する。
【0112】S640では、RAM83の記憶内容に基
づいて、エンジンの作動状態を判断する。このとき、エ
ンジンが作動していることが記憶されていれば、エンジ
ン始動による瞬間的な電圧低下であって不正操作による
電圧低下ではないものとして再びS610に戻るが、エ
ンジンが作動していない場合は、不正操作がなされたも
のと断定して、S650に進み、スピーカSPから警告
音を鳴らす。
【0113】以上詳述したように、上記実施形態では、
リセット前が「警戒状態」又は「警報状態」であってし
かも「エンジン作動状態」ではない場合は、バッテリ外
し等の何らかの不正操作が行われたものと考えられるた
め、警報状態処理を実行するためにS440からS45
0へ進むようにするが、リセット前が「警戒状態」又は
「警報状態」であってしかも「エンジン作動状態」でも
ある場合は、上記のようにユーザがリモートエンジンス
タータ機能にてエンジン始動した場合のバッテリ電圧低
下によるものと考えられるため、「警報状態」とせずに
引き続き「警戒状態」を持続するよう、S440からS
480へ進むようにしている。
【0114】また、「警戒状態」にあるときにリモート
エンジンスタータ機能によってエンジン14が始動しよ
うとしているときは、エンジンスタータ13を駆動する
前に、Hレベルのエンジン状態信号を出力すると共に各
センサ25,26の検出感度も低下させている。そし
て、このHレベルのエンジン状態信号出力及び検出感度
低下は、エンジンスタータ13の駆動中はもちろん、エ
ンジン14が完全に始動した後も、エンジン14が停止
するまでは引き続き継続される。
【0115】従って、本実施形態の車両用盗難防止装置
によれば、起動時に、リセット前の盗難防止状態が警戒
状態又は警報状態であったか否かを判断するとともにリ
モートエンジンスタータ機能によりエンジン14が作動
状態であるか否かも判断し、たとえリセット前が警戒状
態又は警報状態であってもエンジン14が作動状態であ
るなら警報装置30を動作させないため、警戒状態中に
遠隔地からエンジン14を始動させようとしたとき、リ
モートエンジンスタータ機能によるエンジンスタータ1
3の駆動時のクランキングにより、万一バッテリ電圧が
低下して盗難防止制御装置40がリセットされてしまっ
ても、誤って警報が発生されてしまうのを防ぐことがで
きる。
【0116】また、リモートエンジンスタータ機能によ
るエンジン始動中であることを、エンジン制御ECU1
2からのエンジン状態信号を直接見て判断するのではな
く、盗難防止状態記憶装置50に「エンジン作動状態」
であることが記憶されているか否かをみることにより判
断するため、Hレベルのエンジン状態信号が一度でも検
出されたら、「エンジン作動状態」であることが盗難防
止状態記憶装置50に記憶され、消去する旨の操作(L
レベルのエンジン状態信号)がなされない限りその記憶
は保持され続ける。そのため、盗難防止制御装置40が
リセットされて再起動したとき、盗難防止状態記憶装置
50に記憶されている内容をみれば、リセット前のエン
ジン14の状態を確実に知ることができるため、起動直
後にエンジン状態信号をうまく受信できないこと等によ
りエンジン14の状態を誤判断するおそれがなく、より
確実に警報の誤発生を防ぐことができる。
【0117】しかも、「エンジン作動状態」であること
の記憶を、エンジン14が完全に始動してからも保持
し、エンジン14が停止するまでは消去しないため、エ
ンジン14が完全に始動した後に電磁ノイズの混入等に
よって盗難防止制御装置40がリセットされてしまって
も、再び起動したときに盗難防止状態記憶装置50の内
容をみれば、リセット前の状態(「エンジン作動状態」
であること)が記憶されているため、誤って警報が発せ
られてしまうおそれがなくなり、より信頼性の高い盗難
防止装置を提供することができる。
【0118】更に、警戒状態のときにリモートエンジン
スタータ機能によりエンジン14が始動されてから停止
するまでの間は、各センサ25,26の検出感度が低下
しているため、エンジンスタータ13の駆動やエンジン
14の通常のアイドリングによって生じる、車両振動、
電磁ノイズ発生、車内空気の流動等の影響によって各セ
ンサ25,26が誤検知してしまうおそれはない。
【0119】更にまた、本実施形態のサイレン35は、
バッテリ外し等の不正な行為によってバッテリ15から
入力されるバッテリ電圧VB が所定の電圧値を下回って
も、リモートエンジンスタータ機能によってエンジン1
4が作動していれば警告音を発生しないようにしている
ため、エンジンスタータ13駆動時のバッテリ電圧VB
低下によって誤って警告音が発生することはない。
【0120】ここで、本実施形態の構成要素と本発明の
構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態におい
て、エンジン制御ECU12は本発明のリモート始動制
御装置に相当し、盗難防止状態記憶装置50は本発明の
動作状態記憶手段及び原動機作動状態記憶手段に相当
し、警報装置30は本発明の警報発生手段に相当し、盗
難防止制御装置40は、本発明の動作状態設定手段、通
常時警報制御手段、起動時警報制御手段、起動時警報動
作禁止手段、原動機状態監視手段、検出感度低下手段、
及び警報制御手段に相当する。
【0121】また、サイレン35につき、RAM83は
本発明の内蔵補助記憶手段に相当し、CPU81は本発
明の第1記憶制御手段及び警告音発生禁止手段に相当
し、CPU81及びスピーカSPにより本発明の警告手
段が構成される。そして、図7の警告音発生処理におい
て、S610の処理は本発明の第1記憶制御手段が実行
する処理に相当し、S630及びS650の処理は本発
明の警告手段が実行する処理に相当し、S640の処理
は本発明の警告音発生禁止手段が実行する処理に相当す
る。
【0122】更に、図4のリモートエンジン始動処理に
おけるS120〜S140の処理は本発明のリモート始
動制御装置が実行する処理に相当し、図5のエンジン作
動状態記憶・消去処理において、S310〜S320の
処理は本発明の原動機状態監視手段が実行する処理に相
当し、S330の処理は本発明の検出感度低下手段が実
行する処置に相当し、図6の盗難防止制御処理におい
て、S410の判断処理は本発明の起動時警報制御手段
が実行する処理に相当し、S440の判断処理は本発明
の起動時警報動作禁止手段が実行する処理に相当し、S
490の判断処理は本発明の通常時警報制御手段及び警
報制御手段が実行する処理に相当し、S430,S50
0,S470の処理の一つである盗難防止状態の記憶処
理は本発明の動作状態設定手段が実行する処理に相当す
る。[第2実施形態]図8は、本実施形態の車両用盗難
防止装置の全体構成を示す概略ブロック図である。この
車両用盗難防止装置は、侵入センサ91,傾斜センサ9
2,サイレン93,盗難防止制御装置90の構成が、そ
れぞれ第1実施形態の侵入センサ25,傾斜センサ2
6,サイレン35,盗難防止制御装置40の構成と若干
異なっていること、及び、エンジン制御ECU12から
のエンジン状態信号が、各センサ91,92とサイレン
93にも直接入力されていることを除き、第1実施形態
の車両用盗難防止装置(図1参照)と全く同じ構成であ
る。そのため、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符
号を付し、その説明を省略する。
【0123】本実施形態の侵入センサ91は、基本的に
は図2の侵入センサ25と同じ構成であるため、図2を
適宜参照しつつ説明する。そして、第1実施形態の侵入
センサ25と相違しているのは、第1実施形態では盗難
防止制御装置40から感度「弱」指示信号及び感度「通
常」指示信号がポートP1へ入力されたのに対し、本実
施形態では、エンジン制御ECU12からのエンジン状
態信号がポートP1に入力される。
【0124】つまり、本実施形態の盗難防止制御装置9
0からは、各センサ91,92の検出感度を低下させる
(或いは通常に戻す)旨の指示を出さず、各センサ9
1,92自身がその検出感度を低下等するのである。そ
のため、本実施形態の車両用盗難防止装置でも、図4〜
7で説明した各処理を実行するが、図5におけるS33
0及びS380の処理は実行しない。尚、各センサ9
1,92は、第1実施形態の各センサ25,26と同
様、車両の盗難防止状態が警戒状態にあるときのみ、盗
難防止制御装置90からセンサ駆動電源が供給されて動
作する。
【0125】図9に、侵入センサ91にて実行される侵
入検出処理のフローチャートを示す。侵入センサ91
は、この侵入検出処理を所定の周期で繰り返し実行す
る。図9に示す如く、まずS710にて、エンジン制御
ECU12から直接入力されているエンジン状態信号が
Hレベルであるか否かを判断する。このとき、Lレベル
(つまりエンジン14は作動していない)場合は、S7
30に進んで最大許容差Sを通常値のS0 に設定する
が、Hレベル(つまりリモートエンジンスタータ機能に
よりエンジン14がその動作を開始しようとしている
か、或いは既に作動している)場合は、S720に進ん
で、最大許容差SをS0 より大きいS1に設定する。こ
のように、最大許容差Sを通常値のS0 より大きくする
ことで、検出感度の低下を実現しているのである。
【0126】S740では、超音波送信周波数と超音波
受信周波数の差分fを算出し、続くS750では、この
差分fと予め設定された基準値fTHとの差Δfを算出す
る。そして、S760にてΔfと最大許容差Sとを比較
し、Δf≦Sであれば、侵入なしとしてそのままこの処
理を終了するが、Δf>Sであれば、何者かが侵入した
ものとして、盗難防止制御装置90へ検知信号を出力す
る(S770)。尚、第1実施形態では説明しなかった
ものの、第1実施形態の侵入センサ25においても、図
9と同様の処理が実行される。但しその場合、S710
では、盗難防止制御装置40から感度「弱」指示信号が
あったか否かを判断することになる。
【0127】傾斜センサ92における検出感度低下につ
いても同様であり、入力されているエンジン状態信号が
Hレベルになったときに、例えば異常であるか否かを判
断するための傾斜角度のしきい値θを通常時より大きく
設定する等の種々の手法により、検出感度を低下させれ
ばよい。
【0128】サイレン93については、CPU81への
エンジン状態信号がエンジン制御ECU12から直接入
力されていること以外は第1実施形態のサイレン35
(図3参照)と全く同じ構成であり、図7で説明した警
告音発生処理も実行する。以上説明したように、本実施
形態における各センサ91,92の検出感度低下は、盗
難防止制御装置90がエンジン制御ECU12からのエ
ンジン状態信号に基づいて各センサ91,92に感度
「弱」指示信号を出力するのではなく、各センサ91,
92がそれぞれ独自にエンジン制御ECU12からのエ
ンジン状態信号を取り込んで、それに基づいて検出感度
を低下させる。従って、本実施形態の車両用盗難防止装
置も、第1実施形態の車両用盗難防止装置と同等の作用
・効果を奏する。
【0129】本実施形態では、侵入センサ91が備える
CPU(図示せず)が本発明の検出感度低下手段に相当
する。また、図9の侵入検出処理において、S710〜
S720の処理は、本発明の検出感度低下手段が実行す
る処理に相当する。尚、本発明の実施の形態は、上記各
実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術
的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうま
でもない。
【0130】例えば、上記第1実施形態では、警戒状態
中にリモートエンジンスタータ機能によってエンジン1
4を始動する際の、各センサ25,26の誤検出を防止
するために、リモートエンジンスタータ機能によりエン
ジン14を始動しようとしたときからエンジン14が停
止するまでの間、各センサ25,26の検出感度を低下
させるようにしたが、これに限らず例えば、各センサ2
5,26の検出感度を低下させる代わりに、盗難防止制
御装置40が各センサ25,26からの検知信号を受け
付けないようにしてもいい。
【0131】このようにするためには、図5(a)に示
した、警戒状態中に実行(詳細には図6の盗難防止制御
処理におけるS500の警戒状態処理の一つとして実
行)されるエンジン作動状態記憶処理を、図10(a)
に示す処理に変更すると共に、図5(b)に示した、全
ての盗難防止状態で実行(詳細には図6の盗難防止制御
処理におけるS430,S470,S500の各処理の
一つとして実行)されるエンジン作動状態消去処理を、
図10(b)に示す処理に変更すればいい。
【0132】即ち、図10(a)の処理は、S310〜
S320の処理は図5(a)と全く同じであるが、S3
20の後は、各センサ25,26に対して感度「弱」指
示信号を出力するのではなく、各センサ25,26から
の検知信号の受付を禁止する(S810)。つまり、検
知信号が入力されてもそれを無効にするのである。ま
た、図10(b)の処理も、S360〜S370の処理
は図5(b)と全く同じであるが、S370の後は、各
センサ25,26に対して感度「通常」指示信号を出力
するのではなく、各センサ25,26からの検知信号の
受付を許可することによって、通常の状態(検知信号が
あれば異常とみて警報する)に戻すのである。(S86
0)。
【0133】但しこの場合、図6の盗難防止制御処理に
おけるS490の処理では、単に各センサ25,26か
ら検知信号があったことのみをもって不正操作がなされ
たものと判断(S470へ移行)するのではなく、その
ときに検知信号の受付が許可されているか否かというこ
とも含めて判断する必要がある。つまり、各センサ2
5,26から検知信号が入力されたとき、受付が許可さ
れていればS470の警報状態処理に移行すればいい
が、受付が禁止されている場合は、S500に進むので
ある。
【0134】このようにしても、上記第1実施形態と同
様、警戒状態のときにリモートエンジンスタータ機能に
よりエンジン14が始動されてから停止するまでの間に
車両振動、電磁ノイズ発生、車内空気の流動等の影響に
よって誤警報されるおそれがなく、信頼性の高い盗難防
止装置の提供が可能となる。尚、この場合、S810の
処理は、本発明(請求項7,8)の通常時警報制御手段
及び本発明(請求項11,12)の警報制御手段が実行
する処理に相当する。
【0135】また、上記各実施形態ではエンジン制御E
CU12からエンジン状態信号が常時出力(H又はLレ
ベル)される構成としたが、例えばエンジン14が作動
中のときのみ信号を出力するようにしてもよく、また、
例えば盗難防止制御装置がリセットされる毎に、盗難防
止制御装置からエンジン制御ECU12へ信号を出力
し、エンジン制御ECU12はエンジン14が作動中の
ときのみ、盗難防止制御装置に対する応答を行うことに
より、エンジン14が作動中であることを盗難防止制御
装置に知らせるようにしてもよい。
【0136】更に、盗難防止状態記憶装置50を、上記
各実施形態のように盗難防止制御装置とは別に設けるの
でなく、盗難防止制御装置の内部に例えばEEPROM
等の不揮発性メモリを別途設け、これを盗難防止状態記
憶装置50として使用することにより、盗難防止状態記
憶装置50を盗難防止制御装置に内蔵した構成にしても
よい。
【0137】更にまた、盗難検知装置20は上記実施形
態の各スイッチ21〜24及び各センサ25,26に限
らず、他の操作によっても検知できるようにしたり、警
報装置30による警報発生も、例えば燃料カットや点火
カットによるエンジン始動不能状態に設定するなど、あ
らゆる方法で検知或いは警報することができる。
【0138】また、サイレン35については、バッテリ
電圧VB が所定の電圧値を下回ったときに警告音を鳴ら
すものとして説明したが、バッテリ電圧VB 低下時のみ
に限らず、各センサ25,26や各スイッチ21〜24
によって不正操作が検出されて警報装置30が動作する
際にも、併せて警告音も鳴らすように構成してもいい。
【0139】更に、上記各実施形態では、侵入センサ2
5として、超音波センサを用いたが、例えば電波あるい
は赤外線等を用いるなど、その種類は特に限定されず、
不正者の侵入を検出できるものであって検出感度を所望
の感度に低下できるものであれば何でも良い。
【0140】そして、上記各実施形態の車両用盗難防止
装置は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを原動
機とする一般的な自動車はもちろん、例えばハイブリッ
ド型自動車や電気自動車、或いは2輪車など、原動機に
より駆動してしかも原動機始動をリモートスタータ機能
にて遠隔地から可能であるあらゆる車両に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用された第1実施形態の車両用盗
難防止装置の全体構成を示す概略ブロック図である。
【図2】 侵入センサの概略構成を示す説明図である。
【図3】 サイレンの概略構成を示す説明図である。
【図4】 本実施形態のリモートエンジン始動処理のフ
ローチャートである。
【図5】 第1本実施形態のエンジン作動状態記憶・消
去処理を示すフローチャートである。
【図6】 第1実施形態の盗難防止制御処理のフローチ
ャートである。
【図7】 サイレンにて実行される警告音発生処理を示
すフローチャートである。
【図8】 第2実施形態の車両用盗難防止装置の全体構
成を示す概略ブロック図である。
【図9】 第2実施形態の侵入センサにて実行される侵
入検出処理を示すフローチャートである。
【図10】 第1実施形態のエンジン作動状態記憶・消
去処理の、他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…携帯型送信機、11…受信機、12…エンジン制
御ECU、13…エンジンスタータ、14…エンジン、
15…バッテリ、16…アンテナ、20…盗難検知装
置、21…ドアロックポジションスイッチ、22…ドア
カーテシスイッチ、23…ラゲージカーテシスイッチ、
24…エンジンフードカーテシスイッチ、25,91…
侵入センサ、26,92…傾斜センサ、30…警報装
置、31…ホーン、32…ハザードランプ、33…テー
ルランプ、34…ヘッドランプ、35,93…サイレ
ン、40,90…盗難防止制御装置、41,73,81
…CPU、42,74,82…ROM、43,75,8
3…RAM、44,76…電源回路、50…盗難防止状
態記憶装置、61…キーシリンダ、62…イグニション
スイッチ、63…通常スタータ電源ライン、64…リモ
ートスタータ電源ライン、71…送信部、72…受信
部、84…内蔵バッテリ、SP…スピーカ、R1…プル
アップ抵抗、TR…トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B60R 25/04 608 B60R 25/04 608 G08B 13/00 G08B 13/00 B (72)発明者 後藤 祥文 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (56)参考文献 特開 平10−16712(JP,A) 米国特許5900806(US,A) 英国特許出願公開2294769(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 25/00 - 25/10

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部の送信機から送信される始動指令に
    従って原動機を始動させるリモート始動制御装置を備え
    た車両に設けられ、電源から所定の動作電圧が供給され
    ることにより初期化されて動作を開始する盗難防止装置
    であって、 ユーザによる操作に応じて当該装置の動作状態を警戒状
    態又は無警戒状態のいずれかにし、該動作状態を動作状
    態記憶手段に記憶する動作状態設定手段と、 車両に対する不正操作を周囲に報知するための警報発生
    手段と、 前記動作状態が前記警戒状態であるとき、所定の不正操
    作がなされた場合に前記警報発生手段を動作させる通常
    時警報制御手段と、 当該装置の起動時に、前記動作状態記憶手段に記憶され
    ている初期化前の前記動作状態を読み込み、該動作状態
    が前記警戒状態である場合は、前記警報発生手段を動作
    させる起動時警報制御手段とを備え、更に、 前記起動時に、前記リモート始動制御装置が動作中であ
    るか否かを判断し、動作中であると判断したならば、前
    記起動時警報制御手段が前記警報発生手段を動作させる
    のを禁止する起動時警報動作禁止手段を備えたことを特
    徴とする車両用盗難防止装置。
  2. 【請求項2】 前記起動時警報動作禁止手段は、前記起
    動時に、前記リモート始動制御装置が動作を終了してい
    ても、該リモート始動制御装置の動作によって前記原動
    機が作動していれば、前記起動時警報制御手段が前記警
    報発生手段を動作させるのを禁止することを特徴とする
    請求項1記載の車両用盗難防止装置。
  3. 【請求項3】 前記動作状態が前記警戒状態のときに、
    前記リモート始動制御装置が動作中であるか否かを判断
    し、動作中であると判断したならば、前記原動機が作動
    状態であることを原動機作動状態記憶手段に記憶する原
    動機状態監視手段を備え、 前記起動時警報動作禁止手段は、前記原動機作動状態記
    憶手段に記憶されている内容に基づいて、前記リモート
    始動制御装置が動作中であるか否かを判断することを特
    徴とする請求項1記載の車両用盗難防止装置。
  4. 【請求項4】 前記原動機状態監視手段は、前記原動機
    が作動状態であることを一旦記憶したら、その記憶を前
    記原動機が停止するまで保持することを特徴とする請求
    項3記載の車両用盗難防止装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の車両用盗
    難防止装置であって、更に、 前記動作状態設定手段により設定された当該装置の動作
    状態を内蔵補助記憶手段に記憶する第1記憶制御手段
    と、 前記内蔵補助記憶手段に記憶されている当該装置の動作
    状態が警戒状態であるときに、前記動作電圧が所定の電
    圧値を下回ったか否かを判断し、下回ったと判断された
    とき、所定の警告音を鳴らす警告手段と、 前記リモート始動制御装置が動作中であるか否かを判断
    し、動作中であると判断したならば、前記警告手段が前
    記警告音を鳴らすのを禁止する警告音発生禁止手段と、 からなり、専用の内蔵補助電源によって動作する、警告
    音発生装置を備えていることを特徴とする車両用盗難防
    止装置。
  6. 【請求項6】 車両に対する不正操作を検出するための
    不正検出センサを備え、 前記通常時警報制御手段は、前記不正検出センサにて不
    正操作が検出されたとき、所定の不正操作がなされたも
    のと判断し、 更に、前記リモート始動制御装置が動作中であるか否か
    を判断し、動作中であると判断したならば、前記不正検
    出センサが不正操作を検出する際の検出感度を低下させ
    る検出感度低下手段を備えたことを特徴とする請求項1
    〜5いずれかに記載の車両用盗難防止装置。
  7. 【請求項7】 車両に対する不正操作を検出するための
    不正検出センサを備え、 前記通常時警報制御手段は、前記不正検出センサにて不
    正操作が検出されたとき、所定の不正操作がなされたも
    のと判断し、 更に、前記通常時警報制御手段は、前記リモート始動制
    御装置が動作中であるか否かを判断し、動作中であると
    判断したならば、前記不正検出センサが不正操作を検出
    しても前記警報発生手段を動作させないようにすること
    を特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の車両用盗難
    防止装置。
  8. 【請求項8】 前記通常時警報制御手段は、前記リモー
    ト始動制御装置が動作を終了していても、該リモート始
    動制御装置の動作によって前記原動機が作動している間
    は、引き続き、前記不正検出センサが不正操作を検出し
    ても前記警報発生手段を動作させないようにすることを
    特徴とする請求項7記載の車両用盗難防止装置。
  9. 【請求項9】 外部の送信機から送信される始動指令に
    従って原動機を始動させるリモート始動制御装置を備え
    た車両に設けられた盗難防止装置であって、 ユーザによる操作に応じて当該装置の動作状態を警戒状
    態又は無警戒状態のいずれかにし、該動作状態を動作状
    態記憶手段に記憶する動作状態設定手段と、 車両に対する不正操作を検出する不正検出センサと、 車両に対する不正操作を周囲に報知するための警報発生
    手段と、 前記動作状態が前記警戒状態であるとき、前記不正検出
    センサにより不正操作が検出された場合に、前記警報発
    生手段を動作させる警報制御手段と、 を備え、更に、 前記リモート始動制御装置が動作中であるか否かを判断
    し、動作中であると判断したならば、前記不正検出セン
    サが不正操作を検出する際の検出感度を低下させる検出
    感度低下手段を備えると共に、この検出感度低下手段
    は、前記リモート始動制御装置が動作を終了していて
    も、該リモート始動制御装置の動作によって前記原動機
    が作動している間は、引き続き、前記検出感度を低下さ
    せることを特徴とする車両用盗難防止装置。
  10. 【請求項10】 外部の送信機から送信される始動指令
    に従って原動機を始動させるリモート始動制御装置を備
    えた車両に設けられた盗難防止装置であって、 ユーザによる操作に応じて当該装置の動作状態を警戒状
    態又は無警戒状態のいずれかにし、該動作状態を動作状
    態記憶手段に記憶する動作状態設定手段と、 車両に対する不正操作を検出する不正検出センサと、 車両に対する不正操作を周囲に報知するための警報発生
    手段と、 前記動作状態が前記警戒状態であるとき、前記不正検出
    センサにより不正操作が検出された場合に、前記警報発
    生手段を動作させる警報制御手段と、 を備え、更に、 前記警報制御手段は、前記リモート始動制御装置が動作
    中であるか否かを判断し、動作中であると判断したなら
    ば、前記不正検出センサが不正操作を検出しても前記警
    報発生手段を動作させないようにすると共に、前記リモ
    ート始動制御装置が動作を終了していても、該リモート
    始動制御装置の動作によって前記原動機が作動している
    間は、引き続き、前記不正検出センサが不正操作を検出
    しても前記警報発生手段を動作させないようにすること
    を特徴とする車両用盗難防止装置。
  11. 【請求項11】 前記不正検出センサとして、少なくと
    も、車両内部に侵入しようとする者を検出する侵入セン
    サを備えていることを特徴とする請求項6〜10いずれ
    かに記載の車両用盗難防止装置。
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