JP3503521B2 - 鍛造用素材の成形方法、成形装置、並びに上記素材を用いた鍛造部材の製造方法 - Google Patents

鍛造用素材の成形方法、成形装置、並びに上記素材を用いた鍛造部材の製造方法

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JP3503521B2 JP09193299A JP9193299A JP3503521B2 JP 3503521 B2 JP3503521 B2 JP 3503521B2 JP 09193299 A JP09193299 A JP 09193299A JP 9193299 A JP9193299 A JP 9193299A JP 3503521 B2 JP3503521 B2 JP 3503521B2
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
    • B22D17/007Semi-solid pressure die casting

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、軽金属製の鍛造
部材を得るための鍛造加工に素材として供される鍛造用
材の成形方法、成形装置、並びに上記素材を用いた鍛
造加工で得られる鍛造部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばマグネシウム(以下、適
宜、その元素記号Mgで表示する。)及びその合金ある
いはアルミニウム(以下、適宜、その元素記号Alで表
示する。)及びその合金などの軽金属を材料とした軽金
属製部材を製造する方法としては、鋳造法をベースにし
たものが最も一般的である。この鋳造法の一種として、
軽金属溶湯を高圧で鋳型内へ注入充填することにより鋳
造プロセスの高速化を実現し、その生産性の大幅な向上
を図ることができるようにした、所謂、ダイキャスト法
は、従来から良く知られている。また、軽金属溶湯をそ
の融点以上の完全溶融状態で鋳型内に注入充填する通常
の溶解鋳造法に対して、軽金属溶湯を(基本的にはその
融点未満の)半溶融状態で鋳型内に注入充填するように
した半溶融鋳造法も公知である。
【0003】更に、近年では、特にМg及びその合金等
について、射出成形法を用いた軽金属製部材の製造方法
が実用化されつつある。この方法は、溶融状態の軽金属
溶湯を射出成形装置を用いてその射出ノズルから成形型
の成形キャビティ内に射出充填するもので、鋳造法に比
して短いサイクルタイムで効率良く成形品(軽金属製部
材)を製造することができる。また、この射出成形法
は、例えばダイキャスト法などの鋳造法に比べた場合、
作業環境面では比較的クリーン(清浄)で安全性もより
高く、また、品質面においても、引け巣などの欠陥が少
なく、かつ高精度で均質な軽金属成形品を得ることがで
きるプロセスとして知られている。この射出成形法にお
いても、軽金属溶湯を(基本的にはその融点未満の)半
溶融状態にして射出ノズルから成形キャビティ内に射出
充填するようにした、所謂、半溶融射出成形方法が知ら
れている(例えば、特公平2−15620号公報参
照)。
【0004】上記射出成形法においてのみならず鋳造法
においても、半溶融状態の金属溶湯を用いた場合、溶湯
温度(以下、完全に溶融した状態ではなく半溶融状態の
ものであっても「溶湯」と称する。)が低いので、所謂
「バリ」が出にくくなり高速および/または高圧での射
出にも適しており、生産性の向上を図る上でも有利とな
る。更に、金属溶湯を半溶融状態として成形キャビティ
に充填することにより、完全に溶解した液相部分中に未
溶解の固相部分が混在した溶湯がそのまま充填されるの
で、層流に近い状態で充填されるようになり、ガスの巻
き込みが比較的少なくて済み、比較的均質な組織が得ら
れる。これにより、得られた部材全体としての機械的特
性を高めることが可能になる。
【0005】尚、本明細書において、「固相」とは「軽
金属溶湯が半溶融状態である場合において溶融されずに
固体状態を維持している部分」を言い、また、「液相」
とは「完全に溶融されて液体状態となっている部分」を
言う。上記「固相」は、得られた軽金属製部材の凝固組
織を観察することにより、「半溶融の金属溶湯状態で溶
融されずに固体状態を維持していた部分」として、「半
溶融の金属溶湯状態で完全に溶融されて液体状態となっ
ていた」液相部分とは、容易に識別することができる。
得られた部材について「固相」という場合は、「半溶融
の軽金属溶湯状態で溶融されずに固体状態を維持してい
た(固相であった)部分」を言う。また、本明細書にお
いて、「固相率」とは、「半溶融状態の金属溶湯におい
て溶湯全体(固相+液相)に対する固相の割合」を言
い、射出後の成形品の凝固組織を観察することにより、
観察領域全体に対する「固相」であった部分の割合(面
積比率)として、数値的に求めることができる。
【0006】更に、本明細書において、軽金属溶湯につ
いて「半溶融状態」とは、基本的には、「固体状態の原
料(固相)と溶融して液体状態となった原料(液相)と
が共存している状態」を言い、通常、原料をその融点未
満に加熱することによって得られる状態である。但し、
軽金属溶湯の温度が実質的にその融点もしくは融点直上
で、固相率が実質的に0(零)%に等しい場合も、この
「半溶融状態」に含まれるものとする。尚、軽金属溶湯
自体がこのような実質的に固相率0%の場合でも、例え
ば半溶融射出成形法において現実の射出成形工程を考え
れば、射出ノズルから型内への1回(1ショット)の射
出が終って次回(次ショット)の射出が行われるまでの
間に、射出ノズルの溶湯供給経路内の金属溶湯が冷やさ
れてノズル先端側に凝固部分(所謂、コールドプラグ)
や固相率の高い高固相部分が生じるので、実際に成形キ
ャビティ内に射出される軽金属溶湯には、不可避的に固
相部分が含まれることになる。
【0007】一方、上述の鋳造法や射出成形法に比して
より高強度の軽金属製部材を得ることが求められる場合
には、最も一般的には鍛造法が採用される。また、この
鍛造法で軽金属製部材を製造する製造法の一種として、
例えば特開平6−297127号公報に開示されている
ように、鍛造加工に先立って鋳造法によりその鍛造加工
に適した素材(鍛造用素材)を成形し、この素材を所定
の鍛造型にセットして鍛造加工を行うようにした、所
謂、鋳造鍛造法が知られている。
【0008】この鋳造鍛造法によれば、鋳造(素材)段
階で鍛造加工による完成品(鍛造部材)の形状に比較的
近似した半製品形状に成形することができる。これによ
り、鍛造工程を仕上鍛造の1工程のみに簡略化すること
が可能になり、また、複雑な形状の部材でも鍛造できる
ようになる。更に、鍛造性の余り良くない材料でも支障
無く鍛造加工を行えるように素材の組織を調整すること
も可能になる。尚、この鋳造鍛造法における鍛造用素材
の成形を、鋳造法の代わりに射出成形法で行うこともで
きる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この鋳
造鍛造法における鋳造工程(鍛造用素材成形工程)にお
いて、溶湯充填時などにエアを含むガスが巻き込まれる
場合があり、かかるガスが巻き込まれて内在した状態で
凝固すると鋳造品内部にガス欠陥として残存することに
なる。特に、この鍛造用素材成形工程にダイキャスト鋳
造等の高速・高圧充填が可能な鋳造プロセスを用いた場
合には、上記のようなガス欠陥がより生じ易く、問題が
一層顕著なものとなる。このような、ガス欠陥や所謂
「引け巣」等の欠陥は、鋳造あるいは射出成形のみによ
る製造工程で完全に無くすことは極めて困難である。特
に、厚肉部材の場合、中心部での凝固速度が低くなるの
で、中心部およびその近傍での結晶粒径が大きくなり、
十分な強度を得ることはより難しくなる。
【0010】上述の半溶融射出成形法の場合、一般に、
固相率を高めることによってガス欠陥や引け巣等の欠陥
を低減することができるのであるが、この場合において
も、欠陥を完全に無くすることは難しく、また、欠陥量
が同じであれば、固相率が高いほど却って強度が低下す
ることが知られている。従って、単に固相率を高く設定
するだけでは、部材強度を大幅に高めることは余り期待
できない。
【0011】以上のように、鋳造あるいは射出成形で得
られた素材(鍛造用素材)には、不可避的にある程度の
欠陥が内包されていると考えられるのであるが、この素
材内の欠陥量が多い場合には、鍛造時の割れ発生の原因
となるので鍛造率を余り高く設定することができず、ま
た、鍛造によって欠陥を完全に潰すことも難しくなるた
め、鍛造による十分な部材強度の向上効果を得ることは
できない。特に、鍛造型で形成される鍛造成形空間が完
全には閉塞されておらず、鍛造用素材の少なくとも一部
が鍛造型によって拘束されずフリーに塑性変形し得るよ
うになった、所謂、非閉塞鍛造法の場合には、鍛造工程
で欠陥を完全に潰すことはより困難である。また、鋳造
あるいは射出成形で得られた素材を鍛造加工する場合、
素材内の欠陥量の如何に拘わらず、その鍛造条件を適正
に設定しなければ、内在する欠陥量をある程度低減でき
るものの、欠陥が部材内部に残存し、やはり十分な部材
強度の向上効果を得ることはできない。
【0012】この発明は、上記諸問題に鑑みてなされた
もので、鋳造条件あるいは射出成形条件を適正に設定す
ることによって欠陥の少ない高品質な軽合金製の鍛造用
素材を提供し、また、鍛造条件を適正に設定することに
よって強度特性に優れた健全な軽合金製の鍛造部材を得
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記の
技術的課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、素材(鍛造
用素材)段階での相対密度(理論密度に対する実際の密
度を百分率(%)で表した値)を一定以上に設定すること
により、この素材を用いた鍛造加工で得られる鍛造部材
の相対密度を非常に高い値に安定して確保できること、
また、半溶融射出成形においては、成形型のゲート断面
積や溶湯のゲート通過速度さらには成形キャビティの容
積や最大断面積などの諸要素を適正に設定することによ
り、得られる成形品(鍛造用素材)の相対密度を有効に
高め欠陥量を低減せしめ得ることを見出した。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】そこで、本願の請求項1の発明(以下、
の発明という)に係る鍛造用素材の成形方法は、軽金
属製の鍛造部材を得るための鍛造加工に素材として供さ
れる鍛造用素材を成形するに際し、軽金属溶湯を半溶融
状態で成形型の成形キャビティ内に射出充填する半溶融
射出成形法で成形する鍛造用素材の成形方法であって、
ゲート断面積Sgと、溶湯流入方向に対して略垂直な方
向における上記成形キャビティの最大断面積Swの比S
g/Swを0.02以上に設定するとともに、溶湯のゲ
ート通過速度Vgを80[m/s]以下に設定し、且
つ、該ゲート通過速度Vg[mm/s]とゲート断面積
Sg[mm 2 ]と成形キャビティの容積Wv[mm 3 ]と
の関係を、Vg・Sg/Wv≧10に設定して成形する
ことを特徴としたものである。
【0020】ここに、ゲート断面積Sgの上記成形キャ
ビティの最大断面積Swに対する比Sg/Swの値を
0.02以上としたのは、固相率が非常に低い場合(特
に、固相率が0%の完全溶融状態)を想定しても、この
比の値が0.02以上であれば、相対密度が90%以上
の鍛造用素材を得ることができるからである。また、溶
湯のゲート通過速度Vgの上限値を80[m/s]とし
たのは、溶湯のゲート通過速度Vgをこの値未満に抑え
ることにより、厚肉の鍛造用素材を成形する場合でも、
相対密度が90%以上のものをより安定して得ることが
できるからである。更に、上記Vg・Sg/Wvの値を
10以上に設定するようにしたのは、この値が10以上
に保つことにより、厚肉の鍛造用素材を成形する場合に
おいても、充填不良が生じる惧れを無くすることができ
るからである。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記
ゲート断面積Sgと成形キャビティの最大断面積Swの
比Sg/Swを0.1以上に設定することを特徴とした
ものである。
【0026】ここに、上記ゲート断面積Sgと成形キャ
ビティの最大断面積Swの比Sg/Swを0.1以上と
したのは、この比の値を0.1以上に維持することによ
り、厚肉の鍛造用素材を成形する場合でも、相対密度が
90%以上のものをより安定して得ることができるから
である。
【0027】
【0028】
【0029】に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3の発明という)は、上記第1又は第2の発明におい
て、成形型の温度を150℃以上で350℃未満に保持
して成形することを特徴としたものである。
【0030】ここに、成形型の温度(型温)の下限値を
150℃としたのは、型温がこの値未満の場合には、相
対密度が90%以上の鍛造用素材を安定して得ることが
難しいからであり、また、型温の上限値を350℃とし
たのは、型温がこの値を越えると、過度に「バリ」が発
生する、あるいは成形型の型合わせ面から溶湯が漏れ易
くなる、などの不具合を招く惧れがあるからである。
【0031】また、更に、本願の請求項4の発明(以
下、第4の発明という)に係る鍛造用素材の成形装置
は、軽金属溶湯を半溶融状態で射出ノズルから成形型の
成形キャビティ内に射出充填して軽金属製の鍛造用素材
を得る成形装置であって、ゲート断面積Sgと、溶湯流
入方向に対して略垂直な方向における上記成形キャビテ
ィの最大断面積Swの比Sg/Swが0.02以上に設
定されるとともに、溶湯のゲート通過速度Vgが80
[m/s]以下に設定され、且つ、該ゲート通過速度V
g[mm/s]とゲート断面積Sg[mm 2 ]と成形キ
ャビティの容積Wv[mm 3 ]との関係が、Vg・Sg
/Wv≧10に設定されていることを特徴としたもので
ある。ここに、ゲート断面積Sgの上記成形キャビティ
の最大断面積Swに対する比Sg/Swの値を0.02
以上とし、また、溶湯のゲート通過速度Vgの上限値を
80[m/s]とし、更に、上記Vg・Sg/Wvの値
を10以上に設定するようにしたのは、第1の発明にお
ける場合と同様の理由による。
【0032】
【0033】
【0034】また、更に、本願の請求項5に係る発明
(以下、第5の発明という)は、上記第4の発明におい
て、上記ゲート断面積Sgと成形キャビティの最大断面
積Swの比Sg/Swが0.1以上に設定されているこ
とを特徴としたものである。ここに、上記ゲート断面積
Sgと成形キャビティの最大断面積Swの比Sg/Sw
を0.1以上としたのは、第2の発明における場合と同
様の理由による。
【0035】
【0036】また、更に、本願の請求項6に係る発明
(以下、第6の発明という)は、上記第5又は第6の発明
において、成形型の温度を150℃以上で350℃未満
に保持して成形することを特徴としたものである。ここ
に、成形型の温度(型温)の下限値を150℃とし、ま
た上限値を350℃としたのは、第3の発明における場
合と同様の理由による。
【0037】また、更に、本願の請求項7の発明(以
下、第7の発明という)に係る鍛造部材の製造方法は、
上記請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の成形方法
により成形された鍛造用素材を、25%以上の鍛造率で
鍛造することを特徴としたものである。
【0038】ここに、鍛造率を25%以上としたのは、
この値以上の鍛造率で鍛造加工することにより、得られ
る鍛造部材の相対密度を実用上好ましいとされる高い値
(例えば99%以上)に安定して維持することができる
からである。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、鍛
造用素材の成形に射出成形法を採用した場合を例にとっ
て、添付図面を参照しながら詳細に説明する。まず、本
実施の形態に係る鍛造用素材の成形について説明する。
図1は、本実施の形態に係る軽金属製鍛造用素材の射出
成形を行う射出成形装置の概略構成を示す部分断面説明
図である。この図に示すように、上記射出成形装置1
は、所謂スクリュー式のもので、先端部にノズル3を有
し外周に配置されたヒータ4で加熱されるシリンダ2
と、該シリンダ2及びそれに連接された成形機本体内5
で回転可能に支持されたスクリュー6と、例えばモータ
機構および減速機構等を備えスクリュー6を回転駆動す
る回転駆動装置7と、原料が投入され貯えられるホッパ
8と、ホッパ8内の原料を計量して成形機本体5内に送
給するフィーダ9とを備えている。
【0040】また、上記成形機本体5内には、具体的に
は図示しなかったが、スクリュー6をノズル3側に前進
させる高速射出機構が設けられている。この高速射出機
構は、所定のタイミングでスクリュー6を前進させると
ともに、該スクリュー6が予め設定された距離だけ後退
するとそれを検知してスクリュー6の回転を停止させ、
同時にその後退動作も停止させるように構成されてい
る。
【0041】上記射出成形装置1は、ノズル3の内部通
路と成形キャビティ11に繋がるランナ部12とが連通
するように位置設定された上で、シリンダ2の先端側を
金型10に結合して用いられる。上記ホッパ8に投入さ
れてその内部に貯えられた原料は、フィーダ9で所定量
が計量されて成形機本体5内に供給され、スクリュー6
の回転によって加熱状態のシリンダ2内に送給される。
送給された原料は、このシリンダ2の内部でスクリュー
6の回転により十分に攪拌・混錬されながら所定温度に
加熱される。本実施の形態では、かかるプロセスによっ
て、より好ましくは、原料の融点未満の半溶融状態の軽
金属溶湯を得るようにした
【0042】このようにして得られた半溶融状態の軽金
属溶湯がスクリュー6の前方に押し出されるに連れて、
その圧力で該スクリュー6が後退して行く。尚、他の手
法として、スクリューを所望の速度で強制的に後退させ
るようにしても良い。スクリュー6が予め設定された距
離だけ後退すると、成形機本体5内の上記高速射出機構
(不図示)がそれを検知してスクリュー6の回転を停止
させ、同時にその後退動作も停止させる。尚、原料の計
量を、スクリュー6の後退距離を設定することによって
行うようにしても良い。
【0043】そして、回転が停止し後退位置にあるスク
リュー6を、高速射出機構(不図示)によって前進させ
所定の力で押し出すことより、ノズル3から金型10内
に半溶融状態の軽金属溶湯が射出される。つまり、ノズ
ル3からランナ部12を介して成形キャビティ11内に
軽金属溶湯が射出充填されるようになっている。本実施
の形態では、原料として軽金属の一種であるマグネシウ
ム(Мg)合金を用い、これを例えば切り粉状のペレッ
トの形態で射出成形装置1のホッパ8に供給するように
した。上記ホッパ8から成形機本体5内に通じる通路に
は、より好ましくは不活性ガス(例えばアルゴンガス)
が充填され、原料(Mg合金ペレット)の酸化反応の防
止が図られている。
【0044】上記金型10の成形キャビティ11は、よ
り好ましくは、この射出成形の後に行われる鍛造加工に
用いられる鍛造型(不図示)の成形キャビティと近似し
た形状に形成されており、後工程で得られるべき製品で
ある鍛造部材と近似した半製品形状の射出成形品(鍛造
用素材)を得ることができる。これにより、鍛造工程を
仕上鍛造の1工程のみに簡略化することが可能になり、
また、複雑な形状の部材でも鍛造できるようになる。更
に、鍛造性の余り良くない材料でも支障無く鍛造加工を
行えるのである。
【0045】また、本実施の形態では、上記射出成形装
置1のスクリュー6の前進速度(好ましくは、後退速度
も)が1[m/s]以上になるように設定した。スクリ
ュー速度の下限値を1[m/s]としたのは、この値未
満に設定すれば、鍛造用素材製造時のガス巻き込みによ
るガス欠陥の発生を低減できるのであるが、製造時のサ
イクルタイムが長くなり過ぎて、実用性に欠けるからで
ある。尚、上述の半溶融射出成形法ではなく、完全溶融
状態の溶湯を用いて行う射出成形法によって鍛造用素材
を成形する場合においても、スクリュー速度を1[m/
s]以上になるように設定することが好ましい。また、
鍛造用素材の製造を、これら射出成形法ではなくダイカ
スト鋳造法で行う場合でも、プランジャ速度を1[m/
s(メートル/秒)]以上に設定することがより好まし
い。
【0046】ここに、ダイカスト鋳造法におけるプラン
ジャ速度および射出成形法におけるスクリュー速度の下
限値を1[m/s]としたのは、この値未満では、鍛造
用素材製造時のガス巻き込みによるガス欠陥の発生を低
減できるものの、製造時のサイクルタイムが長くなり過
ぎて、実用性に欠けるからである。
【0047】上記射出成形装置1を用いて射出成形され
た軽合金製の鍛造用素材について、射出成形条件を適正
に設定することによって欠陥のより少ない高品質なもの
を得るために、また、上記鍛造用素材を用いて鍛造加工
を行って得られる鍛造部材について、鍛造条件を適正に
設定することによって強度特性に優れた健全なものとす
るために、種々の試験を行った。以下、これらの試験に
ついて説明する。まず、これら一連の試験において試料
として用いた合金の化学組成を表1に示す。尚、この表
1に示した合金A〜Dのうち、合金B及び合金Dは、A
STМ AZ91Dに相当するもので、鍛造性が非常に
悪く、通常は、鍛造加工に用いるのは無理とされている
ものである。
【0048】
【表1】
【0049】<試験1>まず、素材段階における(つま
り、鍛造前における)相対密度が鍛造後の部材の相対密
度に及ぼす影響を調べた試験1について説明する。図2
及び図3は、本試験で用いた鍛造用素材サンプルの形状
を示す平面説明図および縦断面説明図である。また、図
4は、上記サンプルの鍛造後における縦断面説明図であ
る。図3および図4において寸法を表す数字の単位はミ
リメートル([mm])である。尚、この試験1では、
上記表1に示した4種の合金試料のうち合金Aを材料に
用いた。これらの図から分かるように、本試験で用いた
鍛造用素材サンプルW1mは、上面の外周部分に環状の
凸部を備えた略円盤形に形成されており、その外径およ
び環状凸部の幅が(つまり、環状凸部の内径寸法および
外径寸法が)変わらないように、鍛造型(不図示)で規
制した状態で、中央の凹部に鍛造圧力を加えて鍛造部材
W1fが得られる。
【0050】このとき、鍛造用素材W1mは、環状凸部
の内径と外径のみが規制されているので、中央の凹部が
薄くなり、かつ、環状凸部が高くなるように塑性変形す
る。すなわち、図2及び図3に示した鍛造用素材W1m
から図4に示す鍛造部材W1fを得る鍛造加工は、鍛造
型で形成される鍛造成形空間が完全には閉塞されておら
ず、鍛造用素材W1mの少なくとも一部(この場合、環
状凸部の上面側)が鍛造型によって拘束されずフリーに
塑性変形し得るようになった、所謂、非閉塞鍛造法によ
るものである。尚、周知のように、この非閉塞鍛造法の
場合には、通常、素材W1mに内包されている欠陥を鍛
造工程で完全に潰すことは極めて困難であるとされてい
る。
【0051】以上のようにして得られる鍛造部材W1f
について、素材段階における(つまり、鍛造前におけ
る)相対密度を約85%から95%の間で変化させた場
合における鍛造後の部材の相対密度をそれぞれ測定し
た。測定結果は、図11に示す通りであった。図11の
グラフから良く分かるように、鍛造前の相対密度が約9
0%以上であれば、鍛造後の相対密度は、最大値と最小
値の間のバラツキが極めて小さく、最小値でも99%を
確実に越え、ほぼ100%に近い極めて高い値になる。
一方、鍛造前の相対密度が約90%未満の場合には、そ
の値が低くなるに連れて、鍛造後の相対密度は、最大値
/最小値のバラツキが大きくなり、また、相対密度の数
値レベルも急激に低下している。
【0052】従って、半溶融射出成形法を用いたことに
よる特有の作用効果が得られるとともに、鍛造前の素材
段階での相対密度が90%以上となるように設定するこ
とにより、該素材を用いて鍛造加工を行った場合に、
(いわゆる非閉塞鍛造であっても)得られる鍛造部材の
相対密度を、実用上好ましいとされる高い値(例えば9
9%以上)に安定して維持することができる。すなわ
ち、素材成形時に生じた素材内部の欠陥を有効に潰して
健全な鍛造部材を得ることが可能になる。また、特に、
一般的には鍛造性が良くないとされるМg合金を材料に
用いた場合においても、鍛造加工によって素材内部の有
効に潰して健全な鍛造部材を得ることができる。
【0053】更に、本試験1では、半溶融射出成形法を
用いたので、鍛造用素材を製造するに際して、半溶融射
出成形法を用いたことによる特有の作用効果が得られる
のであるが、ダイカスト鋳造法あるいは通常の(完全溶
融状態の溶湯を用いる)射出成形法を適用する場合に
は、ダイカスト鋳造法におけるプランジャ速度および射
出成形法におけるスクリュー速度を1[m/s]以上に
設定することにより、製造時のサイクルタイムを適正に
保って、これらのプロセスを採用したことによる十分に
高い生産性を確保することが可能になる。この場合にお
いても、素材段階での相対密度が90%以上であるの
で、該素材を用いて鍛造加工を行うことにより、(いわ
ゆる非閉塞鍛造であっても)得られる鍛造部材の相対密
度を、実用上好ましいとされる高い値(例えば99%以
上)に安定して維持し、素材成形時に生じたガス欠陥な
どの素材内部の欠陥を有効に潰して健全な鍛造部材を得
ることが可能になる。
【0054】<試験2>次に、半溶融射出成形における
溶湯のゲート通過速度が成形品(鍛造用素材)の相対密
度に及ぼす影響を調べた試験2について説明する。尚、
この試験2では、上記表1に示した4種の合金試料のう
ち合金Bを材料に用いた。図5は、本試験2で用いた成
形型のキャビティ構造を模式的に表した説明図である
が、この成形型では、成形品の形状に対応した成形キャ
ビティCw1に、ゲート部Cg1を介してランナ部Cr
1が接続されており、図における矢印方向から、ランナ
部Cr1を通って流入してきた溶湯は、通過面積Sg
(ゲート断面積)の小さい上記ゲート部Cg1から、成
形キャビティCw1内に充填される。このとき、ゲート
部Cg1では、その通過面積Sgがランナ部Cr1に比
してかなり小さくなるように絞られているので、溶湯が
通過する際にはその流速が高められることになる。
【0055】この試験2では、このゲート部Cg1を通
過する際の溶湯の速度(ゲート通過速度Vg)を変化さ
せた場合の成形品(鍛造用素材)の相対密度をそれぞれ
測定した。尚、この溶湯のゲート通過速度Vgは、例え
ば、射出ノズルからの溶湯射出速度あるいはゲート断面
積Sg等を調整することなどによって変えることができ
る。測定結果は、図12に示す通りであった。この図1
2のグラフから良く分かるように、成形品の相対密度
は、ゲート通過速度Vg(ゲート速度)が高くなるに連
れて低下し、ゲート速度が約150[m/s]を越える
と、相対密度が90%を下回るようになることが分かっ
た。これは、ゲート速度が高くなるほど、溶湯の射出充
填時における状態を層流に近い状態に維持することが困
難になることに依るものであると考えられる。
【0056】従って、半溶融射出成形で鍛造用素材を成
形する際には、溶湯のゲート通過速度Vgを150[m
/s]以下に設定することにより、溶湯を比較的層流に
近い状態で成形キャビティ内に射出充填でき、相対密度
が90%以上の鍛造用素材を安定して得ることができ
る。
【0057】<試験3>次に、上記図5に示すゲート断
面積Sgと成形キャビティの(溶湯流入方向に対して略
垂直な方向おける)最大断面積Swの比Sg/Swが成
形品(鍛造用素材)の相対密度に及ぼす影響を調べた試
験3について説明する。この試験3では、固相率が10
%の場合と25%の場合について、それぞれ上記比Sg
/Swの値を0.02から0.1の範囲で変化させて、成
形品(鍛造用素材)の相対密度を測定した。尚、この試
験3では、上記表1に示した4種の合金試料のうち合金
Bを材料に用いた。測定結果は、図13に示す通りであ
った。
【0058】この図13のグラフから良く分かるよう
に、鍛造用素材の相対密度は、Sg/Swが約0.06
以上の範囲では略一定で、約99%の高い値を維持でき
る。Sg/Swが約0.06以下の範囲では、この値が
低くなるほど相対密度も低下するが、測定範囲の下限で
あるSg/Sw=0.02でも、相対密度は94%以上
有り、健全な鍛造部材を得るのに必要な90%は十分に
上廻っている。また、固相率が低くなれば相対密度も低
くなるが、図13のグラフから、Sg/Swを0.02
以上に設定しておけば、固相率が非常に低い場合(特
に、固相率が0%の完全溶融状態)を想定しても、溶湯
を比較的層流に近い状態で成形キャビティ内に射出充填
でき、相対密度が90%以上の鍛造用素材を得ることが
十分に可能である。
【0059】尚、ゲート断面積Sgと成形キャビティの
(溶湯流入方向に対して略垂直な方向おける)最大断面
積Swの比Sg/Swの値が低くなるほど、得られる成
形品の相対密度が低下するのは、この比の値が小さくな
るほど、溶湯がゲート部Cg1から成形キャビティCw
1内へ流れ込む際に、流れが急拡大することになり、層
流に近い状態を維持することがそれだけ難しく、ガスを
巻き込み易くなることに依るものであると思われる。
【0060】<試験4>次に、厚肉の成形品(鍛造用素
材)を半溶融射出成形する場合について、ゲート速度が
成形品の相対密度に及ぼす影響を調べた試験4について
説明する。図6は、本試験で成形する成形品(鍛造用素
材)の外形形状を示す斜視図であり、寸法を表す数字の
単位はミリメートル([mm])である。尚、この試験
4では、上記表1に示した4種の合金試料のうち合金C
と合金Dとを材料に用いた。成形品(若しくは鋳造品)
の厚さについては、例えば、ダイカスト鋳造法の場合、
通常、厚さ6[mm]程度まで、射出成形では試作レベ
ルでもせいぜい2〜3[mm]程度までが限度とされて
いる。これに対して、上記図6に示すように、本試験に
係る鍛造用素材は8[mm]の厚さを有しており、極め
て厚肉に設定されている。
【0061】このような厚肉の鍛造用素材を半溶融射出
成形で成形するに際して、試験2における場合と同様
に、このゲート部Cg1を通過する際の溶湯の速度(ゲ
ート通過速度Vg)を変化させた場合の成形品(鍛造用
素材)の相対密度をそれぞれ測定した。この試験4で
は、固相率が23%(合金D)の場合と40%(合金
C)の場合について、それぞれゲート速度Vgを約25
[m/s]から100[m/s]の範囲で変化させて、
成形品(鍛造用素材)の相対密度を測定した。また、ゲ
ート断面積Sgと成形キャビティの(溶湯流入方向に対
して略垂直な方向おける)最大断面積Swの比Sg/S
wの値を0.2に設定し、かつ、ゲート通過速度Vg
[mm/s]とゲート断面積Sg[mm2]と成形キャ
ビティの容積Wv[mm3]との関係を、Vg・Sg/
Wv≧10に設定して、測定を行った。
【0062】測定結果は、図14に示す通りであった。
この図14のグラフから良く分かるように、鍛造用素材
の相対密度は、ゲート速度Vgが約80[m/s]以下
の範囲では、略一定で、約99%の高い値を維持でき
る。ゲート速度Vgが約80[m/s]以上の範囲で
は、この値が大きくなるほど相対密度が低下するが、測
定範囲の上限であるVg=100[m/s]でも、相対
密度は94%以上有り、健全な鍛造部材を得るのに必要
な90%は十分に上廻っている。また、固相率が低くな
れば相対密度も低くなるが、図14のグラフから、ゲー
ト速度Vgが100[m/s]以上であれば、固相率が
非常に低い場合(特に、固相率が0%の完全溶融状態)
を想定しても、溶湯を比較的層流に近い状態で成形キャ
ビティ内に射出充填でき、相対密度が90%以上の鍛造
用素材を得ることが十分に可能である。
【0063】従って、半溶融射出成形で鍛造用素材を成
形する際には、成形品が厚肉の場合であっても、また、
固相率が非常に低い場合(特に、固相率が0%の完全溶
融状態)を想定しても、溶湯のゲート通過速度Vgを1
00[m/s]以下に設定することにより、溶湯を比較
的層流に近い状態で成形キャビティ内に射出充填でき、
欠陥量を有効に抑制して相対密度が90%以上の鍛造用
素材を安定して得ることができる。更に、より好ましく
は、溶湯のゲート通過速度Vgを80[m/s]以下に
設定することにより、相対密度がより高い鍛造用素材を
安定して得ることができるのである。
【0064】<試験5>次に、上記図6に示した厚肉の
成形品(鍛造用素材)を半溶融射出成形する場合につい
て、ゲート断面積Sgと成形キャビティの(溶湯流入方
向に対して略垂直な方向おける)最大断面積Swの比S
g/Swが成形品(鍛造用素材)の相対密度に及ぼす影
響を調べた試験5について説明する。この試験5では、
固相率が23%の場合について、上記比Sg/Swの値
を略0.02から0.5の範囲で変化させて、成形品(鍛
造用素材)の相対密度を測定した。また、この試験は、
ゲート通過速度Vgは45[m/s]に設定して行っ
た。尚、この試験5では、上記表1に示した4種の合金
試料のうち合金Dを材料に用いた。測定結果は、図15
に示す通りであった。
【0065】この図15のグラフから良く分かるよう
に、鍛造用素材の相対密度は、Sg/Swが約0.1以
上の範囲では略一定に近く、約99%に近い程度の高い
値を維持できる。Sg/Swが約0.1以下の範囲で
は、この値が低くなるほど相対密度が急激に低下する。
しかし、測定範囲の下限であるSg/Sw=約0.02
でも、相対密度は93%以上有り、健全な鍛造部材を得
るのに必要な90%は上廻っている。
【0066】従って、ゲート断面積Sgと(溶湯流入方
向に対して略垂直な方向おける)成形キャビティの最大
断面積Swの比Sg/Swを0.1以上に設定すること
により、溶湯を更に層流に近い状態で成形キャビティ内
に射出充填することができ、相対密度が90%以上の鍛
造用素材をより一層安定して得ることができ、また、厚
肉の鍛造用素材を成形する場合でも、欠陥量を有効に抑
制して相対密度が90%以上のものをより安定して得る
ことができるようになる。
【0067】<試験6>次に、上記図6に示した厚肉の
成形品(鍛造用素材)を半溶融射出成形する場合につい
て、ゲート通過速度Vg[mm/s]とゲート断面積S
g[mm2]と成形キャビティの容積Wv[mm3]との
関係が成形キャビティ内への溶湯の充填性に及ぼす影響
を調べた試験6について説明する。尚、この試験6で
は、上記表1に示した4種の合金試料のうち合金Cと合
金Dとを材料に用いた。この試験6では、固相率が40
%(合金C)の場合と52%(合金D)の場合につい
て、Vg・Sg/Wvの値を5〜150の範囲で変化さ
せて成形を行い、各成形品の充填不良の有無をそれぞれ
調べた。また、この試験6は、ゲート断面積Sgと成形
キャビティの(溶湯流入方向に対して略垂直な方向にお
ける)最大断面積Swの比Sg/Swの値を0.2に設
定し、かつ、ゲート通過速度Vgを80[m/s]以下
に設定して行った。試験結果は、下記表2に示す通りで
あった。
【0068】
【表2】
【0069】表2から良く分かるように、固相率の如何
に拘わらず、Vg・Sg/Wvの値が5の場合には充填
不良が生じ、この値が10以上の場合には充填不良は生
じなかった。従って、ゲート通過速度Vg[mm/s]
とゲート断面積Sg[mm2]と成形キャビティの容積
Wv[mm3]との関係を、Vg・Sg/Wv≧10に
設定することにより、厚肉の鍛造用素材を成形する場合
においても、充填不良が生じる惧れを無くすることがで
きる。また、この場合においても、上記溶湯のゲート通
過速度Vgを80[m/s]以下に設定したことによ
り、溶湯を更に層流に近い状態で成形キャビティ内に射
出充填することができ、相対密度が90%以上の鍛造用
素材をより一層安定して得ることができ、また、厚肉の
鍛造用素材を成形する場合でも、欠陥量を有効に抑制し
て相対密度が90%以上のものをより安定して得ること
ができる。
【0070】<試験7>次に、厚肉の成形品(鍛造用素
材)を半溶融射出成形する場合について、成形型の温度
(型温)が成形品の相対密度に及ぼす影響を調べた試験
7について説明する。図7は、この試験7における成形
品W3の平面説明図であり、符号Wr3及びWf3は、
それぞれ成形型におけるランナ部およびオーバフロー部
に対応する部分を仮想して示している。尚、この図7に
おける寸法数字の単位はミリメートル([mm])であ
り、ゲート部の厚さを2[mm]とし、成形品W3の厚
さは10[mm]とした。また、この試験7では、上記
表1に示した4種の合金試料のうち合金Aを材料に用い
た。
【0071】この試験7では、固相率が20%の場合に
ついて、型温を100℃から200℃の範囲で変化させ
て成形を行い、それぞれ得られた成形品(鍛造用素材)
の相対密度を測定した。この測定に際しては、成形品W
3を図7に示すように平面視で15分割し、分割された
各部の相対密度をそれぞれ測定してバラツキの大きさも
調べた。測定結果は、図16に示す通りであった。
【0072】図16のグラフから良く分かるように、型
温の設定値が低いほど、得られる成形品の相対密度が低
く、また、バラツキも大きくなる。しかし、型温を15
0℃以上に保つことにより、バラツキの下限値の場合で
も、90%以上の相対密度が得られることが分かった。
尚、型温の上限値については、約350℃程度以上に設
定した場合には、過度に「バリ」が発生する、あるいは
成形型の型合わせ面から溶湯が漏れ易くなる、などの不
具合が生じ易いことが知られている。
【0073】すなわち、成形型の温度を150℃以上で
350℃未満に保持して成形することにより、過度に
「バリ」が発生する、あるいは成形型の型合わせ面から
溶湯が漏れ易くなる、などの不具合を回避した上で、厚
肉の成形品についても、相対密度が90%以上の鍛造用
素材を安定して得ることができるのである。
【0074】<試験8>次に、鍛造工程での鍛造率が鍛
造部材の相対密度に及ぼす影響を調べた試験8について
説明する。図8〜図10は、本試験8においてМg合金
鍛造用素材を用いて鍛造部材のサンプルを得る方法を模
式的に示したものである。本試験では、図8に示すよう
に、縦A1×横B1×長さL1の直方体状のマグネシウ
ム合金製鍛造用素材M1を用意し、図9に示すように、
この素材Mの例えば横方向を一対の固定プレートP1で
挟んで拘束し、この状態で縦方向(図9における紙面方
向)に圧縮荷重を加えて塑性加工(鍛造)を行い、図1
0に示すような鍛造部材のサンプルを作成した。
【0075】この結果、素材M1の縦方向寸法は、初期
のA1からA2に変化し(短くなり)、また、長さは初
期のL1からL2に変化する(長くなる)。この場合、
この鍛造による鍛造率は次式で算出される。 鍛造率=(A1−A2)/A1×100[%]… 尚、本実施の形態では、鍛造用素材M1の初期(図8参
照)の基本寸法を、例えば、A1=A2=12[m
m],L1=50[mm]とした。このようにして得ら
れた鍛造部材サンプルをそれぞれ供試材として相対密度
を測定した。
【0076】この試験8では、鍛造前(鍛造率が0%)
での相対密度が90%〜92.5%の鍛造用素材を、鍛
造率を0〜50%の範囲で変化させて鍛造加工を施し、
得られた鍛造品の相対密度をそれぞれ測定した。また、
この試験8では、上記表1に示した4種の合金試料のう
ち合金Aを材料に用いた。試験結果は、図17に示す通
りであった。また、鍛造率が15%及び25%の場合に
おける鍛造部材の金属組織の一例を示す電子顕微鏡写真
(倍率は共に50倍)を、図18及び図19にそれぞれ
示す。
【0077】図17のグラフから良く分かるように、鍛
造部材の相対密度は、鍛造率が約25%以上の範囲では
略一定に近く、約99%を越える高い値を維持できる。
鍛造率が約25%以下の範囲では、鍛造率が低くなるほ
ど相対密度が急激に低下し、また、最大値/最小値のバ
ラツキも大きくなる。すなわち、鍛造率が約25%程度
までの範囲では、鍛造加工による素材に対する圧縮力
は、素材内部の欠陥を潰して健全化させるのに費やさ
れ、内部の欠陥を潰した上で更に素材を塑性変形させて
鍛造による強度向上を図るには、鍛造率を25%以上に
設定する必要がある。図18及び図19の電子顕微鏡写
真では、黒い塊状あるいは斑点状に表れている部分が欠
陥部であるが、鍛造率25%の場合には、鍛造率15%
の場合に比べて、欠陥がかなり微細化されていることが
分かる。
【0078】以上より、鍛造率を25%以上に設定する
ことにより、得られる鍛造部材の相対密度を実用上好ま
しいとされる高い値(例えば99%以上)に安定して維
持することができる。すなわち、素材成形時に生じた素
材内部の欠陥を有効に潰して健全な鍛造部材を得ること
ができるのである。
【0079】以上、説明したように、本実施の形態によ
れば、素材(鍛造用素材)段階での相対密度を90%以
上に設定することにより、この素材を用いた鍛造加工で
得られる鍛造部材の相対密度を非常に高い値に安定して
確保できる。また、半溶融射出成形においては、成形型
のゲート断面積や溶湯のゲート通過速度さらには成形キ
ャビティの容積や最大断面積などの諸要素を適正に設定
することにより、得られる成形品(鍛造用素材)の相対
密度を有効に高め欠陥量を低減せしめることができる。
更に、相対密度が90%以上の鍛造用素材を鍛造する際
には、鍛造率を25%以上に設定することにより、素材
成形時に生じた素材内部の欠陥を有効に潰して健全な鍛
造部材を得ることができるのである。
【0080】尚、以上の実施の形態は、鍛造用素材の成
形に半溶融射出成形法を採用した場合についてのもので
あったが、本発明は、かかる場合に限らず、半溶融鋳造
法あるいは完全溶解状態の軽金属溶湯を用いる射出成形
法や、例えばダイカスト法等の鋳造法など、他の種々の
プロセスを鍛造用素材の成形に採用した場合についても
有効に適用することができる。また、上記実施の形態
は、射出材料としてМg合金を用いた場合についてのも
のであったが、本発明は、他の種類の軽金属を材料に用
いる場合にも有効に適用することができる。このよう
に、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更あ
るいは設計上の改良等が可能であることは言うまでもな
い。
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【発明の効果】 本願の第1の発明に係る鍛造用素材の成
形方法によれば、半溶融射出成形法を用いたことによる
特有の作用効果が得られるとともに、この半溶融射出成
形で鍛造用素材を成形するに際し、溶湯のゲート通過速
度Vgを80[m/s]以下に設定したので、溶湯を
層流に近い状態で成形キャビティ内に射出充填でき、
相対密度が90%以上の鍛造用素材をより安定して得る
ことができ、また、厚肉の鍛造用素材を成形する場合で
も、欠陥量を有効に抑制して相対密度が90%以上のも
のをより安定して得ることができる。また、ゲート断面
積Sgと成形キャビティの(溶湯流入方向に対して略垂
直な方向おける)最大断面積Swの比Sg/Swを0.
02以上に設定したことにより、固相率が非常に低い場
合(特に、固相率が0%の完全溶融状態)を想定して
も、溶湯を比較的層流に近い状態で成形キャビティ内に
射出充填でき、相対密度が90%以上の鍛造用素材を得
ることが可能になる。そして、このような素材段階での
相対密度が90%以上である鍛造用素材を用いて鍛造加
工を行うことにより、(いわゆる非閉塞鍛造であって
も)得られる鍛造部材の相対密度を、実用上好ましいと
される高い値(例えば99%以上)に安定して維持する
ことができる。すなわち、素材成形時に生じた素材内部
の欠陥を有効に潰して健全な鍛造部材を得ることが可能
になる。また、ゲート通過速度Vg[mm/s]とゲー
ト断面積Sg[mm 2 ]と成形キャビティの容積Wv
[mm 3 ]との関係を、Vg・Sg/Wv≧10に設定
したので、厚肉の鍛造用素材を成形する場合において
も、充填不良が生じる惧れを無くすることができる。
【0085】
【0086】
【0087】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、上記ゲート断面積Sgと(溶湯流入方向に対
して略垂直な方向おける)成形キャビティの最大断面積
Swの比Sg/Swを0.1以上に設定したので、溶湯
を更に層流に近い状態で成形キャビティ内に射出充填す
ることができ、相対密度が90%以上の鍛造用素材をよ
り一層安定して得ることができ、また、厚肉の鍛造用素
材を成形する場合でも、欠陥量を有効に抑制して相対密
度が90%以上のものをより安定して得ることができる
ようになる。
【0088】
【0089】に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第1又は第2の発明と同様の効果を奏するこ
とができる。特に、成形型の温度を150℃以上で35
0℃未満に保持して成形するようにしたので、過度に
「バリ」が発生する、あるいは成形型の型合わせ面から
溶湯が漏れ易くなる、などの不具合を回避した上で、相
対密度が90%以上の鍛造用素材をより安定して得るこ
とができる。
【0090】また、更に、本願の第4の発明に係る鍛造
用素材の成形装置によれば、半溶融射出成形法を用いた
ことによる特有の作用効果が得られるとともに、この半
溶融射出成形による鍛造用素材の成形において、溶湯の
ゲート通過速度Vgが80[m/s]以下に設定されて
いるので、溶湯をより層流に近い状態で成形キャビティ
内に射出充填でき、相対密度が90%以上の鍛造用素材
より安定して得ることができ、また、厚肉の鍛造用素
材を成形する場合でも、欠陥量を有効に抑制して相対密
度が90%以上のものをより安定して得ることができ
る。また、ゲート断面積Sgと成形キャビティの(溶湯
流入方向に対して略垂直な方向おける)最大断面積Sw
の比Sg/Swが0.02以上に設定されているので、
固相率が非常に低い場合(特に、固相率が0%の完全溶
融状態)を想定しても、溶湯を比較的層流に近い状態で
成形キャビティ内に射出充填でき、相対密度が90%以
上の鍛造用素材を得ることが可能になる。そして、この
ような素材段階での相対密度が90%以上である鍛造用
素材を用いて鍛造加工を行うことにより、(いわゆる非
閉塞鍛造であっても)得られる鍛造部材の相対密度を、
実用上好ましいとされる高い値(例えば99%以上)に
安定して維持することができる。すなわち、素材成形時
に生じた素材内部の欠陥を有効に潰して健全な鍛造部材
を得ることが可能になる。また、ゲート通過速度Vg
[mm/s]とゲート断面積Sg[mm 2 ]と成形キャ
ビティの容積Wv[mm 3 ]との関係が、Vg・Sg/
Wv≧10に設定されているので、厚肉の鍛造用素材を
成形する場合においても、充填不良が生じる惧れを無く
することができる。
【0091】
【0092】
【0093】また、更に、本願の第5の発明によれば、
基本的には、上記第4の発明と同様の効果を奏すること
ができる。特に、上記ゲート断面積Sgと(溶湯流入方
向に対して略垂直な方向おける)成形キャビティの最大
断面積Swの比Sg/Swが0.1以上に設定されてい
るので、溶湯を更に層流に近い状態で成形キャビティ内
に射出充填することができ、相対密度が90%以上の鍛
造用素材をより一層安定して得ることができ、また、厚
肉の鍛造用素材を成形する場合でも、欠陥量を有効に抑
制して相対密度が90%以上のものをより安定して得る
ことができるようになる。
【0094】
【0095】また、更に、本願の第6の発明によれば、
基本的には、上記第4又は第5の発明と同様の効果を奏
することができる。特に、成形型の温度が150℃以上
で350℃未満に保持されているので、過度に「バリ」
が発生する、あるいは成形型の型合わせ面から溶湯が漏
れ易くなる、などの不具合を回避した上で、相対密度が
90%以上の鍛造用素材をより安定して得ることができ
る。
【0096】また、更に、本願の第7の発明に係る鍛造
部材の製造方法によれば、第1〜第3の発明のいずれか
一に係る成形方法により成形された鍛造用素材を、25
%以上の鍛造率で鍛造するようにしたので、鍛造用素材
について上記第4〜第9の発明のいずれか一と同様の効
果を奏することができ、しかも、得られる鍛造部材の相
対密度を実用上好ましいとされる高い値(例えば99%
以上)により安定して維持することができる。すなわ
ち、素材成形時に生じた素材内部の欠陥を有効に潰して
健全な鍛造部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る射出成形装置の概
略構成を示す部分断面説明図である。
【図2】 試験1に用いた鍛造用素材サンプルの正面説
明図である。
【図3】 上記試験1の鍛造用素材サンプルの断面説明
図で、図2のY3−Y3線に沿った縦断面説明図であ
る。
【図4】 上記試験1の鍛造用素材サンプルを用いた鍛
造部材の縦断面説明図である。
【図5】 試験2および試験3の成形型のキャビティ構
造を模式的に示す斜視図である。
【図6】 試験4,試験5および試験6における厚肉の
成形品の概略形状を示す斜視図である。
【図7】 試験7における成形品の概略形状を示す平面
説明図である。
【図8】 試験8における鍛造用素材の斜視図である。
【図9】 試験8における鍛造用素材の鍛造工程を模式
的に示す説明図である。
【図10】 試験8における鍛造工程後の鍛造部材サン
プルを示す説明図である。
【図11】 試験1の試験結果を現すもので鍛造前相対
密度と鍛造後相対密度との関係を示すグラフである。
【図12】 試験2の試験結果を現すもので軽金属溶湯
のゲート速度と成形品の相対密度との関係を示すグラフ
である。
【図13】 試験3の試験結果を現すもので軽金属溶湯
のゲート断面積と成形キャビティ最大断面積の比(Sg
/Sw)と成形品の相対密度との関係を示すグラフであ
る。
【図14】 試験4の試験結果を現すもので軽金属溶湯
のゲート速度と厚肉の成形品の相対密度との関係を示す
グラフである。
【図15】 試験5の試験結果を現すもので軽金属溶湯
のゲート断面積と成形キャビティ最大断面積の比(Sg
/Sw)と厚肉の成形品の相対密度との関係を示すグラ
フである。
【図16】 試験7の試験結果を現すもので金型温度と
成形品の相対密度との関係を示すグラフである。
【図17】 試験8の試験結果を現すもので鍛造率と鍛
造部材の相対密度との関係を示すグラフである。
【図18】 試験8において鍛造率を15%とした場合
における鍛造部材の金属組織の一例を示す電子顕微鏡写
真である。
【図19】 試験8において鍛造率を25%とした場合
における鍛造部材の金属組織の一例を示す電子顕微鏡写
真である。
【符号の説明】
1…射出成形装置 3…射出ノズル 10…金型 11,Cw1…成形キャビティ Cg1…ゲート部 M1,W1m,W2,W3…Mg合金製鍛造用素材 Sg…ゲート断面積 Sw…成形キャビティの最大断面積 Vg…ゲート通過速度 W1f…鍛造部材 Wv…成形キャビティの容積
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−87770(JP,A) 特開 平7−246453(JP,A) 特開 平6−297127(JP,A) 特開 平6−246416(JP,A) 特開 平5−261503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/00 B21J 5/00 C22C 1/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽金属製の鍛造部材を得るための鍛造加
    工に素材として供される鍛造用素材を成形するに際し、
    軽金属溶湯を半溶融状態で成形型の成形キャビティ内に
    射出充填する半溶融射出成形法で成形する鍛造用素材の
    成形方法であって、 ゲート断面積Sgと、溶湯流入方向に対して略垂直な方
    向における上記成形キャビティの最大断面積Swの比S
    g/Swを0.02以上に設定するとともに、溶湯のゲ
    ート通過速度Vgを80[m/s]以下に設定し、且
    つ、該ゲート通過速度Vg[mm/s]とゲート断面積
    Sg[mm 2 ]と成形キャビティの容積Wv[mm 3 ]と
    の関係を、Vg・Sg/Wv≧10に設定して成形する
    ことを特徴とする鍛造用素材の成形方法。
  2. 【請求項2】 上記ゲート断面積Sgと成形キャビティ
    の最大断面積Swの比Sg/Swを0.1以上に設定す
    ることを特徴とする請求項1に記載の鍛造用素材の成形
    方法。
  3. 【請求項3】 成形型の温度を、150℃以上で350
    ℃未満に保持して成形することを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の鍛造用素材の成形方法。
  4. 【請求項4】 軽金属溶湯を半溶融状態で射出ノズルか
    ら成形型の成形キャビティ内に射出充填して軽金属製の
    鍛造用素材を得る成形装置であって、 ゲート断面積Sgと、溶湯流入方向に対して略垂直な方
    向における上記成形キャビティの最大断面積Swの比S
    g/Swが0.02以上に設定されるとともに、溶湯の
    ゲート通過速度Vgが80[m/s]以下に設定され
    且つ、該ゲート通過速度Vg[mm/s]とゲート断面
    積Sg[mm 2 ]と成形キャビティの容積Wv[mm 3
    との関係が、Vg・Sg/Wv≧10に設定されている
    ことを特徴とする鍛造用素材の成形装置。
  5. 【請求項5】 上記ゲート断面積Sgと成形キャビティ
    の最大断面積Swの比Sg/Swが0.1以上に設定さ
    れていることを特徴とする請求項4に記載の鍛造用素材
    の成形装置。
  6. 【請求項6】 成形型の温度が、150℃以上で350
    ℃未満に保持されることを特徴とする請求項4又は請求
    項5に記載の鍛造用素材の成形装置。
  7. 【請求項7】 上記請求項1〜請求項3のいずれか一に
    記載の成形方法により成形された鍛造用素材を、25%
    以上の鍛造率で鍛造することを特徴とする鍛造部材の製
    造方法。
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