JP3503092B2 - ひびわれ自己修復性水和硬化物のひびわれ補修方法 - Google Patents

ひびわれ自己修復性水和硬化物のひびわれ補修方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、モルタル、コンク
リート等の水和硬化物にひびわれ自己修復性を備えさせ
たひびわれ自己修復性水和硬化物のひびわれ補修方法に
関するものである。 【0002】 【発明の背景】水和硬化物であるモルタルやコンクリー
トは、土木構造物や建造物等の各種構造物の構造材ある
いは表面仕上げ材などとして多用されている。しかし、
こうして多用されるモルタルやコンクリートには、その
物性上、ひびわれが生じることが多々ある。 【0003】このひびわれの原因としては、乾燥収縮、
反応性骨材の使用、温度ひびわれ、外部からの力による
建造物の変形、内部の鉄筋の腐食、施工時のコテ押さえ
不十分による沈みひびわれ等を挙げることができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ひびわれが
生じた場合、漏水、構造体の強度低下、外部物質の浸透
による鉄筋およびコンクリートの劣化促進、美観の低
下、などの問題が生じるため、現状では、ひびわれの補
修として、樹脂の注入や仕上げ材の施工などを行うよう
にしている。しかし、構造物自体については、当然のこ
とながら、ひびわれは無いことがベストであり、もし、
生じたとしても、補修等のメンテナンスが不要であれ
ば、大変好ましい構造物になることが理解できる。 【0005】本発明は、モルタルやコンクリート等の水
和硬化物自体に、ひびわれに対する自己修復性を付与さ
せることによって、補修等のメンテナンスを実質的に不
要にすることを目的にしている。また本発明は、自己修
復性水和硬化物のひびわれを、その自己修復性をより効
果的に発揮させてひびわれを補修することを目的にする
ものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、骨材にセ
メントクリンカーを使用して製造したモルタルやコンク
リートは、長期の材令を経過した後でも、その内部で未
水和のセメントクリンカーが残存しており、しかもその
残存の程度は、モルタルやコンクリートを製造した際の
水セメント比(すなわち、使用水量の結合材成分である
セメント量に対する比)が小さいほど、大きく、水セメ
ント比35%以下の条件下で顕著であること、未水和の
セメントクリンカーは水と反応すると硬化してセメント
ゲルを生ずる性質があるということを見い出した。 【0007】そこで、本発明では、モルタル、コンクリ
ート等の水和硬化物に対し、その少なくとも一部に未水
和のセメントクリンカーを含むようにして、ひびわれか
ら浸透してくる水と反応させて自己修復性を備えるもの
である。 【0008】また、本発明のひびわれ補修方法では、骨
材の少なくとも一部に未水和のセメントクリンカーを含
む水和硬化物の、硬化後に発生したひびわれ部分に対
し、積極的に水を浸透させることによって、そのひびわ
れ部分に存在している未水和のセメントクリンカーと水
とを反応させるものであり、未水和のセメントクリンカ
ートと水と反応してセメントゲルを生じ、そのセメント
ゲルでひびわれ部分を塞ぐことができる。この場合、ひ
びわれ部分に水を積極的に浸透させることで、セメント
ゲルを生じさせるのに必要充分な量の水を供給し、短時
間のうちに十分な量のセメントゲルを生じさせて、ひび
われ部分を効率的に塞ぐことが可能になる。また、ひび
われの発生している部位に関係なく、すなわち例えばひ
びわれ発生部の裏側から、あるいは側部からでも、水を
供給・浸透させて、ひびわれ部分に水を到達させること
によりそれを補修することも可能である。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、添付の図1(a)〜(d)を参照して説明す
る。これらの図では、本発明をモルタルに適用した場合
におけるひびわれ修復の原理図として示している。 【0010】このモルタルMは、骨材として、例えば粒
径5mm以下の普通ポルトランドセメントクリンカーを
用い、水、セメントを加えて、周知のコンクリートモル
タルと同様に、必要な程度に十分に混練したものであ
る。この未水和のセメントクリンカー10としては、モ
ルタルやコンクリートの硬化後においても骨材の形態で
残存することができるようにするものである。その方法
としては、セメントクリンカー自体は、いわゆるセメン
トの製造工程において得られる焼塊であるから、これを
必要な骨材の大きさに粉砕して充分な硬度をもたせて、
骨材の形態で残存させてもよい。さらにより確実な方法
としては、水セメント比(w/c)によって配慮するの
が好ましい。すなわち、水セメント比を小さくすること
によって、未水和のセメントクリンカーを骨材の形態で
確実に残すことができるからである。水セメント比とし
ては、少ないほど望ましいが、概ね35%以下とするの
が好ましい。こうすることにより、セメントクリンカー
自体は骨材としての機能を充分に発揮し、同時に未水和
のセメントクリンカーを多く残存することで、硬化後に
発生したひびわれから浸透してくる水と反応してセメン
トゲルを生成して充分なひびわれ自己修復性を備えるよ
うになるからである。しかも、モルタルやコンクリート
の硬化後の強度を高める上でもより適切な水セメント比
となるからである。したがって、セメントクリンカーか
らなる骨材10は、セメントペースト20との関係にお
いて、例えば図1(a)に示すような分布状態となる。 【0011】そして、このモルタルMが所定の材令期間
を経て硬化し、その硬化後あるいは硬化の過程におい
て、図1(b)に示すようなひびわれ部分30が生じた
とする。この後、図1(c)に示すように、表面から水
分40がひびわれ部分30に浸透すると、そのひびわれ
部分30に存在している未水和のセメントクリンカー
(骨材)10がこの水40と反応して、セメントゲル5
0を生じて硬化し、ひびわれ部分30を塞ぐ。 【0012】このようにして、セメントクリンカーを骨
材に使用したモルタルMは、ひびわれに対して自己修復
性を発現することが可能になる。したがって、このモル
タルMは、従来一般のモルタルと同様に、各種構造物の
仕上げ材や構造材あるいはコンクリート二次製品などの
材料として適用した場合において有効であり、特に、雨
水のかかるような外部に露呈するところに存在する場
合、メンテナンスフリーな高機能の構造物用モルタルと
なる。 【0013】なお、ここに示すモルタルMでは、骨材1
0として、セメントクリンカーのみを使用した例を示し
たが、必要に応じて砂骨材などを混ぜて、セメントクリ
ンカーからなる骨材10と併用してもよい。しかし、ひ
びわれ自己修復性を高める意味からは、併用しない方が
好ましい。 【0014】また、本発明による水和硬化物を、コンク
リートに適用する場合には、必要に応じて適当量の粗骨
材を加えてもよいが、セメントクリンカーからなる骨材
10の大きさ(粒径)を、例えば5mm以下と5mm以
上の大小2種類とし、小のものを細骨材10の代わり
に、大のものを粗骨材の代わりに用いるようにすること
もできる。このようにした場合、粗骨材を含むコンクリ
ートにおいても、ひびわれ自己修復性を十分に高めるこ
とができる。 【0015】一方、本発明による水和硬化物のひびわれ
補修は、ひびわれ発生後、雨水等による侵水が行われる
前にひびわれ部分30に水40を積極的に浸透させてセ
メントゲル50を生じさせるのに必要十分な量の水を供
給することで上述のようにひびわれの補修ができる。こ
の方法によれば短時間のうちに、十分な量のセメントゲ
ルを生じさせて、ひびわれ部分を効率的に塞ぐことが可
能になる。しかも、ひびわれ部分の発生している部位に
関係なく、例えば構造物の内側からでも水を供給・浸透
させてひびわれ発生部に到達させることにより、それを
修復することができる。 【0016】ここで、このコンクリートの内部に、例え
ば多用されている補強材としての鉄筋が存在する場合、
ひびわれ部分30に浸透する水40が鉄筋に接触し、腐
食の進行が懸念される。しかし、ひびわれ部分30を通
過してきた水は未水和のセメントクリンカー10に触れ
て、アルカリ性を呈することになり、したがって、鉄筋
の腐食を進行させない効果も発揮する。 【0017】 【発明の効果】以上のように、本発明では、モルタルや
コンクリート等の水和硬化物自体に、ひびわれに対する
自己修復性を付与させることによって、補修等のメンテ
ナンスを実質的に不要にすることができる。また、本発
明では、ひびわれの自己修復性水和硬化物のひびわれ部
分に対し、水を積極的に浸透させることによってそのひ
びわれを補修することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明による実施の形態を示す水和硬化物のひ
びわれ修復の原理図である。 【符号の説明】 M モルタル 10 骨材(セメントクリンカー) 20 セメントペースト 30 ひびわれ部分 40 水分 50 セメントゲル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 23/02 C04B 2/00 - 32/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】骨材としてその少なくとも一部に未水和の
    セメントクリンカーを含むひびわれ自己修復性水和硬化
    物のひびわれ部分に、水を浸透させて未水和のセメント
    クリンカーと水とを反応させることを特徴とするひびわ
    れ自己修復性水和硬化物のひびわれ補修方法。
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