JP3499761B2 - 骨画像処理方法及び骨強度評価方法 - Google Patents

骨画像処理方法及び骨強度評価方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨画像処理方法お
よび骨強度評価方法に関するものである。さらに詳細に
は,本発明は被検骨の連続断面構造を画像化する手段を
用いて得られた画像を画像処理装置に入力し、画像中の
骨を皮質骨領域と骨梁領域に分離した後、皮質骨体積、
最大連結骨梁成分体積、骨梁辺数、空洞数を計算するこ
とによって骨強度を正確に評価する方法を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】骨強度は骨量と骨質により規定されてお
り、生体骨では骨量により骨強度の約80%を評価する
ことができると言われている.非侵襲的に骨量、すなわ
ち骨塩量を定量化する方法として、従来よりMD(Micr
o Densitometry)法、DIP(Digital Image Processi
ng)法などの単純X線フィルムを利用する方法がある
が、この方法は筋肉や臓器などの影響の大きい躯幹骨に
は適用できず、手指などの末梢骨への適用に限られてい
る。次にDPA(Dual Photon Absorptiometry)法が出
現し、腰椎の骨塩量が測定されるようになったが、DP
A法は核種の取扱いや管理区域の問題および精度の低さ
などにより普及するには至らなかった。核種の代わりに
X線を用いるものとしてDXA(Dual-energy X-ray Ab
sorptiometry)法の登場に至り、現在ではDXA法が骨
塩定量の一般的手法として用いられている。
【0003】以上のような手法を用いて骨密度(BMD =
Bone Mineral Density)を測定することで骨の評価が行
われているが、同程度の骨密度であっても骨折する場合
としない場合があり、近年では骨梁構造をはじめとする
骨質評価も重要とされている。
【0004】そこで様々な骨質評価のための画像解析手
法が提案されている。しかし、StarVolume法、Run Leng
th法、Fractal解析法などの従来の骨質評価方法は主に
2次元骨断層画像を対象としているため、測定部位によ
って評価結果が著しく異なる場合がある。また骨折を想
定した場合、必要となるべき撮像平面に垂直な方向に対
する考察がほとんど行われていない。
【0005】さらに、骨断面画像の骨領域を皮質骨領
域、骨梁領域に自動的に分離するための好適な方法は無
く、画像処理技術で分離したとしても骨梁領域の一部を
皮質骨領域と誤認識する場合があり、画像毎に手作業に
よる修正が必要であるものが大半である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非破壊的か
つ微視的に被検骨の内部構造を観察し、画像処理技術に
よって自動的に皮質骨領域と骨梁領域を分離し、骨密度
よりも骨強度をよく反映する指標及び該指標を計測する
方法を見出すことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成するために鋭意研究した結果、骨梁構造を充分
に確認可能である微小フォーカスX線断層写真撮影装置
によって撮影された被検骨の連続横断面画像複数枚を入
力画像群とし、各種画像処理を3次元的に施すことによ
って、従来より使用されてきた骨密度よりも骨強度と相
関性の高い各指標を計測できることを見出し本発明に到
達した。
【0008】すなわち本発明は、被検骨の関心領域の連
続横断面画像を微小フォーカスX線断層写真撮影装置等
によって撮影し、それらの画像を2値化して骨部のみを
抽出し、骨梁構造が確認できる解像度で撮影された骨の
2値化断面画像を作成し、該画像の端を始点として画像
の内側に向かってラスター走査線を伸ばし、該走査線が
骨領域に当たった点を頂点、該走査線軸を高さ方向とす
る二等辺三角形を選択し、該二等辺三角形の底辺が骨領
域中に描ける最大の二等辺三角形を特定し、該二等辺三
角形の底辺からラスター走査線の始点方向に対して走査
し抽出する骨領域を皮質骨領域と決定し、該領域内に骨
画像の要素があれば該要素部分を皮質骨領域とする処理
を画像全体に対して繰り返すことで、骨画像を皮質骨領
域と骨梁領域に分離する骨画像処理方法を提供するもの
である。
【0009】また、本発明は、骨梁構造が確認できる解
像度で撮影された骨の2値化連続横断面画像複数枚を入
力画像群とし、各画像について上記方法を用いて皮質骨
領域のみを抽出し、該皮質骨領域を3次元的に連結する
ことによって皮質骨体積を求めることを特徴とする骨強
度評価方法、特にその指標の1つである破断力、最大荷
重を評価する方法を提供するものである。
【0010】また、本発明は、骨梁構造が確認できる解
像度で撮影された骨の2値化連続横断面画像複数枚を入
力画像群とし、各画像について上記方法を用いて骨梁領
域のみを抽出し、該骨梁領域を3次元的に連結すること
により骨梁成分体積を求め、その中で最も大きい骨梁成
分体積(最大連結骨梁成分体積)を求めることを特徴と
する骨強度評価方法、特に骨強度を反映する指標の1つ
である軸変位を評価する方法を提供するものである。
【0011】また、本発明は、骨梁構造が確認できる解
像度で撮影された骨の2値化連続横断面画像複数枚を入
力画像群とし、各画像について上記方法を用いて骨梁領
域のみを抽出し、該骨梁領域を3次元的に連結すること
により求めた骨梁領域成分を3次元細線化処理を行い、
該細線化画像から骨梁の辺数を求めることを特徴とする
骨強度評価方法、特に骨強度を反映する指標の1つであ
る靭性を評価する方法を提供するものである。
【0012】更に、本発明は、骨梁構造が確認できる解
像度で撮影された骨の2値化連続横断面画像複数枚を入
力画像群とし、各画像について上記方法を用いて骨梁領
域のみを抽出し、該骨梁領域を3次元的に連結した骨梁
領域成分の3次元細線化処理を行い、該細線化画像の中
の卵殻のような構造物として現れる空洞数を求めること
を特徴とする骨強度評価方法、骨強度を反映する指標の
1つである最大弾性力を評価する方法を提供するもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の骨強度評価方法
の好ましい態様例を示す。本実施例においては実験用ラ
ットの腰椎部分の骨強度を評価することを目的とした
が、人を含め他動物、他部位の骨についても容易に応用
可能である。
【0014】まず、実験用の正常ラット(Shamモデル)
5体、骨粗鬆症ラット(OVXモデル)5体を準備し、そ
れぞれの第3腰椎部(L3)の微小フォーカスX線CT撮
影装置によって、1体あたり連続30断面、計300枚
を以下の条件で撮影した。 ・解像度:25.8μm/pixel ・スライス厚み:20.7μm
【0015】尚、OVXモデルとは、左右のうち片側若
しくは両側の卵巣を摘出した動物モデルのことをいう。
このOVXモデルは原発性閉経後骨粗鬆症のモデルとし
てよく実験に使用される。OVXモデルに対するSha
mモデルとは、卵巣摘出手術による影響を除外するため
に、OVXモデル動物と同一の手術を施すが、卵巣は摘
出しない群を指す。
【0016】本発明における皮質骨領域、骨梁領域の分
離には、画像の2値化が必要となる。今回は大津の判別
分析法の結果をもとに閾値を決定し2値化を行ったが、
画像の2値化の手法は、他にも様々な手法が知られてい
る。
【0017】2値化した健常ラット腰椎の微小フォーカ
スX線CT画像の一例を図1に、2値化画像を皮質骨領
域、骨梁領域を分離するアルゴリズムのフローチャート
を図2に示す。
【0018】図2に記載の「ラスター走査の始点の設
定」においては、図3に示す始点に属する全画素をラス
ター走査開始する始点として順次定義し、ラスター走査
の方向の決定を行う。
【0019】図2および図3に記載の「3等分線」と
は、骨の2次モーメント軸を水平軸としたときの、その
骨の最左端(図4中の最左波線)と最右端(図4中の最
右波線)の距離を3等分する線のことである。
【0020】画像の中で骨の外側の輪郭が凸エッジのみ
を有している時には、画像端点からのスキャンによって
皮質骨領域、骨梁領域の分離が可能であるが、本実施例
において使用したラット腰椎の画像には凹のエッジも存
在するため、突起状の骨領域の影に当たる領域には、画
像端点からのスキャンだけではスキャン線が到達せず、
皮質骨領域、骨梁領域を完全に分離することはできな
い。したがって、上述の3等分線を設定し利用して骨画
像を分割して処理することによって、凹のエッジを持つ
ラット腰椎の画像においても皮質骨領域、骨梁領域の分
離を可能となる。
【0021】また、図2に記載の「ラスター走査&塗り
潰し」では以下の処理を行う。 始点からラスター走査線を伸ばす。 ラスター走査線が骨領域に当たれば、その点を頂点
とし、走査線軸を高さとする二等辺三角形を設定し、頂
角を一定として骨領域中に描ける面積最大の二等辺三角
形を特定する。設定する二等辺三角形は、頂角が60°
以下であることが好ましく、中でも頂角が20〜60°
の範囲の二等辺三角形が分析精度の点から好ましい。本
実施例では、底辺:高さ=1:2の二等辺三角形を設定
した。 特定した二等辺三角形の底辺から、ラスター走査の
始点方向に向けて逆に走査し、そこで選ばれた骨領域を
皮質骨領域として決定し、その領域内に骨画像の要素が
あれば塗り潰す。
【0022】すなわち、このアルゴリズムはラスター走
査線が画像中の骨領域に入ってから背景領域に抜けるま
でを皮質骨領域とする考え方を元にしている。補正を全
く行わない従来手法を用いた場合、ラスター走査線は皮
質骨から骨梁領域へと進んでしまい、骨梁領域も皮質骨
領域であると誤認する場合がある。
【0023】これを避ける方法として本発明において
は、図5に示すように、ラスター走査線が骨領域に入っ
た位置からその走査幅を広げていき、最終的には面積最
大の二等辺三角形を描き、塗り潰し領域を設定すること
とした。この処理による塗り潰しが終了すれば、塗り潰
された骨領域を皮質骨領域、塗り潰されなかった骨領域
を骨梁領域として分離することができる。
【0024】図6に図1の画像から分離された皮質骨領
域の画像を示す。
【0025】次に、上述の画像処理を入力画像群である
被検骨の連続横断面画像群全部に対して行い、各々の画
像を重ね合せることにより3次元的に連結した皮質骨領
域を作成し、1[voxel]が表す単位体積[mm3/voxe
l]を元にして、各被検骨に対して皮質骨体積[mm3
を導出した。
【0026】続いて3次元的に連結した骨梁領域を抽出
する方法について述べる。
【0027】大域的な視点から見ると、骨梁は大きな1
つの連結成分として考えられる。しかし、有限枚のCT
画像に写り込んだ空間的に限定された領域での骨梁を考
えると、それぞれは幾つかの独立した連結成分から成
る。従って複数枚の2次元骨梁画像からは複数個の3次
元的に連結した骨梁成分が抽出されることになる。
【0028】3次元的に連結した骨梁成分を抽出するた
めには、n枚の連続した画像に対して3次元のラベリン
グ処理が必要になる。本実施例において使用したラベリ
ング処理は以下のように行い、そのフローチャートを図
7に示す。
【0029】2値化画像から骨梁領域部分のみを取り
出した画像群を入力画像群とし、該画像群すべてに対し
てラベリング処理を実施する。 連続するラベル画像n枚のうち、k(1≦k<n)枚
目の画像とk+1枚目の画像について、骨梁領域の上下
対応に従って再ラベリング処理を実施する。
【0030】k=1の場合:k←k+1してへ戻
る。 k=n−1の場合:k枚目より前に処理した画像に対
し、k枚目の結果に従って再ラベリング処理を実施し、
処理を終了する。 それ以外の場合:k枚目より前に処理した画像に対して
も、k枚目の結果に従って再ラベリング処理を実施し、
k←k+1してへ戻る。
【0031】尚、図7に記載の「上下対応を調べる」と
は、隣接する2枚の画像を見て、画像間で重なるpixel
が1つでもある骨梁領域があるかどうかを調べることで
あり、重なるpixelがあれば上下対応があるとみなす。
【0032】即ちk枚目の画像がa0からanのラベル領
域を持ち、k+1枚目の画像がb0からbmのラベル領域
を持ち、例えば図8に示したように各ラベル領域に上下
対応があるとする。
【0033】図8での上下対応をわかりやすく行列で書
くと、図9のようになる。
【0034】上下対応のあるラベル領域間を示す個所を
○で示す。このとき以下のような事項が成り立つ。 同じ行又は同じ列に○がある場合、それは3次元的に
同一の領域になる。 同じ列に○がない場合、その領域はk+1枚目以降に
3次元的連結はない。 同じ行に○がない場合、その領域はk+1枚目から初
めて3次元的連結が始まる。
【0035】この条件にしたがって最初のラベル番号を
1として順次再ラベリングすると、図10のような行列
を作成できる。ここで図9中のa3には同じ列には○が
存在せず、a3で示された領域はk+1枚目以降に3次
元的連結がないことを示しているので、a3には十分に
大きなラベル値を与える。また図9中のb3には同じ行
に○が存在せず、b3で示された領域はk+1枚目以降
から初めて3次元的連結が始まることを示しているの
で、b3には新しい領域を示すラベル値を与える。以上
のラベリング処理を実施すれば、図8は図11のように
描くことができる。
【0036】ただし、k枚目の再ラベリング処理によっ
て、k枚目とk−1枚目以前の画像との間にはラベルの
対応がなくなってしまう。したがって、k枚目のラベリ
ング処理結果に従い、aのラベル値の変化はk−1枚目
以前のラベリング処理済画像でのラベルにも反映させ
る。そして該処理を行った後、bのラベル値に従い、k
+1枚目以降の画像を順次ラベリング処理していく。こ
の処理をn枚の連続骨断面画像全体に適用することで、
3次元ラベリング処理が完了する。
【0037】更に詳細に説明すると、例えば、K枚目の
画像中には骨梁成分が5つあったとする。その時、それ
ぞれの骨梁成分に[1],[2],[3],[4],[5]というラベ
ル番号を割り振る。その後、K+1枚目の画像を調べ
る。K+1枚目の画像中には骨梁成分が6つあるとする。
【0038】6つある骨梁成分のうち5つが、K枚目の
画像で[1],[2],[3],[4],[5]とラベル番号を付けら
れた骨梁成分と上下対応があるならば、K+1枚目の画像
中の骨梁成分のうち5つには[1]〜[5]の番号を付けるこ
とができ、K枚目の画像との上下対応が認められなかっ
た骨梁成分には、新しく[6]というラベル番号を与え
る。
【0039】続いて、K+2枚目の画像を調べる。K+2枚目
の画像には4つしか骨梁成分がなかったとする。K+1枚
目とK+2枚目の骨梁成分の上下対応を調べたところ、K+1
枚目の画像で[1]とラベル番号を付けられていた骨梁成
分はK+2枚目の骨梁成分のどの骨梁成分とも上下対応が
なかった場合、K+1枚目まで[1]とラベル番号を付けられ
ていた骨梁成分はK+2枚目以降の画像には現れてこない
として、十分に大きなラベル番号(ここでは[100]と再
ラベリングします)を与える。今まで[1]というラベル
番号をもった骨梁成分のラベル番号がK+1枚目の画像で
[100]となったわけであるから、K枚目以前の画像に関し
ても、[1]というラベル番号は全て[100]と再ラベリング
する。
【0040】次にK+1枚目まで[2]、[3]となっていた骨
梁成分をK+2枚目との間で調べた結果、[2]、[3]の骨梁
成分がK+2枚目の画像中の骨梁成分1つと上下対応があ
ったとする。その場合、今まで[2]、[3]と別々の骨梁成
分であったと認識されていた骨梁同士が、実は連結して
いたとわかる。そこで、K+2枚目の画像中での該骨梁成
分には[2]というラベル番号を与え,K+1枚目以前の画像
中で[3]となっていた骨梁成分のラベル番号を[2]と再ラ
ベリングしていく。
【0041】K+2枚目の画像中にある残り3つの骨梁成
分のいずれもK+1枚目の画像中での骨梁成分と上下対応
が取れなかった場合、それぞれに[7],[8],[9]という
ラベル番号を与える。上の処理の結果、 K枚目の画像の骨梁成分のラベル番号は,[100],[2],
[2],[4],[5] K+1枚目の画像の骨梁成分のラベル番号は,[100],
[2],[2],[4],[5],[6] K+2枚目の画像の骨梁成分のラベル番号は,「2」,[7],
[8],[9] となる。以上のような処理を延々と画像全体に繰り返
す。
【0042】上で示した処理方法を適用し、3次元ラベ
リング処理によって得られた3次元連結骨梁成分の一例
を図12、13、14に示す。図12は得られた3次元
連結骨梁成分全体を示し、図13は図12中のregion A
で示された3次元連結骨梁成分を、図14は図12中の
region Bで示された3次元連結骨梁成分を示したもので
ある。
【0043】3次元的に連結した骨梁領域を作成後、1
[voxel]が表す単位体積[mm3/voxel]を元にして皮質
骨体積を導出したときと同様、3次元的に連結した骨梁
領域成分それぞれについての体積を導出した。その上で
各被検骨について体積が最大である3次元連結骨梁成分
を求め、それらを各被検骨に関する最大連結骨梁成分体
積[mm3]とした。
【0044】続いて、3次元的に連結した骨梁の辺数を
求める方法について述べる。
【0045】まず、骨梁構造の解析を容易にするため、
上述の方法で得られた3次元連結骨梁成分に対して3次
元細線化の処理を施した。3次元細線化とは、3次元空
間において、厚さ、あるいは太さのある図形を3次元線
図形に変換する処理のことであり、該3次元線図形で
は、分岐、交差、空洞などの特殊な場所を除いて太さは
1であり、かつ、端点以外には消去可能な画素を含まな
い。該3次元線図形は、元の図形の3次元スケルトンと
呼ぶ。
【0046】3次元細線化の方法は従来より様々な方法
が知られており、本発明においては「安江正宏他、3次
元濃淡画像の細線化法と医用画像への応用における能力
の比較評価、電子情報通信学会論文誌、第J79-D-II巻、
pp.1664-1674,1996」記載の方法を用いて3次元連結骨
梁成分の3次元細線化処理を実施した。3次元細線化処
理後の画像の一例を、図15に示す。
【0047】各被検骨の連続横断面画像群から得られた
骨梁成分の3次元スケルトンを3次元グラフとして考え
ると、骨梁構造に含まれる端点、辺、分岐点などの情報
が所得可能になる。すなわち、辺数を求めるためには、
3次元スケルトン内で、頂点から頂点までの距離が1以
上の辺を数えあげればよい。そこで該処理を各被検骨に
ついて実施し、各被検骨の骨梁の辺数を求めた。
【0048】続いて、3次元連結骨梁成分の3次元スケ
ルトン内に現れる空洞数を求める方法について述べる。
【0049】複数枚の骨の横断面画像群から3次元画像
を生成し、さらに3次元細線化処理を行って3次元スケ
ルトンを得ると、該3次元スケルトン内に卵の殻のよう
な構造物が現れる。該構造物は2次元画像処理では現れ
ず、3次元画像処理で初めて現れるものであり、空洞と
呼ばれる。
【0050】実際に空洞数を求めるために行った処理を
以下に述べる。 前述の方法により、各被検骨の3次元連結骨梁成
分の3次元スケルトンを獲得する。 得られたスケルトンから、辺、すなわち頂点から
頂点までの距離が1より大きい線分を消去する。 の処理により空洞のみが残るため、該空洞の個
数をカウントし、空洞数とする。
【0051】該処理を各被検骨について実施し、各被検
骨の空洞数を求めた。
【0052】以上に示した方法によって、各被検骨に対
して、皮質骨体積、最大連結骨梁成分体積、骨梁辺数、
空洞数の4つの指標を求めた結果を図16に示す。
【0053】上で求めた4つの指標を、最も一般的な骨
質評価指標として使用されている骨密度(BMD)と比
較するため、被検骨である実験用ラット10体の第3腰
椎部(本実施例において、本発明による4つの指標を導
出した被検骨と同一の骨)全てに対して、骨密度の測定
を行った。測定装置はHologic社製QDR−20
00を用い、DXA法により測定した。骨密度の測定結
果は、Sham群の平均が1となるように正規化し、O
VX群も該結果に合わせて計算することで相対骨密度と
して導出した。測定結果を図17に示す。
【0054】続いて,実験用ラット10体の第4腰椎部
に対し、骨強度の測定を圧縮試験によって実施した。圧
縮試験時、各腰椎は歯科用レジンに埋め込み固定し、図
18のように骨梁構造の最も発達している部分をハッチ
ング部に設定し、変位速度6[mm/min]にて負荷
を加えていくことで、骨強度を反映する指標である破断
力、最大荷重、軸変位、靭性、最大弾性力の5種類の指
標を測定した。破断力[N]とは、被試験体が破断した
時に加わっていた負荷のことであり、最大荷重[N]と
は、破断までに加えられた最大負荷のことである。ま
た、軸変位[mm]とは、被試験体に負荷を加えはじめ
てから破断する間に被試験体が変形した量のことであ
り、靭性[N・mm]とは、破断するまでに被試験体に
負荷されたエネルギーのことである。さらに最大弾性力
[N/mm]とは、剛性、堅さ、曲がり難さ等を示すも
のであり、以上5種類の指標の説明を図19に示す。ま
た、Sham群の平均が1となるように正規化し、OV
X群も該結果に合わせて計算することで相対骨強度とし
て導出した圧縮試験の結果を図20に示す。
【0055】次に、本発明により導出される皮質骨体
積、最大連結骨梁成分体積、骨梁辺数、空洞数と、上の
圧縮試験にて得られた破断力、最大荷重、軸変位、靭
性、最大弾性力との相関を調べた。同様に、従来より骨
評価の指標として使用されてきた骨密度(BMD)と、圧
縮試験にて得られた破断力、最大荷重、軸変位、靭性、
最大弾性力との相関も調べた。
【0056】結果、皮質骨体積は破断力、最大荷重と、
最大連結骨梁成分体積は軸変位と、骨梁辺数は靭性と、
空洞数は最大弾性力と相関が高いことがわかった。相関
係数の計算結果を図21に示す。同様に骨密度と破断
力、最大荷重、軸変位、靭性、最大弾性力との相関係数
の計算結果も図21中に同時に示してある。参考として
破断力−皮質骨体積の相関図を図22、破断力−骨密度
の相関図を図23、最大荷重−皮質骨体積の相関図を図
24、最大荷重−骨密度の相関図を図25、軸変位−最
大連結骨梁成分体積の相関図を図26、軸変位−骨密度
の相関図を図27、靭性−骨梁辺数の相関図を図28、
靭性−骨密度の相関図を図29、最大弾性力−空洞数の
相関図を図30、最大弾性力−骨密度の相関図を図31
に示す。
【0057】図21より、本発明による4つの指標、す
なわち皮質骨体積、最大連結骨梁成分体積、骨梁辺数、
空洞数は、従来使用されてきた骨密度(BMD)よりも
骨強度を反映する指標(破断力、最大荷重、軸変位、靭
性、最大弾性力)との相関が高く、より精度の高い評価
ができると言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】健常ラット腰椎の微小フォーカスX線CT画像
(2値化後)の一例。
【図2】皮質骨領域、骨梁領域分離アルゴリズムのフロ
ーチャート。
【図3】ラスター走査のパターン。
【図4】ラスター走査の始点、方向。
【図5】皮質骨塗り潰し領域の決定方法。
【図6】分離された皮質骨領域画像の一例。
【図7】3次元ラベリングのフローチャート。
【図8】各ラベル領域の上下対応。
【図9】各ラベル領域の上下対応表。
【図10】各ラベル領域の上下対応表(ラベリング処理
後)。
【図11】3次元連結成分のラベリング。
【図12】3次元連結骨梁成分の一例。
【図13】3次元連結骨梁成分(region A)。
【図14】3次元連結骨梁成分(region B)。
【図15】3次元連結骨梁成分のスケルトンの一例。
【図16】本発明による指標の測定結果。
【図17】相対骨密度の測定結果。
【図18】圧縮試験時のハッチング部分。
【図19】骨強度を反映する指標5種類の位置づけ。
【図20】圧縮試験の結果。
【図21】相関係数計算結果。
【図22】破断力−皮質骨体積の相関図。
【図23】破断力−骨密度の相関図。
【図24】最大荷重−皮質骨体積の相関図。
【図25】最大荷重−骨密度の相関図。
【図26】軸変位−最大連結骨梁成分体積の相関図。
【図27】軸変位−骨密度の相関図。
【図28】靭性−骨梁辺数の相関図。
【図29】靭性−骨密度の相関図。
【図30】最大弾性力−空洞数の相関図。
【図31】最大弾性力−骨密度の相関図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千原 國宏 奈良県生駒市高山町8916番地の5 奈良 先端科学技術大学院大学内 (56)参考文献 特開 平9−122107(JP,A) 特開 平9−294740(JP,A) 特開 平5−154155(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 6/00 A61B 6/03

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨梁構造が確認できる解像度で撮影され
    た骨の2値化断面画像において、画像の端を始点として
    画像の内側に向かってラスター走査線を伸ばし、該走査
    線が骨領域に当たった点を頂点、該走査線軸を高さ方向
    とする二等辺三角形を選択し、該二等辺三角形の底辺が
    骨領域中に描ける最大の二等辺三角形を特定し、該二等
    辺三角形の底辺からラスター走査線の始点方向に対して
    走査し抽出する骨領域を皮質骨領域と決定し、該領域内
    に骨画像の要素があれば該要素部分を皮質骨領域とする
    処理を画像全体に対して繰り返すことで、骨画像を皮質
    骨領域と骨梁領域に分離する骨画像処理方法。
  2. 【請求項2】 骨梁構造が確認できる解像度で撮影され
    た骨の2値化連続横断面画像複数枚を入力画像群とし、
    各画像について請求項1記載の方法を用いて皮質骨領域
    のみを抽出し、該皮質骨領域を3次元的に連結すること
    によって皮質骨体積を求めることを特徴とする骨強度評
    価方法。
  3. 【請求項3】 骨梁構造が確認できる解像度で撮影され
    た骨の2値化連続横断面画像複数枚を入力画像群とし、
    各画像について請求項1記載の方法を用いて骨梁領域の
    みを抽出し、該骨梁領域を3次元的に連結することによ
    り骨梁成分体積を求め、その中で最も大きい骨梁成分体
    積(最大連結骨梁成分体積)を求めることを特徴とする
    骨強度評価方法。
  4. 【請求項4】 骨梁構造が確認できる解像度で撮影され
    た骨の2値化連続横断面画像複数枚を入力画像群とし、
    各画像について請求項1記載の方法を用いて骨梁領域の
    みを抽出し、該骨梁領域を3次元的に連結することによ
    り求めた骨梁領域成分を3次元細線化処理を行い、該細
    線化画像から骨梁の辺数を求めることを特徴とする骨強
    度評価方法。
  5. 【請求項5】 骨梁構造が確認できる解像度で撮影され
    た骨の2値化連続横断面画像複数枚を入力画像群とし、
    各画像について請求項1記載の方法を用いて骨梁領域の
    みを抽出し、該骨梁領域を3次元的に連結した骨梁領域
    成分の3次元細線化処理を行い、該細線化画像の中の空
    洞の数を求めることを特徴とする骨強度評価方法。
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