JP3499585B2 - エチレン分解光触媒 - Google Patents

エチレン分解光触媒

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JP3499585B2 JP25775293A JP25775293A JP3499585B2 JP 3499585 B2 JP3499585 B2 JP 3499585B2 JP 25775293 A JP25775293 A JP 25775293A JP 25775293 A JP25775293 A JP 25775293A JP 3499585 B2 JP3499585 B2 JP 3499585B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、青果物の呼吸作用の進
行に伴って発生するエチレンを光化学的に分解するため
の触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンガスは青果物の呼吸作用の進行
に伴って発生し、このエチレンガスの作用により青果物
の完熟および老化が促進され、その結果として青果物の
日持ちが悪くなる。したがって、収穫後青果物の移送中
もしくは貯蔵中における鮮度を保持するためには、これ
らから発生するエチレンガスを効率よく除去することが
好ましい。
【0003】本発明者は、先にエチレンガスを効率よく
除去するため、特定粒子径の酸化チタン微粒子を反応ガ
スおよび光が流通可能な白色多孔質担体に担持させ特定
温度で焼成することによって、疎水性を持ちエチレンガ
スを飛躍的に効率よく除去できる白色エチレン分解触媒
を見いだし、特願平4−354314号として出願した
が、該担体がハニカム構造や三次元網状構造を有してい
るため、担持方法が難しく担体自体の価格が高価である
ことと相まって、結局触媒全体の価格を高いものとして
いた。そこで、さらに改良を重ね製法が簡単で安価であ
るにもかかわらず、光により極めて高いエチレン分解能
を有するシート状エチレン分解触媒を開発し、特願平5
−115403号として出願した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、剥離強
度およびエチレン分解能をさらに改善する余地が残って
おり、触媒の剥離強度を改善するとともにエチレン分解
能をさらに改善し光により極めて高いエチレン分解能を
発揮するエチレン分解光触媒を開発することが望まれて
いた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はこのような問
題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、高反射率表面
をもつ担体に光の透過性の良いバインダ−を用いて下地
処理し電価分離層を形成することにより、触媒の担持強
度ならびにエチレン分解能をさらに改善できることを見
いだし、さらに触媒活性成分を担持した触媒の上を同様
な光の透過性の良いバインダ−でオ−バ−コ−トするこ
とにより外被膜層を形成すると、剥離強度の向上のみな
らず、不思議なことにエチレン分解能をも一層改善でき
ることを見いだした。本発明はかかる知見に基づいて完
成したものである。
【0006】 すなわち、本発明の第一の態様は、高反
射率表面をもつ担体上に、シリカ系バインダーを用いて
形成された光の透過性が良い膜厚0.5〜3μmの電価
分離層を設け、その上に100〜500オングストロー
ム、好ましくは150〜300オングストロームの結晶
粒子径を有する酸化チタン微粒子を、担持させたことを
特徴とするエチレン分解光触媒を提供することである。
【0007】 本発明の第二の態様は、高反射率表面を
もつ担体上に100〜500オングストローム、好まし
くは150〜300オングストロームの結晶粒子径を有
する酸化チタン微粒子を担持させ、その上に、シリカ系
バインダーを用いて形成された光の透過性が良い膜厚
0.5〜10μmの外被膜層を設けることを特徴とする
エチレン分解光触媒を提供することである。
【0008】 本発明の第三の態様は、高反射率表面を
もつ担体上に、シリカ系バインダーを用いて形成された
光の透過性が良い膜厚0.5〜3μmの電価分離層を設
け、その上に100〜500オングストローム、好まし
くは150〜300オングストロームの結晶粒子径を有
する酸化チタン微粒子を担持させ、さらにその上に、
リカ系バインダーを用いて形成された光の透過性が良い
膜厚0.5〜10μmの外被膜層を設けることを特徴と
するエチレン分解光触媒を提供することである。
【0009】
【構成の詳細】本発明のエチレン分解光触媒の一成分は
高反射率表面をもつ担体である。前記高反射率をもつ担
体とは、1つは、白色の紙状物、他の1つは鏡面を有す
る金属シート、たとえばアルミニウムシート、もう1つ
は、後述の白色多孔質担体である。前記白色の紙状物と
しては、コ−ジライト、アルミナ、シリカアルミナ、チ
タニアシリカ、ジルコニア、ゼオライト、セピオライト
よりなる群から選ばれた白色無機物または天然、半合成
あるいは合成高分子よりなる有機物であり、また、前記
鏡面をもつ金属シートは、耐水性に優れており、シ−ト
の厚さを選択することによって任意の機械強度をもたせ
ることができ、さらに簡便に成形加工できる。なお、金
属箔使用の場合は、紙などの補強材を裏面に積層して使
用してもよい。これらのシート状担体は、触媒の担持前
あるいは担持後に耐水化処理を行うことができる。
【0010】シート状エチレン分解光触媒は筒状体とし
て使用することが好ましく、筒状体の形態は、円筒状、
多面柱状などを採ることができる。また、シートを波状
に成形してから筒状体にして使用することにより表面積
の拡大を計ることもできる。なお、光の利用効率は低下
するが、筒状に加工しないシート状エチレン分解光触媒
をそのまま使用することを制限するものではない。
【0011】エチレン含有ガスのガス拡散効率を良く
し、エチレン分解に必要な触媒の量(受光面積)を確保
するために、光源と触媒表面との距離は少なくとも10
mm以上、好ましくは20mm以上必要である。即ち、
直径15mmの棒状ランプを用いる場合には、筒状体の
直径は、35mm以上、好ましくは55mm以上である
ことが好ましい。
【0012】 前記白色の多孔質担体とは、反応ガスお
よび光が流通可能で、かつ光を良く反射する白色無機質
担体であって、酸化チタンが担持できるものであれば良
い。例えばコ−ジライト、アルミナ、シリカアルミナ、
チタニアシリカ、ゼオライト、セピオライト等の白色無
機質担体である。担体の色を、光エネルギ−の反射率の
高い白色にすることによって、エチレン分解能を高める
ことができ、清潔感を醸し出すこともできる。多孔質担
体は、反応ガスおよび光の流通が容易なハニカム構造体
もしくは三次元網状構造体が好ましい。該ハニカム構造
は、例えば特公昭59−15028号公報に提案されて
いるようなセラミック繊維の集合体(ハニクル担体)、
すなわち珪酸ゲルにより互いに結合されているシリカ繊
維、アルミナ繊維、アルミノシリケ−ト繊維、ジルコニ
ア繊維などの無機繊維から選択されるセラミック繊維の
シ−ト状集合体をハニカム状に積層して構成されるハニ
カム構造であれば圧力損失も少なく幾何学表面積も大き
いのでより好ましい。また該三次元網状構造体として
は、例えば特公昭57−35048号公報に開示されて
いるようなセラミック多孔体が光を良く透過し圧力損失
も少なく幾何学表面積も大きいので特に好ましいもので
ある。
【0013】本発明においては、光源と前記多孔質触媒
の組合せに加えて、光源と反対方向の該触媒の背後に反
射板を設けたエチレン分解装置とすることにより、光の
照射効率を一層向上させることができる。さらに、該触
媒の厚さを調整することにより、光の透過をより容易に
し、エチレンの分解効率を向上させることができる。す
なわち、該触媒の厚さは、薄すぎるとエチレンの分解性
能が低下するのみならず、機械的強度も低下し、僅かな
衝撃によっても崩壊し、厚すぎても反応に寄与しない部
分が多くなり触媒として不経済となるので、5〜40m
mとするのが好適である。
【0014】本発明のエチレン分解光触媒のもう一つの
構成成分は、担体上に形成された光の透過性の良い電価
分離層である。この電価分離層は、担体と触媒活性成分
との電気絶縁性を良好なものとし、触媒金属の電子が担
体へ放出され、活性が低下すること防止するものである
と推定される。さらにこの電気絶縁性と相まって、この
電価分離層は触媒活性成分を強固に担体上に保持し、光
の透過性が良く光エネルギ−を損なわない特性を合わせ
持つものであることが好ましい。この電価分離層は、光
の透過性のよいシリカ系バインダ−を用いて、エアスプ
レ−法、浸漬法等の従来法によって担体上に形成するこ
とができる。電価分離層の担持量は、0.05〜0.3
mg/cm2(電価分離層の厚さに換算すると0.5〜
3μm)、好ましくは0.1〜0.2mg/cm2(電
価分離層の厚さに換算すると1〜2μm)である。
【0015】本発明のエチレン分解光触媒の他のもう一
つの構成成分は光触媒成分であって、金属酸化物半導体
系光触媒としての酸化チタンである。酸化チタンの結晶
粒子経は100〜500オングストローム、好ましくは
150〜300オングストロームのものが特に光による
エチレン分解能が優れている。光触媒成分の担持量は光
源の強さに依存するが、バインダーとの合計でシート状
担体の面積(cm2)当たり0.3〜5.0mg(触媒
層の厚さに換算すると3〜50μm)、好ましくは0.
5〜3.0mg(触媒層の厚さに換算すると5〜30μ
m)である。好ましい触媒層の厚みを得るための光触媒
成分の担持量は、担体がハニカム構造体からなるものに
ついては、バインダーとの合計で触媒構造体全容積に対
して20〜200g/l、好ましくは50〜150g/
l、セラミック繊維の集合体からなるものについては1
0〜100g/l、好ましくは20〜50g/l、三次
元網状構造体からなるものについては2〜50g/l、
さらに好ましくは2〜15g/lであり、これが担体に
バインダ−により保持される。バインダーは、光の透過
率のよいシリカ系バインダーが好ましく、光触媒成分の
重量の10〜30%の量で使用する。
【0016】本発明のエチレン分解光触媒のさらなる構
成成分は、触媒層の上に設けられた機械強度が高く光の
透過性の良い外被膜層である。この外被膜層は、光エネ
ルギ−を無駄に吸収せず光を良く透過するものであっ
て、外被膜層形成時に触媒層にも浸透して触媒層の酸化
チタンの結晶粒子と、バインダーとして用いたシリカ系
成分に起因するSiO2の結晶粒子をさらに緊密に結合
させる。このようにシリカ系オーバーコート層(外被膜
層)を設けたにもかかわらず、驚くことに触媒層の透明
性が増加し、その結果、光の透過性を改善することがで
きた。この外被膜層はシリカ微粒子によって構成するこ
とが好ましい。すなわち、この外被膜層は、光の透過性
のよいシリカ系バインダ−を用いて、エアスプレ−法、
浸漬法等の従来法によって触媒層の上に形成できる。外
被膜層の担持量は、0.05〜1.0mg/cm2(外
被膜層の厚さに換算すると0.5〜10μm)、好まし
くは0.1〜0.5mg/cm2(外被膜層の厚さに換
算すると1〜5μm)である。
【0017】光源としては、酸化チタンを光化学的に励
起させるものであればよく、3.2eV以上のバンドギ
ャップを有し、波長が388nm以下の紫外線を放出
し、触媒成分に光エネルギーを供給するものであればよ
い。
【0018】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定される
ものではない。
【0019】実施例1 日産化学工業社製のスノーテックス−OUP(SiO2
を20重量%含有)をイオン交換水で希釈しSiO2
含有量が5重量%のシリカ溶液を調製た。150mm×
298mmに切断したアルミニウム板に、前記シリカ溶
液をエア−スプレ−法により均一に塗布した後、150
℃の温度で3時間乾燥して、0.15mg/cm2(電
価分離層の厚さに換算すると1.5μm)のSiO2
らなる電価分離層をアルミニウム板に担持形成し、下地
処理担体を得た。イオン交換水3000gに60重量%
の濃硝酸6gを加えた溶液に、バインダ−として500
gの日産化学工業社製のスノーテックス−OUP(Si
2を20重量%含有)を加えて混合した。この溶液に
500gの日本アエロジル社製酸化チタン粉末P−25
をターボミキサーで混合しながら加え、SiO2を2.5
重量%、TiO2を12.5重量%含有する触媒スラリー
溶液4000gを得た。得られた上記の下地処理担体
に、前記触媒スラリー溶液をエア−スプレ−法により均
一に塗布した後、150℃の温度で3時間乾燥して、T
iO2とSiO2との合計量で0.7mg/cm2(触媒
層の厚さに換算すると7μm)を担持したシ−ト状触媒
を得た。得られたシ−ト状触媒を筒状体に丸め、触媒A
を調製した。
【0020】比較例1 下地処理をせず(電価分離層を有さない)、150mm
×298mmに切断したアルミニウム板をそのまま用い
た以外は、実施例1と同様にして、TiO2とSiO2
の合計量で1.0mg/cm2(触媒層の厚さに換算す
ると10μm)を担持したシ−ト状触媒を調製し、得ら
れたシ−ト状触媒を筒状体に丸め、触媒Xを得た。
【0021】実施例2 比較例1で得られた触媒Xの触媒層の上に、実施例1の
下地処理に用いたと同じ5重量%シリカ溶液を、エア−
スプレ−法により均一に塗布した後、150℃の温度で
3時間乾燥して、SiO2を0.17mg/cm2(外被
膜層の厚さに換算すると1.7μm)をさらにオ−バ−
コ−ト担持し、外被膜層をその上に形成したオ−バ−コ
−トシ−ト状触媒を得た。得られたシ−ト状触媒を、筒
状体に丸めた触媒Bを調製した。
【0022】実施例3 実施例2において、比較例1で得られた触媒Xに代えて
実施例1で得られた触媒Aを用いたことを除いて同様に
して、0.15mg/cm2(外被膜層の厚さに換算す
ると1.5μm)のSiO2をさらに実施例1で得られ
た触媒Aにオ−バ−コ−ト担持し、外被膜層を有するシ
−ト状触媒を得た。得られたシ−ト状触媒を筒状体に丸
め、触媒Cを調製した。実施例2および実施例3におい
て得られた外被膜層を有する触媒は、外被膜層を担持形
成する際、シリカ溶液が触媒層にも浸透し触媒層自体の
透明度も改善されていることが視認された。前記実施例
1〜3で得られた触媒A〜Cおよび比較例1で得られた
触媒Xを用いて下記のエチレン分解能評価試験1を行っ
た。
【0023】エチレン分解能評価試験1 波長が254nmの紫外線を放出する12Wのプリンス
社製紫外線殺菌ランプ(QGULR−11−200N)
を、載架した筒状試料触媒の中心軸上に挿入載架し、そ
の下方部に大気の循環用のファンを設置した16リッタ
ーのガラスケースに、99.6%のエチレン1.6mlを
注入し、ガラスケース内のエチレン濃度を100ppm
に調整した。試料触媒を設置した後、試料触媒のエチレ
ン吸着性能を見るため、最初の十分間はファンにより大
気を循環させるのみで該ランプを点燈しないで、エチレ
ン濃度の変化を測定したが、エチレン濃度は変化せずエ
チレンは試料触媒には吸着されていないことがわかっ
た。10分経過した後、該ランプを点灯し、点灯後50
分経過後のエチレン濃度を測定した。その結果を表1、
2に示す。なお、筒状試料触媒の一部を重ね合わすよう
に巻き込むことによって筒体の直径を調整した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】 表1、2から明らかなように、本発明のシ−ト状触媒
A、BおよびCはいずれも、電価分離層も外被膜層も持
たない従来の触媒Xに比べて極めて優れたエチレン分解
性能を有することが裏付けられた。
【0026】実施例4 日産化学工業社製のスノーテックス−OUP(SiO2
を20重量%含有)をイオン交換水で希釈しSiO2
含有量が2重量%のシリカ溶液を調製した。この2重量
%シリカ溶液に、アルミノシリケ−ト繊維のシ−ト状集
合体によって構成されるハニカム構造体を有するニチア
ス社製白色ハニクル担体(200セル、縦60mm、横
150mm、厚さ10mm)を浸漬し、取り出し、余剰
のスラリーを空気を吹き付けて除去した後、150℃の
温度で6時間乾燥し、触媒の容積1リッター当り3gの
SiO2(0.2mg/cm2に相当し、電価分離層の厚
さに換算すると2μm)を担持し、電価分離層を形成し
た下地処理ハニクル担体を得た。イオン交換水3000
gに60重量%の濃硝酸6gを加えた溶液に、バインダ
−として1000gの日産化学工業社製のスノーテック
ス−OUP(SiO2を20重量%含有)を加えて混合
した。この溶液に500gの日本アエロジル社製酸化チ
タン粉末P−25をターボミキサーで混合しながら加
え、SiO2を2.5重量%、TiO2を12.5重量%含
有する触媒スラリー溶液4000gを得た。上記下地処
理ハニクル担体を、得られた触媒スラリー溶液に浸漬
し、取り出し、余剰のスラリーを空気を吹き付けて除去
した後、150℃の温度で6時間乾燥し、500℃の温
度で1時間焼成して、触媒の容積1リッター当りTiO
2とSiO2との合計量で37g(2.47mg/cm2
に相当し、触媒層の厚さに換算すると24.7μm)を
担持した触媒Dを得た。
【0027】比較例2 担体に下地処理を行わないことを除いて実施例1と同様
にして、触媒の容積1リッター当りTiO2とSiO2
の合計量で38g(2.53mg/cm2に相当し、触
媒層の厚さに換算すると25.3μm)を担持した触媒
Y(電価分離層、外皮膜層なし)を得た。
【0028】実施例5 比較例2の触媒Yを、実施例4の2重量%のシリカ溶液
に浸漬し、取り出し、余剰のスラリーを空気を吹き付け
て除去した後、150℃の温度で6時間乾燥し、触媒の
容積1リッター当り3gのSiO2(0.2mg/cm2
に相当し、外被膜層の厚さに換算すると2μm)よりな
る外被膜層をもつ触媒Eを得た。
【0029】実施例6 比較例2の触媒Yに代えて実施例4の触媒Dを用いたこ
とを除いて比較例3と同様にして、触媒の容積1リッタ
ー当り3gのSiO2(0.2mg/cm2に相当し、外
被膜層の厚さに換算すると2μm)を担持し、さらに、
その上に外被膜層を形成し、触媒Fを得た。実施例5お
よび実施例6において得られたオ−バ−コ−ト層、すな
わち外被膜層を有する触媒Eおよび触媒Fは、実施例2
および実施例3の外被膜層を有する触媒Bおよび触媒C
と同様に、外被膜層を担持形成する際に、外被膜を形成
するためのシリカ溶液がすでに担持されている触媒層に
も浸透し全体の透明度も改善されることが視認された。
前記実施例4〜6で得られた触媒D〜Fおよび比較例2
で得られた触媒Yを用いて下記のエチレン分解能評価試
験2を行った。
【0030】エチレン分解能評価試験2 波長が254nmの紫外線を放出する12Wのプリンス
社製紫外線殺菌ランプ(QGULR−11−200N)
を使用し、該ランプの照射効率を上げるため、アルミ板
等の反射材をその背後に設置し、該ランプから4cmの
距離を置いた位置に試料触媒を載架し、その下方部に大
気の循環用のファンを設置した16リッターのガラスケ
ースに、99.6%のエチレン1.6mlを注入し、ガラ
スケース内のエチレン濃度を100ppmに調整した。
試料触媒を設置した後、試料触媒のエチレン吸着性能を
見るため、最初の十分間はファンにより大気を循環させ
るのみで該ランプを点燈しないで、エチレン濃度の変化
を測定したが、エチレン濃度は変化せずエチレンは試料
触媒には吸着されていないことがわかった。10分経過
した後、該ランプを点灯し、点灯後50分経過後のエチ
レン濃度を測定した。その結果を表3に示す。
【0031】
【表3】 表3から明らかなように、本発明のハニクル担体触媒
D,EおよびFはいずれも、電価分離層も外被膜層も持
たない従来の触媒Yに比べて極めて優れたエチレン分解
性能を有することが裏付けられた。
【0032】つぎに、触媒の剥離強度を調べるため、比
較例2の触媒Yおよび実施例4の触媒Dを用いて下記の
超音波振動剥離強度試験を行った。
【0033】超音波振動剥離強度試験 試料を、150℃の温度で2時間加熱し後、試料の重量
を測定した。ついで、超音波洗浄装置(島津製作所製
SUS−103型)の水槽の水中に試料を入れ、45k
Hzの周波数で20分間処理した。超音波処理した試料
を150℃の温度で2時間乾燥した後、重量を測定し、
超音波処理前後の重量差から試料の剥離量を求めた。電
価分離層を有する実施例4の触媒Dの剥離量が1.8m
g/gであるのに対して、電価分離層も外被膜層ももた
ない比較例2の触媒Yの剥離量は5.0mg/gと多か
ったが、これにより電価分離層をもつだけでも剥離強度
が改善されたことが裏付けられた。電価分離層に加え
て、さらに外被膜層を形成した触媒の剥離量はさらに少
なく、測定値は誤差範囲で実質的に剥離は認められなか
った。すなわち、シリカバインダ−で、下地処理または
オ−バ−コ−ト処理の一方もしくは両方を施した本発明
の触媒の機械強度の改善が裏付けられた。
【0034】
【発明の効果】本発明のエチレン分解光触媒は、電価分
離層を担体と触媒層の間に設けることによってエチレン
分解能が改善され、また触媒成分がより強固に担体に保
持されるため触媒層に割れや亀裂が入り難くなり触媒層
の剥離が少ないという顕著な効果を奏する。さらに、外
被膜層をその上に形成した本発明のエチレン分解光触媒
は、外被膜層形成時にシリカバインダ−が触媒層にも浸
透して触媒層の酸化チタンの結晶粒子とSiO2の結晶
粒子をさらに緊密に結合させるために、触媒層の透明性
が増加し光の透過性が改善されるためエチレン分解能が
向上するのみならず、触媒層の下に設けられた電価分離
層の働きと相まって触媒活性成分の剥離強度をさらに増
加させるという極めて顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高反射率表面をもつ担体上に、シリカ系
    バインダーを用いて形成された光の透過性が良い膜厚
    0.5〜3μmの電価分離層を設け、その上に100〜
    500オングストロームの結晶粒子径を有する酸化チタ
    ン微粒子を担持させたことを特徴とするエチレン分解光
    触媒。
  2. 【請求項2】 高反射率表面をもつ担体上に100〜5
    00オングストロームの結晶粒子径を有する酸化チタン
    微粒子を担持させ、その上に、シリカ系バインダーを用
    いて形成された光の透過性が良い膜厚0.5〜10μm
    外被膜層を設けることを特徴とするエチレン分解光触
    媒。
  3. 【請求項3】 高反射率表面をもつ担体上にシリカ系バ
    インダーを用いて形成された光の透過性が良い膜厚0.
    5〜3μmの電価分離層を設け、その上に100〜50
    0オングストロームの結晶粒子径を有する酸化チタン微
    粒子を担持させ、さらにその上に、シリカ系バインダー
    を用いて形成された光の透過性が良い膜厚0.5〜10
    μmの外被膜層を設けることを特徴とするエチレン分解
    光触媒。
  4. 【請求項4】 前記酸化チタン微粒子の結晶粒子径が1
    50〜300オングストロームである請求項1、2また
    は3記載のエチレン分解光触媒。
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