JP3493400B2 - 新規なアミノ末端保護基遊離酵素 - Google Patents

新規なアミノ末端保護基遊離酵素

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JP3493400B2
JP3493400B2 JP50267398A JP50267398A JP3493400B2 JP 3493400 B2 JP3493400 B2 JP 3493400B2 JP 50267398 A JP50267398 A JP 50267398A JP 50267398 A JP50267398 A JP 50267398A JP 3493400 B2 JP3493400 B2 JP 3493400B2
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由記子 伊豆
哲基 田中
大 宮城
哲雄 谷川
潤 友野
進 綱澤
郁之進 加藤
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Takara Bio Inc
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)

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Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、タンパク質およびペプチドのアミノ末端に
存在する保護基を遊離させる活性を有するアミノ末端保
護基遊離酵素に関する。また本発明は、かかるアミノ末
端保護基遊離酵素をコードするDNAに関する。また本発
明は、かかるアミノ末端保護基遊離酵素の遺伝子組換え
技術による製造方法に関する。また本発明は、かかるア
ミノ末端保護基遊離酵素を用いるアミノ末端保護基の除
去方法に関する。さらに本発明は、かかる除去方法を用
いるアミノ酸配列の解析方法に関する。さらに本発明
は、上記アミノ末端保護基遊離酵素を含有する、アミノ
酸配列の解析に使用されるキットに関する。さらに本発
明は、上記アミノ末端保護基遊離酵素又はその機能的同
等物に特異的に結合する抗体またはその断片に関する。
さらに本発明は、上記DNAとハイブリダイズする合成オ
リゴヌクレオチドプローブ又は合成オリゴヌクレオチド
プライマーに関する。 背景技術 タンパク質およびペプチドのアミノ末端アミノ酸配列
を決定することは、それらの同定もしくは確認に対して
不可避の分析である。 しかしながら、真核細胞生物由来の可溶性タンパク質
の60%以上がそのアミノ末端のα−アミノ基をアセチル
基やその他の保護基によってブロックされていると言わ
れており、アミノ末端からのアミノ酸配列決定法として
既に確立され広く利用されているエドマン分解法では、
保護基によりアミノ末端がブロックされたタンパク質お
よびペプチドの分析を行うことができない。 タンパク質およびペプチドのアミノ末端をブロックし
ている保護基としては、ホルミル基、アセチル基、ミリ
ストイル基、ピログルタミル基、ジメチル基、グルクロ
ニル基、グリコシル基、トリメチル基等が報告されてい
る。これらブロックされたタンパク質のアミノ末端アミ
ノ酸配列分析法としては、保護基を除去した後にエドマ
ン分解法を適用する方法が用いられる。 保護基の除去には、酵素を用いる方法と化学的方法が
あるが、酵素法では、アセチル基の場合はアシルアミノ
酸遊離酵素、ピログルタミル基の場合にはピログルタミ
ルペプチダーゼを用いるといった具合に保護基の種類に
より用いる酵素が異なり、汎用性に欠けるという欠点を
持っており、化学的方法も汎用性のある方法は開発され
ていない。また、アミノ末端がブロックされている場合
にその保護基を同定する方法は知られていないため、実
際に保護基の除去を行う際には、それぞれの保護基の種
類に応じた除去方法をひとつずつ試してみる以外の方法
はない。さらに、ミリストイル基でブロックされたタン
パク質及びペプチドについては有効な保護基除去方法が
なく、アミノ末端からの配列を得ることは不可能であ
る。 なお、これまでにピロコッカス フリオサスより単離
された、ペプチドのアミノ末端部分に作用するペプチダ
ーゼとしてはアミノペプチダーゼ(特開平6−319566
号)、ピログルタミルペプチダーゼ(特開平7−298881
号)、およびメチオニンアミノペプチダーゼ(特開平8
−9979号)が知られている。このうち、ピログルタミル
ペプチダーゼはアミノ末端のピログルタミル基を遊離す
る活性を有しているが、これ以外の保護基、たとえばア
セチル基に対しては作用しない。また、他の2種の酵素
は保護基でブロックされたアミノ末端には作用できな
い。 前記のように保護基によりアミノ末端がブロックされ
たタンパク質およびペプチドに対する現行のアミノ末端
アミノ酸配列分析法は、汎用性がないことに問題点を有
する。 発明の開示 従って、本発明の目的は、2種以上の保護基に対して
アミノ末端保護基遊離活性を示すアミノ末端保護基遊離
酵素やその機能的同等物、該酵素をコードするDNA、該
酵素の製造方法、該酵素を作用させるアミノ末端保護基
の除去方法、該方法を用いるアミノ酸配列の解析方法、
及び上記酵素を含有するアミノ酸配列解析用キットを提
供することにある。さらに本発明の目的は、上記アミノ
末端保護基遊離酵素又はその機能的同等物に特異的に結
合する抗体またはその断片や、上記DNAとハイブリダイ
ズする合成オリゴヌクレオチドプローブ又は合成オリゴ
ヌクレオチドプライマーを提供することにある。 本発明者らは、ピロコッカス フリオサス由来のコス
ミドプロテインライブラリーを検索し、アミノ末端の保
護基を遊離する活性を発現する1個のコスミドクローン
を取得した。本発明者らは、このクローン中に含まれる
アミノ末端保護基遊離酵素遺伝子を単離してその塩基配
列を決定した。また微生物において該酵素を大量に発現
する組換えプラスミドの構築を行ない、酵素の生産に成
功するとともに、該酵素の種々の酵素学的性質を明らか
にした。さらに、該酵素がアセチル基をはじめとする複
数のアミノ末端保護基を遊離する活性を有することを見
い出した。また該酵素の機能的同等物の作製に成功し本
発明を完成させた。 即ち、本発明の要旨は、 〔1〕 保護基によってアミノ末端がブロックされたペ
プチドに作用して該保護基を遊離させる活性(「アミノ
末端保護基遊離活性」と略記する。)を有する酵素であ
って、2種以上の保護基に対して前記活性を示し、かつ
下記の理化学的性質: (1)至適温度:pH7.6において75〜95℃ (2)至適pH:pH6.5〜9.5 (3)各種試薬の影響: アマスタチンによって活性が阻害を受け、CoCl2によ
って促進される (4)分子量:SDS−ポリアクリルアミド電気泳動により
4万を示す を有することを特徴とするアミノ末端保護基遊離酵素、 〔2〕 アセチル基、ピログルタミル基、ホルミル基、
及びミリストイル基からなる群より選ばれる少なくとも
2種以上の保護基に対してアミノ末端保護基遊離活性を
示す、前記〔1〕記載の酵素、 〔3〕 さらにアミノペプチダーゼ活性を有する前記
〔1〕又は〔2〕記載の酵素、 〔4〕 配列表の配列番号:1に示されるアミノ酸配列を
含むアミノ末端保護基遊離酵素、 〔5〕 配列表の配列番号:1に示されるアミノ酸配列
に、1個もしくは複数のアミノ酸残基が欠失、付加、挿
入もしくは置換の少なくとも1つがされており、かつア
ミノ末端保護基遊離活性を示すアミノ末端保護基遊離酵
素、 〔6〕 アミノ末端が保護基によりブロックされた前記
〔5〕記載の酵素、 〔7〕 保護基がアセチル基である前記〔6〕記載の酵
素、 〔8〕 配列表の配列番号:10に示されるアミノ酸配列
を有する前記〔7〕記載の酵素、
〔9〕 前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載のアミノ末端
保護基遊離酵素をコードするDNA、 〔10〕 配列表の配列番号:1に示されるアミノ酸配列を
含むものであってアミノ末端保護基遊離活性を示すもの
をコードするDNA、 〔11〕 配列表の配列番号:2に示されるDNAを含むもの
であってアミノ末端保護基遊離活性を示すものをコード
するDNA、 〔12〕 配列表の配列番号:1に示されるアミノ酸配列
に、1個もしくは複数のアミノ酸残基が欠失、付加、挿
入もしくは置換の少なくとも1つがされており、かつア
ミノ末端保護基遊離活性を示すタンパク質をコードする
DNA、 〔13〕 配列表の配列番号:11に示す塩基配列を有する
前記〔12〕記載のDNA、 〔14〕 前記〔10〕〜〔13〕いずれか記載のDNAに0.5%
SDS、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.1%ポリビニ
ルピロリドン、0.1%フィコール400、0.01%変性サケ精
子DNAを含む6×SSC中、50℃でハイブリダイズ可能な、
アミノ末端保護基遊離活性を示すタンパク質をコードす
るDNA、 〔15〕 前記
〔9〕〜〔14〕のいずれか記載のDNAを含
んでなる組換えDNA、 〔16〕 前記〔15〕記載の組換えDNAを挿入されてな
る、微生物、動物細胞又は植物細胞を宿主細胞とする発
現ベクター、 〔17〕 前記〔16〕記載の発現ベクターにより形質転換
されてなる形質転換体、 〔18〕 前記〔17〕記載の形質転換体を培養し、該培養
物中よりアミノ末端保護基遊離活性を有するタンパク質
又はその活性と機能的に同等の活性を有するポリペプチ
ドを採取することを特徴とするアミノ末端保護基遊離酵
素の製造方法、 〔19〕 保護基によってアミノ末端がブロックされたペ
プチドに、前記〔1〕〜〔8〕いずれか記載のアミノ末
端保護基遊離酵素を作用させてアミノ末端の保護基を遊
離させることを特徴とするアミノ末端保護基の除去方
法、 〔20〕 保護基によってアミノ末端がブロックされたペ
プチドのアミノ酸配列の解析方法において、前記〔19〕
記載の除去方法により該保護基を遊離させた後、アミノ
酸配列の解析に供することを特徴とするアミノ酸配列の
解析方法、 〔21〕 保護基によってアミノ末端がブロックされたペ
プチドのアミノ酸配列の解析に使用されるキットであっ
て、前記〔1〕〜〔8〕いずれか記載のアミノ末端保護
基遊離酵素を含有することを特徴とするキット。 〔22〕 前記〔1〕〜〔8〕いずれか記載のアミノ末端
保護基遊離酵素に特異的に結合する抗体又はその断片、
に関するものである。 図面の簡単な説明 第1図は、プラスミドpDAP3の制限酵素地図を示す図
である。 第2図は、プラスミドpDAPの制限酵素地図を示す図で
ある。 第3図は、本発明におけるアミノ末端保護基遊離酵素
の至適温度を示すグラフである。 第4図は、本発明におけるアミノ末端保護基遊離酵素
の至適pHを示すグラフである。図中、△は酢酸ナトリウ
ム緩衝液、●はPIPES−Na緩衝液、○はホウ酸ナトリウ
ム緩衝液、▲はリン酸水素二ナトリウム−水酸化ナトリ
ウム緩衝液を用いてのデータを示す。 第5図は、75℃での本発明におけるアミノ末端保護基
遊離酵素の温度安定性を示すグラフである。図中、●は
0.1mMのCoCl2を含む緩衝液中でのデータ、○はCoCl2
含有しない緩衝液中でのデータを示す。 第6図は、本発明におけるアミノ末端保護基遊離酵素
のニューロテンシンに対する経時作用を示す図である。 第7図は、本発明におけるアミノ末端保護基遊離酵素
のα−MSHに対する経時作用を示す図である。 第8図は、本発明におけるアミノ末端保護基遊離酵素
のAc−Gly−Asp−Val−Glu−Lysに対する経時作用を示
す図である。 第9図は、本発明におけるアミノ末端保護基遊離酵素
のFor−Met−Leu−Phe−Lysに対する経時作用を示す図
である。 第10図は、本発明におけるアミノ末端保護基遊離酵素
のMyr−Phe−Ala−Arg−Lys−Gly−Ala−Leu−Arg−Gln
に対する経時作用を示す図である。 第11図は、本発明におけるアミノ末端保護基遊離酵素
のMyr−Gly−Ala−Gly−Ala−Ser−Ala−Glu−Glu−Lys
に対する経時作用を示す図である。 第12図は、本発明におけるアミノ末端保護基遊離酵素
の還元リゾチームに対する経時作用を示す図である。 発明を実施するための最良の形態 1.本発明のアミノ末端保護基遊離酵素について 本発明のアミノ末端保護基遊離酵素は、保護基によっ
てアミノ末端がブロックされたペプチドに作用して該保
護基を遊離させる活性(アミノ末端保護基遊離活性)を
有する酵素であって、2種以上の保護基に対して活性を
示すことを特徴とする。 ここで、「ペプチド」とは、2以上のアミノ酸がペプ
チド結合によってつながったものを示し、「タンパク
質」として記載されているものを包含する。 このペプチドのアミノ末端に存在する保護基として
は、アセチル基、ピログルタミル基、ホルミル基、ミリ
ストイル基等が挙げられるが、本発明のアミノ末端保護
基遊離酵素は、基質のペプチドのアミノ末端からこれら
の保護基のうち少なくとも2種以上の保護基を遊離させ
る活性を有する。このようなアミノ末端保護基遊離活性
は、アミノ末端が上記保護基でブロックされた合成ペプ
チド等を基質として用いることにより後述の方法により
測定できる。 本発明のアミノ末端保護基遊離酵素としては、アミノ
末端保護基遊離活性を有する酵素、アミノ末端保護基遊
離活性を有し且つペプチドのアミノ末端より順次アミノ
酸を遊離するアミノペプチダーゼ活性を有する酵素が挙
げられ、具体的にはその一例として配列表の配列番号:1
に示されるアミノ酸配列からなる酵素が挙げられる。ア
ミノペプチダーゼ活性をさらに有する場合、他のペプチ
ドアミノ末端分解法を併用する必要なしに、ペプチドの
アミノ酸配列の解析を実施することも可能である。この
ようなアミノペプチダーゼ活性は通常用いられる公知の
方法(Arch.Biochem.Biophys.,第274、第241〜250頁(1
989))により測定できる。 アミノ末端保護基遊離活性を有しかつアミノペプチダ
ーゼ活性を有する酵素の一例として、具体的には配列表
の配列番号:1に示されるアミノ酸配列からなる酵素が挙
げられる。本発明の酵素は、そのアミノ末端が遊離の状
態であってもよく、あるいは該酵素のアミノ末端自体が
保護基によってブロックされていてもよい。従って、本
明細書において特に言及がない限り、該酵素のアミノ末
端はいずれの状態のものをも含んでいる。従って、配列
番号:1にはアミノ末端が遊離の状態のものを示したが、
配列番号:1の配列を有し、アミノ末端がアセチル基など
の保護基によってブロックされているものも本発明の範
囲内である。 本発明のアミノ末端保護基遊離酵素は、例えば1)本
発明の酵素を生産する微生物の培養物からの精製、2)
本発明の酵素をコードするDNAを含有する形質転換体の
培養物からの精製、等の方法により製造することができ
る。 1)本発明の酵素を生成する微生物の培養物からの精製 本発明の酵素を生産する微生物については、酵素活性
を指標としたスクリーニングによってかかる微生物を見
い出すことができる。酵素活性を検出する方法として
は、アミノ末端が保護基でブロックされたアミノ酸やペ
プチドを基質に用いて、該基質からの保護基の遊離を高
速液体クロマトグラフィーやアミノ酸分析法、質量分析
法等によって確認する方法がある。また、保護基でブロ
ックされたアミノ酸に、さらに適当な発色基や蛍光基を
付加した合成基質等を利用することもできる。 上記のようにして、アミノ末端保護基遊離酵素の生産
が確認された微生物を培養することにより該酵素を製造
することができる。微生物の培養はその微生物の生育に
適した条件で行えばよく、好ましくは目的の酵素の発現
量が高くなるような培養条件が用いられる。こうして菌
体あるいは培養液中に生産された目的の酵素は、通常の
酵素精製に用いられる方法によって精製することができ
る。 上記のスクリーニングにより明らかになった、本発明
の酵素を生産する微生物としては、ピロコッカス フリ
オサス DSM 3638が挙げられる。 以下、ピロコッカス フリオサス DSM 3638を例と
して、本発明の酵素の製造方法について述べるが、これ
に限定されるものではない。なお、ピロコッカス フリ
オサス DSM 3638は、ドイッチェ ザムルンク フォ
ン ミクロオルガニスメン ウント ツェルクルチュレ
ン ウント GmbH(Deutsch Sammlung von Mikroorgani
smen und Zellkulturen und GmbH)より入手可能な菌株
である。 該菌株の培養にあたっては、通常、超耐熱菌の培養に
用いられる方法が利用でき、培地に加える栄養源は該菌
株が利用しうるものであればよい。炭素源としては、例
えばデンプン等が利用でき、窒素源としては、例えばト
リプトン、ペプトン、酵母エキス等が利用できる。培地
中には、マグネシウム塩、ナトリウム塩、鉄塩等の金属
塩を微量元素として加えてもよい。また例えば、培地の
調製に人工海水を用いることが有利である。また培地は
固形の硫黄を含んでいない透明な培地が望ましく、該培
地を用いれば、菌体の増殖は培養液の濁度を測定するこ
とにより容易に監視することができる。培養にあたって
は静置培養又は攪拌培養で行なうことができるが、例え
ばアプライド アンド エンバイロンメンタル マイク
ロバイオロジー、第55巻、第2086〜2088頁(1992)に記
載のように、透析培養法を用いてもよい。一般に培養温
度は95℃前後が好ましく、通常16時間程度でアミノ末端
保護基遊離酵素が培養物中に著量蓄積する。培養条件
は、使用する菌体、培地組成に応じアミノ末端保護基遊
離酵素の生産量が最大になるように設定するのが好まし
い。 アミノ末端保護基遊離酵素を採取するに当たっては、
例えば培養液から遠心分離、濾過などによって菌体を集
め、次いで菌体を破砕して粗酵素液を調製する。菌体の
破砕方法としては、超音波破砕、ビーズ破砕、溶菌酵素
処理等のうちから目的酵素の抽出効果の高い方法を選べ
ばよい。また、培養液中に該酵素が分泌されている場合
には、硫安塩析法や限外濾過法等によって酵素を濃縮
し、これを粗酵素液とする。かくして得られた粗酵素液
からアミノ末端保護基遊離酵素を単離するにあたって
は、通常の酵素の精製に用いられる方法を使用できる。
例えば、硫安塩析処理、イオン交換クロマトグラフィ
ー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフ
ィー等の方法を組み合わせて使用できる。 2)本発明の酵素をコードするDNAを含有する形質転換
体の培養物からの精製 本発明に係る酵素をコードするDNAは、適当な微生物
の遺伝子ライブラリーのスクリーニングにより得ること
ができる。微生物としては上記と同様、酵素活性を指標
としたスクリーニングによって見い出すことができる。 より具体的には、例えばピロコッカス属に属する細
菌、例えばピロコッカス フリオサスのゲノムのコスミ
ドライブラリーより目的のDNAをスクリーニングし、得
ることができる。ピロコッカス フリオサスとしてはピ
ロコッカス フリオサス DSM 3638が使用できる。 また、このような微生物からの所望のDNAのクローニ
ングや本発明の酵素をコードするDNAを含有する形質転
換体の調製及び培養、培養物からの所望のタンパク質の
精製等の方法は、通常行われる公知の方法を用いること
ができる。以下、ピロコッカス フリオサス DSM 363
8を例として、本発明の製造方法について述べるが、こ
れに限定されるものではない。 ピロコッカス フリオサス ゲノムのコスミドライブ
ラリーは、ピロコッカス フリオサス ゲノムDNAを制
限酵素Sau3A I(宝酒造社製)で部分消化して得られたD
NA断片をトリプルヘリックスコスミドベクター(ストラ
タジーン社製)に導入した後、インビトロパッケージン
グ法によってラムダファージ粒子中にパッケージングす
ることにより作製することができる。次にこうして得ら
れたライブラリーを用いて適当な大腸菌、例えば大腸菌
DH5αMCR(BRL社製)を形質転換し、この形質転換体中
の本発明に係わる酵素活性を調べることにより、該酵素
のDNAを含有するクローンを得ることができる。 さらに本発明者らは、該酵素活性のスクリーニングに
際し、材料としたピロコッカス フリオサスの生産する
酵素が高い耐熱性を有する点に着目し、コスミドライブ
ラリーを用いて得られる形質転換体を個別に培養し、得
られた菌体から耐熱性の蛋白のみを含むライゼートを調
製する工程を組合わせた。この一群のライゼートは、コ
スミドプロテインライブラリーと命名され、該コスミド
プロテインライブラリーを酵素活性の検出に用いること
により、形質転換体のコロニーを用いる方法よりも検出
感度が上がるとともに、宿主由来のタンパク等によるバ
ックグラウンドや酵素活性の阻害といった悪影響を熱変
性操作により除去することができる。 即ち、まず、コスミドライブラリーを用いて得られた
形質転換体を培養して得られる菌体を熱処理(100℃、1
0分間)、超音波処理、再熱処理(100℃、10分間)した
後、遠心分離を行って上清(ライゼート)を回収し、コ
スミドプロテインライブラリーを作製する。 次に、該ライブラリーに含まれるそれぞれのライゼー
トについてペプチダーゼ活性の有無を調べ、ペプチダー
ゼを発現するクローンのスクリーニングを行う。ペプチ
ダーゼ活性の検出には、合成ペプチドであるアミノ酸−
4−メチルクマリル−7−アミド(以下、アミノ酸−MC
Aと記載する。)を基質として使用することができ、例
えば、Met−MCA、Leu−MCA、Ala−MCA、His−MCA(ペプ
チド研究所社製)等が使用できる。ペプチダーゼ活性が
認められたライゼートは、さらに、アミノ末端がアセチ
ル基によりブロックされたペプチドであるα−MSH(α
−メラニン細胞刺激ホルモン:ペプチド研究所社製)を
基質に用いることにより、アミノ末端の保護基を遊離す
る活性を有するかどうかを調べることができる。これに
より、保護基を遊離する活性を発現するDNAを含むコス
ミドクローンを得ることができる。 さらに、このようにして得られたコスミドクローンよ
り調製したコスミドを適当な制限酵素で断片化し、各断
片を挿入した組換えプラスミドを作製することができ
る。次に該プラスミドを適当な微生物に導入して得られ
る形質転換体の生産するMet−MCA分解活性を調べること
により、目的の酵素をコードするDNAを含む組換えプラ
スミドを得ることができる。 上記のコスミドクローンから調製したコスミドをBamH
I(宝酒造社製)消化し、得られたDNA断片をプラスミ
ドベクターpUC18(宝酒造社製)のBamH Iサイトに挿入
した組換えプラスミドを作製することができる。次に、
このプラスミドを導入した大腸菌JM109(宝酒造社製)
を培養した後、得られた菌体より調製したライゼート中
のペプチダーゼ活性を調べることにより、目的とするDN
Aを含むプラスミドを得ることができる。該プラスミド
はプラスミドpDAP1と命名されている。 次に、上記のプラスミドpDAP1をEcoR I(宝酒造社
製)消化し、セルフライゲーションを行うことにより組
換えプラスミドを作製することができる。該プラスミド
を導入した大腸菌JM109を培養して得られる菌体のライ
ゼートのペプチダーゼ活性を確認し目的DNAを含むプラ
スミドを得ることができる。該プラスミドはpDAP2と命
名されている。 更に、上記プラスミドpDAP2よりアミノ末端保護基遊
離酵素遺伝子を含まないDNA断片を次のように除くこと
ができる。すなわち、前記プラスミドpDAP2をSac I(宝
酒造社製)消化して得られる約1.7kbのDNA断片をプラス
ミドベクターpUC18(宝酒造社製)のSac Iサイトに挿入
し、大腸菌JM109に導入する。得られた形質転換体より
調製したライゼートのペプチダーゼ活性を測定し、活性
を示す形質転換体よりプラスミドを調製する。該プラス
ミドはプラスミドpDAP3と命名されている。第1図にそ
の制限酵素地図を示す。図中、太い実線がプラスミドベ
クターpUC18への挿入DNA断片である。 更に、上記プラスミドpDAP3よりアミノ末端保護基遊
離酵素遺伝子を含まないDNA断片を次のように除くこと
ができる。すなわち、前記プラスミドpDAP3をSnaB I
(宝酒造社製)、Sac I(宝酒造社製)消化して得られ
る約1.2kbのSnaB I−Sac I DNA断片をプラスミドベク
ターpUC19のSma I−Sac Iサイトに挿入し、大腸菌JM109
に導入する。得られた形質転換体より調製したライゼー
トのペプチダーゼ活性を測定する。さらに、ライゼート
がアセチル基をアミノ末端より遊離する活性をα−MSH
を基質に用いて確認し、活性を示す形質転換体よりプラ
スミドを調製する。該プラスミドはプラスミドpDAPと命
名されている。第2図にその制限酵素地図を示す。図
中、太い実線がプラスミドベクターpUC19への挿入DNA断
片である。プラスミドpDAPを導入した大腸菌JM109はEsc
herichia coli JM109/pDAPと命名され、日本国茨城県つ
くば市東1丁目1番3号(郵便番号305)の通商産業省
工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM BP−5804と
して寄託されている(原寄託日:1996年3月29日、国際
寄託への移管:1997年1月30日)。 上記プラスミドpDAPに含有されるピロコッカス フリ
オサス由来のDNA断片の塩基配列は公知の方法、例え
ば、ジデオキシ法を用いて調べることができる。 配列表の配列番号:3にプラスミドpDAPに挿入されてい
る約1.2kbのDNA断片の塩基配列を示す。また、該配列中
に存在するオープンリーディングフレームの塩基配列を
配列表の配列番号:2に示す。すなわち配列表の配列番
号:2は本発明によって得られるアミノ末端保護基遊離酵
素遺伝子の塩基配列の1例である。さらに配列番号:1
に、配列番号:2に示される塩基配列より推定される本発
明のアミノ末端保護基遊離酵素のアミノ酸配列を示す。
すなわち配列表の配列番号:1は本発明によって得られる
アミノ末端保護基遊離酵素のアミノ酸配列の1例であ
る。 上記のようにして得られる、プラスミドpDAPを導入し
たEscherichia coli JM109/pDAPを用いて本発明のアミ
ノ末端保護基遊離酵素を得ることができる。 即ち、Escherichia coli JM109/pDAPを通常の培養条
件、例えば100μg/mLのアンピシリンを含むLB培地(ト
リプトン10g/リットル、酵母エキス5g/リットル、NaCl5
g/リットル、pH7.2)中、37℃で培養することにより、
培養菌体中にアミノ末端保護基遊離酵素を発現させるこ
とができる。 培養終了後、培養菌体を集菌し、得られた菌体を100
℃、10分間の熱処理を行う。粗酵素液は熱処理菌体を超
音波処理後遠心分離した上清として得られ、該酵素液の
100℃、10分間の熱処理による夾雑タンパク質の変性処
理、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマト
グラフィー等の通常酵素の精製に用いられる方法を組み
合わせて用いることによってアミノ末端保護基遊離酵素
を精製することができる。 上記の方法によりEscherichia coli JM109/pDAPより
得られた本発明のアミノ末端保護基遊離酵素の酵素化学
的及び理化学的性質を以下に示す。 (1)作用 本発明の酵素は、ペプチドのアミノ末端に存在する各
種の保護基のうち、少なくともアセチル基、ピログルタ
ミル基、ホルミル基、ミリストイル基を遊離する。さら
に本発明の酵素は、ペプチドのアミノ末端より順次アミ
ノ酸を遊離する。 (2)酵素活性測定法 本発明の酵素活性は、Met−MCAを基質に用い、以下に
示す操作によって測定される。 a.反応 酵素活性を測定しようとする酵素標品を適度に希釈
し、その酵素溶液5μLに20mM PIPES−Na緩衝液(pH
7.6)100μLを加え、さらに1mM Met−MCA(ジメチル
スルホキシドに溶解したもの)を5μL添加し、75℃で
20分間反応させた後、30%酢酸を10μL加えることによ
り反応を停止する。 b.測定 反応により生成する7−アミノ−4−メチルクマリン
を、励起波長355nm、測定波長460nmでタイターテックフ
ルオロスキャンII(大日本製薬株式会社製)を用い定量
する。酵素1単位はMet−MCAを基質とし、pH7.6、75℃
において1分間に1μmolの7−アミノ−4−メチルク
マリンを生成しうる酵素量とする。本発明の酵素は、測
定したpH7.6、75℃においてMet−MCA分解活性を有して
いた。同様に、本発明の酵素はMet−MCAの他、Leu−MC
A、Ala−MCA、His−MCA等に作用し、アミノ酸を遊離し
た。 (3)基質特異性 本発明の酵素は、ペプチドのアミノ末端に保護基が存
在する場合であっても、アミノ末端より保護基を遊離
し、更にアミノ酸を順次遊離する。 上記活性は、アミノ末端がブロックされている合成ペ
プチドを基質に用い確認することができる。すなわち、
酵素反応によって基質ペプチドより遊離するアミノ酸量
の経時変化をアミノ酸分析により測定し、ペプチドの分
解様式を解析することにより確認できる。なお、以下に
示すペプチドのうち、市販されていない物は公知の方
法、例えばペプチド合成機を使用することにより化学的
に合成し、使用することができる。 ピログルタミル基を遊離する活性は、ニューロテンシ
ンを基質に用いて調べることができる。配列表の配列番
号:4にニューロテンシンのアミノ酸配列を示す。すなわ
ち、1mMニューロテンシン(ペプチド研究所社製)10μ
Lに0.12ミリ単位の酵素標品(5μL)、40mM PIPES
−Na緩衝液(pH7.6)50μL、蒸留水35μLを添加し、3
7℃で0〜5時間反応させた後、アミノ酸分析法により
反応液中の遊離アミノ酸の測定を行った。この結果、反
応時間の経過にしたがってニューロテンシンのアミノ末
端よりピログルタミル基を失ったロイシン及びそれに続
くアミノ酸が順次遊離されていくことが確認され、本発
明の酵素がピログルタミル基を遊離する活性を有してい
ることが示された。 アセチル基を遊離する活性は、α−MSH及び、Ac−Gly
−Asp−Val−Glu−Lysを基質に用いて調べることができ
る。配列表の配列番号:5及び配列番号:6にそれぞれα−
MSH、Ac−Gly−Asp−Val−Glu−Lysのアミノ酸配列を示
す。すなわち、1mMの上記ペプチド基質溶液10μLに0.1
2ミリ単位の酵素標品(5μL)、40mM PIPES−Na(pH
7.6)緩衝液50μL、蒸留水35μLを添加し、37℃で0
〜5時間反応させた後、アミノ酸分析法により反応液中
の遊離アミノ酸の測定を行った。この結果、どちらの基
質を用いた場合もまずアセチル基を失ったアミノ末端の
アミノ酸が遊離されており、本発明の酵素がアセチル基
を遊離する活性を有していることが示された。また反応
時間の経過にしたがってこれに続くアミノ酸が順次遊離
されていくことも確認された。 ホルミル基を遊離する活性は、For−Met−Leu−Phe−
Lys(BACHEM社製)を基質に用いて調べることができ
る。配列表の配列番号:7にFor−Met−Leu−Phe−Lysの
アミノ酸配列を示す。すなわち、10mM For−Met−Leu
−Phe−Lys(30%酢酸溶液)0.5μLに4ミリ単位の酵
素標品(3.5μL)、0.1M N−エチルモルホリン25μ
L、蒸留水21μLを添加し、37℃で0〜2時間反応させ
た後、アミノ酸分析法により反応液中の遊離アミノ酸の
測定を行った。この結果、反応液中にホルミル基を失っ
たメチオニンが遊離されていることが確認され、本発明
の酵素がホルミル基を遊離する活性を有していることが
示された。また反応時間の経過にしたがってこれに続く
アミノ酸が順次遊離されていくことも確認された。 ミリストイル基を遊離する活性は、Myr−Phe−Ala−A
rg−Lys−Gly−Ala−Leu−Arg−Gln(BACHEM社製)及び
Myr−Gly−Ala−Gly−Ala−Ser−Ala−Glu−Glu−Lysを
基質に用いて調べることができる。配列表の配列番号:8
および配列番号:9にそれぞれMyr−Phe−Ala−Arg−Lys
−Gly−Ala−Leu−Arg−Gln、Myr−Gly−Ala−Gly−Ala
−Ser−Ala−Glu−Glu−Lysのアミノ酸配列を示す。す
なわち、1mMの上記ペプチド基質溶液5μLに4ミリ単
位の酵素標品(3.5μL)、0.1M N−エチルモルホリ
ン酢酸緩衝液(pH9.0)25μL、蒸留水16.5μLを添加
し、37℃で0〜9時間反応させた後、アミノ酸分析法に
より反応液中の遊離アミノ酸の測定を行った。この結
果、どちらの基質を用いた場合もまずミリストイル基を
失ったアミノ末端のアミノ酸が遊離されており、本発明
の酵素がミリストイル基を遊離する活性を有しているこ
とが示された。また反応時間の経過にしたがってこれに
続くアミノ酸が順次遊離されていくことも確認された。 また、本発明の酵素は保護基によってアミノ末端がブ
ロックされていないペプチドのアミノ末端にも作用し、
アミノ末端アミノ酸を遊離するアミノペプチダーゼ活性
を有する。この活性は、Arch.Biochem.Biophys.,第274
巻、第241〜250頁(1989)に記載された方法により確認
することができる。 さらに本発明の酵素は、上記のような短鎖のポリペプ
チドの他、高分子量のタンパク質のアミノ末端にも作用
することができる。例えば、還元ニワトリ卵白リゾチー
ムを基質としてこのことを確認することができる。すな
わち、1mM還元ニワトリ卵白リゾチーム(水溶性、分子
量約14000、和光純薬工業社製)5μLに8ミリ単位の
酵素標品(1.6μL)、0.1mM CoCl2を含む50mMリン酸
水素二ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液(pH11.0)
50μL、蒸留水43.4μLを添加し、50℃で0〜240分間
反応させた後、アミノ酸分析法により反応液中の遊離ア
ミノ酸の測定を行った。反応液中に生成したアミノ酸の
経時変化から還元リゾチームのアミノ末端からアミノ酸
が順次遊離されていることが示され、本発明の酵素がタ
ンパク質のアミノ末端に対しても作用することが確認さ
れた。 (4)至適温度 第3図より、本発明の酵素標品の至適温度は、pH7.6
において75〜95℃である。図中、縦軸は最大活性(95
℃)に対する相対活性(%)、横軸は反応温度(℃)を
示す。 (5)至適pH 第4図に示すように本発明の酵素至適pHはpH6.5〜9.5
付近であった。図中、縦軸はpH7.2における活性を100と
した相対活性(%)を、横軸は75℃におけるpHを示す。 (6)各種試薬の影響 本発明の酵素の活性はアマスタチン(ペプチド研究所
社製)によって阻害を受ける。例えば、0.3ミリ単位の
本発明の酵素を5nmolのアマスタチンで処理した後、そ
の活性を、Met−MCAを基質として測定した場合、酵素活
性はほぼ完全に失われる。 また、本発明の酵素の活性はCoCl2によって促進され
る。 (7)分子量 本発明の酵素は、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動
により約4万、超遠心法により約40万の分子量を示す。 (8)温度安定性 酵素標品を75℃で熱処理した後の残存酵素活性を調
べ、本発明の酵素の温度安定性を調べた。第5図に示さ
れるように、本発明の酵素は0.1mMのCoCl2を含む0.1Mト
リス−HCl緩衝液(pH8.0)中では5時間処理の後も酵素
活性の低下はまったく見られず(図中の●)、またCoCl
2を含まない緩衝液中で5時間処理した場合も80%以上
の活性を保持していた(図中の○)。図中、縦軸は残存
する酵素活性(%)、横軸は熱処理の時間(時間)を示
す。 本発明におけるアミノ末端保護基遊離酵素は上記酵素
の他、配列表の配列番号:1に示されるアミノ酸配列の全
部、又はその一部を含むものであってアミノ末端保護基
遊離活性を示す酵素、あるいはその機能的同等物が挙げ
られる。 本明細書に記載の「機能的同等物」とは以下のような
ものをいう。天然に存在するタンパク質にはそれをコー
ドするDNAの多形や変異の他、生成後のタンパク質の生
体内および精製中の修飾反応などによってそのアミノ酸
配列中にアミノ酸の欠失、挿入、付加、置換等の変異が
起こりうる。しかしこのような変異が該タンパク質の活
性や構造の保持に関して重要でない部分に存在する場合
には、変異を有しないタンパク質と実質的に同等の生
理、生物学的活性を示すものがあることが知られてい
る。このように構造的に若干の差違があってもその機能
については大きな違いが認められないものを本明細書で
は「機能的同等物」と呼ぶ。 人為的にタンパク質のアミノ酸配列に上記のような変
異を導入した場合も同様であり、この場合にはさらに多
種多様の変異体を作製することが可能である。たとえ
ば、ヒトインターロイキン2(IL−2)のアミノ酸配列
中のあるシステイン残基をセリンに置換したポリペプチ
ドがインターロイキン2活性を保持することが知られて
いる[サイエンス(Science)、第224巻、1431頁(198
4)]。したがって、本発明によって開示されたアミノ
酸配列(配列表の配列番号:1)に1もしくは数個のアミ
ノ酸残基の欠失、挿入、付加、置換が生じたアミノ酸配
列によって示されるものであっても、機能的に差違が見
られないものであれば本発明の範囲内に属するものであ
る。 また、ある種のタンパク質は、活性には必須でないペ
プチド領域を有していることが知られている。たとえば
細胞外に分泌されるタンパク質に存在するシグナルペプ
チドや、プロテアーゼの前駆体等に見られるプロ配列な
どがこれにあたり、これらの領域のほとんどは翻訳後、
あるいは活性型タンパク質への転換に際して除去され
る。このようなタンパク質は一次構造上は異なった形で
存在しているが、最終的には同等の機能を発現するタン
パク質である。 遺伝子工学的にタンパク質の生産を行う場合には、目
的のタンパク質のアミノ末端、あるいはカルボキシル末
端に該タンパク質の活性とは無関係のペプチド鎖が付加
されることがある。たとえば、目的のタンパク質の発現
量を上げるために、使用される宿主中で高発現されてい
るタンパク質のアミノ末端領域の一部を目的のタンパク
質のアミノ末端に付加した融合タンパク質が作製される
ことがある。あるは発現されたタンパク質の精製を容易
にするために、特定の物質に親和性を有するペプチドを
目的のタンパク質のアミノ末端、あるいはカルボキシル
末端に付加することも行われている。これらの付加され
たペプチドは目的タンパク質の活性に悪影響をおよぼさ
ない場合には付加されたままであってもよく、また必要
であれば適当な処理、たとえばプロテアーゼによる限定
分解などによって目的タンパク質から除去できるように
することもできる。 上記されたような、そのタンパク質の機能には必須で
ないペプチドを保持した、あるいは付加されたものであ
っても、同等の機能を発現できる限りにおいては「機能
的同等物」の範囲内に属するものである。 上記アミノ末端保護基遊離酵素の機能的同等物として
は、例えば配列表の配列番号:1に示されるアミノ酸配列
に、1個もしくは複数のアミノ酸残基が欠失、付加、挿
入もしくは置換の少なくとも1つがされ、かつアミノ末
端保護基遊離活性を示す酵素が挙げられる。本発明にお
いて機能的同等物の態様は特に限定されないが、本発明
のアミノ末端保護基遊離酵素のN末端を保護基によりブ
ロックすべくアミノ酸配列を改変した改変酵素が例示さ
れる。例えば、配列表の配列番号:1に記載されたアミノ
酸配列のアミノ酸番号2のバリンがアスパラギン酸に置
換された酵素が挙げられる。 該改変酵素は例えば遺伝子工学的手法を用いることに
より得ることが出来る。即ち該改変酵素の作製はpDAPプ
ラスミドDNA上の上記酵素をコードしたDNA領域に公知の
核酸変異導入技術を利用し塩基配列を改変した後、適当
な宿主を用いタンパクを発現させることにより実施する
ことが出来る。なお該改変酵素のN末端アミノ酸配列Me
t−Aspはパン酵母中においてアセチル基付加シグナル配
列として働くことが知られている[ジャーナル オブ
バイオケミストリー(Journal of Biochemistry)、第2
65巻、第19638〜19643頁(1990)]。従って該改変酵素
をコードするDNA領域を適当な酵母用発現ベクターに組
み込み適当な宿主酵母中で発現させることによりN末端
がアセチル化されたタンパクを得ることが出来る。例え
ば、酵母用発現ベクターとしてはpVT103−L[ジーン
(Gene)、第52巻、第225〜233頁(1987)]、宿主酵母
としてはBJ2168[FEMS マイクロバイオロジー レビュ
ー(FEMS Microbiology Review)、第54巻、第17〜46頁
(1988)]を使用することができる。さらに該タンパク
のアミノ末端保護基遊離活性を上記基質特異性の項に記
載した方法を用い測定することにより該タンパクが本発
明のアミノ末端保護基遊離酵素である事を確認すること
が出来る。配列表の配列番号:10に記載されたアミノ酸
配列からなる酵素をコードしたDNAを挿入されたpVT103
−LはpAcDAPと命名され、該プラスミドで形質転換され
た酵母BJ2168はSaccharomyces cerevisiae BJ2168/pAcD
APと命名され、日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号
(郵便番号305)の通商産業省工業技術院生命工学工業
技術研究所にFERM BP−5952として寄託されている(原
寄託日:1997年5月23日)。このような修飾酵素であっ
ても、2種以上のアミノ末端保護基を遊離する活性を有
する酵素であれば本明細書における機能的同等物に包含
される。 アミノ酸配列の改変によりタンパクのN末端を保護基
によりブロックする方法としては本法に限定されるもの
ではなく、例えばアセチル化の別法〔ジャーナル オブ
バイオロジカル ケミストリー(Journal of Biologi
cal Chemistry)、第260巻、第5382〜5391頁(1985)〕
やミリストイル化の方法〔プロシーディングス オブ
ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンシーズ
オブ ザ USA(Proceedings of the National Academy
of Sciences of the United States of America)、第
84巻、第2708〜2712頁(1987)〕を用いてもよい。更に
タンパクのN末端を保護基によりブロックする方法は前
記のようなアミノ酸の置換による方法に限定されず、例
えば化学的な方法〔メソッズ イン エンザイムオロジ
ー(Methods in Enzymology)、第11巻、第565〜570頁
(1967)〕を用いてもよい。 2.本発明のDNAについて 本発明のDNAは、前記のような本発明のアミノ末端保
護基遊離酵素をコードするDNAであり、具体的には配
列表の配列番号:1に示されるアミノ酸配列の全部、又は
その一部を含むものであってアミノ末端保護基遊離活性
を示すものをコードするDNA、配列表の配列番号:2に
示されるDNAの全部、又はその一部を含むDNA、本発明
の機能的同等物をコードするDNA、及び前記〜のD
NAにハイブリダイズ可能な、アミノ末端保護基遊離活性
を示すタンパク質をコードするDNA等である。 かかる本発明のDNAは、例えば次のようにして得るこ
とができる。 まず、及びのDNAは、本発明のアミノ末端保護基
遊離酵素の説明中に記載したように、ピロコッカス フ
リオサス DSM 3638より得ることができる。 また、本発明により提供されるアミノ末端保護基遊離
酵素をコードするDNA6の塩基配列をもとに本発明の酵素
と同様の活性を有するタンパク質のDNAを取得すること
も可能である。すなわち、本発明の酵素をコードするDN
A、あるいはその塩基配列の一部をハイブリダイゼーシ
ョンのプローブ、あるいはPCR等の遺伝子増幅法のプラ
イマーに用いることにより、本酵素と機能的に同等の活
性を有するタンパクをコードするDNAをスクリーニング
することができる。かかる方法により、、のDNAを
得ることができる。 上記の方法では目的のDNAの一部のみを含むDNA断片が
得られることがあるが、その際には得られたDNA断片の
塩基配列を調べてそれが目的のDNAの一部であることを
確かめた上、該DNA断片、あるいはその一部をプローブ
としてハイブリダイゼーションを行うか、または該DNA
断片の塩基配列に基づいて合成されたプライマーを用い
てPCRを行うことにより、目的のDNA全体を取得すること
ができる。 上記のハイブリダイゼーションは、たとえば以下の条
件で行うことができる。すなわち、DNAを固定したメン
ブレンを0.5%SDS、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、
0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%フィコール400、0.0
1%変性サケ***DNAを含む6×SSC(1×SSCは0.15M N
aCl、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0を示す)中で、
50℃にて12〜20時間、プローブとともにインキュベート
する。インキュベーション終了後、0.5%SDSを含む2×
SSC中、37℃での洗浄から始めて、SSC濃度は0.1倍まで
の範囲で、また、温度は50℃までの範囲で変化させ、固
定されたDNA由来のシグナルがバックグラウンドと区別
できるようになるまでメンブレンを洗浄したうえ、プロ
ーブの検出を行う。また、こうして得られた新たなDNA
について、そこにコードされているタンパクの有する活
性を上記同様の方法によって調べることにより、得られ
たDNAが目的とするものであるかどうかを確認すること
ができる。 さらに、これらのDNAを含有する形質転換体を作製
し、これを用いて上記のアミノ末端保護基遊離酵素を工
業的に生産することも可能になる。 なお、本明細書に開示された塩基配列と同一の塩基配
列ではなくとも、それが本明細書に開示されたアミノ末
端保護基遊離活性を示すタンパク質をコードする限り、
かかる塩基配列は本発明の範囲に含まれるものであるこ
とは前記のとおりであるが、その理由は次のとおりであ
る。 遺伝子上でアミノ酸を指定するコドン(3つの塩基の
組み合わせ)はアミノ酸の種類ごとに1〜6種類ずつが
存在することが知られている。したがってあるアミノ酸
配列をコードするDNAはそのアミノ酸配列にもよるが多
数存在することができる。DNAは自然界において決して
安定に存在しているものではなく、その塩基配列に変異
が起こることはまれではない。DNA上に起こった変異が
そこにコードされるアミノ酸配列には変化を与えない場
合(サイレント変異と呼ばれる)もあり、この場合には
同じアミノ酸配列をコードする異なるDNAが生じたとい
える。したがってある特定のアミノ酸配列をコードする
DNAが単離されても、それを含有する生物が継代されて
いくうちに同じアミノ酸配列をコードする多種類のDNA
ができていく可能性は否定できない。さらに同じアミノ
酸配列をコードする多種類のDNAを人為的に作製するこ
とは種々の遺伝子工学的手法を用いれば困難なことでは
ない。 たとえば遺伝子工学的なタンパク質の生産において、
目的のタンパク質をコードする本来のDNA上で使用され
ているコドンが宿主中では使用頻度の低いものであった
場合には、タンパク質の発現量が低いことがある。この
ような場合にはコードされているアミノ酸配列に変化を
与えることなく、コドンを宿主で繁用されているものに
人為的に変換することにより、目的タンパク質の高発現
を図ることが行われている(たとえば特公平7−102146
号)。このように特定のアミノ酸配列をコードする多種
類のDNAは人為的に作成可能なことは言うまでもなく、
自然界においても生成されうるものである。 更にタンパクに特定の性質を持たせるために人為的に
変異を導入させたDNAであっても、本発明のアミノ末端
保護基遊離活性を有する酵素をコードしていれば本発明
のDNAに包含される。このようなDNAとして例えば配列表
の配列番号:11に示す塩基配列を有するDNAが挙げられ
る。該DNAは配列表の配列番号:2に記載された塩基配列
の塩基番号5〜6に存在する塩基配列TGが塩基配列ATに
置換された塩基配列を有し、該DNAにコードされたタン
パクを酵母中で発現させると、配列表の配列番号:1に記
載されたアミノ酸配列のアミノ酸番号2のバリンがアス
パラギン酸に置換されると共にN末端がアセチル化され
たアミノ末端保護基遊離酵素を得ることが出来る。 3.本発明のアミノ末端保護基の除去方法について 本発明のアミノ末端保護基の除去方法は、保護基によ
ってアミノ末端がブロックされたペプチドに本発明のア
ミノ末端保護基遊離酵素、又はその機能的同等物を作用
させてアミノ末端の保護基を遊離させることを特徴とす
る。 具体的な除去方法としては、例えば配列表の配列番
号:1記載のアミノ酸配列からなる酵素を用いる場合、50
mMのPIPES−Na緩衝液(pH7.6)中で基質と50℃で反応さ
せることにより、保護基を遊離させることができる。た
だし、保護基の種類、ペプチドにより反応条件が異なる
のは当然のことである。また、必要に応じ本酵素の活性
を上昇させるCoCl2を添加することもできる。 4.本発明のアミノ酸配列の解析方法について 本発明のアミノ酸配列の解析方法は、保護基によって
アミノ末端がブロックされたペプチドのアミノ酸配列の
解析方法において、前記の除去方法により該保護基を遊
離させた後、アミノ酸配列の解析に供することを特徴と
する。 本発明の保護基の除去方法を利用した、アミノ末端が
保護基によってブロックされたペプチドのアミノ酸配列
解析方法としては、例えば、配列を決定しようとするペ
プチドのアミノ末端保護基を本発明のアミノ末端保護基
遊離酵素を用いて除去した後、新たに生じたアミノ末端
からエドマン分解法によって配列を決定していく方法が
挙げられる。 なお本発明のアミノ末端保護基遊離酵素を用いて酵素
処理した試料をエドマン分解法によるアミノ酸配列解析
に用いた場合、過剰量の酵素の使用により試料のアミノ
酸配列情報に対し酵素処理に用いた本発明の酵素のアミ
ノ酸配列情報がノイズとして混入することが考えられ
る。この場合例えば配列表の配列番号:10に示したアミ
ノ酸配列を有するアミノ末端保護基遊離酵素を用いる
と、アミノ末端保護基遊離酵素自体がエドマン分解を受
けずノイズ混入を防ぐことが出来る。なお該酵素におい
てN末端の保護基はアセチル基に特に限定されるもので
はない。 また、アミノ末端保護基遊離酵素がアミノペプチダー
ゼ活性を有している場合には保護基の遊離に続いてアミ
ノ酸も酵素の作用によって順次遊離されていくが、酵素
の作用が制御できる条件にすれば、アミノ末端の保護基
のみ、あるいは保護基とそれに続く数残基のアミノ酸を
除去した後にエドマン分解法によってアミノ酸配列を決
定することもできる。 さらに、このアミノペプチダーゼ活性を利用すること
により、以下に示すような方法でアミノ酸配列解析を行
うことができる。すなわち、配列を決定しようとするペ
プチドに本発明のアミノ末端保護基遊離酵素を作用させ
た後、反応液中に遊離されてくるアミノ酸の経時的変化
を解析して配列を決定する方法、あるいは反応液中に生
じた種々の部分消化ペプチドのアミノ酸組成を同定し、
これらを比較することにより配列を決定する方法があ
り、特に後者においては質量分析法を用いた分子量測定
によってペプチドのアミノ酸組成を同定する方法が有利
である。質量分析法を用いた方法では部分消化ペプチド
の分子量の差から遊離されたアミノ酸の種類を容易に決
定することができ、さらにアミノ末端に存在する保護基
の種類を同時に決定することも可能である。 5.本発明のアミノ酸配列の解析用キットについて 本発明のアミノ酸配列の解析用キットは、保護基によ
ってアミノ末端がブロックされたペプチドのアミノ酸配
列の解析に使用されるキットであって、上記に記載の本
発明の酵素を含有することを特徴とする。かかるキット
を用いることにより、保護基の種類に関係なく、アミノ
末端がブロックされたペプチドのアミノ酸配列解析に利
用することができる。また、本キット中には、ペプチド
のアミノ末端をブロックしている保護基の同定を行うた
めの、保護基化合物の標準品を加えることもできる。 6.本発明の抗体、プローブ又はプライマーについて 常法により、上記のアミノ末端保護基遊離酵素又はそ
の機能的同等物に特異的に結合する抗体またはその断片
を得ることができる。かかる抗体等は、本発明の酵素の
精製や検出に有用である。また、常法により、上記のDN
Aとハイブリダイズする合成オリゴヌクレオチドプロー
ブ又は合成オリゴヌクレオチドプライマーを得ることが
できる。かかるプローブやプライマーは、本発明のDNA
の検出や増幅に有用である。 以下に本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施
例により何ら限定されるものではない。なお、実施例中
の%は重量%を意味する。 実施例1 (アミノ末端保護基遊離酵素の調製) (1)ピロコッカス フリオサス ゲノムDNAの調製 ピロコッカス フリオサス DSM3638の培養は以下の
とおりに行った。 使用した培地の組成を以下に示す:1%トリプトン、0.
5%酵母エキス、1%可溶性デンプン、3.5%ジャマリン
S・ソリッド(ジャマリンラボラトリー)、0.5%ジャ
マリンS・リキッド(ジャマリンラボラトリー)、0.00
3%MgSO4、0.001%NaCl、0.0001%FeSO4・7H2O、0.0001
%CoSO4、0.0001%CaCl2・7H2O、0.0001%ZnSO4、0.1pp
mCuSO4・5H2O、0.1ppmKAl(SO4、0.1ppmH3BO3、0.1
ppmNa2MoO4・2H2O、0.25ppmNiCl2・6H2O。 上記の組成の培地2リットルを2リットル容のメディ
ウムボトルに入れ、120℃、20分間殺菌した後、窒素ガ
スを吹込み溶存酸素を除去した。次いで、これに上記菌
株を接種して95℃、16時間静置培養した。培養後、遠心
分離によって菌体を集めた。 次に集菌体を25%スクロースを含む0.05Mトリス−HCl
(pH8.0)4mLに懸濁し、この懸濁液に0.8mLのリゾチー
ム〔5mg/mL、0.25Mトリス−HCl(pH8.0)〕、2mLの0.2M
EDTA(pH8.0)を加えて、20℃で1時間保温した後、2
4mLのSET溶液〔150mM NaCl、1mM EDTA、20mMトリス−
HCl(pH8.0)〕を加え、更に5%SDS4mL、プロティナー
ゼK(10mg/mL)400μLを加え、37℃、1時間反応させ
た。反応終了後、フェノール−クロロホルム抽出、続い
てエタノール沈殿を行い、約3.2mgのゲノムDNAを調製し
た。 (2)コスミドプロテインライブラリーの作製 ピロコッカス フリオサス ゲノムDNA400μgをSau3
A Iで部分消化した後、密度勾配超遠心法による分画を
行い、35〜50kbに相当するDNA画分を得た。次に、トリ
プルヘリックスコスミドベクター1μgをBamH I消化
し、上記の35〜50kbのDNA画分140μgと混合してライゲ
ーションを行い、ガイガーパックゴールド(ストラタジ
ーン社製)を用いたインビトロパッケージング法によっ
てピロコッカス フリオサス ゲノムDNAのフラグメン
トをラムダファージ粒子中にパッケージングしたコスミ
ドライブラリーを作製した。 得られたファージ溶液の一部を用いた大腸菌DH5αMCR
を形質転換し、コスミドクローンを得た。得られた形質
転換体のうち数個を選んでコスミドを調製し、適当な大
きさの挿入断片があることを確認したのち、あらためて
500個の形質転換体を100μg/mLのアンピシリンを含む15
0mLのLB培地(トリプトン10g/リットル、酵母エキス5g/
リットル、NaCl5g/リットル、pH7.2)中で個別に培養し
た。該培養物を遠心し、回収した菌体を20mMトリス−HC
l(pH8.0)1mLに懸濁し、100℃で10分間熱処理した。続
いて超音波処理を行い、菌体破砕液を更にもう一度100
℃、10分間熱処理した。遠心後の上清として得られるラ
イゼートをコスミドプロテインライブラリーとした。 (3)アミノ末端保護基遊離酵素遺伝子を含むコスミド
の選択 まずアミノ酸−MCAを基質として、生成する7−アミ
ノ−4−メチルクマリン量を定量することによってコス
ミドプロテインライブラリー中のペプチダーゼ活性を有
するコスミドクローンを選択した。すなわち、上記コス
ミドプロテインライブラリーからライゼート10〜30μL
ずつをとり、0.1M PIPES−Na緩衝液(pH7.6)100μL
及び18種の5mMアミノ酸−MCA(ジメチルスルホキシドに
溶解したもの)を5μL添加し、90℃で1〜3時間反応
させた。その後、タイターテックフルオロスキャンII
(大日本製薬株式会社製)を用い、生成する7−アミノ
−4−メチルクマリンを励起波長355nm、測定波長460nm
で測定し、Met−MCA、Leu−MCA、Ala−MCA、His−MCAに
対し分解活性をもつライゼートを選択した。さらにα−
MSHを基質として、これらのライゼートからアセチル基
及びアミノ酸をアミノ末端から順次遊離させる活性を有
するものを選択し、該ライゼートに対応するコスミドク
ローンを得た。 (4)アミノ末端保護基遊離酵素遺伝子を含むプラスミ
ドpDAP1の調製 上記のようにして得られた、アセチル基及びアミノ酸
をアミノ末端から順次遊離させる活性を持つコスミドク
ローンよりコスミドを調製し、BamH I消化により得られ
たDNA断片をプラスミドベクターpUC18のBamHサイトに挿
入した。この組換えプラスミドを大腸菌JM109に導入し
た後、100μg/mLのアンピシリンを含むLBプレート(ト
リプトン10g/リットル、酵母エキス5g/リットル、NaCl5
g/リットル、アガー15g/リットル、pH7.2)上にまき、
得られた形質転換体を個別に100μg/mLのアンピシリン
を含む5mLのLB培地中で培養を行った。該培養物を遠心
して回収した菌体を50mMトリス−HCl(pH8.0)50μLに
懸濁し、100℃、10分間熱処理を行った後、超音波処理
によって菌体を破砕した。菌体破砕液をもう一度、100
℃、10分間の熱処理を行い、遠心してライゼートを得
た。このライゼートについてペプチダーゼ活性を測定し
た。 すなわち15μLのライゼートに0.1M PIPES−Na緩衝
液(pH7.6)50μL及び5mM Met−MCA(ジメチルスルホ
キシドに溶解)5μLを加え、90℃で1.5時間反応させ
た。その後、タイターテックフルオロスキャンII(大日
本製薬株式会社製)を用い、生成する7−アミノ−4−
メチルクマリン量を励起波長355nm、測定波長460nmで測
定した。Met−MCA分解活性を有する形質転換体よりプラ
スミドを調製し、これをプラスミドpDAP1と命名した。 (5)アミノ末端保護基遊離酵素遺伝子を含むプラスミ
ドpDAP2の調製 上記プラスミドpDAP1についてEcoR I消化し、セルフ
ライゲーションを行った。この組換えプラスミドを大腸
菌JM109に導入し、得られた形質転換体より調製したラ
イゼートについて前述の方法でペプチダーゼ活性を調べ
た。該酵素活性が認められた形質転換体よりプラスミド
を調製し、これをプラスミドpDAP2と命名した。 (6)アミノ末端保護基遊離酵素遺伝子を含むプラスミ
ドpDAP3の調製 上記プラスミドpDAP2をSac I消化して得られる約1.7k
bのDNA断片をプラスミドベクターpUC18のSac Iサイトに
挿入した。この組換えプラスミドを大腸菌JM109に導入
し、得られた形質転換体より調製したライゼートについ
て前述の方法でペプチダーゼ活性を調べた。該酵素活性
が認められた形質転換体よりプラスミドを調製し、これ
をプラスミドpDAP3と命名した。第1図にプラスミドpDA
P3の制限酵素地図を示す。 (7)アミノ末端保護基遊離酵素遺伝子を含むプラスミ
ドpDAPの調製 上記プラスミドpDAP3をSnaB I、Sac I消化後、アガロ
ース電気泳動を行い、約1.2kbのDNA断片をアガロースゲ
ルより回収した。このDNA断片をプラスミドベクターpUC
19にSma I−Sac Iサイトを利用し挿入した。この組換え
プラスミドを大腸菌JM109に導入し、得られた形質転換
体より調製したライゼートについて前述の方法でペプチ
ダーゼ活性を調べた。このライゼートが更にアミノ末端
にアセチル基を有するα−MSHに対し、アセチル基及び
アミノ酸をアミノ末端から順次遊離させる活性を有する
ことを確認した。 該酵素活性が認められたコロニーよりプラスミドを調
製し、これをプラスミドpDAPと命名した。第2図にプラ
スミドpDAPの制限酵素地図を示す。プラスミドpDAPで形
質転換した大腸菌JM109は、Escherichia coli JM109/pD
APと命名、表示され、日本国茨城県つくば市東1丁目1
番3号(郵便番号305)の通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所にFERM BP−5804として寄託されてい
る(原寄託日:1996年3月29日、国際寄託への移管:1997
年1月30日)。 (8)アミノ末端保護基遊離酵素遺伝子の塩基配列の決
定 上記プラスミドpDAPに挿入されたアミノ末端保護基遊
離酵素遺伝子を含む約1.2kbのDNA断片を種々の制限酵素
で適当なサイズに断片化し、該断片をプラスミドベクタ
ーに挿入した後、各断片の塩基配列を決定した。塩基配
列の決定はBcaBESTジデオキシシークエンシングキット
(宝酒造社製)を用いたジデオキシ法により行い、得ら
れた各断片の塩基配列を比較、総合し、上記1.2kbDNA断
片の全塩基配列を決定した。 配列表の配列番号:3にプラスミドpDAPに挿入されたア
ミノ末端保護基遊離酵素をコードするDNAを含む約1.2kb
のDNA断片の塩基配列を示す。配列番号中、塩基番号86
番〜88番が開始コドン、塩基番号1130番〜1132番が終止
コドンであり、この間のオープンリーディングフレーム
が該酵素の構造遺伝子領域と推定された。 配列表の配列番号:2に上記オープンリーディングフレ
ームの塩基配列を示す。さらに、配列表の配列番号:1に
配列番号:2に示される塩基配列より推定される本発明の
アミノ末端保護基遊離酵素のアミノ酸配列を示す。 (9)酵素標品の調製 Escherichia coli JM109/pDAPを通常の培養条件、100
μg/mLのアンピシリンを添加したLB培地5mLを含む12本
の試験管に各々接種し、37℃で培養を行い、培養液濁度
A660=1の時に終濃度1mMとなるようにイソプロピル−
β−D−チオガラクトピラノシドを添加し、さらに37℃
で16〜18時間培養した。 上記で得られた培養液計60mLを遠心して菌体を回収し
た。得られた菌体を0.6mLの緩衝液A(20mMトリス−HCl
pH8.0)に懸濁し、100℃、10分間熱処理を行った後、
超音波処理によって菌体を破砕した。さらにもう一度10
0℃、10分間の熱処理を行い、遠心しライゼートを得
た。得られたライゼートをあらかじめ緩衝液B(50mMト
リス−HCl:pH8.0)で平衡化した50mLのセファクリルS
−300 HR(ファルマシア社製)カラムでゲルろ過を行
い、Met−MCA分解活性を有する画分を集めた。更に、こ
の活性画分をあらかじめ緩衝液Bで平衡化した5mLのエ
コノパックhighQカートリッジ(バイオラッド社製)カ
ラムに吸着させ、緩衝液Bで充分洗浄後、0〜0.5MのNa
Cl直線濃度勾配をもつ緩衝液Bで溶出した。溶出液につ
いてMet−MCA分解活性を測定し、活性画分を集めて精製
酵素標品とした。 得られた精製酵素標品の1単位は、Met−MCAを基質と
し、pH7.6、75℃において1分間に1μmolの7−アミノ
−4−メチルクマリンを生成しうる酵素量とした。 実施例2 (実施例1で調製した酵素標品の理化学的性質) 至適温度 至適温度の測定は以下に示す操作により行った。すな
わち、18マイクロ単位の酵素標品を用い、Met−MCAを基
質に用いる酵素活性測定方法により、種々の温度で活性
を測定した。第3図に示すように本発明の酵素は測定さ
れたpH7.6において25〜95℃の範囲で活性があり、測定
を行った最高の温度である95℃において最も高い活性を
示した。第3図より、本発明の酵素標品の至適温度は、
pH7.6において75〜95℃であった。図中、縦軸は最大活
性(95℃)に対する相対活性(%)、横軸は反応温度
(℃)を示す。 至適pH 至適pHの測定は以下に示す操作により行った。すなわ
ち、18マイクロ単位の酵素標品を用い、上記に示したMe
t−MCAを基質に用いる酵素活性測定方法のうち、反応液
に加える緩衝液を種々のpHの緩衝液に変えて活性測定を
行った。第4図に示すように本発明の酵素の至適pHはpH
6.5〜9.5付近であった。図中、縦軸はpH7.2における活
性を100とした相対活性(%)を、横軸は75℃におけるp
Hを示す。活性測定に用いる緩衝液には、pH4.1〜pH5.1
においては20mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH5.8〜pH7.2に
おいては20mM PIPES−Na緩衝液、pH8.0〜9.5において
は20mMホウ酸ナトリウム緩衝液、pH9.9〜10.6において
は20mMリン酸水素二ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝
液を用いた。なお、上記したpHは75℃での値である。 各種試薬の影響 本発明の酵素の活性はアマスタチンによって阻害を受
けた。例えば、3ミリ単位の本発明の酵素を1mMアマス
タチンを含む20mMホウ酸緩衝液(pH10.0)50μL中で37
℃、30分間処理後、その5μLを上記の(2)の酵素活
性測定法に示した方法で活性測定を行うと、アマスタチ
ンを含まない緩衝液で処理したものに対し、1.5%の値
を示した。 また、本発明の酵素の活性はCoCl2によって促進され
た。例えば上記のMet−MCAを用いる測定系に終濃度91μ
MとなるようにCoCl2を添加した場合、添加しないもの
に比べて約6倍の活性を示した。 分子量 本発明の酵素は、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動
により約4万、超遠心法により約40万の分子量を示し
た。 温度安定性 酵素標品を熱処理した後の残存酵素活性を調べ、本発
明の酵素の温度安定性を調べた。すなわち、26ミリ単位
の酵素標品を含む0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH8.0)、あ
るいはこれに終濃度0.1mMのCoCl2を添加したものを75℃
で0〜5時間処理した後、その一部を用いて残存する酵
素活性を測定した。なお、活性測定は上記のMet−MCAを
基質として用いた系による酵素活性測定方法によって行
った。 第5図に示されるように、本発明の酵素は0.1mMのCoC
l2を含む0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH8.0)中では5時間
処理の後も酵素活性の低下はまったく見られず、またCo
Cl2を含まない緩衝液中で5時間処理した場合も80%以
上の活性を保持していた。図中、縦軸は残存する酵素活
性(%)、横軸は熱処理の時間(時間)を示す。 実施例3 (実施例1で調製した酵素標品のアミノ末端保護基遊離
活性の確認) 実施例1で調製した酵素標品を用いて、アミノ末端が
ブロックされている合成ペプチドに対する本酵素の作用
を検討した。 (1)ピログルタミル基に対する作用 1mMニューロテンシン10μLに、0.12ミリ単位の酵素
標品(5μL)、40mMのPIPES−Na緩衝液(pH7.6)50μ
L、蒸留水35μLを添加し、37℃で0、1、3、5時間
反応させた。反応液の一部をとってL−8500型高速アミ
ノ酸分析計(日立製作所社製)を用いたアミノ酸分析を
行い、反応液中に生成した遊離アミノ酸を定量した。第
6図にその結果を示す。第6図に示されるように反応液
中にはニューロテンシンのアミノ末端側に存在するロイ
シン、チロシン、グルタミン酸が遊離されており、その
生成量の経時変化から本酵素がニューロテンシンのアミ
ノ末端側から作用してアミノ酸を順次遊離していること
が示された。さらに、ロイシンが遊離アミノ酸として検
出されていることから、本酵素がピログルタミル基とロ
イシンの間の結合を切断していることも明らかとなっ
た。 (2)アセチル基に対する作用 1mMのα−MSH(10μL)に、0.12ミリ単位の酵素標品
(5μL)、40mMのPIPES−Na(pH7.6)緩衝液50μL、
蒸留水35μLを添加し、37℃で0、1、3、5時間反応
させた後、反応によって生成した遊離アミノ酸を上記同
様の操作で分析した。第7図にその結果を示す。第7図
に示されるように、α−MSHより遊離されるアミノ酸の
量はそのアミノ末端側に存在するものほど多く(セリン
はアミノ末端、およびアミノ末端から3番目の2箇所に
存在するため、他のアミノ酸に比べて多く検出されてい
る)、本酵素がα−MSHのアミノ末端側から作用してい
ること、およびアセチル基とセリンの間の結合を切断し
ていることが明らかとなった。 また、基質をAc−Gly−Asp−Val−Glu−Lysにかえて
α−MSH同様の実験を行った結果を第8図に示す。第8
図に示されるように、反応液中にはグリシンが遊離され
ており、本酵素がアセチル基とグリシンの間の結合、続
いてグリシン−アスパラギン酸の間の結合を切断してい
ることが示唆された。なお、反応液中にはグリシンの
他、微量のアスパラギン酸、およびバリンの存在も確認
された。 (3)ホルミル基に対する作用 10mMのFor−Met−Leu−Phe−Lys(30%酢酸溶液)0.5
μLに4ミリ単位の酵素標品(3.5μL)、0.1MのN−
エチルモルホリン25μL、蒸留水21μLを添加し、37℃
で0、20、40、60、120分間反応させた後、反応によっ
て生成した遊離アミノ酸を上記同様の操作で分析した。
第9図にその結果を示す。第9図に示されるように、反
応液中にはまずホルミル基を失ったメチオニンが遊離さ
れており、本発明の酵素がホルミル基を遊離する活性を
有していることが示された。また、このほかのアミノ酸
(ロイシン、フェニルアラニン、リジン)の生成の経時
変化から本酵素が上記基質ペプチドのアミノ末端側から
順次アミノ酸を遊離していることも示された。 (4)ミリストイル基に対する作用 1mMのMyr−Phe−Ala−Arg−Lys−Gly−Ala−Leu−Arg
−Gln溶液5μLに、4ミリ単位の酵素標品(3.5μ
L)、0.1MのN−エチルモルホリン酢酸緩衝液(pH9.
0)25μL、蒸留水16.5μLを添加し、37℃で0、1.5、
3、6、9時間反応させた後、反応によって生成した遊
離アミノ酸を上記同様の操作で分析した。第10図にその
結果を示す。第10図に示されるように、反応液中には先
ずミリストイル基を失ったフェニルアラニンが遊離され
ており、本発明の酵素がミリストイル基を遊離する活性
を有していることが示された。またこのほかのアミノ酸
の生成の経時変化から本酵素が上記基質ペプチドのアミ
ノ末端側から順次アミノ酸を遊離していることも示され
た。 また、基質をMyr−Gly−Ala−Gly−Ala−Ser−Ala−G
lu−Glu−Lysにかえて上記同様の実験を行った結果を第
11図に示す。上記の基質ペプチドは分子内に2残基のグ
リシン、3残基のアラニンを有しているたために第11図
の結果からアミノ酸の遊離の順序を決定することは難し
いが、本発明の酵素が基質のアミノ末端側から作用して
いること、及び本発明の酵素がミリストイル基を遊離す
る活性を有してることが示唆された。 実施例4 (実施例1で調製した酵素標品のタンパク質に対するア
ミノペプチダーゼ活性の確認) 上記の酵素標品のタンパク質に対する作用を、還元ニ
ワトリ卵白リゾチームを基質として調べた。 1mM還元ニワトリ卵白リゾチーム(水溶性、分子量約1
4000、和光純薬工業社製)5μLに、8ミリ単位の酵素
標品(1.6μL)、0.1mMのCoCl2を含む50mMリン酸水素
二ナトリウム−水酸化ナトリウム緩衝液(pH11.0)50μ
L、蒸留水43.4μLを添加し、50℃で0、40、80、12
0、180、240分間反応させた。反応液の一部をとってL
−8500型高速アミノ酸分析計(日立製作所製)を用いた
アミノ酸分析を行い、反応液中に生成した遊離アミノ酸
を定量した。第12図にその結果を示す。第12図に示され
るように、反応液中には還元リゾチームのアミノ末端に
存在するリジン、バリン、フェニルアラニン、グリシ
ン、アルギニンが遊離されており、その生成量の経時変
化から本酵素が還元リゾチームのアミノ末端側から作用
してアミノ酸を順次遊離していることが示された。 なお、ここで用いた還元リゾチームのアミノ末端から
のアミノ酸配列は、Lys−Val−Phe−Gly−Arg・・・の
順であった。 実施例5 (N末端がアセチル基によりブロックされたアミノ末端
保護基遊離酵素の作製) (1)アミノ末端保護基遊離酵素遺伝子の改変 配列表の配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなる酵
素のN末端アミノ酸配列がアセチル基付加シグナルMet
−AspとなるようpDAPに変異を導入した。即ちpDAP DNA
を鋳型とし、該酵素のN末端から2番目のアミノ酸であ
るバリンのコドンをアスパラギン酸のコドンに置換する
ための配列表の配列番号:12に記載された塩基配列から
なる合成DNAとプラスミドpDAP上のマルチクローニング
サイト内の配列でHind III及びSph I各制限酵素サイト
をつぶすための配列番号:13に記載された塩基配列から
なる合成DNAをプライマー対としてPCRを行った。PCR反
応後、該反応液をSph I(宝酒造社製)で酵素処理して
変異導入されていないプラスミドを消化してから大腸菌
JM109(宝酒造社製)に導入し、得られた形質転換体か
ら目的とする変異導入プラスミドを調製した。次にこの
プラスミドDNAを鋳型とし、該DNAのタンパクコード領域
におけるタンパク開始コドンのすぐ上流にBamH Iサイト
を導入するための配列表の配列番号:14に記載された塩
基配列からなる合成DNAと配列表の配列番号:15に記載さ
れた該DNAのタンパクコード領域の下流領域に相補的な
塩基配列からなる合成DNAをプライマー対としてPCRを行
った。該反応液をアガロース電気泳動に供し、増幅され
た約1.2kbのDNA断片をアガロースゲルより回収した。こ
のDNA断片をBamH I(宝酒造社製)及びHind III(宝酒
造社製)で消化し、大腸菌と酵母のシャトルベクターで
あるプラスミドベクターpVT103−LのBamH I、Hind III
サイトを利用し挿入した。この組み換えプラスミドを大
腸菌JM109に導入し、得られた形質転換体からプラスミ
ドDNAを調製した。 (2)改変酵素の発現 得られたプラスミドDNAを酵母BJ2168に導入した後、
栄養要求性プレート(イースト ニトロゲンベース6.7g
/リットル、グルコース20g/リットル、トリプトファン2
0mg/リットル,ヒスチジン20mg/リットル、ウラシル20m
g/リットル、アガー15g/リットル)上で得られた形質転
換体を個別にYPD培地(酵母エキス10g/リットル、ペプ
トン20g/リットル、グルコース20g/リットル)5mlを含
む試験管に接種し、30℃で16時間培養を行った。各培養
液を個別に上記の栄養要求性培地500mlを含む三角フラ
スコに接種し、30℃で16時間培養した。該培養液を遠心
し、菌体を回収した。得られた菌体を50mlの緩衝液C
(1Mソルビトール、50mMトリス−HCl、pH7.5、30mMDT
T)に懸濁し、30℃で10分間保温後、遠心して得た菌体
を、さらに10mlの緩衝液D(1Mソルビトール、50mMトリ
ス−HCl、pH7.5、2mMDTT)に懸濁し、ザイモリエース10
0T(生化学工業社製)を最終濃度0.5mg/mlとなるように
添加し、30℃で30分間保温後遠心し、プロトプラストを
得た。得られたプロトプラストを20mlの緩衝液E(50mM
トリス−HCl、pH7.5、2mMDTT)に懸濁し、EDTA、KCl、T
ritonX−100をそれぞれ最終濃度1mM、0.2M、0.2%とな
るように加え、37℃で5分間保温した。該懸濁液を100
℃、15分間の熱処理を行った後、遠心しライセートを得
た。得られたライセートより、Met−MCA分解活性を指標
とし実施例1の(9)記載のアミノ末端保護基遊離酵素
と同様の精製法に従って改変酵素標品を調製した。なお
該改変酵素標品の1単位は、Met−MCAを基質とし、pH7.
6、75℃において1分間に1μmolの7−アミノ−4−メ
チルクマリンを生成しうる酵素量とした。上記タンパク
を発現する酵母は、Saccharomyces cerevisiae BJ2168/
pAcDAPと命名、表示され、日本国茨城県つくば市東1丁
目1番3号(郵便番号305)の通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所にFERM BP−5952として寄託され
ている(原寄託日:1997年5月23日)。 (3)改変酵素のアミノ末端保護基遊離活性の測定 (2)で調製した改変酵素標品のアミノ末端保護基遊
離活性を実施例3の(2)及び(4)記載の方法に従い
測定した。その結果、該改変酵素はペプチドN末端のア
セチル基及びミリストイル基に対する遊離活性を示し、
さらにペプチドN末端より順次アミノ酸を遊離させる活
性を示した。 (4)改変酵素のN末端アセチル化の確認 該改変酵素のN末端がアセチル化されているかについ
て質量分析により確認した。即ち実施例1で調製した酵
素と該改変酵素の質量をAPI/300(PE−Sciex社製)で測
定しその質量差を求めた。その結果、大腸菌で発現させ
た実施例1で調製した酵素の分子量は38586、該改変酵
素の分子量は38643であった。2種の酵素間の分子量差5
7はバリンがアスパラギンに置換した分子量差15及びア
セチル基の付加による分子量増加分42の合計に一致し
た。 更に該改変酵素を、エドマン分解によるN末端アミノ
酸配列解析方法を採用したHP G1000Aプロテインシーク
エンサー(Hewlett Packard社製)に供したがシグナル
は得られず、該改変酵素はエドマン分解を受けないこと
が明らかとなった。 (5)改変酵素を用いたペプチドのアミノ末端配列の解
析 改変酵素の基質として、N末端がアセチル化されたウ
シ赤血球スーパーオキシドジスムターゼ(分子量1555
1、ワシントン バイオケミカル コーポレーション社
製)のカルボキシメチル化物を用いた。該基質を0.4mM
となるよう調製した溶液5μlに、(2)で調製した60
0ミリ単位の改変酵素標品(52μl)、100mMのトリメチ
ルアミン−HCl(pH11.0)緩衝液100μl、10mMのCoCl2
を2μl、蒸留水を41μl添加し、50℃で48時間反応
後、反応液をそのままHP G1000Aプロテインシークエン
サーに供しアミノ酸配列分析を行った。得られたアミノ
酸配列データは配列表の配列番号:16に示した。該配列
は基質として使用したスーパーオキシドジスムターゼの
既知のアミノ酸配列と一致した。またアミノ酸配列解析
において上記スーパーオキサイドジスムターゼのアミノ
酸配列以外のシグナルの混入は無かった。 実施例6 (質量分析法を用いたペプチドのアミノ末端配列の解
析) 実施例1で調製した酵素標品と基質としてFor−Met−
Leu−Phe−Lysを使用し、質量分析法を用いたペプチド
のアミノ末端配列の解析を行った。 10mMのFor−Met−Leu−Phe−Lys(30%酢酸溶液)1.5
μLに2.4ミリ単位の酵素標品(2.1μL)、0.1Mの炭酸
水素アンモニウム75μL、1mMのCoCl2(15μL)、蒸留
水56.4μLを添加し、30℃で4時間反応させた後、ギ酸
15μLを添加して反応を停止した。次にこの反応液をDE
VELOSIL ODS−HG−5カラム(NOMURA CHEMICAL社製)
を用いた逆相PLC(高速液体クロマトグラフィー)に供
し、反応液中のペプチドを含む4つのピークを分取し
た。さらに、各ピークに含まれるペプチドの分子量をJM
S−HX100二重収束型FAB質量分析計(JEOL社製)を用い
て測定した。各ピークの溶出時間、ピーク中に含まれる
ペプチドの分子量、およびこの分子量より推定される各
ペプチドの配列を表1に示す。 表1に示されるように、反応液中に生成したペプチド
のうちピーク4として分離されたものは未反応の基質ペ
プチドであった。また、ピーク3に含まれるペプチドの
分子量は基質ペプチドからホルミル基がはずれたもの
に、さらにピーク2に含まれるものの分子量は基質ペプ
チドからホルミル基、およびメチオニンが遊離されたも
のにそれぞれ一致した。この結果より本発明の酵素がこ
の基質ペプチドのアミノ末端側から作用し、ホルミル
基、メチオニンを順次遊離していっていることが明らか
になった。また、このように本発明の酵素をペプチドに
作用させて得られる各種の部分分解ペプチドの分子量を
正確に測定し、これらを比較することによって、アミノ
末端の保護基の種類を含めたペプチドのアミノ末端配列
を決定することが可能であることが示された。 産業上の利用可能性 本発明のアミノ末端保護基遊離酵素は、2種以上の保
護基に対してアミノ末端保護基遊離活性を示す。また本
発明により、かかる酵素を用いたペプチドのアミノ末端
保護基の除去方法が提供される。該酵素はペプチド、特
にアミノ末端が未確認の保護基によってブロックされた
タンパク質及びペプチドのアミノ酸配列解析に有用であ
る。また、本発明により、かかる酵素をコードするDNA
や、該酵素の製造方法が提供される。該DNAを改変する
ことにより作製したN末端アセチル化アミノ末端保護基
遊離酵素はエドマン分解を受けず、特にエドマン分解を
用いたアミノ酸配列解析方法において該酵素由来のアミ
ノ酸配列情報がノイズとならず有用である。 配列表 配列番号:1 配列の長さ:348 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列: 配列番号:2 配列の長さ:1044 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列: 配列番号:3 配列の長さ:1247 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列: 配列番号:4 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1(N−ピログルタミル−ロイシン) 配列: 配列番号:5 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1(N−アセチル−セリン) 配列: 配列番号:6 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1(N−アセチル−グリシン) 配列: 配列番号:7 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1(N−ホルミル−メチオニン) 配列: 配列番号:8 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1(N−ミリストイル−フェニルアラニン) 配列: 配列番号:9 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1(N−ミリストイル−グリシン) 配列: 配列番号:10 配列の長さ:348 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:1(N−アセチル−メチオニン) 配列: 配列番号:11 配列の長さ:1044 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列: 配列番号:12 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: 配列番号:13 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: 配列番号:14 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: 配列番号:15 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列: 配列番号:16 配列の長さ:151 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/68 C12R 1:19 //(C12N 1/21 1:01 C12R 1:19) C12N 15/00 ZNAA (C12N 9/48 C12R 1:19) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:01) (72)発明者 友野 潤 京都府向日市寺戸町渋川16 寳酒造社宅 A棟106号 (72)発明者 綱澤 進 滋賀県大津市一里山4丁目15―3 (72)発明者 加藤 郁之進 京都府宇治市南陵町1―1―150 (56)参考文献 特開 平7−298881(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 ZNA C12N 9/48 GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq SwissProt/PIR/GeneS eq BIOSIS/MEDLINE/WPID S(STN)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】保護基によってアミノ末端がブロックされ
    たペプチドに作用して該保護基を遊離させる活性(「ア
    ミノ末端保護基遊離活性」と略記する。)を有する酵素
    であって、2種以上の保護基に対して前記活性を示し、
    かつ下記の理化学的性質: (1)至適温度:pH7.6において75〜95℃ (2)至適pH:pH6.5〜9.5 (3)各種試薬の影響: アマスタチンによって活性が阻害を受け、CoCl2によっ
    て促進される (4)分子量:SDS−ポリアクリルアミド電気泳動により
    4万を示す を有することを特徴とするアミノ末端保護基遊離酵素。
  2. 【請求項2】アセチル基、ピログルタミル基、ホルミル
    基、及びミリストイル基からなる群より選ばれる少なく
    とも2種以上の保護基に対してアミノ末端保護基遊離活
    性を示す、請求項1記載の酵素。
  3. 【請求項3】さらにアミノペプチダーゼ活性を有する請
    求項1又は2記載の酵素。
  4. 【請求項4】配列表の配列番号:1に示されるアミノ酸配
    列を含むアミノ末端保護基遊離酵素。
  5. 【請求項5】配列表の配列番号:1に示されるアミノ酸配
    列に、1個もしくは複数のアミノ酸残基が欠失、付加、
    挿入もしくは置換の少なくとも1つがされており、かつ
    アミノ末端保護基遊離活性を示すアミノ末端保護基遊離
    酵素。
  6. 【請求項6】アミノ末端が保護基によりブロックされた
    請求項5記載の酵素。
  7. 【請求項7】保護基がアセチル基である請求項6記載の
    酵素。
  8. 【請求項8】配列表の配列番号:10に示されるアミノ酸
    配列を有する請求項7記載の酵素。
  9. 【請求項9】請求項1〜3いずれか記載のアミノ末端保
    護基遊離酵素をコードするDNA。
  10. 【請求項10】配列表の配列番号:1に示されるアミノ酸
    配列を含むものであってアミノ末端保護基遊離活性を示
    すものをコードするDNA。
  11. 【請求項11】配列表の配列番号:2に示されるDNAを含
    むものであってアミノ末端保護基遊離活性を示すものを
    コードするDNA。
  12. 【請求項12】配列表の配列番号:1に示されるアミノ酸
    配列に、1個もしくは複数のアミノ酸残基が欠失、付
    加、挿入もしくは置換の少なくとも1つがされており、
    かつアミノ末端保護基遊離活性を示すタンパク質をコー
    ドするDNA。
  13. 【請求項13】配列表の配列番号:11に示す塩基配列を
    有する請求項12記載のDNA。
  14. 【請求項14】請求項10〜13いずれか記載のDNAに0.5%
    SDS、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.1%ポリビニ
    ルピロリドン、0.1%フィコール400、0.01%変性サケ精
    子DNAを含む6×SSC中、50℃でハイブリダイズ可能な、
    アミノ末端保護基遊離活性を示すタンパク質をコードす
    るDNA。
  15. 【請求項15】請求項9〜14いずれか記載のDNAを含ん
    でなる組換えDNA。
  16. 【請求項16】請求項15記載の組換えDNAを挿入されて
    なる、微生物、動物細胞又は植物細胞を宿主細胞とする
    発現ベクター。
  17. 【請求項17】請求項16記載の発現ベクターにより形質
    転換されてなる形質転換体。
  18. 【請求項18】請求項17記載の形質転換体を培養し、該
    培養物中よりアミノ末端保護基遊離活性を有するタンパ
    ク質又はその活性と機能的に同等の活性を有するポリペ
    プチドを採取することを特徴とするアミノ末端保護基遊
    離酵素の製造方法。
  19. 【請求項19】保護基によってアミノ末端がブロックさ
    れたペプチドに、請求項1〜8いずれか記載のアミノ末
    端保護基遊離酵素を作用させてアミノ末端の保護基を遊
    離させることを特徴とするアミノ末端保護基の除去方
    法。
  20. 【請求項20】保護基によってアミノ末端がブロックさ
    れたペプチドのアミノ酸配列の解析方法において、請求
    項19記載の除去方法により該保護基を遊離させた後、ア
    ミノ酸配列の解析に供することを特徴とするアミノ酸配
    列の解析方法。
  21. 【請求項21】保護基によってアミノ末端がブロックさ
    れたペプチドのアミノ酸配列の解析に使用されるキット
    であって、請求項1〜8いずれか記載のアミノ末端保護
    基遊離酵素を含有することを特徴とするキット。
  22. 【請求項22】請求項1〜8いずれか記載のアミノ末端
    保護基遊離酵素に特異的に結合する抗体又はその断片。
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