JP3493183B2 - 地盤に水を返送する方法 - Google Patents

地盤に水を返送する方法

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JP3493183B2 JP2001054989A JP2001054989A JP3493183B2 JP 3493183 B2 JP3493183 B2 JP 3493183B2 JP 2001054989 A JP2001054989 A JP 2001054989A JP 2001054989 A JP2001054989 A JP 2001054989A JP 3493183 B2 JP3493183 B2 JP 3493183B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤に水を返送す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から雨水や、地下工事などにより揚
水した地下水はそのまま排水路や河川等に放流していた
ので、水資源という観点から見ると揚水した水が無駄に
廃棄処分されていることになり、水資源の保全、自然環
境の保全という点で問題があった。
【0003】このため、従来から雨水や、揚水した水を
地盤に返送して地下水として保全しようとする試みがな
されている。従来にあっては、水を返送しようとする地
盤に下端部に返送用ストレーナを備えた返送管を縦向き
(垂直)に埋設し、この返送管の下端部に設けた返送用
ストレーナから地盤中に水を返送するようにしている。
ところで、水を地盤に返送するに当たっては粘性土層の
ような透水係数の低い地盤に水を返送するのはきわめて
返送効率が悪く、砂層のような透水係数の高い地盤に水
を返送する必要がある。しかしながら、地盤には透水係
数の高い層、透水係数の低い層が縦方向に積層してお
り、このため、従来のように下端部に返送用ストレーナ
を備えた返送管を縦向き(垂直)に埋設しても、縦方向
に埋設した返送用ストレーナが砂層のような透水係数の
高い地盤と粘性層のような透水係数の低い地盤とにわた
って埋設されて、透水係数の低い地盤に水を返送する場
合が生じ、地盤への水の返送効率が悪いという問題があ
り、しかも、縦向きに埋設した返送用ストレーナから水
を返送するので、例え透水係数の高い地盤に水を返送す
るとしても、透水係数の高い地盤に広範囲にわたって返
送することができないという問題があった。
【0004】また、従来にあって、地下工事などにより
揚水した地下水は地上に設置した大気開放型の水溜めタ
ンクにいったん溜め、その後、地盤に埋設した返送管を
介して上記地下工事や地盤改良を行う場所以外の場所の
地中に返送するようにしている。
【0005】しかしながら、地下水は雨水と異なり、地
盤中の鉄分が溶解しているため、揚水された地下水が大
気開放型の水溜めタンクにおいて、大気に接触し、地下
水中に含まれる溶解鉄分が酸化して粒状となり、この溶
解鉄分が酸化して粒状となったものが返送用ケーシング
管から地中に返送される際に地盤の土粒子間に目詰まり
し、このため、スムーズに地中に水を返送できず、返送
効率が悪いという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、砂層のような透水係数の高い
地盤に効率よく広い範囲にわたって水を返送でき、ま
た、地下工事や地盤改良などのために揚水した地下水を
再び地盤に返送するに当たっても、砂層のような透水係
数の高い地盤に効率よく広い範囲にわたって水を返送で
きる地盤に水を返送する方法を提供することを課題とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る地盤に水を返送する方法は、返送管1の
先端部に水を吐出する部分を長手方向にわたって備えた
略筒状をした返送用ストレーナ2を設け、この返送用ス
トレーナ2を粘性土層のような透水係数の低い地盤3a
2間に存在する砂層等の透水係数の高い地盤3a1内に
該透水係数の高い地盤3a1に沿って横向きに埋設し、
返送管1から横向きに埋設した返送用ストレーナ2に水
を加圧して送って横向きに埋設した返送用ストレーナ2
から粘性土層のような透水係数の低い地盤3a2間に存
在する透水係数の高い地盤3a1に水を返送することを
特徴とするものである。このような方法を採用すること
で、粘性土層のような透水係数の低い地盤3a2間に存
在する砂層のような透水係数の高い地盤3a1に広範囲
にわたって水を返送することができ、この際、水を地盤
3中に返送するのに要する加圧力も小さくてすむもので
ある。
【0008】また、地盤3に埋設した揚水用ケーシング
管4の内部に流入した地下水を揚水して返送管1を経て
返送管1の先端部に設けた返送用ストレーナ2から透水
係数の高い地盤3a1に水を返送する方法であって、揚
水用ケーシング管4の内部に流入した地下水を揚水して
返送管1の先端部に設けた横向きに埋設した返送用スト
レーナ2から透水係数の高い地盤3a1に地下水を加圧
して返送する一連の揚水返送路5を形成し、この一連の
揚水返送路5を大気から遮断した密閉流路として揚水用
ケーシング管4から地下水を揚水して横向きに埋設した
返送用ストレーナ2を介して透水係数の高い地盤中3a
1に返送するまでの間中水が大気に触れないようにする
ことが好ましい。このような方法を採用することで、地
下工事や地盤改良のために揚水した地下水をそのまま地
盤3に返送することができるものであり、しかも、一連
の揚水返送路5が大気から遮断した密閉流路となってい
るので、溶解鉄分を多く含む地下水が揚水、・返送の一
連の流れにおいて大気と接して酸化粒状物となり、返送
の際に酸化粒状物が地盤3の土粒子間に目詰まりすると
いう現象が生じないようにできるものである。
【0009】また、揚水用ケーシング管4を埋設して揚
水する地盤3bと揚水した地下水を返送する地盤3aと
を地下仕切り6により仕切ることが好ましい。このよう
な方法を採用することで、地盤3bから揚水した地下水
を地盤3aに返送しても地下仕切り6により仕切られて
地盤3b側に流出することがないものである。
【0010】また、地上に設けた水溜め部7に溜めた水
を返送管1から横向きに埋設した返送用ストレーナ2に
加圧して送って横向きに埋設した返送用ストレーナ2か
ら透水係数の高い地盤3a1に水を返送することが好ま
しい。このような方法を採用することで、雨水、生活用
水の処理水等を水溜め部7に溜め、これを砂層のような
透水係数の高い地盤3a1に広範囲にわたって水を返送
することができるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて説明する。
【0012】図1には地下工事や地盤改良のために地下
水を揚水し、この揚水した地下水を再び地盤に返送する
実施形態が示してある。
【0013】地下工事のために地盤を掘削したり、ある
いは特定の場所の地盤改良などを行う場所の地盤3(以
下特定の地盤3bという)の周囲に地下止水壁やシート
パイル等の地下仕切り6を形成して、この地下仕切り6
によって掘削したり、あるいは地盤改良を行う特定の地
盤3bと、この特定の地盤3b以外の地盤1(以下他の
場所の地盤3aという)とを地下において仕切り、上記
特定の地盤3bと別の場所の地盤3aとの間で地下にお
いて地下水が相互に流れないように遮断するものであ
る。
【0014】このように特定の地盤3bの周囲に地下止
水壁やシートパイル等の地下仕切り6を形成した後、特
定の地盤3bを掘削したり、地盤改良を行うに当たっ
て、特定の地盤3bの地下水を揚水して地下水位を下
げ、揚水した地下水を別の地盤3aに返送するものであ
る。ここで、上記のように特定の地盤3bの地下水を揚
水して地下水位を下げることで、掘削すべき地盤3bの
土砂をドライ化して掘削を容易にすると共に掘削した土
砂の処分を容易にし、また、地盤改良に当たっても地下
水位を低下させて目的とする特定の地盤3bの含水率を
低下させることで簡単に地盤改良が行えるものである。
【0015】しかして、上記のように特定の地盤3bの
地下水を揚水し、揚水した地下水を特定の地盤3bとは
地下止水壁やシートパイル等の地下仕切り6で仕切った
別の地盤3aに返送するには以下のようにして行うもの
である。
【0016】地下工事のために地盤を掘削したり、地盤
改良などを行う特定の地盤3bに揚水用ケーシング管4
を埋設し、特定の地盤3bとは地下止水壁やシートパイ
ル等の地下仕切り6で仕切った別の地盤3aに先端部に
返送用ストレーナ2を設けた返送管1を埋設する。
【0017】ここで、別の地盤3aに埋設する返送管1
の先端部に設けた返送用ストレーナ2は図1に示すよう
に、略筒状をしていて長い(数メールから数十メート
ル)ものであり、この略筒状をした長い返送用ストレー
ナ2を別の地盤3aの地層のうち砂層等の透水係数の高
い地盤3a1内に横向き(略水平)に埋設するものであ
る。すなわち図1に示すように粘性土層のような透水係
数の低い地盤3a2間に存在する砂層等の透水係数の高
い地盤3a1内に返送用ストレーナ2を横向き(略水
平)に埋設する。粘性土層のような透水係数の低い地盤
3a2間に存在する水を返送しようとする透水係数の高
い地盤3a1はあらかじめボーリンク等の地質調査等に
より求めたり、あるいは、縦孔を形成することで知るこ
とができるものである。
【0018】返送管1の先端部に設けた返送用ストレー
ナ2を砂層等の透水係数の高い地盤3a1内に横向き
(略水平)に埋設するには従来から公知の種々の方法が
採用できるが、例えば特開平11−190190号公報
に示されたような方法により返送管1の少なくとも返送
用ストレーナ2を別の地盤3aの地層のうち砂層等の透
水係数の高い地盤3a1内に横向き(略水平)に埋設す
るものである。この特開平11−190190号公報に
示された方法は、概説すると、図4のように地盤3aに
発進立杭40と到達立杭41とを形成し、掘進機47に
より最初に斜め下方に向けて先端部にドリルヘッド42
を備えた掘進ロッド43を貫入して発進立杭40に至ら
せ、発進立杭40部分から目的とする透水係数の高い地
盤3a1部分においてドリルヘッド42を横向きにして
横向きに貫入させ、ドリルヘッド42を到達立杭41に
至らせて横向きの小径孔45を透水係数の高い地盤3a
1に形成する。ドリルヘッド42が到達立杭41に至る
と、ドリルヘッド42を外し、径の大きい拡孔リーマ4
4を掘進ロッド43の先端に取付けると共に該拡孔リー
マ44に返送用ストレーナ2又は先端部に返送用ストレ
ーナ2を設けた返送管1を接続し、掘進機47により掘
進ロッド43を上記と逆に引きながら拡孔リーマ44に
より上記小径孔45を拡径して大径孔46を形成すると
共に拡孔リーマ44に接続した返送用ストレーナ2又は
先端部に返送用ストレーナ2を設けた返送管1を大径孔
46内に通すことで透水係数の高い地盤3a1に返送用
ストレーナ2又は先端部に返送用ストレーナ2を設けた
返送管1を横向きに埋設するのである。
【0019】もちろん、砂層のように透水係数の高い地
盤3a1に返送用ストレーナ2又は先端部に返送用スト
レーナ2を設けた返送管1を横向きに埋設する当たって
は、上記以外の方法を採用してもよいものである。
【0020】上記のようにして砂層等の透水係数の高い
地盤3a1内に横向きに埋設した返送管1の先端部に設
けた返送用ストレーナ2は、長手方向の略全長にわたっ
て水を吐出する部分を備えてものであり、図2に示すよ
うに返送管1の先端部に連通接続した内筒部8と、内筒
部8の外周を隙間9を介して囲むストレーナ筒部10と
で構成してあり、内筒部8には返送孔11が設けてあ
る。この返送用ストレーナ2の先端部には遮蔽部が設け
てある。ストレーナ筒部10は例えば外形が円筒状のも
のであって、その外周に所定の間隔で隙間を形成するよ
うに鋼線が巻かれたものからなり、返送管1から内筒部
8に送られた水が返送管1の返送孔11から内筒部8と
ストレーナ筒部10との間の隙間9に供給され、隙間9
に供給された水がストレーナ筒部10に巻かれた鋼線間
の隙間から地盤3a1に返送されるようになっている。
【0021】ここで、返送管1を埋設した地盤3aには
返送管1の周囲を囲むように不透水層31を形成しても
よく、このように不透水層31を形成することで返送用
ストレーナ2から返送管1に沿って返送水が地上側に上
昇するのが防止されるものである。
【0022】揚水用ケーシング管4は特定の地盤3bに
縦方向に埋設してあり、この揚水用ケーシング管4の下
端部には上下方向に長い流入用ストレーナ12が設けて
ある。流入用ストレーナ12は図3に示すように揚水用
ケーシング管4の下端部に連通接続した上下方向に長い
内筒部13と、上下方向に長い内筒部13の外周を上下
方向に長い隙間14を介して囲む上下方向に長いストレ
ーナ筒部15とで構成してあり、流入用ストレーナ12
の下端部には砂溜まり部16が設けてある。また、砂溜
まり部16の底には底蓋が設けてある。
【0023】上記揚水用ケーシング管4は鋼管からな
り、特定の地盤3bと揚水用ケーシング管4との間には
必要に応じて砂利等が充填されたフィルター層17を設
けるように揚水用ケーシング管4を埋設してもよい。ス
トレーナ筒部15は例えば外形が円筒状のものであっ
て、その外周に所定の間隔で隙間を形成するように鋼線
が巻かれたものからなり、該隙間から地下水を内部に流
入させることができるようになっている。揚水ケーシン
グ管4の下端部に連通接続した内筒部13は鋼管等の非
透水性のものから出来ていて、内筒部13の下端部に上
記ストレーナ筒部15からから流入した地下水を内部に
取り入れるための集水孔18が複数設けてある。
【0024】上記の構成の揚水用ケーシング管4内に地
下水が流入するに当たっては、ストレーナ筒部15の上
下方向の全長からストレーナ筒部15と内筒部13との
間の隙間14に流入し、更に隙間14に流入した地下水
は内筒部13の下端部の集水孔18からのみ内筒部13
内に流入するものであるが、この場合、地下水位が上下
方向に長いストレーナ筒部15上端部よりも下方に位置
したとしても、集水孔18よりも上に位置していれば、
ストレーナ筒部15からストレーナ筒部15と内筒部1
3との間の隙間14に進入した空気は、内筒部13の内
側に進入することができず、該隙間14の上部に集まる
ことになる。このように、本実施形態においては内筒部
13の外周を囲むストレーナ筒部15、内筒部13の下
端部に設けた集水孔18、内筒部13とストレーナ筒部
15との間の隙間14により地下水位の低下により揚水
用ケーシング管4内にエアが流れ込むのを防止するため
のエア流入防止手段が構成している。
【0025】内筒部13内には水中ポンプよりなる揚水
ポンプ20が設けてあり、揚水ポンプ20には揚水管2
8の下端部が接続してある。揚水管28は揚水用ケーシ
ング管4内に挿通してあり、揚水管28の上部が揚水用
ケーシング管4の上端部開口を閉塞する上蓋21を貫挿
して地上24に導出してある。揚水用ケーシング管4の
上端部開口を閉塞する上蓋21には更に減圧用管路22
の端部が接続してあり、この減圧用管路22は地上24
に設置した真空ポンプのようなバキューム手段23に接
続してある。
【0026】地上24には中間加圧ポンプ25、密閉タ
ンクよりなる大気に対して内部を流れる水が接しないよ
うに密閉された沈砂部26が設置してある。一端部を揚
水ポンプ20に接続した揚水管28の他端部が中間加圧
ポンプ25に接続してあり、中間加圧ポンプ25と沈砂
部26の入口とが接続管27により接続してあり、沈砂
部26の出口に返送管1の他端部が接続してある。そし
て、揚水ポンプ20、揚水管28、中間加圧ポンプ2
5、接続管27、沈砂部26、先端部に返送用ストレー
ナ2を設けた返送管1により一連の揚水返送路5が構成
してあり、この一連の揚水返送路5は内部を流れる水が
大気と遮断されて大気に接しないような密閉流路として
形成してある。そして、本実施形態においては揚水ポン
プ20、中間加圧ポンプ25により揚水用ケーシング管
4の内部に流入した地下水を揚水して返送管1を介して
加圧して地盤3中に返送するための揚水・加圧返送手段
を構成してある。
【0027】しかして、特定の地盤3bの地下水を揚水
し、揚水した地下水を特定の地盤3bとは地下止水壁や
シートパイル等の地下仕切り6で仕切った別の地盤3a
に返送するものである。この場合、バキューム手段23
で揚水用ケーシング管4内を減圧することで、効果的に
特定の地盤3bの地下水を揚水用ケーシング管4の下端
部に設けた流入用ストレーナ12の内筒部13内に集水
でき、この内筒部13に集水された特定の地盤3bの地
下水を揚水ポンプ20で揚水し、中間加圧ポンプ25で
更に加圧して沈砂部26側に送り、沈砂部26で揚水し
た地下水中の砂のような粒状物を沈下させて分離除去し
(例えば沈砂部26内に設けたバッフル板などに地下水
が衝突しながら流れることで、砂のような粒状物を分離
して沈下させる)、砂のような粒状物が除去された地下
水を返送管1内に加圧状態で返送するものである。返送
管1内に供給された地下水は加圧されているため、返送
管1の先端部に設けた返送用ストレーナ2から別の地盤
3aの地層のうち砂等の透水係数の高い地盤3a1内に
加圧浸透していくことで返送されるものである。ここ
で、返送管1の先端部に設けた返送用ストレーナ2は水
を吐出する部分を長手方向にわたって備えたもので、こ
の水を吐出する部分を長手方向にわたって備えた返送用
ストレーナ2を砂層等の透水係数の高い地盤3a1内に
該透水係数の高い地盤3a1に沿って横向きに埋設して
あるので、横向きに埋設した水を吐出する部分を長手方
向にわたって備えた返送用ストレーナ2から加圧により
吐出した水は砂層のような透水係数の高い地盤3a1に
広範囲にわたって加圧浸透していくものであり、この場
合透水係数の高い地盤3a1にのみ水を加圧して広範囲
に返送することができるものである。
【0028】上記特定の地盤3bの地下水の揚水、揚水
した地下水を別の地盤3aに返送するという一連の揚水
・返送は一連の揚水返送路5に地下水を流して連続的に
行われるものであって、したがって、一旦地上において
大気開放型の貯水タンクに水を溜めるものに比べて、揚
水した地下水の処理時間が短いものである。しかも、上
記一連の揚水・返送に当たって、一連の揚水返送路5が
大気から遮断した密閉流路として形成してあるので、揚
水用ケーシング管4から地下水を揚水して返送管1を介
して地盤3中に返送するまでの間中水が大気に触れない
ものである。このため、地下水中に含まれる溶解鉄分が
大気に接して酸化して酸化粒状物が生成するという現象
が生じないものであり、別の地盤3aに返送する際に酸
化粒状物により地盤3aが目詰まりすることがなく、ス
ムーズに地下水を地中に返送できるものである。
【0029】次に、本発明の他の実施形態につき図5に
基づいて説明する。本実施形態においては、地上に雨水
や、生活用水の処理水(工業用水の処理水も含む)等を
溜める水溜め部7を形成し、この水溜め部7に溜められ
た水を加圧ポンプ30により返送管1から返送用ストレ
ーナ2に加圧して送って返送用ストレーナ2から透水係
数の高い地盤3a1に返送するようにしている。本実施
形態においては、雨水や生活用水の処理水等を透水係数
の高い地盤3a1に送り込んで地下水とすることにより
水資源の保全を図っている。ここで、都会のような地面
をアスファルトやコンクリートで覆ったり、あるいは図
5のように砂層のような透水係数の高い地盤3a1の上
層に粘性土層のように透水係数の低い地盤3a2などが
ある地層においては、地表面の水が透水係数の高い地盤
3a1に浸透して地下水として貯えられ難いものである
が、本実施形態によれば、地上の雨水や生活用水の処理
水をいったん水溜め部7に溜め、これを上記のようにし
て透水係数の高い地盤3a1内に透水係数の高い地盤3
a1に沿って横向きに埋設した返送用ストレーナ2から
該透水係数の高い地盤3a1の広範囲にわたって水を加
圧浸透させるので、簡単な方法で容易に地下水という形
態で水資源を保全することができるものである。
【0030】ここで、前述の実施形態のような地下水を
揚水したものは地中の鉄分が多量に溶解しているため、
大気(空気)に接すると溶解鉄分が酸化して酸化粒状物
が生成して地下水返送の際に地盤を目詰まりさせるおそ
れがあるが、雨水や生活用水の処理水等は地下水に比べ
ると溶解鉄分の量が少なく、したがって、地上に形成し
た水溜め部7は大気開放型であってよいものである。
【0031】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1記載の発
明にあっては、返送管の先端部に水を吐出する部分を長
手方向にわたって備えた筒状をした返送用ストレーナを
設け、この返送用ストレーナを粘性土層のような透水係
数の低い地盤間に存在する砂層等の透水係数の高い地盤
内に該透水係数の高い地盤に沿って横向きに埋設し、返
送管から横向きに埋設した返送用ストレーナに水を加圧
して送って横向きに埋設した返送用ストレーナから粘性
土層のような透水係数の低い地盤間に存在する透水係数
の高い地盤に水を返送するので、粘性土層のような透水
係数の低い地盤間に存在する砂層のような透水係数の高
い地盤に広範囲にわたって水を返送することができると
ともに地盤中に返送するのに要する加圧力も小さくてす
み、少ないエネルギーで効率よく地盤に水を返送して地
下水という形態で水資源の保全を図ることができるもの
である。
【0032】また、請求項2記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、地盤に埋設した
揚水用ケーシング管の内部に流入した地下水を揚水して
返送管を経て返送管の先端部に設けた横向きに埋設した
返送用ストレーナから透水係数の高い地盤に水を返送す
るので、汲み上げた地下水を再び地下水として戻すこと
で水資源の有効保全が図れ、自然環境を保全できるもの
であり、揚水用ケーシング管の内部に流入した地下水を
揚水して返送管の先端部に設けた横向きに埋設した返送
用ストレーナから透水係数の高い地盤に地下水を加圧し
て返送する一連の揚水返送路を形成し、この一連の揚水
返送路を大気から遮断した密閉流路として揚水用ケーシ
ング管から地下水を揚水して返送用ストレーナを介して
透水係数の高い地盤中に返送するまでの間中水が大気に
触れないようにするので、揚水から再び返送という一連
の地下水の流れにおいて地下水が大気に接することがな
く、このため、地下水を揚水した際に、地下水中に含ま
れる溶解鉄分が大気に接して酸化することにより酸化粒
状物が生成するという現象が生じず、酸化粒状物により
地盤が目詰まりすることがなく、スムーズに地下水を地
中に返送できて、返送効率が良くなるという利点があ
り、また、一連の揚水返送路を大気から遮断した密閉流
路としてあることで、従来のように揚水した地下水を地
上でいったん溜めておくための大気開放型の大型の水溜
めタンクが必要でなく、地上に設置する装置が占めるス
ペースが狭くて良いものである。
【0033】また、請求項3記載の発明にあっては、上
記請求項2記載の発明の効果に加えて、揚水用ケーシン
グ管を埋設して揚水する地盤と揚水した地下水を返送す
る地盤とを地下仕切りにより仕切るので、返送した地下
水が揚水する地盤側に流れ込むことがないものであり、
揚水した場所の地下工事や地盤改良に悪影響を与えない
ものである。
【0034】また、請求項4記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、地上に設けた水
溜め部に溜めた水を返送管から横向きに埋設した返送用
ストレーナに加圧して送って横向きに埋設した返送用ス
トレーナから透水係数の高い地盤に水を返送するので、
雨水、生活用水の処理水等を水溜め部に溜め、これを砂
層のような透水係数の高い地盤に広範囲にわたって水を
返送することができ、これにより雨水や生活用水の処理
水を地下水という形態で水資源の保全ができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成図である。
【図2】同上の返送用ストレーナ部分の拡大断面図であ
る。
【図3】同上の流入用ストレーナ部分の拡大断面図であ
る。
【図4】(a)(b)は同上の返送用ストレーナを透水
係数の高い地盤に横向きに埋設する順序を示す説明図で
ある。
【図5】本発明の他の実施形態の概略構成図である。
【符号の説明】
1 返送管 2 返送用ストレーナ 3 地盤 3a 地盤 3b 地盤 3a1 透水係数の高い地盤 4 揚水用ケーシング管 5 揚水返送路 6 地下仕切り 7 水溜め部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000141082 株式会社関配 東京都品川区東五反田5丁目22番27号 (72)発明者 高橋 茂吉 岩手県北上市和賀町岩崎新田5地割16番 地81 有限会社アサヒテクノ内 (72)発明者 松村 修一 大阪市中央区大手前1丁目7番24号 成 幸工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−289678(JP,A) 特開 昭61−204413(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 返送管の先端部に水を吐出する部分を長
    手方向にわたって備えた略筒状をした返送用ストレーナ
    を設け、この返送用ストレーナを粘性土層のような透水
    係数の低い地盤間に存在する砂層等の透水係数の高い地
    盤内に該透水係数の高い地盤に沿って横向きに埋設し、
    返送管から横向きに埋設した返送用ストレーナに水を加
    圧して送って横向きに埋設した返送用ストレーナから
    性土層のような透水係数の低い地盤間に存在する透水係
    数の高い地盤に水を返送することを特徴とする地盤に水
    を返送する方法。
  2. 【請求項2】 地盤に埋設した揚水用ケーシング管の内
    部に流入した地下水を揚水して返送管を経て返送管の先
    端部に設けた返送用ストレーナから透水係数の高い地盤
    に水を返送する方法であって、揚水用ケーシング管の内
    部に流入した地下水を揚水して返送管の先端部に設けた
    横向きに埋設した返送用ストレーナから透水係数の高い
    地盤に地下水を加圧して返送する一連の揚水返送路を形
    成し、 この一連の揚水返送路を大気から遮断した密閉流路とし
    て揚水用ケーシング管から地下水を揚水して返送用スト
    レーナを介して透水係数の高い地盤中に返送するまでの
    間中水が大気に触れないようにすることを特徴とする請
    求項1記載の地盤に水を返送する方法。
  3. 【請求項3】 揚水用ケーシング管を埋設して揚水する
    地盤と揚水した地下水を返送する地盤とを地下仕切りに
    より仕切ることを特徴とする請求項2記載の地盤に水を
    返送する方法。
  4. 【請求項4】 地上に設けた水溜め部に溜めた水を返送
    管から横向きに埋設した返送用ストレーナに加圧して送
    って横向きに埋設した返送用ストレーナから透水係数の
    高い地盤に水を返送することを特徴とする請求項1記載
    の地盤に水を返送する方法。
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