JP3489697B2 - プロピレン−芳香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法 - Google Patents
プロピレン−芳香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法Info
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Description
香族ビニル化合物共重合体及びその製造方法に関し、プ
ロピレン連鎖に特定の立体規則性を有する共重合体及び
その効率的な製造方法に関する。
体、例えばプロピレン−スチレン共重合体は、耐熱酸化
特性に優れた特性を有するポリマ−である(工業化学雑
誌, 66, 102 (1963), ibid, 67, 258 (1964))。また、
ポリオレフィンにポリスチレンを混合、あるいはグラフ
ト重合したポリマーは、高エネルギ−放射線(電子線、
紫外線、γ線)に対する耐性を著しく向上させることが
知られている(J. Appl. Polym. Sci., 9 , 1585 (196
5) )。さらに、プロピレン−スチレンランダム共重合
体は、従来三塩化チタンや四塩化チタンを用いた、いわ
ゆる不均一系チーグラ−ナッタ型触媒によって合成が試
みられている(例えば、Macromolecules, 22, 2875 (19
89) 、特開平2-206602号公報、特公平4-36168 号公報、
特公平1-14247 号公報)。一方、プロピレン−スチレン
ブロック共重合体は、従来アニオン重合によりポリスチ
レン連鎖ブロックを形成し、ひき続いてバナジウム触媒
で−78℃でプロピレン連鎖をブロック共重合する方法
により得られている(特開平3-231706号公報)。
ロピレンとポリスチレンを混合する場合は、ポリプロピ
レンとポリスチレンの相溶性が悪いため、上記の高エネ
ルギー放射線耐性以外の物性の悪化は避けられない。一
方、グラフト重合はコスト高をもたらすこと、および均
一な組成が得られないこと等問題が多い。また、上記の
不均一系チーグラ−ナッタ型触媒によるプロピレン−ス
チレンランダム共重合体は、触媒の生産性が低かった
り、スチレンの含有量が数重量%以下と少なく、また得
られる共重合体は相当量のスチレン単独重合体及びプロ
ピレン単独重合体を含み、かつ共重合体自身も不均一で
あることから実用的とはいい難い。さらに、プロピレン
−スチレン共重合体をシンジオタクティクポリプロピレ
ン等の結晶性ポリオレフィンと非結晶性ポリスチレンの
相溶化材として用いたり、熱可塑性エラストマ−として
用いるためには、上記の不均一系チーグラ−ナッタ型触
媒で得られるプロピレン−スチレン共重合体ではスチレ
ン含有量が十分でないこと、またポリマ−自体が不均一
な組成を有する等問題が多い。また、用いる不均一系チ
ーグラ−ナッタ触媒の宿命により、そのプロピレンユニ
ットはアイソタクティク構造をとっている。一方、従来
知られているスチレン−プロピレンのブロック共重合体
は、合成のために極低温条件が必要であったり、複雑な
多段の重合が必要になるなどのため、工業化には適して
いない。
プロピレンの優れた特性(柔軟性、しなやかさ、成形
性、透明性)を生かしながら、耐熱酸化性および耐高エ
ネルギー放射線性に優れ、かつ芳香族ビニル化合物含有
量が高く、結晶性ポリプロピレンの添加剤、熱可塑性エ
ラストマー、シンジオタクティクポリプロピレンと非結
晶性ポリスチレンとの相溶化材などとして有用なシンジ
オタクティクポリプロピレンと芳香族ビニル化合物との
共重合体を得ることであり、さらに工業化に適する簡単
な工程で、収率良くプロピレン−芳香族ビニル化合物共
重合体を得る製造方法を提供することである。本発明者
らは鋭意検討を重ねた結果、プロピレン連鎖がシンジオ
タクティク構造を有し、また均一な組成を有し、かつ芳
香族ビニル化合物含有量が多い新規なプロピレン−芳香
族ビニル化合物共重合体が、特定の金属化合物と助触媒
を用いる事により、収率良くかつ容易に得られる事を見
い出し、本発明を完成させるに至った。
香族ビニル化合物共重合体は、プロピレンと芳香族ビニ
ル化合物を共重合することにより製造され、下記の一般
式
す。Rはハロゲン原子、あるいは炭素数1〜8の置換基
を示す。nが複数の場合は各Rは同じでも異なっていて
もよい。)で表される芳香族ビニル化合物構造単位式
(II)から成る共重合体であって、プロピレン構造単位
式(I)の連鎖が主としてシンジオタクティクの構造を
有し、芳香族ビニル化合物構造単位式(II)が連鎖を有
する場合には、その連鎖は特定の立体規則性を有しない
ことを特徴とする新規プロピレン−芳香族ビニル化合物
共重合体である(但し、グラフト重合体である場合を除
く)。また、本発明のプロピレン−芳香族ビニル化合物
共重合体中には、下記の一般式(III )で表される芳香
族ビニル化合物単位構造の異種結合が存在していても差
し支えない。
す。Rはハロゲン原子、あるいは炭素数1〜8の置換基
を示す。nが複数の場合は各Rは同じでも異なっていて
もよい。)
ンおよび各種の置換スチレン、例えばp−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p
−クロロスチレン、o−クロロスチレン等が挙げられ、
またジビニルベンゼン等一分子中に複数個のビニル基を
有する化合物等も挙げられるが、好ましくはスチレン、
p−メチルスチレン、特に好ましくはスチレンが好適に
用いられる。本発明のプロピレン−芳香族ビニル化合物
共重合体の重量平均分子量は1000〜100万、好ま
しくは2000〜50万、更に好ましくは5000〜3
0万である。分子量が小さ過ぎるとポリマ−物性、耐熱
性等の点で好ましくなく、分子量が大き過ぎると加工性
が悪くなる。
共重合体のプロピレン構造の連鎖のタクティシティはシ
ンジオタクティクインデックス(ラセミペンタッド;r
rrr)で20%以上、好ましくは30%以上、更に好
ましくは70%以上である。シンジオタクティクインデ
ックスが20%より低い場合、本来シンジオタクティク
ポリプロピレンの持つ優れた特性(柔軟性、しなやか
さ、成形性、透明性)が失われる。本発明のプロピレン
−芳香族ビニル化合物共重合体中の芳香族ビニル化合物
の含有量は、特に好ましくは、0.01〜15モル%の
範囲である。成形品等に用いる場合には、0. 01〜1
5モル%、好ましくは0.1〜15モル%の範囲であ
り、0.01モル%より低いと、耐熱酸化性、耐高エネ
ルギー放射線性が改善されず、50モル%を越えると、
本来シンジオタクティクポリプロピレンの持つ優れた特
性(柔軟性、しなやかさ、成形性、透明性)を生かす事
が困難となる。また、結晶性ポリプロピレンの添加剤、
熱可塑性エラストマ−、あるいはシンジオタクティクポ
リプロピレンと非結晶性ポリスチレンとの相溶化材とし
て用いる場合には、芳香族ビニル化合物の含有量は、1
〜15モル%、好ましくは2〜15モル%、更に好まし
くは4〜15モル%の範囲であり、1モル%より低い場
合や98モル%を越える場合には、熱可塑性エラストマ
−としての物性が失われ、またシンジオタクティクポリ
プロピレンや非結晶性ポリスチレンとの相溶性が悪化す
る。
共重合体は、プロピレンと芳香族ビニル化合物を下記の
金属化合物を触媒として重合することにより製造するこ
とができる。即ち、本発明で触媒として用いる金属化合
物は、置換基を有するシクロペンタジエニル基(Cp
1)と、置換基を有するかまたは有しないシクロペンタ
ジエニル基(Cp2)を架橋した配位子と金属から構成
される化6に示した錯体である(但し、2つのシクロペ
ンタジエニル配位子が同一である場合を除く)。
ニル基とは、単にアルキル置換ペンタジエニル基、アリ
ル置換ペンタジエニル基、アルコキシ置換ペンタジエニ
ル基等の炭素数1〜20の置換基を有するシクロペンタ
ジエニル基のみならず、シクロペンタジエン構造を分子
内に有する、例えばフルオレニル基、アルキル置換フル
オレニル基、アリル置換フルオレニル基、アルコキシ置
換フルオレニル基等の炭素数1〜20の置換基を有する
フルオレニル基、インデニル基、アルキル置換インデニ
ル基、アリル置換インデニル基、アルコキシ置換インデ
ニル基等の炭素数1〜20の置換基を有するインデニル
基等を示すが、好ましくはフルオレニル基、アルキル置
換フルオレニル基、アルコキシ置換フルオレニル基が、
特に好ましくはフルオレニル基が用いられる。置換ある
いは無置換シクロペンタジエニル基あるいはペンタジエ
ン構造2個を架橋する架橋基Yとしては、2個の水素原
子または2個の炭素数1〜20のアルキル基、アリル
基、シクロアルキル基等の置換基を有する炭素原子また
は珪素原子、例えば−CH2 −、−C(Me)2 −、−
C(Et)2 −、−C(Ph)2−、−Si(Me)2
−、−Si(Et)2 −等が挙げられる。この際、2個
の置換基が同じでも異なっていても良く、2個の置換基
が結合し環を形成していてもかまわない。架橋基Yとし
て、好ましくは−CH2 −、−C(Me)2 −、−C
(Ph)2 −が用いられる。(ここで、Meはメチル
基、Etはエチル基、またPhはフェニル基を表してい
る。)
金属が用いられるが、好適にはジルコニウム、ハフニウ
ム等が用いられる。Xは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロ
ゲン、またはメチル基等のアルキル基、フェニル基、ベ
ンジル基等である。nは1から7の整数であるが、金属
(M)がジルコニウムまたはハフニウムのときは2であ
り、金属(M)がチタニウムの場合は1または2の値を
とる。nが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なって
いても良い。
化合物を共重合するに当たり、上記金属化合物と共に助
触媒として有機アルミニウム化合物及び/またはほう素
化合物を用いることが好ましい。助触媒として用いる有
機アルミニウム化合物としては、アルモキサンが好適で
ある。アルモキサンとは、下記の一般式
も異なっていてもよく、炭素数1〜5のアルキル基、最
も好ましくは炭素数1のメチル基、m、nは2〜100
の整数)で表される環状あるいは鎖状化合物である。必
要に応じ、これら種類の異なるアルモキサンの混合物を
用いてもよい。また、これらのアルモキサンとアルキル
アルミニウム、例えば、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジ
メチルアルミニウムクロライド等を併用してもよい。
N−ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレ−ト、トリチルテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレ−ト、トリ(ペンタフルオロフェニル)ボレ
−ト等である。これらほう素化合物と上記有機アルミニ
ウム化合物を同時に用いても差し支えない。特にほう素
化合物を助触媒として用いる場合には、重合系内に含ま
れる水等の重合に悪影響を与える不純物を除去するため
に、トリイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミ化
合物を添加することは有効である。
は、上記に例示した金属化合物および助触媒を、プロピ
レンおよび芳香族ビニル化合物と接触させるが、溶媒を
用いずに液状モノマ−中で重合させる方法、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロロ置換ベンゼン、クロロ置換トル
エン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独または
混合溶媒を用いる方法がある。また、必要に応じ、バッ
チ重合、連続重合、回分式重合、あるいは予備重合等の
方法を用いることができる。
あり、好ましくは0℃〜140℃である。−78℃より
低い重合温度は工業的に不利であり、200℃を越える
と金属化合物の分解が起こるので適当ではない。本発明
の方法を実施する際の金属化合物の重合反応液中の濃度
は、10-9〜10-2モル/リットル、好ましくは10-8
〜10-3モル/リットルである。助触媒として有機アル
ミニウム化合物を用いる場合には、アルミニウムの錯体
金属に対する原子数比は0. 1〜100000、好まし
くは1〜1000の比で用いられる。0. 1より小さけ
れば有効に金属化合物を活性化出来ず、100000を
越えると経済的に不利となる。助触媒としてほう素化合
物を用いる場合には、ほう素原子/錯体金属原子比で
0. 01〜100の比で用いられるが、好ましくは0.
1〜10、特に好ましくは1で用いられる。0. 01よ
り小さければ有効に金属化合物を活性化出来ず、100
を越えると経済的に不利となる。金属化合物と助触媒
は、重合槽外で混合、調製してもよく、重合時に槽内で
混合してもよい。
する。ただし、実施例により本発明の範囲が限定される
ものではない。以下に使用する化学式の中で用いる記号
は、Fluはフルオレニル基、Phはフェニル基、Cp
はシクロペンタジエニル基、Meはメチル基を表す。 (実施例1){Flu−C(Ph)2 −Cp}ZrCl
2 を、文献 J. Amer. Chem. Soc.,110, 6255(1988) 及
び Makromol. Chem., Macromol. Symp. 48/49, 253 (19
91)に記載された方法を参考にして合成した。化学構造
は化9によって表される。
レ−ブに、{Flu−C(Ph)2−Cp}ZrCl2
0. 023mmol、メチルアルモキサン(東ソ−アク
ゾ社製、MMAO−3A)をAl原子基準で14mmo
l、スチレン10ml、トルエン16mlを仕込み、直
ちにオ−トクレ−ブを液体窒素バスで約−30℃に冷却
しながらプロピレンを約3L(標準状態)仕込む。その
後オ−トクレ−ブを加熱し、約30分かけて50℃に昇
温し、さらに50℃で1時間反応させ、反応終了後過剰
のプロピレンを放圧する。内容液を大過剰の塩酸/メタ
ノール混合液中に投入し、ポリマ−を回収し、60℃で
10時間、減圧下で乾燥したところ、2. 5gの白色ポ
リマ−を得た。
としたことを除いては、実施例1と同様に重合を実施し
たところ、3. 5gの白色ポリマ−を得た。 (実施例3)スチレンの代わりにパラメチルスチレンを
10ml用いたこと以外は、実施例1と同様に重合を実
施したところ、4gの白色ポリマ−を得た。
p}ZrCl2 0. 046mmolを含む高度に脱水し
た塩化メチレン溶液に、MeLi/ジエチルエ−テル溶
液0. 092mmolを加え室温で1時間撹拌し、真空
下で溶媒を十分に除去し、{Flu−C(Ph)2 −C
p}Zr(Me)2 を黄色固体として得た。得られた
{Flu−C(Ph)2 −Cp}Zr(Me)2 全量を
脱水トルエン16mlに溶解し{HPhNMe2 B(C
6 F5 )4 }(東ソ−アクゾ社製)を0. 046mmo
l添加した。室温で1時間撹拌し、トリイソブチルアル
ミを約0. 5mmol、スチレン10mlを仕込み、以
降は実施例1と同様に重合を実施したところ、4. 5g
の白色ポリマ−を得た。
p}HfCl2 を、{Flu−C(Ph)2 −Cp}Z
rCl2 と同様の方法で合成した。{Flu−C(P
h)2 −Cp}ZrCl2 の代わりに{Flu−C(P
h) 2 −Cp}HfCl2 を 0. 023mmol用い
たこと以外は、実施例1と同様に重合を実施したとこ
ろ、0. 9gの白色ポリマ−を得た。
で得られたポリマ−の分析は以下の手段によって実施し
た。13C−NMR分析は、日本電子社製JNM GX−
270により、o−ジクロロベンゼンと重ベンゼンの混
合溶媒を用いて行った。図1、図2に、実施例1で得ら
れたポリマ−の13C−NMRチャ−トを示す。また、フ
ェニルC1炭素、フェニルC4炭素は図3に表示した。
図1に示すアルキル領域では、シンジオタクティクポリ
プロピレンのメチル炭素、メチン炭素、メチレン炭素に
由来する大きなピ−クがそれぞれ20. 3、28. 6、
47. 4ppm付近に認められる。シンジオタクティク
インデックス(ラセミペンタッド;rrrr)は約90
%であった。上記のプロピレン連鎖領域のシンジオタク
ティクインデックス(ラセミペンタッド;rrrr)
は、文献 Makromol. Chem., Macromol. Symp. 48/49, 2
53 (1991) に従い、13C−NMRメチル炭素領域から求
めた。また、プロピレンとスチレンの共重合に由来する
ピ−クが44、36〜37、31、18ppm付近に認
められる。
1炭素領域では、144. 2〜144. 5ppm付近に
ピ−クが認められる。このピ−クはアタクティクポリス
チレンの146ppm付近、アイソタクティクポリスチ
レンの146. 8ppm、シンジオタクティクポリスチ
レンの145. 2ppmとも異なり、プロピレンと共重
合したスチレンのフェニルC1炭素であると考えられ
る。図4、図5には実施例3で得られたポリマ−の13C
−NMRを示す。図4に示すアルキル領域では、シンジ
オタクティクポリプロピレンに由来するピ−ク、プロピ
レンとパラメチルスチレンの共重合に由来するピ−ク
(30〜31、35. 5〜36. 5、44〜45ppm
の他に40. 5ppm付近にアタクティクポリ(パラメ
チルスチレン)連鎖に帰属されるピ−クが観測される。
図5には、プロピレンと共重合したパラメチルスチレン
のフェニルC1炭素に由来するピ−ク(141、143
ppm付近)の他にアタクティクポリ(パラメチルスチ
レン)連鎖のフェニルC1炭素に由来するブロ−ドなピ
−ク(142〜144ppm)が観測される。また、プ
ロピレンと共重合したパラメチルスチレンのフェニルC
4炭素に由来するピ−ク、135ppm以外に、アタク
ティクポリ(パラメチルスチレン)連鎖のフェニルC4
炭素に由来するブロ−ドなピ−クが134. 5〜13
5. 5ppmに見られる。すなわち、実施例3で得られ
たポリマ−中には特定の立体規則性のないパラメチルス
チレン連鎖が存在する。
−NMRで行い、図6に示した。機器は、日本電子社製
JNM GX−270を使い、重クロロホルム溶媒を用
い、シフト値(TMS基準)6〜7.5ppmのフェニ
ル基プロトン由来のピ−クと0.5〜3ppmのアルキ
ル基由来のプロトンピ−クの強度比較で行った。ガラス
転移点及び融点は、セイコ−電子社製DSC−200を
用い、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度で求めた。
以上の分析結果を表1に記載した。
ロホルムに溶解し、クロロホルムを測定溶媒とし、測定
温度30℃の測定条件で、RI、UVの両検出器を用
い、GPCスペクトルを測定した。装置は東ソ−社SC
−8010を用いた。その結果を図7、図8に示す。R
I検出器から得られた分子量分布曲線図7(ポリマ−の
ポリプロピレン領域とスチレン領域の合計の分子量分布
に対応する)とUV検出器から得られた分子量分布曲線
図8(スチレンのフェニル基にのみ応答し、ポリマ−中
のスチレン領域の分子量分布に対応する)は、流出時
間、曲線の形ともほぼ一致している。よって、共重合体
中に均一にスチレンが分散していることがわかる。分子
量は重量平均分子量(Mw)が43000、数平均分子
量(Mn)が25000、分子量分布(Mw/Mn)は
1. 7であった。
lのオ−トクレ−ブに、{Flu−C(Ph)2−C
p}ZrCl2 0. 023mmol、メチルアルモキサ
ン(東ソ−アクゾ社製、MMAO−3A)をAl原子基
準で14mmol、スチレン10ml、トルエン16m
lを仕込み、プロピレンを用いず、窒素雰囲気下でスチ
レンの単独重合を50℃で1時間行った。実施例1の時
と同様に内容液を大過剰の塩酸/メタノール混合液中に
投入したが、ポリマ−は得られなかった。以上の結果と
実施例の結果から、{Flu−C(Ph)2 −Cp}Z
rCl2は、スチレンの単独重合活性は示さないが、プ
ロピレンが共存すればポリマ−中にスチレンを取り込ん
でいく、すなわちスチレン共重合能を発現させるという
特異な重合能を示すことが確認される。
p}ZrCl2 の代わりにCp2 ZrCl2 を0. 02
3mmol用いたこと以外は、実施例1と同様に重合を
実施したところ、液体状の生成物が2.8g得られた。
13C−NMRの結果プロピレン連鎖はアタクティクであ
り、GPC測定の結果、分子量約1000のオリゴマー
であることがわかった。
オタクティク構造および均一な組成を有し、かつ芳香族
ビニル化合物含有量が多いという特徴により、シンジオ
タクティクポリプロピレンの優れた特性(柔軟性、しな
やかさ、成形性、透明性)を生かしながら、耐熱酸化性
および耐高エネルギー放射線性に優れ、また結晶性ポリ
プロピレンの添加剤、熱可塑性エラストマー、シンジオ
タクティクポリプロピレンと非結晶性ポリスチレンとの
相溶化材などとして有用な、シンジオタクティクポリプ
ロピレンと芳香族ビニル化合物との新規な共重合体が得
られた。また、特定の金属化合物と助触媒を用いる事に
より、工業化に適する収率の良いその製造方法が得られ
た。
ペクトル。アルキル炭素領域。
ペクトル。芳香族(フェニル)炭素領域。
ペクトル。アルキル炭素領域。
ペクトル。芳香族(フェニル)炭素領域。
ペクトル(溶媒:CDCl3 )。
ル。検出器はRIを使用。
ル。検出器はUVを使用。
Claims (3)
- 【請求項1】 プロピレンと芳香族ビニル化合物を共重
合することにより製造され、下記の一般式 【化1】 で表されるプロピレン構造単位式(I)と下記の一般式 【化2】 (式中、nは0〜5までの整数。Phはフェニル基を表
す。Rはハロゲン原子、あるいは炭素数1〜8の置換基
を示す。nが複数の場合は各Rは同じでも異なっていて
もよい。)で表される芳香族ビニル化合物構造単位式
(II)から成る共重合体であって、芳香族ビニル化合物
の含有量が0.01〜15モル%であり、かつプロピレ
ン構造単位式(I)の連鎖がシンジオタクティクインデ
ックス20%以上の構造を有し、芳香族ビニル化合物構
造単位式(II)が連鎖を有しないか、または芳香族ビニ
ル化合物構造単位式(II)の連鎖は特定の立体規則性を
有しないことを特徴とし、かつ重量平均分子量が100
0〜100万であるプロピレン−芳香族ビニル化合物共
重合体(但し、グラフト重合体である場合を除く)。 - 【請求項2】 置換基を有するシクロペンタジエニル基
と、置換基を有するかまたは有しないシクロペンタジエ
ニル基とを架橋した配位子と、IV族の遷移金属を含む金
属化合物(但し、2つのシクロペンタジエニル配位子が
同一である場合を除く)を触媒として用いて、プロピレ
ンと芳香族ビニル化合物を共重合することを特徴とする
請求項1記載のプロピレン−芳香族ビニル化合物共重合
体の製造方法。 - 【請求項3】助触媒として、有機アルミニウム及び/ま
たはほう素を含む化合物を用いる請求項2記載のプロピ
レン−芳香族ビニル化合物共重合体の製造方法。
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