JP3489370B2 - 光偏向器 - Google Patents

光偏向器

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JP3489370B2
JP3489370B2 JP02820297A JP2820297A JP3489370B2 JP 3489370 B2 JP3489370 B2 JP 3489370B2 JP 02820297 A JP02820297 A JP 02820297A JP 2820297 A JP2820297 A JP 2820297A JP 3489370 B2 JP3489370 B2 JP 3489370B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばレーザ・プ
リンタ、デジタル・複写機、レーザ・ファックス、PO
S(バーコード読取装置)などの光走査装置などに適用
することができ、回転多面鏡の高速回転時の風切り音
(耳障り音)を低減する光偏向器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ビームを被走査部材としての
記録媒体上に走査する光走査装置には、情報を含む光ビ
ームを所定の方向へ偏向し、走査させるため、例えば複
数の反射面を外周に形成した回転多面鏡をDC・ブラシ
レス・モータ等の駆動モータで回転させるようにした光
偏向器が使われている。
【0003】即ち、レーザ等の光源から出射された光ビ
ームで被走査部材としての画像担体を走査してその画像
を読み取る画像読取装置、あるいは画像信号や文字信号
で変調された光ビームで記録媒体を走査して画像の記録
を行う画像記録装置では、上記光ビームを走査するため
の手段として回転多面鏡を駆動モータに固定した光偏向
器が用いられる。
【0004】これらの光偏向器の光学走査駆動装置に
は、回転多面鏡及びモータなど全体を防塵するためのカ
バーが設けられている場合がある。このカバーは、回転
多面鏡の反射面に塵埃を付着させないため、また動圧ス
ピンドルの固定軸とスリーブとの隙間に塵埃が入り込ま
ないようにしたり、さらに光偏向器の組立てや交換時の
ハンドリングにおいて回転多面鏡の反射面を汚さないよ
うにするためである。この他には、回転多面鏡の回転で
生ずる風切り音を外に漏らせない防音などをも目的にし
ている。
【0005】ここで、回転多面鏡の回転が遅い場合や回
転多面鏡の直径が短い場合には、いわゆるイナーシャ
(慣性力)が小さいので、防音のためのカバーは不要で
ある。しかし、逆に、回転多面鏡の回転が速い場合や回
転多面鏡の直径が長い場合には、回転多面鏡による風切
り音が大きく、回転多面鏡の周囲をカバーで覆う必要が
ある。
【0006】即ち、実開昭58−162116,特開平
3−17611,及び特開平2−293812などが提
案されている。実開昭58−162116では、光ビー
ムの入出射用の開口部を形成したカバーに、その開口部
近傍に空気を案内して逃がす「空気案内」を形成してい
る。
【0007】また、特開平3−17611では、回転多
面鏡の外周に近接された周壁をカバーに立設し、回転体
の風損を低減させている。さらに、特開平2−2938
12では、カバーの内壁を漏斗状または円錐状に形成
し、回転多面鏡とカバーとのギャップが回転多面鏡の回
転中心から径方向に向かって連続して減少するように
し、風切り音の発生を抑える。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実開昭58
−162116では、この開口部と,ガラスウインド
(光学ウインドと同義)付きの密閉型カバーとを比較し
た場合には、開口部の騒音低減効果が低い。また、特開
平3−17611では、回転体の風損は低減するものの
騒音低減効果は望めない。さらに、特開平2−2938
12では、カバーの形状が複雑となると共に、ガラスウ
インド近傍(開口部のエッジ部付近)で風切り音が発生
し、防音効果が不十分である。
【0009】また、上記密閉型カバーの材料がアルミニ
ウム金属製でかつその厚さが5mm以上とすれば、ほぼ
十分な防音効果を発揮する。しかし、カバーの材料を安
価なプラスチック成形材にする場合には、その効率的な
熱成形サイクルからカバーの厚みは1〜3mmに限ら
れ、回転多面鏡の回転による風切り音が外部に漏れる。
【0010】本発明は上記事実を考慮し、回転体の高速
回転時の風切り音が低減する安価な光偏向器を提供する
ことが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光偏向器
は、側面に複数の反射面を備えた多角柱状の回転多面鏡
と、前記回転多面鏡を覆い光ビームを前記反射面へ導光
する開口部が形成されたカバーと、を備えた光偏向器に
おいて、前記回転多面鏡の回転方向の下流側に位置する
前記開口部の縁部を第1エッジ部とし、回転多面鏡の回
転方向の上流側に位置する前記開口部の縁部を第2エッ
ジ部としたとき、前記カバーの内周壁から突設され、前
記第1エッジと前記回転多面鏡の回転中心を結ぶ線上に
隣合う前記反射面の角部が位置したとき、前記第2エッ
ジより上流側で且つ前記反射面の中央部と回転多面鏡の
回転中心を結ぶ線上付近に位置する突起を有することを
特徴とする。
【0012】請求項1記載の光偏向器では、開口部の第
1エッジ部で発生した風切り音と、突起で発生する風切
り音即ち半周期ずらした位置で発生する風切り音とを発
生させ、その両者が合成されて互いに打ち消し合うこと
で回転多面鏡の高速回転時の風切り音が低減される。従
って、請求項1記載の光偏向器では、突起を設けるのみ
で、回転体の高速回転時の風切り音が低減するので、カ
バーの材料は安価のままでもよく、安価な光偏向器が提
供できる。
【0013】請求項2記載の光偏向器では、請求項1に
記載の発明において、前記突起が、前記第1エッジと前
記回転多面鏡の回転中心を結ぶ線上に前記反射面の角部
が位置したとき、前記第2エッジから数えて1つ目から
3つ目のいづれかの反射面と対向し、この反射面の中央
部と回転多面鏡の回転中心を結ぶ線上付近に位置するこ
とを特徴とする。
【0014】請求項3記載の光偏向器では、請求項1又
は2に記載の発明において、前記突起の厚みが前記回転
多面鏡の厚みより大きく、前記突起の前記カバーの内周
壁に沿った幅が前記反射面の幅以下であることを特徴と
する。
【0015】請求項4記載の光偏向器では、請求項1〜
3のいずれか1項に記載の発明において、前記突起の先
端部と前記回転多面鏡の外接円との隙間が、前記カバー
の内周壁と前記回転多面鏡の外接円との隙間の60%以
下であるか、又は1〜3mm以下であることを特徴とす
る。
【0016】
【発明の実施の形態】図1〜図7に基づき、本発明に係
る一実施形態の光偏向器について説明する。なお、図1
は一実施形態の光偏向器の断面図である。
【0017】図1に示すように、光偏向器は、そのステ
ータ10側のハウジング11にネジ13により固定され
た固定軸12に対しスリーブ26を含むロータ14が回
転駆動されるように装着されている。
【0018】なお、固定軸12,スリーブ26におい
て、従来ではステンレス材や超硬材を使用する場合が多
かったが、最近ではロータ14の回転中における固定軸
12に対する衝突による融着(いわゆる、「かじり」)
を起こさないという硬度上の理由からセラミック製も採
用されている。
【0019】また、固定軸12には、エッチング技術,
精密転造技術,サンドブラスト技術により、その外表面
にヘリンボーン溝16(深さ5μm〜10μm程度)が
形成されている。一方、スリーブ26の内径は、精密ホ
ーニング技術により、固定軸12と同様にサブ・ミクロ
ンの精度で鏡面仕上げされている。
【0020】(ステータの構成)ステータ10における
ハウジング11の中央部に立設された円柱状の固定軸1
2には、その外周面部に動圧軸受を構成するためのヘリ
ンボーン溝(以下、単に「溝」という)16が形成され
ている。なお、溝16は、後述するスリーブ26に形成
しても良く、固定軸12とスリーブ26の双方の表面が
鏡面仕上げであって、共に溝のない安価なタイプも存在
する。また、ハウジング11には固定軸12を中心にし
た円形の凹部27が形成されており、この凹部27にス
リーブ26の下部が挿入される。
【0021】なお、凹部27の上面には、固定軸12と
同心状にカラーシール22が接着剤等で固定されてい
る。ハウジング11の固定軸12を立設した側の平面上
には、ロータ14の回転を制御するための電子部品を実
装した制御回路基板18が固定されている。
【0022】制御回路基板18下のロータ14回りの各
所定位置には、複数個(この実施形態では6個)のステ
ータコイル20が没入されている。また、制御回路基板
18上には、駆動コイルとしてのステータコイル20用
の図示しない制御回路が構成されている。
【0023】また、駆動コイル20と対応する位置(駆
動コイル20の下側)には、モータの効率向上から閉路
を形成するための鉄系金属もしくはフェライトで構成さ
れたリング状のバックヨーク23が、ハウジング11上
に穿設した浅溝11A内に納められてネジもしくは接着
剤などで固着されている。なお、本実施形態のバック・
ヨーク23の材質は、例えば厚さ0.5mmのケイ素鋼
板である。
【0024】さらに、ロータ14には、ロータ側スラス
トマグネット34が、ステータ側スラストマグネット2
5と同芯となり、半径方向のギャップを隔てて対向する
ように配置されている。なお、ステータ側スラストマグ
ネット25及びロータ側スラストマグネット34は、フ
ェライト系プラスチック・マグネットで形成されてい
る。
【0025】そして、ロータ側スラストマグネット34
の外周面部と、ステータ側スラストマグネット25の内
周面部とは、吸引力が働くよう相互に異極即ち図4に示
すように、軸方向の上下面がS/N極またはN/S極に
着磁され、スラスト磁気軸受が構成されている。
【0026】スラスト磁気軸受(ロータ側スラストマグ
ネット34及びステータ側スラストマグネット25)
は、2個のマグネット25、34の働く吸引力がロータ
14のスリーブ26におけるスラスト方向(軸線方向)
の荷重に勝って、ロータ14全体を浮上させるように作
用する。
【0027】このため、ロータ14は、スラスト磁気軸
受によりスラスト方向に支受されるとともに、動圧軸受
によりラジアル方向(放射線方向)に支受されている。
これにより、制御回路基板18の駆動回路によって複数
個のステータコイル20に交番電圧を印加するよう制御
し、ロータ14を宙に浮いた状態で高速回転を可能とす
る。
【0028】〔ロータの構成〕図1に示すように、上述
の如く構成されたステータ10に装着されるロータ14
には、スリーブ26が設けられている。
【0029】円筒状に形成されたスリーブ26は、固定
軸12に隙間を設けて挿通され、スリーブ26が高速回
転されることにより、固定軸12とスリーブ26との間
に周囲の空気を取り込んで圧力を発生させるようにした
動圧軸受であるラジアル軸受を構成するようにされてい
る。
【0030】スリーブ26の外周部所定位置には、リン
グ状のフランジ28が焼き嵌めして固定されている。こ
のフランジ28上面には、ミラー取付面29が形成され
ており、このミラー取付面29上に外周辺上の反射面3
0Aが形成された回転多面鏡(ポリゴンミラー)30が
固定されている。
【0031】このミラー取付面29はスリーブ26の軸
芯に対し、高精度で垂直となるように加工されている。
また、回転多面鏡30は多角形(本実施形態では、図2
Aに示すように、10角形となっている)柱状に形成さ
れ、その反射面30Aが鏡面に加工されている。
【0032】スリーブ26の外周部上端部には、プラス
チックで形成されたバランスリング31が回転多面鏡3
0の上面側に固定されている。なお、スリーブ26に対
するフランジ28,回転多面鏡30などの装着法につい
ては、特開平5−100178号に記載された技術が用
いられている。
【0033】即ち、スリーブ26と回転多面鏡30の隙
間,スリーブ26とバランスリング31の隙間,及び回
転多面鏡30とバランスリング31の接合面に、「微粒
状物と水溶性の溶剤を含む溶液」を注入し、熱乾燥させ
て固定されている。これは、回転多面鏡30の反射面3
0Aの変形を回避するためで、ネジ、接着剤などは一切
使用していない。
【0034】フランジ28のステータ10側のステータ
コイル20に対応する部位には凹部28Aが形成されて
おり、この凹部28Aにロータヨーク33及び回転駆動
用永久磁石であるプラスチックで成形されたメインマグ
ネット32が接着剤等で固定されている。ロータヨーク
33及びメインマグネット32は、全体がリング状で形
成されている。
【0035】また、図3に示すように、メインマグネッ
ト32は、中心角45度づつに8等分した各区分に、相
隣接する区分が異極となるようN極とS極とが着磁され
ている。
【0036】なお、ロータヨーク33は、バックヨーク
23と同様に、メインマグネット32との間で閉路を形
成し、モータの効率を向上させている。尚、本実施形態
のロータ・ヨーク33の材質は、厚さ0.8mmの一般
構造用鋼板である。
【0037】〔カバーの構成〕図1及び図2Aに示すよ
うに、ハウジング11の上面には、平面断面形状が略円
形のカバー48が図示しない複数本(例えば、3本)の
ネジによって固定されている。カバー48には、回転多
面鏡30の半径方向のギャップを隔てて対向するほぼ円
筒状の筒部48Aが形成されている。
【0038】なお、カバー48は、アルミニウム材また
は安価のポリカーボネートやABS(アクリロニトリル
・ブタジエン・スチレンの3成分からなる非結晶性の熱
可塑性樹脂)材などのプラスチック材で成形されてい
る。
【0039】カバー48には、図2Aに示すような光ビ
ームの入出射用の開口部49が形成されている。即ち、
開口部49は、筒部48Aの一部を切欠くことにより形
成され、カバー48の一側面の約半分の幅に亘って形成
されている。開口部49には、その回転多面鏡30の回
転方向(図2Aに示す矢印CCW方向参照)側のエッジ
部49Aと,このエッジ部49Aの反対側のエッジ部4
9Bがそれぞれ形成されている。
【0040】なお、本実施形態における回転多面鏡30
の回転による「風切り音」の発生は、回転多面鏡30の
稜線(一対の反射面30A同士が交わる角状の頂部)L
2(図2A参照)とエッジ部49A(または、49B)
との間で発生する空気の「笛吹き現象」によるものであ
る。特に、回転多面鏡30の回転方向側のエッジ部49
Aに対して上記「笛吹き現象」が起こりやすい。
【0041】また、図2Aに示すように、エッジ部49
Bの平面断面形状は、略へ字状となっており、光ビーム
が入射できるようになっている。
【0042】また、カバー48には光ビームの入出射用
の窓としての光学ウインド50が開口部49を臨んむよ
うに配置されており、この光学ウインド50は光透過効
率を求めてその表面に反射防止薄膜がコーティングされ
ている。
【0043】ところで、表1に示す諸元(各種規格値)
の光偏向器において、カバー48の材料がアルミニウム
金属製でかつその厚さが5mmの場合の両者の騒音を周
波数分析した結果を、表2及び図8に示す。また、同様
に、表1に示す諸元の光偏向器において、カバー48の
材料がプラスチック成形材でかつその厚みが2mmの場
合の両者の騒音を周波数分析した結果を、表3及び図9
に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】ここで、2000Hz〜5000Hzの周
波数は、人間の聴官を著しく刺激し、「耳障り音」と呼
ばれているが、光偏向器のロータ14の回転を停止させ
ても耳に残る不愉快な音域である。
【0048】表2及び表3に示す「騒音」は、騒音のオ
ーバ・オール値と呼ばれ、その規格値が例えば60dB
A以下である値であっても、耳障り音が大きいと聴官的
には許容できない。
【0049】カバー48内には、回転多面鏡30の回転
方向の下流(矢印CCW方向)側に位置する開口部49
の縁部を第1エッジ部49Aとし、回転多面鏡30の回
転方向の上流(矢印CCW方向と反対方向)側に位置す
る開口部49の縁部を第2エッジ部49Bとしたとき、
カバー48の内周壁から突設され、第1エッジ49Aと
回転多面鏡30の回転中心Pを結ぶ線L1上に隣合う反
射面30Aの角部が位置したとき、第2エッジ49Bよ
り上流側で且つ反射面30Aの中央部と回転多面鏡30
の回転中心Pを結ぶ線L4上付近の位置にスポンジ材の
突起52が接着剤等で貼付されている。
【0050】即ち、突起52の貼付位置は、カバー48
に設けられた開口部49の回転多面鏡30の回転方向
(矢印CCW方向)側のエッジ部49Aと軸心Pを結ぶ
線L1上に回転多面鏡30の任意の頂点(稜線L2と同
義)がほぼ一致したときに、開口部49のエッジ部49
Aの反対側のエッジ部49Bで、かつ、回転多面鏡30
の稜線L2間の中央点N2と軸心Pを結ぶ直線L3上付
近に半径方向のギャップを隔てて対向するように配置さ
れている。
【0051】また、図2Bに示すように、突起52の軸
心P方向の長さW2は回転多面鏡30の厚さW3以上で
あり、かつ、図2Aに示すように、突起52のロータ1
4の回転方向(周方向)の長さW4は回転多面鏡30の
一つの反射面30Aの長さW5以下である。
【0052】なお、図2A中の中央点N1、中央点N
2、中央点N3、中央点N4・・・は、突起52が、第
1エッジ49Aと回転多面鏡30の回転中心Pを結ぶ線
L1上に隣合う反射面30Aの角部が位置したとき、第
2エッジ49Bから数えた反射面30Aの中央点であ
る。また、突起52は、突起52の先端部と回転多面鏡
30の外接円とのギャップW1を2mmに設定する。
【0053】ここで、ギャップW1を2mmとしたの
は、図6Aに示す実験結果より、1mm以上近接させる
と、逆に騒音、定常電流値の値が上がるからである。従
って、本発明におけるギャップW1は、カバー48の筒
部48A内径と回転多面鏡30の外接円とのギャップの
60%以下、もしくは、1〜3mmとする。
【0054】なお、図7に示すように、回転多面鏡30
の頂点L2間の中央点Nが、回転多面鏡30の頂点L2
へ回転するのに要する時間は、本実施形態の場合、0.
00022秒(sec)である。従って、風切り音の1
サイクルは0.00044秒(2,550Hz)とな
る。
【0055】図2Aに示す位置に突起52を貼付した場
合の結果を、表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】この結果より、2,250Hzの周波数分
析値は大幅に低下し、表3に示す結果より約1/4に減
少した。また、騒音のオーバ・オール値も55dBAか
ら51dBAに低下し、聴官的にも十分に満足する結果
か得られた。
【0058】また、重要な技術要因として、光偏向器自
体の発熱を抑制する必要がある。このために、定常電流
値は現状の「0.39A」(表3参照)を維持すること
が望ましい。本実施形態の場合、表4の実験結果より、
定常電流値は少々増加したものの誤差範囲内である。
【0059】周波数分析値が大幅に低下した理由は、図
1に示すエッジ部49Aで発生した風切り音(図6Bの
2点鎖線参照)と、突起52で半周期ずらした位置で発
生する風切り音(図6Bの破線参照)とを発生させ、そ
の両者が合成(図6Bの実線参照)されて互いに打ち消
し合うことで回転多面鏡30の高速回転時の風切り音が
低減される。
【0060】なお、他の実施形態としては、上記条件に
おいて、図2Aに示す2番目としての中央点N3又は3
番目としての中央点N4と軸心Pを結ぶ直線L3上付近
に突起54,56を配置させてもよい。即ち、中央点N
2の位置に突起52を設置しようとしても物理的に設置
スペースがない場合には、中央点N3又は中央点N4を
選択することになる。
【0061】この場合、中央点N3又は中央点N4で発
生する風切り音がカバ−30の開口部49付近では、回
転多面鏡30の回転方向側のエッジ部で発生する風切り
音と合成した場合、突起52で発生する風切り音(図6
Bで示す破線)の「山」の高さが低くなり合成波形の
「山」の高さ(図6Bで示す実線)も中央点N2の時と
比較すれば高くなってしまう。表5は中央点N3に突起
54を配置させた場合の実験結果である。
【0062】
【表5】
【0063】なお、図10は、図2Aに示す突起52を
設けない場合の例である。この場合の実験結果は表3と
同様である。表3において、騒音の規格値は60dBA
であり数値上は問題はないが、耳障り音である2,25
0Hz成分が大きく、聴官的には許容できない。
【0064】次に、図11に示すように、カバー48の
筒部49内周面全周に亘ってスポンジ52を貼付し、回
転多面鏡30の外接円とのギャップを2mmに設定した
場合の例である。この場合の実験結果を表6に示す。表
6に示すように、騒音、定常電流値の値は、他の表の値
よりも大きくなり悪化した。
【0065】さらに、図12に示すように、回転多面鏡
30の外接円のギャップを2mmに設定しかつ開口部4
9の反対側の半周分のみにスポンジ60を貼付した場合
の例である。この場合の実験結果を表7に示す。表7に
示すように、表3の実験結果に比べて騒音、定常電流値
の値は大きい。
【0066】以上の実験によって、回転多面鏡30の周
辺のカバー内周面にスポンジ58,60を貼付すると騒
音のオーバ・オール値、2,250Hzの風切り音、定
常電流値のそれぞれが変化することが判明した。
【0067】また、表6及び表7の実験結果よりスポン
ジ58,60の周方向の長さは、なるべく短くする必要
がある。さらに、図13に示すように、カバー48のエ
ッジ部49Aと回転多面鏡30の外接円との間にギャッ
プ(2mm)をもってスポンジ材の突起62を、貼付し
た実験結果を表8に示す。表8に示すように、定常電流
値は表4に示す値よりも若干減少するが、騒音及び風切
り音は大幅に増加する。即ち、「風切り音」の発生は、
エッジ部49A付近で起こることが裏付けられる。
【0068】
【表6】
【0069】
【表7】
【0070】
【表8】
【0071】上述のように構成された光偏向器は、例え
ば図5に示すような光学走査装置に組み付けられて使用
される。なお、図5では、カバー48の図示を省略して
いる。
【0072】この光学走査装置は、光学箱38に光偏向
器を取り付け、光学箱38により密閉された空間内に回
転多面鏡30を臨ませるように構成されている。そし
て、半導体レーザあるいはガスレーザなどの光源から出
射した光ビームは、図示しない変調手段によって画像信
号などで変調される。
【0073】この変調後、光ビームは、コリメータレン
ズを透過し、駆動モータで回転される回転多面鏡30に
入射し、この回転多面鏡30によって走査(スキャニン
グ)された光ビーム40が結像レンズ42を透過し、防
塵ガラス44を透過し、読取部材又は記録部材などの被
走査部材46に適切な像を結ぶように構成され、一般に
用いられているゼログラフィー技術による静電潜像を作
り、又はフィルムを感光する。
【0074】以下、本実施形態の作用について説明す
る。図1に示すように、ロータ14は、スラスト磁気軸
受(ステータ側スラストマグネット25及びロータ側ス
ラストマグネット34)によってロータ14のスリーブ
26におけるスラスト方向の自重に勝って、ロータ14
全体を浮上させるように作用する。
【0075】このため、ロータ14は、スラスト磁気軸
受によりスラスト方向に支受されるとともに、動圧軸受
によりラジアル方向に支受されている。これにより、制
御回路基板18の駆動回路によってステータコイル20
に交番電圧を印加するよう制御し、ロータ14が宙に浮
いた状態で高速回転される。
【0076】本実施形態においては、ロータ14が高速
回転しても、図1に示すエッジ部49Aで発生した風切
り音(図6Bの2点鎖線参照)と、突起52で半周期ず
らした位置で発生する風切り音(図6Bの破線参照)と
を発生させ、その両者が合成(図6Bの実線参照)され
て互いに打ち消し合うことで回転多面鏡30の高速回転
時の風切り音が低減される。従って、本実施形態によれ
ば、突起52を設けるのみで、回転多面鏡30の高速回
転時の風切り音が低減するので、カバー48の材料は例
えばプラスチック成形材等の安価の材料のままでもよ
く、そのため安価な光偏向器が提供できる。
【0077】なお、図14に、カバーの他の実施形態を
示す。図14に示すように、他の実施形態としては、ハ
ウジング11の上面を円筒状に延長してカバー部(本発
明に係るカバーと同義)11Bを形成し、このカバー部
11Bの上端に円盤状で平板のカバー64を上蓋として
ネジ止めする。他の構成及び作用効果は、図1に示す実
施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0078】
【発明の効果】本発明は上記構成としたので、回転体の
高速回転時の風切り音が低減する安価な光偏向器を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の光偏向器の断面図で
ある。
【図2】図2Aは図1に示すカバーの天板部分を水平方
向に破断した断面図、図2Bは突起と回転多面鏡との距
離間隔を示した説明図である。
【図3】図1に示すメインマグネットの着磁パターンを
示す底面図(下面から上方へ向かって見た図)である。
【図4】図1に示すスラスト磁気軸受を示す断面図であ
る。
【図5】本発明に係る一実施形態の光学走査装置を示す
その概略断面図である。
【図6】図6Aは本発明に係る一実施形態の分析値を示
す図、図6Bは本発明に係る波形図である。
【図7】本発明に係る一実施形態の回転多面鏡の回転速
度を説明するための説明図である。
【図8】5mm厚のアルミ材で構成されたカバーを装着
した光偏向器において、その騒音に関する周波数分析値
を示す図である。
【図9】2mmの厚のプラスチック材で構成されたカバ
ーを装着した光偏向器において、その騒音に関する周波
数分析値を示す図である。
【図10】カバーの筒部に突起を設けない場合のカバー
の天板部分を水平方向へ破断した断面図である。
【図11】図10に示す筒部の全周に亘ってスポンジを
貼付した光偏向器の断面図である。
【図12】図10に示す筒部の半周に亘ってスポンジを
貼付した光偏向器の断面図である。
【図13】回転多面鏡の回転方向側に突起を貼付した光
偏向器の断面図である。
【図14】本発明に係る他の実施形態の光偏向器の断面
図である。
【符号の説明】
10 ステータ 11 ハウジング 11B カバー部(カバー) 14 ロータ 26 スリーブ 30 回転多面鏡 30A 回転多面鏡の反射面 48 カバー 48A カバーの筒部 49 開口部 49A 第1エッジ部 49B 第2エッジ部 52 突起 L1 エッジ部と回転多面鏡の軸心とを結ぶ線 L2 回転多面鏡の稜線 L3 直線 L4 反射面の中央部と回転多面鏡の回転中心を結ぶ
線 N 回転多面鏡の稜線間の中央点 N2 エッジ部の反対側の最も近い中央点 N3 エッジ部の反対側の2番目の中央点 N4 エッジ部の反対側の3番目の中央点 W1 突起と回転多面鏡の外接円とのギャップ W2 突起の軸方向の長さ W3 回転多面鏡の厚さ W4 突起の周方向の長さ W5 反射面の周方向の長さ P 回転多面鏡の軸心 CCW 回転多面鏡の回転方向

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側面に複数の反射面を備えた多角柱状の
    回転多面鏡と、前記回転多面鏡を覆い光ビームを前記反
    射面へ導光する開口部が形成されたカバーと、を備えた
    光偏向器において、 前記回転多面鏡の回転方向の下流側に位置する前記開口
    部の縁部を第1エッジ部とし、回転多面鏡の回転方向の
    上流側に位置する前記開口部の縁部を第2エッジ部とし
    たとき、 前記カバーの内周壁から突設され、前記第1エッジと前
    記回転多面鏡の回転中心を結ぶ線上に隣合う前記反射面
    の角部が位置したとき、前記第2エッジより上流側で且
    つ前記反射面の中央部と回転多面鏡の回転中心を結ぶ線
    上付近に位置する突起を有することを特徴とする光偏向
    器。
  2. 【請求項2】 前記突起が、前記第1エッジと前記回転
    多面鏡の回転中心を結ぶ線上に前記反射面の角部が位置
    したとき、前記第2エッジから数えて1つ目から3つ目
    のいづれかの反射面と対向し、この反射面の中央部と回
    転多面鏡の回転中心を結ぶ線上付近に位置することを特
    徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 【請求項3】 前記突起の厚みが前記回転多面鏡の厚み
    より大きく、前記突起の前記カバーの内周壁に沿った幅
    が前記反射面の幅以下であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の光偏向器。
  4. 【請求項4】 前記突起の先端部と前記回転多面鏡の外
    接円との隙間が、前記カバーの内周壁と前記回転多面鏡
    の外接円との隙間の60%以下であるか、又は1〜3m
    m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の光偏向器。
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