JP3488767B2 - モノクローナル抗体、これを産生する融合細胞、並びに、これを利用した蛋白質リン酸化酵素活性の免疫学的測定方法及び測定キット - Google Patents

モノクローナル抗体、これを産生する融合細胞、並びに、これを利用した蛋白質リン酸化酵素活性の免疫学的測定方法及び測定キット

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JP3488767B2
JP3488767B2 JP22417995A JP22417995A JP3488767B2 JP 3488767 B2 JP3488767 B2 JP 3488767B2 JP 22417995 A JP22417995 A JP 22417995A JP 22417995 A JP22417995 A JP 22417995A JP 3488767 B2 JP3488767 B2 JP 3488767B2
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竹男 矢野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸化PSペプ
チドと特異的に結合するモノクローナル抗体、これを産
生する融合細胞、並びに、これを利用した蛋白質リン酸
化酵素活性の免疫学的測定方法及び測定キットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】高等生物は多様に分化した細胞の集まり
であり、細胞はそれぞれ周囲の状況を認識しながら自ら
の行動を律している。それは、他の細胞が分泌する物質
や他の細胞の表面に表現される物質がそれぞれに特異的
な受容体に結合し、その情報が細胞内に伝えられること
によって行われていると考えられる。
【0003】増殖因子の刺激によって細胞が増殖を始め
る場合には、細胞外からの情報が細胞膜を通って細胞内
へ伝達され、さらにそれが細胞質から核に伝えられるこ
とによって新たな蛋白質の合成が始まる。このように細
胞外の情報が細胞核に伝えられる過程を細胞内情報伝達
と呼び、細胞内情報伝達には蛋白質のリン酸化と脱リン
酸化が大きな役割を担っていることが知られている。
【0004】プロテインキナーゼC(PKC)、サイク
リックAMP依存性プロテイン(PKA)も、このよう
な細胞内情報伝達を担う蛋白質リン酸化酵素であり、細
胞内情報伝達の研究に欠くことのできないものとなって
いる。即ち、細胞内の情報伝達は蛋白質のリン酸化のカ
スケードによって行われているため、細胞内における蛋
白質のリン酸化を測定することは細胞内の情報伝達機構
の解明に不可欠なのである。一方、癌や一部の糖尿病等
の疾患は細胞内における情報伝達機構の異常として捉え
られることから、具体的にはこれらの疾患の原因解明の
手段としてPKA、PKCの酵素活性の測定が行われ
る。
【0005】従来、PKA、PKCの酵素活性測定は、
ヒストンH2BあるいはヒストンIIISを用い、[γ-
32P]ATPをトレーサーとして使う方法が知られていた
(バイオケミストリー(Biochemistry)第23巻, P503
6-5041, 1984、 Proc. Natl.Acad. Sci. USA, Vol.80,
P36-40, 1983)。また、PKC活性測定試薬としては
「PKCアッセイシステム」がアメルシャム社より販売
されていた。しかし、この方法ではRIA施設を使うた
め一般の施設で測定することはできなかった。
【0006】一方、放射性物質を用いない方法として、
本発明者らは既に抗リン酸化ペプチド抗体YC−10を
用いたELISA法による測定を報告し(B. B. R. C.,
Vol.175, P1144-1151, 1991)、株式会社医学生物学研
究所においてこの測定キットの製品化がなされ、既に販
売されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記試
薬は放射性物質を用いず一度に大量の検体を処理できる
ものの実際の細胞を検体として細胞内のリン酸化酵素の
活性を測定するには感度として不十分なものであった。
このため、上記試薬は、精製した分画についてリン酸化
酵素活性を測定することは可能であったが、生きた細胞
そのものを使って測定することは実質的に不可能であっ
た。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、リン酸化ペプチドに対する新たなモノクローナル
抗体を提供するとともに、このモノクローナル抗体を産
生する細胞、該モノクローナル抗体を用いてPKA、P
KCの酵素活性を感度よく測定する免疫学的測定キット
及び測定方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1であるモノクローナル抗体は、請求項
1に記載したように、リン酸化PSペプチド(配列番号
1で表されるPSペプチドのアミノ酸番号7のセリンが
リン酸化されたもの)と特異的に結合することを特徴と
する。
【0010】本発明の第2である融合細胞は、請求項2
に記載したように、請求項1のモノクローナル抗体を産
生することを特徴とする。かかる融合細胞としては、請
求項3に記載したように、リン酸化PSペプチドを免疫
感作させた哺乳動物から取得される抗体産生細胞と哺乳
動物骨髄腫系細胞との融合により得られるものが好まし
い。また、請求項4に記載したように、融合細胞クロー
ン2B9(受託番号FERM P−15133)又は融
合細胞クローン2G3(受託番号FERM P−151
34)であることが好ましい。
【0011】本発明の第3である蛋白質リン酸化酵素活
性の免疫学的測定方法は、請求項5に記載したように、
下記a)〜c)及びd)〜f)の工程を含むことを特徴
とする。即ち、 a)配列番号1で表されるPSペプチドを不溶性支持体
に結合せしめてなる固相化PSペプチドに標準物質とし
てのPKA又はPKCを反応せしめた後、 b)請求項1記載のモノクローナル抗体を標識物質によ
り標識化した標識モノクローナル抗体を反応させ、 c)この反応生成物の標識量を測定することにより検量
線を作成する工程、及び d)前記固相化PSペプチドに検体を反応せしめた後、 e)請求項1記載のモノクローナル抗体を標識物質によ
り標識化した標識モノクローナル抗体を反応させ、 f)この反応生成物の標識量を測定し、前記検量線から
検体中に含まれるPKA又はPKCの酵素活性を測定す
る工程。
【0012】ここで、請求項6に記載したように、標識
モノクローナル抗体は、請求項2〜4のいずれかに記載
の融合細胞により産生されるモノクローナル抗体を標識
物質により標識化したものが好ましい。また、請求項7
に記載したように、標識物質は、ビオチン、ペルオキシ
ダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスフ
ァターゼ及びマイクロペルオキシダーゼからなる群から
選ばれたものが好ましい。
【0013】本発明の第4である蛋白質リン酸化酵素活
性の免疫学的測定キットは、請求項8に記載したよう
に、配列番号1で表されるPSペプチドを不溶性支持体
に結合せしめてなる固相化PSペプチドと、請求項1記
載のモノクローナル抗体を標識物質により標識化した標
識モノクローナル抗体とを備えたことを特徴とする。こ
こで、請求項9に記載したように、標識モノクローナル
抗体は、請求項2〜4のいずれかに記載の融合細胞によ
り産生されるモノクローナル抗体を標識物質により標識
化されたものが好ましい。また、請求項10に記載した
ように、標識物質は、ビオチン、ペルオキシダーゼ、β
−D−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ及
びマイクロペルオキシダーゼからなる群から選ばれたも
のが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
[本発明の第1であるモノクローナル抗体及び本発明の
第2である融合細胞]蛋白質リン酸化酵素の酵素活性
は、一般に、蛋白質リン酸化酵素によってリン酸化され
た蛋白質を検出することによって測定することができ
る。本発明者らは、当初、グリア細胞に存在する中間系
フィラメントであるグリアフィラメントの構成蛋白質で
あるグリア繊維酸性蛋白質(GFAP)がPKA、PK
Cのよい基質蛋白質であることから、これら蛋白質のリ
ン酸化部位を含むペプチド(G1ペプチド)を合成し、
リン酸化G1ペプチドに対するモノクローナル抗体であ
るYC−10を用いて蛋白質リン酸化酵素の活性を測定
する方法を発明した。しかし、今回PKCのアイソタイ
プに広く認められる偽基質配列(配列番号2)のアミノ
酸番号7のアラニンをセリンに置換したペプチド(PS
ペプチド、配列番号1)がPKCの非常によい基質であ
ることが報告された(サイエンス(SCIENCE)第238巻P172
6-(1990))ことから、リン酸化PSペプチドに対するモ
ノクローナル抗体を作製することにより新たな測定系の
発明に至った。
【0015】このモノクローナル抗体の作製について以
下に説明する。 A.抗原 抗原としてはリン酸化PSペプチド(配列番号1で表さ
れるPSペプチドのアミノ酸番号7のセリンがリン酸化
されたもの)を合成し、免疫原として使用した。当該ペ
プチドは比較的低分子であり、このものをそのまま免疫
しても抗体ができにくいため、通常、KLH(スカシガ
イヘモシアニン)やアルブミンのようなキャリアー蛋白
質と結合させることにより免疫原として使用する。 B.上記抗原による免疫 免疫動物としては哺乳動物であるマウスのほかラット、
ハムスターなども用いることができる。通常マウスが最
も汎用され、BALB/cマウス、その他の系(str
ain)のマウスを用いることができる。この際、免疫
計画及び抗原の濃度は十分な量の抗原刺激を受けたリン
パ球が形成されるよう選ばれるべきである。例えばマウ
ス1匹に25μgの抗原を2週間間隔で腹腔に3回免疫
後、さらに25μgを静脈に投与する。最終免疫の数日
後に融合のための脾臓細胞を取り出す。 C.細胞融合 上記のごとく免疫した哺乳動物の個体から脾臓を無菌的
に取り出し、そこから単細胞懸濁液を調製する。この脾
臓細胞(抗体産生細胞)を適当な骨髄腫細胞と適当な融
合促進剤の使用により細胞融合させる。骨髄腫細胞とし
ては免疫動物と同種の哺乳動物に由来するものが望まし
いが、ラット、ハムスター等の脾臓細胞とマウスの骨髄
腫細胞を融合させることもできる。脾臓細胞と骨髄腫細
胞の好ましい比率は約20:1〜約2:1の範囲であ
る。約108個の脾細胞について0.5〜1.5mlの
融合媒体の使用が適当である。好ましい融合促進剤とし
ては、例えば平均分子量1000〜4000のポリエチ
レングリコールを有利に使用できるが、この分野で知ら
れている他の融合促進剤(例えばセンダイウイルス(別
名HVJ))を用いることもできる。また、これら融合
促進剤を用いた方法以外に電気ショックを用いる方法に
より細胞融合を行ってもよい。 D.目的とするモノクローナル抗体を産生する融合細胞
の選択 別の容器(例えばマイクロタイタープレート)で未融合
の脾細胞、未融合の骨髄腫細胞及び融合した融合細胞の
混合物を未融合の骨髄腫細胞を支持しない選択培地で希
釈し、未融合の細胞を死滅させるのに十分な時間(約1
時間)培養する。倍地は薬物抵抗性(例えば8−アザグ
アニン抵抗性)で未融合の骨髄腫細胞を支持しないもの
(例えばHAT培地)が使用される。この選択培地中で
は未融合の骨髄腫細胞は死滅する。この未融合の脾細胞
は非腫瘍性細胞なので、ある一定期間(1週間後)死滅
する。これに対して融合した細胞は、骨髄腫の親細胞の
腫瘍性と親脾細胞の性質を合わせ持つため、選択培地中
で生存できる。
【0016】かくして、融合細胞が検出された後、前記
のPSペプチドに対する抗体について酵素免疫測定法(E
nzyme Linked Immunosorbent Assay)によりスクリーニ
ングを行い、リン酸化PSペプチドと特異的に結合する
モノクローナル抗体を産生する融合細胞だけを選択す
る。このような融合細胞として、例えば融合細胞クロー
ン2B9(受託番号FERM P−15133)又は融
合細胞クローン2G3(受託番号FERM P−151
34)が挙げられる。 F.目的とするモノクローナル抗体の取得 目的とするモノクローナル抗体を産生する融合細胞を適
当な方法(例えば限界希釈法)でクローン化した後、抗
体は2つの異なった方法で産生することができる。その
第1の方法によれば、融合細胞を一定期間、適当な培地
で培養することにより、その培養上清からその融合細胞
の産生するモノクローナル抗体を得ることができる。第
2の方法によれば、融合細胞は同質遺伝子、または半同
質遺伝子を持つ免疫動物の腹腔に注射することができ
る。一定時間後の宿主動物の血液中および腹水中より、
その融合細胞の産生するモノクローナル抗体を得ること
ができる。 [本発明の第3である免疫学的測定方法] A.固相化PSペプチド 蛋白質リン酸化酵素の活性は、当該酵素によってリン酸
化された蛋白質の量を測定することによって行われる。
リン酸化基質としては各種の蛋白質、ペプチドが考えら
れるが、PKCに広く見いだされる偽基質配列(配列番
号2)のアミノ酸番号7のアラニンをセリンに置換した
PSペプチド(配列番号1)がPKCに対するKm値
(ミカエリス常数)が最も小さいことから、これを基質
として選択し、リン酸化PSペプチドに対するモノクロ
ーナル抗体との組み合わせで測定した場合に高い感度を
得ることができる。PSペプチドの不溶性支持体への結
合はPSペプチドの溶液と不溶性支持体を接触させるこ
とにより不溶性支持体の表面にPSペプチドを吸着させ
て行うほか、共有結合等の化学的な方法によっても結合
させることができる。
【0017】不溶性担体としては、例えばポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リアクリルニトリル、フッ素樹脂、架橋デキストラン、
ポリサッカライドなどの高分子、その他紙、ガラス、金
属、アガロースおよびこれらの組み合わせなどを例示す
ることができる。また、不溶性担体の形状としては、ト
レイ状、球状、棒状、繊維状、盤状、容器状、セル、試
験管など種々の形状であることができる。 B.標識モノクローナル抗体 リン酸化PSペプチドに対するモノクローナル抗体は、
リン酸化PSペプチドを免疫感作させた哺乳動物から取
得される抗体産生細胞と哺乳動物骨髄腫系細胞との融合
により得られる融合細胞から産生することができる。例
えば、融合細胞クローン2B9(受託番号FERM P
−15133)または融合細胞クローン2G3(受託番
号FERM P−15134)から産生されるモノクロ
ーナル抗体を用いることができるが、クローン2B9よ
り産生されるモノクローナル抗体を用いた場合、より高
い感度を得ることができる。抗体は、完全抗体であって
もよく、FabまたはF(ab)’2等のフラグメント
であってもよい。
【0018】標識物質としては、通常の免疫学的測定方
法に使用し得るものであれば特に限定されるものではな
いが、酵素、アビジン、蛍光物質、発光物質及び放射性
物質等を使用するのが好ましい。酵素としてはペルオキ
シダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリフォス
ファターゼ、マイクロペルオキシダーゼ、蛍光物質とし
てはフルオレッセインイソチオシアネート、フィコビリ
プロテイン、フィコエリスリン等、発光物質としてはイ
ソルシノール、ルシゲニン等、そして放射性物質として
125I、131I、14C、3H等を用いることができる。
標識物質としてビオチンを用いた場合にはさらに酵素標
識アビジンを用いることにより高い感度を得ることがで
きるので、より好ましい。この場合の標識酵素としては
抗体に標識した場合の酵素と同様の酵素を用いることが
できるが、ペルオキシダーゼは特に好ましい。
【0019】酵素を標識物質として用いた場合にはその
活性を測定するために基質、必要により発色剤が用いら
れる。酵素としてペルオキシダーゼを用いる場合には、
基質としてH22を用い、発色剤として2,2’−アジ
ノ−ジ−[3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸]ア
ンモニウム塩(ABTS)、5−アミノサリチル酸、o
−フェニレンジアミン(OPD)、4−アミノアンチピ
リン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン
等、酵素にアルカリフォスファターゼを用いる場合は基
質としてo−ニトロフェニルフォスフェート等、酵素に
β−D−ガラクトシダーゼを用いる場合は基質としてフ
ルオロセイン−ジ−(β−D−ガラクトピラノシド)、
4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノ
シド等を用いることができる。 C.検量線の作成 固相化PSペプチドに標準物質としてのPKA又はPK
Cを反応せしめる。このときに用いる標準物質の量に応
じてPSペプチドはリン酸化され、リン酸化PSペプチ
ドとなる。次に、生成したリン酸化PSペプチドに、標
識モノクローナル抗体を反応させる。すると、リン酸化
PSペプチドに標識モノクローナル抗体が特異的に結合
する。その後、リン酸化PSペプチドに結合した標識モ
ノクローナル抗体の標識量を測定する。これにより、標
準物質(PKA又はPKC)の量に対する標識量の関
係、即ち検量線が得られる。
【0020】この免疫学的測定方法において用いられる
反応用媒体としては、例えばリン酸緩衝液、トリス塩酸
緩衝液、酢酸緩衝液などを含んだpH6.0〜8.0の
範囲のものが示されるが、PKA活性を測定する場合に
はcAMP、PKC活性を測定する場合にはカルシウム
イオンを含んでいることが好ましい。 D.検体のリン酸化酵素活性の測定 固相化PSペプチドに検体を反応せしめる。このときに
用いる検体中に含まれるリン酸化酵素の量に応じてPS
ペプチドはリン酸化され、リン酸化PSペプチドとな
る。次に、生成したリン酸化PSペプチドに、標識モノ
クローナル抗体を反応させる。すると、リン酸化PSペ
プチドに標識モノクローナル抗体が特異的に結合する。
そして、リン酸化PSペプチドに結合した標識モノクロ
ーナル抗体の標識量を測定する。この測定値を検量線に
照らすことにより、検体中のリン酸化酵素活性が測定さ
れる。尚、反応用媒体については、上記C.で述べた通
りである。 [本発明の第4である免疫学的測定キット]免疫学的測
定キットは、少なくとも、(1)不溶性担体に結合され
たPSペプチド、(2)リン酸化PSペプチドに特異的
に結合するモノクローナル抗体を標識物質で標識化した
標識モノクローナル抗体を含み、その他に、反応用媒体
を含んでいてもよいし、あるいは、標準物質(PKA又
はPKC)を含んでいてもよい。尚、標識モノクローナ
ル抗体の標識物質が酵素の場合には、通常、酵素の活性
を測定するための基質及び反応停止液を含む。また、不
溶性担体、標識物質については上述したので詳細は省略
する。
【0021】この免疫学的測定キットによれば、まずP
Sペプチドと検体とを反応させ、次いでその反応生成物
と標識モノクローナル抗体とを反応させ、その後、標識
物質の量を測定することにより、リン酸化酵素活性を測
定することができる。検量線によりリン酸化酵素活性を
定量的に測定する本発明の第3の免疫学的測定方法の
他、例えばリン酸化酵素活性を定性的に測定する場合に
もこのキットを用いることができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例を説明する。
尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定さ
れるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種
々の形態を採り得ることはいうまでもない。 [実施例1] 免疫原の作製 リン酸化PSペプチド(配列番号1のPSペプチドのア
ミノ酸番号7のセリンがリン酸化されたもの)は通常の
ペプチド合成機(例えば、(株)パーキンエルマージャパ
ン製のA431)を用い、予めリン酸化したセリンを使
用して合成することにより得た。その他に、ペプチド合
成機を用いて合成したPSペプチドをPKC又はPKA
を用いてセリンをリン酸化することによっても得ること
ができる。
【0023】このリン酸化PSペプチドをMBS法によ
ってKLHに結合させ免疫原とした。即ち、4mgのK
LHを0.25mlの10mMリン酸バッファー(pH
7.2)に溶解し、この溶液に、20μlのジメチルフ
ォルムアミド(DMF)に溶解した0.7mgの3−マ
レイミドベンゾイックアシド−N−ヒドロキシサクシニ
ミドエステル(MBS)を加え、室温で30分間反応さ
せた。反応後、セファデックスG25を充填したカラム
(1.5×10cm)を用いてゲルろ過を行い、KLH
−MB複合体と遊離のKLHを分離し、KLH−MB複
合体を集めた。そして、リン酸化PSペプチド5mgを
1mlの0.1Mホウ酸バッファー(pH9.0)に溶
解し、この液とKLH−MB複合体溶液を混合し、pH
を7.0〜7.5に調整して室温で3時間放置して反応
させた。反応後、PBSに十分透析した後、PBSで
0.5mg/mlの濃度に調整し、100μlづつ分注
して−20℃に凍結して保存した。 [実施例2] マウスの免疫 実施例1で凍結保存した合成ペプチド結合KLH溶液1
00μlと完全フロインドアジュバント100μlとを
よく混合して懸濁液を作製し、この懸濁液を2匹のマウ
ス(雌、BALB/c)の腹腔に1匹あたり抗原として
25μgずつ投与した。さらに1週間おきに同量の抗原
を5回投与し、その3日後に脾臓を取り出し実施例3に
示すように細胞融合を行った。 [実施例3] 細胞融合及び目的とするモノクローナル
抗体を産生する融合細胞の選択と取得 摘出したマウスの脾臓細胞と、同系マウスの骨髄腫細胞
(SP−2/0−Ag−14)とを約10:1の割合で
混合し、50%ポリエチレングリコール4000を融合
促進剤として細胞融合を行った。融合後の細胞は1×1
6cells/mlの細胞濃度となるように10%牛
血清を含むHAT培地に懸濁し、96ウエルのマイクロ
タイタープレート(ヌンク社製マキシソープ、以下同
じ)に1ウエルあたり100μlずつ分注した。
【0024】融合細胞は、CO2インキュベータ(5%
CO2,37℃)中で培養し、ヒポキサンチン、アミノ
プテリン、チミジンを含む培地(HAT培地)で培地交
換を行い、HAT培地中で増殖させて、脾臓細胞と骨髄
腫細胞からなる融合細胞のスクリーニングを行った。次
いでHT培地中で馴化し、さらに10%FCS−RPM
I1640培地で馴化した。
【0025】融合細胞培養上清中の抗体は、リン酸化P
Sペプチドを固相化したマイクロタイタープレートを用
いてELISA法により検出した。陽性となったウエル
に対しては、限界希釈法によるクローニングを2回繰り
返し、リン酸化PSペプチドに対する反応性を有するク
ローンを2種類選出し、それぞれ融合細胞クローン2B
9及び2G3(受託番号FERM P−15133、F
ERM P−15134)と名付けた。得られたクロー
ン2B9及び2G3は、それぞれ10%DMSOを含む
90%牛血清中に懸濁させ、液体窒素中に保存した。各
クローンの産生するモノクローナル抗体は、クローンを
BALB/cマウスの腹腔内で増殖させ、その腹水中か
らプロテイン−Aセファロース4Bカラムを用いてそれ
ぞれを精製した。 [実施例4] モノクローナル抗体の特異性の確認 (4−1)ELISA法によるリン酸化PSペプチドに
対する反応性の確認 実施例3で得られた融合細胞クローン2G3、2B9か
ら産生された2種類のモノクローナル抗体について、E
LISA法によりリン酸化PSペプチドに対する反応の
特異性を確認した。
【0026】固相には、リン酸化PSペプチドを固相化
したマイクロタイタープレート、非リン酸化PSペプチ
ドを固相化したマイクロタイタープレート、及びコント
ロールペプチド(配列番号3で表されるMIPP4ペプ
チドのアミノ酸番号10のセリンをリン酸化することに
より得たリン酸化MIPP4ペプチド)を固相化したマ
イクロタイタープレートを用いた(これらの作製法につ
いては実施例5の固相化PSペプチドの作製法を参
照)。
【0027】検体としては、クローン2G3より産生さ
れたモノクローナル抗体、クローン2B9より産生され
たモノクローナル抗体、及び対照としてリン酸化G1ペ
プチドに特異的に結合するモノクローナル抗体YC−1
0((株)医学生物学研究所製)を用いた。
【0028】各モノクローナル抗体の希釈系列(10μ
g/mlから順に20倍希釈した)を作製して、この液
100μlを上記3種類の固相化したマイクロタイター
プレートの各ウエルに添加し、室温で1時間反応させた
後、液を捨て、PBSで3回洗浄した。一定濃度に希釈
したペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG(株式会社医
学生物学研究所製)100μlを各ウエルに添加し、室
温で1時間反応させた後、PBSで洗浄し、過酸化水素
及びオルトフェニレンジアミンの溶液を添加して発色反
応を行いリン酸化PSペプチドに対する反応性を確認し
た。その結果を下記表1及び図1〜図3に示す。尚、表
1及び図1〜図3中、「IgG濃度」はモノクローナル
抗体の濃度を表し、「2G3」はクローン2G3から産
生されるモノクローナル抗体を表し、「2B9」はクロ
ーン2B9から産生されるモノクローナル抗体を表す。
【0029】
【表1】
【0030】上記の結果から、融合細胞クローン2G3
及び2B9から産生されるモノクローナル抗体は、リン
酸化PSペプチドにのみ反応性を示し、非リン酸化PS
ペプチド及びコントロールペプチドには反応性を示さな
かった。また、対照としたリン酸化G1ペプチドに対す
るモノクローナル抗体YC−10は、いずれのペプチド
とも反応性を示さなかった。このことから、両モノクロ
ーナル抗体はリン酸化PSペプチドに特異的に反応する
ことが確認された。 (4−2)免疫ブロット法による特異性の確認 さらにマウス脳抽出物を用いて常法により免疫ブロット
法により各クローン2G3及び2B9から産生されるモ
ノクローナル抗体の反応性を確認した。その結果を図4
に示す。尚、図4中、「2G3」はクローン2G3から
産生されるモノクローナル抗体を表し、「2B9」はク
ローン2B9から産生されるモノクローナル抗体を表
す。また、PKC活性を調べる場合には、通常、Ca2+
とホスファチジルセリン(PS)を添加して試料中のP
KCを活性化させるため、これらの試薬を添加した場合
についても調べた(EGTAを添加すると試料中のCa
2+は錯体となりPKCは活性化されない)。
【0031】図4から次の点が明らかとなった。即ち、
クローン2B9により産生されるモノクローナル抗体
はマウス脳抽出物中の蛋白質と反応しない、クローン
2G3により産生されるモノクローナル抗体は20kD
より少し小さい蛋白質との反応性が認められた、抗P
KCモノクローナル抗体によってバンドが認められたこ
とからマウス脳抽出物中には確かにPKCが存在する
(抗PKCモノクローナル抗体を反応させた場合にPS
及びCa2+存在下でバンドが2本認められたのは、試料
中のカルシウム依存性タンパク分解酵素が活性化されて
PKC分子が分解され、PKC分子の調節ドメインと抗
PKCモノクローナル抗体が反応したからと考えられ
る)点が明らかとなった。
【0032】以上の結果から、クローン2G3により産
生されるモノクローナル抗体は、マウス脳抽出物を検体
として用いる場合、リン酸化PSペプチド以外の蛋白質
と反応してリン酸化PSペプチドの測定精度に影響する
ことが懸念される。このため、ELISAでの測定系に
はクローン2B9により産生されるモノクローナル抗体
を用いることとした。 [実施例5] 測定系の構築 リン酸化PSペプチドに特異的に結合するモノクローナ
ル抗体を用いて検体中の蛋白質リン酸化酵素の活性を測
定する系を以下のように構築した。
【0033】PSペプチドを生理的リン酸緩衝液(PB
S)に溶解して1μg/mlの溶液を調製した。この液
100μlを96ウエルのマイクロタイタープレートの
各ウエルに添加し、4℃で12時間〜18時間静置反応
させた後、ペプチド溶液を除き、5%牛血清アルブミ
ン、5%シュクロース及び0.1%アジ化ナトリウムを
含むPBS350μlを加えて4℃で12〜18時間静
置してマイクロタイタープレートの未反応部位をブロッ
キングし、ブロッキング溶液を捨て、PBSで3回洗浄
することにより、固相化PSペプチドを得た。
【0034】一方、精製したPKAを3mM MgCl
2、0.1mM ATP、2μMcAMP、0.5mM
EDTA、1mM EGTA及び5mM 2−メルカ
プトエタノールを含む25mMトリス塩酸緩衝液で希釈
し、表2に示す濃度のPKA溶液を調製した。
【0035】そして、各濃度のPKA溶液100μlを
固相化PSペプチドに添加し、室温で5〜20分間反応
させ、20%リン酸溶液100μlを加えてリン酸化反
応を停止し、PBSで5回洗浄した(これにより、固相
化PSペプチドはリン酸化される)。
【0036】ビオチン標識モノクローナル抗体は次のよ
うにして作製した。即ち、0.1M炭酸緩衝液(pH
8.5)に溶解したモノクローナル抗体(2B9、5m
g/ml)とNHS−LC−BIOTIN(PIERC
E社製 25mg/ml)をIgGとNHS−LC−B
IOTINのモル比が1:60になるように加え、室温
で4時間スターラーを用いて攪拌した。攪拌後、この溶
液を生理的リン酸緩衝液(PBS)に透析し、ビオチン
標識モノクローナル抗体を得た。
【0037】そして、固相化PSペプチドをPKAと反
応させた後、ビオチン標識モノクローナル抗体100μ
lを加え、室温で60分間反応させ洗浄した後、ストレ
プトアビジン−POD複合体溶液100μlを加えた。
さらに室温で60分間反応させた後、洗浄し、オルトフ
ェニレンジアミンと過酸化水素の混合溶液100μlを
加え、室温で3〜5分間反応させ、発色した後、20%
リン酸溶液100μlを加えて反応を停止した。発色し
た溶液につき波長492nmの吸光度を測定した。
【0038】尚、比較品として、G1ペプチド(基質)
をマイクロタイタープレートに結合させることにより得
た固相化G1ペプチド、及び、リン酸化G1ペプチドに
特異的に結合するモノクローナル抗体YC−10をペル
オキシダーゼで標識化したペルオキシダーゼ標識YC−
10を用いて、各濃度のPKA溶液の測定を行い、本実
施例との感度を比較した。その結果を表2及び図5に示
す。
【0039】
【表2】
【0040】上記の結果から、本実施例の試薬は、従来
の試薬(比較品)に比べて、きわめて感度よく蛋白質リ
ン酸化酵素活性を検出できることが示された。 [実施例6] 反応性の確認 当該測定試薬がPKA及びPKC活性を特異的に捕らえ
ていることを確認するため、COS細胞及びMolt3
細胞の抽出物を用いてリン酸化活性の測定を行った。即
ち、COS細胞及びMolt3細胞の抽出物を検体とし
た。また、PKA活性を調べる場合は、試料中にcAM
P(PKAを活性化させるもの)を添加し又は添加しな
いで、一方、PKC活性を調べる場合は、試料中にCa
2+とPS(これらはPKCを活性化させる)を添加し又
はEGTA(試料中のCa2+をキレート化するもの)を
添加して、実施例5と同様にその活性を測定した。その
結果を表3、4及び図6〜9に示す。これらの表及び図
中、「蛋白濃度」とは、COS細胞またはMolt3細
胞の抽出物の濃度を表す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】上記の結果から、当該試薬はPKA及びP
KCの活性測定においていずれも特異的にこれら酵素の
活性を測定していることが示された。尚、対照例(cA
MP(−)、EGTA(+))でも反応性が見られたの
は、細胞抽出物中にあって既に活性化されていたPKA
やPKC、又は、PKAやPKC以外のプロテインキナ
ーゼの影響によるものである。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、検体中の蛋白質リン酸
化酵素の活性を高感度に測定することが可能な免疫学的
測定方法及びそのためのキットが提供される。細胞中の
蛋白質リン酸化酵素の活性を測定することは従来困難で
あったが、未調整の検体中におけるこれら酵素の活性を
感度よく測定することにより、細胞内における情報伝達
のメカニズム解明のための手段が提供されると同時に、
情報伝達機構の異常として捉えられる疾患(癌や一部の
糖尿病等)の原因解明の手段が提供される。また、これ
らに使用される有用なモノクローナル抗体が提供され、
更にこのモノクローナル抗体を産生する有用な融合細胞
が提供される。
【0045】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トボロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Arg Phe Ala Arg Lys Gly Ser Leu Arg Gln Lys Asn Val Cys 1 5 10
【0046】配列番号:2 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トボロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Arg Phe Ala Arg Lys Gly Ala Leu Arg Gln Lys Asn Val Cys 1 5 10
【0047】配列番号:3 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トボロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Arg Arg Leu Asn Arg Glu Glu Ser Ser Val Val Leu Gly Tyr 1 5 10 15
【図面の簡単な説明】
【図1】 非リン酸化PSペプチドを用いたときのIg
G(モノクローナル抗体)濃度に対する吸光度の関係を
表すグラフである。
【図2】 リン酸化PSペプチドを用いたときのIgG
(モノクローナル抗体)濃度に対する吸光度の関係を表
すグラフである。
【図3】 コントロールペプチドを用いたときのIgG
(モノクローナル抗体)濃度に対する吸光度の関係を表
すグラフである。
【図4】 マウス脳抽出物を用いたときの各種モノクロ
ーナル抗体の免疫ブロット法の結果を表す説明図(電気
泳動の様子を書き写したもの)である。
【図5】 実施例5の試薬及び比較品を用いたときのP
KAに対する吸光度の関係を表すグラフである。
【図6】 PKA活性に関し、COS細胞の蛋白濃度に
対する吸光度の関係を表すグラフである。
【図7】 PKA活性に関し、Molt3細胞の蛋白濃
度に対する吸光度の関係を表すグラフである。
【図8】 PKC活性に関し、COS細胞の蛋白濃度に
対する吸光度の関係を表すグラフである。
【図9】 PKC活性に関し、Molt3細胞の蛋白濃
度に対する吸光度の関係を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/53 C07K 16/40 G01N 33/577 SwissProt/PIR/GeneS eq

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸化PSペプチド(配列番号1で表
    されるPSペプチドのアミノ酸番号7のセリンがリン酸
    化されたもの)と特異的に結合するモノクローナル抗
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のモノクローナル抗体を産
    生する融合細胞。
  3. 【請求項3】 リン酸化PSペプチドを免疫感作させた
    哺乳動物から取得される抗体産生細胞と哺乳動物骨髄腫
    系細胞との融合により得られる請求項2記載の融合細
    胞。
  4. 【請求項4】 融合細胞クローン2B9(受託番号FE
    RM P−15133)又は融合細胞クローン2G3
    (受託番号FERM P−15134)である請求項2
    記載の融合細胞。
  5. 【請求項5】 下記a)〜c)及びd)〜f)の工程を
    含むことを特徴とする蛋白質リン酸化酵素活性の免疫学
    的測定方法。 a)配列番号1で表されるPSペプチドを不溶性支持体
    に結合せしめてなる固相化PSペプチドに標準物質とし
    てのサイクリックAMP依存性プロテイン(PKA)又
    はプロテインキナーゼC(PKC)を反応せしめた後、 b)請求項1記載のモノクローナル抗体を標識物質によ
    り標識化した標識モノクローナル抗体を反応させ、 c)この反応生成物の標識量を測定することにより検量
    線を作成する工程、及び d)前記固相化PSペプチドに検体を反応せしめた後、 e)請求項1記載のモノクローナル抗体を標識物質によ
    り標識化した標識モノクローナル抗体を反応させ、 f)この反応生成物の標識量を測定し、前記検量線から
    検体中に含まれるPKA又はPKCの酵素活性を測定す
    る工程。
  6. 【請求項6】 前記標識モノクローナル抗体は、請求項
    2〜4のいずれかに記載の融合細胞により産生されるモ
    ノクローナル抗体を標識物質により標識化したことを特
    徴とする請求項5記載の免疫学的測定方法。
  7. 【請求項7】 前記標識物質は、ビオチン、ペルオキシ
    ダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスフ
    ァターゼ及びマイクロペルオキシダーゼからなる群から
    選ばれたことを特徴とする請求項5又は6記載の免疫学
    的測定方法。
  8. 【請求項8】 配列番号1で表されるPSペプチドを不
    溶性支持体に結合せしめてなる固相化PSペプチドと、 請求項1記載のモノクローナル抗体を標識物質により標
    識化した標識モノクローナル抗体とを備えたことを特徴
    とする蛋白質リン酸化酵素活性の免疫学的測定キット。
  9. 【請求項9】 前記標識モノクローナル抗体は、請求項
    2〜4のいずれかに記載の融合細胞により産生されるモ
    ノクローナル抗体を標識物質により標識化したことを特
    徴とする請求項9記載の免疫学的測定キット。
  10. 【請求項10】 前記標識物質は、ビオチン、ペルオキ
    シダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリフォス
    ファターゼ及びマイクロペルオキシダーゼからなる群か
    ら選ばれたことを特徴とする請求項8又は9記載の免疫
    学的測定キット。
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