JP3487588B2 - 記録ヘッドのバッファ室への気泡充填方法および記録装置 - Google Patents

記録ヘッドのバッファ室への気泡充填方法および記録装置

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JP3487588B2 JP2000366296A JP2000366296A JP3487588B2 JP 3487588 B2 JP3487588 B2 JP 3487588B2 JP 2000366296 A JP2000366296 A JP 2000366296A JP 2000366296 A JP2000366296 A JP 2000366296A JP 3487588 B2 JP3487588 B2 JP 3487588B2
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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/165Prevention or detection of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles
    • B41J2/16517Cleaning of print head nozzles
    • B41J2/1652Cleaning of print head nozzles by driving a fluid through the nozzles to the outside thereof, e.g. by applying pressure to the inside or vacuum at the outside of the print head
    • B41J2/16526Cleaning of print head nozzles by driving a fluid through the nozzles to the outside thereof, e.g. by applying pressure to the inside or vacuum at the outside of the print head by applying pressure only

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドのバッ
ファ室への気泡充填方法および記録装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】記録ヘッドとしては、インクが供給され
る共通液室内に、複数の流路を通して複数の吐出口を連
通させ、共通液室内のインクを複数の吐出口から選択的
に吐出する構成のものが知られている。このような記録
ヘッドにおいては、吐出口からインクを吐出する際に発
生する圧力変動が共通液室内に伝わり、その共通液室内
のインクが振動して、インクの吐出が不安定になるおそ
れがあった。このような問題を解決策としては、共通液
室に連通するバッファ室に気泡を充填し、そのバッファ
室によって共通液室内のインクの振動を抑制する方法が
ある。そのバッファ室内の気泡が少なくなったときは、
そのバッファ室に対応して設けられたヒータを駆動して
インク中に気泡を発生させて、その気泡をバッファ室内
に充填する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、バッファ室内
に気泡を充填する場合には、バッファ室内から気泡が溢
れ出ないように制御していた。仮に、バッファ室内の気
泡が溢れ出し、インクの流れに沿って移動するような不
安定な気泡が存在する場合には、これを十分に除去しな
ければ、その気泡が流路内に侵入してインクの吐出を不
安定とするおそれがある。しかし、バッファ室内から気
泡が溢れ出ないように、充填すべき気泡の大きさを制御
することは難しく、実際には、バッファ室の容量よりも
大分少ない量の気泡を充填することによって、漏れの危
険性を回避していた。
【0004】また、従来のバッファの構成では、気泡を
除去しようとしても十分に除去することは容易ではなか
った。
【0005】本発明の目的は、共通液室と吐出口との間
の流路に近い位置にてインクの振動を効果的に抑制する
バッファ室に対して、適量な気泡を確実に充填して、バ
ッファ室の機能を充分に発揮させることができる記録ヘ
ッドのバッファ室への気泡充填方法および記録装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の記録ヘッドのバ
ッファ室内への気泡充填方法は、インクを吐出する複数
の吐出口と、これら複数の吐出口のそれぞれに連通する
複数の流路と、これら複数の流路にインクを供給するた
めの共通液室と、前記流路の配列方向の端部であって前
記流路に隣接して配置され、開口を有さないことでイン
クの吐出によって生じる前記共通液室内のインクの振動
を抑制するためのバッファ室と、このバッファ室に気泡
を充填するための気泡発生手段と、を備えた記録ヘッド
を用い、前記気泡発生手段を駆動することで前記バッフ
ァ室内に気泡を充填する気泡充填工程と、前記気泡発生
手段に気泡を発生させない程度のパルスを与えることで
前記記録ヘッドの温度を上昇させて、前記気泡充填工程
で充填された気泡を熱膨張させる気泡膨張工程と、前記
気泡膨張工程で気泡を膨張させた状態で前記吐出口より
インクを吸引排出することにより回復処理を行う回復処
理工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】 本発明の記録装置は、インクを吐出する
複数の吐出口と、これら複数の吐出口のそれぞれに連通
する複数の流路と、これら複数の流路にインクを供給す
るための共通液室と、前記流路の配列方向の端部であっ
て前記流路に隣接して配置され、開口を有さないことで
インクの吐出によって生じる前記共通液室内のインクの
振動を抑制するためのバッファ室と、このバッファ室に
気泡を充填するための気泡発生手段と、を備えた記録ヘ
ッドを用いて、被記録媒体に画像を記録可能な記録装置
において、前記吐出口からインクを吸引排出する回復処
理手段と、前記気泡発生手段に気泡を発生させない程度
のパルスを与えることで前記記録ヘッドの温度を上昇さ
せて、前記気泡充填工程で充填された気泡を熱膨張さ
せ、該気泡を膨張させた状態で前記回復手段によって
記吐出口よりインクを吸引排出するよう制御を行う制御
手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0009】(実施形態1)図1は、本発明を適用可能
な記録ヘッドの分解斜視図である。本例の記録ヘッド1
0において、11は複数の液路壁12が形成された基
板、13は天板、14は複数の吐出口15が形成された
オリフィスプレートである。これらの基板11、天板1
3、およびオリフィスプレート14の結合によって、複
数の吐出口15のそれぞれに連通する複数の流路16
と、それら複数の流路16に共通に連通する共通液室1
7が形成される。画像記録用のインクは、図示しないイ
ンク供給部から供給管18を通して共通液室17内に供
給される。共通液室18内のインクは、毛管現象により
流路16内に供給され、その流路16の先端の吐出口1
5にてメニスカスを形成することにより、安定に保持さ
れる。流路16内のそれぞれには、発熱素子(電気熱変
換体)19が備えられている。配線20を通して発熱素
子19に通電して、その発熱素子19から熱エネルギー
を発生させることにより、流路16内のインクが加熱さ
れて膜沸騰により発泡し、そのときの発泡エネルギーに
よって吐出口15からインク滴が吐出される。吐出口1
5を400dpiなどの高密度に配置することによっ
て、マルチノズルのインクジェット方式の記録ヘッド1
0が構成される。また、記録ヘッド10において、ノズ
ルの並び方向の両端に位置する所定数(本例の場合は4
つ)の流路16に対応する吐出口15は形成されておら
ず、それら所定数の流路16は閉塞されている。そし
て、それら所定数の流路16は、吐出口がない以外はイ
ンクを吐出するノズルを構成する流路と同様の内壁構造
を有し、インクを吐出しないバッファ室を構成してい
る。これらのバッファ室によって、後述するバッファ部
が形成され、またバッファ室内の発熱素子19は、この
バッファ室に気泡を充填するために用いられる。
【0010】図2は、基板11を構成する記録ヘッド用
基体の回路構成図であり、発熱素子19は一列に配列さ
れる。31はパワートランジスタ、32はラッチ回路、
33はシフトレジスタである。34は、シフトレジスタ
33にデータをシフトインするためのクロック信号を入
力する端子、35はシリアル画像データを入力する端子
である。36は、パワートランジスタ31のオン時間を
外部からコントロールするためのヒートパルス入力端
子、37はロジック電源用端子、38は接地用端子、3
9は発熱素子19の駆動用電源(VH)の入力端子であ
る。
【0011】このような記録ヘッド10を備えた記録装
置においては、シリアル画像データが入力端子35から
シフトレジスタ33に直列(シリアル)に入力される。
シフトレジスタ33にセットされた画像データは、ラッ
チ回路32にラッチされる。そして、ヒートパルス入力
端子36からパルスが入力されたときに、画像データが
“1”となっているパワートランジスタ31がオンとな
り、それに対応する発熱素子19が通電駆動される。駆
動された発熱素子19は、それが位置する液路16中の
インクを加熱して膜沸騰を生じさせ、そのインクを発泡
させて、その発泡エネルギーによって吐出口15からイ
ンク滴を吐出させる。そのインク滴を被記録媒体上に着
弾させることによって、画像を形成する。また、流路1
6が閉塞されたバッファ室内の発熱素子19は、他のノ
ズル内の発熱素子19と同様に、シフトレジスタ33に
セットされたデータによって駆動される。そのバッファ
室内の発熱素子19は、後述するバッファ室に気泡を充
填するときに駆動される。
【0012】記録動作時は、バッファ室を除く他のノズ
ル内の発熱素子19を駆動するためのデータが転送され
る。また、バッファ室内に気泡を充填するときは、バッ
ファ室内の発熱素子19のみを駆動するためのデータが
入力される。バッファ室内の発熱素子19は、駆動され
たときに、インクに膜沸騰を生じさせない程度にインク
を加熱して、気泡を発生させる。また、このバッファ室
内の発熱素子19は、インク中の溶存気体の析出だけを
行う程度にインクを加熱することが好ましく、またイン
クに核沸騰を生じさせる程度に加熱するものであっても
よい。また、バッファ室内に気泡を充填するときに、バ
ッファ室内の発熱素子19と他のノズル内の発熱素子1
9を駆動するためのデータを入力して、バッファ室内の
発熱素子19と共に他のノズル内の発熱素子19も駆動
するようにしてもよい。この場合には、記録ヘッド10
全体が加熱されて、気泡が発生しやすくなる。また、こ
の場合には、バッファ室内の発熱素子19の駆動と同時
あるいは若干前後して、バッファ室以外の全てのノズ
ル、あるいは特定のノズル(例えば、バッファ室近傍の
所定数のノズル)の発熱素子19を駆動してもよく、そ
の駆動に際しては、吐出口15からインクを吐出させな
い程度にインクを加熱するように駆動したり、バッファ
室内の発熱素子19と同様に駆動してもよい。
【0013】図3は、本発明を適用可能な記録装置の概
略構成を説明するための斜視図である。本例の記録装置
50はシリアルスキャン方式の記録装置であり、ガイド
軸51,52によって、キャリッジ53が矢印Aの主走
査方向に移動自在にガイドされている。キャリッジ53
は、キャリッジモータおよびその駆動力を伝達するベル
ト等の駆動力伝達機構により、主走査方向に往復動され
る。キャリッジ53には、記録ヘッド10(図3におい
ては不図示)と、その記録ヘッド10にインクを供給す
るインクタンク54が搭載される。記録ヘッド10とイ
ンクタンク54は、インクジェットカートリッジを構成
するものであってもよい。被記録媒体としての用紙P
は、装置の前端部に設けられた挿入口55から挿入され
た後、その搬送方向が反転されてから、送りローラ56
によって矢印Bの副走査方向に搬送される。記録ヘッド
10は、主走査方向に移動しつつ、プラテン57上の用
紙Pのプリント領域に向かってインクを吐出する記録動
作と、その記録幅に対応する距離だけ用紙Pを副走査方
向に搬送する搬送動作と、を繰り返すことによって、用
紙P上に順次画像を記録する。
【0014】キャリッジ53の移動領域における図3中
の左端には、キャリッジ53に搭載された記録ヘッド1
0の吐出口15の形成面と対向する回復系ユニット(回
復処理手段)58が設けられている。回復系ユニット5
8には、記録ヘッド10の吐出口15のキャッピングが
可能なキャップと、そのキャップ内に負圧を導入可能な
吸引ポンプなどが備えられており、吐出口15を覆った
キャップ内に負圧を導入することにより、吐出口15か
らインクを吸引排出させて、記録ヘッド10の良好なイ
ンク吐出状態を維持すべく回復処理(「吸引回復処理」と
もいう)をする。また、キャップ内に向かって、吐出口
15から画像の寄与しないインクを吐出させることによ
って、記録ヘッド10の良好なインク吐出状態を維持す
べく回復処理(「吐出回復処理」ともいう)をすることも
できる。
【0015】図4は、本発明を適用可能な記録装置の制
御系の概略ブロック構成図である。図4において、CP
U100は、本記録装置の動作の制御処理やデータ処理
等を実行する。ROM101は、それらの処理手順等の
プログラムが格納され、またRAM102は、それらの
処理を実行するためのワークエリアなどとして用いられ
る。
【0016】記録ヘッド10からのインクの吐出は、C
PU100が発熱素子19の駆動データ(画像データ)
および駆動制御信号(ヒートパルス信号)をヘッドドラ
イバ10Aに供給することにより行われる。ヘッドドラ
イバ10Aは、図2のように、記録ヘッド用基体上に構
成することができる。また、後述するバッファ室に気泡
を充填するときは、バッファ室内の発熱素子19の駆動
データと駆動制御信号がヘッドドライバ10Aに供給さ
れる。CPU100は、キャリッジ53を主走査方向に
駆動するためのキャリッジモータ103をモータドライ
バ103Aを介して制御し、また用紙Pを副走査方向に
搬送するためのP.Fモータ104をモータドライバ1
04Aを介して制御する。また、CPU100は、回復
系ユニット58を制御することにより、吸引回復処理ま
たは吐出回復処理を実施する。
【0017】図5は、バッファ部が形成されていない記
録ヘッドの従来例を説明するための概略構成図である。
この記録ヘッドには、インクの振動を吸収するためのバ
ッファ室が形成されておらず、それぞれの流路16内に
供給されたインクは、それらの流路16内の発熱素子1
9(図5においては不図示)が駆動されることによっ
て、吐出口15から図5中の下方に吐出される。
【0018】図6は、本発明を適用可能な記録ヘッド1
0の概略構成図である。本例の場合は、ノズルの配列方
向における両端の4つずつの計8ノズルは、それらの流
路16の吐出口15が閉塞されてバッファ室とされてい
る。共通液室17内の両端部分には、バッファ室から気
泡が充填されるバッファ部Rが形成される。図6中のL
はインクと気泡との境界面であり、バッファ室内の発熱
素子19を駆動して、バッファ室内のインク中の溶存気
体を析出させることにより、その析出した気泡が図6の
ようにバッファ部R内に充填される。したがって、バッ
ファ室内の発熱素子19は、バッファ部Rに気泡を充填
させるための気泡発生手段として機能する。また、バッ
ファ室を除く他のノズルにおいては、発熱素子19を駆
動することにより、ノズル内のインクが膜沸騰して発泡
し、その発泡エネルギーによって吐出口15からインク
滴が吐出される。その際、流路16から共通液室17に
伝わるインクの振動は、流路16の近傍に位置するバッ
ファ部R内の気泡によって効率よく抑制されて、インク
の吐出が安定することになる。バッファ室を除く他のノ
ズル内の発熱素子19は、インクを吐出させる吐出エネ
ルギー発生手段として機能する。
【0019】記録動作、経時変化、温度等の環境変化な
どのために、バッファ部R内の気泡が減少した場合に
は、バッファ室内の発熱素子19を駆動し、バッファ室
内のインク中の溶存気体を析出させて、その析出した気
泡をバッファ部R内に補充する。
【0020】仮に、気泡が成長しすぎてバッファ部R内
に過剰に充填されたまま、記録動作を行った場合には、
バッファ部Rから溢れた気泡によって、インクを吐出す
べきノズルの流路16が塞がれて、インクの吐出不良を
引き起こすおそれがある。図7は、気泡がバッファ部R
から若干溢れた場合の説明図であり、バッファ部Rから
漏れた気泡によって、バッファ室に隣接する2つのノズ
ルの流路16が塞がれて、それらのノズルがインクの吐
出不良を生じるおそれがある。図8は、さらに多量の気
泡がバッファ部Rから溢れた場合の説明図であり、バッ
ファ部Rから漏れた気泡によって、バッファ室に隣接す
る4つのノズルの流路16が塞がれて、それらのノズル
がインクの吐出不良を生じるおそれがある。
【0021】本発明においては、このような事情を考慮
し、バッファ部R内に適量の気泡を確実に充填する。図
9(a)、(b)、(c)は、その充填方法を説明する
ための図である。これらの図において、58Aは回復系
ユニット58に備わるキャップであり、その吸引口58
A−1は図示しない吸引ポンプに接続されている。キャ
ップ58Aは、前述したように、記録ヘッド10をキャ
ッピングして吐出口15を覆ったまま、その内部に負圧
が導入されることにより、吐出口15からインクを吸引
排出させる吸引回復処理をすることができる。
【0022】気泡の充填に際しては、まず、バッファ室
内の発熱素子19を駆動して、バッファ部R内に気泡を
充填する。その後、図9(a)のようにキャップ58A
をキャッピングしてから、キャップ58A内に負圧を導
入し、同図中の矢印のように、吐出口15からインクを
吸引排出して吸引回復処理を行う。したがって、図9
(a)のようにバッファ部Rから溢れた余分な気泡は、
図9(b)のように吐出口15から吸引排出され、結果
的に、図9(c)のように適量の気泡がバッファ部R内
に充填されることになる。
【0023】このように、バッファ部Rから溢れた余分
な気泡は、バッファ部Rの近傍に位置するノズルの流路
16から除去することができる。そのため、図9(a)
のように、一旦、バッファ部R内に過剰な気泡を充填し
てから、余分な気泡を除去することにより、バッファ部
R内に滴量の気泡が確実に充填できることになる。
【0024】(実施形態2)上記実施例の処理のみを行
った場合、記録に伴うヘッド温度上昇によりバッファ部
R内に蓄積されている泡が成長し、バッファ部Rから溢
れた泡により吐出不良を生じる可能性がある。このヘッ
ド温度上昇に伴う泡の成長分もマージンとした泡サイズ
を残して、余剰な泡を除去する実施例について説明す
る。
【0025】例えば、常温で図6の状態にあるヘッドが
あったとする。この状態では、記録時に余剰な泡が存在
しないので、記録に伴う画像弊害は生じない。しかし、
ヘッドの温度上昇に伴い、図7を経て図8の状態になる
と、余剰の泡がノズルを塞ぎ、吐出不良を生ずる。よっ
て、回復処理のための吸引動作の直前に、ヘッドの温度
を通常温度以上の温度まで加熱して、人為的にバッファ
部R内の気泡を熱膨張させて図9(a)の状態を作り出し
てから、吸引動作を行う。こうすることで、少なくとも
上記加熱温度にヘッド温度が達するまでは、熱膨張によ
り泡がバッファ部Rを溢れて吐出不良を発生させること
を防止できる。
【0026】上記ヘッドの加熱にはどのような手段を用
いても良いが、特に、バッファ室内の発熱素子19を用
いて局所的にバッファ部R近傍の泡を集中的に加熱する
ことで、泡の膨張を効果的に行うことが好ましい。この
際、泡の大きさを適度に制限しようとする行為と、泡を
発生させるという行為とが相反するため、バッファ室内
の発熱素子19への印加パルスは、バッファ室内での発
泡が生じない程度の極めて短いパルス幅が好適である。
【0027】(他の実施形態)記録ヘッドの回復処理と
しては、吐出回復処理、吸引回復処理の他、共通液室1
7内のインクを加圧して、吐出口15から強制的にイン
クを排出させる加圧回復処理を採用することもできる。
その加圧回復処理によって、バッファ部Rから溢れた余
分な気泡を吐出口15から排出して除去することもでき
る。また、バッファ部Rへの気泡の充填時期は、記録装
置の電源立ち上げ時、所定時間が経過する毎、および記
録ヘッドの駆動条件や記録装置の環境条件(温度など)
に基づいてバッファ部R内の気泡の減少が予測されると
き等、最適な時期に設定することができる。
【0028】また、低温環境下等においては、記録動作
の直前に、バッファ室内の発熱素子19を駆動して、イ
ンクの吐出不良を生じさせない程度にバッファ部R内の
泡を成長させることにより、流路16へのインクの供給
能力を向上させることもできる。
【0029】また、バッファ部R内に気泡を充填すると
きには、バッファ室内の発熱素子19を駆動して気泡を
発生させると共に、バッファ室以外のノズル内の発熱素
子19をも駆動して気泡を発生させるようにしてもよ
い。この場合には、バッファ部R内に充填すべき気泡を
充分にかつ確実に発生させることができ、また余分な気
泡は回復処理によって除去すればよい。
【0030】また、インクの吐出方式は発泡エネルギー
を用いた方式のみに特定されず、吐出口15からインク
を吐出させるための吐出エネルギー発生手段としては、
発熱素子19の他、ピエゾ素子等の種々の手段を用いる
ことができる。また、バッファ部Rに充填するための気
泡を発生する気泡発生手段は、バッファ部Rに充填する
ための気泡を発生できればよく、その構成および配備位
置等は何ら上述した実施形態のみに特定されない。
【0031】また、記録ヘッド10は、被記録媒体の幅
方向の全長に渡って延在する長尺の記録ヘッドであって
もよく、また記録装置は、このような記録ヘッドと被記
録媒体とを副走査方向に相対移動させつつ、記録ヘッド
がインクを吐出させることによって画像を記録するフル
ラインタイプの記録装置であってもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、共通液
室と吐出口との間の流路に近い位置にてインクの振動を
効果的に抑制するバッファ部に対して、気泡を充填して
から、余分な気泡を吐出口から除去することにより、適
量な気泡を確実に充填して、バッファ部の機能を充分に
発揮させることができ、この結果、インクの吐出を安定
化させて、高品位の画像記録を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能な記録ヘッドの要部の分解斜
視図である。
【図2】図1の記録ヘッドの基体上における回路構成図
である。
【図3】本発明を適用可能な記録装置の要部の斜視図で
ある。
【図4】図3の記録装置の制御系の概略ブロック構成図
である。
【図5】記録ヘッドの従来例を説明するための概略平面
図である。
【図6】本発明を適用可能な記録ヘッドの概略平面図で
ある。
【図7】図6の記録ヘッドにおける気泡の過剰充填時の
説明図である。
【図8】図6の記録ヘッドにおける気泡の過剰充填時の
説明図である。
【図9】(a)、(b)、(c)は、図6の記録ヘッド
における気泡の充填動作の説明図である。
【符号の説明】
10 記録ヘッド 11 基板 12 流路壁 13 天板 14 オリフィスプレート 15 吐出口 16 流路 17 共通液室 18 供給管 19 発熱素子(電気熱変換体) 20 配線 58 回復系ユニット(回復処理手段) R バッファ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井手 大策 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−31904(JP,A) 特開 平8−39800(JP,A) 特開 平6−270413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175 B41J 2/05

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数の吐出口と、これ
    ら複数の吐出口のそれぞれに連通する複数の流路と、こ
    れら複数の流路にインクを供給するための共通液室と、
    前記流路の配列方向の端部であって前記流路に隣接して
    配置され、開口を有さないことでインクの吐出によって
    生じる前記共通液室内のインクの振動を抑制するための
    バッファ室と、このバッファ室に気泡を充填するための
    気泡発生手段と、を備えた記録ヘッドを用い、 前記気泡発生手段を駆動することで前記バッファ室内に
    気泡を充填する気泡充填工程と、前記気泡発生手段に気泡を発生させない程度のパルスを
    与えることで前記記録ヘッドの温度を上昇させて、前記
    気泡充填工程で充填された気泡を熱膨張させる気泡膨張
    工程と、前記気泡膨張工程で気泡を膨張させた状態で
    記吐出口よりインクを吸引排出することにより回復処理
    を行う回復処理工程と、 を含むことを特徴とする記録ヘッドのバッファ室への気
    泡充填方法。
  2. 【請求項2】 前記気泡充填工程において前記気泡発生
    手段を駆動することで、前記バッファ室に隣接する前記
    流路の位置まで気泡を成長させることを特徴とする請求
    に記載の記録ヘッドのバッファ室への気泡充填方
    法。
  3. 【請求項3】 前記気泡発生手段の駆動により発生する
    気泡は、インク中の溶存気体を析出させた気泡であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の記録
    ヘッドのバッファ室への気泡充填方法。
  4. 【請求項4】 前記気泡発生工程において前記気泡発生
    手段を駆動させることで、インクが膜沸騰を生じない範
    囲で気泡を発生させることを特徴とする請求項1乃至
    のいずれかに記載の記録ヘッドのバッファ室への気泡充
    填方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の流路のそれぞれには、インク
    を吐出させる吐出エネルギー発生手段として電気熱変換
    体が設けられており、 前記気泡充填工程において、前記気泡発生手段と共に前
    記電気熱変換体を用いて気泡を発生させることを特徴と
    する請求項1乃至のいずれかに記載の記録ヘッドのバ
    ッファ室への気泡充填方法。
  6. 【請求項6】 前記回復処理は記録動作に先立って成さ
    れることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載
    の記録ヘッドのバッファ室への気泡充填方法。
  7. 【請求項7】 前記気泡膨張工程では前記記録ヘッドを
    通常の記録時の温度以上に加熱することを特徴とする請
    求項1乃至のいずれかに記載の記録ヘッドのバッファ
    室への気泡充填方法。
  8. 【請求項8】 インクを吐出する複数の吐出口と、これ
    ら複数の吐出口のそれぞれに連通する複数の流路と、こ
    れら複数の流路にインクを供給するための共通液室と、
    前記流路の配列方向の端部であって前記流路に隣接して
    配置され、開口を有さないことでインクの吐出によって
    生じる前記共通液室内のインクの振動を抑制するための
    バッファ室と、このバッファ室に気泡を充填するための
    気泡発生手段と、を備えた記録ヘッドを用いて、被記録
    媒体に画像を記録可能な記録装置において、 前記吐出口からインクを吸引排出する回復処理手段と、前記気泡発生手段に気泡を発生させない程度のパルスを
    与えることで前記記録ヘッドの温度を上昇させて、前記
    気泡充填工程で充填された気泡を熱膨張させ、該気泡を
    膨張させた状態で前記回復手段によって 前記吐出口より
    インクを吸引排出するよう制御を行う制御手段と、 を有することを特徴とする記録装置。
  9. 【請求項9】 前記気泡発生手段は、前記バッファ室に
    隣接する前記流路の位置まで気泡を成長させる手段であ
    ことを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  10. 【請求項10】 前記気泡発生手段は、インク中の溶存
    気体を析出させることによって気泡を発生させることを
    特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の記録装
    置。
  11. 【請求項11】 前記気泡発生手段は、インクが膜沸騰
    を生じない範囲で気泡を発生させることを特徴とする請
    求項乃至10のいずれかに記載の記録装置。
  12. 【請求項12】 前記回復処理手段は、記録動作に先立
    って、前記吐出口からインクを排出させることを特徴と
    する請求項8乃至11のいずれかに記載の記録装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段は前記吐出口からインク
    を排出する前に、前記記録ヘッドを通常の記録時の温度
    以上に加熱する手段を備えたことを特徴とする請求項
    乃至12のいずれかに記載の記録装置。
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