JP3486471B2 - 画像形成方法及びトナー - Google Patents

画像形成方法及びトナー

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JP3486471B2 JP32980494A JP32980494A JP3486471B2 JP 3486471 B2 JP3486471 B2 JP 3486471B2 JP 32980494 A JP32980494 A JP 32980494A JP 32980494 A JP32980494 A JP 32980494A JP 3486471 B2 JP3486471 B2 JP 3486471B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法におけるト
ナー及び画像形成方法に関するものであり、特にフルカ
ラー複写機の画像形成方法を好適に具現化しうるフルカ
ラートナーに関し、トナーの帯電安定化及びトナーフィ
ルミング防止に好適なフルカラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては数多くの方法
が知られているが、一般的には光導電性物質を利用し種
々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで
該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転
写材にトナー画像を転写した後、加熱,圧力或は溶剤蒸
気等により定着し、複写物を得るものである。この場
合、転写材上に転写されなかった感光体上の残留トナー
は、規制ブレード或はファーブラシ状のものから構成さ
れるクリーニング機構により取り除かれるのが一般的で
ある。
【0003】この様な電子写真法には多数の現像方法が
知られているが、特にトナー及びキャリアを主体とする
二成分現像剤を用いる磁気ブラシ法,カスケード法等が
幅広く実用化されている。これらの方法は、いずれも比
較的安定的に良画像の得られる優れた方法であり、鮮明
かつ原稿に忠実な色再現性が要求されるフルカラートナ
ーにおいて構成される場合が多いが、反面キャリア表面
へのトナースペントや、トナーとキャリアの混合比変動
といった二成分現像剤にまつわる共通の欠点を有する。
【0004】この様に、電気的潜像を現像するためのト
ナーにおいては、耐久性向上の面からも、特に帯電特性
の安定化を達成する為に種々の荷電制御剤が使用されて
いる。現在、市場におけるフルカラー複写機では負荷電
性のカラートナーを用いるのが主流であるが、一般に該
荷電制御剤を用いてトナーへ負電荷を付与させる場合
は、含金属染料を用いる場合が多い。これらの含金属染
料を用いてトナーを製造する際は、トナー中での均一分
散を得るために、非常に高温で溶融混練を行わなければ
ならず、この時に染料が熱分解を起こしたりして色調が
変化したりする場合が多々ある。また、現像器内でキャ
リアとトナーが混合される際に機械的摩擦及び衝撃によ
り付与される電荷が不均一になり、画像濃度ムラやカブ
リ現象を起こし、画質低下を招く結果となる。
【0005】これら問題を解決する手段としては、すで
に特開昭57−167033号公報に開示の如く、金属
化可能なアゾ化合物を公知の方法によって金属付与剤で
処理した後、酸性又は鉱酸等を含む水で希釈して沈殿さ
せ、濾過することにより得られるアゾ系金属錯体を使用
することにより、帯電特性が安定した負帯電性トナーを
得ることが可能とされた。
【0006】しかしながら、上記公報に記載の如くアゾ
系金属錯体等の荷電制御剤を用いたトナーにおいても、
フルカラートナー等に用いられるシャープメルトな結着
樹脂の場合は、必ずしも良好な結果を得ることが出来な
いことが判明した。具体的には帯電が過大になり、現像
〜転写の過程の中で最終的に感光体上からトナーが転写
しにくくなり感光体上の残留トナーが多くなり、クリー
ニング機構で捕集しきれないトナーがフィルミングを生
じたり、クリーニング不良を発生する原因となってしま
う。また、トナーの帯電が均一に行われにくくなり、十
分に帯電しきれないトナーや逆極性に帯電したトナーを
生じ、得られる可視画像の背景部にカブリを生じてしま
うことになる。
【0007】また、一方で特開平4−21862号公報
においては、トナー粒子の表面層に存在する荷電制御剤
の量と、トナー粒子に全体に存在する荷電制御剤の量比
を規定することによってトナーの摩擦帯電性の安定化を
達成している。しかし、表面層に存在する荷電制御剤は
静電気力,機械的衝撃力によってトナー粒子の外側から
固着される手段を執るために、長期レンジでの耐久試験
等を行った場合、キャリア粒子等との混合によるトナー
粒子表面の劣化(トナースペントや衝撃等による固着物
の離脱)が考えられ、現像剤調製後、好適な範囲で摩擦
帯電したとしても該電荷は徐々に不安定となり結果的に
画像濃度の急激な変化や、カブリといった電子写真特性
上での弊害を来すこととなる。
【0008】また、当該公報にて表面層と内部層に存在
する荷電制御剤は確かに安定な帯電能を得る上で好適な
結果を示すものではあるが、上記の様な手段において荷
電制御剤をトナー粒子表面層へ固着させた場合、該荷電
制御剤がトナー粒子の外部表面層にも存在する可能性が
あるために、感光体上に何らかの傷や残留トナー等の核
が存在したりすると該核部に荷電制御剤がトラップされ
易くなり、クリーニングブレードからのトナーすり抜け
や、トナーフィルミングの発生といった複写後の画像品
質に支障を来す恐れがある。
【0009】また、特開昭60−118851号公報に
おいては、負ポリエステル樹脂を使用したカラートナー
で、荷電制御剤の一部がトナー表面へ露出する様に均一
分散させる方法が提案されているが、該公報では樹脂1
00重量部(質量部)に対する荷電制御剤の含有量が
0.05〜0.7重量部(質量部)と非常に少なく、粒
子内部と表面層近傍での存在比量に有位な差をつけずら
く、意図する効果が得られにくい。
【0010】更に特開昭61−36757号公報では、
メタノール抽出による表面染料濃度を用い、荷電制御剤
の10〜70%(好ましくは30〜60%)が表面にあ
ることとしているが、予備混合をせん断力が作用しない
V型混合機等で行わなければ該形態をとりずらいとして
おり、十分な予備混合を行わないことには荷電制御剤の
均一分散が望めず、分散が悪い状態で粒子表面層近傍に
多く荷電制御剤を存在させると、逆に偏積を生じ易くな
り、不安定な帯電性を呈することによって、カブリや画
像濃度の低下といった弊害を生ずるだけでなく、粉砕工
程等を経てトナー粒子化した場合に遊離した荷電制御剤
の存在が増し、フィルミングが生ずる要因となりやすい
恐れがある。
【0011】更にまた、特開平3−31857号公報に
おいても、トナー表面の染料濃度と全染料濃度の比を規
定しているがバインダー樹脂としてスチレン−アクリル
共重合体を用いており、十分に溶融した状態で色を重ね
合わせ彩度の高い色を発色させる様なフルカラートナー
には適合しにくいことや、含有量が5重量部(質量部)
以下であることから、特開昭61−36757号公報と
同様にフィルミングを生じやすくなる恐れがある。
【0012】一方で、フルカラートナー用として着色剤
にカーボンブラックを用いたブラックトナー等において
は、顔料自身が低抵抗であるが故に、樹脂中での顔料分
散の低下や含有量等のバランスが悪かったりするとトナ
ーとしての帯電安定性に欠け、画像濃度の低下や、掃き
目,色調のバラツキといったコピー品質の低下を招くこ
とから、荷電制御剤による帯電安定化が要求されること
となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記従
来技術の問題点が次の様な要因で生ずるものと考える。
【0014】従来より非磁性トナー自身の持つ摩擦帯電
能を決定づける因子としては、主として結着樹脂の極
性,着色剤の極性、及びそれらにより得られる純粋な帯
電能を調整する役割の荷電制御剤等があるが、個々の成
分がその機能を十分に発揮するためにはトナー中にそれ
らが均一に存在していなければ所望の帯電量を得られに
くくなる。
【0015】たとえば、帯電付与部材としては比較的性
能の高い荷電制御剤を用いたとしても、トナーを製造す
る工程(混練〜粉砕〜分級)における荷電制御剤の分散
状態が悪ければ、そのトナーの帯電特性もまた不安定に
なると考える。また、それらは単に製造技術だけに起因
するものではなく、該分散のベースとなる結着樹脂の溶
融特性においても大きく左右される。
【0016】また、前記公報に見られる様にトナー粒子
の表面層と内部層の荷電制御剤量の比を規定することに
よって分散状態を示す手段等もあり、比較的表面層へ荷
電制御剤を集中させることによって、より帯電の安定化
を達成することが可能となるのだが、該手段ではトナー
粒子表面層へ荷電制御剤を機械的衝撃により集中させて
いるために、いわゆる表面層といっても表面層上への固
着が主であり、それらがトナー表面から欠落や離脱した
りすると、クリーニング部材からのトナーのすり抜け
や、感光体上でのトナーフィルミングを生じたりする。
【0017】従って本発明の目的は、上述の如き従来技
術の問題点を解決したトナー及び画像形成方法、特にフ
ルカラー複写機の画像形成方法を好適に具現化し得るフ
ルカラートナーを提供することにあり、更に詳細には耐
久安定性を重視する上で特に帯電安定性に優れ、且つ、
クリーニング不良や感光体上でのトナーフィルミングを
生じないフルカラートナーを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的は以下
の発明によって達成される。即ち、本発明は少なくとも
現像工程、転写工程及びクリーニング工程を有する画像
形成方法であり、感光体上の残留トナーを除去する該ク
リーニング工程において、ゴム硬度が77°以上である
ウレタンゴムからなるクリーニングブレードから構成さ
れるクリーニング部材を用い、現像に用いられる該トナ
ーが、少なくとも樹脂,着色剤,荷電制御剤を溶融混練
した後、粉砕,分級して得られるトナーであり、該トナ
ー100質量部に対する荷電制御剤量(a)が3〜10
質量部であり、該トナー粒子内部表面層(トナー粒子の
表面より深さ方向で50Å内の体積分)に存在する荷電
制御剤量を(b)とした場合、下記式を満足することを
特徴とするものである。
【0019】a/b=2〜10
【0020】まず、該式が意図するところは、トナー粒
子中の荷電制御剤が均一に分散されている状態下で該粒
子の内部表面層にある荷電制御剤の分散濃度が高い状態
を示しており、それによってトナー粒子の飽和帯電速度
を高め、且つ飽和帯電量を安定に維持することが可能と
される点である。つまり、トナー粒子の内部層と内部表
面層に存在する荷電制御剤の分散濃度を異なる状態にさ
せることによって、通常の帯電付与以外に二成分系での
キャリア粒子との混合時における帯電能の失速をカバー
することが容易となるといった効果が得られる。本発明
においては内部層よりも内部表面層での荷電制御濃度が
高いことで該効果が得られると判明した。また、この場
合、外的手段等で外部表面層へ荷電制御剤を付着(固
着)させることはない。
【0021】ここで言う内部層と内部表面層の定義は、
図1にも示すが、いずれもトナー1粒子の表面層から粒
子中心方向への内部層状態を示し、それ以外の微粒子等
が表面層へ付着した状態や外気に曝されている表面層
は、この場合外部表面層と定義する。更に具体的に内部
層はトナー1粒子中の全体積分を示し、内部表面層とは
トナー粒子の表面より深さ方向で50Å内の体積分を示
す。
【0022】つまり本発明では、荷電制御剤の分散濃度
をトナー粒子の内部層よりも内部表面層の方を高める手
段として、トナー粒子表面へ機械的衝撃により埋め込ま
せることを行わずに、予め剪断力の高い混合機を用いて
使用原料の一つであるバインダー樹脂表面に荷電制御剤
を均一分散させ、その後、微弱なシェアを得る方法にて
溶融し、粉砕,分級することにより該状態を作り出せる
ことを見出した。
【0023】しかも該手段を用いることは機械的衝撃に
よってトナー粒子表面に荷電制御剤を固着させないため
に、粉砕等の工程を経た段階で荷電制御剤の欠落や遊離
荷電制御剤を生じにくい状態を導き出せる。該状態を導
き出せることにより、感光体上の残留トナーを除去する
クリーニング工程にてゴム硬度が67°以上(好ましく
は70°以上)であるウレタンゴムからなるクリーニン
グブレードの様な低摩擦での条件下でも、フィルミング
等に見られるドラム上での融着も発生しなくなるといっ
た相乗効果も得られることとなる。これは、感光体に直
接当接しているクリーニングブレードの間に生じる摩擦
抵抗を軽減させることによって感光体表面の傷は大幅に
軽減されるのであるが反面、剥ぎ取り効果が低下するた
め、外的物質が感光体表面上へ強固に付着するのは極力
妨げなければならないといった背景に起因する。
【0024】上記の様にトナー粒子の内部表面層に多く
荷電制御剤が存在する状態を導き出せるのは、以下の状
態を作り出すことによって達成可能となる。
【0025】まず、メインであるバインダー樹脂粒子表
面に荷電制御剤を予備混合にて均一分散状態で付着させ
た後、更に着色剤を添加し溶融時の機械的負荷が弱い状
態で混練を行う。それにより混練物中における荷電制御
剤が網目状に存在する様になり(図2参照)、局所的に
該荷電制御剤の分散濃度の高い所が点在することとなる
(該分散濃度の高い所において、荷電制御剤自身の偏在
は確認されない)。その後、粉砕工程を経て微粒子化す
る際、該分散濃度の高い界面で混練物が割れ易くなり、
本発明にて提案される様なトナー粒子が得られることと
なる。この場合、予備混合は一般的に剪断応力作用する
様な混合機の方が望ましくヘンシェルミキサー,スーパ
ーミキサー,ボールミル等が適しているが、より好まし
くはヘンシェルミキサーが有用である。その理由として
は、樹脂表面へ比較的強固に荷電制御剤を付着すること
により、その後の混練〜粉砕工程の中で網目構造を維持
することが可能である点と、遊離の荷電制御剤が減少す
ることによりトナーフィルミングが生じないことによる
ものである。
【0026】上記製造工程中で用いられる荷電制御剤と
してはカラートナーとして、その色調に影響を与えない
無色又は淡色の荷電制御剤が好ましく、例えばアルキル
置換サリチル酸の金属錯体(例えばジ−tert−ブチ
ルサリチル酸のクロム錯体又はアルミ錯体)の如き有機
金属錯体等が挙げられる。一方で、染料系等に見られる
様な有色系の荷電制御剤は得られるトナーの色調に影響
を及ぼしたり、高温での溶融混練時に熱分解を起こした
りするため、カラートナーとしては好ましいものではな
い。
【0027】本発明においてトナー粒子内部層の荷電制
御剤の存在量は、トナー1粒子に含有される総量であっ
て、その測定手段等は制約されるものではない。例えば
蛍光X線を用い、そのX線強度から算出してもよく、実
際に該当する荷電制御剤を抽出し定量する手段でも何ら
構わない。
【0028】一方、トナー粒子内部表面層の荷電制御剤
の存在量はXPSによって求められる。まず、トナーを
構成する各材料の原子数を求め、次いでトナー粒子内部
表面層に存在する原子数を求める。この両者の値及び分
子構造から換算し、荷電制御剤の質量比を算出する。
【0029】本発明では上記に示す式の通り、トナー1
粒子に含有されている荷電制御剤の量とトナー1粒子の
表面層に存在する荷電制御剤の量比を規定しているが、
該式における値が2未満の場合には現像剤を調製した直
後の帯電量は比較的安定しているものの、複写枚数が増
すにつれて帯電量が急激に低下してしまいトナー飛散や
背景部のカブリといった問題が生じてくる。一方、その
比が10を超える場合にはトナー粒子の帯電量が過大と
なり画像濃度の低下を生じ、著しく画像品質を損なう結
果になってしまう。
【0030】また、該式が示す効果はトナー100質量
部に対する荷電制御剤の含有量3〜10質量部である時
に有用であって、3質量部未満であると表面層での分散
濃度が低くなり安定な帯電量が得られない。更に10質
量部を超える場合はトナー粒子内部で荷電制御剤が偏在
し帯電が不均一になり、中間調の多い画像においては画
像ムラを生じ易くなる。
【0031】更に本発明におけるトナーは以下の様な感
光体を用いることにより、いかんなくその性能を発揮す
ることが可能となる。その形態としては導電性支持体上
に感光層及び保護層が設けられており、少なくとも該表
面層が感光体表面の摩擦抵抗を低下させるためにフッ素
原子含有樹脂微粒子を含有しており、且つ該表面層が機
械研磨され、該表面層の平均面粗さがJIS規格B06
1で定義される10点平均面粗さRZ(以下、単に平均
面粗さと略す。)で示す0.1μm以上2.5μm以
下、好ましくは0.1μm以上1.5μm以下であるこ
とが好適である。
【0032】平均面粗さを2.5μmより大きくすると
感光体表面とクリーニングブレードとの間に隙間が生
じ、転写残りの残留トナーのうち微小粒径のものが、す
り抜けを起こしクリーニング不良となる。平均面粗さが
1.5μmから2.5μmの場合はクリーニング特性は
良好であるが、潜像は表面が粗い故に微妙な乱れを生
じ、特に写真原稿の様なオリジナル画の場合ハイライト
再現等が若干劣ったものになる。
【0033】平均面粗さが1.5μm以下であればクリ
ーニングブレードと感光体表面との摩擦も十分に小さ
く、また、繰り返し使用によっても画像欠陥が現れてく
ることはなく、更にハイライト再現も非常に優れたもの
になる。
【0034】また、平均面粗さが0.1μmより小さい
場合、クリーニングブレードと感光体表面の摩擦は殆ど
緩和されず、フッ素原子含有樹脂微粒子自身を該表面に
出現させることによる摩擦低減の効果が認められない。
よってクリーニングブレードの反転やブレードエッジ部
の欠け等によるクリーニング不良は、表面層や保護層に
フッ素原子含有樹脂微粒子が含有された感光体表面の平
均面粗さを0.1μm以上2.5μm以下になる様にす
ることで防止することができるのである。
【0035】更に上記の効果を好適にするため、感光体
に当接されるクリーニングブレードとしてはゴム硬度が
67°以上(より好ましくは70°以上)のウレタンゴ
ムから成る部材を用いることによって上記効果を高める
ことができ、更には上記構成のトナーであることによっ
て、該当接部でのトナーすり抜け等に代表されるクリー
ニング不良を防止し、安定なクリーニング特性を得るこ
とが可能となる。
【0036】この場合、クリーニングブレードの材質と
しては一般的にウレタンやウレタンゴムを基材とした樹
脂コーティングブレード等といった周知のものから選択
されるが、これまでに本発明者らは感光体との滑り性を
高めるためにナイロンをウレタンゴム表面に塗布したタ
イプを提案したが(特願平6−51553号)、今後の
フルカラー複写機が高コピーボリューム化に伴い現像
剤,感光体の長寿命化の方へ進展しつつある状況等を考
慮するとナイロンコートブレードでは感光体表面を削る
恐れがあり、更なる改良が望まれていた。そこでブレー
ド部材の硬度を上げることにより、それ自身の強度を高
め、いかなるクリーニング手段を用いたとしても、その
挙動によってゴム材に亀裂を生じたりするのを防ぐ効果
が得られることとなる。そしてこの様な効果が如何なく
発揮できる状況としては、本発明に代表される様な安定
な帯電特性を得るトナー構成を司ることにより達成可能
であり、それにより感光体表面への融着もなくなり、現
像剤及び感光体の長寿命化を良好なクリーニングシステ
ムで補助することが可能となる。
【0037】本発明のトナーに用いられる結着樹脂とし
ては、従来電子写真用トナーとして知られる各種の材料
樹脂が用いられる。例えば、ポリエチレン,エチレン,
酢酸ビニル共重合体,エチレン・ビニルアルコール共重
合体の様なエチレン系共重合体,フェノール系樹脂,エ
ポキシ系樹脂,アクリルフタレート樹脂,ポリアミド樹
脂,ポリエステル樹脂,マレイン酸系樹脂等である。ま
た、いずれの樹脂もその製造方法等は特に制約されるも
のではない。
【0038】これらの樹脂の中で、特に負帯電能の高い
ポリエステル系樹脂を用いた場合、本発明の効果として
は絶大なものが得られる。即ち、ポリエステル系樹脂は
定着性に優れ、カラートナーとして適している反面、従
来は負帯電能が強く帯電が過大になり易かった。しかし
ながら、本発明に示される様な荷電制御剤の分散状態を
維持するためにポリエステル系樹脂は有用であり、それ
によって上記弊害は改善され、より優れたフルカラート
ナーが得られることとなる。
【0039】本発明の目的に適合するカラートナーの着
色剤としては下記の顔料又は染料が挙げられるが、好ま
しい顔料としてはジスアゾイエロー,不溶性アゾ顔料,
銅フタロシアニン等があり、染料としては塩基性染料,
油溶性染料等が適している。
【0040】特に顔料として好ましくはC.I.ピグメ
ントイエロー17;C.I.ピグメントイエロー15;
C.I.ピグメントイエロー13;C.I.ピグメント
イエロー14;C.I.ピグメントイエロー12;C.
I.ピグメントレッド5;C.I.ピグメントレッド
3;C.I.ピグメントレッド2;C.I.ピグメント
レッド6;C.I.ピグメントレッド7;C.I.ピグ
メントブルー15;C.I.ピグメントブルー16又は
下記で示される構造式(I)を有する、フタロシアニン
骨格に置換基を2〜3個置換した銅フタロシアニン系顔
料及びカーボンブラック等が挙げられる。
【0041】
【化1】
【0042】[式中、X1,X2,X3及びX4は、
【0043】
【化2】
【0044】又はHを示す。但し、X1〜X4のすべてが
−Hの場合を除く。]
【0045】一方、好ましい染料としては、C.I.ソ
ルベントレッド49;C.I.ソルベントレッド52;
C.I.ソルベントレッド109;C.I.ベイシック
レッド12;C.I.ベイシックレッド1;C.I.ベ
イシックレッド3bが挙げられる。
【0046】その含有量としては、OHPフィルムの透
過性に対し敏感に反映するイエロートナーについては、
結着樹脂100質量部に対して12質量部以下が好まし
く、より好ましくは0.5〜7質量部が好ましい。
【0047】その他のマゼンタ,シアンのカラートナー
については結着樹脂100質量部に対して15質量部以
下、より好ましくは0.1〜9質量部が望ましく、ブラ
ックトナーについては2〜10質量部、好ましくは3〜
7質量部が望ましい。これらは、その範囲を逸脱する
と、得られる可視画像においてガサツキ,画像濃度ダウ
ン,トナーの飛び散り,カブリを招く要因となるためで
ある。
【0048】本発明のトナーはキャリアを併用して二成
分現像剤として使用することが望ましいが、キャリアと
しては例えば表面酸化又は未酸化の鉄,ニッケル,銅,
亜鉛,コバルト,マンガン,クロム,希土類等の金属及
びそれらの合金または酸化物及び磁性フェライト等が使
用できる。
【0049】また、上記キャリアの表面を樹脂等で浸漬
する系は、特に好ましい。その方法としては、樹脂等の
被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャ
リアに付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、
従来公知の方法がいずれも適用できる。
【0050】キャリア表面への固着物質としては電気絶
縁性樹脂を用い、トナー材料、キャリア芯材に応じ適宜
選択される。この場合、キャリア芯材表面との接着性を
向上するために、少なくともアクリル酸(又はそのエス
テル)単量体及びメタクリル酸(又はそのエステル)単
量体から選ばれる少なくとも一種の単量体を含有するこ
とが必要である。特にトナー材料として、負帯電能の高
いポリエステル樹脂粒子を用いた場合、帯電を安定する
目的で更にスチレン系単量体との共重合体とすることが
好ましく、スチレン系単量体の共重合体を5〜70質量
%とすることが好ましい。
【0051】また、使用できるキャリア芯材の被覆樹脂
用モノマーとしては、例えばスチレンモノマー,クロロ
スチレンモノマー,α−メチルスチレンモノマー,スチ
レン−クロロスチレンモノマー等があり、アクリル系モ
ノマーとしては、例えばアクリル酸エステルモノマー
(アクリル酸メチルモノマー,アクリル酸エチルモノマ
ー,アクリル酸ブチルモノマー,アクリル酸オクチルモ
ノマー,アクリル酸フェニルモノマー,アクリル酸2エ
チルヘキシルモノマー)等があり、メタクリル酸エステ
ルモノマー(メタクリル酸メチルモノマー,メタクリル
酸エチルモノマー,メタクリル酸ブチルモノマー,メタ
クリル酸フェニルモノマー)等がある。
【0052】これらキャリアの被覆材料は本発明のトナ
ーにおいて比較的好適であるが、必ずしもこれに制約さ
れることはなく、トナー融着等のキャリアへのスペント
化を防ぐために有用と考えられる表面エネルギーの小さ
い樹脂を用いても何ら構わない。例えばフッ素樹脂,シ
リコーン樹脂等が挙げられるが、これらはキャリア芯材
に対する接着性が悪いため、種々の添加物を併用し被膜
の強靭性を高めなければ、その効果は得られない。特に
シリコーン樹脂を被覆する際は使用する被覆樹脂希釈溶
剤中に水を添加することで、得られる被覆キャリアの耐
久性及び帯電特性が更に改良される。これは、硬化型シ
リコーン樹脂の架橋点及びシランカップリング剤の加水
分解が促進され、硬化反応がより進行すること、及び短
時間であるがシリコーン樹脂の表面エネルギーが増加
し、キャリアコア材との密着性が向上することによるも
のである。
【0053】上記に見られる被覆樹脂のキャリア芯材に
対する塗布量は、樹脂固形分が0.05〜10質量%、
好ましくは0.1〜5質量%である。0.05質量%未
満ではキャリア芯材の樹脂により被覆効果が十分でな
く、10質量%を超える塗布量は無意味であり、また製
造上からも過剰な樹脂が単独で存在する場合もあり、好
ましくない。
【0054】また、これらキャリアの平均粒径は27〜
100μm、好ましくは25〜70μm、より好ましく
は25〜65μmを有することが望ましく、その測定は
レーザー回折式粒度分布測定装置HELOS(日本電子
社製)に乾式分散装置RODOS(日本電子社製)を装
備し、分散圧3.0barの条件下で各サンプルについ
て3回の測定を行い、その平均を取ってキャリアの平均
粒径を測定した。尚、この時の平均粒径は50%平均粒
径とした。
【0055】本発明に係るトナーと上記形態のキャリア
を混合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率
は現像材中のトナー濃度として、1〜12質量%、好ま
しくは2〜9質量%にすると通常良好な結果が得られ
る。トナー濃度が1質量%未満では画像濃度が低く実用
不可となり、12質量%を超える場合ではカブリや機内
飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0056】本発明に用いられる流動性向上剤として
は、流動性が添加前後を比較すると増加しうるものであ
れば使用可能である。例えば、疎水性コロイダルシリカ
微粉体,コロイダルシリカ微粉体,疎水性酸化チタン微
粉体,酸化チタン微粉体,疎水性アルミナ微粉体,アル
ミナ微粉体,それらの混合粉体等が挙げられる。
【0057】更に必要に応じて、滑剤としての脂肪酸金
属塩、例えばステアリン酸亜鉛,ステアリン酸アルミ
等、又はフッ素含有微粉末,例えばポリテトラフルオロ
エチレン,ポリビニリデンフルオライド等及びテトラフ
ルオロエチレン−ビニリデンフルオライド共重合体の微
粉末、或いは、酸化スズ,酸化亜鉛等の導電性付与剤を
添加しても良い。
【0058】また、更に定着助剤として離型剤を含有し
ても何ら構わない。たとえば脂肪族炭化水素系ワック
ス,脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物,脂肪酸エステ
ルを主成分とするワックス類,飽和直鎖脂肪酸類,不飽
和脂肪酸類,飽和アルコール類,多価アルコール類,脂
肪酸アミド類,飽和脂肪酸ビスアミド類,不飽和脂肪酸
アミド類,芳香族系ビスアミド類,等が挙げられる。ま
た、この場合、離型剤の量は、結着樹脂100質量部当
たり0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量
部が望ましい。これは、離型剤の量が20質量部より多
いと、耐ブロッキング性や耐高温オフセット性が悪いも
のとなり、0.1質量部より少ないと離型効果がない。
更に、これらの離型剤は、通常、樹脂を溶剤に溶解し、
樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法
や、混練物に混合する方法で結着樹脂に含有されるのが
望ましい。
【0059】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
詳しく説明する。尚、文中「部」及び「%」は全て「質
量部」及び「質量%」である。
【0060】実施例1 下記に示すポリエステル樹脂A 100部 フタロシアニン顔料 3.5部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 8部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った後、
二軸押出機で比較的弱いシェアをかけながら溶融混練
し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm程度
に粗粉砕した。ついでエアージェット方式による微粉砕
機で微粉砕し、更に得られた微粉砕物を多分割分級装置
で分級して平均粒径6.0μmの青色樹脂粒子を得た。
【0061】(樹脂A)テレフタル酸2mol,ドデセ
ニル無水コハク酸1.09mol,ポリオキシプロピレ
ン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン3.4mol及びジブチル錫オキシド0.
01gをガラス製の2リットルの4つ口フラスコに入
れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取
り付けマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を
窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、1
70℃で5時間反応せしめ、次いで190℃に昇温し、
4時間反応せしめた。
【0062】その後トリメリット酸無水物0.2mol
及びジブチル錫オキシド0.08gを加え、190℃に
3時間反応せしめ、更に200℃に昇温し、5時間反応
せしめ反応を終了し、本発明で使用するポリエステル樹
脂(A)を得た。
【0063】上記着色樹脂粒子100部に対してチタン
クロライドから合成した親水性酸化チタンを水存在下で
疎水化処理したもの(BET90m2/g)1.0部と
合わせて本発明のシアントナーとした。更に該シアント
ナーをシリコーン樹脂で表面被覆したCu−Zn−Fe
系フェライトキャリア粒子と、トナー濃度が6%になる
様に混合しシアン色現像剤とした。
【0064】該シアントナーに含有される荷電制御剤の
存在量を蛍光X線によりCrを検出し(a)、更にXP
Sを用いて内部表面層(深さ方向約50Å)に存在する
原子数から換算した荷電制御剤の質量比(b)を出した
ところ、(a)/(b)の値は3.8であった。
【0065】更に上記シアン色現像剤を用いて市販のカ
ラー複写機(CLC−800,キヤノン社製)にゴム硬
度77°のウレタンゴムブレードをクリーナーに搭載し
て画出し評価を行ったが、5万枚の耐久試験においても
マクベス濃度で1.7〜1.8といった高い画像濃度を
呈し、フィルミングも生じず、帯電特性においても初期
変動もなく約−30〜−35mC/kgの間で安定的に
推移した。また、感光体表面上での傷も確認されず、画
像品質に支障を来すこともなかった。
【0066】一方、用いる着色剤をカーボンブラックに
変更する以外は同様の材料、同様の製造方法にてブラッ
クトナーを得、同様の評価を行ったところ(a)/
(b)は4.2で、帯電量も約−25〜−30mC/k
gの範囲で初期から安定して良好な結果が得られた。
【0067】実施例2 下記に示すポリエステル樹脂B 100部 カーボンブラック 3.5部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 8部 を実施例1と同様に溶融混練,粉砕,分級して平均粒径
6.0μmの黒色樹脂粒子を得た。
【0068】(樹脂B)イソフタル酸1.8mol,ド
デセニル無水コハク酸1.06mol及びポリオキシプ
ロピレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン3.5molを、樹脂Aの場合と同様
にして窒素雰囲気中で反応せしめた。次いでトリメリッ
ト酸無水物0.16mol及びジブチル錫オキシド0.
09gを加え180℃で反応を5時間行い、本発明で使
用するポリエステル樹脂(B)を得た。
【0069】上記黒色樹脂粒子を用い、実施例1と同様
にして黒色現像剤を調製し、且つ同様の評価を行ったと
ころ、(a)/(b)の値は4.1を示し、一般的にバ
インダー樹脂中でのカーボンブラック粒子の分散状態の
良悪で電子写真特性に弊害をもたらすのだが、荷電制御
剤の分散性が向上し且つ内部表面層に多く集中している
ために、画像濃度も1.8前後で安定しており、全体の
帯電量においても−25mC/kgでカラートナーと遜
色なく、耐久評価の初期段階における変動も殆ど見られ
ない。更に好ましい結果としてはカブリもなく、ドラム
表面でのフィルミングも確認されなかった。
【0070】実施例3 実施例1において用いられるバインダー樹脂が下記Cに
示すポリエステル樹脂で、着色剤がC.I.ピグメント
イエロー17を用いる以外は同様にして黄色トナーと現
像剤を調製し、且つ同様に評価を行ったところ、(a)
/(b)の値は4.2を示し、画像濃度は1.8〜1.
9と高い値を示し、カブリ,フィルミング等のない良好
な電子写真特性を呈した。
【0071】(樹脂C)テレフタル酸2mol,オクチ
ルコハク酸1.15mol及びポリオキシエチレン
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン3.8molを樹脂Aの場合と同様にして窒素
雰囲気中で反応せしめた。次いで、トリメリット酸無水
物0.21mol及びジブチル錫オキシド0.08gを
加え、180℃で反応を5時間行い、本発明で使用する
ポリエステル樹脂(C)を得た。
【0072】実施例4 実施例1において用いられる荷電制御剤がジ−tert
−ブチルサリチル酸のアルミ錯体である以外は同様にし
て青色トナーと現像剤を調製し、且つ同様に評価を行っ
たところ(a)/(b)は5.3を示し他の電子写真特
性においても良好な結果が得られた。
【0073】実施例5 実施例2において用いられる荷電制御剤がジ−tert
−ブチルサリチル酸の亜鉛錯体であり、更に離型剤とし
て高分子量ポリプロピレンを1.5部添加する以外は同
様にして黒色トナーと現像剤を調製し、且つ同様の評価
を行ったところ(a)/(b)の値は4.5を示し、他
の電子写真特性も良好な結果が得られた。
【0074】実施例6 実施例1におけるポリエステル樹脂Aとフタロシアニン
顔料を7/3の割合でニーダーにて予備混練後、該混練
物を3本ロールに2回パスさせ顔料マスターバッチを得
た工程において、その後該マスターバッチと希釈用ポリ
エステル樹脂A,ジ−tert−ブチルサリチル酸のク
ロム錯体を実施例1に記載される製造方法と同様にして
シアントナーを得、以下同様の評価を行ったところ
(a)/(b)の値は4.3を示し、クリーニング不良
を生じず良好な画像品質が得られた。
【0075】比較例1 実施例1に示すポリエステル樹脂A 100部 フタロシアニン顔料 3.5部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 8部 をV型ブレンダーにより予備混合を行った後、二軸押出
機で機械的シェアをかけながら溶融混練し、冷却後ハン
マーミルを用いて粒径約1〜2mm程度に粗粉砕した。
ついでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕し更
に得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級して平均粒
径6.0μmの青色樹脂粒子を得た。
【0076】上記着色樹脂粒子100部に対してチタン
クロライドから合成した親水性酸化チタンを水存在下で
疎水化処理したもの(BET90m2/g)1.0部と
合わせてシアントナーとした。更に該シアントナーをア
クリル樹脂で表面被覆したCu−Zn−Fe系フェライ
トキャリア粒子と、トナー濃度が6%になる様に混合し
シアン色現像剤とした。
【0077】該シアントナーに含有される荷電制御剤の
存在量を蛍光X線によりCrを検出換算し(a)、更に
XPSを用いて内部表面層(深さ方向約50Å)に存在
する原子数から換算した荷電制御剤の質量比(b)を出
したところ、(a)/(b)の値は10.2であった。
【0078】更に上記シアン色現像剤を用いて市販のカ
ラー複写機(CLC−800,キヤノン社製)にて画出
し評価を行ったが、耐久試験において初期はマクベス濃
度で1.7〜1.8といった高い画像濃度を呈していた
ものの、約500枚の通紙後には1.2〜1.4にまで
濃度ダウンを生じてしまった。更には約1000枚後に
は感光体上にフィルミングが発生し著しく画像品質を低
下させるに至った。
【0079】上記結果に至った理由としては、比較的含
有量の多い荷電制御剤を予備混合の段階で十分に分散さ
せるまでには至らなかったためと推察される。
【0080】比較例2 実施例1においてジ−tert−ブチルサリチル酸のク
ロム錯体が2部である以外は同様にして黒色トナーと現
像剤を調製し、且つ同様に評価を行ったところ初期から
の画像濃度が1.5であったが、1500枚の通紙後に
トナー飛散を生じてしまった。その時の(a)/(b)
の値は4.3であった。該評価にてトナー飛散を生じた
理由としては荷電制御剤量が少ない為、耐久評価中での
トナー補給の段階で所望の帯電量までの帯電速度が追随
しにくくなったことによるものと推察される。
【0081】比較例3 実施例6におけるマスターバッチの製造工程中に、ジ−
tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体を8部含有さ
せ、その後該マスターバッチと希釈用ポリエステル樹脂
Aを実施例1に記載される製造方法と同様にしてシアン
トナーを得、以下同様の評価を行ったところ(a)/
(b)の値は1.5を示し、2000枚通紙後の画像評
価でガサツキが目立ち、特にハーフトーン部における転
写率の低下が著しくなった。更には初期からの帯電量が
−15mC/kg前後と低く、700枚通紙頃から激し
いトナー飛散を生じた。
【0082】上記結果を生じた原因としてはマスターバ
ッチ中に荷電制御剤を含有させたため、トナー粒子中で
の分散性が上がりすぎて、内部層と内部表面層での分散
濃度に差が見られなくなり、電荷が見掛け上リークした
様な状態になったことに起因する。
【0083】比較例4 実施例1におけて評価手段に用いられるクリーニングブ
レードが、ゴム硬度65°のナイロンコートブレードで
あること以外は同様にして評価を行ったところ、感光体
上に傷を生じた他、ブレード端部にて亀裂を生じ、該箇
所からトナーがすり抜け、裏汚れを生じてしまった。
【0084】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、トナー粒子
中に含有される荷電制御剤量を内部層と内部表面層の各
々で一定量の範囲に規定することによって、帯電性に優
れ、かつ感光体上でトナーフィルミングを生じないとい
った効果が得られた。
【0085】更にはクリーニングブレードの材質をゴム
硬度が67°以上のウレタンゴムにすることでクリーニ
ング不良がなくなり、それによって現像剤及び感光体の
長寿命化を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明トナーの粒子断面層の概略説明図であ
る。
【図2】混練物中における荷電制御剤の網目分散状態の
概略説明図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−230770(JP,A) 特開 平3−94270(JP,A) 特開 平2−64558(JP,A) 特開 平3−20768(JP,A) 特開 平5−19671(JP,A) 特開 昭61−36757(JP,A) 特開 平3−31857(JP,A) 特開 平5−142195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 - 9/097 G03G 15/08 G03G 21/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも現像工程、転写工程及びクリ
    ーニング工程を有する画像形成方法であり、 感光体上の残留トナーを除去する該クリーニング工程に
    おいて、ゴム硬度が77°以上であるウレタンゴムから
    なるクリーニングブレードから構成されるクリーニング
    部材を用い、 現像に用いられる該トナーが、少なくとも樹脂,着色
    剤,荷電制御剤を溶融混練した後、粉砕,分級して得ら
    れるトナーであり、 該トナー100質量部に対する荷電制御剤量(a)が3
    〜10質量部であり、該トナー粒子内部表面層(トナー
    粒子の表面より深さ方向で50Å内の体積分)に存在す
    る荷電制御剤量を(b)とした場合、下記式を満足する
    ことを特徴とする画像形成方法。 a/b=2〜10
  2. 【請求項2】 該樹脂が、ポリエステル系樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 該荷電制御剤が、無色又は淡色の荷電制
    御剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画
    像形成方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも現像工程、転写工程及びクリ
    ーニング工程を有する画像形成方法に用いられるトナー
    であり、 感光体上の残留トナーを除去する該クリーニング工程に
    おいて、ゴム硬度が77°以上であるウレタンゴムから
    なるクリーニングブレードから構成されるクリーニング
    部材を用い、 該トナーが、少なくとも樹脂,着色剤,荷電制御剤を溶
    融混練した後、粉砕,分級して得られるトナーであり、 該トナー100質量部に対する荷電制御剤量(a)が3
    〜10質量部であり、該トナー粒子内部表面層(トナー
    粒子の表面より深さ方向で50Å内の体積分)に存在す
    る荷電制御剤量を(b)とした場合、下記式を満足する
    ことを特徴とするトナー。 a/b=2〜10
  5. 【請求項5】 該樹脂が、ポリエステル系樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項に記載のトナー。
  6. 【請求項6】 該荷電制御剤が、無色又は淡色の荷電制
    御剤であることを特徴とする請求項又はに記載のト
    ナー。
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