JP3486052B2 - 被覆粉体及びこれを含有する化粧料 - Google Patents
被覆粉体及びこれを含有する化粧料Info
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Description
表面を被覆した粉体及びこれを含有する化粧料に関し、
更に詳細には、肌への付着性が良く、滑らかな感触を有
し、使用性に優れるとともに、疎水性に富んだ被覆粉体
及びこれを含有する化粧料に関する。
るが、肌への付着性や撥水性を向上させたり、また分散
性を向上させるなどの目的に応じて、粉体表面を疎水化
処理することが行われている。この疎水化処理の方法と
しては、多くの方法が知られており、例えば油剤を用い
る方法、すなわち粉体の表面において油剤を加熱処理す
る方法や油剤を焼き付け処理する方法などが知られてい
る。また、粉体表面の疎水化に用いる表面処理剤として
は、フッ素化合物、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキ
サン共重合体、アクリル・シリコーン系グラフト共重合
体、アルミナ、シリカ等が知られており、目的に応じて
1種を単独で又は2種以上を組合わせて使用されてい
る。
疎水化処理方法で得られた処理粉体は、これを肌上に塗
布する際に処理前の粉体よりも、きしみ感、かさかさ感
が強く、粉っぽく感じられるなどの問題点があり、使用
感が好ましくなかった。また、疎水化処理することによ
り粉体と皮膚との親和性が低下し、肌への付着性が劣化
するなどの問題点があった。従って充分な疎水性を有
し、しかも化粧料に配合したときに優れた付着性、使用
感及び化粧持ちの良好な化粧料を得ることができる表面
処理粉体が望まれていた。
明者らは鋭意検討を行った結果、ポリ(N−アシルアル
キレンイミン)変性シリコーンで表面処理した粉体を用
いれば、肌への付着性及び使用感に優れ、疎水性に富
み、しかも化粧持ちの良好な化粧料が得られることを見
出し、本発明を完成した。
ミン)変性シリコーンで表面を被覆した被覆粉体を含有
する皮膚化粧料を提供するものである。
シルアルキレンイミン)変性シリコーンは、分子内に式
(1)
のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基のいずれかを示し、nは2又は3である。)で表
される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレ
ンイミン)のセグメントと、オルガノポリシロキサンの
セグメントとを有し、オルガノポリシロキサンのセグメ
ントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個にヘ
テロ原子を含むアルキレン基を介して、前記式(1)で
表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキ
レンイミン)のセグメントが結合してなるものである。
かかるポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコ
ーンは、該ポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグ
メントとオルガノポリシロキサンのセグメントとの重量
比が1/50〜20/1、好ましくは1/40〜2/1
で、分子量が500〜500,000、好ましくは1,
000〜300,000のものが安定な化粧料を得る上
で好ましい。
アルキル基としては炭素数3〜6のものが挙げられ;ア
ラルキル基としてはフェニルアルキル、ナフチルアルキ
ル等が挙げられ;アリール基としてはフェニル、ナフチ
ル、アルキル置換フェニル等が挙げられる。前記オルガ
ノポリシロキサンのセグメントのケイ素原子の少なくと
も1個に結合するヘテロ原子を含むアルキレン基として
は、窒素原子、酸素原子又はイオウ原子を1〜3個含む
炭素数2〜20のアルキレン基が挙げられ、その具体例
としては、式(2)
ン)変性シリコーンの好ましい例としては、ポリ(N−
ホルミルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−
アセチルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−
プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ
(N−n−オクタノイルエチレンイミン)変性シリコー
ン、ポリ(N−n−ドデカノイルエチレンイミン)変性
シリコーン、ポリ(N−ホルミルプロピレンイミン)変
性シリコーン、ポリ(N−アセチルプロピレンイミン)
変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルプロピレンイ
ミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−オクタノイルプ
ロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−ドデ
カノイルプロピレンイミン)変性シリコーン等が挙げら
れる。
変性シリコーンは、公知の方法(特開平2−27682
4号公報、特開平4−85334号公報、特開平4−8
5335号公報、特開平5−112423号公報、特開
平7−133352号公報等)により得ることができ、
例えば以下の方法で合成される。まず、前記式(1)で
表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキ
レンイミン)のセグメントは、式(3):
のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基のいずれかを表し、nは2又は3である。)で表
される環状イミノエーテル化合物を開環重合することに
より得られる。式(3)で表される環状イミノエーテル
化合物は、以下に例示するような2−オキサゾリン類あ
るいは2−オキサジン類である。すなわち、2−オキサ
ゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−
2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリン、
2−ブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2−オ
キサゾリン、2−ヘプチル−2−オキサゾリン、2−オ
クチル−2−オキサゾリン、2−ノニル−2−オキサゾ
リン、2−デシル−2−オキサゾリン、2−ウンデシル
−2−オキサゾリン、2−ドデシル−2−オキサゾリ
ン、2−トリデシル−2−オキサゾリン、2−テトラデ
シル−2−オキサゾリン、2−ペンタデシル−2−オキ
サゾリン、2−ヘキサデシル−2−オキサゾリン、2−
ヘプタデシル−2−オキサゾリン、2−オクタデシル−
2−オキサゾリン、2−ノナデシル−2−オキサゾリ
ン、2−エイコシル−2−オキサゾリン、2−ヘンエイ
コシル−2−オキサゾリン、2−ドコシル−2−オキサ
ゾリン、2−ベンジル−2−オキサゾリン、2−フェニ
ル−2−オキサゾリン、2−ナフチル−2−オキサゾリ
ン、2−アンスリル−2−オキサゾリン、2−ピレニル
−2−オキサゾリン、2−ペリレニル−2−オキサゾリ
ン、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリン、2−オキ
サジン、2−メチル−オキサジン、2−エチル−2−オ
キサジン、2−プロピル−2−オキサジン、2−ブチル
−2−オキサジン、2−ペンチル−2−オキサジン、2
−ヘキシル−2−オキサジン、2−ヘプチル−2−オキ
サジン、2−オクチル−2−オキサジン、2−ノニル−
2−オキサジン、2−デシル−2−オキサジン、2−ウ
ンデシル−2−オキサジン、2−ドデシル−2−オキサ
ジン、2−トリデシル−2−オキサジン、2−テトラデ
シル−2−オキサジン、2−ペンタデシル−2−オキサ
ジン、2−ヘキサデシル−2−オキサジン、2−ヘプタ
デシル−2−オキサジン、2−オクタデシル−2−オキ
サジン、2−ノナデシル−2−オキサジン、2−エイコ
シル−2−オキサジン、2−ヘンエイコシル−2−オキ
サジン、2−ドコシル−2−オキサジン、2−ベンジル
−2−オキサジン、2−フェニル−2−オキサジン、2
−ナフチル−2−オキサジン、2−アンスリル−2−オ
キサジン、2−ピレニル−2−オキサジン、2−ペリレ
ニル−2−オキサジン、2−シクロヘキシル−2−オキ
サジンなどが挙げられる。
iebigs Ann.Chem.,p996〜p10
09(1974)に記載の方法に従って製造することが
できる。これらの化合物は、開環重合のモノマーとして
1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせ
て用いてもよい。
重合開始剤は、例えばトルエンスルホン酸アルキルエス
テル、硫酸ジアルキルエステル、トリフルオロメタンス
ルホン酸アルキルエステル又はアルキルハライド等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
開始剤は単独あるいは混合物で用いることができる。
される環状イミノエーテル化合物を開環重合させること
によりポリ(N−アシルアルキレンイミン)の分子鎖を
得ることができるが、この分子鎖は単独重合体鎖でも共
重合体鎖でもよく、該共重合体鎖はランダム共重合体鎖
でもブロック共重合体鎖でもよい。
の分子鎖の分子量は150以上、50,000以下が好
ましいが、更に好ましくは500以上、10,000以
下が適当である。分子量が150より小さいと、ポリ
(N−アシルアルキレンイミン)の性質を失い、また5
0,000より大きいと製造が困難になり、好ましくな
い。
(3)で表される環状イミノエーテル化合物を開環重合
させることにより生成する重合活性種と、これと反応し
得る官能基を有するオルガノポリシロキサンとを反応さ
せることにより得ることができる。
は、一級、二級又は三級アミノ基、メルカプト基、ヒド
ロキシル基、カルボキシレート基等が挙げられるが、中
でもアミノ基又はメルカプト基が好適である。分子内に
アミノ基又はメルカプト基を含有するオルガノポリシロ
キサンは分子量が300以上400,000以下が好ま
しいが、更に好ましくは800以上250,000以下
が適当であり、直鎖状であっても分岐鎖を有するもので
もよい。オルガノポリシロキサンの分子量が300より
小さいと、安定乳化物を得る上で好ましくなく、また、
400,000より大きいとゲル状となり反応しにくい
ため好ましくない。含有されるアミノ基又はメルカプト
基は主鎖及び側鎖の何れの部位に導入されていてもよ
い。
ガノポリシロキサンと、環状イミノエーテルのカチオン
重合で得たポリ(N−アシルアルキレンイミン)の反応
性末端との反応は以下のようにして行うことができる。
ル、バレロニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチ
レン、酢酸エチル、酢酸メチル等の単独溶媒、あるいは
必要に応じて他の溶媒との混合溶媒に溶かし、40〜1
50℃、好適には60〜100℃に昇温する。そこに上
記一般式(3)で表される環状イミノエーテルを一括投
入、あるいは反応が激しい場合には滴下し、重合を行
う。重合の進行はガスクロマトグラフィーなどの分析機
器でモノマーである環状イミノエーテルの残存量を定量
することにより追跡することができる。環状イミノエー
テルが消費され重合が終了しても、生長末端の活性種は
反応性を維持している。ポリマーを単離することなく、
引き続き、このポリマー溶液と分子内にアミノ基又はメ
ルカプト基を含有するオルガノポリシロキサンとを混合
し、5〜100℃、好ましくは20〜60℃の条件で反
応させる。混合割合は所望により適宜選ぶことができる
が、オルガノポリシロキサン中のアミノ基又はメルカプ
ト基1モルに対してポリ(N−アシルアルキレンイミ
ン)0.1〜1.3モル当量の割合で反応させるのが好
ましい。0.1モル当量より小さいと、変性率が小さい
ため本発明で意図するポリ(N−アシルアルキレンイミ
ン)の性質を付与させにくく、また、1.3モル当量よ
り多くは不要である。
ロキサンにポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメ
ントの付いたブロックコポリマー又はグラフトポリマー
を得ることができる。ポリ(N−アシルアルキレンイミ
ン)変性シリコーンは、1種又は2種以上を組合わせて
用いることができる。
ルキレンイミン)変性シリコーンで被覆される粉体とし
ては、通常化粧料に用いられる粉体であれば特に制限さ
れず、無機粉末、有機粉末、パール剤等が使用される。
具体的には、タルク、マイカ、カオリン、酸化チタン、
ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、酸化亜鉛、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒
色酸化鉄、群青、雲母チタン、セリサイト、酸化アルミ
ニウム、酸化ジルコニウム、オキシ塩化ビスマス、酸化
鉄雲母等が挙げられる。有機粉末としては、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、セルロース、ナイロン、アクリル樹
脂、ポリテトラフルオロエチレン、シルクパウダー等が
挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組合わせて使
用することができる。粉体の平均粒径は、化粧料中に配
合する目的によって、最適な粒径が異なり、特に限定さ
れるものではない。例えば体質顔料であるマイカ、タル
ク、セリサイト等の板状粉体では、肌ざわりの点から1
〜50μm 、好ましくは3〜30μm が、特に好ましく
は5〜25μm である。また、ナイロン末、PMMA、
シリカ等の球状粉体ではさらさら感の点から0.1〜4
0μm 、好ましくは0.2〜30μm 、特に好ましくは
0.2〜25μm である。更に、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化鉄等の着色を目的にしたものでは0.01〜1
0μm 、好ましくは0.02〜7μm 、特に好ましくは
0.03〜5μm である。
アルキレンイミン)変性シリコーンで被覆する方法は特
に限定されない。一般には、ポリ(N−アシルアルキレ
ンイミン)変性シリコーンで上記粉体を処理すればよ
く、具体的にはポリ(N−アシルアルキレンイミン)変
性シリコーンを溶解させた溶液と粉体を混合し、濾過又
は減圧下室温もしくは加熱で混合し、その後、溶媒を留
去する方法が望ましい。溶媒としてはポリ(N−アシル
アルキレンイミン)変性シリコーンを溶解させるもので
あればいずれのものでもよく、例えば低級アルコール類
やエーテル類、エステル類などが使用される。そのなか
でも、エタノールやイソプロピルアルコール、酢酸エチ
ル等が望ましい。
ン)変性シリコーンの処理量は、その種類によっても異
なるが、通常、粉体の0.1〜50重量%、特に1〜2
0重量%が望ましい。また、混合温度は20℃〜90℃
程度が望ましい。また、溶媒量は粉体に対して重量比で
0.3〜30倍量、特に0.5〜10倍量が好ましい。
混合時間は、処理量、粉体の種類によて異なるが通常1
〜15時間が好ましい。
の粉体表面がポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性
シリコーンで被覆されているが、粉体表面に存在するポ
リ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンの一
部は原料粉体の構成成分と化学的に結合していてもよ
い。
て化粧料に配合することができる。かかる化粧料として
は、例えばファンデーション、パウダー、化粧下地、白
粉、ほお紅、アイシャドウ、アイブロウ、口紅等のメー
クアップ化粧品、化粧水や乳液、クリームなどのスキン
ケア化粧料、紫外線防御化粧料、ボディ用乳液、ボディ
パウダー、ベビィパウダー等のボディ化粧品等が挙げら
れる。
皮膚に塗布する際の感触が良好で、また皮膚との親和性
に富むため、皮膚への付着性に優れたものである。
が、本発明はこれらに制限されるものではない。尚、合
成例において、重量平均分子量はゲル浸透型液体クロマ
トグラフ法によりクロロホルムを展開溶媒として求めた
ものであり、値はポリスチレン換算値である。
イミン)変性シリコーンの合成) メチル−p−トルエンスルホネート(メチルトシレー
ト)13.03g(0.070モル)、2−メチル−2
−オキサゾリン70g(0.82モル)、アセトニトリ
ル10ml、クロロホルム30mlの混合物を6時間還流
し、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)の末端反応性
ポリマー(分子量1,000)を合成した。この反応液
に、両末端3−アミノプロピル置換ポリジメチルシロキ
サン(チッソ社製,FM3311,分子量1,000)
31.8gをクロロホルム50mlに溶解した溶液を入
れ、55℃で24時間反応させた。溶媒を減圧留去する
ことにより、ポリジメチルシロキサンの両末端にポリ
(N−アセチルエチレンイミン)鎖の付いたブロック共
重合体(分子量3,000)が得られた。この共重合体
は、淡黄色のもろい固体であった(収量110.2g、
収率96%)。
プロピレンイミン)変性シリコーンの合成) メチルトシレート1.45g(7.8×10-3モル)、
2−n−ウンデシル−2−オキサジン7.8g(0.0
33モル)、ジメチルアセトアミド10mlの混合物を1
00℃に24時間保ち、ポリ(N−n−ドデカノイルプ
ロピレンイミン)(分子量1,000)を合成した。こ
の反応液に、両末端3−アミノプロピル置換ポリジメチ
ルシロキサン(チッソ社製,FM3325,分子量1
0,000)38.9gをクロロホルム50mlに溶解し
た溶液を入れ、72時間還流した。次いでメタノールに
て再沈澱し、残渣を減圧乾燥した。得られた重合体は黄
色の粘稠な液体であり、分子量は12,000であった
(収量45.7g、収率95%)。
ミン)変性シリコーンの合成) メチルトシレート3.26g(0.018モル)、2−
メチル−2−オキサゾリン70g(0.82モル)、ア
セトニトリル10ml、クロロホルム40mlの混合物を6
時間還流し、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)(分
子量4,000)を合成した。この反応液に、側鎖に3
−アミノプロピル基の置換したポリジメチルシロキサン
(信越シリコーン社製,KF865,アミン当量4,4
00,分子量2,000)63.6gをクロロホルム1
50mlに溶解した溶液を入れ、55℃で24時間反応さ
せた。溶媒を減圧留去することにより、ポリジメチルシ
ロキサンにポリ(N−アセチルエチレンイミン)鎖の付
いたグラフト重合体(分子量6,000)と分子量2,
000のシリコーンの混合体が生成した。この重合体は
淡黄色のもろい固体であった(収量134.1g、収率
98%)。
ン)・(N−n−オクタノイルエチレンイミン)ランダ
ム共重合体変性シリコーンの合成) メチルトシレート1.86g(0.01モル)、2−n
−ヘプチル−2−オキサゾリン10g(0.059モ
ル)、2−メチル−2−オキサゾリン10g(0.11
74モル)、クロロホルム20mlの混合物を6時間還流
し、(N−アセチルエチレンイミン)・(N−n−オク
タノイルエチレンイミン)ランダム共重合体(分子量
2,000)を合成した。側鎖に2−アミノエチルアミ
ノプロピル基の置換したポリジメチルシロキサン(信越
シリコーン社製,KF857,アミン当量830,粘度
70cs(25℃))43.34gをクロロホルム150
gに溶解した溶液に、上記ランダム共重合体溶液を入
れ、10時間還流した。溶媒を減圧留去することによ
り、ポリジメチルシロキサンにポリ(N−アシルエチレ
ンイミン)のグラフトした共重合体(分子量19,00
0)が得られた。この共重合体は淡黄色の粘稠な液体で
あった(収量64.5g、収率99%)。
ンイミン)変性シリコーンの合成) メチルトシレート13.03g(0.070モル)、2
−オキサジン70g(0.82モル)、アセトニトリル
10ml、クロロホルム30mlの混合物を6時間還流し、
ポリ(N−ホルミルプロピレンイミン)の末端反応性ポ
リマー(分子量1,000)を合成した。この反応液に
側鎖に3−メルカプトプロピル基の置換したポリジメチ
ルシロキサン(信越シリコーン社製,X−22−98
0,イオウ含有量1.7%,粘度150cs(25℃))
50gをクロロホルム100mlに溶解した溶液を入れ、
30℃で3時間、次いで60℃で24時間反応した。溶
媒を減圧留去することにより、ポリジメチルシロキサン
にポリ(N−ホルミルプロピレンイミン)鎖の付いたグ
ラフト重合体(分子量6,200)が得られた。この共
重合体は淡黄色の粘稠液体であった(収量129.0
g、収率97%)。
ミノ変性シリコーン(合成例7の前駆体)の合成) N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン6.00g(0.031モル)と水1.46g(0.
081モル)の混合物を60℃で5時間加熱後、生成す
るメタノール及び水を60℃、2〜5mmHgにて減圧除去
する。80℃に昇温後、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン228g(0.769モル)、ヘキサメチルジシ
ロキサン1.92g(1.18×10-2モル)及び重合
触媒0.90g(テトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド0.12g(1.32×10-3モル)含有;テ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイド5水和物を
オクタメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンに溶
かし、80℃で12時間反応後、80℃/2mmHgにて真
空乾燥することにより調製した。テトラメチルアンモニ
ウムハイドロオキサイド含有量は、塩酸滴定法により求
めた。)を加え、72時間窒素雰囲気下で加熱する。1
20℃、2〜5mmHgの真空下でオリゴマーを除去するこ
とにより、下記式で表される側鎖に3級アミノ基を含む
アミノ変性シリコーンを合成した。生成物は無色透明の
オイル(225g)であった。重量平均分子量は22,
000であった。アミン当量を塩酸滴定法にて求めたと
ころ7,200であった。
レンイミン)変性シリコーンの合成) 硫酸ジエチル2.36g(0.0153モル)と2−エ
チル−2−オキサゾリン30.3g(0.306モル)
をクロロホルム43mlに溶解し、窒素雰囲気下、5時間
加熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)
の末端反応性ポリマー(分子量2,000)を合成し
た。ここに、合成例6で合成した3級アミノ変性シリコ
ーン100g(アミノ基として0.0139モル)のク
ロロホルム270ml溶液を一括して加え、16時間加熱
還流した。反応混合物を減圧濃縮し、下記式で表される
ポリジメチルシロキサンにN−プロピオニルエチレンイ
ミン鎖の付いたグラフト共重合体(分子量28,90
0)が得られた。この重合体は淡黄色ゴム状固体であっ
た(収量129g、収率97%)。
レンイミン)変性シリコーンの合成) 硫酸ジエチル3.55g(0.0230モル)と2−エ
チル−2−オキサゾリン27.4g(0.276モル)
を脱水した酢酸エチル60gに溶解し、窒素雰囲気下4
時間加熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミ
ン)の末端反応性ポリマー(分子量1,200)を合成
した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチ
ルシロキサン(分子量110,000,アミン当量2
0,800)400g(アミノ基にして0.0192モ
ル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、8時間加
熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリジメチルシ
ロキサンにN−プロピオニルエチレンイミン鎖の付いた
グラフト共重合体(分子量115,000)が得られ
た。この共重合体は淡黄色ゴム状固体であった(収量4
27g,収率99%)。
レンイミン)変性シリコーンの合成) 硫酸ジエチル3.77g(0.0244モル)と2−エ
チル−2−オキサゾリン48.4g(0.488モル)
を脱水したクロロホルム107gに溶解し、窒素雰囲気
下5時間加熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレン
イミン)の末端反応性ポリマー(分子量2,000)を
合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジ
メチルシロキサン(分子量110,000,アミン当量
9,840)400g(アミノ基にして0.0407モ
ル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、13時間
加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリジメチル
シロキサンにN−アセチルエチレンイミン鎖の付いたグ
ラフト共重合体(分子量137,000)が得られた。
得られた共重合体は淡黄色ゴム状固体(収量444g,
収率98%)であった。
入れ、更にイソプロピルアルコール600gを加え、混
合、溶解させた。その後、これに平均粒径7μm のセリ
サイト150gを加え、更に60℃で4時間混合攪拌し
た。その後、50℃〜60℃にてイソプロピルアルコー
ルを減圧留去し、乾燥し、粉砕して目的の被覆粉体(平
均粒径7μm )を得た。
gとメチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキ
サン共重合体10gをエアーブレンダー(エアー温度5
0℃)を用いて混合した。次に、80℃で1時間一時加
熱処理をし、引き続き105℃に昇温した後、更に1時
間加熱処理をして、メチルハイドロジェンシロキサン・
ジメチルシロキサン共重合体被覆セリサイトを得た。
1の表面処理セリサイト及び未処理のセリサイト単独で
の感触を以下に示す1〜5の5段階で評価してもらい、
その平均値で示した。また、疎水性は粉体を打錠し、こ
れに水滴を垂らしたときの水の接触角で評価し、以下に
示す5段階で評価した。
ぽさ) 1:感触が悪い。 2:感触がやや悪い。 3:ふつう。 4:感触がやや良い。 5:感触が良い。
覆セリサイトは使用感触及び疎水性に優れたものであっ
た。
り製造した。
を通して粉砕した。これを高速ブレンダーに移し、成分
(2)〜(5)を加熱混合して均一にしたものを加えて
更に混合し、均一にした。その後、これを粉砕機で処理
し、ふるいを通し、金皿中に圧縮成型して、目的のパウ
ダーファンデーションを得た。
ン) 合成例7〜9で得られた化合物を用いて実施例1と同様
の方法で実施例6の成分(1)と同様の未処理粉体を被
覆処理した。得られた被覆粉体を実施例6の成分(1)
の代わりに用いた以外は実施例6と同様の方法でパウダ
ーファンデーションを製造した。
6の成分(1)と同様の未処理粉体を用いた以外は比較
例1と同様の方法で被覆処理した。得られた被覆粉体を
実施例6の成分(1)の代わりに用いた以外は実施例6
と同様の方法でパウダーファンデーションを製造した。
ー10名によって、実施例6〜10及び比較例2のパウ
ダーファンデーションの感触を以下に示す1〜5の5段
階で、化粧持続性を1〜4の4段階でそれぞれ評価して
もらい、その平均値で示した。
のなさ、かさかさ感のなさ) 1:感触が悪い。 2:感触がやや悪い。 3:ふつう。 4:感触がやや良い。 5:感触が良い。
パウダーファンデーションは、のび、つき、なじみ等の
感触及び化粧持続性に優れたものであった。
ン)
及び(9)を室温で溶解した後、成分(1)をディスパ
ーで分散した。次に成分(5)〜(7)を攪拌しながら
添加し、乳化して目的の二層型液状ファンデーションを
得た。上記の二層型液状ファンデーションはのび、なじ
み等の感触に優れ、肌への付着性に富み、化粧持続性に
優れたものであった。
(3)を添加し、アンカーミキサーにより撹拌したの
ち、成分(4)を添加し、更にディスパーにより混合し
て化粧水を得た。
れ、化粧持ちも良かった。
造した。
溶解したのち、成分(8)をディスパーで分散させた。
これに成分(5)〜(7)の混合物を撹拌しながら添加
し、乳化して、二層型スキンケア乳液を得た。
した使用感が得られ、肌なじみも良く化粧持ちも良かっ
た。
り製造した。
(8)を室温で溶解したのち、成分(9)をディスパー
で分散させた。これに成分(5)〜(7)の混合物を撹
拌しながら添加し、乳化して、二層型サンスクリーン乳
液を得た。
なじみが良く、さっぱりとした使用感が得られ、化粧持
ちも良かった。
ン) 下記組成の両用パウダーファンデーションを下記の製法
により製造した。
を通して粉砕した。これを高速ブレンダーに移し、成分
(2)〜(6)を加熱混合して均一にしたものを加えて
更に混合し、均一にした。その後、これを粉砕機で処理
し、ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿中で圧縮成
型して、両用パウダーファンデーションを得た。
っぱりとした使用感が得られ、のび、なじみ等の感触に
優れ、化粧持ちも良かった。
を通して粉砕した。これを高速ブレンダーに移し、成分
(2)〜(5)を加熱混合して均一にしたものを加えて
更に混合し、均一にした。その後、これを粉砕機で処理
し、ふるいを通して粒度を揃えたのち、金皿中で圧縮成
型して、ほお紅を得た。
粧持ちも良かった。
た。 (組成) (重量%) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 30.0 (2)アリストワックス 4.0 (3)ソルビタンジイソステアレート 2.0 (4)ジメチルポリシロキサン(6cSt) 15.0 (5)メトキシ桂皮酸オクチル 1.0 (6)ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーン (合成例8)被覆粉体(実施例1と同様の方法で下記 粉体を処理したもの) セリサイト 5.0 ナイロンパウダー 3.0 酸化鉄(赤、黄、黒) 0.1 (7)1,3−ブチレングリコール 5.0 (8)防腐剤 0.1 (9)精製水 バランス(10)香料 微量 計 100.0
解後、成分(6)を加え、ホモジナイザーで均一に混合
した。更に、予め40℃で加熱溶解した成分(7)〜
(10)の混合物を加え、乳化した。その後、室温まで
冷却して化粧下地クリームを得た。
良く、化粧持ちも良かった。
Claims (2)
- 【請求項1】 分子内に式(1) 【化1】 (式中、R 1 は水素原子、炭素数1〜22のアルキル
基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基のい
ずれかを示し、nは2又は3である。)で表される繰り
返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)
のセグメントと、オルガノポリシロキサンのセグメント
を有し、オルガノポリシロキサンのセグメントの末端又
は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、式(2) 【化2】 で表わされるヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、
前記式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N
−アシルアルキレンイミン)のセグメントが結合してな
り、該ポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメン
トとオルガノポリシロキサンのセグメントとの重量比が
1/50〜20/1で、分子量が500〜500,00
0であるポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリ
コーンで表面を被覆した被覆粉体を含有する皮膚化粧
料。 - 【請求項2】 表面が被覆される粉体がタルク、マイ
カ、カオリン、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、無水
ケイ酸、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、雲母チ
タン、セリサイト、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウ
ム、オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母、ポリエチレン、
ポリスチレン、セルロース、ナイロン、アクリル樹脂、
ポリテトラフルオロエチレン又はシルクパウダーである
請求項1記載の皮膚化粧料。
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JP11609996A JP3486052B2 (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 被覆粉体及びこれを含有する化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11609996A JP3486052B2 (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 被覆粉体及びこれを含有する化粧料 |
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JPH09301826A JPH09301826A (ja) | 1997-11-25 |
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Family
ID=14678684
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JP11609996A Expired - Lifetime JP3486052B2 (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 被覆粉体及びこれを含有する化粧料 |
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DE60109701T2 (de) * | 2000-10-10 | 2006-03-09 | Kao Corp. | Verfahren zur Herstellung von Verbundpartikeln |
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-
1996
- 1996-05-10 JP JP11609996A patent/JP3486052B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH09301826A (ja) | 1997-11-25 |
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