JP3483866B2 - オンライン圧延ロール研削方法及び装置並びに圧延機列 - Google Patents

オンライン圧延ロール研削方法及び装置並びに圧延機列

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はオンライン圧延ロール研
削方法及び装置並びに圧延機列に係り、特に、圧延ロー
ルを圧延に最適な形状及び表面性状に研削するのに適し
たオンライン圧延ロール研削方法及び装置並びにオンラ
イン圧延ロール研削装置を備えた圧延機列に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に板圧延機の圧延ロールはスラブ材
を圧延すると、圧延部分のみが摩耗し非圧延部分との段
差が生じてしまう。このため、幅広のスラブから幅狭の
スラブに順番を付けて圧延するなど圧延上の制約があっ
た。この問題を解決すべく多くのオンラインロール研削
方法及び装置が提案されている。 【0003】例えば、特開平5−104115号公報
「オンラインロールグラインダー装置におけるロール研
削方法」には、ロールプロフィール演算装置を備え、オ
ンラインにて測定したロールプロフィールと目的とする
ロールプロフィールとの差を求め、この差からロール軸
方向のオシレート毎に砥石の押付位置を決定し、かつ研
削位置を変更するようにした研削方法が提案されている
(以下、第1の従来技術という)。 【0004】また、特公平3−73364号公報「圧延
ロール研削法」には、圧延ロールの軸線に沿って配設さ
れた複数の研削体を用い、圧延材の通板部(圧延部)は
ロール表面の肌あれが除去できる程度に研削し、非通板
部との段差部は研削体の押付け力を通板部に比較し大き
くする研削方法が述べられている(以下、第2の従来技
術という)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。 【0006】板圧延機の圧延ロールはスラブ材を圧延す
ると、圧延部分のみが摩耗し非圧延部分との段差が生じ
てしまうが、このとき、同一幅のスラブ材を圧延すると
圧延材の板端部にあたる位置が圧延部の他の部分より更
に摩耗量が増え、局部摩耗段差を生じる。このため、そ
れが圧延材に転写し、圧延材端部が他の部分より板厚の
厚いエッジビルドアップが生じ、板厚が不均一になる。 【0007】上記第1の従来技術では、圧延ロールの摩
耗したロールプロフィールをオンラインにて測定し、所
定のロールプロフィールとの差があれば、その差の大小
により圧延ロールへの研削体の押付け研削する位置と研
削しない位置を演算して決め、研削を行なう。この方法
によれば、エッジビルドアップの原因となる局部摩耗段
差は研削除去できるが、圧延材通板部のロール表面には
研削された部分と研削されない部分とができ、ロール表
面が不均一な粗さとなり良好な表面性状が得られない。 【0008】上記第2の従来技術では、通板部は肌あれ
を除去する程度の研削力なので、圧延材の板端部位置に
できる圧延ロールの局部摩耗段差を除去することができ
ない。このため、圧延ロールに局部摩耗段差が残り、上
記のエッジブルドアップ自体を防止することができな
い。また、この従来技術では、圧延ロールの軸線に沿っ
て配設された複数の研削体を用いて研削するので、複数
の研削体の研削位置がロール表面上で重なり合う位置に
ラップマークが生じ、はやり良好なロール表面性状が得
られない。 【0009】ところで、上記のように圧延ロールの研削
に際して、ロール表面粗さが不均一になったり、ラップ
マーク等が発生して表面性状が悪化すると、それが圧延
材に転写し、圧延材の表面品質に影響を及ぼす。特に、
圧延された板材がそのまま製品となる連続熱間圧延機列
の最終スタンドや調質圧延機では、研削された後のロー
ル表面性状が圧延材表面に転写すると、圧延材表面に光
沢差が出たり、研削目や複数個の砥石のラップマークが
見えたりするため、圧延材の表面品質に影響を及ぼすよ
うな研削条件を避けて研削することが強く要望されてい
る。 【0010】本発明の第1の目的は、圧延ロールを表面
粗さや研削ムラのない良好な表面性状に研削することの
できるオンライン圧延ロール研削方法及び装置並びにそ
のオンライン圧延ロール研削装置を備えた圧延機列を提
供することである。 【0011】本発明の第2の目的は、連続熱間圧延機列
の最終スタンドや調質圧延機で圧延ロールを研削して
も、良好な表面品質を持つ圧延材を圧延できるオンライ
ン圧延ロール研削方法及び装置並びにそのオンライン圧
延ロール研削装置を備えた圧延機列を提供することであ
る。 【0012】 【発明を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するために、本発明の研削方法は、圧延機内にお
いて圧延ロールに対して平面型またはカップ型の回転砥
石を有する研削ユニットを設け、前記回転砥石を回転さ
せながら該回転砥石の片側一方のみを前記圧延ロールに
接触するよう前記圧延ロールに押し付け、ロール軸方向
に移動することにより前記圧延ロールを研削するオンラ
イン圧延ロール研削方法において、前記研削ユニットの
回転砥石として、立方晶窒化硼素砥粒またはダイアモン
ド砥粒をレジンボンドで結合した環状の砥粒層を片側に
有するものを使用し、前記砥粒のサイズを170/20
0番から200/230番のいずれかにし、前記環状の
砥粒層の径方向の幅を30mm〜50mmとし、前記研
削ユニットを連続熱間圧延機列の最終スタンドまたは調
質圧延機に設置し圧延ロールを研削するものである。 【0013】 【0014】 【0015】 また、上記第1及び第2の目的を達成す
るために、本発明の研削装置は、圧延機内において圧延
ロールに対して平面型またはカップ型の回転砥石を有す
る研削ユニットを設け、前記回転砥石を回転させながら
該回転砥石の片側一方のみを前記圧延ロールに接触する
よう前記圧延ロールに押し付け、ロール軸方向に移動す
ることにより前記圧延ロールを研削するオンライン圧延
ロール研削装置において、前記研削ユニットの回転砥石
として、立方晶窒化硼素砥粒またはダイアモンド砥粒を
レジンボンドで結合した環状の砥粒層を片側に有するも
のを使用し、前記砥粒のサイズを170/200番から
200/230番のいずれかにし、前記環状の砥粒層の
径方向の幅を30mm〜50mmとし、前記研削ユニッ
トを連続熱間圧延機列の最終スタンドまたは調質圧延機
に設置したものである。 【0016】 【0017】 【0018】 また、上記第1及び第2の目的を達成す
るために、本発明の圧延機列は、圧延機内において圧延
ロールに対して平面型またはカップ型の回転砥石を有す
る研削ユニットを設け、前記回転砥石を回転させながら
該回転砥石の片側一方のみを前記圧延ロールに接触する
よう前記圧延ロールに押し付け、ロール軸方向に移動す
ることにより前記圧延ロールを研削するオンライン圧延
ロール研削装置であって、前記研削ユニットの回転砥石
として、立方晶窒化硼素砥粒またはダイアモンド砥粒を
レジンボンドで結合した環状の砥粒層を片側に有するも
のを使用し、前記砥粒のサイズを170/200番から
200/230番のいずれかにし、前記環状の砥粒層の
径方向の幅を30mm〜50mmとしたオンライン圧延
ロール研削装置を、最終スタンドに設置したものであ
る。 【0019】 本発明では、回転砥石の砥粒層を立方晶
窒化硼素砥粒またはダイアモンド砥粒をレジンボンドで
結合したもので作り、砥粒のサイズを170/200番
から200/230番のいずれかにすることにより、長
時間、良好な表面性状に圧延ロールを研削することがで
きるようになり、連続熱間圧延機列の最終スタンドや調
質圧延機のオンライン圧延ロール研削装置に取り付けら
れる回転砥石に必要な研削能力と砥石寿命を達成するこ
とができる。 【0020】特に、最終スタンドや調質圧延機の圧延ロ
ールの表面性状は研削する回転砥石に取り付けらた砥粒
のサイズによっても影響され、砥粒サイズが細かくなれ
ばそれに伴って圧延ロールの表面性状は良好となる。し
かし、あまり細かな砥粒サイズの砥石では砥石の寿命が
短すぎ、実際のオンライン圧延ロール研削装置には使用
できない。 【0021】本発明では、回転砥石の砥粒層を立方晶窒
化硼素砥粒またはダイアモンド砥粒をレジンボンドで結
合したもので作り、砥粒のサイズを170/200番及
び200/230番のいずれかにすることにより、長時
間、良好な表面性状に圧延ロールを研削することができ
るようになり、連続熱間圧延機列の最終スタンドや調質
圧延機のオンライン圧延ロール研削装置に取り付けられ
る回転砥石に必要な研削能力と砥石寿命を達成すること
ができる。 【0022】更に、回転砥石をロール軸方向に移動する
速度を速くしても、砥石の送りマークが圧延ロール表面
に残らないようにする必要がある。 【0023】本発明では、研削ユニットの回転砥石とし
て、立方晶窒化硼素砥粒またはダイアモンド砥粒をレジ
ンボンドで結合した環状の砥粒層を有するものを用い、
環状の砥粒層の径方向の幅を30mm〜50mmとする
ことにより、砥石移動速度を速くしながら送りマークを
残さず良好な表面性状に研削するとともに、砥石寿命の
確保でき、更に均一に目詰りを起こすことなく研削する
ことができる。これにより連続熱間圧延機列の最終スタ
ンドや調質圧延機のオンライン圧延ロール研削装置に取
り付けられる回転砥石に必要な研削能力と砥石寿命を達
成することができる。 【0024】 【0025】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。まず、本発明の第1の実施例を図1〜図10により
説明する。図1及び図2において、本実施例に関わる圧
延機は圧延材Sを延伸する一対の圧延ロール(上下作業
ロール)1a,1aと、圧延ロール1a,1aを支持す
る一対の圧延ロール(上下補強ロール)1b,1b(一
方のみ図示)とを有する4段圧延機である。圧延ロール
1a,1aは軸受箱3,3により保持され、これら軸受
箱3,3は操作側及び駆動側のスタンド4,4に組み込
まれている。圧延機入側には入側ガイド10が配置さ
れ、圧延材Sの圧延ロール1aへのガイドを行う。圧延
時発生する圧延ロール1a,1aの熱を冷却するクーラ
ントヘッダ15(一方のみ図示)が設けられ、圧延時発
生する圧延ロール1a,1aの熱を冷却する。 【0026】このような圧延機に本実施例のオンライン
圧延ロール研削装置が設けられている。オンライン圧延
ロール研削装置は、1本の作業ロール1aに複数個、こ
の実施例では2個設置された研削ユニット5,5を有し
ている。 【0027】各研削ユニット5は、図3及び図4に示す
ように、作業ロール1aを研削する円盤状の回転砥石2
0、この回転砥石20を砥石回転軸21を介して回転さ
せる砥石駆動装置22、圧延ロール1aに回転砥石20
を押しつける砥石送り装置23、回転砥石20を圧延ロ
ール1aの軸方向に移動させるトラバース装置24を備
えている。 【0028】回転砥石20は、ボス52aを有する薄板
円盤52と、薄板円盤52の反ボス側の側面に固定され
た環状の砥粒層51とを有し、薄板円盤52はボス52
aの部分で砥石回転軸21に取付けられている。また、
薄板円盤52は圧延ロールからの振動を吸収するための
弾性体機能を有しており、圧延ロール1aと砥粒層51
間の接触力により撓み量が変わる構造となっている。 【0029】砥粒層51は超砥粒である立方晶窒化硼素
砥粒(一般的にはCBNと呼ばれている)又はダイアモ
ンド砥粒を、レジンボンドを結合材に用いて固めて作ら
れている。また、薄板円盤52の材質は砥粒層51の超
砥粒からの研削熱を容易に放熱する目的と可動部質量を
少なくする目的のため、アルミ材又はアルミ合金で作ら
れている。 【0030】砥石回転軸21は、図3に示すように、回
転砥石20の片側一方のみを圧延ロール1に接触させる
ため、圧延ロール1aの軸心に直角な線に対して0.5
°〜1.0°程度の微小角傾いて設置されている。これ
により、砥粒層51と作業ロール1aとの接触線が砥石
中央から見て一方の側のみに形成され、薄板円盤52は
弾性体機能を有効に発揮することができる。 【0031】砥石駆動装置22は、図3に示すように、
回転砥石20を所定の砥石周速になるよう回転駆動する
液圧モータ54(電気モータでもよい)と、液体モータ
54の出力軸54aの回転を砥石回転軸21に伝えるプ
ーリシャフト54b及びベルト55とを有し、出力軸5
4aとプーリシャフト54bとは平行スプライン54c
を介して連結されている。プーリシャフト54bはボデ
ー59に回転自在に支持されている。砥石回転軸21は
スライド型のラジアル軸受21a,21bを介してボデ
ー59内に回転自在にかつ軸方向に移動可能に支持され
ている。砥石回転軸21の反回転砥石側には回転砥石2
0と作業ロール1aの接触力を測定するロードセル53
が配置されている。 【0032】ボデー59はケース25に収納されてお
り、液圧モータ54はケース25に取り付けられてい
る。また、ボデー59は、図4に示すように、ケース2
5の底部にスライドベアリング25aを介して砥石回転
軸21の軸方向に移動可能に搭載されている。 【0033】砥石送り装置23は、図3に示すように、
ケース25に取り付けられた送りモータ57と、送りモ
ータ57の回転でボデー59を作業ロール1aの接離方
向に移動させ、回転砥石20、砥石回転軸21及びロー
ドセル53を一緒に前後送りするバックラッシュレスタ
イプの予圧式ボールねじ56と、送りモータ57の回転
角度を検出するエンコーダ57aとを有している。予圧
式ボールねじ56の代わりにバックラッシュレスタイプ
の歯車機構を用いてもよい。 【0034】トラバース装置24は、図4に示すよう
に、ケース25に取り付けられたトラバースモータ58
と、トラバースモータ58の回転軸に装着され、ラック
14と噛み合うピニオン58aと、ケース25の上面に
取り付けられ、1対のガイドレール7a,7bと係合す
る2対のガイドローラ26(図2参照)と、トラバース
モータ58の回転数を検出するエンコーダ58bとを有
している。ガイドレール7a,7bは、図2に示すよう
に、圧延ロール1aの入側に圧延ロール1aの軸心に沿
って差し渡されたレールフレーム7に取り付けられてい
る。ラック14はガイドレール7aの反圧延ロール側の
側面に形成されている。このように研削ユニット5は、
ガイドローラ26及びガイドレール7a,7bを介して
レールフレーム7に支えられながら、トラバースモータ
58の回転とピニオン58aとラック14の噛合いによ
りスムーズにロール軸心方向に移動可能としてある。 【0035】ロール研削ユニット5は、圧延ロール1a
の交換時に操作側の軸受箱3と干渉しないようにする必
要がある。このため、レールフレーム7の両端は、図2
に示すようにスタンド4に取付けられたガイド9に摺動
可能に支持され、研削ユニット5はレールフレーム7の
両端近傍にそれぞれ設けられた操作側及び駆動側のレー
ル移動装置30(図1参照)によりレールフレーム7と
一緒に圧延ロール1aの接離方向に移動できるようにな
っている。各レール移動装置30は先端がレールフレー
ム7にピン結合された油圧シリンダ11を備えている。 【0036】砥石送り装置22の送りモータ57及びト
ラバース装置24のトラバースモータ58は図3に示す
ように制御装置13aにより制御される。砥石駆動装置
22の液圧モータ54は油圧回路13cから供給される
流体により駆動され、油圧回路13cも制御装置13a
により制御される。また、ロードセル53、砥石送り装
置23のエンコーダ57a及びトラバース装置24のエ
ンコーダ58bの検出信号は情報処理装置13bに送ら
れ処理され、その結果が制御装置13aに送られる。 【0037】以上のように構成した本実施例では、回転
砥石20を砥石駆動装置22で積極的に高速で駆動する
ことにより、研削能力と砥石寿命を高め長時間研削する
ことができる。また、本実施例では、特開平6−476
54号公報に記載のように回転砥石20は圧延ロールの
有する振動を容易に吸収し、ビビリを生じさせることな
く長時間正しく研削することができるため、研削能力と
砥石寿命を更に高めるのに有効である。 【0038】すなわち、圧延ロール1aは圧延速度にも
依るが10から150C/Sの振動数を有しながら振動
している。オンライン研削装置として従来オフライン研
削装置で一般的な円筒型砥石を有するロールグラインダ
ーを取り付けた場合、円筒型砥石と圧延ロールは砥石表
面の砥粒を介して接触し、ロール表面の金属と砥粒がぶ
つかりながら研削を行うようになる。 【0039】砥粒と圧延ロール表面金属が接触した時は
圧延ロールは研削され、次の瞬間砥石は圧延ロールから
離れ砥粒は空を切り回転する。このような不連続研削が
ビビリ現象の原因となり、凹凸のある圧延ロール表面及
び断面となってしまう。 【0040】圧延ロールの振動と同じ振動を砥石がすれ
ば、砥石と圧延ロールの接触力の変化は発生しない。し
かし、砥石と砥石フレーム全体を圧延ロールと同調する
よう振動させることは、圧延ロール振動が150c/s
と高周波のため追従が難しい。圧延ロールの振動を砥石
と砥石フレーム全体で逃そうとせず、砥石自体に弾性体
機能を持たせて振動を砥石の撓みで吸収すれば、可動部
の質量が小さくなるため圧延ロールの振動に速やかに追
従し、砥石と圧延ロール間の接触力の変動は小さくな
る。 【0041】本実施例では、回転砥石20の一部である
薄板円盤52に弾性体機能を持たせることで砥石自体に
弾性体機能を持たせ、この回転砥石20を砥粒層51の
周速が外周で1000m/minから1600m/mi
nになるよう回転しながら、回転する圧延ロール1aに
押しつけ撓ませる。圧延ロール1aは上記のように前後
に振動している。この振動によって回転砥石20は押さ
れるが、そのとき薄板円盤52が撓み、圧延ロール1a
からの振動を瞬時に吸収する。これにより、砥粒層51
と圧延ロール1a間の接触力の変動は薄板円盤52の撓
みで生ずる弾性力の小さな範囲となり、ビビリ現象をな
くすことができる。 【0042】また、本実施例では、薄板円盤52の弾性
体機能を有効に発揮させるために、図3に示すように砥
粒層51と圧延ロール1aとの接触位置が砥石中央から
一方の側のみに形成されるように砥石回転軸21を傾け
ている。このようにすれば、圧延ロール1aへの押し付
け力で片持ち梁の形で薄板円盤52が撓み、圧延ロール
1aからの振動を容易に吸収することができる。 【0043】また、本実施例では、砥粒層51を支える
台金である薄板円板52に弾性体機能を持たせているの
で、圧延ロールからの振動で可動する質量は砥粒層51
と薄板円板52のみとなり、しかも砥粒層51に少ない
重量で長時間の研削が可能な研削比(工作物の減少体積
/砥石減少体積)の高い超砥粒(立方晶窒化硼素砥粒又
はダイアモンド砥粒)を用いているため、可動部の質量
が非常に小さくなり、回転砥石20の固有振動数が高く
なる。このため、振動する圧延ロールを共振によるビビ
リ現象を生じさせずに長時間正しく研削することができ
る。 【0044】次に、本実施例の研削方法を図5〜図8を
用いて説明する。 【0045】図5にオンラインで測定したロールプロフ
ィールを示す。この図に示すように、圧延ロールは圧延
により圧延部(通板部)と非圧延部で摩耗により段差が
でき、同一幅の鋼板を連続圧延すると、圧延部の圧延材
端部にあたる部分が圧延部の他の部分より多く摩耗す
る。また、一般的に圧延部はサーマルクラウンを持ちな
がら均一に摩耗して行く。 【0046】図6に同一幅の圧延材を圧延したときのロ
ールプロフィールの他の例を示す。この例はオフライン
で計測したロールプロフィールであり、サーマルクラウ
ンは消失している。図中、破線が実測ロールプロフィー
ルであり、実線が理論上(計算上)のロールプロフィー
ルである。この図から分かるように、同一幅の圧延材
(鋼板)Sを20本以上圧延し続けると、圧延部と非圧
延部間に摩耗段差aが生じる。また、同一幅の鋼板を連
続圧延すると、圧延材端部Seにあたる部分が他の通板
部より多く摩耗し、圧延材Sの端部Seから所定長さc
の部分に段差bの局部摩耗が生じる。この局部摩耗は圧
延材の板端部が早く冷却し他の部分より硬くなること
や、板端部の荷重集中により生じるものであり、長さc
は板厚、板材質等により変化するが、本願発明者等の検
討によれば一般的に20mmから50mmの範囲にあ
る。その長さcの部分より内側はほぼ均一に摩耗する。 【0047】オンラインで測定したロールプロフィール
を模式化して図7に示す。図中、Aは圧延ロール1aの
端部位置を、Bは圧延材Sの板端部Seより局部摩耗の
長さcだけ内側の位置を、Cは圧延ロール1aのロール
軸方向中央位置を、Dは圧延材Sの板端部Seの位置を
それぞれ示す。 【0048】本実施例の研削方法では、まず、圧延によ
り生じた摩耗段差a及び局部摩耗段差bを除去するた
め、圧延材S板端部Seにあたる部分より外側のA−D
の範囲では目標ロールプロフィールと実測ロールプロフ
ィールとの差から必要研削量を求め、この必要研削量か
ら圧延ロール1aと回転砥石20の接触力を演算し、こ
れを設定接触力として研削する。局部摩耗の長さcの部
分、すなわちD−Bの範囲も摩耗による形状変化が大き
いので、同様に目標ロールプロフィールと実測ロールプ
ロフィールとの差により圧延ロール1aと回転砥石20
の接触力を制御して研削する。 【0049】一方、局部摩耗の長さcの部分より内側の
B−Bの範囲ではサーマルクラウンのあるほぼ一定の曲
率を持ったロールプロフィールとなるので、圧延ロール
1aと回転砥石20の接触力を変えず一定の接触力で研
削する。 【0050】以上のようにして研削したときの接触力の
変化を図8に示す。圧延ロール1aの研削範囲を圧延部
の両端から局部摩耗長さcを含む所定長さだけ内側のロ
ール軸方向位置Bを境界にしてロール軸方向外側の第1
の範囲A−Bとロール軸方向内側の第2の範囲B−Bと
に分け、第1の範囲A−Bでは目標ロールプロフィール
と実測ロールプロフィールとの差により圧延ロール1a
と回転砥石20の接触力を制御して研削し、第2の範囲
B−Bでは圧延ロール1aと回転砥石20の接触力が一
定になるように制御して研削する。第2の範囲を一定の
接触力で研削することにより、圧延部は表面粗さにムラ
のない良好な表面性状に研削される。 【0051】ここで、圧延部のほぼ均一に摩耗する部分
である第2の範囲B−Bの研削能力は圧延材Sの端部S
eによる局部摩耗段差b(図6参照)を除去できること
が必要である。すなわち、一般的に圧延材Sの端部Se
でできる局部摩耗段差bは1コイル圧延すると0.3か
ら0.6μmm生じる。この段差を研削除去可能な研削
能力になるよう制御する。研削能力は圧延ロール1aと
回転砥石20の接触力(回転砥石20の押付け力)、回
転砥石20の圧延ロール1aの軸方向移動速度(トラバ
ース速度)、または回転砥石20の回転数から決まる。
したがって、第2の範囲B−Bでの一定の接触力は、圧
延材端部位置にできる局部摩耗段差bを除去できる研削
能力となるように設定される。 【0052】以上のように圧延ロール1aを研削するこ
とにより、サーマルクラウンの形を変えることなく、摩
耗により生じたロールプロフィールの段差部を平坦にす
ることができる。 【0053】本実施例の圧延ロール研削装置は以上の研
削方法を実施するものであり、その制御手順を図9にフ
ローチャートで示す。これら制御手順は情報処理装置1
3bにプログラムとして予め格納されている。 【0054】まず、2つの研削ユニット5,5の回転砥
石20を作業ロール1aに押し付けながらロール軸方向
に移動させ、ロール全長のプロフィールを測定する(ス
テップ100)。このオンラインの研削装置を用いて行
なうロールプロフィール測定方法は特開平6−4765
4号公報に記載の方法を用いることができ、その一例に
ついて後述する。次に、目標ロールプロフィールと実測
ロールプロフィールとの差からA−B間の必要研削量を
求め、この必要研削量から圧延ロール1aと回転砥石2
0の接触力を演算し、これを設定接触力とする(ステッ
プ101)。目標ロールプロフィール及びBの位置は予
め情報処理装置13bに記憶してある。次いで2つの研
削ユニット5,5の回転砥石20を作業ロール1aに押
し付けながらロール軸方向に移動させ、研削を開始する
(ステップ102)。このとき、情報処理装置13bは
トラバースモータ58のエンコーダ58bの検出信号か
らロール軸方向の研削位置を常時認識しており(ステッ
プ103)、研削位置がA−B間にあるときにはロード
セル53により測定された圧延ロール1aと回転砥石2
0との接触力が上記のように演算され設定された接触力
となるように砥石送り装置23の送りモータ57の送り
量を制御する(ステップ104)。また、研削位置がB
−C間にあるときはロードセル53で測定された接触力
が一定の接触力になるように砥石送り装置23の送りモ
ータ57の送り量を制御する(ステップ105)。その
一定の接触力も予め情報処理装置13bに記憶してあ
る。ロール全長の研削が完了すると研削回数をカウント
し(ステップ106,107)、研削回数が指定回数に
達したかどうかを判定する(ステップ108)。指定研
削回数とは例えば5〜6回であり、この回数も予め情報
処理装置13bに記憶してある。研削回数が指定回数に
達しない場合はステップ102に戻って上記のステップ
103〜108の処理を繰り返し、指定回数に達すると
ステップ100に戻って再びロールプロフィールを測定
し、上記のステップ101〜108の処理を繰り返す。
以上のロール研削を圧延中継続して実施する。 【0055】ステップ100におけるロールプロフィー
ル測定の処理手順の一例を図10を用いて説明する。こ
の処理手順も情報処理装置13bにプログラムとして格
納されている。まず、一方の研削ユニット5の回転砥石
20を作業ロール1aの操作側端部に押し付ける(ステ
ップ300)。次で、トラバースモータ58を回転し研
削ユニット5aをロール軸方向に移動する(ステップ3
01)。この移動の間、ロードセル53で砥粒層51と
作業ロール1aとの接触力を測定し、その接触力が一定
となるように送りモータ57で送り位置を制御し(ステ
ップ302)、送りモータ57のエンコーダ57aから
の信号により回転砥石20の送り量を算出する(ステッ
プ303)。これと同時に、トラバースモータ58のエ
ンコーダ58bからの信号により研削ユニット5aのロ
ール軸方向の位置を測定する(ステップ304)。そし
て、ロール軸方向の位置と回転砥石の送り量からロール
プロフィールを算出する(ステップ305)。他方の研
削ユニット5についても同様の手順を実施し、ロールプ
ロフィールを算出する(ステップ306)。ただし、ロ
ール軸方向の移動は駆動側端部から行なう。2つの研削
ユニット5,5の移動により求めたロールプロフィール
を合成し、作業ロール1aの全長のプロフィールを決定
する(ステップ307)。以上によりオンライン研削装
置を利用し、圧延ロールのプロフィールをオンラインで
測定することができる。 【0056】なお、オンライン研削装置を利用してロー
ルプロフィールを測定する方法として、特開平6−47
654号公報に記載のように送り位置を固定し、接触力
の変化を測定する方法であってもよい。また、専用のオ
ンラインプロフィルメータを設置し、その検出値を用い
てもよい。 【0057】以上により本実施例によれば、エッジビル
ドアップの原因となる局部摩耗段差を残さずかつサーマ
ルクラウンの形を変えることなく、圧延に最適なロール
プロフィール及び表面性状に圧延ロールを研削すること
ができる。 【0058】また、連続熱間圧延機列の最終スタンドや
調質圧延機では、オンライン圧延ロール研削装置により
研削された圧延ロールのロールプロフィールや表面性状
により圧延材の板厚の均一性や、圧延材表面の光沢及び
表面粗度が大きく影響を受ける。本実施例のオンライン
圧延ロール研削装置を連続熱間圧延機列の最終スタンド
や調質圧延機に設け圧延ロールを研削することにより、
均一な板厚及び良好な表面品質を持つ圧延材を製造する
ことができる。 【0059】本発明の第2の実施例を図11により説明
する。 【0060】第1の実施例では、圧延材Sの端部Seよ
り所定長さだけ内側のロール軸方向位置Bを境にして内
側の第2の範囲B−Cでは接触力を一定にして研削する
ことにより、B−Cの範囲では摩耗した形状と同じ形状
に研削される。したがって、この方法は、B−Cの範囲
で左右均一に摩耗した場合に都合の良い方法である。し
かし、B−Cの範囲で均一に摩耗せず、左右不均一に摩
耗する場合は左右対称のロールプロフィールになるよう
に研削する必要があり、そのためこの範囲でも目標ロー
ルプロフィールを設定し、目標ロールプロフィールと実
測ロールプロフィールとの差から圧延ロール1aと回転
砥石20の接触力を場所によって変えて研削する必要が
ある。しかし、この場合でも圧延ロール1aと回転砥石
20の接触力の差を場所によって大きくし過ぎると、圧
延部の場合は圧延ロール1a表面性状が場所によって変
わり、これが圧延材Sに転写し表面品質を悪化させる恐
れがある。 【0061】本実施例の研削方法では、目標ロールプロ
フィールと実測ロールプロフィールとの差が同じであっ
てもロール端部のA−Bの範囲と圧延部のB−Cの範囲
では圧延ロール1aと回転砥石20の接触力を演算する
ゲインを変えることにより、ロール端部はより大きな接
触力の差になり、圧延部は小さな接触力の差にとなるよ
うにする。圧延部の接触力を演算するゲインを小さくす
ることにより、測定されたロールプロフィールに誤差が
有った場合でも、研削によるロールプロフィール誤差も
小さくなるため、圧延部でのロール表面性状の変化が少
なくなり、良好な表面品質を持つ圧延材を製造すること
ができる。 【0062】図11に上記の研削方法を実施するための
圧延ロール研削装置の制御手順をフローチャートで示
す。 【0063】まず、第1の実施例と同様に2つの研削ユ
ニット5,5の回転砥石20を作業ロール1aに押し付
けながらロール軸方向に移動させ、ロール全長のプロフ
ィールを測定する(ステップ500)。次に、目標ロー
ルプロフィールと実測ロールプロフィールとの差からA
−B間及びB−間の必要研削量を求め、この必要研削量
からA−B間よりB−C間の方が同じロールプロフィー
ル差に対する接触力の変化が小さくなるように接触力設
定ゲインGを変えて接触力を演算し、これを設定接触力
とする(ステップ501)。すなわち、目標ロールプロ
フィールをZ(x)、実測ロールプロフィールをZ′
(x)、接触力変換定数をK、ゲインをG1,G2とす
ると、A−B間では、 P(x)=KG1{Z(x)−Z′(x)} …(1) で接触力P(x)を演算し、B−C間では、 P(x)=KG2{Z(x)−Z′(x)} …(2) で接触力P(x)を演算する。ここで、{Z(x)−
Z′(x)}は目標ロールプロフィールと実測ロールプ
ロフィールとの差、すなわち必要研削量であり、ゲイン
G1、G2はG1>G2の関係にある。一例としてG1
=1,G2=0.5に設定する。上記の式(1)及び
(2)はゲインG1,G2、Bの位置とともに予め情報
処理装置13bに記憶してある。 【0064】次いで2つの研削ユニット5,5の回転砥
石20を作業ロール1aに押し付けながらロール軸方向
に移動させ、研削を開始する(ステップ502)。この
とき、情報処理装置13bはトラバースモータ58のエ
ンコーダ58bの検出信号からロール軸方向の研削位置
を常時認識しており、研削位置がA−B間にあるときに
はロードセル53により測定された圧延ロール1aと回
転砥石20との接触力が上記の式(1)で演算され設定
された接触力となるように砥石送り装置23の送りモー
タ57の送り量を制御し、研削位置がB−C間にあると
きはロードセル53で測定された接触力が上記のしき
(2)で演算された接触力となるように砥石送り装置2
3の送りモータ57の送り量を制御する(ステップ50
3)。ロール全長の研削が完了すると研削回数をカウン
トし(ステップ504,505)、研削回数が指定回数
に達したかどうかを判定する(ステップ506)。指定
研削回数とは例えば5〜6回であり、この回数も予め情
報処理装置13bに記憶してある。研削回数が指定回数
に達しない場合はステップ502に戻って上記のステッ
プ503〜506の処理を繰り返し、指定回数に達する
とステップ500に戻って再びロールプロフィールを測
定し、上記のステップ501〜506の処理を繰り返
す。以上のロール研削を圧延中継続して実施する。 【0065】以上により本実施例によっても、エッジビ
ルドアップの原因となる局部摩耗段差を残さずかつサー
マルクラウンの形を変えることなく、圧延に最適なロー
ルプロフィール及び表面性状に圧延ロールを研削するこ
とができる。また、連続熱間圧延機列の最終スタンドや
調質圧延機の圧延ロールを研削しても、圧延材の表面品
質を良好に保つオンラインの研削が可能となる。 【0066】本発明の第3の実施例を図12〜図15に
より説明する。本実施例は本発明のオンライン圧延ロー
ル研削装置を備えた圧延機を連続熱間圧延機列の最終ス
タンドに設置したものである。 【0067】図12において、本実施例の連続熱間圧延
機列は、第1スタンドから第6スタンドまでの6台の圧
延機80〜85をタンデムに配列して構成され、最終ス
タンド(第6スタンド)の圧延機85に本発明のオンラ
イン圧延ロール研削装置が設けられている。この圧延ロ
ール研削装置は上下の圧延ロール1a,1aに対してそ
れぞれ1個づつ配置された研削ユニット5を有してい
る。研削ユニット5の構成を含む圧延ロール研削装置の
その他の構成は、圧延ロール1aの全長を1個の研削ユ
ニット5で研削するように制御するように制御装置13
a及び情報処理装置13b(図3参照)が機能する点を
除いて第1の実施例と同じである。 【0068】また、図13において、研削ユニット5の
回転砥石20は、第1の実施例で説明したように、薄板
円盤52と、薄板円盤52の側面に取り付けられ、立方
晶窒化硼素砥粒又はダイアモンド砥粒を、レジンボンド
を結合材に用いて固めて作られた環状の砥粒層51とを
有しているが、砥粒層51の砥粒のサイズは170/2
00番及び200/230番のいずれかである。更に、
環状の砥粒層51の径方向の幅(砥石幅)Wは30mm
〜50mmとされている。 【0069】連続熱間圧延機列の最終スタンドにオンラ
イン圧延ロール研削装置を設けた場合、他のスタンドと
異なり研削した圧延ロール1a表面性状が圧延材Sに転
写するので、オンライン圧延ロール研削装置は研削能力
を高める以上に、圧延ロール1a表面性状を良好に維持
することが望まれる。 【0070】図14に砥石の砥粒粒度の違いによるロー
ル表面研削粗度の違いについての実験結果を示す。この
図の各砥粒粒度毎の矢印の範囲がロール表面粗度の範囲
を示す。また、図15に砥石の砥粒粒度の違いと研削比
(工作物の破研削量/砥石の摩耗量)の違いの関係につ
いての実験結果を示す。各砥粒粒度毎の矢印の範囲が研
削比の範囲を示す。これらの実験結果における研削条件
は以下のようである。 ロール(被研削材):ニッケルグレンロール ロール回転速度:300〜600m/min 砥石回転速度:1200m/min 接触力:300N 砥石トラバース速度:10〜20mm/s アップカット研削(ロールの回転方向と砥石回転方向が
逆の状態で研削) 砥石幅:40mm。 【0071】本願発明者等の検討によれば、最終スタン
ドにオンライン圧延ロール研削装置によって研削された
圧延ロール1a表面性状は平均粗さRa0.9μmmか
ら1.0μmm以上の凹凸のある表面状態になると、こ
の凹凸が研削目として圧延材Sに転写することが分かっ
た。このため、これを避けるために、圧延ロール1a表
面性状を平均粗さRa0.9μmmから1.0μmm以
下の凹凸の状態に研削する必要があり、図14より立方
晶窒化硼素(CBN)またはダイアモンド砥粒でできた
砥粒層51の砥粒の粒度は#170/200を含めこれ
より細かいことが必要となる。一方、砥粒の粒度を細か
くすれば圧延ロール1aの平均粗さは向上するが、図1
5に示すように砥粒の磨減は急激に早くなる。これは砥
粒が小さくなると結合材がレジンボンドなので砥粒を支
える力が小さくなり、容易に砥粒が脱落し砥粒層51の
摩耗が早くなるからである。砥粒粒度が#230/27
0以上細かくなると砥石寿命は2,3日となり、頻繁に
砥石の交換が必要となるので、砥石交換のために圧延を
止める必要が生じ、オンラインロール研削装置の効果が
大きく失われる。 【0072】以上より、回転砥石20における砥粒層5
1の砥粒粒度を170/200番か200/230番と
することにより、最終スタンドのオンライン圧延ロール
研削装置に取り付けられる回転砥石20に必要な研削能
力と砥石寿命を達成することができる。 【0073】 また、本願発明者等の検討によれば、圧
延ロール1aの1回転中に回転砥石がロール軸方向に移
動する距離が砥粒層51の幅、すなわち砥石幅Wの1/
3以上になると、砥石の送りマークが発生しやすいこと
が分かった。例えば、ロール径700mm、ロール回転
速度300m/minのとき、砥石幅Wを20mm,3
0mm,40mmにして砥石幅Wの1/3だけ移動する
時の回転砥石20のロール軸方向移動速度(許容砥石移
動速度)は、それぞれ、 砥石幅W20mm許容砥石移動速度15mm/s 30mm22.7mm/s 40mm30mm/s 50mm37.5mm/s 60mm45.4mm/s となり、砥石幅Wが広いほど送りマークを残さず砥石移
動速度を速くすることができる。 【0074】一方、回転砥石20は砥粒層51の砥粒粒
度や圧延ロール1aと回転砥石20の接触力を同じにし
ても、砥石幅Wによって砥石の寿命が異なる。例えばC
BN砥粒で#170/200の砥石で圧延ロール1aを
研削しても、砥石幅20mmでは研削比50に対し、砥
石幅40mmでは研削比120となる。つまり砥石幅が
広い方が上記のように砥石移動速度を速くできるだけで
なく、研削比が大きくなり、このため同じ研削能力を要
求される場合、砥石幅が広い方が砥石寿命が長いことに
なる。しかし、砥石幅Wを広くしすぎると環状の砥粒層
51の外周部と内周部とで研削速度差が大きくなり、均
一に接触して研削するのが難しくなったり、研削速度が
相対的に遅くなる内側に目詰りが生じたりする。 【0075】以上より、砥石幅Wは30mmから50m
mが良く、特に40mm前後が最適であり、これにより
砥石移動速度を速くしながら送りマークを残さず良好な
表面性状に圧延ロール1aを研削できるとともに、砥石
寿命の確保でき、更に均一に目詰りを起こすことなく研
削することができる。 【0076】連続圧延設備の最終スタンドでは上記のよ
うな砥粒層51を取り付けた回転砥石20を用いて研削
することにより、研削されロール表面が圧延材Sに研削
目等を転写するのを防ぐことができる。しかし、1本の
圧延ロール1aに対して複数個の回転砥石20を用いて
研削すると、回転砥石20が圧延ロール1a表面上でラ
ップする所が生ずる。このラップした位置の圧延ロール
1aの表面性状が他とは微少ながら異なってくる。本実
施例では、圧延材Sの表面性状の厳しい上記最終スタン
ドの圧延機では1本の圧延ロール1aに対し1個の回転
砥石20で圧延ロール1aの一方の端部から他方の端部
まで研削する。これにより良好な表面品質を持つ圧延材
Sを圧延することができる。 【0077】なお、第3の実施例では圧延材Sの表面性
状の厳しい圧延機として連続熱間圧延設備の最終スタン
ドに本発明を適用したが、圧延材Sの表面性状の厳しい
圧延機であればそれ以外にも本発明は適用することがで
きる。例えば、図示はしないが調質圧延機に本発明を適
用しても同様の効果が得られる。 【0078】以上本発明の好ましい実施例を幾つか説明
したが、上記実施例本発明の精神の範囲内で種々変更可
能である。例えば、上記実施例では回転砥石として薄板
円盤に環状の砥粒層を取り付けた平面型の回転砥石を有
するものとしたが、基礎円板にカップ型の砥石部材を取
り付けたカップ型の回転砥石にも本発明を同様に適用
し、同様の効果を得ることができる。 【0079】 【発明の効果】本発明によれば、研削により圧延ロール
表面は常に肌荒れのない表面性状を維持できるので、摩
耗段差の改善と表面粗さの改善により、同一幅材の圧延
を制限なく連続的に行なうことができる。 【0080】また、連続圧延設備の最終スタンドや調質
圧延機の圧延ロールをオンラインで研削しても、圧延ロ
ールの表面性状が圧延材表面に転写して光沢差や研削目
により表面品質が低下することがなく、良好な表面品質
を持つ圧延材を製造することができる。 【0081】
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施例によるオンライン圧延ロ
ール研削装置を備えた圧延機の要部の部分断面側面図で
有る。 【図2】図1に示す圧延機の一部分を切除して示す部分
断面平面図である。 【図3】研削ユニットの水平断面図を制御装置及び情報
処理装置とともに示す図である。 【図4】研削ユニットの垂直断面図である。 【図5】オンラインロール研削装置を用いて測定したロ
ールプロフィールを示す図である。(社団法人「日本鉄
鋼協会」西山記念技術講座「ロールプロフィール変更装
置を有する圧延機」住友金属 益居 健氏著より。) 【図6】同一幅の圧延材を圧延したときのロールプロフ
ィールを示す図である。(社団法人「日本鉄鋼協会」西
山記念技術講座「ロールプロフィール変更装置を有する
圧延機」住友金属 益居 健氏著より。) 【図7】オンラインで測定したロールプロフィールを模
式化して示す図である。 【図8】図7に示すロールプロフィールを持つ圧延ロー
ルを第1の実施例により研削するときの接触力の変化を
示す図である。 【図9】第1の実施例による圧延ロール研削装置の制御
手順を示すフローチャートである。 【図10】図9のフローチャートにおけるロールプロフ
ィール測定処理手順の詳細を示すフローチャートであ
る。 【図11】本発明の第2の実施例による圧延ロール研削
装置の制御手順を示すフローチャートである。 【図12】本発明の第3の実施例による連続熱間圧延機
列の概略図である。 【図13】回転砥石の正面図である。 【図14】回転砥石の砥粒粒度とロール表面研削粗度の
関係を示す図である。 【図15】回転砥石の砥粒粒度と研削比の関係を示す図
である。 【符号の説明】 1a:圧延ロール(上下作業ロール) 1b:圧延ロール(上下補強ロール) 3:軸受箱 4:スタンド 5:研削ユニット 7:トラバース用レールフレーム 13a:制御装置 13b:情報処理装置 14:ラック 20:回転砥石 21:砥石回転軸 22:砥石駆動装置 23:砥石送り装置 24:トラバース装置 58:トラバース用モータ 85:連続熱間圧延機列の最終スタンド

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】圧延機内において圧延ロールに対して平面
    型またはカップ型の回転砥石を有する研削ユニットを設
    け、前記回転砥石を回転させながら該回転砥石の片側一
    方のみを前記圧延ロールに接触するよう前記圧延ロール
    に押し付け、ロール軸方向に移動することにより前記圧
    延ロールを研削するオンライン圧延ロール研削方法にお
    いて、 前記研削ユニットの回転砥石として、立方晶窒化硼素砥
    粒またはダイアモンド砥粒をレジンボンドで結合した
    状の砥粒層を片側に有するものを使用し、前記砥粒のサ
    イズを170/200番から200/230番のいずれ
    かにし、前記環状の砥粒層の径方向の幅を30mm〜5
    0mmとし、前記研削ユニットを連続熱間圧延機列の最
    終スタンドまたは調質圧延機に設置し圧延ロールを研削
    することを特徴とするオンライン圧延ロール研削方法。 【請求項2圧延機内において圧延ロールに対して平面
    型またはカップ型の回転砥石を有する研削ユニットを設
    け、前記回転砥石を回転させながら該回転砥石の片側一
    方のみを前記圧延ロールに接触するよう前記圧延ロール
    に押し付け、ロール軸方向に移動することにより前記圧
    延ロールを研削するオンライン圧延ロール研削装置にお
    いて、 前記研削ユニットの回転砥石として、立方晶窒化硼素砥
    粒またはダイアモンド砥粒をレジンボンドで結合した環
    状の砥粒層を片側に有するものを使用し、前記砥粒のサ
    イズを170/200番から200/230番のいずれ
    かにし、前記環状の砥粒層の径方向の幅を30mm〜5
    0mmとし、前記研削ユニットを連続熱間圧延機列の最
    終スタンドまたは調質圧延機に設置したことを特徴とす
    るオンライン圧延ロール研削装置。請求項3圧延機内において圧延ロールに対して平面
    型またはカップ型の回転砥石を有する研削ユニットを設
    け、前記回転砥石を回転させながら該回転砥石の片側一
    方のみを前記圧延ロールに接触するよう前記圧延ロール
    に押し付け、ロール軸方向に移動することにより前記圧
    延ロールを研削するオンライン圧延ロール研削装置であ
    って、前記研削ユニットの回転砥石として、立方晶窒化
    硼素砥粒またはダイアモンド砥粒をレジンボンドで結合
    した環状の砥粒層を片側に有するものを使用し、前記砥
    粒のサイズを170/200番から200/230番の
    いずれかにし、前記環状の砥粒層の径方向の幅を30m
    m〜50mmとしたオンライン圧延ロール研削装置を、
    最終スタンドに設置したことを特徴とする圧延機列。
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