JP3482431B2 - 管継手 - Google Patents

管継手

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば電線やケ
ーブルなどの保護のために用いられる管体を接続する管
継手に関する。
【０００２】
【従来の技術】管体は地中に埋設されるので、防水性を
持たせる必要があるため、管継手と管体との間には、図
５に示したように厳重に防水を施さなければならない。
図５は、合成ゴムからなる異種管継手１０１を示したも
のであるが、まず、周面にらせん状の突条１０２ａを有
した合成樹脂波付き管１０２を管継手１０１の一方にね
じ込む。続いて周面に突条を有しない管１０３を、管継
手１０１の他方に差し込んでバンド１０４で締め付け
る。次に、管継手１０１の波付き管１０２側にシーリン
グテープ１０５を密着させて巻き、その上に、水密保護
テープ１０６をしっかりと巻いて、さらにビニルテープ
１０７を用いて水密保護テープ１０６の巻き終わり部分
を押え巻きする。露出場所に使用する場合には、ビニル
テープ１０７は、管継手１０１全体に巻かなければなら
ない。
【０００３】このように波付き管１０２と管継手１０１
との間には、その形状ゆえに少なくとも３重の防水を施
さなければならず、接続作業には手間がかかる。
【０００４】図示した例は、異種管継手であるので、上
述の防水構造は一方のみに行えばよいが、直管継手の場
合には両端に防水構造を形成するなど、管継手の種類に
よっては複数箇所に行わなければならない場合があり、
作業には、より多くの手間も時間も掛かる。
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、接
続作業が極めて簡単に行えるとともに、防水性能も良好
であるような管継手の提供を主たる課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】そのための手段は、管体
の端部を差し込んで接続する接続部を有した合成樹脂製
またはゴム製の管継手であって、上記接続部における管
体との対向面に、上記接続部における管体との対向面
に、繊維状の高吸水性樹脂を有する不織布からなり水分
を吸収して膨張する膨張体を、該膨張体と管継手本体の
成形材料との間に成形材料が膨張体へ浸透するのを抑制
するシート材を介装して一体成形した管継手であること
を特徴とする。
【０００６】すなわちこの管継手を用いて管体の接続を
行うには、管体の端部を管継手の接続部に、ねじ込みや
圧入、差込み等、形状に応じた接続を適宜行う。その
後、外部から浸入してきた水によって、接続部の対向面
に一体成形した膨張体が水分を含んで膨張し、管体の表
面に圧接して気密性が得られる。
【０００７】しかも膨張体を、高吸水性樹脂を用いて構
成しているので、一旦吸水膨潤すると圧力をかけても離
水しにくい性質があり、また管体を配設する地中には水
分があるので、気密性は確実に保たれる。
【０００８】このような膨張体を一体成形しているの
で、防水性を得るために他の部品は必要なく、製品管理
等が容易な上、作業も上述のように簡単である。
【０００９】また前記膨張体と成形材料との間に介装す
るシート材は、布のような通気性を有するものでも、成
形時に溶けて形成材料と一体化する非通気性のフィルム
のようなものでもよい。このときシート材における膨張
体との接触面には、接着剤を塗布しておくと、膨張体と
の一体性が得られるのでよい。
【００１０】不織布からなる膨張体を用いるので、成形
時に材料が膨張体に浸透してしまいやすく、また膨張体
が成形時の圧力によって流れてしまいやすいが、シート
材が材料の浸透を抑制するとともに、緩衝材となって膨
張体を適宜保護する。このため、膨張体の高吸水性樹脂
が膨潤できるような層構造を確保した状態で一体化でき
る。
【００１１】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、以下図
面を用いて説明する。 図１は管継手１の断面図であ
り、この管継手１は、管体としてらせん状の突条２ａを
有する合成樹脂波付き管２と、突条を持たない合成樹脂
管３とを接続するためのもので、ゴムで形成している。
そして、上記合成樹脂波付き管２を接続する接続部４の
内側面には、水分を吸収して膨張する膨張体５を一体成
形している。
【００１２】膨張体５は、不織布と高吸水性樹脂と熱可
塑性樹脂との混合物で構成する。成形時には高温になる
ので、上記不織布には耐熱性の良好なもの、例えばポリ
エチレンテレフタレート（ＰＥＴ）等の繊維を用いる。
また高吸水性樹脂は、繊維状のものを用いる。高吸水性
樹脂は膨張体を膨張させる役目を有するので、繊維状の
ものを使用して不織布に混合させるのが好ましい。シー
ト状の高吸水性樹脂を用いる場合には、不織布で挟んで
サンドイッチ構造にするとよい。上記熱可塑性樹脂は、
成形時に溶ける性質の材料で形成し、例えば繊維として
適宜割合混入しておく。不織布と高吸水性樹脂と熱可塑
性樹脂との混合割合は、例えば不織布と高吸水性樹脂と
をおよそ５：５から５：３程度に設定し、熱可塑性樹脂
は僅かでよい。
【００１３】管継手１の製造に当たっては、シート状に
形成した上記膨張体５を型（図示せず）の所定部位に巻
き付け、この上に、成形材料たるゴムが不織布からなる
膨張体５へ浸透するのを抑制するシート材６を巻き付け
てから成形を行う。上記シート材６としては、例えば綿
布を用い、片面に粘着剤７、例えばゴム糊を塗布してお
き、膨張体５との一体化を図るようにする。
【００１４】成形を行うと、上記シート材６は図２に示
したように、緩衝材となってゴムが不織布からなる膨張
体５に浸透するのを抑制するとともに、成形時に掛かる
圧力を緩和して膨張体５の層を確保する。また、膨張体
５内の熱可塑性樹脂が溶けることによって、成形材料と
の一体性が高まるとともに、ねじ山を有するような形態
であってもその形状に沿った形に安定する。このため接
続部への差込み性を確保できて、均一な膨張が可能とな
って確実な防水性を得られる。
【００１５】このように構成した管継手１は、合成樹脂
波付き管２を接続部４にねじ込んで接続するだけでよ
い。地中に埋設すれば、地中の水分を含んで図３に示し
たように膨張体５が膨張し、防水性が得られる。他方の
接続部８には、合成樹脂管３を差し込んで、バンド９で
締め付けて防水性を得る。
【００１６】図４は、合成樹脂製の管継手１で、合成樹
脂波付き管２，２同士を接続するため、内周面にらせん
状の突条を有する筒状に形成している。そしてこの管継
手１における両側の接続部４の管体２との対向面たる内
周面全体に、前述のような膨張体５を一体成形してい
る。
【００１７】なお以上の一例では、管継手１として、合
成樹脂波付き管２を接続する接続部４に膨張体５を一体
成形する場合を示したが、突条のない管体を接続する接
続部に、膨張体５を一体形成するもよい。また管継手１
は、管体を内側に差し込む場合のみではなく、外側に差
し込む構造の管継手であるもよく、この場合には接続部
の外側面が特許請求の範囲における対向面となる。
【００１８】このように接続作業は接続部に管体をねじ
込むなどして差し込むだけでよいので極簡単である。し
かも膨張体が膨らんで管体の外周面に圧接するので、テ
ープを巻いたりネジを締め付けたりするような力をかけ
ずとも自動的に高い防水性が得られる。
【００１９】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、管体の
連結は、単にねじ込んだり、差し込んだりするだけの簡
単な作業で行えるので、従来のように何種類ものテープ
を巻きつけたりする煩雑な作業は不要で、簡易迅速な接
続作業が期待できる。
【００２０】しかも、水分を含むと膨張体が膨張して大
きくなるので、確実に気密状態を得られるとともに、膨
張は自動的に行われるので、締付けのために何ら力を要
することもなく極簡単である。
【００２１】該膨張体と管継手本体の成形材料との間に
成形材料が膨張体へ浸透するのを抑制するシート材を介
装することにより、成形時に成形材料が膨張体に浸透し
てしまうのを抑制し、膨張体を適宜保護する。このた
め、膨張体の高吸水性樹脂が膨潤できるような層構造を
確保した状態で一体化できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 管継手の断面図。
【図２】 図１におけるＡ部分の拡大図。
【図３】 使用状態の部分断面図。
【図４】 他の例に係る管継手の使用状態の断面図。
【図５】 従来技術の部分断面図。
【符号の説明】
１…管継手 ２…合成樹脂波付き管 ３…合成樹脂管 ４…接続部 ５…膨張体 ６…シート材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F16L 21/02 F16L 33/00 F16L 33/28 H02G 3/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】管体の端部を差し込んで接続する接続部を
    有した合成樹脂製またはゴム製の管継手であって、 上記接続部における管体との対向面に、繊維状の高吸水
    性樹脂を有する不織布からなり水分を吸収して膨張する
    膨張体を、該膨張体と管継手本体の成形材料との間に成
    形材料が膨張体へ浸透するのを抑制するシート材を介装
    して一体成形した管継手。
  2. 【請求項２】前記シート材の膨張体との接触面に接着剤
    を塗布して形成した請求項１に記載の管継手。
  3. 【請求項３】前記シート材を、通気性を有する布で形成
    した請求項１または請求項２に記載の管継手。
  4. 【請求項４】前記シート材を成形時に溶けて成形材料と
    一体化する非通気性のフィルムで形成した請求項１また
    は２に記載の管継手。
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