JP3478027B2 - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸気制御装置

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JP3478027B2
JP3478027B2 JP30064096A JP30064096A JP3478027B2 JP 3478027 B2 JP3478027 B2 JP 3478027B2 JP 30064096 A JP30064096 A JP 30064096A JP 30064096 A JP30064096 A JP 30064096A JP 3478027 B2 JP3478027 B2 JP 3478027B2
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intake
control valve
valve
engine
internal combustion
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Toyota Motor Corp
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気通
路に設けられた吸気制御弁を、同機関の運転状態に応じ
て開閉制御する内燃機関の吸気制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、車載用エンジン等の内燃機関
は、そのシリンダブロック内にピストンが往復移動可能
に設けられ、ピストンはコンロッドを介して内燃機関の
クランクシャフトに連結されている。そして、ピストン
の往復移動は、コンロッドによりクランクシャフトの回
転へと変換されるようになっている。
【0003】一方、シリンダブロックにはシリンダヘッ
ドが取り付けられ、シリンダヘッドとピストンの頭部と
の間には燃焼室が設けられている。シリンダヘッドには
燃焼室と連通する吸気通路及び排気通路が設けられてい
る。この吸気通路には同通路を流れる空気の量を制御す
るスロットルバルブと、吸気通路から燃焼室内へ向かっ
て燃料を噴射する燃料噴射弁とが設けられている。又、
シリンダヘッドには、燃焼室内の混合ガスに点火するた
めの点火プラグが設けられている。
【0004】そして、内燃機関の吸気行程においては、
吸気通路を介して燃焼室へ空気が吸入されるとともに、
燃料噴射弁から燃焼室へ向かって燃料が噴射され、その
空気と燃料とからなる混合ガスが燃焼室に充填される。
その後、内燃機関の圧縮行程において、ピストンの移動
により燃焼室内の混合ガスが圧縮される。圧縮された混
合ガスは点火プラグにより点火されて爆発し、その爆発
力によりピストンが前記と逆方向に移動して内燃機関は
爆発行程に移る。その後、内燃機関の排気行程におい
て、ピストンの移動により燃焼室内の排気ガスが排気通
路を介して外部へ排出される。
【0005】ところで、このように構成された内燃機関
においては、例えば特許開平8−109837号公報に
記載の吸気制御装置を用いることで、同機関のポンピン
グロスを低減するとともに、出力の増大やエミッション
の低減を図ることができるようになる。
【0006】この吸気制御装置では、図8に示すよう
に、燃焼室81に接続されたインテークマニホールド8
2の内部が吸気通路83となっている。吸気通路83に
おいて、スロットルバルブ84よりも下流側にはサージ
タンク85が設けられ、そのサージタンク85の下流側
には吸気制御弁86が設けられている。この吸気制御弁
86は、ロッド87を介してアクチュエータ88に連結
されている。そして、アクチュエータ88を駆動する
と、ロッド87がその軸線方向へ進退して吸気制御弁8
6の開閉が行われ、吸気通路83の空気流通面積が変更
されるようになっている。
【0007】こうした内燃機関の吸気制御装置にあって
は、例えば内燃機関の始動時には、吸気制御弁86が閉
じるようにアクチュエータ88の駆動制御が行われる。
吸気制御弁86が閉じた状態での内燃機関の始動時に
は、吸気通路83において吸気制御弁86よりも下流側
の空気のみが燃焼室81へ吸入されることとなる。これ
によりインジェクタ噴口部の空気流速が上昇し、燃料の
微粒化が促進される。従って、内燃機関の始動時におい
て多量の未燃HCが排出されるのを防止し、エミッショ
ンの低減を図ることができるようになる。
【0008】又、内燃機関の始動が完了した後には、吸
気制御弁86が開くようにアクチュエータ88の駆動制
御が行われることで、吸気通路83の空気流通面積が大
きくなり、内燃機関の良好な運転に必要となる吸入空気
量を確保することができるようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記吸気制
御装置では、インテークマニホールド82において、上
記吸気制御弁86の支持部や同制御弁86と摺接する部
分に塵埃等が溜まり易くなる。そして、その塵埃等によ
り吸気制御弁86の開閉が良好に行われなくなって、同
制御弁86が開弁状態や閉弁状態に固定されてしまうこ
とがある。このようないわゆる固着が起こった場合に
は、吸気制御弁86が本来は閉じているべきときに開い
ていたり、本来は閉じているべきときに開いていたりす
ることとなる。
【0010】ここで、吸気制御弁86が本来開いている
べきときに閉じている場合、吸気通路83の空気流通面
積が本来よりも小さくなるため、燃焼室81へ吸入され
る空気の渦が大きくなるとともに、燃焼室81へ吸入さ
れる空気の量が少なくなる。燃焼室81へ吸入される空
気の渦が大きくなると、その燃焼室81に充填された混
合ガスに点火を行なったときの同混合ガスの燃焼速度が
速くなる。このように混合ガスの燃焼速度が速くなる
と、最適な点火時期よりも早い時期に混合ガスへの点火
が行われることとなるため、内燃機関にノッキングが発
生してしまう。又、燃焼室81へ吸入される空気の量が
本来よりも少なくなると、燃焼室81へ充填された混合
ガスが濃密になってドライバビリティやエミッションの
悪化に繋がる。
【0011】一方、吸気制御弁86が本来閉じているべ
きときに開いている場合、吸気通路83の空気流通面積
が本来よりも大きくなるため、燃焼室81へ吸入される
空気の渦が小さくなるとともに、燃焼室81へ吸入され
る空気の量が多くなる。燃焼室81へ吸入される空気の
渦が小さくなると、その燃焼室81へ充填された混合ガ
スに点火を行なったときの同混合ガスの燃焼速度が遅く
なる。このように混合ガスの燃焼速度が遅くなると、最
適な点火時期よりも遅い時期に混合ガスへの点火が行わ
れることになる。又、燃焼室81へ吸入される空気の量
が本来よりも多くなると、燃焼室81へ充填された混合
ガスが希薄になる。その結果、この場合においても、ド
ライバビリティやエミッションが悪化することとなる。
【0012】以上のように、吸気制御弁86を備えて吸
気制御を行うシステムにあっては、吸気制御弁86の開
閉状態が機関の意図する制御状態にそぐわないものとな
る場合に、ドライバビリティやエミッションの悪化を招
くこととなっている。
【0013】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、吸気制御弁の開閉異常の有
無を好適に診断することのできる内燃機関の吸気制御装
置を提供することにある。
【0014】又、本発明の別の目的は、こうした吸気制
御弁の異常診断に基づいて同機関の運転を好適にフェイ
ルセーフすることのできる内燃機関の吸気制御装置を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1記載の発明では、特に、吸気通路内の吸気
量若しくは吸気圧に対応した吸気情報を検出する吸気情
報検出手段と、吸気制御弁を所定開度に制御したときの
理論上の吸気情報相当値を演算する理論値演算手段と、
前記理論値演算手段によって演算された吸気情報相当値
と前記吸気情報検出手段によって検出された吸気情報と
の比較に基づき、前記吸気制御弁の異常の有無を診断す
る診断手段と、前記診断手段が前記吸気制御弁の異常を
診断したとき、前記吸気情報検出手段によって検出され
る吸気情報に基づき、内燃機関の運転をフェイルセーフ
制御するフェイルセーフ手段とを備え、前記フェイルセ
ーフ手段は、前記診断手段が前記吸気制御弁の閉制御異
常を診断したとき、内燃機関の点火時期を正常時よりも
進角側に制御し、前記診断手段が前記吸気制御弁の開制
御異常を診断したとき、同機関の点火時期を正常時より
も遅角側に制御するものであることを要旨とした。
【0016】同構成によれば、吸気制御弁を所定開度と
なるように開閉制御したとき、同吸気制御弁に開閉状態
の異常が発生すると、その開閉制御に基づく理論上の吸
気情報相当値が、実際の吸気情報と異なる値になる。そ
して、診断手段は、理論上の吸気情報相当値と実際の吸
気情報との比較に基づき、吸気制御弁の異常を診断す
る。吸気制御弁が本来閉じているべきときに開いている
と、診断手段は吸気制御弁の閉制御異常を診断する。こ
のとき、内燃機関の点火時期は適切な時期よりも遅らさ
れた状態になる。この状態で、フェイルセーフ手段は内
燃機関の点火時期を進角側に制御するため、同機関の運
転状態が悪化しないように保持される。又、吸気制御弁
が本来開いているべきときに閉じていると、診断手段は
吸気制御弁の開異常を診断する。このとき、内燃機関の
点火時期は適切な時期よりも早められた状態になる。こ
の状態で、フェイルセーフ手段は内燃機関の点火時期を
遅角側に制御するため、同機関の運転状態が悪化しない
ように保持される。
【0017】
【0018】
【0019】請求項記載の発明では、前記フェイルセ
ーフ手段は、前記診断手段が前記吸気制御弁の閉制御異
常を診断したとき、内燃機関に供給する燃料噴射量を正
常時よりも増量側に、且つ同機関の点火時期を正常時よ
りも進角側に制御し、前記診断手段が前記吸気制御弁の
開制御異常を診断したとき、同機関に供給する燃料噴射
量を正常時よりも減量側に、且つ同機関の点火時期を正
常時よりも遅角側に制御するものとした。
【0020】同構成によれば、吸気制御弁が本来閉じて
いるべきときに開いていると、診断手段は吸気制御弁の
閉制御異常を診断する。このとき、内燃機関の吸入空気
量は正常時よりも多くなるとともに、同機関の点火時期
は適切な時期よりも遅らされた状態になる。この状態
で、フェイルセーフ手段は内燃機関の燃料噴射量を正常
時よりも増量側に、且つ同機関の点火時期を進角側に制
御するため、同機関の運転状態が悪化しないように保持
される。又、吸気制御弁が本来開いているべきときに閉
じていると、診断手段は吸気制御弁の開異常を診断す
る。このとき、内燃機関の吸入空気量は正常時よりも少
なくなるとともに、同機関の点火時期は適切な時期より
も早められた状態になる。この状態で、フェイルセーフ
手段は内燃機関の燃料噴射量を正常時よりも減量側に、
且つ同機関の点火時期を遅角側に制御するため、同機関
の運転状態が悪化しないように保持される。
【0021】請求項記載の発明では、前記内燃機関は
前記吸気制御弁の開弁時に開弁時用マップに基づき運転
制御されるとともに、前記吸気制御弁の閉弁時に閉弁時
用マップに基づき運転制御されるものであり、前記フェ
イルセーフ手段は前記診断手段が前記吸気制御弁の異常
を診断したとき、前記内燃機関を運転制御するためのマ
ップを前記閉弁時用マップから前記開弁時用マップへと
切り換えるか、若しくは前記開弁時用マップから前記閉
弁時用マップへと切り換えるものとした。
【0022】同構成によれば、吸気制御弁が本来開いて
いるべきときに閉じていたり、本来閉じているべきとき
に開いていたりして同吸気制御弁の異常が発生すると、
フェイルセーフ手段は内燃機関を運転制御するためのマ
ップを、開弁時用マップから閉弁時用マップへと切り換
えるか、若しくは閉弁時用マップから開弁時用マップへ
と切り換える。その結果、内燃機関の運転状態悪化が防
止され、フェイルセーフが行われることとなる。
【0023】請求項記載の発明では、前記内燃機関は
前記吸気制御弁の開度に対応して用意された複数のマッ
プの内のいずれかに基づき運転制御されるものであり、
前記フェイルセーフ手段は前記診断手段が前記吸気制御
弁の異常を診断したとき、前記吸気情報検出手段によっ
て検出された吸気情報に対応するマップを選択して内燃
機関の運転制御用のマップにするものとした。
【0024】同構成によれば、吸気制御弁が所定開度で
固着されることにより開閉状態の異常が発生した場合で
も、その吸気制御弁の開度に合ったマップが選択されて
同マップに基づき内燃機関の運転がフェイルセーフ制御
される。従って、吸気制御弁に開閉状態の異常が発生し
ても、その異常時における吸気制御弁の実際の開度に合
わせて内燃機関の運転がフェイルセーフ制御されるた
め、その内燃機関を好適な運転状態に保持することがで
きるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図7に従って説明する。図1に示すよう
に、エンジン11のシリンダブロック11aにはピスト
ン12が往復移動可能に設けられ、ピストン12はコン
ロッド13を介してエンジンの出力軸であるクランクシ
ャフト14に連結されている。ピストン12の往復移動
は、このコンロッド13によりクランクシャフト14の
回転へと変換されるようになっている。シリンダブロッ
ク11aの上端にはシリンダヘッド15が設けられてい
る。又、シリンダヘッド15とピストン12との間には
燃焼室16が設けられ、シリンダヘッド15には燃焼室
16と連通する吸気ポート17及び排気ポート18が設
けられている。それら吸気ポート17及び排気ポート1
8には、それぞれ吸気バルブ19及び排気バルブ20が
設けられている。
【0026】シリンダヘッド15には、吸気バルブ19
及び排気バルブ20を開閉駆動するための吸気カムシャ
フト21及び排気カムシャフト22が回転可能に支持さ
れている。これら吸気及び排気カムシャフト21,22
はタイミングベルトを介してクランクシャフト14に連
結され、同ベルトによりクランクシャフト14の回転が
吸気及び排気カムシャフト21,22へ伝達されるよう
になっている。そして、吸気カムシャフト21が回転す
ると、吸気バルブ19が開閉駆動されて、吸気ポート1
7と燃焼室16とが連通/遮断される。又、排気カムシ
ャフト22が回転すると、排気バルブ20が開閉駆動さ
れて、排気ポート18と燃焼室16とが連通/遮断され
るようになっている。
【0027】吸気ポート17及び排気ポート18には、
それぞれインテークマニホールド30及びエキゾースト
マニホールド31が接続されている。このインテークマ
ニホールド30内及び吸気ポート17内は吸気通路32
となっており、エキゾーストマニホールド31内及び排
気ポート18内は排気通路33となっている。インテー
クマニホールド30の上流部には、スロットルバルブ3
5が設けられている。スロットルバルブ35の開度は自
動車のアクセル操作に基づき調節され、このスロットル
バルブ35の開度調節により燃焼室16内へ吸入される
空気の量が調節されるようになっている。
【0028】又、インテークマニホールド30には、ス
ロットルバルブ35の開度を検出するためのスロットル
センサ36と、スロットルバルブ35よりも下流側に位
置する吸気通路32内の圧力を検出するための吸気圧セ
ンサ37とが設けられている。更に、インテークマニホ
ールド30における燃焼室16側の端部には、燃焼室1
6内へ向かって燃料を噴射するための燃料噴射弁38が
設けられている。この燃料噴射弁38は、空気が吸気通
路32を通って燃焼室16へ吸入されるとき、燃焼室1
6へ向けて燃料を噴射し、燃料及び空気からなる混合ガ
スを形成するようになっている。
【0029】一方、シリンダヘッド15には、点火プラ
グ39aが設けられている。そして、その点火プラグ3
9aにより燃焼室16内に充填された混合ガスに対して
点火が行われると、混合ガスは爆発して排気ガスになり
排気通路33へ送り出されるようになっている。点火プ
ラグ39aは、エンジン11に設けられたディストリビ
ュータ39を介して、イグナイタ40に接続されてい
る。このイグナイタ40はディストリビュータ39を介
して点火プラグ39aへ高電圧を印加するようになって
おり、点火プラグ39aの点火時期はイグナイタ40が
出力する高電圧の出力タイミングによって決定される。
又、ディストリビュータ39には、エンジン11の回転
に連動して回転する図示しないロータと、そのロータの
回転からエンジン11の回転数を検出する回転数センサ
41とが設けられている。
【0030】次に、吸気通路32においてスロットルバ
ルブ35と燃料噴射弁38との間に設けられた吸気制御
弁51、及び、その吸気制御弁51を開閉駆動するため
のアクチュエータ52について詳しく説明する。
【0031】アクチュエータ52内はダイヤフラム52
aによって大気室53と負圧室54とに区画され、ダイ
ヤフラム52aはインテークマニホールド30を貫通す
るロッド55を介して吸気制御弁51に連結されてい
る。アクチュエータ52の大気室53内は外部と連通し
て大気圧に保持され、負圧室54は電磁弁56,57を
介して吸気通路32のスロットルバルブ35よりも下流
側に接続されている。それら電磁弁56,57は、負圧
室54を吸気通路32に連通させたり、大気(外気)に
連通させたりするように切り換えられる。
【0032】そして、エンジン11の運転中に、電磁弁
56,57により負圧室54と吸気通路32とが連通す
ると、負圧室54内の空気が吸気通路32へ吸い込ま
れ、ダイヤフラム52aが負圧室54内に設けられたコ
イルスプリング58に抗して、ロッド55を引っ張る側
へ変位する。その結果、吸気制御弁51が開き、吸気通
路32から燃焼室16へ供給される空気の量が多くな
る。又、電磁弁56,57により負圧室54内が外気と
連通して大気圧になると、ダイヤフラム52aの位置が
コイルスプリング58の付勢力によりロッド55を押し
上げるように元の位置へ戻される。その結果、吸気制御
弁51が閉じられ、吸気通路32から燃焼室16へ供給
される空気の量が少なくなる。
【0033】こうした吸気制御弁51の開閉は、例えば
エンジン11の始動時及び始動完了時に行われる。即
ち、エンジン11の始動時には、燃焼室16へ吸入され
る空気の量を少なくして、多量の未燃HC等がエンジン
11から排出されるのを防止するために吸気制御弁51
が閉じられる。又、エンジン11の始動完了時には、そ
のエンジン11の良好な運転に必要となる吸入空気量を
確保するために吸気制御弁51が所定開度開かれること
となる。
【0034】次に、本実施形態における吸気制御装置の
電気的構成を説明する。この吸気制御装置にあっては、
上記電磁弁56,57の制御をはじめ、エンジン11の
運転にかかる燃料噴射量や点火時期等が、電子制御ユニ
ット(以下「ECU」という)61によって統括的に制
御される。このECU61は、図2に示すようにROM
62、CPU63、RAM64及びバックアップRAM
65等を備える論理演算回路として構成されている。
【0035】ここで、ROM62は各種制御プログラム
や、その各種制御プログラムを実行する際に参照される
マップ等が記憶されるメモリであり、CPU63はRO
M62に記憶された各種制御プログラムやマップに基づ
いて演算処理を実行する。又、RAM64はCPU63
での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時
的に記憶するメモリであり、バックアップRAM65は
エンジン11の停止時に保存すべきデータを記憶する不
揮発性のメモリである。そして、ROM62、CPU6
3、RAM64及びバックアップRAM65は、バス6
6を介して互いに接続されるとともに、入力インターフ
ェース67及び出力インターフェース68と接続されて
いる。
【0036】入力インターフェース67には前記回転数
センサ41、吸気圧センサ37及びスロットルセンサ3
6が接続され、出力インターフェース68には前記イグ
ナイタ40、燃料噴射弁38及び電磁弁56,57が接
続されている。
【0037】次に、図3を参照しながら、このように構
成されたECU61を通じて実行される上記吸気制御弁
51の開閉制御について説明する。ECU61は回転数
センサ41からの検出信号を読み込んでエンジン11の
回転数neを求めるとともに、エンジン11の負荷とし
て例えば吸気圧センサ37の検出値を読み込む。そし
て、ECU61は、これらエンジン11の回転数ne及
び負荷と、ROM62に記憶された例えば図3に示す吸
気制御弁開閉マップとに基づき、上記吸気制御弁51の
開閉態様を制御する。
【0038】即ち、エンジン11の運転状態が図中に示
される領域A内にある場合、ECU61は電磁弁56,
57を切換制御することにより、吸気制御弁51が閉じ
るようにアクチュエータ52を駆動する。一方、エンジ
ン11の運転状態が図中に示される領域B内にある場
合、ECU61は電磁弁56,57を切換制御すること
により、吸気制御弁51が所定開度(例えば半閉)とな
るようにアクチュエータ52を駆動する。又、エンジン
11の運転状態が図中に示される領域C内にある場合、
ECU61は電磁弁56,57を切換制御することによ
り、吸気制御弁51が全開となるようにアクチュエータ
52を駆動する。
【0039】ECU61は、吸気制御弁51を全開にす
るための制御信号を出力している場合にバルブ開閉フラ
グXVとして「1」をRAM64にセットし、吸気制御弁
51を半閉とするための制御信号を出力している場合に
同バルブ開閉フラグXVとして「0」をRAM64にセッ
トする。即ち、バルブ開閉フラグXVは、エンジン11
の運転状態が図3の領域B,C内にある場合について示
している。
【0040】こうした吸気制御弁51の開閉制御によれ
ば、エンジン回転数neが回転数N0 (例えば1000
rpm)以下のときには、吸気制御弁51が閉じた状態
に制御されるため、エンジン11の始動時には未燃HC
の排出量低減を図ることができるようになる。又、エン
ジン回転数neが同回転数N0 よりも高いときには、吸
気制御弁51が開いた状態に制御されるため、エンジン
11の始動完了時及びエンジン11が回転数N1以上の
時には同エンジン11の良好な運転に必要な吸入空気量
を確保することができるようになる。
【0041】次に、図4及び図5を参照して、ECU6
1を通じて実行される点火時期制御及び燃料噴射制御に
ついて説明する。上記バルブ開閉フラグXVが「1」にセ
ットされている場合(吸気制御弁51を「全開」制
御)、ECU61はROM62に記憶された例えば図4
(a)の開弁時用点火時期マップにて示す特性と、例え
ば図5(a)の開弁時用燃料噴射マップにて示す特性と
に基づいて、エンジン11のそれぞれ点火時期及び燃料
噴射量を制御する。即ち、これら開弁時用点火時期マッ
プ及び開弁時用燃料噴射量マップは共に、エンジン回転
数neをパラメータとするマップであり、ECU61は
回転数センサ41からの検出信号に基づき求めたエンジ
ン回転数neの変化に対応して、イグナイタ40を駆動
することにより、図4(a)に示される態様で点火時期
を制御する。又、ECU61は、同求めたエンジン回転
数neの変化に対応して、燃料噴射弁38を駆動するこ
とにより、図5(a)に示される態様で燃料噴射量を制
御する。このように点火時期及び燃料噴射量を調整する
ことにより、吸気制御弁51の全開時におけるエンジン
11の運転状態を良好に保つことができるようになる。
【0042】一方、上記バルブ開閉フラグXVが「0」に
セットされている場合(吸気制御弁51を「半閉」制
御)、ECU61はROM62に記憶された例えば図4
(b)の閉弁時用点火時期マップにて示す特性と、例え
ば図5(b)の閉弁時用燃料噴射量マップにて示す特性
とに基づいて、エンジン11のそれぞれ点火時期及び燃
料噴射量を制御する。即ちこの場合、ECU61は、回
転数センサ41からの検出信号に基づき求めたエンジン
回転数neの変化に対応して、イグナイタ40を制御す
ることにより、図4(b)に示される態様で点火時期を
制御する。又、ECU61は、同求めたエンジン回転数
neの変化に対応して、燃料噴射弁38を制御すること
により、図5(b)に示される態様で燃料噴射量を制御
する。このように点火時期及び燃料噴射量を調整するこ
とにより、吸気制御弁51の半閉時におけるエンジン1
1の運転状態を良好に保つことができるようになる。
【0043】次に、本実施形態の吸気制御装置による上
記吸気制御弁51の異常診断、並びに同診断に基づくフ
ェイルセーフ動作にかかる処理態様を図6のフローチャ
ートを参照して説明する。これら診断、並びにフェイル
セーフにかかる処理も、上記各制御と同様にECU61
を通じて行われる。
【0044】同図に示される処理ルーチンにおいて、E
CU61は、ステップS101の処理として、回転数セ
ンサ41、吸気圧センサ37及びスロットルセンサ36
からの各検出値、即ちエンジン回転数ne、吸気通路3
2のスロットルバルブ35下流の吸気圧PM及びスロッ
トル開度TAをそれぞれ読み込む。尚、上記吸気圧PM
は通常、エンジン11の吸気量に対応した値となってい
る。
【0045】その後、ステップS102へ進み、ECU
61は、読み込んだ(求めた)エンジン回転数neが前
述した回転数N1(図3)よりも高いか否かを判定す
る。そして、エンジン回転数neは同回転数N1以下で
あるとECU61が判定した場合にはステップS103
へ進む。上述のようにエンジン回転数neが回転数N1
以下である場合には、吸気制御弁51が所定開度閉じら
て半閉にされるとともに、図4(b)の閉弁時用点火時
期マップで示す特性、及び、図5(b)の閉弁時用燃料
噴射量マップで示す特性に基づきエンジン11の点火時
期及び燃料噴射量が制御されることとなる。
【0046】尚、ステップS103以降は吸気制御弁5
1の開異常(半閉制御異常)を診断するルーチンを示
し、ステップS109以降は吸気制御弁51の閉異常
(全開制御異常)を診断するルーチン示すものである。
【0047】ECU61は、このステップS103の処
理として、上記エンジン回転数neが回転数N0 よりも
高いか否かを更に判定する。エンジン回転数neが回転
数N0 よりも小さい場合には、吸気制御弁51の開閉に
よる吸気通路32の圧力差が小さいため、吸気制御弁5
1の開異常(半閉制御異常)を診断しにくくなる。従っ
て、ステップS103の判定により、エンジン11が吸
気制御弁51の開異常(半閉制御異常)を診断可能な運
転状態にあるかどうか、即ちエンジン11の運転状態が
図3の領域C内にあるかどうかを検知することができ
る。
【0048】そして、ステップS103においてエンジ
ン回転数neが回転数N0 以下であるとECU61が判
定した場合、ECU61はこの処理ルーチンを一旦終了
させる。又、エンジン回転数neが回転数NO よりも大
きいとECU61が判定した場合、エンジン11が吸気
制御弁51の開異常(半閉制御異常)を診断可能な運転
状態にあるため、ステップS104へ進む。
【0049】ECU61は、ステップS104の処理と
して、バルブ開閉フラグXVが「0」にセットされている
か否かを判定する。この判定により吸気吸気制御弁51
を半閉にするよう指示する制御信号が出力されているか
否かを検知することができる。そして、ステップS10
4においてバルブ開閉フラグXVが「0」にセットされて
いないとECU61が判定した場合、即ち吸気制御弁5
1を半閉にするよう指示する制御信号が出力されていな
い場合、ECU61はこの処理ルーチンを一旦終了させ
る。又、バルブ開閉フラグXVが「0」にセットされてい
るとECU61が判定した場合、即ち吸気制御弁51を
半閉にするよう指示する制御信号が出力されている場合
には、ステップS105へ進む。
【0050】ECU61は、ステップS105の処理と
して、エンジン回転数ne及びスロットル開度TAに基
づき、吸気制御弁51を半閉制御しているときの吸気通
路32内における理論上の吸気圧PMaを演算する。そ
の後、ステップS106へ進み、ECU61は、吸気通
路32内における実際の吸気圧PMが、上記理論上の吸
気圧PMaから余裕代βを減算した値(「PMa−
β」)よりも小さいか否かを判定する。尚、余裕代βは
吸気圧センサ37の検出誤差による吸気圧PMのばらつ
き等を考慮した値となっている。
【0051】そして、「PM<PMa−β」でないとE
CU61が判定した場合、即ち実際の吸気圧PMが図7
(a)の破線L1よりも上側に位置している場合、EC
U61は吸気制御弁51が正常な状態にある旨判断し
て、この処理ルーチンを一旦終了させる。又、「PM<
PMa−β」であるとECU61が判定した場合、即ち
実際の吸気圧PMが破線L1よりも下側に位置している
場合にはステップS107へ進み、ECU61は本来半
閉となっているべき吸気制御弁51が例えば全開状態と
なるバルブ開異常(半閉制御異常)が発生したと診断す
る。尚、このようなバルブ開異常(半閉制御異常)は、
例えば吸気制御弁51自身やアクチュエータ52のロッ
ド55が固着するなどして、同吸気制御弁51が例えば
全開状態に固定されたときに発生する。
【0052】吸気制御弁51のバルブ開異常(半閉制御
異常)が診断されると、ステップS108へ移行する。
このステップS108で、ECU61は図4(b)の閉
弁時用点火時期マップで示す特性に基づきエンジン11
の点火時期を制御するのに代えて、図4(a)の開弁時
用点火時期マップで示す特性に基づきエンジン11の点
火時期を制御するようになる。その結果、エンジン11
の点火時期は、正常時よりも進角側へ制御され、吸気制
御弁51が全開状態に固定されたときの吸入空気量に適
した状態となる。
【0053】又、ECU61は図5(b)の閉弁時用燃
料噴射マップで示す特性に基づきエンジン11の燃料噴
射量を制御するのに代えて、図5(a)の開弁時用燃料
噴射量マップで示す特性に基づきエンジン11の燃料噴
射量を制御するようになる。その結果、エンジン11の
燃料噴射量は、正常時よりも増量側へ制御され、吸気制
御弁51が全開状態に固定されたときの吸入空気量に適
した値となる。
【0054】上記のようにエンジン11の点火時期及び
燃料噴射量を制御することにより、エンジン11の最大
パワーは使えないものの、同エンジン11を支障なく運
転できる状態には保持することができるようになる。
【0055】一方、上記ステップS102におけるエン
ジン回転数neが回転数N1よりも高いか否かの判定
で、エンジン回転数neが回転数N1より高いとECU
61が判定した場合、即ちエンジン11の運転状態が図
3の領域B内にある場合には、ステップS109へ進
む。上述のようにエンジン回転数neが回転数N1より
高い場合には、吸気制御弁51が全開にされるととも
に、図4(a)の開弁時用点火時期マップで示す特性、
及び、図5(a)の開弁時用燃料噴射量マップで示す特
性に基づきエンジン11の点火時期及び燃料噴射量が制
御されることとなる。尚、ステップS109以降は、吸
気制御弁51の閉異常(全開制御異常)を診断するルー
チンである。
【0056】ECU61は、このステップS109の処
理として、バルブ開閉フラグXVが「1」にセットされて
いるか否かを判定する。この判定により吸気吸気制御弁
51を全開にするよう指示する制御信号が出力されてい
るか否かを検知することができる。そして、ステップS
109においてバルブ開閉フラグXVが「1」にセットさ
れていないとECU61が判定した場合、即ち吸気制御
弁51を全開にするよう指示する制御信号が出力されて
いない場合、ECU61はこの処理ルーチンを一旦終了
させる。又、バルブ開閉フラグXVが「1」にセットされ
ているとECU61が判定した場合、即ち吸気制御弁5
1を全開にするよう指示する制御信号が出力されている
場合には、ステップS110へ進む。
【0057】ECU61は、ステップS110の処理と
して、エンジン回転数ne及びスロットル開度TAに基
づき、吸気制御弁51を開制御しているときの吸気通路
32内における理論上の吸気圧PMaを演算する。その
後、ステップS111へ進み、ECU61は、吸気通路
32内における実際の吸気圧PMが、理論上の吸気圧P
Maに余裕代αを加算した値(「PM+α」)よりも大
きいか否かを判定する。尚、余裕代αは吸気圧センサ3
7の検出誤差による吸気圧PMのばらつき等を考慮した
値となっている。
【0058】そして、「PM>PMa+α」でないとE
CU61が判定した場合、即ち実際の吸気圧PMが図7
(b)の破線L2よりも下側に位置している場合、EC
U61は吸気制御弁51が正常な状態にある旨判断し
て、この処理ルーチンを一旦終了させる。又、「PM>
PMa+α」であるとECU61が判定した場合、即ち
実際の吸気圧PMが破線L2よりも上側に位置している
場合にはステップS112へ進み、ECU61は本来全
開となっているべき吸気制御弁51が例えば半閉状態と
なるバルブ閉異常(全開制御異常)が発生したと診断す
る。尚、このようなバルブ閉異常(全開制御異常)は、
例えば吸気制御弁51自身やアクチュエータ52のロッ
ド55が固着するなどして、同吸気制御弁51が例えば
半閉状態に固定されたときに発生する。
【0059】吸気制御弁51のバルブ閉異常(全開制御
異常)が診断されると、ステップS113へ移行する。
このステップS113で、ECU61は図4(a)の開
弁時用点火時期マップで示す特性に基づきエンジン11
の点火時期を制御するのに代えて、図4(b)の閉弁時
用点火時期マップで示す特性に基づきエンジン11の点
火時期を制御するようになる。その結果、エンジン11
の点火時期は、正常時よりも遅角側へ制御され、吸気制
御弁51が半閉状態に固定されたときの吸入空気量に適
した状態となる。
【0060】又、ECU61は図5(a)の開弁時用燃
料噴射マップで示す特性に基づきエンジン11の燃料噴
射量を制御するのに代えて、図5(b)の閉弁時用燃料
噴射量マップで示す特性に基づきエンジン11の燃料噴
射量を制御するようになる。その結果、エンジン11の
燃料噴射量は、正常時よりも減量側へ制御され、吸気制
御弁51が閉弁状態に固定されたときの吸入空気量に適
した値となる。
【0061】上記のようにエンジン11の点火時期及び
燃料噴射量を制御することにより、エンジン11の最大
パワーは使えないものの、同エンジン11を支障なく運
転できる状態には保持することができるようになる。
【0062】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、下記(a)〜(e)に示す効果が得られるようにな
る。 (a)吸気制御弁51に開閉状態の異常が発生すると、
吸気通路32内における理論上の吸気圧PMaと、吸気
通路32内における実際の吸気圧PMとが異なる値にな
る。そのため、理論上の吸気圧PMと実際の吸気圧PM
aとを比較することにより、吸気制御弁51における開
閉異常の有無を好適に診断することができる。
【0063】(b)吸気制御弁51における開閉状態の
異常が診断されると、エンジン11の運転状態が悪化し
ないように同エンジン11における点火時期及び燃料噴
射量の制御が行われる。従って、吸気制御弁51に開閉
状態の異常が発生した場合において、エンジン11の最
大パワーは使えないものの、同エンジン11を支障なく
運転できる状態には保持することができる。
【0064】(c)吸気制御弁51の閉異常(全開制御
異常)が診断されると、エンジン11の吸入空気量は正
常時よりも少なくなるとともに、エンジン11の点火時
期は適切な時期よりも早められた状態になる。この状態
で、ECU61はエンジン11の燃料噴射量を正常時よ
りも減量側に、且つエンジン11の点火時期を遅角側に
制御するため、エンジン11の運転状態が悪化しないよ
うに保持される。又、吸気制御弁51の開異常(半閉制
御異常)が診断されると、エンジン11の吸入空気量は
正常時よりも多くなるとともに、エンジン11の点火時
期は適切な時期よりも遅らされた状態になる。この状態
で、ECU61はエンジン11の燃料噴射量を正常時よ
りも増量側に、且つエンジン11の点火時期を進角側に
制御するため、エンジン11の運転状態が悪化しないよ
うに保持される。従って、吸気制御弁51の開異常(半
閉制御異常)時と閉異常(全開制御異常)時とのいずれ
においても、ECU61が上述したエンジン11のフェ
イルセーフ制御を行うことにより、同エンジン11の運
転状態を保持することができる。
【0065】(d)バルブ開異常(半閉制御異常)時に
は本来半閉となっているべき吸気制御弁51が例えば全
開状態となり、バルブ閉異常(全開制御異常)時には本
来全開となっているべき吸気制御弁51が例えば半閉状
態となる。そのため、吸気制御弁51に開閉状態の異常
が発生したときに、エンジン11の点火時期及び噴射量
を制御するためのマップを開弁時用のものから閉弁時用
のものへと切り換えるか、若しくは閉弁時用のものから
開弁時用のものへと切り換えるだけでエンジン11の運
転状態が保持される。従って、上記のようにマップの切
り換えを行なうだけで、吸気制御弁51の開閉異常時に
おけるエンジン11の運転状態悪化が防止されるため、
フェイルセーフ制御を容易に行なうことができるように
なる。
【0066】(e)エンジン11の低回転時には吸気制
御弁51の開閉による吸気通路32内の圧力差が小さ
く、吸気制御弁51における開異常(半閉制御異常)の
診断を行ないにくい。そのため、本実施形態では上記診
断を、エンジン11の運転状態が図3の領域C内にある
場合、即ち吸気制御弁51における開異常(半閉制御異
常)の診断可能な場合のみに行うようにした。従って、
吸気制御弁51における開異常(半閉制御異常)の誤診
断が行われる可能性が極めて少なくなる。
【0067】尚、本発明は、例えば以下のように変更し
て具体化することもできる。 (1)本実施形態では、吸気制御弁51に開閉状態の異
常が発生したときにエンジン11の運転状態を悪化させ
ないようにフェイルセーフ制御を行なったが、そのフェ
イルセーフ制御を行なう代わりにランプやブザー等によ
り吸気制御弁51の開閉異常を知らせるようにしてもよ
い。この場合においては、従来と異なり吸気制御弁51
に開閉状態の異常が発生したことを容易に診断すること
ができ、その吸気制御弁51の開閉異常によるドライバ
ビリティやエミッションの悪化の原因究明が容易にな
る。
【0068】(2)本実施形態では、吸気通路32内の
理論上の吸気圧PMaと、吸気通路32内の実際の吸気
圧PMとの比較に基づき吸気制御弁51の開閉異常を診
断したが、本発明はこれに限定されない。他にエンジン
11の吸気量を適宜検出し、理論上の吸気量と実際の吸
気量との比較に基づき吸気制御弁51の開閉異常を診断
してもよい。
【0069】(3)本実施形態では、エンジン11の運
転制御を行なうためのマップを、吸気制御弁51の開弁
時用のものと、吸気制御弁51の閉弁時用のものと二種
類用意し、吸気制御弁51の開閉異常発生時には二種類
のマップの切り換えを行なうことにより、エンジン11
の運転状態悪化を抑制するようにしたが、本発明はこれ
に限定されない。即ち、吸気制御弁51が単に全閉、半
閉又は全開となるだけでなくて任意の開度に調節できる
タイプの場合には、吸気制御弁51の開度に対応した二
種類以上の点火時期マップ及び燃料噴射量マップを用意
する。そして、吸気制御弁51の開閉異常発生時には、
その吸気制御弁51の開度に合ったマップを選択して同
マップに基づきエンジン11の運転制御を行なうように
する。この場合、開閉状態の異常が発生したときにおけ
る吸気制御弁51の開度に合ったマップが選択され、同
マップに基づきエンジン11の運転制御が行なわれるた
め、吸気制御弁51の開閉異常発生時においてもエンジ
ン11を好適な運転状態に保持することができる。
【0070】(4)本実施形態では、吸気制御弁51の
開閉異常が診断されたとき、エンジン11の点火時期と
燃料噴射量との両方を適宜に制御するようにしたが、こ
れに代えて点火時期のみを制御したり燃料噴射量のみを
制御したりしてもよい。この場合でも、吸気制御弁51
の開閉異常が発生したとき、エンジン11の点火時期の
みを好適な状態へ制御したり、エンジン11の燃料噴射
量のみを好適な状態へ制御したりすることはできる。
【0071】(5)本実施形態では、吸気制御弁51を
空圧式のアクチュエータ88によって駆動したが、これ
に代えて例えば電子制御式のアクチュエータによって吸
気制御弁51を駆動してもよい。
【0072】(6)本実施形態では、エンジン11の運
転状態が図3の領域C内にある場合に吸気制御弁51を
半閉に制御したが、これに代えて半閉以外の所定開度に
制御するようにしてもよい。
【0073】次に、以上の実施形態から把握することが
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (イ)内燃機関の燃焼室に連通する吸気通路内のスロッ
トル弁下流側に設けられて、前記スロットル弁とは別途
に同通路を開閉する吸気制御弁を備え、前記内燃機関の
運転状態に応じて該吸気制御弁を開閉制御する内燃機関
の吸気制御装置において、前記吸気通路内の吸気量若し
くは吸気圧に対応した吸気情報を検出する吸気情報検出
手段と、前記吸気制御弁を所定開度に制御したときの理
論上の吸気情報相当値を演算する理論値演算手段と、前
記理論値演算手段によって演算された吸気情報相当値と
前記吸気情報検出手段によって検出された吸気情報との
比較に基づき、前記吸気制御弁の異常の有無を診断する
診断手段と、前記診断手段が前記吸気制御弁の異常を診
断したとき、前記吸気情報検出手段によって検出される
吸気情報に基づき、内燃機関の運転をフェイルセーフ制
御するフェイルセーフ手段とを備え、前記フェイルセー
フ手段は、前記診断手段が前記吸気制御弁の閉制御異常
を診断したとき、内燃機関に供給する燃料噴射量を正常
時よりも増量側に制御し、前記診断手段が前記吸気制御
弁の開制御異常を診断したとき、同機関に供給する燃料
噴射量を正常時よりも減量側に制御するものである内燃
機関の吸気制御装置。この場合、吸気制御弁の異常が発
生しても、内燃機関の燃料噴射量を好適な状態へ制御す
ることができる。
【0074】
【0075】()請求項1〜4、及び上記(イ)のい
ずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置において、前記
診断手段は吸気制御弁における異常の有無の診断を、そ
の診断が容易な内燃機関の運転域にて行う内燃機関の吸
気制御装置。この場合、吸気制御弁における異常有無の
誤診断を極めて少なくすることができる。
【0076】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、理論値演
算手段によって演算された吸気情報相当値と、吸気情報
検出手段によって検出された吸気情報との比較に基づ
き、その吸気制御弁の異常の有無を好適に診断すること
ができる。そして、吸気制御弁の閉制御異常時と開制御
異常時とのいずれにおいても、フェイルセーフ手段によ
るフェイルセーフ制御により、内燃機関の運転状態を悪
化しないように保持することができる。
【0077】
【0078】請求項記載の発明によれば、吸気制御弁
の閉制御異常時と開制御異常時とのいずれにおいても、
フェイルセーフ手段によるフェイルセーフ制御により、
内燃機関の運転状態を悪化しないように保持することが
できる。
【0079】請求項記載の発明によれば、内燃機関の
運転制御を行なうためのマップを、開弁時用マップから
閉弁時用マップへと切り換えるか、若しくは開弁時用マ
ップから閉弁時用マップへと切り換えるだけで、吸気制
御弁の開閉異常時における内燃機関の運転状態悪化が防
止されるため、フェイルセーフ制御が容易になる。
【0080】請求項記載の発明によれば、吸気制御弁
に開閉状態の異常が発生しても、その異常時における吸
気制御弁の実際の開度に合ったマップが選択され、同マ
ップに基づき内燃機関の運転がフェイルセーフ制御され
るため、その内燃機関を好適な運転状態に保持すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における吸気制御装置の構成を示す
断面図。
【図2】同吸気制御装置の電気的構成を示すブロック
図。
【図3】吸気制御弁の開閉制御に用いる吸気制御弁開閉
マップ。
【図4】点火時期制御に用いる点火時期マップ。
【図5】燃料噴射量制御に用いる燃料噴射量マップ。
【図6】本実施形態の診断、フェイルセーフ制御を示す
フローチャート。
【図7】吸気制御弁の開閉異常診断用のマップ。
【図8】従来の吸気制御装置を示す概略図。
【符号の説明】
16…燃焼室、32…吸気通路、35…スロットルバル
ブ、51…吸気制御弁、61…電子制御ユニット(EC
U)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 41/22 330 F02D 41/22 330Z (56)参考文献 特開 平8−109837(JP,A) 特開 平6−229263(JP,A) 特開 平8−270488(JP,A) 特開 平6−108906(JP,A) 特開 平7−180570(JP,A) 特開 平3−54341(JP,A) 特開 平7−34944(JP,A) 特開 平5−312090(JP,A) 特開 平2−221658(JP,A) 特開 昭63−134837(JP,A) 実開 平1−124352(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 43/00 F02D 9/02 F02D 41/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の燃焼室に連通する吸気通路内の
    スロットル弁下流側に設けられて、前記スロットル弁と
    は別途に同通路を開閉する吸気制御弁を備え、前記内燃
    機関の運転状態に応じて該吸気制御弁を開閉制御する内
    燃機関の吸気制御装置において、 前記吸気通路内の吸気量若しくは吸気圧に対応した吸気
    情報を検出する吸気情報検出手段と、 前記吸気制御弁を所定開度に制御したときの理論上の吸
    気情報相当値を演算する理論値演算手段と、 前記理論値演算手段によって演算された吸気情報相当値
    と前記吸気情報検出手段によって検出された吸気情報と
    の比較に基づき、前記吸気制御弁の異常の有無を診断す
    る診断手段と、前記診断手段が前記吸気制御弁の異常を診断したとき、
    前記吸気情報検出手段によって検出される吸気情報に基
    づき、内燃機関の運転をフェイルセーフ制御するフェイ
    ルセーフ手段と、を備え、 前記フェイルセーフ手段は、前記診断手段が前記吸気制
    御弁の閉制御異常を診断したとき、内燃機関の点火時期
    を正常時よりも進角側に制御し、前記診断手段が前記吸
    気制御弁の開制御異常を診断したとき、同機関の点火時
    期を正常時よりも遅角側に制御するものである ことを特
    徴とする内燃機関の吸気制御装置。
  2. 【請求項2】前記フェイルセーフ手段は、前記診断手段
    が前記吸気制御弁の閉制御異常を診断したとき、内燃機
    関に供給する燃料噴射量を正常時よりも増量側に、且つ
    同機関の点火時期を正常時よりも進角側に制御し、前記
    診断手段が前記吸気制御弁の開制御異常を診断したと
    き、同機関に供給する燃料噴射量を正常時よりも減量側
    に、且つ同機関の点火時期を正常時よりも遅角側に制御
    するものである請求項1記載の内燃機関の吸気制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記内燃機関は前記吸気制御弁の開弁時に
    開弁時用マップに基づ き運転制御されるとともに、前記
    吸気制御弁の閉弁時に閉弁時用マップに基づき運転制御
    されるものであり、前記フェイルセーフ手段は前記診断
    手段が前記吸気制御弁の異常を診断したとき、前記内燃
    機関を運転制御するためのマップを前記閉弁時用マップ
    から前記開弁時用マップへと切り換えるか、若しくは前
    記開弁時用マップから前記閉弁時用マップへと切り換え
    る請求項1又は2記載の内燃機関の吸気制御装置。
  4. 【請求項4】前記内燃機関は前記吸気制御弁の開度に対
    応して用意された複数のマップの内のいずれかに基づき
    運転制御されるものであり、前記フェイルセーフ手段は
    前記診断手段が前記吸気制御弁の異常を診断したとき、
    前記吸気情報検出手段によって検出された吸気情報に対
    応するマップを選択して内燃機関の運転制御用のマップ
    とする請求項1又は2記載の内燃機関の吸気制御装置
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