JP3476382B2 - ゴム状重合体組成物及びその製造方法 - Google Patents

ゴム状重合体組成物及びその製造方法

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JP3476382B2 JP09866199A JP9866199A JP3476382B2 JP 3476382 B2 JP3476382 B2 JP 3476382B2 JP 09866199 A JP09866199 A JP 09866199A JP 9866199 A JP9866199 A JP 9866199A JP 3476382 B2 JP3476382 B2 JP 3476382B2
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孝昭 松田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の構造を有す
るゴム状重合体組成物、及びそのゴム状重合体組成物を
用いた耐衝撃性スチレン系樹脂組成物に関するものであ
る。詳細には、本発明のゴム状重合体組成物は、耐衝撃
性スチレン系樹脂組成物の強靱化剤として使用した場
合、衝撃強度と光沢のバランスが著しく優れた耐衝撃性
スチレン系樹脂組成物を提供する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンは、剛性,透明性,光沢な
どに優れ、かつ良好な成形性を有していることから各種
用途に使用されている。しかしながら、このポリスチレ
ンは耐衝撃性に劣るという大きな欠点があり、この欠点
を改良するために各種の未加硫ゴムが強靭化剤として用
いられている。中でも、未加硫ゴムの存在下にスチレン
系単量体をラジカル重合させ、ゴム状重合体にグラフト
重合した耐衝撃性スチレン系樹脂組成物が工業的に広く
製造されている。
【0003】この目的に使用される未加硫ゴムとしては
ポリブタジエンとスチレンーブタジエン共重合体があ
り、特にポリブタジエンは優れた耐衝撃性を付与するた
めに広く使用されている。近年、耐衝撃性スチレン系樹
脂組成物の用途が、家庭電気機器のハウジング及びその
他の部品、車軸部品、事務機器の部品、日用雑貨品及び
玩具などに広がるに伴い、より優れた各種特性が要求さ
れるようになり、外観特性と耐衝撃性のバランスに優れ
た耐衝撃性スチレン系樹脂組成物が強く要望されてい
る。
【0004】耐衝撃性スチレン系樹脂組成物は、ゴム状
重合体としてポリブタジエンゴム、スチレンーブタジエ
ン共重合体ゴムをスチレン単量体に溶解し、攪拌下、塊
状重合または、塊状ー懸濁重合法で製造するのが一般的
である。一般的に、耐衝撃性の向上はゴム状重合体の含
量を増加させることにより可能となるが、ゴム状重合体
を増加させたスチレン系樹脂は、衝撃強度が向上する反
面、光沢が低下する。一方、光沢の向上は、ゴム状重合
体の含量を低下させるか、或いは樹脂中に分散するゴム
状重合体の粒子を微細化させることにより可能となる
が、反面耐衝撃性が著しく低下する。
【0005】従来、耐衝撃性スチレン系樹脂組成物を改
良する方法として、共役ジエン系重合体の溶液粘度の特
定化(特公昭58ー4934号公報)、共役ジエン系重
合体の溶液粘度とムーニー粘度の関係の特定化(特公昭
53ー44188号公報)、共役ジエン系重合体の溶液
粘度と有機過酸化物架橋体における引張り弾性率、膨潤
度の関係の特定化(特開昭60ー25001号公報)な
どが提案されている。しかしながら、これらの方法にお
いては、従来のポリブタジエンを用いた場合に比べて、
耐衝撃性と光沢のバランスは向上されているが、必ずし
も満足しうるものではなかった。
【0006】一方、特開昭61ー143415号公報、
特開昭63ー165413号公報、特開平2ー1321
12号公報、特開平2ー208312号公報等には、特
定の構造を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合
体を用いて、耐衝撃性と外観特性を改良する方法が提案
されている。しかしながら、これらの方法について詳細
に検討してみると、耐衝撃性と外観特性のバランスにつ
いて実用的に満足しうるものは得られず、しかも、共重
合体は粉末上になり易くベール状の成形が困難であり、
耐衝撃性スチレン系樹脂の製造時の取り扱いが難しいと
いう問題がある。特開平4ー209614号公報、特開
平5ー148331号公報、特開平6ー107744号
公報には、スチレンーブタジエンジブロック共重合体と
ブタジエン重合体の組成物とすることで、粉末上になり
難く、且つベール状の成形性が容易であるゴム状重合が
記載されているが、これらの方法においては、耐衝撃性
と外観特性のバランスは向上されているが、必ずしも満
足しうるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のゴ
ム状重合体を、耐衝撃性スチレン系樹脂に使用した場
合、耐衝撃性と光沢との相反するバランスを満足ゆく程
度まで改良することは困難であった。本発明は上述した
ような課題を解決するものであり、ベール成形性に優
れ、且つ、耐衝撃性樹脂の強靭化剤として用いた場合、
耐衝撃性と光沢の物性バランスを著しく改良できるゴム
状重合体組成物、及び耐衝撃性と光沢の物性バランスが
著しく向上した耐衝撃性スチレン系樹脂組成物を提供す
るものである。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明に於いて、耐衝撃
性と光沢の物性バランスに優れた耐衝撃性スチレン系樹
脂組成物を得るについて詳細に検討した結果、従来の強
靭化剤として検討がなされていなかった特定構造を有す
るゴム状重合体組成物が、上述の目的を達成できること
を見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
は: (1)下記一般式、 ブロック共重合体(1):B1−S−B2 重合体(2):B3 (但し、ブロックB1は、共役ジエン系単量体からなる
重合体又は共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体と
からなる共重合体であり、ブロックB2は、共役ジエン
系単量体からなる重合体又は共役ジエン系単量体と芳香
族ビニル単量体とからなる共重合体であり、ブロックS
は、芳香族ビニル単量体からなる重合体であり、B3
は、共役ジエン系単量体からなる重合体又は共役ジエン
系単量体と芳香族ビニル単量体とからなる共重合体であ
る)で表されるブロック共重合体(1)10〜90重量
部と重合体(2)90〜10重量部からなるゴム状重合
体組成物であって、 (i)ブロック共重合体(1)のゲルパーミエーション
クロマトグラフで測定される分子量分布曲線のピーク部
のポリスチレン換算分子量(Mwp)が10〜60万、 (ii)ブロック共重合体(1)中の全芳香族ビニル単
量体含量(TS)が10〜60重量%、 (iii)ブロック共重合体(1)中のブロックとなっ
ている芳香族ビニル重合体のゲルパーミエーションクロ
マトグラフで測定される分子量分布曲線のピーク部のポ
リスチレン換算分子量(Mwps)が10,000〜1
50,000であり、且つ、該ピーク分子量の2/3以
下の分子量部の含有割合が、芳香族ビニル重合体中の2
0重量%以下であって、 (iv)重合体(2)のゲルパーミエーションクロマト
グラフで測定される分子量分布曲線のピーク部のポリス
チレン換算分子量(Mwp2)が10〜50万、 (v)ブロック共重合体(1)のピーク分子量(Mw
p)、ブロック共重合体(1)中のブロックSのピーク
分子量(Mwps)、ブロック共重合体(2)のピーク
分子量(Mwp2)の関係が 0.2×(Mwp−Mwps)≦Mwp2≦2.0×
(Mwp−Mwps) であるゴム状重合体組成物を提供する。また、
【0009】 ブロック共重合体(1) 及び重合体(2)
が、炭化水素溶媒中に有機リチウム化合物を開始剤とし
て得られる点にも特徴を有する。また、 芳香族ビニル単量体または芳香族ビニル単量体と共
重合可能な単量体を主体とする単量体との混合物75〜
98重量部とゴム状重合体2〜25重量部とを塊状重合
法または塊状懸濁重合法または溶液重合法でラジカル重
合して得られる耐衝撃性スチレン系樹脂組成物であっ
て、該ゴム状重合体が前記又は記載のゴム状重合体
組成物である耐衝撃性スチレン系樹脂組成物を提供す
る。
【0010】 以下、本発明を詳細に説明する。 (1)ゴム状重合体組成物 (i) 本発明のゴム状重合体組成物は、下記一般式、 ブロック共重合体(1):B1−S−B2 重合体(2):B3 (但し、ブロックB1は、共役ジエン系単量体からなる
重合体又は共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体と
からなる共重合体であり、ブロックB2は、共役ジエン
系単量体からなる重合体又は共役ジエン系単量体と芳香
族ビニル単量体とからなる共重合体であり、ブロックS
は、芳香族ビニル単量体からなる重合体であり、B3
は、共役ジエン系単量体からなる重合体又は共役ジエン
系単量体と芳香族ビニル単量体とからなる共重合体であ
る)で表されるブロック共重合体(1)10〜90重量
部と重合体(2)90〜10重量部からなるゴム状重合
体組成物である。
【0011】(ii) ブロック共重合体(1) ・本発明におけるブロック共重合体(1) のゲルパーミエ
ーションクロマトグラフで測定される分子量分布曲線の
ピーク部のポリスチレン換算分子量(Mwp)は10〜
60万の範囲、好ましくは10〜45万の範囲、更に好
ましくは15〜40万の範囲である。ピーク分子量(M
wp)が10万より小さいと、耐衝撃性スチレン系樹脂
組成物の強靱化剤として用いた場合、得られる樹脂の衝
撃強度が劣る。また、ピーク分子量が60万を超えると
耐衝撃性スチレン系樹脂組成物の強靱化剤として用いた
場合、耐衝撃性スチレン系樹脂組成物の製造時に、芳香
族ビニル単量体への溶解及びこの溶液の移送に多くの時
間を費やす等、製造工程上大きな問題となる。さらに、
ゴム状重合体組成物は粉末状になり易く、しかも成形性
が悪くベール状になりにくいという問題が発生し好まし
くない。
【0012】・該ブロック共重合体(1) の重量平均分子
量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnは
1.1〜3.0の範囲、好ましくは1.1〜2.0の範
囲である。ブロック共重合体(1) 中のブロックB1は、
共役ジエン系単量体からなる重合体又は共役ジエン系単
量体と芳香族ビニル単量体からなる共重合体である。 ・共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体の重量比
は、100:0〜20:80の範囲、好ましくは10
0:0〜50:50の範囲である。 ・また、ブロックB1のゲルパーミエーションクロマト
グラフで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量
は300〜50,000の範囲、好ましくは500〜
3,000の範囲である。
【0013】・本発明のブロック共重合体(1) 中の全芳
香族ビニル単量体含量(TS)は、10〜60重量%の
範囲、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは3
0〜50重量%の範囲である。10重量%未満では、ゴ
ム状重合体組成物自体のコールドフローが著しく大きく
なり、ゴムの貯蔵、輸送に問題が生じ、ゴムとしての取
り扱いが困難となる。また、耐衝撃性スチレン系樹脂組
成物の強靱化剤として用いた場合、耐衝撃性は向上する
ものの光沢が若干劣り好ましくない。60重量%を越え
ると、耐衝撃性スチレン系樹脂組成物の強靱化剤として
用いた場合、樹脂組成物の光沢は良好であるが耐衝撃強
度が劣り好ましくない。
【0014】・次に、本発明のブロック共重合体(1) 中
のブロックとなっている芳香族ビニル単量体含量は、全
芳香族ビニル単量体含量に対して50〜100重量%の
範囲、好ましくは70〜100重量%の範囲である。ブ
ロックとなっている芳香族ビニル単量体含量が50重量
%未満の場合、耐衝撃性スチレン系樹脂組成物の強靱化
剤として用いた場合、樹脂組成物の耐衝撃性は向上する
ものの光沢が若干劣り、光沢の優れる耐衝撃性スチレン
系樹脂組成物を得ようとするならば50重量%以上が好
ましい。
【0015】・また、ブロック共重合体(1) 中のブロッ
クとなっている芳香族ビニル重合体のゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフで測定される分子量分布曲線のピー
ク部のポリスチレン換算分子量(Mwps )は、10、0
00〜150、000の範囲、好ましくは30、000
〜100、000、更に好ましくは50、000〜10
0、000の範囲である。10、000未満の場合、耐
衝撃性スチレン系樹脂組成物の強靱化剤として用いた場
合、樹脂組成物の耐衝撃性は向上するものの光沢が若干
劣り、光沢の優れる耐衝撃性スチレン系樹脂組成物を得
ようとするならば10、000以上が好ましい。また、
150,000を越えると、耐衝撃性スチレン系樹脂組
成物の強靱化剤として用いた場合、樹脂組成物の光沢は
良好であるが耐衝撃強度が劣り好ましくない。更に、ゴ
ム状重合体組成物は粉末状になり易く、しかも成形性が
悪くベール状になりにくいという問題が発生して好まし
くない。
【0016】・更に、該ブロック共重合体(1) 中のブロ
ックとなっている芳香族ビニル重合体のピーク部分子量
の2/3以下の分子量部の含有割合は、芳香族ビニル重
合体中の20重量%以下の範囲、好ましくは15%以下
の範囲である。20重量%を超えると、樹脂組成物の耐
衝撃性は向上するものの光沢が若干劣り好ましくない。
【0017】(iii) 重合体(2) ・本発明における重合体(2) のゲルパーミエーションク
ロマトグラフで測定される分子量分布曲線のピーク部の
ポリスチレン換算分子量(Mwp2 )は10〜50万の範
囲、好ましくは15〜40万の範囲である。ピーク分子
量が10万より小さいと、耐衝撃性スチレン系樹脂組成
物の強靱化剤として用いた場合、得られる樹脂の衝撃強
度が劣る。また、ピーク分子量が50万を超えると、耐
衝撃性スチレン系樹脂組成物の製造時に、芳香族ビニル
単量体への溶解およびこの溶液の移送に多くの時間を費
やす等、製造工程上大きな問題となる。さらに、ゴム状
重合体組成物は粉末状になり易く、しかも成形性が悪く
ベール状になりにくいという問題が発生し好ましくな
い。
【0018】・また、該重合体(2)の重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnは
1.1〜3.0の範囲、好ましくは1.1〜2.0の範
囲である。・本発明の重合体(2)中の全芳香族ビニル
単量体含量は、0〜50重量%の範囲、好ましくは、0
〜30重量%の範囲である。50重量%を越えると、耐
衝撃性スチレン系樹脂組成物の強靱化剤として用いた場
合、樹脂組成物の光沢は良好であるが耐衝撃強度が劣り
好ましくない。
【0019】(iv) ブロック共重合体(1) 、重合体(2)
の関係 次に、ブロック共重合体(1) のピーク分子量(Mwp)、
ブロック共重合体(1)中のブロックSのピーク分子量
(Mwps )、重合体(2) のピーク分子量(Mwp2)の関係
が 0.2×( Mwp −Mwps) ≦ Mwp2 ≦2.0x(Mwp −Mw
ps) を満足していることが必要である。ゴム状重合体組成物
中の重合体(2) のピーク分子量(Mwp2)が0.2×(Mw
p−Mwps) の値より小さいと、耐衝撃性スチレン系樹脂
組成物の強靱化剤として用いた場合、樹脂組成物の光沢
は良好であるが耐衝撃強度が劣り好ましくない。また、
Mwp2が2.0x(Mwp −Mwps) の値を超えると、樹脂組
成物の耐衝撃性は向上するものの光沢が劣り好ましくな
い。
【0020】(v) ゴム状重合体組成物の構成 本発明のゴム状重合体組成物は、ブロック共重合体(1)
10〜90重量部と重合体(2) 90〜10重量部からな
る組成物である。好ましくは、ブロック共重合体(1) 2
0〜80重量部と重合体(2) 80〜20重量部、更に好
ましくは、ブロック共重合体(1) 30〜70重量部と重
合体(2)70〜30重量部からなる組成物である。ブロ
ック共重合体(1) の割合が90重量部を越えると、耐衝
撃性スチレン系樹脂組成物の強靱化剤として用いた場
合、樹脂組成物の光沢は優れるものの、耐衝撃性が劣り
好ましくない。更に、ゴム状重合体組成物は粉末状にな
り易く、しかも成形性が悪くベール状になりにくいとい
う問題が発生して好ましくない。ブロック共重合体(1)
の割合が10重量%未満の場合、ゴム状重合体組成物自
体のコールドフローが著しく大きくなり、ゴムの貯蔵、
輸送に問題が生じ、ゴムとしての取り扱いが困難とな
る。また、耐衝撃性スチレン系樹脂組成物の強靱化剤と
して用いた場合、耐衝撃性は向上するものの光沢が若干
劣り好ましくない。
【0021】(2)ゴム状重合体組成物の製造 (i)本発明のゴム状重合体組成物の製造方法は、本発
明の構造を有する組成物を得ることができれば、如何な
る製造方法も採用することができる。 1)本発明のゴム状重合体組成物の製造方法の一例とし
て、ブロック共重合体(1)及び重合体(2)を夫々別
々に製造し、各成分の溶液を混合した後、溶剤を加熱除
去する方法によって製造することができる。 2)溶剤を除去した固体の各成分を通常の高分子物質の
混合に用いられる各種混合装置、例えば一軸または多軸
のスクリュ型押出機、ミキシングロール、バンパリーミ
キサー、ニーダー等を用いることによって混合させるこ
とでも製造することができる。
【0022】3)炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物
を触媒として、共役ジエン系単量体を重合してリビング
ポリマーを製造し、芳香族ビニル単量体と炭化水素溶媒
の混合物中に前記リビングポリマーを添加して重合させ
た後、更に、共役ジエン系単量体及び前記リビングポリ
マー又は有機リチウム化合物の何れかの重合開始剤を添
加して重合を完結させる方法や 4)有機リチウム化合物を触媒として、共役ジエン系単
量体と芳香族ビニル単量体を重合してリビングポリマー
を製造し、芳香族ビニル単量体と炭化水素溶媒の混合物
中に前記リビングポリマーを添加して重合させた後、更
に、共役ジエン系単量体及び前記リビングポリマー又は
有機リチウム化合物の何れかの重合開始剤を添加して重
合を完結させる方法や
【0023】5)有機リチウム化合物を触媒として、共
役ジエン系単量体を重合してリビングポリマーを製造
し、芳香族ビニル単量体と炭化水素溶媒の混合物中に前
記リビングポリマーを添加して重合させた後、更に、共
役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体及び前記リビン
グポリマー又は有機リチウム化合物の何れかの重合開始
剤を添加して重合を完結させる方法や 6)有機リチウム化合物を触媒として、共役ジエン系単
量体と芳香族ビニル単量体を重合してリビングポリマー
を製造し、芳香族ビニル単量体と炭化水素溶媒の混合物
中に前記リビングポリマーを添加して重合させ後、更
に、共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体及び前記
リビングポリマー又は有機リチウム化合物の何れかの重
合開始剤をを添加して重合を完結させる方法等によって
製造することができる。
【0024】(ii)ブロック共重合体(1) の製造 ブロック共重合体(1) の製造方法としては、例えば、
1)炭化水素溶媒中、共役ジエン系単量体を有機リチウ
ム触媒を用いて重合した後、引き続き、芳香族ビニル単
量体を添加して芳香族ビニル単量体ブロックを形成させ
た後、更に共役ジエン系単量体を添加し重合を完結させ
て製造する方法や 2)共役ジエン系単量体を有機リチウム触媒を用いて重
合した後、引き続き、芳香族ビニル単量体を添加して芳
香族ビニル単量体ブロックを形成させた後、更に共役ジ
エン系単量体と芳香族ビニル単量体を添加しランダム共
重合させて製造する方法や 3)共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル単量体の混合
物を有機リチウム触媒を用いてランダム共重合させた
後、引き続き、芳香族ビニル単量体を添加して芳香族ビ
ニル単量体ブロックを形成させた後、更に共役ジエン系
単量体を添加し重合を完結させて製造する方法や 4)共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル単量体の混合
物を有機リチウム触媒を用いてランダム共重合させた
後、引き続き、芳香族ビニル単量体を添加して芳香族ビ
ニル単量体ブロックを形成させた後、更に共役ジエン系
単量体と芳香族ビニル単量体を添加しランダム共重合さ
せて製造する方法等の溶液重合によって製造することが
できる。
【0025】(iii) 重合体(2) の製造 1)重合体(2) の製造方法としては、例えば、炭化水素
溶媒中、共役ジエン系単量体、有機リチウム触媒を用い
て重合させて製造する方法や 2)共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル単量体の混合
物を有機リチウム触媒を用いて共重合させて製造する方
法等の溶液重合によって製造することができる。
【0026】(iv) 重合成分と重合条件 1)炭化水素溶媒 溶液重合で用いる炭化水素溶媒の例としては、ブタン、
ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタ
ン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が用いられる。好
ましい例としては、ヘキサン、シクロヘキサンが挙げら
れる。 2)共役ジエン系単量体 共役ジエン系単量体の例としては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエ
ン等が挙げられ、一種又は二種以上を組み合わせて用い
られる。好ましい単量体としては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレンが挙げられる。 3)芳香族ビニル系単量体 また、芳香族ビニル系単量体の例としては、スチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチ
ルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフ
ェニルエチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられ、一種
又は二種以上を組み合わせて用いられる。好ましい単量
体としては、スチレンが挙げられる。
【0027】4) 有機リチウム化合物触媒 共役ジエン系単量体及び芳香族ビニル系単量体を重合す
るのに用いられる有機リチウム化合物とは、モノ有機リ
チウム化合物または多官能性有機リチウム化合物であ
り、或いはモノ有機リチウム化合物と多官能性有機リチ
ウム化合物との混合物であってもよい。モノ有機リチウ
ム化合物としては、例えばn−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プ
ロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、ベンジル
リチウム等が挙げられるが、好ましくは、n−ブチルリ
チウム、sec−ブチルリチウムが用いられる。
【0028】(v) ゴム状重合体組成物の構造特性等 本発明におけるゴム状重合体組成物を、耐衝撃性ス
チレン系樹脂組成物の強靱化剤として用いた場合、その
ミクロ構造によって、得られる樹脂の耐衝撃性に若干の
影響を与える。例えば、共役ジエン単量体としてブタジ
エンを用いる場合には、1,2−ビニル含量は、5〜8
0%、シス−1,4含量は10〜85%の範囲にあるこ
とが好ましいが、特に1,2−ビニル含量が10〜40
%のものが好ましい。この範囲外の1,2−ビニル含量
を有するゴム状重合体組成物を用いると、得られる耐衝
撃性スチレン系樹脂組成物は衝撃強度が劣るものとな
る。
【0029】 1,2−ビニル含量の調整 1)これらの1,2−ビニル含量の調整法については特
に制限がなく、従来のいかなる方法も用いることができ
る。例えば、共役ジエン系単量体のアニオン重合時、重
合系にジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、2,2−ビス(オキソラニル)プロパン、
1,1−ビス(オキソラニル)エタン等のエーテル類;
ジメチルアミンなどのアミン類;ジメチルスルフィド、
ジエチルスルフィドなどのチオエーテル類を添加して重
合を行うことによって達成される。
【0030】2)更に、該重合法でヘキサメチルホスホ
ルアミド(HMPA)を添加する方法(特公昭43−5
904号公報)、テトラメチルエチレンジアミン(TM
EDA)を添加する方法(特公昭42−17199号公
報)及びジエチレングリコールジメチルエーテルを添加
する方法などがある。 3)また、1,2−ビニル結合については分子鎖に均一
になるように重合してもよく、或いは、分子鎖に沿って
漸減的に変化するように重合してもよく(特公昭47−
875号公報)、さらにはブロック的に結合するように
重合してもよい(米国特許第3301840号明細
書)。 4)1,2−ビニル結合を分子鎖中に均一になるように
重合するには、通常重合開始温度を30〜90℃とし、
できる限り定温重合する方法が採用される。 5)また、1,2−ビニル結合を分子鎖に沿って漸減的
に変化するように重合するためには、重合を昇温下で実
施する方法、即ち、通常重合開始温度を30〜80℃と
し、重合終了温度を85〜120℃とする方法や 6)1,2−ビニル結合を分子鎖に沿って漸増的に変化
するように重合するためには、重合中に上記1,2ービ
ニル含量調整剤を漸増的に添加する方法等が採用され
る。
【0031】(vi)重合後の後処理 1)本発明のゴム状重合体組成物の重合が終了した後、
必要に応じて、水、無機酸または有機酸等で処理するこ
ともできる。 ・無機酸の例としては、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、
炭酸等のが挙げられる。 ・有機酸は広い意味で酸性を有する有機化合物であって
カルボン酸,スルホン酸,スルフイン酸などの化合物が
挙げられるが、好ましくはカルボキシル基を有する有機
化合物である。例えば、プロピオン酸、安息香酸、カプ
リル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキン酸、シュウ酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、マロン酸、オレイン酸、リノール酸等或いはこ
れらの混合物が挙げられる。これらの中でも、特に硫
酸、炭酸、ホウ酸、ステアリン酸が好ましい。
【0032】2)該化合物の添加方法については、特に
制限はないが、重合反応終了後、重合体溶液中にバッチ
式もしくは連続式的に添加する方法が一般的に用いられ
る。 3)重合体溶液からの重合体の回収は、溶媒を除去する
際に重合体が酸化劣化や熱的劣化を起こすのを防止する
ために、安定剤を添加した後に、例えばスチームストリ
ッピング、熱ロール、ドラムドライヤー乾燥、メタノー
ル沈殿乾燥、真空乾燥等の公知の重合体分離法によっ
て、本発明のゴム状重合体組成物を得ることができる。 ・安定剤としては、従来から使用されてきた公知の安定
剤のいずれでもよく、2,6−ジーtert−ブチルー
4−メチルフェノール,n−オクタデシルー3−
(3′,5′−ジーtert−ブチルー4′−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート等のフェノール系化合物;
トリスー(2,4−ジーtert−ブチルフェニル)フ
ォスファイト等の有機フォスファイト系化合物;4,6
−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−0−クレゾール等
の含イオウフェノール系化合物等の種々の酸化防止剤を
一種又は二種以上組み合わせて使用することができる。
【0033】(2) 耐衝撃性スチレン系樹脂組成物 (i) 組成 ・本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂組成物は、上述した
ゴム状重合体組成物を2〜30重量%含有するスチレン
系樹脂組成物である。2重量%未満のゴムの使用量では
本発明が目的とする衝撃強度の改良効果が不十分であ
り、本発明の目的を達成するのが困難である。一方、3
0重量%を超える使用量では衝撃強度は向上するものの
本来のポリスチレン系樹脂の持つ特性、例えば、引張り
強度、剛性、更に光沢等の外観特性を損なうものとなり
好ましくない。また、グラフト重合溶液の粘度が非常に
高くなり、本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂組成物の製
造が困難となる。 ・また、本発明のゴム状重合体組成物に他のゴム状重合
体を混合したものを強靱化剤として使用することもでき
る。他のゴム状重合体としては、ポリブタジエンゴム、
スチレンーブタジエンブロック共重合体、スチレンーブ
タジエンランダム共重合体等が挙げられる。本発明のゴ
ム状重合体組成物に他のゴム状重合体を混合して使用す
る場合、その使用比率は、ゴム状重合体組成物と他のゴ
ム状重合体の重量比で95:5〜20:80の範囲であ
る。
【0034】(ii) ゴム粒子 ・本発明において得られる耐衝撃性スチレン系樹脂組成
物中に分散したゴム状重合体組成物ゴム粒子の平均粒子
径は0.05〜4.0μmの範囲に調整することが好ま
しい。好ましくは、0.1〜2.0μm、より好ましく
は0.2〜1.5μmの範囲である。平均粒子径が0.
05μm未満では、樹脂組成物の耐衝撃強度が劣り、
4.0μmを超える場合には、樹脂組成物の光沢が劣り
好ましくない。 ・重合体のゴム粒子径の調整は、ゴム状重合体組成物を
芳香族ビニル単量体、又は芳香族ビニル単量体と共重合
可能な単量体との混合物に溶解し、塊状重合、塊状懸濁
重合、溶液重合によりグラフト重合させる際、ゴム溶液
に剪断応力がかかる条件、例えば攪拌機の回転数を変え
ることによってゴム粒子径を調整することができるが、
本発明のゴム状重合体組成物を用いることによって、更
に、小さなゴム粒子を得ることができる。
【0035】(iii) 各種構造特性 1)ゲル含有量等 以上のようにして得られた耐衝撃性スチレン系樹脂組成
物におけるゲル含有量(トルエン不溶分の含有量)は5
〜75重量%の範囲とすることが好ましく、更に好まし
くは、10〜50重量%である。ゲル含有量が少なすぎ
ると樹脂組成物の耐衝撃性が劣り、多すぎると樹脂組成
物の流動性が低下して加工する上で好ましくない。ま
た、樹脂組成物中のゲルのトルエン中での膨潤指数(ト
ルエン膨潤物の重量/脱溶媒後の乾燥重量)は5〜15
の範囲が好ましく、更に好ましくは、7〜12である。
膨潤指数が小さすぎると耐衝撃性が劣り、大きすぎると
耐衝撃性が低下し、光沢性も悪化するので好ましくな
い。膨潤指数の制御は、ビニル単量体を塊状重合、塊状
懸濁重合または溶液重合にてグラフト重合する際の最終
反応率及び未反応単量体の脱揮温度などにより調整する
ことができる。 2)マトリックス樹脂部分の分子量 マトリックス樹脂部分の分子量は、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフで測定されるポリスチレン換算の重量
平均分子量で7〜50万が好ましく、より好ましくは、
10〜30万の範囲である。7万未満のものは、耐衝撃
性が低下し、50万を越えるものは流動性が悪く加工す
る上で好ましくない。
【0036】(iv) 製造法 1)本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂組成物を得る方法
については、本発明の構成用件を満足しうるように配慮
されている限り特に制限はなく、公知の方法を用いるこ
とができる。通常、本発明のゴム状重合体組成物を芳香
族ビニル単量体、又は芳香族ビニル単量体と共重合可能
な単量体との混合物に溶解し、ゴム溶液に剪断応力がか
かるように攪拌しながら、塊状重合法または塊状懸濁重
合法または溶液重合法によりグラフト重合させ、芳香族
ビニル系単量体、又は芳香族ビニル単量体と共重合可能
な単量体との共重合体よりなるマトリックス中に、該ゴ
ム状重合体組成物が粒子状に分散してなる耐衝撃性スチ
レン系樹脂組成物を得る方法が好ましい。
【0037】2)芳香族ビニル単量体 本発明で用いられる芳香族ビニル単量体としては、スチ
レン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、αーエ
チルスチレン、α一メチルーp一メチルスチレンなどの
α一アルキル置換スチレン、m−メチルスチレン、p一
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルビ
ニルベンゼン、p−tert一ブチルスチレン、などの
核アルキル置換スチレン、モノクロルスチレン、ジクロ
ルスチレン、トリブロモスチレン、テトラブロモスチレ
ン等のハロゲン化スチレン、pーヒドロキシスチレン、
oーメトキシスチレン等が挙げられ、1種又は2種以上
の混合物として用いられる。これらのうち、スチレン、
α一メチルスチレン、p−メチルスチレンが好ましい。
【0038】3)他の共重合可能な単量体 芳香族ビニル単量体以外の共重合可能な単量体として
は、不飽和ニトリル単量体、(メタ)アクリル酸エステ
ル、その他共重合可能な単量体等から選ばれたものであ
る。 ・不飽和ニトリル単量体の例としては、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル等が挙げられ、1種又は2種
以上の混合物として用いられる。特に、アクリロニトリ
ルが好ましい。 ・(メタ)アクリル酸エステルの例としては、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシ
ルアクリレート、オクチルアクリレート、ドデシルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、
ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ド
デシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート
等が挙げられ、1種又は2種以上の混合物として用いら
れる。特に、メチルメタクリレートが好ましい。 ・その他共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、酢酸ビニル、無水マレイン酸、N−メチル
マレイミド,N−フェニルマレイミドなどが挙げられ
る。
【0039】4)不活性溶媒 また、本発明の樹脂組成物を得るに際し、前記の芳香族
ビニル単量体、又は芳香族ビニル単量体と共重合可能な
単量体との混合液に不活性溶媒を加えて重合を行なって
も良い。不活性溶媒としては、エチルベンゼン、トルエ
ンなどのほか、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
などの極性溶媒を1種又は2種以上使用しても良い。こ
れらの不活性溶媒の量は、ゴム状重合体組成物を溶解し
たビニル単量体混合液100重量部に対し、100重量
部以下が好ましく、50重量部以下が更に好ましい。
【0040】5)触媒 本発明において、ゴム状重合体組成物を溶解した芳香族
ビニル単量体、又は芳香族ビニル単量体と共重合可能な
単量体との混合液をラジカル重合するに際し、有機過酸
化物又はアゾ化合物の存在下で重合を行なうこともでき
る。 ・有機過酸化物としては、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等
のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド等のジアルキ
ルパーオキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド、m−
トルオイルパーオキサオド、ラウロイルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド類;ジミリスチルパーオキ
シジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネート等のパーオキシジカーボネート類;
【0041】t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシアセテート、ジ−t−ブ
チルジパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート等のパーオキシエステル類;シクロヘキ
サノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサ
イド等のケトンパーオキサイド類;p−メンタハイドロ
パーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサ
イド類などが用いられる。 ・また、アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニト
リル、アゾビスシクロヘキサンカーボニトリル等が用い
られる。これらは一種又は二種以上の組み合わせで用い
られる。 ・有機過酸化物又はアゾ化合物の使用量は、前記ビニル
単量体混合物中10〜1,000ppmの範囲が好まし
い。
【0042】6)連鎖移動剤 また、本発明において、公知の連鎖移動剤が用いられ
る。連鎖移動剤として、例えばn−ドデシルメルカプタ
ン、tert−ドデシルメルカプタン、α−メチルスチ
レンダイマー、1ーフェニルブテンー2ーフルオレン、
ジペンテン、クロロホルム等のメルカプタン類、テルペ
ン類、ハロゲン化合物等を用いることができる。
【0043】(v) 各種添加剤 1)本発明の樹脂組成物において、公知の酸化防止剤、
紫外線安定剤等の安定剤を添加しても良い。 ・酸化防止剤としては、例えばオクタデシル−3−
(3,5ージーtーブチルー4ーヒドロキシフェニル)
プロピオネート、2,6−ジーtーブチルー4ーメチル
フェノール、2ー(1ーメチルシクロヘキシル)ー4,
6ージメチルフェノール、2,2’ーメチレンビス(4
ーエチルー6ーtーブチルフェノール)、4,4’ーチ
オビス(6ーt−ブチルー3ーメチルフェノール)、
2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾ
ール、トリエチレングリコールービス[3ー(3ーt−
ブチルー5ーメチルー4ーヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイ
ト、トリスー(2,4ージーt−ブチルフェニル)ホス
ファイト等が挙げられる。 ・酸化防止剤の添加量は樹脂組成物100重量部当た
り、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部
である。
【0044】・紫外線安定剤としては、例えば、2−
(5−メチルー2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2一(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール
系、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケートなどのヒンダードアミン系、その他に
p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2’−ジヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられ
る。特に好ましくはトリアゾール系、ヒンダードアミン
系の単独又は併用系である。 ・これらの紫外線安定剤の添加量は、樹脂組成物100
重量部当り好ましくは0.01〜5重量部、更に好まし
くは0.05〜2重量部である。
【0045】2)内部潤滑剤 また、必要に応じて通常用いられる流動パラフィン、ミ
ネラルオイル、有機ポリシロキサン等の内部潤滑剤を添
加することも可能である。例えば、有機ポリシロキサン
であるポリジメチルシロキサンを樹脂組成物100重量
部に対して0.005〜10重量部添加してもよい。
【0046】3)難燃剤及び難燃助剤 更に、本発明で得られる樹脂組成物の加工に際し、必要
に応じて、難燃剤及び難燃助剤を配合し、難燃処方を施
すことが可能である。 ・難燃剤としては、種々のタイプがあるが、従来公知の
全ての難燃剤が含まれ、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃
剤等が有効である。例えば、デカブロモジフェニルオキ
シド、テトラブロモビスフエノールA、テトラブロモビ
スフェノールAのオリゴマー、トリス−(2,3−ジブ
ロモプロピルー1)イソシアヌレート、リン酸アンモニ
ウム、赤リン、トリクレジルホスフェートなどが挙げら
れる。 ・難燃助剤としては、例えば三酸化アンチモン、五酸化
アンチモン、アンチモン酸ソーダ、三塩化アンチモン、
五塩化アンチモン、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、
酸化ジルコニウムなどが挙げられる。難燃剤は、樹脂1
00重量部当り好ましくは5〜40重量部が用いられ
る。難燃助剤は、樹脂100重量部当り好ましくは2〜
20重量部が用いられる。 4)他の添加剤 また、必要に応じて、滑剤、離型剤、充填剤、帯電防止
剤、着色剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0047】(v) 他の熱可塑性樹脂の配合 更に他の熱可塑性樹脂、例えば一般用ポリスチレン、A
S樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、MBS樹脂、ポリフ
ェニレンエーテル、ポリカーボネート、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、メチルメタクリレート・スチレン共重
合体樹脂、無水マレイン酸・スチレン共重合体樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリエステル樹脂などと混合してもよ
い。これらの樹脂を加えることによって、耐熱性、剛
性、耐衝撃性、外観性、塗装性などが付与され、その用
途によってブレンド使用される。
【0048】(vi)本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂組
成物は、射出成形、押出成形等の加工方法で成型され、
多種多様に実用上有用な製品となしうることができる。
その用途は、電気製品、OA機器のキャビネット、ハウ
ジングなどや、自動車の内外装部品、住宅・家具などの
部品、放送・通信用アンテナ部品、その他多岐にわたっ
て使用される。
【0049】
【実施例】以下に若干の実施例を示し、本発明の具体的
な実施態様を示すが、これは本発明の技術内容をより具
体的に説明するためのものであり、本発明を限定するも
のではない。 <測定法>また、各種測定は下記の方法によった。 [ゴム状重合体のピーク分子量] GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)に
よって測定、計算されたポリスチレン換算の分子量であ
る。 (GPC測定条件) 測定機種 Waters社製 LC Module1 溶媒 THF(テトラヒドロフラン) カラム Polymer Laboratories社製 PLゲル×3本 カラム温度 35℃ 送液流量 0.7ml/分 試料濃度 0.1重量% 試料注入量 40μl 検出器 昭和電工製 Shodex RI SE−61
【0050】 (ゴム試料BS−1〜BS−8のGPC測定条件) 測定機種 Waters社製 LC Module1 溶媒 THF(テトラヒドロフラン) カラム Dupont Zorbax 1000S ×4本 カラム温度 35℃ 送液流量 0.4ml/分 試料濃度 0.1重量% 試料注入量 40μl 検出器 昭和電工製 Shodex RI SE−61 [ミクロ構造] 赤外分光光度計(パーキンエルマー製 FT−IR16
50)を用いて、ハンプトン法[Analytical Chemistr
y,21,923(1949) ]にて測定した。 [結合スチレン含量] 紫外線分光光度計(日立UV200)を用い、定法によ
り測定した。
【0051】 [ブロックスチレン含量] ゴム状重合体組成物を四酸化オスミウムを触媒にしてt
ーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方
法[I.M.Kolthoff,et.al.,J.Poym.Sci.1,4 29(194
6)]により分解して得られるポリスチレン成分量を紫外
線分光光度計(日立UV200)を用いて測定し、分解
前のゴム状重合体に対する重量%と表した。 [ブロックスチレン部のピーク分子量及び構成成分
の測定]ゴム状重合体を四酸化オスミウムを触媒にして
tーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解[I.
M.Kolthoff,et.al.,J.Poym.Sci.1,4 29(1946)]して
得られたポリスチレンをGPC(ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー)によって測定したポリスチレン換
算の分子量である。
【0052】 (GPC測定条件) 測定機種 Waters社製 LC Module1 溶媒 THF(テトラヒドロフラン) カラム Polymer Laboratories社製 PLゲル ×3本 カラム温度 35℃ 送液流量 0.7ml/min 試料濃度 0.1重量% 試料注入量 0.1ml 検出器 昭和電工製 Shodex RI SE−61
【0053】 構成成分の割合 構成成分の割合は、下記の方法によって測定、計算され
た値である。標準ポリスチレン(155万、41万、1
1万、3.5万、0.85万、0.18万)のGPCを
測定し、各々のピーク位置の保持時間を求め、分子量と
保持時間の相関曲線を作成した。その相関曲線からピー
ク分子量の2/3以下の分子量部の面積を求め、ブロッ
クスチレン部のGPC分子量分布曲線の全面積の割合と
して算出した。 [アイゾット衝撃強度] 得られた組成物を圧縮成形して、厚さ3.2mmの試験
片を作成し、JIS−K−7110に従って測定した。 [光沢] ASTM D−638に従ってゲート部とエンド部の光
沢度(入射角60°)を測定し平均した。
【0054】 [ゴム粒子径] 得られた樹脂をジメチルフォルムアミド(DMF)に超
音波振動を加えながら溶解した後、レーザー回折式粒度
分布測定装置(LAー920:堀場製作所製)にて測定
し、50%メジアン径として算出された値である。 (10) [ゴム状重合体の成形性評価] ゴム状重合体組成物の成形性の評価は以下の条件にて測
定した。 圧縮成型用金型形状 10cm×10cm×2cm 圧縮圧力 150kg/cm2 圧縮時間 30秒 圧縮温度 25℃ 使用サンプル量 250g 上記の条件で加圧成形後、金型よりはみ出したサンプル
は取り除き、成型物の外観を目視、感触によりチェック
して以下の基準により評価した。
【0055】(1) リビング重合体(B1)の製造 内容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオー
トクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、表1に示した条
件で、乾燥した1,3−ブタジエン、スチレン、シクロ
ヘキサン、テトラヒドロフラン又はN, N, N’, N’
ーテトラメチルエチレンジアミンを加え、次いでn−ブ
チルリチウムを加えて45℃で約2時間反応して調製し
た。 内容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオー
トクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、表1に示した条
件で、乾燥した1,3−ブタジエン、シクロヘキサン、
ジビニルベンゼン、テトラヒドロフランを加え、次いで
n−ブチルリチウムを加えて45℃で約2時間反応させ
て調整した。この条件で調製したリビングアニオン重合
体は、シクロヘキサンに可溶でありゲルは全くなかっ
た。触媒の調製に用いたジビニルベンゼンは、異性体混
合物56重量%(m−ジビニルベンゼン=40重量%、
p−ジビニルベンゼン=16重量%)を含有し、残部が
エチルビニルベンゼン=44重量%からなる市販のジビ
ニルベンゼンを用いた。
【0056】(2) スチレンーブタジエンブロック共重
合体(1) の製造 内容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオー
トクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、表2に示した条
件で、予め精製、乾燥したスチレン、シクロヘキサン、
テトラヒドロフランを添加し、次いで、表1に示したリ
ビング重合体を加えて重合を開始した。重合終了後、更
に、引き続いてブタジエンを添加し、重合を継続した。
重合終了後、次にメタノールを添加してリビングポリマ
ーを完全に失活させた。こうして得られたポリマー溶液
に安定剤として、2,6ージーtertーブチルー4ー
メチルフェノールをポリマー100重量部当たり、0.
5重量部添加し、スチームストリッピングすることによ
り溶媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロール(110
℃)により乾燥させ、表2に示すブロック共重合体を得
た(ゴム試料No.BSB−1〜BSB−7)。
【0057】 内容積10Lの撹拌装置及びジャケッ
ト付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、表
2に示した条件で、予め精製、乾燥したスチレンとシク
ロヘキサン、を投入し、表1に示したリビングポリマー
添加して重合を開始した。重合終了後、引き続いてブタ
ジエンとスチレンを添加し、更に重合を継続した。重合
終了後、次にメタノールを添加してリビングポリマーを
完全に失活させた。こうして得られたポリマー溶液に安
定剤として、2,6ージーtertーブチルー4ーメチ
ルフェノールをポリマー100重量部当たり、0.5重
量部添加し、スチームストリッピングすることにより溶
媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)に
より乾燥させ、表2に示すスチレンーブタジエンブロッ
ク共重合体を得た(ゴム試料No.BSB−8)。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】 内容積10Lの撹拌装置及びジャケッ
ト付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、表
3に示した条件で、予め精製、乾燥したブタジエン、シ
クロヘキサン、テトラヒドロフランを添加し、次いで、
n−ブチルリチウムを加えて重合を開始した。重合終了
後、引き続いてスチレンを添加し、更に重合を継続し
た。更にブタジエンを添加して重合を継続させた。重合
終了後、次にメタノールを添加してリビングポリマーを
完全に失活させた。こうして得られたポリマー溶液に安
定剤として、2,6ージーtertーブチルー4ーメチ
ルフェノールをポリマー100重量部当たり、0.5重
量部添加し、スチームストリッピングすることにより溶
媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)に
より乾燥させ、表3に示すブロック共重合体を得た(ゴ
ム試料No.BSB−9、BSB−10)。
【0061】 内容積10Lの撹拌装置及びジャケッ
ト付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、表
3に示した条件で、予め精製、乾燥したスチレン、シク
ロヘキサン、テトラヒドロフランを添加し、次いで、n
−ブチルリチウムを加えて重合を開始した。重合終了
後、引き続いてブタジエンを添加し、更に重合を継続し
た。重合終了後、次にメタノールを添加してリビングポ
リマーを完全に失活させた。こうして得られたポリマー
溶液に安定剤として、2,6ージーtertーブチルー
4ーメチルフェノールをポリマー100重量部当たり、
0.5重量部添加し、スチームストリッピングすること
により溶媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロール(11
0℃)により乾燥させ、表3に示すブロック共重合体を
得た(ゴム試料No.BSB−11)。
【0062】
【表3】
【0063】(3) ブタジエン系重合体(1) の製造 内容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオートク
レーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、表4に示した条件
で、予め精製、乾燥した1,3ーブタジエン(B−6、
B−7は、1,3ーブタジエンとスチレン)、シクロヘ
キサン、テトラヒドロフランを添加し、次いで、n−ブ
チルリチウムを加えて重合を開始した。重合終了後、次
にメタノールを添加してリビングポリマーを完全に失活
させた。こうして得られたポリマー溶液に安定剤とし
て、2,6ージーtertーブチルー4ーメチルフェノ
ールをポリマー100重量部当たり、0.5重量部添加
し、スチームストリッピングすることにより溶媒を除去
し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)により乾燥
させ、表4に示すブタジエン重合体(B−1〜B−9)
を得た。
【0064】
【表4】
【0065】(実施例1〜9)得られたブロック共重合
体(1) とブタジエン系重合体(2) を表5に示した条件で
ブレンドして、表5に示したゴム状重合体組成物を得
た。
【0066】
【表5】 (比較例1〜6)得られたブロック共重合体(1) とブタ
ジエン系重合体(2) を表6に示した条件でブレンドし
て、表6に示したゴム状重合体組成物を得た。
【0067】
【表6】
【0068】(実施例10〜16) <スチレンーブタジエン共重合体とブタジエン系重合体
組成物の製造>内容積10Lの撹拌装置及びジャケット
付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、表7
に示した条件で、予め精製、乾燥したスチレンとシクロ
ヘキサン、テトラヒドロフランを投入し、表1に示した
リビングポリマーを添加して重合を開始した。重合終了
後、引き続いて第7表に示した条件でモノマーとリビン
グポリマー又はn−ブチルリチウムを添加し、更に重合
を継続した。重合終了後、次にメタノールを添加してリ
ビングポリマーを完全に失活させた。こうして得られた
ポリマー溶液に安定剤として、2,6ージーtertー
ブチルー4ーメチルフェノールをポリマー100重量部
当たり、0.5重量部添加し、スチームストリッピング
することにより溶媒を除去し、脱水後、引き続き熱ロー
ル(110℃)により乾燥させ、表7に示すゴム状重合
体組成物を得た(ゴム試料No.SB−1〜SB−
7)。スチレンーブタジエン共重合体とブタジエン系重
合体の組成比は、GPCより分離されたそれぞれの面積
比より求めた。また、スチレンーブタジエン共重合体の
スチレン含量は、ゴム状重合体組成物中のスチレン含量
及びスチレンーブタジエン共重合体とブタジエン系重合
体の組成比より計算して求めた値である。
【0069】(実施例17)内容積10Lの撹拌装置及
びジャケット付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素
置換後、表7に示した条件で、予め精製、乾燥したブタ
ジエン(70g)とシクロヘキサン、テトラヒドロフラン
を投入し、n−ブチルリチウムを添加して重合を開始し
た。重合終了後、引き続いて、スチレン(140g)を添
加し、更に重合を継続した。重合終了後、引き続いて表
7に示した条件でブタジエン(490g)とn−ブチルリ
チウムを添加し、更に重合を継続した。重合終了後、次
にメタノールを添加してリビングポリマーを完全に失活
させた。こうして得られたポリマー溶液に安定剤とし
て、2,6ージーtertーブチルー4ーメチルフェノ
ールをポリマー100重量部当たり、0.5重量部添加
し、スチームストリッピングすることにより溶媒を除去
し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)により乾燥
させ、表7に示すゴム状重合体組成物を得た(ゴム試料
No.SB−8)。
【0070】(比較例7) <スチレンーブタジエン共重合体とブタジエン系重合体
組成物の製造>内容積10Lの撹拌装置及びジャケット
付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、表7
に示した条件で、予め精製、乾燥したスチレンとシクロ
ヘキサン、テトラヒドロフランを投入し、n−ブチルリ
チウムを添加して重合を開始した。重合終了後、引き続
いて表7に示した条件で1,3ーブタジエンとn−ブチ
ルリチウムを添加し、更に重合を継続した。重合終了
後、次にメタノールを添加してリビングポリマーを完全
に失活させた。こうして得られたポリマー溶液に安定剤
として、2,6ージーtertーブチルー4ーメチルフ
ェノールをポリマー100重量部当たり、0.5重量部
添加し、スチームストリッピングすることにより溶媒を
除去し、脱水後、引き続き熱ロール(110℃)により
乾燥させ、表7に示すゴム状重合体組成物を得た(ゴム
試料No.SB−9)。
【0071】
【表7】
【0072】(実施例18〜35) <耐衝撃性スチレン樹脂組成物の製造>表8、9に示し
た各種ゴム状重合体組成物を用いて、以下に述べる塊状
重合法により耐衝撃性スチレン系樹脂組成物を得た。攪
拌装置、ジャケット付き反応器に表8,9に示すような
種類、割合でエチルベンゼン、スチレンを加え、次いで
重合体組成物および安定剤として、n−オクタデシルー
3ー(3´,5´ージーtertーブチルー4´ーヒド
ロキシフェニル)プロピオネート0.3重量部、t−ド
デシルメルカプタン0.05重量部を添加し、攪拌して
溶解した。これに、ジーtertーブチルパーオキサイ
ドをモノマー1モルに対して1×10−4モル添加し1
10℃で3時間、140℃で5時間、180℃で2時間
重合を行った。更に、230℃で30分間加熱後、未反
応生成物を減圧除去した後、得られた重合体を粉砕し、
押出機にてペレット状にした。得られた耐衝撃性スチレ
ン系樹脂組成物の物性を表8、9に示す。実施例の結果
からも明らかなように、本発明のゴム状重合体組成物を
用いて製造した耐衝撃性スチレン系樹脂組成物は、光沢
と衝撃強度のバランスに優れていることがわかる。
【0073】(実施例36) <ABS樹脂の製造>実施例1と同様な反応器を用い、
第9表に示すような種類、割合でエチルベンゼン、スチ
レン、アクリロニトリルを加え、次いで重合体組成物お
よび安定剤として、n−オクタデシルー3ー(3´,5
´ージーtertーブチルー4´ーヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート0.3重量部、t−ドデシルメルカ
プタン0.05重量部を添加し、攪拌して溶解した。こ
れに、ジーtertーブチルパーオキサイドをモノマー
1モルに対して1×10−4モル添加し110℃で3時
間、140℃で5時間、180℃で2時間重合を行っ
た。更に、230℃で30分間加熱後、未反応生成物を
減圧除去した後、得られた重合体を粉砕し押出機にてペ
レット状にしてABS樹脂を得た。得られたABS樹脂
組成物の物性を表9に示す。本発明のスチレンーブタジ
エンブロック共重合体を用いて製造したABS樹脂は、
ゴム粒子径が小さくなり、光沢と衝撃強度のバランスに
優れていることが分かる。
【0074】(実施例37) <MBS樹脂の製造>実施例1と同様な反応器を用い、
表9に示すような種類、割合でエチルベンゼン、スチレ
ン、メチルメタクリレートを加え、次いで重合体組成物
および安定剤として、n−オクタデシルー3ー(3´,
5´ージーtertーブチルー4´ーヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート0.3重量部、t−ドデシルメルカ
プタン0.05重量部を添加し、攪拌して溶解した。こ
れに、ジーtertーブチルパーオキサイドをモノマー
1モルに対して1×10−4モル添加し110℃で3時
間、140℃で5時間、180℃で2時間重合を行っ
た。更に、230℃で30分間加熱後、未反応生成物を
減圧除去した後、得られた重合体を粉砕し押出機にてペ
レット状にしてMBS樹脂を得た。
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】(比較例8〜14) <耐衝撃性スチレン系樹脂組成物の製造>表10に示し
た各種ゴム状重合体組成物を用いて、実施例17と同様
な方法によって耐衝撃性スチレン系樹脂組成物を得た。
得られた耐衝撃性スチレン系樹脂組成物の物性を表10
に示す。本発明の範囲外のゴム状重合体組成物を用いた
場合、衝撃強度、又は光沢が劣り、両方に優れた耐衝撃
性スチレン系樹脂組成物は得られなかった。
【0078】
【表10】
【0079】
【発明の効果】本発明の特定の構造を有するゴム状重合
体組成物は、従来にない構造を有するものであり、特に
耐衝撃性スチレン系樹脂組成物の強靱化剤として用いた
場合に、従来の耐衝撃性スチレン系樹脂組成物と比較し
て、耐衝撃性と光沢との物性バランスに著しく優れたも
のが得られ、TV、VTR等の電子機器、エアコン、冷
蔵庫等の家庭電気製品、OA事務機器等の一般機器、文
具、玩具、レジャースポーツ用品、家庭用品、建材・住
宅部品、食品容器など広範囲に多種多様な用途に使用し
得る、という工業的にも優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−280211(JP,A) 特開 昭63−301210(JP,A) 特開 昭64−79251(JP,A) 特開 平10−265537(JP,A) 特表 平10−510567(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/02 C08L 9/00 C08F 297/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式、 ブロック共重合体(1):B1−S−B2 重合体(2):B3 (但し、ブロックB1は、共役ジエン系単量体からなる
    重合体又は共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体と
    からなる共重合体であり、 ブロックB2は、共役ジエン系単量体からなる重合体又
    は共役ジエン系単量体と芳香族ビニル単量体とからなる
    共重合体であり、 ブロックSは、芳香族ビニル単量体からなる重合体であ
    り、B3 は、共役ジエン系単量体からなる重合体又は共役ジ
    エン系単量体と芳香族ビニル単量体とからなる共重合体
    である) で表されるブロック共重合体(1)10〜90重量部と
    重合体(2)90〜10重量部からなるゴム状重合体組
    成物であって、 (i)ブロック共重合体(1)のゲルパーミエーション
    クロマトグラフで測定される分子量分布曲線のピーク部
    のポリスチレン換算分子量(Mwp)が10〜60万、 (ii)ブロック共重合体(1)中の全芳香族ビニル単
    量体含量(TS)が10〜60重量%、 (iii)ブロック共重合体(1)中のブロックとなっ
    ている芳香族ビニル重合体のゲルパーミエーションクロ
    マトグラフで測定される分子量分布曲線のピーク部のポ
    リスチレン換算分子量(Mwps)が10,000〜1
    50,000であり、且つ、 該ピーク分子量の2/3以下の分子量部の含有割合が、
    芳香族ビニル重合体中の20重量%以下であって、 (iv)重合体(2)のゲルパーミエーションクロマト
    グラフで測定される分子量分布曲線のピーク部のポリス
    チレン換算分子量(Mwp2)が10〜50万、 (v)ブロック共重合体(1)のピーク分子量(Mw
    p)、ブロック共重合体(1)中のブロックSのピーク
    分子量(Mwps)、重合体(2)のピーク分子量(M
    wp2)の関係が 0.2×(Mwp−Mwps)≦Mwp2≦2.0×
    (Mwp−Mwps) であることを特徴とするゴム状重合体組成物。
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体(1)及び重合体
    (2)が、炭化水素溶媒中で有機リチウム化合物を開始
    剤として得られることを特徴とする、請求項1記載のゴ
    ム状重合体組成物。
  3. 【請求項3】 芳香族ビニル単量体または芳香族ビニル
    単量体と共重合可能な単量体を主体とする単量体との混
    合物75〜98重量部とゴム状重合体2〜25重量部と
    を塊状重合法または塊状懸濁重合法または溶液重合法で
    ラジカル重合して得られる耐衝撃性スチレン系樹脂組成
    物であって、 該ゴム状重合体が請求項1又は2記載のゴム状重合体組
    成物であることを特徴とする耐衝撃性スチレン系樹脂組
    成物。
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