JP3475791B2 - 無段変速機のロックアップ制御および変速制御装置 - Google Patents

無段変速機のロックアップ制御および変速制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の伝動
系に挿入して用いられるトルクコンバータを、入出力要
素間が直結されたロックアップ状態にするためのロック
アップ制御装置、および、無段変速機内における無段変
速機構の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータは、流体を介して入出
力要素間で動力伝達を行うため、トルク変動吸収機能
や、トルク増大機能を果たす反面、伝動効率が悪い。こ
れがため、車両用自動変速機の伝動系に挿入されたトル
クコンバータにあっては、これらトルク変動吸収機能
や、トルク増大機能が不要な走行条件のもとで(ロック
アップ領域で)、トルクコンバータを入出力要素間がロ
ックアップクラッチの締結により機械的に直結されたロ
ックアップ状態にし、それ以外の走行条件のもとで(コ
ンバータ領域で)、トルクコンバータをロックアップク
ラッチの解放により上記の直結を解除したコンバータ状
態にするようになした、所謂ロックアップ式のトルクコ
ンバータが今日では多用されている。
【0003】この種トルクコンバータをロックアップ制
御するに際しては従来、有段式自動変速機の場合につき
説明すると、例えば日産自動車(株)が昭和62年3月
に発行した「NISSN RE4R01A型 フルレン
ジ電子制御オートマチックトランスミッション整備要領
書」(A261C07)や、特開平9−242865号
公報に記載されているように、車速でロックアップ領域
を定め、車速がロックアップ車速以上になる時にトルク
コンバータをロックアップ状態にするのが常套であっ
た。
【0004】ところで、変速機の作動油が油温上昇によ
り粘度を低下されると、変速制御を司るコントロールバ
ルブボディーからの作動油漏洩量が増大して、オイルポ
ンプを駆動するエンジンの回転数が低い時(低車速時)
に自動変速機の作動油量が不足気味となり、トルクコン
バータのロックアップクラッチがスリップして耐久性を
低下されるという問題を生ずる。
【0005】この問題解決のため有段式自動変速機にあ
っては従来、作動油温の上昇時はロックアップ車速を上
昇させて、作動油量が不足気味となる低車速ではトルク
コンバータをロックアップさせないようにすることが提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】有段式自動変速機にあ
っては、トルクコンバータをロックアップする時の変速
段が特定されることから、従来のようにロックアップ領
域を車速で定め、油温の上昇時にロックアップ車速を上
昇させることにより、上記高温時における油量収支の悪
化に伴うロックアップクラッチの耐久性低下を回避する
ことができる。しかし同じ対策を無段変速機に対して行
うと、無段変速機が無段階に変速比を選択可能であっ
て、同じロックアップ車速のもとでも選択中の変速比に
よりエンジン回転数が大きく異なることから、低速側変
速比故にエンジン回転数が高くて高油温でも油量収支の
悪化を生ぜず、トルクコンバータをロックアップすべき
であるにもかかわらずロックアップが行われないといっ
た事態を生ずることがあり、ロックアップによる伝動効
率の向上効果が損なわれるといった問題の発生が懸念さ
れる。
【0007】請求項1に記載の第1発明は、上述の実情
に鑑み無段変速機の場合、ロックアップ制御の因子を車
速に代えて変速機入力側入力回転数にするのが良いとの
事実認識に基づき、この着想を実現して上記の問題を生
ずることのない無段変速機のロックアップ制御装置を提
案することを目的とする。
【0008】 また、この第1発明は、高油温時におけ
るロックアップ領域の狭小化が、加速時において無段変
速機の使命であるダイレクト感を損なわせたり、ロック
アップ頻度を増大させて、無段変速機搭載車の運転性を
悪化させることから、この問題を解消する変速制御装置
を併せて提案することを目的とする。
【0009】 請求項に記載の第発明は、第発明
の変速制御を踏襲する場合、エンジンブレーキが過大に
なることから、この問題を解消するロックアップ解除制
御を併せて提案することを目的とする。
【0010】 請求項に記載の第発明は、油温低下
時においてロックアップ領域を変更状態から元に戻す好
適な復帰条件を提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明における無段変速機のロックアップ制御装置
は、所定の運転状態で入出力要素間が直結されたロック
アップ状態にされるトルクコンバータを伝動系に具えた
無段変速機において、無段変速機の入力側回転数がロッ
クアップ回転数以上になる時トルクコンバータをロック
アップ状態にするよう構成すると共に、該ロックアップ
回転数を変速機作動油温が高いほど上昇させるよう構成
する
【0012】 そして第1発明における無段変速機のロ
ックアップ制御および変速制御装置は、所定の運転状態
で入出力要素間が直結されたロックアップ状態にされる
トルクコンバータを伝動系に具え、車速およびエンジン
負荷に応じて無段変速機の目標入力側回転数を規定した
予定の変速パターンに基づいて変速される無段変速機に
おいて、無段変速機の入力側回転数がロックアップ回転
数以上になるときトルクコンバータをロックアップ状態
にするよう構成すると共に、該ロックアップ回転数を変
速機作動油温が高いほど上昇させるよう構成し、該ロッ
クアップ回転数の上昇時は、前記変速パターン上のエン
ジン無負荷時における下限目標入力側回転数を前記ロッ
クアップ回転数と同じ値に上昇させるよう構成したこと
を特徴とするものである。
【0013】 第発明における無段変速機のロックア
ップ制御および変速制御装置は、上記の第発明におい
て、無段変速機の入力側回転数が前記下限目標入力側回
転数となるよう変速されている状態でエンジンが無負荷
状態になる時はトルクコンバータのロックアップを禁止
するよう構成したことを特徴とするものである。
【0014】 第3発明における無段変速機のロックア
ップ制御および変速制御装置は、上記の第1発または第
2発明において、変速機作動油温の低下に応じた前記ロ
ックアップ回転数および下限目標入力側回転数の低下復
帰を、エンジンが有負荷状態である時に限って行うよう
構成したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の効果】第1発明におけるロックアップ制御装置
は、無段変速機の入力側回転数がロックアップ回転数以
上になる時、トルクコンバータを入出力要素間が直結さ
れたロックアップ状態にする。そして第1発明における
無段変速機のロックアップ制御装置は更に、上記のロッ
クアップ回転数を変速機作動油温が高いほど上昇させ
る。
【0016】よって、変速機作動油温の上昇で前記した
ように油量収支が悪化するような変速機入力側回転数の
低回転域においてロックアップを行わないこととなる。
これがため、これら油温条件および回転域のもとでロッ
クアップが行われて、ロックアップクラッチの耐久性が
悪くなるのを防止することができる。しかも当該ロック
アップ制御を、車速ではなく変速機入力側回転数のモニ
タにより行うことから、無段階に変速比を選択可能で低
速側変速比のためエンジン回転数が油量収支の悪化を生
ずることがないにもかかわらずロックアップが行わなわ
れないといったような事態を皆無にすることができ、ロ
ックアップによる伝動効率向上効果が損なわれるという
問題を払拭し得る。
【0017】 また、第1発明においては、高油温に呼
応してロックアップ回転数を上昇させた時にロックアッ
プ領域が狭くなることでエンジン無負荷時にロックアッ
プされないこととなり、これからの加速時において無段
変速機の使命であるダイレクト感が損なわれたり、ロッ
クアップ頻度を増大させて、無段変速機搭載車の運転性
を悪化させる。しかし第2発明においては、無段変速機
の変速制御に際して用いる、車速およびエンジン負荷に
応じて無段変速機の目標入力側回転数を規定した予定の
変速パターン上のエンジン無負荷時における下限目標入
力側回転数を、上記したロックアップ回転数の上昇時は
ロックアップ回転数と同じ値に上昇させることから、エ
ンジン無負荷時において変速機入力側回転数が下限目標
入力側回転数となるよう変速制御されている間もロック
アップがなされていることとなり、ここからの加速時に
おいて無段変速機の使命であるダイレクト感を確保する
ことができると共に、ロックアップ頻度が増大するのを
防止し得て、無段変速機搭載車の運転性が悪化するとい
う上記の問題を解消することができる。
【0018】 ところで、第発明のようにエンジン無
負荷時における下限目標入力側回転数を、上昇されたロ
ックアップ回転数と同じ値に高める場合、その分エンジ
ンブレーキが過大になって違和感を生ずるが、第発明
においては、無段変速機の入力側回転数が前記下限目標
入力側回転数となるよう変速されている状態でエンジン
が無負荷状態になる時はトルクコンバータのロックアッ
プを禁止するから、上記エンジンブレーキの過大に関す
る問題の発生を回避することができる。
【0019】 第発明においては、上記各発明におい
て高油温時に上昇されたロックアップ回転数および下限
目標入力側回転数を変速機作動油温の低下に応じ低下復
帰させるに際し、この低下復帰を、エンジンが有負荷状
態である時に限って行う。これがため、当該低下復帰が
エンジン無負荷時において行われると、これに伴う変速
やトルクコンバータの状態変化によるショックを感じ易
くて、違和感を生ずるところながら、このショックを感
じなくなって上記違和感を回避することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になるロックアップ制御および変速制御装置を具えた
無段変速機搭載車の駆動系を示し、1はエンジン、2は
トルクコンバータ、3はVベルト式やトロイダル型の無
段変速機構、4はディファレンシャルギヤ装置、5は車
輪で、これらを順次図示のように駆動結合して車両の駆
動系を構成する。
【0021】エンジン1を無段変速機構3に駆動結合す
るトルクコンバータ2は、エンジン1で駆動される入力
要素としてのポンプインペラ2aと、無段変速機構3の
入力軸に結合された出力要素としてのタービンランナ2
bと、これらポンプインペラ2aおよびタービンランナ
2b間を直結するロックアップクラッチ2cとを具え
た、所謂ロックアップ式トルクコンバータとする。
【0022】ロックアップクラッチ2cの締結力は、そ
の前後におけるアプライ圧PA とレリーズ圧PR の差圧
(ロックアップクラッチ締結差圧)により決まり、アプ
ライ圧PA がレリーズ圧PR よりも低ければ、ロックア
ップクラッチ2cは釈放されてポンプインペラ2aおよ
びタービンランナ2b間を直結せず、トルクコンバータ
2をスリップ制限しないコンバータ状態で機能させる。
アプライ圧PA がレリーズ圧PR よりも高くてその差圧
が設定値よりも大きくなると、ロックアップクラッチ2
cが締結されてポンプインペラ2aおよびタービンラン
ナ2b間の相対回転がなくなり、トルクコンバータ2を
ロックアップ状態で機能させる。
【0023】本実施の形態においては、所定のロックア
ップ制御を行うべくアプライ圧PAおよびレリーズ圧P
R 間の差圧(ロックアップクラッチ締結差圧)を決定す
るロックアップ制御系を以下の構成とする。ロックアッ
プ制御弁11はライン圧PL を元圧とし、コントローラ
12によりON,OFF制御されるロックアップソレノ
イド13からの信号圧PS に応じてアプライ圧PA およ
びレリーズ圧PR 間の差圧(PA −PR )を決定するも
ので、これらロックアップ制御弁11およびロックアッ
プソレノイド13を図2に明示する周知のものとする。
【0024】即ちロックアップソレノイド13は、一定
のパイロット圧Pp を元圧として供給されており、コン
トローラ12からのロックアップ指令(ON)を受ける
とき信号圧PS を発生させ、ロックアップ指令を受けな
いとき信号圧PS を消失させるものとする。そしてロッ
クアップ制御弁11は、上記の信号圧PS およびフィー
ドバックされたレリーズ圧PR を一方向に受けると共
に、他方向にバネ11aのバネ力およびフィードバック
されたアプライ圧PA を受け、以下のように差圧制御を
行うものである。
【0025】つまり、コントローラ12からのロックア
ップ指令(ON)の出力に伴ってロックアップソレノイ
ド13からの信号圧PS を供給される時、ロックアップ
制御弁11はアプライ圧PA およびレリーズ圧PR 間の
差圧、つまりロックアップクラッチ締結差圧(PA −P
R )を増大させて設定以上の差圧となし、ロックアップ
クラッチ2cの締結によりトルクコンバータをロックア
ップ状態にするものとする。ロックアップ制御弁11
は、逆にコントローラ12からのロックアップ指令がな
くなってロックアップソレノイド13からの信号圧PS
が消失する時、ロックアップクラッチ締結差圧(PA
R )を減少させて負値となし、ロックアップクラッチ
2cの釈放によりトルクコンバータ2をコンバータ状態
にするものとする。
【0026】ロックアップソレノイド13へのロックア
ップ指令の出力、消失はコントローラ12がこれを決定
するもので、これがためコントローラ12には図1およ
び図2に示すように、エンジン1の負荷状態を表すスロ
ットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ21
からの信号と、変速機入力側回転数としてエンジン回転
数Ne (変速機入力回転数でも良い)を検出するエンジ
ン回転センサ22からの信号と、変速機出力回転数NO
を検出する変速機出力回転センサ24からの信号と、変
速機作動油温TMPを検出する油温センサ25からの信
号とをそれぞれ入力する。
【0027】コントローラ12はこれら入力情報をもと
に、図3に示す制御プログラムを実行してトルクコンバ
ータ2のロックアップ制御に際して用いるロックアップ
回転数を以下の如く作動油温TMPに応じ変更すると共
に、同制御プログラムにより図6に例示した如くに変速
パターンを修正し、さらに当該変速パターンに基づき、
図1に示すように目標変速比i* を決定して当該目標変
速比に向け無段変速機構3を変速制御するものとする。
【0028】図3の制御プログラムを説明するに、先ず
ステップ31において、作動油温TMPが、前記油量収
支の観点からロックアップ回転数を上昇させるべき油温
設定値TMP2 (TMP4 )以上か否かを判定する。こ
こで油温設定値TMP2 ,TMP4 について述べると、
前記油量収支の観点から作動油温TMPごとにロックア
ップ可能な変速機入力側回転数(エンジン回転数)Ne
の下限値をプロットして、ロックアップ可能な入力側回
転数領域を表記すると、図4に例示したハッチング領域
のように表される。
【0029】これを基に本実施の形態においては、油温
設定値TMP2 ,TMP4 をそれぞれ例えば図4に例示
した温度に定める。そして、油温設定値TMP2 でロッ
クアップ可能な変速機入力側回転数(エンジン回転数)
e の下限値NL1を、油温TMPがTMP2 未満である
通常温度時の通常時ロックアップ回転数とし、油温設定
値TMP4 でロックアップ可能な変速機入力側回転数
(エンジン回転数)Ne の下限値NL2を、油温TMPが
TMP 2 〜TMP4 である時の中温時ロックアップ回転
数とし、これに適当な回転数、例えばNL1とNL2との間
隔と同じ回転数を加算した変速機入力側回転数(エンジ
ン回転数)Ne の値NL3を、油温TMPがTMP4 以上
である時の高温時ロックアップ回転数とする。
【0030】ただし、油温設定値TMP2 ,TMP4
それぞれ、ロックアップ回転数のN L1からNL2への上昇
判定およびNL2からNL3への上昇判定と、ロックアップ
回転数の逆方向への低下判定とで兼用するのでは、制御
のハンチングを生ずることから、図5に示すように油温
設定値TMP2 ,TMP4 はそれぞれロックアップ回転
数NL の上昇判定に使用して、作動油温TMPがこれら
油温設定値TMP2 ,TMP4 以上になった時にロック
アップ回転数NL の対応するNL1からNL2への上昇、お
よびNL2からNL3への上昇を行わせることとし、TMP
2 ,TMP4 よりもそれぞれ若干低い油温設定値TMP
1 およびTMP 3 をロックアップ回転数NL の低下判定
に使用して、作動油温TMPがこれら油温設定値TMP
1 ,TMP3 以下に低下した時にロックアップ回転数N
L の対応するNL2からNL1への低下、およびNL3からN
L2への低下を行わせることとする。
【0031】しかし図3では説明の便宜上、油温設定値
TMP1 ,TMP2 を基準としてロックアップ回転数N
L をNL1とNL2との間で切り換える場合につき代表的に
説明するのみとし、油温設定値TMP3 ,TMP4 を基
準としたロックアップ回転数NL のNL2,NL3間での切
り換えについては、対応する箇所に括弧付きで符号を付
すのみとした。ステップ31で作動油温TMPが油温設
定値TMP2 (TMP4 )以上でないと判定する時は、
ロックアップ回転数NL の変更を行わないから制御をそ
のまま終了する。
【0032】ステップ31で作動油温TMPが油温設定
値TMP2 (TMP4 )以上であると判定する場合は、
ステップ32において、図5に示すようにロックアップ
回転数NL をNL1からNL2へ(NL2からNL3へ)上昇さ
せると共に、詳しくは後述する目的から、図6に示すご
とくスロットル開度TVOと車速VSPとで目標入力側
回転数(エンジン回転数)Ne * を規定した変速パター
ン上のエンジン無負荷(スロットル開度TVO=0/
8)時における下限目標入力側回転数NeL * を通常時の
e1 * (通常時ロックアップ回転数NL1と同じ)からα
(β)で示すように、上昇されたロックアップ回転数N
L2(NL3)と同じ値Ne2 * (Ne3 * )に上昇させる。
【0033】かように上昇されたロックアップ回転数N
L および下限目標入力側回転数NeL * に基づくロックア
ップ制御および変速制御は、図3以外の図示せざる制御
プログラムにより通常通りに実行され、以下の作用効果
を得ることができる。先ずロックアップ制御について説
明するに、変速機入力側回転数Ne がロックアップ回転
数NL 以上になるとき、図1および図2のロックアップ
ソレノイド13へロックアップ指令が出力され、トルク
コンバータ2をロックアップクラッチ2cの締結により
ロックアップ状態にし、変速機入力側回転数Ne がロッ
クアップ回転数NL 未満になるとき、ロックアップソレ
ノイド13へロックアップ指令が消失され、トルクコン
バータ2をロックアップクラッチ2cの釈放によりコン
バータ状態にする。
【0034】ところで、ロックアップ回転数NL を油温
TMPの上昇に応じてNL1からNL2へ(NL2からN
L3へ)上昇させることから、油温TMPの上昇で前記し
たように油量収支が悪化するような変速機入力側回転数
の低回転域においてロックアップを行わないこととな
る。これがため、これら油温条件および回転域のもとで
ロックアップが行われて、ロックアップクラッチの耐久
性が悪くなるのを防止することができる。
【0035】しかも上記のロックアップ制御を、車速で
はなく変速機入力側回転数Ne のモニタにより行うこと
から、無段階に変速比を選択可能で低速側変速比のため
エンジン回転数が油量収支の悪化を生ずることがないに
もかかわらずロックアップが行わなわれないといったよ
うな事態を皆無にすることができ、ロックアップによる
伝動効率向上効果が損なわれるという問題を払拭し得
る。
【0036】ここで、高油温に呼応してロックアップ回
転数NL を上昇させた時に図6に実線で示すごとくエン
ジン無負荷(スロットル開度TVO=0/8)時におけ
る下限目標入力側回転数NeL * を通常時のNe1 * (通常
時ロックアップ回転数NL1と同じ)のままにしておく
と、エンジン無負荷時に入力側回転数Ne が下限目標入
力側回転数Ne1 * になるよう変速制御されている状態で
ロックアップが行われていないことになり、これからの
加速時においてロックアップが行われるようになるまで
の間、無段変速機の使命であるダイレクト感が損なわれ
るし、更にロックアップ頻度が増大して、無段変速機搭
載車の運転性を大きく悪化させることになる。
【0037】しかし本実施の形態においては、この時同
時に図3のステップ32で、エンジン無負荷(スロット
ル開度TVO=0/8)時における下限目標入力側回転
数N eL * を図6のごとく通常時のNe1 * (通常時ロック
アップ回転数NL1と同じ)からα(β)で示すように、
上昇されたロックアップ回転数NL2(NL3)と同じ値N
e2 * (Ne3 * )に上昇させ、これを含む図6の変速マッ
プを基に、変速機出力回転数NO から算出可能な車速V
SPおよびスロットル開度TVOから目標入力側回転数
e * を求め、このNe * を変速機出力回転数NO で除
算して求めた目標変速比i* を図1の如く無段変速機構
3に指令する変速制御とするため、エンジン無負荷時に
入力側回転数Ne が下限目標入力側回転数NeL * になる
よう変速制御されている間もロックアップがなされてい
ることとなり、ここからの加速時において無段変速機の
使命であるダイレクト感を確保することができると共
に、ロックアップ頻度が増大するのを防止し得て、無段
変速機搭載車の運転性が悪化するという上記の問題を解
消することができる。
【0038】ところで上記のように、ロックアップ回転
数NL を上昇させる時に同時に、エンジン無負荷(スロ
ットル開度TVO=0/8)時における下限目標入力側
回転数NeL * を図6にα,βで示すように、当該上昇さ
れたロックアップ回転数と同じ値に高めた場合、その分
だけエンジンブレーキが過大になって違和感を生ずる。
【0039】この問題解決のために本実施の形態では、
図3のステップ33において、変速機入力側回転数Ne
が下限目標入力側回転数NeL * 以下であると判定し、ス
テップ34でスロットル開度TVOが0/8のアイドル
状態であると判定した場合、つまり変速機入力側回転数
e が下限目標入力側回転数NeL * になるよう変速制御
されている状態で、且つ、エンジンが無負荷状態である
時は、ステップ35においてロックアップ指令の出力を
禁止してロックアップOFF指令を図1および図2のロ
ックアップソレノイド13に発する。かかるトルクコン
バータのロックアップ禁止は、上記エンジンブレーキの
過大に関する問題の発生を回避することができる。
【0040】ステップ34でスロットル開度TVOが0
/8のアイドル状態でないと判定する場合は、上記エン
ジンブレーキの過大に関する問題は起きないから、ステ
ップ37において現在既にロックアップ状態であるか否
かを判定し、既にロックアップ状態である場合は制御を
そのままステップ31に戻し、ロックアップ状態でなけ
ればステップ38で、ロックアップON指令を図1およ
び図2のロックアップソレノイド13に発してトルクコ
ンバータをロックアップ状態にし、ダイレクト感を確保
すると共に、ロックアップ頻度の上昇を回避する。
【0041】ステップ32で前記のごとく上昇させたロ
ックアップ回転数NL および下限目標入力側回転数NeL
* を低下復帰させるに際しては、ステップ39において
スロットル開度TVOが0/8のアイドル状態でないと
判定し、且つ、ステップ40で作動油温TMPが図5に
示す油温設定値TMP1 (TMP3 )以下であると判定
した時に、ステップ41で当該回転数の低下復帰を行う
こととする。つまりステップ41では、ロックアップ回
転数NL をNL2からNL1へ(NL3からNL2へ)低下させ
て前記のロックアップ制御に資すると共に、下限目標入
力側回転数NeL * をNe2 * からNe1 * へ(Ne3 * からN
e2 * へ)低下させて前記の変速制御に資する。
【0042】かかる本実施の形態になる、油温(TM
P)低下時におけるロックアップ回転数NL および下限
目標入力側回転数NeL * の低下復帰によれば、当該復帰
を、エンジンが有負荷状態である時(スロットル開度T
VOが0/8以外の時)に限って行うから、変速やトル
クコンバータの状態変化によるショックを感じ易いエン
ジン無負荷時(スロットル開度TVOが0/8の時)に
おいてロックアップ回転数NL および下限目標入力側回
転数NeL * の低下復帰を行うと、これに伴う変速やトル
クコンバータの状態変化に起因したショックで違和感を
与えるところながら、この違和感を回避することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるロックアップ制御
および変速制御装置を具えた車両の駆動系およびその制
御システムを示す概略系統図である。
【図2】同実施の形態におけるトルクコンバータのロッ
クアップ制御系を示すシステム図である。
【図3】同実施の形態においてコントローラが実行する
ロックアップ回転数の変更制御および下限目標入力側回
転数の変更制御を示すフローチャートである。
【図4】変速機作動油温ごとに油量収支上ロックアップ
可能な変速機入力側回転数の下限値を表記した2次元座
標上に、本発明で設定したロックアップ回転数を例示す
る線図である。
【図5】変速機作動油温に対するロックアップ回転数の
設定スケジュールを示す説明図である。
【図6】通常の無段変速機における変速線図上に、本発
明で変更する下限目標入力側回転数の変更例を表記した
線図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 2a ポンプインペラ(入力要素) 2b タービンランナ(出力要素) 2c ロックアップクラッチ 3 無段変速機構 4 ディファレンシャルギヤ装置 5 車輪 11 ロックアップ制御弁 12 コントローラ 13 ロックアップソレノイド 21 スロットル開度センサ 22 エンジン回転(変速機入力側回転)センサ 24 変速機出力回転センサ 25 油温センサ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の運転状態で入出力要素間が直結さ
    れたロックアップ状態にされるトルクコンバータを伝動
    系に具え、 車速およびエンジン負荷に応じて無段変速機の目標入力
    側回転数を規定した予定の変速パターンに基づいて変速
    される無段変速機において、 無段変速機の入力側回転数がロックアップ回転数以上に
    なるときトルクコンバータをロックアップ状態にするよ
    う構成すると共に、該ロックアップ回転数を変速機作動
    油温が高いほど上昇させるよう構成し、 該ロックアップ回転数の上昇時は、前記変速パターン上
    のエンジン無負荷時における下限目標入力側回転数を前
    記ロックアップ回転数と同じ値に上昇させるよう構成し
    たことを特徴とする無段変速機のロックアップ制御およ
    び変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、無段変速機の入力側
    回転数が前記下限目標入力側回転数となるよう変速され
    ている状態でエンジンが無負荷状態になる時はトルクコ
    ンバータのロックアップを禁止するよう構成したことを
    特徴とする無段変速機のロックアップ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、変速機作動
    油温の低下に応じた前記ロックアップ回転数および下限
    目標入力側回転数の低下復帰を、エンジンが有負荷状態
    である時に限って行うよう構成したことを特徴とする無
    段変速機のロックアップ制御および変速制御装置。
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