JP3475768B2 - エアバッグ用基布およびエアバッグ - Google Patents

エアバッグ用基布およびエアバッグ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性を保持
し、かつ優れた柔軟性を有するエアバッグに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車における乗員の安全確保の
ためのエアバッグの実用化が急速に高まりつつある。エ
アバッグは、自動車の衝突事故の際、衝突の衝撃を受け
てセンサーが作動し、高温、高圧のガスを発生させ、こ
のガスによって、エアバッグを瞬間的に膨張させ、衝突
時に乗員の顔面、前頭部を保護しようとするものであ
る。 従来、エアバッグには300〜1000デニール
のナイロン66またはナイロン6フィラメント糸を用い
た平織物に、耐熱性、難燃性、空気遮断性などを向上さ
せるため、クロロプレン、クロルスルホン化オレフィ
ン、シリコーンなどの合成ゴムなどのエラストマー樹脂
を塗布、積層した基布を裁断し、袋体に縫製して作られ
ていた。
【0003】しかしながら、これらのエラストマー樹脂
を塗布、積層した基布は、かなり重く、風合いが粗硬
で、エアバッグ膨張時に、顔面が接触すると擦過傷を受
けることもあり好ましいものではなかった。また収納性
の面においても、折りたたみ難いことや、基布が厚いた
めに大きな収納スペースがいるという問題があった。ま
たこれらのエラストマー樹脂をコーティングするに際し
ては、加工工程が非常に繁雑であり、工程管理ならびに
加工コストの面においても好ましい方法とは言えなかっ
た。
【0004】一方、上記欠点を改善するため、ナイロン
66、ナイロン6などのポリアミド繊維あるいはポリエ
ステル繊維のうちの1つを使用した織物の高密度化によ
るノンコート基布を使用したエアバッグの検討が進めら
れ、エアバッグ用基布としての機械的特性、収納性、軽
量化はコート布に比べ向上してきたが、エアバッグが膨
脹展開し、乗員の顔面に接触した際に擦過傷を受ける、
あるいは乗員がエアバッグ膨脹による反発を受けて車両
構造物に衝突して負傷するという問題があり、エアバッ
グ用基布の柔軟性向上および衝撃吸収性向上が強く要望
されている。例えば、特開平4−281062号公報
は、ち密な織り方を有する被覆されていない工業用織物
の製造方法を提案し、低通気性を付与するために熱気収
縮6〜15%のポリアミドフィラメント糸からなる織物
に60〜140℃の温度範囲内で水浴中での処理をする
方法が開示されている。ここで提案されているノンコー
ト高密度織物は、コート布に比べ軽量化され機械的特性
は向上しているが、柔軟性に欠け、満足したエアバッグ
が得られていない。
【0005】また、特開平4−2835号公報は、コー
ティングをされていない低通気性の織布を提案し、低通
気性を付与するためにカレンダー加工の採用が開示され
ている。この提案により得られるエアバッグ用基布は低
通気性はかなり改善されたが、エアバッグ用としての機
械的特性、すなわち引裂強力がやや低いためにバースト
しやすいという問題がある。また、ノンコート基布を使
用したエアバッグは、エアバッグが膨脹展開し、乗員の
顔面に接触した際に擦過傷を受ける、あるいは乗員がエ
アバッグ膨脹による反発を受けて車両構造物に衝突して
負傷するという問題があり、エアバッグ用基布の柔軟性
向上および衝撃吸収性向上が強く要望されている。
【0006】また、特開平7−292542号公報は、
高密度織物及びその製造方法を提案し、高密度でかつ柔
軟性に富んだ織物を得るために、アルカリ難溶性のポリ
エチレンテレフタレートと、アルカリ易溶性のポリエチ
レンテレフタレート系コポリエステルの複合繊維からな
る織物をアルカリ処理する方法が開示されているが、満
足した衝撃吸収性が得られていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
のエアバッグの欠点に鑑み、エアバッグとして必要な機
械的特性を保持しつつ、低通気度で、柔軟で、衝突した
際の衝撃の少ないエアバッグ用基布およびエアバッグを
提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のエアバッグ用基布は、織物からなるエアバ
ッグ用基布において、織物を構成する経糸および緯糸
の、一つは、いずれか一方がポリアミド系繊維糸条から
なり、他方がポリエステル系繊維糸条からなることを特
徴とするものであり、一つは、いずれか一方がポリアミ
ド系繊維糸条またはポリエステル系繊維糸条からなり、
他方がポリアミド系繊維糸条とポリエステル系繊維糸条
との引揃え糸条からなることを特徴とするものであり、
一つは、少なくとも一方がポリアミド系繊維糸条とポリ
エステル系繊維糸条とからなっているとともにポリアミ
ド系繊維糸条とポリエステル系繊維糸条とが交互に配列
されていることを特徴とするものであり、一つは、いず
れか一方がポリアミド系繊維糸条またはポリエステル系
繊維糸条からなり、他方がポリアミド系繊維糸条とポリ
エステル系繊維糸条とからなっているとともにポリアミ
ド系繊維糸条とポリエステル系繊維糸条とが交互に配列
されていることを特徴とするものである
【0009】また、本発明のエアバッグは、かかるエア
バッグ用基布を用いて構成されていることを特徴とする
ものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における第一の発明では、
ポリアミド系繊維糸条とポリエステル系繊維糸条とを両
方の繊維を併用して基布を構成すると、上述の課題を一
挙に解決するができるものである。
【0011】その場合、2種類以上の異なる乾熱収縮率
や沸騰水中収縮率をもつ繊維糸条を利用して、織物を構
成する分解糸のクリンプ率に差を作る、布帛の柔軟
性、圧縮性が増すために、エアバッグが膨脹展開し、乗
員の顔面に接触した際に衝撃を吸収して、擦過傷を防ぐ
とともに、乗員のエアバッグ膨脹による反発を受けて車
両構造物に衝突して負傷することを防ぐことができるの
で好ましい
【0012】本発明の基布においては、ポリアミド系繊
糸条およびポリエステル系繊維糸条を併用することが
必要である。かかるポリアミド系繊維糸条としては、ナ
イロン6・6、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン4
・6、およびナイロン6とナイロン6・6の共重合体、
ナイロンにポリアルキレングリコール、ジカルボン酸や
アミンなどを共重合したものが用いられるが、その中で
も特にナイロン6・6、ナイロン6が好ましい。またポ
リエステル系繊維糸条としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなどのホモポリエ
ステル、ポリエステルの繰り返し単位を構成する酸成分
にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ま
たはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを共重合
したポリエステル繊維、または上記合成繊維を主体とし
た超極細繊維が使用される。超極細繊維の例として、島
成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリスチ
レンを主体とする高分子配列体繊維、島成分がポリエチ
レンテレフタレート、海成分が5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートを
主体とする高分子配列体繊維などが挙げられる。該高分
子配列体繊維では、トリクロールエチレンなどの溶媒で
海成分を除去する方法などにより超極細繊維を得ること
ができる。
【0013】かかる繊維糸条には、原糸糸条の製造工程
や加工工程での生産性あるいは、特性改善のために通常
使用されている各種添加剤を含んでいてもよい。たとえ
ば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防
止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤などを含有せしめ
ることができる。
【0014】また、本発明における合成繊維基布は上述
したポリアミド系繊維糸条とポリエステル系繊維糸条
2種類の繊維糸条で構成することが必要である。かかる
2種の繊維糸条を用いることで、それぞれの繊維糸条
もつ乾熱収縮率、沸騰水中収縮率や伸度などの違いを利
用して、基布に低通気性や衝撃吸収性を付与できる。か
かる繊維糸条の混率については、特に制約を受けない
が、好ましくはポリエステル系繊維の混率が10〜90
重量%、さらに好ましくは3070重量%であるのが
よい。
【0015】一方、基布の構造としては、平織、綾織、
朱子織およびこれらの変化織、多軸織などの織物が使用
されるが、これらの中でも、特に、機械的特性に優れ、
また地薄な面から平織物が好ましい。織物としては、カ
バーファクターが1700〜2500であることが、非
通気性すなわち気密性ならびに柔軟性の面から好まし
い。ここで、カバーファクターとは経糸総繊度をD1 、
経糸密度をN1 とし、緯糸総繊度をD2 、経糸密度をN
2 とすると、D1 1/2 ×N1 +D2 1/2 ×N2 で表され
る。また製織工程で用いられる織機としては、ウォータ
ージェットルーム、エアジェットルーム、レピア織機が
望ましい。
【0016】また、本発明において使用される合成繊維
基布は、該織物を分解したとき、該織物の経糸および/
あるいは緯糸が2種類以上の異なるクリンプ率を有する
繊維糸条(以下単に分解糸という)で構成されており、
かつ、該クリンプ率が1〜15%で、経糸あるいは緯糸
に用いられる2種類以上の該分解糸のクリンプ率の差が
0.5%以上であるものであるものが好ましく使用され
。さらに好ましくは2種類以上の該分解糸のクリンプ
率の差が1%以上であるのがよい。経糸あるいは緯糸に
用いられる2種類以上の該分解糸のクリンプ率の差が
0.5%以上であると、クリンプ率の大きな分解糸が織
物表面に浮き出て、基布の柔軟性を増加させ、さらに基
布の嵩高性による圧縮性も増加させ、衝撃吸収性を付与
する。2種類以上の異なるクリンプ率を有する分解糸の
混率については、特に制約を受けないが、好ましくは、
該分解糸の中で最も大きいクリンプ率を有する分解糸の
混率が10〜90%重量%、さらに好ましくは25〜7
5重量%であるのがよい。2種類以上の該分解糸のクリ
ンプ率の差を作るには、織物を構成するのに用いた原糸
の乾熱収縮率が1〜10%で、その差が2%以上あるこ
と、あるいは該原糸の沸騰水中収縮率が0.5〜10%
で、その差が2%以上あることが好ましい。2種類以上
の該原糸の乾熱収縮率の差が2%以上ある場合は、該原
糸を用いた織物を熱ヒートセットすることで、乾熱収縮
率の小さい方の糸が表面に浮き出て分解糸のクリンプ率
に0.5%以上の差が生まれる。また、2種類以上の該
原糸の沸騰水中収縮率の差が2%以上ある場合は、該原
糸を用いた織物を熱水処理することで、沸騰水中収縮率
の小さい方の糸が表面に浮き出て分解糸のクリンプ率に
0.5%以上の差が生まれる。
【0017】また、2種類以上の該分解糸の混用方法に
ついては、どのような方法をとってもよいが、次のよう
な方法が機械的特性を保持しつつ衝撃吸収性を付与する
上から好ましい。例えば、織物の経糸あるいは緯糸の少
なくとも一方が、2種類の異なるクリンプ率を有する分
解糸から構成され、2種類の該分解糸を引き揃えられた
織構造にする方法がある。また別の方法として、織物の
経糸あるいは緯糸の少なくとも一方が、2種類の異なる
クリンプ率を有する分解糸から構成され、該分解糸が交
互に配列させる方法がある。該配列方法は特に制約を受
けないが、好ましくは2種類の該分解糸のうち、一方の
分解糸1〜3本の間に他方の分解糸が1本配列させるの
がよい。
【0018】また、2種の繊維糸条の混用方法について
は、どのような方法をとってもよいが、例えば次のよう
な方法が低通気性や衝撃吸収性を付与する上から好まし
い。
【0019】1つの例として、該基布が織物、経糸と
緯糸のうち一方にポリアミド系繊維糸条、他方にポリエ
ステル系繊維糸条を用いた織糸で製織し、熱ヒートセッ
トした織物は、エアバッグが膨脹展開する際にかかる圧
力(0.2kg/cm2 )の空気を当てると、伸びよう
とする伸度の大きなポリアミド系繊維糸条とその伸びを
止めようとする伸度の小さなポリエステル系繊維糸条が
ほどよく相互作用をすることによって織物交点の目空き
部分が詰まり、低通気度化が図れる。ポリアミド系繊維
糸条だけからなる織物の場合は空気を当てると織物が伸
び過ぎて織物交点の目空き部分が広がり、逆にポリエス
テル系繊維糸条だけからなる織物の場合は空気を当てて
も織物が伸びずに織物交点の目空き部分が詰まらないの
で低通気度化が図れない。
【0020】別の例として、ポリアミド系繊維糸条とポ
リエステル系繊維糸条の乾熱収縮率の違いを利用した例
であって、たとえば経糸および緯糸のいずれかにポリア
ミド系繊維糸条とポリエステル系繊維糸条の混用した繊
維糸条を用いて構成された織物を熱ヒートセットする
と、乾熱収縮率の大きいポリエステル系繊維糸条が乾熱
収縮率の小さいポリアミド系繊維糸条より大きく収縮す
るために、ポリアミド系繊維糸条が織物表面に浮き出、
柔軟性に優れた織物を形成することになる。かかる混用
方法として、経糸および緯糸の少なくとも一方に、ポリ
アミド系繊維糸条とポリエステル系繊維糸条とを引き揃
えた繊維糸条を用いる方法がある。該方法にはポリアミ
ド系繊維とポリエステル系繊維を混繊した繊維糸条は含
まない。また、引き揃えた繊維糸条のポリエステル系繊
維糸条の混率は特に制約を受けないが、好ましくは30
〜70重量%であるのがよい。また、経糸あるいは緯糸
の少なくとも一方に、ポリアミド系繊維糸条とポリエス
テル系繊維糸条を交互に配列させる方法もある。該配列
方法は特に制約を受けないが、好ましくはポリエステル
系繊維糸条とポリアミド系繊維糸条のうち、一方の繊維
糸条1〜3本の間に他方の繊維糸条を1本配列させる方
法がよい。
【0021】さらに別の例として、ポリアミド系繊維
とポリエステル系繊維糸条の沸騰水中収縮率の違いを
利用して、経糸あるいは緯糸にポリアミド系繊維糸条
ポリエステル系繊維糸条の混用した繊維糸条を用いて構
成された織物を熱水処理することで、沸騰水中収縮率の
大きいポリアミド系繊維糸条が沸騰水中収縮率の小さい
ポリエステル系繊維糸条より大きく収縮するために、ポ
リエステル系繊維糸条が織物表面に浮き出、柔軟性に優
れた織物になる。かかる混用方法として、経糸および緯
糸の少なくとも一方に、ポリアミド系繊維糸条とポリエ
ステル系繊維糸条とを引き揃えた繊維糸条を用いる方法
がある。前述と同様に、該方法においても、ポリアミド
系繊維とポリエステル系繊維を混繊した繊維糸条、つま
りポリアミド系繊維からなる単糸とポリエステル系繊維
からなる単糸がランダムに混ざった糸条は含まない。ま
た、引き揃えた繊維糸条のポリエステル系繊維糸条の混
率は特に制約を受けないが、好ましくは30〜70重量
%であるのがよい。また、経糸あるいは緯糸の少なくと
も一方に、ポリアミド系繊維糸条とポリエステル系繊維
糸条を交互に配列させる方法もある。該配列方法は特に
制約を受けないが、好ましくはポリアミド系繊維糸条と
ポリエステル系繊維糸条のうち、一方の繊維糸条1〜3
本の間に他方の繊維糸条を1本配列させる方法がよい。
【0022】また、本発明におけるポリアミド系繊維
とポリエステル系繊維糸条の180℃乾熱収縮率差お
よび/または沸騰水中収縮率差が2%以上あることが、
180℃乾熱収縮率差および/または沸騰水中収縮率差
を利用する上で好ましい。さらに好ましくは、180℃
乾熱収縮率がポリアミド系繊維糸条は1〜5%、ポリエ
ステル系繊維糸条は3〜10%であり、ポリエステル系
繊維糸条の180℃乾熱収縮率がポリアミド系繊維糸条
の180℃乾熱収縮率より2%以上大きいことが、基布
に柔軟性を持たせる上からも好ましい。また、沸騰水中
収縮率については、ポリアミド系繊維糸条が3〜10
%、ポリエステル系繊維糸条が0.5〜5%であり、ポ
リアミド系繊維糸条の沸騰水中収縮率がポリエステル系
繊維糸条の沸騰水中収縮率より2%以上大きいことが好
ましい。
【0023】また、本発明の合成繊維基布を構成する繊
糸条の単糸繊度は、とくに制約を受けないが、好まし
くは0.3〜7.0デニールであり、基布を構成する
糸条のトータル繊度についてもとくに制約を受けない
が、機械的特性ならびに収納性の面から100〜700
デニールであることが好ましい。また、基布を構成する
繊維糸条の強度は、エアバッグとしての必要な機械的特
性を満足するものであればとくに制約を受けないが、好
ましくは、5g/デニール以上、さらに好ましくは、7
g/デニール以上がよい。
【0024】また、本発明においては上記からなる基布
の通気度が、流体(空気)を0.2kg/cm2 の圧力
に調整して流し、その時通過する空気流量を測定した時
に、40cc/cm2 /sec以下、好ましくは30c
c/cm2 /sec以下がよい。本発明のエアバッグ用
基布の特徴は、通気度をエアバッグに好適な範囲に低下
せしめることができる点や、エアバッグに乗員の人体が
接触した時にその衝撃を吸収できる点にある。すなわ
ち、本発明で得られる基布は、ポリアミド系繊維糸条
ポリエステル系繊維糸条の2種類の合成繊維糸条を使用
すること、またはクリンプ率の異なる繊維糸条を使用す
ることでで、それぞれの繊維糸条のもつ乾熱収縮率、沸
騰水中収縮率や伸度の違いを利用して、低通気性や柔軟
性に優れたものを提供することができるのである。
【0025】また、本発明において、エアバッグの少な
くとも顔面接触側の基布には上述した構成のものを用い
ることが好ましい。
【0026】次に、本発明を図により説明する。
【0027】図1は、本発明の基布によって構成された
エアバッグの1例を示す断面図である。1は顔面接触側
基布で、2はインフレーター側基布である。3はインフ
レーター取り付け口で、4がベントホール部である。な
お、図2は、衝撃性を測定する測定装置の概略図であ
り、5のエアバッグの中に6の極薄ゴム風船を入れて膨
らませ、7の振り子を45度まで上げて放したときの反
発による戻り角度を測定するものである。
【0028】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳しく説
明する。なお、表1に実施例中に用いた糸種をまとめて
示した。また、実施例中のエアバッグ用基布の通気度、
膨張展開特性、剛軟度、クリンプ率、圧縮とエアバッグ
の人体への衝撃性およびバーストの有無は下記の方法に
より測定した。 通気度 :層流管式通気度測定機を用いて、流体
(空気)を所定の圧力(0.2kg/cm2 )に調整し
て流し、その時通過する空気流量(cc/cm2 /se
c)を測定した。 膨脹展開特性 :ダイセル化学製の電気着火式インフレ
ータを用いて、エアバッグの膨脹展開時間を測定した。 剛軟度 :JIS L 1096、6.19.1
A法(45°カンチレバー法)より求めた。
【0029】 クリンプ率 :JIS L 1096,6.7.2
B法より求めた。 圧縮 :KES−G5ハンディー圧縮試験機に
より圧縮特性の直線性(LC)および圧縮仕事量(W
C)を測定した。 人体への衝撃性:図2に示すように、エアバッグ内に極
薄のゴム風船を入れ、空気を入れて、内圧0.2kg/
cm2 になるように膨らませ、鉛製500gの振り子を
45°のところから放しエアバッグに衝突させ、反発に
より振り子がもどる角度を測定した。
【0030】 バーストの有無:エアバッグ動的破裂試験機を用いて、
バッグ内の圧力が1.5kg/cm2 になるように調整
し、エアバッグのバーストの有無を調べた。
【0031】実施例1 経糸に総繊度420デニール、72フィラメント、強度
9.8g/デニール、伸度22%、180℃乾熱収縮率
2%のナイロン6・6繊維からなるフィラメント糸を用
い、緯糸に総繊度420デニール、144フィラメン
ト、強度9.3g/デニール、伸度16%、150℃乾
熱収縮率8%のポリエチレンテレフタレート繊維のフィ
ラメント糸を用い、ウォータージェットルームにて織密
度が経糸54本/インチ、緯糸52本/インチの平組織
の織物を製織した。次いで、該織物をアルキルベンゼン
スルホン酸ソーダ0.5g/lを含んだ85℃温水浴中
に3分間浸漬した後、130℃で3分間乾燥させ、次い
で180℃で1分間ヒートセットし、経糸と緯糸の仕上
密度がともに55本/インチのエアバッグ用基布を得
た。該エアバッグ用基布の通気度を測定したところ、
0.2kg/cm2 の圧力下で11.0cc/cm2
secであった。しかる後、該エアバッグ用基布から直
径725mmの円状布帛2枚を打抜き法にて裁断し、一
方の円状布帛の中央に同一布帛からなる直径200mm
の円状補強布帛を3枚積層して、直径110mm、14
5mm、175mm線上を上下糸ともナイロン6・6繊
維の420D/1×3から構成される縫糸で本縫いによ
るミシン縫製し、直径90mmの孔を設け、インフレー
ター取り付け口とした。さらに中心部よりバイアス方向
に255mmの位置に相反して同一布帛からなる直径7
5mmの円状補強布帛を1枚当て直径50mm、60m
mの線上を上下糸ともナイロン6・6繊維の420D/
1×3から構成される縫糸で本縫いによるミシン縫製
し、直径40mmの孔を設けたベントホールを2か所設
置した。次いで、本円状布帛の補強布帛側を外にし、他
方の円状布帛と経軸を45度ずらして重ね合わせ、直径
700mm、710mmの円周上を上下糸ともナイロン
6・6繊維の1260D/1から構成される縫糸で二重
環縫いによるミシン縫製した後、袋体を裏返し60L容
量の運転席用エアバッグを作製した。ただし、バースト
テスト用のエアバッグにはベントホールの設置を省い
た。
【0032】このようにして、得られたエアバッグの特
性を評価し、表2に示した。表2から明らかなように、
実施例1のエアバッグは、エアバッグとして必要な低通
気性を有するために膨張展開時間も短く、またバースト
もしなかった。
【0033】実施例2 実施例1と同一の2種類のフィラメント糸を用いて、経
糸、緯糸が逆になるように構成した平組織の織物を製織
した。次いで、該織物を実施例1と同様に精練、乾燥お
よびヒートセットし、経糸と緯糸の仕上密度がともに5
5本/インチのエアバッグ用基布を得た。該エアバッグ
用基布の通気度を測定したところ、0.2kg/cm2
の圧力下で12.1cc/cm2 /secであった。し
かる後、実施例1と同様に60L容量の運転席用エアバ
ッグを作製した。
【0034】このようにして、得られたエアバッグの特
性を実施例1と同様に評価し、表2に示した。表2から
明らかなように、実施例のエアバッグは、エアバッグと
して必要な低通気性を有するために膨張展開時間も短
く、またバーストもしなかった。
【0035】
【0036】実施例 経糸に総繊度420デニール、72フィラメント、強度
9.8g/デニール、伸度22%、180℃乾熱収縮率
2%のナイロン6・6繊維からなるフィラメント糸を用
い、緯糸に総繊度210デニール、36フィラメント、
強度9.8g/デニール、伸度22%、180℃乾熱収
縮率2%のナイロン6・6繊維のフィラメント糸と総繊
度210デニール、72フィラメント、強度9.3g/
デニール伸度16%、180℃乾熱収縮率8%のポリエ
チレンテレフタレート繊維のフィラメント糸を引き揃え
たフィラメント糸を用い、レピア織機にて織密度が経糸
54本/インチ緯糸52本/インチの平組織の織物を製
織した。ついで該織物を180℃で1分間ヒートセット
し、経糸と緯糸の仕上密度がともに55本/inのエア
バッグ用基布を得た。該エアバッグ用基布の緯方向の分
解糸のクリンプ率を測定したところ、該ナイロン6・6
フィラメント糸が6.0%、該ポリエチレンテレフタレ
ートフィラメント糸が4.0%であった。しかる後、実
施例1と同様に60L容量の運転席用エアバッグを作製
した。
【0037】このようにして、得られたノンコートエア
バッグの特性を実施例1と同様に評価し、表2に示し
た。表2からわかるように本発明のエアバッグは、エア
バッグとして必要な機械的特性を有するためにバースト
はしなかった。また基布の柔軟性、圧縮性があるために
人体への衝撃性の小さいものであった。
【0038】実施例 経糸として総繊度420デニール、72フィラメント、
強度9.8g/デニール、伸度22%、180℃乾熱収
縮率2%のナイロン6・6繊維からなるフィラメント糸
と総繊度420デニール、144フィラメント、強度
9.3g/デニール、伸度16%、180℃乾熱収縮率
8%のポリエチレンテレフタレート繊維のフィラメント
糸を、該ナイロン6・6フィラメント糸2本おきに該ポ
リエチレンテレフタレートフィラメント糸が1本配列さ
れた経糸を用い、緯糸についても該ナイロン6・6フィ
ラメント糸2本おきに該ポリエチレンテレフタレートフ
ィラメント糸が1本配列されるように、レピア織機にて
緯入れし、経糸と緯糸の織密度がともに54本/インチ
の平組織の織物を製織した。ついで該織物を180℃で
1分間ヒートセットし、経糸と緯糸の仕上密度がともに
55本/inのエアバッグ用基布を得た。該エアバッグ
用基布の経方向の分解糸のクリンプ率を測定したとこ
ろ、該ナイロン6・6フィラメント糸が13.0%、該
ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸が11.5
%であった。また緯方向の分解糸のクリンプ率を測定し
たところ、該ナイロン6・6フィラメント糸が5.5
%、該ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸が
3.5%であった。しかる後、実施例1と同様に60L
容量の運転席用エアバッグを作製した。
【0039】このようにして、得られたノンコートエア
バッグの特性を実施例1と同様に評価し、表2に示し
た。表2からわかるように本発明のエアバッグは、エア
バッグとして必要な機械的特性を有するためにバースト
はしなかった。また基布の柔軟性、圧縮性があるために
人体への衝撃性の小さいものであった。
【0040】実施例 経糸に総繊度420デニール、72フィラメント、強度
9.8g/デニール、伸度22%、180℃乾熱収縮率
2%のナイロン6・6繊維からなるフィラメント糸を用
い、緯糸として総繊度420デニール、72フィラメン
ト、強度9.8g/デニール、伸度22%、180℃乾
熱収縮率2%のナイロン6・6繊維のフィラメント糸と
総繊度420デニール、144フィラメント、強度9.
3g/デニール、伸度16%、180℃乾熱収縮率8%
のポリエチレンテレフタレート繊維のフィラメント糸
を、レピア織機にて1本ずつ交互に緯入れし、織密度が
経糸54本/インチ、緯糸53本/インチの平組織の織
物を製織した。ついで該織物を180℃で1分間ヒート
セットし、経糸と緯糸の仕上密度がともに55本/イン
チのエアバッグ用基布を得た。該エアバッグ用基布の緯
方向の分解糸のクリンプ率を測定したところ、該ナイロ
ン6・6フィラメント糸が5.0%、該ポリエチレンテ
レフタレートフィラメント糸が4.0%であった。しか
る後、実施例1と同様に60L容量の運転席用エアバッ
グを作製した。
【0041】このようにして、得られたノンコートエア
バッグの特性を実施例1と同様に評価し、表2に示し
た。表2からわかるように本発明のエアバッグは、エア
バッグとして必要な機械的特性を有するためにバースト
はしなかった。また基布の柔軟性、圧縮性があるために
人体への衝撃性の小さいものであった。
【0042】比較例1 総繊度420デニール、72フィラメント、強度9.8
g/デニール、伸度22%、180℃乾熱収縮率2%の
ナイロン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、ウ
ォータージェット織機にて経糸と緯糸の織密度がともに
54本/インチの平組織の織物を製織した。しかる後、
これらの織物を実施例1と同様にヒートセットし、経糸
と緯糸の仕上密度がともに55本/インチのエアバッグ
用基布を得た。しかる後、実施例1と同様に60L容量
の運転席用エアバッグを作製した。
【0043】このようにして、得られたエアバッグの特
性を実施例1と同様に評価し、表1に示した。表1から
もわかるように、比較例1のエアバッグは、エアバッグ
として必要な機械的特性を有するためにバーストはしな
かったが、実施例1〜に比べると、基布の柔軟性、圧
縮性がないために、人体への衝撃性が大きかった。
【0044】比較例2 総繊度420デニール、144フィラメント、強度9.
3g/デニール、伸度16%、180℃乾熱収縮率8%
のポリエチレンテレフタレート繊維のフィラメント糸を
用い、ウォータージェットルームにて経糸と緯糸の織密
度がともに53本/インチの平組織の織物を製織した。
しかる後、これらの織物を実施例1と同様にヒートセッ
トし、経糸と緯糸の仕上密度がともに55本/inのエ
アバッグ用基布を得た。しかる後、実施例1と同様に6
0L容量の運転席用エアバッグを作製した。
【0045】このようにして、得られたエアバッグの特
性を実施例1と同様に評価し、表2に示した。表2から
わかるように、比較例2のエアバッグは、エアバッグと
して必要な機械的特性を有するためにバーストはしなか
ったが、実施例1〜に比べると、基布の柔軟性、圧縮
性がないために、人体への衝撃性が大きかった。
【0046】
【0047】
【0048】実施例 経糸に総繊度420デニール、72フィラメント、強度
9.4g/デニール、伸度23%、沸騰水中収縮率5%
のナイロン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、
緯糸として総繊度420デニール、72フィラメント、
強度9.4g/デニール、伸度23%、沸騰水中収縮率
5%のナイロン6・6繊維のフィラメント糸と総繊度4
20デニール、144フィラメント、強度9.1g/デ
ニール、伸度15%、沸騰水中収縮率1%のポリエチレ
ンテレフタレート繊維のフィラメント糸を、レピア織機
にて1本ずつ交互に緯入れし、織密度が経糸54本/イ
ンチ、緯糸53本/インチの平組織の織物を製織した。
ついで該織物をアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.
5g/lを含んだ95℃温水浴中に3分間浸漬した後、
130℃で3分間乾燥させ、次いで160℃で30秒間
ヒートセットし、経糸と緯糸の仕上密度がともに55本
/インチのエアバッグ用基布を得た。該エアバッグ用基
布の緯方向の分解糸のクリンプ率を測定したところ、該
ナイロン6・6フィラメント糸が3.5%、該ポリエチ
レンテレフタレートフィラメント糸が4.5%であっ
た。しかる後、実施例1と同様に60L容量の運転席用
エアバッグを作製した。
【0049】このようにして、得られたノンコートエア
バッグの特性を実施例1と同様に評価し、表2に示し
た。表2からわかるように本発明のエアバッグは、エア
バッグとして必要な機械的特性を有するためにバースト
はしなかった。また基布の柔軟性、圧縮性があるために
人体への衝撃性の小さいものであった。
【0050】比較例3 総繊度420デニール、72フィラメント、強度9.4
g/デニール、伸度23%、沸騰水中収縮率5%のナイ
ロン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、ウォー
タージェット織機にて経糸と緯糸の織密度がともに54
本/インチの平組織の織物を製織した。しかる後、これ
らの織物を実施例と同様に精練、乾燥およびヒートセ
ットし、経糸と緯糸の仕上密度がともに55本/インチ
のエアバッグ用基布を得た。しかる後、実施例1と同様
に60L容量の運転席用エアバッグを作製した。
【0051】このようにして、得られたエアバッグの特
性を実施例1と同様に評価し、表2に示した。表2から
わかるように、比較例3のエアバッグは、エアバッグと
して必要な機械的特性を有するためにバーストはしなか
ったが、実施例に比べると、基布の柔軟性、圧縮性が
ないために、人体への衝撃性が大きかった。
【0052】比較例4 総繊度420デニール、144フィラメント、強度9.
1g/デニール、伸度15%、沸騰水中収縮率1%のポ
リエチレンテレフタレート繊維のフィラメント糸を用
い、ウォータージェットルームにて経糸と緯糸の織密度
がともに53本/インチの平組織の織物を製織した。し
かる後、これらの織物を実施例と同様に精練、乾燥お
よびヒートセットし、経糸と緯糸の仕上密度がともに5
5本/inのエアバッグ用基布を得た。しかる後、実施
例1と同様に60L容量の運転席用エアバッグを作製し
た。
【0053】このようにして、得られたエアバッグの特
性を実施例1と同様に評価し、表2に示した。表2から
わかるように、比較例のエアバッグは、エアバッグと
して必要な機械的特性を有するためにバーストはしなか
ったが、実施例に比べると、基布の柔軟性、圧縮性が
ないために、人体への衝撃性が大きかった。
【0054】実施例 経糸に総繊度315デニール、72フィラメント、強度
9.5g/デニール、伸度23%、180℃乾熱収縮率
1.5%のナイロン6・6繊維からなるフィラメント糸
を用い、緯糸に総繊度210デニール、72フィラメン
ト、強度9.1g/デニール、伸度18%、180℃乾
熱収縮率7%のポリエチレンテレフタレート繊維のフィ
ラメント糸と総繊度105デニール、36フィラメン
ト、強度9.5g/デニール、伸度23%、180℃乾
熱収縮率1.5%のナイロン6・6繊維のフィラメント
糸を引き揃えたフィラメント糸を用い、レピア織機にて
織密度が経糸62本/インチ、緯糸61本/インチの平
組織の織物を製織した。ついで該織物を180℃で1分
間ヒートセットし、経糸と緯糸の仕上密度がともに63
本/インチのエアバッグ用基布を得た。該エアバッグ用
基布の緯方向の分解糸のクリンプ率を測定したところ、
該ナイロン6・6フィラメント糸が5.5%、該ポリエ
チレンテレフタレートフィラメント糸が4.0%であっ
た。しかる後、実施例1と同様に60L容量の運転席用
エアバッグを作製した。
【0055】このようにして、得られたノンコートエア
バッグの特性を実施例1と同様に評価し、表2に示し
た。表2からわかるように本発明のエアバッグは、エア
バッグとして必要な機械的特性を有するためにバースト
はしなかった。また基布の柔軟性、圧縮性があるために
人体への衝撃性の小さいものであった。
【0056】比較例5 総繊度315デニール、72フィラメント、強度9.5
g/デニール、伸度23%、180℃乾熱収縮率1.5
%のナイロン6・6繊維からなるフィラメント糸を用
い、エアジェットルームにて経糸と緯糸の織密度がとも
に62本/インチの平組織の織物を製織した。しかる
後、これらの織物を実施例と同様にヒートセットし、
経糸と緯糸の仕上密度がともに63本/インチのエアバ
ッグ用基布を得た。しかる後、実施例1と同様に60L
容量の運転席用エアバッグを作製した。 このようにし
て、得られたエアバッグの特性を実施例1と同様に評価
し、表2に示した。表2からわかるように、比較例5の
エアバッグは、エアバッグとして必要な機械的特性を有
するためにバーストはしなかったが、実施例に比べる
と、基布の柔軟性、圧縮性がないために、人体への衝撃
性が大きかった。
【0057】実施例 経糸として総繊度210デニール、36フィラメント、
強度9.3g/デニール、伸度25%、180℃乾熱収
縮率2.5%のナイロン6繊維のフィラメント糸と総繊
度210デニール、72フィラメント、強度9.2g/
デニール、伸度17%、180℃乾熱収縮率9%のポリ
エチレンテレフタレート繊維のフィラメント糸が1本お
きに交互に配列された経糸を用い、緯糸についても該ナ
イロン6フィラメント糸と該ポリエチレンテレフタレー
トフィラメント糸が1本おきに交互に配列されるように
レピア織機にて緯入れし、経糸と緯糸の織密度がともに
71本/インチの平組織の織物を製織した。ついで該織
物を180℃で1分間ヒートセットし、経糸と緯糸の仕
上密度がともに74本/インチのエアバッグ用基布を得
た。該エアバッグ用基布の経方向の分解糸のクリンプ率
を測定したところ、該ナイロン6・6フィラメント糸が
12.0%、該ポリエチレンテレフタレートフィラメン
ト糸が9.5%であった。また緯方向の分解糸のクリン
プ率を測定したところ、該ナイロン6・6フィラメント
糸が4.5%、該ポリエチレンテレフタレートフィラメ
ント糸が3.5%であった。しかる後、実施例1と同様
に60L容量の運転席用エアバッグを作製した。
【0058】このようにして、得られたノンコートエア
バッグの特性を実施例1と同様に評価し、表2に示し
た。表2からわかるように本発明のエアバッグは、エア
バッグとして必要な機械的特性を有するためにバースト
はしなかった。また基布の柔軟性、圧縮性があるために
人体への衝撃性の小さいものであった。
【0059】比較例6 総繊度210デニール、36フィラメント、強度9.3
g/デニール、伸度25%、180℃乾熱収縮率2.5
%のナイロン6繊維からなるフィラメント糸を用い、レ
ピア織機にて経糸と緯糸の織密度がともに72本/イン
チの平組織の織物を製織した。しかる後、これらの織物
を実施例と同様にヒートセットし、経糸と緯糸の仕上
密度がともに74本/インチのエアバッグ用基布を得
た。しかる後、実施例1と同様に60L容量の運転席用
エアバッグを作製した。
【0060】このようにして、得られたエアバッグの特
性を実施例1と同様に評価し、表2に示した。表2から
わかるように、比較例のエアバッグは、エアバッグと
して必要な機械的特性を有するためにバーストはしなか
ったが、実施例に比べると、基布の柔軟性、圧縮性が
ないために、人体への衝撃性が大きかった。
【0061】比較例7 総繊度210デニール、72フィラメント、強度9.2
g/デニール、伸度17%、180℃乾熱収縮率9%の
ポリエチレンテレフタレート繊維からなるフィラメント
糸を用い、レピア織機にて経糸と緯糸の織密度がともに
72本/インチの平組織の織物を製織した。しかる後、
これらの織物を実施例8と同様にヒートセットし、経糸
と緯糸の仕上密度がともに74本/インチのエアバッグ
用基布を得た。しかる後、実施例1と同様に60L容量
の運転席用エアバッグを作製した。 このようにして、
得られたエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し、
表2に示した。表2からわかるように、比較例のエア
バッグは、エアバッグとして必要な機械的特性を有する
ためにバーストはしなかったが、実施例に比べると、
基布の柔軟性、圧縮性がないために、人体への衝撃性が
大きかった。
【0062】
【表1】
【表2】
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、エアバッグ膨脹による
人体への衝撃を小さくすることができることで顔面擦過
やエアバッグ膨脹による反発を受けて車輛構造物に衝突
して負傷する危険率の少ないエアバッグが得られること
から、エアバッグによる乗員保護システムを普及させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本発明のエアバッグの1例を示す断
面図である。
【図2】この図は、衝撃性を測定する測定装置の概略図
である。
【符号の説明】
1:人体接触側基布 2:インフレーター側基布 3:インフレーター取り付け口 4:ベントホール部 5:エアバッグ 6:極薄ゴム風船 7:振り子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−128836(JP,A) 特開 平4−163252(JP,A) 特開 平8−199448(JP,A) 特開 平7−9931(JP,A) 実開 平6−87104(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 1/00 - 27/18 B60R 21/16

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】織物からなるエアバッグ用基布において、
    織物を構成する経糸および緯糸のいずれか一方がポリア
    ミド系繊維糸条からなり、他方がポリエステル系繊維糸
    条からなることを特徴とするエアバッグ用基布。
  2. 【請求項2】織物からなるエアバッグ用基布において、
    織物を構成する経糸および緯糸のいずれか一方がポリア
    ミド系繊維糸条またはポリエステル系繊維糸条からな
    り、他方がポリアミド系繊維糸条とポリエステル系繊維
    糸条との引揃え糸条からなることを特徴とするエアバッ
    グ用基布。
  3. 【請求項3】織物からなるエアバッグ用基布において、
    織物を構成する経糸および緯糸の少なくとも一方がポリ
    アミド系繊維糸条とポリエステル系繊維糸条とからなっ
    ているとともにポリアミド系繊維糸条とポリエステル系
    繊維糸条とが交互に配列されていることを特徴とするエ
    アバッグ用基布。
  4. 【請求項4】織物からなるエアバッグ用基布において、
    織物を構成する経糸および緯糸のいずれか一方がポリア
    ミド系繊維糸条またはポリエステル系繊維糸条からな
    り、他方がポリアミド系繊維糸条とポリエステル系繊維
    糸条とからなっているとともにポリアミド系繊維糸条と
    ポリエステル系繊維糸条とが交互に配列されていること
    を特徴とするエアバッグ用基布。
  5. 【請求項5】該ポリアミド系繊維糸条および該ポリエス
    テル系繊維糸条のいずれか一方の繊維糸条1〜3本と、
    他方の繊維糸条1本とが交互に配列されている、請求項
    またはに記載のエアバッグ用基布。
  6. 【請求項6】該エアバッグ用基布が、該ポリエステル系
    繊維糸条を10〜90重量%の範囲内で含んでいる、請
    求項1〜のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  7. 【請求項7】該エアバッグ用基布が、該ポリエステル系
    繊維糸条を30〜70重量%の範囲内で含んでいる、請
    求項1〜のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  8. 【請求項8】該ポリアミド系繊維糸条と該ポリエステル
    系繊維糸条との、180℃における乾熱収縮率の差およ
    び沸騰水中における収縮率の差の少なくとも一方の差が
    2%以上である、請求項1〜のいずれかに記載のエア
    バッグ用基布。
  9. 【請求項9】180℃における乾熱収縮率が、該ポリア
    ミド系繊維糸条においては1〜5%の範囲内にあり、該
    ポリエステル系繊維糸条においては3〜10%の範囲内
    にある、請求項に記載のエアバッグ用基布。
  10. 【請求項10】該ポリエステル系繊維糸条の180℃に
    おける乾熱収縮率が、該ポリアミド系繊維糸条のそれよ
    りも2%以上大きい、請求項に記載のエアバッグ用基
    布。
  11. 【請求項11】沸騰水中での収縮率が、該ポリアミド系
    繊維糸条においては3〜10%の範囲内にあり、該ポリ
    エステル系繊維糸条においては0.5〜5%の範囲内に
    ある、請求項に記載のエアバッグ用基布。
  12. 【請求項12】該ポリアミド系繊維糸条の沸騰水中にお
    ける収縮率が、該ポリエステル系繊維糸条のそれよりも
    2%以上大きい、請求項11に記載のエアバッグ用基
    布。
  13. 【請求項13】経糸および緯糸は、単糸繊度が0.3〜
    7.0デニールの範囲内にあり、かつ、総繊度が100
    〜700デニールの範囲内にあるマルチフィラメント糸
    条からなり、引張強度が5g/d以上である、請求項1
    12のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  14. 【請求項14】カバーファクターが1,700〜2,5
    00の範囲内にある、請求項1〜13のいずれかに記載
    のエアバッグ用基布。
  15. 【請求項15】付が500g/m2 以下で、さが1
    mm以下である、請求項1〜14のいずれかに記載のエ
    アバッグ用基布。
  16. 【請求項16】請求項1〜15のいずれかに記載のエア
    バッグ用基布を有することを特徴とするエアバッグ。
  17. 【請求項17】なくとも人体への接触側が、請求項1
    16のいずれかに記載のエアバッグ用基布を用いて構
    成されていることを特徴とするエアバッグ。
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